JP3053230B2 - カラー受像管 - Google Patents

カラー受像管

Info

Publication number
JP3053230B2
JP3053230B2 JP3047147A JP4714791A JP3053230B2 JP 3053230 B2 JP3053230 B2 JP 3053230B2 JP 3047147 A JP3047147 A JP 3047147A JP 4714791 A JP4714791 A JP 4714791A JP 3053230 B2 JP3053230 B2 JP 3053230B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electron beam
bridge
picture tube
shadow mask
color picture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3047147A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04284335A (ja
Inventor
拓 浦田
敏尚 曽根
和則 中根
和則 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP3047147A priority Critical patent/JP3053230B2/ja
Publication of JPH04284335A publication Critical patent/JPH04284335A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3053230B2 publication Critical patent/JP3053230B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】[発明の目的]
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラー受像管に係り、
特にシャドウマスクの電子ビーム透過孔パターンに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、シャドウマスク型カラー受像管
は、図9に示すように、実質的に矩形状のパネル1 とフ
ァンネル2 からなる外囲器から構成され、パネル1 の内
面に赤、緑、青に発光し垂直方向(Y方向)に切れ目の
ないストライプ型蛍光体群からなる蛍光面3 と、この蛍
光面3 に近接対向して多数のスリット型電子ビーム透過
孔の形成されたシャドウマスク4 が配置され、ファンネ
ル2 のネック5 内に水平軸(X軸)と一致して一列上に
配列された3電子ビームBR,BG,BBを放出するインライン
型電子銃6 が内装されている。
【0003】また、図10に示すように、シャドウマス
ク4 の電子ビーム透過孔7 は、実質的に矩形状で、その
長手方向が垂直軸(Y軸)と平行な方向にブリッジ8 を
介して多数配列され、この透過孔列が水平方向(X方
向)に多数列配列されている。そして蛍光面は、シャド
ウマスク4 の電子ビーム透過孔7 を介して長光源による
露光法を用いて、パネル内面にシャドウマスク4 のブリ
ッジ8 の影が生じないように形成される。また、隣接す
る透過孔列間で電子ビーム透過孔7 の位置を規則的に1
/2ピッチ(PV /2)だけずらすようにして、シャド
ウマスク4 として必要な強度の確保を行なっているもの
が一般的である。
【0004】ところで、上述のシャドウマスク型カラー
受像管では、電子ビームが水平方向に走査され走査線と
なるが、この走査線とシャドウマスクによる電子ビーム
の影によるビートによって画像が明暗の縞模様を生じ、
画像品位を著しく損なう場合がある。一般に、これはモ
アレ縞と呼ばれており、モアレ縞が著しくならないよう
に、シャドウマスクの電子ビーム透過孔の垂直方向間隔
V や、ブリッジの幅bが設計される。
【0005】一般に、透過孔列中の電子ビーム透過孔の
垂直方向ピッチをPV 、シャドウマスク上での走査線間
隔をSとすると、透過孔列の電子ビーム透過率A(y)
及び走査線の輝度波形B(y)は、それぞれ次式のよう
になる。
【0006】
【数1】
【0007】
【数2】 これより、透過孔列を透過した走査線の輝度I(y)
は、次式のようになる。
【0008】
【数3】
【0009】この(3)式の最後の項がモアレを表わし
ている。これはnとmの値によって異なり、(n,m)
が定められたとき1つ定まる。そこで、ある(n,m)
の組に対応するモアレ縞をモード(n,m)のモアレと
称する。(3)式は直交関数であり、モード(n,m)
のモアレの項を単独項として良いから、
【0010】
【数4】 として扱ってよい。Un,m (y)は、モード(n,m)
のモアレを表わすy方向の関数である。モアレのピッチ
n,m
【0011】
【数5】 また、明暗の変調度Mn,m
【0012】
【数6】 で表わされる。通常、隣接する透過孔列間で電子ビーム
透過孔は1/2ピッチずれているが、これは以下の理由
による。 (2)式で、シャドウマスクピッチPV が、Δyだけず
れた場合、
【0013】
【数7】 とする。このような電子ビーム透過孔を透過した走査線
の輝度I´(y)のモアレの項は、
【0014】
【数8】 故に、
【0015】
【数9】 (4)´式において、(4)式の逆相となるためには、
ピッチのずれΔyによって生じた2πΔyn/PV が、
π,3π,5π…となればよいから、Δy=PV /2の
とき、n=1,3,5,…となり、相隣り合う透過孔列
が1/2ピッチずれていれば、nが奇数モードのとき相
打ち消し合うことになる。
【0016】従って、上述のように、相隣り合う透過孔
列が1/2ピッチずれていれば、モアレ縞として発生す
るモードはnが偶数のモードで、一般的には、(2,1) ,
(2,2) ,(2,3) あたりまでが、モアレ縞として良く認識
されると言われている。そのため、縦方向ピッチPV
調整し、各モードのモアレ縞の明暗強度が上がらないよ
うに設計がなされてきた。
【0017】しかしながら、放送方式が異なるものの共
用化(例えば、PAL方式とNTSC方式の共用化)を
図る場合には、走査線本数が両者で異なるため、モアレ
縞が両方とも著しくならないレベルに設定しなければな
らず、妥協設計となり、どちらかが容認できないレベル
であれば、共用化は不可能になる。
【0018】また、一般民生用VTRで静止画を映示し
た場合には、走査線本数は一般放送に比較して半分にな
る。この場合にも妥協設計が成されるが、一般放送が優
先され、結果的に静止画は従になることもある。ところ
で、このようなモアレ縞について、種々改善がなされて
きた。
【0019】数多くみられるのは、隣り合う電子ビーム
透過孔の垂直方向の配列の位置ずれΔyを変えるもので
あり、例えば、特公昭57-50338号公報や特開昭52-12526
8 号公報に記載のものがある。しかしながら、規則的に
Δyをずらした場合、斜方向のモアレ縞が発生し、数種
類のΔyを用いた場合でも部分的なモアレ縞が発生す
る。一方、近年カラー受像管の大型化及び電子銃の性能
改良により、水平走査線の明暗がよりはっきりとするよ
うになり、モアレ縞が目立ちやすくなってきた。
【0020】さて、基本的に、このモアレ縞は、電子ビ
ーム透過孔の垂直方向長さが、そこを透過する電子ビー
ムの垂直方向径よりも小さければ発生しないし、逆に電
子ビーム透過孔の垂直方向長さが非常に大きい場合にも
発生しない。すなわち、シャドウマスクによる電子ビー
ムの影が生じなければモアレ縞は発生しない。しかしな
がら、次の問題点がある。
【0021】シャドウマスクは、画面全体に、赤、緑、
青の蛍光体ストライプに良好に電子ビームが射突するよ
うに曲面成形がなされる。通常この加工は、プレス加工
が用いられる。このプレス加工は、シャドウマスクに15
〜25 kgf/mm2 の力を加えて塑性加工される。しかし、
ブリッジの幅が細い場合には、このプレスの際にブリッ
ジが伸びてしまい良好な曲面が得られないばかりか、こ
のブリッジが切れてしまうことがある。また、電子ビー
ム透過孔の垂直方向長さを小さくしていくと、前述のよ
うにブリッジ幅はある程度以上細くできないため、電子
ビームのシャドウマスク透過率が劣化し、画面輝度が得
られなくなる。一方、逆に電子ビーム透過孔の垂直方向
長さが非常に大きい場合には、シャドウマスク全体の横
方向の繋がりが粗となるため、上述のプレス加工ができ
ない。
【0022】そのため、曲面成形を塑性加工ではなく、
シャドウマスクの周辺部で外方向に平面的に引っ張るス
トレッチ方式になってしまう。ストレッチ方式の場合、
シャドウマスクの曲面は平面状または円筒面状に限定さ
れてしまい、真空強度を保つためバルブコストが高くつ
き、かつ、ストレッチ方式自体複雑でシャドウマスク構
体として割高なため、総合するとチューブコストは非常
に高いものになってしまう。
【0023】そこで、特開昭55-124930 号公報には、ブ
リッジの幅を所定位置で異ならしめることにより、シャ
ドウマスクの機械的強度を保ちつつ、幅を小さくした分
だけモアレ縞の発生を軽減するものが記載されている。
【0024】しかしながら、特開昭55-124930 号公報に
記載のものでも、ブリッジ幅を異ならしめる位置は、放
送方式である程度決定される。そこで、上述のような放
送方式が異なるものの共用化(例えば、PAL方式とN
TSC方式の共用化)を企てる場合には、走査線本数が
両者で異なるため、モアレ縞が両方とも著しくならない
レベルに設定しなければならず、やはり妥協設計とな
り、どちらかが容認できないレベルであれば、共用化は
不可能になる。
【0025】従って、上述のように、相隣り合う透過孔
列が1/2ピッチずれていれば、モアレ縞として発生す
るモードはnが偶数のモードで、一般的には、(2,1) ,
(2,2) ,(2,3) あたりまでが、モアレ縞として良く認識
されると言われている。そのため、垂直方向ピッチPV
を調整し、各モードのモアレ縞の明暗強度が上がらない
ように設計がなされてきた。
【0026】しかしながら、上述のように、カラー受像
管の大型化及び電子銃の高性能化に伴い、モアレ縞の明
暗強度が上がってきているため、従来では見られなかっ
た(4,1) ,(4,2) ,(4,3) といった高次のモードも問題
となってきている。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】結局、以上述べたよう
に、現在の画面品位を維持し、モアレ縞に左右されない
シャドウマスクの電子ビーム透過孔パターンを得ること
は難しく、このことはカラー受像管の大型化及びフォー
カス品位向上とともにさらに厳しくなってきており、基
本的に現在の構造では妥協設計に依存しているのが実状
である。本発明は、上記問題点に鑑み、モアレ縞を基本
的になくしたカラー受像管を提供するものである。[発
明の構成]
【0028】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、複数の電子ビーム透過孔が第1の方向に
複数個配列された透過孔列を有し、この透過孔列が前記
第1の方向と直交する第2の方向に複数列配列されたシ
ャドウマスクを具備するカラー受像管において、前記透
過孔列は、少なくとも2個の電子ビーム透過孔からなる
電子ビーム透過孔群が第1のブリッジによって区切られ
前記第1の方向に所定ピッチで配列されてなり、隣接透
過孔列間で前記電子ビーム透過孔群は1/2ピッチずれ
ており、前記透過孔群内の電子ビーム透過孔を区切る第
2のブリッジの幅および高さは前記第1のブリッジに比
し小さくなっていることを特徴とする。
【0029】
【作用】シャドウマスクを上述の構成とすることによ
り、プレスによるマスク成形に耐えうる強度をもち、か
つ、電子ビーム透過孔の垂直方向長さの設定を、画面輝
度を分離して、自由に電子ビームの垂直方向径に応じて
可変することが可能となり、実質的にモアレ現象を認識
できないレベルに設定することが可能となる。
【0030】一方、本発明によると、従来設計に対応す
る透過孔群に加えて透過孔群内に透過孔パターンを有す
るため、従来は電子ビーム透過孔の垂直方向ピッチとブ
リッジの幅しか設計パラメータがなかったモアレ現象に
対して、透過孔群内の小さな透過孔の垂直方向ピッチや
透過孔群内の透過孔形状をよりモアレ改善の方向で設計
できるため、設計自由度が増し、高次のモードのモアレ
に対して、より改善されたカラー受像管となし得る。
【0031】
【実施例】以下、図面を参照しつつ本発明の実施例につ
いて詳細に説明する。なお、シャドウマスクの電子ビー
ム透過孔パターン以外は、従来のカラー受像管と同様
で、実質的に矩形状のパネルとファンネルからなる外囲
器から構成され、前記パネルの内面に赤、緑、青に発光
し垂直方向(Y方向)に切れ目のないストライプ型蛍光
体群からなる蛍光面と、この蛍光面に近接対向して多数
のスリット型電子ビーム透過孔の形成されたシャドウマ
スクが配置され、前記ファンネルのネック内に水平軸
(X軸)と一致して一列上に配列された3電子ビームを
放出するインライン型電子銃が内装されている。
【0032】図1に示すように、シャドウマスク10の電
子ビーム透過孔11は実質的に矩形状をなし、第1のブリ
ッジ12と第1のブリッジ12に比し幅の小さい第2のブリ
ッジ13とによって互いに分離されている。このシャドウ
マスク10は板厚が0.10〜0.30mm程度であり、低炭素鋼や
例えばアンバー材のような低膨脹材よりなる。第1のブ
リッジはその幅w1 が0.120 〜0.150 mmであり、この第
1のブリッジ12で区切られるなかには電子ビーム透過孔
11が3つあり、電子ビーム透過孔群14を形成している。
電子ビーム透過孔群14の中の個々の電子ビーム透過孔11
どうしは0.050〜0.090 mm程度の幅w2 を有する第2の
ブリッジ13によって区切られている。
【0033】電子ビーム透過孔群14は、垂直方向間隔す
なわちピッチPGVでその長手方向が垂直軸と平行な方向
に多数配列され透過孔列15をなし、この透過孔列15が水
平方向に水平ピッチPH の間隔で多数配列されている。
そして隣接する透過孔列において電子ビーム透過孔群14
は1/2PGVだけずれている。例えば29インチ110°偏
向カラー受像管ではPGVは1.15mm付近であり、またPH
は0.8 〜0.9 mm程度に設定される。また、前述の29イン
チ110 °偏向カラー受像管では、電子ビーム透過孔群14
内の電子ビーム透過孔11の垂直方向長さlV は0.28mmに
設定されており、電子ビーム透過孔群14内の電子ビーム
透過孔11のピッチPVSは0.36mmになっている。
【0034】さらに、本発明によるシャドウマスクの垂
直方向の断面は図2(a)に示すようになる。第1のブ
リッジ12は幅がw1 でその高さh1 がシャドウマスクの
板厚分だけあるが、第2のブリッジ13は、幅がw2 でそ
の高さh2 が第1のブリッジ12の高さの半分程度になっ
ている。このような構成とすることにより、第2のブリ
ッジ13による電子ビームの透過率の劣化を抑えることが
できる。すなわち、第1及び第2のブリッジ12,13 が共
にシャドウマスクの板厚分の高さを有していると、第2
のブリッジの側壁によって透過孔群に入射した電子ビー
ムの透過率が低下する。しかし、図2のように第2のブ
リッジ13の高さh2 を小さくすると、電子ビームの透過
率低下の原因となっているブリッジ側壁の影響を小さく
することができる。この様な断面を有するシャドウマス
クは、エッチングによって形成することができる。すな
わち、電子ビーム透過孔を形成する際、大きな開孔径と
なるスクリーン側と電子銃側の両方からエッチングして
いくが、第2のブリッジはその幅が小さいためエッチン
グの際削られて板厚の半分程度になる。
【0035】本発明では、従来のカラー受像管における
設計に対応する透過孔群に加えて、透過孔群内に所定の
透過孔パターンを有するため、上述の高次モードのモア
レについても対応可能である。以下、高次モードのモア
レに対する作用について説明する。すなわち、図3
(a)に示すように、透過孔群内に2つの透過孔を有す
る場合、模式的に図3(b)とおき、この場合のスリッ
トの透過率を考えると、
【0036】
【数10】 ただし、PGV=PV1+PV2 このとき、
【0037】
【数11】 ただし、μ=PV1/(PV1+PV2) ここで、(6)式より、an =0ならば、Mn,m =0と
なる。モアレ縞の明暗度の強度を示すコントラスト比C
【0038】
【数12】 で示され、Mn,m =0ならば、C=1となり、モアレ縞
は認識できないことになる。 (8)式中an =0となるためには、cosnπμ=0
より、 nπμ=π/2,3π/2π,5π/2,… となる。nが偶数モードでは、 n=4でμ=1/8,3/8(μ=5/8と3/8は同
じ) n=6でμ=1/12,3/12,5/12となり、μ
の値、PV1とPV2のバランスをとることにより、高次の
モアレ縞を対策することが可能となる。
【0039】次に透過孔群内に3つの透過孔を有する場
合について説明する。図4(a)に透過孔パターンを示
す。これは一つの透過孔群の中に大きい透過孔を小さい
透過孔を2つ有している場合である。このような場合の
透過率のパターンは図4(b)に示すようになり、大き
い透過孔の長さをq、透過孔群の縦方向ピッチをPGV
すると、大きい透過孔の占有比q/PGVを横軸に、コン
トラスト比を縦軸にとり、n=2,4,6の各モードの
曲線をとると、図4(c)のようになる。ただし、各モ
ードともq/PGV=0を同じとなるように規格化した。
q/PGVが0.5 のときには、n=2とn=6の各モード
のコントラスト比を1にできるが、n=4のモードは最
大になる。また、q/PGVが0.36のときには、n=2と
n=4の各モードが小さく、n=6がやや大きくなって
いる。したがって、出現するモアレ縞のパターンによっ
て、q/PGVを選択し対応することが可能となる。図1
に示すパターンでは、q/PGV=0.24となり、図4
(c)から、n=4とn=6の各モードが小さく、n=
2がやや大きくなっている。
【0040】このように構成されたシャドウマスクを用
いた場合について、29インチ110 °偏向カラー受像管を
例にとり、従来のものと比較して説明する。なお、従来
のカラー受像管にはPV =1.15mm、ブリッジ幅0.15mmの
ものを用いた。走査線本数は、NTSC方式の場合には
525 本であり、画像信号を含む有効走査線本数は485本
である。また、民生用受像管では108 %のオーバースキ
ャンにて映示されるため、29インチサイズのカラー受像
管では、垂直方向のスクリーンサイズが412 mmであるか
ら、走査線間隔は1.09mmとなる。一方、電子ビームの垂
直方向径は陽極を通じてカラー受像管を流れる陽極電流
によって変化する。すなわち画面を明るくするために陽
極電流を増せば、電子ビームはより大きな電子ビームと
なり、垂直方向径も大きくなる。従って、陽極電流を増
せば走査線幅は変化する。図5に示すように、画面にホ
ワイト信号を入れた場合の一色あたりの陽極電流Ibと
走査線幅Swの特性は、29インチサイズのカラー受像管
では、Ib=10μAでSw=0.8 mmであり、Ib=100
μAでSw=1.3 mmとなる。
【0041】さて、本発明のカラー受像管と従来のカラ
ー受像管を比較したところ、陽極電流Ib=10μAにお
いて、両者ともモアレ縞は識別できなかった。しかし、
次に、ビデオの静止画のような走査線本数が半分になり
走査線間隔が広がる1フィールドの画像の場合、従来の
カラー受像管では図6(a)に示すような画面中間部か
ら端にかけてモアレ縞が発生するが、本発明によるカラ
ー受像管では発生しなかった。
【0042】また、電子ビームの形状を偏平にするよう
にして電子ビームの垂直方向径が小さくなるように工夫
をこらした電子銃を種々用いて同様の実験を行った。こ
の結果、通常のホワイト信号に対して、従来のカラー受
像管では陽極Ib=10μAで走査線幅Sw=0.6 mmで図
6(b)に示すようなモアレ縞が出現するのに対して、
本発明ではSw=0.4 mmのものでもモアレ縞は確認でき
なかった。しかしながら、Sw=0.4 mmのものでは、1
フィールドの画像の場合、前述の図6(b)に示すよう
なモアレ縞が確認された。これは、コントラスト比が小
さくて確認できなかったモアレ縞が出現してきたものと
考えられる。
【0043】上述のように、本発明では透過孔群内のパ
ターンを変化させることにより種々のモアレ縞に対応で
きる。そこで、次に、より改良された実施例を図7に示
す。第1のブリッジ22で区切られた透過孔群内24には、
小さい透過孔21a と大きい透過孔21b を有し、透過孔間
は、第1のブリッジ22に比し幅の小さい第2のブリッジ
23で区切られている。小さい透過孔21a の中心から0.12
5 PGVのところに小さなブリッジ23が設定されている。
したがって、小さい透過孔21a の長さは0.29mm、大きい
透過孔21b の長さは0.32mmとなる。
【0044】このような構成のカラー受像管ではSw=
0.4 mmの走査線幅でもフィールド画像によるモアレ縞を
確認することはできなかった。これは前述したように、
図4(c)に示す真中の透過孔の長さが、透過孔群の長
さに対して0.25となり、n=4とn=2の各モードが抑
えられたことによる。
【0045】上記図1及び図7に示す実施例を合わせ
て、本発明では幅の小さい第2のブリッジが存在するた
め、10%程度の輝度低下は避けられないが、実際的には
蛍光体に射突する電子ビームの形状は、低電流時では図
8(a)に示すように個々に分離しているが、陽極電流
がIb=1mAを越えるあたりから図8(b)に示すよ
うに第2のブリッジで区切られていた電子ビームは繋が
りはじめる。さらに、上述のように第2のブリッジの高
さが第1のブリッジの高さに比し小さくなっているた
め、ピークにおける輝度は従来のカラー受像管に比べ5
%程度の輝度劣化にとどめることができる。
【0046】なお、上記実施例は、いずれも電子ビーム
透過孔群内の電子ビーム透過孔が3つのものについて説
明したが、上記図3及び図4の説明に基づき電子ビーム
透過孔群内の電子ビーム透過孔が2つ以上であれば、本
発明を実施できることは言うまでもない。
【0047】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、モアレ
縞を効果的に軽減でき、輝度の劣化を最少限にとどめる
ことができ、かつ設計パラメータが増えることにより、
状況に応じた対応が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すシャドウマスクの部分模
式図である。
【図2】図1におけるシャドウマスクのブリッジの様子
を説明するための垂直方向の部分断面図である。
【図3】本発明の作用を説明するための図である。
【図4】本発明の作用を説明するための図である。
【図5】電子ビームの陽極電流と走査線幅の関係を示す
特性図である。
【図6】カラー受像管に現れるモアレ縞の模式図であ
る。
【図7】本発明の他の実施例を示す部分模式図である。
【図8】本発明によるシャドウマスクを通過した電子ビ
ーム像を説明する模式図である。
【図9】カラー受像管の一般構成を示す断面図である。
【図10】従来のカラー受像管におけるシャドウマスク
の電子ビーム透過孔パターンを示す部分模式図である。
【符号の説明】
4,10…シャドウマスク 11,21a,21b…電子ビーム透過孔 12,22 …第1のブリッジ 13,23 …第2のブリッジ 14,24 …電子ビーム透過孔群 PGV…垂直方向ピッチ PH …水平方向ピッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 和則 埼玉県深谷市幡羅町一丁目9番地2号 株式会社東芝 深谷ブラウン管工場内 (56)参考文献 特開 昭55−124930(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 29/07

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の電子ビーム透過孔が第1の方向に
    複数個配列された透過孔列を有し、この透過孔列が前記
    第1の方向と直交する第2の方向に複数列配列されたシ
    ャドウマスクを具備するカラー受像管において、前記透
    過孔列は、少なくとも2個の電子ビーム透過孔からなる
    電子ビーム透過孔群が第1のブリッジによって区切られ
    前記第1の方向に所定ピッチで配列されてなり、隣接透
    過孔列間で前記電子ビーム透過孔群は1/2ピッチずれ
    ており、前記透過孔群内の電子ビーム透過孔を区切る第
    2のブリッジの幅および高さは前記第1のブリッジに比
    し小さくなっていることを特徴とするカラー受像管。
JP3047147A 1991-03-13 1991-03-13 カラー受像管 Expired - Fee Related JP3053230B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3047147A JP3053230B2 (ja) 1991-03-13 1991-03-13 カラー受像管

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3047147A JP3053230B2 (ja) 1991-03-13 1991-03-13 カラー受像管

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04284335A JPH04284335A (ja) 1992-10-08
JP3053230B2 true JP3053230B2 (ja) 2000-06-19

Family

ID=12766990

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3047147A Expired - Fee Related JP3053230B2 (ja) 1991-03-13 1991-03-13 カラー受像管

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3053230B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW451244B (en) * 1999-07-15 2001-08-21 Matsushita Electronics Corp Cathode ray tube

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04284335A (ja) 1992-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6472806B1 (en) Tensioned shadow mask for cathode ray tube including tie bars having dummy bridges
US6445116B1 (en) Color cathode ray tube having an improved electron gun
JP3053230B2 (ja) カラー受像管
US5606216A (en) Color cathode-ray tube with reduced moire
US6388370B1 (en) Cathode ray tube
US6617778B2 (en) Electron gun assembly for a color cathode ray tube
KR100400777B1 (ko) 칼라 음극선관용 새도우마스크
US6624557B2 (en) Cathode-ray tube with reduced moiré effect and a particular ratio of scanning pitches to aperture pitches
KR100274245B1 (ko) 음극선관용전자총
JPS58184242A (ja) 陰極線管
US20020030430A1 (en) Color cathode ray tube having plural electrostatic quadrupole lenses
KR100314691B1 (ko) 칼라음극선관및디스플레이장치
US6577047B2 (en) Cathode ray tube
JP3061948B2 (ja) カラー受像管
KR100233189B1 (ko) 고해상도 표시장치용 섀도 마스크형 컬러 음극선관 및 음극선관 장치
JP3082601B2 (ja) シャドウマスク型カラー陰極線管
JP3222640B2 (ja) カラー受像管装置
JP2901665B2 (ja) カラーブラウン管
JPH0982236A (ja) カラー陰極線管
JPS6343241A (ja) カラ−ブラウン管
KR19980702690A (ko) 감소된 편향 디포커싱을 구비한 칼라 디스플레이 관
JPH11329280A (ja) 改良型マスクアパ―チャ列間隔を有するシャドウマスクを具備したカラ―受像管
JP2001084918A (ja) 陰極線管
JPS6226977A (ja) テレビジヨン受像機
KR100228166B1 (ko) 스트라이프타입 종횡비 4:3과 16:9 스크린겸용 음극선관 및 그 새도우마스크

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees