JP2001074050A - ラジアル磁気軸受 - Google Patents

ラジアル磁気軸受

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JP2001074050A
JP2001074050A JP2000158843A JP2000158843A JP2001074050A JP 2001074050 A JP2001074050 A JP 2001074050A JP 2000158843 A JP2000158843 A JP 2000158843A JP 2000158843 A JP2000158843 A JP 2000158843A JP 2001074050 A JP2001074050 A JP 2001074050A
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radial
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magnetic bearing
circuit
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Hiromasa Fukuyama
寛正 福山
Takeshi Takizawa
岳史 滝澤
Shigeru Endo
茂 遠藤
Kazutoshi Sakaguchi
和利 坂口
Kikuaki Kamamura
企久彰 鎌村
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NSK Ltd
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    • F16C32/04Bearings not otherwise provided for using magnetic or electric supporting means
    • F16C32/0406Magnetic bearings
    • F16C32/044Active magnetic bearings
    • F16C32/0474Active magnetic bearings for rotary movement
    • F16C32/048Active magnetic bearings for rotary movement with active support of two degrees of freedom, e.g. radial magnetic bearings
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F16C32/0465Details of the magnetic circuit of stationary parts of the magnetic circuit with permanent magnets provided in the magnetic circuit of the electromagnets
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    • F16C2380/00Electrical apparatus
    • F16C2380/26Dynamo-electric machines or combinations therewith, e.g. electro-motors and generators

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラジアル磁気軸受が「横置き型」として設置
される場合であっても、ヒステリシス損や渦電流損を殆
ど招来することなく、消費電力を著しく低減することが
でき、さらに、組立てが極めて容易であり、しかも、制
御利得の向上を図ること。 【解決手段】 ラジアル磁気軸受は、回転軸20の円周
方向周りに励磁用コイル30を巻き付けたコ型形状の磁
性鋼板積層体25の一部断面に永久磁石26〜29を配
置してなる少なくとも3個以上の磁石併用ラジアル電磁
極群と、半径方向位置を検出する位置センサー32と、
この位置センサー信号によって励磁用コイル30に制御
電流を流す制御装置とから構成され、静荷重支持側と静
荷重非支持側で磁気吸引力を変えることにより、回転軸
20中心付近で磁力が平衡するようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気軸受が「横置
き型」として設置される場合であっても、ヒステリシス
損や渦電流損を殆ど招来することなく、消費電力を著し
く低減することができ、しかも、組立てが極めて容易で
あるラジアル磁気軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、永久磁石を電磁石の一部に介在さ
せてバイアス磁束を発生させ、バイアス電流を流す無駄
を省いた磁石併用ラジアル磁気軸受がある。このような
磁石併用ラジアル磁気軸受においては、図16(a)に
示すように、零パワー制御方式を採用している。すなわ
ち、回転軸1が半径方向にラジアルステータの永久磁石
群2,2の吸引力がバランスした位置からずれたとき、
そのずれ量を位置センサー3が検出する。かかる場合、
位置センサー3は、図示しない制御装置に回転軸1のず
れ量等を出力する。かかる制御装置は、回転軸1を目標
位置に戻すように励磁コイル4,4に制御電流を流す。
なお、制御装置は、位置センサー3の検出するずれ量に
基づき、回転軸1の現在の位置が永久磁石群2,2の吸
引力がバランスした位置と一致したときに、制御電流が
零になるように目標位置を変更する、いわゆるフィード
バック制御動作を行う。その結果、回転軸1は永久磁石
群2,2の吸引力がバランスした位置に戻り、その状態
での制御電流は、回転軸1の微小変動を抑える微分動作
のみの微小電流となる。また、図16(b)は、磁性鋼
板積層体5の近傍を示す断面図であり、磁性鋼板積層体
5と、永久磁石2,2と、励磁コイル4,4とから成る
ラジアルステータと、ロータコアとの間で形成される磁
気回路を示している。図16において、2個の永久磁石
2,2の起磁力による主磁気回路が実線で示され、励磁
コイル4,4を流れる制御電流による制御磁気回路が点
線で示されている。制御磁気回路の磁束はその向きによ
って主磁気回路の磁束を増加させたり、減少させたりす
る。回転軸1が永久磁石群2,2の吸引力のバランスし
た位置より離れると、制御磁気回路の磁束の向きと大き
さは主磁気回路の磁束の向きと同じになって主磁気回路
に加算され、近づくと逆になって減算する。バランスし
た位置に回転軸1が到達すれば、上述したように制御電
流は微分動作電流のみで、ほとんど流れなくなるため、
それによりエネルギー消費を低減できる。
【0003】しかしながら、上述した磁石併用ラジアル
磁気軸受を「横置き型」として設置すると、回転軸の自
重による静荷重が作用し、回転軸が下側にずれているた
め、回転軸を中心位置に戻すように制御しようとする
と、静荷重支持側(中心位置の上側)のラジアル磁気軸
受では、常時、励磁コイルに制御電流が流れてしまうこ
とから、消費電力の増大を招くといったことがある。ま
た、図17に示すように4個の励磁用コイルの永久磁石
の厚さt0が同じ場合、「縦置き型」に設置された場合
の回転体の回転中心は軸受中心と同じOの位置となり、
回転軸の位置は図の二点鎖線で示され4個の軸受とも回
転軸とのすきまはδ0でほぼ等しいので、回転軸が回転
中心からずれた場合の磁気軸受の制御は4個の軸受と
も、その制御定数やその応答速度は等しい。これに対
し、磁気軸受を「横置き型」として設置すると、軸自重
による静荷重を打ち消すように磁力が平衡する位置を上
方にずらしておく必要があり、回転軸の回転中心は、O
´の位置となり、回転軸の位置は図の実線で示され、静
荷重支持側(中心位置の上側)のすきまδ1が小さく、
静荷重非支持側(中心位置の下側)のすきまδ2が大き
くなる。この状態で回転軸が回転すると磁気軸受の負荷
容量が小さいすきまδ1によって規制され、負荷容量が
小さくなる。このため、回転軸自重の影響を相殺して回
転中心をOに合わせてすきまδを等しくした状態で制御
する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように 、磁石併
用ラジアル磁気軸受を「横置き型」として設置した場
合、静荷重支持側(中心位置の上側)のラジアル磁気軸
受の励磁コイルに、常時、制御電流を流す必要があり、
消費電力の増大を招くことから、この消費電力を低減す
る構成が特公平3−14084号公報に開示されてい
る。この公報では、図18に示すように、円周方向分極
式の8極の磁気軸受であり、10は、回転軸であり、1
1は、固定子側電磁石で4個の同形の部品から構成され
ている。この4個の電磁石11を固定子側電磁石固定部
12に圧入等により固定し、固定子側電磁石11の位置
決めをする。
【0005】ここで矢印B1方向に着目すれば、13
は、永久磁石で、これによってバイアス磁束を発生させ
る。14は、バイアス磁束調整用可変磁気抵抗部であ
り、具体的には、可動軟磁性体15を、固定子側電磁石
11に近づけたり、遠ざけたりできるような構造になっ
ている。このような構成により、可動軟磁性体15を、
固定子側電磁石11に近づけたり、遠ざけたりする事
で、任意にバイアス磁束を調整することができる。そし
て制御の方法は、コイルC2に流す電流を増減させて、
空隙g1,g2を通る磁束を変化させ、回転軸10を吸
引する力を調節して行う。これは、A1,A1´,B1
´方向も同様である。従って、平衡状態において、回転
軸10の重量やその他の電磁石製造上のバラツキによっ
て生じる設定すべきバイアス磁束のバラツキは、可変磁
気抵抗部14を適当に調節すること(即ち、可動軟磁性
体15を、固定子側電磁石11に近づけたり、遠ざけた
りすること)によって対応できるので、コイルへの定常
電流をほとんど零にする事が可能となり、消費電力を低
減することができる。
【0006】しかしながら、この公報に開示された図1
8のヘテロポール式磁気軸受の構成では、電磁極の極性
が回転方向において交番するので、回転軸表面における
ヒステリシス損や渦電流損を回避できないといったこと
がある。
【0007】また、このヘテロポール式磁気軸受の構成
では、上下方向、水平方向力を発生する各磁極の間を磁
気的に絶縁していないため、永久磁石によるバイアス磁
束が本来目的とする磁極以外の磁極にも作用し、それに
伴って、上下方向、水平方向の制御利得が十分に得られ
ないといったことがある。
【0008】さらに、ラジアル磁気軸受の組立てにおい
て、回転軸を磁気軸受に挿入する際には、回転軸が正規
の位置に達する前に、磁極に配置された永久磁石の吸引
力によって吸引され、最悪の場合、回転軸が磁極に完全
に吸着されることがある。この場合、永久磁石の強力な
磁力によって、吸着された位置から回転軸を移動させる
ことが困難となる場合が多く、磁気軸受の組立てが不可
能となる。従って、回転軸が磁極に吸引されないよう
に、専用の組立て治具を使って組立てを行わざるを得な
いといったことがある。
【0009】本発明は、上述したような事情に鑑みてな
されたものであって、「横置き型」として設置される場
合であっても、ヒステリシス損や渦電流損を殆ど招来す
ることなく、消費電力を著しく低減することができ、さ
らに、組立てが極めて容易であり、しかも、制御利得の
向上を図ることができるラジアル磁気軸受を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の請求項1に係るラジアル磁気軸受は、回転
軸の円周方向回りに励磁用コイルを巻き付けたコ型形状
の磁性鋼板積層体の一部断面に永久磁石を配置してなる
少なくとも3個以上の磁石併用ラジアル電磁極群と、半
径方向位置を検出する位置センサーと、前記位置センサ
ー信号によって励磁用コイルに制御電流を流す制御装置
とから構成される磁石併用ラジアル磁気軸受において、
静荷重支持側と静荷重非支持側で磁気吸引力を変えるこ
とにより、回転軸中心付近で磁力が平衡することを特徴
とする。
【0011】このように、静荷重支持側と静荷重非支持
側で磁気吸引力を変えることにより、回転軸中心付近で
磁力を平衡しているため、「横置き型」として設置され
る場合であっても、ヒステリシス損や渦電流損を殆ど招
来することなく、消費電力を著しく低減することができ
る。
【0012】また、本発明の請求項2に係るラジアル磁
気軸受装置は、少なくとも円周方向周りの所定領域の表
層部が強磁性体で形成されている回転軸と、磁性体で形
成されるとともに一部断面に永久磁石を配置してなるヨ
ークと当該ヨークの周囲にそれぞれ巻き付けられた励磁
用コイルとを有する電磁部材を前記回転軸の前記所定領
域に対向して円周方向周りに複数配置してなるラジアル
電磁部材群とを備えるラジアル磁気軸受装置であって、
前記電磁部材を含む磁気回路を、磁力線が前記回転軸を
通過する吸引状態と磁力線が前記回転軸を通過すること
を回避する短絡状態との間で切換可能な磁気回路短絡手
段をさらに備えることを特徴とする。
【0013】上記ラジアル磁気軸受装置では、磁気回路
短絡手段が、電磁部材を含む磁気回路を磁力線が回転軸
を通過する吸引状態と磁力線が回転軸を通過することを
回避する短絡状態との間で切換可能であるので、まず磁
気回路を短絡状態にして前記ラジアル電磁部材群間に回
転軸を配置して、ラジアル磁気軸受装置を作業性良く組
み立てることができ、次に磁気回路を吸引状態としてラ
ジアル磁気部材群間に回転軸を非接触で支持する軸受機
能を発揮させることができるようになる。
【0014】上記ラジアル磁気軸受装置において、電磁
部材のヨークは、例えばコ字状の磁性鋼板積層体とする
ことができる。
【0015】また、磁気回路短絡手段は、移動によって
ヨークの両端の電磁極近傍に接触して磁気回路の短絡状
態を実現するとともに、移動によってヨークの両端の電
磁極近傍から離間して磁気回路の吸引状態を実現する磁
性体を備えるものとすることができる。
【0016】さらに、磁気回路短絡手段は、磁気軸受の
組立時にヨークに掛け渡される一方、組立終了後には除
去される短絡連結板を備えるものとすることができる。
【0017】さらに、磁気回路短絡手段は、上記短絡連
結板において、永久磁石の発生する磁束の短絡量を調整
する短絡連結調整部を備えるものとすることができる。
【0018】さらに、本発明の請求項3に係るラジアル
磁気軸受装置は、回転軸の円周方向周りに励磁用コイル
を巻き付けた磁性鋼板積層体の一部断面に永久磁石を配
置してなる少なくとも3個以上の円周方向分極式の磁石
併用ラジアル電磁極群と、半径方向位置を検出する位置
センサーと、前記位置センサー信号によって励磁用コイ
ルに制御電流を流す制御装置とから構成される円周方向
分極式の磁石併用ラジアル磁気軸受において、各ラジア
ル磁極間を、相互に磁気的に断絶したことを特徴とす
る。
【0019】このように、請求項3では、各ラジアル磁
極間を、相互に磁気的に断絶している。例えば、各ラジ
アル磁極間を相互に磁気的に断絶する非磁性片を設ける
か、または、各ラジアル磁極間を相互に磁気的に断絶す
る空間を設けている。したがって、磁気軸受の作動時、
上下方向、水平方向力を発生する各ラジアル磁極間を磁
気的に絶縁していることから、永久磁石によるバイアス
磁束が本来目的とするラジアル磁極のみに作用し、各ラ
ジアル磁極間の干渉がなくなり、それに伴って、上下方
向、水平方向の制御利得が向上し、磁気軸受の性能が向
上し、大きな負荷能力、軸受剛性と高回転能力が得られ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
ラジアル磁気軸受を図面を参照しつつ説明する。 (第1実施の形態:図1〜図3)図1は、本発明の第1
実施の形態に係るラジアル磁気軸受の縦断面図であり、
図2は、本発明の第1実施の形態に係るラジアル磁気軸
受の横断面図であり、図3は、永久磁石の厚みと磁気吸
引力との関係を示すグラフである。
【0021】本第1実施の形態では、大略的には、磁石
併用ラジアル軸受を「横置き型」として設置した場合、
この軸受の静荷重支持側(回転中心の上側)と静荷重非
支持側(回転中心の下側)で永久磁石の厚みを変えて磁
束の発生を調整し、回転中心付近で磁力を平衡させてい
るため、軸受損失を極めて小さくして、消費電力を低減
することができる。
【0022】図1および図2に示すように、回転軸20
には、その周方向に4個のラジアル磁気軸受21,2
2,23,24が設けてある。各ラジアル磁気軸受21
〜24には、全体としてコ字型の磁性鋼板積層体25
と、バイアス磁束発生用の平板状の永久磁石26,2
7,28,29と、一対の励磁コイル30,30とから
成るラジアルステータが設けてある。また、31は、ハ
ウジングであり、32は、回転軸20の半径方向位置を
検出する位置センサーである。
【0023】回転軸20の位置を制御する際には、回転
軸20が、半径方向に関して永久磁石26〜29からの
吸引力がバランスした位置からずれたとき、そのずれ量
を半径方向の位置センサー32が検出する。かかる場
合、位置センサー32は、不図示の制御装置に回転軸2
0のずれ量に対応する信号(例えば半径方向位置センサ
ー32から回転軸20までの距離に相当する信号)を出
力する。制御装置は、目標位置からずれた回転軸20を
目標位置に戻すように不図示の増幅器を介して励磁コイ
ル30,30に制御電流を流す。なお、制御装置は、半
径方向位置センサー32の検出するずれ量に基づき、回
転軸20の現在の位置が永久磁石26〜29の吸引力が
バランスする位置と一致したときに、制御電流がゼロに
なるよう目標位置を変更する、いわゆるフィードバック
制御動作を行う。その結果、回転軸20は永久磁石26
〜29の吸引力がバランスした位置に戻り、その状態で
の制御電流は、回転軸の微少変動を抑える微分動作のみ
の微少電流となる。
【0024】本実施の形態では、上述したラジアル磁気
軸受21〜24のうち、回転軸20の静荷重を磁気吸引
力により支持する静荷重支持側(回転中心の上側)のラ
ジアル磁気軸受21の永久磁石26は、比較的厚く形成
してある一方、回転軸20の静荷重を磁気吸引力により
支持しない静荷重非支持側(回転中心の下側)のラジア
ル磁気軸受23の永久磁石28は、比較的薄く形成して
ある。
【0025】具体的には、図3は、永久磁石の厚みと磁
気吸引力との関係を示すグラフであり、永久磁石による
バイアス吸引力(f)は、永久磁石の厚み(t)が厚く
なるほど大きくなっている。静荷重非支持側(回転中心
の下側)のラジアル磁気軸受23の永久磁石28の厚み
(t1)は、半径方向位置センサー32の出力から、図
示しない制御装置によって回転軸20をバイアス吸引力
が平衡する位置に制御するとき、必要とするバイアス吸
引力f1を発生させるような厚み(t1)に設定してあ
り、静荷重支持側のラジアル磁気軸受21の永久磁石2
6の厚みは、バイアス吸引力(f1)に回転軸20の静
荷重分(f0)を加えたf1+f0を発生させるような
厚み(t2)に設定してある。
【0026】すなわち、静荷重支持側(上側)の永久磁
石26は、バイアス吸引力(f1)に加えて、回転軸2
0の静荷重分(f0)の吸引力を発揮するような厚みに
設定してあり、この静荷重分(f0)の吸引力により、
「横置き型」とした場合の回転軸20の下方へのずれを
吸収している。したがって、ラジアル磁気軸受を「横置
き型」として設置する場合であっても、上側の永久磁石
26が回転軸20の静荷重分を支持するため、回転軸2
0の回転中心で、上側の永久磁石26と下側の永久磁石
28のバイアス吸引力を平衡させることができる。すな
わち、回転軸20を回転中心に制御するとき、永久磁石
26,28のバイアス吸引力が釣り合うため、励磁コイ
ル30による励磁電流をほとんど必要せず、消費電力を
低減することができる。
【0027】また、永久磁石は、その厚さ分だけギャッ
プが大きくなったと同じことになるため、永久磁石が厚
くなると、磁気回路中のギャップが長くなり、励磁コイ
ルによる起磁力が小さくなり、制御性を損ねるので、永
久磁石の厚みは、静荷重分(f0)を考慮して、回転軸
20が平衡する範囲で小さくした組み合わせとすること
が好ましい。
【0028】以上説明したように、本第1実施の形態で
は、コ字型の磁性鋼板積層体25に励磁コイル30を設
けており、電磁極の極性が回転方向で交番せず、軸受損
失(ヒステリシス損や渦電流損)が極めて小さく、永久
磁石26,28の厚みを変えることによって、励磁コイ
ル30に殆どバイアス電流を流すことなく、回転軸20
を回転中心に制御することができ、消費電力を著しく低
減することができる。 (第2実施の形態:図4〜図8)図4は、本発明の第2
実施の形態に係るラジアル磁気軸受の縦断面図であり、
図5は、第2実施の形態の原理を説明するための図であ
る。
【0029】本第2実施の形態では、大略的には、「横
置き型」として設置する際に、回転軸の自重によって発
生するラジアル方向の静荷重のアンバランスを除去する
ため、各磁気軸受において、回転軸と磁極とで構成され
る第1の磁気回路の磁気吸引力を調節するように、磁極
と磁性部材とで構成される第2の磁気回路を構成し、静
的な状態で回転軸の回転中心と磁気軸受の中心を合致さ
せている。すなわち、各ラジアル磁気軸受において、回
転軸の自重によって発生するラジアル方向の静荷重の大
きさが異なっていても、各磁気軸受に設けた第2の磁気
回路中を通る磁束の強さを調節することによって、回転
軸と磁極とによって構成される第1の磁気回路中を通る
磁束の強さを変化させることができる。そのため、静荷
重のアンバランスがあっても、励磁コイルに通電するこ
となく、当該アンバランスを除去することができ、消費
電力を低減することができる。また、回転軸を磁気軸受
に挿入し、ユニットの組立てを行う際に、各ラジアル磁
気軸受に設けた永久磁石の磁束を全て第2の磁気回路中
に流すことによって、回転軸と磁極とで構成される第1
の磁気回路中を通る磁束を全てゼロにできるため、回転
軸と磁極とが吸着することがなく、組立てを容易に行う
ことができる。
【0030】図4に示すように、回転軸40には、その
周方向に4個のラジアル磁気軸受41が設けてある。各
ラジアル磁気軸受41の磁極42は、全体としてコ字形
状であってケイ素鋼板を積層した一対のステータ43,
43と、これらステータ43,43の間に挟持されたバ
イアス磁束発生用の平板状の永久磁石44と、一対のス
テータ43,43にそれぞれ銅線が巻回された一対の励
磁コイル45,45と、ステータ43,43を固定する
ための非磁性体から形成されたベース46とからなる。
また、47は、ハウジングであり、48は、回転軸40
の半径方向位置を検出する位置センサーである。また、
回転軸40の位置を制御する際には、上記第1実施の形
態と同様に、零パワー制御方式により行っている。
【0031】また、磁極42と第2の磁気回路を構成す
る吸引力調整機構50が設けてある。この吸引力調整機
構50は、強磁性体からなる磁性部材51と、この磁性
部材51を磁極42に向けて付勢するためのバネ52,
52と、磁性部材51と磁極42との間の空隙を調整す
るためのネジ53とからなる。
【0032】次いで、図5は、第2実施の形態の原理を
説明するための図であり、この図5に示すように、永久
磁石44から発生する磁束は、回転軸40と磁極42で
構成される第1の磁気回路(図5に実線示す)と、磁極
42と吸引力調整機構50の磁性部材51で構成される
第2の磁気回路(図5に破線で示す)の中を流れる。こ
こで、第1の磁気回路を流れる磁束の強さと第2の磁気
回路を流れる磁束の強さとは、図5における空隙Aと空
隙Cとによって変化する。一般的に、空隙Aは、磁気軸
受の設計段階で永久磁石44の強さ、負荷容量、制御範
囲の制限などによって、あらかじめ設計値として与え
る。
【0033】ところが、磁気軸受を「横置き型」で使用
するときのように、回転軸40の自重によって静的荷重
が上方向と下方向で異なり、静的な状態で荷重のアンバ
ランスが存在するため、このアンバランスを除去し、全
ての磁極42において回転軸40と磁極42の空隙が同
じになるように制御しなければならない。そのため、本
実施の形態では、図5中実線で示される第1の磁気回路
に流れる磁束の強さを、図5中破線で示される第2の磁
気回路に流れる磁束の強さを調節することによって、励
磁コイル45に通電することなく、上記目的を達成して
いる。
【0034】また、図5において、回転軸40と磁極4
2の磁気吸引力F1と磁極42と吸引力調節機構50の
吸引力F3は逆比例の関係にある。すなわち、F3を大
きくすればF1は小さくなり、逆にF3を小さくすれば
F1は大きくなる。すなわち空隙Cを小さくすれば、永
久磁石44で形成される磁気回路は破線の方が大きくな
り、磁極42と吸引力調整機構50の方に大きな吸引力
が作用し、回転軸40と磁極42で形成される磁気回路
およびそれによって生じる吸引力は小さくなる。逆に、
空隙Cを大きくすれば、永久磁石44で形成される磁気
回路は破線の方が小さくなり、磁極42と吸引力調整機
構50の方は小さな吸引力しか働かないので、回転軸4
0と磁極42で形成される実線で示される磁気回路に大
きな吸引力が作用する。図6を初期状態とすると、自重
により回転軸40に下向きの荷重が働いているので、磁
力がつりあう位置での空隙Bは空隙Aより小さい。これ
を解決するには、上側の磁極42の吸引力を大きくす
る、下側の磁極42の吸引力を小さくする、上側の
磁極42の吸引力を大きくするとともに下側の磁極42
の吸引力を小さくする、ことにより可能である。は空
隙Dを大きくする、は空隙Cを小さくする、空隙D
を大きくするとともに空隙Cを小さくする、ことにより
可能である。このことにより、図7に示すように空隙A
と空隙Bをほぼ等しくして、回転軸40を軸心に合わせ
ることができる。
【0035】次に、図6および図7を参照して、第2実
施の形態に係るラジアル磁気軸受の作用を説明する。
【0036】図6は、本発明の第2実施の形態に係るラ
ジアル磁気軸受の縦断面図であって、「横置き型」とし
て設置した時、回転軸が自重を打ち消すように上方にシ
フトした状態を示す。図7は、図6に示したラジアル磁
気軸受の縦断面図であって、「横置き型」として設置し
た時、回転軸が回転中心に位置するように回転軸を下げ
た状態を示す。
【0037】図6の、上側のラジアル磁気軸受41のよ
うに、回転軸40と磁極42との間の空隙(B)が小さ
くなっているような場合には、ネジ53を調整して、磁
性部材51と磁極42との間の空隙(D)を大きくする
と、第2の磁気回路の磁束が減少し、第1の磁気回路の
磁束が増加する。その結果、第1の磁気回路の磁気吸引
力が増大し、吸引力が釣り合う位置は押し下がり、空隙
(B)を大きくしようとする。
【0038】一方図6の、下側のラジアル磁気軸受41
のように、回転軸40と磁極42との間の空隙(A)が
大きくなっているような場合には、ネジ53を調整し
て、磁性部材51と磁極42との間の空隙(C)を小さ
くすると、第2の磁気回路の磁束が増加し、第1の磁気
回路の磁束が減少する。その結果、第1の磁気回路の磁
気吸引力が減少し、吸引力が釣り合う位置は押し下が
り、空隙(A)を小さくしようとする。
【0039】以上から、図6の上側のラジアル磁気軸受
41で増大した磁気吸引力により、回転軸40を下げ
て、図7に示すように、回転軸40を回転中心にセット
することができる。より詳細には、上側のラジアル磁気
軸受41で増大した磁石の磁気吸引力は、バイアス吸引
力に加えて、回転軸40の自重分の吸引力を発揮する一
方、下側のラジアル磁気軸受41の磁石の磁気吸引力
は、バイアス吸引力のみを発揮するようになっている。
【0040】このような操作により、各磁極42の磁気
吸引力を機械的に調整し、回転軸40の回転中心と磁気
軸受41の中心とを合致できるため、各励磁コイル45
に通電することなく、電力を無駄に消費せず、負荷容量
の大きな磁気軸受を得ることができる。
【0041】また、磁気軸受41に回転軸を挿入する際
に、全てのラジアル磁気軸受41において、図8に示す
ように、吸引力調節機構50の磁性部材51を磁極42
に密着させることによって、磁束がすべて第2の磁気回
路を通るため、回転軸40と磁極42で構成される第1
の磁気回路には、極めて少量の磁束しか流れず、結果と
して回転軸40と磁極42との間で吸引力が働かないの
で、回転軸40を容易に挿入することができ、組立てを
容易に行うことができる。
【0042】以上説明したように、本第2実施の形態で
は、少なくとも3極以上の複数の磁極42を有するラジ
アル磁気軸受41において、磁極42ごとに永久磁石4
4による回転軸40と磁極42との吸引力を調整する第
2の磁気回路を備えることによって、磁極42ごとの吸
引力を機械的に調節し、回転軸40の回転中心と磁気軸
受41の中心とを容易に合致できるため、従来行われて
いた各磁極に設置された励磁コイルに通電し、静的なバ
ランスを取る方法に比較して、電力を無駄に消費するこ
となく、負荷容量の大きな磁気軸受を得ることができ
る。
【0043】また、永久磁石44の磁束を全部、第2の
磁気回路に通すことによって、回転軸40と磁極42の
吸引力をほぼゼロとし、回転軸40と磁極42が吸着す
ることのない、組立て易い磁気軸受を提供することが可
能となる。 (第3実施の形態:図9〜図12)次に、図9ないし図
12を参照して、本発明の第3実施の形態に係るラジア
ル磁気軸受装置について説明する。図9は、第3実施形
態のラジアル磁気軸受装置の要部を示す斜視図であっ
て、短絡連結板を除去した状態を示す図である。図10
は、第3実施の形態のラジアル磁気軸受装置の要部を示
す斜視図であって、短絡連結板により磁気回路を短絡し
た状態を示す図である。図11は、第3実施の形態に係
るラジアル磁気軸受装置の要部をその軸心に沿って示す
縦断面図であって、短絡連結板を除去した状態を示す図
である。図12は、第3実施の形態に係るラジアル磁気
軸受装置の要部をその軸心に沿って示す縦断面図であっ
て、短絡連結板により磁気回路を短絡した状態を示す図
である。
【0044】図11に示すように、ハウジング60内に
は、回転軸61が回転自在に支持されている。この回転
軸61の径方向外方には、コ字形のステータコア62
が、ハウジング60の円周方向に等間隔で4つ配置され
ている。
【0045】これらのステータコア62は、左右対称で
あって、断面がL字状であり、それぞれ電磁鋼板積層体
からなる一対のヨーク本体63を備えている。これら一
対のヨーク本体63の間には、バイアス磁束発生用の平
板状の永久磁石64が配置されている。一対のヨーク本
体63には、それぞれ、一対の磁束調節用の励磁コイル
65が巻回されている。
【0046】図9に示すように、一対のヨーク本体63
の両側には、一対の固定体66が配置されている。各固
定体66には、ヨーク本体63を固定するためのボルト
孔またはネジ孔68が穿設されていると共に、ハウジン
グ60に取り付けるための一対の取付孔69が穿設され
ている。
【0047】一対の固定体66のボルト孔およびネジ孔
68に、ボルト(図示略)が通挿されて、電磁鋼板積層
体からなる一対のヨーク本体63が締め付けられて固定
されている。これにより、一対のヨーク本体63の電磁
鋼板積層体が極めて堅固に固定され、一対のヨーク本体
63と永久磁石64とも極めて堅固に固定されているた
め、ステータコア62の機械的強度を十分に確保するこ
とができる。なお、電磁鋼板積層体同士の間には、接着
剤が含浸されていてもよい。また、このように、ヨーク
本体63が電磁鋼板積層体から構成されているため、ラ
ジアル磁気軸受の作動時に変動荷重が作用したとして
も、渦電流損を生じることなく、効率的な載荷力が得ら
れる。
【0048】一対の固定体66の取付孔69(図9)
に、ボルト71(図11)が通挿されて、ステータコア
62がハウジング60に取り付けられている。このよう
に、一対の固定体66を利用してハウジング60に取り
付けているため、ステータコア62を簡易に且つ堅固に
固定することができる。
【0049】なお、第1実施形態と同様に、ステータコ
ア62と励磁コイル65とは、回転軸61の円周方向周
り等間隔で配置される電磁部材となっている。回転軸6
1に対向する一対のヨーク本体63の面は、電磁極にな
っている。本実施形態では、一対のヨーク本体63の両
電磁極の面積を広くして軸受面積を大きくすることによ
り、軸受容量の向上を図っている。また、永久磁石64
を配置したステータコア62と、励磁コイル65とは、
電磁部材を構成し、この電磁部材を回転軸61の周方向
周りに複数(ここでは4つ)配置したものを全体として
ラジアル電磁部材群と呼ぶものとする。
【0050】図11に示すように、後述する短絡連結板
72が取り付けられていない状態では、永久磁石64を
起磁力としてステータコア62を通る磁気回路は、両電
磁極部を介して回転軸61表面を通過する吸引状態にな
る。これにより、ステータコア62からの吸引力が回転
軸61に及ぶとともに、励磁コイル65への供給電流を
調節することにより、ステータコア62両端の電磁極か
ら回転軸61に及ぶ吸引力を自在に制御することが可能
となる。また、回転軸61の位置制御についても、第1
実施形態と同様に、制御装置は、目標位置に、回転軸6
1の現在の位置が一致するように、フィードバック制御
を行う。目標位置が、永久磁石64の吸引力がバランス
する位置と一致する場合、制御電流は、回転軸の微少変
動を抑える微分動作のみの微少電流となる。
【0051】本第3実施の形態では、磁気軸受の組立て
時には、図10および図12に示すように、短絡連結板
72が一対のヨーク本体63に掛け渡される一方、組立
て終了後には、図9及び図11に示すように、この短絡
連結板72が除去されるようになっている。
【0052】図10および図12に示すように、磁気軸
受の組立て時に短絡連結板72が一対のヨーク本体63
に掛け渡された際には、永久磁石64を起磁力とする磁
気回路が、一対のヨーク本体63と短絡連結板72とに
より短絡して、閉ループのバイパス磁気回路を形成す
る。これにより、ステータコア62からの吸引力が回転
軸61に及ばなくなり、ステータコア62から回転軸6
1を引き抜いたり、ステータコア62に回転軸61を挿
入する作業を容易にすることができ、磁気軸受の組立て
時の組立て作業の容易化を図ることができる。なお、組
立て時の磁気吸着の問題を解決するために、短絡連結板
72が付加されているのみであるため、ラジアル磁気軸
受の軸方向の長さが長くなるといったことを招来するこ
ともない。
【0053】一方、短絡連結板72が除去された後の通
常作動時には、上述したように、図9および図11に示
すように、永久磁石64を起磁力としてステータコア6
2を通る磁気回路は、両電磁極部を介して回転軸61表
面を通過する吸引状態になり、上記のように制御され
る。 (第4実施の形態:図13〜図15)次に、図13ない
し図15を参照して、本発明の第4実施の形態に係る円
周方向分極式のラジアル磁気軸受装置ついて説明する。
図13(a)は、第4実施形態のラジアル磁気軸受装置
の横断面図であり、図13(b)は、その磁気回路を付
加した横断面図である。図14(a)は、第4実施形態
のラジアル磁気軸受装置の横断面図であって、短絡連結
板により磁気回路を短絡した状態を示す図であり、図1
4(b)は、その磁気回路を付加した横断面図である。
図15は、図14(a)のA−A線に沿った断面図であ
る。
【0054】図13(a)および図15に示すように、
ハウジング80の中心には、回転軸81が設けてあり、
この回転軸81の外周面全体には、磁性鋼板積層体82
が固定してある。
【0055】回転軸81の周方向回りには、4個の円周
方向分極式の磁気軸受83,84,85,86が設けて
ある。各磁気軸受83〜86には、円周方向分極式の磁
性鋼板積層体87を構成する一対の電磁極対87a,8
7bが設けてある。これら一対の電磁極対87a,87
bの間には、バイアス磁束発生用の平板状の永久磁石8
8,89,90,91が介装してあり、一対の電磁極対
87a,87bには、それぞれ、一対の励磁コイル92
a,92bが巻回してある。
【0056】さらに、4個のラジアル磁気軸受83〜8
6の磁性鋼板積層体87(磁極)間を相互に磁気的に断
絶する4個の非磁性片93を設けている。この非磁性片
93は、磁極間を相互に磁気的に断絶する空間であって
もよい。
【0057】本第4実施の形態では、第1実施の形態と
同様に、磁気軸受83〜86のうち、回転軸81の静荷
重を磁気吸引力により支持する静荷重支持側(回転中心
の上側)の磁気軸受83の永久磁石88は、比較的厚く
形成してある一方、回転軸81の静荷重を磁気吸引力に
より支持しない静荷重非支持側(回転中心の下側)のラ
ジアル磁気軸受85の永久磁石90は、比較的薄く形成
してある。
【0058】すなわち、第1実施の形態と同様に、静荷
重支持側(上側)の永久磁石88は、バイアス吸引力に
加えて、回転軸81の静荷重分の吸引力を発揮するよう
な厚みに設定してあり、この静荷重分の吸引力により、
「横置き型」とした場合の回転軸81の下方へのずれを
吸収している。したがって、磁気軸受を「横置き型」と
して設置する場合であっても、上側の永久磁石88が回
転軸81の静荷重分を支持するため、回転軸81の回転
中心で、上側の永久磁石88と下側の永久磁石90のバ
イアス吸引力を平衡させることができる。すなわち、回
転軸81を回転中心に制御するとき、永久磁石88,9
0のバイアス吸引力が釣り合うため、励磁コイル92
a,92bによる励磁電流をほとんど必要せず、消費電
力を低減することができる。
【0059】また、この磁気軸受の作動時、各磁性鋼板
積層体87(磁極)間を相互に磁気的に断絶する非磁性
片93を設けているため、図13(b)に示すように、
磁気回路が構成される。すなわち、上下方向、水平方向
力を発生する各磁性鋼板積層体87(磁極)間を磁気的
に絶縁していることから、永久磁石88〜91によるバ
イアス磁束が本来目的とする磁性鋼板積層体87(磁
極)のみに作用し、各磁性鋼板積層体87(磁極)間の
干渉がなくなり、それに伴って、上下方向、水平方向の
制御利得が向上し、磁気軸受の性能が向上し、大きな負
荷能力、軸受剛性と高回転能力が得られる。
【0060】さらに、本第4実施の形態では、第3実施
の形態と同様に、磁気軸受の組立て時には、図14
(a)に示すように、4個の短絡連結板94により4対
の電磁極対87a,87bを短絡する一方、組立て終了
後には、図13に示すように、この短絡連結板94を除
去するようになっている。なお、ハウジング80には、
短絡連結板94を挿入して電磁極対87a,87bに接
触できるように、切欠き部95が形成してある。
【0061】図14(b)に示すように、磁気軸受の組
立て時に短絡連結板94により一対の電磁極対87a,
87bを短絡した際には、永久磁石88〜91を起磁力
とする磁気回路が、一対の電磁極対87a,87bと短
絡連結板94とにより短絡して、閉ループのバイパス磁
気回路を形成する。これにより、永久磁石88〜91か
らの吸引力が回転軸81に及ばなくなり、回転軸81を
引き抜いたり、回転軸81を挿入する作業を容易にする
ことができ、磁気軸受の組立て時の組立て作業の容易化
を図ることができる。
【0062】なお、本発明は、上述した実施の形態に限
定されず、種々変形可能である。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
によれば、静荷重支持側と静荷重非支持側で磁気吸引力
を変えることにより、「横置き型」として設置される場
合であっても、軸自重支持分の電流を流すことなく軸受
中心で軸を支持でき、ヒステリシス損や渦電流損を殆ど
招来することなく、消費電力を著しく低減することがで
きる。
【0064】また、本発明の請求項2によれば、磁気回
路短絡手段が、電磁部材を含む磁気回路を磁力線が回転
軸を通過する吸引状態と磁力線が回転軸を通過すること
を回避する短絡状態との間で切換可能であるので、まず
磁気回路を短絡状態にして前記ラジアル電磁部材群間に
回転軸を配置し、次に磁気回路を吸引状態としてラジア
ル電磁部材群間に回転軸を非接触で支持するという組立
て作業性の良い永久磁石併用ラジアル磁気軸受装置を実
現できるようになる。
【0065】さらに、本発明の請求項3によれば、各ラ
ジアル磁極間を、相互に磁気的に断絶している。例え
ば、各ラジアル磁極間を相互に磁気的に断絶する非磁性
片を設けるか、または、各ラジアル磁極間を相互に磁気
的に断絶する空間を設けている。したがって、磁気軸受
の作動時、上下方向、水平方向力を発生する各ラジアル
磁極間を磁気的に絶縁していることから、永久磁石によ
るバイアス磁束が本来目的とするラジアル磁極のみに作
用し、各ラジアル磁極間の干渉がなくなり、それに伴っ
て、上下方向、水平方向の制御利得が向上し、磁気軸受
の性能が向上し、大きな負荷能力、軸受剛性と高回転能
力が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係るラジアル磁気軸
受の縦断面図。
【図2】本発明の第1実施の形態に係るラジアル磁気軸
受の横断面図。
【図3】永久磁石の厚みと磁気吸引力との関係を示すグ
ラフ。
【図4】本発明の第2実施の形態に係るラジアル磁気軸
受の縦断面図。
【図5】第2実施の形態の原理を説明するための図。
【図6】本発明の第2実施の形態に係るラジアル磁気軸
受の縦断面図であって、「横置き型」として設置した
時、回転軸が自重を打ち消すように上方にシフトした状
態を示す。
【図7】図6に示したラジアル磁気軸受の縦断面図であ
って、「横置き型」として設置した時、回転軸が回転中
心に位置するように回転軸を下げた状態を示す。
【図8】図6に示したラジアル磁気軸受の縦断面図であ
って、磁気軸受に回転軸を挿入して組み立てる状態を示
す。
【図9】第3実施形態のラジアル磁気軸受装置の要部を
示す斜視図であって、短絡連結板を除去した状態を示す
図である。
【図10】第3実施形態のラジアル磁気軸受装置の要部
を示す斜視図であって、短絡連結板により磁気回路を短
絡した状態を示す図である。
【図11】第3実施形態に係るラジアル磁気軸受装置の
要部をその軸心に沿って示す縦断面図であって、短絡連
結板を除去した状態を示す図である。
【図12】第3実施形態に係るラジアル磁気軸受装置の
要部をその軸心に沿って示す縦断面図であって、短絡連
結板により磁気回路を短絡した状態を示す図である。
【図13】(a)は、第4実施形態のラジアル磁気軸受
装置の横断面図であり、(b)は、その磁気回路を付加
した横断面図である。
【図14】(a)は、第4実施形態のラジアル磁気軸受
装置の横断面図であって、短絡連結板により磁気回路を
短絡した状態を示す図であり、(b)は、その磁気回路
を付加した横断面図である。
【図15】図14(a)のA−A線に沿った断面図であ
る。
【図16】(a)は零パワー制御の磁石併用ラジアル磁
気軸受装置の縦断面図、(b)はその磁気軸受の零パワ
ー制御方式を説明するための図である。
【図17】従来に係るラジアル磁気軸受の横断面図。
【図18】従来公報に開示されたラジアル磁気軸受の横
断面図。
【符号の説明】
20 回転軸 21,22,23,24 ラジアル磁気軸受 25 磁性鋼板積層体 26,27,28,29 永久磁石 30 励磁コイル 31 ハウジング 32 位置センサー 40 回転軸 41 ラジアル磁気軸受 42 磁極 43 ステータ 44 永久磁石 45 励磁コイル 46 ベース 47 ハウジング 48 位置センサー 50 吸引力調節機構 51 磁性部材 52 バネ 53 ネジ 60 ハウジング 61 回転軸 62 ステータコア 63 ヨーク本体 64 永久磁石 65 励磁コイル 66 固定体 68 ネジ孔 69 取付孔 71 ボルト 72 短絡連結板 80 ハウジング 81 回転軸 82 磁性鋼板積層体 83,84,85,86 円周方向分極式の磁気軸受 87 磁性鋼板積層体(ラジアル磁極) 87a,87b 電磁極対 88〜91 永久磁石 92 励磁コイル 93 非磁性片 94 短絡連結板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 茂 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 (72)発明者 坂口 和利 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 (72)発明者 鎌村 企久彰 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 Fターム(参考) 3J102 AA01 BA03 BA17 CA17 CA27 CA29 DA03 DA09 DA12 DA16 DA28 DA30 DB05 DB37 5H607 AA00 GG21 HH01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸の円周方向周りに励磁用コイルを巻
    き付けたコ型形状の磁性鋼板積層体の一部断面に永久磁
    石を配置してなる少なくとも3個以上の磁石併用ラジア
    ル電磁極群と、半径方向位置を検出する位置センサー
    と、前記位置センサー信号によって励磁用コイルに制御
    電流を流す制御装置とから構成される磁石併用ラジアル
    磁気軸受において、 静荷重支持側と静荷重非支持側で磁気吸引力を変えるこ
    とにより、回転軸中心付近で磁力が平衡することを特徴
    とするラジアル磁気軸受。
  2. 【請求項2】少なくとも円周方向周りの所定領域の表層
    部が強磁性体で形成されている回転軸と、 磁性体で形成されるとともに一部断面に永久磁石を配置
    してなるヨークと当該ヨークの周囲にそれぞれ巻き付け
    られた励磁用コイルとを有する電磁部材を前記回転軸の
    前記所定領域に対向して円周方向周りに複数配置してな
    るラジアル電磁部材群とを備えるラジアル磁気軸受装置
    であって、 前記電磁部材を含む磁気回路を、磁力線が前記回転軸を
    通過する吸引状態と磁力線が前記回転軸を通過すること
    を回避する短絡状態との間で切換可能な磁気回路短絡手
    段をさらに備えることを特徴とするラジアル磁気軸受装
    置。
  3. 【請求項3】回転軸の円周方向周りに励磁用コイルを巻
    き付けた磁性鋼板積層体の一部断面に永久磁石を配置し
    てなる少なくとも3個以上の円周方向分極式の磁石併用
    ラジアル電磁極群と、半径方向位置を検出する位置セン
    サーと、前記位置センサー信号によって励磁用コイルに
    制御電流を流す制御装置とから構成される円周方向分極
    式の磁石併用ラジアル磁気軸受において、 各ラジアル磁極間を、相互に磁気的に断絶したことを特
    徴とするラジアル磁気軸受。
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