JP2001073431A - 小便器用消臭剤およびその設置具 - Google Patents

小便器用消臭剤およびその設置具

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JP2001073431A JP25461499A JP25461499A JP2001073431A JP 2001073431 A JP2001073431 A JP 2001073431A JP 25461499 A JP25461499 A JP 25461499A JP 25461499 A JP25461499 A JP 25461499A JP 2001073431 A JP2001073431 A JP 2001073431A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 消臭機能を十分に発揮させる。消臭剤が目障
りとならないようにする。尿のはね返りを防ぎ、尿の吸
着による臭気の濃縮を防ぐ、目皿周辺に汚れが付着し難
くし、目詰まりも起こり難くする。 【解決手段】 小便器の排水管2の少なくとも入口に引
っ掛かる係止手段5で消臭剤7を吊り下げ、この消臭剤
7が排水管2の途中に位置するようにする。消臭剤7が
排水管2内に位置し、排水管2を逆流する臭気との接触
領域も大きく確保されるので消臭能力が向上する。消臭
剤7は支持手段6によって吊り下げた不織布袋8に収納
してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小便器用の消臭剤
およびその設置具に関する。さらに詳述すると、本発明
は、小便器の排水口近傍に設けられる消臭剤の設置形態
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】駅舎などにおける男子トイレの小便器で
は、図11に示すように、排水管101の入口102を
塞ぐ目皿103の上に放置した球形などの固形消臭剤1
04で臭気を処理するか、または図12に示すように、
目皿105内に組込んだ固形消臭剤106で臭気を処理
することが一般的である。このような固形の消臭剤10
4は目皿103の周辺で、また固形消臭剤106は目皿
105の中で次第に溶解・昇華して小さくなり、これに
伴い消臭力も低下するので、ある程度小さくなったら新
しく補充してトイレにおける臭気を処理するようにして
いる。特に、駅舎などにおける男子トイレの小便器は利
用頻度が高く、また排水設備も十分でない場合には臭気
の発生も強いことから、消臭剤104または106の使
用が常時欠かせない状況となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように目皿103の周辺に放置された球形の消臭剤10
4は転がりやすくて目障りなことがあり、一方で、球形
以外の形状とした場合、その材質や形状によっては尿の
はね返りを防ぎきれないこともある。さらには、このよ
うに固形消臭剤104を放置して使用した場合、汚れが
付着し易く、目詰まりが起こりやすいなど、美観だけで
なく清掃作業や機能という面の上でも問題があった。ま
た図12に示すように目皿105内に組込んだ消臭剤1
06の場合、消臭剤106に直接尿がかかる一方で、洗
浄水は目皿105と排水管の入口102の隙間から排水
管101に流れ込むため、消臭剤106が洗浄水で洗わ
れず尿が吸収吸着されて消臭剤の消臭能力を上回り、臭
気を濃縮してしまう危険性がある。さらに固形消臭剤1
04,106ともに排水管101から上がってくる臭気
と排水管の外で接触するために、臭気が消臭される前に
外部に漏出してしまい消臭効果が十分に発揮されないと
いう問題があった。
【0004】そこで本発明は、排水管から上がってくる
臭気と排水管の中で直接接触して消臭機能を十分に発揮
するとともに、目障りとならず、尿のはね返りを防ぎ、
また目皿周辺に汚れが付着し難く目詰まりも起こり難
く、洗浄水によって常に十分に洗浄されるため尿を吸着
して臭気を濃縮することもない小便器用消臭剤およびそ
の設置具を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項1記載の発明の小便器用消臭剤は、小便器の
排水管の内寸よりも小さな消臭剤と、排水管の少なくと
も入口に引っ掛かり、消臭剤を排水管の途中に吊り下げ
る係止手段とを有するようにしている。ここで、消臭剤
の大きさは排水管の内寸よりも小さければ十分である
が、排水の妨げとならないように排水管との間に排水可
能な隙間が当初から生ずる大きさないし形状であること
が好ましい。
【0006】すなわち、本発明は、通常は小便器の目皿
周辺に放置されるにすぎない消臭剤を、目皿下にある排
水管内に吊り下げた状態で設置するものである。本発明
によれば、係止手段を備えた消臭剤のうちの消臭剤部分
が排水管内に位置し、排水管を逆流する臭気との接触領
域も大きく確保されるのでより有効に消臭することが可
能であり、したがって利用頻度の高い男子トイレにおけ
るような強い臭気の発生が防止される。
【0007】さらにこの小便器用消臭剤によれば、消臭
剤が排水管内に宙づり支持されるため目障りになること
がなく、また尿が直接かかることもないためはね返りも
防止される。また、目皿周辺で消臭剤が溶解・昇華する
こともないため汚れの付着が生じ難いし、目詰まりも起
こり難いので清掃作業の面においても楽である。しか
も、入口の口径よりも大きい係止手段を有することから
排水管に取り付けるのが容易で、かつ排水を妨げること
はなく、また設置具や消臭剤が排水管に落ち込むことも
ない。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の小
便器用消臭剤において、消臭剤が係止手段に対し紐状の
支持手段によって吊り下げるようにしている。したがっ
て、この小便器用消臭剤を小便器に設置する際は、まず
消臭剤を排水管に落とし込み、あとは係止手段を入口に
引っ掛けるだけでよい。つまり、消臭剤が係止手段と一
体的である場合のように消臭剤を入口の真上から真っ直
ぐに挿し入れるような動作をしなくてもよいので設置動
作が簡単であるし、様々な形状の排水管に対しても広く
対応しやすい。また、設置深さの調整も簡単に行うこと
ができる。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の小便器用消臭剤における係止手段を排水管の入口
の上部を覆う目皿としたものである。この場合、排水管
の途中に消臭剤が位置することで強い臭気の発生や尿の
はね返りなどが防止されることに加え、目皿が係止手段
を兼用しているため、この目皿を取り上げれば消臭剤な
ども一緒に取り外すことができて簡便である。
【0010】請求項4記載の発明は、請求項1から3の
いずれかに記載の小便器用消臭剤において消臭剤を不織
布袋に収納したものである。不織布袋は排水管の大きさ
や形状に合わせて形状を変化させやすく、また消臭剤の
収納量を変えた場合にも対応しやすいため様々な場所に
おける排水管へ消臭剤を設置しやすくする。
【0011】また請求項5記載の発明の小便器用消臭剤
設置具は、小便器の排水管の少なくとも入口に引っ掛か
る係止手段と、係止手段に吊り下げられて消臭剤を取り
付け可能な支持手段とを備え、消臭剤を支持部材に取り
付けて排水管の中に吊り下げさせるようにしたものであ
る。
【0012】この発明は、通常は小便器の目皿周辺に放
置されている消臭剤を目皿下にある排水管内に吊り下げ
た状態で設置するようにしたもので、これによれば、消
臭剤が排水管内に位置し、排水管を逆流する臭気との接
触領域も大きく確保されるのでより有効に消臭すること
が可能である。
【0013】またこの小便器用消臭剤設置具によれば、
消臭剤が排水管内に宙づり支持されるため目障りになる
ことがないし尿のはね返りも防止される。さらに汚れの
付着が生じ難いし、目詰まりも起こり難い。しかも、入
口の口径よりも大きい係止手段を有することから排水管
に取り付けるのが容易で、かつ排水を妨げることはな
く、また排水管に落ち込むこともない。
【0014】請求項6記載の発明は、請求項5記載の小
便器用消臭剤設置具における支持手段を吊り紐としたも
のである。したがって小便器に設置する際はまず消臭剤
を排水管に落とし込み、あとは係止手段を入口に引っ掛
けるだけでよく、消臭剤が係止手段と一体的である場合
のように消臭剤を入口の真上から真っ直ぐに挿し入れる
ような手間がない。
【0015】請求項7記載の発明は、請求項5または6
記載の小便器用消臭剤設置具における係止手段を排水管
の入口の上部を覆う目皿としたものである。この場合、
目皿が係止手段を兼用しているため、この目皿を取り上
げれば消臭剤なども一緒に取り外すことができて簡便で
ある。
【0016】請求項8記載の発明は、請求項5から7の
いずれかに記載の小便器用消臭剤設置具に支持手段によ
って支持された不織布袋を備えさせ、この不織布袋の中
に消臭剤を収納して支持するようにしたものである。不
織布袋は排水管の大きさや形状に合わせて形状を変化さ
せやすく、また消臭剤の収納量を変えた場合にも対応し
やすいため様々な場所の排水管へ消臭剤を設置しやすく
する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
【0018】図1〜図3に、本発明の小便器用消臭剤お
よびその設置具の一実施形態を示す。この小便器用消臭
剤設置具(以下単に「設置具」ともいう)1は小便器の
排水管2の少なくとも入口に引っ掛かる係止手段5と、
消臭剤7を支持するためこの係止手段5に一端側が取り
付けられた支持手段6とから成る。本実施形態では、係
止手段5は排水管2とその上部を覆う目皿3との間のス
ペース4に収まる形状とし、また支持手段として吊り紐
6を採用して消臭剤7を吊り下げ支持している。
【0019】なお、本実施形態では、図1に示すような
形状の排水管2に消臭剤7を設置する場合を挙げて以下
に説明する。この排水管2は図示するように階段状に径
を狭めており、最奥の鉛直の排水管2から排水するよう
に形成されている。
【0020】まず係止手段5は、目皿3の下の排水管2
の入口に引っ掛けられ、消臭剤7を宙づりにして排水管
2内の所定深さに位置させるものである。本実施形態で
は図1に示すように排水管2の最小の口径より大きいリ
ング状の係止手段5を用い、これを排水管2の入口に引
っ掛けるようにして消臭剤7を吊り下げている。係止手
段5は、排水管2の上部に取り付けて排水の妨げとなら
ないものであり、かつ、吊り下げられた固形の消臭剤7
の重みで排水管2内に落ち込むことのない形状および大
きさに形成されている。
【0021】また、この係止手段5は、排水管2の径が
図示するように階段状に形成されているような場合にお
いてはいずれの口径に合わせて形成することも可能であ
る。ただし、目皿3で排水管2を覆ったときに形成され
るスペース4内に収まる形状・大きさとし、目皿3が所
定位置から浮き上がらないようにするため、本実施形態
では最小の口径に対応した係止手段5を形成している。
【0022】支持手段6は、消臭剤7を排水管2内にお
いて所望の深さとなる位置に吊り下げるためのもので、
一端は係止手段5に、他端は消臭剤7にそれぞれ固着さ
れている。この支持手段6の材質は特に限定されるもの
ではないが、耐湿性に富み、湿気を吸収してもあまり伸
縮しないものであることが好ましい。この支持手段6と
しては例えば凧糸やプラスチック製の糸、バンドのよう
な身近なものの使用が可能であるし、あるいは耐久性に
優れるステンレス製チェーンなどを使用することも可能
である。
【0023】なお、支持手段6は、このように係止手段
5と別部材として設けたもののほか、係止手段5の一部
を用いるようにしたものであっても構わない。すなわ
ち、特に図示はしていないが、リング状の係止手段5の
一部を下方に突出した形状に一体形成し、この突出部の
下端を消臭剤7の収納が可能な篭形状として消臭剤7を
排水管2の途中に位置させるようにしてもよい。あるい
は、突出部の下端を消臭剤7を収納した容器などに固着
して吊り下げ支持してもよい。これらの場合、係止手段
5の一部が支持手段6として機能することになる。
【0024】ただし、本実施形態のように吊り紐を支持
手段6として採用し、係止手段5と消臭剤7との相対位
置を自在に変え得るようにすることは、消臭剤7と係止
手段5とを必ずしも真っ直ぐにした状態で排水管2に挿
し入れなくてもよくなるため、これらを設置する際の自
由度が増して設置作業あるいは取り外し作業が楽になる
ので好適である。
【0025】消臭剤7は、排水管2の途中に位置するこ
とで消臭を行う。本実施形態では、図1、図2に示すよ
うに消臭剤7を不織布袋8に収納し、この不織布袋8を
支持手段6によって吊り下げるようにしている。不織布
袋8は、その中に消臭剤7を収納しても排水管2を通過
可能な程度の大きさに形成したもので、この不織布袋8
の上端部には支持手段6を結びつけるための孔10を設
けている。ただし、このような不織布袋8は消臭剤7を
設置する手段の一例であり、この他の容器状物、例えば
野菜を入れたりするネット状の袋などを代わりに使用す
ることも可能であるが、不織布袋8を使用することによ
り、その織目の径によって消臭剤の溶解速度を使用状況
にあわせて調節することが可能になり好適である。
【0026】また、支持手段6は不織布袋8などの容器
状物に直接取り付けるようにしてもよいが、これらの間
にフック(図示省略)を介在させることもできる。この
ようにフックを介在させた場合、消臭剤7あるいは不織
布袋8から支持手段6を外さなくてもこの消臭剤7の交
換や補充を行うことができるから、消臭剤7を補充する
タイプの設置具1においては作業が簡便になる。なお、
この場合、交換作業中に消臭剤7がフックから不意に外
れ落ちてしまうのを防止するため、フックの開口部を開
閉自在にしておくことが好適である。
【0027】また、本実施形態の設置具1を用いて消臭
剤7を設置するとき、排水管2の形状に対応して設置の
態様を変化させて構わない。例えば、支持手段6が消臭
剤7に引っ張られて図1に示すようにリングが立てかけ
られた状態となってもよいし、あるいは図3に示すよう
に排水管2の上端部にリング状の係止手段5がはまり合
うようにして横たわった状態となってもよく、本実施形
態の設置具1は排水管2に設置した後に目皿3を設置す
ることができれば設置状態は限定されない。
【0028】上述したように、本発明の小便器用消臭剤
設置具1は消臭剤7を排水管2と目皿3の間のスペース
4を利用して設置することを可能とするものであり、こ
れにより、球形の固形消臭剤が放置された場合のような
尿のはね返りや汚れの付着を減少させることができ、目
皿に消臭剤が組込まれた場合のように尿が吸着して臭気
を濃縮する現象を防止することが出来る。しかも、排水
管2の内部に消臭剤7が設置されるため気体と接触する
領域が大きく確保され、したがって排水管2を逆流する
汚臭を有効に消臭することができる。また、係止手段5
としてリングを用いているため交換作業も簡便である。
【0029】なお、上述の形態は本発明の好適な形態の
一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の
要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能であ
る。例えば、本実施形態ではリング状の係止手段5を用
いて消臭剤7を吊り下げるようにしたが、これは係止手
段5の形状の一例に過ぎず、排水管2に落ち込まない形
状または大きさとする限り特に限定されることはない。
【0030】したがって、この係止手段5は図2のよう
に縦長の楕円形状であってもよいし、あるいは矩形に形
成した係止手段5を用いるようにしてもよい。係止手段
5は排水管2に即した形状に形成することにより消臭剤
7を交換する際に引き上げやすくすることができる。す
なわち、設置具1の係止手段5は、スペース4に収まる
範囲内で、ある程度の高さを備えていることが消臭剤7
の交換時における作業性をより向上させるため好適であ
る。
【0031】また、中心から径方向に向かう数本の部材
を組み合わせることで係止手段5を形成するようにして
もよい。例えば図4に示す係止手段5は、中心に位置す
る小さなリング部材5aに、放射状に延びる3本の爪部
材5bを等間隔に配置して形成したものである。この場
合、3本の爪部材5bの先端を通る仮想円が排水管2の
内径よりも大きくなるようにしている。また、数本の爪
部材5bを図5に示すように中心から斜め上方へ向かっ
て放射状に突出させたり、あるいは図6に示すようにこ
れとは逆の斜め下方に向かって突出させるようにするこ
ともできる。
【0032】さらには、このような係止手段5の外側に
図4に示すように円環状の部材5cを設け、爪部材5b
の先端をそれぞれ一体的に取り付けることによって係止
手段5の全体強度を向上させるようにしてもよい。そし
て、この場合においては、係止手段5の爪部材5bや円
環状部材5cを目皿3と同様の形状に形成することによ
ってこの係止手段5に目皿3としての機能を備えさせる
ことも可能である。つまり、目皿3と係止手段5とを兼
用すると共に、消臭剤7を交換するときこの係止手段5
を同時に交換できるようにしてもよい。
【0033】また、このようなリング部材5aと数本の
爪部材5bからなる係止手段5を用いるようにした場
合、支持手段6をリング部材5aに直接結びつけてもよ
いが、図4に示すようにこの支持手段6とリング部材5
aの間にフック9を介在させるようにしてもよい。この
フック9は図示するようにリング部材5aに引っ掛けや
すくなるように折り曲げて形成したものであり、さらに
はその先端部も折り曲げ、この折り曲げ部をリング部材
5aの周縁などに引っ掛けることでリング部材5aから
ずれ落ちないようにしている。
【0034】さらに、本実施形態では不織布袋8を利用
して消臭剤7を排水管2の内部に位置させるようにした
が、同様にして消臭剤7を排水管2内に設置可能であれ
ば特にこのような袋を利用しなくても構わない。例えば
不織布以外の材質からなる袋を利用することもできる
し、プラスチック製の多孔容器を利用してもよい。また
このようなプラスチック製容器は例えば六角柱や八角柱
などの多角柱形状としてもよいし、あるいは楕円の回転
体などのような曲面形状からなる形状の容器としても構
わない。なお、消臭剤7の容器の上部には支持手段6を
結びつけるための孔や突起を設けておくようにする。ま
た、上述したようなフック9を介して消臭剤7を吊り下
げる場合には、このフック9の形状や大きさに合った孔
や突起を設けておき、フック9の着脱を容易に行うこと
ができるようにしておくことも好ましい形態の一つであ
る。
【0035】また、本実施形態では排水管2の形状に合
わせた小便器用消臭剤7およびその設置具1について主
に説明したが、これらの形状についてもある特定の形状
に限定されることはない。例えば、図7に示すような星
形に形成された小便器用消臭剤7であっても排水管2の
中に設置可能であれば上述した小便器用消臭剤設置具1
の対象となり得る。つまり、排水が通過しうる隙間を有
していればよい。また、このような形状とすることによ
り消臭剤7の表面積を大きくとることもできる。
【0036】
【実施例】本発明の消臭剤について、T駅構内中央口男
子トイレにおいて、小便器の排水管2から発生してくる
臭気に対する消臭効果を確認する試験を実施した。試験
は現状の消臭剤の交換サイクルが2週間であることか
ら、平成11年6月15日〜6月28日の二週間にかけ
て実施し、図8に示すように、T駅中央口男子トレイの
利用頻度が高いと思われる小便器2カ所に本発明の消臭
剤を目皿の下に設置した。なお、この小便器に対する設
置の方法は発明の実施の形態に示す図3のものと同一で
ある。
【0037】参考までにT駅中央口男子トイレは、小便
器1カ所1日あたり500人以上が利用する利用頻度が
非常に高いトイレであり、短期間で消臭剤の効果を判定
するには好適な場所である。
【0038】臭気の測定は、排水管2から発生してくる
臭気がもっとも検知されやすい目皿の排水穴の直上にお
いて、臭気として発生する屎尿臭の主成分であるアンモ
ニアの濃度を北川式ガス検知管を使用して測定すること
により行った。
【0039】測定は1〜2日に一回の頻度で、いずれも
午後2時に実施した。
【0040】対照として、図11の符号104に示すよ
うな従来から存在する目皿周辺に放置する球状に成形し
た実施例と同一成分の消臭剤を設置した小便器2カ所に
ついても同様に臭気の測定を実施し、本発明の消臭剤と
消臭効果を比較した。
【0041】本発明の消臭剤における実施例の測定結果
を図9に、対照における測定結果を図10に示す。いず
れも横軸に消臭剤を設置してからの経過日数、縦軸に目
皿の排水穴の直上におけるアンモニア発生量をプロット
したグラフである。
【0042】本発明の消臭剤については、実施例A、B
ともに消臭剤の設置前には不快臭が気になるレベルのア
ンモニアが検出されたが、設置1日後にはまったく検出
されなくなり、2週間後においても消臭効果の持続が確
認された。
【0043】一方、目皿周辺に放置する球状の消臭剤を
設置した対照(比較例)A、Bにおいては、設置後も設
置前と変わらずに不快臭が気になるレベルのアンモニア
が検出され、2週間の間この傾向に変化は見られなかっ
た。
【0044】以上の結果より、従来から存在する目皿周
辺に放置する球状の消臭剤については、小便器の排水管
2から発生してくる臭気に対してほとんど消臭効果が認
められないのに対し、排水管2の中に設置する本発明の
消臭剤は、排水管2中で臭気と効果的に接触することに
より、高い消臭効果を示すことが確認された。
【0045】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、請求項
1記載の発明によれば、通常は小便器の目皿周辺に放置
されるにすぎない消臭剤を目皿下にある排水管内に吊り
下げた状態で設置することができる。このため、消臭剤
と臭気との接触領域が大きくなり、この臭気を有効に消
臭することができる。
【0046】さらにこの発明によれば、消臭剤は目皿の
下側に宙づり支持されるため目障りになることがなく、
また尿が直接かけられることもないためはね返りも防止
される。また、目皿周辺での汚れの付着が生じ難いし、
目詰まりも起こり難いので清掃作業の面においても楽で
ある。更に尿が直接かからないことによって、尿を吸着
し臭気を濃縮してしまう現象を防止できる。しかも、係
止手段を有することから排水管上部に取り付けるのが容
易で、かつ排水を妨げることはなく、また設置具自体が
排水管に落ち込むこともない。
【0047】また請求項2記載の発明によると、消臭剤
を排水管に設置する作業が簡単になる。また、様々な形
状の排水管に対しても広く対応しやすいし、消臭剤の設
置深さの調整も簡単に行うことができる。
【0048】さらに請求項3記載の発明によると、排水
管の途中に消臭剤を位置させることで強い臭気の発生や
尿のはね返りなどを防止できることに加え、係止手段が
目皿を兼用しているため、この目皿を取り上げれば消臭
剤なども一緒に取り外すことができて簡便である。
【0049】また請求項4記載の発明によると、不織布
袋は排水管の大きさや形状に合わせて形状を変化させや
すく、また消臭剤の収納量を変えた場合にも対応しやす
いことから、様々な場所における排水管への消臭剤の設
置が行いやすい。更に不織布織目の径によって、消臭剤
の溶解速度を使用状況にあわせて調節することが可能で
ある。
【0050】請求項5記載の発明の小便器用消臭剤設置
具によると、消臭剤を目皿下にある排水管内に吊り下げ
た状態で設置することができるので、消臭剤と臭気との
接触領域を大きくして有効に消臭することが可能とな
る。
【0051】さらにこの発明によれば、消臭剤が目障り
になることがなく、また尿が直接かけられることもない
ためはね返りも防止することができる。また、目皿周辺
での汚れの付着が生じ難いし、目詰まりも起こり難いの
で清掃作業の面においても楽であり、尿が直接かからな
いことによって尿を吸着し臭気を濃縮する現象を防止す
ることができ、しかも、係止手段を有することから排水
管上部に取り付けるのが容易で、かつ排水を妨げること
はなく、また設置具自体が排水管に落ち込むこともな
い。
【0052】また請求項6記載の発明では支持手段を吊
り紐としているため、小便器に設置する際はまず消臭剤
を排水管に落とし込み、あとは係止手段を入口に引っ掛
けるだけでよく、消臭剤が係止手段と一体的である場合
のように消臭剤を入口の真上から真っ直ぐに挿し入れる
ような手間がない。
【0053】請求項7記載の発明によると、係止手段を
排水管の入口の上部を覆う目皿としたことから、この目
皿を取り上げれば消臭剤なども一緒に取り外すことがで
きて簡便である。
【0054】さらに請求項8記載の発明によると、不織
布袋は排水管の大きさや形状に合わせて形状を変化させ
やすく、また消臭剤の収納量を変えた場合にも対応しや
すいため様々な場所の排水管へ消臭剤を設置しやすくす
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す消臭剤設置具が設け
られた小便器の排水管付近の断面図である。
【図2】小便器用消臭剤設置具と消臭剤を示す図であ
る。
【図3】排水管の上端部にリング状の係止手段が横向き
にはまり合った様子を示す断面図である。
【図4】リング部材と放射状の爪部材とで形成された係
止手段を示す図である。
【図5】爪部材が中心から斜め上方へ向かって放射状に
突出した係止手段を示す図である。
【図6】爪部材が中心から斜め下方へ向かって放射状に
突出した係止手段を示す図である。
【図7】本発明の別の実施形態を示す消臭剤および排水
管の平面図である。
【図8】T駅中央口駅舎トイレにおける消臭試験の測定
位置を示す概略平面図である。
【図9】T駅駅舎男子トイレにおける目皿上のアンモニ
ア発生量を示すグラフである。
【図10】T駅駅舎男子トイレにおける目皿上のアンモ
ニア発生量の対照を示すグラフである。
【図11】従来の排水管付近における消臭剤の設置形態
を示す図である。
【図12】目皿内に組込んだ固形消臭剤で臭気を処理す
るようにした従来の消臭剤の設置形態を示す図である。
【符号の説明】
1 小便器用消臭剤設置具 2 排水管 3 目皿 4 スペース 5 係止手段 6 支持手段 7 消臭剤 8 不織布袋

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小便器の排水管の内寸よりも小さな消臭
    剤と、前記排水管の少なくとも入口に引っ掛かり、前記
    消臭剤を前記排水管の途中に吊り下げる係止手段とを有
    することを特徴とする小便器用消臭剤。
  2. 【請求項2】 前記消臭剤は前記係止手段に対し紐状の
    支持手段によって吊り下げられていることを特徴とする
    請求項1記載の小便器用消臭剤。
  3. 【請求項3】 前記係止手段が前記排水管の入口の上部
    を覆う目皿であることを特徴とする請求項1または2記
    載の小便器用消臭剤。
  4. 【請求項4】 前記消臭剤が不織布袋に収納されている
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の小
    便器用消臭剤。
  5. 【請求項5】 小便器の排水管の少なくとも入口に引っ
    掛かる係止手段と、前記係止手段に吊り下げられて消臭
    剤を取り付け可能な支持手段とを備え、前記消臭剤を前
    記支持手段に取り付けて前記排水管の中に吊り下げるこ
    とを特徴とする小便器用消臭剤設置具。
  6. 【請求項6】 前記支持手段は吊り紐であることを特徴
    とする請求項5記載の小便器用消臭剤設置具。
  7. 【請求項7】 前記係止手段が前記排水管の入口の上部
    を覆う目皿であることを特徴とする請求項5または6記
    載の小便器用消臭剤設置具。
  8. 【請求項8】 前記支持手段によって支持された不織布
    袋を備え、この不織布袋の中に前記消臭剤を収納して支
    持することを特徴とする請求項5から7のいずれかに記
    載の小便器用消臭剤設置具。
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JP2015109938A (ja) * 2013-11-08 2015-06-18 株式会社 ハル・インダストリ 空き部屋の消臭方法、排水口の消臭方法及び排水口用消臭具

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