JP2001073333A - 除雪機のブロアハウジング構造 - Google Patents

除雪機のブロアハウジング構造

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JP2001073333A
JP2001073333A JP25459699A JP25459699A JP2001073333A JP 2001073333 A JP2001073333 A JP 2001073333A JP 25459699 A JP25459699 A JP 25459699A JP 25459699 A JP25459699 A JP 25459699A JP 2001073333 A JP2001073333 A JP 2001073333A
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勝久 市川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 除雪機のブロア騒音を低減する。 【解決手段】 ブロアハウジング60の主たる構成要素
は、羽根車32を収納する円筒部61と、この円筒部6
1から接線に沿って延ばした吐出部62と、この吐出部
62が円筒部61に交わる舌状部63において円筒部6
1側に、外方へ膨出すると共に羽根車32の回転(矢印
)に沿って膨出代Dが減少するスロープ状の膨出溝6
4と、からなる。 【効果】 矢印のごとく羽根車32を回すと、羽根車
32で遠心力を付与した風や雪が舌状部63に向う。舌
状部63にはスロープ状の膨出溝64があるために、風
や雪は矢印のごとく膨出溝64に沿って滑らかに円筒
部61へ移動する。従って、舌状部63では従来のよう
な衝突は発生せず、衝突したとしても軽微なものとな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は除雪機の静音化技術
に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、実公平5−35152号公報
「除雪機」に、エンジン、オーガ、ブロアを備えた除雪
機が示されている。この公報の第3図を次図に再掲す
る。ただし、構成要素の名称及び符号は変更した。
【0003】図8は従来の除雪機のブロアの断面図であ
り、ブロアハウジング100は、羽根車101を収納す
る円筒部102と、この円筒部102から円筒の接線に
沿って延ばした吐出部103とからなる。羽根車101
を図時計方向に高速回転することにより、雪に遠心力を
付与して吐出部103を通じて投射することができる。
なお、円筒部102と羽根車101との間のクリアラン
スは、大きいほどブロア効率が低下するので、効率を高
めるためにクリアランスは小さくする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】遠心力は、羽根車10
1の径に比例し、回転数の2乗に比例することから、一
定の大きさの除雪機において回転数を増加すれば、処理
能力を増すことができ、このために近年、羽根車101
の回転を高める傾向にある。
【0005】その結果、雪の処理量は大幅に増加したも
のの、ブロアハウジング100からの騒音も増加すると
いう新たな問題が発生した。
【0006】図9(a),(b)は従来の除雪機を対象
に調べた騒音のグラフである。 (a)はブロアを停止し、エンジンのみを運転したとき
に調べた騒音を示し、横軸は周波数、縦軸は騒音を示
す。 (b)はブロアを運転したときに調べた騒音を示し、エ
ンジン、ブロアともに運転しているため、(a)より全
体的に騒音は大きくなっている。 例えば、(a)の横軸で周波数fにおける騒音と、
(b)の横軸で周波数fにおける騒音とを比較すると、
(b)がΔ1だけ大きい、即ちうるさいことが判明し
た。このΔ1がブロアハウジング100から発せられる
騒音に相当する。
【0007】この様にブロアの高速回転化に伴なって騒
音が増加するため、ブロアの性能向上が難しい現状にあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は上
記課題を解決すべく、種々の検討を行った結果、図8に
おいて、舌状部105(円筒部102と吐出部103と
の境目でレ又はV字をなす部位をブロア用語で「舌部」
または「舌状部」という)に、羽根車101で加速され
た空気(風)並びに雪(吐出部103に入らずに再度円
筒部102に進入する雪)が衝突し、このときの衝突音
が前記Δ1の要因であると知見するに至った。上述した
通りに、ブロア性能を維持するために円筒部102と羽
根車101とのクリアランスを小さめに設定するため、
吐出部103で開放された風(空気)や雪が小さなクリ
アランスに進入するときに音が発生するとも考えられ
る。そこで、舌状部105の形状を種々改良して、実験
を行ったところ、静音化を図ることに成功した。
【0009】具体的には請求項1は、羽根車を収納する
円筒部と、この円筒部の接線に沿って延ばした吐出部と
からブロアハウジングを構成し、羽根車を回して雪に遠
心力を付与し、この雪を吐出部及びシュータを通じて投
射する形式の除雪機において、吐出部が円筒部に交わる
舌状部にて、円筒部側に外方へ膨出すると共に羽根車の
回転に沿って膨出代が減少するスロープ状の膨出溝を設
けたことを特徴とする。
【0010】羽根車から離れて舌状部に向う風や雪は、
膨出溝に沿って滑らかに円筒部に戻る。従って、舌状部
での風や雪の衝突を抑えることができ、静音化を図るこ
とができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。図1は本発明に係る除雪機の側面図であ
り、除雪機10は、前部に遊動輪11、下部に3個の下
部転輪12,13,14を各々回転自在に備えたクロー
ラフレーム16の後部に、車体フレーム21を上下スイ
ング可能に連結し、この車体フレーム21の前部に除雪
部30を取付け、車体フレーム21にエンジン22を載
せ、車体フレーム21の後部に駆動輪23を取付け、こ
の駆動輪23と遊動輪11とにクローラベルト24を巻
き掛け、クローラフレーム16に車体フレーム21を連
結するピボット軸25を前に、駆動輪23を後に、最後
尾の下部転輪14をピボット軸25と駆動輪23の中間
下方に配置し、且つピボット軸25と駆動輪23の中間
上方でクローラベルト24を支える上部転輪26をクロ
ーラフレーム16に取付けたことを特徴とするクローラ
式車両である。
【0012】除雪部30は、エンジン22を駆動源とし
たオーガ31、羽根車32、ブロアハウジング60、そ
り34及びシュータ35を基本要素とし、エンジン2
2、小径プーリ36、ベルト37、大径プーリ38、駆
動軸39、ギヤケース41、オーガ軸42の順でエンジ
ン22の動力を伝えることにより、オーガ31を回転さ
せて路上の雪を図面表裏方向に掻き集めることで羽根車
32に送り込み、羽根車32の遠心力でシュータ35を
通じて雪を投射する。43はエンジンカバー、44はエ
ンジン空冷用ファン、45は駆動輪23に繋がる出力プ
ーリ、50はオーガ高さ調整用油圧シリンダである。
【0013】図2は図1の2−2線断面図であり、ブロ
アハウジング60の主たる構成要素は、羽根車32を収
納する円筒部61と、この円筒部61から円筒の接線に
沿って延ばした吐出部62と、この吐出部62が円筒部
61に交わる舌状部63において円筒部61側に、外方
へ膨出すると共に羽根車32の回転(矢印)に沿って
膨出代(後述の図4の符号D1,D2)が減少するスロ
ープ状の膨出溝64と、からなる。
【0014】図3は本発明に係るブロアハウジングの平
面図であり、円筒部61から角ダクト状の吐出部62へ
延ばした三角柱状の部材が膨出溝形成部材65であり、
この膨出溝形成部材65の下面に膨出溝がある。
【0015】図4は本発明に係る膨出溝形成部材(第1
実施例)の斜視図であり、膨出溝形成部材65に形成し
た膨出溝64が、三角断面を呈し、且つ羽根車の回転
(矢印)に沿って膨出代がD1→D2のごとく減少す
るスロープであることを示す。
【0016】以上に述べたブロアハウジング構造の作用
を次に説明する。図2において、矢印のごとく羽根車
32を回すと、羽根車32で遠心力を付与した風や雪が
舌状部63に向う。舌状部63にはスロープ状の膨出溝
64があるために、風や雪は矢印のごとく膨出溝64
に沿って滑らかに移動し円筒部61に戻る。従って、舌
状部63では従来のような衝突は発生せず、衝突したと
しても軽微なものとなる。
【0017】なお、円筒部61内面と羽根車32とのク
リアランスを大きくすると、衝突音を低減することはで
きる。しかし、クリアランスの増加はブロア効率の低下
に繋がり、投雪性能を低下させることになる。即ち、膨
出溝64の長さLは、静音化にプラスの作用をし、ブロ
ア効率にマイナスの作用をなす。そこで、膨出溝64の
長さLは静音化とブロア効率の双方を考慮して設定すれ
ばよい。
【0018】図5(a),(b)は騒音の比較図であ
る。 (a)は比較例の騒音を示し、図9(b)と同じグラフ
である。すなわち、(a)比較例は図8のブロアハウジ
ングでの騒音を示す。 (b)は膨出溝を備えた実施例の騒音を示し、全体的に
(a)より騒音は小さくなっている。 例えば、(a)の横軸で周波数Fにおける騒音と(b)
の横軸で周波数Fにおける騒音とを比較すると、Δ2だ
け(b)の騒音レベルが下がっている。従って、本発明
の膨出溝64は静音効果があるといえ、この対策により
除雪機のブロアの高速回転化が容易に達成できるという
格別の効果が期待できる。
【0019】図6は本発明に係る膨出溝形成部材(第2
実施例)の斜視図であり、膨出溝形成部材65Bはコ字
断面部材であり、形成した膨出溝64Bは横長矩形断面
を呈することを示し、且つ羽根車32の回転(矢印)
に沿って膨出代がD1→D2のごとく減少するスロープ
状を呈することを示す。膨出溝形成部材65Bは、角ダ
クトの一部を切取った様な単純な板材であるから、容易
に、且つ低コストで製造することができる。
【0020】図7は本発明に係る膨出溝形成部材(第3
実施例)の斜視図であり、膨出溝形成部材65Cは円弧
断面部材であり、形成した膨出溝64Cは略半円断面を
呈することを示し、且つ羽根車の回転に沿って膨出代が
D1→D2のごとく減少するスロープ状を呈することを
示す。膨出溝形成部材65Cは、丸ダクトの一部を切取
った様な単純な板材であるから、容易に、且つ低コスト
で製造することができる。
【0021】一方、図4の膨出溝64は三角柱形状を呈
するため、底はV底である。この様なV底に雪を集め入
ることができる。これに対して図6の膨出溝64Bは矩
形断面であるため、雪は広幅底の範囲で遊ぶ(羽根車の
軸方向に往復する)可能性はある。雪を安定して円筒部
61へ戻すと言う点では図4が図6より勝る。図7の半
円断面の膨出溝64Cは図4と図6の中間である。従っ
て、膨出溝64,64B,64Cは適宜選択すればよ
く、三角、矩形、半円のほか、台形、楕円、五角以上の
多角形であってもよくその形状は任意である。
【0022】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1は、吐出部が円筒部に交わる舌状部にお
いて、円筒部側に外方へ膨出すると共に羽根車の回転に
沿って膨出代が減少するスロープ状の膨出溝を設けたこ
とを特徴とし、羽根車から離れて舌状部に向う風や雪
を、膨出溝に沿って滑らかに円筒部に戻すことができ、
従って、舌状部での風や雪の衝突を抑えることができ、
静音化を図ることができる。この結果、一定の騒音レベ
ルまでは、羽根車の高速回転が可能となり、除雪機の能
力を容易に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る除雪機の側面図
【図2】図1の2−2線断面図
【図3】本発明に係るブロアハウジングの平面図
【図4】本発明に係る膨出溝形成部材(第1実施例)の
斜視図
【図5】騒音の比較図
【図6】本発明に係る膨出溝形成部材(第2実施例)の
斜視図
【図7】本発明に係る膨出溝形成部材(第3実施例)の
斜視図
【図8】従来の除雪機のブロアの断面図
【図9】従来の除雪機を対象に調べた騒音のグラフ
【符号の説明】
10…除雪機、32…羽根車、60…ブロアハウジン
グ、61…円筒部、62…吐出部、63…舌状部、6
4,64B,64C…膨出溝、65,65B,65C…
膨出溝形成部材、D1,D2…膨出代。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 羽根車を収納する円筒部と、この円筒部
    の接線に沿って延ばした吐出部とからブロアハウジング
    を構成し、前記羽根車を回して雪に遠心力を付与し、こ
    の雪を吐出部及びシュータを通じて投射する形式の除雪
    機において、 前記吐出部が円筒部に交わる舌状部にて、円筒部側に外
    方へ膨出すると共に前記羽根車の回転に沿って膨出代が
    減少するスロープ状の膨出溝を設けたことを特徴とする
    除雪機のブロアハウジング構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006348663A (ja) * 2005-06-17 2006-12-28 Yoka Ind Co Ltd 除雪機

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