JP2001072946A - 粘着シートおよび粘着シートの製造方法 - Google Patents

粘着シートおよび粘着シートの製造方法

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JP2001072946A JP24943099A JP24943099A JP2001072946A JP 2001072946 A JP2001072946 A JP 2001072946A JP 24943099 A JP24943099 A JP 24943099A JP 24943099 A JP24943099 A JP 24943099A JP 2001072946 A JP2001072946 A JP 2001072946A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】吸湿性のある粉体を粘着剤層に含有する粘着シ
ートおよびその製造方法に関する。 【解決手段】本発明は、基材および粘着剤層を有する粘
着シートにおいて、粘着剤層中に吸湿性のある粉体およ
び吸湿防止剤を含有する粘着シートである。また、本発
明は、基材および粘着剤層を有する粘着シートであり、
該粘着剤層中に吸湿性のある粉体を有する粘着シートを
製造するにあたり、まず吸湿性のある粉体と吸湿防止剤
を混合し、この混合物と粘着剤を混合して塗液とし、こ
れを基材に直接塗布するか、剥離シートに塗布した後に
基材と貼り合わせるかして製造することを特徴とする粘
着シートの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸湿性のある粉体
を粘着剤層に含有する粘着シートおよびその製造方法に
関する。特に、建築構造物の外壁等に使用するタイルパ
ネルを作製する際に使用されるタイルパネル作製用粘着
シートおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、建築構造物の壁面にタイルを敷設
する方法としては、モルタルやセメント面に直接タイル
を1枚ずつ貼り付ける方法と、事前に一定枚数のタイル
を貼り付けて一体化したタイルパネルを作製しておき、
このパネルを壁面に固定する方法(いわゆるプレキャス
ト工法)がある。最近は作業効率、コスト、仕上がり精
度等の点より後者のプレキャスト工法が広く行われてい
る。
【0003】タイルパネルを作製する工程を具体的に述
べると、タイルを表面が上になるようにして所定の間
隔で平面的に配列した後、タイルの隙間に目地材を敷き
詰める工程、この敷き詰めたタイルと目地材の表面側
からタイルパネル作製用粘着シート(以下、単に粘着シ
ートともいう)を圧着してこれらを一体化する工程、
一体化したシート(以下、タイルシートともいう)の粘
着シートの反対面にセメントを打設、硬化養生する工
程、セメントが硬化した後、最後に表面の粘着シート
を剥離してタイルパネルとする工程を有するのが一般的
である。
【0004】通常、上記の工程では、タイルの裏面側
にセメントを打設するが、その際、セメントがタイル裏
面のすみずみまで均等にゆきわたるように振動が与えら
れ、またセメント硬化のための養生の際には40〜60
℃程度の熱が加えられる。また、セメント打設をする際
には目的物により、粘着シートを圧着後、粘着シートを
反転して、タイルより深い型枠に、平らに載置して打設
する場合と、枠型を垂直に立てて、タイルシートが地面
に垂直になるように枠に固定した状態で打設する場合が
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この過程において、粘
着シートとタイル表面間に生じた隙間に、未硬化の液状
セメントがしみ込み、タイル表面でそのまま固まってし
まう。この現象は、特に表面が凹凸に富むタイルの場合
に顕著であるが、このしみ出して硬化した余分なセメン
トは、粘着シートを剥離した後に労力により除去せねば
ならず、これが極めて困難な作業であり多くの時間と労
力を要している。この課題を解決するために、粘着剤層
中にオキシカルボン酸および/またはオキシカルボン酸
塩を配合することにより、タイル面と粘着シートの隙間
にしみ出したコンクリートの硬化を遅延でき、タイル表
面のコンクリートを容易に除去することが可能となるこ
とを見出し、先に出願を行った(特願平11−3246
7号)。
【0006】このようなオキシカルボン酸および/また
はオキシカルボン酸塩を主として用いたコンクリート硬
化遅延剤には、水溶液タイプのものと粉体のタイプの2
種が知られているが、有機溶剤には殆ど溶解しないため
に有機溶剤に溶解したタイプは市販されていない。一
方、タイルパネル作製用に用いられる粘着シートを製造
する場合には、粘着剤に高い耐水性を付与する必要があ
るので、有機溶剤系の粘着剤が好ましいが、コンクリー
ト硬化遅延剤として水溶液タイプのものを選ぶと、粘着
剤中に含まれる架橋剤が水と反応するため、ポットライ
フが著しく低下する。
【0007】従って、粉体タイプのものを主として使用
するが、この場合には、ポットライフの低下はないもの
の、オキシカルボン酸および/またはオキシカルボン酸
塩は吸湿により二次凝集を起こすため、粘着剤中に分散
させると、凝集物の粒子径が粘着剤層の厚さよりも大き
なものが発生した場合に、シート表面にストリークが発
生し品質の制御が困難となる。さらに、溶剤型粘着剤を
使用した場合には、オキシカルボン酸および/またはオ
キシカルボン酸塩と溶剤との相溶性が殆どないためか、
継粉が発生し均一に分散させることが非常に困難なもの
となる。このため粘着剤層中にオキシカルボン酸および
/またはオキシカルボン酸塩を均一に分散させるため
に、サンドグラインダーやボールミル等を用いる方法を
用いるが、この方法では系内の残留物が多量に発生する
ために歩留まりが悪く、コストアップを招くばかりか、
系が複雑であるため洗浄に手間がかかり非常に効率が悪
くなる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者はかかる現状に
鑑みて、吸湿性のある粉体を粘着剤へ均一に分散させる
際に、系内の残留物が少なく、かつ容易に洗浄できる方
法について鋭意検討を行った結果、粘着剤に分散させる
前に吸湿性のある粉体に所定量の吸湿防止剤を配合する
ことにより、アジテーターの如き簡易な攪拌設備で容易
に分散可能であり、且つそのために、系内への残留物が
少なくすることができ、洗浄も容易になることを見いだ
し本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、基材および粘着剤層
を有する粘着シートにおいて、粘着剤層中に吸湿性のあ
る粉体および吸湿防止剤を含有する粘着シートである。
また、基材および粘着剤層を有する粘着シートであり、
該粘着剤層中に吸湿性のある粉体を有する粘着シートを
製造するにあたり、まず吸湿性のある粉体と吸湿防止剤
を混合し、この混合物と粘着剤を混合して塗液とし、こ
れを基材に直接塗布するか、剥離シートに塗布した後に
基材と貼り合わせるかして製造することを特徴とする粘
着シートの製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、粘着シートの粘着剤層
中に吸湿性のある粉体を含有する粘着シート、およびそ
の製造方法に関する。吸湿性のある粉体は、通常吸湿に
より二次凝集を起こしてしまう。二次凝集を起こすと、
粘着剤中に均一に分散することが困難である上に、粘着
剤層の厚さよりも凝集物の粒子径が大きくなると、シー
ト表面にストリークを発生し、品質の制御が困難とな
る。このような粉体を粘着剤中に配合する場合には、二
次凝集した粒子を粉砕しながら粘着剤と混合する必要が
あり、サンドグラインダーやボールミルの如き高価で且
つ歩留まりおよび作業性の劣る設備を使わざるを得ず、
コストと時間および労力が非常にかかる作業であった。
【0011】本発明は、吸湿性のある粉体と吸湿防止剤
を併用することに特徴がある。吸湿防止剤としては、無
水シリカ、酸化アルミニウム、二酸化チタン等の吸湿性
のない金属酸化物の微粉末等が使用できる。これらの吸
湿防止機構としては、質量のある物質同士の間に生ずる
引力の性質を利用すると考えられる。即ち、吸湿性のあ
る粉体に、吸湿性のない金属酸化物の微粉末を配合させ
ることにより、吸湿性のある粉体の表面に吸湿性のない
粉体が引力により被覆される。その結果、吸湿性のある
粉体は外気と遮断されるので空気中の水分で吸湿する頻
度が少なくなる。また、吸湿が起こった場合にも吸湿し
た粉体同士が接触することが少なくなるので、二次凝集
が起こり難くなる。従って、このような吸湿防止剤は、
厳密には吸湿を完全に防止しているわけではなく、吸湿
を起こしていても二次凝集を起こさないためにあたかも
吸湿していないような状態になるものである。さらに
は、前述のような構造となるために溶液に分散させる際
にも低いエネルギーで容易に且つ均一に分散させること
が可能となる。
【0012】以下、吸湿性の有する粉体を粘着剤層に有
する粘着シートの代表例として、タイルパネル作製用粘
着シートについて説明する。粘着剤層を構成する粘着剤
としては、その種類について特に限定されることはな
く、その組成としてはゴム系、アクリル系、シリコン系
等、また、形態としては水系、溶剤系、エマルジョン系
等の公知のものから任意に使用することができるが、タ
イルシートの粘着剤面が水和コンクリートに接触するの
で、耐水性の点から溶剤系が良く、且つ粘着力のコント
ロールの容易さからアクリル系が最も優れている。
【0013】粘着剤には必要に応じてイソシアネート系
化合物、エポキシ系化合物、金属キレート系化合物の如
き樹脂架橋剤や、タッキファイヤー、その他の助剤等の
添加剤を配合することができる。特に限定するわけでは
ないが、粘着剤層は、陶磁器質タイルを被着体としたと
きのJIS Z0237に準拠する180度剥離接着力
が300〜1500gf/25mm程度であることが好
ましく、更にポリエチレンを被着体としたときのJIS
Z0237に準拠する180度剥離接着力が250g
f/25mm以上であることが好ましい。このような接
着力にするには、粘着剤、架橋剤などの選択および配合
部数の調節、粘着剤の基材への塗工量を調節などの方法
が採用できる。
【0014】本発明は、この粘着剤層中にセメント凝結
遅延作用を有する物質を含有させる。セメント凝結遅延
作用を有する物質を粘着剤層中に含有せしめることによ
り、タイル表面にしみ出したセメントの硬化を遅らせる
ことができ、後工程のタイル表面のセメント除去作業を
効率良く行うことができる。
【0015】セメント凝結遅延作用を有する物質として
は、様々な材料が例示でき、例えばコンクリート硬化遅
延剤として市販されている。コンクリートはアルカリ性
下で水と反応させることにより硬化する。従って、酸性
下では硬化時間が長くなり、その性質を利用したものが
一般的なコンクリート硬化遅延剤である。粘着剤層中に
配合して使用できるセメント凝結遅延作用を有する物質
としては、オキシカルボン酸およびその塩のほか、Ca
SO4・2H2O、Ca(ClO3)2、CaI2、CaC
2、Ca(NO32、CaBr2、CaSO4・1/2
2O、NaCl、MgCl2、Na3PO4、Na24
7、Na3AsO4、Ca(CH2COO)2、リグニンス
ルホン酸塩(例えばリグニンスルホン酸カルシウム)、
ショ糖などを成分とするコンクリート硬化遅延剤等が例
示できる。
【0016】中でもオキシカルボン酸および/又はオキ
シカルボン酸塩を主成分としたものは、粘着シートに用
いた際のセメント凝結遅延効果が優れているので好まし
い。恐らく粘着剤層中のオキシカルボン酸および/又は
オキシカルボン酸塩がタイル表面に漏れ出したセメント
と接触すると、オキシカルボン酸分子がセメント中のカ
ルシウムイオンと結合して強いキレート環を形成し、こ
れがセメント中の3CaO・SiO2(エーライトとも
いう)などの表面に吸着し、エーライトの水和を遅延す
ることができるため、タイル表面でのセメントの硬化す
ることを抑制することができると考えられる。
【0017】オキシカルボン酸は、オキシ酸、ヒドロキ
シ酸、ヒドロキシカルボン酸、アルコール酸とも呼ば
れ、1分子中にカルボキシル基とアルコール性水酸基と
を持つ有機化合物であるが、カルボキシル基と水酸基の
相対的位置によって、α−、β−、γ−、δ−…ヒドロ
キシ酸と区別される。また、一分子中のカルボキシル基
の数によって、オキシモノカルボン酸、オキシジカルボ
ン酸、オキシトリカルボン酸…と区別される。オキシカ
ルボン酸の具体例としては乳酸、グリセリン酸、酒石
酸、クエン酸、トロパ酸、ベンジル酸等が挙げられ、こ
れらの酸を水酸化ナトリウムの如きアルカリ物で中和反
応させて得られる塩もまた同様の効果を得ることができ
る。これらは単独で使用しても良いし、2種類以上のオ
キシカルボン酸および/又はオキシカルボン酸塩を併用
しても良く限定されない。また、その配合量も特に限定
されるものではなく、所望のコンクリート遅延効果が得
られる量を配合する。
【0018】しかしながら、オキシカルボン酸塩をはじ
めとするコンクリート遅延剤の殆どが吸湿性が高く、空
気中の水分で容易に二次凝集を起こす性質がある。な
お、粘着剤中へのセメント硬化遅延剤の配合割合は、使
用する遅延剤の種類などにより一概にいえないが、オキ
シカルボン酸塩の場合、粘着剤固形分100重量部に対
し3〜20重量部程度である。
【0019】このような吸湿性を有する粉体を粘着剤中
に配合する場合には、二次凝集した粒子を粉砕しながら
粘着剤と混合する必要があり、サンドグラインダーの如
き高価で且つ歩留まりおよび作業性の劣る設備を使わざ
るを得ず、コストと時間および労力が非常にかかる作業
であった。本発明では、このような吸湿性のある粉体を
粘着剤中に容易に且つ均一分散させるために、吸湿防止
剤を併用する。吸湿防止剤としては、無水シリカ、酸化
アルミニウム、二酸化チタン等の吸湿性のない金属酸化
物の微粉末が好ましい。予め吸湿性を有する粉体と吸湿
防止剤を混ぜ合わせることにより、アジテータの如き簡
易な攪拌装置で、しかも低エネルギーで粘着剤中に分散
が可能となる。
【0020】吸湿防止剤の添加割合は、使用する吸湿性
を有する粉体、吸湿防止剤等によって一概にいえない
が、タイルパネル用粘着シートの場合、過少の添加では
二次凝集を防ぐ効果が得られ難く、過剰の添加はコスト
アップを招くばかりか、粉体の表面のほとんどを吸湿防
止剤が覆うことになり、よってコンクリート中の水分で
は殆ど溶解し難くなり、コンクリート硬化抑制効果が得
られなくなる。例えば、吸湿性を有する粉体としてオキ
シカルボン酸塩を用い、吸湿防止剤として無水シリカを
用いた場合、オキシカルボン酸100重量部に対し無水
シリカ0.3〜3部程度の配合量にすることが好まし
い。その他の粉体を用いる場合にはその都度配合範囲を
設定する必要があるが、前述のような機構で吸湿を防止
することから、吸湿防止剤の比表面積が小さいほどその
粉体への添加量は少なくなるものと考えられる。従っ
て、吸湿防止剤としてはその性質、即ち吸湿性のない微
粉末を用いればどの様な化合物でも吸湿防止剤として成
り立ち、その配合量は性能を考慮して任意に設定可能で
ある。
【0021】粘着剤の塗工方法としては、バーコータ
ー、グラビアコーター、ナイフコーター、ロールコータ
ー、コンマコーター、ダイコーター等の如き公知の方法
を任意に使用することができる。また、直接基材に粘着
剤を塗布、乾燥する直接法、シリコーン樹脂、フッ素樹
脂の如き剥離剤層を設けた剥離シート上に一旦、粘着剤
を塗布、乾燥し、次いで基材と貼り合わせる転写法のい
ずれも可能であり特に限定されない。
【0022】なお、本発明の粘着シートは、その粘着剤
を保護するために粘着剤層の表面に剥離剤層を有する剥
離シートを積層した構成、あるいは基材の粘着剤層を形
成していない面に剥離剤層を形成してテープ状に巻き取
ることにより粘着剤層を保護する構成などを採用するこ
とができる。剥離剤としては、シリコーン系、フッ素
系、長鎖アルキル系など、剥離シートの基材としては
紙、グラシン紙、ポリラミ紙、フィルムなど、は公知の
材料が使用できる。なお、剥離シートは、使用後廃棄物
となるので、タイルパネル用粘着シートの場合、テープ
状の形態が特に好ましい。
【0023】本発明では、基材については特に限定せ
ず、公知の紙類、フィルム類、不織布類、織布類、金属
箔など、あるいはこれらの積層体が使用できる。タイル
パネル用としても同様の基材が使用できるが、粘着シー
トを再剥離する際に、シート破れを生じると大きな問題
となるので、引裂強度>粘着力となる基材が好ましい。
具体的には、十分延伸強化した樹脂フィルムに細かい割
れ目を入れた割繊維を縦・横に連続的に積層熱融着した
もの(以下、割繊維不織布とする)にラミネート被覆層
を形成したものや、あるいは、ポリエチレンの如きポリ
オレフィン系樹脂の加熱溶融したものをダイ等によって
押し出し成形したフィルムを細巾にスリットし、次いで
熱ロール等によって縦方向に延伸配向させて得られる扁
平糸条であるフラットヤーン織布に、ラミネート被覆層
を形成したもの等を例示することができる。特に、基材
の180度ピール引裂強度が、引っ張り速度1000m
m/minにおいて500gf以上であると、粘着シー
トの再剥離時の基材破れが生じ難いので好ましい。
【0024】
【実施例】本発明について以下の如き実施例、比較例に
てさらに具体的に説明するが、もちろんこれによって限
定されるものではない。なお、「部」および「%」は全
て「重量部」、「重量%」を意味する。
【0025】
【実施例1】「剥離シートの作成」市販のポリエチレン
ラミネート紙(上質紙74g/m2にポリエチレンを1
5μm程度の厚さになるように溶融押し出し法によりラ
ミネートしたもの)に付加型シリコーン樹脂(商標:S
D7220/触媒SRX212 0.9部添加、東レ・
ダウ・コーニングシリコーン社製)のトルエン希釈液を
バーコーターにて絶乾で1g/m2となるように塗工し
た後、140℃で1分間乾燥、硬化し、剥離シートを作
成した。
【0026】「粘着シートの作成」予め吸湿防止剤とし
て親水性の吸湿防止剤粉体(商標:アエロジル200、
無水シリカ系吸湿防止剤、日本アエロジル社製、平均粒
子径1.2μm)をグルコン酸ソーダ粉体(藤沢薬品工
業社製、一次粒子径2〜20μm)に対して0.5部添
加した。これをアクリル系粘着剤(商標:AT−D37
/架橋剤AL 2部添加、サイデン化学社製)に粘着剤
固形分100重量部に対して3部添加し、アジテーター
にて20rpmで60秒間の条件で撹拌して分散状況を
確認した。得られた粘着剤をバーコーターで絶乾重量換
算にて50g/m2となるように塗工した後、100℃
で1分間乾燥した。
【0027】ついでこの粘着剤層に、基材として高密度
ポリエチレンのフラットヤーン織布の両面に低密度ポリ
エチレンを20μm程度の厚さになるように溶融押し出
し法によりをラミネートし、総厚100μmとしたもの
を、ニップロールにより圧着した後、40℃で3日間エ
ージングし、粘着シートを得た。
【0028】
【実施例2】実施例1の「粘着シートの作成」におい
て、吸湿防止剤をグルコン酸ソーダ粉体に対して3%添
加した以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
【0029】
【実施例3】実施例1の「粘着シートの作成」におい
て、吸湿防止剤として疎水性アエロジル(商標:アエロ
ジルR972V、無水シリカ系吸湿防止剤、日本アエロ
ジル社製)を用い、これをグルコン酸ソーダ粉体に対し
て0.5部添加した以外は実施例1と同様にして粘着シ
ートを得た。
【0030】
【実施例4】実施例1の「粘着シートの作成」におい
て、吸湿防止剤として酸化アルミニウム粉末(商標:酸
化アルミニウムC、酸化アルミニウム系吸湿防止剤、デ
グサ・ヒュルス社製)を用い、これをグルコン酸ソーダ
粉体に対して0.5%添加した以外は実施例1と同様に
して粘着シートを得た。
【0031】
【実施例5】実施例1の「粘着シートの作成」におい
て、吸湿防止剤として二酸化チタン粉末(商標:二酸化
チタンT805、二酸化チタン系吸湿防止剤、デグサ・
ヒュルス社製)を用い、これをグルコン酸ソーダ粉体に
対して0.5%添加した以外は実施例1と同様にして粘
着シートを得た。
【0032】
【実施例6】実施例1の「粘着シートの作成」におい
て、吸湿防止剤のグルコン酸ソーダに対する配合量を
0.1%とした以外は実施例1と同様にして粘着シート
を得た。粘着シートはややストリークが発生気味であっ
た。
【0033】
【実施例7】実施例1の「粘着シートの作成」におい
て、吸湿防止剤のグルコン酸ソーダに対する配合量を
5.0%とした以外は実施例1と同様にして粘着シート
を得た。
【0034】
【比較例1】実施例1の「粘着シートの作成」におい
て、吸湿防止剤を全く配合しなかった以外は実施例1と
同様にして粘着シートを得た。粘着シートはストリーク
が多量に発生していた。
【0035】上記の通り得られた粘着シートについて下
記の評価を実施した。評価結果を表1に示す。
【0036】<分散性>粘着剤中にコンクリート硬化遅
延剤配合し、アジテーター(20rpm×1分)で撹拌
した際の様子から、以下の評価基準で評価した。 ○:均一に分散している △:若干継粉がある程度 ×:継粉が多量に発生
【0037】<タイル吊り下げ保持性>市販の磁器質粗
面タイル(商標:SV50、ダントー社製)を被着体と
して、タイル(8枚)/発泡ポリエチレン製目地材に粘
着シートを手で貼付した後、金属製束子でシート表面を
軽く擦って圧着した。得られたタイルシートを室温で1
週間吊り下げ放置後に粘着シートに全てのタイルが付着
しているものを○、1枚以上の脱落があるものを×とし
て評価した。
【0038】<再剥離性>ついで、タイル吊り下げ保持
性評価後のタイルシートのタイル裏面に市販のセメント
(商標:インスタントセメント、トーヨーマテラン社
製、主成分:ポルトランドセメント)を水と練り合わせ
た物を約10mmの厚さで塗布し、振動を与えて脱気さ
せたものを40℃で7時間処理しセメントを硬化させた
後、粘着シートを剥離した。その際に、粘着テープとタ
イルがきれいに剥がれ、且つ目地材が粘着テープに付着
した状態で粘着シートを剥がすことができるものを○と
し、粘着シートとタイルがきれいに剥がれないものまた
は/および粘着シートに目地材が付着した状態で粘着シ
ートを剥がすことができないものを×として再剥離性を
評価した。
【0039】<セメント硬化抑制効果>コンクリート硬
化遅延性は、上記で作製したタイルユニットに残留して
いるコンクリートを流水下、軽く指先でこすることでセ
メントが容易に取り除けるものを○、容易に取り除くこ
とができないものを×として評価した。
【0040】
【表1】
【0041】このように、各実施例は吸湿性を有する粉
体であるコンクリート硬化遅延剤をアジテーターで容易
に粘着剤に分散することができることがわかる。また、
得られたタイルパネル作製用粘着シートは、吸湿防止剤
を併用することによる硬化遅延性、タイル吊り下げ保持
性、再剥離性等の品質低下もない(実施例1〜7)。一
方、吸湿防止剤を配合しない場合には粘着剤溶液に殆ど
分散せずに多量のストリークが発生する(比較例1)。
また、吸湿防止剤の配合量が過剰の場合、品質は良好な
るもののそれ以上の性能アップはなくコストメリットが
なくなる上に、コンクリート硬化遅延性がやや低下し
(実施例7)、また過少の場合には、粉体の二次凝集を
抑える性能がやや不足するために、分散性がやや劣り塗
工面に品質上は殆ど問題とならないレベルではあるがの
ストリークを発生する(実施例6)ことがわかった。
【0042】
【発明の効果】本発明の粘着シートおよび粘着シートの
製造方法は、サンドグラインダー等の複雑な構造の設備
を要することなく吸湿性の粉体を粘着剤に容易に分散す
ることができ、歩留まり並びに作業効率を大幅に向上さ
せることができるので、タイルパネル作製用粘着シート
に限らず様々な粘着シートに適用できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E110 AA42 AB04 AB22 BA02 BA13 DB33 4J004 AA05 AA10 AA11 AA17 AA18 AB01 CA02 CA04 CB02 CC02 CC03 CC04 DA02 DA04 DA05 EA01 FA08 FA10 GA01 4J040 BA142 CA001 DF041 EK031 HA096 HA136 HA186 HA226 HA256 HA286 HA306 HA326 HB24 HD13 JA02 JA03 JA09 JB09 KA03 KA09 LA11 MA06 MB03 NA14 PA42

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材および粘着剤層を有する粘着シートに
    おいて、粘着剤層中に吸湿性のある粉体および吸湿防止
    剤を含有する粘着シート。
  2. 【請求項2】吸湿性のある粉体がセメント凝結遅延作用
    を有する物質である請求項1記載の粘着シート。
  3. 【請求項3】吸湿性のある粉体がオキシカルボン酸およ
    び/又はオキシカルボン酸塩である請求項1又は2記載
    の粘着シート。
  4. 【請求項4】吸湿防止剤が無水シリカ、酸化アルミニウ
    ム、二酸化チタンから選ばれる少なくとも一種である請
    求項1,2又は3記載の粘着シート。
  5. 【請求項5】粘着シートがタイルパネル作製用粘着シー
    トである請求項2,3又は4記載の粘着シート。
  6. 【請求項6】基材および粘着剤層を有する粘着シートで
    あり、該粘着剤層中に吸湿性のある粉体を有する粘着シ
    ートを製造するにあたり、まず吸湿性のある粉体と吸湿
    防止剤を混合し、この混合物と粘着剤を混合して塗液と
    し、これを基材に直接塗布するか、剥離シートに塗布し
    た後に基材と貼り合わせるかして製造することを特徴と
    する粘着シートの製造方法。
  7. 【請求項7】吸湿性のある粉体がオキシカルボン酸およ
    び/又はオキシカルボン酸塩であり、且つ吸湿防止剤と
    して無水シリカ、酸化アルミニウム、二酸化チタンから
    選ばれる少なくとも一種である請求項6記載の粘着シー
    トの製造方法。
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