JP2001072599A - 新規肝障害抑制剤 - Google Patents
新規肝障害抑制剤Info
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Abstract
課題とする。 【解決手段】クレソン、ウイキョウまたはシュンギクか
ら水及び/または極性有機溶媒を用いて肝臓障害抑制剤
の有効成分を抽出する。
Description
ョウまたはシュンギクの抽出物から選ばれた1または2
種類以上を有効成分として含有する肝臓障害抑制剤に関
するものである。
る程度研究も進み種々の治療が行われているが、慢性肝
障害については原因等、不明な点が多く効果的な治療方
法は確立されていない。この慢性肝障害は免疫系を介す
る肝障害であると考えられている。
用いた治療が行われている。この漢方療法においては、
大柴胡湯、小柴胡湯、柴胡桂枝湯、柴胡桂姜湯、四逆散
等が用いられている(「一般用漢方処方(漢方210処
方)」日本製薬団体連合会漢方専門委員会(197
5)、「漢方概論」藤平健、小倉重成著、創元社(19
79)」)。これらの漢方薬に含まれている生薬の有効
成分については不明な点が多いが、例えば三七人参につ
いては、その成分に肝保護作用が認められている(特願
平8−46154)。また、これらの生薬は、副作用が
少ないと言うメリットが知られている。
存するものが多いため入手が困難であり、且つ野生のも
のを採取するものもあり作用が一定ではない(「生薬学
第4版」北川勲ら著(廣川書店)pp384−387
(1992)、「漢方薬の評価と開発技術」東京生薬研
究会編((株)シーエムシー)pp353−354(1
983))という問題がある。すなわち、漢方薬は一般
的に高価であり、日常的な摂取が困難であるというデメ
リットがある。
する有効成分の抽出も試みられている。野菜では、ニン
ニク(Kagawa, K. et al. Japan. J. Pharmacol.,Vol. 4
2, p.19-26(1986), Nakagawa, S. et al. Hiroshima J.
Med. Sci., Vol. 34, p.303-309(1985))、人参(Bishay
ee, A. et al. J. Ethnopharmacl., Vol.47, p.69-74(1
995)、オオヒジキ(САРТИКОВ, А.С.et al. Kh
im. Farm. Zh., Vol.24, p.38-40(1990))が急性肝障害
抑制効果を示す事が知られているが、慢性肝障害抑制効
果を示すものは知られていなかった。
製が容易な慢性肝障害抑制剤を提供することを課題とす
る。
を解決するため精鋭探索したところ、クレソン、ウイキ
ョウおよびシュンギクに優れた肝臓障害抑制作用がある
こと見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本
発明は、クレソン、ウイキョウまたはシュンギクの抽出
物から選ばれた1または2種類以上を有効成分として含
有する肝臓障害抑制剤及びこの肝臓障害抑制剤を含有す
る医薬品用および食品用組成物である。
障害抑制作用を示す有効成分を抽出する溶媒としては、
水及び/または水溶性の極性有機溶媒を用いるのが好ま
しい。また、本発明の有効成分は、上記の植物から非水
溶性の有機溶媒を用いて抽出されたものを除いた後の残
渣から水及び/または水溶性の極性有機溶媒を用いて抽
出するのが好ましい。
タノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−
プロピルアルコール、n−ブチルアルコール,i−ブチ
ルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチル
アルコール、アセトンから選ばれる1種又は2種以上を
組み合わせて用いるのが好ましい。
はシュンギクの抽出物から選ばれた1または2種類以上
を有効成分として含有する。本発明ではこれらの植物の
茎、葉、根等の植物組織のいずれの部分を使用しても良
いが、特に、本発明の肝臓障害抑制作用を示す有効成分
は茎、葉の部分に多く含まれているため、これらの組織
を用いることが好ましい。
分を含んでおり、粉砕した茎、葉の組織をそのまま用い
ることも可能であるが、抽出により前記有効成分を含む
抽出物を取り出して、本発明の肝臓障害抑制剤の有効成
分として用いることが好ましい。本発明において抽出物
とは、このような粉砕物及び抽出物、又はこれらの濃縮
物のいずれでもよく、またこれらの混合物でもよい。
チ式等の方法で、常法により冷浸または温浸にて任意の
時間行う。例えば、上記植物の乾燥粉末を、細かく粉砕
し、抽出溶媒に、室温で1〜48時間、浸漬及び又は振
とうして行う。その後、抽出液から抽出残渣を除いて、
減圧または限外濾過を行い抽出物を濃縮する。さらに、
必要に応じて溶媒を留去して乾固するかまたは凍結乾燥
する。
や各種の有機溶媒が挙げられるが、水もしくは水溶性の
極性有機溶媒またはこれらの混合物が好ましい。水溶性
の極性有機溶媒とは、水とある範囲以上で混ざる極性有
機溶媒、すなわち、20℃で水に対する溶解度が10重
量%以上である極性有機溶媒をいう。例えば、メタノー
ル、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピ
ルアルコール、n−ブチルアルコール,i−ブチルアル
コール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコ
ール、アセトン等が好ましくは挙げられる。
物から水もしくは水溶性の極性有機溶媒またはこれらの
混合物により直接抽出することができるが、この抽出操
作の前に、非水溶性の有機溶媒により抽出される不純物
を取り除く処理を行うのが好ましい。非水溶性の有機溶
媒とは、水とほとんど混ざらない溶媒、すなわち、20
℃で水に対する溶解度が10重量%未満である溶媒をい
う。例えば、ベンゼン、ヘキサン、四塩化炭素、クロロ
ホルム、各種のエーテル、各種のエステル等が挙げられ
る。非水溶性の有機溶媒であれば非極性の溶媒、極性の
溶媒のいずれでも用いることができる。これらの中で
は、ヘキサン等の非極性の有機溶媒と、酢酸エチル等の
極性の有機溶媒の2種類以上の溶媒を用いて、それぞれ
の溶媒に溶解する不純物を取り除く処理を行うのが好ま
しい。
植物の乾燥粉末から非水溶性の有機溶媒により抽出され
る不純物を取り除く処理をし、次に、水溶性の極性有機
溶媒を用いて本願発明の有効成分を抽出するのが好まし
い。
例示するが、本発明はこの抽出例に限定されるものでは
ない。まず、上記の植物を凍結乾燥し、この乾燥粉末に
ヘキサン等の非水溶性の非極性有機溶媒を加え、この溶
媒に可溶性の成分を取り除く。この際に用いる非水溶性
の非極性有機溶媒としは、n−ヘキサン、シクロヘキサ
ン等が好ましくは例示できる。上記の植物に加える溶媒
の量は、乾燥粉末1g当たり、1〜200mlであるの
が好ましく、10〜50mlであるのが更に好ましい。
操作は上記の植物にこの溶媒を加えた後、スターラー等
でよく攪拌し、非極性の有機溶媒に可溶性の画分を抽出
する。この操作は、通常2回〜5回繰り返すのが好まし
い。
に、酢酸エチル等の非水溶性の極性有機溶媒を加え、こ
の溶媒に可溶性の成分を取り除く。この際に用いる非水
溶性の極性有機溶媒としては、酢酸エチル、酢酸メチル
等のエステル類が好ましくは例示できる。上記の植物に
加える溶媒の量は、乾燥粉末1g当たり、1〜200m
lであるのが好ましく、10〜50mlであるのが更に
好ましい。操作は上記の植物にこの溶媒を加えた後、ス
ターラー等でよく攪拌し、極性の有機溶媒に可溶性の画
分を抽出する。この操作は、通常2回〜5回繰り返すの
が好ましい。
に、アルコール等の水溶性の極性有機溶媒またはこれら
と水の混合物を加え、本発明の有効成分を抽出する。水
溶性の極性有機溶媒としては、メタノール、エタノー
ル、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール,i−ブチルアルコール、s
ec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等が例
示できる。これらの中では、メタノール、エタノール、
n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、t
−ブチルアルコールまたはこれらと水との混合物を用い
るのが好ましく、50〜90重量%のメタノールまたは
エタノール水溶液を用いるのが特に好ましい。上記の植
物に加える溶媒の量は、乾燥粉末1g当たり、1〜20
0mlであるのが好ましく、10〜50mlであるのが
更に好ましい。操作は上記の植物にこの溶媒を加えた
後、スターラー等でよく攪拌し、極性の有機溶媒に可溶
性の画分を抽出する。この操作は、通常2回〜5回繰り
返すのが好ましい。
まま用いることができるが、水とある範囲でしか混ざら
ない水溶性の極性溶媒、例えば、n−ブチルアルコー
ル,i−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール
またはこれらの混合物、あるいは、水を用いて有効成分
を抽出することもできる。抽出物に加える溶媒の量は、
乾燥粉末1g当たり、1〜100mlであるのが好まし
く、5〜20mlであるのが更に好ましい。操作は抽出
物に上記の溶媒を加えた後、スターラー等でよく攪拌
し、上記のに可溶性の画分を抽出する。この操作は、通
常3回〜7回繰り返す。
害抑制剤としてそのまま用いることができるが、濃縮し
て、溶媒を蒸発させることにより固形物として用いるこ
とが好ましい。濃縮は、常圧または減圧条件下で、通常
に用いられる各種の濃縮方法を用いて行うことができ
る。
イキョウまたはシュンギクの抽出物から選ばれた1また
は2種類以上を有効成分として含有するものである。ま
た、これらの抽出物は、そのまま製剤とすることもでき
るし、また、各種基剤に配合して製剤としてもよい。配
合量や基剤に種類は特に限定されるものではなく、適宜
設定すればよい。
する組成物 本発明の組成物は、上記の肝臓障害抑制剤を、常法にし
たがって配合したものであり、例えば、食品、医薬品等
が例示できる。本発明の医薬品の剤型は、特に限定され
ないが、一般に製剤上許容される1または2種類以上の
担体、賦形剤、統合剤、防腐剤、安定剤、香味剤等と共
に混合して、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、水薬、ドリン
ク剤等の内服剤型とすることが好ましい。このような製
剤化は、通常、医薬の製造に用いられる方法にしたがっ
て製剤化することができる。上記医薬品の投与量として
は、疾患の種類、症状、患者の年齢、体重等に異なる
が、成人1日当たり、上記の植物の抽出物として、50
0mg〜5000mgを1回ないし数回に分けて経口投
与するのが好ましい。
合には、種々の食品に、食品として通常用いられている
任意成分とともに、食品原料に抽出物を所要量配合する
ことができる。この抽出物を配合する際に特に留意する
することはなく、通常の製造方法により加工製造するこ
とにより、健康食品、機能性食品を製造することができ
る。配合量は、食品の種類のより異なるが、食品の味を
損なわず、且つ十分な肝臓障害抑効果を得るためには、
食品全量に対して、0.1〜10重量%の割合で配合す
るのが好ましい。
明する。
ンの茎、葉の部分を凍結乾燥し、乾燥粉末100gを得
た。この乾燥粉末を、以下の図1に示す流れに従って分
画し、後の評価に使用した。
00gに2Lのn−ヘキサンを加え十分に攪拌後、残渣
を取り除いた上清をヘキサン抽出液として得た。この操
作を更に2回繰り返し、計3回の操作により、6000
mlのヘキサン抽出液を得た。この抽出液をエバポレー
ターを用いて濃縮乾固させることにより、2.0gの固
形物がヘキサン画分から得られた。
Lを加え十分に攪拌後、残渣を取り除いた上清を酢酸エ
チル抽出液として得た。この操作を更に2回繰り返し、
計3回の操作により、6000mlの酢酸エチル抽出液
を得た。この抽出液をエバポレーターを用いて濃縮乾固
させることにより、2.6gの固形物が酢酸エチル画分
から得られた。
ール2Lを加え十分に攪拌後、残渣を取り除いた上清を
70%エタノール抽出液として得た。この操作を更に3
回繰り返し、計4回の操作により、8000mlの70
%エタノール抽出液を得た。この抽出液をエバポレータ
ーを用いて濃縮乾固させることにより30.1gの固形
物が70%エタノール画分から得られた。また、操作
(c)により、65.3gのエタノール残渣が得られ
た。
よる抽出 次に上記の操作(c)による濃縮乾固物30.1gを5
00mlの蒸留水に溶解させた。そして、この溶液に5
00mlのn−ブタノールを加え十分に攪拌後、分液ロ
ートを用いた向流分配によりブタノール層を抽出した。
残った水層には、更に500mlのn−ブチルアルコー
ルを加え十分に攪拌後、n−ブチルアルコールによる抽
出を行った。この抽出を更に3回繰り返し、計5回の抽
出操作により、2500mlのブチルアルコール抽出液
を得た。このブチルアルコール抽出液をエバポレーター
を用いて濃縮乾固させることにより9.6gの固形物が
ブチルアルコール画分から得られた。
乾燥装置を用いて濃縮乾固させることにより20.5g
の固形物が水溶性画分から得られた。上記の操作による
分画により得られた各分画への分配率(重量%)を表1
に示す。ここで、分配率とは、各分画から得られた固形
物の重量を、分画開始前の重量(100g)で除した値
に100を乗じて%表示したものである。
キョウの茎、葉の部分を凍結乾燥し、乾燥粉末100g
を得た。この乾燥粉末を、以下の図1に示す流れに従っ
て分画し、後の評価に使用した。
100gに2Lのn−ヘキサンを加え十分に攪拌後、残
渣を取り除いた上清をヘキサン抽出液として得た。この
操作を更に2回繰り返し、計3回の操作により、600
0mlのヘキサン抽出液を得た。この抽出液をエバポレ
ーターを用いて濃縮乾固させることにより、2.3gの
固形物がヘキサン画分から得られた。
Lを加え十分に攪拌後、残渣を取り除いた上清を酢酸エ
チル抽出液として得た。この操作を更に2回繰り返し、
計3回の操作により、6000mlの酢酸エチル抽出液
を得た。この抽出液をエバポレーターを用いて濃縮乾固
させることにより、1.3gの固形物が酢酸エチル画分
から得られた。
ール2Lを加え十分に攪拌後、残渣を取り除いた上清を
70%エタノール抽出液として得た。この操作を更に3
回繰り返し、計4回の操作により、8000mlの70
%エタノール抽出液を得た。この抽出液をエバポレータ
ーを用いて濃縮乾固させることにより31.5gの固形
物が70%エタノール画分から得られた。また、操作
(c)により、65.0gのエタノール残渣が得られ
た。
よる抽出 次に上記の操作(c)による濃縮乾固物31.5gを5
00mlの蒸留水に溶解させた。そして、この溶液に5
00mlのn−ブタノールを加え十分に攪拌後、分液ロ
ートを用いた向流分配によりブタノール層を抽出した。
残った水層には、更に500mlのn−ブチルアルコー
ルを加え十分に攪拌後、n−ブチルアルコールによる抽
出を行った。この抽出を更に3回繰り返し、計5回の抽
出操作により、2500mlのブチルアルコール抽出液
を得た。このブチルアルコール抽出液をエバポレーター
を用いて濃縮乾固させることにより7.3gの固形物が
ブチルアルコール画分から得られた。
乾燥装置を用いて濃縮乾固させることにより24.2g
の固形物が水溶性画分から得られた。上記の操作による
分画により得られた各分画への分配率(重量%)を表2
に示す。
ンギクの茎、葉の部分を凍結乾燥し、乾燥粉末100g
を得た。この乾燥粉末を、以下の図1に示す流れに従っ
て分画し、後の評価に使用した。
100gに2Lのn−ヘキサンを加え十分に攪拌後、残
渣を取り除いた上清をヘキサン抽出液として得た。この
操作を更に2回繰り返し、計3回の操作により、600
0mlのヘキサン抽出液を得た。この抽出液をエバポレ
ーターを用いて濃縮乾固させることにより、2.7gの
固形物がヘキサン画分から得られた。
Lを加え十分に攪拌後、残渣を取り除いた上清を酢酸エ
チル抽出液として得た。この操作を更に2回繰り返し、
計3回の操作により、6000mlの酢酸エチル抽出液
を得た。この抽出液をエバポレーターを用いて濃縮乾固
させることにより、2.1gの固形物が酢酸エチル画分
から得られた。
ール2Lを加え十分に攪拌後、残渣を取り除いた上清を
70%エタノール抽出液として得た。この操作を更に3
回繰り返し、計4回の操作により、8000mlの70
%エタノール抽出液を得た。この抽出液をエバポレータ
ーを用いて濃縮乾固させることにより34.1gの固形
物が70%エタノール画分から得られた。また、操作
(c)により、61.2gのエタノール残渣が得られ
た。
よる抽出 次に上記の操作(c)による濃縮乾固物34.1gを5
00mlの蒸留水に溶解させた。そして、この溶液に5
00mlのn−ブタノールを加え十分に攪拌後、分液ロ
ートを用いた向流分配によりブタノール層を抽出した。
残った水層には、更に500mlのn−ブチルアルコー
ルを加え十分に攪拌後、n−ブチルアルコールによる抽
出を行った。この抽出を更に3回繰り返し、計5回の抽
出操作により、2500mlのブチルアルコール抽出液
を得た。このブチルアルコール抽出液をエバポレーター
を用いて濃縮乾固させることにより9.4gの固形物が
ブチルアルコール画分から得られた。
乾燥装置を用いて濃縮乾固させることにより24.7g
の固形物が水溶性画分から得られた。上記の操作による
分画により得られた各分画への分配率(重量%)を表3
に示す。
る肝保護作用は、ラットを用いたD−ガラクトサミン誘
導性の肝障害モデルにより評価した。このD−ガラクト
サミン誘導体の肝障害は、免疫系を介しての肝障害作用
が示唆されるため、慢性肝炎のモデルとされており、臨
床試験での評価結果と相関性が高い。
トを用いた。4〜5日間の予備飼育の後、試験飼料を1
0日間摂取させた。試験に用いた飼料の基本組成は以下
の表4の通りである。また、各分画からの抽出物の飼料
への添加は、表5に示した通りである。すなわち、クレ
ソンからの抽出物を使用する場合は、飼料1kg当た
り、各添加物とコーンスターチの合計量を401gに維
持しつつ、ヘキサン画分、酢酸エチル画分、ブチルアル
コール画分および水溶性画分においては、各画分の抽出
物をそれぞれ1.2g、1.5g、5.8g及び12.
3gの比率で添加物として配合して飼料を調整した。ま
た、ウイキョウからの抽出物または、シュンギクからの
抽出物を使用する場合も、同様に表5に示すように、各
画分の抽出物をそれぞれ比率で添加物として配合して飼
料を調製した。
発するD−ガラクトサミンを350mg/kg腹膜内投
与した。そして、その22時間後に被検ラットを屠殺
し、採血及び肝臓摘出を行った。偽薬投与群には、同容
量の生理食塩水を投与した。
により血中濃度が上昇することが知られている酵素、す
なわち、ALT:アラニンアミノトランスフェラーゼ
(GPT)活性と、AST:アスパラギン酸アミノトラ
ンスフェラーゼ(GOT)活性を市販の測定キット(和
光純薬)により測定した。そして、この酵素活性の増減
を肝障害の指標とした。また、摘出した肝臓の重量も測
定した。酵素活性の増減の結果を図2〜7にそれぞれ示
す。
ガラクトサミン非投与群)に比べて、対照群(D−ガラ
クトサミン投与群)では顕著に、ALT活性とAST活
性の両方が上昇しており、肝細胞の壊死がおきているこ
とが示唆された。一方、クレソンまたはウイキョウの抽
出画分を添加した飼料で飼育した群の中では、ヘキサン
画分、酢酸エチル画分、ブタノール画分、水溶性画分を
添加物として加えた群の全てで、また、シュンギクの抽
出画分添加した飼料で飼育した群の中では、ヘキサン画
分、ブタノール画分、水溶性画分を添加物として加えた
群で、明かに肝障害抑制作用が観察された。なお、分散
分析の後、Duncan法による検定を行ったところ、
ブタノール画分および水溶性画分を添加物として加えた
群は、3種類全ての植物で、ALT活性とAST活性の
両方が、D−ガラクトサミン投与群に対して5%以下の
危険率で統計的に有意差があることを示した。なお、図
2〜5中に示してあるアルファベット(a,b,c,
d)は、共通するアルファベットを有しない群間で、危
険率5%未満で有意差があることを示す。
各群7匹のラットの平均値として、標準偏差とともに表
6〜8に示す。これらの表に示すように、D−ガラクト
サミン投与群では、非投与群と比較してすべての群で肝
臓重量の減少が観察された。この減少はD−ガラクトサ
ミン処理により肝臓の壊死が引き起こされたためである
と示唆される。クレソンの抽出画分を添加物として加え
た群では、肝臓重量の減少がD−ガラクトサミン投与群
に比べて少なく、このクレソン由来の抽出画分は肝臓の
壊死に対しても抑制作用を示した。
較>これまでに四塩化炭素誘導性の肝障害に対して抑制
作用を有すると報告されているオカヒジキ、ニンジン、
ニンニクについて、クレソン、ウイキョウおよびシュン
ギクとの比較試験を行った。いずれの植物とも、可食部
分の凍結乾燥粉末をサンプルとした。
用いたD−ガラクトサミン誘導性の肝障害モデルにより
評価した。試験に用いた飼料の基本組成は前出の表2の
通りである。また、各植物の乾燥粉末の飼料への添加
は、いずれも30g/kgとし、粉末とコーンスターチ
の含有量を401g(サンプル30g+コーンスターチ
371g)とした。結果を、各群7匹のラットの平均値
として、標準偏差とともに以下の表9に示す。
シュンギクと同量添加しても、有意な肝保護作用はみと
められなかった。ニンニクを添加した群は、対照群と比
較して、有意にD−ガラクトサミン誘導性の肝障害を抑
制したが、クレソンまたはウイキョウを添加した群より
もその抑制の程度は低かった。
ュンギクの抽出物を有効成分として含有する肝臓障害抑
制剤は、優れた肝障害抑制効果、特に慢性肝障害抑制効
果を有する。また、本発明の肝臓障害抑制剤は植物由来
であるため安全であり、且つその抽出が容易であるた
め、処方が容易な、該肝臓障害抑制剤を含む医薬用また
は食品用組成物を提供することができる。
する一例を示す図である。
場合の、薬物投与22時間後のALT(GPT)活性値
を示す図である。
場合の、薬物投与22時間後のAST(GOT)活性値
を示す図である。
た場合の、薬物投与22時間後のALT(GPT)活性
値を示す図である。
た場合の、薬物投与22時間後のAST(GOT)活性
値を示す図である。
た場合の、薬物投与22時間後のALT(GPT)活性
値を示す図である。
た場合の、薬物投与22時間後のAST(GOT)活性
値を示す図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 クレソン、ウイキョウまたはシュンギク
の抽出物から選ばれる1または2種類以上を有効成分と
して含有する肝臓障害抑制剤。 - 【請求項2】 前記抽出物が、水及び/または水溶性の
極性有機溶媒を用いて抽出されたことを特徴とする請求
項1に記載の肝臓障害抑制剤。 - 【請求項3】 前記抽出物が、クレソン、ウイキョウま
たはシュンギクから非水溶性の有機溶媒を用いて抽出さ
れたものを除いた後の残渣から水及び/または水溶性の
極性有機溶媒を用いて抽出されたことを特徴とする請求
項1に記載の肝臓障害抑制剤。 - 【請求項4】 前記抽出物が、水及び/または水溶性の
極性有機溶媒を用いて抽出されたものから、更にn−ブ
チルアルコール,i−ブチルアルコール、sec−ブチ
ルアルコールから選ばれる1種又は2種以上を用いて抽
出されたことを特徴とする請求項1項に記載の肝臓障害
抑制剤。 - 【請求項5】 前記抽出物が、水溶性の極性有機溶媒又
はその溶媒と水との混合物を用いて抽出されたものか
ら、更に水を用いて抽出されたことを特徴とする請求項
1項に記載の肝臓障害抑制剤。 - 【請求項6】 前記水溶性の極性有機溶媒が、メタノー
ル、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピ
ルアルコール、n−ブチルアルコール,i−ブチルアル
コール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコ
ール、アセトンから選ばれる1種又は2種以上であるこ
とを特徴とする請求項2、3または5に記載の肝臓障害
抑制剤。 - 【請求項7】 前記抽出物が、水及び/またはメタノー
ル、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピ
ルアルコール、n−ブチルアルコール,i−ブチルアル
コール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコ
ール、アセトンから選ばれる1種又は2種以上を用いて
抽出されたものから、更にn−ブチルアルコール,i−
ブチルアルコール、sec−ブチルアルコールから選ば
れる1種又は2種以上を用いて抽出されたことを特徴と
する請求項1項に記載の肝臓障害抑制剤。 - 【請求項8】 前記抽出物が、クレソン、ウイキョウま
たはシュンギクから非水溶性の有機溶媒を用いて抽出さ
れたものを除いた後の残渣から水及び/またはメタノー
ル、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピ
ルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアル
コール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコ
ール、アセトンから選ばれる1種または2種以上を用い
て抽出されたものより、更にn−ブチルアルコール,i
−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコールから選
ばれる1種又は2種以上を用いて抽出されたことを特徴
とする請求項1に記載の肝臓障害抑制剤。 - 【請求項9】 前記抽出物が、クレソン、ウイキョウま
たはシュンギクから非水溶性の有機溶媒を用いて抽出さ
れたものを除いた後の残渣からメタノール、エタノー
ル、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、s
ec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、アセ
トンから選ばれる1種もしくは2種以上の溶媒又はその
溶媒と水との混合物を用いて抽出されたものより、更に
水を用いて抽出されたことを特徴とする請求項1に記載
の肝臓障害抑制剤。 - 【請求項10】 前記非水溶性の有機溶媒がn−ヘキサ
ン、酢酸エチルまたはこれらの混合物である請求項3、
8または9に記載の肝臓障害抑制剤。 - 【請求項11】 前記請求項1〜10の何れか1項に記
載の抽出物を含有する医薬用または食品用組成物。
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