JP2001072478A - 流体透過部材およびその製造方法 - Google Patents

流体透過部材およびその製造方法

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JP2001072478A JP24535399A JP24535399A JP2001072478A JP 2001072478 A JP2001072478 A JP 2001072478A JP 24535399 A JP24535399 A JP 24535399A JP 24535399 A JP24535399 A JP 24535399A JP 2001072478 A JP2001072478 A JP 2001072478A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】等方的に優れた強度を有するとともに、流体透
過抵抗を低減できる流体透過部材を提供する。 【解決手段】緻密質焼結体からなる骨格部2a間に不規
則的に連通した間隙部2b、2cが形成された骨格体2
と、骨格体2の一方の表面からの特定厚みの前記間隙部
2b内に気孔率40%以上の多孔質体3を充填した多孔
質構造体用いて流体透過部材1を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温エネルギー分
野に使用される流体供給部材、燃焼制御部材、液体、気
体分離膜の支持体、触媒担体、さらには高温排ガス、そ
の他腐食性流体などの濾過フィルター等に使用される流
体透過部材およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来から、セラミック多孔質材料は、耐熱
性、耐食性に優れることから注目され、断熱材や耐火物
等、また、流体濾過フィルタ、触媒担持体として利用さ
れている。特に高温エネルギー分野で、例えば燃焼器ラ
イナー、高温燃焼排ガスフィルターなどの流体透過部材
への応用が検討されている。
【0003】また、セラミック多孔質体の強度を高める
ための緻密質骨格体を備えた構造体や、多層構造が提案
されている。具体的には、特許第2845046号公報
には、2.5cm当たりの孔数が6〜20個の孔を有す
る三次元網状骨格構造のセラミックスを溶融金属中の不
純物を濾過するフィルタとして用いることが開示されて
いる。
【0004】また、特開平5−306179号公報で
は、三次元網目状の連通孔を有するセラミックスの連通
孔内に多孔質セラミックスを充填したセラミック構造体
を高温構造材料として用いることが開示されている。
【0005】さらに、特開平11−57355号公報に
は、粒径300〜400μmのセラミックス粒子の焼結
体からなるセラミック多孔質支持体表面に厚み80〜1
00μmの微細多孔質の濾過膜を形成したセラミックフ
ィルタが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特許第
2845046号公報のフィルタでは、2.5cm当た
りの孔数が6〜20個と少なく、骨格構造の孔径が大き
いためにその用途は限られ、例えば粉塵等の微粒子を捕
獲するためのフィルタとしては不向きであった。
【0007】また、特開平5−306179号公報の構
造体では、構造体として必要な強度を維持するために厚
みを8mm程度以上と厚くする必要があるが、これを流
体透過部材として用いた場合、多孔質セラミックス充填
部の厚みが厚いために流体透過抵抗が大きくなり、流体
透過速度が低下して、流体透過機能が損なわれる問題が
あった。
【0008】さらに、特開平11−57355号公報の
セラミックフィルタでは、支持体表面に微細多孔質から
なる濾過膜を形成するために、濾過膜の強度が低く、使
用時等に濾過膜に衝撃等を及ぼす恐れがあり、濾過膜に
クラック等が発生して濾過特性が低下する恐れがあっ
た。
【0009】本発明は、上記課題についてなされたもの
で、その目的は、構造体としての強度を維持しつつ、流
体透過抵抗が低減できるとともに、多孔質体部の破損等
を生じる恐れのない高性能の流体透過部材およびその製
造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
ついて検討した結果、骨格部間に不連続的に連通した間
隔部を有する緻密質骨格体の流体導入側表面領域の前記
間隙部内に気孔率40%以上の多孔質体を充填した充填
領域を形成し、かつ該充填領域の流体透過方向の厚みを
前記骨格体のそれよりも薄く形成することによって、構
造体としての強度が高く、流体透過抵抗が低減できると
ともに、多孔質体部の破損等を生じる恐れのない流体透
過部材となることを知見した。
【0011】なお、前記間隙部の平均径が3mm以下で
あることが望ましい。
【0012】また、本発明の流体透過部材の製造方法
は、緻密質焼結体からなる骨格部間に不規則的に連通し
た間隙部が形成された骨格体を形成する工程と、該骨格
体の流体透過方向の厚みに対して流体導入側表面から前
記骨格体よりも薄い厚み領域の前記間隙部内に多孔質体
を形成するためのスラリーを含浸させて気孔率が40%
以上の多孔質体を充填する工程とを具備することを特徴
とするものである。
【0013】ここで、前記スラリーを含浸させた後、該
含浸したスラリーの粘度を高めてから該焼結体を引き上
げることを特徴とするものである。
【0014】さらに、本発明の流体透過部材の他の製造
方法は、緻密質焼結体からなる骨格部間に不規則的に連
通した間隙部が形成された骨格体を形成する工程と、該
骨格体の流体透過方向の厚みに対して流体導入側表面か
ら前記骨格体よりも薄い厚み領域の前記間隙部内に薄膜
形成法によって気孔率が40%以上の多孔質体を充填す
る工程とを具備することを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の流体透過部材の一
例について、その構造体の組織を示す模式図である図1
をもとに説明する。図1の流体透過部材1は、基本的に
は骨格部2aと、骨格部2aの間隙部2b、2cとから
なる骨格体2の流体導入側表面領域の間隙部2b内に充
填した気孔率40%以上の多孔質体3を充填した充填領
域4が形成され、かつ充填領域4の流体透過方向の厚み
が骨格体2の流体透過方向の厚みよりも多孔質体3を充
填しない間隙部2cが存在することが大きな特徴であ
る。
【0016】これにより、構造体としての強度が向上で
きるとともに、流体の透過抵抗を低下して流体透過率を
高めることができる。また、多孔質体3が骨格体2によ
って囲まれるため、強度の低い多孔質体が外部からの衝
撃等によってクラックや破損する危険性が無くなる。さ
らに、多孔質体3が充填された充填領域が骨格体2の表
面部分のみに形成されるために、本発明の流体透過部材
を例えばフィルタとして用いた場合、逆洗が容易である
という効果もある。
【0017】また、骨格体2は、緻密質焼結体からなる
骨格部2aと、その骨格部2a間に不規則的に連通した
間隙部2b、2cを有するものである。骨格部2a間に
存在する間隙部2b、2cは、規則性を持たず等方的に
存在するものであり、単純形状品から複雑形状品まであ
らゆる形状の部材に適用できるとともに、機械的特性に
おいて異方性を有しないため、流体透過部材1の構造体
としての信頼性が大きく改善される。
【0018】なお、流体透過部材1の構造体としての信
頼性を高める上で、骨格部2aの相対密度は90%以
上、特に92%以上、さらに95%以上であることが望
ましく、流体透過部材1の構造体としての信頼性の点で
4点曲げ強度が10MPa以上、特に15MPa以上で
あることが望ましい。
【0019】また、骨格部2a間の間隙部2b、2c
は、その大きさが大きいほど、骨格体2自体の強度が低
下し、外的衝撃や、流体による衝撃によって破壊が発生
しやすいため、本発明によれば、間隙部2b、2cの平
均径は3mm以下、流体透過性と強度改善の見地から、
特に0.1〜1mm、さらには0.1〜0.5mmであ
ることが望ましい。
【0020】なお、骨格体2は、塊状、平板状、円柱
状、円筒状、袋管状等のいずれの形状でもよく、目的に
応じて適応されるが、流体の透過効率の点で円柱状、円
筒状、袋管状であることが望ましい。また、骨格体2
は、強度向上の点で厚みが5mm以上、特に10mm以
上に形成されることが望ましい。
【0021】さらに、骨格部2a間の間隙部2b、2c
全体の体積比率も、流体透過部材1全体の強度と、流体
の透過量を決定する要因であり、間隙部2b、2cの比
率が小さいほど構造体の強度は高くなる反面、流体の透
過抵抗が高くなり、流体透過部材としての透過効率が低
下する。かかる観点から骨格部2a間の間隙部2b、2
cは、合計で50〜90体積%、特に70〜85体積%
の割合で存在することが望ましい。
【0022】また、間隙部2bと2cとの体積比率、す
なわち充填領域4は、骨格体2の形状、間隙部2b、2
cの比率および径、多孔質体3の気孔率、気孔径、さら
には用途に応じて可変であるが、特に多孔質体3の保形
性や機能性向上、流体透過時についての圧力損失の低減
の点で、特に流体導入側表面からの厚みが0.1〜5m
m、さらに0.5〜3mmであることが望ましい。
【0023】さらに、骨格部2aの間隙部2bに充填さ
れる多孔質体3の気孔率は、流体の透過特性を決定する
ものであるが、本発明によれば、良好な流体透過性を示
すために、40%以上、特に60%以上であることが望
ましい。
【0024】同様に、多孔質体3の平均気孔径は用途に
応じて気孔径を制御することが望ましいが、例えば粉塵
ろ過フィルタとして用いる場合には、多孔質体3の平均
気孔径が5〜40μm、特に15〜25μmであること
が望ましく、かかる観点から多孔質体3の平均粒径は5
〜40μm、特に15〜25μmであることが望まし
い。
【0025】また、前記骨格部2aを構成する焼結体、
あるいは間隙部2b内に充填される多孔質体3は、Al
2 3 、ZrO2 、ムライト、コージェライト、チタン
酸アルミニウム等の酸化物、Si3 4 、AlN、Ti
Nなどの窒化物、SiC,TiCなどの炭化物、TiB
2 、AlB2 などのZrB2 などのホウ化物、SiAl
ON、AlONなどの酸窒化物、TiCNなどの炭窒化
物の群から選ばれる1種、あるいは2種以上を主体とす
る焼結体が好適に採用されるが、強度の点ではSi3
4 が望ましく、高温における液体や気体との接触による
反応性を抑制する上では酸化物系焼結体からなることが
最も望ましい。
【0026】なお、骨格部2aと多孔質体3は異なる材
質によって形成されていてもよい。また、多孔質体3
は、保形性の点で焼結体からなることが望ましい。
【0027】また、骨格部2aを構成する酸化物系焼結
体としては、室温および高温において優れた強度を有す
ることが要求されることから、特に、骨格部2aを構成
する酸化物系焼結体として、第1の金属酸化物からなる
主結晶相と、主結晶相の粒内あるいは粒界に第2の金属
酸化物粒子を分散させることにより、骨格部2aの高温
強度を高めることができる。
【0028】特に、上記第2の金属酸化物粒子は、その
成分の一部あるいは全部が主相である第1の酸化物結晶
に固溶し、その第1の酸化物結晶内から析出させて1μ
m以下の微粒子として存在させることによってナノコン
ポジット化の効果により強度を一段と向上できる。
【0029】上記第1の酸化物粒子としては、例えば、
アルミナ、ムライトなど、第2の酸化物結晶粒子として
は、TiO2 、またはTiおよびMgを含む複合酸化物
粒子などが挙げられる。
【0030】本発明の流体透過部材を作製するには、ま
ず、相対密度が90%以上の緻密質焼結体からなる骨格
部2aと、その骨格部2a間に不規則的に連通した間隙
部2bを有する骨格体2を作製する。
【0031】このような骨格体は、従来より周知の三次
元網目構造の形成方法によって形成できる。例えば、
1)焼結体原料粉末に対して、発泡材を添加混合し、成
形、焼成する方法、2)焼結体原料粉末に対して、有機
質粉末を添加混合し、成形、焼成して有機質粉末を消失
させる方法、3)予め三次元網目構造の有機基材を作製
し、その有機基材を焼結体原料粉末を含有するスラリー
中に浸漬してスラリーを有機基材中の空隙部に充填した
後、余剰のスラリーを除去して乾燥し、焼成して有機質
を焼失する方法、などが挙げられる。
【0032】なお、成形方法としては、例えば、金型プ
レス、冷間静水圧プレス、鋳込成形、射出成形、押出し
成形等が挙げられる。
【0033】次に、上記のようにして作製された緻密質
焼結体からなる骨格部の流体導入側表面から骨格体の厚
みよりも薄く、その間隙部間に不規則的に連通した間隙
部に多孔質体を充填して多孔質構造体を作製する。
【0034】多孔質体の充填方法は、例えば1)多孔質
体用原料粉末を含有するスラリー中に、骨格体の一方の
表面から薄い高さのみを浸漬して、骨格体の間隙内にス
ラリーを含浸後、引き上げて、乾燥、焼成する方法、
2)骨格体中に気相反応に基づき、反応性ガスを流体導
入側表面から骨格体中に透過しながら所定化合物を析出
させる方法などが挙げられる。
【0035】なお、上記1)のスラリーを含浸させる方
法においては、スラリーの充填性を高めるためにスラリ
ーを含浸後、該スラリーの粘度を高め、特に硬化させて
から引き上げることが望ましい。具体的には、前記スラ
リー中に硬化剤、熱硬化性樹脂を添加したり、冷却によ
って固化するペーストを用いればよい。
【0036】また、上記2)の気相法は、CVD法が好
適に用いられ、これによれば、間隙部の流体導入側表面
付近から多孔質体が堆積するため、流体導入側表面から
所定の厚みの充填領域4を形成することができる。。
【0037】また、骨格部の強度を高めることを目的と
して第1の金属酸化物からなる主相の結晶の粒内に第2
の金属酸化物粒子を析出させる方法としては、焼成中に
第1の金属酸化物に対して第2の金属酸化物が固溶する
条件で熱処理した後、第2の金属酸化物が第1の金属酸
化物に固溶しない条件、言い換えれば第1の金属酸化物
結晶から第2の金属酸化物が析出する条件で熱処理す
る。
【0038】例えば、アルミナやムライトなどの原料
に、Ti含有酸化物を添加混合した後、成形後、水素な
どの還元雰囲気中で1300〜1700℃の温度で焼成
することによりTiをアルミナまたはムライト結晶中に
固溶させる。次に、上記の固溶体をTiのアルミナまた
はムライトへの溶解度が低い酸化性雰囲気中で1000
〜1600℃で熱処理することにより、アルミナまたは
ムライトの結晶粒内にTi酸化物を析出分散させること
ができる。
【0039】次に、この成形体を公知の加熱法、例え
ば、常圧焼成法、ガス加圧焼成法、マイクロ波加熱焼成
法、さらにこれらの焼成後に熱間静水圧処理(HIP)
処理、およびガラスシール後(HIP)処理する等、種
々の焼結手法によって焼結およびその後の熱処理を行
う。
【0040】また、アルミナまたはムライトに、Ti含
有化合物とMg含有化合物とを同モル比で添加混合し成
形後、酸化性雰囲気で1300〜1700℃で熱処理す
ることによりTiおよびMgをアルミナまたはムライト
中に固溶させることができる。その後、この固溶体を水
素などの還元雰囲気で1100〜1600℃で熱処理す
ることによりMgAl2 4 をアルミナまたはムライト
結晶の粒内に1μm以下の微粒として析出させることが
できる。
【0041】さらに、本発明の流体透過部材を用いた応
用例である粉塵除去装置の概略断面図を図2に示す。図
2の粉塵除去装置10は、ハウジング11内に袋管状の
流体透過部材12が複数本並列に配設され、ハウジング
11の壁面を貫通して形成された流体排出口13と接続
されている。ここで、流体透過部材12は、上述した多
孔質セラミック構造体によって形成されるが、袋管状の
外表面から袋管状体の厚みよりも薄く上述の多孔質体が
充填された充填領域が形成されている。また、ハウジン
グ11の壁面には非処理流体を粉塵除去装置10内へ導
入するための非処理流体導入口15が形成されている。
【0042】そして、非処理流体導入口15から粉塵を
含む非処理ガスを系内に導入し、流体透過部材12の外
表面に接触させて粉塵を付着させるとともに、残部のガ
スを流体透過部材12の内表面に透過して流体排出口1
3を経由して系外に排出することにより粉塵を除去する
ことができる。
【0043】
【実施例】(実施例1)平均粒径1.5μmの金属シリ
コン(Si)粉末に、アルミナ(Al2 3 )、イット
リア(Y2 3 )を焼結助剤として3重量%ずつ添加し
たシリコン原料に、さらに少量の有機バインダー、溶剤
を添加混合してスラリーを得た。
【0044】次に、ウレタンフォームを上記スラリー中
に含浸して引き上げ、乾燥を繰り返し、ウレタンフォー
ムの空隙内にシリコン原料を被覆させた後、窒素雰囲気
中で1800℃で加熱処理してシリコン原料を窒化させ
た。加熱処理によってウレタン成分が焼失し、窒化珪素
焼結体を骨格部とし、不規則的に連通した間隙部を具備
する直径60mm、厚み10mmの三次元網状構造の骨
格体を得た。
【0045】次に、上記骨格体を前記Si含有スラリー
中に浸漬して引き上げ、乾燥を繰り返し、骨格体中の間
隙部にシリコン原料を充填した後、窒素雰囲気中で16
00℃で焼成して、間隙部内のSi成分を窒化処理して
骨格体の間隙部に表1に示す厚みの窒化珪素からなる多
孔質体が充填された多孔質構造体を得た(試料No.1
〜8)。
【0046】(実施例2)平均粒径0.8μmのアルミ
ナ(Al2 3 )原料に対して、焼結助剤としてSiO
2 、CaO、MgOを少量添加し、さらに有機バインダ
ー、溶剤を添加混合してスラリーを得た。
【0047】次に、実施例1で用いたウレタンフォーム
を、上記スラリー中に含浸して引き上げ、乾燥を繰り返
し、ウレタンフォームの空隙内に上記スラリーを被覆さ
せた後、大気中1600℃で焼成することによりウレタ
ン成分が焼失し、アルミナ質焼結体を骨格部とし不規則
的に連通した間隙部を具備する三次元網状構造の骨格体
を得た。
【0048】また、実施例1と同じように、上記骨格体
を前記スラリー中に浸漬/乾燥を繰り返し、骨格体中の
間隙部に前記スラリーを充填した後、大気中1400℃
で焼成して、間隙部内に前記アルミナ多孔質体が充填さ
れた多孔質構造体を得た(試料No.9)。
【0049】実施例3 平均粒径0.8μmのアルミナ(Al2 3 )に対し
て、チタニア(TiO2)を3重量%の比率で混合した
アルミナ原料に、さらに有機バインダー、溶剤を添加混
合してスラリーを得た。
【0050】次に、実施例1で用いたウレタンフォーム
を、上記スラリー中に含浸/乾燥を繰り返し、ウレタン
フォームの空隙内にアルミナ原料を被覆させた後、大気
中800℃で加熱してウレタン成分を焼失させ、さらに
水素雰囲気中1600℃で焼成することにより、Tiが
還元されてアルミナ結晶中に固溶したアルミナ質焼結体
を骨格部とし、不規則的に連通した間隙部を具備する三
次元網状構造の骨格体を得た。
【0051】また、実施例1と同じように、上記骨格体
を前記アルミナ原料含有スラリー中に浸漬/乾燥を繰り
返し、骨格体中の間隙部にアルミナ原料を充填した後、
大気中1400℃で焼成して、平均粒径が0.3μmの
微細なTiO2 粒子がアルミナ結晶粒内および粒界に析
出したアルミナ焼結体を骨格部とする骨格体の間隙部内
にアルミナ多孔質体が充填された多孔質構造体を得た
(試料No.10)。
【0052】実施例4 平均粒径0.8μmのアルミナ(Al2 3 )、シリカ
(SiO2 )、マグネシア(MgO)のモル比で2:
5:2となる原料に対して、焼結助剤としてイットリア
(Y2 3 )を少量添加し、さらに有機バインダー、溶
剤を添加混合してスラリーを得た。
【0053】次に、実施例1で用いたウレタンフォーム
を、上記スラリー中に含浸して引き上げ、乾燥を繰り返
し、ウレタンフォームの空隙内に上記スラリーを被覆さ
せた後、大気中1350℃で焼成することによりウレタ
ン成分が焼失し、前記コージェライト質焼結体を骨格部
とし不規則的に連通した間隙部を具備する三次元網状構
造の骨格体を得た。
【0054】また、実施例1と同じように、上記骨格体
を前記スラリー中に浸漬/乾燥を繰り返し、骨格体中の
間隙部に前記スラリーを充填した後、大気中1350℃
で焼成して、間隙部内にコージェライト多孔質体が充填
された多孔質構造体を得た(試料No.11)。
【0055】比較例1 実施例1で用いたSi含有スラリーを鋳込成形法によっ
て実施例1と同じ形状に成形した後、窒素中1650℃
で焼成して多孔質体を得た。(試料No.12)。
【0056】比較例2 実施例4で用いたコージェライト原料含有スラリーを鋳
込成形法によって実施例1と同じ形状に成形した後、窒
素中1650℃で焼成して多孔質体を得た。(試料N
o.13)。
【0057】なお、上記実施例および比較例において、
骨格体を構成する焼結体の相対密度をアルキメデス法に
よって測定するとともに、骨格体における間隙部の比
率、間隙部の平均径および多孔質体の気孔率を断面写真
によるルーゼックス画像解析によって測定した。また、
断面写真における多孔質体中の一視野における大きなボ
イド20個についての長径の20点平均値を多孔質体の
気孔率として測定した。結果は、表1に示した。比較例
1、2の多孔質体についてもアルキメデス法によって気
孔率および上記同様に平均気孔径を測定した。
【0058】また、各試料を直径20mm、厚さ20m
mに加工し、厚さ方向に圧力を加え、破壊に至る時の圧
力を測定した。
【0059】さらに、各試料に対して、図3の粉塵除去
評価装置にて圧力損失および粉塵補獲率を測定した。図
3において、粉塵10体積%を含むアルゴンガスを流速
1m/mにてガス導入口21よりハウジング22内に導
入し、直径60mm、厚み10mmの流体透過部材23
を透過させた後、ガス排出口24から排出した。
【0060】この時、流体透過部材23のガス導入側お
よびガス排出側の両面を圧差計25を、また、両面それ
ぞれにダストモニタ26、27にて圧力Pおよび粉塵濃
度C1 、C2 をそれぞれ測定し、圧力損失Pおよび粉塵
捕獲率(1−C2 /C1 )×100(%)を測定した。
結果は、表1に示した。
【0061】
【表1】
【0062】表1からわかるように、本発明に基づく試
料No.1〜6、9〜11の流体透過部材は、圧力損失
が小さく、粉塵獲得率が高いものであった。
【0063】これに対して、骨格体を有しない試料N
o.12、13では曲げ強度が低く、また、多孔質体の
厚みが構造体の厚みと同じである試料No.8、12、
13および多孔質体の気孔率が40%よりも低い試料N
o.7では、流体透過の圧力損失が高くなった。
【0064】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の流体透過部
材は、等方的に高い強度を有するとともに、流体透過の
圧力損失を低めることができ、高い流体透過特性の多孔
質構造体となる。また、多孔質体が骨格体によって囲ま
れているために多孔質体への衝撃等によるクラック等を
防止することができる。さらに、流体導入側表面から特
定の厚みのみに多孔質体を充填するために逆洗が容易で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流体透過部材の組織を説明するための
模式図である。
【図2】本発明の流体透過部材を備えた流体透過装置の
一例を示す概略断面図である。
【図3】実施例における流体透過特性を評価するための
説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 多孔質セラミックス構造体 2 骨格体 2a 骨格部 2b、2c 間隙部 3 多孔質体 4 充填領域

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】緻密質焼結体からなる骨格部間に不規則的
    に連通した間隙部が形成された骨格体を具備してなる流
    体透過部材であって、該骨格体の流体導入側表面領域の
    前記間隙部内に気孔率40%以上の多孔質体を充填した
    充填領域が形成され、かつ該充填領域の流体透過方向の
    厚みが前記骨格体の流体透過方向の厚みよりも薄いこと
    を特徴とする流体透過部材。
  2. 【請求項2】前記間隙部の平均径が3mm以下である請
    求項1記載の流体透過部材。
  3. 【請求項3】緻密質焼結体からなる骨格部間に不規則的
    に連通した間隙部が形成された骨格体を形成する工程
    と、該骨格体の流体透過方向の厚みに対して流体導入側
    表面から前記骨格体よりも薄い厚み領域の前記間隙部内
    に多孔質体を形成するためのスラリーを含浸させて気孔
    率が40%以上の多孔質体を充填する工程とを具備する
    ことを特徴とする流体透過部材の製造方法。
  4. 【請求項4】前記スラリーを含浸させた後、該含浸した
    スラリーの粘度を高めてから前記骨格体を引き上げるこ
    とを特徴とする請求項3記載の流体透過部材の製造方
    法。
  5. 【請求項5】緻密質焼結体からなる骨格部間に不規則的
    に連通した間隙部が形成された骨格体を形成する工程
    と、該骨格体の流体透過方向の厚みに対して流体導入側
    表面から前記骨格体よりも薄い厚み領域の前記間隙部内
    に薄膜形成法によって気孔率が40%以上の多孔質体を
    充填する工程とを具備することを特徴とする流体透過部
    材の製造方法。
  6. 【請求項6】前記間隙部の平均径が3mm以下である請
    求項3乃至5のいずれか記載の流体透過部材の製造方
    法。
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