JP2001071273A - 研磨シ―ト - Google Patents

研磨シ―ト

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JP2001071273A
JP2001071273A JP24716399A JP24716399A JP2001071273A JP 2001071273 A JP2001071273 A JP 2001071273A JP 24716399 A JP24716399 A JP 24716399A JP 24716399 A JP24716399 A JP 24716399A JP 2001071273 A JP2001071273 A JP 2001071273A
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polishing
polishing layer
layer
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abrasive
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Toshisada Inoue
敏定 井上
Takeshi Nakamura
武史 中村
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 研磨剤としてダイヤモンド粒子を用いた研磨
シ―トにおいて、セラミツク−金属積層型の磁気ヘツド
などに対し、研磨性能の向上と研磨時間の短縮化をはか
れ、さらにコストの低減をもはかれる研磨シ―トを提供
する。 【解決手段】 結合剤中に研磨剤を分散した研磨層2を
可撓性支持体1上に設けてなる研磨シ―トにおいて、上
記の研磨層2は、モ―ス硬度3〜9の研磨剤2bを含有
する下層研磨層2Bと、平均粒子径0.5μm未満のダ
イヤモンド超微粒子2aを含有する上層研磨層2Aとの
少なくとも2層からなることを特徴とする研磨シ―ト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として、磁気記
録再生装置のセラミツク−金属積層型の磁気ヘツドの研
磨に使用される研磨シ―トに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ビデオ、オ―デイオなどの磁気記録機器
に用いられている磁気ヘツドは、磁気記録媒体とのヘツ
ドコンタクトを良好にするため、先端形状の形成、仕上
げ面の平滑性向上の観点から、最終的に、可撓性支持体
上に研磨層を設けてなる研磨シ―トによる研磨工程を経
て、作製されている。
【0003】研磨シ―トは、結合剤中に研磨剤を分散し
た研磨層を可撓性支持体上に設けることにより、作製さ
れるが、使用される研磨剤は、被研磨物の種類などに応
じて選択されている。たとえば、磁気ヘツド用の研磨シ
―トの研磨剤としては、パ―マロイヘツド、Mn−Zn
フエライトヘツドなどの研磨においては、アルミナが用
いられており、またMn−Znフエライトと、センダス
トやFeTaNなどをヘツドギヤツプ部分に使用した、
いわゆるMIGヘツドなどの研磨においては、アルミナ
や酸化クロムが用いられている。
【0004】最近、高画質化に伴い、高密度記録や再生
感度の良い再生を行うため、高飽和磁束密度のコア材料
が開発され、そのひとつにセラミツク基板で金属材料を
挟持したセラミツク−金属積層型の磁気ヘツドが開発さ
れている。このような高硬度のコア材料を用いた磁気ヘ
ツドの研磨においては、従来のアルミナや酸化クロムを
研磨剤としたのでは、セラミツク部分の硬度が研磨剤の
硬度よりも高いため、十分な研磨を行えず、仕上げ面の
平滑性が得られない。このため、特開昭63−1855
79号、特開平5−309571号、特開平8−267
364号などの公報には、研磨剤として、より高硬度の
多結晶ダイヤモンド粒子を使用したり、これと酸化クロ
ムなどを併用することが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、高硬度のダ
イヤモンド粒子をこれ単独で使用した研磨シ―トでは、
セラミツク部分の研磨性は向上するが、金属部分を研磨
しすぎるため、所定のヘツド先端形状にしにくく、また
磁気ヘツドにピツトやスクラツチなどの表面性の欠陥を
生じやすい。また、ダイヤモンド粒子と酸化クロムなど
を併用した研磨シ―トでは、研磨層表面においてダイヤ
モンド粒子と酸化クロムなどが混在する形態となり、ダ
イヤモンド粒子のみが突出しにくくなるため、磁気ヘツ
ドのセラミツク部分をうまく研磨できず、この研磨性を
向上するには大粒径のダイヤモンド粒子を多量に使用す
る必要があり、この場合、仕上げ面の平滑性とヘツド傷
の低減が困難となり、またコスト高になるという問題が
ある。
【0006】さらに、研磨シ―トでは、所定の仕上げ面
とするための研磨時間をいかにして短縮化するかが重要
である。しかしながら、ダイヤモンド粒子の量が少ない
と、研磨層表面にダイヤモンド粒子が突出しないため、
研磨速度を上げることができず、長時間の研磨が必要と
なる。一方、ダイヤモンド粒子を大粒径としかつその量
を多くした研磨層では、粗削りはできるが、仕上げ面が
低下するため、小粒径のダイヤモンド粒子を用いた別の
研磨層で段階的に研磨する必要があり、結局、上記と同
じように、研磨時間の長時間化を招くこととなる。
【0007】本発明は、このような事情に照らし、研磨
剤としてダイヤモンド粒子を用いた研磨シ―トにおい
て、セラミツク−金属積層型の磁気ヘツドなどに対し、
研磨性能の向上および研磨時間の短縮化をはかれるとと
もに、コストの低減もはかれる研磨シ―トを提供するこ
とを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために、鋭意検討した結果、研磨シ―トにお
ける研磨層を、アルミナや酸化クロムなどの研磨剤を含
有する下層研磨層と、ダイヤモンド超微粒子を含有する
上層研磨層との少なくとも2層構成とすることにより、
セラミツク−金属積層型の磁気ヘツドに対して、セラミ
ツク部分と金属部分との両者の研磨性にすぐれ、しかも
研磨時間の短縮化をはかれ、そのうえ、ダイヤモンド超
微粒子の使用量を低減できるため、低コスト化もはかれ
ることを見い出し、本発明を完成するに至つた。
【0009】すなわち、本発明は、結合剤中に研磨剤を
分散した研磨層を可撓性支持体上に設けてなる研磨シ―
トにおいて、上記の研磨層は、モ―ス硬度3〜9の研磨
剤を含有する下層研磨層と、平均粒子径0.5μm未満
のダイヤモンド超微粒子を含有する上層研磨層との少な
くとも2層からなることを特徴とする研磨シ―ト(請求
項1)、とくに上記の下層研磨層において、モ―ス硬度
3〜9の研磨剤の平均粒子径が0.07〜2μmである
上記研磨シ―ト(請求項2)、またモ―ス硬度3〜9の
研磨剤の中に、モ―ス硬度7〜9で平均粒子径0.2〜
2μmの研磨剤が含まれている上記研磨シ―ト(請求項
3)、さらに上記の可撓性支持体の厚さが3〜300μ
mである上記研磨シ―ト(請求項4)に係るものであ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の研磨シ―トは、図1に示
すように、可撓性支持体1上に結合剤中に研磨剤を分散
した研磨層2を設けるにあたり、上層研磨層2Aにダイ
ヤモンド超微粒子2aを研磨剤として使用し、この上層
研磨層2Aと可撓性支持体1との間に少なくとも1層の
下層研磨層2Bを設けて、この下層研磨層2Bにモ―ス
硬度3〜9の研磨剤2bを含有させたものである。ここ
で、図1は、本発明の研磨シ―トをわかりやすく説明す
るための模式断面図であり、寸法や研磨剤の大きさなど
については、実際のものとは異なつている。
【0011】本発明においては、研磨層2を上記した上
層研磨層2Aと下層研磨層2Bとの少なくとも2層構成
とすることにより、研磨層の最表面ではダイヤモンド超
微粒子2aを多く存在させることができ、これによりセ
ラミツク部分などの高硬度部材の研磨性にすぐれ、しか
も表面層のみにダイヤモンド超微粒子2aを有するた
め、従来のように単一層中にダイヤモンド粒子と他の研
磨剤とを含有させた研磨層と比較して、大粒径のダイヤ
モンド粒子を用いる必要がなく、したがつて、仕上げ面
とヘツド傷発生の低減との両立をはかれ、またダイヤモ
ンド粒子の使用量も低減できる。さらに、下層研磨層2
Bにより金属部分などの低硬度部材の過度の研磨を抑制
でき、磁気ヘツドの傷付きも低減できる。
【0012】本発明の上記構成とその効果について、さ
らに詳しく説明する。ダイヤモンド超微粒子によると、
セラミツク部分などの高硬度部材の研磨性は向上する
が、セラミツク部分よりも低硬度な金属などの柔らかい
部材が共存する被研磨物では、低硬度部材を研磨しすぎ
て、所望の形状または表面性が得られない。そこで、ダ
イヤモンドよりも低硬度でかつ金属部材などを研磨可能
な他の研磨剤を併用することが考えられる。しかし、セ
ラミツク部分の研磨性の点より、平均粒子径0.5μm
未満のダイヤモンド超微粒子を用い、これと上記他の研
磨剤とを単一層中に一緒に含ませると、他の研磨剤間に
上記の超微粒子が埋設され、研磨層最表面に上記の超微
粒子が突出できず、セラミツク部分の研磨性に劣り、ま
た所定のヘツド形状や仕上げ面とするための研磨に長時
間が必要となる。
【0013】本発明では、この問題の克服のため、前記
のとおり、研磨層を2層構成とし、上層研磨層の研磨剤
に平均粒子径0.5μm未満のダイヤモンド超微粒子を
用いて、セラミツク部分などの高硬度の被研磨物の研磨
性に好結果を得る一方、下層研磨層の研磨剤に上記の超
微粒子よりも低硬度であるモ―ス硬度3〜9の研磨剤を
用いて、金属部分などの低硬度の被研磨物の研磨性に好
結果を得、これにより仕上げ面が向上し、また研磨時間
の大幅な短縮が可能となり、さらにダイヤモンドの使用
量の低減により低コスト化が可能となつたものである。
【0014】本発明において、上層研磨層のダイヤモン
ド超微粒子には、多結晶、単結晶のいずれも使用できる
が、研磨能が大きい単結晶ダイヤモンド超微粒子がとく
に好ましい。このダイヤモンド超微粒子は、平均粒子径
が0.5μm未満、好ましくは0.3μm以下、より好
ましくはさらに微粒子であるのがよい。ここで、平均粒
子径とは、粒子50個について測定したときの粒子最長
部分の平均値を意味する。この平均粒子径が0.5μm
以上となると、金属部分の研磨性だけでなく、セラミツ
ク部分の研磨性も大きくなりすぎて、仕上げ面が粗くな
り、ダイヤモンド超微粒子で研磨したのちの面を下層研
磨層の研磨剤によつても平滑化することが難しくなる。
なお、ダイヤモンド超微粒子の平均粒子径があまりに小
さいと、研磨性の点では問題はないが、その生産性に劣
るため、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは
0.1μm以上であるのがよい。
【0015】ダイヤモンド超微粒子を分散する結合剤に
は、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹
脂、塩化ビニル−ビニルアルコ―ル共重合樹脂、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合樹脂、塩化ビ
ニル−水酸基含有アルキルアクリレ―ト共重合樹脂、ニ
トロセルロ―ス、ポリウレタン樹脂などがあり、これら
の中から、1種または2種以上が組み合わせて用いられ
る。とくに、塩化ビニル−水酸基含有アルキルアクリレ
―ト共重合樹脂とポリウレタン樹脂を併用するのが好ま
しい。ポリウレタン樹脂には、ポリエステルポリウレタ
ン、ポリエ―テルポリウレタン、ポリエ―テルポリエス
テルポリウレタン、ポリカ―ボネ―トポリウレタン、ポ
リエステルポリカ―ボネ―トポリウレタンなどがある。
これらの結合剤は、ダイヤモンド超微粒子100重量部
に対し、通常150〜2,000重量部、好ましくは5
00〜1,000重量部の割合で用いられる。
【0016】上記の結合剤とともに、結合剤中に含まれ
る官能基などと結合させて架橋する熱硬化性の架橋剤を
併用するのが望ましい。このような架橋剤としては、ト
リレンジイソシアネ―ト、ヘキサメチレンジイソシアネ
―ト、イソホロンジイソシアネ―トなどや、これらのイ
ソシアネ―ト類とトリメチロ―ルプロパンなどの水酸基
を複数個有するものとの反応生成物、上記イソシアネ―
ト類の縮合生成物などの各種のポリイソシアネ―トが用
いられる。これらの架橋剤は、結合剤100重量部に対
し、通常3〜40重量部の割合で用いられる。
【0017】本発明において、下層研磨層のモ―ス硬度
3〜9の研磨剤には、α−アルミナ、β−アルミナ、γ
−アルミナなどのアルミナ材、Cr2 3 、CrO2
どの酸化クロム材、ゲ―サイト、α−酸化鉄、磁性酸化
鉄、Co変性磁性酸化鉄、鉄系合金、Ba−フエライ
ト、TiO2 (ルチル、アナタ―ゼ)、TiOX 、酸化
セリウム、酸化スズ、酸化タングステン、ZnO、Zr
2 、SiO2 、炭化ケイ素、窒化ケイ素、チタンカ―
バイト、酸化マグネシウム、窒化硼素、二硫化モリブデ
ン、酸化銅、MgCO3 、CaCO3 、BaCO3 、S
rCO3 、BaSO4 、炭化珪素、炭化チタンなどがあ
る。これらの研磨剤は、ヘツドギヤツプとの摺接時での
衝撃を緩和し、ヘツドの磨耗を低減するため、平均粒子
径が0.07〜2μmであるのが好ましく、0.1〜
1.2μmがより好ましい。
【0018】このような研磨剤の中でも、金属部分の仕
上げ面を向上するため、モ―ス硬度7〜9の研磨剤を用
いるのが好ましい。これは、ダイヤモンド超微粒子のみ
の研磨では、粗い仕上げ面となりやすいが、ダイヤモン
ド超微粒子よりも低硬度でかつ金属部分の研磨性にすぐ
れる上記モ―ス硬度7〜9の研磨剤を併用することによ
り、ダイヤモンド超微粒子で研磨したのちの粗い仕上げ
面をさらに研磨して平滑性にすぐれた仕上げ面とするこ
とができるからである。
【0019】このようなモ―ス硬度7〜9の研磨剤とし
ては、α−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナなど
のアルミナ材、Cr2 3 、CrO2 などの酸化クロム
材、ZrO2 、炭化ケイ素などがあり、これらの中か
ら、1種ないし4種までが組み合わせて使用される。と
くにアルミナ材や酸化クロム材が好ましく用いられる。
これらの研磨剤は、上層研磨層の表面性の点より、平均
粒子径が0.2〜2μmであるのが好ましく、0.3〜
1.2μmがより好ましい。また、これらの研磨剤を用
いる場合、平均粒子径の異なる研磨剤を併用するのが望
ましい。とくに、平均粒子径の比が1:0.9以下、好
ましくは1:0.85以下の関係を有する研磨剤を併用
すると、大粒径の研磨剤で金属部分を一旦研磨し、小粒
径の研磨剤でその研磨面を研磨するため、金属部分のよ
り平滑化をはかれる。
【0020】下層研磨層のモ―ス硬度3〜9の研磨剤と
しては、上記のモ―ス硬度7〜9の研磨剤のほかに、モ
―ス硬度3以上7未満の研磨剤を併用してもよい。この
ような研磨剤には、ゲ―サイト、α−酸化鉄、磁性酸化
鉄、Co変性磁性酸化鉄、鉄系合金、酸化チタン、炭酸
カルシウム、ZnOなどがあり、これらの中でも、ゲ―
サイトやα−酸化鉄が好ましい。これらの研磨剤は、モ
―ス硬度7〜9の研磨剤で研磨したヘツド面をさらに研
磨して平滑化するため、平均粒子径が0.07〜0.4
μmであるのが好ましく、0.1〜0.3μmがより好
ましい。
【0021】なお、下層研磨層に用いる上記モ―ス硬度
3〜9の各研磨剤の平均粒子径は、球状粒子の場合は直
径を、針状粒子の場合は長軸径を、板状粒子の場合は板
径を、サイコロ状の場合は対角線長を、それぞれ意味す
るものである。
【0022】下層研磨層において、上記モ―ス硬度3〜
9の研磨剤を分散する結合剤には、上層研磨層の結合剤
と同様の樹脂を使用することができ、好ましくは上層研
磨層の結合剤と同種の樹脂を用いるのがよい。とくに、
塩化ビニル系樹脂とポリウレタン樹脂との併用系で一致
させると、下層研磨層と上層研磨層との弾性が近くな
り、磁気ヘツドからの荷重を良好に分散させることがで
きるので、望ましい。これら結合剤の使用量としては、
上記モ―ス硬度3〜9の研磨剤100重量部に対し、通
常5〜45重量部、好ましくは10〜40重量部である
のがよい。なお、下層研磨層の強度を上げるために、上
層研磨層の場合と同様に、上記の結合剤とともに、結合
剤中に含まれる官能基などと結合させて架橋する熱硬化
性の架橋剤を併用することもできる。この架橋剤の使用
量は、上記の結合剤100重量部に対して、通常5〜3
0重量部とするのが好ましい。
【0023】本発明において、上層研磨層および下層研
磨層には、それぞれ、上記した研磨剤および結合剤のほ
か、研磨剤の分散性を向上するための分散剤を添加した
り、潤滑性を付与するための潤滑剤を添加することがで
きる。上記分散剤としては、従来から公知のものをいず
れも使用することができ、たとえば、ミリスチルアルコ
―ル、ステアリルアルコ―ルなどの高級アルコ―ル、こ
れらのスルホン酸、アルキルスルホン酸、フエニルスル
ホン酸、リン酸エステル、アルキルホスホン酸、フエニ
ルホスホン酸などを挙げることができる。
【0024】また、上記潤滑剤としては、グラフアイ
ト、二硫化モリブデンなどの固形潤滑剤や、従来公知の
脂肪酸、脂肪酸エステル、炭化水素、フツ素系潤滑剤、
シリコンオイルなどの液体潤滑剤を、単独または2種以
上混合して使用できる。これらの中でも、炭素数10以
上、とくに12〜24の脂肪酸が好ましく用いられる。
このような脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン
酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、イソス
テアリン酸などが挙げられる。なお、これらの潤滑剤を
使用するにあたり、研磨層の形成後、上層研磨層上に潤
滑剤溶液を塗布する方法を採用してもよいが、生産性の
点からは、別工程を設ける必要のない、研磨層形成用の
塗布液中に潤滑剤を直接添加する方法を採用するのがよ
い。後者の場合、各層の研磨剤100重量部に対し、脂
肪酸などの潤滑剤が0.2〜10重量部、好ましくは
0.5〜5重量部となる割合とするのがよい。
【0025】本発明において、下層研磨層には、帯電防
止のために、カ―ボンブラツクを添加することもでき
る。このようなカ―ボンブラツクとしては、たとえば、
フア―ネスブラツク、サ―マルブラツク、アセチレンブ
ラツクなどが挙げられる。このカ―ボンブラツクの使用
量は、各層の研磨剤100重量部に対して、通常0.1
〜50重量部となる割合とするのが好ましい。
【0026】本発明において、可撓性支持体としては、
従来から使用されている非磁性支持体をすべて使用でき
る。具体的には、ポリエチレンテレフタレ―ト、ポリエ
チレンナフタレ―トなどのポリエステル類、ポリオレフ
イン類、セルロ―ストリアセテ―ト、ポリカ―ボネ―
ト、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリ
スルフオン、アラミド、芳香族ポリアミドなどからな
る、厚さが通常3〜300μmのフイルムまたはシ―ト
が用いられる。
【0027】このような可撓性支持体は、下層研磨層の
接着性を向上するため、易接着層を設けたものを用いて
もよく、この易接着層としては、COOM、SO3 M、
OSO3 M、P=O(OM)3 、O−P=O(OM)2
(Mは水素原子、アルカリ金属塩基またはアミン塩)な
どの官能基を1種または2種以上有するポリウレタン樹
脂またはポリエステル樹脂からなる樹脂層が挙げられ
る。また、テ―プ状の研磨シ―トとする場合、磁気ヘツ
ドの十分な研削量を維持しながら、薄手の磁気記録媒体
と同等のヘツド当り効果が奏し得られるように、可撓性
支持体として、厚さが3〜40μm、長手方向の1%ヤ
ング率(25℃)が350〜1,500Kg/mm2 のもの
を使用するのが好ましい。
【0028】本発明の研磨シ―トは、たとえば、有機溶
剤中にモ―ス硬度3〜9の研磨剤、その結合剤、必要に
より分散剤、潤滑剤、カ―ボンブラツクなどを混合分散
させてなる下層研磨層形成用の塗布液と、有機溶剤中に
ダイヤモンド超微粒子、その結合剤、必要により分散
剤、潤滑剤などを混合分散させてなる上層研磨層形成用
の塗布液を、それぞれ調製し、この両塗布液を上記の可
撓性支持体上に塗布し、乾燥することにより、作製する
ことができる。
【0029】上記の両塗布液の調製に用いる有機溶剤に
は、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶
剤、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸
エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル系溶剤、ジメチ
ルカ―ボネ―ト、ジエチルカ―ボネ―トなどの炭酸エス
テル系溶剤、エタノ―ル、イソプロパノ―ルなどのアル
コ―ル系溶剤のほか、ヘキサン、テトラヒドロフラン、
ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
【0030】また、上記の両塗布液の塗布に際しては、
グラビア塗布、ロ―ル塗布、ブレ―ド塗布、エクストル
−ジヨン塗布などの従来から公知の塗布方式を使用でき
る。これらの塗布方式において、可撓性支持体上に下層
研磨層形成用の塗布液を塗布乾燥したのち、上層研磨層
形成用の塗布液を塗布する逐次重層塗布方法を採用して
もよいし、可撓性支持体上に下層研磨層形成用の塗布液
と上層研磨層形成用の塗布液とを同時に塗布する同時重
層塗布方法を採用してもよい。
【0031】このように形成される上層研磨層の厚さ
は、ダイヤモンド超微粒子を最表面で突出させるため、
また研磨層を後述する図2に示す形態とするためにも、
0.1〜4μmとするのが好ましく、0.2〜2μmと
するのがより好ましい。また、下層研磨層の厚さは、上
層研磨層が磁気ヘツドと摺接した際の応力を緩和させる
ために、0.5〜10μmとするのが好ましく、1〜5
μmとするのがより好ましい。また、研磨層全体の厚さ
は、厚すぎると磁気ヘツドと研磨シ―トとの接触が悪く
なるため、12μm以下とするのが好ましい。
【0032】なお、上記各研磨層の厚さは、塗膜の断面
を透過型電子顕微鏡(5万倍)で観察した断面写真を1
cm間隔で10点測定したときの5個所の断面の平均値か
ら求められるものである。また、本発明においては、場
合により、下層研磨層として研磨剤や結合剤などの種
類,量が異なる2層ないしそれ以上の多層構成として、
上層研磨層を含む全体層として、3層以上の積層構成と
することも可能である。このような3層以上の積層構成
とする場合でも、下層研磨層全体の厚さや、研磨層全体
の厚さは、上記と同様の厚さに設定するのが望ましい。
【0033】本発明において、研磨層の形態としては、
下層研磨層の研磨剤による研磨効果を高めるためにも、
図2に示すように、下層研磨層が研磨層の最表面で格子
状や班状に突出するような形態とするのが好ましい。図
2は、研磨層表面の光学顕微鏡写真(倍率100倍)を
示したもので、黒つぽく見える部分が下層研磨層が突出
した部分であり、白つぽく見える部分が上層研磨層部分
である。このように、研磨層表面で下層研磨層が格子状
または班状に突出する形態とすることにより、下層研磨
層部分が上層研磨層の間に存在して、上層研磨層のダイ
ヤモンド超微粒子で研磨した金属部分を下層研磨層の研
磨剤で再度研磨する効率を高めることができ、さらに研
磨時間の短縮化もはかることができる。
【0034】このような形態の研磨層とするには、下層
研磨層形成用の塗布液と上層研磨層形成用の塗布液の塗
布方法として、逐次重層塗布方法を採用するのが好まし
い。また、この場合に、(イ)上層研磨層形成用の塗布
液の固形分濃度を10〜30重量%、とくに15〜25
重量%に調整する、(ロ)上層研磨層形成用の塗布液の
粘度をリオン型粘度計で50〜150センチポイズ(2
5℃,5号ロ―タ)に調整する、(ハ)グラビア塗布に
おいてピラミツド型の刻印を有する転写ロ―ルを用いて
塗布する、(ニ)上記塗布に際してスム―ジングを行わ
ずに塗布する、などの手法を2以上組み合わせるのが好
ましい。しかし、研磨層を前記形態とする方法は、上記
手法にのみ限定されるものではなく、必要により、上記
以外の種々の方法を採用できるものである。
【0035】本発明の研磨シ―トの作製においては、可
撓性支持体上に下層研磨層形成用の塗布液と上層研磨層
形成用の塗布液を塗布し、乾燥したのち、必要に応じ
て、コツトンロ―ル、プラスチツクロ―ル、金属ロ―ル
を用いたカレンダによる表面処理を行うこともできる。
このようなカレンダ処理を行うことにより、研磨層表面
の粗度をうまく調整することができるとともに、上層研
磨層におけるダイヤモンド超微粒子の突出量の調整も容
易となり、これにより磁気ヘツドの仕上げ面とヘツド傷
の発生防止により好結果を得ることができる。
【0036】本発明の研磨シ―トは、テ―プ状、デイス
ク状、カ―ド状などの形状として、使用することができ
る。とくにテ―プ形状とする場合、可撓性支持体におけ
る研磨層とは反対側の面、つまり背面にバツクコ―ト層
を設けることもできる。バツクコ―ト層を設けることに
より、表面電気抵抗を低減し、ドロツプアウトの原因と
なる塵埃の付着を防止できるとともに、ガイドピンなど
との走行系における摩擦係数を低減でき、研磨テ―プの
走行を円滑化できる。
【0037】上記のバツクコ―ト層は、結合剤中に充填
剤を分散させた構成からなり、厚さとしては、研磨テ―
プの弾性を考慮して、0.3〜1μmとするのが好まし
い。充填剤には、導電性のカ―ボンブラツクのほか、摩
擦係数の低減、機械的強度を高める目的で、研磨剤とし
て一般に用いられているα−Fe2 3 、Fe3 4
TiO2 、グラフアイト、CaO、SiO2 、Cr2
3 、α−AL2 3 、SiC、CaCO3 、BaS
4 、ZnO、MgO、窒化ホウ素、TiCl、Zn
S、MgCO3 、SnO2 などを使用することができ
る。
【0038】また、結合剤には、研磨層構成用の結合剤
と同様の樹脂を使用でき、中でも、摩擦係数を低減し、
走行性を向上するために、セルロ―ス系樹脂とポリウレ
タン樹脂を併用するのが好ましい。結合剤の使用量とし
ては、カ―ボンブラツクその他の充填剤100重量部に
対して、通常150〜230重量部とするのがよい。こ
のような結合剤を硬化させるため、ポリイソシアネ―ト
化合物などの架橋剤を用いてもよい。また、バツクコ―
ト層中には、充填剤や結合剤のほかに、必要により、高
級脂肪酸、脂肪酸エステル類、シリコ―ンオイル類など
の潤滑剤、界面活性剤などの分散剤、その他の各種添加
剤を含ませることもできる。
【0039】本発明の研磨シ―トの好適な態様は、下記
(1)〜(10)のとおりである。 (1)結合剤中に研磨剤を分散した研磨層を可撓性支持
体上に設けてなる研磨シ―トにおいて、上記の研磨層
は、モ―ス硬度3〜9の研磨剤を含有する下層研磨層
と、平均粒子径0.5μm未満のダイヤモンド超微粒子
を含有する上層研磨層との少なくとも2層からなること
を特徴とする研磨シ―ト。 (2)下層研磨層のモ―ス硬度3〜9の研磨剤の平均粒
子径が0.07〜2μmである上記(1)の研磨シ―
ト。 (3)下層研磨層のモ―ス硬度3〜9の研磨剤の中に、
モ―ス硬度7〜9で平均粒子径0.2〜2μmの研磨剤
が含まれている上記(1)の研磨シ―ト。 (4)下層研磨層中に、平均粒子径の異なるモ―ス硬度
7〜9の研磨剤が含まれ、その平均粒子径の比が1:
0.9以下である上記(1)の研磨シ―ト。 (5)下層研磨層中に、モ―ス硬度7〜9の研磨剤と、
モ―ス硬度3以上7未満の研磨剤が含まれている上記
(1)の研磨シ―ト。 (6)モ―ス硬度3以上7未満の研磨剤の平均粒子径が
0.07〜0.4μmである上記(5)の研磨シ―ト。 (7)結合剤中に研磨剤を分散した研磨層を可撓性支持
体上に設けてなる研磨シ―トにおいて、上記の研磨層
は、モ―ス硬度3〜9の研磨剤を含有する下層研磨層
と、平均粒子径0.5μm未満のダイヤモンド超微粒子
を含有する上層研磨層との少なくとも2層からなり、か
つ下層研磨層が研磨層の最表面で突出していることを特
徴とする研磨シ―ト。 (8)研磨層の最表面に突出している下層研磨層の形状
が格子状または班状である上記(7)の研磨シ―ト。 (9)上記(2)〜(6)の態様をさらに含む上記
(7)の研磨シ―ト。 (10)可撓性支持体の厚さが3〜300μmである上記
(1)〜(9)のいずれかの研磨シ―ト。
【0040】本発明の研磨シ―トは、上記のような態様
からなり、これを磁気記録再生装置に使用されているセ
ラミツク−金属積層型の磁気ヘツドに適用すると、セラ
ミツク部分と金属部分との両者の研磨性にすぐれるた
め、良好な研磨性能が得られ、研磨時間の短縮化もはか
ることができる。また、ダイヤモンド超微粒子の使用量
の低減により、低コストの研磨シ―トとして利用でき、
上記磁気ヘツドの研磨のみならず、その他の各種磁気ヘ
ツドの研磨、クリ―ニングにも利用できる。さらに、磁
気ヘツド用に限られず、種々の被研磨物を研磨、クリ―
ニング、ポ―リツシユなどするための研磨シ―トとして
も、利用することができる。
【0041】
【実施例】以下に、本発明の実施例を記載して、より具
体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例にの
み限定されるものではない。なお、以下の各例におい
て、部とあるのは重量部を意味するものとする。
【0042】 実施例1 <下層研磨層形成用の塗布液成分> 酸化クロム(平均粒子径0.57μm、モ―ス硬度8.5) 100部 α−酸化鉄(平均粒子径0.13μm、モ―ス硬度5) 100部 塩化ビニル系共重合体 15部 ポリウレタン樹脂 15部 ミリスチン酸 1部 メチルエチルケトン 215部 トルエン 215部
【0043】 <上層研磨層形成用の塗布液成分> 単結晶ダイヤモンド超微粒子(平均粒子径0.2μm) 14部 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコ―ル共重合体 30部 ポリウレタン樹脂 60部 メチルエチルケトン 200部 トルエン 200部
【0044】上記の下層研磨層形成用の塗布液成分を撹
拌機を用いて混合したのち、サンドミルで分散させ、下
層研磨層形成用の塗布液を調製した。また、これとは別
に、上記の上層研磨層形成用の塗布液成分を上記と同様
に撹拌機を用いて混合したのち、サンドミルで分散さ
せ、これにポリイソシアネ―ト10部を加えて、上層研
磨層形成用の塗布液(固形分濃度22.2重量%)を調
製した。
【0045】上記の下層研磨層形成用の塗布液を、厚さ
が25μmのポリエチレンテレフタレ―トフイルムから
なる支持体の片面に、乾燥後の厚さが4μmとなるよう
に、塗布し、乾燥して、下層研磨層を形成した。この下
層研磨層上に、上記の上層研磨層形成用の塗布液を、カ
レンダ処理後の厚さが0.2μmとなるように、ピラミ
ツド型の刻印を有する印刷ロ―ルを用いて、スム―ジン
グを行わずに塗布し、乾燥した。カレンダで鏡面化処理
したのち、所定幅に裁断して、研磨テ―プを作製した。
この研磨テ―プは、図2に示す光学顕微鏡写真(倍率1
00倍)からも明らかなように、下層研磨層が研磨層の
最表面に格子状に点在していた。
【0046】実施例2 下層研磨層形成用の塗布液において、α−酸化鉄100
部に代えて、酸化クロム(平均粒子径0.46μm、モ
―ス硬度8.5)100部を用い、また上層研磨層形成
用の塗布液において、単結晶ダイヤモンド超微粒子(平
均粒子径0.2μm)14部に代えて、単結晶ダイヤモ
ンド超微粒子(平均粒子径0.48μm)14部を用
い、かつその塗布液の固形分濃度を23重量%とし、さ
らに上層研磨層の厚さをカレンダ処理後に0.3μmと
なるようにした以外は、実施例1と同様にして、研磨テ
―プを作製した。このテ―プの研磨層を実施例1と同様
に光学顕微鏡で観察したところ、下層研磨層が最表面に
格子状に存在していた。
【0047】比較例1 下層研磨層を設けず、上層研磨層形成用の塗布液におい
て、単結晶ダイヤモンド超微粒子(平均粒子径0.2μ
m)14部に代えて、単結晶ダイヤモンド微粒子(平均
粒子径1μm)14部を用い、三角斜線柄の刻印を有す
る印刷ロ―ルを用いて塗布時にスム―ジングを行い、乾
燥、カレンダ処理後の厚さが5μmとなるようにした以
外は、実施例1と同様にして、研磨テ―プを作製した。
【0048】比較例2 下層研磨層形成用の塗布液において、酸化クロム100
部およびα−酸化鉄100部に代えて、グラフアイトカ
―ボン(平均粒子径80nm、モ―ス硬度2)60部を
使用し、上層研磨層形成用の塗布液において、単結晶ダ
イヤモンド超微粒子(平均粒子径0.2μm)14部に
代えて、多結晶ダイヤモンド微粒子(平均粒子径1μ
m)14部を用い、かつメチルエチルケトンおよびトル
エンの使用量をそれぞれ120部として、塗布液の固形
分濃度を32重量%とし、塗布時にスム―ジングを行つ
た以外は、実施例1と同様にして、研磨テ―プを作製し
た。この研磨テ―プの研磨層を実施例1と同様に光学顕
微鏡で観察したところ、下層研磨層の最表面への突出は
みられなかつた。
【0049】 比較例3 <研磨層形成用の塗布液成分> 単結晶ダイヤモンド超微粒子(平均粒子径0.2μm) 21部 酸化クロム(平均粒子径0.5μm、モ―ス硬度8.5) 170部 α−酸化鉄(平均粒子径0.2μm、モ―ス硬度5) 500部 塩化ビニル系共重合体 34部 ポリウレタン樹脂 34部 ミリスチン酸 15部 メチルエチルケトン 220部 トルエン 200部
【0050】上記の塗布液成分を撹拌機を用いて混合し
たのち、サンドミルで分散させ、これにポリイソシアネ
―ト3部を加えて、研磨層形成用の塗布液を調製した。
このように調製した塗布液を、厚さが25μmのポリエ
チレンテレフタレ―トフイルムからなる支持体の片面
に、乾燥後の厚さが3μmとなるように、三角斜線柄の
グラビアロ―ルを用いて塗布し、この塗布時にスム―ジ
ングを行い、乾燥した。その後、所定幅に裁断して、研
磨テ―プを作製した。
【0051】上記の実施例1,2および比較例1〜3の
各研磨テ―プを用いて、下記の方法により、セラミツク
−金属積層型の磁気ヘツドに対する研磨試験を行い、そ
の性能を評価した。結果は、表1に示されるとおりであ
つた。
【0052】<磁気ヘツド研磨試験>セラミツク−金属
積層型の磁気ヘツドを、各研磨テ―プを用いて、研磨速
度6m/秒(相対速度)で30秒間研磨し、研磨後の磁
気ヘツドの仕上げ面と傷の発生を調べた。仕上げ面は、
磁気ヘツドの表面をヘツド形状測定機により表面の干渉
縞を測定し、干渉縞の歪みがないものを〇、干渉縞が歪
んでいるものを×、と評価した。また、傷の発生の有無
は、研磨後の磁気ヘツドの表面を光学顕微鏡で観察し、
目視により傷がないものを〇、1〜2本の傷が発生して
いるものを△、5本以上の傷が発生しているものを×、
と評価した。
【0053】
【0054】上記の表1の結果から、実施例1,2の研
磨テ―プによれば、セラミツク−金属積層型の磁気ヘツ
ドを短時間の研磨作業で良好な仕上げ面とすることがで
き、研磨傷の発生も防げることがわかる。これに対し、
下層研磨層を設けない比較例1の研磨テ―プ、下層研磨
層中にモ―ス硬度3〜9の研磨剤を含有しない比較例2
の研磨テ―プ、単一層中に単結晶ダイヤモンド超微粒子
とモ―ス硬度3〜9の研磨剤を含有させた比較例3の研
磨テ―プでは、いずれも良好な仕上げ面が得られず、ま
た比較例1,2の研磨テ―プでは研磨傷の発生も認めら
れる。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明は、可撓性支持体
上に設ける研磨層を、モ―ス硬度3〜9の研磨剤を含有
する下層研磨層と、平均粒子径0.5μm未満のダイヤ
モンド超微粒子を含有する上層研磨層との少なくとも2
層構成としたことにより、セラミツク−金属積層型の磁
気ヘツドに対し、研磨性能の向上と研磨時間の短縮化を
はかれ、かつコストの低減もはかれる研磨シ―トを提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の研磨シ―トの構成を説明するための模
式断面図である。
【図2】本発明の研磨シ―ト(実施例1の研磨シ―ト)
の研磨層表面の光学顕微鏡写真(倍率100倍)を示す
図である。
【符号の説明】
1 可撓性支持体 2 研磨層 2A 上層研磨層 2B 上層研磨層 2a ダイヤモンド超微粒子 2b モ―ス硬度3〜9の研磨剤

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結合剤中に研磨剤を分散した研磨層を可
    撓性支持体上に設けてなる研磨シ―トにおいて、上記の
    研磨層は、モ―ス硬度3〜9の研磨剤を含有する下層研
    磨層と、平均粒子径0.5μm未満のダイヤモンド超微
    粒子を含有する上層研磨層との少なくとも2層からなる
    ことを特徴とする研磨シ―ト。
  2. 【請求項2】 下層研磨層において、モ―ス硬度3〜9
    の研磨剤の平均粒子径が0.07〜2μmである請求項
    1に記載の研磨シ―ト。
  3. 【請求項3】 下層研磨層において、モ―ス硬度3〜9
    の研磨剤の中に、モ―ス硬度7〜9で平均粒子径0.2
    〜2μmの研磨剤が含まれている請求項1に記載の研磨
    シ―ト。
  4. 【請求項4】 可撓性支持体の厚さが3〜300μmで
    ある請求項1〜3のいずれかに記載の研磨シ―ト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006192540A (ja) * 2005-01-14 2006-07-27 Tmp Co Ltd 液晶カラーフィルター用研磨フィルム
CN100417495C (zh) * 2006-04-30 2008-09-10 华侨大学 一种超细微粉抛光膜的制备方法
WO2016106020A1 (en) * 2014-12-22 2016-06-30 3M Innovative Properties Company Abrasive articles with removable abrasive member and methods of separating and replacing thereof

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