JP2001068902A - 帯域通過フィルタ回路 - Google Patents

帯域通過フィルタ回路

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JP2001068902A JP24404699A JP24404699A JP2001068902A JP 2001068902 A JP2001068902 A JP 2001068902A JP 24404699 A JP24404699 A JP 24404699A JP 24404699 A JP24404699 A JP 24404699A JP 2001068902 A JP2001068902 A JP 2001068902A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ライン共振器間の不要な結合をなくした、急
峻なフィルタ特性を有する帯域通過フィルタ回路を得
る。 【解決手段】 中心周波数の略2分の1波長の共振線路
31〜36をN個(Nは2以上の整数)ずつそれぞれ対応さ
せて2列に配置するとともに各列の共振線路の1個ずつ
にそれぞれ入出力用線路46・47を電磁界結合させて成
り、各共振線路31〜36は、各列内で隣接する共振線路間
で線路同士を平行に対向させて電磁界結合する第1単位
結合部38・39・41・42と、各列間の対応する共振線路
間で線路同士を平行に対向させて電磁界結合する第2単
位結合部40・44・45とを有し、かつ各列間の対応する共
振線路における第1単位結合部38・42、39・41間で互い
の線路の方向が45度〜90度の角度をなすように配設され
ている帯域通過フィルタ回路である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は通信装置等で妨害信
号や雑音の除去に使用される、複数のライン共振器を結
合させて構成される帯域通過フィルタ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、2分の1波長型の線路導体パタ
ーンから成る共振線路(1/2λ共振器)で構成される
フィルタ回路においては、1/2λ共振器同士を電界も
しくは磁界結合により結合して信号を授受させるため、
各1/2λ共振器はお互いに平行に配置され線路端面か
らの垂直の電界もしくは磁界結合によって信号を授受す
る結合面を有している。
【0003】従来、このような1/2λ共振器を2N個
(Nは2以上の整数)有し、これらを結合させて構成さ
れる帯域通過フィルタ回路においては、1/2λ共振器
は2列にN個ずつ互いに対応させて配置され、各1/2
λ共振器は全て他の1/2λ共振器と電界結合もしくは
磁界結合をするための単位結合部を有している。これら
単位結合部は2つの1/2λ共振器の線路の2つの側面
を互いに平行にかつ等距離で対向させて構成されてお
り、単位結合部を構成する2つの1/2λ共振器の特定
の2つの側面は、その側面間に他の1/2λ共振器が存
在しない組合せとされる。各1/2λ共振器は同じ列内
の隣接する1/2λ共振器と結合するための第1の単位
結合部を少なくとも1ヵ所以上有しているとともに、も
う一方の列の対応する位置の1/2λ共振器と結合する
ための第2の単位結合部を1ヵ所有している。そして、
同じ列内で隣接する2つの1/2λ共振器間の単位結合
部の線路の側面と、その2つの1/2λ共振器に対応す
るもう一方の列の2つの1/2λ共振器間の単位結合部
の側面との相対角度は0度すなわち一直線状または平行
となるように配置されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように1/2λ共振器同士を結合させて構成された帯域
通過フィルタ回路においては、各列間の対応する1/2
λ共振器間の第2の単位結合部同士の相対角度が0度と
なるように配置されていたことから、一方の列内でのラ
イン共振器同士を電界もしくは磁界結合することを目的
とする第1の単位結合部の電界もしくは磁界方向ともう
一方の列内でのライン共振器同士を電界もしくは磁界結
合することを目的とする第2の単位結合部の電界もしく
は磁界方向が同一方向となるため、この2つの単位結合
部が電界もしくは磁界結合を起こしてしまい、そのため
に、フィルタ回路の設計上不必要な、第2の単位結合部
で結合されるものとは異なる1/2λ共振器同士の結合
面の電界もしくは磁界結合も生じてしまうという問題点
があった。そして、その結果、高度な性能を必要とする
フィルタ回路、例えば高周波信号の振幅の減衰特性を急
峻に制御する帯域通過フィルタ回路等では、フィルタ回
路の電気特性において急峻な減衰特性を得られないとい
う問題点があった。
【0005】特に、上記のように1/2λ共振器をN個
ずつ2列に並べて構成され、第1および第2の単位結合
部により列内で隣接するライン共振器間および列間で対
応するライン共振器間で電界もしくは磁界結合をしてお
り、列間で対応する第2の単位結合部同士の相対角度を
0度としている帯域通過フィルタ回路では、第1の単位
結合部と第2の単位結合部とが電界もしくは磁界結合し
やすいため、フィルタ回路の設計通りの電気特性を得る
のが困難であるという問題点があった。
【0006】本発明は上記従来技術における問題点に鑑
みて案出されたものであり、その目的は、列間で対応す
る1/2λ共振器間における不要な電界もしくは磁界結
合を解消して、フィルタ特性を正確に設計し作製するこ
とが可能な、1/2λ共振器を用いた帯域通過フィルタ
回路を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の帯域通過フィル
タ回路は、高周波信号の中心周波数の波長の略2分の1
の長さの共振線路をN個(Nは2以上の整数)ずつそれ
ぞれ対応させて2列に配置するとともに各列の前記共振
線路の1個ずつにそれぞれ入出力用線路を電磁界結合さ
せて成り、前記各共振線路は、各列内で隣接する前記共
振線路間で線路同士を平行に対向させて電磁界結合する
第1単位結合部と、各列間の対応する前記共振線路間で
線路同士を平行に対向させて電磁界結合する第2単位結
合部とを有し、かつ各列間の対応する前記共振線路にお
ける前記第1単位結合部間で互いの線路の方向が45度〜
90度の角度をなすように配設されていることを特徴とす
るものである。
【0008】本発明の帯域通過フィルタ回路によれば、
通過帯域の中心周波数の約1/2波長のライン共振器を
N個(Nは2以上の整数)ずつそれぞれ対応させて2列
に配置するとともに、各列のライン共振器の1個ずつに
それぞれ入出力線路を電磁界結合させて成り、各ライン
共振器は全て他のライン共振器と電界結合もしくは磁界
結合をするための特定の2つの側面によって構成された
互いに平行でかつ等距離である単位結合部を有し、各ラ
イン共振器は列内の隣接するライン共振器と結合するた
めの第1単位結合部を1ヵ所以上有しており、各列間の
対応するライン共振器同士を結合するための第2単位結
合部を1ヵ所有している帯域通過フィルタ回路におい
て、各列間の対応するライン共振器における第2単位結
合間で互いの線路の側面の方向がなす相対角度を45度〜
90度となるように配置したことにより、第1単位結合部
の電界もしくは磁界方向と第2単位結合部の電界もしく
は磁界方向が45度〜90度異なるため、この2つの単位結
合部は電界もしくは磁界結合をほとんどしないものとな
り、その結果、不要な電界もしくは磁界結合が生じるこ
とのない帯域通過フィルタ回路となり、急峻なフィルタ
特性を正確に設計し作製することが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の帯域通過フィルタ
回路を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0010】図1は通過帯域における振幅の減衰特性を
急峻に制御する一般的な帯域通過フィルタ回路の構成を
示すフィルタ回路網図である。
【0011】図1において、11・12・13・14・15および
16はそれぞれ高周波信号の中心周波数の波長の略2分の
1の長さの共振線路(1/2λ共振器)、17・18・19・
20・21・22・23および25は1/2λ共振器11〜16同士の
電界結合を現すコンデンサ、24は磁界結合を現すコイ
ル、26はアース、27・28は入出力端子である。
【0012】このような構成のフィルタ回路網におい
て、まず入出力端子27より高周波信号が入力されたもの
と考える。この入力信号は電界結合17を介して1/2λ
共振器11に入る。また入力信号は、1/2λ共振器11か
ら、電界結合18を介して1/2λ共振器12に入る信号
と、磁界結合24を介して1/2λ共振器16に入る信号と
に分岐する。次に、1/2λ共振器12に入った信号は、
1/2λ共振器12から、電界結合19を介して1/2λ共
振器13に入る信号と、電界結合25を介して1/2λ共振
器15に入る信号とに分岐する。次に、1/2λ共振器12
より1/2λ共振器13に入った信号は、電界結合20、1
/2λ共振器14および電界結合21を通って1/2λ共振
器15に入り、1/2λ共振器15において電界結合25を介
した信号と合流する。この1/2λ共振器15に入った信
号は、電界結合22を介して1/2λ共振器16に入り、1
/2λ共振器16において磁界結合24を介した信号と合流
する。
【0013】そして、1/2λ共振器16に入った信号は
電界結合23を介して入出力端子28に出力される。
【0014】このフィルタ回路網によって実現できるフ
ィルタ特性の回路シミュレーション結果例を図2に示
す。図2において、横軸は周波数(単位:GHz)を、
縦軸は透過係数(単位:dB)を表しており、特性曲線
は透過係数の周波数特性を示している。なお、この例に
おいては、中心周波数は2GHz、通過帯域幅は約20M
Hzである。
【0015】図2より、フィルタの実軸上に極(透過係
数がある周波数で急激に減少する現象)がこの減衰域上
の周波数である1.975 GHz付近と2.025 GHz付近の
2ヵ所にあることが分かる。この極は図1に示すような
分岐回路を有するフィルタ回路網により始めて実現でき
るものであり、この極により減衰域で非常に急峻な減衰
特性を有する帯域通過フィルタ特性を得ることができ
る。このフィルタ特性により、通過帯域に他の信号の周
波数帯域が接近していても、このフィルタ回路でその信
号を除去できるので、各種信号間の帯域ならびにそれら
の間隔を狭くでき、周波数のより有効な利用が可能とな
る。
【0016】次に、図3に本発明の帯域通過フィルタ回
路の実施の形態の一例を概略構成図で示す。本発明は図
1に示すフィルタ回路網通りに機能して図2に示す帯域
通過フィルタ特性を満足する帯域通過フィルタ回路を得
ることを目的としている。
【0017】図3において、31・32・33・34・35および
36はそれぞれ高周波信号の中心周波数の波長の略2分の
1の長さの共振線路(1/2λ共振線路)であり、N
個、ここではN=3個ずつそれぞれ対応させて31・32・
33の列と34・35・36の列との2列に配置されている。38
・39・41および42はそれぞれ各列内で隣接する共振線路
間で線路同士を平行に対向させて電磁界結合する第1単
位結合部を示しており、38は共振線路31と32とを、39は
共振線路32と33とを、41は共振線路34と35とを、42は共
振線路35と36とをそれぞれ電界結合により結合してい
る。また、40・44および45はそれぞれ各列間の対応する
共振線路間で線路同士を平行に対向させて電磁界結合す
る第2単位結合部を示しており、40は共振線路33と34と
を電界結合により、44は共振線路31と36とを磁界結合に
より、45は共振線路32と35とを電界結合によりそれぞれ
結合している。
【0018】また、各列の共振線路の1個ずつにはそれ
ぞれ入出力用線路を電磁界結合させており、この例では
共振線路31に入出力線路46を電界結合37により、共振線
路36に入出力線路47を電界結合43によりそれぞれ結合さ
せている。
【0019】このようなフィルタ回路の各共振線路31〜
36および入出力線路46・47は、例えばマイクロストリッ
プ線路で構成される。その場合、これらのマイクロスト
リップ線路は、図1においてアース26の役割をする接地
導体が裏面に形成された誘電体基板の表面に形成され
る。
【0020】図3に示す本発明の帯域通過フィルタ回路
に対して、まず給電線としての入出力線路46より高周波
信号が入力されると、この入力信号は電界結合37を介し
て共振線路31に入る。次にこの入力信号は、共振線路31
から、電界結合の第1単位結合部38を介して同じ列内の
共振線路32に入る信号と、磁界結合の第2単位結合部44
を介して他方の列の共振線路36に入る信号とに分岐す
る。共振線路32に入った信号は、この共振線路32から、
電界結合の第1単位結合部39を介して同じ列内の共振線
路33に入る信号と、電界結合の第2単位結合部45を介し
て他方の列の共振線路35に入る信号とに分岐する。共振
線路32より共振線路33に入った信号は、電界結合の第2
単位結合部40から他方の列の共振線路34・電界結合の第
1単位結合部41を通って共振線路34と同じ列内の共振線
路35に入り、共振線路35において第2単位結合部45を介
した共振線路32からの信号と合流する。この共振線路35
に入った信号は、電界結合の第1単位結合部42を介して
同じ列内の共振線路36に入り、共振線路36において第2
単位結合部44を介した共振線路31からの信号と合流す
る。そして、共振線路36に入った信号は電界結合43を介
して出力線としての入出力線路47に出力される。
【0021】ここで、共振線路31と入出力線路46との電
界結合37を行なう線路側面の結合面37aと37bは、主と
して線路導体側面の端面からの垂直の電界により結合し
ている。この電界結合を最も効率的に行なうため、結合
面37aと37bとは平行に対向して互いに向き合う構造に
なっている。実際には作製精度やレイアウトの問題によ
って厳密に見れば多少平行でない場合もあるが、このよ
うなわずかに平行でない構造は本発明の要旨を逸脱しな
いものである。同様に、共振線路36と入出力線路47との
電界結合43を行なう線路側面の結合面43aと43bも、主
として線路導体側面の端面からの垂直の電界により結合
し、結合面43aと43bは平行に対向して互いに向き合う
構造になっている。
【0022】これらの構造は他の共振線路同士の第1お
よび第2単位結合部における電界結合も同様であり、電
界結合である第1単位結合部38の結合面38aと38b、第
1単位結合部39の結合面39aと39b、第2単位結合部40
の結合面40aと40b、第1単位結合部41の結合面41aと
41b、第1単位結合部42の結合面42aと42bも同様に、
線路導体側面の端面からの垂直の電界により結合し、結
合面同士は平行に対向して互いに向き合う構造になって
いる。また、第2単位結合部45の結合面45aと45bにお
いては、線路導体端部の端面からの垂直の電界により結
合し、結合面45a・45b同士は平行に対向して互いに向
き合う構造になっている。さらに、共振線路31・36間の
磁界結合の第2単位結合部44においても、結合面44aと
44bは主として線路導体側面の端面からの垂直の磁界に
より結合し、この磁界結合を最も効率的に行なうため結
合面44aと44bは平行に対向して互いに向き合う構造に
なっている。
【0023】図3に示すような構成の本発明の帯域通過
フィルタ回路によれば、高周波信号が磁界結合の第2単
位結合部44を介して結合する分岐点上の共振線路31と合
流点上の共振線路36において、共振線路31から共振線路
32に信号が分岐するための第1単位結合部38の線路の方
向すなわち電界結合面38aもしくは38bと、これに対応
する共振線路36に共振線路35から信号が合流するための
第1単位結合部42の線路の方向すなわち電界結合面42a
もしくは42bとの相対角度が45度〜90度であることか
ら、電界結合38と電界結合42の電界方向が異なることに
より、電界結合38と電界結合42が互いに結合することは
ほとんどなくなる。
【0024】また、高周波信号が電界結合の第2単位結
合部45を介して結合する分岐点上の共振線路32と合流点
上の共振線路35において、共振線路32から共振線路33に
信号が分岐するための第1単位結合部39の線路の方向す
なわち電界結合面39aもしくは39bと、共振線路35に共
振線路34から信号が合流するための第1単位結合部41の
線路の方向すなわち電界結合面41aもしくは41bとの相
対角度が45度〜90度であることから、電界結合39と電界
結合41のそれぞれの電界方向が異なることにより、電界
結合39と電界結合41とが互いに結合することはほとんど
なくなる。
【0025】このように各列内の共振線路間を結合する
第1単位結合部の対応するもの同士の相対角度を特定し
たことにより、フィルタ回路内における分岐回路の回路
設計上不要な電界結合を抑えることができる。また、第
1単位結合部の対応する結合面がお互いに磁界結合であ
る場合においては、分岐回路の回路設計上不要な磁界結
合を抑えることができる。
【0026】そのため、本発明の帯域通過フィルタ回路
によれば、本来の単位結合部で結合されていない共振線
路間で不要な電界結合もしくは磁界結合が生じることが
なく、同一分岐回路内の共振線路同士の不要な分岐回路
を形成しないため、不要な電界もしくは磁界結合のない
フィルタ回路を設計することが可能となり、急峻なフィ
ルタ特性を正確に設計し作製することが可能となる。
【0027】なお、各列間の対応する共振線路における
第1単位結合部間で互いの線路の方向の相対角度が45度
未満となると、各列間の対応する共振線路における第1
単位結合部間同士で電界もしくは磁界結合を起こす傾向
がある。これは、アースに接地された金属で遮断しない
限り、電界方向もしくは磁界方向が近い結合は遠くに離
れていても結合しようとする傾向があるからである。他
方、その相対角度が90度を超えて135 度までは、相対角
度が45度から90度と同じ意味となり、同様に、相対角度
が135 度から180 度までは、相対角度が0度から45度と
同じ意味となる。これは、電界もしくは磁界結合のしや
すさは、その電界方向もしくは磁界方向の角度のずれの
絶対値だけが影響するからである。従って、本発明の帯
域通過フィルタ回路においては、各列間の対応する共振
線路における第1単位結合部間で互いの線路の方向が45
度〜90度の角度をなすように各共振線路を配設すること
が必要である。
【0028】
【実施例】次に、本発明の帯域通過フィルタ回路につい
て具体例を説明する。
【0029】まず、LaAl3 O単結晶基板上にYBa
2 Cu3 y (y≒7)から成る超電導薄膜を0.5 μm
積層し、物理エッチングによってその薄膜の不要な部分
をエッチングすることにより、図2にフィルタ回路網図
で示した中心周波数2GHz・通過帯域幅約20MHzの
帯域通過フィルタ特性の回路シミュレーション結果を実
現するための、1/2λ共振線路から成る図3に示した
構成の本発明の帯域通過フィルタ回路を作製した。この
とき、各列間の対応する共振線路間における第1単位結
合部間で互いの線路の方向が90度の角度をなすように構
成した。
【0030】次に、比較例として、同じく1/2λ共振
線路を組み合わせて作製した、図4に概略構成図で示す
構成の帯域通過フィルタ回路を作製した。この例におい
て、51・52・53・54・55および56はそれぞれ高周波信号
の中心周波数の波長の略2分の1の長さの共振線路(1
/2λ共振線路)であり、N個、ここではN=3個ずつ
それぞれ対応させて51・52・53の列と54・55・56の列と
の2列に配置されている。58・59・61および62はそれぞ
れ各列内で隣接する共振線路間で線路同士を平行に対向
させて電磁界結合する第1単位結合部を示しており、58
は共振線路51と52とを、59は共振線路52と53とを、61は
共振線路54と55とを、62は共振線路55と56とをそれぞれ
電界結合により結合している。また、60・64および65は
それぞれ各列間の対応する共振線路間で線路同士を平行
に対向させて電磁界結合する第2単位結合部を示してお
り、60は共振線路53と54とを電界結合により、64は共振
線路51と56とを磁界結合により、65は共振線路52と55と
を電界結合によりそれぞれ結合している。
【0031】また、各列の共振線路の1個ずつにはそれ
ぞれ入出力用線路を電磁界結合させており、この例では
共振線路51に入出力線路66を電界結合57により、共振線
路56に入出力線路67を電界結合63によりそれぞれ結合さ
せている。
【0032】図4に示した比較例の帯域通過フィルタ回
路に対して、まず給電線としての入出力線路66より高周
波信号が入力されると、この入力信号は電界結合の第1
単位結合部57を介して共振線路51に入る。この入力信号
は、共振線路51より、電界結合の第1単位結合部58を介
して共振線路52に入る信号と、磁界結合の第2単位結合
部64を介して共振線路56に入る信号とに分岐する。共振
線路52に入った信号は、共振線路52より、電界結合の第
1単位結合部59を介して共振線路53に入る信号と、電界
結合の第2単位結合部65を介して共振線路55に入る信号
とに分岐する。
【0033】共振線路52より共振線路53に入った信号
は、電界結合の第2単位結合部60から他方の列の共振線
路54・電界結合の第1単位結合部61を通って共振線路54
と同じ列内の共振線路54に入り、共振線路55において第
2単位結合部65を介した共振線路52からの信号と合流す
る。この共振線路55に入った信号は、電界結合の第1単
位結合部62を介して共振線路56に入り、共振線路56にお
いて磁界結合の第2単位結合部64を介した信号と合流す
る。そして、共振線路56に入った信号は電界結合63を介
して出力線としての入出力線路67に出力される。
【0034】ここで、電界結合57を行なう結合面57aと
57b、電界結合の第1単位結合部58を行なう結合面58a
と58b、電界結合の第1単位結合部59を行なう結合面59
aと59b、電界結合の第2単位結合部60を行なう結合面
60a、60b、電界結合の第1単位結合部61を行なう結合
面61aと61b、電界結合の第1単位結合部62を行なう結
合面62aと62b、電界結合63を行なう結合面63aと63
b、電界結合の第2単位結合部65を行なう結合面65a・
65bと65c・65d、磁界結合の第2単位結合部64を行な
う結合面64aと64bは、それぞれ線路側面または線路端
部を平行に対向して互いに向き合う構造になっている。
そして、結合面57aと57b、結合面58aと58b、結合面
59aと59b、結合面61aと61b、結合面62aと62b、結
合面63aと63b、結合面64aと64bの相対角度はすべて
0度である。
【0035】さらに、これら図3および図4に示したも
のと同様にして、2列の共振線路の互いに対応する共振
線路間における第1単位結合部間で互いの線路の方向の
相対角度を15度・30度・45度・60度・75度と変化させた
帯域通過フィルタ回路を作製した。この相対角度の変化
は、それぞれ三角形状またはコの字状に屈曲させた各共
振線路の折り曲げ角度と相対位置とを変化させることに
より実現した。
【0036】そして、以上の帯域通過フィルタ回路につ
いてそれぞれフィルタの伝送特性を冷凍機で60Kに冷却
し、ネットワークアナライザにより求めるとともに、そ
の伝送特性における減衰域の極の数を評価した。ここで
フィルタの伝送特性の減衰域の極の数を評価したのは、
この極は分岐回路によって形成されるものであり、不要
な分岐が生じると不要な極が発生するため、不要な分岐
の発生の有無を評価することができるからである。
【0037】図5に、図3に示した構成の、第1単位結
合部間の相対角度が90度のときの本発明の帯域通過フィ
ルタ回路の通過特性を結果を線図で示す。図5において
横軸は周波数(単位:GHz)を、縦軸は透過係数(単
位:dB)を表わし、特性曲線は透過係数の周波数特性
を示している。この結果より分かるように、減衰域での
極の数は2つであり、図2に示した目標とするフィルタ
特性とほぼ同等のフィルタ特性を有している。
【0038】これに対し、図4に示した構成の、第1単
位結合部間の相対角度が0度のときの比較例の帯域通過
フィルタ回路の通過特性の結果を図6に同様の線図で示
す。
【0039】この結果より分かるように、減衰域での極
の数は3つであり、また、通過帯域においても目標とす
るフィルタ特性に対して透過量が大きく減っている。
【0040】次に、第1単位結合部間の相対角度を15度
・30度・45度・60度・75度と変化させた特の減衰域の極
の数の変化を0度および90度の場合と共に表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】これより、相対角度が0度・15度・30度で
は極が3つあることが分かる。
【0043】図7にこれら相対角度が0度・15度・30度
のときの結合状態における図2と同様のフィルタ回路網
図を示す。
【0044】図7のフィルタ回路網は、図2のフィルタ
回路網に、相対角度0度・15度・30度による不要結合で
ある電界結合71・72・73・74・75が加わったものであ
る。これら電界結合71〜75について、図4を参照して説
明すると、図4において、第1単位結合部58の電界結合
面58aもしくは58bと第1単位結合部62の電界結合面62
aもしくは62bとの相対角度と、第1単位結合部59の電
界結合面59aもしくは59bと第1単位結合部61の電界結
合面61aもしくは61bとの相対角度は0度である。この
とき、共振線路51の電界結合面58aと共振線路56の電界
結合面62bとが結合して、図7の結合71となる。同様
に、共振線路51の電界結合面58aと共振線路55の電界結
合面62aとが結合して図7の結合72となり、共振線路52
の電界結合面58bと共振線路56の電界結合面62bとが結
合して図7の結合73となり、共振線路52の電界結合面59
aと共振線路54の電界結合面61aとが結合して図7の結
合74となり、共振線路53の電界結合面59bと共振線路55
の電界結合面61bとが結合して図7の結合75となる。そ
して、相対角度が0度・15度・30度のときは、これらの
不要結合が有効に働くため、極が設計値以上の数になる
と考えられる。
【0045】これに対し、相対角度が45度・60度・75度
・90度のときは、電界結合する互いの電界方向が著しく
異なるため、互いの電界結合がさらに結合することなく
それぞれ閉じた電界・磁界分布を持つことから、これら
の不要結合の発生が抑制されるため、極が設計値通りの
数になっており、また、通過特性も所望の設計値に近い
良好な特性であった。
【0046】これにより、本発明の帯域通過フィルタ回
路によれば、各列間の対応する第1単位結合部間の結合
面を制御することにより、所定の各単位結合部以外の不
要な電磁界結合が抑制でき、その結果、良好な透過特性
を有する帯域通過フィルタ回路となることが確認でき
た。
【0047】なお、以上はあくまで本発明の実施の形態
の例示であって、本発明はこれらに限定されるものでは
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や改
良を加えることは何ら差し支えない。例えば、それぞれ
の列の共振線路を別々の基板に形成し、互いの共振線路
を対面させる構造としてもよい。また、フィルタ回路と
電界もしくは磁界によって入出力する部分は、回路構成
の結果3ヵ所以上になってもよい。
【0048】
【発明の効果】本発明のフィルタ回路によれば、高周波
信号の中心周波数の波長の略2分の1の長さの共振線路
をN個(Nは2以上の整数)ずつそれぞれ対応させて2
列に配置するとともに各列の共振線路の1個ずつにそれ
ぞれ入出力用線路を電磁界結合させて成り、各共振線路
は、各列内で隣接する共振線路間で線路同士を平行に対
向させて電磁界結合する第1単位結合部と、各列間の対
応する共振線路間で線路同士を平行に対向させて電磁界
結合する第2単位結合部とを有し、かつ各列間の対応す
る共振線路における第1単位結合部間で互いの線路の方
向が45度〜90度の角度をなすように配設されていること
により、所定の各単位結合部以外における不要な電界も
しくは磁界による結合がなくなり、同一分岐回路内の共
振線路同士の不要分岐回路がない理想的フィルタ回路を
構成することができ、その結果、共振線路を組み合わせ
て構成され内部に分岐を有する急峻なフィルタ特性の帯
域通過フィルタ回路を正確に設計し作製することが可能
となる。
【0049】以上により、本発明によれば、列間で対応
する1/2λ共振器間における不要な電界もしくは磁界
結合を解消して、フィルタ特性を正確に設計し作製する
ことが可能な、1/2λ共振器を用いた帯域通過フィル
タ回路を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】通過帯域における振幅の減衰特性を急峻に制御
する一般的な帯域通過フィルタ回路の構成を示すフィル
タ回路網図である。
【図2】図1のフィルタ回路網によって実現できるフィ
ルタ特性の回路シミュレーション結果の例を示す線図で
ある。
【図3】本発明の帯域通過フィルタ回路の実施の形態の
一例を示す概略構成図である。
【図4】比較例の帯域通過フィルタ回路の例を示す概略
構成図である。
【図5】本発明の帯域通過フィルタ回路の通過特性の結
果を示す線図である。
【図6】比較例の帯域通過フィルタ回路の通過特性の結
果を示す線図である。
【図7】第1単位結合部間の相対角度が0度・15度・30
度のときの結合状態におけるフィルタ回路網図である。
【符号の説明】
31、32、33、34、35、36・・・・・共振線路 46、47・・・・・・・・・・・・・入出力線路 38、39、41、42・・・・・・・・・第1単位結合部 40、44、45・・・・・・・・・・・第2単位結合部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波信号の中心周波数の波長の略2分
    の1の長さの共振線路をN個(Nは2以上の整数)ずつ
    それぞれ対応させて2列に配置するとともに各列の前記
    共振線路の1個ずつにそれぞれ入出力用線路を電磁界結
    合させて成り、前記各共振線路は、各列内で隣接する前
    記共振線路間で線路同士を平行に対向させて電磁界結合
    する第1単位結合部と、各列間の対応する前記共振線路
    間で線路同士を平行に対向させて電磁界結合する第2単
    位結合部とを有し、かつ各列間の対応する前記共振線路
    における前記第1単位結合部間で互いの線路の方向が4
    5度〜90度の角度をなすように配設されていることを
    特徴とする帯域通過フィルタ回路。
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