JP2001068748A - 焦電性基材の加工方法 - Google Patents

焦電性基材の加工方法

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JP2001068748A
JP2001068748A JP23827599A JP23827599A JP2001068748A JP 2001068748 A JP2001068748 A JP 2001068748A JP 23827599 A JP23827599 A JP 23827599A JP 23827599 A JP23827599 A JP 23827599A JP 2001068748 A JP2001068748 A JP 2001068748A
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pyroelectric substrate
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pyroelectric
opening
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Makoto Nishimura
真 西村
Nobuyuki Miyagawa
展幸 宮川
Masahito Kawashima
雅人 川島
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ光を照射し薄板状の焦電性基材を切断
あるいは開口させて、焦電センサの検知部の検知特性を
安定化できる焦電性基材の加工方法を提供すること。 【解決手段】 薄板状の焦電性基材1にレーザ光6を照
射させ切断あるいは開口を設ける焦電性基材の加工方法
であって、前記切断部2あるいは開口の加工端面5を、
レーザ光6にて焦電性基材1の組成が改質されるようレ
ーザ光6を照射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄板状の焦電性基
材にレーザ光を照射させて切断あるいは開口を設ける焦
電性基材の加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば人体熱を感知して電気
的出力を行う焦電センサは、例えば、薄板状であるウエ
ハー状の焦電性基材を所定の大きさに切断してその検知
部が形成されている。この焦電性基材による検知部は、
圧電特性も同時に有しており、その加工時に生ずる微小
クラック、あるいは残留応力などの機械的ひずみ等に起
因する起電力が、その検知特性に大きく影響することが
知られている。
【0003】また、上記のような焦電性基材は、単結晶
材料や多結晶材料、あるいは高分子材料にて形成される
が、特に単結晶材料の場合には薄板状とした場合に割れ
やすい。そして、例えば人体熱などの熱検知感度を向上
させるため、検知部を熱的に接続端子から分離させるス
リット状等の開口を形成しようとして、ブラスト加工等
の機械的加工を行った場合、機械的ひずみが検知特性に
影響することがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、上記によ
る焦電センサの製作過程においては、通常、上記の圧電
特性に起因するポップコーンノイズと呼ばれる間欠性の
突発的な電圧出力を持つものを排除するため、全数のも
のに対して熱的なストレスを加えるのと同時に電気的出
力の確認をおこなう選別工程を設けて、焦電性基材によ
る検知部の検知特性を検査をする必要があった。
【0005】ところで、特開平10−305420とし
て、例えばウエハー状の酸化物単結晶の母材に対してレ
ーザ光を照射して、レーザアブレーションと呼ばれる光
化学的な反応によってその酸化物単結晶の分子を解離お
よび蒸発させて除去加工することによって母材に溝を形
成し、次いでこの溝に沿ってその母材を劈開させて所定
形状の切断片を得る、酸化物単結晶からなる母材の加工
方法が提案されている。
【0006】上記の加工方法によると、酸化物単結晶の
母材への機械的なストレスが軽減されることが想定され
る。しかし、母材を劈開させて切断片を形成するとき
に、その劈開面である切断部に機械的な曲げ応力が加わ
ることとなって、そのひずみや切断時に発生する微細な
クラックが検知特性に影響することが想定された。
【0007】本発明は、上記事由に鑑みてなしたもの
で、その目的とするところは、レーザ光を照射し薄板状
の焦電性基材を切断あるいは開口させて、焦電センサの
検知部の検知特性を安定化できる焦電性基材の加工方法
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の焦電性基材の加工方法にあっては、薄板状
の焦電性基材にレーザ光を照射させ切断あるいは開口を
設ける焦電性基材の加工方法であって、前記切断部ある
いは開口の加工端面を、レーザ光にて焦電性基材の組成
が改質されるようレーザ光を照射することを特徴として
いる。
【0009】これにより、レーザ光を照射させて切断あ
るいは開口加工される薄板状の焦電性基材の端面が、レ
ーザ光にて焦電性基材の組成が改質されるようレーザ光
を照射されて切断部あるいは開口が形成される。
【0010】そして、上記加工端面を、前記レーザ光に
よる熱反応にて所定温度に加熱させ改質することが好ま
しい。
【0011】この場合、レーザ光を照射させて切断ある
いは開口加工される薄板状の焦電性基材の端面が、レー
ザ光にて所定温度に加熱され改質される。
【0012】また、上記焦電性基材が分極処理されたも
のとするのが好ましい。
【0013】この場合、分極処理された薄板状の焦電性
基材の端面が、レーザ光にて所定温度に加熱され改質さ
れる。
【0014】また、上記加工端面を、前記レーザ光にて
組成の一部を蒸発させ酸化度が低減するよう改質するの
も好ましい。
【0015】この場合、レーザ光を照射させて切断ある
いは開口加工される薄板状の焦電性基材の端面が、レー
ザ光にて焦電性基材の組成の一部が蒸発され酸化度が低
減するよう改質される。
【0016】また、上記切断あるいは開口の加工箇所に
向けて、前記の改質の制御を行うための流体を噴射する
のが好ましい。
【0017】この場合、レーザ光を照射させて切断ある
いは開口加工されるその加工箇所に向けて、該レーザ光
にて所定温度に加熱あるいは組成の一部を蒸発させ酸化
度を低減させる改質制御用の流体によって薄板状の焦電
性基材の端面の組成が改質制御されて切断あるいは開口
が形成される。
【0018】また、上記流体を酸素混合ガスとするのが
好ましい。
【0019】この場合、レーザ光を照射させて切断ある
いは開口加工されるその加工箇所に、所定温度に加熱あ
るいは組成の一部を蒸発させ酸化度を低減させる改質制
御用の酸素混合ガスにて組成が改質制御されて切断部あ
るいは開口が形成される。
【0020】また、上記焦電性基材は、その表面に電極
形成用の金属薄膜を設けたものとするのが好ましい。
【0021】この場合、その表面に電極形成用の金属薄
膜を有する焦電性基材の端面が、レーザ光にて焦電性基
材の組成が改質されるようレーザ光を照射されて切断部
あるいは開口が形成される。
【0022】また、上記切断あるいは開口の加工起点に
予め貫通孔を設けるのが好ましい。
【0023】この場合、レーザ光を照射させて切断ある
いは開口加工される薄板状の焦電性基材の加工起点に予
め貫通孔を設けてその端面が、レーザ光にて焦電性基材
の組成が改質される。
【0024】また、上記切断あるいは開口の加工の前処
理として、その加工箇所に向けて予備加熱を行うための
予備レーザ光を照射させるのが好ましい。
【0025】この場合、レーザ光を照射させて切断ある
いは開口加工される薄板状の焦電性基材の切断あるいは
開口の加工箇所が、前処理用の予備レーザ光にて予備加
熱された後、その端面がレーザ光にて焦電性基材の組成
が改質される。
【0026】また、上記焦電性基材を、前記切断あるい
は開口の加工箇所に沿って予め空隙の形成された保持具
にて保持させるのが好ましい。
【0027】この場合、レーザ光を照射させて切断ある
いは開口加工される薄板状の焦電性基材が、その切断あ
るいは開口の加工箇所に沿って予め空隙の形成された保
持具にて保持されて、レーザ光にて焦電性基材端面の組
成が改質されるようレーザ光を照射されて切断あるいは
開口が形成される。
【0028】
【発明の実施の形態】図1乃至図5は、本発明の請求項
1乃至4、8及び10全てに対応する第1の実施の形態
を示し、図6は、本発明の請求項5及び6に対応する第
2の実施の形態を示し、図7は、本発明の請求項7に対
応する第3の実施の形態を示し、図8、図9は、本発明
の請求項9に対応する第4の実施の形態を示している。
【0029】[第1の実施の形態]図1は、第1の実施
の形態の焦電性基材の加工方法の概略を示す斜視図であ
る。図2は、同焦電性基材の加工方法の説明図である。
図3は、同焦電性基材の加工方法の他の説明図である。
図4は、同焦電性基材の加工方法の、保持具の説明図で
ある。図5は、同焦電性基材の加工方法の、手順の説明
図である。
【0030】この実施の形態の焦電性基材の加工方法
は、薄板状の焦電性基材1にレーザ光6を照射させ切断
あるいは開口を設ける焦電性基材の加工方法であって、
前記切断部2あるいは開口の加工端面5を、レーザ光6
にて焦電性基材1の組成が改質されるようレーザ光6を
照射している。
【0031】又、該実施の形態の焦電性基材の加工方法
においては、前記加工端面5を、前記レーザ光6による
熱反応にて所定温度に加熱させ改質してもいる。又、該
実施の形態の焦電性基材の加工方法においては、焦電性
基材1が分極処理されたものとしてもいる。又、該実施
の形態の焦電性基材の加工方法においては、前記切断あ
るいは開口の加工起点に予め貫通孔4を設けてもいる。
又、該実施の形態の焦電性基材の加工方法においては、
前記焦電性基材1を、前記切断あるいは開口の加工箇所
に沿って予め空隙8の形成された保持具7にて保持させ
てもいる。
【0032】詳しくは、この焦電性基材の加工方法は、
薄板のウエハー状の焦電性基材1をレーザアブレーショ
ンにて所定の大きさに切断して、焦電センサの検知部を
形成する焦電性基材の加工方法である。
【0033】なお、レーザアブレーションは、真空セル
内に配置された焦電性基材1に所定のエネルギーを発す
るパルス状のレーザ光6を照射し、そのレーザエネルギ
ーを物理的に利用する方法で、YAGレーザやエキシマ
レーザ等をレンズにて絞って照射させる。そして、図2
に示すように焦電性基材1を切断させて、上記検知部と
なる機能部材10を得ることができる。また、この機能
部材10には、図3に示すような、検知部の熱検知感度
を向上させるための開口である、スリット31や貫通孔
32が形成されるが、この場合、まずこのスリット31
及び貫通孔32を形成し、次いで上記の切断を行ってい
る。
【0034】焦電性基材1は、この場合、タンタル酸リ
チウムの単結晶材料にて形成され、また、予め分極処理
を行って焦電性を付与させたものを用いている。なお、
本発明においては、焦電性基材1はこのもの以外に、例
えばニオブ酸リチウム、あるいは多結晶材料や高分子材
料にて形成さたものであっても良く、勿論、分極処理を
行ったもののみに限定されない。
【0035】焦電性基材1は、保持具7の上面に載置さ
れて保持され、真空セル内に配置され切断される。この
場合、保持具7は、レーザ光6にて切断される際に加熱
されて変質した加工くずが、再度、焦電性基材1に付着
しないよう、図4に示すように、予め設定された加工方
向に沿って空隙8の形成されたものを使用している。な
お、この保持具7は、空隙8となる所定深さの溝が形成
されているが、この溝による以外にスリットを形成して
も良い。また、この空隙8は、幅寸法を切断部2の幅寸
法より広くして形成されている。したがって、上記の加
工くずを落下させて逃がすこととともに、また加工時に
発生する熱を保持具7に伝達しにくくさせることが可能
となり、焦電性基材1が熱応力により変形や破損をする
ことも軽減できる。したがって加工性をより向上でき
る。
【0036】レーザ光6は、この場合、そのレーザ光6
にて改質されるべき加工端面5を、所定温度としてキュ
リー点以上の温度とするよう波長を選択している。した
がってその所定温度まで加工端面5の温度を上げること
で多分域化処理がなされて、焦電性あるいは、ポップコ
ーンノイズの原因の一つである圧電性を無くすることが
可能となり、ポップコーンノイズの発生を軽減すること
ができる。なお、本発明は、上記のキュリー点以外に、
焦電性基材1の溶融点となる温度まで上昇させ、マイク
ロクラックの発生を抑えたり内部ひずみが軽減するよう
な温度を選択しても良い。
【0037】上記の加工端面5を改質させる熱的影響を
及ぼす層の深さは、例えばパルス状のレーザ光6のパル
ス幅あるいはパルスの周波数を加減することにより調節
することができる。しかし、切断あるいは開口であるス
リット3の加工起点となる位置においては、他の部分よ
り相対的に加工時間が長くなって、上記の熱的影響を及
ぼす層の深さが位置が変わることによって大きく変動す
ることが想定される。したがって、この場合、熱的影響
を及ぼす層の深さの変動防止のために、図5に示すよう
に、まず、上記の加工起点にとなる位置に、ブラスト加
工あるいは超音波加工等の機械的加工によって貫通孔4
を設け、次いで、矢印Aに示す予め設定された加工方向
に沿ってレーザ光6が推移して照射されるよう、上記保
持具7の位置を移動させている。
【0038】上記の焦電性基材の加工方法において、レ
ーザ光6を照射させて切断あるいは開口加工される分極
処理された薄板状の焦電性基材1の端面が、レーザ光に
て焦電性基材の組成が改質されるようレーザ光6を照射
されて切断部2あるいは開口である、スリット31や貫
通孔32が形成され、焦電性基材1の加工端面5が、レ
ーザ光6にて所定温度に加熱され改質される。
【0039】このとき、上記焦電性基材1は、その切断
あるいは開口の加工箇所に沿って予め空隙8の形成され
た保持具7にて保持させて、また、その加工起点には予
め貫通孔4が設けられている。そのため、加工端面5を
レーザ光6にて焦電性基材1の組成を均一状態に改質す
ることができ、また、レーザ光6を照射されて一部変質
した加工くずが、再度、焦電性基材1に付着することな
く切断あるいは開口が形成されるのである。
【0040】したがって、以上説明した焦電性基材の加
工方法によると、レーザ光6を照射させて切断あるいは
開口加工される薄板状の焦電性基材1の端面が、レーザ
光6にて焦電性基材1の組成が改質されるようレーザ光
6を照射されて切断部2あるいは開口が形成されるの
で、焦電センサの検知部の検知特性を安定化できる。
【0041】また、レーザ光6を照射させて切断あるい
は開口加工される薄板状の焦電性基材1の端面が、レー
ザ光6にて所定温度に加熱され改質されるので、加工端
面5に発生するの微小クラックを、切断あるいは開口加
工と同時に埋めることにより、クラックの伸展を防いだ
り、クラックによる電気的な影響が発生することを防止
できる。さらに、分極処理された薄板状の焦電性基材1
の端面が、レーザ光6にて所定温度としてキュリー点以
上の温度とした場合、焦電性あるいは、ポップコーンノ
イズの元となる圧電性を無くすることが可能となり、ポ
ップコーンノイズの発生を抑えることができる。
【0042】さらに、レーザ光6を照射させて切断ある
いは開口加工される薄板状の焦電性基材1の加工起点に
予め貫通孔4を設けてその端面が、レーザ光6にて焦電
性基材の組成が改質されるので、焦電性基材1の組成を
均一状態に改質することができ、また、レーザ光6を照
射させて切断あるいは開口加工される薄板状の焦電性基
材1が、その切断あるいは開口の加工箇所に沿って予め
空隙の形成された保持具7にて保持されて、レーザ光6
にて焦電性基材1端面の組成が改質されるようレーザ光
6を照射されて切断あるいは開口が形成されるので、一
部変質した加工くずが、再度、焦電性基材1に付着する
ことが無く、以て加工性に優れる。
【0043】なお、本発明は、レーザ光6は、それによ
って改質されるべき加工端面5を、キュリー点以上の温
度等の所定温度とする以外に、レーザ光6にて組成の一
部を蒸発させ酸化度が低減するよう改質するようにして
も良い。この場合、短波長あるいは短パルスのレーザ光
6を使用することにて焦電性基材1の組成における構成
元素の解離を行うことができ、これによって、加工端面
5における電気的抵抗値が小さくなる。したがって、不
要電荷が蓄積されにくくなり、上記と同様にポップコー
ンノイズの発生を抑えることができる。
【0044】[第2の実施の形態]図6は、第2の実施
の形態の焦電性基材の加工方法の概略を示す斜視図であ
る。
【0045】この実施の形態の焦電性基材の加工方法
は、加工箇所に流体噴射部を設ける構成のみが第1の実
施の形態と異なるもので、他の構成部材は第1の実施の
形態のものと同一で、該実施の形態の焦電性基材の加工
方法は、前記切断あるいは開口の加工箇所に向けて、前
記の改質の制御を行うための流体を噴射させている。
又、該実施の形態の焦電性基材の加工方法は、前記流体
を酸素混合ガスとしてもいる。
【0046】詳しくは、この焦電性基材の加工方法は、
図6に示すように、加工箇所に、改質の制御を行うため
の流体として、酸素混合ガスである窒素及び酸素の混合
ガス体を噴射するガス噴射パイプ9を設けており、ま
た、短波長あるいは短パルスのレーザ光6にて組成の一
部を蒸発させて、酸化度が低減するよう改質することの
制御を行っている。この場合、レーザ光6により高いエ
ネルギーを持つ材料と上記混合ガス体との反応により、
加工端面5の酸化度が制御される。
【0047】したがって、以上説明した焦電性基材の加
工方法によると、レーザ光6を照射させて切断あるいは
開口加工されるその加工箇所に向けて、該レーザ光6に
て所定温度に加熱あるいは組成の一部を蒸発させ酸化度
を低減させる改質制御用の流体によって薄板状の焦電性
基材1の端面の組成が改質制御されて切断あるいは開口
が形成されるので、改質条件の細かい条件設定が可能と
なる。また、レーザ光6を照射させて切断あるいは開口
加工されるその加工箇所に、所定温度に加熱あるいは組
成の一部を蒸発させ酸化度を低減させる改質制御用の酸
素混合ガスにて組成が改質制御されて切断部あるいは開
口が形成されるので、洗浄処理等の後処理をすることな
く改質制御を行うことができる。
【0048】なお、本発明の、改質の制御を行うための
流体は、上記によるもの以外に、例えば液体として水を
供給することで、加工箇所の熱的影響を制御して、改質
部の温度あるいは溶融状態を制御しても良い。また、さ
らに、液体として、例えば焦電性基材1をエッチングす
る作用のある沸酸・硝酸またはその混合液等を噴射する
ことで、熱的制御とエッチングとを併用した加工を行う
ことができ、加工速度の向上とともに改質層の組成制御
を同時に行うこともできる。
【0049】[第3の実施の形態]図7は、第3の実施
の形態の焦電性基材の加工方法の概略を示す斜視図であ
る。
【0050】この実施の形態の焦電性基材の加工方法
は、焦電性基材の構成のみが第1の実施の形態と異なる
もので、他の構成は第1の実施の形態のものと同一で、
該実施の形態の焦電性基材の加工方法は、前記焦電性基
材1は、その表面に電極形成用の金属薄膜11を設けて
いる。
【0051】このものの焦電性基材1は、前述の検知部
からの電気信号の処理を行う回路部との電気的接続部と
なる金属薄膜11を形成し、次いで、前述した如く熱検
知感度を向上させるための前記スリット31や貫通孔3
2が形成されて、その後、図7に示すように、焦電性基
材1の組成を改質するようレーザ光6を照射し切断ある
いは開口を設けている。
【0052】金属薄膜11は、その材料として、レーザ
光6の波長に対して吸収のある材料を用い、焦電性基材
1にスパッタや蒸着などの膜形成方法を用いて形成す
る。
【0053】上記による焦電性基材の加工方法において
は、その表面に電極形成用の金属薄膜11を有する焦電
性基材1の端面が、レーザ光6にて焦電性基材1の組成
が改質されるようレーザ光6を照射されて切断部2ある
いは開口が形成され、その後、その金属薄膜11にメッ
キ処理を行った後、焦電センサの検知部として電気的配
線を行うことができる。なお、金属薄膜11の電極材料
と焦電性基材1ともに溶融させることで、加工端面5に
は金属薄膜11の電極材料と焦電性基材1との複合物形
成を行うこともできる。
【0054】したがって、以上説明した焦電性基材の加
工方法によると、その表面に電極形成用の金属薄膜11
を有する焦電性基材1の端面が、レーザ光6にて焦電性
基材1の組成が改質されるようレーザ光6を照射されて
切断部2あるいは開口が形成されるので、スリット31
や貫通孔32の開口及び切断の加工と同時に電極のパタ
ーニングができで作業性に優れる。
【0055】なお、この場合、レーザ光6の波長に対し
て加工性の悪い焦電性基材1に対しても、金属薄膜11
を適宜選択することで、容易に加工できるという効果も
奏する。
【0056】[第4の実施の形態]図8は、第4の実施
の形態の焦電性基材の加工方法の概略を示す斜視図であ
る。図9は、同実施の形態の焦電性基材の加工方法の説
明図である。
【0057】この実施の形態の焦電性基材の加工方法
は、予備レーザ光を照射させるの構成のみが第1の実施
の形態と異なるもので、他の構成部材は第1の実施の形
態のものと同一で、該実施の形態の焦電性基材の加工方
法は、前記切断あるいは開口の加工の前処理として、そ
の加工箇所に向けて予備加熱を行うための予備レーザ光
61を照射させている。
【0058】この方法においては、図9に示す如く、ま
ず、予備レーザ光61を加工箇所に向けて照射して焦電
性基材1に予熱を加え、次いで、焦電性基材1の組成改
質用のレーザ光6を照射させて切断あるいは開口加工を
行う。このとき、レーザ光6を照射させて切断あるいは
開口加工される薄板状の焦電性基材1の切断あるいは開
口の加工箇所が、前処理用の予備レーザ光61にて予備
加熱された後、その端面がレーザ光6にて焦電性基材1
の組成が改質されるので、より短時間に加工を行うこと
ができ、また、特に脆性材料である単結晶材料を焦電性
基材1として加工する場合、加工箇所における熱応力を
緩和することができ、加工箇所における割れ発生をより
軽減させて加工できる。なお、この予備レーザ光61お
よび組成改質用のレーザ光6は、それぞれ別の発振源で
もよいし、また、1つのパルスレーザを用いて交互に照
射するようにしても良い。
【0059】したがって、以上説明した焦電性基材の加
工方法によると、レーザ光6を照射させて切断あるいは
開口加工される薄板状の焦電性基材1の切断あるいは開
口の加工箇所が、前処理用の予備レーザ光61にて予備
加熱された後、その端面がレーザ光6にて焦電性基材1
の組成が改質されるので、より短時間に加工できて生産
性に優れる。
【0060】
【発明の効果】本発明は、上述の実施態様の如く実施さ
れて、請求項1記載の焦電性基材の加工方法にあって
は、焦電センサの検知部の検知特性を安定化できる。
【0061】また、請求項2記載の焦電性基材の加工方
法にあっては、加工端面に発生する微小クラックを、切
断あるいは開口加工と同時に埋めることにより、クラッ
クの伸展を防いだり、クラックによる電気的な影響が発
生することを防止できる。
【0062】また、請求項3記載の焦電性基材の加工方
法にあっては、焦電性あるいは、ポップコーンノイズの
元となる圧電性を無くすることが可能となり、ポップコ
ーンノイズの発生を抑えることができる。
【0063】また、請求項4記載の焦電性基材の加工方
法にあっては、不要電荷が蓄積されにくくなり、以て、
ポップコーンノイズの発生を抑えることができる。
【0064】また、請求項5記載の焦電性基材の加工方
法にあっては、改質条件の細かい条件設定が可能とな
る。
【0065】また、請求項6記載の焦電性基材の加工方
法にあっては、洗浄処理等の後処理をすることなく改質
制御を行うことができる。
【0066】また、請求項7記載の焦電性基材の加工方
法にあっては、スリットや貫通孔の開口及び切断の加工
と同時に電極のパターニングができ作業性に優れる。
【0067】また、請求項8記載の焦電性基材の加工方
法にあっては、焦電性基材の組成を均一状態に改質する
ことができる。
【0068】また、請求項9記載の焦電性基材の加工方
法にあっては、より短時間に加工できて生産性に優れ
る。
【0069】また、請求項10記載の焦電性基材の加工
方法にあっては、一部変質した加工くずが、再度、焦電
性基材に付着することが無く、以て加工性に優れる。
【0070】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の焦電性基材の加工
方法の概略を示す斜視図である。
【図2】同焦電性基材の加工方法の説明図である。
【図3】同焦電性基材の加工方法の他の説明図である。
【図4】同焦電性基材の加工方法の、保持具の説明図で
ある。
【図5】同焦電性基材の加工方法の、手順の説明図であ
る。
【図6】第2の実施の形態の焦電性基材の加工方法の概
略を示す斜視図である。
【図7】第3の実施の形態の焦電性基材の加工方法の概
略を示す斜視図である。
【図8】第4の実施の形態の焦電性基材の加工方法の概
略を示す斜視図である。
【図9】同実施の形態の焦電性基材の加工方法の説明図
である。
【符号の説明】
1 焦電性基材 2 切断部 4 貫通孔 5 加工端面 6 レーザ光 61 予備レーザ光 7 保持具 8 空隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川島 雅人 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 4E068 AH00 DA09 DB00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄板状の焦電性基材にレーザ光を照射さ
    せ切断あるいは開口を設ける焦電性基材の加工方法であ
    って、前記切断部あるいは開口の加工端面を、レーザ光
    にて焦電性基材の組成が改質されるようレーザ光を照射
    することを特徴とする焦電性基材の加工方法。
  2. 【請求項2】 前記加工端面を、前記レーザ光による熱
    反応にて所定温度に加熱させ改質したことを特徴とする
    請求項1記載の焦電性基材の加工方法。
  3. 【請求項3】 前記焦電性基材が分極処理されたもので
    あることを特徴とする請求項2記載の焦電性基材の加工
    方法。
  4. 【請求項4】 前記加工端面を、前記レーザ光にて組成
    の一部を蒸発させ酸化度が低減するよう改質したことを
    特徴とする請求項1又は3記載の焦電性基材の加工方
    法。
  5. 【請求項5】 前記切断あるいは開口の加工箇所に向け
    て、前記の改質の制御を行うための流体を噴射させるこ
    とを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つの請求項
    記載の焦電性基材の加工方法。
  6. 【請求項6】 前記流体を酸素混合ガスとすることを特
    徴とする請求項5記載の焦電性基材の加工方法。
  7. 【請求項7】 前記焦電性基材は、その表面に電極形成
    用の金属薄膜を設けたものであることを特徴とする請求
    項3乃至6のいずれか一つの請求項記載の焦電性基材の
    加工方法。
  8. 【請求項8】 前記切断あるいは開口の加工起点に予め
    貫通孔を設けることを特徴とする請求項1乃至7のいず
    れか一つの請求項記載の焦電性基材の加工方法。
  9. 【請求項9】 前記切断あるいは開口の加工の前処理と
    して、その加工箇所に向けて予備加熱を行うための予備
    レーザ光を照射させることを特徴とする請求項1乃至8
    のいずれか一つの請求項記載の焦電性基材の加工方法。
  10. 【請求項10】 前記焦電性基材を、前記切断あるいは
    開口の加工箇所に沿って予め空隙の形成された保持具に
    て保持させることを特徴とする請求項1乃至9のいずれ
    か一つの請求項記載の焦電性基材の加工方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003133603A (ja) * 2001-10-26 2003-05-09 Matsushita Electric Works Ltd 赤外線センサの製造方法
JP2011045916A (ja) * 2009-08-28 2011-03-10 Hitachi High-Technologies Corp レーザ処理装置、太陽電池パネルの製造装置、太陽電池パネルおよびレーザ処理方法
JP2011248241A (ja) * 2010-05-28 2011-12-08 Disco Abrasive Syst Ltd 板状物の加工方法及びレーザー加工装置

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