JPH05208323A - 絶縁性セラミックスの導電性付与方法及び加工方法 - Google Patents
絶縁性セラミックスの導電性付与方法及び加工方法Info
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- JPH05208323A JPH05208323A JP3007907A JP790791A JPH05208323A JP H05208323 A JPH05208323 A JP H05208323A JP 3007907 A JP3007907 A JP 3007907A JP 790791 A JP790791 A JP 790791A JP H05208323 A JPH05208323 A JP H05208323A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 絶縁性セラミックスの放電加工のための導電
性の付与方法及び型彫り、くり貫き等の加工方法に関す
る。 【構成】 レーザ等の高密度エネルギーを照射すること
により構成元素の一部が、分解、昇華するセラミックス
に、レーザを非酸化性雰囲気中で照射することにより導
電性を付与する。また窒化珪素の表層にレーザを用いて
非酸化性雰囲気下で3kJ/cm2 以上の熱量を付与す
ることにより導電性変質層を形成した後、各種加工を行
いながら該導電性変質層を伸展し、所定の形状に加工す
る。
性の付与方法及び型彫り、くり貫き等の加工方法に関す
る。 【構成】 レーザ等の高密度エネルギーを照射すること
により構成元素の一部が、分解、昇華するセラミックス
に、レーザを非酸化性雰囲気中で照射することにより導
電性を付与する。また窒化珪素の表層にレーザを用いて
非酸化性雰囲気下で3kJ/cm2 以上の熱量を付与す
ることにより導電性変質層を形成した後、各種加工を行
いながら該導電性変質層を伸展し、所定の形状に加工す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絶縁性セラミックスの
放電加工に関し、特に放電加工に必要な導電性の付与方
法及び窒化珪素の型彫り、くり貫き等の放電加工方法に
関するものである。
放電加工に関し、特に放電加工に必要な導電性の付与方
法及び窒化珪素の型彫り、くり貫き等の放電加工方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開昭61−168422号公報で公知
なように、電気加工で切断面が導体となる絶縁性セラミ
ックスを放電加工するに際して、放電を可能とならしめ
るために、被加工物の表面を厚膜メッキ法、薄膜メッキ
法などにより導電性を付与する方法がある。その後、導
電性を付与された被加工物の表面を通して電極と切断面
間でパルス放電を行い、絶縁性セラミックスを放電加工
するという技術が知られている。
なように、電気加工で切断面が導体となる絶縁性セラミ
ックスを放電加工するに際して、放電を可能とならしめ
るために、被加工物の表面を厚膜メッキ法、薄膜メッキ
法などにより導電性を付与する方法がある。その後、導
電性を付与された被加工物の表面を通して電極と切断面
間でパルス放電を行い、絶縁性セラミックスを放電加工
するという技術が知られている。
【0003】一方、来来窒化珪素は、特に高強度な絶縁
性セラミックスであるため型彫り、くり貫き等の放電加
工は不可能とされており、ダイヤモンド砥石による研削
加工が主流である。
性セラミックスであるため型彫り、くり貫き等の放電加
工は不可能とされており、ダイヤモンド砥石による研削
加工が主流である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開昭61−1684
22号公報によると、炭化珪素セラミックスの表面を厚
膜メッキ法、薄膜メッキ法などにより導体とし、スター
トの放電が可能であれば、絶縁性セラミックスの放電加
工は原理的に可能である。そこで、例えば窒化珪素の表
面に導電性を付与して密着強度を高めるべく、逆スパッ
タによりクリーニングを行った後に白金をスパッタした
場合と、化学メッキ法により金メッキを行った場合につ
いて放電加工を行ってみた。その結果、放電が数発生じ
るが、放電の衝撃により、スパッタ、メッキによる膜が
炸裂してしまい、継続的な放電を維持できずストップし
てしまうことを確認した。
22号公報によると、炭化珪素セラミックスの表面を厚
膜メッキ法、薄膜メッキ法などにより導体とし、スター
トの放電が可能であれば、絶縁性セラミックスの放電加
工は原理的に可能である。そこで、例えば窒化珪素の表
面に導電性を付与して密着強度を高めるべく、逆スパッ
タによりクリーニングを行った後に白金をスパッタした
場合と、化学メッキ法により金メッキを行った場合につ
いて放電加工を行ってみた。その結果、放電が数発生じ
るが、放電の衝撃により、スパッタ、メッキによる膜が
炸裂してしまい、継続的な放電を維持できずストップし
てしまうことを確認した。
【0005】従って、従来技術のように被加工物の表面
を厚膜メッキ法、薄膜メッキ法などにより導体として放
電加工を行うと、密着強度が弱いため数回の放電で皮膜
のスパッタにより皮膜が破れてしまい、絶縁性セラミッ
クスを変質するに至らないため、初期の放電は発生する
ものの、被加工物面が出た瞬間に放電がストップし、放
電加工を継続することができない。
を厚膜メッキ法、薄膜メッキ法などにより導体として放
電加工を行うと、密着強度が弱いため数回の放電で皮膜
のスパッタにより皮膜が破れてしまい、絶縁性セラミッ
クスを変質するに至らないため、初期の放電は発生する
ものの、被加工物面が出た瞬間に放電がストップし、放
電加工を継続することができない。
【0006】また、ワイヤーカット放電加工によりくり
貫き加工を行う場合、窒化珪素に下穴加工を行うことが
必要であるが、現状では、下穴加工内面に導電性を付与
する方法がないためワイヤーカット放電加工によるくり
貫き加工ができない。
貫き加工を行う場合、窒化珪素に下穴加工を行うことが
必要であるが、現状では、下穴加工内面に導電性を付与
する方法がないためワイヤーカット放電加工によるくり
貫き加工ができない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、下記のとおりである。 (1) レーザ等の高密度エネルギーを照射することにより
構成元素の一部が分解、昇華するセラミックスに、非酸
化性雰囲気中でレーザを照射することを特徴とする絶縁
性セラミックスの導電性付与方法。
ろは、下記のとおりである。 (1) レーザ等の高密度エネルギーを照射することにより
構成元素の一部が分解、昇華するセラミックスに、非酸
化性雰囲気中でレーザを照射することを特徴とする絶縁
性セラミックスの導電性付与方法。
【0008】(2) 窒化珪素を型彫り放電加工する加工方
法において、該窒化珪素の表層にレーザを用いて、非酸
化性雰囲気下で3kJ/cm2以上の熱量を付与することによ
り導電性を持った変質層を形成し、その変質層と放電加
工機の電極間で放電を行なわしめることにより放電加工
をすると同時に被加工面に前記放電エネルギーで変質層
を形成させ、放電加工を継続することを特徴とする窒化
珪素の加工方法。
法において、該窒化珪素の表層にレーザを用いて、非酸
化性雰囲気下で3kJ/cm2以上の熱量を付与することによ
り導電性を持った変質層を形成し、その変質層と放電加
工機の電極間で放電を行なわしめることにより放電加工
をすると同時に被加工面に前記放電エネルギーで変質層
を形成させ、放電加工を継続することを特徴とする窒化
珪素の加工方法。
【0009】(3) 窒化珪素を型彫り放電加工する加工方
法において、該窒化珪素の粗加工としてレーザ加工を施
し、その後に前記レーザまたは他レーザを用いて、非酸
化性雰囲気下で3kJ/cm2以上の熱量を付与することによ
り導電性を持った変質層を形成し、その変質層と放電加
工機の電極間で放電を行なわしめることにより精密放電
加工をすると同時に被加工面に前記放電エネルギーで変
質層を形成させ、放電加工を継続することを特徴とする
窒化珪素の加工方法。
法において、該窒化珪素の粗加工としてレーザ加工を施
し、その後に前記レーザまたは他レーザを用いて、非酸
化性雰囲気下で3kJ/cm2以上の熱量を付与することによ
り導電性を持った変質層を形成し、その変質層と放電加
工機の電極間で放電を行なわしめることにより精密放電
加工をすると同時に被加工面に前記放電エネルギーで変
質層を形成させ、放電加工を継続することを特徴とする
窒化珪素の加工方法。
【0010】(4) 窒化珪素をワイヤーカット放電加工す
る加工方法において、該窒化珪素の表層にレーザを用い
て、非酸化性雰囲気下で3kJ/cm2以上の熱量を付与する
ことにより導電性を持った変質層を形成し、細穴放電加
工機で前記変質層より、前記細穴加工機電極と前記変質
層間で放電を行なわしめることにより細穴加工を行い、
周方向に導電性変質層を形成しながら加工方向へ変質層
を形成させ細穴が貫通するまで加工した後、被加工穴へ
ワイヤーカット放電加工機のワイヤーを通し、ワイヤー
と周方向変質層との間で放電を行いながら、ワイヤーカ
ット放電加工を行うことを特徴とする窒化珪素の加工方
法。
る加工方法において、該窒化珪素の表層にレーザを用い
て、非酸化性雰囲気下で3kJ/cm2以上の熱量を付与する
ことにより導電性を持った変質層を形成し、細穴放電加
工機で前記変質層より、前記細穴加工機電極と前記変質
層間で放電を行なわしめることにより細穴加工を行い、
周方向に導電性変質層を形成しながら加工方向へ変質層
を形成させ細穴が貫通するまで加工した後、被加工穴へ
ワイヤーカット放電加工機のワイヤーを通し、ワイヤー
と周方向変質層との間で放電を行いながら、ワイヤーカ
ット放電加工を行うことを特徴とする窒化珪素の加工方
法。
【0011】(5) 窒化珪素をワイヤーカット放電加工す
る加工方法において、該窒化珪素の表層にレーザを用い
て、非酸化性雰囲気下で3kJ/cm2以上の熱量を付与する
ことにより導電性を持った変質層を形成し、前記出力を
持ったレーザで前記変質層より細穴レーザ加工を行い、
被加工穴の周方向に導電性変質層を形成しながら細穴が
貫通するまで加工した後、被加工穴へワイヤーカット放
電加工機のワイヤーを通し、ワイヤーと周方向変質層と
の間で放電を行いながら、ワイヤーカット放電加工を行
うことを特徴とする窒化珪素の加工方法。
る加工方法において、該窒化珪素の表層にレーザを用い
て、非酸化性雰囲気下で3kJ/cm2以上の熱量を付与する
ことにより導電性を持った変質層を形成し、前記出力を
持ったレーザで前記変質層より細穴レーザ加工を行い、
被加工穴の周方向に導電性変質層を形成しながら細穴が
貫通するまで加工した後、被加工穴へワイヤーカット放
電加工機のワイヤーを通し、ワイヤーと周方向変質層と
の間で放電を行いながら、ワイヤーカット放電加工を行
うことを特徴とする窒化珪素の加工方法。
【0012】
【作用及び実施例】本発明により、レーザ等の高密度エ
ネルギーを照射することにより構成元素の一部が分解、
昇華するセラミックスにおいて、分解、昇華が生じかつ
表面にクラックを発生しない量のレーザを照射すること
により導電性を付与すれば、放電エネルギーによっても
剥離、スパッタのない、被加工物と一体となった導電性
変質層を形成することができる。
ネルギーを照射することにより構成元素の一部が分解、
昇華するセラミックスにおいて、分解、昇華が生じかつ
表面にクラックを発生しない量のレーザを照射すること
により導電性を付与すれば、放電エネルギーによっても
剥離、スパッタのない、被加工物と一体となった導電性
変質層を形成することができる。
【0013】〔実施例1〕図1は、レーザヘッド廻りを
説明する図である。レーザ光1は、反射ミラー2、3で
反射し、レーザヘッド4より被加工物5へ照射される。
被加工物5表面においては、被加工物5表層に窒化珪素
の構成要素に対応した雰囲気ガスをノズル6より被加工
物5のレーザ照射箇所に吹き付けながら、レーザヘッド
4及びノズル6を被加工物5全面へ走査させる。前記実
施例をモデル化し、昇華の発生する最低投入レーザエネ
ルギーI kW/cm2 、J kJ/cm2 を推定する理論式を導い
た。
説明する図である。レーザ光1は、反射ミラー2、3で
反射し、レーザヘッド4より被加工物5へ照射される。
被加工物5表面においては、被加工物5表層に窒化珪素
の構成要素に対応した雰囲気ガスをノズル6より被加工
物5のレーザ照射箇所に吹き付けながら、レーザヘッド
4及びノズル6を被加工物5全面へ走査させる。前記実
施例をモデル化し、昇華の発生する最低投入レーザエネ
ルギーI kW/cm2 、J kJ/cm2 を推定する理論式を導い
た。
【0014】 I=4.2λTD /ε・(2/R+R2 υ/2κ) J=4.2λTD /ε・(2/υ+R/2κ) 〔単位〕 レーザビーム断面辺長R:m 入熱I:kW 走査速度υ:m/s 熱伝導率λ:kcal/m ・s・deg 温度伝導率κ:m2 /s 昇華温度TD :℃ 吸収率 :ε 本実施例においては、比抵抗が1×1013Ωcmの窒化珪
素を使用し、そのサイズは、幅20×長さ40×厚さ1
0mmであった。本実施例の窒化珪素においては、非酸化
性雰囲気である窒素を吹き付けた場合に導電性を付与で
きた。
素を使用し、そのサイズは、幅20×長さ40×厚さ1
0mmであった。本実施例の窒化珪素においては、非酸化
性雰囲気である窒素を吹き付けた場合に導電性を付与で
きた。
【0015】図2、図3に実験値及び前記論理値を示
す。図2は、表面抵抗をレーザ照射エネルギー kW で整
理してあるため、レーザヘッドの走査速度により単位面
積当たりの受熱量が異なって走査速度毎の曲線ができ
る。各走査速度による実験値と計算下限値は、近似値と
なっている。図3は、表面抵抗をレーザによる受熱エネ
ルギー kJ/cm2 で整理してある。本実験範囲において
は、計算下限値の妥当性を示すことができる。また、図
2、図3より急激に抵抗値が下がっていることより導電
性が付与されていることがわかる。
す。図2は、表面抵抗をレーザ照射エネルギー kW で整
理してあるため、レーザヘッドの走査速度により単位面
積当たりの受熱量が異なって走査速度毎の曲線ができ
る。各走査速度による実験値と計算下限値は、近似値と
なっている。図3は、表面抵抗をレーザによる受熱エネ
ルギー kJ/cm2 で整理してある。本実験範囲において
は、計算下限値の妥当性を示すことができる。また、図
2、図3より急激に抵抗値が下がっていることより導電
性が付与されていることがわかる。
【0016】以上より本実施例の窒化珪素においては、
非酸化性雰囲気下で約3kJ/cm2以上の熱量をレーザで照
射することにより導電性を付与できた。次に前記窒化珪
素サンプルにレーザによる表層導電化処理を行った後、
φ3mmの銅電極を用いてケロシン中で下記条件にて放電
加工を行った。 放電パルス幅 2μ sec ピーク電流 5 AMP 加工電圧 80 VOLT デューティーファクター 40% その結果、安定的な放電加工が継続できたため、10分
間加工した後停止した。その時の加工速度は、0.1mm
3 /min であった。これは、放電加工のエネルギー密度
がレーザのエネルギー密度と近いことにより、レーザエ
ネルギーによる導電性変質層作製と同様に放電エネルギ
ーにより導電性変質層が作製されつづけているため継続
的に加工ができると推定できる。
非酸化性雰囲気下で約3kJ/cm2以上の熱量をレーザで照
射することにより導電性を付与できた。次に前記窒化珪
素サンプルにレーザによる表層導電化処理を行った後、
φ3mmの銅電極を用いてケロシン中で下記条件にて放電
加工を行った。 放電パルス幅 2μ sec ピーク電流 5 AMP 加工電圧 80 VOLT デューティーファクター 40% その結果、安定的な放電加工が継続できたため、10分
間加工した後停止した。その時の加工速度は、0.1mm
3 /min であった。これは、放電加工のエネルギー密度
がレーザのエネルギー密度と近いことにより、レーザエ
ネルギーによる導電性変質層作製と同様に放電エネルギ
ーにより導電性変質層が作製されつづけているため継続
的に加工ができると推定できる。
【0017】〔実施例2〕放電加工の一実施例として前
記導電性を付与された窒化珪素への型彫り放電加工につ
いて述べる。図4は、型彫り放電加工の方法を示すもの
である。図4(a)に示す様に非酸化性雰囲気下で約3
kJ/cm2以上の熱量のレーザを前記窒化珪素表層へ照射す
ることにより導電性変質層を形成する。次に図4(b)
に示す様に前記導電性変質層と放電加工用電極間に電圧
をかけて型彫り放電加工を行い、放電加工電極の転写に
より加工を進めると同時に、導電性変質層を被加工形状
に合わせて伸展させ、継続的に放電加工を行っていく。
記導電性を付与された窒化珪素への型彫り放電加工につ
いて述べる。図4は、型彫り放電加工の方法を示すもの
である。図4(a)に示す様に非酸化性雰囲気下で約3
kJ/cm2以上の熱量のレーザを前記窒化珪素表層へ照射す
ることにより導電性変質層を形成する。次に図4(b)
に示す様に前記導電性変質層と放電加工用電極間に電圧
をかけて型彫り放電加工を行い、放電加工電極の転写に
より加工を進めると同時に、導電性変質層を被加工形状
に合わせて伸展させ、継続的に放電加工を行っていく。
【0018】〔実施例3〕図5は、窒化珪素にレーザ加
工で粗加工を実施し、次に放電加工により精密加工を行
った実施例を示す。図5(a)は、レーザの出力、加工
時間を変えながら走査し、窒化珪素へ任意の形状の粗加
工を行ったものである。次に図5(b)に示す様に粗加
工された窒化珪素表層へ非酸化性雰囲気下で約3kJ/cm2
以上の熱量のレーザを前記窒化珪素表層へ照射すること
により導電性変質層を形成する。次に図5(c)に示す
様に導電性変質層と放電加工用電極の間へ電圧をかけ放
電加工を行い、精密加工を実施する。
工で粗加工を実施し、次に放電加工により精密加工を行
った実施例を示す。図5(a)は、レーザの出力、加工
時間を変えながら走査し、窒化珪素へ任意の形状の粗加
工を行ったものである。次に図5(b)に示す様に粗加
工された窒化珪素表層へ非酸化性雰囲気下で約3kJ/cm2
以上の熱量のレーザを前記窒化珪素表層へ照射すること
により導電性変質層を形成する。次に図5(c)に示す
様に導電性変質層と放電加工用電極の間へ電圧をかけ放
電加工を行い、精密加工を実施する。
【0019】〔実施例4〕図6は、窒化珪素表層へレー
ザによる導電化処理を施した後に細穴加工を行い、貫通
した細穴を利用してワイヤーカット放電加工を行う方法
を示す。図6(a)に示す様に非酸化性雰囲気下で約3
kJ/cm2以上の熱量のレーザを窒化珪素表層へ照射するこ
とにより導電性変質層を形成する。次に図6(b)に示
す様に前記導電性変質層と放電加工用電極間に電圧をか
けて細穴放電加工を行い、図6(c)に示す様な貫通穴
を加工する。貫通穴内壁については、レーザのエネルギ
ー密度と放電のエネルギー密度が近いことにより、導電
性変質層7が形成されていく。次に図6(d)に示す様
に導電性変質層7が形成された貫通穴内壁の細穴へワイ
ヤーを通し、ワイヤーと被加工物の間に電圧をかけて放
電加工を行いながらワイヤーカット放電加工を実施す
る。
ザによる導電化処理を施した後に細穴加工を行い、貫通
した細穴を利用してワイヤーカット放電加工を行う方法
を示す。図6(a)に示す様に非酸化性雰囲気下で約3
kJ/cm2以上の熱量のレーザを窒化珪素表層へ照射するこ
とにより導電性変質層を形成する。次に図6(b)に示
す様に前記導電性変質層と放電加工用電極間に電圧をか
けて細穴放電加工を行い、図6(c)に示す様な貫通穴
を加工する。貫通穴内壁については、レーザのエネルギ
ー密度と放電のエネルギー密度が近いことにより、導電
性変質層7が形成されていく。次に図6(d)に示す様
に導電性変質層7が形成された貫通穴内壁の細穴へワイ
ヤーを通し、ワイヤーと被加工物の間に電圧をかけて放
電加工を行いながらワイヤーカット放電加工を実施す
る。
【0020】〔実施例5〕図7は、窒化珪素へレーザに
よる細穴加工を行った後にワイヤーカット放電加工を行
う方法を示す。図7(a)に示す様に非酸化性雰囲気下
で約3kJ/cm2以上の熱量のレーザを前記窒化珪素表層へ
照射することにより導電性変質層を形成する。次に図7
(b)に示す様に、非酸化性雰囲気下で約3kJ/cm2以上
の熱量のレーザを前記窒化珪素表層へ照射することによ
り細穴加工を行い、内壁に導電性変質層を形成しつつ、
貫通穴を形成する。次に図7(c)に示す様に貫通穴内
壁に導電性変質層が形成された細穴へワイヤーを通し、
ワイヤーと被加工物の間に電圧をかけて放電加工を行い
ながらワイヤーカット放電加工を実施する。
よる細穴加工を行った後にワイヤーカット放電加工を行
う方法を示す。図7(a)に示す様に非酸化性雰囲気下
で約3kJ/cm2以上の熱量のレーザを前記窒化珪素表層へ
照射することにより導電性変質層を形成する。次に図7
(b)に示す様に、非酸化性雰囲気下で約3kJ/cm2以上
の熱量のレーザを前記窒化珪素表層へ照射することによ
り細穴加工を行い、内壁に導電性変質層を形成しつつ、
貫通穴を形成する。次に図7(c)に示す様に貫通穴内
壁に導電性変質層が形成された細穴へワイヤーを通し、
ワイヤーと被加工物の間に電圧をかけて放電加工を行い
ながらワイヤーカット放電加工を実施する。
【0021】
【発明の効果】本発明に従い、レーザ等の高密度エネル
ギーを照射することにより構成元素の一部が分解、昇華
するセラミックスにおいて、分解、昇華が生じかつ表面
にクラックを発生しない量のレーザを照射することによ
り、放電エネルギーによっても剥離、スパッタのない被
加工物と一体となった導電性変質層を形成することが可
能となる。そのため、前記セラミックスにおいては、放
電エネルギーにより導電性変質層が加工方向に伸展する
ため、半永久的に継続的な放電加工を行うことができ
る。
ギーを照射することにより構成元素の一部が分解、昇華
するセラミックスにおいて、分解、昇華が生じかつ表面
にクラックを発生しない量のレーザを照射することによ
り、放電エネルギーによっても剥離、スパッタのない被
加工物と一体となった導電性変質層を形成することが可
能となる。そのため、前記セラミックスにおいては、放
電エネルギーにより導電性変質層が加工方向に伸展する
ため、半永久的に継続的な放電加工を行うことができ
る。
【図1】図1はレーザヘッド廻りを示す説明図である。
【図2】図2は窒化珪素の表面抵抗とレーザ照射エネル
ギー kW の関係を示す図である。
ギー kW の関係を示す図である。
【図3】図3は窒化珪素の表面抵抗と窒化珪素のレーザ
受熱エネルギー kW/cm2 の関係を示す図である。
受熱エネルギー kW/cm2 の関係を示す図である。
【図4】図4は導電性付与後の型彫り放電加工方法の実
施例を示す説明図である。
施例を示す説明図である。
【図5】図5はレーザによる粗加工を実施した後、レー
ザにより導電性を付与し、放電加工による精密加工の実
施例を示す図である。
ザにより導電性を付与し、放電加工による精密加工の実
施例を示す図である。
【図6】図6はレーザによる導電化処理を施した後に細
穴放電加工を行い、貫通した細穴を利用してワイヤーカ
ット放電加工を行う実施例を示す図である。
穴放電加工を行い、貫通した細穴を利用してワイヤーカ
ット放電加工を行う実施例を示す図である。
【図7】図7はレーザによる導電化処理を行い、次にレ
ーザによる細穴加工を行った後にワイヤーカット放電加
工を行う実施例を示す図である。
ーザによる細穴加工を行った後にワイヤーカット放電加
工を行う実施例を示す図である。
1 レーザ光 2 反射ミラー 3 反射ミラー 4 レーザヘッド 5 被加工物 6 ノズル 7 導電性変質層 8 窒化珪素
Claims (5)
- 【請求項1】 レーザ等の高密度エネルギーを照射する
ことにより構成元素の一部が分解、昇華するセラミック
スに、非酸化性雰囲気中でレーザを照射することを特徴
とする絶縁性セラミックスの導電性付与方法。 - 【請求項2】 窒化珪素を型彫り放電加工する加工方法
において、該窒化珪素の表層にレーザを用いて、非酸化
性雰囲気下で3kJ/cm2以上の熱量を付与することにより
導電性を持った変質層を形成し、その変質層と放電加工
機の電極間で放電を行なわしめることにより放電加工を
すると同時に被加工面に前記放電エネルギーで変質層を
形成させ、放電加工を継続することを特徴とする窒化珪
素の加工方法。 - 【請求項3】 窒化珪素を型彫り放電加工する加工方法
において、該窒化珪素の粗加工としてレーザ加工を施
し、その後に前記レーザまたは他レーザを用いて、非酸
化性雰囲気下で3kJ/cm2以上の熱量を付与することによ
り導電性を持った変質層を形成し、その変質層と放電加
工機の電極間で放電を行なわしめることにより精密放電
加工をすると同時に被加工面に前記放電エネルギーで変
質層を形成させ、放電加工を継続することを特徴とする
窒化珪素の加工方法。 - 【請求項4】 窒化珪素をワイヤーカット放電加工する
加工方法において、該窒化珪素の表層にレーザを用い
て、非酸化性雰囲気下で3kJ/cm2以上の熱量を付与する
ことにより導電性を持った変質層を形成し、細穴放電加
工機で前記変質層より、前記細穴加工機電極と前記変質
層間で放電を行なわしめることにより細穴加工を行い、
周方向に導電性変質層を形成しながら加工方向へ変質層
を形成させ細穴が貫通するまで加工した後、被加工穴へ
ワイヤーカット放電加工機のワイヤーを通し、ワイヤー
と周方向変質層との間で放電を行いながら、ワイヤーカ
ット放電加工を行うことを特徴とする窒化珪素の加工方
法。 - 【請求項5】 窒化珪素をワイヤーカット放電加工する
加工方法において、該窒化珪素の表層にレーザを用い
て、非酸化性雰囲気下で3kJ/cm2以上の熱量を付与する
ことにより導電性を持った変質層を形成し、前記出力を
持ったレーザで前記変質層より細穴レーザ加工を行い、
被加工穴の周方向に導電性変質層を形成しながら細穴が
貫通するまで加工した後、被加工穴へワイヤーカット放
電加工機のワイヤーを通し、ワイヤーと周方向変質層と
の間で放電を行いながら、ワイヤーカット放電加工を行
うことを特徴とする窒化珪素の加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3007907A JPH05208323A (ja) | 1991-01-25 | 1991-01-25 | 絶縁性セラミックスの導電性付与方法及び加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3007907A JPH05208323A (ja) | 1991-01-25 | 1991-01-25 | 絶縁性セラミックスの導電性付与方法及び加工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05208323A true JPH05208323A (ja) | 1993-08-20 |
Family
ID=11678628
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3007907A Withdrawn JPH05208323A (ja) | 1991-01-25 | 1991-01-25 | 絶縁性セラミックスの導電性付与方法及び加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05208323A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5569394A (en) * | 1994-06-20 | 1996-10-29 | Research Development Corporation Of Japan | Electric discharge machining method for insulating material using electroconductive layer formed thereon |
GB2389554A (en) * | 2002-06-12 | 2003-12-17 | Alstom | Machining apparatus and a method for machining |
JP2007283412A (ja) * | 2006-04-13 | 2007-11-01 | Nippon Steel Corp | 導電性ウェハの外形加工方法 |
US7411150B2 (en) | 2002-06-12 | 2008-08-12 | Alstom Technology Ltd. | Method of producing a composite component |
JP2012519090A (ja) * | 2009-02-27 | 2012-08-23 | ピコドリル エスアー | 基板中にホール又は凹部又はくぼみを発生させる方法、該方法を実行するためのデバイス及び該デバイスで用いる高周波高電圧源 |
WO2013058169A1 (ja) * | 2011-10-20 | 2013-04-25 | 旭硝子株式会社 | 絶縁基板に貫通孔を形成する方法およびインターポーザ用の絶縁基板を製造する方法 |
WO2014185206A1 (ja) * | 2013-05-17 | 2014-11-20 | 旭硝子株式会社 | 放電補助式レーザ孔加工方法 |
-
1991
- 1991-01-25 JP JP3007907A patent/JPH05208323A/ja not_active Withdrawn
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