JP2001068328A - 超電導電磁石装置 - Google Patents

超電導電磁石装置

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JP2001068328A
JP2001068328A JP24155999A JP24155999A JP2001068328A JP 2001068328 A JP2001068328 A JP 2001068328A JP 24155999 A JP24155999 A JP 24155999A JP 24155999 A JP24155999 A JP 24155999A JP 2001068328 A JP2001068328 A JP 2001068328A
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JP
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heat
cooling
superconducting coil
superconducting
current lead
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JP24155999A
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Tsuneaki Minato
恒明 湊
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電流リードを直接冷却する構造ではないため
に、電流リードの容量変化によって各構成部の熱負荷の
合計が大きく変化してしまうために、熱負荷に対して十
分に余裕のある冷却能力を有した冷凍機を使用しない
と、通電電流の大きな超電導コイルを使用することがで
きない。 【解決手段】 超電導コイルを収納する真空容器と、こ
の真空容器内に設けられ、超電導コイルを冷却する超電
導コイル側冷凍機と、超電導コイルと電気的に接続され
て、真空容器外の電源を該超電導コイルに給電する電流
リードと、この電流リードを介して伝わる熱を除去する
電流リード側冷凍機とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、冷凍機の冷却部
を介して超電導コイルを伝導冷却する超電導電磁石装置
に係り、特に超電導コイルの冷却構造の改良に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】超電導電磁石装置は、超電導コイルを真
空容器内に配置し、一般的に液体ヘリウムを用いて所定
の温度(10K〜4K)に冷却し、超電導状態として高
磁場を発生させ、この高磁場を各種の材料試験などに使
用している。ところで、上述した液体ヘリウムは非常に
高価で、且つ揮発性を有していることから、コスト面を
考慮すると蒸発・漏出防止に多大の注意を払う必要があ
り、維持管理が大変であった。これに対して液体ヘリウ
ムに代わる冷却手段としてGM(ギフォード・マクマフ
ォン)式冷凍機を用いた超電導電磁石装置が開発されて
いる。
【0003】図7は特開平7−142242号公報に開
示された従来の超電導電磁石装置の構成を示す縦断面図
(これを従来例1とする)である。図において、100
は真空容器、101は熱シールドであって、銅やアルミ
ニウムの板あるいはこれらの層をもつ複合構成の板を組
み合わせて構成されており、この熱シールド101が超
電導コイル105,106を常温から熱遮断する。10
2は真空容器100の内壁と超電導コイル105との間
に環状に設けた空間、103は熱シールド101を真空
容器100内に吊り下げ固定する支持部材で、104は
環状空間、105,106は超電導コイルである。10
7,108は吸熱部材であって、超電導コイル105,
106はこれら吸熱部材107,108を介して熱伝導
部材109,110に熱的に接続されている。
【0004】121は超電導コイル105を熱シールド
101に吊り下げ固定する支持部材であり、断熱材で作
製されている。122はGM式冷凍機で、50K程度の
到達温度領域である第1冷却ステージ123と4K以下
の到達温度領域である第2冷却ステージ124とを有す
る。また、第1冷却ステージ123は上記のように到達
温度領域は第2冷却ステージ124より高温であるが、
その到達温度領域に達するまでの冷却能力は第2冷却ス
テージ124より高い。125は熱シールド101の上
壁に設けた孔で、GM式冷凍機122の第2冷却ステー
ジ124が貫通する。126は真空容器100の上壁に
設けた装着孔で、GM式冷凍機122はこの装着孔12
6から真空容器100に挿入され、孔125を第2冷却
ステージ124が貫通する形で装着される。
【0005】127,128は熱伝導部材であって、熱
伝導部材127はGM式冷凍機122の第1冷却ステー
ジ123と熱シールド101とを熱的に接続し、熱伝導
部材128はGM式冷凍機122の第2冷却ステージ1
24と熱伝導部材110とを熱的に接続している。この
熱伝導部材110は超電導コイル105と熱的に接続さ
れているので、第2冷却ステージ124の冷熱は熱伝導
部材128を介して超電導コイル105に伝達される。
【0006】134は真空容器100の上壁を気密に貫
通するブッシングで、このブッシング134を介して電
流リード135が外部から超電導コイル105,106
に電気的に接続されている。136は電流リード135
を熱シールド101に熱的に接続する固定部材で、熱伝
導率が高く電気絶縁性の部材から作製される。137は
電流リード135のうち真空容器100外から固定部材
136までの部分であり、この部分は周囲を電気的に絶
縁被覆した銅線で形成した電流リードである。138は
電流リード135のうち固定部材136から超電導コイ
ル105,106までの部分であり、この部分は周囲を
電気的に絶縁被覆した酸化物超電導線で形成した電流リ
ードである。この酸化物超電導線は超電導転移温度が7
7K程度のものが使用されている。
【0007】次に動作について説明する。本願発明は超
電導コイルの冷却構造の改良に関するものであるので、
ここでは超電導コイル105,106の冷却動作につい
て説明する。超電導コイル105,106は、そのコイ
ルの超電導線材によって冷却温度が異なる。例えば、ニ
オブチタン(Nb・Ti)合金などの金属系の超電導線
材を使用したコイルはおよそ5K程度、ニオブ3スズ
(Nb3 Sn)などの化合物系の超電導線材を使用した
コイルはおよそ10K以下程度に冷却することで、超電
導転移温度に達し、超電導性能が発現する。このような
常温から極低温までの冷却は、冷凍機122にかかる負
荷が大きく、冷凍機122の負担を軽減するために真空
容器100内の各構成部材の熱負荷を最適化する必要が
ある。
【0008】ここで、GM式冷凍機122による超電導
コイル105,106の冷却動作について説明する。超
電導コイル105,106を冷却するGM式冷凍機12
2は、第1冷却ステージ123は到達温度領域が50K
程度で20〜50W程度の冷却能力を有しており、第2
冷却ステージ124は到達温度領域が4K程度でこの温
度領域において0.1〜1.0W程度の冷却能力を有し
ている。先ず、GM式冷凍機122を作動させると、第
1冷却ステージ123及び第2冷却ステージ124の冷
却が始まる。この時、第1冷却ステージ123の冷却能
力が第2冷却ステージ124のそれより高いことを利用
して、熱伝導部材127を介して熱シールド101を冷
却する。これにより、超電導コイル105,106が4
K程度まで冷却されるより速く、熱シールド101が第
1冷却ステージ123の到達温度領域である50K程度
まで冷却される。超電導コイル105,106はこれら
を被覆する熱シールド101が50K程度に冷却される
ことにより常温から熱遮断され、超電導コイル105,
106を冷却するのにかかる熱負荷が軽減される。この
後は第2冷却ステージ124によって超電導コイル10
5,106が超電導転移温度である4K程度まで徐々に
冷却される。
【0009】この後、超電導コイル105,106に通
電して超電導電磁石を作動させる場合に電流リード13
5に使用されている部材の抵抗によって発熱が起こるた
め、これによる熱負荷を考慮する必要がある。表1は上
記の構成の超電導電磁石装置に対して、電流リード13
5を標準径とし通電電流を100Aとして、冷凍機12
2の冷却ステージ123,124の到達温度をそれぞれ
50K、4Kとしたときにおける上記超電導電磁石装置
の各構成部の理論的な熱負荷の値を算出したものであ
る。表1において極低温冷凍機とあるのは冷凍機122
を示し、第1ステージ及び第2ステージはそれぞれ第1
冷却ステージ123、第2冷却ステージ124を示す。
これら熱負荷の値は以下のように算出している。
【表1】
【0010】(1)電流リードの熱負荷 電流リード135の熱負荷の原因は主に真空容器100
外からの熱の伝達によるところが大きい。そこで、電流
リードの場合は熱伝導による熱負荷のみを考慮する。電
流リード135は真空容器100内壁を介して真空容器
100内に挿入され、固定部材136を介して熱シール
ド101と熱交換し、このあと超電導コイル105,1
06に接続されるので、真空容器100外部(室温)、
熱シールド、及び超電導コイルから熱が侵入すると仮定
して熱負荷を算出する。電流リードの熱負荷をPrと
し、各熱源の温度が室温Tr:300K、熱シールドの
温度Ts:50K、及び超電導コイルの温度Tc:4K
とする。熱伝導のみ考慮するので、熱伝導による熱負荷
をPcoとすると、 Pr=Pco (1) となる。ここで、熱伝導による熱負荷Pcoは、各熱源
間の温度差をΔTとすると、 Pco=κr・ΔT・Ar (2) となる。但し、κrは電流リードの熱伝導率、Arは電
流リードの断面積である。 真空容器100外部(室温)から熱シールドの熱伝導による熱負荷Pco1 Pco1=κr1・( Tr−Ts )・Ar (3) 但し、κr1は銅線からなる電流リードの熱伝導率とする。 熱シールドから超電導コイルの熱伝導による熱負荷Pco2 Pco2=κr2・(Ts−Tc)・Ar (4) 但し、κr2は酸化物超電導線材からなる電流リードの
熱伝導率とする。冷凍機122の第1冷却ステージ12
3は熱シールド101を、第2冷却ステージ124は超
電導コイル105,106を冷却するので、真空容器1
00の内壁から固定部材136までの電流リード137
の熱負荷が上記(3)式によって表される。また、固定
部材136から超電導コイル105,106までの電流
リード138の熱負荷が上記(4)式で表される。これ
ら計算式に上記パラメータの値を代入して求めたものが
表1における電流リード欄の値であり、第1冷却ステー
ジ123は10W、第2冷却ステージ124は0.3W
の熱負荷がかかると見積もられる。
【0011】(2)熱シールドの熱負荷 熱シールド101の熱負荷の原因は主に熱シールド10
1を支持する部材からの熱の伝達と、真空容器100の
内壁からの熱輻射によるところが大きい。そこで、熱シ
ールドの場合は熱伝導による熱負荷と熱輻射による熱負
荷の両方を考慮する。熱シールドの熱負荷をPsとし、
各熱源の温度が室温Tr:300K、熱シールドの温度
Ts:50Kとする。熱伝導による熱負荷をP’co、
熱輻射による熱負荷をP’emとすると、 Ps=P’co+P’em (5) となる。ここで、熱伝導による熱負荷P’coは、各熱
源間の温度差をΔTとすると、 P’co=κs・ΔT・As (6) となる。但し、κsは熱シールド101を支持する部材
の熱伝導率、Asは熱シールド101を支持する部材の
断面積である。真空容器100(室温)から熱シールド
への熱伝導による熱負荷P’co P’co=κs・(Tr−Ts)・As (7) 真空容器100(室温)から熱シールドへの熱輻射によ
る熱負荷P’emは、ステファンボルツマンの法則から
下記のように表される。 P’em=ε・σ・(Tr4 −Ts4 ) (8) εは超電導電磁石の組立状況を含めた実効的な熱輻射
率、σはステファンボルツマン定数(5.67×10-8
W/m2 ・K4 )である。冷凍機122の第1冷却ステ
ージ123のみが熱シールド101を冷却するので、
(5),(7),(8)式に上記パラメータの値を代入
して求めたものが表1における熱シールド欄の値であ
り、20Wの熱負荷がかかると見積もられる。
【0012】(3)超電導コイルの熱負荷 超電導コイルの熱負荷の原因は主に超電導コイルを支持
する部材からの熱の伝達と、熱シールドからの熱輻射に
よるところが大きい。そこで、超電導コイルの場合は熱
伝導による熱負荷と熱輻射による熱負荷の両方を考慮す
る。超電導コイルの熱負荷をPcとし、各熱源の温度が
熱シールドの温度Ts:50K、及び超電導コイルの温
度Tc:4Kとする。熱伝導による熱負荷をP”co、
熱輻射による熱負荷をP”emとすると、 Pc=P”co+P”em (9) となる。ここで、熱伝導による熱負荷P’coは、各熱
源間の温度差をΔTとすると、 P”co=κc・ΔT・Ac (10) となる。但し、κcは超電導コイルを支持する部材の熱
伝導率、Acは超電導コイルを支持する部材の断面積で
ある。真空容器100(室温)から熱シールドへの熱伝
導による熱負荷P”co P”co=κc・(Ts−Tc)・Ac (11) 真空容器100(室温)から熱シールドへの熱輻射によ
る熱負荷P”em P”em=ε’・σ・( Ts4 −Tc4 ) (12) ε’は超電導電磁石の組立状況を含めた実効的な熱輻射
率、σはステファンボルツマン定数(5.67×10-8
W/m2 ・K4 )である。GM式冷凍機122の第2冷
却ステージ124のみが超電導コイル105,106を
冷却するので、(9),(11),(12)式に上記パ
ラメータの値を代入して求めたものが表1における超電
導コイル欄の値であり、0.1Wの熱負荷がかかると見
積もられる。
【0013】(4)断熱支持およびその他の熱負荷断熱
支持とは熱シールドなどの支持部材であり、その他は上
記以外の考え得る構成要素の熱負荷を熱伝導による熱負
荷と熱輻射による熱負荷の両方を考慮して算出してい
る。これらは第1及び第2冷却ステージ123,124
によって冷却されることを考慮して、表1のように見積
もられる。
【0014】表1に示すようにGM式冷凍機122の第
1冷却ステージ123にかかる熱負荷の合計は36Wと
なり、第2冷却ステージ124にかかる熱負荷の合計は
0.55Wであるので、第1冷却ステージ123及び第
2冷却ステージ124の冷却能力がそれぞれ20〜50
W程度、0.1〜1.0W程度であることを考慮する
と、適当な冷凍機を選択すれば十分に1台の冷凍機で冷
却可能であることがわかる。
【0015】図8は特開平7−142242号公報に開
示された超電導電磁石装置の他の構成を示す縦断面図
(これを従来例2とする)である。図のように2台のG
M式冷凍機122によって超電導コイル105を冷却す
ることで、より大きな超電導コイルを備えた電磁石装置
に適用できるようにしている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来の超電導電磁石装
置は以上のように構成されているので、従来例1のよう
に1台の冷凍機によって冷却する場合にあまり大きい通
電電流(数百Aを超えるようなもの)の超電導コイルを
使用することができないという課題があった。
【0017】従来は上記課題に対して、従来例1の構成
で冷凍機の冷却能力を上げるか、従来例2のように冷凍
機を複数台備えることによって対処していたが、これら
の対策では冷却能力の高い高価な冷凍機や、極低温まで
冷却可能な高価な冷凍機を複数台設置したにもかかわら
ず、劇的に冷却効果(動作温度までの冷却時間の短縮や
該温度の安定性)を向上するものではなかった。そこ
で、本願発明者は熱負荷の発生原因を日々検討した結
果、電流リードの熱負荷の変化が冷却効果に大きく影響
を与えることを見出した。
【0018】電流リードに大きな電流を通電すると電流
リード自体の抵抗による発熱を抑えるため、一般的に断
面積の大きな電流リードが使用される。また、従来例1
で示したように超電導コイルへの熱侵入を抑えるために
一端が超電導コイルに直接つながった電流リード138
は高温超電導部材で作製したが、他端が熱シールド10
1と熱交換するために、その断面積を大きくして放熱を
促進させる必要があった。これらをふまえて、本願発明
者は電流リードの断面積の増加による熱負荷変化を検討
した。
【0019】表2は上述した従来例1の電流リードの断
面積及び通電電流を3倍とした場合の熱負荷を示してい
る。表2において電流リードの熱負荷は、電流リードの
断面積を3倍としたので表1の値と比較して3倍大きく
見積もられていることがわかる。これにより、GM式冷
凍機122の第1冷却ステージ123及び第2冷却ステ
ージ124にかかる熱負荷の合計がそれぞれ66W,
1.15Wとなり、上述した第1冷却ステージ123及
び第2冷却ステージ124の冷却能力である20〜50
W,0.1〜1.0Wより十分大きな値を示してしま
う。このように電流リードに通電する電流を大きくする
とその断面積を否応がなく大きくしなければならなかっ
たことが、従来の超電導電磁石装置における超電導コイ
ルの冷却効果の向上を抑制する大きな要因となっている
ことが判明した。
【表2】
【0020】上記の検討結果から考慮すると従来例1の
超電導電磁石装置における冷却構造では、電流リードを
直接冷却する構造ではないために、電流リードの容量変
化によって各構成部の熱負荷の合計が大きく変化してし
まうために、熱負荷に対して十分に余裕のある冷却能力
を有した冷凍機を使用しないと、通電電流の大きな超電
導コイルを使用することができず、また、複数の超電導
コイルを有する装置に適用することもできなかった。
【0021】さらに、従来例1では、高温超電導部材で
作製した電流リード138が熱シールド101と熱交換
するために熱シールド101の温度を上記高温超電導部
材の超電導転移温度以下に保持しておかねばならず、こ
れに対応した冷却能力を有した冷凍機を選択しなければ
ならないという制限があった。
【0022】さらに、従来例2のようなGM式冷凍機1
22を複数台使用する構成では、冷凍機は熱シールドの
冷却や超電導コイルの直接冷却を行う構成であったの
で、電流リードの熱負荷に対して冷凍機の冷却能力を最
適に配分したものでなく、高価な冷凍機を複数備えてい
るにもかかわらず、冷却効率が悪いという課題があっ
た。
【0023】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、既存の冷凍機の冷却能力を電流リ
ードの熱負荷に対して最適に配分し、冷却効率を格段に
向上させることによって安価で高性能の超電導電磁石装
置を得ることを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】この発明に係る超電導電
磁石装置は、超電導コイルを収納する真空容器と、この
真空容器内に設けられ、超電導コイルを冷却する超電導
コイル側冷凍機と、超電導コイルと電気的に接続され
て、真空容器外の電源を該超電導コイルに給電する電流
リードと、この電流リードを介して伝わる熱を除去する
電流リード側冷凍機とを備えるものである。
【0025】この発明に係る超電導電磁石装置は、超電
導コイルを収納する真空容器と、この真空容器内に設け
られ、超電導コイルを冷却する超電導コイル側冷凍機
と、超電導コイルと電気的に接続されて、真空容器外の
電源を該超電導コイルに給電する電流リードと、この電
流リードを介して伝わる熱を除去する電流リード側冷凍
機と、真空容器内で超電導コイルを被覆し、超電導コイ
ル側冷凍機及び電流リード側冷凍機により冷却され、超
電導コイルを常温側から熱遮断する熱シールドとを備え
るものである。
【0026】この発明に係る超電導電磁石装置は、超電
導コイルを収納する真空容器と、この真空容器内に設け
られ、超電導コイルを冷却する超電導コイル側冷凍機
と、超電導コイルと電気的に接続されて、真空容器外の
電源を該超電導コイルに給電する電流リードと、この電
流リードを介して伝わる熱を除去する電流リード側冷凍
機と、真空容器内で超電導コイルを二重に被覆し、超電
導コイル側冷凍機及び電流リード側冷凍機により冷却さ
れ、超電導コイルを常温側から熱遮断する熱シールドと
を備えるものである。
【0027】この発明に係る超電導電磁石装置は、超電
導コイルを収納する真空容器と、この真空容器内に設け
られ、超電導コイルを冷却する超電導コイル側冷凍機
と、超電導コイルと電気的に接続されて、真空容器外の
電源を該超電導コイルに給電する電流リードと、この電
流リードを介して伝わる熱を除去する電流リード側冷凍
機と、真空容器内で超電導コイルを被覆する外側熱シー
ルドと、この外側熱シールドと超電導コイルとの間に設
けられ、該超電導コイルを部分的に被覆する部分熱シー
ルドとから構成され、超電導コイル側冷凍機及び電流リ
ード側冷凍機により冷却され、超電導コイルを常温側か
ら熱遮断する熱シールドとを備えるものである。
【0028】この発明に係る超電導電磁石装置は、到達
温度領域が低温側の冷却部と、冷却能力が低温側の冷却
部より高く、到達温度領域が高温側の冷却部とを電流リ
ード側冷凍機が有し、電流リードは、超電導コイルに接
続するまでに高温側の冷却部と熱交換する高温側熱交換
部と、低温側の冷却部と熱交換する低温側熱交換部とを
有し、これら両熱交換部にて冷却されるものである。
【0029】この発明に係る超電導電磁石装置は、到達
温度領域が高温超電導部材の超電導転移温度である冷却
部を電流リード側冷凍機が有し、電流リードは、超電導
コイル近傍の部分を高温超電導部材で作成され、超電導
コイルに接続するまでに冷却部と熱交換する熱交換部を
有し、該熱交換部にて冷却されるものである。
【0030】この発明に係る超電導電磁石装置は、到達
温度領域が低温側の冷却部と、冷却能力が低温側の冷却
部より高く、到達温度領域が高温側の冷却部とを電流リ
ード側冷凍機が有し、電流リードは超電導コイルに接続
するまでに高温側の冷却部と熱交換する高温側熱交換部
と、低温側の冷却部と熱交換する低温側熱交換部とを有
し、これら両熱交換部にて冷却され、熱シールドは、高
温側の冷却部と熱交換する熱シールド側熱交換部を有す
るものである。
【0031】この発明に係る超電導電磁石装置は、到達
温度領域が低温側の冷却部と、冷却能力が低温側の冷却
部より高く、到達温度領域が高温側の冷却部とを電流リ
ード側冷凍機が有し、電流リードは、超電導コイルに接
続するまでに高温側の冷却部と熱交換する高温側熱交換
部と、低温側の冷却部と熱交換する低温側熱交換部とを
有し、これら両熱交換部にて冷却され、熱シールドは、
真空容器の内壁側の熱シールド、若しくは超電導コイル
側の熱シールドと冷却部の少なくとも一方とが熱交換を
行う熱シールド側熱交換部を有し、該熱交換部にて冷却
されるものである。
【0032】この発明に係る超電導電磁石装置は、到達
温度領域が低温側の冷却部と、冷却能力が低温側の冷却
部より高く、到達温度領域が高温側の冷却部とを電流リ
ード側冷凍機が有し、電流リードは、超電導コイルに接
続するまでに高温側の冷却部と熱交換する高温側熱交換
部と、低温側の冷却部と熱交換する低温側熱交換部とを
有し、これら両熱交換部にて冷却され、熱シールドは、
外側熱シールド、若しくは部分熱シールドと冷却部の少
なくとも一方とが熱交換を行う熱シールド側熱交換部を
有し、該熱交換部にて冷却されるものである。
【0033】この発明に係る超電導電磁石装置は、電流
リード側冷凍機の冷却部と熱シールドの一部とを接続す
る熱伝導部材とからなる熱シールド側熱交換部を備える
ものである。
【0034】この発明に係る超電導電磁石装置は、電流
リード側冷凍機の冷却部と熱シールドの一部とを接続す
る熱伝導部材と、電流リード側冷凍機の冷却部と熱シー
ルドとを直接接続した接続部とからなる熱シールド側熱
交換部を備えるものである。
【0035】この発明に係る超電導電磁石装置は、熱伝
導部材は、可撓性を有するものである。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による超
電導電磁石装置の構成を模式的に示す縦断面図である。
図において、1は超電導コイル4などの超電導電磁石装
置の構成部を収納する真空容器で、この真空容器1は中
央部に空所19を設けたドーナツ形状を有している。3
は真空容器1内に設けられ、支持部材2によって吊設さ
れた熱シールドであり、超電導コイル4を常温側から熱
遮断している。また、熱シールド3内には、支持部材5
で吊設された超電導コイル4が内蔵されている。6は超
電導コイル4を冷却する到達温度領域(4K以下)が低
温側の冷却部(F−2)と、上記到達温度領域が高温側
(50K程度)であり、該到達温度領域までは冷却能力
が上記低温側の冷却部(F−2)より高い高温側の冷却
部(F−1)とを有した冷凍機(超電導コイル側冷凍
機)であり、図示の例ではGM式冷凍機を用いている。
このGM式冷凍機6における高温側の冷却部(F−1)
は常温からその到達温度領域までは、低温側の冷却部
(F−2)のそれと比較して4倍程度冷却能力が高いこ
とが知られている。7,8は熱伝導部材であって、熱伝
導部材7は冷却部F−1と熱シールド3とを熱的に接続
し、熱伝導部材8は冷却部F−2と超電導コイル4とを
熱的に接続する。
【0037】9は真空容器1の上壁を気密に貫通するブ
ッシングで、このブッシング9を介して電流リード10
が外部から超電導コイル4に電気的に接続されている。
11はブッシング9から後述する可撓性接続部材13ま
での電流リードであり、電気伝導性の良い銅などからな
る。12は可撓性接続部材13から超電導コイル4まで
の電流リードで、超電導コイル4への熱侵入量を抑える
ために高温超電導部材で作製されている。13は電流リ
ード11と電流リード12とを接続する可撓性接続部材
であり、電気伝導性の高い銅線などを束ねた構造をして
いる。この可撓性接続部材13は超電導コイル4の冷却
時に電流リード11,12間に生じる熱応力を吸収する
役目を果たしている。電流リード10はこれら電流リー
ド11、電流リード12及び電流リード13から構成さ
れている。
【0038】14は到達温度領域が低温側の冷却部17
と、上記到達温度領域が高温側であり、該到達温度領域
までは冷却能力が上記低温側の冷却部17より高い高温
側の冷却部18とを有した冷凍機(電流リード側冷凍
機)であり、図示の例ではGM式冷凍機を用いている。
このGM式冷凍機14は上記GM式冷凍機6のように高
価な極低温のGM式冷凍機を用いなくとも良く、この実
施の形態1では高温側の冷却部17が到達温度領域80
K程度、冷却能力が60〜80W程度であり、低温側の
冷却部18が到達温度領域20K程度、冷却能力が6〜
8W程度であるGM式冷凍機6と比較して安価に購入で
きる冷凍機を使用している。15,16は電流リードを
GM式冷凍機14の冷却部17,18にそれぞれ固定す
る固定部であり、電気絶縁性が必要であるため、ポリイ
ミド樹脂などからなる有機絶縁シートの両面に接触面積
を確保するためにシリコングリースなどの熱接触材料を
塗布したものを介して電気絶縁性部材から作製したボル
トで締結した構造を有する。これら固定部15,16が
それぞれ高温側熱交換部、低温側熱交換部を構成する。
19は空所であり、この空所19内が高磁場空間として
利用される。
【0039】次に動作について説明する。先ず、本願発
明の特徴を簡単に述べると、前述した課題を解決するた
めに電流リード10の冷却専用のGM式冷凍機14を設
けている。このように電流リードのような体積が他の構
成部と比較して小さく、熱輻射の寄与も無視できる程度
に少ない構成部に対して専用の冷凍機を設けることは、
従来では到底考えられないことであった。しかしなが
ら、前述したように本願発明者の検討結果から電流リー
ドの熱負荷が全体の冷却効率に大きく影響を与えること
が判明したため、上記のような大胆な構成が発想される
に至っている。それでは超電導コイル4の冷却動作につ
いて説明する。
【0040】GM式冷凍機6,14を同時に作動させ、
冷却動作を開始する。GM式冷凍機6は超電導コイル4
の冷却専用とし、冷却部F−1で熱シールド3を冷却
し、冷却部F−2で超電導コイル4を冷却する。前述し
たように冷却部F−1はその到達温度領域である50K
程度まで冷却する間は冷却能力が冷却部F−2のそれよ
り高いので、超電導コイル4が4K程度まで冷却される
より速く、熱シールド3が50K程度まで冷却される。
冷却された熱シールド3によって常温から熱遮断された
超電導コイル4は冷却部F−2によって徐々に冷却さ
れ、冷却部F−2の到達温度領域である4K以下に冷却
される。
【0041】一方、GM式冷凍機14は電流リード10
の冷却専用の冷凍機であり、このGM式冷凍機14によ
って電流リード10が主に冷却される。GM式冷凍機1
4の冷却部17の冷却能力はその到達温度領域に達する
までは冷却部18のそれより高いので、先ず、電流リー
ド10は冷却部17を主な冷熱源として固定部15を介
して80K程度まで冷却される。次に電流リード10が
80K程度に達すると、冷却部18を主な冷熱源として
固定部16を介して20K程度の高温超電導部材の超電
導転移温度以下まで冷却される。このように電流リード
10の冷却はGM式冷凍機14のような冷却能力の異な
る冷却部17,18を有する冷凍機によって大きな熱負
荷がかからないように段階的に無理なく行われる。これ
により、電流リード10からの熱伝導による熱侵入をほ
ぼ完全に抑えることができる。
【0042】ここで、この実施の形態1による超電導電
磁石装置の電流リード10を、表2と同様に断面積を標
準径の3倍とし、通電電流を300Aとした場合におけ
る各構成部の理論的な熱負荷を算出した結果を表3に示
す。表3において、極低温冷凍機とあるのはGM式冷凍
機6を示し、その下段に第1ステージ、第2ステージと
あるのはそれぞれGM式冷凍機6の冷却部F−1、冷却
部F−2を示している。さらに、表3において、冷凍機
とあるのはGM式冷凍機14を示し、その下段に第1ス
テージ、第2ステージとあるのはそれぞれGM式冷凍機
14の冷却部17、冷却部18を示している。
【0043】実施の形態1による超電導電流装置では、
従来例1のように熱シールド3と電流リード10とが接
続されておらず、また、GM式冷凍機14によって電流
リード10が冷却されるので、表3においてGM式冷凍
機6の冷却部F−1にかかる電流リード10の熱負荷は
考慮されない。なお、これらの熱負荷は上記従来の技術
にて説明したものと同様にして算出したので重複する説
明を省略する。
【0044】表3に示すように、電流リード10を冷却
する専用のGM式冷凍機14は冷却部17及び冷却部1
8においてそれぞれ30W、3Wの電流リード10によ
る熱負荷がかかる。前述したようにGM式冷凍機14は
冷却部17及び冷却部18の冷却能力がそれぞれ60〜
80W,6〜8Wであるので、十分に電流リード10の
熱負荷に対応することができる。これにより、GM式冷
凍機6の冷却部F−1にかかる電流リード10の熱負荷
が除かれ、GM式冷凍機6にかかる熱負荷の合計が冷却
部F−1にて26W、冷却部F−2にて0.65Wとな
り、従来と比較して格段に熱負荷が軽減され、冷却能力
に余裕を持って超電導コイル4を冷却することができ
る。
【表3】
【0045】なお、上記実施の形態1ではGM式冷凍機
14としてGM式冷凍機6とは別の冷却部の到達温度領
域が高温で安価なものを使用したが、GM式冷凍機6と
同一のものを使用しても良い。これにより、電流リード
10の冷却を超電導コイル4と同温度程度まで行うこと
ができ、電流リード10からの熱伝導による熱侵入を完
全に抑えることができる。
【0046】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、超電導コイル4を収納する真空容器1と、この真空
容器1内に設けられ、超電導コイル4を冷却する超電導
コイル側冷凍機であるGM式冷凍機6と、超電導コイル
4と電気的に接続されて、真空容器1外の電源を該超電
導コイル4に給電する電流リード10と、この電流リー
ド10を介して伝わる熱を除去する電流リード側冷凍機
であるGM式冷凍機14とを備えたので、超電導コイル
側冷凍機であるGM式冷凍機6にかかる電流リード10
の熱負荷を軽減し、GM式冷凍機6の冷却能力のほとん
どを超電導コイル4の冷却に当てることができることか
ら、超電導電磁石装置の超電導コイル4の冷却効率を向
上させることができる。これにより、大電流を通電する
超電導コイルを使用する装置や複数の超電導コイルを提
供することができる。
【0047】また、この実施の形態1によれば、電流リ
ード側冷凍機であるGM式冷凍機14は、到達温度領域
が低温側の冷却部18と、到達温度領域が高温側であ
り、冷却能力が低温側の冷却部より高い高温側の冷却部
17とを有し、電流リード10は、超電導コイル4に接
続するまでに高温側の冷却部17と熱交換する高温側熱
交換部である固定部15と、低温側の冷却部18と熱交
換する低温側熱交換部である固定部16とを有し、これ
ら両熱交換部にて冷却されるので、電流リード10の冷
却を段階的に無理なく行うことができる。これにより、
電流リード10からの熱伝導による熱侵入をほぼ完全に
抑えることができる。
【0048】実施の形態2.上記実施の形態1では複数
の冷却部を持つGM式冷凍機を電流リード冷却専用の冷
凍機として使用したが、この実施の形態2は電流リード
冷却専用の冷凍機として高温超電導部材で作製した電流
リードの超電導転移温度以下の到達温度領域を有する冷
却部を1つ有した冷凍機を用いるようにしたものであ
る。
【0049】図2はこの発明の実施の形態2による超電
導電磁石装置の構成を示す縦断面図である。図におい
て、14aは高温超電導部材で作製した電流リード12
の超電導転移温度以下の到達温度領域を有する冷却部1
7aを1つ有した冷凍機(電流リード側冷凍機)であ
る。なお、図1と同一の構成要素は同一符号を付して重
複する説明を省略する。
【0050】次に動作について説明する。GM式冷凍機
6による超電導コイル4の冷却動作は上記実施の形態1
と同様であるので重複する説明を省略する。冷凍機14
aによる電流リード10の冷却では、上記実施の形態1
の2段冷却部をもつGM式冷凍機14と異なり、室温か
ら高温超電導部材の超電導転移温度である77K程度ま
で冷却するので冷却に大きな熱負荷がかかる。この一
方、到達温度領域が極低温までゆかない冷却部17aの
みを有する冷凍機14aは安価に購入することができ、
また、その構造も複雑でないので設計も容易である。
【0051】なお、上記実施の形態2における冷凍機1
4aは高温超電導部材の超電導転移温度である77K程
度まで冷却することができれば良く、真空容器1の排気
系に使用する一般的な液体窒素(77K)トラップを冷
熱源として併用しても良い。これにより、より安価な構
成で冷却効率を向上させることができる。
【0052】以上のように、この実施の形態2によれ
ば、電流リード側冷凍機である冷凍機14aは、到達温
度領域が高温超電導部材の超電導転移温度である冷却部
17aを有し、電流リード10は、超電導コイル4近傍
の部分である電流リード12を高温超電導部材で作成
し、超電導コイル4に接続するまでに冷却部17aと熱
交換する熱交換部15を有し、該熱交換部15にて冷却
されるので、実施の形態1と比較して安価な構成で冷凍
機の冷却能力を装置の各構成部の熱負荷に最適に配分す
ることができる。これにより、大電流を通電する超電導
コイルを使用する装置や複数の超電導コイルを有する装
置を提供することができる。
【0053】実施の形態3.上記実施の形態では電流リ
ードの冷却専用冷凍機は電流リードのみを冷却するもの
であったが、この実施の形態3では上記冷凍機の冷却部
の冷却能力に余裕がある場合にこの冷却部と熱シールド
の一部とを熱伝導部材によって熱的に接続して、熱シー
ルドの冷却も同時に行うようにしたものである。
【0054】図3はこの発明の実施の形態3による超電
導電磁石装置の構成を示す縦断面図である。図におい
て、20はGM式冷凍機14の冷却部17と熱シールド
3の一部とを熱的に接続する熱伝導部材(熱シールド側
熱交換部)であり、伝熱板を複数重ねるか伝熱線を束ね
て作製して可撓性を持たせている。なお、図1と同一の
構成要素は同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0055】次に動作について説明する。GM式冷凍機
6による超電導コイル4の冷却動作及びGM式冷凍機1
4による電流リードの冷却動作は上記実施の形態1と同
様であるので重複する説明を省略する。上記実施の形態
と異なる点として熱シールド3の冷却動作について説明
する。GM式冷凍機6,14を作動させると、熱シール
ド3はGM式冷凍機6,14によって冷却される。GM
式冷凍機14による冷却では冷却部17を冷熱源として
熱伝導部材20を介して冷熱が熱シールド3に伝達され
る。このとき、冷却部17と熱シールド3との温度差に
よる熱応力は熱伝導部材20の可撓性によって吸収さ
れ、接続部に応力が集中することがない。
【0056】以上のように、この実施の形態3によれ
ば、超電導コイル4を収納する真空容器1と、この真空
容器1内に設けられ、超電導コイル4を冷却する超電導
コイル側冷凍機であるGM式冷凍機6と、超電導コイル
4と電気的に接続されて、真空容器1外の電源を該超電
導コイル4に給電する電流リード10と、この電流リー
ド10を介して伝わる熱を除去する電流リード側冷凍機
であるGM式冷凍機14と、真空容器1内で超電導コイ
ル4を被覆し、GM式冷凍機6及びGM式冷凍機14に
より冷却され、超電導コイル4を常温側から熱遮断する
熱シールド3とを備え、GM式冷凍機14は到達温度領
域が低温側の冷却部18と、到達温度領域が高温側であ
り、冷却能力が低温側の冷却部より高い高温側の冷却部
17とを有し、電流リード10は超電導コイル4に接続
するまでに高温側の冷却部17と熱交換する高温側熱交
換部である固定部15と、低温側の冷却部18と熱交換
する低温側熱交換部である固定部16とを有し、これら
両熱交換部15,16にて冷却され、熱シールド3は、
その一部と高温側の冷却部17とを熱的に接続する熱シ
ールド側熱交換部として熱伝導部材20を有するので、
上記実施の形態1,2と比較してより速く超電導コイル
4の冷却を行うことができ、冷却時間を短縮化すること
ができる。また、冷熱源の増加により上記実施の形態
1,2と比較してより大面積の熱シールドを冷却するこ
とができることから、大型の超電導コイルを有した装置
を構成することもできる。GM式冷凍機14の冷却能力
を電流リード10のみでなく熱シールド3の熱負荷に配
分することにより、冷却効果を最適化した超電導電磁石
装置を提供することができる。
【0057】実施の形態4.上記実施の形態3では熱伝
導部材を介して電流リードの冷却専用の冷凍機を熱シー
ルドの一部と接続して熱シールドの冷却も行うものであ
ったが、この実施の形態4は上記熱伝導部材による接続
の他に熱シールドと上記冷凍機の冷却部とを直接接続す
るものである。
【0058】図4はこの発明の実施の形態4による超電
導電磁石装置の構成を示す縦断面図である。図におい
て、3aはGM式冷凍機14の冷却部17に直接接続し
た接続部(熱シールド側熱交換部)であり、両部材を単
にボルトで締結するか、熱抵抗を極小にするために接続
面間にインジウムなどの柔らかい金属を介装してボルト
で締結した接続構造を有している。なお、図1と同一の
構成要素は同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0059】次に動作について説明する。GM式冷凍機
6による超電導コイル4の冷却動作及びGM式冷凍機1
4による電流リードの冷却動作は上記実施の形態1と同
様であるので重複する説明を省略する。上記実施の形態
と異なる点として熱シールド3の冷却動作について説明
する。GM式冷凍機6,14を作動させると、熱シール
ド3は冷凍機6,14によって冷却される。特にGM式
冷凍機14においては上記実施の形態3と比較してより
大面積の接触面積を有する接続部3aを介して冷却部1
7を冷熱源として冷熱が熱シールド3に伝達される。
【0060】以上のように、この実施の形態4によれ
ば、電流リード側冷凍機であるGM式冷凍機14は到達
温度領域が低温側の冷却部18と、到達温度領域が高温
側であり、冷却能力が低温側の冷却部より高い高温側の
冷却部17とを有し、電流リード10は超電導コイル4
に接続するまでに高温側の冷却部17と熱交換する高温
側熱交換部である固定部15と、低温側の冷却部18と
熱交換する低温側熱交換部である固定部16とを有し、
これら両熱交換部15,16にて冷却され、熱シールド
3はその一部と高温側の冷却部17とを熱的に接続する
熱伝導部材20と、高温側の冷却部17と熱シールド3
とを直接接続する接続部3aとからなる熱シールド側熱
交換部を有するので、上記実施の形態3と比較してより
速く熱シールド3の冷却を行うことができ、冷却時間を
短縮化することができる。また、GM式冷凍機14の冷
却能力を電流リード10のみでなく熱シールド3の熱負
荷に対して配分することにより、冷却効果を最適化した
超電導電磁石装置を提供することができる。さらに、熱
シールド3と冷却部17との接触面積の増加による冷却
効率の向上によって上記実施の形態3と比較してより大
面積の熱シールドを冷却することができることから、大
型の超電導コイルを有した装置を構成することもでき
る。
【0061】実施の形態5.この実施の形態5では超電
導コイルを被覆する熱シールドを部分的に二重構造と
し、熱遮断効果を向上させたものである。
【0062】図5はこの発明の実施の形態5による超電
導電磁石装置の構成を示す縦断面図である。図におい
て、3Aは真空容器1の内壁側の熱シールド(外側熱シ
ールド)であり、3Bは熱シールド3Aと超電導コイル
4との間に介装され、超電導コイル4を部分的に被覆す
る熱シールド(部分熱シールド)である。図示の例で
は、熱シールド3Bは超電導コイル4を外側から覆うだ
けで超電導コイル4の空所19側からは被覆していな
い。この熱シールド3Bによる超電導コイル4の被覆の
度合いは、GM式冷凍機14の冷却能力に合わせて設計
され、後述する、完全に二重構造を有した熱シールドと
比較して安価に作成することができる。20aは熱シー
ルド3Bと冷却部18とを熱的に接続する可撓性を有し
た熱伝導部材(熱シールド側熱交換部)であり、その構
造は上記実施の形態3で示した熱伝導部材20と同様で
ある。なお、図1と同一の構成要素は同一符号を付して
重複する説明を省略する。
【0063】次に動作について説明する。GM式冷凍機
6による超電導コイル4の冷却動作及びGM式冷凍機1
4による電流リードの冷却動作は上記実施の形態1と同
様であるので重複する説明を省略する。上記実施の形態
と異なる点として熱シールド3A,3Bの冷却動作につ
いて説明する。GM式冷凍機6,14を作動させると、
熱シールド3AはGM式冷凍機6の冷却部F−1によっ
て冷却され、熱シールド3BはGM式冷凍機14の低温
側の冷却部18を冷熱源として熱伝導部材20aを介し
て冷熱が伝達されて冷却される。超電導コイル側の熱シ
ールド3Bを冷却する冷却部18は冷却能力が低いた
め、外側の熱シールド3Aを冷却能力の高い冷却部F−
1によって冷却することで熱遮断を行い、上記熱シール
ド3Bの冷却が促進されるように構成している。これに
より、真空容器1の内壁から超電導コイル4に至るまで
の各構成部間の温度差による熱負荷がGM式冷凍機6,
14の冷却能力を超えない程度に最適化された理想的な
温度勾配が形成され、その冷却状態が安定化する。
【0064】なお、上記実施の形態では、GM式冷凍機
14は熱シールド3Aの冷却を行わなかったが、GM式
冷凍機14の冷却能力に余裕があれば上記実施の形態
3,4のように熱シールドとの熱交換部を形成してGM
式冷凍機6と同時に冷却を行うようにしても良い。これ
により、熱シールド3Aの冷却が速まるのでより冷却時
間の短縮をすることができる。
【0065】以上のように、この実施の形態5によれ
ば、超電導コイル4を収納する真空容器1と、この真空
容器1内に設けられ、超電導コイル4を冷却する超電導
コイル側冷凍機であるGM式冷凍機6と、超電導コイル
4と電気的に接続されて、真空容器1外の電源を該超電
導コイル4に給電する電流リード10と、この電流リー
ド10を介して伝わる熱を除去する電流リード側冷凍機
であるGM式冷凍機14と、真空容器1内で超電導コイ
ル4を被覆する外側熱シールドである熱シールド3A
と、この熱シールド3Aと超電導コイル4との間に設け
られ、該超電導コイル4を部分的に被覆する部分熱シー
ルドである熱シールド3Bとから構成され、GM式冷凍
機6及びGM式冷凍機14により冷却され、超電導コイ
ル4を常温側から熱遮断する熱シールド3とを備え、G
M式冷凍機14は到達温度領域が低温側の冷却部18
と、到達温度領域が高温側であり、冷却能力が低温側の
冷却部18より高い高温側の冷却部17とを有し、電流
リード10は、超電導コイルに接続するまでに高温側の
冷却部17と熱交換する高温側熱交換部である固定部1
5と、低温側の冷却部18と熱交換する低温側熱交換部
である固定部16とを有し、これら両熱交換部15,1
6にて冷却され、熱シールドは超電導コイル4側の熱シ
ールド3Bと冷却部18とが熱交換を行う熱シールド側
熱交換部である熱伝導部材20aを有し、この熱伝導部
材20aにて冷却されるので、超電導コイル4を部分的
に被覆する熱シールド3Bの分だけ、超電導コイル4と
常温との熱遮断効果が向上し、上記実施の形態1から実
施の形態4と比較してより速く超電導コイル4の冷却を
行うことができ、冷却時間を短縮化することができる。
また、GM式冷凍機14によってGM式冷凍機6の冷却
対象から電流リード10を分離し、且つ、GM式冷凍機
6の冷却能力を熱シールド3Aの熱負荷に配分し、GM
式冷凍機14の冷却能力を電流リード10のみでなく熱
シールド3Bの熱負荷に配分することにより、真空容器
1の内壁から超電導コイル4に至るまでの各構成部間の
温度差による熱負荷がGM式冷凍機6,14の冷却能力
を超えない程度に最適化された理想的な温度勾配を形成
することができる。これにより、冷却効率が向上され、
且つ、冷却状態が安定化した超電導電磁石装置を提供す
ることができる。
【0066】実施の形態6.上記実施の形態5では冷凍
機の冷却能力に合わせて超電導コイルを被覆する熱シー
ルドを部分的に二重としたものであったが、この実施の
形態6は超電導コイルを被覆する熱シールドを完全に二
重構造とし、電流リードの冷却専用冷凍機の冷却部で各
熱シールドを冷却するようにしたものである。
【0067】図6はこの発明の実施の形態6による超電
導電磁石装置の構成を示す縦断面図である。図におい
て、3Cは真空容器1の内壁側の熱シールドであり、3
Dは超電導コイル4側の熱シールドである。これら熱シ
ールド3C,3Dは上記実施の形態5と異なり、超電導
コイル4の空所19側からも完全に被覆している。な
お、図5と同一の構成要素は同一符号を付して重複する
説明を省略する。
【0068】次に動作について説明する。GM式冷凍機
6による超電導コイル4の冷却動作及びGM式冷凍機1
4による電流リードの冷却動作は上記実施の形態1と同
様であるので重複する説明を省略する。上記実施の形態
と異なる点として二重構造を有した熱シールド3C,3
Dの冷却動作について説明する。GM式冷凍機6,14
を作動させると、熱シールド3CはGM式冷凍機6の冷
却部F−1によって冷却され、熱シールド3DはGM式
冷凍機14の低温側の冷却部18を冷熱源として熱伝導
部材20aを介して冷熱が伝達されて冷却される。超電
導コイル側の熱シールド3Dを冷却する冷却部18は冷
却能力が低いため、外側の熱シールド3Cを冷却能力の
高い冷却部F−1によって冷却することで熱遮断を行
い、上記熱シールド3Dの冷却が促進されるように構成
している。これにより、真空容器1の内壁から超電導コ
イル4に至るまでの各構成部間の温度差による熱負荷が
GM式冷凍機6,14の冷却能力を超えない程度に最適
化された理想的な温度勾配が形成され、その冷却状態が
安定化する。
【0069】なお、上記実施の形態では、GM式冷凍機
14は熱シールド3Cの冷却を行わなかったが、GM式
冷凍機14の冷却能力に余裕があれば上記実施の形態
3,4のように熱シールドとの熱交換部を形成してGM
式冷凍機6と同時に冷却を行うようにしても良い。これ
により、熱シールド3Cの冷却が速まるのでより冷却時
間の短縮をすることができる。
【0070】以上のように、この実施の形態6によれ
ば、超電導コイル4を収納する真空容器1と、この真空
容器1内に設けられ、超電導コイル4を冷却する超電導
コイル側冷凍機であるGM式冷凍機6と、超電導コイル
4と電気的に接続されて、真空容器1外の電源を該超電
導コイル4に給電する電流リード10と、この電流リー
ド10を介して伝わる熱を除去する電流リード側冷凍機
であるGM式冷凍機14と、真空容器1内で超電導コイ
ル4を二重に被覆し、GM式冷凍機6及びGM式冷凍機
14により冷却され、超電導コイル4を常温側から熱遮
断する熱シールド3C,3Dとを備え、GM式冷凍機1
4は到達温度領域が低温側の冷却部18と、到達温度領
域が高温側であり、冷却能力が低温側の冷却部18より
高い高温側の冷却部17とを有し、電流リード10は、
超電導コイルに接続するまでに高温側の冷却部17と熱
交換する高温側熱交換部である固定部15と、低温側の
冷却部18と熱交換する低温側熱交換部である固定部1
6とを有し、これら両熱交換部15,16にて冷却さ
れ、熱シールドは超電導コイル4側の熱シールド3Dと
冷却部18とが熱交換を行う熱シールド側熱交換部であ
る熱伝導部材20aを有し、この熱伝導部材20aにて
冷却されるので、二重構造の熱シールド3C,3Dによ
って超電導コイル4と常温との熱遮断効果が向上し、上
記実施の形態5と比較してより速く超電導コイル4の冷
却を行うことができ、冷却時間を短縮化することができ
る。また、GM式冷凍機14によってGM式冷凍機6の
冷却対象から電流リード10を分離し、且つ、GM式冷
凍機6の冷却能力を熱シールド3Cの熱負荷に配分し、
GM式冷凍機14の冷却能力を電流リード10のみでな
く熱シールド3Dの熱負荷に配分することにより、真空
容器1の内壁から超電導コイル4に至るまでの各構成部
間の温度差による熱負荷がGM式冷凍機6,14の冷却
能力を超えない程度に最適化された理想的な温度勾配を
形成することができる。これにより、冷却効果が向上さ
れ、且つ、冷却状態が安定化した超電導電磁石装置を提
供することができる。
【0071】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、超電
導コイルを収納する真空容器と、この真空容器内に設け
られ、超電導コイルを冷却する超電導コイル側冷凍機
と、超電導コイルと電気的に接続されて、真空容器外の
電源を該超電導コイルに給電する電流リードと、この電
流リードを介して伝わる熱を除去する電流リード側冷凍
機とを備えるので、超電導コイル側冷凍機にかかる電流
リードの熱負荷を軽減し、超電導コイル側冷凍機の冷却
能力のほとんどを超電導コイルの冷却に当てることがで
きることから、超電導電磁石装置の超電導コイルの冷却
効率を格段に向上させることができる。これにより、大
電流を通電する超電導コイルを使用する装置や複数の超
電導コイルを有する装置を提供することができる効果が
ある。
【0072】この発明によれば、超電導コイルを収納す
る真空容器と、この真空容器内に設けられ、超電導コイ
ルを冷却する超電導コイル側冷凍機と、超電導コイルと
電気的に接続されて、真空容器外の電源を該超電導コイ
ルに給電する電流リードと、この電流リードを介して伝
わる熱を除去する電流リード側冷凍機と、真空容器内で
超電導コイルを被覆し、超電導コイル側冷凍機及び電流
リード側冷凍機により冷却され、超電導コイルを常温側
から熱遮断する熱シールドとを備えるので、電流リード
側冷凍機の冷却能力を電流リードのみでなく熱シールド
の熱負荷に対して配分することにより、超電導電磁石装
置の超電導コイルの冷却効率を格段に向上させることが
できる。これにより、大電流を通電する超電導コイルを
使用する装置や複数の超電導コイルを有する装置を提供
することができる効果がある。
【0073】この発明によれば、超電導コイルを収納す
る真空容器と、この真空容器内に設けられ、超電導コイ
ルを冷却する超電導コイル側冷凍機と、超電導コイルと
電気的に接続されて、真空容器外の電源を該超電導コイ
ルに給電する電流リードと、この電流リードを介して伝
わる熱を除去する電流リード側冷凍機と、真空容器内で
超電導コイルを二重に被覆し、超電導コイル側冷凍機及
び電流リード側冷凍機により冷却され、超電導コイルを
常温側から熱遮断する熱シールドとを備えるので、二重
構造の熱シールドによって超電導コイルと常温との熱遮
断効果が向上し、より速く超電導コイルの冷却を行うこ
とができ、冷却時間を短縮化することができる効果があ
る。また、超電導電磁石装置の超電導コイルの冷却効率
が格段に向上することから、大電流を通電する超電導コ
イルを使用する装置や複数の超電導コイルを有する装置
を提供することができる効果がある。
【0074】この発明によれば、超電導コイルを収納す
る真空容器と、この真空容器内に設けられ、超電導コイ
ルを冷却する超電導コイル側冷凍機と、超電導コイルと
電気的に接続されて、真空容器外の電源を該超電導コイ
ルに給電する電流リードと、この電流リードを介して伝
わる熱を除去する電流リード側冷凍機と、真空容器内で
超電導コイルを被覆する外側熱シールドと、この外側熱
シールドと超電導コイルとの間に設けられ、該超電導コ
イルを部分的に被覆する部分熱シールドとから構成さ
れ、超電導コイル側冷凍機及び電流リード側冷凍機によ
り冷却され、超電導コイルを常温側から熱遮断する熱シ
ールドとを備えるので、超電導コイルを部分的に被覆す
る熱シールドの分だけ、超電導コイルと常温との熱遮断
効果が向上し、より速く超電導コイルの冷却を行うこと
ができ、冷却時間を短縮化することができる効果があ
る。
【0075】この発明によれば、電流リード側冷凍機
は、到達温度領域が低温側の冷却部と、冷却能力が低温
側の冷却部より高く、到達温度領域が高温側の冷却部と
を有し、電流リードは、超電導コイルに接続するまでに
高温側の冷却部と熱交換する高温側熱交換部と、低温側
の冷却部と熱交換する低温側熱交換部とを有し、これら
両熱交換部にて冷却されるので、電流リードの冷却を段
階的に無理なく行うことができる。これにより、電流リ
ードからの熱伝導による熱侵入をほぼ完全に抑えること
ができる効果がある。
【0076】この発明によれば、電流リード側冷凍機
は、到達温度領域が高温超電導部材の超電導転移温度で
ある冷却部を有し、電流リードは、超電導コイル近傍の
部分を高温超電導部材で作成され、超電導コイルに接続
するまでに冷却部と熱交換する熱交換部を有し、該熱交
換部にて冷却されるので、安価な構成で冷凍機の冷却能
力を装置の各構成部の熱負荷に最適に配分することがで
きる効果がある。
【0077】この発明によれば、電流リード側冷凍機
は、到達温度領域が低温側の冷却部と、冷却能力が低温
側の冷却部より高く、到達温度領域が高温側の冷却部と
を有し、電流リードは超電導コイルに接続するまでに高
温側の冷却部と熱交換する高温側熱交換部と、低温側の
冷却部と熱交換する低温側熱交換部とを有し、これら両
熱交換部にて冷却され、熱シールドは、高温側の冷却部
と熱交換する熱シールド側熱交換部を有するので、電流
リード側冷凍機の冷却能力を電流リードのみでなく熱シ
ールドの熱負荷に配分することにより、冷却効率を格段
に向上させた超電導電磁石装置を提供することができる
効果がある。
【0078】この発明によれば、電流リード側冷凍機は
到達温度領域が低温側の冷却部と、冷却能力が低温側の
冷却部より高く、到達温度領域が高温側の冷却部とを有
し、電流リードは、超電導コイルに接続するまでに高温
側の冷却部と熱交換する高温側熱交換部と、低温側の冷
却部と熱交換する低温側熱交換部とを有し、これら両熱
交換部にて冷却され、熱シールドは、真空容器の内壁側
の熱シールド、若しくは超電導コイル側の熱シールドと
冷却部の少なくとも一方とが熱交換を行う熱シールド側
熱交換部を有し、該熱交換部にて冷却されるので、超電
導コイル側冷凍機の冷却能力を熱シールドの熱負荷に配
分し、電流リード側冷凍機の冷却能力を電流リードのみ
でなく熱シールドの熱負荷に配分することにより、真空
容器の内壁から超電導コイルに至るまでの各構成部間の
温度差による熱負荷が超電導コイル側冷凍機及び電流リ
ード側冷凍機の冷却能力を超えない程度に最適化された
理想的な温度勾配を形成することができる。これによ
り、冷却効率が格段に向上され、且つ、冷却状態が安定
化した超電導電磁石装置を提供することができる効果が
ある。
【0079】この発明によれば、電流リード側冷凍機
は、到達温度領域が低温側の冷却部と、冷却能力が低温
側の冷却部より高く、到達温度領域が高温側の冷却部と
を有し、電流リードは、超電導コイルに接続するまでに
高温側の冷却部と熱交換する高温側熱交換部と、低温側
の冷却部と熱交換する低温側熱交換部とを有し、これら
両熱交換部にて冷却され、熱シールドは、外側熱シール
ド、若しくは部分熱シールドと冷却部の少なくとも一方
とが熱交換を行う熱シールド側熱交換部を有し、該熱交
換部にて冷却されるので、電流リード側冷凍機によって
超電導コイル側冷凍機の冷却対象から電流リードを分離
し、且つ、超電導コイル側冷凍機の冷却能力を外側熱シ
ールドの熱負荷に配分し、電流リード側冷凍機の冷却能
力を電流リードのみでなく部分熱シールドの熱負荷に配
分することにより、真空容器の内壁から超電導コイルに
至るまでの各構成部間の温度差による熱負荷が超電導コ
イル側冷凍機及び電流リード側冷凍機の冷却能力を超え
ない程度に最適化された理想的な温度勾配を形成するこ
とができる。これにより、冷却効率が格段に向上され、
且つ、冷却状態が安定化した超電導電磁石装置を提供す
ることができる効果がある。
【0080】この発明によれば、熱シールド側熱交換部
は電流リード側冷凍機の冷却部と熱シールドの一部とを
接続する熱伝導部材とするので、より速く熱シールドの
冷却を行うことができ、冷却時間を短縮化することがで
きる。また、冷熱源の増加によって、より大面積の熱シ
ールドを冷却することができることから、大型の超電導
コイルを有した装置を構成することができる効果があ
る。
【0081】この発明によれば、熱シールド側熱交換部
は電流リード側冷凍機の冷却部と熱シールドの一部とを
接続する熱伝導部材と、電流リード側冷凍機の冷却部と
熱シールドとを直接接続した接続部とからなるので、熱
シールドと冷却部との接触面積の増加による冷却効率の
向上によって上記段落0080の構成と比較してより大
面積の熱シールドを冷却することができることから、大
型の超電導コイルを有した装置を構成することができる
効果がある。また、上記段落0080の構成と比較して
より速く熱シールドの冷却を行うことができ、冷却時間
を短縮化することができる効果がある。
【0082】この発明によれば、熱伝導部材は可撓性を
有するので、冷凍機の冷却部と熱シールドとの温度差に
よる熱応力を吸収し、冷凍機の冷却部と熱シールドとの
接続部分に応力が集中することを防止する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による超電導電磁石
装置の構成を示す縦断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態2による超電導電磁石
装置の構成を示す縦断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態3による超電導電磁石
装置の構成を示す縦断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態4による超電導電磁石
装置の構成を示す縦断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態5による超電導電磁石
装置の構成を示す縦断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態6による超電導電磁石
装置の構成を示す縦断面図である。
【図7】 特開平7−142242号公報に開示された
従来の超電導電磁石装置の構成を示す縦断面図である。
【図8】 特開平7−142242号公報に開示された
他の超電導電磁石装置の構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 真空容器、2 支持部材、3,3A,3B,3C,
3D 熱シールド(熱シールド、外側熱シールド、部分
熱シールド)、3a 接続部(熱シールド側熱交換
部)、4 超電導コイル、5 支持部材、6 冷凍機
(超電導コイル側冷凍機)、7 熱伝導部材、8 熱伝
導部材、9 ブッシング、10,11,12電流リー
ド、13 可撓性接続部材、14,14a 冷凍機(電
流リード側冷凍機)、15 固定部(高温側熱交換
部)、16 固定部(低温側熱交換部)、17,17a
冷却部(高温側の冷却部)、18 冷却部(低温側の
冷却部)、19 空所、20,20a 熱伝導部材(熱
シールド側熱交換部)、F−1 冷却部(高温側の冷却
部)、F−2 冷却部(低温側の冷却部)。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導コイルを収納する真空容器と、こ
    の真空容器内に設けられ、上記超電導コイルを冷却する
    超電導コイル側冷凍機と、 上記超電導コイルと電気的に接続されて、上記真空容器
    外の電源を該超電導コイルに給電する電流リードと、 この電流リードを介して伝わる熱を除去する電流リード
    側冷凍機とを備えた超電導電磁石装置。
  2. 【請求項2】 超電導コイルを収納する真空容器と、 この真空容器内に設けられ、上記超電導コイルを冷却す
    る超電導コイル側冷凍機と、 上記超電導コイルと電気的に接続されて、上記真空容器
    外の電源を該超電導コイルに給電する電流リードと、 この電流リードを介して伝わる熱を除去する電流リード
    側冷凍機と、 上記真空容器内で上記超電導コイルを被覆し、上記超電
    導コイル側冷凍機及び上記電流リード側冷凍機により冷
    却されて、上記超電導コイルを常温側から熱遮断する熱
    シールドとを備えた超電導電磁石装置。
  3. 【請求項3】 超電導コイルを収納する真空容器と、 この真空容器内に設けられ、上記超電導コイルを冷却す
    る超電導コイル側冷凍機と、 上記超電導コイルと電気的に接続されて、上記真空容器
    外の電源を該超電導コイルに給電する電流リードと、 この電流リードを介して伝わる熱を除去する電流リード
    側冷凍機と、 上記真空容器内で上記超電導コイルを二重に被覆し、上
    記超電導コイル側冷凍機及び上記電流リード側冷凍機に
    より冷却されて、上記超電導コイルを常温側から熱遮断
    する熱シールドとを備えた超電導電磁石装置。
  4. 【請求項4】 超電導コイルを収納する真空容器と、 この真空容器内に設けられ、上記超電導コイルを冷却す
    る超電導コイル側冷凍機と、 上記超電導コイルと電気的に接続されて、上記真空容器
    外の電源を該超電導コイルに給電する電流リードと、 この電流リードを介して伝わる熱を除去する電流リード
    側冷凍機と、 上記真空容器内で上記超電導コイルを被覆する外側熱シ
    ールドと、この外側熱シールドと上記超電導コイルとの
    間に設けられ、該超電導コイルを部分的に被覆する部分
    熱シールドとから構成され、上記超電導コイル側冷凍機
    及び上記電流リード側冷凍機により冷却されて、上記超
    電導コイルを常温側から熱遮断する熱シールドとを備え
    た超電導電磁石装置。
  5. 【請求項5】 電流リード側冷凍機は、到達温度領域が
    低温側の冷却部と、冷却能力が上記低温側の冷却部より
    高く、上記到達温度領域が高温側の冷却部とを有し、 電流リードは、超電導コイルに接続するまでに上記高温
    側の冷却部と熱交換する高温側熱交換部と、上記低温側
    の冷却部と熱交換する低温側熱交換部とを有し、これら
    両熱交換部にて冷却されることを特徴とする請求項1記
    載の超電導電磁石装置。
  6. 【請求項6】 電流リード側冷凍機は、到達温度領域が
    高温超電導部材の超電導転移温度である冷却部を有し、 電流リードは、超電導コイル近傍の部分を上記高温超電
    導部材で作成され、上記超電導コイルに接続するまでに
    上記冷却部と熱交換する熱交換部を有し、該熱交換部に
    て冷却されることを特徴とする請求項5記載の超電導電
    磁石装置。
  7. 【請求項7】 電流リード側冷凍機は、到達温度領域が
    低温側の冷却部と、冷却能力が上記低温側の冷却部より
    高く、上記到達温度領域が高温側の冷却部とを有し、 電流リードは、超電導コイルに接続するまでに上記高温
    側の冷却部と熱交換する高温側熱交換部と、上記低温側
    の冷却部と熱交換する低温側熱交換部とを有し、これら
    両熱交換部にて冷却され、 熱シールドは、上記冷却部の少なくとも一方と熱交換す
    る熱シールド側熱交換部を有することを特徴とする請求
    項2記載の超電導電磁石装置。
  8. 【請求項8】 電流リード側冷凍機は、到達温度領域が
    低温側の冷却部と、冷却能力が上記低温側の冷却部より
    高く、上記到達温度領域が高温側の冷却部とを有し、 電流リードは、超電導コイルに接続するまでに上記高温
    側の冷却部と熱交換する高温側熱交換部と、上記低温側
    の冷却部と熱交換する低温側熱交換部とを有し、これら
    両熱交換部にて冷却され、 熱シールドは、真空容器の内壁側の熱シールド、若しく
    は上記超電導コイル側の熱シールドと上記冷却部の少な
    くとも一方とが熱交換を行う熱シールド側熱交換部を有
    し、該熱交換部にて冷却されることを特徴とする請求項
    3記載の超電導電磁石装置。
  9. 【請求項9】 電流リード側冷凍機は、到達温度領域が
    低温側の冷却部と、冷却能力が上記低温側の冷却部より
    高く、上記到達温度領域が高温側の冷却部とを有し、 電流リードは、超電導コイルに接続するまでに上記高温
    側の冷却部と熱交換する高温側熱交換部と、上記低温側
    の冷却部と熱交換する低温側熱交換部とを有し、これら
    両熱交換部にて冷却され、 熱シールドは、外側熱シールド若しくは部分熱シールド
    と上記冷却部の少なくとも一方とが熱交換を行う熱シー
    ルド側熱交換部を有し、該熱交換部にて冷却されること
    を特徴とする請求項4記載の超電導電磁石装置。
  10. 【請求項10】 熱シールド側熱交換部は、電流リード
    側冷凍機の冷却部と熱シールドの一部とを接続する熱伝
    導部材であることを特徴とする請求項7から請求項9の
    うちいずれか1項記載の超電導電磁石装置。
  11. 【請求項11】 熱シールド側熱交換部は、電流リード
    側冷凍機の冷却部と熱シールドの一部とを接続する熱伝
    導部材と、上記電流リード側冷凍機の冷却部と上記熱シ
    ールドとを直接接続した接続部とからなることを特徴と
    する請求項7から請求項9のうちいずれか1項記載の超
    電導電磁石装置。
  12. 【請求項12】 熱伝導部材は、可撓性を有することを
    特徴とする請求項10または請求項11記載の超電導電
    磁石装置。
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