JP2001067734A - 記録媒体、光学素子、および情報記録再生装置 - Google Patents

記録媒体、光学素子、および情報記録再生装置

Info

Publication number
JP2001067734A
JP2001067734A JP23806699A JP23806699A JP2001067734A JP 2001067734 A JP2001067734 A JP 2001067734A JP 23806699 A JP23806699 A JP 23806699A JP 23806699 A JP23806699 A JP 23806699A JP 2001067734 A JP2001067734 A JP 2001067734A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical element
recording medium
recording
tracking
information
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23806699A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayuki Hoshino
隆之 干野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Minolta Co Ltd filed Critical Minolta Co Ltd
Priority to JP23806699A priority Critical patent/JP2001067734A/ja
Publication of JP2001067734A publication Critical patent/JP2001067734A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Moving Of The Head To Find And Align With The Track (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録媒体に対するトラッキング制御を高精度
に行うことが可能な情報記録再生装置およびそれに適し
た部品や記録媒体に関する技術を提供する。 【解決手段】 情報記録再生装置1は、近接場光学素子
23を用いて、トラッキング層92を有する記録媒体9
に対して情報の記録再生動作を行う。記録媒体9のトラ
ッキング層92は、導電体部92Aと非導電体部92B
とにより形成されたトラッキングパターンPTを有して
おり、近接場光学素子23の下面FBには、複数の導電
体部27A,27Bが設けられている。そして、導電体
部27A,27Bのそれぞれと記録媒体9との間に生じ
る各静電容量を検出し、それらの検出結果を比較するこ
とにより、記録媒体に対する光学素子の位置ずれを検出
して、光学素子のトラッキング制御を高精度に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高精度のトラッキ
ング性能を有する情報記録再生装置およびその部品、な
らびにそれに適した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】光を用いて記録媒体に情報を記録し、お
よび/または情報を記録媒体から再生する(読取りを行
う)装置である情報記録再生装置においては、情報を記
録媒体上の正確な位置に記録し、また、記録された情報
を正確な位置から読み取って再生する必要がある。その
ため、記録媒体上において、光学素子などにより構成さ
れる光学ヘッドを正確に位置決めして、トラッキング制
御を行う技術が必要になる。
【0003】また、記録媒体における高密度化(デジタ
ル情報の記録密度の向上)の要求は高く、高密度化を行
うための研究開発が現在鋭意進められている。たとえ
ば、通常の光を用いる場合に存在する限界を打破するも
のとして、近接場光を用いることにより高密度化を図る
装置なども存在する。このような装置などにおいては、
さらに高密度された記録媒体に対して特に高精度のトラ
ッキング制御を行うことが必要とされている。
【0004】このような位置決め精度を高める技術とし
ては、たとえば、特開平10−21594号公報に示さ
れる技術が存在する。図17は、この従来例に係る情報
記録再生装置100の構成図である。図17に示すよう
に、この情報記録再生装置100は記録媒体101とそ
の記録媒体101を駆動する駆動手段111とを備えて
おり、また記録媒体101は基板104の上に電極10
3と記録層102とがこの順序で積層された構造を有し
ており、その最上層である記録層102の上面には、導
電性のトラッキング用ピット列106Aとピット列が形
成されていない非導電性の領域である非形成領域106
Bとを有する記録面105が設けられている。この情報
記録再生装置100は、導電性プローブ107と電圧印
加手段108と状態検出手段109と振動手段110と
をさらに備えている。振動手段110は、導電性プロー
ブ107を振動させる手段であり、電圧印加手段108
は、導電性プローブ107と電極103との間に交流電
圧を印加する手段である。さらに、状態検出手段109
は、電圧印加時における導電性プローブ107に流れる
電流を測定して導電性プローブ107の先端の位置状態
を検出する手段である。また、これらの各手段の動作
は、コンピュータ112により制御される。
【0005】この情報記録再生装置100においては、
導電性プローブ107は、振動手段110による振動付
与によりトラッキング用ピット列106Aと直交する方
向(Y方向)に振動しながら、トラッキング用ピット列
106Aに平行な方向(X方向)に走査を行う。ここ
で、導電性プローブ107がトラッキング用ピット列1
06A(導電性)の直上に位置する際には比較的大きな
電流が流れ、導電性プローブ107が非形成領域106
B(非導電性)の直上に位置する際には比較的小さな電
流が流れる。したがって、図中に示す軌跡115を描く
ように導電性プローブ107がトラッキング用ピット列
106Aと非形成領域106Bとの境界113を中心と
して振動するときにおいては、比較的大きな電流が流れ
る時間Taと比較的小さな電流が流れる時間Tbとが等
しく(Ta−Tb=0)なり、一方、導電性プローブ1
07がトラッキング用ピット列106Aと非形成領域1
06Bとの境界113からY方向にずれた位置を中心と
して振動するときには、上記の時間Taと時間Tbとの
間に差異が生じる(Ta−Tb≠0)ので、この差異を
検出することにより、境界113からの振動中心の位置
のずれを求めてトラッキング位置のずれを補償するもの
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような技術では、振動手段110により導電性プロー
ブ107を振動させる必要があるが、その振動振幅の微
小化には困難が伴うため、高密度化に対応して高精度の
トラッキング制御を行うことは困難である。また、その
原理上、振動振幅以下に記録ピットを小さくすることが
できないなど高密度化への障害も存在する。このよう
に、振動を伴う上述の技術は、高密度化された記憶媒体
に対して十分な精度のトラッキング制御を行うことが困
難であるという問題を有している。
【0007】そこで、本発明は前記問題点に鑑み、記録
媒体に対するトラッキング制御を高精度に行うことが可
能な情報記録再生装置およびそれに適した部品や記録媒
体に関する技術を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の記録媒体は、情報を記録するため
の記録媒体であって、情報を記録する記録部と、導電体
部と非導電体部とにより形成されたトラッキングパター
ンを有するトラッキング層と、を備えることを特徴とす
る。
【0009】請求項2に記載の記録媒体は、請求項1に
記載の記録媒体であって、前記記録媒体は、円盤状の形
状を有しており、前記トラッキングパターンは、それぞ
れが同心円状または螺旋状の形状を有する前記導電体部
と前記非導電体部とを、径方向において交互に配置する
ことにより形成されていることを特徴とする。
【0010】請求項3に記載の記録媒体は、請求項1ま
たは請求項2に記載の記録媒体であって、前記記録部
は、前記トラッキング層に対して積層されて配置される
記録層として形成されることを特徴とする。
【0011】請求項4に記載の記録媒体は、請求項1な
いし請求項3のいずれかに記載の記録媒体であって、前
記トラッキングパターンにおいて、前記導電体部の幅と
非導電体部の幅とが同一であることを特徴とする。
【0012】また、請求項5に記載の光学素子は、導電
体部と非導電体部とにより形成されたトラッキングパタ
ーンを有する記録媒体との間で光学的作用を奏する光学
素子であって、光を導出または導入する光学窓を有する
光学素子本体と、前記光学窓に対して相対的に固定され
た位置に規定されて、前記記録媒体に対向する対向面
と、前記対向面上に設けられた複数の導電体部と、を備
え、前記複数の導電体部は、前記光学窓に関して点対称
または線対称に配置されることを特徴とする。
【0013】請求項6に記載の光学素子は、請求項5に
記載の光学素子であって、前記導電体部の幅は、前記ト
ラッキングパターンの導電体部と非導電体部との幅に対
応する大きさを有することを特徴とする。
【0014】請求項7に記載の光学素子は、請求項5ま
たは請求項6に記載の光学素子であって、前記光学素子
は、前記記録媒体に対して近接した状態で前記記録媒体
との間の光相互作用を近接場光を用いて行う近接場光学
素子であることを特徴とする。
【0015】また、請求項8に記載の情報記録再生装置
は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の記録媒
体に対して情報の記録および/または読取りを行う情報
記録再生装置であって、請求項5または請求項6に記載
の光学素子と、前記光学素子の複数の導電体部のそれぞ
れと前記記録媒体との間に生じる各静電容量を検出し、
検出された前記各静電容量を相互に比較することによ
り、前記記録媒体に対する前記光学素子の位置ずれを計
測する計測手段と、前記記録媒体に対する前記光学素子
の位置を変更する駆動手段と、前記計測手段による処理
結果に基づいて、前記駆動手段に対して前記光学素子の
位置変更指令を送出することにより前記光学素子のトラ
ッキング制御を行う制御手段と、を備えることを特徴と
する。
【0016】請求項9に記載の情報記録再生装置は、請
求項8に記載の情報記録再生装置であって、前記計測手
段は、複数の導電体部を所定の軸に関して2つに区分
し、一方の区分内に含まれる導電体部と前記記録媒体と
の間の第1の静電容量と、他方の区分内に含まれる導電
体部と前記記録媒体との間の第2の静電容量とを比較す
ることにより得られるトラッキング誤差信号に基づい
て、前記光学素子の所定の軸に直交する方向の位置ずれ
を計測することを特徴とする。
【0017】請求項10に記載の情報記録再生装置は、
請求項8または請求項9に記載の情報記録再生装置であ
って、前記光学素子を前記記録媒体に対して200nm
以下に近接させて情報の記録再生を行うことを特徴とす
る。
【0018】請求項11に記載の情報記録再生装置は、
請求項8または請求項9に記載の情報記録再生装置であ
って、前記光学素子は、前記記録媒体に対して近接した
状態で前記記録媒体との間の光相互作用を近接場光を用
いて行う近接場光学素子であることを特徴とする。
【0019】なお、本明細書において、「光学窓」と
は、各種光学素子において光が導出または導入する部分
を意味し、「導出または導入」とは、通常の光(近接場
光以外の光)においては光が出射または入射することを
意味し、近接場光においては近接場光が浸み出す(発生
する)ことまたは近接場光を利用して光学的検出を行う
ことを意味するものとする。
【0020】
【発明の実施の形態】<第1実施形態> <概要>図1は、本実施の形態における情報記録再生装
置1の構成を示す概略図である。情報記録再生装置1
は、記録媒体9に対するデジタル情報の記録および/ま
たは読取りを行う情報記録再生装置であり、光ディスク
等の記録媒体9を保持した状態で記録媒体9を所定方向
に回転させる回転機構部5と、記録媒体9の記録面に対
する信号の記録または読み取り(再生)を行う光ヘッド
2と、光ヘッド2および回転機構部5に対して駆動制御
信号を与えるコントローラ3と、記録媒体9に対する記
録信号または再生信号を処理する信号処理部4とを備え
て構成される。
【0021】回転機構部5は回転駆動部51と回転部材
52とを備えており、コントローラ3から与えられる駆
動制御信号に基づいて回転駆動部51が回転部材52を
所定方向に回転させる。回転部材52は着脱自在の記録
媒体9を所定位置にて保持するような構造を有してお
り、装着された記録媒体9と一体となって回転動作を行
う。
【0022】光ヘッド2は、レーザ光源11とコリメー
タレンズ12とビームスプリッタ13と光検出器14と
光ヘッド駆動部18と保持部材19と所定の光学系20
とを備えて構成される。レーザ光源11は、半導体レー
ザ等の小型の光源を使用することが望ましい。また、レ
ーザ光源11はコントローラ3内に設けられた図示しな
いレーザ駆動回路によって駆動されるように構成されて
いる。そして、レーザ光源11から出射される光は、コ
リメータレンズ12、ビームスプリッタ13および光学
系20を介して記録媒体9に導かれる。
【0023】コリメータレンズ12はレーザ光源11か
ら出射される光を平行光にする機能を有しており、ビー
ムスプリッタ13はコリメータレンズ12から導かれる
平行光を透過させる。そしてビームスプリッタ13を透
過した光は光学系20へと進む。また、図2の概略構成
図に示すように、光学系20は、ミラー21と対物レン
ズ22と近接場光学素子23とを有している。ビームス
プリッタ13を透過した光は、光学系20のミラー21
で反射されてその向きを下方に変更して対物レンズ22
へと進み、対物レンズ22で集光されたのち、近接場光
学素子23の一端側に設けられる微小開口から近接場光
が浸み出し、ニアフィールド領域に近接して存在する記
録媒体9の記録面に対して、微小スポットを形成して投
射される。
【0024】一方、記録媒体9からの反射光は上記と逆
方向に進み、光学系20の近接場光学素子23、対物レ
ンズ22、ミラー21を介して、ビームスプリッタ13
に戻る。そしてビームスプリッタ13で反射されて光検
出器14に入射する。すなわち、記録媒体9に記録され
た情報は光検出器14によって読み取られる。
【0025】レーザ光源11とコリメータレンズ12と
ビームスプリッタ13と光検出器14とはそれぞれ所定
位置に固定されており、光学系20の各構成部品は保持
部材19の先端部に配置されている。保持部材19は光
ヘッド駆動部18によって記録媒体9の回転中心方向に
対して直進的に進退自在なように構成されており、コン
トローラ3が光ヘッド駆動部18に対して駆動制御信号
を与えることによって保持部材19の位置、すなわち近
接場光学素子23の記録媒体9に対する位置が制御され
る。なお、光ヘッド2の駆動機構は記録媒体9の回転中
心方向に対して直進的に進退する構成でなくともよく、
所定長さの保持部材を回転中心方向に対して揺動動作さ
せる機構であってもよい。
【0026】信号処理部4は記録媒体9に対して記録す
るためのデータをコントローラ3を介してレーザ駆動回
路に与えたり、光検出器14で検出された読み取りデー
タ(再生データ)をコントローラ3を介して受け取り、
他のデータ処理機器に対して出力する機能を有する。
【0027】以上のようにこの実施の形態における情報
記録再生装置1では、光学的作用の対象物である記録媒
体9に対して近接した状態で、その先端部(微小な光学
窓)から浸み出る近接場光を発生させる。そして、情報
記録再生装置1は、この近接場光を利用して、記録媒体
9に対するデジタル情報の記録動作および再生動作のう
ち少なくとも一方を行うように構成されている。
【0028】<記録媒体>次に、図3および図4を参照
しながら記録媒体9の構成について説明する。記録媒体
9は、図3の平面図に示すように、円盤状に形成されて
おり、その中央には回転部材52に保持させるための孔
95が形成されている。また、図4の断面図に示すよう
に、記録媒体9は、基板91とトラッキング層92と記
録層93とが積層された構造を有している。
【0029】ここで、トラッキング層92は、導電体部
92Aと非導電体部92Bとにより形成されたトラッキ
ングパターンPT(図3)を有している。導電体部92
Aと非導電体部92Bとは、それぞれ、円環状の平面形
状を有しており、複数の導電体部92Aと非導電体部9
2Bとが、径方向に交互に同心円状に配置されてトラッ
キングパターンPTが形成されている。また、ここで
は、円環状のトラッキングパターンPTとして、その径
方向における導電体部92Aの幅と非導電体部92Bの
幅とが同一である場合を示している。
【0030】基板91は、たとえばSiO2(二酸化ケ
イ素)などの材料で形成されている。また、導電体部9
2Aは、アルミニウム、金、銀、銅などの金属や、金属
以外の導電体(たとえば、ポリチオフェンやポリアセチ
レンなどの導電性樹脂や、カーボンを混入して導電性を
もたせた樹脂など)などの材料で形成されており、非導
電体部92Bは、非導電性の樹脂などの材料で形成され
ている。さらに、記録層93は、情報の記録に用いられ
る材料で形成されればよく、たとえば、フォトクロミッ
ク分子の薄膜として形成することができる。この記録層
93においては、そのフォトクロミック分子の薄膜に対
して2種類の異なる特定波長の光を選択的に照射するこ
とによって照射部分の吸収率などの光学特性が変化する
性質を利用して、デジタル情報の記録が行われる。ま
た、再生時には、比較的弱い強度の光を照射して吸収率
の変化を検出するか、あるいは照射光の位相変化を検出
することで、記録されたデジタル情報の再生(読取り)
が可能となる。
【0031】また、トラッキング層92の導電体部92
Aは、それぞれ、所定幅で連続的に形成された環状帯で
あり、また、非導電体部92Bも所定幅で連続的に形成
された環状帯である。後述するように、光ヘッド2の先
端部に設けられた近接場光学素子23の導電体部27
A,27B(図5)のそれぞれが、上記の導電体部92
Aおよび非導電体部92Bのいずれの部分と多く対向し
ているかに応じて変化する静電容量を検出することによ
り、光ヘッド2の先端部の位置ずれを補正することがで
きる。このように導電体部92Aと非導電体部92Bと
により構成されるトラッキングパターンPTを用いてト
ラッキング制御が行われる。
【0032】なお、このトラッキングパターンPTは、
基板91上に形成された導電体の層をエッチング等によ
り切除した部分に非導電性の樹脂を埋め込むことにより
形成することができる。すなわち、エッチングで除去さ
れずに残った部分が導電体部92Aとなり、非導電性の
樹脂などが埋め込まれた部分が非導電体部92Bとな
る。この場合、非導電体部92Bも導電体部92C(図
4)の上に形成されることになるが、非導電体部92B
と導電体部27A,27Bとの間の静電容量は、非導電
体部92Bの材料の誘電率や、非導電体部92Bと導電
体部27A,27Bとの間の離間距離を反映した値とな
る。したがって、この静電容量を検出することなどによ
り、光ヘッド2の先端部の位置ずれ補正が可能となる。
【0033】この記録媒体9においては、上述したよう
に、記録層93において情報が記録される。この記録層
93は、トラッキング層92に対してその上方に積層さ
れて配置され、デジタル情報を記録する記録部として機
能する。具体的には、環状帯である各導電体部92A,
92Bの直上部分において、記録ピット列を形成するこ
となどにより情報を記録することができる。したがっ
て、記録媒体9において、導電体部92Aと非導電体部
92Bとの径方向の繰り返しに応じた間隔pを有する同
心円状の記録ピット列を形成することが可能になる。こ
こで、トラッキングパターンPTは、記録層93とは別
の層として形成されるトラッキング層92に設けられて
いるため、トラッキングパターンPTを記録層93と同
一の層内に設ける場合に比べると、トラッキングパター
ンPT形成のための領域を記録層93内に設ける必要が
ないので、半径方向の記録密度の低下を防止することが
できる。このように、デジタル情報を記録する記録部
は、トラッキング層92に対して積層されて配置される
記録層93として形成されており、トラッキング層92
とは別に積層された記録層93において情報の記録が行
われるので、記録層93における情報の高密度化を図る
ことができる。
【0034】<光学素子>次に、近接場光学素子23の
構成などについて説明する。図5は近接場光学素子23
の概略斜視図である。図5に示すように、近接場光学素
子23は、直方体形状の光学素子本体24を有してお
り、また、光学素子本体24の上面FUから下面FBに
向けて設けられる円錐状の切り欠き部25と下面FBと
が交わる部分において形成される微小開口26をも有し
ている。この微小開口26は、この近接場光学素子23
における「光学窓」に相当する。近接場光学素子23
は、この光学窓を介して、記録媒体9との間で光学的作
用(ここでは近接場光を用いた光学的作用)を奏するこ
とにより情報の記録再生を行う。
【0035】また、近接場光学素子23の下面FBは、
微小開口26に対して相対的に固定された位置に規定さ
れて記録媒体9に対向する対向面でもあり、この下面F
Bに複数の導電体部27が設けられている。図5では、
2つの導電体部27A,27Bが設けられる場合を示し
ており、これらの複数(2つ)の導電体部27A,27
Bは、微小開口26に関して点対称に配置されている。
後述するように、この導電体部27A,27Bを用いる
ことにより、下面FB内において軸CL1に直交する軸
CL2方向の位置ずれを検出することが可能になる。
【0036】また、ここでは、導電体部27A,27B
を微小開口26に関して点対称に配置しているが、下面
FB内の所定軸CL1に関して線対称となるように導電
体部27A,27Bを配置してもよい。その場合であっ
ても、径方向の位置ずれを容易に検出することができ
る。なお、点対称に配置する場合においては、導電体部
27A,27Bを軸CL1の近傍において軸CL1に沿
って配置しつつ、導電体部27A,27Bが微小開口2
6と配置位置に関して干渉することがないように配置す
ることが可能になる。
【0037】この近接場光学素子23は、情報の記録再
生時において、記録媒体9上の所望の位置に対して正確
に位置決めされることが求められるが、上記の各導電体
部27A,27Bと記録媒体9側のトラッキングパター
ンPTとの間での静電容量を検出することなどにより、
位置ずれを補償して正確な位置決めを行うことが可能に
なる。以下では、このような動作を行うための構成など
について説明する。
【0038】<計測動作など>図6は、近接場光学素子
23と記録媒体9との相対的位置関係などを示す概略断
面図であり、円盤状の記録媒体9の径方向における断
面、および同方向の近接場光学素子23の断面とがあわ
せて示されている。また、図7は、近接場光学素子23
と記録媒体9との関係を示す平面図である。なお、図7
においては、曲率半径が十分に大きいものとして、同心
円環状の各導電体部92A,非導電体部92Bの一部を
直線状に図示している。
【0039】近接場光学素子23は、記録媒体9のトラ
ック位置(径方向の位置)とセクタ位置(周方向の位
置)によって記録媒体内の位置を特定して、記録媒体9
の記録層93に記録された所望の情報にアクセスする。
ここでは、トラック位置(径方向の位置)に関する位置
ずれの計測動作などについて説明する。
【0040】図6においては、回転する記録媒体9の記
録層93に記録された所望の情報にアクセスするにあた
って、近接場光学素子23が所望の径方向の位置(正規
の位置)に存在する場合を示している。すなわち、近接
場光学素子23は、所望の導電体部92A(92A1)
の直上の記録層93にアクセスするために、導電体部9
2A1の中心線CL3が近接場光学素子23の中央部
(微小開口26)を通過するように近接場光学素子23
が配置されている。
【0041】また、図6に示されるように、記録媒体9
のトラッキング層92の導電体部92Aは接地されてお
り、さらに、2つの導電体部27A,27Bは、それぞ
れ、配線LA,LB、高周波電源28A,28B、およ
び電流検出用抵抗29A,29Bを介して接地されてい
る。配線LA,LBは、図5において図示していない
が、たとえば、導電体部27A,27Bから上面FUへ
と向けて光学素子本体24を貫通するように設けられ
る。
【0042】この高周波電源28A,28Bは、所定の
周波数を有する正弦波電圧を発生することが可能であ
り、これにより電圧を印加すると、導電体部27Aとト
ラッキング層92との間、ならびに導電体部27Bとト
ラッキング層92との間には、それぞれの材料の誘電率
などにより定まる各静電容量に応じて微小電流が流れ
る。この両者の電流を比較することにより、両者の静電
容量を比較することが可能になる。ここでは、抵抗29
A,29Bの抵抗値を同一の値とし、抵抗29A,29
Bのそれぞれの両端の端子電圧VA(地点PA〜アース
間電圧),VB(地点PB〜アース間電圧)を比較し、
その差を差動増幅器31を用いて増幅して得られるトラ
ック誤差信号TES(Tracking Error Signal)に基づ
いて、上記の両地点PA,PBにおける微小電流を比較
する。これらの高周波電源28A,28B、電流検出用
抵抗29A,29B、および差動増幅器31は、近接場
光学素子23の導電体部27A,27Bのそれぞれと記
録媒体9表面との間に生じる各静電容量を検出し、検出
された各静電容量を相互に比較することにより、記録媒
体9に対する光学素子の位置ずれを計測する計測手段と
して機能する。
【0043】たとえば、図8に示すように、図6の状態
に比べて近接場光学素子23が正規位置から径方向右側
にp/2だけずれた位置に存在する場合にあっては、導
電体部27Aには導電体部92Aが対向し、導電体部2
7Bには非導電体部92Bが対向する。
【0044】ここで、一般に静電容量Cは、対向する導
電体の対向面積が大きくなるにつれ大きくなり、また、
対向する導電体相互間の距離が大きくなるにつれて小さ
くなる。また電流は、高周波電源28A,28Bの発振
器角周波数ωおよび発振器出力電圧Eが同じ場合には、
静電容量Cに比例する。
【0045】したがって、図8に示すような場合には、
導電体部27Aと導電体部92Aとの間の静電容量は、
導電体部27Bと非導電体部92Bとの間の静電容量よ
りも大きな値となり、前者(導電体部27Aと導電体部
92Aとの間)には後者(導電体部27Bと非導電体部
92Bとの間)よりも大きな電流が流れる。したがっ
て、これに応じて、端子電圧VA,VBの間にはVA>
VBなる関係が成立する。ここで、トラック誤差信号T
ESをα×(VA−VB)として定義すると、トラック
誤差信号TESは正の値をとる。ただし、αは、増幅率
を表す正の値である。
【0046】図9は、このようなトラック誤差信号TE
Sの増減を示す概念図であり、図9(a)は、トラッキ
ング層92の導電体部92Aおよび非導電体部92Bの
断面図であり、図9(b)は、近接場光学素子23が正
規の位置からxだけずれた場合のトラック誤差信号TE
Sを図9(a)に対応させて示した図である。図9
(b)において、図8の状態におけるトラック誤差信号
TESは点P1として示されている。
【0047】また、近接場光学素子23が図8の状態か
ら徐々に左側にずれて正規の位置からのずれが減少して
いくと、それに応じてトラック誤差信号TESも減少
し、図6および図7に示すような状態、すなわち、近接
場光学素子23が正規の位置に存在する状態において
は、トラック誤差信号TESがゼロになる。このときの
トラック誤差信号TESは、図9において点P2として
示されている。そして、近接場光学素子23が左側にず
れていくと、トラック誤差信号TESもさらに減少して
その値は負となり、ずれが(−p/2)となったときに
最小値をとる(図9において点P3として示す)。
【0048】このトラック誤差信号TESは、近接場光
学素子23の正規位置からのずれが(−p/2)から
(+p/2)までの区間においては、単調に変化(増加
あるいは減少)しており、任意のトラック誤差信号TE
Sの値に対して、ずれに関する方向とずれの大きさ(絶
対値)が一意に決定される。したがって、トラック誤差
信号TESの値の正負およびその大きさを求めることに
より、近接場光学素子23に関する正規の位置からのず
れの方向および大きさを知ることができる。なお、図9
においては簡略化のため、トラック誤差信号TESは径
方向のずれに関する1次の単調増加関数であるとして図
示しているが、一般には、1次の関数には限定されな
い。
【0049】なお、上記において、ずれの大きさが所定
の値(p/2)よりも大きい場合には、近接場光学素子
23の位置を特定することができないが、ここでは、ず
れの大きさはそのような所定値に比べて小さいものと仮
定している。たとえば、近接場光学素子23を所定の制
御則に基づいてその位置制御を行った場合には、その位
置誤差はその所定値よりも小さな値の範囲に収まる場合
が多いと考えられる。また、大きな位置ずれが生じない
ように別途の方法により補償することも可能である。た
とえば、トラック番号などの概略位置情報を記録媒体9
の所定のセクタに記憶しておき、近接場光学素子23が
その所定のセクタを通過する時点においてその情報を読
み出すことができる。これにより、現在位置のトラック
番号と指定トラック番号との比較結果が異なる場合であ
っても、現時位置を指定された番号のトラック位置に移
動するなどの大まかな位置補正が可能になり、上記の位
置誤差が、所定の範囲内にあるものとして上記のより正
確な位置補正を適用することが可能になる。
【0050】また、各導電体部27A(,27B)の幅
cと導電体部92Aの幅aとは、同一(a=c)である
ことが好ましい。これらの幅a,cが互いに異なる場合
には、近接場光学素子23の正規位置からのずれxを検
出できない区間、すなわち不感帯を生じることがあるか
らである。これについて図10を用いて説明する。図1
0(a)は、c=a/4の場合の図6に対応する断面図
であるが、近接場光学素子23が正規の位置からxだけ
ずれている場合を示している。また、図10(b)にお
いては、近接場光学素子23(幅c=a/4)が正規の
位置からxだけずれている場合のトラック誤差信号TE
Sの変化を示している。この場合においては、ずれxの
大きさが所定の値(a/4)より小さい場合において
は、トラック誤差信号TESは、ゼロ(または、ゼロに
近い微小値)となる。すなわち、区間[−a/4,+a
/4]では、トラック誤差信号TESに基づく位置ずれ
検出が困難になり、この区間が不感帯となる。
【0051】このような不感帯は、幅a,cの関係が0
<c<(a/2)の場合に生じる。また、(3×a/
2)<c<(5×a/2)の場合においても、同様に不
感帯が生じる。したがって、幅a,cについて、(a/
2)≦c≦(3×a/2)となることが好ましい。ま
た、この条件は、一般的には、(2×n+1/2)×a
≦c≦(2×n+3/2)×aとして表せる(n=0,
1,2,...)。
【0052】ただし、これ以外の条件、すなわち、0<
c<(a/2),(2×n+5/2)×a≦c≦(2×
n+7/2)×aの場合であっても、トラック誤差信号
TES信号は微小ながら存在することもあるので、本発
明の適用範囲がこのような範囲に限定されるわけではな
い。また、上記の条件は、導電体部92Aの幅aと非導
電体部92Bの幅bとが同一(a=b)であり、かつ、
各導電体部27A(,27B)が中心線に合わせて配置
されていることを前提とする場合の条件であり、各導電
体部27A,27Bが中心線からずれて配置される場合
などにおいては、その配置位置に応じて上記の条件が変
化する。各導電体部27Aの幅cは、このような各種条
件に応じて、記録媒体9のトラッキングパターンPTの
導電体部92Aの幅aと非導電体部92Bの幅bとに対
応する大きさを有することが好ましい。
【0053】さらに、導電体部92Aの幅aと非導電体
部92Bの幅bとは、同一(a=b)であることが好ま
しい。これらの幅a,bが互いに異なる場合には、上記
の位置ずれ検出可能範囲が狭くなるからである。これに
ついて図11を用いて説明する。図11(a)は、幅
a,b,cについて、a=3×b,c=2×bの場合の
図6に対応する断面図であるが、近接場光学素子23が
正規の位置からxだけずれている場合を示している。ま
た、図11(b)は、ずれxに対するトラック誤差信号
TESの変化を示している。この場合において、−b/
2≦x≦+b/2においてはトラック誤差信号TESの
値が変化するものの、たとえばb/2≦x≦3×b/2
においてはトラック誤差信号TESの値が変化せず同一
の値となる。すなわち、この区間[b/2,3×b/2]
では、トラック誤差信号TESに基づく位置ずれ検出が
困難になる。したがって、位置ずれ検出可能範囲を広く
するため、導電体部92Aの幅aと非導電体部92Bの
幅bとは同一(a=b)であることが好ましい。ただ
し、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。そ
れ以外の場合であっても、ずれxが所定の位置ずれ検出
可能範囲内に収まる程度であるときには、本発明を適用
することができるからである。
【0054】次に、情報記録再生装置1における近接場
光学素子23を用いたトラッキング動作について、図1
2のフローチャートを参照しながら説明する。
【0055】まず、所定の制御則に基づいて所望の位置
に光ヘッド2の先端部を移動する(ステップSP1
0)。
【0056】そして、ステップSP20において、光ヘ
ッド2の先端部に設けられた近接場光学素子23の導電
体部27A,27Bのそれぞれと記録媒体9との間に生
じる各静電容量を検出する。ここでは、各静電容量を反
映した値として、上述の電流検出用抵抗29A,29B
の端子電圧VA,VBを測定する。
【0057】次のステップSP30において、この端子
電圧VA,VBに基づいて、トラック誤差信号TES
(=α×(VA−VB))を算出する。これにより、近
接場光学素子23の正規の位置に対するずれ(方向、大
きさ)を測定することができる。トラック誤差信号TE
Sの正負の符号によって、ずれxの方向を知ることがで
きるので、次のステップSP40において、ずれxを減
少させるような位置補正指令を与えることができる。ま
た、トラック誤差信号TESの値の大きさは、ずれxの
大きさを反映しているので、あらかじめトラック誤差信
号TESとずれとの関係を測定してテーブル化しておけ
ば、そのテーブルを参照してずれ量を直接得て、補正指
令の生成に利用することもできる。
【0058】ステップSP40においては、ステップS
P30での位置測定結果に基づいて、コントローラ3が
光ヘッド駆動部18に対して駆動制御信号を与える。こ
れにより、近接場光学素子23の記録媒体9に対する位
置の補正指令を与える。たとえば、トラック誤差信号T
ESが図9の点P12で与えられる値を有する場合に
は、トラック誤差信号TESの値の符号が正であるの
で、近接場光学素子23が正規の位置から径方向右側に
ずれていることがわかる。したがって、これに応じて近
接場光学素子23を径方向左側に微少量移動させるため
の補正指令が送出される。この指令値は、各種のフィー
ドバック制御則を用いて作成される。なお、トラック誤
差信号TESの値の符号のみでなく、トラック誤差信号
TESの値の絶対値をも考慮して補正指令値を生成すれ
ば、さらに正確な制御が可能になる。
【0059】ステップSP50においては、コントロー
ラ3からの補正指令に基づいて、光ヘッド駆動部18が
実際に光ヘッド2を駆動する。これにより、近接場光学
素子23の径方向の位置が補正される。
【0060】上記のステップSP20〜SP50の動作
は、ステップSP60で終了すべきと判断されるまで適
宜繰り返され、トラック誤差信号TESの値が、ほぼゼ
ロになるように制御される。これにより、近接場光学素
子23が正規の位置に制御される。
【0061】このような動作は、上記の制御ループにお
いて、ステップSP60で終了すべきと判断された時点
で終了する。
【0062】以上のように、この実施形態の記録媒体9
は、トラッキング層92において、導電体部92Aと非
導電体部92Bとにより形成されたトラッキングパター
ンPTを有しており、また、近接場光学素子23は、そ
の導電体部27A,27Bと上記トラッキングパターン
PTとの間の静電容量(ないしは静電容量を反映した
値)を検出することができる。したがって、記録媒体9
に記録された情報を検出するにあたって、この記録媒体
9のトラッキングパターンPTを利用して、正規位置か
らのずれを検出することができる。
【0063】また、この近接場光学素子23を有する情
報記録再生装置1によれば、実際に、記録媒体9と導電
体部27A,27Bとの間に生じる各静電容量を検出す
ることにより近接場光学素子23の正規位置からのずれ
を測定することができるので、測定結果に応じた位置補
正を行えば、記録媒体に対するトラッキング制御を高精
度に行うことが可能になる。
【0064】<第2実施形態>上記第1実施形態におい
ては、近接場光学素子23として平坦プローブ型の近接
場光学素子23aを用いる場合を例示したが、この第2
実施形態においては、近接場光学素子23として固浸レ
ンズ(SIL:Solid Immersion Lens)23bを用いる
場合を示す。なお、近接場光学素子以外の構成要素につ
いては第1実施形態と同様であり、ここでは、主にこの
固浸レンズ(SIL)23bについて説明する。
【0065】図13は、第2実施形態の光学系20の概
略構成図を示す図である。また、図14は、固浸レンズ
23bを表す図であり、図14(a)は正面図、図14
(b)は底面図、図14(c)は斜め下方から見た斜視
図である。
【0066】固浸レンズ23bは、その底部周囲RFが
面取り加工された半球状のレンズ本体24bを有してい
る。
【0067】また、底面には、2つの矩形状の導電体部
27A,27Bが設けられている。これらの各導電体部
27A,27Bは、互いに独立して電気的に分離されて
おり、第1実施形態と同様に、それぞれ、高周波電源2
8A,28B、および電流検出用抵抗29A,29Bな
どに接続されている。そして、この各導電体部27A,
27Bは、静電容量検出面として機能する。
【0068】さらに、円形の底面BFの中心から所定の
範囲にわたっては導電体部27A,27Bが設けられて
おらず、レンズ本体24bが表出する構成となってい
る。この表出する部分の中心C近傍において近接場光が
発生することとなり、この中心C近傍の部分が近接場光
の光学窓となる。
【0069】この固浸レンズ23bの底面BFを記録媒
体9に対向させて配置するにあたって、複数の導電体部
27A,27Bと記録媒体9との間に生じる各静電容量
を検出することにより、第1実施形態と同様、トラッキ
ング補正動作などを行うことができる。
【0070】<第3実施形態>次に、この第3実施形態
においては、近接場光学素子23としてSNOM(Scan
ning Near-field Optical Microscope)ファイバプロー
ブを用いる場合を示す。なお、近接場光学素子以外の構
成要素については第1実施形態と同様であり、ここで
は、主にこのSNOMファイバプローブ(以下、「プロ
ーブ」とも称する)23cについて説明する。
【0071】図15(a)は略円柱形状を有するプロー
ブ23cの径方向の断面図であり、図15(b)は、プ
ローブ23cの底面図である。図15に示すように、プ
ローブ23cは、先端部が先鋭化された略円柱形状を有
する光ファイバ61に対して、金属コート62、二酸化
ケイ素(SiO2)で形成される酸化膜63、絶縁塗料
層67、銀ペースト層68が光ファイバ61の側面にお
いてこの順序に内側から積層されている構造を有してい
る。この光ファイバ61は、コア部61Aとクラッド部
61Bとを有し、中央のコア部61Aの中央部が先鋭化
された後、金属コート62が施される。ここで、先端部
Pには金属コート62が施されておらず、微小開口が存
在する。したがって、この先端部Pに存在する微小開口
から近接場光が浸み出すことが可能となり、先端部Pに
存在する微小開口は近接場光の光学窓として機能する。
【0072】第1実施形態では、光ヘッド2において、
レーザ光源11から出射された光は、所定の光学系20
を介して近接場光学素子23の光学窓へと導かれていた
が、この第3実施形態では、プローブ23cを用いてい
るので、レーザ光源11から出射された光は、光学系2
0によりその方向を変える必要はなく、光ファイバ61
内において近接場光学素子23の光学窓(すなわち上述
の先端部P)へと導かれる。
【0073】また、図15(b)の端面Fは、対象物に
対向する平坦な面であり、この端面Fには、シリコン
(Si)基板64上に設けられた複数の導電体部(導電
体層)として、2つの独立した略矩形状の導電体部27
A,27Bが配置されている。これらの各導電体部27
A,27Bは、その外周側の位置でアルミニウム配線6
6に接続されており、そのアルミニウム配線66は、酸
化膜63と絶縁塗料層67との間に挟まれてコア部61
Aの中心軸に対して平行な方向に伸びており、配線L
A,LBとしての金線69に対してそれぞれ独立に接続
される。そして、これらの各配線LA,LBは、第1実
施形態と同様に、それぞれ、高周波電源28A,28
B、および電流検出用抵抗29A,29Bなどに接続さ
れ、各導電体部27A,27Bは、静電容量検出面とし
て機能する。また、銀ペースト層68に接続される配線
SLは接地されているので、銀ペースト層68はアース
層として機能し、耐ノイズ性能を向上させることができ
る。
【0074】このプローブ23cの端面Fを記録媒体9
に対向させて配置し、複数の導電体部27A,27Bと
記録媒体9との間に生じる各静電容量を検出することに
より、第1実施形態と同様、トラッキング補正動作など
を行うことができる。
【0075】<変形例>上記各実施形態においては、図
6に示すように、記録媒体9のトラッキング層92を接
地し、近接場光学素子23の各導電体部27A,27B
のそれぞれに対して、高周波電源を28A,28Bなど
を用いて電圧を印加したが、これに限定されない。たと
えば、図16に示すように、逆に、近接場光学素子23
の各導電体部27A,27Bのそれぞれを電流検出用抵
抗29A,29Bを介して接地し、記録媒体9のトラッ
キング層92に対して高周波電源28Cを接続して電圧
を印加してもよい。この場合でも、上記各実施形態と同
様、抵抗29A,29Bのそれぞれの両端の端子電圧V
A(地点PA〜アース間電圧),VB(地点PB〜アー
ス間電圧)を比較し、その差を差動増幅器31を用いて
増幅して得られるトラック誤差信号TES(Tracking E
rror Signal)に基づいて、上記の両地点PA,PBに
おける微小電流を比較することができる。
【0076】また、上記各実施形態においては、導電体
部27A,27Bを軸CL1の近傍において軸CL1に
沿って配置していたが、これに限定されず、導電体部2
7A,27Bを所定の距離だけ離間させた状態で、軸C
L1に関して線対称となるようにあるいは微小開口26
に関して点対称となるように配置してもよい。
【0077】上記各実施形態においては、近接場光学素
子23の対向面上に2つの導電体部27A,27Bを設
ける場合について説明したが、これに限定されず、3つ
以上の複数個の導電体部を設けてもよい。
【0078】また、上記実施形態においては、記録媒体
9のトラッキングパターンPTとして、導電体部92
A,92Bのそれぞれが同心円状に形成されている場合
を示したが、これに限定されず、たとえば、導電体部9
2A,非導電体部92Bのそれぞれが螺旋状の形状を有
しており、径方向に導電体部92Aと非導電体部92B
とが交互に配置されるようなトラッキングパターンPT
であってもよい。
【0079】さらに、上記実施形態においては、記録媒
体9として円盤状のものを示したが、そのような形状に
限定されない。たとえば、矩形状の記録媒体(たとえ
ば、カードタイプのもの)でもよい。
【0080】記録媒体9は回転機構部5を介して情報記
録再生装置1に対して着脱自在であるとしたが、情報記
録再生装置1に対して固定されていてもよい。
【0081】また、上記実施形態においては、情報記録
再生装置1として近接場光を用いた装置について説明し
たがこれに限定されない。近接場光以外の通常の光学作
用を用いた光学的な情報記録再生装置であってもよく、
近接場光学素子23の代わりに同様の構成を有する光学
素子を用いてもよい。
【0082】さらに、近接場光を用いることなく、近接
させた(たとえば200nm以下)状態で情報の記録再
生を行う場合においても、同様の光学素子および情報記
録再生装置に本発明を適用することができる。
【0083】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の記録媒
体によれば、トラッキング層において、導電体部と非導
電体部とにより形成されたトラッキングパターンを有し
ているので、記録媒体に記録された情報を検出する側に
導電体部および非導電体部のそれぞれとの間の静電容量
を検出する手段を設ければ、このトラッキングパターン
に基づいて正常位置からのずれを検出することができ
る。特に、従来技術のような振動手段は不要となるの
で、位置ずれを高精度に検出することができる。
【0084】請求項2に記載の記録媒体によれば、記録
媒体の形状が円盤状であり、そのトラッキングパターン
は、それぞれが同心円状または螺旋状の形状を有する導
電体部と非導電体部とを、径方向において交互に配置す
ることにより形成されているので、情報を検出する側に
導電体部および非導電体部のそれぞれとの間の静電容量
を検出する手段により当該静電容量を検出すれば、径方
向の位置ずれを検出することができる。
【0085】請求項3に記載の記録媒体によれば、情報
を記録する記録部は、トラッキング層に対して積層され
て配置される記録層として形成されている。したがっ
て、トラッキング層とは別に積層された記録層において
情報の記録が行われるので、記録層における情報の高密
度化を図ることができる。
【0086】請求項4に記載の記録媒体によれば、トラ
ッキングパターンにおける導電体部の幅と非導電体部の
幅とが同一であるので、有効検出領域を広くとることが
可能になる。
【0087】請求項5に記載の光学素子によれば、導電
体部と非導電体部とにより形成されたトラッキングパタ
ーンを有する記録媒体との間で光学的作用を奏する光学
素子であって、対向面上に設けられた複数の導電体部を
備え、その複数の導電体部は、光を導出または導入する
光学窓に関して点対称または線対称に配置されるので、
位置ずれを容易に検出することができる。
【0088】請求項6に記載の光学素子によれば、光学
素子の各導電体部の幅は、記録媒体のトラッキングパタ
ーンの導電体部と非導電体部との幅に対応する大きさを
有するので、位置ずれ検出を行うことが可能な範囲を広
くすることができる。
【0089】請求項8に記載の情報記録再生装置によれ
ば、光学素子の複数の導電体部のそれぞれと記録媒体と
の間に生じる各静電容量を検出し、検出された各静電容
量を相互に比較することにより記録媒体に対する光学素
子の位置ずれを計測する計測手段と、計測手段による処
理結果に基づいて駆動手段に対して光学素子の位置変更
指令を送出することにより光学素子のトラッキング制御
を行う制御手段と、を備えるので、記録媒体に対するト
ラッキング制御を高精度に行うことができる。特に、従
来技術のような振動手段は不要となるので、トラッキン
グ制御を高精度に行うことができる。
【0090】請求項9に記載の情報記録再生装置によれ
ば、所定の軸に関して2つに区分した複数の導電体部に
対して、計測手段は、一方の区分内に含まれる導電体部
と記録媒体との間の第1の静電容量と、他方の区分内に
含まれる導電体部と記録媒体との間の第2の静電容量と
を比較することにより得られるトラッキング誤差信号に
基づいて、光学素子の所定の軸に直交する方向の位置ず
れを計測するので、容易に位置ずれを計測することがで
きる。
【0091】請求項7に記載の光学素子および請求項1
1に記載の情報記録再生装置によれば、光学素子として
記録媒体に対して近接した状態で記録媒体との間の光相
互作用を近接場光を用いて行う近接場光学素子である場
合にも、所望の位置に対して、高精度の位置決めを行う
ことが可能になる。
【0092】請求項10に記載の情報記録再生装置によ
れば、光学素子を記録媒体に対して200nm以下に近
接させて情報の記録再生を行う場合においても、所望の
位置に対して高精度の位置決めを行うことが可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の情報記録再生装置1を
示す概略図である。
【図2】光学系20の概略構成図である。
【図3】記録媒体9の平面図である。
【図4】記録媒体9の断面図である。
【図5】近接場光学素子23の概略斜視図である。
【図6】近接場光学素子23と記録媒体9とに関する断
面図である。
【図7】近接場光学素子23と記録媒体9とに関する平
面図である。
【図8】近接場光学素子23が正規の位置から径方向右
側にp/2だけずれた位置に存在する場合を示す図であ
る。
【図9】トラック誤差信号TESの増減を示す概念図で
ある。
【図10】幅c=a/4の場合のトラック誤差信号TE
Sの変化を示す図である。
【図11】幅a,b,cについて所定の関係を有する場
合のトラック誤差信号TESの変化を示す図である。
【図12】情報記録再生装置1のトラッキング動作を示
すフローチャートである。
【図13】第2実施形態の光学系20の概略構成図を示
す図である。
【図14】第2実施形態の光学素子(固浸レンズ23
b)を表す図である。
【図15】第3実施形態の光学素子(プローブ23c)
を表す図である。
【図16】本発明の変形例を示す図である。
【図17】従来技術を示す図である。
【符号の説明】
1 情報記録再生装置 2 光ヘッド 3 コントローラ 4 信号処理部 5 回転機構部 9 記録媒体 23,23a,23b,23c 近接場光学素子 26 微小開口 27,27A,27B 導電体部 28A,28B,28C 高周波電源 29A,29B 電流検出用抵抗 31 差動増幅器 91 基板 92 トラッキング層 92A,92A1,92C 導電体部 92B 非導電体部 93 記録層 PT トラッキングパターン

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報を記録するための記録媒体であっ
    て、 情報を記録する記録部と、 導電体部と非導電体部とにより形成されたトラッキング
    パターンを有するトラッキング層と、を備えることを特
    徴とする記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の記録媒体であって、 前記記録媒体は、円盤状の形状を有しており、 前記トラッキングパターンは、それぞれが同心円状また
    は螺旋状の形状を有する前記導電体部と前記非導電体部
    とを、径方向において交互に配置することにより形成さ
    れていることを特徴とする記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の記録媒
    体であって、 前記記録部は、前記トラッキング層に対して積層されて
    配置される記録層として形成されることを特徴とする記
    録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の記録媒体であって、 前記トラッキングパターンにおいて、前記導電体部の幅
    と非導電体部の幅とが同一であることを特徴とする記録
    媒体。
  5. 【請求項5】 導電体部と非導電体部とにより形成され
    たトラッキングパターンを有する記録媒体との間で光学
    的作用を奏する光学素子であって、 光を導出または導入する光学窓を有する光学素子本体
    と、 前記光学窓に対して相対的に固定された位置に規定され
    て、前記記録媒体に対向する対向面と、 前記対向面上に設けられた複数の導電体部と、を備え、 前記複数の導電体部は、前記光学窓に関して点対称また
    は線対称に配置されることを特徴とする光学素子。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の光学素子であって、 前記導電体部の幅は、前記トラッキングパターンの導電
    体部と非導電体部との幅に対応する大きさを有すること
    を特徴とする光学素子。
  7. 【請求項7】 請求項5または請求項6に記載の光学素
    子であって、 前記光学素子は、前記記録媒体に対して近接した状態で
    前記記録媒体との間の光相互作用を近接場光を用いて行
    う近接場光学素子であることを特徴とする光学素子。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載の記録媒体に対して情報の記録および/または読取り
    を行う情報記録再生装置であって、 請求項5または請求項6に記載の光学素子と、 前記光学素子の複数の導電体部のそれぞれと前記記録媒
    体との間に生じる各静電容量を検出し、検出された前記
    各静電容量を相互に比較することにより、前記記録媒体
    に対する前記光学素子の位置ずれを計測する計測手段
    と、 前記記録媒体に対する前記光学素子の位置を変更する駆
    動手段と、 前記計測手段による処理結果に基づいて、前記駆動手段
    に対して前記光学素子の位置変更指令を送出することに
    より前記光学素子のトラッキング制御を行う制御手段
    と、を備えることを特徴とする情報記録再生装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の情報記録再生装置であ
    って、 前記計測手段は、複数の導電体部を所定の軸に関して2
    つに区分し、一方の区分内に含まれる導電体部と前記記
    録媒体との間の第1の静電容量と、他方の区分内に含ま
    れる導電体部と前記記録媒体との間の第2の静電容量と
    を比較することにより得られるトラッキング誤差信号に
    基づいて、前記光学素子の所定の軸に直交する方向の位
    置ずれを計測することを特徴とする情報記録再生装置。
  10. 【請求項10】 請求項8または請求項9に記載の情報
    記録再生装置であって、 前記光学素子を前記記録媒体に対して200nm以下に
    近接させて情報の記録再生を行うことを特徴とする情報
    記録再生装置。
  11. 【請求項11】 請求項8または請求項9に記載の情報
    記録再生装置であって、 前記光学素子は、前記記録媒体に対して近接した状態で
    前記記録媒体との間の光相互作用を近接場光を用いて行
    う近接場光学素子であることを特徴とする光学素子。
JP23806699A 1999-08-25 1999-08-25 記録媒体、光学素子、および情報記録再生装置 Pending JP2001067734A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23806699A JP2001067734A (ja) 1999-08-25 1999-08-25 記録媒体、光学素子、および情報記録再生装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23806699A JP2001067734A (ja) 1999-08-25 1999-08-25 記録媒体、光学素子、および情報記録再生装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001067734A true JP2001067734A (ja) 2001-03-16

Family

ID=17024659

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23806699A Pending JP2001067734A (ja) 1999-08-25 1999-08-25 記録媒体、光学素子、および情報記録再生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001067734A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4328330B2 (ja) データ記録再生装置、データ記録再生方法および記録媒体
US7149180B2 (en) Apparatus for recording information in and/or reproducing information from a ferroelectric recording medium
JP2999282B2 (ja) 記録再生方法及び装置
US6744700B2 (en) Optical output adjusting apparatus based on shortest recording marks
US20060245312A1 (en) Information recording/reading head, and information recording/reproducing device
US20020101680A1 (en) Method and apparatus for positioning a transducer using a phase difference in surface profile variations on a storage medium
US6574068B1 (en) Servo control using continuous position error signal with high order polynomial component
EP0726566B1 (en) Information processing apparatus that has a position drift detector
US6662623B2 (en) Apparatus and method for glide height calibration of disk surfaces by use of dual-zone laser texture
JP3582851B2 (ja) トラッキング制御装置
JP2001067734A (ja) 記録媒体、光学素子、および情報記録再生装置
US6785205B2 (en) Apparatus for controlling eccentricity in photo-record player and control method thereof
US7177110B2 (en) Systems and rotatable media for increasing the usable position error signal (PES) region
JP2976151B2 (ja) 記録媒体とプローブ電極間の位置決め方法
JPH05174515A (ja) 磁気ヘッドの位置決め方法およびその装置
US6414814B1 (en) Method and apparatus for minimizing once per revolution positional errors in single disc servo track writing
US7177109B2 (en) Methods for increasing the usable position error signal (PES) region
JP2001006189A (ja) 近接場光学素子、近接場光学素子の姿勢測定システム、近接場光学素子の姿勢補正方法、近接場光記録装置、および近接場光記録装置の制御方法
JP3056901B2 (ja) 記録再生装置
JPH10149524A (ja) 磁気ディスク装置
JP2000173080A (ja) 光情報記録再生装置
JPH0254415A (ja) 情報信号の磁気記録再生装置
JPH1153851A (ja) 磁気ディスク及び磁気ディスク装置
JPS60143422A (ja) トラツキングサ−ボ信号記録方法および装置
JPH07210924A (ja) 静電容量値の検出用電極と磁気記録再生部とを備えた複合型ヘッド及び記録再生装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20050613