JP2001067613A - 磁気ヘッド作成方法 - Google Patents

磁気ヘッド作成方法

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JP2001067613A
JP2001067613A JP24770299A JP24770299A JP2001067613A JP 2001067613 A JP2001067613 A JP 2001067613A JP 24770299 A JP24770299 A JP 24770299A JP 24770299 A JP24770299 A JP 24770299A JP 2001067613 A JP2001067613 A JP 2001067613A
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magnetic
heat
head
insulating layer
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Teruo Kiyomiya
照夫 清宮
Yuji Uehara
裕二 上原
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速な磁気記録の能力が高い磁気ヘッドを作
成する。 【解決手段】 コイル上にレジスト絶縁層70を形成
し、レジスト絶縁層70上に磁極層41を形成し、レジ
スト絶縁層70および磁極層41を含む積層体10を加
熱してレジスト絶縁層70を収縮させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装置
に用いられる記録用磁気ヘッドの作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの外部記憶装置とし
て用いられる磁気ディスク装置の大容量化が進んでお
り、大容量化に伴って、磁気ディスク装置の記録媒体の
データ記録密度が向上し、記録媒体と記録用磁気ヘッド
との間でのデータ転送速度が高速化している。このた
め、高速な磁気記録が可能な磁気ヘッドが求められてい
る。
【0003】通常磁気ヘッドは、いわゆる薄膜技術を用
いて作成されており、磁気ヘッドの磁極は、ニッケル鉄
(NiFe)合金の膜が電気めっき法などによってめっ
きされることによって形成されている。めっき法によっ
て形成されたNiFe合金の膜には内部応力として引っ
張り応力が生じていることが知られており、このため、
磁極を形成するNiFe合金としては、内部応力による
磁区構造の乱れを回避することを目的として、磁歪が小
さくて内部応力の影響を受け難い、Niが80%でFe
が20%の合金(Ni80Fe20合金)が用いられる
のが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、Ni80Fe
20合金で磁極が形成された磁気ヘッドは、Ni80F
e20合金の飽和磁束密度が1T程度と小さく非抵抗も
20μΩcm程度と小さいため、記録周波数が大きい
と、磁極内での渦電流損失による記録磁界強度の低下に
より記録能力が不足する。
【0005】このため、比抵抗が大きくかつ飽和磁束密
度も大きい、Niの率が35%以上70%以下であるN
iFe合金(高Bs−NiFe合金)を用いることが提
案されている。この高Bs−NiFe合金は、比抵抗が
20〜70μΩcmと大きく、飽和磁束密度も1.3〜
1.6Tと大きいので、高速な磁気記録の能力が高いと
期待される。
【0006】しかし、このような高Bs−NiFe材料
は正磁歪であり、磁歪定数が1〜3×10-5と、Ni8
0Fe20合金に較べて大きいため、めっき膜内部に残
留する引張り応力により、磁極の磁区構造が、本来望ま
しい磁区構造である還流磁区から、「縦割れ」と称され
る、回避すべき磁区構造へと劣化しがちである。この磁
区構造の劣化が原因となって高周波領域での記録能力が
かえって低下してしまい、高Bs−NiFe材料本来の
高いポテンシャルを引き出せないという問題がある。
【0007】本発明は、上記事情に鑑み、高速な磁気記
録の能力が高い磁気ヘッドを作成することができる磁気
ヘッド作成方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の磁気ヘッド作成方法は、コイルを構成する導体層を
形成するコイル形成工程と、熱収縮性の物質からなる熱
収縮層を、導体層よりも積層順で後に積層する熱収縮層
形成工程と、正の磁歪を示す磁性体からなる磁極層を、
熱収縮層よりも積層順で後に積層する磁極層形成工程
と、熱収縮層および磁極層を含む複数の層が積層されて
なる積層体を加熱することによりその熱収縮層を収縮さ
せる熱処理工程とを含むことを特徴とする。
【0009】ここで、上記磁極層上には、その磁極層を
構成している磁性体とは異なる他の磁性体からなる他の
磁極層が積層されてもよい。また、上記磁極層を構成す
る磁性体は正の磁歪を示す磁性体であればよく、NiF
e合金であってもよく、あるいは、NiFe合金をベー
スに種々の元素が添加された、NiFeMo合金等とい
った磁性体であってもよい。また、磁極層の形成方法
は、電気めっき法であってもよく、無電界めっき法であ
ってもよく、スパッタ法や蒸着法であってもよい。
【0010】また、上記導体層は、単層コイルを構成す
るものであってもよく、あるいは多層コイルを構成する
ものであってもよい。
【0011】本発明の磁気ヘッド作成方法によれば、熱
処理工程によって熱収縮層が収縮するので、磁極層の内
部応力が圧縮応力となり、磁極層の磁区構造が改善す
る。その結果、高速な磁気記録が可能な磁気ヘッドが作
成される。
【0012】また、本発明の磁気ヘッド作成方法におけ
る熱処理工程は外部磁場を必要とせず、無磁場中の熱処
理であっても磁区構造が改善されるので、本発明の磁気
ヘッド作成方法は、スピンバルブを磁気抵抗効果(ma
gnetoresistive:MR)膜として用いる
MRヘッドにも適用することができる。
【0013】本発明の磁気ヘッド作成方法では、上記磁
極層を構成する磁性体は、ニッケルの比率が重量パーセ
ントで35%以上70%以下の、ニッケルと鉄との合金
であることが望ましい。
【0014】ニッケルの比率が重量パーセントで35%
以上70%以下のNiFe合金は、正の磁歪を示すとと
もに磁歪定数が1〜3×10-5であるので、このNiF
e合金からなる磁極層の磁区構造は熱処理工程によって
確実に改善される。
【0015】また、このような合金を用いる本発明の磁
気ヘッド作成方法は、上記熱処理工程が、熱収縮層の厚
さを1%以上収縮させるものであることが望ましく、さ
らには、上記熱処理工程が、熱収縮層の厚さを2%以上
収縮させるものであることがより望ましい。
【0016】熱処理工程で熱収縮層の厚さを1%以上収
縮させることにより磁極層の磁区構造を確実に改善する
ことができる。また、熱収縮層の厚さを2%以上収縮さ
せることにより磁極層の異方性磁界を4Oeよりも大き
くすることができ、高速な磁気記録を行う際に生じる、
磁界と自発磁化との間の自然共鳴を防止することができ
る。
【0017】また、本発明の磁気ヘッド作成方法は、上
記熱収縮層形成工程が、熱収縮層として、上記導体層を
覆う熱収縮性の絶縁体からなる絶縁層を形成するもので
あることが望ましく、さらには、上記絶縁体が、熱硬化
性のレジストであって、上記熱収縮層形成工程が、上記
導体層にレジストを塗布し、塗布されたレジストを所定
温度で加熱することによりレジスト絶縁層を形成するも
のであることが好適である。
【0018】磁気ヘッドは、コイルを構成する導体層を
覆う絶縁層を有しており、その絶縁層上に磁極層が積層
されている。この絶縁層を、熱収縮層として形成するこ
とにより、磁気ヘッド構造の複雑化を避けることができ
る。また、導体層を覆う絶縁層は一般にレジストで形成
されており、熱硬化性のレジストは熱収縮性も示すこと
が知られている。このためレジスト絶縁層を熱収縮層と
して利用することができ、これにより本発明の磁気ヘッ
ド作成方法を容易に実現することができる。
【0019】このようなレジスト絶縁層を熱収縮層とし
て利用する場合には、上記熱収縮層形成工程が、180
℃以上300℃以下の温度でレジストを加熱するもので
あることが好ましく、また、上記熱処理工程が、200
℃以上350℃以下の温度で上記積層体を加熱するもの
であることも好ましい。
【0020】上記熱収縮層形成工程でレジストを180
℃未満の温度で加熱した場合には、レジストの強度が不
足し、スライダなどを作成するプロセスでクラックを生
じるおそれがある。一方、上記熱収縮層形成工程でレジ
ストを300℃よりも高い温度で加熱した場合には、熱
処理工程でのレジスト絶縁層の収縮が不十分となる。
【0021】また、上記熱処理工程で上記積層体を20
0℃未満の温度で加熱した場合にはレジスト絶縁層の収
縮は不十分となり、350℃よりも高い温度で加熱した
場合には磁気ヘッドに損傷を与える可能性が高い。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0023】図1は、本発明の磁気ヘッド作成方法を適
用して作成する磁気ヘッドの一例を示す図である。
【0024】この図1にはインダクティブヘッド10の
構造が示されている。また、MRヘッドは、この図1に
示されるインダクティブヘッド10と同等な記録ヘッド
と、外部磁界に応じて磁性薄膜の電気抵抗が変化する磁
気抵抗効果を利用した再生ヘッドが組み合わされて構成
される。そして、本発明の磁気ヘッド作成方法は、イン
ダクティブヘッドの作成およびMRヘッドの記録ヘッド
の作成の双方に適用される。以下、インダクティブヘッ
ドの構造について説明するインダクティブヘッド10
は、薄膜形成と、フォトエッチングによる微細加工とを
用いる薄膜技術により基板20上に形成され、記録磁界
を発生させる平面スパイラルコイル30と、記録磁界の
磁束を導く磁極40とを備えている。ここには2層の平
面スパイラルコイル30が示されており、磁極40は上
部磁極41と下部磁極42で構成されている。このコイ
ル30に電流が流されることによって記録磁界が発生
し、発生した記録磁界の磁束は磁極40に導かれて、上
部磁極41と下部磁極42とのギャップ43から外部に
漏れる。そして、漏れた磁束によって磁気記録媒体に情
報が記録される。磁極40の先端部の幅が即ちトラック
幅であり、ハードディスク装置の面記録密度が向上する
のに伴ってトラック幅は狭くなる。
【0025】次に、このインダクティブヘッド10を本
発明の磁気ヘッド作成方法の一実施形態で作成する手順
を説明する。
【0026】図2〜図8は、インダクティブヘッドの作
成手順の説明図である。
【0027】まず下部磁極層42を基板20上に形成す
る(図2)。基板20としては、一般的に、スライダ材
料として適したAl23−TiC基板が用いられる。
【0028】次に、下部磁極層42上にAl23等の非
磁性膜50をギャップ長に相当する厚さだけスパッタ法
などで成膜する(図3)。この時、下部磁極層42の表
面のうち、後で形成する上部磁極層と接する部分42a
には非磁性膜50を成膜しない。
【0029】次に、コイル形成領域にフォトレジスト6
0を塗布し、加熱硬化させる(図4)。硬化したフォト
レジスト60はそれ自体が絶縁層として用いられる。
【0030】この絶縁層60上に、コイルを構成する銅
の層(導体層)30を積層する(図5)。そして、この
導体層30上にフォトレジストを再び塗布し加熱硬化さ
せて絶縁層70を形成し(図6)、その絶縁層70上に
上部磁極層41を形成する(図7)。これにより、本発
明にいう積層体に相当するインダクティブヘッド素子1
0が作成される。そして、インダクティブヘッド素子1
0を基板20ごと加熱して絶縁層70を収縮させること
により上部磁極層41の磁区構造を改善する。一旦硬化
したレジスト絶縁層70でも、再度熱処理を加えるとレ
ジストが収縮するため、この収縮により上部磁極層41
に圧縮応力を発生させ、これにより上部磁極層41の磁
区構造を還流磁区に改善することができる。
【0031】その後、インダクティブヘッド素子10上
に、基板20をスライダに加工する際の衝撃等からヘッ
ド素子10を保護するAl23の保護膜80を形成し、
さらに、基板20の切断、ギャップ深さの調整、研削、
研磨などというスライダ加工を行い、磁気ヘッドとして
仕上げる(図8)。これにより、高速な磁気記録の能力
が高い磁気ヘッドが作成される。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0033】第1実施例では、磁気ヘッドの絶縁層およ
び磁極層のモデルとして、ストライプ状のレジスト絶縁
層と、レジスト絶縁層に直交するストライプ状のめっき
膜とを形成した。
【0034】図9は、ストライプ状のレジスト絶縁層と
めっき膜の正面図であり、図10は側面図である。
【0035】先ず基板上に幅100μm厚さ約10μm
のストライプ状のレジスト絶縁層71を形成した。形成
されたレジスト絶縁層71の断面はレンズ型である。レ
ジスト絶縁層71は、以下の表1に示す4種類の試料そ
れぞれを用いて作成した。
【0036】
【表1】
【0037】表1の左欄には試料名が示されており、中
央の欄にはレジストの種類とレジスト膜形成時における
基板の回転数が示されており、右欄にはレジストの硬化
条件が示されている。例えば、試料Bは、「AZP46
20」という種類のレジストを基板上に塗布した後、基
板を1分間に1500回転させて成膜し、ストライプ状
に露光して現像した後、230℃の大気中で1時間加熱
し、更に、230℃の窒素雰囲気中で窒素を1分間に1
0リットル流しながら1時間加熱して作成した。
【0038】図9に戻って説明を続ける。
【0039】表1に示す4種類の試料A,B,C,Dそ
れぞれのレジスト絶縁層71の上に、Niが50%でF
eが50%であるNiFe合金を、約500Oeの磁界
中で、レジスト絶縁層71に対して直交するように長さ
8mmに亘ってストライプ状にめっきしてめっき膜44
を作成した。めっき膜44の厚さは約3μmであり、め
っき膜44の幅は、30μm、50μm、100μmの
3種類を形成した。このように形成した直後のめっき膜
44の磁区構造をビッター法で観察した。
【0040】また、レジスト絶縁層71およびめっき膜
44を所定条件下で加熱し、加熱後のめっき膜44の磁
区構造もビッター法で観察した。
【0041】図11(A)〜図11(F)は、観察され
た磁区構造の類型を示す図である。
【0042】これらの図11(A)〜図11(F)に示
す矢印Mの方向が記録磁界の方向に相当する。尚、めっ
き膜44を作成した時の印加磁界の方向は矢印Mと直交
する方向である。
【0043】図11(A)および図11(B)には、記
録磁界の方向に磁壁90が走る、「縦割れ」と称される
磁区構造が示されている。このような磁区構造では、磁
化の反転速度が遅いため、このような磁区構造を有する
磁極は、高速な磁気記録の能力が低い。
【0044】図11(C)および図11(D)には、磁
壁90が短くて磁区が入り組んだ磁区構造が示されてい
る。このような磁区構造は「縦割れ」の磁区構造よりは
ましな磁区構造であり、図11(C)および図11
(D)に示すような磁区構造を有する磁極の、高速な磁
気記録の能力は、「縦割れ」の磁区構造を有する磁極の
能力よりも高い。
【0045】図11(E)および図11(F)には、記
録磁界の方向とは直交する方向の磁壁90が長い磁区構
造が示されており、特に図11(F)に示す磁区構造は
「還流磁区」と称される磁区構造である。図11(E)
および図11(F)に示すような磁区構造の場合は、磁
化回転が可能であるため、磁化の反転速度が速い。この
ため、図11(E)および図11(F)に示すような磁
区構造を有する磁極は、高速な磁気記録の能力が高い。
【0046】以下に示す表2は、図9および図10に示
すストライプめっき膜44の磁区構造を観察した結果を
示す表である。
【0047】
【表2】
【0048】表2の左端の欄にはレジスト絶縁層71の
試料名が示されており、「ストライプ幅」欄には、スト
ライプ状のめっき膜44の幅が示されている。また、こ
の表2には、レジスト絶縁層71の各試料上に形成され
た各ストライプ幅のめっき膜44について、めっき直後
と、無磁場の真空中で200℃で1時間加熱した後と、
更に250℃で1時間加熱した後と、また更に275℃
で1時間加熱した後とのそれぞれについて磁区構造を観
察した結果が示されている。表2中のマーク「×」,
「(×)」,「△」,「○」は、磁区構造の観察結果を
表しており、マーク「×」は図11(A)に示す磁区構
造が観察されたことを表している。同様に、マーク
「(×)」,「△」,「○」は、それぞれ、図11
(B),図11(C)および図11(D),図11
(E)および図11(F)に示す磁区構造が観察された
ことを表している。
【0049】表2に示す観察結果から、めっき直後の磁
区構造はいずれも「縦割れ」であり、200℃での熱処
理後には一部の試料について磁区構造の改善傾向が現
れ、275℃での熱処理後には、殆どの試料で望ましい
磁区構造が実現することが分かった。
【0050】このように、めっき膜形成後の加熱処理に
よって磁区構造が十分に改善されることが分かった。
【0051】次に、絶縁層71の膜厚変化と磁区構造の
改善との関係について説明する。
【0052】図12は、ストライプ絶縁層の膜厚変化を
示すグラフである。
【0053】この図12の縦軸は、熱処理により絶縁層
の膜厚が収縮した量を、形成直後の絶縁層の膜厚を10
0%として示しており、横軸は熱処理温度を示してい
る。また、試料Aについての膜厚変化は、菱形のマーク
が付された折れ線グラフG1で示されており、試料B,
C,Dについての膜厚変化は、それぞれ、四角、三角、
丸のマークが付された折れ線グラフG2,G3,G4で
示されている。
【0054】200℃での熱処理後の膜厚は、4種類の
試料A,B,C,Dのいずれについても絶縁層形成時と
殆ど変わらなかった。また、300℃での熱処理後の膜
厚を絶縁層形成時の膜厚と比較すると、試料Aは約2.
7%収縮し、試料Bは約4%、試料Cは約8%、試料D
は約9.2%収縮した。
【0055】更に、表2に示す観察結果と図12のグラ
フとを併せて検討すると、試料Aについては、250℃
の熱処理で膜厚が約0.8%収縮したが磁区構造は改善
されず、275℃の熱処理で膜厚が約1.1%収縮し磁
区構造の改善傾向が観察された。試料Bについては、2
50℃の熱処理で膜厚が約0.8%収縮したが磁区構造
は改善されず、275℃の熱処理で膜厚が約2%収縮し
磁区構造が改善された。試料Cおよび試料Dについて
は、250℃の熱処理で膜厚が約1.5%および約3.
3%収縮し磁区構造が改善された。
【0056】これらの検討結果から、絶縁層の膜厚が1
%以上収縮するとめっき膜の磁区構造が改善されること
が分かった。
【0057】ところで、めっき膜の異方性磁界が小さい
と、自発磁化と記録磁界との間で自然共鳴を生じて高速
の磁気記録の能力が低くなることが知られている。そこ
で、上記各試料上のめっき膜の異方性磁界を調べたとこ
ろ、膜厚が2%以上収縮するとめっき膜の異方性磁界が
4Oe以上となって自然共鳴が防止されることが分かっ
た。
【0058】以上で第1実施例についての説明を終了
し、以下では第2実施例について説明する。
【0059】第2実施例では、スピンバルブをMR膜と
して用いたMRヘッドを、本発明の磁気ヘッド作成方法
を用いて作成した。
【0060】以下に示す表3は、第2実施例で作成した
MRヘッドの諸元を示す表である。
【0061】
【表3】
【0062】ここでヨーク長とは、上部磁極が絶縁層を
跨いでいる距離のことであり、キャップ長とは、磁極の
先端において上部磁極と下部磁極が離れている距離のこ
とである。第2実施例で作成したMRヘッドのコイルは
単層のスパイラルコイルであり、コイルの巻数は10回
である。
【0063】この表3に示す諸元のMRヘッド素子をウ
ェハ上に形成した後、そのウェハを無磁場の真空中で2
00℃1時間の熱処理を施した。また、比較例として、
熱処理を施さないウェハも用意した。そして、第2実施
例と比較例とのそれぞれで作成されたMRヘッドの上部
磁極の磁区構造をビッター法で観察した。
【0064】図13および図14は、MRヘッドの上部
磁極の磁区構造を観察した結果を示す図であり、図13
には比較例で作成されたMRヘッドの観察結果が示さ
れ、図14には第2実施例で作成されたMRヘッドの観
察結果が示されている。また、図13および図14の縦
方向が記録磁界の方向である。
【0065】図13に示すように、比較例で作成された
MRヘッドの磁極45では、記録磁界の方向を向いた矢
印状の磁壁91が観察され、比較例で作成されたMRヘ
ッドでの磁区構造は「縦割れ」であることが分かった。
【0066】また、図14に示すように、第2実施例で
作成されたMRヘッドの磁極46では、記録磁界に対し
て直交する方向に走る磁壁92が観察され、第2実施例
で作成されたMRヘッドでの磁区構造は還流磁区に改善
されていることが分かった。
【0067】このように作成されたMRヘッドを用い
て、毎分7200回転している円盤状の、保磁力が22
00OeでありBr・t(残留磁化と膜厚との積)が8
0Gμmである磁気記録媒体上の、中心から36.8m
mの円周上に記録電流30mAでデータを記録した。そ
して、記録されたデータを4mAの検出電流を用いて検
出することにより記録能力を測定した。
【0068】図15は、記録能力の測定結果を示すグラ
フである。
【0069】この図15の横軸は磁気記録の周波数を示
しており、縦軸は、スピンバルブヘッドによる読み出し
出力を示している。
【0070】菱形のマークが付されたグラフG5は、比
較例で作成された、熱処理無しのMRヘッドの記録能力
を示しており、三角のマークが付されたグラフG6は、
第2実施例で作成された、熱処理有りのMRヘッドの記
録能力を示している。これらのグラフG5,G6から、
熱処理有りのMRヘッドの記録能力の方が熱処理無しの
MRヘッドの記録能力よりも、特に高周波領域で優れて
いることが分かる。
【0071】
【発明の効果】本発明の磁気ヘッド作成方法によれば、
高速な磁気記録の能力が高い磁気ヘッドを作成すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気ヘッド作成方法を適用して作成す
る磁気ヘッドの一例を示す図である。
【図2】インダクティブヘッドを作成する第1の手順を
示す図である。
【図3】インダクティブヘッドを作成する第2の手順を
示す図である。
【図4】インダクティブヘッドを作成する第3の手順を
示す図である。
【図5】インダクティブヘッドを作成する第4の手順を
示す図である。
【図6】インダクティブヘッドを作成する第5の手順を
示す図である。
【図7】インダクティブヘッドを作成する第6の手順を
示す図である。
【図8】インダクティブヘッドを作成する第7の手順を
示す図である。
【図9】ストライプ状のレジスト絶縁層とめっき膜の正
面図である。
【図10】ストライプ状のレジスト絶縁層とめっき膜の
側面図である。
【図11】観察された磁区構造の類型を示す図である。
【図12】ストライプ絶縁層の膜厚変化を示すグラフで
ある。
【図13】比較例で作成されたMRヘッドの上部磁極の
磁区構造の観察結果を示す図である。
【図14】第2実施例で作成されたMRヘッドの上部磁
極の磁区構造の観察結果を示す図である。
【図15】記録能力の測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10 インダクティブヘッド 20 基板 30 平面スパイラルコイル(導体層) 40,45,46 磁極 41 上部磁極 42 下部磁極 43 ギャップ 44 めっき膜 50 非磁性膜 60,70,71 フォトレジスト(絶縁層) 80 保護膜 90,91,92 磁壁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイルを構成する導体層を形成するコイ
    ル形成工程と、 熱収縮性の物質からなる熱収縮層を、前記導体層よりも
    積層順で後に積層する熱収縮層形成工程と、 正の磁歪を示す磁性体からなる磁極層を、前記熱収縮層
    よりも積層順で後に積層する磁極層形成工程と、 前記熱収縮層および前記磁極層を含む複数の層が積層さ
    れてなる積層体を加熱することにより該熱収縮層を収縮
    させる熱処理工程とを含むことを特徴とする磁気ヘッド
    作成方法。
  2. 【請求項2】 前記磁極層を構成する磁性体は、ニッケ
    ルの比率が重量パーセントで35%以上70%以下の、
    ニッケルと鉄との合金であることを特徴とする請求項1
    記載の磁気ヘッド作成方法。
  3. 【請求項3】 前記熱処理工程が、前記熱収縮層の厚さ
    を1%以上収縮させるものであることを特徴とする請求
    項1記載の磁気ヘッド作成方法。
  4. 【請求項4】 前記熱収縮層形成工程が、前記導体層に
    熱硬化性のレジストを塗布し、塗布されたレジストを所
    定温度で加熱することにより、前記熱収縮層としてレジ
    スト絶縁層を形成するものであることを特徴とする請求
    項1記載の磁気ヘッド作成方法。
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