JP2001066432A - 偏光子保護フィルム - Google Patents

偏光子保護フィルム

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JP2001066432A
JP2001066432A JP23955999A JP23955999A JP2001066432A JP 2001066432 A JP2001066432 A JP 2001066432A JP 23955999 A JP23955999 A JP 23955999A JP 23955999 A JP23955999 A JP 23955999A JP 2001066432 A JP2001066432 A JP 2001066432A
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JP
Japan
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film
polyester
polarizer
protective film
resistant layer
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JP23955999A
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English (en)
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Masashi Inagaki
昌司 稲垣
Kimihiro Izaki
公裕 井崎
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Mitsubishi Polyester Film Corp
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Mitsubishi Polyester Film Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偏光子のクロスニコル状態での消光状態に影
響を与えることがなく、耐摩耗性、光線透過率に優れる
偏光子保護フィルムを提供する。 【解決手段】 主配向軸がMD方向に対して実質的に9
0度であるポリエステルフィルムの片面に耐摩耗性層を
有することを特徴とする偏光子保護フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏光子の表面に貼
着して使用される、偏光子の保護フィルムに関するもの
であり、詳しくは、偏光子の表面に粘着剤等を介して貼
着することにより、偏光板を作成するために使用される
偏光子の保護フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、液晶表示板等に使用される偏光板
は、偏光子の両面に保護膜が積層された3層構造となっ
ている。偏光子としては、一軸配向ポリビニルアルコー
ルにヨウ素および/または二色性染料を吸着させたもの
が一般的に使用され、また、偏光子の保護フィルムとし
ては、セルローストリアセテート(TAC)フィルムが
平面性、光線透過性、無配向性等に優れた特性を有して
いるので、一般的に使用されている。
【0003】セルローストリアセテート(TAC)フィ
ルムの製膜方法としては、バンドまたはドラム上にドー
プを流延し剥ぎ取った後、これを乾燥する、いわゆる、
溶液製膜法が一般的に行われている。しかしながら、こ
の方法では、製膜速度が遅いことが問題となり、米国特
許第2607704号および2739069号におい
て、バンドまたはドラム上からできるだけ速くドープを
剥ぎ取り、剥ぎ取ったドープ膜の両面から高温で乾燥さ
せるために、ドープ濃度を高めたり、溶剤を選定し、バ
ンドまたはドラム上のドープのゲル化を速めることが提
案されている。
【0004】しかしながら、これらの方法では、ドープ
の粘度が高くなって流動性が悪化する。高濃度のドープ
を高速で流延ダイから押し出した場合、メルトフラクチ
ャー現象によりフィルムの表面状態がシャークスキン
(鮫肌)と呼ばれる、平面性が極度に悪化したものにな
る場合があった。メルトフラクチャー現象によるシャー
クスキンを解消する方法として、特開昭56−1626
17号公報には、ドープの両側に低濃度ドープを共流延
し、高濃度ドープを包み込みながら流延する方法が提案
されている。しかしながら、共流延方法は、メルトフラ
クチャー現象を防止するには好ましいものであるが、ド
ープ調整工程、ドープ輸送工程等が複数必要となり、設
備的に煩雑となり、問題である。
【0005】さらに、この問題を解決する手段として、
特開平7−32391号公報において、ドープ温度、ダ
イ温度、ダイリップ温度をそれぞれコントロールし、ド
ープの常圧における沸点をある範囲とすることにより、
セルローストリアセテート(TAC)フィルムを製造す
る方法が記載されている。一方、ポリエステルフィルム
は平面性、光線透過性、機械的特性、熱的特性等に優れ
るものの、特に二軸配向されたポリエステルフィルムに
おいては、複屈折を有し、その主配向軸がフィルム面内
で一定方向に存在しないために、偏光子の保護フィルム
としては、ほとんど使用されていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その解決課題は、偏光子のク
ロスニコル状態での消光状態に影響を与えることがな
く、耐摩耗性、光線透過率に優れる偏光子保護フィルム
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み鋭意検討した結果、特定のフィルムによれば、上
記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完
成するに至った。すなわち、本発明の要旨は、主配向軸
がMD方向に対して実質的に90度であるポリエステル
フィルムの片面に耐摩耗性層を有することを特徴とする
偏光子保護フィルムに存する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の保護フィルムは、フィルムの主配向軸が、MD
(フィルム縦方向)方向に対して実質的に90度である
ポリエステルフィルムの一方の表面に耐摩耗性層が設け
られた積層フィルムからなり、偏光子の表面に粘着剤等
を介して貼着して使用される。そして、本発明の好まし
い態様においては、耐摩耗性層が設けられた他方の表面
に粘着層が設けられ、粘着層の表面に離型フィルムが積
層される。
【0009】本発明において、フィルムの主配向軸が、
MD方向に対して実質的に90度であるということは、
フィルムの主配向軸が、MD方向に対して70〜90
度、好ましくは80〜90度、さらに好ましくは85〜
90度に存在することを示している。フィルムの主配向
軸がMD方向に対して実質的に90度でない場合、偏光
板としてクロスニコル状態に配置したときに、消光状態
が阻害され、光干渉色が発生するので好ましくない。
【0010】本発明において、ポリエステルフィルムと
は、いわゆる押出法に従い押出口金から溶融押出しされ
たシートを延伸して配向させたフィルムである。上記の
フィルムを構成するポリエステルとは、芳香族ジカルボ
ン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるポリ
エステルを指す。芳香族ジカルボン酸としては、テレフ
タル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げら
れ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとして
は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチ
レン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PE
N)等が例示される。
【0011】上記のポリエステルは、第三成分を含有し
た共重合体であってもよい。共重合ポリエステルのジカ
ルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレ
フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン
酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、P−オキ
シ安息香酸など)が挙げられ、グリコール成分として、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール、ネオペンチルグリコール等が挙げられ
る。これらのジカルボン酸成分およびグリコール成分
は、二種以上を併用してもよい。
【0012】本発明においては、その取扱性を考慮し、
透明性を損なわない条件でフィルムに粒子を含有させる
ことが好ましい。粒子としては、例えば、二酸化ケイ
素、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、二酸化チタ
ン、カオリン、タルク、ゼオライト、フッ化リチウム、
硫酸バリウム、カーボンブラック、特公昭59−521
6号公報に記載されているような耐熱性高分子微粉体な
どが挙げられる。これらの粒子は、2種以上を併用して
もよい。粒子の平均粒径は、通常0.02〜2μm、好
ましくは0.05〜1.5μm、さらに好ましくは0.
05〜1μmである。粒子の含有量は、通常0.01〜
2重量%、好ましくは0.02〜1重量%である。
【0013】フィルムに粒子を含有させる方法として
は、公知の方法を採用し得る。例えば、ポリエステル製
造工程の任意の段階で粒子を添加することができる。特
に、エステル化の段階またはエステル交換反応終了後重
縮合反応開始前の段階において、エチレングリコール等
に分散させたスラリーとして添加し、重縮合反応を進め
るのが好ましい。また、ベント付混練押出機を使用し、
エチレングリコールまたは水に粒子を分散させたスラリ
ーとポリエステル原料とをブレンドする方法、混練押出
機を使用し、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブ
レンドする方法なども採用し得る。
【0014】フィルムの製造は、押出法に従い押出口金
から溶融押出しされたシートを縦および横方向の二軸方
向に延伸して配向させる方法によって行われる。押出法
においては、ポリエステルを押出口金から溶融押出し、
冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る。この場
合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷
却ドラムとの密着性を高める必要があり、静電印加密着
法または液体塗布密着法が好ましく採用される。
【0015】本発明においては、フィルムの主配向軸
が、MD方向に対して実質的に90度であるポリエステ
ルフィルムの延伸配向方法については特に限定されるも
のではないが、逐次二軸延伸法、同時二軸延伸法等が採
用される。逐次二軸延伸法としては、前記の未延伸シー
トを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により
延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましく
は80〜110℃であり、延伸倍率は、通常2.5〜7
倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の
延伸方向と直交する方向に延伸を行う。延伸温度は、通
常70〜120℃、好ましくは80〜115℃であり、
延伸倍率は、通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6
倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度
で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延
伸配向フィルムを得る。
【0016】逐次二軸延伸に際して、縦方向に対して横
方向の延伸倍率を同等か、あるいは高く設定することに
より、得られるフィルムの流れ方向(MD方向)に対し
て、直交する方向のフィルム幅全体の中央付近は、主配
向軸が、MD方向に対して実質的に90度になる。上記
の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方
法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向
の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好
ましい。また、必要に応じて熱処理を行う前または後に
再度縦および/または横方向に延伸してもよい。
【0017】同時二軸延伸法としては、前記の未延伸シ
ートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃
で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向
に同時に延伸し配向させる方法で、延伸倍率としては、
面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに
好ましくは10〜20倍である。そして、引き続き、1
70〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩
下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。
【0018】同時二軸延伸に際して、縦方向に対して横
方向の延伸倍率を高く設定することにより、フィルムの
主配向軸が、MD方向に対して実質的に90度になる。
本発明において、フィルム厚さは特に限定されるもので
はないが、通常5〜150μm、好ましくは10〜10
0μm、さらに好ましくは25〜75μmである。フィ
ルムの厚さが5μm未満の場合は、偏光子の表面保護性
が低下する恐れがあり、耐摩耗性層形成工程や粘着層形
成工程における取扱性なども悪くなる傾向がある。ま
た、フィルムの厚さが150μmを超える場合は、可撓
性の低下、全光線透過率の低下により、保護フィルムと
しての取り扱い作業性や光学的評価を伴う検査を行う場
合等に支障を来す場合がある。
【0019】本発明のフィルムの耐摩耗性層を構成する
材料としては、例えば、各種の架橋性樹脂、金属酸化
物、硬質炭素材料などが挙げられるが、通常は、架橋性
樹脂が好適に使用される。架橋性樹脂の具体例として
は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹
脂、エポキシ系樹脂、有機シリケート系樹脂のほか、含
ケイ素化合物と含フッ素化合物との共重合体樹脂などが
挙げられる。
【0020】本発明においては、生産性などの観点か
ら、活性エネルギー線硬化樹脂が好適に使用される。活
性エネルギー線硬化樹脂としては、不飽和ポリエステル
系樹脂、アクリル系樹脂、付加重合系樹脂、チオール・
アクリルのハイブリッド系樹脂、カチオン重合系樹脂、
カチオン重合とラジカル重合のハイブリッド系樹脂など
が挙げられる。これらの中では、硬化性、耐擦傷性、表
面硬度、可撓性および耐久性などの点でアクリル系樹脂
が好ましい。
【0021】上記のアクリル系樹脂は、活性エネルギー
線重合成分としてのアクリルオリゴマーと反応性希釈剤
とを含有する。そして、必要に応じ、光重合開始剤、光
重合開始助剤、改質剤などを含有する。アクリルオリゴ
マーとしては、代表的には、アクリル系樹脂骨格に反応
性のアクリロイル基またはメタアクリロイル基が結合さ
れたオリゴマーが挙げられる。その他のアクリルオリゴ
マーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、エ
ポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリ
レート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、シリコ−
ン(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アク
リレート等が挙げられる。さらに、剛直な骨格であるア
クリロイル基またはメタアクリロイル基に、メラミン、
イソシアヌール酸、環状ホスファゼン等が結合したオリ
ゴマーが挙げられる。
【0022】反応性希釈剤は、塗布剤の媒体として塗布
工程での溶剤の機能を担うとともに、それ自体が多官能
性または単官能性のアクリルオリゴマーと反応する基を
有するため、塗膜の共重合成分となる。反応性希釈剤の
具体例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリ
レート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリ
レート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリ
レート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、プロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(メタ)ア
クリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、(メ
タ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等
が挙げられる。
【0023】光重合開始剤としては、例えば、2,2−
エトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン、ジベンゾイル、ベンゾイン、ベンゾ
インメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベン
ゾインイソプロピルエーテル、p−クロロベンゾフェノ
ン、p−メトキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ア
セトフェノン、2−クロロチオキサントン、アントラキ
ノン、フェニルジスルフィド、2−メチル−[4−(メ
チルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパ
ノン等が挙げられる。
【0024】光重合開始助剤としては、トリエチルアミ
ン、トリエタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノ
ール等の3級アミン、トリフェニルホスフィン等のアル
キルホスフィン、β−チオジグリコール等のチオエーテ
ル等が挙げられる。改質剤としては、帯電防止剤、塗布
性改良剤、消泡剤、増粘剤、無機系粒子、有機系粒子、
潤滑剤、有機高分子、染料、顔料、安定剤などが挙げら
れる。これらは、活性エネルギー線による反応を阻害し
ない範囲で使用され、活性エネルギー線硬化樹脂層の特
性を用途に応じて改良することができる。活性エネルギ
ー線硬化樹脂層の組成物には、塗工時の作業性向上、塗
工厚さのコントロールのため、有機溶剤を配合すること
ができる。
【0025】本発明において、耐摩耗性層中には紫外線
吸収剤が含有されていることが好ましい。紫外線吸収剤
は、液晶表示板の液晶等の紫外線による劣化を防止する
ために配合される。耐摩耗性層中に含有される紫外線吸
収剤としては、有機系紫外線吸収剤および無機系紫外線
吸収剤が挙げられる。
【0026】有機系紫外線吸収剤としては、サリチル酸
系、例えば、フェニルサリチレート、p−t−ブチルフ
ェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレー
ト等、ベンゾフェノン系、例えば、2−ヒドロキシ−4
−ベンジルオキシベンゾフェノン、2,4ジヒドロキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−オクトキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノ
ン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン、2−2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ
ベンゾフェノン等、ベンゾトリアゾール系、例えば、2
−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)
−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’
−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−
ヒドロキシ−3’5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−
ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’5’−ジ−
t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
等、天然物系、例えば、オリザノール、シアバター、バ
イカリン等、生体系、例えば、角質細胞、メラニン、ウ
ロカニン酸等が挙げられる。これらの有機系紫外線吸収
剤は1種類、または、2種類以上併用して用いることが
できる。これらの有機系紫外線吸収剤には紫外線安定剤
として、ヒンダードアミン系化合物を併用することがで
きる。
【0027】無機系紫外線吸収剤としては、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫、タルク、カオ
リン、炭酸カルシウム、酸化チタン系複合酸化物、酸化
亜鉛系複合酸化物、ITO(錫ドープ酸化インジウ
ム)、ATO(アンチモンドープ酸化錫)等が挙げられ
る。酸化チタン系複合酸化物としては、例えば、シリ
カ、アルミナをドープした酸化チタン等が挙げられ、
酸化亜鉛系複合酸化物としては、例えば、アルミニウム
をドープした酸化亜鉛等が挙げられる。これらの無機系
紫外線吸収剤は1種類、または、2種類以上併用して用
いることができる。また、有機系紫外線吸収剤と無機系
紫外線吸収剤とを併用してもかまわない。
【0028】本発明において、耐摩耗性層の形成は、フ
ィルムの一方の表面に硬化性樹脂組成物を塗布して硬化
させる方法により行われる。塗布方法としては、リバー
スロールコート法、グラビアロールコート法、ロッドコ
ート法、エアーナイフコート法などを採用し得る。塗布
された硬化性樹脂組成物の硬化は、例えば、活性エネル
ギー線や熱により行われる。活性エネルギー線として
は、紫外線、可視光線、電子線、X線、α線、β線、γ
線などが使用される。熱源としては、赤外線ヒーター、
熱オーブン等が使用される。活性エネルギー線の照射
は、通常、塗布層側から行うが、フィルムとの密着を高
めるため、塗布層の反対面側から行ってもよい。必要に
応じ、活性エネルギー線を反射し得る反射板を利用して
もよい。活性エネルギー線により硬化された皮膜は、特
に耐摩耗性が良好である。
【0029】耐摩耗性層の塗布量は、通常0.1〜10
g/m2 、好ましくは0.2〜5g/m2 の範囲であ
る。塗布量が0.1g/m2 未満の場合は、耐摩耗性が
低下する傾向があり、10g/m2 を超える場合は、耐
摩耗性層の硬化収縮が大きくなり、フィルムが耐摩耗性
層側にカールすることがある。本発明において、保護フ
ィルムの全光線透過率が85%以上、さらには90%以
上であることが好ましい。全光線透過率が85%未満の
場合には、例えば、液晶表示板等の構成部材として使用
された時に、色相、輝度、明度、コントラスト等が低下
することがある。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、実施例および比
較例中「部」とあるのは「重量部」を示す。また、本発
明で使用した測定法および評価基準は次のとおりであ
る。 (1)主配向軸のMD方向に対する角度(θ3) カールツァイス社製偏光顕微鏡を用い、フィルム面内の
主配向軸の方向がフィルムのMD方向に対し何度傾いて
いるかを求めた。なお、測定上、主配向軸が90度を超
えた場合には、その補角を主配向軸のMD方向に対する
角度とした。 (2)全光線透過率 JIS−K7105に準じ、積分球式濁度計(日本電色
工業社製「NDH−300A」)により、全光線透過率
を測定した。 (3)消光状態 試料フィルムを偏光子の両面に貼付した偏光板2枚を偏
光子がクロスニコル状態になるように重ね、下から光を
照射し、上から見た時の消光状態を、試料フィルムを貼
付しない時の消光状態と比較評価した。 (4)耐摩耗性 大平理化工業社製「RUBBING TESTER」を
使用し、65mm×50mmの金属製平板圧子に長繊維
のセルロース不織布を巻き付け100往復こすった。そ
の後、表面を観察し、耐摩耗性層がほとんど変化してい
ない場合を良好、耐摩耗性層が脱落している場合を不良
として評価した。
【0031】製造例1(ポリエステルA) ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール
60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反
応器にとり、加熱昇温するとともにメタノールを留去
し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要
して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終
了した。次いで、平均粒径1.54μmのシリカ粒子を
0.1部含有するエチレングリコールスラリーを反応系
に添加し、さらに、エチルアシッドフォスフェート0.
04部、酸化ゲルマニウム0.01部を添加した後、1
00分で温度を280℃、圧力を15mmHgに達せし
め、以後も徐々に圧力を減じて最終的に0.3mmHg
とした。4時間後に系内を常圧に戻しポリエステルAを
得た。ポリエステルAのシリカ粒子の含有量は0.1重
量%であった。
【0032】製造例2(ポリエステルフィルムA1) ポリエステルAを180℃で4時間不活性ガス雰囲気中
で乾燥し、溶融押出機により290℃で溶融押出し、静
電印加密着法を使用し、表面温度を40℃に設定した冷
却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。得られ
たシートを85℃で3.5倍縦方向に延伸した後、10
0℃で3.7倍横方向に延伸し、さらに、230℃にて
熱固定し中央部分のみ採取し、厚さ38μmのポリエス
テルフィルムA1を得た。
【0033】製造例3(ポリエステルフィルムA2) 製造例2において得られた未延伸シートをT.M.Lo
ng社製ロング延伸機を用いて95℃で延伸倍率をMD
方向に3倍、TD方向に4倍の同時二軸延伸を行った。
その後、230℃にて熱固定し、厚さ38μmのポリエ
ステルフィルムA2を得た。
【0034】製造例4(ポリエステルフィルムA3) 製造例2において、端部分のフィルムを採取した以外は
製造例2と同様にポリエステルフィルムA3を得た。 実施例1 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート30部、4
官能ウレタンアクリレート40部、ビスフェノールA型
エポキシアクリレート27部および1−ヒドロキシシク
ロヘキシルフェニルケトン3部よりなる活性エネルギー
線硬化樹脂組成物中に粒径0.02μmのITO粒子及
びATO粒子をそれぞれ0.5部配合したものをポリエ
ステルフィルムA1の一方の表面に、硬化後の厚さが1
g/m2になるように塗布し、120W/cmのエネル
ギーの高圧水銀灯を使用し、照射距離100mmにて1
5秒間照射し硬化皮膜を形成した。そして、硬化皮膜塗
設面と反対側の面にアクリル系粘着剤を塗設し、偏光子
の主配向軸と試料フィルムのMD方向が一致するように
貼着し積層体を得た。
【0035】実施例2 実施例1において、硬化後の厚さが0.5g/m2 にな
るように耐摩耗性硬化皮膜を形成した以外は、実施例1
と同様にして積層体を得た。 実施例3 実施例1において、硬化後の厚さが0.2g/m2 にな
るように耐摩耗性硬化皮膜を形成した以外は、実施例1
と同様にして積層体を得た。
【0036】実施例4 実施例1において、ポリエステルフィルムA1をポリエ
ステルフィルムA2に変更した以外は、実施例1と同様
にして積層体を得た。 比較例1 実施例1において、ポリエステルフィルムA1をポリエ
ステルフィルムA3に変更した以外は、実施例1と同様
にして積層体を得た。
【0037】比較例2 実施例1において、硬化皮膜を形成しなかった以外は、
実施例1と同様にして積層体を得た。以上、得られた結
果をまとめて下記表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、偏光子のクロスニコル
状態での消光状態に影響を与えることがなく、耐摩耗
性、光線透過率に優れる偏光子保護フィルムを提供する
ことができ、本発明の工業的価値は高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 BB17 BB20 BB22 BB23 BB24 BB25 BB28 BB39 BC01 BC22 4F006 AA35 AB12 AB24 AB34 AB37 AB42 AB54 AB64 AB65 AB74 BA02 CA05 CA08 4F071 AA43 AA46 AF30Y AF35 AH19 BB08 BC01 BC10 BC17

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主配向軸がMD方向に対して実質的に9
    0度であるポリエステルフィルムの片面に耐摩耗性層を
    有することを特徴とする偏光子保護フィルム。
  2. 【請求項2】 耐摩耗性層が紫外線吸収剤を含有する活
    性エネルギー線硬化樹脂を主成分とすることを特徴とす
    る請求項1記載の偏光子保護フィルム。
  3. 【請求項3】 全光線透過率が85%以上であることを
    特徴とする請求項1または2記載の偏光子保護フィル
    ム。
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