JP2001066419A - 光学フィルターおよび反射防止膜 - Google Patents

光学フィルターおよび反射防止膜

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JP2001066419A
JP2001066419A JP23695999A JP23695999A JP2001066419A JP 2001066419 A JP2001066419 A JP 2001066419A JP 23695999 A JP23695999 A JP 23695999A JP 23695999 A JP23695999 A JP 23695999A JP 2001066419 A JP2001066419 A JP 2001066419A
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absorption maximum
wavelength region
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JP23695999A
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English (en)
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Yoshiharu Yabuki
嘉治 矢吹
Toru Harada
徹 原田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐光性が良好で、適切な色補正機能を有する
光学フィルターを得る。 【解決手段】 透明支持体上に、顔料およびポリマーバ
インダーを含むフィルター層を有する光学フィルターに
おいて、フィルター層に、500乃至550nmの波長
領域に吸収極大を有する非レーキ顔料と560乃至62
0nmの波長領域に吸収極大を有するレーキ顔料とを用
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明支持体および
フィルター層を有する光学フィルターに関する。また、
本発明は液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレ
イパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディス
プレイ(ELD)、陰極管表示装置(CRT)、蛍光表
示管、電界放射型ディスプレイのような画像表示装置の
表面に、反射防止あるいは色再現性改良のため取り付け
られる反射防止膜にも関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置(LCD)、プラズマディ
スプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンス
ディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置(CRT)、
蛍光表示管、電界放射型ディスプレイのような画像表示
装置は、原則として、赤、青、緑の三原色の光の組み合
わせでカラー画像を表示する。しかし、表示のための光
を理想的な三原色にすることは、非常に難しい(実質的
には不可能である)。例えば、プラズマディスプレイパ
ネル(PDP)では、三原色蛍光体からの発光に余分な
光(波長が560乃至620nmの範囲)が含まれてい
ることが知られている。そこで、表示色の色バランスを
補正するため特定の波長の光を吸収する光学フィルター
を用いて、色補正を行うことが提案されている。光学フ
ィルターによる色補正については、特開昭58−153
904号、同60−118748号、同60−1874
9号、同61−188501号、特開平3−23198
8号、同5−203804号、同5−205643号、
同7−307133号、同9−145918号、同9−
306366号、同10−26704号の各公報に記載
がある。
【0003】画像表示装置には、色補正に加えて、反射
防止の必要もある。すなわち、画像表示装置には、ディ
スプレイ上に背景が映り込む事でコントラストが低下す
る問題がある。この問題を解決するための手段として、
様々な反射防止膜が提案されている。これまでに提案さ
れた反射防止膜の反射防止機能層は、蒸着層と塗布層に
分類できる。光学的機能の観点では蒸着層の方が優れて
いるが、塗布層には製造が容易であるとの利点がある。
蒸着層は、眼鏡やカメラのようなレンズの反射防止膜と
して古くから用いられている。蒸着層は、真空蒸着法、
スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法
あるいはPVD法により形成する。塗布層は、一般に、
微粒子およびバインダーの塗布により形成する。塗布層
については、特開昭59−49501号、同59−50
401号、同60−59250号、特開平7−4852
7号の各公報に記載がある。
【0004】前記の光学フィルターに、反射防止機能を
組み込むことも考えられる。前記の特開昭61−188
501号、特開平5−205643号、同9−1459
18号、同9−306366号、同10−26704号
の各公報は、反射防止機能が組み込まれた光学フィルタ
ーを開示している。特開昭61−188501号、特開
平5−205643号、同9−145918号、同9−
306366号の各公報に記載の光学フィルターでは、
透明支持体に染料または顔料を添加して、支持体をフィ
ルターとして機能させている。特開平10−26704
号公報記載の光学フィルターでは、透明支持体と反射防
止層との間に設けられるハードコート層(表面硬化層)
を着色し、ハードコート層をフィルターとして機能させ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】透明支持体あるいはハ
ードコート層を着色すれば、透明支持体またはハードコ
ート層がフィルターとして機能する。しかし、透明支持
体やハードコート層に添加できる染料または顔料は、種
類が非常に限られる。透明支持体は、プラスチックまた
はガラス(通常はプラスチック)から製造する。透明支
持体に添加する染料には、支持体の製造時の温度に耐え
られる程度の非常に高い耐熱性が要求される。ハードコ
ート層は、一般に架橋しているポリマーを含む層であ
る。ポリマーの架橋反応は、層の塗布後に実施する。架
橋のための反応条件では、褪色してしまう染料が多い。
透明支持体やハードコート層に添加できる染料または顔
料のみで、画像表示装置に対応する適切な色補正を行う
ことは難しい。
【0006】本発明の目的は、適切な色補正機能を有す
る光学フィルターを提供することである。また、本発明
の目的は、反射防止機能に加えて、適切な色補正機能を
有する反射防止膜を提供することでもある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(6)の光学フィルターおよび下記(7)、
(8)の反射防止膜により達成された。 (1)透明支持体上に、顔料およびポリマーバインダー
を含むフィルター層を有する光学フィルターであって、
フィルター層が500乃至550nmの波長領域に吸収
極大を有する非レーキ顔料と560乃至620nmの波
長領域に吸収極大を有するレーキ顔料とを含むことを特
徴とする光学フィルター。 (2)500乃至550nmの波長領域における吸収極
大の半値幅が、560乃至620nmの波長領域におけ
る吸収極大の半値幅よりも広い(1)に記載の光学フィ
ルター。 (3)500乃至550nmの波長領域の吸収極大にお
ける透過率が、560乃至620nmの波長領域の吸収
極大における透過率よりも高い請求項1に記載の光学フ
ィルター。 (4)非レーキ顔料が、水不溶性色素から形成した有機
顔料である(1)に記載の光学フィルター。 (5)レーキ顔料が、シアニン染料をレーキ化して形成
したレーキ顔料である(1)に記載の光学フィルター。 (6)プラズマディスプレイパネル用である請求項1に
記載の光学フィルター。
【0008】(7)顔料およびポリマーバインダーを含
むフィルター層、透明支持体、および透明支持体の屈折
率よりも低い屈折率を有する低屈折率層が、この順に積
層されている反射防止膜であって、フィルター層が50
0乃至550nmの波長領域に吸収極大を有する非レー
キ顔料と560乃至620nmの波長領域に吸収極大を
有するレーキ顔料とを含むことを特徴とする反射防止
膜。 (8)透明支持体、顔料およびポリマーバインダーを含
むフィルター層、および透明支持体の屈折率よりも低い
屈折率を有する低屈折率層が、この順に積層されている
反射防止膜であって、フィルター層が500乃至550
nmの波長領域に吸収極大を有する非レーキ顔料と56
0乃至620nmの波長領域に吸収極大を有するレーキ
顔料とを含むことを特徴とする反射防止膜。
【0009】
【発明の効果】本発明者は、使用できる染料または顔料
の種類に制約が多い透明支持体やハードコート層ではな
く、穏和な条件で形成できるフィルター層を設けて、そ
こに染料または顔料を添加することを検討した。ただ
し、フィルター層は、染料または顔料に対する保護機能
が弱い。特に染料は、フィルター層に添加すると、光や
熱に対する堅牢性が著しく悪化する。よって、本発明者
は、堅牢性が比較的良好な顔料をフィルター層に添加す
ることをさらに検討した。さらに本発明者が研究を進め
た結果、二種類の顔料を吸収極大波長に応じて使い分け
ることにより、適切な色補正機能を有する光学フィルタ
ーが得られることが判明した。すなわち、低波長側(5
00乃至550nmの波長領域)の吸収極大に非レーキ
顔料を使用し、長波長側(560乃至620nmの波長
領域)の吸収極大にレーキ顔料を使用すると、光学フィ
ルターの吸収特性が容易に調整できる。以上の結果、本
発明の光学フィルターや反射防止膜は、画像表示装置の
種類に応じた適切な色補正機能を有する。
【0010】
【発明の実施の形態】反射防止膜(反射防止層を設けた
光学フィルター)の代表的な層構成を、図面を参照しな
がら説明する。図1は、フィルター層を反射防止層とは
透明支持体の反対の側に設けた反射防止膜の層構成を示
す断面模式図である。図1の(a)に示す態様は、フィ
ルター層(2)、透明支持体(1)、低屈折率層(3)
の順序の層構成を有する。透明支持体(1)と低屈折率
層(3)は、以下の関係を満足する屈折率を有する。 低屈折率層の屈折率<透明支持体の屈折率 図1の(b)に示す態様は、フィルター層(2)、透明
支持体(1)、ハードコート層(4)、低屈折率層
(3)の順序の層構成を有する。図1の(c)に示す態
様は、フィルター層(2)、透明支持体(1)、ハード
コート層(4)、高屈折率層(5)、低屈折率層(3)
の順序の層構成を有する。透明支持体(1)、低屈折率
層(3)および高屈折率層(5)は、以下の関係を満足
する屈折率を有する。 低屈折率層の屈折率<透明支持体の屈折率<高屈折率層
の屈折率 図1の(d)に示す態様は、フィルター層(2)、透明
支持体(1)、ハードコート層(4)、中屈折率層
(6)、高屈折率層(5)、低屈折率層(3)の順序の
層構成を有する。透明支持体(1)、低屈折率層
(3)、高屈折率層(5)および中屈折率層(6)は、
以下の関係を満足する屈折率を有する。 低屈折率層の屈折率<透明支持体の屈折率<中屈折率層
の屈折率<高屈折率層の屈折率
【0011】図2は、フィルター層と反射防止層とを透
明支持体の同じ側に設けた反射防止膜の層構成を示す断
面模式図である。図2の(a)に示す態様は、透明支持
体(1)、フィルター層(2)、低屈折率層(3)の順
序の層構成を有する。透明支持体(1)と低屈折率層
(3)の屈折率の関係は、図1の(a)と同様である。
図2の(b)に示す態様は、透明支持体(1)、フィル
ター層(2)、ハードコート層(4)、低屈折率層
(3)の順序の層構成を有する。図2の(c)に示す態
様は、透明支持体(1)、フィルター層(2)、ハード
コート層(4)、高屈折率層(5)、低屈折率層(3)
の順序の層構成を有する。透明支持体(1)、低屈折率
層(3)および高屈折率層(5)の屈折率の関係は、図
1の(c)と同様である。図2の(d)に示す態様は、
透明支持体(1)、フィルター層(2)、ハードコート
層(4)、中屈折率層(6)、高屈折率層(5)、低屈
折率層(3)の順序の層構成を有する。透明支持体
(1)、低屈折率層(3)、高屈折率層(5)および中
屈折率層(6)の屈折率の関係は、図1の(d)と同様
である。
【0012】(透明支持体)透明支持体を形成する材料
の例には、セルロースエステル(例、ジアセチルセルロ
ース、トリアセチルセルロース(TAC)、プロピオニ
ルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオ
ニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポ
リカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチ
レンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノ
キシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチ
レンテレフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタ
クチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン)、ポリ
メチルメタクリレート、シンジオタクチックポリスチレ
ン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテ
ルケトン、ポリエーテルイミドおよびポリオキシエチレ
ンが含まれる。トリアセチルセルロース、ポリカーボネ
ートおよびポリエチレンテレフタレートが好ましい。透
明支持体の透過率は80%以上であることが好ましく、
86%以上であることがさらに好ましい。ヘイズは、2
%以下であることが好ましく、1%以下であることがさ
らに好ましい。屈折率は、1.45乃至1.70である
ことが好ましい。
【0013】透明支持体に、赤外線吸収剤または紫外線
吸収剤を添加してもよい。赤外線吸収剤または紫外線吸
収剤の添加量は、透明支持体の0.01乃至20重量%
であることが好ましく、0.05乃至10重量%である
ことがさらに好ましい。さらに滑り剤として、不活性無
機化合物の粒子を透明支持体に添加してもよい。無機化
合物の例には、SiO2 、TiO2 、BaSO4 、Ca
CO3 、タルクおよびカオリンが含まれる。透明支持体
に、表面処理を実施してもよい。表面処理の例には、薬
品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外
線照射処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズ
マ処理、レーザー処理、混酸処理およびオゾン酸化処理
が含まれる。グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ
放電処理および火焔処理が好ましく、グロー放電処理と
紫外線処理がさらに好ましい。さらに、上層との接着強
化のための下塗り層を設置してもよい。
【0014】(フィルター層)フィルター層の厚さは
0.1μm乃至5cmであることが好ましい。フィルタ
ー層は、500乃至550nmの波長領域(緑)と56
0乃至620nmの波長領域(緑と赤の間)とに吸収極
大を有する。500乃至550nmの波長領域における
吸収極大の半値幅は、560乃至620nmの波長領域
における吸収極大の半値幅よりも広いことが好ましい。
また、500乃至550nmの波長領域の吸収極大での
フィルター層の透過率は、560乃至620nmの波長
領域の吸収極大でのフィルター層の透過率よりも大きい
ことが好ましい。500乃至550nmの波長領域の吸
収極大は、視感度の高い緑色蛍光体の発色強度を調節す
る機能を有する。緑色蛍光体の発光域は、なだらかにカ
ットすることが好ましい。具体的に500乃至550n
mの波長領域の吸収極大では、半幅値(吸収極大の吸光
度の半分の吸光度を示す波長領域の幅)が、30乃至3
00nmであることが好ましく、40乃至200nmで
あることがより好ましく、50乃至150nmであるこ
とがさらに好ましく、50乃至100nmであることが
最も好ましい。500乃至550nmの波長領域の吸収
極大でのフィルター層の透過率は、5乃至90%の範囲
であることが好ましく、20乃至85%であることがさ
らに好ましく、50乃至80%の範囲であることが最も
好ましい。
【0015】560乃至620nmの波長領域の吸収極
大は、赤色蛍光体の色純度を低下させているサブバンド
を選択的にカットする機能を有する。プラズマディスプ
レイパネルでは、ネオンガスの励起によって放出される
595nm付近の不要な発光もカットできる。上記のよ
うに二つの吸収極大を設定することで、緑の蛍光体の色
調に悪影響を与えることなく、選択的に光をカットでき
る。緑の蛍光体の色調への影響をさらに低下させるた
め、560乃至620nmの波長領域の吸収極大は、シ
ャープであることが好ましい。具体的に560乃至62
0nmの波長領域の吸収極大では、半幅値(吸収極大の
吸光度の半分の吸光度を示す波長領域の幅)が、10乃
至120nmであることが好ましく、15乃至100n
mであることがより好ましく、20乃至70nmである
ことがさらに好ましく、30乃至50nmであることが
最も好ましい。560乃至620nmの波長領域の吸収
極大でのフィルター層の透過率は、0.01乃至80%
の範囲であることが好ましく、0.1乃至60%の範囲
であることがさらに好ましく、0.2乃至50%の範囲
であることが最も好ましい。
【0016】本発明では二種類の顔料を使用するため、
上記の二種類の吸収極大に容易に対応できる。500乃
至550nmの波長領域の吸収極大は、非レーキ顔料に
より得ることができる。560乃至620nmの波長領
域の吸収極大は、レーキ顔料により得ることができる。
顔料は無機顔料と有機顔料とに分類でき、さらに有機顔
料はレーキ顔料と非レーキ有機顔料(顔料色素)とに分
類できる。レーキ顔料は、水可溶性染料をレーキ化して
形成した有機顔料を意味する。本明細書において、非レ
ーキ顔料とは、上記レーキ顔料以外の顔料(無機顔料ま
たは非レーキ有機顔料)を意味する。非レーキ有機顔料
は、一般に水不溶性色素から形成した有機顔料である。
【0017】500乃至550nmの波長領域に吸収極
大を形成するため用いる非レーキ顔料は、無機顔料より
も非レーキ有機顔料の方が好ましい。非レーキ有機顔料
を形成するために用いる水不溶性色素としては、水不溶
性アゾ色素および縮合多環系(例、スレン系、キナクリ
ドン系、DPP系、ペリレン系、ペリノン系、イソイン
ドリン系)色素が好ましい。好ましい非レーキ顔料をカ
ラーインデックス(C.I.)番号として例示すると、
ピグメントレッド(Pigment Red)の1、2、3、4、
5、6、8、9、12、14、15、16、17、2
1、22、23、31、32、37、38、41、4
8:1、48:2、48:3、48:4、49:1、4
9:2、50:1、52:1、52:2、53、53:
1、53:2、57、57:1、58:4、60、6
3:1、63:2、64:1、68、83、88、9
0:1、112、114、122、123、144、1
46、147、149、150、151、166、17
0、171、173、174、175、176、17
7、178、179、181、184、185、18
7、188、190、191、193、194、20
0、202、206、207、208、209、21
0、214、216、220、221、224、24
2、243、245、247、251、253、25
4、255、256、257、258、260、26
4、266、267、268、269、270、27
2、273、274およびピグメントバイオレット(Pi
gment Violet)の5:1、19、32を挙げることがで
きる。
【0018】レーキ顔料を形成するために用いる水溶性
染料としては、メチン染料(例、シアニン染料、オキソ
ノール染料、メロシアニン染料、アリーリデン染料、ス
チリル染料)、アジン系染料およびトリアリルメタン系
染料(例、キサンテン染料、インドリルタリド染料)が
好ましく、メチン染料がさらに好ましく、シアニン染料
が最も好ましい。好ましいレーキ顔料をカラーインデッ
クス(C.I.)番号として例示すると、ピグメントレ
ッド(Pigment Red)の81:1、81:2、81:3、
81:4、169、172、ピグメントバイオレット
(Pigment Violet)の1、2、2:2、23、37、3
9およびピグメントブルー(Pigment Blue)の1、1:
2、14、63、66を挙げることができる。
【0019】メチン染料(特にシアニン染料)をレーキ
化した形成したレーキ顔料について、さらに説明する。
シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料、
アリーリデン染料およびスチリル染料は、それぞれ下記
式で表される。 シアニン染料: Ba=Lo−Bo オキソノール染料:Ak=Lo−Ae メロシアニン染料:Ak=Le=Ba アリーリデン染料:Ak=Lo−Ar スチリル染料: Bo−Le−Ar 式中、Baは、塩基性核であり;Boは、塩基性核のオ
ニウム体であり;Akは、ケト型酸性核であり;Ae
は、エノール型酸性核であり;Arは、芳香族核であ
り;Loは、奇数個のメチンからなるメチン鎖であり;
そして、Leは、偶数個のメチンからなるメチン鎖であ
る。
【0020】メチン染料のレーキ化は、メチン染料に沈
殿剤を作用させることにより、メチン染料を水に不溶性
(顔料に変換)する処理である。沈殿剤としては、メチ
ン染料の対イオン(または対イオンを含む塩)が一般に
用いられる。対イオンは、多価のイオンであることが好
ましい。対イオンの種類(アニオンまたはカチオン)
は、メチン染料が有するアニオン性基とカチオン性基と
の数に応じて決定する。シアニン染料およびスチリル染
料が有する塩基性核のオニウム体(Bo)は、カチオン
性基として機能する。アニオン性置換基を有しないシア
ニン染料またはスチリル染料をレーキ化する場合、アニ
オンを沈殿剤として用いることができる。二個以上のア
ニオン性置換基を有するシアニン染料またはスチリル染
料をレーキ化する場合、カチオンを沈殿剤として用いる
ことができる。オキソノール染料が有するエノール型酸
性核(Ae)は、アニオン性基として機能することがで
きる。カチオン性置換基を有しないオキソノール染料を
レーキ化する場合、カチオンを沈殿剤として用いること
ができる。二個以上のカチオン性置換基を有するオキソ
ノール染料をレーキ化する場合、アニオンを沈殿剤とし
て用いることができる。メロシアニン染料またはアリー
リデン染料の場合は、それぞれの染料が有するイオン性
置換基の種類と数に応じて、対イオンの種類を決定す
る。レーキ顔料は、複塩の状態であってもよい。
【0021】シアニン染料をレーキ化して形成したレー
キ顔料は、下記式(I)または(II)で表されることが
好ましい。
【0022】(I)(Ba=Lo−Bo)m ・X 式中、Baは、(アニオン性置換基を有しない)塩基性
核であり;Boは、(アニオン性置換基を有しない)塩
基性核のオニウム体であり;Loは奇数個のメチンから
なるメチン鎖であり;そして、Xは、m価のアニオンで
あり;そして、mは、1、2、3または4である。
【0023】 (II)(Yp −Ba=Lo−Bo−Yq n ・rM 式中、Baは、塩基性核であり;Boは、塩基性核のオ
ニウム体であり;Loは奇数個のメチンからなるメチン
鎖であり;Yは、アニオン性基であり;Mは、m価のカ
チオンであり;pおよびqは、それぞれ、0、1、2、
3、4または5であって、p+qは、2、3、4または
5であり;n、rおよびmは、それぞれ、(p+q−
1)×n=r×mを満足する整数である。
【0024】式(I)および(II)における塩基性核
(Ba)および塩基性核のオニウム体(Bo)は、それ
ぞれ、下記式で表されることが好ましい。
【0025】
【化1】
【0026】式中、X1 は、単結合または−CR3 =C
4 −であり;X1 が単結合であるとき、Y1 は、−O
−、−S−、−Se−、−NR5 −、−CR6 7 −ま
たは−CR8 =CR9 −であり;X1 が−CR3 =CR
4 −であるとき、Y1 は、単結合であり;X2 は、二重
結合または=CR10−CR11=であり;X2 が、二重結
合であるとき、Y2 は、−O−、−S−、−Se−、−
NR12−、−CR13 14−または−CR15=CR16−で
あり;X2 が=CR3 −CR4 =であるとき、Y2 は、
単結合であり;R1 およびR2 は、それぞれ独立に、脂
肪族基または芳香族基であり;R3 、R4 、R5
6 、R7 、R8 、R9 、R10、R11、R12、R13、R
14、R15およびR16は、それぞれ独立に、水素原子また
は脂肪族基であり;ベンゼン環AおよびBには、他のベ
ンゼン環が縮合していてもよく;そして、ベンゼン環
A、Bおよびそれらの縮合環は、置換基を有していても
よい。
【0027】ベンゼン環A、Bおよびそれらの縮合環の
置換基の例には、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニ
トロ、脂肪族基、芳香族基、複素環基、−O−R21、−
CO−R22、−CO−O−R23、−O−CO−R24、−
NR2526、−NH−CO−R27、−CO−NR
2829、−NH−CO−NR3031、−NH−CO−O
−R 32、−S−R33、−SO2 −R34、−O−SO2
35、−NH−SO2 −R36または−SO2 −NR37
38である。R21、R22、R23、R24、R25、R26
27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R
35、R36、R37およびR38は、それぞれ独立に、水素原
子、脂肪族基、芳香族基または複素環基である。なお、
−CO−O−R23のR23が水素原子(すなわち、カルボ
キシル)の場合および−O−SO2 −R35のR35が水素
原子(すなわち、スルホ)の場合は、水素原子が解離し
ていても、塩の状態であってもよい。
【0028】本明細書において、脂肪族基は、アルキル
基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル
基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基ま
たは置換アラルキル基を意味する。アルキル基は、環状
であっても鎖状であってもよい。鎖状アルキル基は、分
岐を有していてもよい。アルキル基の炭素原子数は、1
乃至20であることが好ましく、1乃至15であること
がより好ましく、1乃至12であることがさらに好まし
く、1乃至10であることがさらにまた好ましく、1乃
至8であることが最も好ましい。アルキル基の例には、
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t
−ブチル、シクロプロピル、ヘキシル、シクロヘキシ
ル、2−エチルヘキシルおよびヘキサデシルが含まれ
る。置換アルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基
と同様である。置換アルキル基の置換基の例には、ハロ
ゲン原子、シアノ、ニトロ、複素環基、−O−R41、−
CO−R42、−CO−O−R43、−O−CO−R44、−
NR4546、−NH−CO−R47、−CO−NR
4849、−NH−CO−NR5051、−NH−CO−O
−R52、−S−R53、−SO2 −R54、−O−SO2
55、−NH−SO 2 −R56および−SO2 −NR57
58が含まれる。R41、R42、R43、R44、R 45、R46
47、R48、R49、R50、R51、R52、R53、R54、R
55、R56、R 57およびR58は、それぞれ独立に、水素原
子、脂肪族基、芳香族基または複素環基である。なお、
−CO−O−R43のR43が水素原子(すなわち、カルボ
キシル)の場合および−O−SO2 −R55のR55が水素
原子(すなわち、スルホ)の場合は、水素原子が解離し
ていても、塩の状態であってもよい。置換アルキル基の
例には、2−ヒドロキシエチル、2−カルボキシブチ
ル、2−メトキシエチル、2−ジエチルアミノエチルが
含まれる。
【0029】アルケニル基は、環状であっても鎖状であ
ってもよい。鎖状アルケニル基は、分岐を有していても
よい。アルケニル基の炭素原子数は、2乃至20である
ことが好ましく、2乃至15であることがより好まし
く、2乃至12であることがさらに好ましく、2乃至1
0であることがさらにまた好ましく、2乃至8であるこ
とが最も好ましい。アルケニル基の例には、ビニル、ア
リル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−ペンテニル
および2−ヘキセニルが含まれる。置換アルケニル基の
アルケニル部分は、上記アルケニル基と同様である。置
換アルケニル基の置換基の例は、上記置換アルキル基の
置換基の例と同様である。アルキニル基は、環状であっ
ても鎖状であってもよい。鎖状アルキニル基は、分岐を
有していてもよい。アルキニル基の炭素原子数は、2乃
至20であることが好ましく、2乃至15であることが
より好ましく、2乃至12であることがさらに好まし
く、2乃至10であることがさらにまた好ましく、2乃
至8であることが最も好ましい。置換アルキニル基のア
ルキニル部分は、上記アルキニル基と同様である。置換
アルキニル基の置換基の例は、上記置換アルキル基の置
換基の例と同様である。アラルキル基のアルキル部分
は、上記アルキル基と同様である。アラルキル基のアリ
ール部分は、後述するアリール基と同様である。アラル
キル基の例には、ベンジルおよびフェネチルが含まれ
る。置換アラルキル基のアルキル部分は、上記アルキル
基と同様である。置換アラルキル基のアリール部分は、
後述するアリール基と同様である。置換アラルキル基の
アルキル部分の置換基の例は、上記置換アルキル基の置
換基の例と同様である。置換アラルキル基のアリール部
分の置換基の例は、後述する置換アリール基の置換基の
例と同様である。
【0030】本明細書において、芳香族基は、アリール
基または置換アリール基を意味する。アリール基の炭素
原子数は、6乃至25であることが好ましく、6乃至2
0であることがより好ましく、6乃至15であることが
さらに好ましく、6または10であることが最も好まし
い。アリール基の例には、フェニルおよびナフチルが含
まれる。置換アリール基のアリール部分は、上記アリー
ル基と同様である。置換アリール基の置換基の例には、
ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、脂肪族基、芳香族基、
複素環基、−O−R61、−CO−R62、−CO−O−R
63、−O−CO−R64、−NR6566、−NH−CO−
67、−CO−NR6869、−NH−CO−NR
7071、−NH−CO−O−R72、−S−R73、−SO
2 −R74、−O−SO2−R75、−NH−SO2 −R76
および−SO2 −NR7778が含まれる。R61、R62
63、R64、R65、R66、R67、R68、R69、R70、R
71、R72、R73、R74、R75、R76、R77およびR
78は、それぞれ独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基
または複素環基である。なお、−CO−O−R63のR63
が水素原子(すなわち、カルボキシル)の場合および−
O−SO2 −R75のR75が水素原子(すなわち、スル
ホ)の場合は、水素原子が解離していても、塩の状態で
あってもよい。置換アリール基の例には、4−カルボキ
シフェニル、4−アセトアミドフェニル、3−メタンス
ルホンアミドフェニル、4−メトキシフェニル、3−カ
ルボキシフェニル、3,5−ジカルボキシフェニル、4
−メタンスルホンアミドフェニルおよび4−ブタンスル
ホンアミドフェニルが含まれる。
【0031】本明細書において、複素環基は、置換基を
有する複素環基を含む。複素環基の複素環は、5員環ま
たは6員環であることが好ましい。複素環に、脂肪族
環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。
複素環の(縮合環を含む)例には、ピリジン環、ピペリ
ジン環、フラン環、フルフラン環、チオフェン環、ピロ
ール環、キノリルモルホリン環、ピロール環、インドー
ル環、イミダゾール環、ピラゾール環、キノリン環、カ
ルバゾール環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、
インドリン環、チアゾール環、ピラジン環、チアジアジ
ン環、ベンゾキノリン環およびチアジアゾール環が含ま
れる。複素環基の置換基の例は、上記置換アリール基の
置換基の例と同様である。
【0032】式(I)および(II)におけるメチン鎖
(Lo)は、1個、3個または5個のメチンからなるこ
とが好ましく、3個のメチンからなることが特に好まし
い。メチン鎖は、置換基を有していてもよい。メチン鎖
の置換基の例は、前記置換アリール基の置換基の例と同
様である。メチン鎖の二つの置換基が結合して、5員ま
たは6員の不飽和脂肪族環または不飽和複素環を形成し
てもよい。メチン鎖が一つの置換基を有する場合、一つ
の置換基は中央(メソ位)のメチンに結合することが好
ましい。
【0033】式(II)におけるアニオン性基(Y)は、
塩基性核(Ba)のR1 (脂肪族基または芳香族基)ま
たは塩基性核のオニウム体(Bo)のR2 (脂肪族基ま
たは芳香族基)の置換基であることが好ましい。アニオ
ン性基の例には、カルボキシル、スルホ、フェノール性
ヒドロキシル、スルホンアミド基、スルファモイルおよ
びホスホノが含まれる。カルボキシル、スルホおよびス
ルホンアミド基が好ましく、カルボキシルが特に好まし
い。
【0034】式(I)におけるアニオン(X)は、二価
(m=2)または三価(m=3)のアニオンであること
が好ましい。無機アニオンの例には、リンモリブデン酸
イオン、リンタングステン酸イオン、リンタングストモ
リブデン酸イオン、シリコモリブデン酸イオンおよびシ
リコタングステン酸イオンが含まれる。有機アニオンの
例には、ナフタレンジスルホン酸イオンおよび、タンニ
ンイオンが含まれる。
【0035】式(II)におけるカチオン(M)は、二価
(m=2)または三価(m=3)のカチオンであること
が好ましい。無機カチオンの例には、アルカリ土類金属
イオン(例、Mg2+、Ca2+、Ba2+、Sr2+)、遷移
金属イオン(例、Ag+ 、Zn2+)およびその他の金属
イオン(例、Al3+)が含まれる。有機カチオンの例に
は、アンモニウムイオン、アミジニウムイオンおよびグ
アニジウムイオンが含まれる。有機のカチオンは、4以
上の炭素原子数を有することが好ましい。
【0036】以下に、レーキ顔料の具体例を示す。
【0037】
【化2】
【0038】 (I−1)m:3、X:[P(Mo3 104 ] (I−2)m:3、X:[P(W3 104 ] (I−3)m:3、X:[P(Mo3 103 (W3
10)] (I−4)m:4、X:[Si(W3 104 ] (I−5)m:1、X:Cu3 [Fe(CN)6
【0039】
【化3】
【0040】(II−1)M:Ca (II−2)M:Ba (II−3)M:Zn (II−4)M:Mg (II−5)M:Sr
【0041】
【化4】
【0042】(II−6)L:−C4 8 − (II−7)L:−C3 6 − (II−8)L:−C2 4
【0043】
【化5】
【0044】 (II−9)R:−CH3 、L:−C4 8 − (II−10)R:−C2 5 、L:−C3 6
【0045】
【化6】
【0046】(II−11)L:−C3 6 − (II−12)L:−C4 8 − (II−13)L:−C2 4
【0047】
【化7】
【0048】 (II−14)L1 :−C4 8 −、L2 :−C4 8 − (II−15)L1 :−C3 6 −、L2 :−C3 6 − (II−16)L1 :−C3 6 −、L2 :−C4 8
【0049】レーキ顔料の製造に用いるメチン染料は、
エフ・エム・ハーマー(F.M. Harmer )著「ヘテロサイ
クリック・コンパウンズ−シアニンダイズ・アンド・リ
レイテッド・コンパウンズ(Heterocyclic Compounds-C
yanine Dyes and Related Compounds )」、ジョン・ウ
ィリー・アンド・サンズ(John Wiley and Sons )、ニ
ューヨーク、ロンドン、1964年;ディー・エム・ス
ターマー(D.M. Sturmer)著「ヘテロサイクリック・コ
ンパウンズ−スペシャル・トピックス・イン・ヘテロサ
イクリック・ケミストリー(Heterocyclic Compounds-S
pecial Topicsin Heterocyclic Chemistry)」第18
章、第14節、482〜515頁、ジョン・ウィリー・
アンド・サンズ(John Wiley and Sons )、ニューヨー
ク、ロンドン、1977年;「ロッズ・ケミストリー・
オブ・カーボン・コンパウンズ(Rodd' Chemistry of C
arbon Compounds)」第2版、第4巻、パートB、第1
5章、369〜422頁、エルセビア・サイエンス・パ
ブリック・カンパニーインク(Elsevier Science Publi
shing Company Inc.)、ニューヨーク、1977年;特
開平5−88293号および同6−313939号の各
公報の記載を参照して合成できる。
【0050】顔料に加えて、以上述べた波長領域(50
0〜550nmおよび560〜620nm)とは異なる
波長領域に吸収極大を有する染料を併用してもよい。そ
のような染料としては、近赤外吸収染料を用いることが
できる。近赤外吸収染料としては、シアニン染料(特開
平9−96891号公報記載)、金属キレート染料、ア
ミニウム染料、ジイモニウム染料、キノン染料、スクア
リリウム染料(特開平9−90547号、同10−20
4310号の各公報記載)や各種メチン染料を用いるこ
とができる。近赤外吸収染料については、色材、61
[4]215−226(1988)および化学工業43
−53(1986年5月号)にも記載がある。また、他
の可視光吸収染料としては、トリフェニルメタン染料
(米国特許2150695号明細書および特開平5−1
17536号公報記載)およびフルオレセイン系染料
(例、フルオレセイン、ジブロモフルオレセイン、エオ
シン、ローダミン)を用いることができる。
【0051】顔料は、固体微粒子分散物として用いるこ
とが好ましい。固体微粒子の状態とするためには、公知
の分散機を用いることができる。分散機の例には、ボー
ルミル、振動ミル、遊星ボールミル、サンドミル、コロ
イドミル、ジェットミルおよびローラミルが含まれる。
縦型または横型の媒体分散機(特開昭52−92716
号公報および国際特許88/074794号明細書記
載)が好ましい。分散は、適当な媒体(例、水、アルコ
ール)の存在下で実施してもよい。分散用界面活性剤を
用いることが好ましい。アニオン性界面活性剤(特開昭
52−92716号公報および国際特許88/0747
94号明細書記載)が好ましく用いられる。必要に応じ
て、アニオン性ポリマー、ノニオン性界面活性剤あるい
はカチオン性界面活性剤を用いてもよい。顔料の微粒子
の平均粒径は、0.001乃至100μmであることが
好ましく、0.01乃至10μmであることがより好ま
しく、0.02乃至5μmであることがさらに好まし
く、0.05乃至1μmであることが最も好ましい。
【0052】フィルター層のポリマーバインダーとして
は、天然ポリマー(例、ゼラチン、セルロース誘導体、
アルギン酸)または合成ポリマー(例、ポリメチルメタ
クリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、スチレ
ン−ブタジエンコポリマー、ポリスチレン、ポリカーボ
ネート、水溶性ポリアミド)を用いることができる。親
水性ポリマー(上記天然ポリマー、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、水
溶性ポリアミド)が好ましく、ゼラチンが特に好まし
い。
【0053】フイルター層に、褪色防止剤や紫外線吸収
剤を添加してもよい。顔料の安定化剤として機能する褪
色防止剤の例には、ハイドロキノン誘導体(米国特許3
935016号、同3982944号の各明細書記
載)、ハイドロキノンジエーテル誘導体(米国特許42
54216号明細書および特開昭55−21004号公
報記載)、フェノール誘導体(特開昭54−14553
0号公報記載)、スピロインダンまたはメチレンジオキ
シベンゼンの誘導体(英国特許公開2077455号、
同2062888号の各明細書および特開昭61−90
155号公報記載)、クロマン、スピロクロマンまたは
クマランの誘導体(米国特許3432300号、同35
73050号、同3574627号、同3764337
号の各明細書および特開昭52−152225号、同5
3−20327号、同53−17729号、同61−9
0156号の各公報記載)、ハイドロキノンモノエーテ
ルまたはパラアミノフェノールの誘導体(英国特許13
47556号、同2066975号の各明細書および特
公昭54−12337号、特開昭55−6321号の各
公報記載)およびビスフェノール誘導体(米国特許37
00455号明細書および特公昭48−31625号公
報記載)が含まれる。
【0054】光あるいは熱に対する顔料の安定性を向上
させるため、金属錯体(米国特許4245018号明細
書および特開昭60−97353号公報記載)を褪色防
止剤として用いてもよい。さらに顔料の耐光性を改良す
るために、一重項酸素クエンチャーを褪色防止剤として
用いてもよい。一重項酸素クエンチャーの例には、ニト
ロソ化合物(特開平2−300288号公報記載)、ジ
インモニウム化合物(米国特許465612号明細書記
載)、ニッケル錯体(特開平4−146189号公報記
載)および酸化防止剤(欧州特許公開820057A1
号明細書記載)が含まれる。
【0055】(下塗り層)透明支持体とフィルター層と
の間に、下塗り層を設けることが好ましい。下塗り層
は、ガラス転移温度が−60℃乃至60℃のポリマーを
含む層、フィルター層側の表面が粗面である層またはフ
ィルター層のポリマーと親和性を有するポリマーを含む
層として形成する。なお、フィルター層が設けられてい
ない透明支持体の面に下塗り層を設けて、透明支持体と
その上に設けられる層(例えば、反射防止層、ハードコ
ート層)との接着力を改善してもよい。また、下塗り層
は、反射防止膜と画像形成装置とを接着するための接着
剤と反射防止膜との親和性を改善するために設けてもよ
い。下塗り層の厚みは、2nm乃至20μmが好まし
く、5nm乃至5μmがさらに好ましく、50nm乃至
5μmが最も好ましい。
【0056】ガラス転移温度が−60℃乃至60℃のポ
リマーを含む下塗り層は、ポリマーの粘着性で、透明支
持体とフィルター層とを接着する。ガラス転移温度が2
5℃以下のポリマーは、塩化ビニル、塩化ビニリデン、
酢酸ビニル、ブタジエン、ネオプレン、スチレン、クロ
ロプレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、アクリロニトリルまたはメチルビニルエーテルの重
合または共重合により得ることができる。ガラス転移温
度は、20℃以下であることが好ましく、15℃以下で
あることがより好ましく、10℃以下であることがさら
に好ましく、5℃以下であることがさらにまた好まし
く、0℃以下であることが最も好ましい。表面が粗面で
ある下塗り層は、粗面の上にフィルター層を形成するこ
とで、透明支持体とフィルター層とを接着する。表面が
粗面である下塗り層は、ポリマーラテックスの塗布によ
り容易に形成することができる。ラテックスの平均粒径
は、0.02乃至3μmであることが好ましく、0.0
5乃至1μmであることがさらに好ましい。フィルター
層のバインダーポリマーと親和性を有するポリマーの例
には、アクリル樹脂、セルロース誘導体、ゼラチン、カ
ゼイン、でんぷん、ポリビニルアルコール、可溶性ナイ
ロンおよび高分子ラテックスが含まれる。二以上の下塗
り層を設けてもよい。下塗り層には、透明支持体を膨潤
させる溶剤、マット剤、界面活性剤、帯電防止剤、塗布
助剤や硬膜剤を添加してもよい。
【0057】(反射防止層)反射防止層の反射防止機能
としては、正反射率が3%以下であることが好ましく、
1.8%以下であることがさらに好ましい。反射防止層
を設ける場合は、低屈折率層が必須である。低屈折率層
の屈折率は、透明支持体の屈折率よりも低い。低屈折率
層の屈折率は、1.20乃至1.55であることが好ま
しく、1.30乃至1.55であることがさらに好まし
い。低屈折率層の厚さは、50乃至400nmであるこ
とが好ましく、50乃至200nmであることがさらに
好ましい。低屈折率層は、屈折率の低い含フッ素ポリマ
ーからなる層(特開昭57−34526号、特開平3−
130103号、同6−115023号、同8−313
702号、同7−168004号の各公報記載)、ゾル
ゲル法により得られる層(特開平5−208811号、
同6−299091号、同7−168003号の各公報
記載)、あるいは微粒子含む層(特公昭60−5925
0号、特開平5−13021号、同6−56478号、
同7−92306号、同9−288201号の各公報に
記載)として形成することができる。微粒子を含む層で
は、微粒子間または微粒子内のミクロボイドとして、低
屈折率層に空隙を形成することができる。微粒子を含む
層は、3乃至50体積%の空隙率を有することが好まし
く、5乃至35体積%の空隙率を有することがさらに好
ましい。
【0058】広い波長領域の反射を防止するためには、
低屈折率層に加えて、屈折率の高い層(中・高屈折率
層)を積層することが好ましい。高屈折率層の屈折率
は、1.65乃至2.40であることが好ましく、1.
70乃至2.20であることがさらに好ましい。中屈折
率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈
折率との中間の値となるように調整する。中屈折率層の
屈折率は、1.50乃至1.9 0であることが好まし
い。中・高屈折率層の厚さは、5nm乃至100μmで
あることが好ましく、10nm乃至10μmであること
がさらに好ましく、30nm乃至1μmであることが最
も好ましい。中・高屈折率層のヘイズは、5%以下であ
ることが好ましく、3%以下であることがさらに好まし
く、1%以下であることが最も好ましい。中・高屈折率
層は、比較的高い屈折率を有するポリマーバインダーを
用いて形成することができる。屈折率が高いポリマーの
例には、ポリスチレン、スチレン共重合体、ポリカーボ
ネート、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂
および環状(脂環式または芳香族)イソシアネートとポ
リオールとの反応で得られるポリウレタンが含まれる。
その他の環状(芳香族、複素環式、脂環式)基を有する
ポリマーや、フッ素以外のハロゲン原子を置換基として
有するポリマーも、屈折率が高い。二重結合を導入して
ラジカル硬化を可能にしたモノマーの重合反応によりポ
リマーを形成してもよい。
【0059】さらに高い屈折率を得るため、ポリマーバ
インダー中に無機微粒子を分散してもよい。無機微粒子
の屈折率は、1.80乃至2.80であることが好まし
い。無機微粒子は、金属の酸化物または硫化物から形成
することが好ましい。金属の酸化物または硫化物の例に
は、二酸化チタン(例、ルチル、ルチル/アナターゼの
混晶、アナターゼ、アモルファス構造)、酸化錫、酸化
インジウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムおよび硫化亜
鉛が含まれる。酸化チタン、酸化錫および酸化インジウ
ムが特に好ましい。無機微粒子は、これらの金属の酸化
物または硫化物を主成分とし、さらに他の元素を含むこ
とができる。主成分とは、粒子を構成する成分の中で最
も含有量(重量%)が多い成分を意味する。他の元素の
例には、Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、
Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、S
i、PおよびSが含まれる。被膜形成性で溶剤に分散し
得るか、それ自身が液状である無機材料、例えば、各種
元素のアルコキシド、有機酸の塩、配位性化合物と結合
した配位化合物(例、キレート化合物)、活性無機ポリ
マーを用いて、中・高屈折率層を形成することもでき
る。
【0060】反射防止層は、表面をアンチグレア機能
(入射光を表面で散乱させて、膜周囲の景色が膜表面に
移るのを防止する機能)を付与することができる。例え
ば、透明フィルムの表面に微細な凹凸を形成し、そして
その表面に反射防止層を形成するか、あるいは反射防止
層を形成後、エンボスロールにより表面に凹凸を形成す
ることにより、アンチグレア機能を得ることができる。
アンチグレア機能を有する反射防止層は、一般に3乃至
30%のヘイズを有する。
【0061】(電磁波遮蔽層)電磁波遮蔽効果を有する
層の表面抵抗は、0.1乃至500Ω/m2 であること
が好ましく、0.1乃至10Ω/m2 であることがさら
に好ましい。光学フィルターまたは反射防止膜に設ける
層であるため、電磁波遮蔽層は、透明であることが好ま
しい。一般に透明導電性層として知られている層を、電
磁波遮蔽層として用いることができる。透明導電性層と
しては、金属薄膜または金属酸化物薄膜が好ましく用い
られる。金属薄膜の金属としては、貴金属が好ましく、
金、銀、パラジウムまたはこれらの合金が好ましく、金
と銀との合金が特に好ましい。合金中の銀の含有率は、
60重量%以上であることが好ましい。金属酸化物薄膜
の金属酸化物としては、SnO2 、ZnO、ITOおよ
びIn2 3 が好ましい。金属薄膜と金属酸化物薄膜と
を積層してもよい。両者を積層すると、金属酸化物薄膜
により金属薄膜を保護(酸化防止)し、可視光の透過率
を高くすることができる。金属薄膜と積層するための金
属酸化物としては、2〜4価の金属酸化物(例、酸化ジ
ルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ケイ
素、酸化アルミニウム)が好ましい。また、金属アルコ
キサイド化合物の薄膜も、金属薄膜と積層することがで
きる。金属酸化物または金属アルコキサイド化合物の薄
膜は、金属薄膜の両側に積層することができる。金属薄
膜の両側に積層する場合、異なる種類の薄膜を用いても
よい。金属薄膜の厚さは、4乃至40nmであることが
好ましく、5乃至35nmであることがさらに好まし
く、6乃至30nmであることが最も好ましい。金属酸
化物または金属アルコキサイド化合物の薄膜の厚さは、
20乃至300nmであることが好ましく、40乃至1
00nmであることがさらに好ましい。電磁波遮蔽層
は、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティ
ング法、プラズマCVD法、プラズマPVD法あるいは
金属または金属酸化物の掉尾粒子塗布により形成するこ
とができる。
【0062】(赤外線遮蔽層)赤外線遮蔽層は、800
乃至1200nmの波長の近赤外線に対して遮蔽効果を
有することが好ましい。赤外線遮蔽層は、樹脂混合物に
より形成することができる。樹脂混合物中の赤外線遮蔽
性成分としては、銅(特開平6−118228号公報記
載)、銅化合物またはリン化合物(特開昭62−519
0号公報記載)、銅化合物またはチオ尿素化合物(特開
平6−73197号公報記載)あるいはタングステン化
合物(米国特許3647772号明細書記載)を用いる
ことができる。赤外線遮蔽層を設ける代わりに、樹脂混
合物を透明支持体に添加してもよい。なお、電磁波遮蔽
層として説明した銀薄膜は、赤外線遮蔽効果も有する。
【0063】(その他の層)光学フィルターには、ハー
ドコート層、潤滑層、防汚層、帯電防止層、紫外線吸収
層あるいは中間層を設けることもできる。ハードコート
層は、架橋しているポリマーを含むことが好ましい。ハ
ードコート層は、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系
のポリマー、オリゴマーまたはモノマー(例、紫外線硬
化型樹脂)を用いて形成することができる。シリカ系材
料からハードコート層を形成することもできる。光学フ
ィルターの最表面に潤滑層を形成してもよい。潤滑層
は、反射防止膜表面に滑り性を付与し、耐傷性を改善す
る機能を有する。潤滑層は、ポリオルガノシロキサン
(例、シリコンオイル)、天然ワックス、石油ワック
ス、高級脂肪酸金属塩、フッ素系潤滑剤またはその誘導
体を用いて形成することができる。潤滑層の厚さは、2
乃至20nmであることが好ましい。防汚層は、含フッ
素ポリマーを用いて形成することができる。防汚層の厚
さは、2乃至100nmであることが好ましく、5乃至
30nmであることがさらに好ましい。
【0064】反射防止層(中屈折率層、高屈折率層、低
屈折率層)、フィルター層、下塗り層、ハードコート
層、潤滑層、その他の層は、一般的な塗布方法により形
成することができる。塗布方法の例には、ディップコー
ト法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ロー
ラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート
法およびホッパーを使用するエクストルージョンコート
法(米国特許2681294号明細書記載)が含まれ
る。二以上の層を同時塗布により形成してもよい。同時
塗布法については、米国特許2761791号、同29
41898号、同3508947号、同3526528
号の各明細書および原崎勇次著「コーティング工学」2
53頁(1973年朝倉書店発行)に記載がある。
【0065】(光学フィルターの用途)光学フィルター
は、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパ
ネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレ
イ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像
表示装置に適用する。反射防止層を設ける場合は、低屈
折率層が設けられていない側の面が画像表示装置の画像
表示面と対向するように配置する。本発明の光学フィル
ターは、プラズマディスプレイパネル(PDP)の反射
防止フィルターとして使用すると、特に顕著な効果が得
られる。プラズマディスプレイパネル(PDP)は、ガ
ス、ガラス基板、電極、電極リード材料、厚膜印刷材料
および蛍光体により構成される。ガラス基板は、前面ガ
ラス基板と後面ガラス基板の二枚である。二枚のガラス
基板には電極と絶縁層を形成する。後面ガラス基板に
は、さらに蛍光体層を形成する。二枚のガラス基板を組
み立てて、その間にガスを封入する。プラズマディスプ
レイパネル(PDP)は、既に市販されている。プラズ
マディスプレイパネルについては、特開平5−2056
43号、同9−306366号の各公報に記載がある。
【0066】
【実施例】[実施例1] (下塗り層の形成)厚さ100μmの透明なポリエチレ
ンテレフタレートフイルムの両面をコロナ放電処理した
後、片面にスチレン−ブタジエンコポリマーからなるラ
テックスを厚さ130nmとなるよう塗布し、下塗り層
を形成した。
【0067】(第2下塗り層の形成)下塗り層の上に、
酢酸とグルタルアルデヒドを含むゼラチン水溶液を、厚
さ50nmとなるよう塗布し、第2下塗り層を形成し
た。
【0068】(低屈折率層の形成)反応性フッ素ポリマ
ー(JN−7219、日本合成ゴム(株)製)2.50
gにt−ブタノール1.3gを加え、室温で10分間撹
拌し、孔径1μmのポリプロピレンフィルターで濾過し
た。得られた低屈折率層用塗布液を、透明支持体の下塗
り面とは反対側の面に、バーコーターを用いて乾燥膜厚
が110nmとなるように塗布し、120℃で30分間
乾燥して硬化させ低屈折率層を形成した。
【0069】(顔料分散物の調製)非レーキ顔料(ピグ
メントレッド112)2.5gおよびレーキ顔料(II−
1)2.5gに、5重量%のカルボキシメチルセルロー
ス水溶液30gを加えた。全量を126.6gとして、
よく混合し、スラリーを得た。直径0.8〜1.2mm
のガラスビーズ100mlとスラリーを分散機(1/1
6Gサンドグラインダーミル、アイメックス社製)に入
れて、12時間分散した後、顔料の濃度が2重量%とな
るように水を加えて、顔料分散物を得た。
【0070】
【化8】
【0071】(フイルター層の形成)ゼラチンの14.
3重量%水溶液100gに、顔料分散物28.6gを分
散した。分散物を40℃で30分間攪拌した後、孔径2
μmのポリプロピレンフィルターで濾過し、フィルター
層塗布液を調製した。フィルター層用塗布液を、第2下
塗り層の上に、乾燥膜厚が3.5μmとなるように塗布
し、120℃で10分間乾燥してフィルター層を形成
し、光学フィルターを作製した。
【0072】(吸光度の測定)作製した光学フィルター
について、分光光度系(U−3210、日立製作所
(株)製)を用いて透過スペクトルを測定した。リファ
レンスは、空気で行った。500乃至550nmの波長
領域における吸収極大は530nm、560乃至620
nmの波長領域おける吸収極大は、594nm、500
乃至550nmの波長領域の吸収極大におけるフィルタ
ー層の透過率は、70%、560乃至620nmの波長
領域の吸収極大におけるフィルター層の透過率は、17
%、500乃至550nmの波長領域における吸収極大
の半値幅は、121nm、560乃至620nmの波長
領域における吸収極大の半値幅は、69nmであった。
【0073】[実施例2]ピグメントレッド112(非
レーキ顔料)に代えてピグメントレッド209(非レー
キ顔料)2.5gを用い、レーキ顔料(II−1)に代え
てレーキ顔料(II−2)2.5gを用いた以外は、実施
例1と同様にして光学フィルターを作製した。500乃
至550nmの波長領域における吸収極大は529n
m、560乃至620nmの波長領域おける吸収極大
は、594nm、500乃至550nmの波長領域の吸
収極大におけるフィルター層の透過率は、78%、56
0乃至620nmの波長領域の吸収極大におけるフィル
ター層の透過率は、12%、500乃至550nmの波
長領域における吸収極大の半値幅は、108nm、56
0乃至620nmの波長領域における吸収極大の半値幅
は、48nmであった。
【0074】
【化9】
【0075】[実施例3]ピグメントレッド112(非
レーキ顔料)に代えてピグメントレッド254(非レー
キ顔料)2.5gを用い、レーキ顔料(II−1)に代え
てレーキ顔料(II−15)2.5gを用いた以外は、実
施例1と同様にして光学フィルターを作製した。500
乃至550nmの波長領域における吸収極大は528n
m、560乃至620nmの波長領域おける吸収極大
は、603nm、500乃至550nmの波長領域の吸
収極大におけるフィルター層の透過率は、68%、56
0乃至620nmの波長領域の吸収極大におけるフィル
ター層の透過率は、8%、500乃至550nmの波長
領域における吸収極大の半値幅は、116nm、560
乃至620nmの波長領域における吸収極大の半値幅
は、65nmであった。
【0076】
【化10】
【0077】[比較例1]レーキ顔料(II−1)に代え
てシアニン染料(a)2.5gを用いた以外は、実施例
1と同様にして光学フィルターを作製した。500乃至
550nmの波長領域における吸収極大は530nm、
560乃至620nmの波長領域おける吸収極大は、5
94nm、500乃至550nmの波長領域の吸収極大
におけるフィルター層の透過率は、70%、560乃至
620nmの波長領域の吸収極大におけるフィルター層
の透過率は、6%、500乃至550nmの波長領域に
おける吸収極大の半値幅は、121nm、560乃至6
20nmの波長領域における吸収極大の半値幅は、67
nmであった。
【0078】
【化11】
【0079】[比較例2]ピグメントレッド112(非
レーキ顔料)に代えてピグメントレッド209(非レー
キ顔料)2.5gを用い、レーキ顔料(II−1)に代え
てシアニン染料(a)2.5gを用いた以外は、実施例
1と同様にして光学フィルターを作製した。500乃至
550nmの波長領域における吸収極大は529nm、
560乃至620nmの波長領域おける吸収極大は、5
94nm、500乃至550nmの波長領域の吸収極大
におけるフィルター層の透過率は、77%、560乃至
620nmの波長領域の吸収極大におけるフィルター層
の透過率は、6%、500乃至550nmの波長領域に
おける吸収極大の半値幅は、108nm、560乃至6
20nmの波長領域における吸収極大の半値幅は、66
nmであった。
【0080】[比較例3]ピグメントレッド112(非
レーキ顔料)に代えてピグメントレッド254(非レー
キ顔料)2.5gを用い、レーキ顔料(II−1)に代え
てシアニン染料(b)2.5gを用いた以外は、実施例
1と同様にして光学フィルターを作製した。500乃至
550nmの波長領域における吸収極大は528nm、
560乃至620nmの波長領域おける吸収極大は、6
03nm、500乃至550nmの波長領域の吸収極大
におけるフィルター層の透過率は、68%、560乃至
620nmの波長領域の吸収極大におけるフィルター層
の透過率は、8%、500乃至550nmの波長領域に
おける吸収極大の半値幅は、116nm、560乃至6
20nmの波長領域における吸収極大の半値幅は、71
nmであった。
【0081】
【化12】
【0082】(耐光性試験)作製した光学フィルター
に、キセノンランプで照度が15万スルクとなるよう
に、フィルター層とは反対側の面から光を照射し、20
0時間照射後の顔料(または染料)の残存量を測定し
た。残存量は、下記式に従い計算した。 残存量=100×(100−照射後の透過率)/(10
0−照射前の透過率) 上記透過率は、顔料(または染料)の吸収極大波長で測
定した値である。以上の結果を第1表に示す。
【0083】
【表1】 第1表 ──────────────────────────────────── 光学フィ 短波長側非レーキ顔料 長波長側レーキ顔料または染料 ルター 種類 耐光性 種類 耐光性 ──────────────────────────────────── 実施例1 ピグメントレッド112 97% レーキ顔料(II−1) 90% 実施例2 ピグメントレッド209 98% レーキ顔料(II−2) 90% 実施例3 ピグメントレッド209 98% レーキ顔料(II−15)93% 比較例1 ピグメントレッド112 93% 染料(a) 80% 比較例2 ピグメントレッド209 92% 染料(a) 80% 比較例3 ピグメントレッド209 93% 染料(b) 85% ──────────────────────────────────── (註) 短波長側:500乃至550nmの波長領域に吸収極大を有する 長波長側:560乃至620nmの波長領域に吸収極大を有する
【0084】実施例1〜3の光学フィルターをプラズマ
ディスプレイパネルの表面に取り付けたところ、コント
ラストが良好が画像が得られ、白色光および赤色光の改
善が認められた。
【0085】[実施例4] (下塗り層の形成)厚さ80μmの透明なトリアセチル
セルロースフイルムの片面に、メタノールとアセトンに
分散したゼラチンを厚さ200nmとなるよう塗布、乾
燥して、下塗り層を形成した。
【0086】(ハードコート層の形成)25重量部のジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA、
日本化薬(株)製)、25重量部のウレタンアクリレー
トオリゴマー(UV−6300B、日本合成化学工業
(株)製)、2重量部の光重合開始剤(イルガキュアー
907、チバガイギー社製)および0.5重量部の増感
剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)を、5
0重量部のメチルエチルケトンに溶解した。得られた塗
布液を、透明支持体の下塗り層とは反対側の面に、バー
コーターを用いて塗布、乾燥後、紫外線を照射してハー
ドコート層(層厚:6μm)を形成した。
【0087】(低屈折率層の形成)ハードコート層の上
に、実施例1と同様に、低屈折率層用塗布液を用いて低
屈折率層を形成した。
【0088】(フイルター層の形成)ゼラチンの14.
3重量%水溶液100gに、実施例1で用いた顔料分散
物28.6gを分散した。分散物を40℃で30分間攪
拌した後、孔径2μmのポリプロピレンフィルターで濾
過し、フィルター層塗布液を調製した。フィルター層用
塗布液を、下塗り層の上に、乾燥膜厚が3.5μmとな
るように塗布し、120℃で10分間乾燥してフィルタ
ー層を形成し、光学フィルターを作製した。作製した光
学フィルターについて、吸収極大および吸収極大におけ
る透過率と半値幅とを測定したところ、実施例1で作製
した光学フィルターと同じ結果が得られた。
【0089】[実施例5] (下塗り層の形成)実施例1と同様に、透明支持体の片
面に下塗り層(a)および第2下塗り層(a)を形成し
た。透明支持体の下塗り層が設けられていない側の面
に、塩化ビニリデン−アクリル酸−メチルアクリレート
コポリマーからなるラテックスを厚さ120nmとなる
よう塗布し、下塗り層(b)を形成した。
【0090】(第2下塗り層の形成)下塗り層(b)の
上に、アクリル系ラテックス(HA16、日本アクリル
(株)製)を厚さ50nmとなるよう塗布し、第2下塗
り層(b)を形成した。
【0091】(フイルター層の形成)ゼラチンの14.
3重量%水溶液100gに、実施例1で用いた顔料分散
物28.6gを分散した。分散物を40℃で30分間攪
拌した後、孔径2μmのポリプロピレンフィルターで濾
過し、フィルター層塗布液を調製した。フィルター層用
塗布液を、第2下塗り層(b)の上に、乾燥膜厚が3.
5μmとなるように塗布し、120℃で10分間乾燥し
てフィルター層を形成した。
【0092】(ハードコート層の形成)フィルター層の
上に、実施例4と同様にして、ハードコート層を形成し
た。
【0093】(低屈折率層の形成)ハードコート層の上
に、実施例1と同様に、低屈折率層用塗布液を用いて低
屈折率層を形成し、光学フィルターを作製した。作製し
た光学フィルターについて、吸収極大および吸収極大に
おける透過率と半値幅とを測定したところ、実施例1で
作製した光学フィルターと同じ結果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルター層を反射防止層とは透明支持体の反
対の側に設けた反射防止膜の層構成を示す断面模式図で
ある。
【図2】フィルター層と反射防止層とを透明支持体の同
じ側に設けた反射防止膜の層構成を示す断面模式図であ
る。 1 透明支持体 2 フィルター層 3 低屈折率層 4 ハードコート層 5 高屈折率層 6 中屈折率層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体上に、顔料およびポリマーバ
    インダーを含むフィルター層を有する光学フィルターで
    あって、フィルター層が500乃至550nmの波長領
    域に吸収極大を有する非レーキ顔料と560乃至620
    nmの波長領域に吸収極大を有するレーキ顔料とを含む
    ことを特徴とする光学フィルター。
  2. 【請求項2】 500乃至550nmの波長領域におけ
    る吸収極大の半値幅が、560乃至620nmの波長領
    域における吸収極大の半値幅よりも広い請求項1に記載
    の光学フィルター。
  3. 【請求項3】 500乃至550nmの波長領域の吸収
    極大における透過率が、560乃至620nmの波長領
    域の吸収極大における透過率よりも高い請求項1に記載
    の光学フィルター。
  4. 【請求項4】 非レーキ顔料が、水不溶性色素から形成
    した有機顔料である請求項1に記載の光学フィルター。
  5. 【請求項5】 レーキ顔料が、シアニン染料をレーキ化
    して形成したレーキ顔料である請求項1に記載の光学フ
    ィルター。
  6. 【請求項6】 プラズマディスプレイパネル用である請
    求項1に記載の光学フィルター。
  7. 【請求項7】 顔料およびポリマーバインダーを含むフ
    ィルター層、透明支持体、および透明支持体の屈折率よ
    りも低い屈折率を有する低屈折率層が、この順に積層さ
    れている反射防止膜であって、フィルター層が500乃
    至550nmの波長領域に吸収極大を有する非レーキ顔
    料と560乃至620nmの波長領域に吸収極大を有す
    るレーキ顔料とを含むことを特徴とする反射防止膜。
  8. 【請求項8】 透明支持体、顔料およびポリマーバイン
    ダーを含むフィルター層、および透明支持体の屈折率よ
    りも低い屈折率を有する低屈折率層が、この順に積層さ
    れている反射防止膜であって、フィルター層が500乃
    至550nmの波長領域に吸収極大を有する非レーキ顔
    料と560乃至620nmの波長領域に吸収極大を有す
    るレーキ顔料とを含むことを特徴とする反射防止膜。
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