JP2001065237A - 気密容器の扉装置用空気回路 - Google Patents

気密容器の扉装置用空気回路

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JP2001065237A
JP2001065237A JP24528999A JP24528999A JP2001065237A JP 2001065237 A JP2001065237 A JP 2001065237A JP 24528999 A JP24528999 A JP 24528999A JP 24528999 A JP24528999 A JP 24528999A JP 2001065237 A JP2001065237 A JP 2001065237A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空圧シリンダ及び電磁切換弁を用いて、扉体
を作動させる扉装置用空気回路において、停電時に扉体
をスムーズに作動させることができるとともに、停電復
帰後の扉体の動作もスムーズに保つことができる気密容
器の扉装置用空気回路を提供する。 【解決手段】 開閉動作用空圧シリンダ11のロッド側
室14とシリンダ側室15に至る通路16,17を連通
させる手動切換弁21を設け、手動切換弁21を連通位
置に切り換えると、扉体10の自重によりロッド側室1
4の空気がシリンダ側室15に流れ、扉体10が自重に
より下側に移動するようにする。または、ロック・アン
ロック用空圧シリンダであっても、空圧シリンダのロッ
ド側室14とシリンダ側室15に至る通路16,17を
連通させる手動切換弁21を設け、手動切換弁21を連
通位置に切り換えると、シリンダ側室15とロッド側室
14との受圧面積の差によって扉体10をアンロック位
置に移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷熱衝撃装置など
の気密容器の扉装置用空気回路に関し、特に、扉体の開
閉機構とロック・アンロック機構の少なくとも一方に、
空気圧シリンダ及び停電時に遮断位置となる電磁切換弁
を用い、停電時に自在に扉体を開いたりアンロックした
りできる扉装置用空気回路に関する。
【0002】
【従来の技術】気密容器に対する扉装置は、気密容器の
開口に対向する第1位置と前記開口から外れる第2位置
との間で開閉自在とする開閉機構と、前記第1位置にあ
る前記扉体が前記開口に向かって押し引きされ、前記開
口をロック又はアンロックするロック・アンロック機構
とを有する。
【0003】この開閉機構及びロック・アンロック機構
の両方の作動を共通の空圧シリンダで行うタイプの扉装
置が知られている。空圧シリンダのストロークの大部分
で扉体の開閉を行い、空圧シリンダのストロークの最終
段階の動きをリンク機構を用いて、扉体のロック・アン
ロック動作に変換する扉装置である。また、扉体の開閉
機構は手動操作可能になっており、扉体のロック・アン
ロック機構だけを空圧シリンダで作動させるタイプの扉
装置も知られている。
【0004】いずれのタイプの扉装置でも、空圧シリン
ダのロッド側室とシリンダ側室に対する空気源の接続
を、電磁切換弁を介して行う空気回路を有している。こ
の電磁切換弁は、空圧シリンダのロッド側室と空気源と
を接続する第1位置、空圧シリンダのシリンダ側室と空
気源とを接続する第2位置、及び停電時に前記ロッド側
室と前記シリンダ側室に至る通路を遮断状態にする第3
位置を有している。これにより、停電時に電磁切換弁が
遮断位置に切り換わり、扉体が停電時の状態のままで保
持され、不用意に扉体が開いたりアンロックされたりす
ることがない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
停電が長時間に及ぶとき、扉体を開きたい場合やアンロ
ックしたい場合があるが、前記電磁切換弁が遮断状態を
保っており、空圧シリンダに圧力空気が作用しているた
め、扉体を開いたり、アンロックしたりすることができ
ないという問題点がある。そのため、空圧シリンダへの
圧力空気供給側の回路に手動切換弁を設け、前記回路を
大気開放に切り換え、空圧シリンダを手動などで作動で
きるようにすることが行われている。ただし、空圧シリ
ンダの圧力空気排出側の回路は前記電磁切換弁で遮断さ
れたままであるため、空圧シリンダの動きがスムーズで
はなく、停電復帰後に空圧シリンダを作動させる際に、
ロッド側室及びシリンダ側室共に大気圧になっているた
め、復帰時の空圧シリンダの動作が異常に早いという問
題点がある。
【0006】本発明は、前述の問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、空圧シリンダ及
び電磁切換弁を用いて、扉体を作動させる扉装置用空気
回路において、停電時に扉体をスムーズに作動させるこ
とができるとともに、停電復帰後の扉体の動作もスムー
ズに保つことができる気密容器の扉装置用空気回路を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1に係る発明は、密閉容器の開口に対する扉体と、前
記開口に対面する第1位置と前記開口の下側に退避する
第2位置との間で前記扉体を昇降自在とするよう、ロッ
ドが下向きに伸縮する空圧シリンダと、前記空圧シリン
ダのロッド側室又はシリンダ側室と空気源との接続関係
を切り換え、停電時に前記ロッド側室と前記シリンダ側
室に至る通路を遮断状態にする電磁切換弁とを備え、前
記空圧シリンダの前記ロッド側室と前記シリンダ側室に
至る前記通路を連通させる手動切換弁を設け、前記手動
切換弁を連通位置に切り換えると、前記扉体の自重によ
り前記ロッド側室の空気が前記シリンダ側室に流れるよ
うにしたことを特徴とする気密容器の扉装置用空気回路
である。
【0008】停電時には、電磁切換弁が空圧シリンダへ
の回路を遮断する位置に切り換わり、空圧シリンダに空
気圧が作用する状態が保たれるため、閉じた扉体はその
まま保持される。扉体を開きたい場合、手動切換弁をロ
ッド側室とシリンダ側室の連結位置に切り換えると、扉
体の自重によりロッド側室の空気がシリンダ側室に流
れ、扉体の自重に加えて、シリンダ側室とロッド側室と
の受圧面積の差による押圧力が作用する。これにより、
空圧シリンダのロッドが下向きに伸長を続け、扉体は開
口に対面する第1位置から開口の下側の第2位置に向か
ってスムーズに開く。また、空圧シリンダのロッド側室
及びシリンダ側室に圧力空気が作用したままになるた
め、停電復帰後の空圧シリンダの動きもスムーズにな
る。
【0009】請求項2に係る発明は、密閉容器の開口に
対する扉体と、前記開口から離れるアンロック位置と前
記開口を密閉状態で閉鎖するロック位置との間で前記扉
体を進退自在とし、ロッドの引き込みによりロック位置
となる空圧シリンダと、前記空圧シリンダのロッド側室
又はシリンダ側室と空気源との接続関係を切り換え、停
電時に前記ロッド側室と前記シリンダ側室に至る通路を
遮断状態にする電磁切換弁とを備え、前記空圧シリンダ
の前記ロッド側室と前記シリンダ側室に至る前記通路を
連通させる手動切換弁を設け、前記手動切換弁を連通位
置に切り換えると、シリンダ側室とロッド側室との受圧
面積の差によって前記扉体をアンロック位置に移動させ
ることを特徴とする気密容器の扉装置用空気回路であ
る。
【0010】停電時には、電磁切換弁が空圧シリンダへ
の回路を遮断する位置に切り換わり、空圧シリンダに空
気圧が作用する状態が保たれるため、ロック位置の扉体
はそのまま保持される。扉体をアンロック位置にしたい
場合、手動切換弁をロッド側室とシリンダ側室の連結位
置に切り換えると、ロッド側室とシリンダ側室の空気圧
が同じになり、シリンダ側室とロッド側室との受圧面積
の差による押圧力が作用する。この押圧力により空圧シ
リンダのロッドが伸長するため、扉体はロック位置から
アンロック位置へとスムーズに移動する。また、空圧シ
リンダのロッド側室及びシリンダ側室に圧力空気が作用
したままになるため、停電復帰後の空圧シリンダの動き
もスムーズになる。
【0011】請求項3に係る発明は、前記シリンダ側室
に至る通路に、前記手動切換弁と連動して切り換わって
補助空気源に接続する手動切換弁を設けた請求項2記載
の気密容器の扉装置用空気回路である。
【0012】手動切換弁をロッド側室とシリンダ側室の
連結位置に切り換えると、ロッド側室とシリンダ側室の
いずれか一方が大気開放であったため、空気圧が下がろ
うとするが、補助空気源からの圧力空気の供給より、空
気圧は低下せず、シリンダ側室とロッド側室との受圧面
積の差による押圧力が所定の大きな値に保たれ、扉体を
ロック位置からアンロック位置に切り換える推力が確保
される。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図示例とと
もに説明する。図1は、扉体の開閉に空圧シリンダを用
いる場合の本発明の扉装置用空気回路1の回路図であ
る。図2は、扉体の開閉に空圧シリンダを用いる場合の
リンク部材付扉装置51の概略構造図である。
【0014】図1において、空気回路1は、扉体10を
密閉容器の開口4に対面する第1位置(閉位置)Aと密
閉容器の開口4の下側に退避する第2位置(開位置)B
との間で昇降自在とする空圧シリンダ11に適用され
る。空圧シリンダ11は扉体10の両側に2本配置され
る。空圧シリンダ11のロッド13は下向きになってお
り、このロッド13の先端が扉体10の下端に連結され
る。この配置により、空圧シリンダ11のロッド13が
伸縮すると、扉体10は上側の第1位置Aと下側の第2
位置Bとの間で昇降する。
【0015】空気回路1は、空圧シリンダ11のロッド
側室14に連通する通路16と、空圧シリンダ11のシ
リンダ側室15に連通する通路17と、空気源18及び
通路16,17とを接続する電磁切換弁19と、通路1
6と通路17の間の連通路20と、連通路20に設けら
れた手動切換弁21と、通路16に設けられたスピード
コントローラ22と、通路17に設けられたスピードコ
ントローラ23とを備えてなる。
【0016】通路16は、2本の空圧シリンダ11のロ
ッド側室14からの通路を合流させ、スピードコントロ
ーラ22を経て電磁切換弁19に至る通路である。通路
17は、2本の空圧シリンダ11のシリンダ側室15か
らの通路を合流させ、スピードコントローラ23を経て
電磁切換弁19に至る通路である。連通路20は、通路
16のスピードコントローラ22の出側と、通路17の
スピードコントローラ23の入側との間に設けられてい
る。スピードコントローラ22,23は排気側で作動す
る絞りと、給気側の通過を許容する逆止弁とからなる。
【0017】電磁切換弁19は、空気源18を通路16
を介してロッド側室14に接続する第1位置19aと、
空気源18を通路17を介してシリンダ側室15に接続
する第2位置19bと、停電時に通路16,17を遮断
する第3位置19cを有する3位置5ポート弁である。
第1位置19aと第2位置19bは電気回路を経て遠隔
操作で切り換わるが、第3位置19cは付勢バネ19d
により停電時に自動的に切り換わる。
【0018】手動切換弁21は、遮断位置21aと連通
位置21bとを有する。通常は付勢バネ21cにより遮
断位置21aであるが、ボタン21dを手で押すと連通
位置21bに切り換わり、ボタン21dから手を離すと
元の遮断位置21aに切り換わる。
【0019】前述した空気回路1の作動を以下に説明す
る。開口4の下側の第2位置Bから開口4に対面する第
1位置Aへ扉体10を上昇させる場合、電磁切換弁19
が第1位置19aに切り換わり、空気源18が通路16
を経てロッド側室14に接続され、ロッド13が上に向
かって引っ込み、扉体10が開口4に対面する第1位置
Aへと上昇する。このときの上昇速度は、排気側のスピ
ードコントローラ23の絞りの開度で決まる。また、シ
リンダ側室15の通路17はサイレンサ24を経て大気
に連通している。通常、閉じた状態の扉体10は、電磁
切換弁19が第1位置19aのままであることにより、
その閉位置を保持する。
【0020】この状態で、停電が発生すると、電磁切換
弁19は付勢バネ19dにより第3位置19cに切り換
わり、ロッド側室14に至る通路16とシリンダ側室1
5に至る通路17の両方が遮断され、ロッド側室14に
供給されている圧力空気は閉じ込められ、扉体10の閉
じた状態が保持される。
【0021】停電が長時間にわたるときなど、扉体10
を開きたい場合がある。このとき、手動切換弁21のボ
タン21dを押すと、遮断位置21aから、通路16と
通路17を連通させる連通位置21bに切り換わる。ロ
ッド13には、扉体10の重量が掛かっているため、ロ
ッド側室14の圧力空気は、通路16、スピードコント
ローラ22、連通路20、通路17を経てシリンダ側室
15に流れ込む。また、ロッド側室14の受圧面積は、
シリンダ側室15の受圧面積よりロッド13の断面積だ
け少ないため、ロッド側室14とシリンダ側室15の空
気圧が同じになっても、ロッド13を押し下げる方向の
押圧力となり、扉体10の自重の方向と同じであるた
め、扉体10はスピードコントローラ22の絞りに応じ
てスムーズに下降する。
【0022】手動切換弁21のボタン21dから手を離
すと、手動切換弁21は付勢バネ21cにより遮断位置
21aに復帰し、ロッド側室14とシリンダ側室15の
連通が遮断されるため、空圧シリンダ11すなわち扉体
10はその位置で停止する。停電が復帰し、扉体10を
閉めたい場合、空圧シリンダ11のシリンダ側室15に
圧力空気が残っているため、シリンダ側室15の排気が
スピードコントローラ23で絞られ、空圧シリンダ11
のロッド13の急激な移動が起こらない。以上説明した
ように、停電時に手動切換弁21を操作し、所望の開度
まで扉体10をスムーズな動きで開くことができ、停電
復帰後の扉体10の移動も普通の動きとすることができ
る。
【0023】つぎに、図1の空気回路1が好適に適用さ
れるリンク部材付扉装置51を図2により説明する。図
2において、リンク部材付扉装置51は、扉体10と、
扉体10の両側に配設されたスライド部材52と、スラ
イド部材52の更に外側に沿って配設された枠体53
と、扉体10とスライド部材52の間に設けられたリン
ク機構54と、スライド部材52と枠体53の間に設け
られたスライド移動自在なガイド部材55と、スライド
部材52を介して扉体10を開閉動作させる空圧シリン
ダ11と、扉体10と枠体53の間に設けられ、前記リ
ンク機構54を前記空圧シリンダ11を介して作動させ
るストッパー部材57とを備えてなる。
【0024】リンク機構54は、扉体10の幅方向に挿
入された連結軸58と、連結軸58の両端に固定された
リンク部材59と、リンク部材59に対する付勢手段6
0とからなる。連結軸58は、軸受61を介することに
より、扉体10に対して回動自在に支持されている。リ
ンク部材59の一端側は、連結軸58の両端に固定され
ている。リンク部材59の中程は、スライド部材52に
対して軸62及び軸受63を介して回動自在に支持され
ている。リンク部材59の他端側とスライド部材52の
間に付勢手段としての引っ張りバネ64が取り付けられ
ている。この引っ張りバネ64とストッパー65によ
り、リンク部材59の前屈みの姿勢が決まるようになっ
ている。そして、スライド部材52を介して作用する外
力により、リンク部材59は、軸62を支点として図示
のb又はc方向に揺動自在となっている。
【0025】前述した構造のリンク部材付扉装置51
は、以下のように作動する。空圧シリンダ11を短縮さ
せると、扉体10は、開口4に対向する図示の第1位置
まで上昇する。更に、空圧シリンダ11を短縮させる
と、扉体10の下端がストッパー部材57に当たり、ス
ライド部材52だけが上昇する。すると、リンク部材5
9が軸62を支点にして、矢印b方向に揺動し、扉体1
0が開口4に向かって押し出され、扉体10が開口4を
密閉状態にして閉鎖するロック位置となる。更に扉体1
0を開口4から離すアンロック動作を説明する。空圧シ
リンダ11を伸長させ、スライド部材52が図示の下向
きに移動させると、リンク部材59が矢印c方向に揺動
し、扉体10は開口4から離れたアンロック状態にな
る。リンク部材59の揺動がストッパー65に当たって
止まると、扉体10はストッパー部材57から離れ、ス
ライド部材52と共に下方に移動する。
【0026】このように、空圧シリンダ11を、扉体1
0の開閉とロック・アンロックに共用するタイプのリン
ク部材付扉装置51に対して図1の空気回路が好適に適
用される。図1の手動切換弁21は、リンク部材付扉装
置51の目立たないところにカバー付で設置される。停
電時に、カバーを開けて手動切換弁21を操作すると、
扉体10のアンロック動作に引き続き、扉体10の開け
る動作が行われ、操作性に優れる。
【0027】つぎに、扉体10のロック・アンロックに
空圧シリンダを用いる場合を図3及び図4により説明す
る。図3は、扉体10のロック・アンロックに空圧シリ
ンダを用いる場合の本発明の扉装置用空気回路2の回路
図である。図4は、扉体のロック・アンロックに空圧シ
リンダを用いる場合の揺動枠付扉装置101の概略構造
図である。
【0028】図3において、空気回路2は、扉体10が
密閉容器3の開口4を密着状態で閉鎖するロック位置
と、扉体10が密閉容器3の開口4から離れるアンロッ
ク位置との間で進退自在とする空圧シリンダ12に適用
される。空圧シリンダ12は扉体10の左右に少なくと
も2本配置される。空圧シリンダ12のロッド13は略
水平向きになっており、このロッド13の先端が密閉容
器3の側に連結される。この配置により、空圧シリンダ
12のロッド13が引き込まれると、扉体10がロック
位置となり、空圧シリンダ12のロッド13が延びる
と、扉体10がアンロック位置となる。
【0029】空気回路2の構成は、図1の空気回路1で
説明したものと同様である。そこで、同じ符号を付して
その詳細説明を省略する。そして、この空気回路2の作
動を以下に説明する。
【0030】開口4から離れるアンロック位置から開口
4に密閉状態で閉鎖するロック位置へと扉体10を移動
させる場合、電磁切換弁19が第1位置19aに切り換
わり、空気源18が通路16を経てロッド側室14に接
続され、ロッド13が引っ込み、扉体10が開口4に向
かって移動する。このときの移動速度は、排気側のスピ
ードコントローラ23の絞りの開度で決まるようになっ
ている。また、シリンダ側室15の通路17はサイレン
サ24を経て大気に連通している。通常、扉体10のロ
ック位置は、電磁切換弁19が第1位置19aを保つこ
とにより保持される。
【0031】この状態で、停電が発生すると、電磁切換
弁19は付勢バネ19dにより第3位置19cに切り換
わり、ロッド側室14に至る通路16とシリンダ側室1
5に至る通路17の両方が遮断され、ロッド側室14に
供給された圧力空気は閉じ込められ、扉体10のロック
状態が保持される。
【0032】停電が長時間にわたるときなど、扉体10
を開きたい場合がある。このとき、手動切換弁21のボ
タン21dを押すと、遮断位置21aから、通路16と
通路17を連通させる連通位置21bに切り換わる。ロ
ッド側室14の圧力空気は、通路16、スピードコント
ローラ22、連通路20、通路17を経てシリンダ側室
15に流れ込む。ところで、ロッド側室14の受圧面積
は、シリンダ側室15の受圧面積よりロッド13の断面
積だけ少ないため、ロッド側室14とシリンダ側室15
の空気圧が同じになると、ロッド13を押し出す方向の
押圧力が発生し、扉体10はスピードコントローラ22
の絞りに応じてロック位置からアンロック位置へとスム
ーズに移動する。
【0033】手動切換弁21のボタン21dから手を離
すと、手動切換弁21は付勢バネ21cにより遮断位置
21aに復帰し、ロッド側室14とシリンダ側室15の
連通が遮断されるため、ロッド13はその位置で停止す
る。停電が復帰し、扉体10を再び閉める場合、空圧シ
リンダ12のシリンダ側室15に圧力空気が残っている
ため、シリンダ側室15の排気がスピードコントローラ
23で絞られ、ロッド13の急激な移動が起こらない。
以上説明したように、停電時に手動切換弁21を操作
し、所望のアンロック位置まで扉体10をスムーズに移
動させることができ、停電復帰後の扉体10の移動も普
通の動きとすることができる。
【0034】図4は、図3の空気回路2の好ましい他の
実施態様を示している。図3の空気回路2に対して、空
圧シリンダ12に至る通路17でスピードコントローラ
23に至るまでの通路に、手動切換弁25を設け、通路
17の圧力空気を逆止弁26を介して蓄積している補助
空気源27を、前記手動切換弁25を介して通路17に
接続可能に設ける。手動切換弁25は、手動切換弁21
と連動して切り換わり、補助空気源27を通路17から
切り離す位置25aと、補助空気源27を通路17に接
続する位置25bとを有する。
【0035】停電時に、手動切換弁21を連通位置21
bに切り換えると、同時に手動切換弁25も補助空気源
27を通路17に接続する位置25bに切り換わる。す
ると、空圧シリンダ12のシリンダ側室15に補助空気
源27からの圧力空気が流れ込み、空圧シリンダ12の
ロッド側室14とシリンダ側室15の圧力空気が高圧に
維持される。その結果、シリンダ側室15とロッド側室
14との受圧面積の差に基づく押圧力が高いままで維持
される。そして、扉体10の周縁に取り付けられシール
部材10aが密閉容器3の開口4に引っつく場合があっ
ても、シール部材10a引き剥がすのに必要な力が確保
される。
【0036】つぎに、図3の空気回路1が好適に適用さ
れる揺動枠付扉装置101を図5により説明する。図5
において、揺動枠付扉装置101は、扉体10と、扉体
10を上下にスライド自在に保持する枠体102と、枠
体102をその下方を支点として揺動させる支持手段1
03と、枠体102の上方に設けられ、開口4に向けて
ロッドを伸縮させる空圧シリンダ12と備えてなる。
【0037】扉体10は、枠体102に取り付けられた
ガイド部材104によって枠体102に沿ってスライド
移動が可能である。また、枠体102の上側に回動可能
に支持された連動軸105の両端にバランスウェイト手
段106が取り付けられ、扉体10は手動により開口4
に対して開閉自在である。また枠体102の横枠の下端
の支持手段103が密閉容器2の下方にボルト等で固定
されることにより、枠体102の全体が支持手段103
を支点として揺動自在である。空圧シリンダ12は、シ
リンダ側が枠体102の上枠に取り付けられ、ロッド側
が密閉容器3の側に取り付けられている。
【0038】上述した構造の揺動枠付扉装置101は以
下のように作動する。扉体10を閉める場合、扉体10
の把手107を持ち、下側に退避している第2位置Bか
ら開口4に対面する第1位置Aまで、手動で扉体10を
上昇させる。つぎに、把手107に設けられたスイッチ
108を押すと、図3の電磁切換弁19が第1位置19
aに切り換わり、空圧シリンダ12のロッド側室14に
圧力空気が導入される。すると、図5の空圧シリンダ1
2のロッド13が引き込まれ、枠体102の全体が支持
手段103を支点として開口4に向かって揺動し、開口
4に対面する第1位置Aにある扉体10は開口4に向か
って押圧され、扉体10が開口4に対してロックされ
る。
【0039】停電時に作動させる手動切換弁21は揺動
枠付扉装置101の目立たない場所にカバー付で設置さ
れている。停電時に、カバーを開けて手動切換弁21の
ボタンを押すと、空圧シリンダ12がロッド側室14と
シリンダ側室15の受圧面積の差で決まる押圧力が作用
し、扉体10は開口4から緩やかに離れてアンロック位
置になる。すると、手動により扉体10を下側に退避す
る第2位置Bに移動させることができる。
【0040】
【発明の効果】請求項1に係る発明によると、扉体を開
閉させる空圧シリンダのロッド側室とシリンダ側室に至
る通路を連通させる手動切換弁を設け、前記手動切換弁
を連通位置に切り換えると、扉体の自重によりロッド側
室の空気がシリンダ側室に流れ、シリンダ側室とロッド
側室との受圧面積の差による押圧力と扉体の自重によ
り、空圧シリンダのロッドが伸長し続けるため、扉体
を、開口に対面する第1位置から開口の下側の第2位置
にスムーズに移動させることができる。また、扉体の開
動作を止めたい場合、手動切換弁から手を離すと、連通
位置から遮断位置に切り換わり、扉体を開動作の途中の
所望位置で停止させることができる。さらに、停電復帰
後に、空気圧が導入された場合、ロッド側室とシリンダ
側室に空気圧が残留しているため、空圧シリンダが急激
に作動することがなく、扉体の急な移動による事故の発
生を防止できる。
【0041】請求項2に係る発明によると、扉体を開口
に向けてロックする空圧シリンダのロッド側室とシリン
ダ側室に至る通路を連通させる手動切換弁を設け、前記
手動切換弁を連通位置に切り換えると、シリンダ側室と
ロッド側室との受圧面積の差によって前記扉体をアンロ
ック位置に移動させるため、扉体がロック位置からアン
ロック位置に自動的に移動する。扉体のアンロック動作
を止めたい場合、手動切換弁から手を離すと、連通位置
から遮断位置に切り換わり、扉体をアンロック動作の途
中の所望位置で停止させることができる。さらに、停電
復帰後に、空気圧が導入された場合、ロッド側室とシリ
ンダ側室に空気圧が残留しているため、空圧シリンダが
急激に作動することがなく、扉体の急な移動による事故
の発生を防止できる。
【0042】請求項3に係る発明によると、シリンダ側
室に至る通路に、手動切換弁と連動して切り換わって補
助空気源に接続する手動切換弁を設けたので、大気開放
されたシリンダ側室に前記補助空気源からの圧力空気が
供給され、ロッド側室とシリンダ側室の空気圧が高い状
態に保たれ、シリンダ側室とロッド側室との受圧面積の
差による押圧力が高くなり、空圧シリンダをロック位置
からアンロック位置に向かって移動させるための推力が
確保できる。そのため、扉体が不完全なアンロック位置
になったまま、扉体が開動作に移り、扉体の周縁のシー
ル部材が開口に擦れて損傷するような事故を防止でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】扉体の開閉に空圧シリンダを用いる場合の本発
明の扉装置用空気回路の回路図である。
【図2】扉体の開閉に図1の空気回路を用いる場合の扉
装置の概略構造図である。
【図3】扉体のロック・アンロックに空圧シリンダを用
いる場合の本発明の扉装置用空気回路の回路図である。
【図4】扉体のロック・アンロックに空圧シリンダを用
いる場合の扉装置用空気回路の好ましい回路図である。
【図5】扉体のロック・アンロックに図3の空気回路を
用いる場合の扉装置の概略斜視図である。
【符号の説明】
1 空気回路(昇降用) 2 空気回路(ロック・アンロック用) 3 密閉容器の開口 10 扉体 11 空圧シリンダ(昇降用) 12 空圧シリンダ(ロック・アンロック用) 13 ロッド 14 ロッド側室 15 シリンダ側室 16 通路 17 通路 18 空気源 19 電磁切換弁 20 連通路 21 手動切換弁 25 手動切換弁 27 補助空気源 51 リンク部材付扉装置 101 揺動枠付扉装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉容器の開口に対する扉体と、前記開
    口に対面する第1位置と前記開口の下側に退避する第2
    位置との間で前記扉体を昇降自在とするよう、ロッドが
    下向きに伸縮する空圧シリンダと、 前記空圧シリンダのロッド側室又はシリンダ側室と空気
    源との接続関係を切り換え、停電時に前記ロッド側室と
    前記シリンダ側室に至る通路を遮断状態にする電磁切換
    弁とを備え、 前記空圧シリンダの前記ロッド側室と前記シリンダ側室
    に至る前記通路を連通させる手動切換弁を設け、前記手
    動切換弁を連通位置に切り換えると、前記扉体の自重に
    より前記ロッド側室の空気が前記シリンダ側室に流れる
    ようにしたことを特徴とする気密容器の扉装置用空気回
    路。
  2. 【請求項2】 密閉容器の開口に対する扉体と、 前記開口から離れるアンロック位置と前記開口を密閉状
    態で閉鎖するロック位置との間で前記扉体を進退自在と
    し、ロッドの引き込みによりロック位置となる空圧シリ
    ンダと、 前記空圧シリンダのロッド側室又はシリンダ側室と空気
    源との接続関係を切り換え、停電時に前記ロッド側室と
    前記シリンダ側室に至る通路を遮断状態にする電磁切換
    弁とを備え、 前記空圧シリンダの前記ロッド側室と前記シリンダ側室
    に至る前記通路を連通させる手動切換弁を設け、前記手
    動切換弁を連通位置に切り換えると、シリンダ側室とロ
    ッド側室との受圧面積の差によって前記扉体をアンロッ
    ク位置に移動させることを特徴とする気密容器の扉装置
    用空気回路。
  3. 【請求項3】 前記シリンダ側室に至る通路に、前記手
    動切換弁と連動して切り換わって補助空気源に接続する
    手動切換弁を設けた請求項2記載の気密容器の扉装置用
    空気回路。
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