JP2001064778A - プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法

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JP2001064778A
JP2001064778A JP24062799A JP24062799A JP2001064778A JP 2001064778 A JP2001064778 A JP 2001064778A JP 24062799 A JP24062799 A JP 24062799A JP 24062799 A JP24062799 A JP 24062799A JP 2001064778 A JP2001064778 A JP 2001064778A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成膜、加工および表面処理等のプラズマ処理
において、プラズマ処理の高速化、プラズマ処理面の高
品質化およびプラズマ処理の均一化という3つの要求を
同時に満たす。 【解決手段】 第1電極2の少なくとも一部と第2電極
3の一部との対向部である第1空間SCにおいて小サイ
ズのプラズマPを発生させる。そのプラズマPに対して
第2電極3とその上に搭載された基板50を移動させて
基板全面に均一なプラズマ処理を行う。第2電極3およ
び基板50と接触せずに、第1電極2および、第2電極
3または基板50と共に主ガス流路FRを構成するカバ
ー体23を設ける。このカバー体23の連通導入口26
から第1空間SCを通ってカバー体23の連通排気口2
7に向かうプラズマ処理用ガスの主ガス流路FRの流線
に急激な変化が加わらないように、第1電極2、第2電
極3およびカバー体23を配置して、プラズマ空間Pに
大流量のプラズマ処理用ガスを安定して供給し、処理後
のガスを高速に排気する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板に対して成
膜、加工および表面処理等を行うためのプラズマ処理装
置およびプラズマ処理方法に関し、特に、大面積の基板
に対しても、均一、高品質、かつ、高速に、成膜、加工
および表面処理等を行うことができるプラズマ処理装置
およびプラズマ処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】成膜、加工、表面処理等のプラズマ処理
においては、プラズマ処理の基板面内での均一化、プラ
ズマ処理面の高品質化、およびプラズマ処理速度の高速
化が望まれている。特に、近年注目を集めている薄膜S
i太陽電池の製造プロセスにおいては、プラズマCVD
(Chemical Vapour Depositi
on)法等によりガラス基板やシート状基板上にアモル
ファスまたは微結晶のSi薄膜が形成されるが、形成さ
れるSi薄膜の均一化および高品質化、および成膜速度
の向上に対する要求が非常に厳しい。これに加えて、近
年の基板サイズの大面積化は、上記要求を一層厳しいも
のにしている。以下に、上記要求に応えるための従来技
術について説明する。
【0003】大面積基板に対するプラズマ処理の均一
化について この要求に応えるためには、プラズマ空間に均一にプラ
ズマ処理用ガスを供給して均一な放電状態を維持できる
程度の小サイズのプラズマを発生させ、この小サイズの
プラズマと基板とを相対的に移動させて、基板全面に対
してプラズマ処理を行うことが有効である。例えば、基
板長手方向におけるプラズマ発生部の長さが、その方向
における基板の長さよりも短くなるような幅狭の電極を
用いて、基板をその長手方向に移動させながらプラズマ
処理を行う手法が知られている。この観点に基づく従来
技術は、例えば特開平6−252071号公報、特開平
8−277471号公報、第2589599号特許公報
および第2667665号特許公報等に開示されてい
る。
【0004】大面積基板に対するプラズマ処理面の高
品質化について この要求に応えるためには、プラズマ処理による反応生
成物が滞留して基板に付着しないように、これを速やか
に除去することが必要である。このためには、上記手法
と同様に、小サイズのプラズマを発生させる電極を用
いると共に、プラズマ処理後のガスをプラズマ空間の直
近で効率的に排気する手法が有効である。この観点に基
づく従来技術は、例えば特開平5−343338号公報
および第2589599号特許公報等に開示されてい
る。さらに、プラズマ処理後のガスをプラズマ空間から
高速に排気することも重要であるが、高速排気に関して
は上記公報にも特に記載されていない。なお、プラズマ
空間のサイズを小さくし、プラズマ処理後のガスを高速
に配置することの重要性は、プラズマ空間内のガスの置
換時間tが下記式で表されることから、理解できる。
【0005】t=V/Q (V:プラズマ空間の体積、
Q:プラズマ処理用ガスの流量)
【0006】プラズマ処理速度の高速化について −a.手法1(プラズマ処理用ガスの大流量供給) プラズマ処理の高速化を図るためには、プラズマ処理用
ガスを、処理速度に見合うだけの大流量でプラズマ空間
に供給することが必要である。このためには、一対の電
極を囲むようにカバー体を設けて、このカバー体に設け
たガス導入口とガス排気口とによって、ガス導入口から
プラズマ空間を通ってガス排気口に向かう大流量の高速
ガス流を形成することが有効である。この手法によれ
ば、カバー体によってガス流が規制されるので、プラズ
マ空間外へのガス流のリークを低減でき、大流量の高速
ガス流を形成することができる。この観点に基づく従来
技術は、例えば特開昭62−94922号公報、実開昭
62−172146号公報、特開平1−309975号
公報、特開平6−248457号公報および特公平7−
100867号公報等に開示されている。
【0007】−b.手法2(プラズマ処理用ガスの高
圧力化) プラズマ処理の高速化を図るためには、上記−aの手
法1と併せて、プラズマ空間内におけるプラズマ処理用
ガス中の反応ガスの分圧を高めることが有効である。な
お、反応ガスとは、希釈ガスと区別して、実際にプラズ
マ処理に寄与するガスのことを指す。この手法は、処理
速度の高速化を図るためには有効であるが、反応ガスの
分圧を高めると、プラズマを安定して発生させることが
困難になる。そこで、特公平6−60412号公報、第
2700177号特許公報および特開平6−29935
8号公報等には、高い分圧の反応ガスに対して、これを
大量の不活性ガスで希釈することにより、反応ガスの分
圧を高めても、即ち、高圧力のプラズマ処理用ガス雰囲
気下でも、安定したプラズマを発生させる手法が開示さ
れている。これらの公報の手法によれば、反応ガスに大
量の不活性ガスを加えているので、チャンバ内の反応ガ
スの分圧を高めてもプラズマを安定して維持し、処理速
度を向上することができる。但し、この手法では、チャ
ンバ内のプラズマ処理用ガスの圧力を高圧力としている
ため、一対の電極の間隔を狭くしなければプラズマを安
定に発生させることができない。つまり、高圧力化で安
定にプラズマを発生させるためには、一対の電極の間隔
を狭くする必要がある。しかし、電極の間隔を狭くする
と、ガス流の摩擦損失のために、電極間に大流量のプラ
ズマ処理用ガスを安定して供給することが困難となる。
【0008】以下に、上記従来の手法に基づいて、上記
〜の各々、またはその内の2つの要求を満たすこと
が可能な具体的なプラズマ処理装置について説明する。
【0009】(A)従来技術に基づく構成1(上記お
よびの要求を満たすプラズマ処理装置) 上記およびの要求を満たすプラズマ処理装置として
は、例えば第2667665号特許公報に開示されてい
る内容と特開平5−343338号公報に開示されてい
る内容とを組み合わせた構成が考えられる。この観点に
基づいたプラズマ処理装置を図17に示す。
【0010】図17において、501はチャンバ、50
2は基板550と対向する第1電極、503は基板55
0が搭載される第2電極、504はプラズマ処理用ガス
をプラズマ空間に導入するガス導入口、505はプラズ
マ処理後のガスを排気するガス排気口である。
【0011】このプラズマ処理装置において、ガス導入
口504からチャンバ501内にプラズマ処理用ガスを
導入し、第1電極502と第2電極503との間に高周
波電圧を印加すると、そのプラズマ処理用ガスに基づく
プラズマPが発生する。このプラズマPの作用によって
基板550の第1電極502と対向する部分がプラズマ
処理される。そして、プラズマ処理後のガスは、ガス排
気口505から排気される。ここで、図中のX方向にお
けるプラズマPの長さは、その方向における基板550
の長さに比べて短いが、第2電極503をX方向に移動
させることにより、基板550の全面に対してプラズマ
処理が施される。
【0012】上記プラズマ処理装置において発生するプ
ラズマPは、そのサイズが小さいため、そのプラズマ空
間に均一にプラズマ処理用ガスを供給することができ、
また、均一な放電状態を維持することができる。即ち、
小サイズのプラズマPと対向する部分では、均一にプラ
ズマ処理を施すことができる。そして、この均一性が良
いプラズマPと対向して基板550が移動するため、大
面積基板に対しても均一なプラズマ処理が可能となる。
また、プラズマPはサイズ(プラズマ空間の体積)が小
さく、さらに、この直近に設けたガス排気口505によ
ってプラズマ処理後のガスが排気されるため、反応生成
物がプラズマ空間中に滞留する時間が短く、プラズマ処
理の高品質化を図ることができる。
【0013】(B)従来技術に基づく構成2(上記の
要求を満たすプラズマ処理装置) 上記の要求を満たすプラズマ処理装置として、特開平
6−248457号公報に開示されている内容につい
て、図18を参照しながら説明する。なお、この公報に
開示されている内容は、上記−aの手法1に基づくも
のであり、上記−bの手法2との両立は困難である。
この点については後述の
【発明が解決しようとする課題】にて説明する。
【0014】図18(a)において、601はチャン
バ、602は基板650と対向する第1電極、603は
基板650が搭載される第2電極、604はプラズマ処
理用ガスをプラズマ空間に導入するガス導入口、605
はプラズマ処理後のガスを排気するガス排気口である。
また、606および607は各々第1電極602と第2
電極603との間の空間611を挟んで対向して設けら
れたガス供給手段とガス排気手段である。ガス供給手段
606には多数の噴出口608が設けられ、ガス排気手
段607には多数の吸引口609が設けられている。さ
らに、図18(a)に対して直交する方向から見た断面
図である図18(b)に示すように、第2電極603に
の端縁には絶縁体からなる仕切板610が立ち上げ形成
されている。
【0015】このプラズマ処理装置においては、第1電
極602と第2電極603との間の空間611がガス供
給手段606、ガス排気手段607および仕切板610
によってボックス状に区画されている。このため、ガス
導入口604から導入されたプラズマ処理用ガスを、ガ
ス供給手段606の噴出口608からボックス状空間6
11に対して大流量で安定して供給することができる。
そして、第1電極602と第2電極603との間に高周
波電圧を印加することにより発生するプラズマPを、こ
のボックス状空間611に閉じ込めることができる。ま
た、プラズマ処理後のガスは、ボックス状空間611か
らガス排気手段607の吸引口609を通じて高速に排
気することができる。
【0016】この構成によれば、プラズマ処理用ガス
が、ボックス状の空間部611以外の領域に漏れること
なく、ボックス状空間611を安定に流れるので、大流
量のプラズマ処理用ガスをプラズマ空間に安定して供給
し、成膜速度の高速化を図ることができる。また、プラ
ズマ処理後のガスを高速に排気することができる。但
し、この場合、プラズマは基板全面と対向しており、そ
のサイズが大きいので、プラズマ処理による反応生成物
の滞留時間は必ずしも短い訳ではない。この点について
は、プラズマ空間内のガスの置換時間tが下記式で表さ
れることから、理解できる。
【0017】t=V/Q (V:プラズマ空間の体積、
Q:プラズマ処理用ガスの流量)
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術は、
いずれも、上記〜の各々、またはその内の2つの要
求を満たすことは可能であるが、〜の要求を全て満
足することはできなかった。以下に、従来技術の課題を
具体的に説明する。
【0019】(A)上記構成1の課題について 図17に示したプラズマ処理装置の構成は、特に、大面
積の基板に対して、基板面内のプラズマ処理の均一化お
よびプラズマ処理面の高品質化を図るためには有効であ
る。
【0020】しかしながら、さらにプラズマ処理速度の
高速化を図る上では、困難な点があった。すなわち、高
速処理を行うためには、処理速度に見合うだけの大流量
のプラズマ処理用ガスをプラズマ空間に供給する必要が
あるが、図17に示したプラズマ処理装置では、大流量
のガスを安定して供給することは困難である。図17に
おいて、プラズマ処理用ガスに対して望まれるガス流路
は、図中にFJで示すように、ガス導入口504〜プラ
ズマ空間P〜ガス排気口505という経路である。しか
しながら、この流路FJでは、流線が急激に変化するた
めにコンダクタンスが小さく、大流量のガスを供給する
ことが困難である。さらに、上記所望の流路以外の方向
に分岐するガス流も発生してしまう。また、仮に大流量
のガスを流したとしても、上記流路における流線の急激
な変化によって流れに乱れが生じる。このことはプラズ
マ処理の不均一とプラズマ処理面の品質低下を引き起こ
し、本来の効果も失うことになる。この問題は、処理速
度を高速化するために、さらにプラズマ空間を高圧力化
した場合(上記−bの手法2)に一層顕著になる。こ
れは、主としてプラズマ空間の高圧力化のために一対の
電極間隔を狭くしなければならないことに起因する。即
ち、一対の電極間隔が狭いため、この電極間を流れるガ
ス流のコンダクタンスが小さく、大流量のプラズマ処理
用ガスをプラズマ空間に安定に供給することが困難にな
る。従って、この構成では、上記要求、と上記要求
とを同時に満たすことはできない。
【0021】(B)上記構成2の課題について 図18に示したプラズマ処理装置の構成は、ガス流路を
プラズマ空間内に規制するためのカバーがガス供給手段
606、ガス排気手段607および仕切板610によっ
て構成されているので、プラズマ処理用ガスがプラズマ
空間以外の領域に漏れることなく、プラズマ処理用ガス
をプラズマ空間に安定して大流量で供給することができ
る。
【0022】しかしながら、このカバーは、第1電極6
02と第2電極603との間の空間611を完全に包囲
しているため、この技術を小サイズのプラズマに対して
基板を移動させるという構成(上記構成1)に適用する
ことはできない。即ち、図18の構成の幾何的配置で
は、基板を移動させることはできない。従って、この構
成では、上記要求は満たすことができても、上記、
の要求を満たすことはできない。さらに、処理速度を
高速化するためにプラズマ空間を高圧力化し(上記−
bの手法2)、一対の電極間隔を狭くした場合には、こ
の構成の実施は困難になる。その理由は、狭い電極間隔
に対して、基板サイズ分の長距離にわたって、プラズマ
処理用ガスを大流量で安定して供給することはガス流の
損失から考えて困難であるからである。
【0023】本発明は、このような従来技術の課題を解
決すべくなされたものであり、成膜、加工および表面処
理等のプラズマ処理において、小サイズのプラズマに対
して基板を移動させながら、大流量のプラズマ処理用ガ
スをプラズマ空間に安定して供給すると共に反応生成物
を速やかに除去して、処理速度の高速化、プラズマ処理
の均一化およびプラズマ処理面の高品質化という3つの
要求を同時に満足し、さらに、大型基板やシート状基板
に対しても対応可能なプラズマ処理装置およびプラズマ
処理方法を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、従来の技術思想を取り入れながらも単に
その組み合わせでは達成し得ない上記3つの要求を同時
に満たすという進歩的効果を、新たな構成によって達成
したものである。
【0025】本発明のプラズマ処理装置は、第1ガス導
入口と第1ガス排気口とを有するチャンバ内に、第1電
極および基板を搭載する第2電極が配置され、該第1電
極の少なくとも一部と、該第2電極の一部とが、第1空
間を隔てて、かつ、該基板のみを介して対向配置され、
該第1ガス導入口から該第1空間にプラズマ処理用ガス
を導入すると共に、該第1電極と該第2電極との間に高
周波電圧を印加して、該第1空間の少なくとも一部でプ
ラズマを発生させ、さらに、基板を搭載した該第2電極
を移動させることによって、該基板にプラズマ処理を行
うプラズマ処理装置であって、該第1ガス導入口と連通
する連通導入口と、該第1ガス排気口と連通する連通排
気口と、該第1空間において開口する第1開口部と、該
第1開口部の近傍において該第2電極または該基板と第
2空間を隔てて対向する第2電極対向部とを有するカバ
ー体を備え、該カバー体は、該第2電極および該基板と
接触せずに、該第1電極、および該第2電極または該基
板と共に、該連通導入口から該第1空間を通って該連通
排気口に向かう該プラズマ処理用ガスの主ガス流路を構
成し、該主ガス流路を流れる該プラズマ処理用ガスの流
線に急激な変化が加わらないように、該第1電極、該第
2電極および該カバー体が配置され、そのことにより上
記目的が達成される。
【0026】前記主ガス流路中で前記第1空間から前記
連通排気口に向かう流れのコンダクタンスが、該第1空
間から前記第2空間に向かう、該主ガス流路以外の流れ
のコンダクタンスに比べて大きくなるように、前記第1
電極、前記第2電極および前記カバー体が配置されてい
るのが好ましい。
【0027】前記チャンバは、さらに第2ガス導入口を
有し、該第2ガス導入口から該チャンバ内に前記プラズ
マ処理用ガスと同一成分のガスまたは不活性ガスを導入
して、前記主ガス流路以外の領域における圧力が該主ガ
ス流路内の圧力よりも高い圧力に保持可能とされていて
もよい。
【0028】前記第1空間内の前記プラズマが発生する
部分において、前記主ガス流路を流れる前記プラズマ処
理用ガスの流線が、前記基板表面にほぼ沿う方向となる
ように、前記第1電極、前記第2電極および前記カバー
体が配置されていてもよい。
【0029】前記第1電極は、少なくとも前記第1空間
において曲面形状を有するようになされていてもよい。
【0030】前記主ガス流路の幅方向の略中央部におい
て、該主ガス流路を流れる前記プラズマ処理用ガスの流
線が、前記連通導入口、前記第1空間および前記連通排
気口にかけて、略U字形状となるように、前記第1電
極、前記第2電極および前記カバー体が配置されていて
もよい。
【0031】前記主ガス流路の幅が前記略U字形状の先
端部において最小となるように前記第1電極、前記第2
電極および前記カバー体が配置され、該主ガス流路の幅
が最小になる部分の近傍において、プラズマを発生させ
てもよい。
【0032】前記主ガス流路の幅方向の略中央部におい
て、該主ガス流路を流れる前記プラズマ処理用ガスの流
線が、前記連通導入口、前記第1空間および前記連通排
気口にかけて、略直線状となるように、前記第1電極、
前記第2電極および前記カバー体が配置されていてもよ
い。
【0033】前記第2電極は円筒形状であり、その中心
軸を中心として回転可能とされていてもよい。
【0034】前記基板としてシート状基板が搭載され、
前記第2電極の回転によって該シート状基板が該第2電
極に密着しながら移動可能とされていてもよい。
【0035】前記第1電極は少なくとも前記第1空間で
曲面形状部分を有し、該第1電極の曲面形状部分の曲率
半径と前記円筒形状の第2電極の半径とは略同一であ
り、該第1電極の曲面形状部分の先端部と、該円筒形状
の第2電極の先端部とが実質的に対向し、前記主ガス流
路の幅が、該第1電極の先端部と該第2電極の先端部と
の対向部において最小となるように、該第1電極、該第
2電極および前記カバー体が配置され、該主ガス流路の
幅が最小になる該対向部の近傍において、プラズマを発
生させてもよい。
【0036】本発明のプラズマ処理方法は、本発明のプ
ラズマ処理装置を用いて、基板に対してプラズマ処理を
行い、そのことにより上記目的が達成される。
【0037】以下に、本発明の作用について説明する。
【0038】本発明にあっては、第1電極の少なくとも
一部と第2電極の一部との対向部である第1空間におい
て小サイズのプラズマを発生させ、そのプラズマに対し
て第2電極(およびその上に搭載された基板)を移動さ
せることによって基板全面に均一なプラズマ処理が可能
となるプラズマ処理装置において、第1電極および、第
2電極または基板と共に主ガス流路を構成するカバー体
を設ける。このとき、カバー体の連通導入口から第1空
間を通ってカバー体の連通排気口に向かうプラズマ処理
用ガスの主ガス流路の流線に急激な変化が加わらないよ
うに第1電極、第2電極およびカバー体を配置する。こ
のことにより、主ガス流路の損失を少なくしてコンダク
タンスを大きくし、プラズマ領域に大流量のプラズマ処
理用ガスを安定に供給すると共に、プラズマ処理後のガ
スをカバー体の連通排気口から高速に排気することが可
能である。また、カバー体は、第2電極を移動させるた
めに、第2電極および基板と接触しておらず、第1開口
部の近傍において第2電極または基板と第2空間を隔て
て対向する第2電極対向部とを有しているが、主ガス流
路中で第1空間から連通排気口に向かう流れのコンダク
タンスが、第1空間から第2空間に向かう、主ガス流路
以外の流れのコンダクタンスに比べて大きくなるように
第1電極、第2電極およびカバー体が配置されているの
で、主ガス流路以外へのガスのリークを抑制し、大流量
のプラズマ処理用ガスを安定してプラズマ空間に供給す
ると共に、プラズマ処理後のガスを滞留させることなく
カバー体の連通排気口から高速に排気することが可能で
ある。
【0039】さらに、第2ガス導入口からチャンバ内に
プラズマ処理用ガスと同一成分のガスまたは不活性ガス
を導入することにより、主ガス流路以外の領域における
圧力を主ガス流路内の圧力よりも高い圧力に保持して、
主ガス流路内から主ガス流路外へのプラズマ処理用ガス
のリークを抑制可能である。
【0040】上記第1空間内のプラズマが発生する部分
において、主ガス流路を流れる前記プラズマ処理用ガス
の流線が、基板表面にほぼ沿う方向となるように第1電
極、第2電極およびカバー体を配置すれば、プラズマ発
生領域においてガス流の損失が小さく、流れが安定す
る。
【0041】例えば後述する第1の実施形態に示すよう
に、主ガス流路の幅方向の略中央部において、主ガス流
路を流れるプラズマ処理用ガスの流線が、カバー体の連
通導入口、第1空間および連通排気口にかけて略U字形
状となるように、第1電極、第2電極およびカバー体を
配置すれば、プラズマ処理用ガスの主ガス流路の流線に
急激な変化が加わらないようにすることが可能である。
この場合、カバー体が基板と接触せずに上方に位置して
いても、その第1開口部から斜め下方向の基板にプラズ
マ処理用ガスが供給される。そして、プラズマ処理後の
ガスが基板から離れる方向の斜め上方向に流れて排気さ
れるので、反応生成物が基板に付着することが抑制され
る。さらに、主ガス流路の幅が略U字形状の曲がり部先
端において最小となるように第1電極、第2電極および
カバー体を配置すれば、その最小幅の部分の幅が非常に
狭くても、このような幅の狭い流路が主ガス流路の一部
にしか設けられないので、ガス流の摩擦損失が大幅に低
減される。そして、主ガス流路の幅が最小になる部分の
近傍においてプラズマを発生させれば、安定して大流量
のプラズマ処理用ガスを流しながらも、高圧力下でのプ
ラズマ発生が可能となる。
【0042】或いは、後述する第2の実施形態に示すよ
うに、主ガス流路の幅方向の略中央部において、主ガス
流路を流れるプラズマ処理用ガスの流線が、連通導入
口、第1空間および連通排気口にかけて略直線状となる
ように第1電極、第2電極およびカバー体を配置して
も、プラズマ処理用ガスの主ガス流路の流線に急激な変
化が加わらないようにすることが可能である。
【0043】さらに、第2電極を円筒形状とし、その中
心軸を中心として回転可能としてもよい。そして、シー
ト状基板を第2電極に搭載し、第2電極の回転によって
シート状基板を第2電極に密着しながら移動させること
が可能である。
【0044】この場合、第1電極に少なくとも第1空間
で曲面形状部分を形成し、第1電極の曲面形状部分の曲
率半径と円筒形状の第2電極の半径とを略同一にして、
第1電極の曲面形状部分の先端部と、円筒形状の第2電
極の先端部とを実質的に対向させて小サイズのプラズマ
を発生させることが可能である。
【0045】さらに、主ガス流路がその幅方向における
中心線に対して略対称形状となるように、第1電極、第
2電極およびカバー体を配置すれば、一層、プラズマ処
理用ガスの主ガス流路の流線に急激な変化が加わらない
ようにすることが可能である。また、主ガス流路の幅
が、第1電極の先端部と第2電極の先端部との対向部に
おいて最小となり、その近傍においてプラズマを発生さ
せれば、安定して大流量のプラズマ処理用ガスを流しな
がら、高圧力下でのプラズマ発生が可能となる。
【0046】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0047】(第1の実施形態)図1は本実施形態のプ
ラズマ処理装置100の概略構成を示す断面図であり、
図2はプラズマ処理装置100の主要部を示す斜視図で
あり、図3は図2の平面PL1における断面を示す斜視
図であり、図4は図2の平面PL2における断面図であ
り、図5は図3の各部分を分解して示す斜視図であり、
図6はプラズマ処理装置100における主ガス流路FR
を示す拡大図である。以下、図1〜図6を参照しなが
ら、本実施形態のプラズマ処理装置およびそのプラズマ
処理方法について説明する。
【0048】 (A)プラズマ処理装置100の構成要素について 以下に、主として図1を参照しながらプラズマ処理装置
100の構成要素について説明する。
【0049】図1において、1はチャンバであり、その
壁面には第1ガス導入口4および第1ガス排気口5が設
けられている。第1ガス導入口4は、プラズマ処理用ガ
スを供給する第1ガス供給部6と配管8によって連結さ
れ、第1ガス排気口5は、プラズマ処理後のガスを排気
する第1ガス排気部7と配管9によって連結されてい
る。さらに、図1に示すように、第2ガス導入口10お
よび第2ガス排気口11がチャンバ1の壁面に設けら
れ、各々第2ガス供給部12および第2ガス排気部13
と連結されているのが好ましい。
【0050】2は基板50と対向する第1電極、3は基
板50が搭載される平板状の第2電極である。第2電極
3は接地されており、図示しない駆動機構によって図中
のX方向に移動可能とされている。第1電極2は、少な
くとも後述するカバー体23(第1カバー体21)の開
口部(第1開口部)25において、曲面形状2aをなし
ている。なお、本実施形態では、第1電極2の断面形状
を半円形状としているが、前記曲面形状をなしていれば
よく、これに限られない。例えば、中心角が180゜以
下なる円弧状断面でも良いし、複数曲率を有する任意曲
面であってもよい。第1カバー体21の第1開口部25
において、第1電極2と第2電極3とは空間(第1空
間)SCを隔てて基板50のみを介して対向している。
第1電極2の曲面2aの先端部2atは、基板50とギ
ャップG1を隔てて対向している。この先端部2atの
近傍において、後述する図6に示すような小サイズのプ
ラズマPが発生する。
【0051】第1電極2は、その背面2bにおいて、絶
縁体からなるカバー体23(第2カバー体22)に固定
されている。第2カバー体22は上下方向に貫通する溝
部(または穴部)22aを有しており、この溝部22a
を介して第1電極2が高周波電源14に接続されてい
る。
【0052】第1カバー体21は、基板50および第2
電極3とは接触せずに第1電極2と第2カバー体22と
を包囲するような形状をなす。第1カバー体21は絶縁
体であるが、その外壁部を導電体で覆って接地電位とし
てもよい。このようにすると、第1電極2と第1カバー
体21の外壁部とが同軸構造となり、高周波電力伝送の
観点から望ましい。
【0053】第1カバー体21は、第1電極2の少なく
とも一部と第2電極3の一部とが対向する第1空間SC
で開口しており、以下、この開口部25を第1開口部と
称する。この第1開口部25の近傍において、第1カバ
ー体21の底面24はギャップG2の第2空間SDを隔
てて基板50と対向しており、以下、この底面24を第
2電極対向部と称する。このギャップG2は、第1カバ
ー体21と基板50とが接触しない範囲で可能な限り狭
く設定するのが好ましい。また、第2電極対向部24の
図1中のX方向における長さは、可能な限り長くなるよ
うに形成するのが好ましい。さらに、ギャップG2はギ
ャップG1よりも狭く設定するのが好ましい。
【0054】第1カバー体21は、図1の紙面に対して
垂直方向の両端に、図2に示すような下方突出部21f
を有している。この下方突出部21fは可能な限り微小
な隙間を隔てて基板50および第2電極3を覆ってい
る。また、第1カバー体21は、図5に示すような凹部
21aを有しており、これと対応して第2カバー体22
は取り付け部22bを有している。この凹部21aに取
り付け部22bがはめ込まれて第1カバー体21および
第2カバー体22とが一体化して一体的な構造物(カバ
ー体23)を構成している。なお、本実施形態において
は、第2カバー体22に第1電極2が固定されているた
め、カバー体23と第1電極2も一体的な構造物となっ
ている。さらに、図4および図5に示すように、第1カ
バー体21の内壁面21eは、第1電極2の端面2eお
よび第2カバー体22の端面22eと略接触している。
【0055】カバー体23には、第1カバー体21と第
2カバー体22とによって、図2および図3に示すよう
な連通導入口26と連通排気口27とが設けられてい
る。そして、図1に示すように、連通導入口26は第1
ガス導入口4と、連通排気口27は第1ガス排気口5
と、各々気密に連通している。
【0056】なお、第1カバー体21および第2カバー
体22の形状は、第1電極2および、第2電極3または
基板50と共に構成される、後述する主ガス流路FRを
流れるプラズマ処理用ガスの流線に急激な変化が加わら
ないような形状であれば、特に限定しない。さらに、第
1空間SCから連通排気口5に向かう流れのコンダクタ
ンスが第1空間SCから第2空間SDに向かう主ガス流
路以外の流れのコンダクタンスに比べて大きくなるよう
な形状にするのが好ましい。本実施形態では、図1に示
すように、第1カバー体21の形状を、内壁面21cを
平面形状とし、それに続く内壁面21dを曲面形状と
し、これらがなめらかに連結される様な形状としてい
る。また、第2カバー体22の壁面22cは、第1電極
2の半円状表面2aとなめらかに連結されている。さら
に、ギャップG2を第1カバー体21と基板50とが接
触しない範囲で狭く、第2電極対向部24の図1中のX
方向における長さを長くし、ギャップG2をギャップG
1よりも狭く設定してある。
【0057】第1カバー体21の平面状内壁面21c
は、第2カバー体22の平面状壁面22cと空間SA
1、SA2を介して対向し、第1カバー体21の曲面状
内壁面21dは、第1電極2の曲面2aと空間SB1、
SB2を介して対向している。なお、ここでは、図1の
左側の空間をSA1およびSB1、右側の空間をSA2
およびSB2として区別している。
【0058】第1カバー体21の内壁面21dの曲率半
径は、第1電極2の曲面2aの半径よりも大きくしてあ
る。また、内壁面21dの曲率中心は、例えば曲面2a
の中心と同じく図1中のY軸上にあって、曲面2aの中
心より上方に位置している。その結果、空間SB1の幅
は空間SA1から第1空間SCにかけて徐々に狭くな
り、空間SB2の幅は第1空間SCから空間SA2にか
けて徐々に広くなる。さらに、空間SB1および空間S
B2と第1空間SCとの境界部(第1開口部25の端
部)において、後述する主ガス流路FRの幅は、第1電
極2の曲面2aの先端部2atと基板50とのギャップ
G1よりも広く設定されている。
【0059】(B)プラズマ処理装置100における主
ガス流路FRについて (B−1)主ガス流路FRの構成について 次に、本実施形態のプラズマ処理装置100におけるプ
ラズマ処理用ガスのガス流路について図6を参照しなが
ら説明する。図6は図1における主ガス流路FRを拡大
して示したものである。
【0060】プラズマ処理用ガスは、第1ガス導入口4
から、これと気密に連通するカバー体23の連通導入口
26を通ってチャンバ1内に導入される。そして、略気
密状態の空間SA1およびSB1を通って第1空間SC
に導かれる。第1空間SCに到達したプラズマ処理用ガ
スは、主として略気密状態の空間SB2およびSA2を
通って、連通排気口27に気密に連通する第1排気口5
からチャンバ1の外部に排気される。そして、この連通
導入口26〜空間SA1〜空間SB1〜第1空間SC〜
空間SB2〜空間SA2〜連通排気口27というガス流
路FRが主ガス流路となる。主ガス流路FRは、図6か
ら明らかなように、第1電極2および第2電極3(また
は基板50)と、第1カバー体21および第2カバー体
22からなるカバー体23との各々の壁面によって構成
されている。
【0061】主ガス流路FRの幅は、空間SA1におい
て充分に広く一定である。そして、上述したように、空
間SA1と空間SB1との境界はなめらかに連結され、
さらに、空間SB1では空間SA1から第1空間SCに
かけて主ガス流路FRの幅が徐々に狭くなる。この空間
SB1と第1空間SCとの境界における主ガス流路FR
の幅GWは、第1電極2の先端部2atと基板50との
間のギャップG1よりも広く設定されている。ガス流が
空間SB1を通過した後、ガス流の一側面を規制する壁
面は、第1カバー体21の内壁面21dから基板50の
表面に引き継がれ、第1空間SCにおいては第1電極2
の曲面2aと基板50の表面とによって主ガス流路FR
が形成される。そして、空間SB1から第1電極2の曲
面2aの先端部2atにかけて主ガス流路FRの幅は徐
々に狭くなり、先端部2atで最小幅G1となる。ここ
で、空間SB1から第1空間SCへのガス流は、これを
規制する壁面の変化によって不安定になることが懸念さ
れる。しかし、ガス流の慣性と、ガス流を規制する幅G
Wおよび幅G1の規制面とによって、理想とする仮想流
管の一壁面SCWに近い状態を得ることができる。本実
施形態では、空間SA1における主ガス流路FRの幅を
約50mm、長さを100mmとし、空間SB1におけ
る主ガス流路FRの幅は空間SA1から徐々に狭くして
第1空間SCとの境界における幅GWを約3mmとし
た。また、第1電極2の半径を100mmとし、第1開
口部25(第1空間SC)における主ガス流路FRの長
さを50mmとし、第1電極2の先端部2atと基板5
0との間のギャップG1は約2mmとした。さらに、ギ
ャップG2は約1mmとし、第2電極対向部24の図1
中のX方向における長さを140mmとした。第1空間
SCから空間SB2を通って空間SA2に至る主ガス流
路FRについては、空間SA1から空間SB1を通って
第1空間SCに至る主ガス流路FRと、その幅の変化が
逆ではあるが同様であるので、説明を省略する。なお、
主ガス流路FR中には、流れの一層の安定化のために、
公知のガス分散板を適宜設けてもよい。
【0062】 (B−2)主ガス流路FRの作用効果について (B−2−1)本実施形態において、主ガス流路FRの
幅は、空間SB1から徐々に狭くなり、第1電極2の先
端部2atにおいて最小となって、その後、空間SB2
にかけて徐々に広くなっている。また、主ガス流路FR
の幅方向中央における流線Fは、図6に示すような略U
字形状である。従って、主ガス流路FRの幅方向全体に
わたり、プラズマ処理用ガスの流線に急激な変化が加わ
らず、ガス流の損失を大幅に低減することができる。そ
の結果、大流量のプラズマ処理用ガスを、その流れを乱
すことなく、プラズマ空間Pに安定して供給することが
できる。また、プラズマ処理後のガスを滞留させること
なく、高速に排気することができる。
【0063】(B−2−2)本実施形態では、図6に示
すように、第1電極2の先端部2at近傍における主ガ
ス流路FRの幅が最小となっている部分においてのみプ
ラズマPを発生させるので、均一な放電状態を維持でき
る程度の小サイズのプラズマを発生させることができ
る。この最小幅部分の幅G1の設定値は、プラズマ空間
におけるプラズマ処理用ガスの圧力によっても異なる
が、プラズマ処理を高速化するためにその圧力を100
Torr以上とした場合には、後述するように、数10
0μm〜数mm程度となる。本実施形態においては、こ
のような幅の狭い流路を主ガス流路FRの一部にしか設
けていないので、ガス流の摩擦損失を大幅に低減するこ
とができる。その結果、高圧力下でプラズマを発生させ
るために電極間隔(ギャップG1)を狭くした場合で
も、大流量のプラズマ処理用ガスを安定して供給するこ
とができる。また、プラズマ処理後のガスを滞留させる
ことなく高速に排気することができる。
【0064】(B−2−3)本実施形態において、主ガ
ス流路FR中の流線はなめらかな略U字形状であり、プ
ラズマ空間Pにおいて基板50に沿う方向である。この
ため、基板50を搭載した第2電極3を移動可能とする
ためにカバー体23が基板50と接触せずに上方に位置
していても、カバー体23の第1開口部25から斜め下
方向の基板50上にプラズマ処理用ガスを供給すること
ができる。しかも、そのガス流の流線は、プラズマ空間
Pで基板50に沿う方向であるため、ガス流の損失が小
さく、安定した流れが得られる。そして、反応生成物を
含むプラズマ処理後のガスは、基板50から離れる方向
である斜め上方向への流れによって排気されるので、反
応生成物が基板50に付着するのを防ぐことができる。
【0065】(B−2−4)本実施形態において、主ガ
ス流路FRは流路中の流線に急激な変化が加わらず、か
つ、流路幅の狭い箇所が一部にしか存在しないので、こ
の主ガス流路FRのコンダクタンスを大きくすることが
できる。また、主ガス流路FR中の流線はなめらかな略
U字形状であり、その速度ベクトルの方向が主ガス流路
FRの外部にリークする方向(第1空間SC→第2空間
SD)とは大きく異なる。よって、カバー体23が基板
50および第2電極3と接触していなくても、第1空間
SCから第2空間SDに向かう、主ガス流路FRの外部
にガスがリークするのを抑制することができる。従っ
て、主ガス流路内を実質的に略気密状態に維持して、大
流量のプラズマ処理用ガスをプラズマ空間に安定して供
給することができる。また、プラズマ処理後のガスを、
滞留させることなく高速に排気することができる。
【0066】(C)主ガス流路FR内の気密性について 本実施形態において、上記主ガス流路FRは、流線に急
激な変化が加わらず、そのコンダクタンスが大きい。ま
た、その速度ベクトルの方向は外部リークする方向(第
1空間SC→第2空間SD)と大きく異なるため、第1
空間SCから第2空間SDに向かう、外部空間へのリー
クが少なく、気密性を維持した状態で大流量の安定した
ガス流を形成することができる。しかしながら、主ガス
流路FRが上述した効果(B−2)をより顕著に呈する
ためには、以下のような手法により、さらに主ガス流路
FR内の気密性を高めることが望ましい。
【0067】(C−1)図6に示すように、第1空間S
C→第2空間SDに流れるガス流のコンダクタンスを、
第1空間SC→空間SB2→空間SA2を流れるガス流
のコンダクタンスに比べて充分小さくなるように設定す
る。すなわち、上述したように、基板502を搭載した
第2電極3を移動可能とするために設けている第2空間
SDのギャップG2を、第1カバー体21と基板50と
が接触しない範囲で可能な限り狭く設定し、第2電極対
向部24の長さを図中のX方向に可能な限り長く設定す
る。さらに、第2空間SDのギャップG2を、主ガス流
路FR中の最小の流路幅G1よりも狭く設定することに
より、主ガス流路FRの気密性はより顕著に高められ
る。
【0068】(C−2)図2に示すように、第1カバー
体21の下方突出部21fを設けることは、図6の紙面
に対して垂直方向の気密性を高めるために有効である。
この下方突出部21fが可能な限り微小な隙間を隔てて
基板50および第2電極3とを覆うことにより、その間
の空間のコンダクタンスも、上記と同様に、主ガス流路
FR中の第1空間SC→空間SB2→空間SA2を流れ
るガス流のコンダクタンスに比べて充分小さくなるよう
に設定することができる。
【0069】(C−3)さらに、チャンバ1内の主ガス
流路FR以外の領域の圧力を、主ガス流路FR内の圧力
よりも若干高めておくことも有効である。これにより、
圧力差のために主ガス流路FR内の気密性を高めること
ができる。具体的には、図1に示すように、チャンバ1
の壁面に第2ガス導入口10および第2ガス排気口11
を設けて、チャンバ1内にプラズマ処理用ガスと同一成
分のガスまたは不活性ガスを導入する。そして、チャン
バ1内の主ガス流路FR以外の領域の圧力を主ガス流路
FR内の圧力よりも若干高めに保持する。これにより、
主ガス流路FR内からその外部へガスがリークするのを
抑制することができる。この場合、主ガス流路FRの外
部から主ガス流路FRの内部にガスが混入する可能性も
あるが、プラズマ処理用ガスと同一成分のガスまたは不
活性ガスが微量に混入するのみであるので、特に問題は
生じない。
【0070】(D)プラズマ処理装置100によるプラ
ズマ処理方法について 次に、上記プラズマ処理装置100を用いたプラズマ処
理方法の1例について、主として図1を参照しながら説
明する。
【0071】まず、第1ガス排気部7と第2ガス排気部
13とにより、チャンバ1内を減圧状態にする。次に、
第1ガス供給部6と第2ガス供給部12とから、チャン
バ1内にプラズマ処理用ガスを導入する。
【0072】そして、上記主ガス流路FR(連通導入口
26〜空間SA1〜空間SB1〜第1空間SC〜空間S
B2〜空間SA2)の内部の圧力、およびチャンバ1内
の主ガス流路FR以外の領域における圧力が所定の圧力
となった状態で、第1ガス供給部6と第1ガス排気部7
とにより、主ガス流路FR内に、成膜、加工、表面処理
等の各プラズマ処理の目的に応じた所定流量のプラズマ
処理用ガスを流す。なお、第1ガス供給部6から第1ガ
ス排気部7にいたる経路は、図示しない循環系によって
循環されていてもよい。また、第2ガス供給部12と第
2ガス排気部13とにより、主ガス流路FR以外の領域
における圧力を、主ガス流路FR内の圧力よりも若干高
めになるように調整する。
【0073】プラズマ処理用ガスとしては、例えば不活
性ガスと反応ガスとの混合ガスを用いることができる。
不活性ガスとしては、Heガス、Arガス、Neガス等
を単体で、または相互に混合して用いることができる。
但し、放電の安定性と基板へのダメージを考慮すると、
Heガスを用いることが望ましい。一方、反応ガスとし
ては、プラズマ処理の目的に応じたガスが用いられる。
例えば、アモルファスや微結晶のSi薄膜を成膜する場
合には、SiH4ガス等のSi原子を含むガスを単体
で、またはH2等の他のガスと混合して用いることがで
きる。また、Si系基板の加工を行う場合には、SF6
やCF4等のハロゲン系ガスを単体で、またはO2等の他
のガスと混合して用いることができる。さらに、親水性
の表面処理を施す場合には、アルコール等の有機溶媒を
用いることができる。なお、第2ガス供給部12から供
給するガスは、反応ガスを含まずに、上記不活性ガスの
みとしてもよい。
【0074】主ガス流路FR内のプラズマ処理用ガスの
圧力は、プラズマ処理の処理速度を高めるためには、比
較的高圧力に設定するのが好ましい。例えば、処理速度
を高めるために反応ガス分圧を10Torr以上という
高めの圧力に設定すると、プラズマを安定して発生させ
るために大量の不活性ガスを加えるため、プラズマ処理
用ガスの圧力はトータルで100Torr以上程度にな
る。この場合、第1電極2の先端部2atと基板50と
の間のギャップG1は数100μm〜数mmと狭くする
必要があるが、本実施形態のプラズマ処理装置100の
構成によれば、このような狭いギャップに対しても安定
して大流量のプラズマ処理用ガスを供給することが可能
である。例えば、プラズマ処理用ガスの圧力を160T
orrとし、ギャップG1を約2mmに設定しても、プ
ラズマ空間に数100l/min以上のプラズマ処理用
ガスを供給することができる。
【0075】このようにして主ガス流路FR内に所定流
量のプラズマ処理用ガスを流した状態で、高周波電源1
4から第1電極2と第2電極3との間に高周波電圧を印
加する。ここで、第1電極2は曲面形状2aを有してい
るため、第1空間SCには電界強度分布が発生する。そ
して、電界強度が強い第1電極2の先端部2atの近傍
において、図6に示すような小サイズのプラズマPが発
生する。このプラズマP中の反応ガスに基づく反応種に
よって、基板50に対して所定のプラズマ処理が施され
る。例えば、SiH4ガスとH2ガスとを混合した反応ガ
スを用いた場合には、基板50上にアモルファスや微結
晶のSi薄膜が成膜される。なお、プラズマPが発生す
る領域は、プラズマ処理用ガスの圧力によって異なる
が、プラズマ処理用ガスが高圧力になるほど、図6中の
X方向におけるプラズマPの長さが短くなる。このX方
向に短いプラズマPは、基板50の一部のみをプラズマ
処理可能であるため、さらに、第2電極3をX方向に移
動させることによって基板50の全面に対してプラズマ
処理が施される。さらに、基板50を移動させるため、
カバー体23は基板50および第2電極3とは接触して
いないが、上記(B)および(C)で説明したように、
主ガス流路FR内に大流量のプラズマ処理用ガスを安定
して流すことができる。
【0076】(E)第1の実施形態の効果について (E−1)第1の効果(大面積基板に対するプラズマ処
理の均一化) 本実施形態においては、曲面形状2aを有する第1電極
2を用いているため、図17に示した従来技術に基づく
構成1と同様に、均一性の良い小サイズのプラズマを発
生することができる。従って、基板50を移動させるこ
とによって、大面積基板に対しても基板面内で均一なプ
ラズマ処理を行うことができる。
【0077】(E−2)第2の効果(大面積基板に対す
るプラズマ処理面の高品質化) 本実施形態においては、主ガス流路FRが上記(B−
2)のような作用効果を呈するので、小サイズのプラズ
マに対して基板を移動させるためにカバー体23が基板
50および第2電極3と接触しないようにしても、プラ
ズマ処理後のガスを高速に排気することができる。この
プラズマ処理後のガスの高速排気と、上記(E−1)に
おける小サイズのプラズマとの双方の寄与によって、反
応生成物がプラズマ空間中に滞留する時間が一層短くな
り、プラズマ処理面のより一層の高品質化を図ることが
できる。この点については、プラズマ空間内のガスの置
換時間tが下記式で表されることから、理解できる。
【0078】t=V/Q (V:プラズマ空間の体積、
Q:プラズマ処理用ガスの流量)
【0079】 (E−3)第3の効果(プラズマ処理速度の高速化) (E−3−1)本実施形態においては、主ガス流路FR
が上記(B−2)のような作用効果を呈するので、小サ
イズのプラズマに対して基板を移動させるためにカバー
体23が基板50および第2電極3と接触しないように
しても、プラズマ空間に大流量のプラズマ処理用ガスを
安定して供給することができ、プラズマ処理速度を高速
化することができる。
【0080】(E−3−2)本実施形態においては、上
記(B−2)の効果(特に(B−2−2)の効果)によ
って、主ガス流路FR内のプラズマ処理用ガスの流れの
損失を大幅に低減することができる。このため、第1電
極と第2電極との間のギャップ(図1中のG1)が非常
に狭い場合であっても、その狭いギャップ部(プラズマ
空間)に大流量のプラズマ処理用ガスを安定して供給す
ることができる。また、プラズマ処理後のガスを滞留さ
せることなく高速に排気することができる。この効果
は、反応ガス分圧を高めてプラズマ処理用ガス(不活性
ガスと反応ガスとの混合ガス)を100Torr以上程
度の高圧力とした場合に、特に有効である。すなわち、
プラズマ処理用ガスの圧力を高圧力としてプラズマを発
生させるために、第1電極と第2電極との間のギャップ
を非常に狭くしたとしても、大流量のプラズマ処理用ガ
スをプラズマ空間に安定して供給できる。その結果、反
応ガス分圧を高めることと、大流量のプラズマ処理用ガ
スを供給できることの双方の寄与によって、プラズマ処
理速度を一層高速化することができる。
【0081】なお、本実施形態のプラズマ処理装置を用
いた場合、特に好適なプラズマ処理条件として、プラズ
マ処理用ガスの圧力を100Torr以上と規定してい
るが、その理由は以下の通りである。
【0082】プラズマ処理速度の高速化を図るために
は、プラズマ処理用ガス中の反応ガスの分圧を高めるこ
とが望まれる。ここで、反応ガス分圧が10Torr未
満の場合には、反応ガスに不活性ガスを加えなくても
(すなわち、プラズマ処理用ガスが反応ガスそのもので
あって、そのプラズマ処理用ガス圧力が10Torr未
満の場合)、プラズマを安定して発生できる可能性があ
る。しかし、反応ガス分圧が10Torr以上の場合に
は、これに不活性ガスを加えなければプラズマを安定し
て発生させることが困難となる。このため、10Tor
r以上の反応ガスに対しては、90Torr以上の不活
性ガスを加えてプラズマ処理用ガスの圧力を100To
rr以上にする必要がある。さらに、反応ガス分圧が1
0Torr未満であったとしても、反応ガスに大量の不
活性ガスを加えてプラズマ処理用ガスの圧力を100T
orr以上とすることが、プラズマの安定性の観点から
は望ましい。従って、安定したプラズマを発生させ、ま
た、プラズマ処理速度を高速化するためには、プラズマ
処理用ガス(不活性ガスと反応ガスとの混合ガス)の圧
力を100Torr以上にすることが望まれる。
【0083】しかしながら、プラズマ処理用ガスを10
0Torr以上の高圧力とした場合には、パッシェンの
法則に基づいて、一対の電極間のギャップを非常に狭く
することが必要になる。この場合のギャップは、数10
0μm〜数mm程度である。ところが、従来の平行平板
型の電極を用いた装置(例えば図18)や、ガス流を規
制するカバー体を設けていない装置(例えば図17)で
は、この狭いギャップ部を流れるガス流のコンダクタン
スが小さいために、大流量のプラズマ処理用ガスを安定
して供給することは非常に困難である。
【0084】これに対して、本実施形態では、上記(B
−2)の作用効果を呈する主ガス流路FRによって主ガ
ス流路FR内のプラズマ処理用ガスの流れの損失が大幅
に低減されるので、その結果、100Torr以上の高
圧力のプラズマ処理用ガスを大流量で安定して供給する
ことができる。この点には、特に、上記(B−2−2)
の効果が大きく寄与している。つまり、本実施形態のプ
ラズマ処理装置を用いたプラズマ処理においては、プラ
ズマ処理用ガスの圧力をどのような圧力としても良い
が、特に従来の装置では困難とされる100Torr以
上の高圧力下での処理も可能となる。従って、反応ガス
分圧を高めてさらに処理速度の向上を図ることが可能と
なるのである。
【0085】上記(E−1)〜(E−3)のように、本
実施形態によれば、従来技術の組み合わせでは困難であ
ったプラズマ処理速度の高速化、プラズマ処理の均一
化、及びプラズマ処理面の高品質化という3つの要求を
同時に満足することができる。特に、基板を移動させな
がらプラズマ処理を行う必要性のある、平板状の大型基
板に対して、本実施形態の効果はより顕著なものとな
る。
【0086】(実施例1)図1に示したプラズマ処理装
置100を用いてガラス基板上の30cm×30cmの
領域にアモルファスシリコン薄膜を形成した。プラズマ
処理用ガスは、He:SiH4:H2=96.7:0.
3:3の比率でトータル流量150LMにて主ガス流路
FR中を流した。主ガス流路FR内の圧力は160To
rrに維持した。この場合、主ガス流路(160Tor
r)中を流れるプラズマ処理用ガスの流量は約700l
/minで、SiH4分圧は約0.5Torrとなる。
その結果、成膜速度:約30オングストローム/s、基
板面内の膜厚分布:5%以下、光感度(光導電率/暗導
電率):106オーダのアモルファスシリコン薄膜が得
られ、本発明の目的であるプラズマ処理の高速化、プラ
ズマ処理面の高品質化およびプラズマ処理の均一化を同
時に満たすことができた。
【0087】(第1の実施形態の変形例1)上述したよ
うに、本発明においては、第2電極3を移動させながら
プラズマ処理を行うプラズマ処理装置において、第1電
極2と、第2電極3または基板50と、カバー体23と
から主ガス流路FRを構成し、主ガス流路FR内に流れ
るプラズマ処理用ガスの流線に急激な変化が加わらない
ようにしたものである。これによって主ガス流路FR内
のコンダクタンスを大きくし、カバー体23が基板50
および第2電極3と接触せずに第2電極3を移動可能と
しても、機能的に主ガス流路FR内の略気密状態を維持
して、大流量のプラズマ処理ガスを安定して流すことが
できる。この基本思想に基づいた最も好適な実施形態の
1つが図1に示した第1の実施形態である。しかしなが
ら、本発明の基本思想に基づけば、図14に示すような
変形例も可能である。
【0088】図14に示す本変形例1において、図1に
示した第1の実施形態と異なる点は、第1カバー体21
の内壁面21dの曲率中心と、第1電極2の曲面2aの
中心とを略一致させている点である。すなわち、図1に
おける第1電極2を上方に移動させたような構成であ
る。この場合には、空間SB1および空間SB2の幅
が、空間SA1から第1空間SCにかけて、および第1
空間SCから空間SA2にかけて略一定となるが、第1
の実施形態と同様に、主ガス流路FR内を流れるプラズ
マ処理用ガスの流線をなめらかな略U字形状とすること
ができる。但し、幾何的配置から理解されるように、本
変形例1では第1電極2の先端部2atと基板50との
ギャップG1が第1の実施形態よりも広く設定される。
従って、本変形例1では、小サイズのプラズマに対して
第2電極3を移動させると共に大流量のプラズマ処理用
ガスを安定に流して、上記3つの要求を同時に満足させ
ることはできるが、ギャップG1が広いために高圧力下
でのプラズマの発生は困難になり、その点が第1の実施
形態に比べて劣る。なお、本変形例においても、第1の
実施形態中の(C)において示したような主ガス流路内
の気密性をさらに高める構成が効果的に作用しているこ
とは言うまでもない。
【0089】(第1の実施形態の変形例2)上記第1の
実施形態および変形例1では、最も好適な実施形態の1
つとして、主ガス流路FR内のプラズマ処理用ガスの流
線を略U字形状とした場合について示した。しかしなが
ら、本発明の基本思想は、第2電極3を移動させながら
プラズマ処理を行うプラズマ処理装置において、主ガス
流路FR内に流れるプラズマ処理用ガスの流線に急激な
変化が加わらないようにしてコンダクタンスを大きくす
ることである。従って、本発明の基本思想に基づけば、
図15に示すような変形例も可能である。
【0090】図15に示す本変形例2において、主ガス
流路FR内の空間SB1、空間SB2および第1空間S
Cについては図1に示した第1の実施形態と同様であ
る。本変形例2において第1の実施形態と異なる点は、
空間SA1および空間SA2におけるプラズマ処理用ガ
スの流線が、基板50の表面に対して略平行な直線状と
なっている点である。この場合のカバー体23は、例え
ば図示のような1ピースの絶縁体である。なお、カバー
体23の外観斜視図は、後述の第2の実施形態において
説明する図12と同様である。すなわち、本変形例で
は、空間SA1→空間SB1および空間SB2→空間S
A2の境界部における損失が第1の実施形態よりも若干
大きくなるものの、図示のようにその流線には急激な変
化が加わらない。従って、第1の実施形態よりは劣るも
のの、大流量のプラズマ処理用ガスを安定して流すこと
ができ、上記3つの要求を同時に満足させることができ
る。なお、本変形例においても、第1の実施形態中の
(C)において示したような主ガス流路内の気密性をさ
らに高める構成が効果的に作用していることは言うまで
もない。
【0091】(第1の実施形態の変形例3)上記第1の
実施形態、変形例1および変形例2では、好適な実施形
態の1つとして、第1電極2の表面を曲面形状2aした
場合について示した。しかしながら、本発明の基本思想
は、第2電極3を移動させながらプラズマ処理を行うプ
ラズマ処理装置において、主ガス流路FR内に流れるプ
ラズマ処理用ガスの流線に急激な変化が加わらないよう
にしてコンダクタンスを大きくすることである。従っ
て、本発明の基本思想に基づけば、図16に示すような
変形例も可能である。
【0092】図16に示す本変形例3において、図15
に示した変形例2と異なる点は、第1電極2の表面を平
面形状2a’としている点である。なお、本変形例3に
おいて、カバー体23の開口部近傍の面21dを曲面形
状にしてあるのは、第1の実施形態と同様に、「カバー
体23が基板に接触せずに上方に位置していてもカバー
体23の第1開口部25から斜め下方向の基板50上に
プラズマ処理用ガスが供給される」ようにするためであ
る。本変形例では、主ガス流路FR内のプラズマ処理用
ガスの流線が略直線状になり、急激な変化が加わらな
い。但し、本変形例において、大流量のプラズマ処理用
ガスを安定して流すためには、少なくとも空間SA1お
よび空間SA2において、主ガス流路FRの幅を図15
に示した変形例2と同程度に広くする必要がある。この
ため、本変形例3では第1電極2の平面形状部2a’と
基板50とのギャップG1が変形例2よりも広く設定さ
れる。従って、本変形例3では、小サイズのプラズマに
対して第2電極3を移動させると共に大流量のプラズマ
処理用ガスを安定に流して、上記3つの要求を同時に満
足させることはできるが、ギャップG1が広いために高
圧力下でのプラズマの発生は困難になり、その点が変形
例2に比べて劣る。なお、本変形例においても、第1の
実施形態中の(C)において示したような主ガス流路内
の気密性をさらに高める構成が効果的に作用しているこ
とは言うまでもない。
【0093】(第2の実施形態)本実施形態において
は、シート状基板および円筒状基体に対しても好適なプ
ラズマ処理を行うことが可能なプラズマ処理装置および
プラズマ処理方法について説明する。なお、本実施形態
において、主ガス流路の気密性を維持する手法およびプ
ラズマ処理方法は第1の実施形態と同様であるので、説
明を省略する。図7は本実施形態のプラズマ処理装置2
00の概略構成を示す断面図であり、図8はプラズマ処
理装置200の主要部を示す斜視図であり、図9は図8
の平面PL1における断面を示す斜視図であり、図10
は図8の平面PL2における断面図であり、図11は図
9の各部分を分解して示す斜視図であり、図12はカバ
ー体23の斜視図であり、図13はプラズマ処理装置2
00における主ガス流路FR2を示す拡大図である。以
下、図7〜図13を参照しながら、本実施形態のプラズ
マ処理装置200の構成とその主ガス流路FR2につい
て説明する。なお、以下では、シート状基板に対するプ
ラズマ処理について説明するが、後述する円筒状の第2
電極を円筒状基体そのものとすれば、円筒状基体に対す
るプラズマ処理も可能である。
【0094】 (A)プラズマ処理装置200の構成要素について 以下に、主として図7を参照しながらプラズマ処理装置
200の構成要素について説明する。なお、本実施形態
の構成要素は、形状が異なるものの、第1の実施形態と
同じ機能を有するものが大半であるので、第1の実施形
態と同じ機能を有する構成要素には同一の記号を付して
詳細な説明を省略する。
【0095】本実施形態のプラズマ処理装置200につ
いて、第1の実施形態のプラズマ処理装置100と大き
く異なる点は、基板をシート状基板50としている点、
第2電極3を回転可能な円筒形状としている点、カバー
体23の形状、および主ガス流路FR2の形状である。
【0096】シート状基板50は基板導入口60を通し
てチャンバ1内に導入され、円筒形状の第2電極3に密
着しながら第2電極3のDR方向の回転によって搬送さ
れる。その後、基板排出口61を通ってチャンバ1外に
排出される。
【0097】カバー体23は絶縁体で1ピースの構造物
である。図7の紙面に対して側方から見て、カバー体2
3は図11および図12に示すような略矩形状の一様な
開口部を有する。この開口部一端が連通導入口26とな
り、他端が連通排気口27となる。また、カバー体23
は下面に第1開口部25を有し、上面に第2開口部23
aを有している。
【0098】第1電極2は曲面2aを有し、図9および
図11に示すようにカバー体23の第2開口部23aに
はめ込まれる。そして、取り付け部2bがカバー体23
の上面23bに当接して曲面2aの端部が第2開口部2
3aの上部内壁面23c側の端部と連結される。このよ
うにして第1電極2とカバー体23とが一体的な構造物
を構成している。そして、第1電極2の曲面2aはカバ
ー体23の上部内壁面23cから下方に突出してカバー
体23の第1開口部25に対向し、高周波電源14に接
続される。
【0099】円筒形状の第2電極3およびシート状基板
50は、第1開口部25からカバー体23の内部に接触
せずに挿入され、上方に突出している。そして、第1空
間SCを隔てて第1電極2と対向している。さらに、第
1電極2の先端部2atと、第2電極3の先端部3at
上のシート状基板50とは、ギャップG1を隔てて対向
している。このギャップG1の対向部の近傍において、
図7に示すような小サイズのプラズマPが発生する。さ
らに、図7に示すように、第1電極2の曲面2aの曲率
半径が、円筒形状の第2電極3の半径と略等しく設定さ
れるのが好ましい。また、第1電極2の先端部2atの
上部内壁面23cからの突出量と、第2電極3の先端部
3atの下部内壁面23dからの突出量が略等しく設定
されるのが好ましい。
【0100】カバー体23の第2電極対向部24は曲面
形状をなし、ギャップG2の第2空間SDを隔ててシー
ト状基板50と対向している。ギャップG2はカバー体
23と基板50とが接触しない範囲で可能な限り狭く設
定するのが好ましい。さらに、ギャップG2はギャップ
G1よりも狭く設定するのが好ましい。
【0101】カバー体23は、図7の紙面に対して垂直
方向の両端が、図10に示すような微小な空間を隔てて
第2電極3の側面を覆っている。そして、カバー体23
の内壁面23eは、第1電極2の端面2eと略接触して
いる。
【0102】(B)プラズマ処理装置200における主
ガス流路FR2について (B−1)主ガス流路FR2の構成について 次に、本実施形態のプラズマ処理装置200におけるプ
ラズマ処理用ガスのガス流路について図13を参照しな
がら説明する。図13は図7における主ガス流路FR2
を拡大して示したものである。
【0103】プラズマ処理用ガスは、第1ガス導入口4
から、これと気密に連通するカバー体23の連通導入口
26を通ってチャンバ1内に導入される。そして、気密
状態の空間SA1を通って第1空間SCに導かれる。第
1空間SCに到達したプラズマ処理用ガスは、主として
気密状態の空間SA2を通って、連通排気口27に気密
に連通する第1ガス排気口5からチャンバ1の外部に排
気される。そして、この連通導入口26〜空間SA1〜
第1空間SC〜空間SA2〜連通排気口27というガス
流路FR2が主ガス流路となる。主ガス流路FR2は、
図13から明らかなように、第1電極2および第2電極
3(または基板50)と、カバー体23との各々の壁面
によって構成されている。
【0104】主ガス流路FR2の幅は、空間SA1にお
いて充分に広く一定である。その後の第1空間SCで
は、第1電極2の曲面2aと第2電極3(シート状基板
50の表面)の円筒面によって主ガス流路FR2の幅は
徐々に狭くなり、第1電極2の先端部2atと第2電極
3の先端部3atとが対向する部分で最小幅G1とな
る。本実施形態では、空間SA1における主ガス流路F
R2の幅を50mm、長さを100mmとした。また、
第1開口部25の長さを130mm、第2開口部23a
の長さを130mmとし、第1電極2および第2電極3
を開口部から突出させることによりギャップG1を約2
mmとした。さらに、第2電極の半径は100mmと
し、ギャップG2は約1mmとし、第2電極対向部24
の周方向の長さを50mmとした。第1空間SCから空
間SA2に至る主ガス流路FR2については、空間SA
1から第1空間SCに至る主ガス流路FR2と、その幅
の変化が逆ではあるが同様であるので、説明を省略す
る。なお、主ガス流路FR2中には、流れの一層の安定
化のために、公知のガス分散板を適宜設けてもよい。
【0105】 (B−2)主ガス流路FR2の作用効果について (B−2−1)本実施形態における主ガス流路FR2の
幅は、第1空間SCにおいて、空間SA1側から徐々に
狭くなり、ギャップG1部で最小となって、その後、空
間SA2側にかけて徐々に広くなっている。また、主ガ
ス流路FR2の幅方向中央における流線F2は、図13
に示すような略直線状である。さらに、主ガス流路FR
2の形状は、幅方向における中心線に対して略対称形状
である。従って、主ガス流路FR2の幅方向全体にわた
り、プラズマ処理用ガスの流線に急激な変化が加わら
ず、ガス流の損失を大幅に低減することができる。その
結果、大流量のプラズマ処理用ガスを、その流れを乱す
ことなく、プラズマ空間Pに安定して供給することがで
きる。また、プラズマ処理後のガスを滞留させることな
く、高速に排気することができる。
【0106】(B−2−2)本実施形態では、図13に
示すように、主ガス流路FR2の幅が最小となるギャッ
プG1部の近傍においてのみプラズマPを発生させるの
で、均一な放電状態を維持できる程度の小サイズのプラ
ズマを発生させることができる。また、本実施形態にお
いては、このような幅の狭い流路を主ガス流路FR2の
一部にしか設けていないので、ガス流の摩擦損失を大幅
に低減することができる。その結果、高圧力下でプラズ
マを発生させるためにギャップG1を非常に狭い設定し
たときでも、大流量のプラズマ処理用ガスを安定して供
給することができる。また、プラズマ処理後のガスを滞
留させることなく高速に排気することができる。
【0107】(B−2−3)本実施形態において、主ガ
ス流路FR2の幅方向中央の流線F2は略直線状であ
り、これがプラズマ空間Pの中央部を基板50の表面に
沿って流れる。また、プラズマ空間Pにおいて周囲の流
線F2’も基板に沿う方向になる。このため、シート状
基板50を搭載した第2電極3を回転移動可能とするた
めに、カバー体23が基板50と接触していなくても、
プラズマ空間Pに真横から損失無くプラズマ処理用ガス
を流すことができる。その結果、大流量のプラズマ処理
用ガスをさらに安定して供給することができる。そし
て、反応生成物を含むプラズマ処理後のガスを、滞留さ
せることなく一層高速に排気することができる。
【0108】(B−2−4)本実施形態において、主ガ
ス流路FR2は流路中の流線に急激な変化が加わらず、
かつ、流路幅の狭い箇所が一部にしか存在しないので、
この主ガス流路FR2のコンダクタンスを大きくするこ
とができる。また、主ガス流路FR2の幅方向中央の流
線F2は略直線状であり、その速度ベクトルの方向が主
ガス流路FR2の外部にリークする方向(第1空間SC
→第2空間SD)とは大きく異なる。よって、カバー体
23が基板50および第2電極3と接触していなくて
も、主ガス流路FR2の外部にガスがリークするのを抑
制することができる。従って、主ガス流路内を実質的に
略気密状態に維持して、大流量のプラズマ処理用ガスを
プラズマ空間に安定して供給することができる。また、
プラズマ処理後のガスを、滞留させることなく高速に排
気することができる。
【0109】本実施形態によれば、主ガス流路FR2が
上記(B−2)のような作用効果を呈するため、シート
状基板または円筒状基体に対するプラズマ処理について
も、第1実施形態と同様の効果、すなわち、プラズマ処
理速度の高速化、プラズマ処理の均一化、及びプラズマ
処理面の高品質化という3つの要求を同時に満足するこ
とができる。
【0110】(実施例2)図7に示したプラズマ処理装
置200を用いて、実施例1と同様の条件で長尺のプラ
スチックフィルム上にアモルファスシリコン薄膜を形成
したところ、実施例1と同等の結果が得られた。
【0111】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
第1電極の少なくとも一部と第2電極の一部との対向部
である第1空間において小サイズのプラズマを発生さ
せ、そのプラズマに対して第2電極(およびその上に搭
載された基板)を移動させることによって基板全面に均
一なプラズマ処理が可能なプラズマ処理装置において、
第2電極および基板と接触せずに、第1電極および、第
2電極または基板と共に主ガス流路を構成するカバー体
を設ける。このカバー体の連通導入口から第1空間を通
ってカバー体の連通排気口に向かうプラズマ処理用ガス
の主ガス流路の流線に急激な変化が加わらないように、
第1電極、第2電極およびカバー体を配置してあるの
で、プラズマ空間にその流れを乱すことなく、大流量の
プラズマ処理用ガスを供給すると共に、プラズマ処理後
のガスを高速に排気することができる。また、主ガス流
路中で第1空間から連通排気口に向かう流れのコンダク
タンスが、第1空間から第2空間に向かう、主ガス流路
以外の流れのコンダクタンスに比べて大きくなるように
第1電極、第2電極およびカバー体が配置してあるの
で、主ガス流路以外へのガスのリークをさらに防いで主
ガス流路内の気密性を一層高めることができる。これに
よって、プラズマ処理の高速化、プラズマ処理面の高品
質化およびプラズマ処理の均一化という3つの要求を同
時に満たすことができる。特に、大面積基板に対するプ
ラズマ処理やシート状基板に対するプラズマ処理につい
て、本発明によれば顕著な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態のプラズマ処理装置の概略構成
を示す断面図である。
【図2】第1の実施形態のプラズマ処理装置の主要部を
示す斜視図である。
【図3】図2の平面PL1における断面を示す斜視図で
ある。
【図4】図2の平面PL2における断面図である。
【図5】図3の各部分の分解斜視図である。
【図6】第1の実施形態のプラズマ処理装置における主
ガス流路を示す拡大図である。
【図7】第2の実施形態のプラズマ処理装置の概略構成
を示す断面図である。
【図8】第2の実施形態のプラズマ処理装置の主要部を
示す斜視図である。
【図9】図8の平面PL1における断面を示す斜視図で
ある。
【図10】図8の平面PL2における断面図である。
【図11】図9の各部分の分解斜視図である。
【図12】第2の実施形態のプラズマ処理装置における
カバー体を示す斜視図である。
【図13】第2の実施形態のプラズマ処理装置における
主ガス流路を示す拡大図である。
【図14】変形例1のプラズマ処理装置の概略構成を示
す断面図である。
【図15】変形例2のプラズマ処理装置の概略構成を示
す断面図である。
【図16】変形例3のプラズマ処理装置の概略構成を示
す断面図である。
【図17】従来構成1のプラズマ処理装置の概略構成を
示す断面図である。
【図18】従来構成2のプラズマ処理装置の概略構成を
示す断面図である。
【記号の説明】
1 チャンバ 2 第1電極 3 第2電極 4 第1ガス導入口 5 第1ガス排気口 6 第1ガス供給部 7 第1ガス排気部 8、9 配管 10 第2ガス導入口 11 第2ガス排気口 12 第2ガス供給部 13 第2ガス排気部 14 高周波電源 21 第1カバー体 22 第2カバー体 23 カバー体 23a 第2開口部 24 第2電極対向部 25 第1開口部 26 連通導入口 27 連通排気口 50 基板 100、200 プラズマ処理装置 FR、FR2 主ガス流路 SC 第1空間 SD 第2空間 G1、G2 ギャップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥田 徹 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 4K030 AA06 AA16 BA30 CA06 CA17 EA06 EA11 FA03 GA04 JA09 KA12 KA15 KA16 LA16 5F004 AA01 BA06 BA07 BB28 BC01 BC02 CA02 CA05 DA00 DA01 DA18 DA22 DA23 DA26 5F045 AA08 AE25 BB01 BB09 DP02 DP04 DP22 DP25 EB02 EB10 EC01 EE01 EF20 EH04 EH13 EH15

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1ガス導入口と第1ガス排気口とを有
    するチャンバ内に、第1電極および基板を搭載する第2
    電極が配置され、 該第1電極の少なくとも一部と、該第2電極の一部と
    が、第1空間を隔てて、かつ、該基板のみを介して対向
    配置され、 該第1ガス導入口から該第1空間にプラズマ処理用ガス
    を導入すると共に、該第1電極と該第2電極との間に高
    周波電圧を印加して、該第1空間の少なくとも一部でプ
    ラズマを発生させ、さらに、基板を搭載した該第2電極
    を移動させることによって、該基板にプラズマ処理を行
    うプラズマ処理装置であって、 該第1ガス導入口と連通する連通導入口と、 該第1ガス排気口と連通する連通排気口と、 該第1空間において開口する第1開口部と、 該第1開口部の近傍において該第2電極または該基板と
    第2空間を隔てて対向する第2電極対向部とを有するカ
    バー体を備え、 該カバー体は、該第2電極および該基板と接触せずに、
    該第1電極、および該第2電極または該基板と共に、該
    連通導入口から該第1空間を通って該連通排気口に向か
    う該プラズマ処理用ガスの主ガス流路を構成し、 該主ガス流路を流れる該プラズマ処理用ガスの流線に急
    激な変化が加わらないように、該第1電極、該第2電極
    および該カバー体が配置されているプラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】 前記主ガス流路中で前記第1空間から前
    記連通排気口に向かう流れのコンダクタンスが、該第1
    空間から前記第2空間に向かう、該主ガス流路以外の流
    れのコンダクタンスに比べて大きくなるように、前記第
    1電極、前記第2電極および前記カバー体が配置されて
    いる請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】 前記チャンバは、さらに第2ガス導入口
    を有し、 該第2ガス導入口から該チャンバ内に前記プラズマ処理
    用ガスと同一成分のガスまたは不活性ガスを導入して、
    前記主ガス流路以外の領域における圧力が該主ガス流路
    内の圧力よりも高い圧力に保持可能とされている請求項
    1または請求項2に記載の記載のプラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】 前記第1空間内の前記プラズマが発生す
    る部分において、 前記主ガス流路を流れる前記プラズマ処理用ガスの流線
    が、前記基板表面にほぼ沿う方向となるように、前記第
    1電極、前記第2電極および前記カバー体が配置されて
    いる請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のプラズマ
    処理装置。
  5. 【請求項5】 前記第1電極は、少なくとも前記第1空
    間において曲面形状を有する請求項1乃至請求項4のい
    ずれかに記載のプラズマ処理装置。
  6. 【請求項6】 前記主ガス流路の幅方向の略中央部にお
    いて、 該主ガス流路を流れる前記プラズマ処理用ガスの流線
    が、前記連通導入口、前記第1空間および前記連通排気
    口にかけて、略U字形状となるように、前記第1電極、
    前記第2電極および前記カバー体が配置されている請求
    項1乃至請求項5のいずれかに記載のプラズマ処理装
    置。
  7. 【請求項7】 前記主ガス流路の幅が前記略U字形状の
    先端部において最小となるように前記第1電極、前記第
    2電極および前記カバー体が配置され、 該主ガス流路の幅が最小になる部分の近傍において、プ
    ラズマを発生させる請求項6に記載のプラズマ処理装
    置。
  8. 【請求項8】 前記主ガス流路の幅方向の略中央部にお
    いて、 該主ガス流路を流れる前記プラズマ処理用ガスの流線
    が、前記連通導入口、前記第1空間および前記連通排気
    口にかけて、略直線状となるように、前記第1電極、前
    記第2電極および前記カバー体が配置されている請求項
    1乃至請求項5のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  9. 【請求項9】 前記第2電極は円筒形状であり、その中
    心軸を中心として回転可能とされている請求項8に記載
    のプラズマ処理装置。
  10. 【請求項10】 前記基板としてシート状基板が搭載さ
    れ、前記第2電極の回転によって該シート状基板が該第
    2電極に密着しながら移動可能とされている請求項9に
    記載のプラズマ処理装置。
  11. 【請求項11】 前記第1電極は少なくとも前記第1空
    間で曲面形状部分を有し、該第1電極の曲面形状部分の
    曲率半径と前記円筒形状の第2電極の半径とは略同一で
    あり、 該第1電極の曲面形状部分の先端部と、該円筒形状の第
    2電極の先端部とが実質的に対向し、 前記主ガス流路の幅が、該第1電極の先端部と該第2電
    極の先端部との対向部において最小となるように、該第
    1電極、該第2電極および前記カバー体が配置され、 該主ガス流路の幅が最小になる該対向部の近傍におい
    て、プラズマを発生させる請求項9または請求項10に
    記載のプラズマ処理装置。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至請求項11のいずれかに
    記載のプラズマ処理装置を用いて、基板に対してプラズ
    マ処理を行うプラズマ処理方法。
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