JP2001062744A - 電動締付機及び電動締付機による締付制御方法 - Google Patents

電動締付機及び電動締付機による締付制御方法

Info

Publication number
JP2001062744A
JP2001062744A JP23531699A JP23531699A JP2001062744A JP 2001062744 A JP2001062744 A JP 2001062744A JP 23531699 A JP23531699 A JP 23531699A JP 23531699 A JP23531699 A JP 23531699A JP 2001062744 A JP2001062744 A JP 2001062744A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tightening
motor
value
drive
rotation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23531699A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuo Hirai
達夫 平井
Takaaki Washimi
卓昭 鷲見
Daijiro Yano
大司郎 矢野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maeda Metal Industries Ltd
Maeda Metal Industries Inc
Original Assignee
Maeda Metal Industries Ltd
Maeda Metal Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Maeda Metal Industries Ltd, Maeda Metal Industries Inc filed Critical Maeda Metal Industries Ltd
Priority to JP23531699A priority Critical patent/JP2001062744A/ja
Publication of JP2001062744A publication Critical patent/JP2001062744A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Details Of Spanners, Wrenches, And Screw Drivers And Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動トルク又は回転負荷トルクの変化に対応
できる電動締付機を提供する。 【解決手段】 本発明は、モータ11の回転動力を、変速
機構12を介して回転ヘッド13に伝達することにより、回
転ヘッド13に適合した締付具14を回転させて被締結部材
15を締め付ける電動締付機であって、利用される締付管
理法に基づいて指標となる制御指標量を測定する指標量
測定手段18と、該指標量に関する駆動停止値が予め設定
され、指標量測定手段にて測定された指標量が駆動停止
値に達すると、モータ11の駆動を停止するように制御す
る制御手段とを具える電動締付機に於て、モータ11、変
速機構12又は回転ヘッド13の回転速度を測定する回転量
測定手段30と、該測定手段30により、回転開始から締付
負荷が働くまでの無負荷状態にて測定された回転速度に
基づいて、前記駆動停止値又はモータ11の駆動電圧を補
正する補正手段35を具える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボルト、ナット等
の締付具を締め付ける電動締付機に関するものである。
特に本発明は、種々の締付管理法に基づく締付制御に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】前記電動締付機は、図20に示すよう
に、モータ(11)の回転動力を、変速機構(12)を介して回
転ヘッド(13)に伝達することにより、回転ヘッド(13)に
適合したナット等の締付具(14)を回転させ、該締付具(1
4)により被締結部材(15)を締め付ける電動工具である。
電動締付機(100)は、トルク法、回転角法、耐力点法
等、種々の締付管理法に基づいて締付具(14)の締付管理
が行われている。
【0003】トルク法は、締付軸力と締付トルクとの線
形関係を利用して、締付トルクを指標として締付管理を
行なう方法である。電動締付機の場合、締付トルクを直
接測定することは困難であるから、締付トルクの代わり
に、モータ(11)の回転軸、変速機構(12)の回転軸、また
は回転ヘッド(13)(以下、「回転駆動系」と称する。)
の回転速度の降下率やモータ(11)の駆動電流を指標とし
て締付制御が行なわれる。ここで、回転駆動系の回転速
度とは、回転駆動系の任意箇所における単位時間(通常
は1分間)当たりの回転数を言う。その他、本願出願人
が以前に出願した特願平10−319976に記載のよ
うに、締付トルクにより締付制御を行なう代わりに、バ
ネを用いて機械的に締付制御を行なう電動締付機が存在
する。
【0004】回転角法は、締付軸力に締付具の伸びが対
応することを利用して、締付負荷が働き始めてから締付
具(14)が回転した回転角を指標として締付管理を行なう
方法である。電動締付機の場合、ロータリエンコーダ等
の回転角または回転速度を検出する手段を用いて、締付
負荷が働き始めてから回転ヘッド(13)が回転した回転角
(以下、「締付回転角」と称する。)を指標として締付
制御が行なわれる。
【0005】耐力点法は、締付具の締付軸力を、降伏点
または耐力点、すなわち、弾性域と塑性域の境界領域に
て管理する方法である。降伏点または耐力点を検知する
方法としては、締付トルクの時間勾配や角度勾配を測定
する方法や、特公昭53−49649号に記載のよう
に、締付トルクの飽和点を検出する方法がある。電動工
具の場合、前述のように、締付トルクの代わりに、回転
駆動系の回転速度の降下率やモータ(11)の駆動電流等が
利用される。
【0006】このように、各締付管理法では、締付具(1
4)の締付トルクや締付回転角などのような、締付管理の
指標となる物理量(以下、「管理指標量」と称する。)
を測定する必要があり、電動締付機(100)では、回転駆
動系の回転速度の降下率、モータ(11)の駆動電流、回転
ヘッド(13)の締付回転角等、締付制御の指標となる物理
量(以下、「制御指標量」と称する。)を測定する必要
がある。このため、電動締付機(100)は、図20に示す
ように、制御指標量を測定する指標量測定手段(18)を具
える。
【0007】また、電動締付機(100)は、外部電源(17)
からモータ(11)への電力を供給または停止することによ
り、モータ(11)の回転および停止を制御する制御手段(1
01)を具える。制御手段(101)は、指標量測定手段(18)に
て測定された制御指標量を受信し、制御指標量の測定値
が、制御指標量に関して予め設定された駆動停止値に達
すると、モータ(11)の駆動を停止するように制御する。
図21は、前記制御手段(101)の内部構成を示してい
る。制御手段(101)は、前記駆動停止値が設定される駆
動停止値設定部(102)を具える。駆動停止値は、次のよ
うに設定される。
【0008】製造時または検査時に、駆動停止値を様々
に変えて、電動締付機の締付試験を行ない、締め付けた
締付具の管理指標量または締付軸力を、試験器を用いて
測定する。測定した管理指標量または締付軸力が規定の
値となったときの駆動停止値を基準値として制御手段(1
01)に記憶する。次に、実際の使用前に同様の締付試験
を行ない、電動締付機(100)上に配備した調整手段(19)
をユーザが調整して、管理指標量または締付軸力の測定
値がユーザの所望する値となるように前記基準値が調整
されて、実際の使用時に利用される駆動停止値として設
定される。
【0009】また、制御手段(101)は、駆動停止値設定
部(102)から駆動停止値を受信すると共に、指標量測定
手段(18)から制御指標量の測定値を受信する比較部(41)
を具える。比較部(41)は、測定値が該駆動停止値に一致
すると、駆動回路(43)に停止信号を送信する。駆動回路
(43)は、電動締付機(100)上に配備した駆動開始スイッ
チ(44)をオンにすると、所定の駆動電圧をモータ(11)に
印加して、モータ(11)を回転させる。そして、前記駆動
開始スイッチ(44)をオフにするか、比較部(41)から停止
信号を駆動回路(43)が受け取ると、駆動回路(43)は、モ
ータ(11)への電圧印加を停止して、モータ(11)の回転駆
動を停止させる。
【0010】図22は、前記電動締付機(100)による締
付け進行中において、モータ(11)の駆動軸の回転速度
と、該駆動軸に働く締付トルクが時間と共に変化する様
子を示すグラフであり、図23は、前記電動締付機(10
0)におけるモータ(11)と負荷のトルク特性を示すグラフ
である。モータが回転し始めると(t=0)、モータ(11)
の回転速度は、モータ(11)の駆動トルクMdが、回転駆
動系および締付具(14)を回転させるのに必要な回転負荷
トルクMrにつり合うときの回転速度v0を目指して指数
関数的に増加する。次に、締付けにより締付具(14)から
回転駆動系に締付負荷トルクMcが働き始めると(t=t
1)、モータ(11)の回転速度は、駆動トルクMdが、回転
負荷トルクMrに締付負荷トルクMcを加えた全負荷トル
クMaにつり合う回転速度v'を目指して急激に減少す
る。なお、前記締付負荷トルクMcは、上記締付回転角
に比例して増加するから、駆動トルクMdと全負荷トル
クMaがつり合う回転速度v'は、時間と共に減少する。
そして、制御指標量の測定値が前記駆動停止値に一致し
て、モータ(11)の駆動を停止すると(t=t2)、回転
駆動系と締付具(14)の慣性により更に回転してから停止
する(t=t3)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、モータ
(11)の駆動を停止した後も、回転駆動系と締付具(14)の
慣性により、モータ(11)は更に回り続けて、締付具(14)
の管理指標量が増加する。従って、前記駆動停止値は、
駆動停止後の回転による締付具(14)の管理指標量の増加
を考慮されている。しかしながら、電動締付機を利用す
る実際の現場では、外部電源からの供給電圧が不安定な
場合があり、このとき、モータ(11)の駆動電圧が変化す
ることになる。前述のように、モータ(11)は、駆動トル
クが負荷トルクにつり合う回転速度を目指して加速また
は減速されるから、モータ(11)の駆動電圧が変化する
と、駆動トルクMdが変化して、回転速度が変化する。
このとき、駆動停止時(t=t2)の回転速度も変化す
るから、駆動停止後の回転による締付具(14)の管理指標
量の増加量が変化する。従って、モータ(11)の駆動電圧
のバラツキにより、回転停止後の締付具(14)の管理指標
量にバラツキが生じることになる。
【0012】また、電動締付機は、機械のなじみ、潤滑
油の温度依存性等により、回転駆動系の種々の駆動状況
が変化して、回転負荷トルクMrが変化する場合があ
る。具体的には、冬と夏、または使用前と使用中とで
は、モータ(11)に働く回転負荷トルクMrが異なる。前
述と同様に、回転負荷トルクMrが変化しても、回転速
度は変化する。しかしながら、電動締付機の一般的な使
用状況においては、環境の変化による回転速度への影響
は、モータ(11)の駆動電圧の変化による回転速度への影
響よりも小さい。従って、環境の変化による前記管理指
標量への影響は、モータ(11)の駆動電圧の変化による管
理指標量への影響よりも小さい。しかしながら、例えば
モータの駆動電流のように、回転負荷トルクMrに締付
負荷トルクMcを加えた全負荷トルクMaに対応する制御
指標量を用いて締付制御を行なう電動締付機では、回転
負荷トルクMrが変化すると、所望の管理指標量又は締
付軸力が得られる実際の駆動停止値は、使用前に設定さ
れた駆動停止値から外れるから、回転停止後の締付具に
おける管理指標量又は締付軸力は、所望値から外れるこ
とになる。このため、全負荷トルクMaに対応する制御
指標量を利用する従来の電動締付機では、使用開始前に
ウォームアップを行ない、回転負荷トルクMrをほぼ一
定とした後に使用することを義務づけている。しかしな
がら、実際には、ウォームアップ無しに電動締付機が使
用されることが多く、このため、使用中に回転負荷トル
クMrが下がって、回転停止後の締付軸力が増加し、締
付具の締め過ぎによる破損等の事故が発生することがあ
った。
【0013】上記問題点を解決するため、特開平10−
315148に記載された電動工具では、電源電圧を検
出する手段を設け、検出した電源電圧に対応した駆動位
相角を算出し、該駆動位相角に基づいてモータを位相制
御することにより、モータの駆動電圧の変化を防止し
て、モータの駆動トルクMdの変化を防止している。し
かしながら、前記電動工具では、駆動トルクMdの変化
には対応できるが、回転負荷トルクMrの変化には対応
できない。
【0014】
【発明の目的】本発明は、駆動トルクMdまたは回転負
荷トルクMrの変化に対応できる電動締付機を提供する
ことを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、制御指標量を測定する指標量測定手段
と、該制御指標量に関する駆動停止値が予め設定され、
指標量測定手段にて測定された制御指標量が該駆動停止
値に達すると、モータの駆動を停止するように制御する
制御手段とを具える電動締付機に於て、モータ、変速機
構、回転ヘッドなどの回転駆動系回転速度を測定する回
転量測定手段と、該回転量測定手段により、回転開始か
ら締付負荷が働くまでの無負荷状態にて測定された回転
速度に基づいて、前記駆動停止値又はモータの駆動電圧
を補正する補正手段を具えることを特徴とする。
【0016】
【作用及び効果】上述のように、無負荷状態では、締付
負荷トルクMcが働いていないから、回転駆動系の回転
は、モータの駆動トルクMdが、回転駆動系および締付
具の回転負荷トルクMrにつり合う回転速度となるよう
に加速または減速される。すなわち、無負荷状態におけ
る回転駆動系の回転速度は、駆動トルクMdと回転負荷
トルクMrに依存する。前述のように、電動締付機の一
般的な使用状況においては、モータの駆動電圧の変化に
よる前記回転速度への影響は、環境の変化による回転速
度への影響よりも大きいから、この場合、回転量測定手
段により測定された回転速度の変化を、駆動トルクMd
の変化に対応させることができる。従って、モータの駆
動トルクMdが変化しても、補正手段が、回転速度の変
化に対応して、モータの駆動電圧を補正したり、或い
は、駆動停止値を補正することにより、締付け後の締付
具における管理指標量のバラツキを抑えることができ
る。
【0017】また、上記構成の電動締付機に対し、モー
タの駆動電圧を一定値に維持する電圧維持手段を追加配
備した場合、モータの駆動トルクMdの変化を抑えるか
ら、回転量測定手段により測定された回転速度の変化
を、回転負荷トルクMrの変化に対応させることができ
る。従って、回転負荷トルクMrが変化しても、補正手
段が、回転速度の変化に対応して、駆動停止値を補正す
ることにより、締付け後の締付具における管理指標量又
は締付軸力をユーザの所望する値に維持できる。その結
果、全負荷トルクMaに対応する制御指標量を利用する
電動締付機に本発明を適用することにより、使用開始前
のウォームアップを行なう必要はなくなり、ウォームア
ップをすることなく使用することにより発生する締付具
の締め過ぎを防止でき、該締め過ぎによる事故を防止で
きる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。実施形態1 本実施形態は、締付具としてナットを回転する電動締付
機であり、図1に該電動締付機(10)の内部構成を示す。
重ねた2枚のプレート等の被締結部材(15)にボルト(14
0)を貫通し、該ボルト(140)にナット(141)を螺合してい
る。ナット(141)の締付けに伴って、その反作用として
電動締付機(10)に加わる回転反力は、作業者の保持力、
公知の反力受け手段によって吸収される。上述のよう
に、電動締付機(10)は、モータ(11)の回転動力を、変速
機構(12)を介して、ナット(141)に係合する回転ヘッド
(13)に伝達することにより、ナット(141)を回転させ
て、被締結部材(15)をボルト(140)およびナット(141)で
締結する。電動締付機(10)は、所定の締付管理法に基づ
いてナット(141)の締付制御が行われる。電動締付機(1
0)は、所定の締付管理法に基づく制御指標量を測定する
指標量測定手段(18)を具える。また、電動締付機(10)
は、外部電源(17)からモータ(11)への電力を供給または
停止することにより、モータ(11)の回転および停止を制
御する制御手段(16)を具える。制御手段(16)は、指標量
測定手段(18)にて測定された制御指標量を受信し、制御
指標量の測定値が、制御指標量に関して予め設定された
駆動停止値に達すると、モータ(11)の駆動を停止するよ
うに制御する。
【0019】本実施形態の電動締付機(10)は、無負荷状
態の或る測定タイミングで測定されたモータ(11)の回転
速度に基づいて、前記駆動停止値を補正するものであ
る。図22のグラフから、前記測定タイミングは、回転
開始(t=0)から締付開始(t=t1)までの間に設
定される必要がある。測定タイミングは、回転速度の変
化が急な領域では、検出される回転速度の誤差が大きく
なるから、回転速度の変化が緩やかな領域または一定の
回転速度v0となる領域に設定されることが望ましい。
さらに、測定タイミングは、時間よりも回転開始からの
回転角にて設定される方が誤差が少なくて望ましい。本
実施形態では、測定タイミングとして、モータ(11)の回
転開始から25度回転した時点での回転速度を測定して
いる。
【0020】モータ(11)には、モータ(11)の回転角や回
転速度を検出する回転検出手段(20)が配備される。回転
検出手段(20)は、検出した信号を回転量測定手段(30)に
送信する。図2は、回転検出手段(20)の一例であるロー
タリーエンコーダ(21)を示している。該ロータリーエン
コーダ(21)は、モータ(11)のシャフト(22)と一体回転す
る回転ディスク(23)と、回転ディスク(23)に近接して、
モータケース(110)上に配備されるフォトセンサ(24)を
具える。フォトセンサ(24)は、該回転ディスク(23)を介
して対向配置された発光素子(25)および受光素子(26)を
具える。回転ディスク(23)は、回転軸の周方向に所定の
ピッチでスリットが開設されており、シャフト(22)の回
転に伴って回転ディスク(23)が回転することにより、発
光素子(25)からの光が明滅する光として受光素子(26)に
照射され、その明滅回数から回転角、回転速度等の回転
量を知ることができる。受光素子(26)は、明滅する光を
パルス信号に変換して、回転量測定手段(30)に送信す
る。なお、回転検出手段(20)としては、前記フォトセン
サ(24)を用いたもの以外にも、磁気センサを用いたもの
等、公知の手段が使用できる。
【0021】回転量測定手段(30)は、図3に示すよう
に、回転検出手段(20)からのパルス信号を受信する回転
角算出部(31)および回転速度算出部(32)を具える。回転
角算出部(31)は、モータ(11)の回転駆動を開始した時点
で制御手段(16)が生成する駆動開始信号を受信し、該駆
動開始信号および前記パルス信号から、モータ(11)の駆
動開始からの回転角θrを算出して補正手段(35)に送信
する。回転速度算出部(32)は、前記パルス信号を時間微
分して回転速度vrを算出して補正手段(35)に送信す
る。一般に、或る構成要素から他の構成要素へ測定値等
の数値を送信する方法には、該数値を対応する電圧に変
換して、アナログ電圧信号として送信する方法と、該数
値を二進数で表して、デジタル電圧信号として送信する
方法とがある。本願の実施形態では、何れの方法も使用
できるが、特に、デジタル電圧信号の方法を使用してい
る。
【0022】補正手段(35)は、図3に示すように、回転
量測定手段(30)の回転角算出部(31)からモータ(11)の回
転角θrを受信すると共に、回転速度算出部(32)から回
転速度vrを受信して、回転開始から約25度回転した
時点での回転速度v25を検出するv25検出部(36)を具え
る。v25検出部(36)は、検出した回転速度v25を補正値
決定部(37)および異常速度検出部(38)に送信する。補正
値決定部(37)は、受信した回転速度v25に基づいて、制
御手段(16)にて設定される駆動停止値を補正する補正値
を決定し、該補正値を制御手段(16)に送信する。回転速
度v25と補正値の対応関係は、参照テーブルまたは関数
として、補正値決定部(37)に配備されたメモリ等の記憶
装置(図示せず)に記憶されている。なお、回転速度v
25と補正値の対応関係は、締付管理法の種類によって異
なり、その詳細は後述する。
【0023】異常速度検出部(38)は、受信した回転速度
v25が所定範囲内にあるか否かを判断し、所定範囲内で
は無い場合には、モータ(11)の回転速度が異常であると
判断して、モータ(11)を強制的に停止させる非常停止信
号を制御手段(16)に送信する。なお、電動締付機(10)に
は、使用者に種々の情報を報せるランプ、ブザー、ディ
スプレイ等の報知手段(図示せず)が配備されることが
望ましく、この場合、異常速度検出部(38)は、前記モー
タ(11)の回転異常を報せる信号を該報知手段に送信し
て、使用者に報せることが望ましい。
【0024】図4は、制御手段(16)の内部構成を示して
いる。制御手段(16)は、前記駆動停止値が設定される駆
動停止値設定部(40)を具える。駆動停止値は、次のよう
に設定される。製造時または検査時に、駆動停止値を様
々に変えて、電動締付機の締付試験を行ない、締付け後
のナット(141)の管理指標量または締付軸力を、試験器
を用いて測定する。管理指標量または締付軸力の測定値
が規定の値となったときの駆動停止値を基準値として駆
動停止値設定部(40)に記憶する。次に、実際の使用前に
同様の締付試験を行ない、電動締付機(10)上に配備した
調整手段(19)をユーザが調整して、管理指標量または締
付軸力の測定値がユーザの所望する値となるように前記
基準値が調整されて、実際の使用時に利用される駆動停
止値として設定される。なお、調整手段(19)としては、
可変抵抗器やディップスイッチなどが使用される。
【0025】本実施形態では、駆動停止値設定部(40)
は、補正手段(35)の補正値決定部(37)から補正値を受信
し、設定された駆動停止値を補正値にて補正し、補正さ
れた駆動停止値を比較部(41)に送信する。また、制御手
段(16)は、駆動停止値設定部(40)から補正された駆動停
止値を受信すると共に、指標量測定手段(18)から制御指
標量の測定値を受信する比較部(41)を具える。比較部(4
1)は、測定値が該駆動停止値に一致すると、駆動回路(4
3)に停止信号を送信する。駆動回路(43)は、電動締付機
(10)上に配備した駆動開始スイッチ(44)をオンにする
と、所定の駆動電圧をモータ(11)に印加して、モータ(1
1)の回転を開始させる。そして、前記駆動開始スイッチ
(44)をオフにするか、比較部(41)から停止信号を受け取
るか、或いは、補正手段(35)の異常回転検出部(38)から
非常停止信号を受け取ると、モータ(11)の回転駆動を停
止させる。
【0026】本実施形態では、締付管理法は、トルク制
御法であり、制御指標量は、締付負荷トルクMcに対応
するモータ(11)の回転速度の降下率(以下、「速度降下
率」と称する。)である。速度降下率は、締付負荷トル
クMcが働き始めてから減少した回転速度を、締付負荷
トルクMcが働き始めた時の回転速度で割ったものであ
る。図6は、前記電動締付機(10)におけるモータ(11)の
回転角θrに対する回転速度(電圧値)vrの変化を示す
グラフである。モータ(11)が回転し始めると(θr=
0)、モータ(11)の回転速度vrは、駆動トルクMdが回
転負荷トルクMrにつり合う回転速度を目指して指数関
数的に増加する。次に、締付けによりナット(141)から
締付負荷トルクMcが働き始めると(θr=θ1)、モータ
(11)の回転速度vrは、駆動トルクMdが、回転負荷トル
クMrに締付負荷トルクMcを加えた全負荷トルクMaに
つり合う回転速度v'を目指して急激に減少する(図2
3を参照。)。従って、モータ(11)の回転速度vrは、
締付負荷の開始時に最大値vmaxとなり、締付中の任意
の時点での速度降下率は、(vmax−vr)/vmax、で表
される。
【0027】締付負荷トルクMcは、締付負荷開始から
の締付回転角(θr−θ1)に比例して増加するから、締
付けが進むに連れて、モータ(11)の回転速度vrが減少
し、速度降下率は増加する。速度降下率が設定値Rb
(但し、0<Rb<1)に達すると(θr=θb)、モータ
(11)の駆動を停止する。このとき、モータ(11)は、回転
駆動系とナット(141)の慣性により更に回転してから停
止する(θr=θc)。
【0028】なお、速度降下率を制御指標量とする場合
には、駆動停止値と制御指標量の測定値との比較は、誤
動作防止のため、締付負荷開始(θr=θ1)以後とする必
要があり、締付負荷開始後であることが望ましい。本実
施形態では、図6に示すように、速度降下率が所定値R
a(但し、0<Ra<Rb)に達してから前記比較を開始
している。また、通常、駆動停止値は指標量であり、比
較部(41)は、駆動停止値と測定された指標量とを比較す
る。しかしながら、本実施形態のように速度降下率が指
標量である場合には、前記設定値Rbと回転速度の最大
値vmaxから、駆動を停止すべき回転速度vb=vmax×
(1−Rb)を求め、この回転速度vbを駆動停止値とすれ
ば、回転速度vrを測定する回転量測定手段(30)を指標
量測定手段(18)として利用でき、また、比較部(41)が駆
動停止値vbと回転速度vrの測定値とを容易に比較でき
る。従って、本実施形態でもこの方法を利用している。
【0029】図5は、前記駆動停止値設定部(40)の内部
構成を示している。駆動停止値設定部(40)は、速度降下
率の設定値Rbを設定する速度降下率設定部(50)を具え
る。速度降下率の設定値Rbは、次のように設定され
る。前述と同様に、速度降下率設定部(50)は、製造時ま
たは検査時に締付試験を行なって、締付け後のナット(1
41)の締付トルクを測定し、速度降下率の基準値を記憶
する。次に、実際の使用前に同様の締付試験を行ない、
調整手段(19)をユーザが調整して、締付トルクおよび締
付軸力の測定値がユーザの所望する値となるように前記
基準値が調整されて、実際の使用時に利用される速度降
下率の設定値Rbとして設定される。
【0030】速度降下率設定部(50)は、該設定値Rbを
設定値補正部(51)に送信する。設定値補正部(51)は、補
正手段(35)の補正値決定部(37)からの補正値に基づい
て、速度降下率設定部(50)からの設定値Rbを補正し、
補正した設定値Rb1を駆動停止速度決定部(54)に送信す
る。
【0031】また、駆動停止値設定部(40)は、回転量測
定手段からの回転速度vrを受信し、回転速度の最大値
vmaxを保持する最大値保持部(52)を具える。最大値保
持部(52)は、最大回転速度vmaxを制御開始点決定部(5
3)と駆動停止速度決定部(54)に送信する。制御開始点決
定部(53)は、回転速度低下率の前記所定値Raを記憶し
ており、最大値保持部(52)からの最大回転速度vmaxと
共に、回転量測定手段(30)からの回転速度vrを受信す
る。前記所定値Raは、2〜3%であることが望まし
い。制御開始点決定部(53)は、前記所定値Raと最大回
転速度vmaxから、締付管理の制御を開始すべき回転速
度va=vmax×(1−Ra)を求めて、回転量測定手段(3
0)からの回転速度vrと比較する。回転速度vrが降下し
て回転速度vaと一致すると、制御開始点決定部(53)
は、駆動停止速度決定部(54)に制御開始信号を送信す
る。駆動停止速度決定部(54)は、制御開始点決定部(53)
から制御開始信号を受信すると、最大値保持部(52)から
の最大回転速度vmaxと、設定値補正部(51)からの補正
された設定値Rb1から、本実施形態の駆動停止値である
モータ(11)の駆動を停止すべき回転速度vb1=vmax×
(1−Rb1)を求めて比較部(41)に送信する。そして、比
較部(41)は、駆動停止速度決定部(54)からの駆動停止値
vb1と、回転量測定手段(30)からの回転速度vrを比較
し、一致すれば、駆動回路(43)に駆動停止信号を送信し
てモータ(11)の駆動を停止させる。
【0032】上記構成の電動締付機(10)において、ま
ず、製造時または検査時に、速度降下率Rbと締付トル
クMcの対応関係を求めるため、以下の試験を行なう。
まず、モータ(11)の駆動電圧を或る値に維持してモータ
(11)を回転させる。次に、補正手段(35)のv25検出部(3
6)が送信する回転速度v25を測定する。次に、回転停止
後のナット(141)の締付トルクをトルクレンチ等で測定
して、該締付トルクが規定値となるような速度降下率R
bを求める。次に、モータ(11)の駆動電圧を種々の値に
維持し、各駆動電圧において、前述のように、前記v25
検出部(36)が送信する回転速度v25と、回転停止後のナ
ット(141)の締付トルクが規定値となるような速度降下
率Rbとを求める。これにより、駆動電圧、回転速度v2
5および速度降下率Rbに関するデータが得られる。得ら
れたデータに基づいて、基準となる駆動電圧における速
度降下率Rbを、駆動停止値設定部(40)の速度降下率設
定部(50)に基準値として記憶し、各回転速度v25と、そ
れに対応する速度降下率Rbの補正値(例えば、基準と
なる駆動電圧における速度降下率Rbに対する増減量)
との組合せを補正手段(35)の補正値決定部(37)に記憶す
る。
【0033】本実施形態の実施例では、まず、モータ(1
1)の駆動電圧(交流値)を100Vに維持すると、回転
速度v25を示す電圧(直流値)が3.0Vであった。次
に、速度降下率Rbを求めて、Rb=30%を得た。次
に、前記駆動電圧を90Vおよび110vに維持して、
各駆動電圧における回転速度v25の電圧値と速度降下率
Rbを求めて、図7に示すデータを得た。そして、図7
のデータに基づいて、駆動電圧が100Vの時の速度降
下率Rb=30%を速度降下率設定部(50)に基準値とし
て記憶し、回転速度v25の電圧値が2.5V、3.0Vお
よび4.0Vとなる時の補正値を、それぞれ+20%、
±0%および−20%とし、参照テーブルとして補正値
決定部(37)に記憶した。
【0034】次に、電動締付機(10)を実際に使用する前
に、締付試験を行ない、締付け後のナット(141)の締付
トルクおよび締付軸力を測定する。このとき、ユーザが
調整手段(19)を調整することにより、該測定値がユーザ
の所望する値となるように前記基準値が調整されて、実
際の使用時に利用される速度降下率の設定値Rbとして
設定される。
【0035】次に、本実施形態の電動締付機(10)がナッ
ト(141)を締め付ける際の動作を説明する。使用者が、
電動締付機(10)の回転ヘッド(13)をナット(141)に嵌合
し、駆動スイッチ(44)をオンにすると、制御手段(16)の
駆動回路(43)がモータ(11)に電力を供給して、モータ(1
1)が回り始め、回転ヘッド(13)は、ナット(141)と共に
回転する。また、回転量測定手段(30)は、回転量検出手
段(20)からのパルス信号を受信し、回転角θrおよび回
転速度vrを算出して補正手段(35)のv25検出部(36)に
送信する。
【0036】モータ(11)が回転開始から25度回転する
と、v25検出部(36)は、回転速度v25を補正値決定部(3
7)および異常回転検出部(38)に送信する。異常回転検出
部(38)は、受信した回転速度v25が所定範囲内に無い場
合には、前記駆動回路(43)に非常停止信号を送信して、
モータ(11)を停止させる。
【0037】補正値決定部(37)は、記憶した参照テーブ
ルを参照して、受信した回転速度v25に対応する補正値
を選択し、駆動停止値設定部(40)の設定値補正部(51)に
送信する。なお、受信した回転速度v25が補正値決定部
(37)に記憶されていない場合は、記憶した回転速度v25
の中から、受信した回転速度v25に近い回転速度v25を
選択し、適当な補間法を用いて近似した補正値を送信す
る。実施例では、受信した回転速度v25の電圧値が、記
憶された値(2.5V、3.0Vおよび4.0V)であれ
ば、記憶された値に対応する補正値(+20%、±0%
および−20%)が送信され、記憶された値の間であれ
ば、図8に示すように、直線近似により補正値を算出し
て送信する。例えば、図8に示すように、回転速度v25
の電圧値が3.5Vである場合には、補正値は、−20
×(3.5−3.0)/(4.0−3.0)=−10(%)とな
る。また、回転速度v25の電圧値が2.7Vである場合
には、補正値は、+20×(2.7−3.0)/(2.5−
3.0)=+12(%)となる。なお、本実施例では、記憶
する回転速度v25を3個としたが、記憶する回転速度v
25の数を増やせば、補正値を精度良く求めることができ
る。しかしながら、この場合、記憶すべきデータ数が増
えるから、補正値決定部(37)の記憶容量を増やす必要が
ある。
【0038】設定値補正部(51)は、前記補正値決定部(3
7)からの補正値を、速度降下率設定部(50)からの設定値
Rbに加算して、補正された設定値Rb1として駆動停止
速度決定部(54)に送信する。回転ヘッド(13)がさらに回
転し、ナット(141)から締付負荷が働き始めて、回転速
度が減少し始めると、駆動停止値設定部(40)の最大値保
持部(52)は、回転速度の最大値vmaxを保持して、制御
開始点決定部(53)および駆動停止速度決定部(54)に送信
する。回転速度がさらに減少して、制御開始点決定部(5
3)にて設定される回転速度va=vmax×(1−Ra)に達
すると、制御開始点決定部(53)は、駆動停止速度決定部
(54)に制御開始信号を送信して、駆動停止速度決定部(5
4)は、補正された駆動停止値vb1=vmax×(1−Rb1)
を比較部(41)に送信する。回転速度がさらに減少して、
前記駆動停止値に達すると、比較部(41)は、停止信号を
駆動回路(43)に送信して、駆動回路(43)は、モータ(11)
の駆動を停止させて、ナット(141)の締付けを終了す
る。
【0039】本実施形態の電動締付機(10)は、補正手段
(35)のv25検出部(36)により測定された回転速度v25の
変化を、モータ(11)の駆動トルクMdの変化に対応させ
ることができる。従って、モータ(11)の駆動電圧の変化
により駆動トルクMdが変化しても、補正手段(35)の補
正値決定部(37)が、回転速度v25の変化に対応して補正
値を決定し、該補正値に基づいて、駆動停止値設定部(4
0)の設定値補正部(51)が、速度降下率の設定値Rbを補
正することにより、締付け後のボルト(140)およびナッ
ト(141)における締付トルクのバラツキを抑えることが
できる。
【0040】また、前記電動締付機(10)は、前記回転速
度v25が所定範囲内に無いならば、異常回転検出部(38)
が前記駆動回路(43)に非常停止信号を送信して、モータ
(11)を停止させるから、異常な回転速度で電動締付機(1
0)を継続使用することによる故障や事故を防止できる。
【0041】また、前記電動締付機(10)は、回転速度の
降下率を制御指標量としており、回転速度v25を用いて
駆動停止値の調整を行なっている。従って、特開平10
−315148に記載された電源電圧検出手段のよう
に、駆動電圧の変動による締付トルクのバラツキを抑え
るために新たな測定手段を配備する必要は無く、装置を
大型化することは無い。
【0042】実施形態2 本実施形態の電動締付機は、締付管理法として回転角法
を使用している。回転角法では、ボルト(140)の伸びが
塑性域に達するまで、ボルト(140)およびナット(141)が
締め付けられることが多い。この場合、締付け後のナッ
ト(141)の締付回転角の変化量に対する、ボルト(140)お
よびナット(141)の締付軸力の変化量は小さい。このた
め、電動締付機に要求される該締付回転角の誤差は大き
く、モータ(11)の駆動電圧が多少変化しても、回転停止
後の締付回転角は、通常は、該誤差の範囲内に収まる。
しかしながら、ユーザにとっては、ボルト(140)が塑性
域まで伸びる関係上、締付回転角の変化に敏感であり、
特に、回転停止後の締付回転角がユーザの所望する値よ
り大きいと、締め過ぎの懸念が大きくなる。従って、モ
ータ(11)の駆動電圧が変化しても、回転停止後の締付回
転角がさほど変化しない電動締付機があれば、該電動締
付機は、ユーザの信頼性が高くなる。
【0043】第2実施形態の電動締付機は、第1実施形
態の電動締付機に比べて、回転速度v25に基づいて、モ
ータ(11)の駆動電圧を調整する点と、締付管理法として
回転角法を利用し、モータ(11)の締付回転角を制御指標
量とする点が異なり、その他は同じである。従って、第
1実施形態とは異なる指標量測定手段、補正手段の補正
値決定部および制御手段について説明する。
【0044】図9は、本実施形態の指標量測定手段(18)
および制御手段(61)の内部構成を示している。指標量測
定手段(18)は、ナット(141)から締付トルクが働き始め
る時点を検出する締付負荷検出部(67)を具える。該締付
トルクが働き始めると、モータ(11)の回転速度や駆動電
流は急激に変化するから、締付負荷検出部(67)は、該変
化する時点を検出することにより、締付負荷の開始時点
を検出できる。本発明では、回転量測定手段(30)にてモ
ータ(11)の回転速度vrを測定しているから、締付負荷
検出部(67)は、回転量測定手段(30)にて測定した該回転
速度vrを受信することが望ましい。この場合、第1実
施形態の駆動停止値設定部(40)の制御開始点決定部(53)
(図5を参照。)と同様にして、締付負荷検出部(67)
は、締付負荷の開始時点を検出し、締付回転角算出部(6
8)に制御開始信号を送信する。
【0045】締付回転角算出部(68)は、締付負荷検出部
(67)から制御開始信号を受信すると共に、回転量測定手
段(30)にて測定したモータ(11)の回転角θrを受信す
る。締付回転角算出部(68)は、締付負荷検出部(67)から
制御開始信号を受信した時点から、該回転角θrをカウ
ントし始めることにより締付回転角を算出して制御手段
(61)に送信する。本実施形態の締付回転角算出部(68)
は、モータ(11)の回転軸と回転ヘッド(13)の回転比を用
いて、回転ヘッド(13)(すなわち、ナット(141))の締
付回転角θfnを算出して制御手段(61)に送信する。
【0046】本実施形態では、補正手段(35)の補正値決
定部(60)は、図3に示すように、v25検出部(36)からの
回転速度v25に基づいて、制御手段(16)におけるモータ
(11)の駆動電圧を補正する補正値を決定し、決定した補
正値を制御手段(16)に送信するものである。第1実施形
態と同様に、回転速度v25と補正値の対応関係は、参照
テーブルまたは関数として、補正値決定部(60)に記憶さ
れる。
【0047】制御手段(61)は、駆動停止値として、駆動
を停止すべきナット(141)の締付回転角である駆動停止
角θfsが設定される駆動停止角設定部(62)を具える。駆
動停止角は、従来と同様に、次のように設定される。ま
ず、前述と同様に、製造時または検査時に締付試験を行
なって、締付け後のナット(141)の締付回転角を測定
し、駆動停止角設定部(62)に駆動停止角の基準値を記憶
する。なお、締付回転角は、次のように測定される。ナ
ット(141)の予備締めを行なった後、ナット(141)からボ
ルト(140)に亘って直線状の印を施すマーキングを行っ
て、電動締付機によりナット(141)の本締めを行なう。
本締め後、ボルト(140)とナット(141)のマーキングのズ
レが締付回転角となり、角度ゲージ等により締付回転角
が測定される。次に、実際の使用前に同様の締付試験を
行ない、調整手段(19)をユーザが調整して、締付回転角
の測定値がユーザの所望する値となるように前記基準値
が調整されて、実際の使用時に利用される駆動停止角と
して設定される。駆動停止角設定部(62)は、設定された
駆動停止角θfsを比較部(63)に送信する。
【0048】比較部(63)は、駆動停止角設定部(62)から
の駆動停止角θfsと、指標量測定手段(18)からの締付回
転角θfnとを比較し、締付回転角θfnが駆動停止角θfs
に一致すると、駆動回路(64)に停止信号を送信する。駆
動回路(64)は、電動締付機(10)上に配備した駆動開始ス
イッチ(44)をオンにすると、所定の駆動電圧をモータ(1
1)に印加し、比較部(63)から停止信号を受け取ると、モ
ータ(11)の回転駆動を停止する。
【0049】また、制御手段(61)は、補正手段(35)の補
正値決定部(60)から補正値を受信し、該補正値に基づい
て、駆動回路(64)に入切信号を送信する電力制御部(65)
を具える。駆動回路(64)は、電力制御部(65)からの入切
信号に基づいて、モータ(11)への電力供給をオン/オフ
する。これにより、モータ(11)における実効的な駆動電
圧を制御できる。さらに、第1実施形態と同様に、補正
手段(35)の異常回転検出部(38)からの非常停止信号は、
駆動回路(64)に送信され、該駆動回路(64)は、前記非常
停止信号を受信すると、モータ(11)への電力供給を停止
して、ナット(141)の締付けを中止する。
【0050】図10は、電力制御部(65)の具体的な論理
回路を示している。本実施形態では、交流電圧の位相毎
に電力供給をオン/オフする位相制御が行われている。
本実施形態では、オフとなる位相の長さが5段階に分か
れている。補正値決定部(60)からの補正値は、3ビット
のバイナリ信号A、B、Cとして電力制御部(65)に送信
され、該バイナリ信号により、第1〜第4位相制御部(7
0)(71)(72)(73)の何れかまたは位相制御無しが選択さ
れ、SSR(ソリッドステートリレー)(74)を介して、モ
ータ(11)への電力供給が制御される。なお、製造時また
は検査時に、位相制御部(70)(71)(72)(73)における前記
位相長さを調整するため、3ビットのバイナリ信号A、
B、Cは、外部から設定可能であることが望ましい。
【0051】図10に示される論理回路の場合には、3
ビットコードが0(信号A、B、Cが共にL(低)レベ
ル)であれば、NAND回路(75)の出力信号は、常にH
(高)レベルとなり、SSR(74)の出力側は、常にオン状
態となり、フルパワーの電力がモータ(11)に供給され
る。3ビットコードが1(信号A、B、Cがそれぞれ
H、L、Lレベル)であれば、第1位相制御部(70)が選
択され、SSR(74)の出力側は、第1位相制御部(70)に
より位相制御された電力がモータ(11)に供給される。同
様に、3ビットコードが2(信号A、B、Cがそれぞれ
L、H、Lレベル)、3(信号A、B、Cがそれぞれ
H、H、Lレベル)、および4(信号A、B、Cがそれ
ぞれL、L、Hレベル)であれば、それぞれ、第2、第
3および第4位相制御部(71)(72)(73)が選択され、各制
御部(71)(72)(73)により位相制御された電力がモータ(1
1)に供給される。
【0052】図11は、図10の具体的な回路例を示し
ており、図12は、該回路内で発生する種々の波形を示
している。3ビットのバイナリ信号A、B、Cは、CMOS
HC4051等の3ビットマルチプレクサ(80)におけるA端
子、B端子およびC端子にそれぞれ入力される。該マル
チプレクサ(80)の出力端子は、0端子〜7端子までの8
端子が存在する、本実施形態では、0端子〜4端子が使
用され、上述のように、A端子〜C端子に3ビットバイ
ナリコードを入力して、0端子〜4端子の何れかが選択
される。0端子は、電流制限用抵抗(81)を介して、ワン
ショットバイブレータ(82)のRC端子に接続される。1
端子〜4端子は、それぞれ可変抵抗VR1〜VR4と前記
電流制限用抵抗(81)を介して、ワンショットバイブレー
タ(82)のRC端子に接続される。
【0053】外部の交流電源(17)からの交流電圧は、ト
ランス(83)にて降圧され(波形a)、ダイオード(84)(8
4)にて全波整流されてから、ワンショットバイブレータ
(82)のA端子に入力される(波形b)。ワンショットバ
イブレータ(82)としては、交流電源のゼロクロスを検出
し、そこから一定パルスを出力するCMOS HC423が挙げら
れる。ワンショットバイブレータ(82)のRC端子および
C端子の間には、外付けコンデンサCextが配備され
る。RC端子には、A端子の入力信号に基づいて、電流
制限用抵抗(81)のみ、または電流制限用抵抗(81)と、可
変抵抗器VR1〜VR4の何れかとからなる外付け抵抗R
extと該外付けコンデンサCextとで決まる時定数Cext
Rextに応じた応じた勾配をもつ立上り/立下り波形が
出力される(波形c)。
【0054】ワンショットバイブレータ(82)のQ端子
は、RC端子の波形cの立下りからHレベルを出力し、
立上りが一定の閾値レベルに達した点でLレベルとなる
パルス波形(波形d)を出力する。波形cの立下りが交
流電源のゼロクロスであり、閾値レベルは一定であるか
ら、立上り勾配を決定する外付抵抗Rext、すなわち可
変抵抗器VR1〜VR4によってパルス波形dのパルス
幅が決まる。Q端子をPNPトランジスタ(85)のベース
に接続し、該トランジスタ(85)のコレクタをSSR(74)
の+入力端子に接続する。これにより、SSR(74)に
は、Q端子のパルス波形dの反転信号(波形e)が入力
されるから、モータ(11)の駆動電圧は、図12に示され
る波形fとなる。
【0055】従って、図10および図11に示す回路に
より、正弦波交流のゼロクロス点を検出して、該ゼロク
ロス点から立ち上がるパルス波形dを生成し、該パルス
の発生期間中、モータ(11)への電力供給をオフにする
(波形f)ことにより、モータ(11)への供給電力を減少
させることができる。また、図12に示すパルス波形d
のパルス幅は、前記可変抵抗器VR1〜VR4により変化
するから、モータ(11)への供給電力を所望する4段階に
減少させることができる。モータ(11)への供給電力が減
少することにより、モータ(11)の実効的な駆動電圧を減
少させることができる。
【0056】なお、本実施形態では、4つの位相制御部
(70)〜(73)を用いて、モータ(11)への供給電力を所望す
る4段階に減少させているが、位相制御部を追加すれ
ば、精度良く供給電力を減少させることができる。ま
た、本実施形態では、電力制御の方法として、位相制御
を利用したが、その他にも、ゼロクロス型SSRを用い
て、図13に示すような一定周期T0の通電パルス(波
形h)をゼロクロス型SSRに与えて、該通電パルスが
Hレベルのときにのみモータへの駆動電力を供給し(波
形i)、通電パルスのHレベルの期間THを変化させる
ことにより、モータ(11)への供給電力を所望する値に減
少させるサイクル制御を実行してもよい。
【0057】上記構成の電動締付機(10)において、ま
ず、製造時または検査時に以下の試験を行なう。まず、
前述のように、ナット(141)の予備締めを行なった後、
マーキングを施して、電動締付機(10)によるナット(14
1)の本締めを行なう。このとき、モータ(11)の駆動電圧
を基準値に維持してモータ(11)を回転させる。該基準値
は、駆動電圧が変化し得る範囲の最小値以下であること
が望ましく、実施例では90V(交流値)である。ま
た、外部から補正手段(35)の補正値決定部(60)を制御し
て、上記3ビットコード0を電力制御部(65)に送信す
る。これにより、駆動回路(64)からフルパワーの電力が
モータ(11)に供給される。次に、補正手段(35)のv25検
出部(36)が送信する回転速度v25を測定する。次に回転
停止後のナット(141)の締付回転角を角度ゲージ等で測
定して、締付回転角が規定値(実施例では120度)と
なるような駆動停止角を求め、該駆動停止角を基準値と
して、制御手段(61)の駆動停止角設定部(62)に記憶す
る。
【0058】次に、電動締付機(10)のみを作動して、モ
ータ(11)の駆動電圧を上昇して維持し、前記v25検出部
(36)が送信する回転速度v25を求める。次に、外部から
補正値決定部(60)を制御して、上記3ビットコード1を
電力制御部(65)に送信する。これにより、電力制御部(6
5)の第1可変抵抗器VR1に基づいて位相制御された電
力が駆動回路(64)からモータ(11)に供給される。次に、
モータ(11)の実効的な駆動電圧を測定し、該駆動電圧
が、駆動電圧の基準値に等しくなるように第1可変抵抗
器VR1を調整する。以下同様にして、モータ(11)の駆
動電圧を上昇して維持し、回転速度v25を求め、次の3
ビットコードを選択し、対応する可変抵抗器を調整す
る。これにより、駆動電圧、回転速度v25および3ビッ
トコードに関するデータが得られる。得られたデータに
基づいて、各回転速度v25と、それに対応する3ビット
コードの組合せを補正手段(35)の補正値決定部(60)に記
憶する。
【0059】本実施形態の実施例では、まず、モータ(1
1)の駆動電圧(交流値)を90vに維持して基準値とし
た。このとき、回転速度v25の電圧値(直流値)は2.
5Vであった。そして、モータ(11)の駆動電圧を95
V、100V、105Vおよび110Vに維持して、対
応する可変抵抗器VR1〜VR4を調整した。このとき、
各駆動電圧に対する回転速度v25の電圧値は、2.75
V、3.0V、3.5Vおよび4.0Vであった。
【0060】次に、電動締付機(10)を実際に使用する前
に、締付試験を行ない、締付け後のナット(141)の締付
回転角を測定する。このとき、ユーザが調整手段(19)を
調整することにより、該測定値がユーザの所望する値と
なるように、駆動停止角設定部(62)に記憶された基準値
が調整されて、実際の使用時に利用される駆動停止角θ
fsとして設定される。
【0061】次に、本実施形態の電動締付機(10)がナッ
ト(141)を締め付ける際の動作を説明する。使用者が、
電動締付機(10)の回転ヘッド(13)をナット(141)に嵌合
し、駆動スイッチ(44)をオンにすると、制御手段(16)の
駆動回路(43)がモータ(11)に電力を供給して、モータ(1
1)が回り始め、回転ヘッド(13)は、ナット(141)と共に
回転する。また、回転量測定手段(30)は、回転量検出手
段(20)からのパルス信号を受信し、回転角θrおよび回
転速度vrを算出して補正手段(35)のv25検出部(36)に
送信する。
【0062】モータ(11)が回転開始から25度回転する
と、v25検出部(36)は、回転速度v25を補正値決定部(3
7)および異常回転検出部(38)に送信する。異常回転検出
部(38)は、受信した回転速度v25が所定範囲内に無い場
合には、前記駆動回路(43)に非常停止信号を送信して、
モータ(11)を停止させる。
【0063】補正値決定部(60)は、受信した回転速度v
25に対応する3ビットコードを選択し、制御手段(61)の
電力制御部(65)に送信する。なお、受信した回転速度v
25が補正値決定部(37)に記憶されていない場合は、受信
した回転速度v25より大きく且つ最も近い回転速度v25
を選択して電力制御部(65)に送信する。電力制御部(65)
は、受信した3ビットコードに対応する可変抵抗器VR
の抵抗値に基づいて、ワンショットバイブレータ(82)が
生成するパルス幅の間だけモータ(11)への電力供給をオ
フにすることにより、モータ(11)への平均の電力供給量
を減少させ、図14に示すように、締付けにより被締結
部材(15)から締付負荷トルクMcが働き始める(θ=θ
1)前に、モータ(11)の実効的な駆動電圧を90vに揃
え、且つ回転速度を揃えることができる。そして、モー
タ(11)がさらに回転し、指標量測定手段(18)からの締付
回転角θfnが、駆動停止角設定部(62)にて設定された駆
動停止角θfsに達すると、比較部(63)は、停止信号を駆
動回路(64)に送信して、モータ(11)を停止させて、ナッ
ト(141)の締付けを終了する。
【0064】本実施形態の電動締付機(10)は、補正手段
(35)のv25検出部(36)により測定された回転速度v25の
変化を、モータ(11)の駆動トルクMdの変化に対応させ
ることができる。従って、モータ(11)の駆動電圧の変化
により駆動トルクMdが変化しても、補正手段(35)の補
正値決定部(60)が、回転速度v25に対応して3ビットコ
ードを選択し、制御手段(61)の電力制御部(65)が、モー
タ(11)に供給する電力を制御して、モータ(11)の実効的
な駆動電圧を基準値に揃えることができる。その結果、
従来の電動締付機は、図15において破線で示すよう
に、回転停止時のナット(141)の締付回転角が、モータ
の駆動電圧に依存していたが、本実施形態の電動締付機
(10)では、図15において実線にて示すように、該締付
回転角を略一定(120°)に揃えることができ、ユー
ザにとって信頼度が上昇する。
【0065】また、前記電動締付機(10)は、前記回転速
度v25が所定範囲内に無いならば、異常回転検出部(38)
が前記駆動回路(43)に非常停止信号を送信して、モータ
(11)を強制的に停止するから、異常な回転速度で電動締
付機(10)を継続使用することによる故障や事故を防止で
きる。
【0066】なお、本実施形態では、制御手段(61)の比
較部(63)における比較対象は、回転ヘッド(13)の締付回
転角としたが、他の回転駆動系における締付回転角とし
てもよい。このとき、指標量測定手段(18)の締付回転角
算出部(68)は、モータ(11)の回転軸と、選択した回転駆
動系の回転軸との回転比を用いて締付回転角を算出し、
駆動停止角設定部(62)には、選択した回転駆動系の駆動
停止角を設定する必要がある。
【0067】実施形態3 第3実施形態の電動締付機は、第1実施形態の電動締付
機に比べて、モータ(11)の駆動電圧を維持する手段を具
える点と、モータ(11)の駆動電流を制御指標量とする点
が異なり、その他は同じである。従って、第1実施形態
と異なる構成要素である駆動電圧維持手段、指標量測定
手段、補正手段の補正値決定部および制御手段について
図16〜図19を用いて説明する。
【0068】本実施形態の電動締付機(10)は、図17に
示すように、モータ(11)の駆動電圧を維持する駆動電圧
維持手段(90)を具える。駆動電圧を維持する方法として
は、特開平10−315148に記載のような駆動位相
角を調整する方法や、本願の第2実施形態のように、位
相制御を行う方法やサイクル制御を行なう方法等、種々
の方法が考えられる。駆動電圧維持手段(90)により、モ
ータ(11)の駆動電圧は所定値に維持されるから、駆動ト
ルクMdの変化を抑えることができる。従って、補正手
段(35)のv25検出部(36)にて検出される回転速度v25の
変化は、回転負荷トルクMrの変化に対応させることが
できる。
【0069】本実施形態では、締付管理法は、トルク制
御法であり、制御指標量は、回転負荷トルクMrに締付
負荷トルクMcを加えた全負荷トルクMaに対応するモー
タ(11)の駆動電流Idである。図16は、前記電動締付
機(10)におけるモータ(11)の回転角θrに対する駆動電
流Idの変化を示すグラフである。モータ(11)の回転し
始めると(θr=0)、駆動電流Idが急激に上昇した後、
急激に減少して、ほぼ一定値に達する。次に、締付けに
よりナット(141)から締付負荷トルクMcが働き始めると
(θr=θ1)、全負荷トルクMaが増加するから、モータ
(11)の駆動電流Idが増加する。締付負荷トルクMcは、
締付負荷開始からの締付回転角(θr−θ1)に比例して
増加するから、締付けが進むに連れて、モータ(11)の駆
動電流Idが増加する。駆動電流が設定値Isに達すると
(θ=θ2)、モータ(11)の駆動を停止する。なお、モ
ータ(11)の駆動電流Idを制御指標量とする場合には、
駆動停止値と駆動電流Idの測定値との比較は、誤動作
防止のため、駆動電流Idがほぼ一定となった時点(θ=
θ4)から開始することが望ましい。
【0070】指定量測定手段(18)は、モータ(11)の駆動
電流Idを測定する変流器(92)と、該変流器(92)からの
電流値を直流電圧に変換する電流/電圧変換部(93)を具
える。制御手段(91)の駆動停止値設定部(40)は、モータ
(11)の駆動を停止すべき駆動停止電流Isを設定する停
止電流設定部(94)を具える。該駆動停止電流Isは、次
のように設定される。まず、製造時または検査時に締付
試験を行なって、締付け後のナット(141)の締付トルク
をトルクレンチ等で測定し、該測定値が規定値となった
ときの駆動停止電流Isを基準値として、停止電流設定
部(94)に記憶する。次に、実際の使用前に同様の締付試
験を行ない、調整手段(19)をユーザが調整して、締付ト
ルクおよび締付軸力の測定値がユーザの所望する値とな
るように前記基準値が調整されて、実際の使用時に利用
される駆動停止電流の設定値Isとして設定される。
【0071】停止電流設定部(94)は、設定値Isを設定
値補正部(95)に送信する。設定値補正部(95)は、補正手
段(35)の補正値決定部(96)からの補正値に基づいて、停
止電流設定部(94)からの設定値Isを補正し、補正した
設定値Is1を比較部(97)に送信する。比較部(97)は、設
定値補正部(95)からの補正された設定値Is1と、電流/
電圧変換部(93)からの駆動電流Idを比較し、一致すれ
ば、駆動回路(98)に停止信号を送信してモータ(11)の駆
動を停止させる。また、制御手段(91)は、モータ(11)の
回転開始から(θr=0)、駆動電流Idがほぼ一定にな
るまで(θr=θ4)の間、比較部(97)における前記比較
を停止させる起動電流カット部(99)を具える。
【0072】上記構成の電動締付機(10)において、ま
ず、製造時または検査時に、モータ(11)の駆動電流Id
と締付トルクMcの対応関係を求めるため、以下の試験
を行なう。まず、駆動電圧維持手段(90)により、モータ
(11)の駆動電圧を所定値に維持してモータ(11)を回転さ
せる。次に、補正手段(35)のv25検出部(36)が送信する
回転速度v25を測定する。次に、回転停止後のナット(1
41)の締付トルクをトルクレンチ等で測定して、該締付
トルクが規定値となるような駆動停止電流Isを求め
る。
【0073】次に、回転駆動系における回転負荷トルク
Mrを変えて、前記v25検出部(36)が送信する回転速度
v25と、回転停止後のナット(141)の締付トルクが規定
値となるような駆動停止電流Isとを求める。これによ
り、回転速度v25および駆動停止電流Isの組合せデー
タが得られる。なお、回転駆動系における回転負荷トル
クMrを変えるには、使用温度を変えて試験をする、電
動締付機の使用開始直後、使用中および使用終了後で試
験をする、回転負荷手段を追加して試験をする、等が考
えられる。得られたデータに基づいて、基準となる回転
速度v25における駆動停止電流Isを、駆動停止値設定
部(40)の停止電流設定部(94)に設定し、各回転速度v25
と、それに対応する駆動停止電流Isの補正値(例え
ば、基準となる回転速度v25における駆動停止電流Is
に対する増減量)との組合せを補正手段(35)の補正値決
定部(96)に記憶する。
【0074】本実施形態の実施例では、まず、駆動電圧
維持手段(90)により、モータ(11)の駆動電圧(交流値)
を100Vに維持する。このとき、回転速度v25を示す
電圧値(直流値)は、3.0vであった。次に、駆動停
止電流Isを求めて、Is=3.0Aを得た。次に、回転
駆動系における回転負荷トルクMrを変えて、各回転速
度v25の電圧値と、駆動停止電流Isを求めて、図18
に示すデータを得た。そして、図18のデータに基づい
て、回転速度v25が3.0Vの時の駆動停止電流Is=
3.0Aを前記停止電流設定部(94)に基準値として記憶
し、回転速度v25の電圧値が2.5V、3.0Vおよび
4.0Vとなる時の補正値を、それぞれ+0.3A、±0
Aおよび−0.5Aとし、参照テーブルとして補正値決
定部(96)に記憶した。
【0075】次に、電動締付機(10)を実際に使用する前
に、締付試験を行ない、締付け後のナット(141)の締付
トルクおよび締付軸力を測定する。このとき、ユーザが
調整手段(19)を調整することにより、該測定値がユーザ
の所望する値となるように前記基準値が調整されて、実
際の使用時に利用される駆動停止電流の設定値Isとし
て設定される。
【0076】次に、本実施形態の電動締付機(10)がナッ
ト(141)を締め付ける際の動作を説明する。使用者が、
電動締付機(10)の回転ヘッド(13)をナット(141)に嵌合
し、駆動スイッチ(44)をオンにすると、制御手段(91)の
駆動回路(98)がモータ(11)に電力を供給して、モータ(1
1)が回り始め、回転ヘッド(13)は、ナット(141)と共に
回転する。また、回転量測定手段(30)は、回転量検出手
段(20)からのパルス信号を受信し、回転角θrおよび回
転速度vrを算出して補正手段(35)のv25検出部(36)に
送信する。
【0077】モータ(11)が回転開始から25度回転する
と、v25検出部(36)は、回転速度v25を補正値決定部(9
6)および異常回転検出部(38)に送信する。異常回転検出
部(38)は、受信した回転速度v25が所定範囲内に無い場
合には、前記駆動回路(43)に非常停止信号を送信して、
モータ(11)を停止させる。
【0078】補正値決定部(96)は、記憶した参照テーブ
ルを参照して、受信した回転速度v25に対応する補正値
を選択し、駆動停止値設定部(40)の設定値補正部(95)に
送信する。なお、受信した回転速度v25が補正値決定部
(96)に記憶されていない場合は、記憶した回転速度v25
の中から、受信した回転速度v25に近い回転速度v25を
選択し、適当な補間法を用いて近似した補正値を送信す
る。実施例では、受信した回転速度v25の電圧値が、記
憶された値(2.5V、3.0Vおよび4.0V)であれ
ば、記憶された値に対応する補正値(+0.3A、±0
Aおよび−0.5A)が送信され、記憶された値の間で
あれば、図19に示すように、直線近似により補正値を
算出して送信する。例えば、図19に示すように、回転
速度v25の電圧値が3.5Vである場合には、補正値
は、−0.5×(3.5−3.0)/(4.0−3.0)=−0.
25(A)となる。また、回転速度v25の電圧値が2.7
Vである場合には、補正値は、+0.3×(2.7−3.
0)/(2.5−3.0)=+0.18(A)となる。なお、本
実施例では、記憶する回転速度v25を3個としたが、記
憶する回転速度v25の数を増やせば、補正値を精度良く
求めることができる。しかしながら、この場合、記憶す
べきデータ数が増えるから、補正値決定部(96)の記憶容
量を増やす必要がある。
【0079】設定値補正部(95)は、前記補正値決定部(9
6)からの補正値を、停止電流設定部(94)からの駆動停止
値Isに加算して、補正された駆動停止値Is1として比
較部(97)に送信する。比較部(97)は、設定値補正部(95)
から、補正された駆動停止値Is1を受信し、指標量測定
手段(18)から駆動電流の測定値Idを受信する。比較部
(97)は、起動電流カット部(99)により、駆動電流Idが
ほぼ一定になってから、前記設定値Is1と前記測定値I
dを比較し始める。回転ヘッド(13)がさらに回転し、ナ
ット(141)から締付負荷が働き始めると、駆動電流Idが
増加し始める。そして、駆動電流Idが前記駆動停止値
Is1に達すると、比較部(97)は、停止信号を駆動回路(9
8)に送信して、駆動回路(98)は、モータ(11)の駆動を停
止させて、ナット(141)の締付けを終了する。
【0080】本実施形態の電動締付機(10)は、駆動電圧
維持手段(90)により、モータ(11)の駆動電圧が維持され
るから、モータ(11)の駆動トルクMdの変化を抑えるこ
とができる。これにより、補正手段(35)のv25検出部(3
6)により測定された回転速度v25の変化を、回転負荷ト
ルクMrの変化に対応させることができる。従って、環
境の変化等により回転負荷トルクMrが変化しても、補
正手段(35)の補正値決定部(96)が、回転速度v25の変化
に対応して補正値を決定し、該補正値に基づいて、駆動
停止値設定部(40)の設定値補正部(95)が、駆動停止電流
Isを補正することにより、締付け後のナット(141)にお
ける締付トルクをユーザの所望する値に維持できる。そ
の結果、前記電動締付機(10)は、使用開始前のウォーム
アップを行なう必要はなくなり、ウォームアップをする
ことなく使用することにより発生するナット(141)の締
め過ぎによる事故を防止できる。
【0081】また、前記電動締付機(10)は、前記回転速
度v25が所定範囲内に無いならば、異常回転検出部(38)
が前記駆動回路(43)に非常停止信号を送信して、モータ
(11)を強制的に停止するから、異常な回転速度で電動締
付機(10)を継続使用することによる故障や事故を防止で
きる。
【0082】なお、本実施形態では、モータ(11)の回転
開始から約25度回転した時点での回転速度v25を測定
し、該測定値に基づいて駆動停止値の補正を行っている
が、モータ(11)の駆動電流Idがほぼ一定となる時(図
16においてθ4からθ1までの間)の駆動電流Idを測
定し、該測定値に基づいて駆動停止値の補正を行なうこ
ともできる。この場合、回転検出手段(20)および回転量
測定手段(30)が不要となるので、電動締付機を小型化で
きる。
【0083】上記実施形態の説明は、本発明を説明する
ためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限
定し、或いは範囲を減縮する様に解すべきではない。
又、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請
求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であ
ることは勿論である。例えば、上記実施形態では、締付
管理法として、トルク法および回転角法を利用している
が、耐力点法など、その他の締付管理法にも適用でき
る。また、上記実施形態では、モータ(11)の回転角およ
び回転速度を測定して調整を行っているが、変速機構(1
2)や回転ヘッド(13)の回転角および回転速度を測定して
補正を行なうこともできる。また、上記実施形態では、
無負荷状態における所定の測定タイミングとして、回転
開始からの回転角を利用しているが、回転開始からの時
間を利用することもできる。この場合、回転角算出部(3
1)は不要となる。また、回転量測定手段(30)および補正
手段(35)は、マイクロコンピュータ上で実行できる。ま
た、補正値決定部(37)と駆動停止値設定部(40)をまとめ
て、回転速度v25に基づいて、補正された設定値を決定
して比較部(41)に送信することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である電動締付機を示すブロ
ック図である。
【図2】回転検出手段の構成を示す正面図である。
【図3】本実施形態の回転量測定手段と補正手段を示す
ブロック図である。
【図4】第1実施形態の制御手段の構成を示すブロック
図である。
【図5】第1実施形態の駆動停止値設定部の構成を示す
ブロック図である。
【図6】第1実施形態におけるモータの回転角度θrに
対する回転速度vrの変化を示すグラフである。
【図7】第1実施形態において、駆動電圧、回転速度v
25、速度降下率Rbおよび補正値の対応関係を示す表で
ある。
【図8】第1実施形態において、回転速度v25が、記憶
された値では無い場合に、直線近似によって補正値を求
めることを示すグラフである。
【図9】第2実施形態における制御手段の構成を示すブ
ロック図である。
【図10】電力制御部の論理回路を示す回路図である。
【図11】電力制御部の具体的な回路構成を示す回路図
である。
【図12】図11の各構成要素において発生する波形を
示すグラフである。
【図13】サイクル制御による電力制御を示すグラフで
ある。
【図14】第2実施形態におけるモータの回転角θrに
対する回転速度vrの変化を示すグラフである。
【図15】駆動電圧に対して、回転開始から回転停止ま
でのナットの回転角の変化を示すグラフであり、破線
は、従来の電動締付機の場合であり、実線は、第2実施
形態の電動締付機の場合である。
【図16】第3実施形態におけるモータの回転角θrに
対する駆動電流Idの変化を示すグラフである。
【図17】第3実施形態における指標量測定手段および
制御手段の構成を示すブロック図である。
【図18】第3実施形態において、回転速度v25、駆動
停止電流Isおよび補正値の対応関係を示す表である。
【図19】第3実施形態において、回転速度v25が、記
憶された値では無い場合に、直線近似によって補正値を
求めることを示すグラフである。
【図20】従来の電動締付機を示すブロック図である。
【図21】従来の制御手段の構成を示すブロック図であ
る。
【図22】従来の電動締付機において時間tに対する回
転速度vの変化を示すグラフである。
【図23】電動締付機におけるモータと負荷のトルク特
性を示すグラフである。
【符号の説明】
(10) 電動締付機 (11) モータ (12) 変速機構 (13) 回転ヘッド (14) 締付具 (15) 非締結部材 (16)(61)(91)制御手段 (30) 回転量測定手段 (35) 補正手段 (36) v25検出部 (65) 電力制御部 (90) 駆動電圧維持手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢野 大司郎 大阪府大阪市東成区深江北3丁目14番3号 前田金属工業株式会社内 Fターム(参考) 3C038 AA01 AA04 BC04 CA06 CA07 CB02 CB06 CC02 CC04 EA02 EA03 EA04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータ(11)の回転動力を、変速機構(12)
    を介して回転ヘッド(13)に伝達することにより、回転ヘ
    ッド(13)に適合した締付具(14)を回転させ、該締付具(1
    4)で被締結部材(15)を締め付ける電動締付機であって、 利用される締付管理法に基づいて指標となる制御指標量
    を測定する指標量測定手段(18)と、該指標量に関する駆
    動停止値が予め設定され、指標量測定手段にて測定され
    た指標量が駆動停止値に達すると、モータ(11)の駆動を
    停止するように制御する制御手段とを具える電動締付機
    に於て、 モータ(11)、変速機構(12)又は回転ヘッド(13)の回転速
    度を測定する回転量測定手段(30)と、 該測定手段(30)により、回転開始から締付負荷が働くま
    での無負荷状態にて測定された回転速度に基づいて、前
    記駆動停止値又はモータ(11)の駆動電圧を補正する補正
    手段(35)を具えることを特徴とする電動締付機。
  2. 【請求項2】 モータの駆動電圧を一定値に維持する駆
    動電圧維持手段(90)を具えており、補正手段(35)は、駆
    動停止値を補正する手段である、請求項1に記載の電動
    締付機。
  3. 【請求項3】 利用される締付管理法は、トルク制御法
    であり、締付制御に用いられる指標量は、モータ(11)の
    駆動電流である、請求項2に記載の電動締付機。
  4. 【請求項4】 補正手段(35)は、回転量測定手段(30)に
    より、無負荷状態にて測定された回転速度が所定範囲外
    であるならば、モータ(11)の駆動を強制的に停止させる
    ように制御手段に指示する異常速度検出部(38)を具え
    る、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の電動締付
    機。
  5. 【請求項5】 補正手段(35)は、モータ(11)の回転開始
    から約25度回転した時点でのモータ(11)の回転速度に
    基づいて補正する、請求項1乃至請求項4の何れかに記
    載の電動締付機。
  6. 【請求項6】 モータ(11)の回転動力を、変速機構(12)
    を介して回転ヘッド(13)に伝達することにより、回転ヘ
    ッド(13)に適合した締付具(14)を回転させ、該締付具(1
    4)で被締結部材(15)を締め付ける電動締付機において、 利用される締付管理法に基づいて指標となる制御指標量
    を測定し、該測定値が、該指標量に関して予め設定され
    た駆動停止値に達すると、モータ(11)の駆動を停止する
    ように制御する締付制御方法に於て、 回転開始から締付負荷が働くまでの無負荷状態におい
    て、モータ、変速機構又は回転ヘッドの回転速度を測定
    する速度測定工程、及び該速度測定工程により測定され
    た回転速度に基づいて、前記駆動停止値又はモータ(11)
    の駆動電圧を補正する補正工程を含むことを特徴とする
    締付制御方法。
  7. 【請求項7】 電動締付機は、モータの駆動電圧を一定
    値に維持する駆動電圧維持手段(90)を具えており、補正
    工程は、駆動停止値を補正する工程である、請求項6に
    記載の締付制御方法。
  8. 【請求項8】 補正工程は、速度測定工程にて測定され
    た回転速度が所定範囲外であるならば、モータ(11)の駆
    動を強制的に停止させる工程を含む、請求項6又は請求
    項7の何れかに記載の電動締付機における締付けの制御
    方法。
  9. 【請求項9】 速度測定工程にて測定される回転速度
    は、モータ(11)の回転開始から約25度回転した時点で
    のモータ(11)の回転速度である、請求項6乃至請求項8
    の何れかに記載の締付制御方法。
  10. 【請求項10】 モータ(11)の回転動力を、変速機構(1
    2)を介して回転ヘッド(13)に伝達することにより、回転
    ヘッド(13)に適合した締付具(14)を回転させ、該締付具
    (14)で被締結部材(15)を締め付ける電動締付機であっ
    て、 利用される締付管理法に基づいて指標となる制御指標量
    を測定する指標量測定手段(18)と、該指標量に関する駆
    動停止値が予め設定され、指標量測定手段にて測定され
    た指標量が駆動停止値に達すると、モータ(11)の駆動を
    停止するように制御する制御手段とを具える電動締付機
    に於て、 モータ(11)の駆動電流を測定する電流測定手段と、 該電流測定手段により、駆動電流がほぼ一定となったと
    きの測定値に基づいて、前記駆動停止値又はモータ(11)
    の駆動電圧を補正する補正手段を具えることを特徴とす
    る電動締付機。
JP23531699A 1999-08-23 1999-08-23 電動締付機及び電動締付機による締付制御方法 Pending JP2001062744A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23531699A JP2001062744A (ja) 1999-08-23 1999-08-23 電動締付機及び電動締付機による締付制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23531699A JP2001062744A (ja) 1999-08-23 1999-08-23 電動締付機及び電動締付機による締付制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001062744A true JP2001062744A (ja) 2001-03-13

Family

ID=16984312

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23531699A Pending JP2001062744A (ja) 1999-08-23 1999-08-23 電動締付機及び電動締付機による締付制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001062744A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006075538A1 (ja) * 2005-01-13 2006-07-20 Max Co., Ltd. 鉄筋結束機
CN103487195A (zh) * 2013-09-06 2014-01-01 北京宇航系统工程研究所 一种阀门力矩量化确定方法
JP2015533663A (ja) * 2012-11-09 2015-11-26 ワグナー ヴェルモーゲンスヴァーワルタングス−ゲーエムベーハー アンド シーオー.ケーゲー ねじ回しを制御する方法、及びねじ回し
CN113734323A (zh) * 2021-11-08 2021-12-03 山东万合大数据有限公司 一种汽车仪表管梁螺母自动检测校正装置

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006075538A1 (ja) * 2005-01-13 2006-07-20 Max Co., Ltd. 鉄筋結束機
JP2006193979A (ja) * 2005-01-13 2006-07-27 Max Co Ltd 鉄筋結束機
US7398800B2 (en) 2005-01-13 2008-07-15 Max Co., Ltd. Reinforcing bar binding machine
JP4586540B2 (ja) * 2005-01-13 2010-11-24 マックス株式会社 鉄筋結束機
AU2005325095B2 (en) * 2005-01-13 2011-04-07 Max Co., Ltd. Reinforcement binder
NO339527B1 (no) * 2005-01-13 2016-12-27 Max Co Ltd Armeringsombinder
JP2015533663A (ja) * 2012-11-09 2015-11-26 ワグナー ヴェルモーゲンスヴァーワルタングス−ゲーエムベーハー アンド シーオー.ケーゲー ねじ回しを制御する方法、及びねじ回し
US10464195B2 (en) 2012-11-09 2019-11-05 Wagner Vermögensverwaltungs-GmbH & Co. KG Method for controlling a screwdriver and screwdriver
CN103487195A (zh) * 2013-09-06 2014-01-01 北京宇航系统工程研究所 一种阀门力矩量化确定方法
CN103487195B (zh) * 2013-09-06 2015-04-22 北京宇航系统工程研究所 一种阀门力矩量化确定方法
CN113734323A (zh) * 2021-11-08 2021-12-03 山东万合大数据有限公司 一种汽车仪表管梁螺母自动检测校正装置
CN113734323B (zh) * 2021-11-08 2022-01-25 山东万合大数据有限公司 一种汽车仪表管梁螺母自动检测校正装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107538209B (zh) 一种螺栓锁紧装置及其控制方法
US5061885A (en) Power screwdriver
US4000782A (en) Tightening system with quality control apparatus
US7005818B2 (en) Motor actuator with torque control
JP2001062744A (ja) 電動締付機及び電動締付機による締付制御方法
JPS6357189B2 (ja)
JP2005238418A (ja) トルク検出機能を備える電動ドライバーおよびトルク検出機能を備える電動ドライバー等を使用するトルク管理システム
JPH07100772A (ja) 回転式動力工具
WO2011116452A1 (en) Method for providing preestablished requirements to threaded fasteners and a digital torque converter tool assembly therefor
CN113510651A (zh) 一种电动冲击扳手输出扭矩控制方法
KR20170129396A (ko) 유무선 통신을 이용하여 자동 토크 제어가 가능한 너트 런너 시스템
JPH04336979A (ja) 電動工具
US4906980A (en) Detector of false rotation of power screwdriver
JPH03202236A (ja) 電動ドライバーの駆動制御方法
JPS61214980A (ja) ねじ締め装置
JPH04336980A (ja) 電動工具
JPH0451309B2 (ja)
JPH0343161A (ja) 電動ドライバーの駆動制御方法
JPH01127281A (ja) ねじ締め装置
JPH04336981A (ja) 電動工具
JP2555945Y2 (ja) ボルト締付け装置
JP2515265B2 (ja) タッピングボ―ル盤のトルク検出装置
JP2658487B2 (ja) ねじ締付方法
RU2783598C2 (ru) Завинчивающее устройство, средство для создания приводного крутящего момента, завинчивающая система, а также способ регулирования крутящего момента
JP3037288B1 (ja) ボルト締付トルク制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20020709