JP2001061964A

JP2001061964A - 針無注射器

Info

Publication number: JP2001061964A
Application number: JP23612799A
Authority: JP
Inventors: Mitsuru Hoshi; 充星; Haruhide Udagawa; 晴英宇田川; Kazumi Morishita; 和三森下; Masahiko Yonetani; 昌彦米谷
Original assignee: NIPPON IYAKU KK; Shimadzu Corp
Current assignee: NIPPON IYAKU KK; Shimadzu Corp
Priority date: 1999-08-23
Filing date: 1999-08-23
Publication date: 2001-03-13

Abstract

(57)【要約】【課題】決められた同じ位置に、迅速にノズルを固定で
きる針無注射器を提供する。【解決手段】ノズル２に噴射孔２ａと、薬液を吸入する
中空部２ｆと、外周上に溝２ｃ付のフランジ部２ｄと、
注射器本体に螺合するための軸方向に欠損部を有するネ
ジ部２ｂと、取り付け間違い防止用のストッパー２ｅを
設ける。また、ノズルを取り付ける注射器本体には、そ
の先端面に前記溝２ｃに出没可能なプランジャーと、軸
方向に欠損部を有するネジ部を設ける。ノズル２をネジ
部同士が重ならないようにして挿入し、回転させるとお
よそ１／４回転のところで、注射器本体のプランジャー
がノズルの溝２ｃに突出しノズル２は固定される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ノズルの噴射孔か
ら吸入した一定量の薬液をジェット噴射させて皮下注射
を行う針無注射器に関する。

【０００２】

【従来の技術】針無注射器は、その先端部のノズルの噴
射孔から一定量の薬液を吸入した後、噴射孔から薬液を
ジェット噴射することにより、薬液を患者の皮下に注入
する注射器である。すなわち、針無注射器による注射は
皮下注射時に注射針を使用しない針無注射器であるた
め、痛みを伴わない、注射痕が残らない、注射ミスが皆
無等の利点があり、例えば糖尿病患者自身が日常的にイ
ンシュリンを自己注射する場合にも用いられている。

【０００３】このような針無注射器に用いられるノズル
には、連続使用タイプのものと使い捨てタイプのものと
があるが、連続使用タイプのものは長期間使用するた
め、特に衛生管理が難しく、そのため最近では図７に示
すような使い捨てタイプの針無注射器の使用が増加して
いる。この針無注射器に用いられているノズル２１は、
注射器本体２０の先端部と螺合するネジ部２１ａを有
し、注射器本体２０へのノズル２１の取り付け、取り外
しは手で回して行っている。この針無注射器による注射
は、ピストン８に連結したロッド９を後退させて薬液を
吸入した後、注射部位にノズル２１の先端を当てて高速
でロッド９を前進させ薬液を噴射して行われる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の針無注射器は上
記のように構成されているが、ノズルを注射器本体に取
り付けるためのネジとしては、注射器本体及びノズル共
に連続ねじが用いられており、ノズルを数回転させない
と取り付けられず、そのため取付けに時間がかかるとい
う問題がある。また、ノズルの取り付け最終位置が取り
付ける人や同じ人が取り付けてもその時の状態によって
変わり、これがためにノズルとピストンの相対位置が変
わり薬液吸入量も変化するという問題がある。本発明
は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ノ
ズルの取り付けを迅速に、また、決められた位置に確実
に固定できる針無注射器を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項１の針無注射器は、先端部のノズルの噴射孔
から吸入した一定量の薬液を、前記噴射孔からジェット
噴射させて皮下注射を行う針無注射器において、ノズル
の外周面及び注射器本体の先端中空部の内周面に軸方向
に欠損部を有するネジ部を設け、ノズルを注射器本体に
挿入し１／４回転させて注射器本体に固定できるように
したことを特徴とする。

【０００６】請求項２の針無注射器は、請求項１記載の
針無注射器において、先端平面部分に突出部を設けた注
射器本体と、該突出部を通すための溝を設けたノズルを
備え、前記突出部と溝を合わせることにより位置決めを
行うようにしたことを特徴とする。

【０００７】請求項３の針無注射器は、請求項１記載の
針無注射器において、注射器本体に設けたノズル螺合用
ネジの溝幅より大なる幅の突出物を設けたノズルを備
え、決められたノズルの挿入深さ以外ではノズルを注射
器本体に螺合できないようにしたことを特徴とする。本
発明の針無注射器は上記のように構成されており、ノズ
ルを１／４回転で取り付け可能となるためノズル取り付
け時間を短く、取り付け位置の間違いを防止することが
できる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明の針無
注射器を詳細に説明する。図１は本発明の針無注射器の
断面図、図２はその上面図、図３はノズルの側面図
（ａ）とその背面図（ｂ）及び上面図（ｃ）、図４は注
射器本体の正面図（ａ）とその側面図（ｂ）、図５は治
具の正面図（ａ）とその側面図（ｂ）を示したものであ
る。

【０００９】本発明の針無注射器は、図１、２に示すよ
うに両端面が開口している前側円筒４と後側円筒５をネ
ジ部４ａにおいて螺合してなる円筒体６と、その先端部
に螺合されたノズル２と、後端部に軸方向に移動可能に
内挿されたラッチ解除ボタン７と、前記円筒体６の中空
部にあって軸方向に移動可能にピストン８を連結したロ
ッド９及びそのロッド駆動機構から構成されている。

【００１０】前記ロッド９の前方部にはフランジリング
１１が一体的に結合され、後方部円周上には複数個のラ
ッチ孔１５が設けられている。また、後側円筒５内の後
方には固定リング２２が固設され、その後方円周上には
複数個の小孔２４が設けられ、その中にラッチボール２
３がはめ込まれている。そして、前記固定リング２２と
ラッチ解除ボタン７間にはロッド９を通して圧縮バネ２
５が介設されていて、この圧縮バネ２５の反発力によ
り、ラッチ解除ボタン７には常に後退方向への力を付勢
されている。

【００１１】前記ノズル２には図３に示すように、その
中心軸上に配設された薬液を噴射する噴射孔２ａ及びピ
ストン８が進退する中空部２ｆと、外周上に溝２ｃ付の
フランジ部２ｄと、注射器本体１に螺合するための軸方
向に欠損部を有するネジ部２ｂと、取り付け間違い防止
用のストッパー２ｅが設けられている。一方、図４に示
すように前記注射器本体１には、その先端面に軸方向に
進退可能な一対のプランジャー１ａが配設され、先端中
央部には軸方向に欠損部を有するネジ部１ｂが形成され
ている。

【００１２】このノズル２を注射器本体１に取り付ける
場合は、前記ネジ部２ｂ、１ｂの欠損部が重ならないよ
うにしてノズル２を注射器本体１に挿入し、プランジャ
ー１ａがノズル２の溝２ｃに飛び出すところまで回転さ
せる。この状態でノズル２は１／４回転し注射器本体１
に固定される。また、ネジの挿入深さが浅い状態で回転
させた場合は、ノズル２の取り付け間違い防止ストッパ
２ｅが、注射器本体１のネジ溝に当たり回転が防止され
る。また、ノズル２を注射器本体１から外す場合は、図
５に示すような治具２７をノズル２の溝２ｃに沿って挿
入し、プランジャー１ａの先端を平面部まで押し下げ、
治具２７とノズル２を同時に回転させ注射器本体１から
取り外す。

【００１３】図６は注射器本体１の変形例の正面図
（ａ）とその側面図（ｂ）を示したものである。図に示
すように注射器本体１０の先端平面部に一対の山形の突
起物１０ａが設けられている。そして、ノズル２の材質
に弾性を有する樹脂を用いている。ノズル２を注射器本
体１０の突起物１０ａに押しつけながら回転させると、
ノズル２はその弾性によりソリながらその溝２ｃが突起
物１０ａの位置までくると、ノズル２の弾性が解除され
る。この状態でノズル２は１／４回転し注射器本体１０
に固定される。

【００１４】上記針無注射器による注射は、薬液を吸入
するための初期位置のセッティング、薬液の吸入、薬液
の噴射の順序で実行され、針無注射器の各部は図１に示
した状態から次のように動作する。

【００１５】初期位置をセッティングするには、前側円
筒４を左手にもって右手で後側円筒５を右回転し、ラッ
チするまで後側円筒５を前進させる。このとき、ピスト
ン８はノズル２の内壁先端部に接し薬液室空間は無くな
り、ラッチボール２３はラッチ孔１５に嵌合し、ラッチ
解除ボタン７は圧縮バネ２５により後方に対する付勢力
が与えられ最後方部に位置する。

【００１６】薬液を吸入するには、前側円筒４をもって
ノズル先端を薬液バイアル（図示せず）の吸出口に当て
て、右手で後側円筒５を左回転して後退させ、薬液量表
示窓２６の目盛り数字を必要数値に合わせる。この結
果、ピストン８は後方に移動し、必要薬液量が針無注射
器内に取り込まれる。

【００１７】上記方法にて薬液を吸入した針無注射器の
ノズル２を患者の注射部位にあてがい、ラッチ解除ボタ
ン７を押すとラッチボール２３はラッチ孔１５から飛び
出し、ロッド３はフリーとなり圧縮バネ１４の反発力を
受けて高速で前方に移動する。このピストン８によって
空間室内の薬液は高圧で圧縮され、噴射孔２ａから高速
で飛び出し皮下注射が行われる。

【００１８】上記実施例に示すように、本発明はノズル
及び注射器本体のネジ部にネジ欠損部分を設けるととも
に注射器本体に突起物を設け、ノズルを注射器本体に挿
入回転させ、その突起物がノズルの溝に突出させること
により決められた位置に1／４回転で固定できるように
したものである。さらに、ノズルに取り付け間違い防止
用のストッパーを設けて、ネジの噛み合わせ間違いを防
止するようにしたことを特徴としているものである。し
たがって、ネジ欠損部、溝、取り付け間違い防止用スト
ッパーの大きさ、形状については本実施例に限定される
ものではない。

【００１９】

【発明の効果】本発明の針無注射器は上記のように構成
されており、ノズルを１／４回転させるだけで注射器本
体に取り付けられるので、取り付け時間が短くなる。ま
た、プランジャーなどの突起物により同じ位置にノズル
が取り付けられる。そして、ストッパーを用いることに
より、ノズルは最後まで押し込んでからでないと回転で
きなず、正しい位置に迅速にノズルを固定することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の針無注射器の断面図である。

【図２】本発明の針無注射器の上面図である。

【図３】本発明に用いるノズルの側面図（ａ）とその背
面図（ｂ）及び上面図（ｃ）である。

【図４】本発明に用いる注射器本体の正面図（ａ)とそ
の側面図（ｂ）である。

【図５】本発明に用いる治具の正面図（ａ)とその側面
図（ｂ）である。

【図６】本発明に用いる他の注射器本体の正面図（ａ)
とその側面図（ｂ）である。

【図７】従来の針無注射器の一部断面図である。

【符号の説明】

１、１０、２０・・・注射器本体１ａ・・・プラ
ンジャー１ｂ、２ｂ、４ａ、１０ｂ・・ネジ部８・・・ピスト
ン２・・・ノズル８ａ・・・Ｏリ
ング２ａ・・・噴射孔９・・・ロッド２ｃ・・・溝１０ａ・・・突
起物２ｄ・・・フランジ部１１・・・フラ
ンジリング２ｅ・・・ストッパー１４、２５・・
・圧縮バネ２ｆ・・・中空部１５・・・ラッ
チ孔３・・・治具２２・・・固定
リング４・・・前側円筒２３・・・ラッ
チボール５・・・後側円筒２４・・・小孔６・・・円筒体２６・・・薬液
量表示窓７・・・ラッチ解除ボタン２７・・・治具

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者宇田川晴英京都市中京区西ノ京桑原町１番地株式会社島津製作所内 (72)発明者森下和三京都市中京区西ノ京桑原町１番地株式会社島津製作所内 (72)発明者米谷昌彦大阪市旭区清水１丁目11−13 日本医薬株式会社内Ｆターム(参考） 4C066 AA09 BB01 CC01 DD13 EE14 FF02 KK16

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】先端部のノズルの噴射孔から吸入した一定
量の薬液を、前記噴射孔からジェット噴射させて皮下注
射を行う針無注射器において、ノズルの外周面及び注射
器本体の先端中空部の内周面に軸方向に欠損部を有する
ネジ部を設け、ノズルを注射器本体に挿入し１／４回転
させて注射器本体に固定できるようにしたことを特徴と
する針無注射器。
【請求項２】先端平面部分に突出部を設けた注射器本体
と、該突出部を通すための溝を設けたノズルを備え、前
記突出部と溝を合わせることにより位置決めを行うよう
にしたことを特徴とする請求項１記載の針無注射器。
【請求項３】注射器本体に設けたノズル螺合用ネジの溝
幅より大なる幅の突出物を設けたノズルを備え、決めら
れたノズルの挿入深さ以外ではノズルを注射器本体に螺
合できないようにしたことを特徴とする請求項１記載の
針無注射器。