JP2001046498A

JP2001046498A - 針無注射器

Info

Publication number: JP2001046498A
Application number: JP11223367A
Authority: JP
Inventors: Mitsuru Hoshi; 充星; Haruhide Udagawa; 晴英宇田川; Kazumi Morishita; 和三森下; Masahiko Yonetani; 昌彦米谷
Original assignee: NIPPON IYAKU KK; Shimadzu Corp
Current assignee: NIPPON IYAKU KK; Shimadzu Corp
Priority date: 1999-08-06
Filing date: 1999-08-06
Publication date: 2001-02-20

Abstract

(57)【要約】【課題】注射部位に密着して正しい角度で薬液の注入が
できる針無注射器を提供する。【解決手段】ノズル２の周辺部にフランジ部２ｄを設け
る。これにより、フランジ部２ｄのフランジ面は、注射
部位周辺の皮膚面と広い面積において接触するので、針
無注射器に加えられる押力はフランジ面を介して皮膚面
に平均分散し、針無注射器は注射部位に垂直に固定で
き、その状態を保持したままで薬液を注入することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ノズルの噴射孔か
ら吸入した一定量の薬液をジェット噴射させて皮下注射
を行う針無注射器に関する。

【０００２】

【従来の技術】針無注射器は、その先端部のノズルの噴
射孔から一定量の薬液を吸入した後、噴射孔から薬液を
ジェット噴射することにより、薬液を患者の皮下に注入
する注射器である。すなわち、針無注射器による注射は
皮下注射時に注射針を使用しない針無注射器であるた
め、痛みを伴わない、注射痕が残らない、注射ミスが皆
無等の利点があり、例えば糖尿病患者自身が日常的にイ
ンシュリンを自己注射する場合にも用いられている。

【０００３】このような針無注射器に用いられるノズル
には、連続使用タイプのものと使い捨てタイプのものと
があるが、連続使用タイプのものは長期間使用するた
め、特に衛生管理が難しく、そのため最近では図５に示
すような使い捨てタイプの針無注射器の使用が増加して
いる。この針無注射器に用いられているノズル２１は、
注射器本体の先端部に螺合するネジ部２１ａを有し、注
射器本体１へのノズル取り付け、取り外し作業は直接手
で回して行っている。

【０００４】この針無注射器による注射は、ピストン８
に連結したロッド９を後退させて薬液を吸入した後、注
射部位にノズル２１の先端を当てて高速でロッド９を前
進させ薬液を噴射して行われる。このノズル２１の先端
形状には中央部分を球面状にしたものや図６のように噴
射孔の周囲に円周状のスカート２１ｂを設けたものが用
いられている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来の針無注射器は上
記のように構成されているが、ノズルと皮膚面との接触
面積が少ないため、注射部位の皮膚面に対し正確な角度
で注射器を安定して静止させることが難しく、また、注
射時にノズルの先端が動いて注射失敗を起こす危険があ
るという問題がある。このような注射失敗を起こした場
合、正しい薬液量が注入されず、また薬液注入路が曲線
となることから激しい痛みを伴うという問題がある。本
発明は、このような事情に鑑みてなされたものであっ
て、注射部位に対して針無注射器を安定に保持でき、正
しい薬液量を注射することができる針無注射器を提供す
ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の針無注射器は、先端部のノズルの噴射孔か
ら吸入した一定量の薬液を、前記噴射孔からジェット噴
射させて皮下注射を行う針無注射器において、前記ノズ
ルの先端部周辺にフランジ形状のつばを設けたことを特
徴とする。本発明の針無注射器は上記のように構成され
ており、ノズルに設けられたフランジ部と注射部位周辺
の皮膚面との接触面積を増すことにより、針無注射器の
ずれを無くすとともに、注射部位に対する角度を垂直方
向に安定に保持することができ注射失敗が無くなる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明の針無
注射器を詳細に説明する。図１は本発明の針無注射器の
断面図、図２はその上面図、図３はノズルの断面図
（ａ）とその側面図（ｂ）、図４は本発明の針無注射器
と注射部位との接触状態を示す状態図である。

【０００８】本発明の針無注射器は、図１に示すように
両端面が開口している前側円筒４と後側円筒５をネジ部
４ａにおいて螺合してなる円筒体６と、その先端部に螺
合されたノズル２と、後端部に軸方向に移動可能に内挿
されたラッチ解除ボタン７と、前記円筒体６の中空部に
あって軸方向に移動可能にピストン８を連結したロッド
９及びそのロッド駆動機構から構成されている。

【０００９】前記ロッド９の前方部にはフランジリング
１１が一体的に結合され、後方部円周上には複数個のラ
ッチ孔１５が設けられている。また、後側円筒５内の後
方には固定リング２２が固設され、その後方円周上には
複数個の小孔２４が設けられ、その中にラッチボール２
３がはめ込まれている。そして、前記固定リング２２と
ラッチ解除ボタン７間にはロッド９を通して圧縮バネ２
５が介設されていて、この圧縮バネ２５の反発力によ
り、ラッチ解除ボタン７には常に後退方向への力を付勢
されている。

【００１０】前記ノズル２は図３に示すように薬液を噴
射する噴射孔２ａと、フランジ部２ｄと、注射器本体１
（図１）に螺合させるためのネジ部２ｂを備えるととも
に、薬液をシールするためのＯリング８ａを巻着しロッ
ド９に連結するための掛け具を有するピストン８を内挿
し、その空間を薬液室として用いる。そして、図４に示
すように、フランジ部２ｄのフランジ平面部分は、針無
注射器を注射部位に押し当てたときに皮膚面と広く密着
し、押力がフランジ面を介して皮膚面に平均分散して加
わるため、注射角度を皮膚面に対し垂直に保持しやすく
する機能を備えている。

【００１１】上記針無注射器による注射は、薬液を吸入
するための初期位置のセッティング、薬液の吸入、薬液
の噴射の順序で実行され、針無注射器の各部は図１に示
した状態から次のように動作する。

【００１２】初期位置をセッティングするには、前側円
筒４を左手にもって右手で後側円筒５を右回転し、薬液
量を示す図２の薬液量表示窓２６の目盛り数字が０にな
る位置まで後側円筒５前進させる。このとき、ピストン
８はノズル２の内壁先端部に接し薬液室空間は無くな
り、ラッチボール２３はラッチ孔１５に嵌合し、ラッチ
解除ボタン７は圧縮バネ２５により後方に対する付勢力
が与えられ最後方部に位置する。

【００１３】薬液を吸入するには、前側円筒４をもって
ノズル先端を薬液バイアル（図示せず）の吸出口に当て
て、右手で後側円筒５を左回転して後退させ、薬液量表
示窓２６の目盛り数字を必要数値に合わせる。この結
果、ピストン８は後方に移動し、必要薬液量が針無注射
器内に取り込まれる。

【００１４】上記方法にて薬液を吸入した針無注射器の
ノズル２を患者の注射部位にあてがい、ラッチ解除ボタ
ン７を押すとラッチボール２３はラッチ孔１５から飛び
出し、ロッド３はフリーとなり圧縮バネ１４の反発力を
受けて高速で前方に移動する。このピストン８によって
空間室内の薬液は高圧で圧縮され、噴射孔２ａから高速
で飛び出し皮下注射が行われる。なお、初期位置をセッ
チングする前にノズル２を交換する場合には、前側円筒
４を持って、ノズル２のフランジ部２ｄを左回転して取
り外し、新しいノズルと取換える。

【００１５】上記実施例に示すように、本針無注射器は
ノズル２にフランジ部２ｄを設けることにより、針無注
射器が注射部位に安定して保持され、痛み無く薬液が注
入できることを特徴とするものであるが、その適用は使
い捨てノズルに限定されるものではなく、連続使用タイ
プの針無注射器にも適用することができる。また、フラ
ンジ部２ｄの大きさは注射対象者の体格に応じて変える
ことができる。

【００１６】

【発明の効果】本発明の本針無注射器は上記のように構
成されており、ノズルと注射部位との接触面積が増大す
るので、注射部位に対して垂直方向に針無注射器を安定
して押し当てることができ、痛みを伴わず、正しい薬液
量を注射することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例による針無注射器の断面図であ
る。

【図２】本発明の実施例による針無注射器の上面図であ
る。

【図３】本発明の実施例によるノズルの断面図（ａ）と
その右側面図である。

【図４】本発明の実施例による針無注射器と注射部位と
の接触状態を示す状態図である。

【図５】従来の針無注射器の一部断面構造図である。

【図６】従来の針無注射器のノズルの断面図である。

【符号の説明】

１・・・注射器本体８ａ・・・
Ｏリング２、２１・・・ノズル９・・・ロ
ッド２ａ・・・噴射孔１１・・・
フランジリング２ｂ、４ａ、２１ａ・・・ネジ部１４、２５
・・・圧縮バネ２ｄ・・・フランジ部１５・・・
ラッチ孔４・・・前側円筒２１ｂ・・
・スカート５・・・後側円筒２２・・・
固定リング６・・・円筒体２３・・・
ラッチボール７・・・ラッチ解除ボタン２４・・・
小孔８・・・ピストン２６・・・
薬液量表示窓

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者宇田川晴英京都市中京区西ノ京桑原町１番地株式会社島津製作所内 (72)発明者森下和三京都市中京区西ノ京桑原町１番地株式会社島津製作所内 (72)発明者米谷昌彦大阪市旭区清水１丁目11−13 日本医薬株式会社内Ｆターム(参考） 4C066 AA09 BB01 CC01 DD13 EE14 FF02 HH02 KK16

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】先端部のノズルの噴射孔から吸入した一定
量の薬液を、前記噴射孔からジェット噴射させて皮下注
射を行う針無注射器において、前記ノズルの先端部周辺
にフランジ形状のつばを設けたことを特徴とする針無注
射器。