JP2001060505A - 一方向性電磁鋼板用の一次再結晶焼鈍板 - Google Patents
一方向性電磁鋼板用の一次再結晶焼鈍板Info
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Abstract
磁鋼板を安定して製造することができる中間材としての
一次再結晶焼鈍板を提供する。 【解決手段】 一次再結晶焼鈍板の表層近傍の集合組織
を、Bunge のオイラー角表示で、φ1 =0°、Φ=15
°、φ2 =0°の方位から10°以内に極大方位を有する
ように制御する。
Description
性電磁鋼板を安定して製造するのに有利な中間材として
の一次再結晶焼鈍板に関するものである。
他の電気機器の鉄心材料として使用され、磁束密度およ
び鉄損値などの磁気特性に優れることが基本的に重要で
ある。そのため、厚さ:100 〜300 mmのスラブを、高温
に加熱したのち、熱間圧延し、ついでこの熱延板を1回
または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延によって最終
板厚としたのち、脱炭を兼ねた一次再結晶焼鈍を施し、
ついで焼鈍分離剤を塗布してから、二次再結晶および純
化を目的として最終仕上焼鈍を施すという複雑な工程が
採られている。磁気特性を高めるためには、最終仕上焼
鈍工程での二次再結晶で、磁化容易軸である<001>
軸が圧延方向に揃った{110}<001>方位いわゆ
るゴス方位の結晶粒を成長させることが重要である。
集積した二次再結晶を効果的に発達させるためには、そ
の前段階、すなわち脱炭焼鈍後の鋼板状態を適正に制御
することが極めて重要であり、特に制御すべき点として
以下の3つが挙げられる。
と呼ばれる分散相を、均一かつ適正なサイズに分散させ
ることである。インヒビターの作用により、最終仕上焼
鈍時に、一次再結晶粒の成長が抑制されるのであるが、
最も粒成長の優位性の高い{110}<001>方位の
粒だけが、他の方位を蚕食して大きく成長できるよう
に、インヒビターの抑制力は、{110}<001>方
位の粒のみが成長でき、他の粒の成長は阻止できるよう
な強さに制御しなければならない。かようなインヒビタ
ーとして代表的なものは、MnS,MnSe, AlNおよびVN
のような硫化物、Se化合物および窒化物等で、鋼中への
溶解度が極めて小さいものが用いられていて、熱延前の
スラブ加熱時にインヒビターを一旦完全に固溶させてか
ら、その後の工程で微細に析出させることにより、抑制
力を制御する方法が採られている。
適正に制御することである。一次再結晶組織の結晶粒径
については、二次再結晶の駆動力の制御という観点から
研究が進められてきた。例えば特開平2−182866号公報
には、一次再結晶粒の平均直径が15μm 以上で、かつ変
動係数(平均直径で規格化した粒径分布の標準偏差)が
0.6以下の一次再結晶組織を備えていることが重要であ
ることが開示されている。また、特開平4-337029号公報
には、最終冷間圧延前の焼鈍過程における鋼のN量を検
出し、その結果に基づいて15〜25μm の範囲内の一次再
結晶粒を得るように一次再結晶焼鈍における設定温度を
変更する技術が開示されている。さらに、特開平6-331
41号公報には、脱炭焼鈍後の一次再結晶粒の平均直径を
6〜11μm 、かつ変動係数が 0.5以下とし、最終仕上焼
鈍の二次再結晶開始直前までに一次再結晶粒の平均直径
を5〜30%大きくする技術が開示されている。
は諸説がある。これは、二次再結晶を生じさせるには、
粒成長の駆動力とそれを抑えるインヒビターの抑制力の
バランスを微妙に制御することが肝要であって、鋼板の
化学組成、工程条件によってインヒビターの抑制力が変
化すると、最適な駆動力すなわち最適な一次再結晶粒径
も変化するということである。
である。インヒビター抑制力と粒成長駆動力の制御だけ
では、良好な二次再結晶は生じず、最終仕上焼鈍前段階
での集合組織が二次粒の成長性や方位({110}<0
01>への集積の強さ)に大きな影響を及ぼす。
に係わるもので、従来からの常識を覆す新発見に基づい
て、良好な二次再結晶に有利な集合組織を有する一次再
結晶焼鈍板を提案するものである。
は、主方位が{111}<112>方位に強く集積し、
かつその中に二次再結晶の核となる先鋭性の高い{11
0}<001>方位を存在させることが重要であるとさ
れてきた。このような考え方は、特開平5−171371号公
報や特公平7-26155号公報に示されるように、Σ9対応
関係にある粒界は移動し易いとの説に基づくものであ
る。Σの対応関係とは、粒界を挟んだ両側の結晶格子を
延長して重ね合わせ、平行移動して格子点の一対を一致
させると、格子点のうち1/Σが隣の格子点と一致する
関係であり、Σ9対応関係の場合は、厳密には、粒界を
挟む両側の粒が<110>軸回り38.9°の回転関係にあ
ることをいうが、一般的には、回転角が38.9±5.0 °の
範囲内はΣ9対応関係とみなせる(Brandonの条件:厳密
な対応関係から15°/Σ1/2 以内であれば、対応関係と
みなせる)。
2>は、<110>軸回り35.3°の回転関係にあるた
め、Σ9の関係とみなせる範囲内にある。従って、一次
再結晶集合組織においては、{111}<112>に強
く集積したマトリクス中に、先鋭性の高い{110}<
001>が散在している状態が、{110}<001>
方位の二次再結晶には有利であると考えられてきた。
リクスの方位は、必ずしも{111}<112>近傍ば
かりではないことから、副方位にも着目すべきことが開
示された。例えば、特開平9−296219号公報、特開平9
−256051号公報では、副方位である{411}<148
>方位の強度を制御することが重要であると開示してい
る。{110}<001>と{411}<148>は、
ほぼΣ9対応関係にあり、ここでもΣ9対応関係にある
粒界は移動し易いとの考え方が基盤となっていた。
うな対応関係からみて理想的な集合組織であっても、二
次再結晶不良が生じたり、二次再結晶はするものの{1
10}<001>からずれた方位が多く出現するなどし
て、製品の磁気特性が悪化する例がしばしば現れること
から、磁気特性が良好な方向性電磁鋼板を安定して製造
することのできる中間材としての一次再結晶焼鈍板を開
発することが急務となっている。
で、磁気特性が良好な方向性電磁鋼板を安定して製造す
ることができる中間材としての一次再結晶焼鈍板を提案
することを目的とする。
に、二次再結晶の途中過程における結晶粒の方位分布を
解析することによって、ゴス方位が二次再結晶すること
とΣ9対応関係とは無関係であることを見出した。そし
て、特開平10−140297号公報において、一次再結晶後に
ゴス方位から20〜40°の方位差を有する方位粒がマトリ
クス中に多数存在していることが、良好な二次再結晶を
生じさせるために重要であることを開示した。これは、
粒界を挟んだ両側の結晶粒が20〜40°の方位差を有する
場合に、粒界エネルギーが高くなって、粒界移動速度が
速まるためと考えられる。そこで、発明者らは、さらに
鋭意研究を進めた結果、方位差20°から40°の範囲内で
も、特に30°の方位差の粒界が最も粒界エネルギーが高
く移動し易いことが分かってきた。なお、ここでいう二
方位間の方位差とは、二方位を重ねるための最小回転角
度である。
から約30°の方位差をもつ方位を多く存在させることが
重要となるわけであるが、ゴス方位から約30°の方位差
をもつ任意の方位が自由に増減させられるわけではな
く、圧延と焼鈍の結果得られる一次再結晶集合組織にお
いて、出現し易い方位はいくつかに絞られる。そこで、
一次再結晶集合組織を3次元方位空間で解析し、強く集
積するいくつかの方位ピークに着目し、これらのピーク
の中心がゴス方位から約30°になるよう制御すればよい
のではないかという仮説を立てた。そして、この仮説に
立って、数多くの実験と検討を重ねた結果、本発明を完
成させるに至ったのである。
合組織が、Bunge のオイラー角表示で、φ1 =0°、Φ
=15°、φ2 =0°の方位から10°以内に極大方位を有
することを特徴とする一方向性電磁鋼板用の一次再結晶
焼鈍板である。
織が、Bunge のオイラー角表示で、φ1 =0°、Φ=15
°、φ2 =0°の方位から10°以内、またはφ1 =5
°、Φ=20°、φ2 =70°の方位から10°以内に極大方
位を有し、かつ鋼板の中心層の集合組織が、同じくBung
e のオイラー角表示で、φ1 =90°、Φ=60°、φ2 =
45°の方位から5°以内に極大方位を有することを特徴
とする一方向性電磁鋼板用の一次再結晶焼鈍板である。
%、Si:2.0 〜4.5 wt%、Mn:0.03〜2.5 wt%を含有
し、かつAl:0.003 〜0.050 wt%、Se:0.003 〜0.050
wt%、S:0.003 〜0.050 wt%、Sb:0.001 〜0.3 wt
%、Sn:0.001 〜0.3 wt%のうちから選んだ一種または
二種以上を含有する組成になる珪素鋼スラブを、熱延
し、必要に応じて熱延板焼鈍を施したのち、一回または
中間焼鈍を挟む二回以上の冷間圧延によって最終板厚と
し、ついで一次再結晶焼鈍を施すことによって得られ
る、一方向性電磁鋼板用の一次再結晶焼鈍板である。
は、Roe の表示法(ψ,θ,φによる表示)とBunge の
表示法(φ1 ,Φ,φ2 による表示)がある。
間に固定された直行座標系をX,Y,Z(XをRD方
向、YをTD方向、ZをND方向とする)、結晶に固定
された直行座標系をx,y,z(xを[100]方向、
yを[010]方向、zを[001]方向)とする。
(X,Y,Z)と(x,y,z)が一致した状態から、
結晶をZ軸(ND)回りにφ回転させ、続いてY軸(T
D)回りにθ回転させ、最後に再びZ軸(ND)の回り
にψ回転させた方位がRoe の表示法による(ψ,θ,
φ)方位である。
っているが、Roe の表示法と次のような関係がある。 φ1(Bunge)=ψ(Roe) +90° Φ (Bunge)=θ(Roe) φ2(Bunge)=φ(Roe) −90° 最近では、Bunge の表示法の方が一般によく使用されて
いるので、本発明でもBunge 表示法で結晶方位を表すこ
ととする。
る。すなわち、Bunge のオイラー角表示でφ1 、Φ、φ
2 なる方位のランダム強度比をf(φ1 ,Φ,φ2 )と
し、φ1 =x,Φ=y,φ2 =zなる方位が極大方位で
あるとは、以下の(1), (2), (3) が全て成立することと
して定義する。 (1) 絶対値の十分小さい全ての正および負のhの値に対
して、 f(x+h,y,z)−f(x,y,z)<0 (2) 絶対値の十分小さい全ての正および負のkの値に対
して、 f(x,y+k,z)−f(x,y,z)<0 (3) 絶対値の十分小さい全ての正および負の1の値に対
して、 f(x,y,z+1)−f(x,y,z)<0 なお、ランダム強度比とは、特定方位の存在比率を表す
ものであり、 (測定部位において、特定方位を有する部分の存在比
率) ÷(配向性が全くない仮想的な場合の、その方位を
有する部分の存在比率) と定義する。
測定し、その結果から方位分布関数(ODF)によって
3次元の強度分布を計算することができる。また、Elec
tronBack Scattering Pattern (EBSP) 、Electron Chan
neling Pattern(ECP)等により各結晶粒の方位を直接測
定することによって、強度分布を求めることもできる。
化する。そこで、本発明では、試料の表層近傍(試料表
面からサブスケールを除去し、厚み方向に50μm 以内入
った部分)および中心層(試料を厚み方向に二等分する
位置)で集合組織を測定することとする。表層近傍に着
目した理由は、二次再結晶粒は比較的表層近傍から発
生、成長し易く、この位置の集合組織が良好な二次再結
晶を生じさせるために極めて重要だからである。また、
表層近傍で発生した二次再結晶粒が厚み方向に成長でき
るかどうかは、中心層の集合組織によって決まるため、
本発明では中心層の集合組織にも着目した。
結果について説明する。C:0.050 wt%、Si:3.00wt
%、Mn:0.08wt%、Al:0.010 wt%、N:0.005wt%、
S:0.001 wt%、Se:0.005 wt%、Cu:0.10wt%および
Sb:0.020 wt%を含有し、残部はFeおよび不可避不純物
からなるスラブを複数用意し、1250℃に加熱後、熱間圧
延して3.0 mm厚の熱延コイルとした。ついで、熱延コイ
ルの一部を採取し、実験室にて熱延板焼鈍を施し、酸洗
後、第1回目の冷間圧延を施した。第1回目の冷間圧延
後の板厚は0.60〜2.0 mmの範囲で変化させた。次に、 9
00〜1100℃の温度で中間焼鈍後、再び酸洗した後、第2
回目の冷間圧延を施し、0.22mmの最終板厚に仕上げた。
第2回目の冷間圧延では、圧延温度を常温から 350℃ま
での範囲で変化させた。その後、これらの圧延板に対
し、脱脂処理を行い、 850℃で 120秒間の脱炭を兼ねた
一次再結晶焼鈍を施したのち、焼鈍分離剤を塗布してか
ら、最終仕上焼鈍を施した。
表層近傍および中心層の集合組織の測定を行った。冷間
圧延における圧下配分、中間焼鈍温度および冷間圧延温
度を変化させることにより、一次再結晶集合組織を変化
させた試料が22通り準備できた。なお、集合組織は、X
線極点図により測定し、測定データから3次元集合組織
を計算により求めた。3次元集合組織はφ1 、Φ、φ2
いずれも5°刻みで求めた。
コロイダルシリカを含有するリン酸マグネシウムを主成
分とする絶縁コーティングを塗布し、 800 ℃で焼き付
けて製品とした。各製品から、圧延方向に沿ってエプス
タインサイズの試験片を切り出し、磁束密度B8 を測定
した。
30°前後の方位差を有する方位の中で、圧延・再結晶に
より表層部(試料表面からサブスケールを除去し、厚み
方向に50μm 以内入った部分)で頻繁に出現し得る方位
は Bungeのオイラ一角表示で、φ1 =0°、Φ=15°、
φ2 =0° (以後(0 15 0)と略す)とφ1 =5°、
Φ=20°、φ2 =70° (以後(5 20 70)と略す)およ
びφ1 =90°、Φ=60°、φ2 =45°(以後(90 60 4
5)と略す)であることが分かった。しかしながら、
(0 15 0)、(5 20 70)および(90 60 45)が必ず
しも極大方位となるわけではなく、特に(0 15 0)、
(520 70)付近の極大方位は工程条件によってかなり
シフトすることが判明した。そこで、(0 15 0)、
(5 20 70)付近で極大となる方位と製品の磁気特性B
8 (T)との関係について調査したところ、表1に示す
結果を得た。
°以内と(5 20 70)から10°以内のどちらか一方また
は両方に極大方位が存在する場合には、製品の磁気特性
B8は1.85T以上の良好な値を示した。しかしながら、
(0 15 0)から10°以内と(5 20 70)から10°以内
のどちらにも極大方位が存在しない場合には、磁気特性
B8 は1.85T未満であった。
ついて、さらに一次再結晶後の試料の中心層における集
合組織を測定し、製品の磁気特性との関係を調査したと
ころ、表2に示す結果を得た。
おいて、(90 60 45)から5°以内に極大方位が存在す
る場合には、製品の磁気特性B8 は特に良好で1.88T以
上になるのに対し、(90 60 45)から5°以内に極大方
位が存在しない場合は、1.85〜1.88Tであった。
45)から5°以内に極大方位が存在しない場合の特徴と
して、集合組織では{411}<148>方位( Bunge
のオイラー角表示でφ1 =20°、Φ=20°、φ2 =45
°。以後(20 20 45)と略す)が強く、中心付近の一次
粒径は粗大化している傾向にあった。また、製品におい
ては、ところどころ二次粒が板厚方向に貫通できていな
い部分があった。
御について次のように考えられる。 (1) 一次再結晶集合組織においては、まず表層近傍の集
合組織制御が肝要である。というのは、二次再結晶粒は
比較的表層近傍から発生・成長し易く、この領域の集合
組織が良好な二次再結晶を生じさせるために非常に重要
だからである。表層近傍の集合組織によって、粒成長開
始直後にゴス方位が周囲に比べてサイズ効果を持つまで
に成長できるか、逆に周囲に蚕食されてしまうかが決ま
ってくる。最終仕上焼鈍時にゴス方位の成長をし易くす
るためには、ゴス方位から30°程度の方位差の粒の頻度
が高ければよい。ここに、ゴス方位から30°程度の方位
差であり、一次再結晶焼鈍後に表層近傍に頻繁に現れる
方位としては(0 15 0)、(5 20 70)および(90 6
0 45)の3つの方位が挙げられる。
い場合に発達し易い。この方位は、ゴス方位からの方位
差が35°であり、適切な方位差30°よりも若干大きい。
しかしながら、ゴス方位に蚕食されずに残ったとして
も、磁化容易軸<001>が圧延方向を向いているた
め、磁気特性の劣化を引き起こさない方位である。従っ
て、最終冷延圧下率が低い場合には、(0 15 0)近傍
に極大方位が存在するように、一次再結晶集合組織を制
御すべきである。
較的高い場合に発達し易い。この方位は、ゴス方位から
の方位差が30°であり、ゴス方位の成長には最適であ
る。従って、ゴス方位に蚕食されずに残る確率は小さ
い。また、ゴス方位に蚕食されずに残ったとしても、磁
化容易軸<001>と圧延方向とのずれは14°しかない
ため、磁気特性の劣化をあまり生じない。さらに、この
方位は、ND回りの方位分散が小さいことから、ジャス
トゴス方位粒の成長に最適であり、またゴス方位からず
れた粒(特に磁気特性を劣化させるゴス方位からND回
りにずれた粒)が成長しにくいという利点がある。従っ
て、最終冷延圧下率が高い場合には、(5 20 70)近傍
に極大方位が存在するように、一次再結晶集合組織を制
御すべきである。
極大方位になり易いので、本発明では特に制御の対象と
はしない。ただし、この方位の強度が強すぎると、相対
的に(0 15 0)方位または(5 20 70)方位への集積
が弱まり、(0 15 0)近傍や(5 20 70)近傍に極大
方位が存在しなくなる。また、(90 60 45)方位は、ゴ
ス方位からの方位差が30°であり、ゴス方位の成長には
最適であるが、ND回りの方位分散が大きいことから、
ゴス方位からずれた粒(特に磁気特性を劣化させるゴス
方位からND回りにずれた粒)も成長し易いという欠点
を持つ。従って、(90 60 45)方位が表層で極端に多く
なることは好ましくない。
したように制御すれば、最終仕上焼鈍時にジャストゴス
方位のみが二次再結晶し、製品の磁気特性は良好となる
が、さらに安定して良好な磁気特性を得るには、中心層
の集合組織制御が重要となる。中心層の集合組織は、表
層で発生し、成長し始めた二次粒が板厚方向の中心部で
止められることなく貫通できるかどうかを支配する。
発達し易い方位は(90 60 45)方位と(20 20 45)方位
である。(90 60 45)方位は、ゴス方位からの方位差が
30°であり、しかも一次粒径が均一になり易いため、表
層で発生したゴス方位の二次粒が成長するには最適であ
る。しかしながら、中心層において、(90 60 45)付近
の極大方位は、製造条件によってシフトし易く、(90 6
0 45)から大きくずれてしまい易い。(90 60 45)への
集積が弱まると、相対的に(20 20 45)方位が増大す
る。この(20 20 45)方位は、ゴス方位との方位差が39
°であり、最適値30°よりも大きい。また、(20 20 4
5)方位は、周囲の一次粒よりも粗大になり易いため、
表層で発生した二次粒が板厚中心部で止められてしま
う。従って、中心層では(90 60 45)近傍に極大方位が
存在するように、一次再結晶集合組織を制御すべきであ
る。
織は、表層と中心層に分けて制御すべきであり、表層で
は(0 15 0)方位と(5 20 70)方位に、一方中心層
では(90 60 45)方位に着目すべきことが判明した。従
来から注目されてきた{111}<112>((90 54.7
45)方位)と{411}<148>((20 20 45)方位)
はいずれも、ゴス方位とΣ9の対応方位関係の範囲内(B
randonの条件)であるが、本発明で対象とする(0 15
0)、(5 20 70)および(90 60 45)はゴス方位とΣ
9の対応方位関係の範囲ではない。
54}<225>に近く、BCC金属多結晶材の一次再
結晶集合組織としては比較的頻繁に発生する方位として
知られている(鉄鋼薄板の再結晶及び集合組織;昭和49
年鉄鋼基礎共同研究会再結晶部会)が、一方向性電磁鋼
板の一次再結晶集合組織としては、これまでゴス方位と
の対応方位関係という観点から{111}<112>に
より注目が集められてきた。しかしながら、本発明によ
り、ゴス方位の二次再結晶と対応方位関係とは無関係で
あることが明らかになった。なお、本発明では、表層で
は(0 15 0)方位または(5 20 70)方位が、一方中
心層では(90 60 45)方位が、それぞれ極大方位である
か否かが重要であり、その集積度は特に限定しないし、
また他に強いピークが存在するか否かについても限定し
ない。
する方法としては、材料成分、スラブ加熱条件、熱間圧
延条件、熱延板焼鈍条件、中間焼鈍条件、冷間圧延条件
(特に圧下率と圧延温度および時効処理条件)および一
次再結晶焼鈍条件等の調整が挙げられる。表層で(0 1
5 0)または(5 20 70)に、中心層で(90 60 45)に
強く集積させる方法としては、例えば以下のような方法
がある。
成分を従来レベルよりも大幅に低減することによって、
最終冷延前における鋼板表層部の粒径を大きくし、粒内
からの再結晶を促進させる方法。表層部で粒内からの再
結晶を促進させることにより、(0 15 0)方位や(5
20 70)方位の一次再結晶が頻繁になる。
延)により、<110>方向が圧延方向に揃ったバンド
組織からの(0 15 0)方位や(5 20 70)方位の再結
晶を促進させる方法。温間圧延による集合組織変化は、
表層近傍で顕著に起こるので、本発明の集合組織制御に
は有効である。特に、タンデム圧延機での温間圧延は、
表層近傍では剪断変形を起こし(0 15 0)方位や(5
20 70)方位の一次再結晶を促進する一方、中心層では
均一変形を起こし(90 60 45)方位の一次再結晶を促進
するので、極めて効果的である。
分)に応じて最終冷延圧下率を調整する方法。これは、
素材成分が異なると一次再結晶集合組織の集積のピーク
がシフトする性質と、圧下率が異なると一次再結晶集合
組織の集積のピークがシフトする性質を組み合わせて利
用する方法である。
焼鈍板の集合組織を制御することが重要である。制御す
る方法は特に限定されるものではないが、一般には、以
下の製造条件に従うことが望ましい。
る。 C:0.005 wt%以上、0.08wt%以下 Cは、組織を改善し、二次再結晶を安定化させるために
必要な元素で、そのためには 0.005wt%以上含有させる
ことが好ましい。しかしながら、0.08wt%を超えると冷
延時の破断が増加するだけでなく、脱炭に要する焼鈍時
間が長くなり生産性の低下を招くので、0.08wt%以下と
することが好ましい。
の元素であり、このためには 2.0wt%以上含有させる必
要があるが、4.5 wt%を超えると加工性が劣化し、製造
や製品の加工が極めて困難になるので、2.0 wt%以上、
4.5 wt%以下の範囲で含有させることが好ましい。
を向上させるのに有用な元素である。この目的のために
は、0.03wt%以上の含有が必要であるが、2.5wt%を超
えて含有した場合、 γ変態を誘起して磁気特性が劣化
するので、0.03wtwt%以上、2.5 wt%以下の範囲とする
ことが好ましい。
ヒビターとして機能させる。その場合におけるこれらの
元素の添加量はそれぞれ Al:0.003 〜0.050 wt%, S
e:0.003 〜0.050 wt%,S:0.003 〜0.050 wt%,S
b:0.001 〜0.3 wt%,Sn:0.001 〜0.3 wt%程度とす
ることが好ましい。
ターの役割を果たす。インヒビターとして有効に機能さ
せるためには、熱延前のスラブ加熱時に固溶させ、後の
工程で微細に析出させる必要があるが、含有量が0.050w
t%を超えるとスラブ加熱時の固溶が不完全になり、一
方 0.003wt%未満ではインヒビターの量が不足しその効
果を発揮できないので、 0.003〜0.050 wt%の範囲で含
有させることが好ましい。
してインヒビターの役割を果たす。インヒビターとして
有効に機能させるためには、Alと同様、熱延前のスラブ
加熱時に固溶させ、後の工程で微細に析出させる必要が
あるが、含有量が 0.050wt%を超えるとスラブ加熱時の
固溶が不完全になり、一方 0.003wt%未満ではインヒビ
ターの量が不足しその効果が発揮できないので、 0.003
〜0.050 wt%の範囲で含有させることが好ましい。
して機能する。インヒビターとして十分機能させるため
には、0.001 wt%以上の含有が必要であるが、0.3 wt%
を超えると製品のベンド特性等の機械的特性が劣化する
ので、 0.001〜0.3 wt%の範囲で含有させることが好ま
しい。
Cr, Cu, Nb, B等を添加することもできる。添加量は、
インヒビター機能を十分発揮でき、かつ製品のベンド特
性等の機械的特性を劣化させない範囲内とすべきであ
り、それぞれCr:0.001 〜0.3wt%, Cu:0.005 〜0.5 w
t%, Nb:0.00l 〜0.3 wt%, B:0.0001〜0.05wt%程
度とすることが好ましい。なお、最近、インヒビター元
素を特に添加しなくても、粒界移動度の方位差依存性を
利用して二次再結晶を生じさせる技術が報告されている
が、この技術は、本発明にも適応できる技術である。
い、スラブ加熱に供した後、熱間圧延により熱延コイル
とする。なお、近年、スラブ加熱を行わず、連続鋳造
後、直接熱間圧延を行う方法が提案されているが、この
方法は本発明にも適用することができる。
ターの微細析出のために、 800〜1150℃の温度範囲で熱
延板焼鈍を施す。
中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して製品板厚と
する。冷間圧延は、タンデム圧延機で行ってもゼンジミ
ア圧延機で行ってもよい。また、圧延は常温で行っても
良いし、必要に応じて常温よりも高い温度とし、圧延中
の動的歪時効やパス間の静的歪み時効を利用して集合組
織を制御することも可能である。
とした焼鈍を施す。
方向性電磁鋼板を製造するための中間材として用いられ
る。その後、一般的には、焼鈍分離剤を塗布してから、
仕上焼鈍を施し、ついで必要に応じて絶縁コーティング
を塗布・焼き付け、さらに平坦化焼鈍を施すことによっ
て製品とする。
003 wt%、N:0.003wt%、S:0.001 wt%、Se:0.020
wt%、Cu:0.01wt%およびSb:0.020 wt%を含有し、
残部はFeおよび不可避不純物からなるスラブを複数用意
し、1250℃に加熱後、熱間圧延して 3.0mm厚の熱延コイ
ルとした。ついで、酸洗後、タンデム圧延機により第1
回目の冷間圧延を施した。第1回目の冷間圧延後の板厚
は0.50〜2.0 mmの範囲で変化させた。次に、 900〜1100
℃の温度で中間焼鈍後、再び酸洗したのち、ゼンジミア
圧延機で第2回目の冷間圧延を施し、0.22mmの最終板厚
に仕上げた。第2回目の冷間圧延では、圧延温度を80℃
から 300℃までの範囲で変化させた。その後、脱脂処理
を行い、 800〜880 ℃で 120秒間の脱炭を兼ねた一次再
結晶焼鈍を施した。かくして、表3に記号あ〜なで示す
ような、集合組織を大きく変化させた一次再結晶焼鈍板
が得られた。これらの一次再結晶焼鈍板の一部を採取
し、表層近傍の集合組織の測定を行った。集合組織は、
X線極点図により測定し、測定データから3次元集合組
織を計算により求めた。なお、3次元集合組織はφ1 、
Φ、φ2 いずれも5°刻みで求めた。
鈍分離剤を塗布してから、最終仕上焼鈍を施した。最終
仕上焼鈍後、未反応の分離剤を除去したのち、コロイタ
ルシリカを含有するリン酸マグネシウムを主成分とする
絶縁コーティングを塗布し、800 ℃で焼き付けて製品と
した。各製品から、圧延方向に沿ってエプスタインサイ
ズの試験片を切り出し、磁束密度B8 を測定した。表3
に、一次再結晶焼鈍板の表層近傍における集合組織の極
大方位と製品の磁束密度B8 を示す。
の集合組織が(0 15 0)[または(5 20 70)]から
10°以内に極大方位を有する一次再結晶焼鈍板を用いる
ことにより、製品の磁束密度B8 が1.85T以上の良好な
製品を得ることができた。
であった試料について、さらに一次再結晶後の試料の中
心層における集合組織を測定し、製品の磁気特性との関
係について調べた。表4に、中心層の集合組織における
極大方位と製品の磁気特性B8 との関係を示す。
(90 60 45)から5°以内に極大方位を有する場合に
は、さらに磁気特性B8 が安定し、1.88T以上の良好な
値が得られた。
007 wt%、N:0.004wt%、S:0.002 wt%、Se:0.001
wt%、Cu:0.01wt%、Sb:0.010 wt%およびSn:0.05w
t%を含有し、残部はFeおよび不可避不純物からなるス
ラブを複数用意し、1200℃に加熱後、熱間圧延して 2.5
mm厚の熱延コイルとした。ついで、熱延板焼鈍後、酸洗
してから、0.34mmの厚みまでタンデム圧延機により1回
で冷間圧廷した。この際、熱延板焼鈍温度を 800〜1150
℃の範囲で、また冷間圧延温度を80〜300 ℃の範囲で変
化させた。その後、脱脂処理を行い、 800〜880 ℃で12
0 秒間の脱炭を兼ねた一次再結晶焼鈍を施した。かくし
て、表5に番号1〜20で示すような、集合組織を大きく
変化させた一次再結晶焼鈍板が得られた。これらの一次
再結晶焼鈍板の一部を採取し、表層近傍の集合組織の測
定を行った。集合組織は、X線極点図により測定し、測
定データから3次元集合組織を計算により求めた。な
お、3次元集合組織はφ1 、Φ、φ2 いずれも5°刻み
で求めた。
鈍分離剤を塗布してから、最終仕上焼鈍を施した。最終
仕上焼鈍後、未反応の分離剤を除去したのち、コロイダ
ルシリカを含有するリン酸マグネシウムを主成分とする
絶縁コーティングを塗布し、800 ℃で焼き付けて製品と
した。各製品から、圧延方向に沿ってエプスタインサイ
ズの試験片を切り出し、磁束密度B8 を測定した。表5
に、一次再結晶焼鈍板の表層近傍における集合組織の極
大方位と製品の磁束密度B8 を示す。
の集合組織が(0 15 0)[または(5 20 70)]から
10°以内に極大方位を有する一次再結晶焼鈍板を用いる
ことにより、製品の磁束密度B8 が1.85T以上の良好な
製品を得ることができた。
であった試料について、さらに一次再結晶後の試料の中
心層における集合組織を測定し、製品の磁気特性との関
係について調べた。表6に、中心層の集合組織における
極大方位と製品の磁気特性B8 との関係を示す。
(90 60 45)から5°以内に極大方位を有する場合に
は、さらに磁気特性B8 が安定し、1.88T以上の良好な
値が得られた。
027 wt%、N:0.009wt%、S:0.002 wt%、Se:0.020
wt%、Cu:0.10wt%およびSb:0.025 wt%を含有し、
残部はFeおよび不可避不純物からなるスラブを複数用意
し、1400℃に加熱後、熱間圧延して 2.5mm厚の熱延コイ
ルとした。引き続き 800〜1150℃で60秒間保持する熱延
板焼鈍を施したのち、酸洗し、1.7 mmの厚みまでタンデ
ム圧延機により常温で第1回目の冷間圧延を施し、つい
で 950℃の温度で中間焼鈍を施したのち、再び酸洗し、
ゼンジミア圧延機により0.22mmの厚みまでの第2回目の
冷間圧延を施した。第2回目の冷間圧延では、圧延温度
を80〜300 ℃の範囲で変化させた。その後、脱脂処理を
行い、 800〜880 ℃で120 秒間の脱炭を兼ねた一次再結
晶焼鈍を施した。かくして、表7に記号ア〜ヌで示すよ
うな、集合組織を大きく変化させた一次再結晶焼鈍板が
得られた。これらの一次再結晶焼鈍板の一部を採取し、
表層近傍の集合組織の測定を行った。集合組織は、X線
極点図により測定し、測定データから3次元集合組織を
計算により求めた。なお、3次元集合組織はφ1 、Φ、
φ2 いずれも5°刻みで求めた。
鈍分離剤を塗布してから、最終仕上焼鈍を施した。最終
仕上焼鈍後、未反応の分離剤を除去したのち、コロイダ
ルシリカを含有するリン酸マグネシウムを主成分とする
絶縁コーティングを塗布し、800 ℃で焼き付け製品とし
た。各製品から、圧延方向に沿ってエプスタインサイズ
の試験片を切り出し、磁束密度B8 を測定した。表7
に、一次再結晶焼鈍板の表層近傍における集合組織の極
大方位と製品の磁束密度B8 を示す。
する一次再結晶焼鈍板を用いることにより、良好な磁束
密度の製品が得られた。
であった試料について、さらに一次再結晶後の試料の中
心層における集合組織を測定し、製品の磁気特性との関
係について調べた。表8に、中心層の集合組織における
極大方位と製品の磁気特性B8 との関係を示す。
(90 60 45)から5°以内に極大方位を有する場合に
は、さらに磁気特性B8 が安定し、1.88T以上の良好な
値が得られている。
焼鈍板の集合組織を的確に制御することにより、磁気特
性を良好に保った方向性電磁鋼板を安定して製造するこ
とが可能となった。
Claims (3)
- 【請求項1】 鋼板の表層近傍の集合組織が、Bunge の
オイラー角表示で、φ1=0°、Φ=15°、φ2 =0°
の方位から10°以内に極大方位を有することを特徴とす
る一方向性電磁鋼板用の一次再結晶焼鈍板。 - 【請求項2】 鋼板の表層近傍の集合組織が、Bunge の
オイラー角表示で、φ1=0°、Φ=15°、φ2 =0°
の方位から10°以内、またはφ1 =5°、Φ=20°、φ
2 =70°の方位から10°以内に極大方位を有し、かつ鋼
板の中心層の集合組織が、同じくBunge のオイラー角表
示で、φ1 =90°、Φ=60°、φ2 =45°の方位から5
°以内に極大方位を有することを特徴とする一方向性電
磁鋼板用の一次再結晶焼鈍板。 - 【請求項3】C:0.005 〜0.08wt%、 Si:2.0 〜4.5 wt%、 Mn:0.03〜2.5 wt%を含有し、かつAl:0.003 〜0.050
wt%、 Se:0.003 〜0.050 wt%、 S:0.003 〜0.050 wt%、 Sb:0.001 〜0.3 wt%、 Sn:0.001 〜0.3 wt% のうちから選んだ一種または二種以上を含有する組成に
なる珪素鋼スラブを、熱延し、必要に応じて熱延板焼鈍
を施したのち、一回または中間焼鈍を挟む二回以上の冷
間圧延によって最終板厚とし、ついで一次再結晶焼鈍を
施すことによって得られる、請求項1または2記載の一
方向性電磁鋼板用の一次再結晶焼鈍板。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP23375399A JP3551849B2 (ja) | 1999-08-20 | 1999-08-20 | 一方向性電磁鋼板用の一次再結晶焼鈍板 |
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WO2015045397A1 (ja) | 2013-09-26 | 2015-04-02 | Jfeスチール株式会社 | 方向性電磁鋼板の製造方法 |
WO2022186299A1 (ja) | 2021-03-04 | 2022-09-09 | Jfeスチール株式会社 | 方向性電磁鋼板の製造方法および方向性電磁鋼板用熱延鋼板 |
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-
1999
- 1999-08-20 JP JP23375399A patent/JP3551849B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US9978489B2 (en) | 2013-09-26 | 2018-05-22 | Jfe Steel Corporation | Method of producing grain oriented electrical steel sheet |
WO2022186299A1 (ja) | 2021-03-04 | 2022-09-09 | Jfeスチール株式会社 | 方向性電磁鋼板の製造方法および方向性電磁鋼板用熱延鋼板 |
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KR20230151019A (ko) | 2021-03-04 | 2023-10-31 | 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 | 방향성 전자 강판의 제조 방법 및 방향성 전자 강판용 열연 강판 |
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