JP2001059050A - 機能性樹脂組成物及び電気・電子部品用基板の処理方法 - Google Patents

機能性樹脂組成物及び電気・電子部品用基板の処理方法

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JP2001059050A
JP2001059050A JP11353349A JP35334999A JP2001059050A JP 2001059050 A JP2001059050 A JP 2001059050A JP 11353349 A JP11353349 A JP 11353349A JP 35334999 A JP35334999 A JP 35334999A JP 2001059050 A JP2001059050 A JP 2001059050A
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resin
functional resin
functional
electric
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Yutaka Hironaka
豊 弘中
Takao Miura
孝夫 三浦
Michio Suzuki
教夫 鈴木
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Seiko Advance Ltd
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Earth Chemical Co Ltd
Seiko Advance Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗膜の乾燥のための加熱やはんだ付けにおけ
る熱により劣化せず、耐熱性に優れ、十分に害虫防除効
果を得ることができる機能性樹脂組成物、及びそれを用
いて電気・電子部品用基板を処理する方法を提供する。 【解決手段】 害虫防除成分を配合する樹脂組成物であ
って、該樹脂がエポキシ系樹脂と尿素系樹脂及び/又は
メラミン系樹脂であることを特徴とする機能性樹脂組成
物。前記エポキシ系樹脂に対する前記尿素系樹脂及び/
又はメラミン系樹脂の配合割合が30〜70重量%であ
ること、また害虫防除成分がピレスロイド系化合物であ
ることが好ましい。機能性樹脂組成物の具体例は塗料、
インキ等である。それを用いる電気・電子部品用基板の
処理方法、及び処理した電気・電子部品、各種電気製
品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性に優れた害
虫防除効力を有する塗料、インキ等の機能性樹脂組成
物、電気・電子部品用基板の処理方法及び電気・電子部
品、各種電気製品に関し、特に、耐熱性に優れ、害虫防
除機能が低下しない機能性樹脂組成物、電気・電子部品
用基板の処理方法及びそれにより処理された電気・電子
部品、各種電気製品に関する。本発明の機能性樹脂組成
物は、塗料、インキ、ペースト、粉体、プリント配線板
の絶縁層用の含浸樹脂液など多様な形態で各種電気・電
子部品や各種電気製品に利用できるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、害虫防除剤を家具や電気製品に適
用する場合には、その一つの態様として例えば害虫防除
成分を含有させた塗料をこれらの家具や電気製品に塗布
して塗膜を形成させる手段などが採用されている。ま
た、電気製品の中でもゴキブリの生息に適した高い温度
の電源部等を有する電気製品等では高温となる部分にゴ
キブリなどが入りやすいので、電気・電子部品及び通信
機器あるいは台所用品にゴキブリ等の侵入を防止するた
めに、侵入経路及び機器内部の行動潜伏部位を塗料のよ
うな害虫防除製剤で処理することが知られている。例え
ば、害虫防除塗料として、アクリル樹脂、シリコーン樹
脂、ウレタン樹脂等を溶剤に溶解した塗料に害虫防除成
分を配合した種々の害虫防除塗料が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
害虫防除塗料は、害虫防除成分を塗料やインキ等に混合
して使用した場合、樹脂の種類によっては害虫防除成分
をを包み込んで表面に出てこないため効果が得られなか
った。更に、これまでの害虫忌避塗料は粘ちょうであっ
たため、塗布後に処理面がべたつくことがあり、ごみや
埃が付着して害虫忌避効力が低下するという問題点もあ
った。その上、上記のように、害虫防除成分が塗料に対
して少量であると、塗料中の樹脂や他の配合物資に閉じ
込められて忌避効果がほとんど無くなるため、その塗料
中の害虫防除成分の含有量を多量にする必要があるとさ
れており、例えば、少なくとも5重量%以上配合する必
要があって、コスト高になる一方、60重量%を越える
大量の配合を行うと実装回路板の害虫忌避塗料として使
用したとき、回路板の絶縁性を損ねるという問題点もあ
った。
【0004】このように、従来の害虫防除製剤は、害虫
防除成分をインキや塗料等に混合して使用した場合、樹
脂の種類によっては害虫防除剤を包み込んで表面に出て
こないため効果が得られなかった。また、被印刷体が金
属やプラスチックの場合には、熱をかけて塗膜を形成さ
せることもあり、この場合耐熱性のない害虫防除剤では
熱分解を起こしたり、高温で揮散したりして充分な害虫
防除効力が得られなかった。
【0005】すなわち、たとえ、害虫防除成分と樹脂を
組合せて塗料やインキを作製する場合において、害虫防
除成分の揮散性の点から害虫防除成分を選択し、かつ塗
膜の耐久性等から樹脂を選択することにより、害虫防除
成分の徐放性や塗膜の耐久性等の面では十分な性能が得
られたとしても、依然として回路板の絶縁性を損ねた
り、プリント配線板構成材料との密着性が確保できない
という問題点が残った。また、害虫防除塗料を回路板等
に塗布したものにおいては、その使用上充分な害虫防除
効果が得られないという問題があった。
【0006】害虫防除塗料に使用される樹脂としては、
アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等が知ら
れており、特に耐熱性樹脂としてはエポキシ樹脂も知ら
れている。しかし、樹脂にエポキシ樹脂を使用したのみ
では害虫防除効果が高くなかった。さらに、電気製品や
電気・電子部品に使用されるプリント基板等のはんだ付
け時には240℃の熱がかかるため、通常の樹脂では使
用できず、耐熱性を有し、かつ害虫防除機能を有するも
のが必要となる。
【0007】本発明は、このような従来の問題点を解決
しようとするものであり、回路板等に塗布して塗膜を形
成させるのに使用する塗料や印刷されるインキ等におい
て、塗膜の乾燥のための加熱やはんだ付けにおける熱に
より劣化せず、かつ中に含有させた害虫防除成分が熱に
より分解せず、あるいは揮散して失われることがない、
耐熱性に優れ、害虫防除効力を維持できる機能性樹脂組
成物を提供することを目的とするものである。また、本
発明は、耐熱性に優れ、十分に害虫防除効果を得ること
ができる害虫忌避塗料のような機能性樹脂組成物を提供
することを目的とする。さらに、本発明は、耐熱性や徐
放性が優れているばかりでなく、回路板の絶縁性や銅箔
等との密着性も損なわない害虫防除塗料のような機能性
樹脂組成物、前記機能性樹脂組成物を用いる基板の処理
方法及び前記機能性樹脂組成物により処理された電気・
電子部品、各種電気製品を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
耐熱性があり、かつ害虫防除成分の機能を低下させない
機能性樹脂組成物を検討した結果、エポキシ系樹脂と尿
素系樹脂又はメラミン系樹脂を用いた樹脂組成物に害虫
防除成分を配合した場合には、上記課題を解決すること
ができることを見いだし、それを基礎として本発明を完
成した。
【0009】本発明は、下記の手段により、上記課題を
解決した。 (1)害虫防除成分を配合する樹脂組成物であって、該
樹脂がエポキシ系樹脂と尿素系樹脂及び/又はメラミン
系樹脂であることを特徴とする機能性樹脂組成物。 (2)前記エポキシ系樹脂に対する前記尿素系樹脂及び
/又はメラミン系樹脂の配合割合が30〜70重量%で
ある前記(1)記載の機能性樹脂組成物。 (3)剥離防止剤を添加することを特徴とする前記
(1)又は(2)記載の機能性樹脂組成物。 (4)前記剥離防止剤がスルホン酸及びその塩であるこ
とを特徴とする前記(3)記載の機能性樹脂組成物。 (5)前記害虫防除成分がピレスロイド系化合物である
ことを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか1項記
載の機能性樹脂組成物。 (6)電気・電子部品用基板の作成工程の最後で、かつ
実装工程の前に、前記電気・電子部品用基板を前記
(1)〜(5)のいずれか1項記載の機能性樹脂組成物
で処理することを特徴とする電気・電子部品用基板の処
理方法。 (7)前記(1)〜(5)のいずれか1項記載の機能性
樹脂組成物で処理した電気・電子部品、各種電気製品。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳しく説明する。本発明で使用される害虫防除成分と
しては、ピレスロイド系化合物、カバメイト系化合物、
有機リン系化合物等任意であるが、特に高温で揮散しに
くいよう、蒸気圧の低いピレスロイド系化合物が好まし
い。 (イ)ピレスロイド系化合物: ・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シ
クロペンテニル dl−シス/トランス−クリサンテマ
ート ・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シ
クロペンテニル d−シス/トランス−クリサンテマー
ト ・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シ
クロペンテニル d−トランス−クリサンテマート ・d−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シク
ロペンテニル d−トランス−クリサンテマート
【0011】・(5−ベンジル−3−フリル)メチル
d−シス/トランス−クリサンテマート ・5−プロパギル−2−フリルメチル− d−シス/ト
ランス−クリサンテマート ・(+)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピ
ニル)−2−シクロペンテニル(+)−シス/トランス
−クリサンテマート ・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シ
クロペンテニル−dl−シス/トランス−2,2,3,
3−テトラメチルシクロプロパンカルボシキラート ・(1,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1,3−
ジオキソ−2−イソインドリル)メチル−dl−シス/
トランス−クリサンテマート
【0012】・(1,3,4,5,6,7−ヘキサヒド
ロ−1,3−ジオキソ−2−イソインドリル)メチル−
d−シス/トランス−クリサンテマート ・3−フェノキシベンジル−d−シス/トランス−クリ
サンテマート ・3−フェノキシベンジル−dl−シス/トランス−3
−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1
−シクロプロパンカルボオキシラート ・(±)α−シアノ−3−フェノキシベンジル(+)−
シス/トランス−クリサンテマート ・(±)α−シアノ−3−フェノキシベンジル dl−
シス/トランス−3−(2,2−ジメチル−1−シクロ
プロパンカルボキシラート
【0013】・d−トランス−2,3,5,6−テトラ
フルオロベンジル−3−(2,2−ジクロロビニル)−
2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシレー
ト ・〔2,5−ジオキソ−3−(2−プロピニル)−1−
イミダゾリジニル〕メチル(±)−シス/トランス−ク
リサンテマート ・〔1R−〔1α(S),3α〕〕−シアノ(3−フェ
ノキシフェニル)メチル3−(2,2−ジブロモエチニ
ル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレー
ト ・シアノ(3−フェノキシフェニル)メチル 2,2−
ジメチル−3−(1,2,2,2−テトラブロモエチ
ル)−シクロプロパンカルボキシレート(以下「化合物
A」という) ・シアノ(3−フェノキシフェニル)メチル 2,2−
ジメチル−3−(2−メチルプロポ−1−エニル)−シ
クロプロパンカルボキシレート
【0014】(ロ)カーバメート系化合物:具体的に
は、フェノブカーブ、カルバリル、キシリルカーブ、エ
チオフェンカーブ、メトルカーブ、プロメカーブ、スエ
ップ、プロポキサー等。 (ハ)有機リン系化合物:具体的には、クロルピリホ
ス、シアノホス、ダイアジノン、ジクロルボス、フェニ
トロチオン、フェンチオン、マラチオン、ピリミホスメ
チル、プロチオホス、サリチオン、テトラクロルビンホ
ス、トリクロルホン、ブロモホス、プロペタンホス、ナ
レド等。 (ニ)幼若ホルモン活性化合物:具体的には、メソプレ
ン、ヒドロプレン、ピリプロキシフェン、フェノキシカ
ーブ等。 (ホ)キチン合成阻害剤:ジフルベンズロン、クロルフ
ルアズロン、テフルベンズロン、トリフルムロン、フル
フェノクスロン、フルシクロクスロン、ヘキサフルムロ
ン等。 (ヘ)その他:ジメチル−m−トルアミド等のジアルキ
ル−m−トルアミド類、タブトレックス、ジ−n−プロ
ピル−イソシンコメロネート(レッパー333)等。
【0015】これは、機能性樹脂組成物が塗料の場合、
電気・電子部品、各種電気製品の基材に塗布して塗膜を
形成させるようにして適用されるが、塗装作業において
は通常作業時間を短縮するために加熱乾燥が行われる
が、その工程の温度が高いため、害虫防除成分の蒸気圧
が高いものは、その工程中に大部分が揮散してしまい、
乾燥後の塗膜中の害虫防除成分の含有量が著しく低下し
て、塗膜を形成させた製品の害虫防除効果が著しく小さ
くなるためである。しかも、その塗膜の厚さは薄く、乾
燥前ではその塗膜の粘度は小さいために、害虫防除成分
が容易に塗膜内を移動できるため、塗膜中に害虫防除成
分が残存しにくいことになる。
【0016】また、本発明では、害虫防除成分を保持さ
せるために一緒に使用する樹脂は、この害虫防除製剤が
塗料の場合、塗装工程において加熱乾燥する場合におい
て、その温度に耐えるためにも耐熱性であることが求め
られ、その耐熱性はその工程に耐えられるような条件で
あり、その耐熱性を満たす樹脂として、エポキシ系樹脂
を用いるものである。エポキシ系樹脂としては、ハロゲ
ン化ビスフェノール型、レゾルシン型、ビスフェノール
A型、ビスフェノールF型、テトラヒドロフェニルエタ
ン型、ノボラック型、ポリアルコール・ポリグリコール
型、グリセリントリエーテル型、ポリオレフィン型、臭
化物型、アミン型、またはエポキシ化大豆油等があり、
必要に応じてジエチレントリアミン、トリエチレンテト
ラミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニル
スルホンポリアミド等のアミン系硬化剤又は無水フタル
酸、ヘキサヒドロフタル酸無水物、ピロメリット酸無水
物、無水マレイン混合物等の有機酸無水物系硬化剤が使
用できる。その他、主成分がアルミナ、ジルコニア、黒
鉛などである無機系耐熱性接着剤も併せて使用できる。
【0017】本発明の機能性樹脂組成物において、エポ
キシ系樹脂と混合される尿素系樹脂又はメラミン樹脂と
しては、尿素系樹脂の場合、周知の尿素ホルムアルデヒ
ド樹脂が用いられ、またメラミン樹脂の場合、メチル化
メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂の2種があり、い
ずれも用いられる。エポキシ系樹脂に対する尿素系樹脂
又はメラミン樹脂の混合比率としては、特定の範囲に限
定されるものではないが、好ましい範囲としては、主剤
のエポキシ系樹脂に対し尿素系樹脂の混合比率は、20
〜35:15〜25の範囲である。但し、この混合比率
は重量比率・樹脂分比率である。エポキシ系樹脂に対す
るメラミン樹脂の混合比率もこれとほぼ同様である。前
記の混合比率を重量%で示すと、30〜70重量%であ
る。
【0018】本発明の機能性樹脂組成物には、適宜、硬
化剤、反応促進剤、耐熱性向上剤、耐候性向上剤、溶剤
等を添加することができる。前記の尿素系樹脂及び/又
はメラミン樹脂は、エポキシ系樹脂について硬化剤の作
用もすることが報告されているが、本発明の機能性樹脂
組成物においては、エポキシ系樹脂に多量に配合されて
いるので、尿素系樹脂及び/又はメラミン樹脂はエポキ
シ系樹脂に対する硬化剤として添加されることを意図し
たものではない。一般的塗料においては、エポキシ系樹
脂のエポキシ基と他の樹脂のアミノ基が反応し、塗膜を
形成するものであれば、種々のものが使用されるが、本
発明においては、害虫防除成分の効力持続性及び整合性
の観点から尿素系樹脂又はメラミン系樹脂を選択するも
のである。メラミン系樹脂としては、メラミン樹脂等の
ホルマリンとの重合体を含むものである。本発明におい
ては、尿素系樹脂又はメラミン系樹脂は害虫防除性向上
剤として機能しているものとみられる。
【0019】また、本発明において、剥離防止剤とは、
プリント基板のはんだ付け工程等の高温となるときにお
いても、塗料、インキ等の性能が低下することなくかつ
害虫防除効果に影響のない樹脂組成物を得るために有用
な化合物であり、酸、スルホン酸及びその塩が使用され
る。特に好ましくはスルホン酸及びその塩である。その
添加量は組成物全体の0.5〜2.5wt%が好まし
い。本発明において、促進剤としては、前記したスルホ
ン酸の他、リン酸、クエン酸、マレイン酸、フタル酸、
ルイス酸等を挙げることができる。その添加量は組成物
全体の0.5〜2.5wt%が好ましい。これらは2種
以上使用することができるが、例えば2種のスルホン酸
を使用し、その1種が促進剤、他の1種が剥離防止剤と
して使用するということもできる。この場合、例えば、
促進剤として使用するスルホン酸としては活性化温度が
105℃のものを使用し、剥離防止剤として使用するス
ルホン酸としては活性化温度が80〜95℃のものを使
用するのが好ましい。本発明の機能性樹脂組成物の使用
上の形態としては、前記した塗料、特に耐熱性塗料の
他、インキ、耐熱性接着剤、耐熱性ワニスなどが挙げら
れる。さらに、この機能性樹脂組成物の適用対象とし
て、パソコン、ファクシミリ、ワープロ、電話機、ファ
クシミリ、プリンターなどのOA機器や、電子レンジ、
テレビ、電気冷蔵庫などの家庭電気製品、その他これら
の電気製品に使用される電気・電子部品が挙げられる。
これら以外にも熱をかけるものについて使用することが
できる。
【0020】本発明の機能性樹脂組成物における害虫防
除成分については前記したような種類のものが挙げられ
るが、その中でも、ピレスロイド系化合物が好ましく使
用できる。上記害虫防除成分は、1種単独で又は2種以
上を組み合わせて使用することができる。この害虫防除
成分は、人の生活空間での害虫防除を行うものであるか
ら、当然ながら人に対して薬害が極めて低いものであっ
て、安全性の高いものでなければならない。本発明の機
能性樹脂組成物における害虫防除成分の含有量は、広い
範囲で変えることができ、機能性樹脂組成物のの形態に
よっても大きく変わるのであるが、樹脂との重量比でい
うと、例えば害虫防除成分:樹脂で1:1〜1:100
0であり、好ましくは1:5〜1:20であるが、その
他の範囲であってもよい。
【0021】本発明の機能性樹脂組成物は、上記成分の
ほかに、忌避剤を含有してもよい。さらに、本発明の機
能性樹脂組成物である塗料は、必要に応じて、帯電防止
剤、難燃剤、酸化防止剤等の樹脂添加剤を含有してもよ
い。酸化チタンなどの添加剤を含有したものは有用であ
る。本発明の機能性樹脂組成物における組成を具体的に
示すために、インキの組成例を第1表に示す。なお、そ
の組成における割合は重量パーセントである。
【0022】
【表1】
【0023】本発明の機能性樹脂組成物である害虫防除
塗料は、その使用量が、塗布した場合は1m2 当たり2
0〜60ミリリットルとすることができ、1m2 当たり
30〜50ミリリットルが好ましい。本発明の機能性樹
脂組成物は、顆粒、粉体などの固形物としては、その使
用量が、散布した場合は1m2 当たり1〜20gとする
ことができ、1m2 当たり5〜15gが好ましい。
【0024】本発明の機能性樹脂組成物は、例えば有機
溶媒に溶解した塗料溶液として調製され、そのまま所望
の位置へ塗布したり、シート状あるいはテープ状の基材
に含浸あるいは塗布して用いられる。場合により水系の
分散液として調製することもできる。またインキとして
調製し、所望の位置へ印刷、印字するなどして用いられ
る。上記シート状あるいはテープ状の基材としては、
紙、プラスチック、スポンジ、多孔体等があげられ、そ
の厚みは適宜決められるが、通常1〜3mm程度であ
る。
【0025】本発明の機能性樹脂組成物を用いる場合に
は、それが施された個所において最大の効果を発揮でき
るような態様、或いは時期に用いられる。特に、本発明
の機能性樹脂組成物からなる塗料やインキを電気・電子
部品、各種電気製品に用いる場合には、それらは製造工
程の数も多いし、またその塗料、インキによる電気的特
性への影響の問題を考えて最適の使用態様を選択する必
要がある。例えば、本発明の忌避インキでプリント配線
板を処理する場合を考えると、一般的なプリント配線板
の作成工程では、その工程が、(レジスト印刷)−(ソ
フトエッチング)−(洗浄)−(ハンダレベラー)−
(洗浄)−(乾燥)−(包装)という順序となっている
ので、その処理をどこで行うかによって、その忌避イン
キの効果やプリント配線板の性能に大きく変わる可能性
がある。本発明においては、前記のプリント配線板を処
理する場合では、前記の(乾燥)と(包装)の工程の間
とするのが適当であり、電気・電子部品、各種電気製品
への適用でも同様とする。
【0026】これを具体的にいえば、忌避インキの処理
をプリント配線板作成の工程において、レジスト印刷や
ハンダ処理等を実施した最後に、約150℃で5分から
60分(好ましくは10〜30分)硬化させることによ
り、その後の半導体や抵抗を形成させる実装工程におい
ても、影響を受けず、インキ性能を変化させることな
く、忌避インキで基板に処理することができる。なお、
前記の硬化のための加熱条件は、前記インキや塗料の組
成により変わり、加熱温度は約150℃に限らず、その
上下であることができ、加熱時間もある範囲で変化し得
る。
【0027】従来から行われている通常の配線板作成工
程では、ピン穴開けやメッキ処理、レジスト印刷などが
あり、そこで酸やアルカリ、熱や光などのさまざまな物
理的、化学的処理を受けるために、前記インキ中の有効
成分が分解などの作用を受け、忌避効果の低下につなが
る。また、実装工程で噴霧処理すると、ICやコンデン
サーなどのさまざまな電子部品にも暴露し、それぞれの
材質への付着性や電気的性能を調べる必要があり、労力
と時間を要する。そこで、配線板作成の最終工程で処理
すると、配線板作成工程で受けるさまざまな要因を回避
して処理することができる。また、その後の実装工程で
問題となるのは熱処理であるが、本発明で使用するイン
キは、耐熱性と熱による剥離防止の性能を保有している
ので、忌避材及びインキの機能を低下させることなく、
またプリント基板の性能への影響を与えることなく処理
ができ、忌避機能を保有したプリント配線板を得ること
ができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されな
い。
【0029】実施例1(スクリーンインキの調製) エポキシ樹脂と尿素樹脂を混合し、これにキシロール、
エチレングリコールモノブチルエーテルなどの溶剤を添
加して溶解し、それに他の添加剤を加えて混合し、さら
に害虫防除成分を添加して混合することにより、次の組
成の害虫防除成分含有インキを調製した。その組成を第
2表に示す。なお、第2表中の数値は重量パーセントで
ある。また、液剤中の害虫防除成分は、前記化合物Aを
使用した。 (使用エポキシ樹脂) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 分子量 : 1600 エポキシ当量: 850〜1000 比較例1〜2 比較のため、2種のスクリーンインキを調製した。比較
例1及び2の組成を第3表及び第4表に示す。
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】試験例1〔ゴキブリの防除率の測定〕 (試験片の調製)実施例1及び比較例1〜2で調製した
各スクリーンインキを用いて回路基板用板を処理し、一
辺10cmの正方形に切断した板を試験片とする。 (試験)1m×1mのパット内に、シェルターと水を設
置した。さらに、そのパット内に処理サンプル及び同じ
大きさの無処理サンプルを置き、これらの上に同一重量
の角砂糖を乗せた。パット内にチャバネゴキブリ雄雌各
100匹を放ち、48時間放飼した。48時間後の角砂
糖の重量減少量から下記数式により防除率を算出した。 防除率(%)=〔(A−B)/A〕×100 A:無処理サンプル上の餌の減少量 B:処理サンプル上の餌の減少量 忌避率の測定結果を第5表に示す。この場合の測定値は
「初期値」として示す。
【0034】試験例2〔耐熱性試験〕 (試験片)防除率の測定のため調製した各サンプルを2
50〜260℃で150秒処理したものを試験片とし
た。 (ゴキブリの防除率の測定)これらの試験片について同
様にゴキブリの防除率を測定した。これらの測定結果を
第5表に示す。
【0035】
【表5】
【0036】実施例2〜3、比較例3 忌避インキとして実施例1のスクリーンインキを用いて
プリント配線基板を処理する場合における処理時期の違
いによる処理効果を測定した。 (使用した忌避インキ) ・実施例1のスクリーンインキ (処理時期を異ならせた試料) プリント配線板処理工程の最後に忌避インキを塗布
し、150℃で10分加熱硬化させて処理した基板をリ
フロー(ポイント両面処理)を施してプリント配線板モ
デル。−(実施例2) プリント配線板処理工程の最後に忌避インキを塗布
し、150℃で10分加熱硬化させて処理した基板をフ
ロー(どぶずけ片面処理)を施してプリント配線板モデ
ル。−(実施例3) プリント配線板処理工程のレジスト印刷直後、ハンダ
レベラー前のソフトエッチング前に忌避インキを塗布
し、150℃で10分加熱硬化させて処理した基板をリ
フローを施したプリント配線板モデル。−(比較例3)
【0037】(ゴキブリの防除率の測定)上記の試料
〜を用いて試験例1と同じ試験方法で、ゴキブリの防
除率(忌避率)を測定した。その測定結果を第6表に示
す。第6表によれば、プリント配線板処理工程の最後に
忌避インキで処理した基板は、忌避率が大きいが、比較
例3のプリント配線板処理工程の初期段階である、レジ
スト印刷工程の後、ソフトエッチング工程の前に忌避イ
ンキで処理した基板は、忌避率が小さいことが示されて
いる。
【0038】
【表6】
【0039】
【発明の効果】本発明の機能性樹脂組成物は、上記のよ
うな耐熱性を有する液剤、粘ちょう剤、粉剤等であるた
め、これを塗料やインキに利用すれば、塗装時及び塗装
後の製品加工に熱を使用する製品に害虫防除効力を持た
せることが可能となり、例えば金属やプラスチックへの
塗装処理、印刷、プリント基板やプラスチックシートな
ど塗装後に熱処理をする製品やハンダ付けにより熱を受
ける製品にも使用することにより熱処理を受けても充分
な害虫防除効力を有する製品を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 孝夫 兵庫県赤穂市三樋46 城西リーバーハイツ 206 (72)発明者 鈴木 教夫 埼玉県蓮田市根金1575 株式会社セイコー アドバンス内 Fターム(参考) 4H011 AC01 AC02 AC06 BA01 BB15 BC07 BC19 DA23 DF02 DH05 DH08 4J002 CC162 CC182 CD011 CD041 CD051 CD061 CD071 CD121 CD131 CD161 EH107 EV256 FD187 FD206 GQ05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 害虫防除成分を配合する樹脂組成物であ
    って、該樹脂がエポキシ系樹脂と尿素系樹脂及び/又は
    メラミン系樹脂であることを特徴とする機能性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 前記エポキシ系樹脂に対する前記尿素系
    樹脂及び/又はメラミン系樹脂の配合割合が30〜70
    重量%である請求項1記載の機能性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 剥離防止剤を添加することを特徴とする
    請求項1又は請求項2記載の機能性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記剥離防止剤がスルホン酸及びその塩
    であることを特徴とする請求項3記載の機能性樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 前記害虫防除成分がピレスロイド系化合
    物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項
    記載の機能性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 電気・電子部品用基板の作成工程の最後
    で、かつ実装工程の前に、前記電気・電子部品用基板を
    請求項1〜5のいずれか1項記載の機能性樹脂組成物で
    処理することを特徴とする電気・電子部品用基板の処理
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか1項記載の機能
    性樹脂組成物で処理した電気・電子部品及び各種電気製
    品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006212865A (ja) * 2005-02-02 2006-08-17 Jfe Galvanizing & Coating Co Ltd プレコート鋼板

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