JP2001057346A - レーザ加工方法およびレーザ加工装置 - Google Patents

レーザ加工方法およびレーザ加工装置

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JP2001057346A
JP2001057346A JP11232090A JP23209099A JP2001057346A JP 2001057346 A JP2001057346 A JP 2001057346A JP 11232090 A JP11232090 A JP 11232090A JP 23209099 A JP23209099 A JP 23209099A JP 2001057346 A JP2001057346 A JP 2001057346A
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gas
laser
waveform
voltage
main electrodes
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JP11232090A
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Tsutomu Sumino
努 角野
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザビームの広がり角等のレーザビームの
質を制御することによって、高精度のレーザ加工が施せ
るレーザ加工方法とその装置。 【解決手段】 電極間の電圧波形又は電流波形を測定
し、それを基準値と比較した比較結果に基づいてガス封
入容器14内のレーザ媒質ガスの状態を変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ加工技術に
関し、特に、パルスガスレーザにおいて、レーザ媒質ガ
スのインピーダンスの変化に伴うレーザ光の時間波形、
広がり角などのビーム質の劣化を抑制して、精度のよい
安定したレーザ加工を行う技術に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、パルスガスレーザのレーザ媒質
ガスは、励起放電によりレーザ発振を続けると、ガスの
組成比が変化する。その際、レーザビームの光波形、広
がり角などのレーザビームの質が変化する。レーザビー
ムの広がり角等のビームの質が変化すると、光学系の伝
送効率が変わる。そのため、レーザビームのエネルギを
測定するエネルギモニタを所定箇所に設け、このエネル
ギーモニタに光波形モニタを設置して光波形モニタして
いる。そして、この光波形モニタの測定結果に応じてレ
ーザ媒質ガスを変化させることでレーザビームの質の劣
化を制御している。
【0003】すなわち、図15に示すように光波形は、
発振直後は曲線P1に示すように、最初のピークと次の
ピークの山の高さを比較すると、最初の山が高く次の山
の高さとの差が大きい、しかし、放電を繰返すことによ
り、レーザ媒質ガスが変化すると曲線P2に示すよう
に、発振直後の波形が崩れて最初のピークと次のピーク
との高さの差が少なくなってきて発振状態が変化してし
まう。
【0004】また、図16に示すようにレーザビームの
広がり角は、発振後にパルス数が増加するにしたがって
広がってくる。そして、この広がり角が大きくなるにつ
れてレーザビームの質が劣化してしまう。
【0005】図17はパルスガスレーザ装置の一例を示
す模式構成図である。すなわち、所定距離を置いて対向
して配置し、一対の主電極を構成するカソード51とア
ノード52は、密閉容器である封入ガス容器53の中に
収納されている。カソード51には高電圧パルス電源5
4が接続され、アノード52は接地されている。また、
封入ガス容器53には管路55でガス供給ユニット56
が接続されている。このガス供給ユニット56には図示
しないガスボンベの中にレーザ媒質ガスが貯蔵されてバ
ルブを介して封入ガス容器53に供給できるようになっ
ている。
【0006】また、ガス封入容器53の電極51、52
間の中央横手方向(紙面の水平方向)の一方の外側に
は、全反射ミラー57が設けられており、また、もう一
方には出力ミラー58が設けられて共振器を形成してい
る。出力ミラー58の光軸上の前方にはミラー59を介
して光波形測定器60が設けられている。さらに、光波
測定器60の前方には光波形制御装置61が設けられて
いる。この光波形制御装置の61出力はガス供給ユニッ
ト56に接続している。
【0007】光波形測定器60は、例えば高速フォトト
ランジスタやフォトマル等で構成されたものであり、入
射したレーザ光の光強度に応じた電流を発生する。この
光波形検出器60で発生した電流信号は、電流/電圧変
換器によって電圧信号に変換され、電圧波形を測定し
て、光波形の波高値、周期を測定し、それにもとづいて
封入ガス容器53にレーザ媒質ガスを供給する制御を行
っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のように
光波形の変化は、光波形モニタを設置してレーザ媒質ガ
スを変化させることでビーム質の劣化を抑制している
が、広がり角はレーザ発振器の放電の放電幅に起因する
ものなので、光波形の変化とは異なるため、光波形モニ
タでの制御では広がり角の補正を行うことはできない。
【0009】また、広がり角が変化して、レーザビーム
の質が劣化すると、被加工体にレーザビームを照射した
際に、加工条件が変化してプロセス異常を招くことにな
る可能性があり、被加工体に所定の処理を行うことがで
きない。
【0010】本発明はこれらの事情にもとづいて成され
たもので、レーザビームの広がり角等のレーザビームの
質を制御することによって、高精度のレーザ加工が施せ
るレーザ加工方法とその装置を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明による手
段によれば、対をなす主電極を内部に収納しレーザ媒質
ガスが封入されているガス封入容器の両外側にミラーを
配置して形成した光共振器で、放電回路により前記主電
極を放電させて前記レーザ媒質がガスを励起させ前記光
共振器で発振したレーザ光で被加工体を加工するレーザ
加工方法において、前記主電極間の電圧波形又は電流波
形を測定し、それを前記電圧波形又は電流波形に関する
基準値と比較した結果に基づいて前記ガス封入容器内の
レーザ媒質ガスの状態を変化させることを特徴とするレ
ーザ加工方法である。
【0012】また請求項2の発明による手段によれば、
前記電圧波形又は前記電流波形に関する基準値との比較
は、前記電圧波形又は前記電流波形の立ち上がり時間、
周期、波高値について行うことを特徴とするレーザ加工
方法である。
【0013】また請求項3の発明による手段によれば、
対をなす主電極を内部に収納しレーザ媒質ガスが封入さ
れているガス封入容器の両外側にミラーを配置して形成
された光共振器と、放電回路により前記主電極を放電さ
せて前記レーザ媒質ガスを励起させ前記共振器でレーザ
発振するに際し、前記主電極間に放電を生じせしむ電力
を供給する電源と、前記レーザ光で加工される被加工体
を載置台とを具備するレーザ加工装置において、前記主
電極間の電圧波形又は電流波形を測定する測定手段と、
この測定手段で測定した測定値と前記電圧波形又は電流
波形に関する基準値とを比較して電圧又は電流を制御す
るレーザ光制御手段とを有していることを特徴とするレ
ーザ加工装置である。
【0014】また請求項4の発明による手段によれば、
前記レーザ光制御手段は、前記測定値と前記基準値とを
比較した結果により、前記ガス封入容器内のガスの状態
を変化させる指令を行うことを特徴とするレーザ加工装
置である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の形
態について説明する。
【0016】図1は、本発明の実施形態に係るガスレー
ザ装置の構成を示す図である。
【0017】すなわち、1は高電圧電源、2は高電圧ト
リガ装置、3は充電抵抗、4は高電圧スイッチ、5はメ
インコンデンサ、6はピーキングコンデンサ、7は予備
電離電極である。主電極は対向する一対のカソード8と
アノード9で形成されている。このカソード8とアノー
ド9は、密閉容器であるガス封入容器14の中に収納さ
れている。また、10は充電用のインダクタンスであ
る。カソード8には電圧プローブ11が接続され、この
電圧プローブには電圧波形制御装置(レーザ光制御手段
の一種)12が接続されている。また、電圧波形制御装
置12には、出力測定器15とガスバルブ駆動ユニット
13が接続されている。ガスバルブ駆動ユニットはガス
バルブ18に接続している。ガスバルブ18は、Krガ
スバルブ18a、F2ガスバルブ18b、Neガスバル
ブ18cがそれぞれ設けられ、各バルブ18a、18
b、18cは、ガスボンベ19の各ガスボンベ19a、
19b、19cに接続している。
【0018】次に、これらの構成によるレーザ発振の動
作についてKrFエキシマレーザを例にして説明する。
【0019】まず、ガス封入容器14にレーザ媒質ガス
を封入する。高電圧電源1によって、メインコンデンサ
5をインダクタンス10を通して充電する。高電圧トリ
ガ装置2から高電圧スイッチ4へ高電圧トリガパルスを
送出すると高電圧スイッチ4が導通状態となる。高電圧
スイッチ4が導通状態になると予備電離電極7のピン間
に放電が生じて、メインコンデンサ5の電荷がピーキン
グコンデンサ6へ移行する。移行した電荷によりピーキ
ングコンデンサ6の電圧が上昇しカソード8とアノード
9間の放電破壊電圧値以上になるとカソード8とアノー
ド9間に励起放電が発生する。
【0020】また、ガス封入容器14の外側には、図2
に示すように、全反射ミラー16と出力ミラー17が設
けれて光共振器を形成している。したがって、ガス素封
入容器14内カソード8とアノード9間に励起放電が発
生すると、光が増幅されレーザ発振にいたる。なお、出
力ミラー17の光軸上の前方には98%透過ミラー20
が設けられ、この98%透過ミラー20で反射した反射
光は出力測定器15に導かれている。
【0021】次に、本発明のビーム質変化抑制制御につ
いて説明する。カソード8とアノード9間の電圧を測定
する電圧プローブ1lを付加した例について説明をす
る。
【0022】図3は、電圧プローブ11の出力を示すグ
ラフである。この場合、放電回路は図4に示すような等
価回路に置き換えることができる。すなわち、30は浮
遊インダクタンス、31は放電抵抗である。つまり、励
起放電がレーザ媒質ガスの状態によって変化すると放電
回路定数が変化したことと等価になる。図3に示すよう
に、レーザ発振を続けると放電幅ΔTが変化し、レーザ
ビームの広がり角が変化する。
【0023】また、同様にレーザ発振を続けると図5に
示すように、放電回路定数が変化するため、その結果と
して光波形が劣化する。また、図5は発振パルス数に対
する光波形と広がり角の関係を示したグラフである。し
たがって電圧プローブ11の出力を一定になるように制
御をすることで、レーザビームの質の劣化を抑制するこ
とができる。
【0024】図6は、インダクタンスL、抵抗Rおよび
ピーキングコンデンサCとで形成した等価回路図で、ピ
ーキングコンデンサCに貯えられた電荷による電圧波形
は式1で示すことができる。
【0025】 V=k・sinγt・exp(−α・t)…………(1) k:定数、α=R/2・L、γ=sqr(l/CL−R
/4L) L、Cは既知値である。したがってΔVはRよって決ま
る。そこで、ΔVに着目しガス混合比の制御を、図1で
示したガス混合ユニット13で行い放電回路定数を変え
てこの値を一定にする。このとき、ガス混合比を変える
とレーザ出力も変化するため、図1で示した出力測定器
15でモニタし高電圧電源1の電圧値を変えレーザ出力
を一定にする。一般的には、図7に示すようにハロゲン
ガス(F )の濃度と放電抵抗Rの関係をグラフで示し
たもので、エキシマレーザでは活性なハロゲンガス(F
)量がもっとも変化する。したがって、このガスをま
ず注入して制御している。
【0026】これらの制御について、図8のフロー図で
説明する。
【0027】まず、初期状態の電圧ΔVを測定する(S
1)。次に発振動作中の電圧ΔVtを測定する(S
2)。その結果、両電圧の差|ΔV−ΔVt|が所定値
Kより大きいか否かを比較する(S3)。大きい場合に
は、ハロゲンガス(F)をL(pa)注入する(S
4)。少ない場合は、発振動作中の電圧ΔVtを測定を
継続する。このハロゲンガス(F)のL(pa)注入
は両電圧の差|ΔV−ΔVt|を測定しながらその後も
繰返し(S5、S6)、繰返し回数が3回になるか否か
を確認する(S7)。3回以内の場合はさらに継続し、
3回を超えた場合は、クリプトンガス(Kr)をM(p
a)注入する(S8)。このクリプトンガス(Kr)の
M(pa)注入は両電圧の差|ΔV−ΔVt|を測定し
ながらその後も繰返し(S9、S10)、繰返し回数が
3回になるか否かを確認する(S11)。3回以内の場
合はさらに継続し、3回を超えた場合は、ガス対策の要
求を出す(S12)。
【0028】次に、ガスレーザシステムを用いたレーザ
プロセス装置について説明する。
【0029】図9はその機能構成を示すものであり、3
1は上述のレーザ発振器である。このレーザ発振器31
は、ハロゲンガスとしてHClガスを用いたXeClエ
キシマレーザとし、高電圧電源32からの電力とトリガ
発生部33からのトリガパルスによりパルス状のレーザ
光を発振するものである。発振されたレーザ光は、回転
角に応じて減衰率が変化する可変減衰器(バリアブルア
ッテネータ)34、ミラー35を介してビームホモジナ
イザ36でライン状のビームとされた後、ミラー37で
反射され、プロセスチヤンバ38に設けられた石英ウイ
ンドウ39よりこのプロセスチャンバ38内に載置され
ているガラス基板40上に照射される。
【0030】このガラス基板40は、本実施例では表面
にa−Si(アモルファスシリコン)薄膜が堆積形成さ
れたものとしており、図示はしないがX−Y走査テーブ
ル(載置台)上に載置され、このテーブルによってX−
Y平面で走査移動される。そのため、基板表面のa−S
i薄膜が全面にわたってレーザ光に照射され、アニール
(多結晶化)プロセスが施されるようになっている。
【0031】しかるに上記ミラー35では、可変減衰器
34を介して送られてきたレーザ光の一部、例えば5%
を透過して光波形検出器41に送出する。この光波形検
出器41は、例えば高速フォトトランジスタやフォトマ
ル等で構成されるものであり、入射したレーザ光の光強
度に応じた電流を発生する。この光波形検出器で発生し
た電流信号は、図示しない電流/電圧変換器によって電
圧信号に変換され電圧波形が検出され、検出結果は、電
圧波形制御部へ伝達される。電圧波形制御部42は、レ
ーザ発振器31の封入ガス容器内のハロゲンガス濃度の
低下による光波形の経時変化を判断するもので、その判
断結果によって、高電圧電源1の発生電圧を制御する一
方、ハロゲンガス注入部43に対して該ガスチャンバ内
に新たにハロゲンガスの注入を指示し、また上記可変域
衰器34を回転駆動する。
【0032】しかるに、レーザ発振器31で連続してパ
ルス状のレーザ光を発振した場合、ガスチャンバ内のハ
ロゲンガスが劣化してその濃度が低下する前と後とでは
図10に示すように波形が変化する。
【0033】図中、実線がガス劣化前、破線がガス劣化
後の光強度波形を示すものであり、波形の積分値に相当
する全体としての出力エネルギと第1のピーク値に関し
てはレべルが低下するものの、反対に第2のピーク値に
関してはレべルが上がるような変化を生じる。
【0034】したがって、ガスが劣化してその濃度が低
下するのに伴って、第1のピーク値をE1、第2のピー
ク値をE2とすると、その比E2/E1は徐々に上昇し
ていくものとなる。
【0035】図11は封入ガス容器内におけるハロゲン
ガス(HCl)の濃度と、光パルスピーク比E2/E1
及び出力エネルギとの関係を示すものであり、ガスの濃
度が上がるに連れて出力エネルギが増加する一方、光パ
ルスピーク比E2/E1が減少していることがわかる。
【0036】また、図12は、図9で示した高電圧電源
32からレーザ発振器31に供給する電圧値を変化させ
た場合の光強度波形の変化を例示するものである。図中
に実線で示す電圧Va1での光強度波形と、破線で示す
電圧Va2(Va1>Va2)での光強度波形とを比べ
ても明らかなように、より高い電圧を加えることで、ハ
ロゲンガスの濃度を上げた場合と同様に、光パルスピー
ク比E2/E1及び出力エネルギを共に増加させること
ができるのがわかる。
【0037】さらに、図13はハロゲンガスの濃度を変
化させた場合の光強度波形の変化を例示するものであ
る。図中に実線で示すハロゲンC1での光強度波形と、
破線で示すハロゲンC2(C1の濃度>C2の濃度)で
の光強度波形とを比べても明らかなように、より高いガ
ス濃度のハロゲンガスを用いることで、光パルスピーク
比E2/E1及び出力エネルギを共に増加可能であるこ
とができるのがあらためて確認できる。
【0038】しかして、上記のようにハロゲンガスの濃
度を上げ、またこれと併せて高電圧電源1による供給電
圧の値を上げることによって、レーザ光の光強度波形を
光パルスピーク比E2/E1の低いものとすることがで
きる。
【0039】このような現象は、レーザ光による投入エ
ネルギがほぼ一定であっても起こることであり、従来の
アニール方法においてはハロゲンガス濃度の低下による
光強度波形の変化については考慮せず、レーザ光の持つ
エネルギ(積分値)のみの制御を行なっていたので、経
時的な光強度波形の変化によりアニール条件も変わり、
アモルファスシリコン膜が均一にアニールされず良好な
ポリシリコン膜を得ることができなかった。
【0040】アモルファスシリコン膜はパルス状のレー
ザ光での第1のピーク値にて溶融後に再凝固し始める。
そして、パルス状のレーザ光での第2のピーク値にて再
加熱され、良好なボリシリコン膜を得るのである。しか
し、この際に経時的に第2のピーク値が高くなると、光
強度波形のアニールにおける最適条件を当初に設定して
も波形の変動により最適条件が損なわれていたからであ
る。
【0041】したがって電圧波形制御部22では、光波
形ピーク検出回路21から得られる光強度波形のピーク
値E1,E2により得られる比E2/E1を随時演算
し、その変化幅が予め設定した値を越えた際に、上記し
た如くハロゲン注入部43によりガスチャンバ内に新た
にハロゲンガスを注入することでハロゲンガスの濃度を
上げ、また必要により併せて高電圧電源32によるレー
ザ発振器31への供給電圧の値を上げて、レーザ光の光
強度波形を光パルスピーク比E2/E1の低いものとす
るように制御する。
【0042】このように光パルスピーク比E2/E1の
変化幅を所定の範囲内に収めることで、ほぼ光強度波形
が等しく、したがってパルス全体の出力エネルギも含め
て均質なパルス状のレーザ光を長時間にわたって連続し
て発振させ、良好なアニールプロセスを安定して続行さ
せることができるようになる。
【0043】上記のようなレーザニール装置によって実
際に薄膜トランジスタを製造する場合について説明す
る。図14は、ガラス基板31上にSi0xまたはSi
Nxからなるアンダーコート層32をプラズマCVD法
で形成した後、アモルファスシリコン33(a−Si)
を例えば50[nm]プラズマCVD法で形成した状態
を示す。ここでは、基板のサイズは例えば300[m
m]×400[mm]とする。
【0044】ここで、図中に矢印Aで示す如く上記レー
ザアニール装置によるアニールプロセスを施すものとす
る。エキシマレーザの照射サイズは200[mm]×
0.4[mm]の線状ビームとし、基板上でのフルエン
スは500[mJ/cm]、オーバラップ率は90
[%]となるように設定する。レーザの繰返し周波数を
200[Hz]、基板を乗せたトレイを0.8[mm/
S]で移動させて、基板全面に上記エキシマレーザによ
るアニールを施す。
【0045】こうしてアニールプロセスをa−Si33
に施すことにより、平均結晶粒径を0.4[μm]と
し、それにより平均電子移動度100[cm/VS]
を達成し、さらにa−Siを脱水素してポリシリコン
(多結晶シリコン)に改質することができる。
【0046】以上に述べたように本発明では、放電回路
電圧および電流の波形を測定し、その波高値の情報を用
いて容易に放電回路インピーダンスの変化を想定する。
その2つの値を一定に制御するために封入ガス容器にレ
ーザ媒質ガスを注入し、レーザ励起放電によるレーザ媒
質ガスの変化(放電回路定数の変化)に伴うレーザビー
ム質の劣化を抑制する。電圧の波高値を用い制御するこ
とで、電流、電圧プローブを用いてインピーダンスを算
出し制御する方法と比べシステムが容易で処理速度も早
い。
【0047】また、上述の実施の形態では、電圧波形に
よる制御を説明したが電流プローブで電流波形を測定し
て、電流波形により電圧波形と同様に波高値、周期で判
定することもできる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、ガスレーザ装置におい
てレーザビームの質の変化を確実に抑止できるので、常
に良好な加工を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るガスレーザ装置の構成
を示す模式図。
【図2】光共振器の構成を示す模式図。
【図3】電圧プローブの出力を示すグラフ。
【図4】等価回路の模式図。
【図5】放電回路定数の変化を示すグラフ。
【図6】発振パルス数に対する光波形と広がり角の関係
を示したグラフ。
【図7】ハロゲンガス(F)の濃度と放電抵抗Rの関
係のグラフ。
【図8】本発明の制御フロー図。
【図9】レーザプロセス装置の構成模式図。
【図10】ハロゲンガス濃度が低下による波形変化のグ
ラフ。
【図11】ハロゲンガス濃度と光パルスピーク比E2/
E1及び出力エネルギとの関係のグラフ。
【図12】レーザ発振器に供給する電圧値を変化させた
場合の光強度波形の変化を例示すグラフ。
【図13】ハロゲンガスの濃度を変化させた場合の光強
度波形の変化を示すグラフ。
【図14】ガラス基板上に薄膜を形成した状態図。
【図15】放電時間の経過による波形の変化を示すグラ
フ。
【図16】放電時間の経過による広がり角の変化を示す
グラフ。
【図17】従来のガスレーザ装置の構成を示す模式図。
【符号の説明】
1…高電圧電源、2…高電圧トリガ装置、4…高電圧ス
イッチ、5…メインコンデンサ、6…ピーキングコンデ
ンサ、8…カソード、9…アノード、11…電圧プロー
ブ、12、43…電圧波形制御装置、13…ガスバルブ
駆動ユニット、14…ガス封入容器、15…出力測定
器、31…レーザ発振器、41…光波形検出器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対をなす主電極を内部に収納しレーザ媒
    質ガスが封入されているガス封入容器の両外側にミラー
    を配置して形成した光共振器で、放電回路により前記主
    電極を放電させて前記レーザ媒質がガスを励起させ前記
    光共振器で発振したレーザ光で被加工体を加工するレー
    ザ加工方法において、 前記主電極間の電圧波形又は電流波形を測定し、それを
    前記電圧波形又は電流波形に関する基準値と比較した結
    果に基づいて前記ガス封入容器内のレーザ媒質ガスの状
    態を変化させることを特徴とするレーザ加工方法。
  2. 【請求項2】 前記電圧波形又は前記電流波形に関する
    基準値との比較は、前記電圧波形又は前記電流波形の立
    ち上がり時間、周期、波高値について行うことを特徴と
    する請求項1記載のレーザ加工方法。
  3. 【請求項3】 対をなす主電極を内部に収納しレーザ媒
    質ガスが封入されているガス封入容器の両外側にミラー
    を配置して形成された光共振器と、放電回路により前記
    主電極を放電させて前記レーザ媒質ガスを励起させ前記
    共振器でレーザ発振するに際し、前記主電極間に放電を
    生じせしむ電力を供給する電源と、前記レーザ光で加工
    される被加工体を載置台とを具備するレーザ加工装置に
    おいて、前記主電極間の電圧波形又は電流波形を測定す
    る測定手段と、この測定手段で測定した測定値と前記電
    圧波形又は電流波形に関する基準値とを比較して電圧又
    は電流を制御するレーザ光制御手段とを有していること
    を特徴とするレーザ加工装置。
  4. 【請求項4】 前記レーザ光制御手段は、前記測定値と
    前記基準値とを比較した結果により、前記ガス封入容器
    内のガスの状態を変化させる指令を行うことを特徴とす
    る請求項3記載のレーザ加工装置。
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