JP2001056543A - 溶液供給装置 - Google Patents

溶液供給装置

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JP2001056543A
JP2001056543A JP11233716A JP23371699A JP2001056543A JP 2001056543 A JP2001056543 A JP 2001056543A JP 11233716 A JP11233716 A JP 11233716A JP 23371699 A JP23371699 A JP 23371699A JP 2001056543 A JP2001056543 A JP 2001056543A
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container
pump
tube
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JP11233716A
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English (en)
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Hisao Kamo
久男 加茂
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Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Chugai Photo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Chugai Photo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】溶液が空気に触れて起る変質を防ぎ、且つ供給
液の液切れを正確に感知できる溶液の供給装置及び方法
を得る。 【解決手段】溶液が密封封入されている高分子化合物製
で、収容量に応じて形状変化可能な容器と、該容器から
ポンプを経て溶液の供給先に至る遮断流路を形成するチ
ューブとを接続自在とし、該遮断流路の容器とポンプの
間に、気体を分離する気液分離槽と該気液分離槽と連通
する気体捕捉部を設けると共に、該気体捕捉部を容積可
変とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶液供給装置に関
するものであり、例えばハロゲン化銀写真感光材料を自
動現像機を用いて処理する際の処理液の補充装置として
用いられる。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料の像露光後の
現像処理としては、代表的なものとしてモノクロ写真に
おける現像−定着−水洗−乾燥の工程で処理されるも
の、カラーネガフィルムにおける発色現像−定着−水洗
−安定−乾燥の工程で処理されるもの、カラーペーパー
における発色現像−漂白定着−水洗−安定−乾燥の工程
で処理されるものなどがある。これらの処理はそれぞれ
の処理液を用いて自動現像機を使用して処理されるのが
一般的であり、自動現像機の普及に伴い前記水洗処理は
リンス等の水洗代替液を用いて処理されることが多くな
っている。それぞれの処理液や定着液等は、ハロゲン化
銀写真感光材料を処理することによって組成が変化し、
又現像液や定着液等は空気酸化によって経時で活性低下
を起こす。このため自動現像機を用いた連続処理では処
理に応じてそれぞれの処理液と同じ組成の液もしくは類
似の組成の液を補充液として補充することによって、処
理液の活性を一定に保つ方法が通常とられている。
【0003】ハロゲン化銀写真感光材料用の処理液はそ
れぞれ濃縮液の形態で供給されることが多く、この場合
は使用する際に、予め定められた濃度に水で希釈して調
整することが必要となる。この希釈は正確に行うことが
必要であり、希釈率が不正確である処理液を用いてハロ
ゲン化銀写真感光材料を処理してしまうと仕上がり品質
が大きく劣化する場合がある。
【0004】又、発色現像液や漂白定着液などは濃縮液
の保存性を上げるために、接触が好ましくない成分は分
割して別のパート液として供給される形態となってお
り、これらの処理剤の調整には2〜4パートの原液を水
で希釈しながら混合して調整する必要がある。この時に
別の処理液のパート液と間違えてしまうなどのミスも生
じやすく、このようなミスは仕上がり品質に取り返しの
つかない重大な影響を与えることも多かった。
【0005】このように各処理剤の調整は煩雑であり、
且つ正確性が求められるため作業上の大きな負担となっ
ている。更に、希釈混合時に濃縮液や処理液の飛散を招
きやすく、人体、衣服、周辺機器などに付着した場合
に、汚染や破損の原因となっている。このため処理液を
予め調整された状態で供給する、所謂使用液供給も行わ
れることがあるが、流通、保管上のスペース的な問題や
製品の保存安定性などは濃縮原液供給の方が優れてい
る。
【0006】又、このようにして調整された処理液を補
充液として用いる場合、補充液は通常それぞれの処理液
の補充液タンクにストックされて、そこからハロゲン化
銀写真感光材料の処理に応じて必要な分量の補充液がポ
ンプ等を用いて自動現像機内の処理液槽に供給される。
この時、補充タンク内の補充液は、空気に触れた状態で
ストックされるため、空気酸化による品質の劣化や水分
蒸発による濃縮などを起こしやすい。このように劣化、
変質した補充液を補充した場合は、処理液の活性が低下
するために写真の仕上がり品質も低下したものとなって
しまう。
【0007】このような劣化を避けるために補充タンク
内で浮き蓋や浮き玉等を用いて補充液の液面を覆って空
気と補充液の接触面積を小さくする方法がとられている
が、完全に空気を遮断するまでには至らないのが現状で
あった。又、近年は環境保全や資源削減の見地からハロ
ゲン化銀写真感光材料の補充量は低減される傾向にあ
る。このため同量の補充液を調整した場合は、使い切る
までに補充タンクにストックされる期間が長くなるため
補充液の変質が進みやすく、又補充される量が少ないた
めに補充液のわずかな変質でも自動現像機内の処理液の
活性を一定に保つことが困難になり、写真の仕上がりに
影響し易くなっている。
【0008】これらの問題を避けるために、近年では処
理液原液の容器から直接処理液原液を吸い出して自動現
像機内の処理液槽に供給すると同時に、希釈水ストック
タンクより所定の量の水を供給する補充方法がとられる
ことも多い。この方法は、補充液の調整が必要なくなる
点では優れた方法であるといえる。この方法では容器内
の液がなくなったことを感知する液切れセンサーとして
容器の内部に設置されるフローセンサーが使用されるこ
とが多く、その兼ね合いから処理液原液の容器は内容量
が減っても変形しないハードボトルタイプのポリビン等
が使用されるのが一般的であった。このため、容器内の
原液の減量に従って容器内の空気量は多くなるため、原
液が空気に触れて変質する点は改善されていなかった。
又、この方法では容器内の液が完全になくなってから液
切れセンサーを感知させる構造とすることが困難である
ために、液を最後まで使い切ることが出来ずに残液が出
るために、使用済みの容器を廃棄する際に人体や衣服、
周辺の汚染を招きやすいという新たな問題も生じてい
た。
【0009】これらの問題を解決するために、処理液原
液の容器として、変形可能な材質のものを用いて、この
処理液原液容器にチューブ等を突き刺して気密性を保っ
たまま原液を吸い出すことで、原液が空気と触れること
で起きる変質を解決する方法において、このような変形
可能な容器を使用しても液切れを正確に感知できる液体
供給方法もしくは液体供給装置を本出願人は提案してい
る。(特開平11−52533、特開平11−1020
56)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記の提案技術におい
て、気体感知センサーが誤作動することで容器内の溶液
を完全に最後まで供給することができないことがあった
り、ポンプ内に空気が混入することで溶液の供給制度に
狂いが生じることがあった。 (1)気液分離槽において、充分に気体が分離されなか
ったり、分離された気体を速やかに気体捕捉部に誘導で
きないために、混入気体が気液分離槽を越えてポンプ内
に入ってしまうことがあった。ポンプ内に気体が入って
しまうと、液の供給精度が不正確になるという問題があ
った。 (2)容器へのチューブ等の突き刺し深度が浅く、チュ
ーブ先端が容器底部まで届いていないような場合には、
溶液が完全になくなる前に容器内の気体を吸入してしま
うことで気体感知センサーが誤作動してしまうために容
器内に溶液が残ってしまうことがあった。 (3)吐出力の弱いポンプでは、容器内の溶液を完全に
吸入し終わった後も、気体捕捉部内の気体が充分に膨張
しないために容器内に溶液が無くなったことを感知でき
ない。このため容器を新品に交換すべき時期を正確に知
ることが出来ない恐れがあった。容器の交換タイミング
が遅れた場合、その間は溶液の供給が停止してしまい望
ましくない。 前記の提案技術を例えばハロゲン化銀写真感光材料用自
動現像機の補充装置として使用した場合、これらの問題
は自動現像機内処理液槽の処理液組成の変動を招いた
り、容器交換時に処理液付着による人体や衣服などの汚
染を招く恐れがあるため、どのような場合であってもこ
のような問題を起こさないような改善が望まれていた。
【0011】又、これらの問題を起こさずに正常に溶液
の供給がなされた場合も、センサー等で容器内の溶液が
無くなったことを感知すると、ポンプへの空気混入を防
止するために自動的に送液が停止され、アラームが作動
するので、オペレータが速やかに空になった容器を溶液
の入っている新しい容器に交換し、送液が可能な状態に
戻す必要があった。交換が遅れた場合は、溶液が供給さ
れない状態が長く続くことになり望ましくない。しかし
ながら、オペレータが別の仕事で手が放せなかったり、
セルフサービスの無人現像所のようにオペレータが常
時、自動現像機の近くに居るわけではない場合は、液切
れアラームがなっても速やかに容器を新しいものに交換
することはできないために、長時間に亘って溶液の供給
が停止した状態となってしまう。
【0012】又、セルフサービスの無人現像所では、数
日毎にオペレータが巡回して、各処理液の補充液の残り
が少なくなっている分だけ液を調整して注ぎ足してくる
管理方法が取られることがある。このような使用方法に
対して、前述の提案技術は調液作業が不要であり、且つ
液が空気と触れないので長期に亘って液劣化がないとい
うメリットがある代りに、容器内の溶液を途中で注ぎ足
すことができないというデメリットがある。このため、
巡回したときにちょうど容器内の溶液が無くなっていな
い場合は、次の巡回時まで容器の交換を待つか、交換を
強行して容器内に残っている溶液を廃棄しなければなら
ず、このような管理方法を取る場合は、前述の提案技術
は採用することが困難であった。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明はこれらの問題を
解決し、容器内の溶液を最後まで完全に正確な精度を保
ったまま確実に供給することができ、且つ容器の交換の
手間を減らし、自動で長期間に亘って溶液の供給が可能
な溶液供給装置を提案するもので、溶液が密封封入され
ている高分子化合物製で、収容量に応じて形状変化可能
な容器にチューブを接続してポンプを経て溶液の供給先
に至る遮断流路を所望数形成する一方、各遮断流路の容
器とポンプの間に、気体を分離する気液分離槽と該気液
分離槽と連通する気体捕捉部を設け、該気体捕捉部内の
気体の膨脹を感知することで、所望の遮断流路を選択作
動させることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、主として写真処理薬品
の自動現像機用の補充装置として提案されているが、空
気に触れると変質したり、手に付着すると危険な溶液の
供給に広く使用可能なものである。尚、ここで「溶液」
とは広く液体を表す意味で使用するものであり、何も溶
解していない純水をも含むものである。
【0015】以下、本発明を実施形態を示す図により詳
細に説明する。図1の第一の実施形態では溶液10の密
封封入された容器20を接続するチューブ30の先端3
1からポンプ40を経て溶液供給先50へと至る流路を
形成するチューブ30を所望数備えており、これらの各
チューブ30の先端31に、溶液10が密封封入された
容器20a,20b,…を気密的に接続することで所望
数の遮断流路A1,A2,…が形成される。各遮断流路
A1,A2,…に接続される容器20は同じ種類の溶液
10が密封封入されているものである。これら同じ溶液
10が封入されている容器20が接続された各遮断流路
A1,A2,…で1セットとなるものである。図1で示
した例では2つの遮断流路A1,A2で1セットとなっ
ている。ハロゲン化銀写真感光材料用の自動現像機の補
充装置として用いる場合は、例えば現像、漂白定着、ケ
ミカルリンスの各処理液それぞれに1セットずつの遮断
流路を設けるのがよい。各処理液が複数のパート液に分
割されている場合は、各パート液毎に1セットの遮断流
路が設けられ、それぞれのセット毎に制御がなされるこ
とになる。以下の説明は、この1セットの遮断流路を備
えた場合を例にして説明する。
【0016】本発明で用いられる溶液10は高分子化合
物製で収容量に応じて形状変化可能な容器20に封入さ
せた状態で製品として流通される。この溶液10を使用
するにあたって、溶液供給装置のチューブ30の先端3
1を容器20に刺入することで、容器20から溶液供給
先の流路出口32に至るまで外気から遮断された気密的
な流路が形成される。前述のように、この容器の接続は
各遮断流路A1,A2,…のそれぞれについて行われ
る。この遮断流路は容器20からポンプ40までは気密
流路となっている。ポンプ40より先の流路出口32は
開放されているが、所望により開閉弁を設けることも出
来、又開放でもこの流路出口32の開口部は小さく、溶
液の外気との接触は少なく問題はない。この状態で各遮
断流路A1,A2,…のいずれか1つのポンプ、例えば
ポンプ40aを作動させることで容器20a内の溶液1
0を全く外気と接触させることなく溶液供給先50へ送
ることが可能となる。
【0017】又、本発明によれば、溶液10の供給に伴
って容器20内の溶液10の量が減ると、その内容量に
合せて容器20が潰れるために最後まで溶液10は外気
と触れることがない。このため、ハロゲン化銀写真感光
材料用処理液の補充剤のように1つの容器中の溶液を全
て供給し終るまでに数日間要する場合でも、最後まで液
劣化のない溶液を供給することができる。そして最初は
溶液の供給に使用されない流路に接続された容器も、未
開封の容器と同様に外気と遮断された状態で置かれるの
で、セットしてから溶液の供給が開始される迄の期間も
全く液劣化を起こす心配がない。
【0018】遮断流路A1,A2,…内のチューブ先端
31とポンプ40の間の区間には、遮断流路内に混入し
た気体60を溶液から分離する気液分離槽70が設けら
れ、気液分離槽70の上部には分離した気体を溜めてお
く気体捕捉部80が気液分離槽70と連通して設けられ
る。溶液供給装置のポンプ、例えば40aを作動させる
と、そのポンプ40aの流路に接続された容器20a内
に封入されている溶液10はチューブ先端31より吸入
されて、自己の流路の気液分離槽70へと入る。気液分
離槽70において遮断流路内に混入した気体60は溶液
から分離され、気体の浮力によって速やかに気液分離槽
70に連通して設けられている気体捕捉部80に移動し
ここに溜められる。気液分離槽70で混入気体60が除
かれた溶液はポンプ40aを経て溶液供給先50へと送
られる。
【0019】容器20a内の溶液10が全て吸入された
後は、ポンプ40aが作動する毎にその遮断流路内は負
圧になって行き、それに従って容器20aが接続されて
いる遮断流路の気体捕捉部80に捕捉されている気体6
0が膨脹を始める。この気体の膨脹をその遮断流路内に
設けられた気体感知センサー120で感知し、信号を装
置制御部に送ってポンプ40aの作動を停止させると同
時に、ポンプ40bの作動を開始することで、容器20
aの溶液10が完全に無くなり、且つポンプ40aに空
気が混入することのない適切なタイミングで溶液10の
遮断流路をA1から別の流路A2に切り替わる。
【0020】このときにブザーを鳴らしたり、ランプを
点灯させるなどアラームと連動させる設計とすること
で、オペレーターに容器20aが空になったことを知ら
せることができる。この容器20aが空になってアラー
ムが作動しても、溶液の供給は別の遮断流路A2に接続
された容器20bから供給され続けているので、急いで
直ぐに容器20aを新しいものに交換する必要はなく、
手の空いた時間に空になった容器を交換すればよいこと
となる。本発明によれば溶液供給中に、溶液の供給に使
用していない遮断流路の容器20を交換しても、溶液1
0の供給に何の影響も与えないので、オペレータの都合
の良いときに容器20の交換を行うことができる。
【0021】本発明によれば、1セットの遮断流路のう
ち少なくとも1つの遮断流路の容器20に溶液10が入
っている状態であれば、溶液10を供給し続けることが
可能である。このため、例えばセルフサービスの写真ラ
ボのようにオペレータが常駐しておらず、数日に1回毎
にオペレータが巡回して写真処理液の補充液を注ぎ足し
てくるように場合でも、1セットの遮断流路の数を増や
して、各遮断流路に新しい容器をセットしておき、次の
巡回時には各遮断流路の内の空になった容器のみを交換
すれば良く、然も補充液の調液の手間が不要であるの
で、巡回の効率を著しく高めることが可能となる。この
ような形態で使用される場合は、各遮断流路にアラーム
と連動したランプを設けて、自己の遮断流路に接続され
た容器20の空を検知したら点灯するように構成する
と、巡回時にどの容器を交換すれば良いかが一目で判か
るため好ましい。
【0022】又、後述の容器交換作業を行って、気体感
知センサーの位置まで再び溶液で満たされると、気体感
知センサーが解除されるが、この解除信号が装置制御部
へ送られるような設計とし、1セットの遮断流路におけ
る全ての遮断流路の気体感知センサーが作動したままの
状態となった場合は、別の遮断流路のポンプへの作動切
換を行わずに、全てのポンプの作動が停止した状態とな
るような設計とすることが望ましい。このようにするこ
とで、容器の交換タイミングが遅れて、全ての容器が空
になってしまう事態となっても、ポンプ40内に空気が
混入することを防ぐことができる。
【0023】以下、本発明の遮断流路の内の1つの遮断
流路を用いて説明する。本発明によれば、ポンプ40を
必要に応じて作動させることで必要な時のみ溶液10を
供給することができ、例えば1回あたりのポンプ40の
作動時間を制御することで溶液10の供給量を制御する
ことができる。毎回少量ずつ溶液10を供給したい場合
は、ポンプ40は吐出量の小さいものを用いることで溶
液供給量の誤差を小さくすることができ、1回当たりの
溶液供給量が比較的多い場合は吐出量の大きいポンプを
用いることで短時間で必要な量の溶液を供給することが
できる。もちろんこのように断続的ではなく、連続的に
溶液を供給することも可能であり、その場合もポンプ4
0は適当な吐出量のものを選択することで溶液10の供
給速度を決めることができる。
【0024】又、ハロゲン化銀写真感光材料用の処理剤
のように通常は濃縮液の形態で販売され、使用時に決め
られた倍率に希釈して使用される溶液の場合は、希釈水
90を貯蔵しておく希釈水槽100と希釈水90を送る
ための希釈水供給用のポンプ110を設けて、溶液10
を供給するポンプ40の作動に合わせて希釈水供給用の
ポンプ110を作動させることで希釈水90を同時に供
給先50へと送ることができる。それぞれのポンプの作
動量を制御することで人手を介さず溶液10を任意の希
釈倍率にすることが可能となる。又、溶液が複数パート
に分かれた製品となっていて、使用時に各パートを決め
られた量ずつ加え、水で希釈して使用されるような場合
は、パート数に合わせた遮断流路を設けてそれぞれのポ
ンプ40の作動を制御することで適切な混合比で各パー
トの溶液を供給することができる。
【0025】このように希釈や各パートの混合が必要な
溶液を供給する場合は、それぞれ供給先50へ直接送っ
て供給先50で混合されるようにしてもよいし、中間タ
ンクや別置きタンクを設け、そこに各遮断流路及び希釈
水を供給する流路の出口32を集めて、中間タンクや別
置きタンク内で混合及び希釈されるようにして、使用に
適した溶液とした後、供給先に送られるようにしてもよ
い。
【0026】空になった容器20を新しいものへ交換す
るにあたっては、気体捕捉部80を潰す等の手段でその
容積を最小とすることで気体捕捉部80内の気体を空に
なった容器20へ排出する。その後に容器20に刺入さ
れているチューブ30を引き抜き、空となった容器20
を廃棄し、溶液10が密封封入されている新しい容器2
0にチューブ先端31もしくはチューブに取り付けられ
た突き刺し用の針を刺入し、気体捕捉部80の容積を広
げることで、遮断流路内に残った気体60は気体捕捉部
80へと集められ、遮断流路内は溶液10で満たされ、
再び溶液10の供給が可能な状態にセットされる。
【0027】又、容器20内に最初から混入している気
体60があったとしても、それらは溶液の供給開始後に
溶液10と共に遮断流路内に吸入されたときに気液分離
槽70において溶液10と分離され、速やかに気体捕捉
部80に移動するためにポンプ40に混入することがな
い。
【0028】以上の説明で明らかなように、溶液10が
封入された容器20に流路を形成するチューブ30を刺
入することで外気と遮断された遮断流路が形成されるた
めに、容器20接続後に外部から気体が遮断流路内に混
入することはない。遮断流路内に混入する気体60は、
溶液10を容器20に密封封入して製品とする際に容器
20内に混入した気体及び容器20内の溶液10を全て
供給し終わって空になった容器20を溶液10が封入さ
れている新しい容器20に交換する際に遮断流路内に残
ったり新たに混入したりする分のみである。
【0029】ここで、容器20内に最初から混入してい
る分とは、容器20に溶液10を封入して製品とする際
に混入する気体量であり、これらは溶液10を封入する
方法によって異なるが公知の封入方法でその量をコント
ロールすることが可能であり、通常は容器20の容積の
6%以下に押さえられている。この容器20内に混入す
る気体量は少ない方が勿論好ましく、公知の封入方法で
比較的容易に容器20内に混入気体が全くない0%に管
理することもできる。このように容器20内の混入気体
が0%である場合でも、本発明は全く問題なく正確に作
動する。又溶液10の劣化を防ぐために容器20内に窒
素ガス等の不活性ガスが封入される場合があるが、この
ような場合でも本発明の作動には全く問題はない。
【0030】又、容器20交換時に遮断流路内に残った
り新たに混入したりする分とは、気体捕捉部80内の気
体排出操作でも排出しきれずに遮断流路内に残る分、及
び容器20交換の一連の操作時に遮断流路に新たに混入
する少量の気体を指す。これらの最大量は気体捕捉部8
0を最小容積としたときにおける、容器20に刺入する
チューブ先端31から気体感知センサー120までの遮
断流路内の容積に相当し、本発明の構成からこれ以上の
気体が容器20交換時に流路内に混入することはない。
【0031】これらの混入気体は溶液10の劣化には全
く影響しない程度に少量であるが、ポンプ40に混入し
た場合は、溶液10の供給精度に狂いを生じてしまう。
本発明はこの少量の混入気体60を利用して容器20の
空を感知すると共に、この混入気体60がポンプ40に
まで混入することを確実に防止するものである。
【0032】次に、本発明各部について詳細な説明を行
う。気体捕捉部80は容積可変構造であるため、空にな
った容器20を溶液が封入されている新しい容器20に
交換する際に、気体捕捉部80の容積を最小とすること
で気体捕捉部80内の気体60を排出することができる
ようになっている。又容積可変構造とすると共に、気体
捕捉部80の容積を一定に保つための固定手段を設ける
ことで、容器20内の溶液10が全て吸入された後に、
遮断流路が負圧となり気体捕捉部80に捕捉された気体
60が膨脹する時に、遮断流路内の圧力に負けて気体捕
捉部80が潰れてしまって気体60の膨張を正確に感知
できなくなることを防止する。
【0033】容積可変構造としては、例えば蛇腹構造8
1、ピストン構造の他、手で潰せる構造等適宜選択でき
る。特に蛇腹構造81ではパーツとして市販されている
ポリエチレンやポリプロピレンなどの高分子化合物製の
べローズを利用することができる。これらのベローズの
うち、あまりにも柔らかいものは遮断流路内が負圧とな
ったときにその容積を一定に保つことが困難であるの
で、適度な硬さを持つものが好ましく、その点からポリ
プロピレン製のベローズが特に好ましく用いられる。
【0034】気体捕捉部80の容積を一定に固定する手
段としては、気体捕捉部80の上部を吊り上げて固定的
に保持する構造が好ましく、例えばフック等で上部に引
っ掛ける構造としたり、気体捕捉部80上に鉄片を設け
ておき、上方に設けたマグネットにて吊ったりする構成
がある。又、その他好ましい形態の一例として、図8及
び図9のように塩ビ等で作製された容器20を収納する
外箱130の後方に気液分離槽70と気体捕捉部80を
設け、容器外箱130の蓋131部分に気体捕捉部80
の上部を固定する構成がある。この場合、容器20内の
溶液10が空となって容器20を交換する際に、容器外
箱の蓋131を開けることで気体捕捉部80が容器外箱
130の蓋131によって潰され、これに伴って気体捕
捉部80内の気体60がチューブ先端31より空になっ
た容器20内に排出される。その後に容器20からチュ
ーブ30を抜いて空の容器20を廃棄し、新しい容器2
0にチューブ30を刺入し容器外箱130の蓋131を
閉じることで気体捕捉部80は引き延ばされ容積が増大
し、遮断流路内に溶液10が吸引され、遮断流路内が溶
液10で満たされる。容器外箱130と蓋131を固定
する固定具132により、再び容器外箱130を開ける
まで気体捕捉部80はこの容積で固定されることとな
る。このような構成にすると容器20交換時に容器外箱
130の蓋131の開閉に伴って気体捕捉部の容積を変
えることができ、必ず気体捕捉部80を潰した後にチュ
ーブ30を容器20から引き抜くことになるので、気体
捕捉部80を潰す際に溶液が飛び散って周りを汚染する
ことを防止することができる。又、チューブ30を外箱
130に収納した容器20に突き刺した後に、気体捕捉
部80の容積を戻すことになるので、容器20の交換時
の遮断流路内への気体の混入を最小限に押さえることが
できる。外箱130内にてチューブ30を固定するの
に、チューブ30の固定台133を外箱130内に設け
た板体134の透孔135に挿通自在とすることも出来
る。
【0035】気体捕捉部80の容積は、遮断流路内に混
入する可能性のある気体容量から容易に決定することが
できる。前述のように本発明において遮断流路内に混入
する気体は、予め容器20内に混入している気体及び容
器20内の溶液10を全て吸入し終わって空になった容
器20を溶液10が封入されている新しい容器20に交
換する際に遮断流路内に残ったり、新たに混入したりす
る分のみである。よって気体捕捉部80の容積固定時に
おける容積は、容器20に溶液10を封入して製品とす
る際に容器20に混入する気体容積(これは封入方法よ
って製品スペックとして決定され管理される。)に、気
体捕捉部80を最小容積としたときのチューブ先端31
から気体感知センサー120までの遮断流路内の容積を
加えた分の気体を捕捉することができることが必要とな
る。
【0036】気体捕捉部80は気液分離槽70の上部に
連通して設けられる。図3のように気体捕捉部80と気
液分離槽70は一体型とすることが好ましい。気体捕捉
部80と気液分離槽70の接続部分の内径及び気液分離
槽70の内径を8mm以上とすることで、気液分離槽7
0に入った気体60を溶液10と分離して速やかに気体
捕捉部80に移動させることができる。気液分離槽70
の内径が8mm以下である場合は、気体60の浮力より
も表面張力の方が勝るために気体60が気液分離槽70
に張り付いてしまうために、気体60を分離することが
できずに溶液10の流れに伴って気体60もポンプ40
へと混入してしまう。又気液分離槽70と気体捕捉部8
0の接続部分の内径が8mm以下である場合は、分離さ
れた気体60が気体捕捉部80内部に移動できなくな
り、気体60は気液分離槽70に溜まることとなって気
体感知センサー120の誤作動を招きやすくする。気体
捕捉部80として市販のベローズを用いる場合には、通
常市販されているベローズは最小部分の内径が8mmよ
りも小さいため、その部分の加工をして8mm以上に広
げて用いることが必要となる。
【0037】上記のような理由から気液分離槽70の内
径は大きい方が望ましいが、気液分離槽70の内径が大
きいほど、気体60が膨張したときの気体感知センサー
120の作動誤差は大きくなる。このため気液分離槽7
0の内径は20mm以上40mm以下の範囲であること
が特に好ましい。気液分離槽70の形状は円柱状、角柱
状など任意の形状とすることができる。
【0038】又、気液分離槽70は、溶液供給時に溶液
が気液分離槽70へと入る溶液流入口71と気液分離槽
70から出ていく溶液流出口72を図4のように溶液流
入口71を溶液流出口72よりも高い位置に設け、且つ
気液分離槽70内の溶液流入口71と溶液流出口72の
間の位置に気体感知センサー120を設ける構成とす
る。これにより、空の容器20を新しい容器20に交換
するときに気液分離槽70内の溶液流入口71と溶液流
出口72の間(気体感知センサー120を設置した位
置)より先の遮断流路内は必ず溶液で満たされる状態と
することができる。このような状態を作り出すことで、
気体捕捉部80の気体60を排出する際に、遮断流路内
に満たされている溶液が抵抗となるために気体60は必
ず容器20側に排出される。このためこの気体排出時に
ポンプ40内部に気体60が混入してしまうことを確実
に防止することができる。
【0039】気体感知センサー120は気体捕捉部80
内に捕捉された気体60が1.1倍以上9.5倍以下の
範囲で膨張したときに気体を感知するように設けること
が好ましい。気体60の膨張が1.1倍以下で感知する
ようにした場合は、容器20へのチューブ先端31の刺
入深度が浅いときに容器20内の液が完全になくなる前
に気体感知センサー120が作動してしまうために容器
20の残液が多くなり容器20交換時に人体や機器の汚
染を招く原因となってしまう。ここで刺入深度が浅いと
は容器20へのチューブ先端31の刺入が不十分で容器
20の底部付近までチューブ先端31が達していないよ
うな状態を指す。このような場合は容器20内に混入し
た気体はまだ、容器20内に溶液10が残っている段階
で遮断流路に吸入されることになる。このため、予め予
定された量の気体が混入したら作動するように気体感知
センサー120を設けると、容器20内に溶液10が残
っているのに気体感知センサー120が作動してしまう
こととなる。気体捕捉部80内に捕捉された気体60が
1.1倍以上に膨張したときに、作動するように気体感
知センサー120を設けることで、予め予定された量の
気体が遮断流路内に混入しても、容器20内の溶液10
が完全になくなって遮断流路内が負圧となって気体が膨
張しない限りは気体感知センサー120は作動しないの
で、容器20内に残る液量を容器20の容量の1%以下
に押さえることができる。
【0040】気体捕捉部80内の気体60が9.5倍以
上に膨張しないと気体感知センサー120が作動しない
ように構成すると、吐出力の小さいポンプ40では遮断
流路内を負圧にする力が弱いために、気体感知センサー
120の位置まで気体60を膨張することができずに気
体感知センサー120が作動しない現象が起きやすくな
ってしまう。このような場合には容器20内の溶液10
が無くなったことを知らせるアラームが働かないため、
容器20の交換のタイミングを知ることができずに溶液
が供給されない状態が続いてしまう恐れがある。ハロゲ
ン化銀写真感光材料用自動現像機の補充装置として使用
する場合など、このような事態となると適切なタイミン
グで補充液が補充されないために自動現像機処理液槽の
処理液組成が変化してしまい重大なダメージを与えるこ
とになる。気体捕捉部80内に捕捉された気体60が
9.5倍以下に膨張したときに気体感知センサー120
が作動するようにすることで25ml/min以下のよ
うな吐出力の小さいポンプ40であっても正確に容器2
0内に溶液10が無くなったことを感知することができ
る。
【0041】このような問題は吐出力の大きいポンプを
使用することで解決されるが、吐出力の大きいポンプは
必然的に1回の動作で送り出される溶液量が多くなるた
め、少量ずつ溶液を供給したい場合には誤差が大きくな
ることになる。本発明のような構成をとることで吐出力
の小さいポンプを用いても正確に容器内の溶液が無くな
ったことを感知することができる。
【0042】気体感知センサー120としては気体を感
知することができるものであればどのような方式のもの
でもよく、例えばフロートセンサー、光電センサー、フ
ォトマイクロセンサー等を用いることができる。図10
は気体感知センサー120として用いたフロートセンサ
ーの一例を示したものである。図10の例では気体感知
センサー120は、フロート121と感知部122より
なっている。このタイプのフロートセンサーは遮断流路
内の気体感知センサー120を設置した部分が溶液で満
たされているときは、フロート121の浮力によってフ
ロート121と感知部122は接触しており、気体感知
センサー120設置部分に気体60が達することでフロ
ート121が感知部122から離れ、これにより信号が
制御部に送られてポンプ40の停止やアラームの作動が
行われるものである。
【0043】チューブ30は、耐化学薬品性であること
が好ましく、塩化ビニル、ポリエチレン、シリコン、テ
フロン、金属などの材質のものを使用することができ
る。ガスバリアー性に優れ、適度の硬さを有しており配
管しやすいことから軟質塩化ビニル(PVC)製のもの
が特に好ましく用いられる。チューブ30の内径は8m
m以下とすることが好ましい。内径を8mm以下とする
ことでチューブ30を容器20から引き抜く際にチュー
ブ30から溶液10が垂れて人体や機器などを汚染する
ことを防ぐことができる。しかしながらあまりにも内径
の小さいチューブ30を用いた場合はポンプ40にかか
る負荷が増大し好ましくない。このためチューブ30は
内径が3mm以上6mm以下であるものが特に好ましく
用いられる。
【0044】容器20とチューブ30の接続は接続部か
ら外気が入ってきて気密性が損なわれることのない方式
であればどのような方式でもよいが、容器20に直接チ
ューブ30を突き刺して刺入する方式とすることが簡便
さの点て好ましい。容器20の材質を後述のように選択
することで、このような刺入方式としても刺入部分から
溶液が漏れたり、外気が浸入することなく気密性を保つ
ことができる。
【0045】チューブ先端31は容器20に容易に刺入
できるような形状及び硬さを有することが好ましく、そ
のためにチューブ先端31そのものを加工してもよい
し、チューブ先端31に加工された突き刺し用の針を取
り付けるようにしてもよい。先端の形状としては刺入容
易であるように尖状や斜状であることが望まれるが、チ
ューブ先端31を斜めに切り落として斜状とするのみで
は、容器20に突き刺す際に容器20が裂けやすく、突
き刺した部分から外気が侵入しやすくなり気密性を保て
ないという問題を生じやすい。特に容器20の材質の一
部にPETや塩化ビニリデン等の引張強度が大きいもの
が使用されている場合に顕著である。又、溶液吸入口を
先端に設けると容器20内の溶液が少なくなってきたと
きに容器20の側面が吸入口に張り付いて溶液10が吸
入されなくなってしまうという問題が生じやすい。
【0046】本発明におけるチューブ先端31もしくは
チューブ先端31に取り付ける針の形状として好ましい
実施形態の一例は図11及び図12に示したものであ
る。これは先端形状を円錐状33とし、先端より距離を
おいた側面に溶液吸入口34を設けたものである。この
ように先端を円錐状33とすることで容器20に突き刺
した際に容器20が裂けてしまうことを防止することが
でき、溶液吸入口34を先端ではなく先端より距離をお
いた側面に設けることで容器20の側面が溶液吸入口3
4に張り付いて溶液10が吸入されなくなることを防ぐ
ことができる。この溶液吸入口34は1つではなく、2
つ乃至4つと複数個設けたり、チューブもしくは針の直
径を一部分のみ細くし、その部分に溶液吸入口34を設
けたりすることが特に容器20の張り付き防止に効果的
である。針の材質としては適度な硬さと加工が可能であ
るものを用いることができ、塩ビの他にステンレス(S
US)、チタンなどの金属を特に好ましく用いることが
できる。
【0047】尚、容器20に突き刺すチューブ先端31
等は粗く研磨されていることが好ましい。例えば鏡面仕
上げのように表面を完全に研磨してしまうと、容器20
に突き刺す際の抵抗がなくなってしまうために、後述の
突き刺して使用するのに適した容器の場合に容器材質が
伸びてチューブ先端部に張り付いてしまい、刺入し難い
ばかりでなく容器20が裂けて気密性が失われる原因と
なりやすい。このためチューブ先端31等はその形状を
加工する際に研磨を完全に行わずに表面が粗く研磨され
た状態としておくことが好ましい。このようにすること
で容器20への突き刺しがスムーズに行われ容器20の
破損を招くことを防止することができる。
【0048】本発明において用いられる容器20は高分
子化合物製で収容量に応じて形状変化可能なものであ
る。収容量に応じて形状変化可能な容器としては図13
のように筒状体の上下端をシールしたもの、図14のよ
うに2枚の基布を重ねて四辺をシールし一部に口部を設
けたもの、図15のように四角型容器に口部を設けたも
の等がある。これらの容器は封入された溶液が少なくな
るにしたがって自立性がなくなってゆくので、図16の
ように段ボール21その他の箱に収納し、段ボール箱2
1の外側からチューブ30を刺入して使用してもよい。
【0049】容器20とチューブ30の接続は、容器2
0にチューブ30を突き刺して刺入する方式が簡便であ
り好ましく、この方法をとるために、使用される容器2
0は少なくとも1層が引張強度が小さい高分子化合物フ
ィルムで構成されているものが好ましい。引張強度が小
さい高分子化合物としてはポリエチレンなどのポリオレ
フィン系樹脂、未延伸ナイロン、酢酸セルロース、ポリ
酢酸ビニル、アイオノマーなどが挙げられるが、容器を
成型する際のヒートシール性が優れていること、成型さ
れた容器が輸送時に破裂し難いことから、この中でも特
にポリオレフィン系樹脂が好ましく使用される。ポリオ
レフィン系樹脂の代表的なものとしてはPE(ポリエチ
レン)やLLDPE(リニア低密度ポリエチレン)があ
る。又、これらの引張強度が小さい高分子化合物フィル
ムを以下に挙げる引張強度が大きいフィルムで片面もし
くは両面ラミネートし、多層フィルムとすることで容器
20のガスバリアー性が改善される。引張強度が大きい
フィルムとしてはエバールなどのエチレン−ビニルアル
コール共重合体樹脂、ポリエチレンテレフタレート、延
伸ナイロン、塩化ビニリデン、ポリスチレン、セラミッ
ク、アルミなどを材質とするものが挙げられる。
【0050】本発明に用いられる容器20で特に好まし
く使用される多層フィルムの構成をそれぞれ外側から以
下に示す。 (1)Ny(延伸ナイロン)/LLDPE(リニア低密
度ポリエチレン) (2)Ny/PVDC(塩化ビニリデン)/LLDPE (3)Ny/SiOx/LLDPE (4)Ny/EvOH(エバール)/LLDPE (5)PET(ポリエチレンテレフタート)/LLDP
E (6)PET/PVDC/LLDPE (7)PET/EvOH/LLDPE これらの構成を持つ多層フィルム製の容器20は、容器
20にチューブ30を突き刺して刺入する方式で使用し
ても、刺入部分から溶液が漏れたり、外気が侵入して気
密性が失われたりすることがない。
【0051】本発明で用いられる容器20は、フィルム
の厚さが50μm〜300μmであって、酸素透過率が
100ml/m2・atm・day・20℃・60%
R.H.以下のものが好ましく用いられる。これらの条
件を満たす容器20は、突き刺し性能、ガスバリアー性
に優れ、長期の保存や輸送時の振動でも容器が破損し難
いという特徴を持つ。
【0052】次に、本発明の他の実施の形態について図
2の概略図を用いて説明する。容器20が接続されるチ
ューブ30が所望数設けられ、これらはポンプ40より
前の区間に設けられた切換バルブ140を介して1つの
流路に集められ、ポンプ40を経て溶液供給先50へと
至る。切換バルブ140を介して所望数に分岐している
各チューブ先端31に同じ溶液10が密封封入された容
器20a,20b,…をそれぞれ気密的に接続すること
で、切換バルブ140を介して1つの流路に接続された
所望数の遮断流路A1,A2,…が形成される。それぞ
れの遮断流路のチューブ先端31と切換バルブ140の
間の区間には、気液分離槽70及び気液分離槽70と連
通した気体捕捉部80が設けられる。
【0053】ポンプ40を作動させることで切換バルブ
140によって選択されている1つの遮断流路に接続さ
れた容器、例えば容器20aから溶液10が吸入されて
溶液供給先50へと送られる。このとき、他の遮断流路
(例えば遮断流路A2)は切換バルブ140によって閉
じられており、これらの遮断流路に接続された容器(例
えば容器20b)内の溶液10は吸入されることはな
い。容器20a内の溶液10が全て吸入された後は、ポ
ンプ40が作動する毎に切換バルブ140の開いている
遮断流路(容器20aから溶液10が吸入されていると
きは、遮断流路A1)内のみが負圧になってゆき、それ
に従って、その遮断流路に設けられた気体捕捉部80に
捕捉されている気体60が膨脹を始める。この気体60
の膨脹を気体感知センサー120で感知し、信号を装置
制御部に送って切換バルブ140を制御し、遮断流路A
1の流路を閉じて別の遮断流路(例えば遮断流路A2)
を開くことで、容器20a内の溶液10が完全に無くな
り、且つポンプ40に空気が混入することにない適切な
タイミングで溶液10の供給を別の容器(例えば容器2
0b)からの供給に切換えることが可能となる。このと
きにブザーを鳴らしたり、ランプを点灯させるなどアラ
ームと連動させる設計とすることで、オペレータに容器
20aが空になったことを知らせることができる。
【0054】空になった容器の交換は、前述の第一の実
施の形態と同様に、溶液供給に使用している流路に全く
影響を与えずに交換できるので、オペレータの都合のよ
い時にまとめて交換することが可能である。又、第二の
実施の形態によれば、溶液の供給に用いるポンプは切換
バルブ140で分岐された遮断流路の数(つまり接続す
る容器の数)に関わらず1種の溶液に1つでよいので装
置全体をコンパクトにできるメリットがある。
【0055】本発明の溶液供給装置に用いる切換バルブ
140としては、切換える流路数に応じた電磁弁を用い
ることができる。本発明第二の実施の形態における、他
の記載されていない実施方法は、第一の実施の形態と同
様である。
【0056】又、本発明の他の実施の形態について図3
により説明する。容器20が接続されるチューブ30が
所望数設けられ、それぞれチューブ30には開閉自在の
バルブ141,142,143,…が設けられ、該バル
ブ以降の区間でそれぞれチューブ30は1つの流路に集
められ、ポンプ40を経て溶液供給先50へと至る。ポ
ンプ40より手前の区間で所望数に分岐されている各チ
ューブ先端31に同じ溶液10が密封封入された容器2
0a,20b,…をそれぞれ気密的に接続することで、
バルブ141,142,143,…とポンプ40の間の
区間で1つの流路に接続された所望数の遮断流路A1,
A2,…が形成される。それぞれの遮断流路のチューブ
先端31とバルブ141,142,143,…の間の区
間には、気液分離槽70と連通した気体捕捉部80が設
けられる。ポンプ40を作動させることでバルブ14
1,142,143,…の内、バルブが開かれている流
路に接続された容器20内の溶液10のみが溶液供給先
へと供給され、第二の実施形態と同じ原理により容器の
空が検知されたら、装置制御部からの信号によってバル
ブを閉じると同時に別の流路のバルブを開くことで、溶
液の供給流路を切り替えて継続的に溶液を供給すること
ができる。他の構成は第二の実施形態と共通である。こ
の装置は極めて簡単な構成であり、保守点検も容易で、
廉価に提供できるメリットがある。
【0057】
【発明の効果】以上述べたように本発明の請求項1によ
れば、溶液が密封封入されている高分子化合物製で、収
容量に応じて形状変化可能な容器にチューブを接続して
ポンプを経て溶液の供給先に至る遮断流路を所望数形成
する一方、各遮断流路の容器とポンプの間に、気体を分
離する気液分離槽と該気液分離槽と連通する気体捕捉部
を設け、該気体捕捉部内の気体の膨脹を感知すること
で、所望の遮断流路を選択作動させるので、容器内に封
入された溶液を外気と接触させることなく供給できるの
で、溶液が空気と触れて変質することがなく、又希釈や
複数のパートの混合も自動で行うことができるので、調
整ミスや溶液の付着による人体や機器などの汚染を防止
することができると共に、多数の用意される容器から選
択的に溶液供給が可能であり、連続的長期供給が可能で
あり、これまで液調整にかかっていた手間や作業時間を
大幅に削減することができた。
【0058】更に、別の容器から溶液を供給し続けるこ
とが可能であり、オペレータの容器交換時期の監視負担
を著しく軽減でき、オペレータが装置の近傍に常駐して
いないような使用方法でも、溶液を正確に継続的に供給
することができる。
【0059】又、本発明の請求項2によれば、設けられ
た遮断流路は、切り換え自在のバルブに接続し、該バル
ブにはポンプを経て供給先に至る共通のチューブを設け
たので、所望数の遮断流路に対し、1つのバルブにて溶
液の供給を制御でき、装置の簡略化ができ、装置全体を
コンパクト化できる。
【0060】又、本発明の請求項3によれば、設けられ
た遮断流路は、それぞれ開閉自在のバルブを備えると共
に、該バルブ以降に、ポンプを経て供給先に至る共通チ
ューブを設けたので、上記同様装置の一部が省略が可能
となり、装置の簡略化ができる。
【0061】又、本発明の請求項4によれば、気体捕捉
部が容積可変であると共に、該気体捕捉部の容積を一定
に保つための固定手段を備えたので、空の容器を交換す
る際に遮断流路内に残った気体の排出が容易であり、か
つ容器内の溶液が全て吸入されて遮断流路内が負圧にな
ったとき、この圧力に負けて気体捕捉部が潰れることで
気体の膨脹の感知が不正確となることを防止できるの
で、正確に容器の空を検知できる。
【0062】更に、本発明の請求項5によれば、気体捕
捉部内の気体が1.1倍以上9.5倍以下に膨張したと
きに気体を感知するセンサーを備えたので、気体感知セ
ンサーの作動の適正さを保証し、容器残液量を低く押え
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施例を示す概略説明図
【図2】本発明他実施例を示す概略説明図
【図3】本発明他実施例を示す概略説明図
【図4】本発明に使用する気体捕捉部の一実施例を示す
一部縦断側面図
【図5】同上気体捕捉部の一部使用状態断面説明図
【図6】同上気体捕捉部の作動状態説明図
【図7】同上気体捕捉部の作動状態説明図
【図8】同上気体捕捉部の作動状態説明図
【図9】本発明の気体捕捉部固定手段の一実施例を示す
側面図
【図10】本発明の気体捕捉部固定手段の他実施例を示
す側面図
【図11】本発明の一部たる気体感知センサーの一実施
例斜視図
【図12】本発明に使用されるチューブ先端又は針の一
実施例斜視図
【図13】本発明に使用されるチューブ先端又は針の他
実施例斜視図
【図14】本発明に使用される容器の一実施例の使用状
態の斜視図
【図15】本発明に使用される容器の他実施例の使用状
態の斜視図
【図16】本発明に使用される容器の他実施例の使用状
態の斜視図
【図17】本発明に使用される容器の他実施例の使用状
態の斜視図
【符号の説明】
10 溶液 20 容器 30 チューブ 31 チューブ先端 40 ポンプ 50 溶液供給先 60 気体 70 気液分離槽 80 気体捕捉部 120 気体感知センサー 140 切換バルブ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶液が密封封入されている高分子化合物製
    で、収容量に応じて形状変化可能な容器にチューブを接
    続してポンプを経て溶液の供給先に至る遮断流路を所望
    数形成する一方、各遮断流路の容器とポンプの間に、気
    体を分離する気液分離槽と該気液分離槽と連通する気体
    捕捉部を設け、該気体捕捉部内の気体の膨脹を感知する
    ことで、所望の遮断流路を選択作動させることを特徴と
    する溶液供給装置。
  2. 【請求項2】設けられた遮断流路は、切り換え自在のバ
    ルブに接続し、該バルブにはポンプを経て供給先に至る
    共通のチューブを設けたことを特徴とする請求項1に記
    載の溶液供給装置。
  3. 【請求項3】設けられた遮断流路は、それぞれ開閉自在
    バルブを備えると共に、該バルブ以降に、ポンプを経て
    供給先に至る共通チューブを設けたことを特徴とする請
    求項1に記載の溶液供給装置。
  4. 【請求項4】気体捕捉部が容積可変であると共に、該気
    体捕捉部の容積を一定に保つための固定手段を備えたこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3に記
    載の溶液供給装置。
  5. 【請求項5】気体捕捉部内の気体が1.1倍以上9.5
    倍以下に膨張したときに気体を感知するセンサーを備え
    たことを特徴とする請求項4に記載の溶液供給装置。
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