JP3703065B2 - 写真処理剤組成物容器の開栓・洗浄装置 - Google Patents

写真処理剤組成物容器の開栓・洗浄装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理に用いる写真処理剤組成物から写真処理液を調製する際に、容器から処理剤組成物を取り出して、空になった容器の内部を洗浄する装置に関する。本発明の装置は、とくに感光材料の自動現像装置に搭載して写真処理液を省力的に調製する処理剤組成物自動排出・容器自動洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にハロゲン化銀写真感光材料の処理、例えばハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理は、発色現像工程、銀除去工程及び水洗などの画像安定化工程からなり、各工程では、水洗を除いては1種類以上の処理薬品を含んだ水溶液(処理液と呼んでいる)を用いて行われる。各処理液は比較的低濃度であるので、使用液、すなわちそのまま使用できる状態の処理液を処理薬品メーカーが製造し、現像所へ輸送し、保管することは一般に経済面、保管スペース面、あるいは取り扱いの面から不適当なので、水で希釈すると使用液となるように設計された濃厚液、スラリー、顆粒化剤、混合粉末剤、錠剤などの形にしてそれを容器に充填して軽量化と減容化を図った形態で供給されるのが一般的である。
【0003】
この種の写真処理剤は、軽量で小容積であることに加えて、現像所において処理剤組成物を容器から手間をかけずに簡単に取り出せなければならないが、容器から組成物を取り出す際に、液体飛沫や固体粉末の飛散、粉剤、顆粒化剤、錠剤中の崩壊した微細粉の器壁内部への付着、スラリー状組成物の凝集固化物の容器内への残留などの欠陥がある。また、錠剤や顆粒などの固形物処理剤組成物の構成成分の中には、僅かな吸湿によって器壁に強固に固着して容易に除去できなくなる成分もあり、それが作業環境保全及び作業安全面で支障をもたらすことになる。処理剤容器から組成物を排出する方法が、特開平8−171190号、同8−171191号、同8−44030号などの各公報に提案されているが、上記の問題点は解決されていない。
【0004】
一方、処理剤組成物用容器は、容器のリサイクル、リユースによる資源の有効利用などのため再使用することが望ましい。しかし、使用済の容器に処理剤組成物からの付着成分や、排出されない凝集固化物があると容器のリサイクルにも支障を来す。また、現像所における清潔な取り扱いと安全のためにも、使用後の容器に薬剤が付着していないことが望まれている。そのため容器から組成物を排出したのち、その内部を水で洗浄する方法が、例えば特開平8−220722号、同6−82988号などの各公報に提案されており、それぞれに有効な方法ではあるが、その洗浄効果はまだ十分ではない。とくに、容器から処理剤組成物を排出する際に容器の口部周辺に付着した処理剤の洗浄が不十分であり、そのために容器のリサイクルに支障が生じたり、また現像装置及び作業環境も薬品による汚れを被ることがある。
【0005】
したがって、処理剤容器から組成物の飛沫や粉末の飛散や、成分の容器壁への付着や凝集固化物の残留という欠陥が解決され、組成物を簡単に取り出して処理液を作ることができて、しかも空の処理剤容器は簡単な方法で十分に洗浄できることが望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の要請に応える写真処理剤組成物容器の開栓・洗浄装置の開発であって、具体的には、容器の開栓と処理剤組成物の排出が容易で、かつ空の容器の内部及び口部周辺の洗浄も十分に行えて処理剤組成物の飛沫汚れも除去できる、処理剤組成物の開栓・洗浄装置及び開栓・洗浄方法を開発することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を満たす処理剤容器の開栓方法、組成物の排出方法及び容器の洗浄方法を、装置の構造、部材の材質、各素工程の作用機構などの各観点から種々検討を行った結果、組成物容器内部の洗浄に加えて容器の口部周辺の洗浄を別個に行うことによって目的を達成できることが判り、さらに鋭意研究して、本発明に到達した。すなわち、本発明は下記によって達せられる。
【0008】
1.写真感光材料用処理剤組成物を充填した容器の口部の開栓、処理剤組成物の溶解槽への排出及び空の容器の洗浄からなる一連の操作を行う、写真処理剤組成物用容器の開栓・洗浄装置であって、
1)容器の口部に設けた密封部材に、外側から当接して該密封部材を開栓して処理剤組成物を排出させる開栓部材及び開栓に続いて洗浄水を噴射させて容器内を洗浄する洗浄ノズルを有する洗浄部材と、
2)容器内の洗浄に続いて、該洗浄部材が容器の口部外側下方位置にくるように容器又は洗浄部材を移動させる移動機構と、
3)容器又は洗浄部材を移動させた後に該洗浄部材の噴射孔から洗浄水を噴射して容器口部周辺の洗浄を行う洗浄機構と、
を有することを特徴とする写真処理剤組成物容器の開栓・洗浄装置。
【0009】
2.容器の口部を開ける開栓と、開栓に続く容器の洗浄が、開栓部材と洗浄部材とが一体化された開栓・洗浄部材によって行われることを特徴とする請求項1に記載の写真処理剤組成物容器の開栓・洗浄装置。
【0010】
3.洗浄水を噴射して行う容器の内部及び口部の洗浄の少なくとも一方が、洗浄水の噴射を複数回に分割して間歇的に行う反復噴射洗浄であることを特徴とする上記1又は2に記載の写真処理剤組成物容器の開栓・洗浄装置。
【0011】
4.開栓・洗浄部材が、開栓用の尖端部と洗浄用水の噴射孔とを有する頭部及び該頭部に続く錐状部からなり、該錐状部は、その芯部に導水管と、該導水管から開栓・洗浄部材外方に貫通する洗浄水用噴射孔とを配した構造を有することを特徴とする上記1〜3のいずれか1項に記載の写真処理剤組成物容器の開栓・洗浄装置。
5.該装置の口部又はキャップの端面部に環状突起部材を有することを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の写真処理剤組成物容器の開栓・洗浄装置。
【0012】
本発明の要諦は、容器の開栓ののち、空になった容器を洗浄する洗浄部材が、空の容器の内壁の洗浄と、それに続く容器の口部外側位置からの容器口部周辺の洗浄との2段階の洗浄を行うことである。この2段階洗浄によって処理剤組成物容器(以下の記述では、処理剤組成物容器を処理剤容器あるいは単に容器とも呼ぶ)は、内部のみでなく、とくに汚れの大きい口部の内外部分(キャップも含む)も清浄になり、容器をリサイクルできるようになると同時に空の容器の清潔な取り扱いと安全も確保される。とくに、処理剤組成物が粉剤や錠剤などの固形剤やスラリー分散物の場合には、容器の口部の周辺に付着することが多いので、洗浄の際には、口部周辺にも水を噴射して付着物を洗浄除去する本発明の2段階洗浄装置が有効である。
【0013】
また、開栓と洗浄にわたる一連の操作を円滑に行う好ましい一態様としては、開栓部材と洗浄部材を一体とした開栓・洗浄部材が用いられる。両部材の一体化によって開栓から空の容器の洗浄までの一連の操作が単純化され、装置も簡単化される。
【0014】
上記の開栓と洗浄の両方を行う開栓・洗浄部材のとくに好ましい形態は、容器の口部の密封部材を破って開栓する操作と噴射孔から洗浄水を噴射する洗浄操作との両方を円滑に行うえるように、密封部材を突き破れる強度と耐久性を兼ね備えた尖端部を持つと同時に、開栓後に容器内へ突入しながら、密封部材の破断部分を押し広げられるように、円錐状又は角錐状の錐状部又はフィンがそれに続く構造となっている。また、開栓・洗浄部材の芯部を通る導水管が噴射孔に通じており、その噴射孔は斜め外方へ向かって洗浄水を噴射できるように配されている。噴射角などについてものちに記す。
【0015】
一方、処理剤組成物が、粉剤、錠剤あるいは顆粒状などの形態の場合には、容器の口部の密封部材を広く切り破る方式が、容器の内容物の排出が円滑に行われる。その開栓・洗浄部材の開栓部は、円形の密封部材を口部内周側に沿って切るように配されたブレード付きの開封部材が好ましい。その具体例は、実施態様2の中に記す。
【0016】
なお、本明細書では、「開栓」は「容器の密封部材を開けること」を意味している。本発明に用いられる容器には、いろいろの形式のものがあり、中には密封部材が容器本体の口部に固定されて、キャップを必要としない、したがって栓を有しない容器もあるが、キャップのない容器の場合にも「容器の密封部材を開けること」の意味で「開栓」という表現を用いる。
【0017】
また、固形処理剤組成物において、容器の器壁に微細粉や凝集物が付着する欠陥は、処理剤組成物が、構成成分として炭酸カリウムや炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、水酸化カリウムや水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属亜硫酸塩、アルカリ金属ほう酸塩、アルカリ金属チオ硫酸塩、チオ硫酸塩アンモニウム、及び発色現像主薬、ハイドロキノンなどの黒白現像主薬を含む場合に顕著に認められる。したがって、本発明の効果はこれらの処理薬品を構成成分に含む組成物を容器から取り出して処理液を調製する場合にとくに顕著である。
【0018】
上記に述べた容器内壁に洗浄水を噴射して行う洗浄は、同量の洗浄水量でも、洗浄水の噴射を複数回に分割して間歇的に行う反復噴射洗浄が、器壁への付着物の除去や凝集固化物の排出の効果が大きい。この反復噴射洗浄は、口部内外部分の洗浄にも効果があるが、容器内壁の洗浄の際にとくに有効である。噴射間隔や噴射量についてはのちに実施態様の中に記す。とくに3回以上に分割することが効果的であるが、詳細は後に具体的実施形態の中で説明する。
【0019】
一方、処理剤組成物用容器が、密度が0.941〜0.969でメルトインデックスが0.3〜5.0g/10minの高密度ポリエチレン(HDPE) を単一の構成樹脂で作られている場合には、組成物の構成成分の器壁への付着や、凝集固化物の容器内への残留が起こりにくい。この材質特性は、処理剤組成物が、均一の液相の液体処理剤組成物でも効果があるが、粉末状、顆粒状、錠剤又はスラリー状の処理剤組成物であるときに特にその効果が大きい。
また、上記密封部材と同様、酸・アルカリ性、酸化還元性などの写真処理剤組成物の特性にかかわらず、写真性能に影響を与えず、また容器も劣化することなく安定性が保たれる。また、リサイクルルートも確立されている。
【0020】
本発明のとくに望ましい処理剤溶解装置は、その上部に処理剤容器装着部が設けられており、処理剤容器をその口部を下に向けて装着し、開栓部材が口部の密封部材を破って容器内の写真処理剤組成物を溶解槽へ排出させ、排出させた後に下向きの口部を通して挿入した開栓・洗浄部材から噴出する水流によって、空になった容器内部を洗浄する自動開栓・洗浄機構を有する自動式の処理剤溶解装置である。
このとくに望ましい処理剤溶解装置を組み込んで、溶解槽が補充液貯留層をも兼ねている自動現像装置は、本発明の具体的な態様である。しかし、処理剤溶解装置が現像処理装置とは独立に設けられていてもよい。
以上に述べた本発明について、以下の実施態様において詳細に説明する。
【0021】
【発明の実施の形態】
〔実施態様1〕
上記した処理剤組成物容器の開栓・洗浄装置および方法を、さらに本実施態様によって説明する。本発明は、開栓・洗浄装置を自動現像処理装置に搭載したときに特にその効果が大きいので、この形態の実施態様に基づいて説明する。
【0022】
(開栓・洗浄装置の構成)
図1は、本発明の処理剤組成物容器の開栓・洗浄装置を搭載したプリンタープロセサーの斜視図であり、左半部10Aがプリンター部であり、右半部がプロセサー部である。
処理剤組成物溶解装置は、処理剤容器装着部、開栓・洗浄装置および溶解槽から成っている。処理剤容器装着部は、処理剤組成物溶解装置の上半部に位置しており、プリンタープロセサーの上部300(開閉扉302の内側)に装着されている。その下部に開栓・洗浄装置があり、溶解槽は、さらにその下部にあって、本実施態様では補充液貯留槽を兼ねている。現像処理に必要な各処理剤組成物をそれぞれ充填した各容器は、取り扱いが容易なように一括して収納ケースに収納した形態が選ばれ、これを処理剤カートリッジと呼んでいるが、本実施態様の図1では、開閉扉302のみが示されている処理剤容器装着部300に、処理剤カートリッジの形で各処理剤組成物容器が装着されている。
【0023】
図2は、処理剤カートリッジ202がホルダー316に装架されて処理剤装着部300に収納されている状態を示す。
図3は、図2に対応する側面図であって、図2の処理剤カートリッジの中の各処理剤組成物容器、収納部構造、収納部と周辺部材との位置関係を側面から示すものである。3基の併置処理剤溶解装置は同じ構造と機能をもつので、以下の説明では図3がそうであるように3基のうち主に現像処理剤組成物溶解装置について説明する。
図4は、プロセサー部の右側の内部の構成を示す側面略図であり、処理剤カートリッジを装填した処理剤装着部300と、その下部に設けられた補充液溶解槽兼貯留槽(それぞれ溶解槽又は補充液槽と記すこともある)347、溶解用や洗浄用などの用水の貯水槽426、及びそれらの配管系統を示す。
【0024】
図2〜4に示されるように、本実施態様では、現像処理剤組成物容器203と、漂白剤組成物容器205と、定着剤組成物容器207が、一括収納ケース(段ボール)204に収納された処理剤カートリッジ202を構成しており、それぞれの処理剤組成物について、口部(図6参照)の下方に開栓・洗浄部材346、348および350などから成る処理剤取り出し部があり、さらにその下方には、それぞれ漏斗352、354及び356が配置されており、漏斗352を経由する形でその下部には現像処理剤組成物用の溶解槽兼補充液貯留槽(図4の347)が設けられており、漏斗354及び356の下部にはそれぞれ図示しない漂白剤組成物用の溶解槽兼補充液貯留槽と定着剤組成物用の溶解槽兼補充液貯留槽が設けられている。図2と4で判るように、溶解槽兼補充液貯留槽(図4の347)には、開栓・洗浄部材346、348および350が口部を下にした容器を開栓したときに、容器内の処理剤が排出され、また排出後の容器を洗浄した洗浄水も流入する構造となっている。プリンタープロセサー10のケーシング内には、洗浄用水及び処理剤を溶解・希釈するための溶解・希釈水を貯留する貯水槽426が設けられており、その底部には、洗浄ノズル214へ送液するための配管436が接続されており、この貯水槽の水は、洗浄水及び溶解・希釈水として使用される。洗浄水は、貯水槽426からの配管436を通り、途中に送液ポンプ440を経て切り替えコック442によって現像補充液調製用、漂白剤補充液調製用及び定着剤補充液調製用のそれぞれの送液管を経て電磁弁に通じ、さらに洗浄部材に至るが、図4では、切替えコック以降洗浄部材に至るまで現像補充液調製用の配管を代表させて示している。切り替えコック442を経た洗浄用水の配管は、電磁弁450(機能面から洗浄弁とも呼ぶ)に接続し、さらにその先端が洗浄ノズル214へ送液されて処理剤排出後の容器203の洗浄を行う。
【0025】
本実施態様では、処理剤容器203に現像処理剤組成物が1300ミリリットル、処理剤容器205に漂白剤組成物が1300ミリリットル、処理剤容器207に定着剤組成物が1300ミリリットル充填されている。
溶解槽347では、現像処理剤組成物1300ミリリットルに対して希釈水3700ミリリットルが加えられて補充液(完成液として5000ミリリットル)が調製され、図示しない2つの溶解槽で、それぞれ漂白剤組成物及び定着剤組成物それぞれ1300ミリリットルに対してそれぞれ希釈水700ミリリットルが加えられて漂白剤補充液、定着剤補充液(完成液として各2000ミリリットル)が調製される。それぞれの希釈水は、内容物を排出した容器の洗浄水も含んでいる。
【0026】
(処理剤組成物容器の構成)
図6は、本発明に用いられる写真処理剤用容器の一態様であるボトルの構成を示す。図6に示されるように、ボトル1300はボトル本体1302を備えている。ボトル本体1302は、本実施態様では、中空の角柱状に形成されている。また、ボトル本体1302の上端部は漸次縮径されたテーパ状とされており、外周部に雄ネジ1304がきられた円筒状の口部1306が形成されている。この口部1306の上端部は開口されており、この開口部を介して組成物の排出ができる。ただし、この口部1306の上端部は、密封部材としてポリエチレン(LDPE)プレート1308が配置されていて使用時までは密封されている。このプレート1308部材には十字型の薄い切り込みが設けられて、ボトル内容物を流しだすための開栓・洗浄部材の尖端の半球部分が密封部材を突き破るときに容易に破りやすい工夫がされている。この切り込みは、十字型に限定されることはなく、例えば波打ち状の十字型、一型、一本の波型などでもよい。
【0027】
一方、とくに粉剤、顆粒化剤、錠剤などの固形処理剤組成物の容器の場合には、図2〜図5に示すような突き破り型の開栓部材では、容器内の組成物を排出しにくいので、後に説明する図11に示すような環状ブレードの切り開き式の開栓部材が適している。
図8は、本発明に用いられる写真処理剤容器の一態様であるが、粉剤、顆粒化剤、錠剤などの処理剤に適した例である。固形処理剤の場合は、図6にし示した細口の容器よりも図8に示す広口の容器の方が排出が円滑に行われる。
【0028】
また、図6においてボトル1300は、固定部材としてのキャップ1310を備えている。このキャップ1310は、口部1306へ向けて開口した筒状に形成されており、その内周部には口部1306へ形成された雄ネジ1304に対応した雌ネジ1318がきられ、口部1306へ螺合可能であり、口部1306へ螺合することにより、キャップ1310の底部1312でポリエチレンプレート1308を押さえ、ポリエチレンプレート1308を口部1306へ固定できる。また、キャップ1310の底部1312には円形の開口部1314が形成されており、キャップ1310を嵌めた状態でプレート1308を穿孔できる。
【0029】
(本実施の形態の作用)
次に、本実施の形態の作用について図4などにより説明する。
はじめに装置全体の作用を要約する。容器は、逆さの状態で現像処理機の補充部の上部の処理剤カートリッジ装填部に装着されており、補充液槽の液面が低下して、次の補充液の調製が必要になると、装填部が処理剤カートリッジを装着したまま下降して開栓・洗浄部材が下部から容器のポリエチレンプレート1308を突き破って容器内部に進入し、容器の内容物は排出されて補充槽に投入される仕組みとなっている。続いて容器内部に進入した開栓・洗浄部材に付属している洗浄水の噴射孔(洗浄ノズルとも呼ぶ)214から洗浄水が所定の時間噴射されて容器内部を洗浄し、その洗浄廃水も補充槽に投入されて処理剤から補充液を調製するための希釈水の一部として使用される。容器の洗浄水を排出するのに必要な時間ののちに、容器装填部は上方へ移動する。それによって開栓・洗浄部材の容器との位置関係は、容器内の位置から容器の口部が部材を抜いて、部材が容器の外部下方の位置へと変わってゆき、容器のキャップの下部外側の第2洗浄を行う位置となって停止する。
【0030】
図5は、容器内の洗浄を終えた開栓・洗浄部材が容器の外側下方の第2洗浄位置にあることを示す図である。開栓・洗浄部材が容器のキャップの下部外側の図5の位置関係になると再び洗浄水が洗浄ノズルより噴射されてキャップを含めた口部周辺に付着した処理剤を洗浄して、容器全体がリサイクル可能なレベルに清浄となる。
第2洗浄が終わると、送液ポンプが停止し、装填部は空の容器を装着したまま、第2洗浄位置からさらに上昇して当初の位置(上限位置)で停止して一連の開栓・洗浄動作を終了する。
【0031】
以上の作用の詳細を説明する。現像処理作業の進行によって、溶解槽兼補充槽347内での液面が所定量以下になると、フロートスイッチ360が液面レベル下限であることを検出し、溶解槽347へ補充液の調製と供給の指示が制御装置兼モニタ460に入力される。
【0032】
装着部ではボトル203(図6では1300)が装着架台に装着されており、制御装置460からの指示によって、開栓モータ328が駆動を始めると、すべり部材324とともに装着架台全体が下方へ移動し、開栓・洗浄部材346がボトル203(図6では1300)へ接近し、キャップ208(図6の1310)の開口部(図6の1314)に入り、ポリエチレンプレート(図6の1308)へ当接する。
【0033】
この状態から、モータ328の駆動力によってさらにすべり部材324とともに装着架台全体が下方へ移動され、開栓・洗浄部材346の開栓用の尖頭がポリエチレンプレート(図6では1308)を突き破って口部(図6の1306)を開口し、容器本体(図6の1302)の内部の処理剤組成物(現像補充剤)が流れ落ちる。マイクロスイッチ336が装着架台が下限位置にきたことを検出して開栓モーター328が停止する。
この状態で所定時間(容器から処理剤がほぼ流出する時間で、あらかじめ制御装置460に記憶されている)が経過すると送液ポンプ440が作動し、切り替えコック442が切り換えられ、電磁弁(洗浄弁)450が開いて貯水槽426から洗浄水が開栓・洗浄部材346に附属する噴射ノズル(図5の214)から容器の内壁に噴射される。
【0034】
容器203の内部の洗浄が終了すると、本実施態様では続いて切り替えコック442から別れた別の2つの給水管(漂白剤補充液用と定着剤補充液用)が、それぞれの電磁弁を経て洗浄水をそれぞれの洗浄ノズルへも送液し、漂白剤組成物と定着剤組成物をそれぞれ排出した容器205、207の洗浄をも行う。このようにして、処理剤組成物を排出した各容器について、洗浄ノズルから洗浄水が空の容器の内部に噴出されて洗浄が行われる。
【0035】
容器内部の所定の洗浄を終えて電磁弁450などの各電磁弁が閉止され、ついで送液ポンプ442が停止すると、開栓モーター328が駆動し、同時に第2洗浄用のプログラムタイマーがスタートする。開栓モーター328は、すべり部材324とともに装着架台全体が上方へ移動させるが、洗浄ノズル(図5の214)が容器203(図6では1300)の口部の外側下方(図5の状態)に到着すると、その位置でタイマーの時間管理によって停止する。次いで送液ポンプ440が始動し、電磁弁450が開き、洗浄ノズル(図5の214)が、口部周辺に洗浄水を噴射して洗浄する。口部周辺は、組成物の飛沫や粉末によって内部、外部及び破裂した密封部材の破片共に汚れているが、この洗浄によってリサイクルが可能なレベルの清浄な状態になる。容器203の口部周辺の洗浄つまり第2洗浄が終了すると、第1洗浄の場合と同様に本実施態様では、切り替えコック442から別れた別の2つの給水管は、それぞれの電磁弁を経て洗浄水をそれぞれの洗浄ノズルへも送液が行われて、処理剤排出後の図2の容器205、207の口部周辺の洗浄を順次行う。このようにして、各洗浄ノズルから洗浄水が各処理剤組成物容器の内部及び口部を容器のリサイクル可能なレベルに洗浄する。
【0036】
第2洗浄における洗浄ノズルの噴射孔とキャップ、口部との距離は、噴射圧や、容器のキャップ、口部サイズなどによって異なるが、1〜80mm、好ましくは2〜10mmがよい。
【0037】
第2洗浄の終了後、開栓モーター328は、タイマーの時間管理によって再びすべり部材324とともに装着架台全体を上方へ移動させ、マイクロスイッチ334が装着架台の上限位置すなわち当初の位置を検出するとその位置で停止し、一連の開栓・洗浄動作を終了する。
洗浄に使用した洗浄水は、容器壁を伝わって口部から容器の外へ流下して溶解槽347に流入して(他の処理剤組成物もそれぞれの溶解槽に流入して)希釈水の一部として用いられる。
【0038】
この際、洗浄水を連続的に噴射させる代わりに、電磁弁450とポンプ440を間欠的に作動させて、洗浄ノズル(図5の214)から洗浄水を間欠的に噴射させることもできる。洗浄水を連続的に噴射させると、吹き上げる洗浄水と落下してくる洗浄水とが干渉して洗浄効率が低下する場合があるが、間欠的に噴射するとこの作用が防がれて洗浄効率が向上する。
また、噴射間隔を1秒以上とすると、噴射と噴射の間に洗浄水が容器の外へ排出されて好ましい。
【0039】
ポンプ440の吐出圧を変化させることができる場合は、吐出圧を変化させてもよく、この場合も洗浄水を間欠的に噴射する場合と同様の好ましい効果が得られる。また、ポンプ440の吐出圧を変化させることができない場合は、制御装置460で制御される圧力可変バルブを設けてもよい。
【0040】
なお、効率よく洗浄するには、洗浄水の噴射角(θ:噴射方向が鉛直面となす角)や処理剤容器の寸法及びアスペクト比も重要である。処理剤容器の内部高さ(倒立した容器の口部から相対する底部までの高さ)をC,底面が矩形の容器の場合は、短辺(内法)をA,長辺(内法)をB,容器内面に噴射される洗浄液の下端部分が内壁にあたる位置の倒立した容器の口部からの高さをC1とすると、B/Aは1〜1.5であることが望ましく、A=Bとすることがさらに望ましい。また、円柱状の容器であってもよい。また、A<C,B<Cとすることが好ましく、C/Bは2〜5が好ましい。また、柱状部が円柱状の容器では、直径(内法)Rに対してC/R=2〜5が好ましい。
噴射角(θ)は、60°以内であり、10〜50°が好ましく、とくに15〜45°が好ましい。噴射角が大き過ぎると容器上部が洗われにくく、小さすぎると容器壁への衝撃が低くて非効率である。また、C1は、Cの1/2以下であることが好ましく、一方絶対値としては100mm以下、好ましくは70mm以下、より好ましくは50mm以下がよい。但し肩部より上(すなわち柱状部)であることがよい。
第2洗浄における洗浄水の噴射の角度、間歇反復噴射、噴射水量などは、上記した容器内部の噴射洗浄と同じであることが好都合であるが、変更してもよい。
【0041】
容器の内部及び口部周辺に水を噴射して行う洗浄は、洗浄水を連続して1回に噴射するよりは、同量の洗浄水の噴射を複数回に分割して間歇的に行う反復噴射洗浄の方式をとる方が格段に有効に器壁への付着物を除去することができる。とくに3回以上に分割することが効果的である。好ましくは3〜10回にするのがよい。ただし、1回当たりの噴射の水量は、5〜100ミリリットルであることが好ましい。5ミリリットル以下で多数回噴射したり(噴射間隔が短くなる)、100ミリリットル以上で少数回噴射する洗浄形式では、分割洗浄しない場合に対して洗浄効果の向上は僅かである。洗浄水の合計量は溶解槽で補充液などの処理液を調製されるのに処理剤組成物に添加される水量より少ない限り任意であるが、好ましい洗浄水の合計量は、50〜500ミリリットルである。
【0042】
本実施形態では、洗浄ノズルは倒立円錐状に洗浄水を噴射するようにノズル孔が配置されているが、種々の方向に向けて複数の小孔を設けて種々の噴射角で噴射するように設計してもよい。
また、容器の洗浄の際に、洗浄水を噴射するノズルの噴射口の詰まりを防止するためには、洗浄水は脱イオン水であることが望ましい。
【0043】
このようにして、図6のボトル1300(容器本体1302)から流れ落ちた処理剤組成物と容器内部と口部周辺を洗浄した洗浄水は、パイプなどを介して溶解槽347へ投入される。ここで、本実施の形態に係るボトル(図6の1300)を適用すると、作業者は開閉扉302を開けてボトル(図6の1300)をセットし(通常現像剤組成物キットをまとめた収納ケースの形で)、開閉扉302を閉め、図4のモータ328を作動させるだけであり、開栓作業及び容器からの排出と溶解槽への投入作業、すなわち、ポリエチレンプレート(図6の1308)を穿孔して処理剤組成物を溶解槽347へ投入する作業はプロセサー部分の閉じられた装着部300の内側で行われる。このため、作業者がボトル1300を手で持って補充するという面倒な作業が要らず、しかも、補充の際に補充液が飛散して作業者の手や服を汚すようなこともない。
【0044】
以上に、本実施態様の開栓・洗浄装置の構造と作用について述べたので、つぎにこの作用を行うデバイスの動作仕様を示す。
【0045】
1.要素の個別の作動仕様
<開栓モータ制御>
以下に補充部において使用する開栓モータ328の一般的な制御仕様を述べる。制御回路には過負荷防止回路を設ける。
(1) 信号制御
開栓モータ制御には以下の3つの信号を使用する。
・回転方向信号:開栓モータ328は双方向に回転可能である。正転/逆転を指定する。
・駆動信号 :ONで回転、OFF で停止。
・位置検出信号:駆動停止位置を検出し、駆動信号をOFF 制御する。
(2) 速度制御
定速制御のみとする。
(3) 位置制御
位置決めセンサ(334及び336)からの信号によって、回転停止を制御する。
時間制御(460)とする。
【0046】
<開栓モータ動作>
開栓モータ328の一般的な動作仕様を述べる。
機能:装填部を上下駆動して処理剤容器を開栓する。
動作仕様:
・制御装置460又はオペレーターからの指示(正転/逆転)によりモータをONする。
・動作中に中止要求があると駆動を停止する。
・位置決めセンサからの入力が無くとも連続駆動時間は13秒までとする。
<洗浄水ポンプ>
機能:処理剤容器内及びキャップ、口部を洗浄する。
動作仕様:
・規定シーケンスに従ってポンプをON/OFFする。
・動作中に中止要求があると駆動を停止する。
【0047】
<電磁弁(洗浄弁)>
▲1▼ 処理剤容器203用洗浄弁450
機能:水槽から処理剤容器203への洗浄水路を開閉する。
動作仕様:
・規定時間電磁弁をONする。
・規定時間経過後電磁弁をOFF する。
▲2▼ 処理剤容器205用洗浄弁(図示せず)
機能:水槽から処理剤容器205への洗浄水路を開閉する。
動作仕様:
・規定時間電磁弁をONする。
・規定時間経過後電磁弁をOFF する。
▲3▼ 処理剤容器207用洗浄弁(図示せず)
機能:水槽から処理剤容器207への洗浄水路を開閉する。
動作仕様:
・規定時間電磁弁をONする。
・規定時間経過後電磁弁をOFF する。
【0048】
<センサ/スイッチ>
センサに関しては、機能のみの記述とする。
▲1▼装填部 上限検出336
・センサ出力 開放:なし 遮光:あり
機能:上限位置での装填部の有無を検出する。
▲2▼装填部 下限検出334
・センサ出力 開放:なし 遮光:あり
機能:下限位置での装填部の有無を検出する。
【0049】
2.容器自動洗浄動作シーケンス
一つの補充液が複数の組成物から構成される場合(例えば、現像主薬パートと保恒剤パート)は、容器洗浄と補充槽の攪拌を含み、補充液が1剤で構成される場合は容器洗浄のみとなる。本実施態様は、それぞれ一剤構成の3種の補充液用処理剤組成物(容器203、205及び207)から3種類の補充液が作られる。
<容器自動開栓・洗浄全体のシーケンス>
処理剤容器の自動開栓・洗浄シーケンス全体を以下に概略を記し、また表1にも示す。
【0050】
スタート
初期化→
装填部下降(開栓)→
送液ポンプ始動→
30秒待ち時間(その間処理剤排出)→
容器内側203洗浄→
容器内側205洗浄→
容器内側207洗浄→
30秒待ち時間(その間洗浄水排出)→
装填部上昇→
装填部停止(第2洗浄位置)→
容器203口部、キャップ周辺洗浄→
容器205口部、キャップ周辺洗浄→
容器207口部、キャップ周辺洗浄→
30秒待ち時間(その間洗浄水排出)→
送液ポンプ停止→
装填部再上昇→
装填部停止(上限位置)→
エンド
【0051】
表1 容器自動開栓・洗浄の全体シーケンス
【0052】
【表1】
Figure 0003703065
【0053】
<キャップ、口部洗浄動作シーケンス>
上記全体動作シーケンスの中で、キャップ、口部洗浄つまり第2洗浄は、つぎのシーケンスで行われる。
機能:処理剤容器キャップ,口部の汚れを洗浄する。
開始条件:容器(203〜207)の内側の自動洗浄を終了して、開栓モーターが装着架台を上方へ駆動開始したとき。
終了条件:容器装着架台が再上昇して上限位置センサー334が装着架台を検出したとき。
キャップ、口部洗浄シーケンスを以下の表2に示す。表1の全体シーケンスの2回目の「開栓モーターON」(装着架台を上方へ始動)から以下のシーケンスに入る。
【0054】
表2 第2洗浄シーケンス
【0055】
【表2】
Figure 0003703065
【0056】
上記シーケンスにおいて203洗浄弁、205洗浄弁、207洗浄弁は、それぞれ現像補充剤組成物、漂白剤組成物及び定着剤組成物の各容器用の洗浄弁を表す。上記シーケンスでは、3洗浄弁が一括されて順次作動するように組まれているが、勿論各容器の洗浄に関して個別シーケンスを組んで例えば並列的に洗浄を行うこともできる。また、タイマーセット時間も一例である。
また、本実施態様では、キャップ、口部洗浄位置は、内部の洗浄を終えた空の処理剤容器を装着した装着架台が上昇の途中でノズルとキャップ、口部洗浄の距離が洗浄に好都合な位置で一時停止して、その位置から口部とキャップの洗浄を行うようにシーケンスが組まれているが、別の形態としては、容器の装着架台が上限位置に上がったときにノズルとキャップ及び口部との距離が洗浄に好都合な位置であるように開栓・洗浄部材と位置を設定して、容器が下降して開栓したときに内部の洗浄を行い、つぎに容器が上昇してもとの位置に戻ったときに口部とキャップ周辺の洗浄を行うようにしてもよい。
【0057】
(開栓・洗浄部材の形態2)
図10は、本発明にかかわる開栓・洗浄方法に用いられるが、前記の形態(形態1と呼ぶ)とは逆に容器装着位置が固定されていて、開栓・洗浄部材が移動して開栓と洗浄を行う開栓洗浄部材を示す。
前記の形態1においては、処理材組成物容器は、処理材収納ケース202に一括収納されたカートリッジ204の形態で現像処理装置の処理剤収納部300に装着されており、容器の開栓に当たっては、容器がこの装着架台の容器ホルダー316に固定されたまま降下して固定位置にある開栓・洗浄部材346の尖端188に当接して開栓が行われるが、形態2においては、容器及び装着架台は、固定位置にあり、開栓・洗浄部材346が上方へ移動して容器の密封部材(本態様ではポリエチレンプレート)に当接して開栓が行われる。
【0058】
図10において、洗浄ノズル214の支持軸には、ギア220と嵌合する回転ギア付きのモーター224からなるギアボックス222が設けられていて、洗浄ノズル214を支持軸ごと上下させることができる。開栓に際しては、洗浄ノズル214が上昇して固定している容器のポリエチレンプレートに、下方から当接する。
【0059】
形態2は、洗浄水の上記とは別の噴射形態の例でもある。
図10において、洗浄ノズル214は回転自在に設けられ、ノズルの外周に形成したギア234にモーター236で回転するギア238をかみ合わせることによって洗浄ノズル214を回転させて洗浄水をスプリンクラーのように噴射させることもできる。
形態2においては、形態1の開栓・洗浄部材346を図10のものに変更した以外は、形態1に準じた態様で開栓と第1及び第2洗浄が行われる。
【0060】
(開栓・洗浄部材の形態3)
図11には、ブレード型の開栓部を持つ開栓・洗浄部材を示す。
処理剤組成物が、粉剤、顆粒化剤、錠剤などの場合には、実施態様1に示した尖端で押し破る棒状の開栓部材を持った開栓・洗浄部材よりも、口部を出来るだけ広く切り開ける図11に示すブレード型の開栓部を持つ開栓・洗浄部材が好ましい。
形態3においては、実施態様1の開栓・洗浄部材346を図11のものに変更した以外は、実施態様1に準じて開栓と第1及び第2洗浄が行われる。
【0061】
(開栓・洗浄部材の形態4)
図7は、開栓・洗浄ノズルの別の態様を示す。
実施態様1に示した開栓・洗浄部材の洗浄ノズルは、図7に示すように洗浄水が円周面の接線方向に噴射されて洗浄される容器内壁面積を拡げるように設計してもよい。さらにこの接線方向噴射の洗浄ノズルをノズルの軸を回転軸として回転させて洗浄効率を高める構造をとってもよい。
形態4においては、実施態様1の開栓・洗浄部材346を図7のものに変更した以外は、実施態様1に準じて開栓と第1及び第2洗浄が行われる。
【0062】
なお、図7において尖頭と錐上部からなる開栓部材の代わりに図7の開栓・洗浄部材を取り巻くように図11に示した環状ブレード190を開栓部材として設けた形態とし、図7に示された部分は洗浄のみを行い、開栓は尖頭と錐上部ではなく、このブレードによって行うようにした開栓・洗浄部材は、処理材組成物が液状でない場合に適している。
別の態様としては、図7に示した部材が、洗浄部材としてのみ機能し、これとは独立に環状ブレードなどの開栓部材を設けてもよい。すなわち、開栓部材は、必ずしもこの洗浄部材と一体化している必要はない。環状ブレードが容器の密封部材の開栓を行ったのち、図7の洗浄部材が容器の中に入って容器内洗浄を行い、続いて容器外部へ移動して口部周辺を洗浄する機構も好ましい。
【0063】
〔実施態様2〕
図12は、処理剤組成物容器を、容器装着架台に装架して開栓し、その下方に洗浄部材が待機している状態を示しており、開栓部材と洗浄部材が一体化してなく独立に機能する例を示す。容器24がキャップ34を取り付けたまま吐出口30を下方に向けて注入口36に装着されると、押し材42が円筒体50に当たり、密封部材46(ここではすでに破られた破片の状態を示す)に向かって押し上げられる。そのため押し材42のブレード部48が密封部材46を切断して、押し材42の貫通口44と円筒体50を通じて容器24中の処理剤組成物が下方の図示しない溶解タンクに排出される。続いて溶解タンクの上方でかつ貫通口44の下方に待機していた洗浄部材346が上昇して容器24の中に進入し、具備した洗浄ノズル214が容器内部の洗浄を行う。容器内部の洗浄後、洗浄ノズル214は洗浄水の噴射を停止し、設定された時間の後に、洗浄部材は下降して容器の口部下方の図12に示す位置に停止して、その位置で洗浄ノズルが再び洗浄水を噴射して口部及びキャップ周辺を洗浄する。洗浄ノズル214が洗浄水の噴射を停止して第2洗浄が終了すると、設定された時間の後に、洗浄部材はさらに下降してもとの位置に戻って停止する。この場合にも、洗浄部材の始めの位置が第2洗浄を行うのに適した位置であるように配置して、第2洗浄を洗浄部材の始めの位置で行ってもよい。
【0064】
洗浄部材346の上昇機構や、容器24内部の洗浄機構などは、すでに図4、5などによって既に説明したものと同様である。容器の吐出口30は、広口であり、容器24の肩部は比較的高い勾配を持たせてあって、粉剤であっても容器からの排出が容易に行われるように設計されている。しかし、本実施態様は、固形組成物に限定されず、液体組成物にも適用される。
【0065】
以上に、図1〜12の現像装置、開栓・洗浄装置、容器などの図を用いて、現像処理剤容器を自動現像機に装着して容器を開栓して、内容物を排出したのち、洗浄を行う本発明の好ましい装置と方式の態様を述べたが、本発明の適用対象は、この種の自動開栓型処理液調製・補充方式の現像処理に限定されない。
【0066】
〔組成物容器〕
本発明に好ましく用いられる容器についてさらに説明する。
(容器の形状)
本発明に用いる写真処理剤組成物用容器はすでにその要点は前記したが、さらに詳細を説明する。とくに好ましい容器の形状は、処理剤組成物を流出させる口部と、口部を閉塞する蓋又はシール部材と、口部と対向する側に設けられた底部と、口部と底部に挟まれて現像剤組成物を実質的に収納する柱状部と、柱状部と口部を結合する肩部と、から構成されており、柱状部の底面への投影面が、長辺の長さが40〜100mmでかつ長辺に対する短辺の比が0.7〜1.0の長方形又は正方形、若しくは内径が40〜100mmの円形であり、柱状部の高さの上記長辺又は内径に対する比が、2.0〜4.0倍であり、肩部の柱状部から口部へ向けてなす傾斜角(底面となす角度)は15〜45°とすることによって、取り扱い性及び現像機への装着適性を満たした上、現像剤組成物を排出したのちの容器内の洗浄性が確保される。
なお、柱状部の底面への投影面における、長辺及び短辺の長さは、いずれも柱状部の厚みを含まない、内法の長辺および短辺の長さを意味する。
【0067】
また、プラスチックボトルの成形の際にその断面が厳密な正方形や長方形のものは作れず、角に丸みがついた形状となることを考慮すれば、本明細書における容器断面の形状記述において「正方形」あるいは「長方形」という記述は、正しくは「ほぼ正方形」、「ほぼ長方形」と「ほぼ」を付けて記述するべきであるが、本明細書においては「ほぼ」を省略して記述している。
肩部の柱状部から口部へ向けてなす傾斜角において、柱状部が四角柱の場合は、肩部の前記長辺を含む面が底面となす角度、および肩部の前記短辺となす角度の2つの傾斜角があるが、本発明においてはこれら2つの傾斜角のいずれもが、前記15〜45°の範囲にあることが好ましい。
【0068】
高さと長辺又は内径との比が、上記の範囲よりも低いと一定量の水が内壁を流れ落ちながら洗浄する面積が減少することと、洗浄水の衝撃圧が弱い部分が多くなることによって洗浄効果が減少し、限られた水量で十分に清浄化することができなくなる。
【0069】
一方、容器の高さは、上記範囲よりも高いと容器内の最も高い部分(容器の底部)の洗浄効果が低下し、十分に洗浄するためには水圧を高める必要が起こり、経済的な洗浄ができない。したがって、限られた水量で最大の洗浄効果を発揮するには、上記した高さと内径又は長辺の比率が最適である。この比率は、2.0〜4.0倍であり、より好ましくは2.5〜3.5倍である。肩部の柱状部から口部へ向けてなす傾斜角(底面となす角度)は、付着物の流れ易さの点から15〜45°であり、好ましくは20〜40°、より好ましくは25〜35°である。
【0070】
また、長辺の好ましい長さは50〜90mm、より好ましくは60〜80mmである。短辺の長辺に対する好ましい比は、0.8〜1.0、より好ましくは0.9〜1.0、さらには0.95〜1.0がよい。円柱状の容器の場合は、好ましい内径は50〜90mm、より好ましくは60〜80mmである。
現像剤組成物容器が、このような条件を満たすときに、少量の水量で残留物のない状態に洗浄することができる。
【0071】
また、取り扱い性及び現像機への装着適性を満たすには、上記の寸法の範囲を超える大型容器では、店頭現像所用としては好ましくない大型の洗浄用ポンプと噴霧ノズルが必要となる。また、上記の寸法の範囲以下の内径あるいは長辺を持つ小型容器では、単位容量当たりの所要容器材料の量がかさみ不経済であり、取り扱いや装置への適合性も悪くなる。また、容器内壁への着色付着物の洗浄除去効果からも好ましくない。
【0072】
(飛散防止突起を有する容器)
容器の口部には、口部を下にして装着したときに、装架部の容器担持部材に当接する容器の口部またはキャップの端面部に、環状突起部材を、容器の口部の密封部材を取り巻くように設けるが、これによって容器を開栓して容器内の組成物を排出するさいに飛沫や粉末が口部と排出・洗浄装置の容器装着架台部との間から、飛散して装置を汚したり、現像装置に搭載されている場合には、他の処理液を汚すことが避けられる。
【0073】
図9に示すように、処理剤容器の口部の上端面または口部に勘合するキャップの上端面、つまり装着架台と接する端面には、環状突起部材1309を、密封部材1308を取り巻くように設けることが好ましい。この環状突起部材1309は、容器を開栓して容器内の組成物を排出するさいに飛沫や粉末が口部周辺を汚したり、口部と容器ホルダー(図2の316)との間から、飛散して装置を汚したり、また現像装置に搭載されている場合には、他の処理液を汚すことが避けられる。また、口部周辺の洗浄の負荷が軽減され、口部の清浄性の維持が一層確実になる。
【0074】
環状突起部材1309の材質は、ホルダー316と容器との隙間を埋めるためにある程度の柔軟性を持ったしかも処理材組成物に侵されにくい、例えば軟質のポリエチレン(LDPE)、ポリウレタン、クロロプレン、又はむしろ経済性の点からキャップや処理剤容器と同一材質が選ばれる。後者の場合は、容器又はキャップと同時に成形できる。突起部材の高さは、1〜7mm,好ましくは2〜5mmであり、その断面は、矩形、三角形又は梯形であり、その基部の幅は1〜5mm,好ましくは1.5〜3mmである。図9にその典型的な例を示す。
図9aは、ボトルの口部の斜視図であり、図9bは、ボトルが口部を下にしてホルダー316に装架された状態を示す。図9において、ホルダー316の上側と口部又はキャップの端面1312とは、環状突起部材が密封部材を円環状に取り囲んで開栓・洗浄部材の尖端188が密封部材を突き破ったときの処理剤組成物の飛散を防止しており、ホルダー316の下側には漏斗352が排出された処理剤組成物の飛散を防止している。
【0075】
(容器の材質)
容器壁付着物や排出しにくい凝集固化物を、噴射式の洗浄によって簡単に除去される容器は、その材質が密度が0.941〜0.969でメルトインデックスが0.3〜5.0g/10minの範囲の高密度ポリエチレン(以後HDPEと呼ぶ) を単一の構成樹脂として作られた容器であるのが好ましい。より好ましい密度は0.951〜0.969であり、とくに好ましくは0.955〜0.965である。また、より好ましいメルトインデックスは0.3〜5.0であり、さらに好ましくは0.3〜4.0である。メルトインデックスは、ASTM D1238に規定された方法に従い、温度190°Cにおいて荷重2.16kgのもとで測定した値である。
この予想外の効果は、上記の密度とメルトインデックス値を持つHDPEに認められるものであって、ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリ塩化ビニル(PVC),低密度ポリエチレン(LDPE)などHDPE以外の凡用容器材料や、HDPEであっても上記の密度とメルトインデックスの範囲以外のものから作られた容器は、上記した効果は認められない。
【0076】
処理剤組成物用容器に要求される高い寸法精度のHDPE容器は、中空成形法によって製造することが望ましい。とくに射出中空成形法によって高い寸法精度が確保される。また、射出中空成形法に延伸を加えることがさらに好ましい。本発明では、これら中空成形法を基本とする成形法によって製造した容器と水噴射方式の洗浄とによって洗浄性を高めている。その理由は、おそらく壁面の平滑性やポリマー分子の配向性が影響しているかと思われる。射出中空成形法によって本発明に適した0.5〜5.0リットル程度のサイズのポリエチレン容器を製造するには、前記のようにメルトインデックスは、0.3〜5.0g/10minの範囲の値であることが好ましい。
【0077】
HDPEには、カーボンブラックやチタンホワイト、カルシウムシリケート、シリカなどアルカリ性現像組成物に悪影響しない顔料、炭酸カルシウム、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)などの添加剤、ジセチルサルファイド、トリス(ラウリルチオ)フォスファイト、その他アミン系、チオエーテル系、フェノール系などの既知の酸化防止剤、ステアリン酸又はその金属塩などのすべり剤、2−ハイドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノンを始めとするポリエチレンに相溶性のある既知の紫外線吸収剤、ポリエチレンに相溶性のある既知の可塑剤などを必要によって添加してもよい。これらの添加剤の総量は、プラスチック原料混和物の総量の50%以下であることが望ましい。好ましくはポリエチレン(HDPE)の比率が85%以上で可塑剤を含まないものがよく、より好ましくはポリエチレン(HDPE)の比率が95%以上で可塑剤を含まないものがよい。
【0078】
また、容器のキャップについては、必ずしもHDPEである必要はなく、例えばLDPEでもよい。また、HDPEであっても、容器本体と同一の密度、メルトインデックスをもつHDPEである必要はなく、キャップとしての成形しやすさや容器本体の口部との勘合部の機密性によって適当なグレードのHDPEを選ぶことができる。また、キャップの材料をHDPEとしてそのシール部分つまり容器本体の口部との勘合部のみを密度が0.91〜0.94のLDPEとすることもできる。このような僅かのLDPEの使用はポリエチレンの再生使用に影響を与えない。
【0079】
また、本発明の別の態様としては、口部に勘合するキャップを設けないで、穿孔可能なポリエチレンプレート又はアルミニウムとポリエチレンのラミネートシートなどで口部を封鎖した、キャップを必ずしも必要としない容器でもよい。
【0080】
〔処理剤組成物〕
本発明に係わる処理剤組成物は、公知の方法で調製された粉末、顆粒、錠剤又はスラリーあるいは均一相の濃厚液剤の形態をした組成物である。
粉末状の処理剤組成物の場合は、構成成分の粉末原料を機械的に混合して容器に充填できるものもある。また、単純な混合では、保存安定性などの点で不適切な場合には、公知の方法にしたがって、構成成分を▲1▼他の成分との混合を避けるべき成分と▲2▼互いに混合してもよい一つまたは複数の成分群に別けてそれぞれの成分群の中では混合したのち、それらの単独成分及び混合成分を容器の中に順次装填して積層した層状構成の粉末処理剤組成物とすることができる。
【0081】
顆粒状の組成物の場合は、構成成分の原料薬品を公知の方法、例えば特開平4−221951号、同2−109043号などに記載の方法で、直接あるいは適当な結合剤と混合後顆粒化を行う。処理剤組成物成分の顆粒化と混合は、組成物の構成に応じて、顆粒化を先に行うべき成分と、予め適当な成分同士を混合してから顆粒化するべきものに分けて、それぞれを顆粒化し、その後顆粒化物同士を混合するか、混合しないで粉末組成物について前記したようにそれぞれの顆粒を順次層状に積層した構成の組成物とする。
顆粒化の方法としては、対象となる写真処理剤の成分薬品又は薬品群の水溶液をスプレーノズルから噴射して水分を蒸発させる噴霧乾燥造粒法を用いることができる。噴霧環境は、処理薬品の性質によって、窒素などの不活性ガス雰囲気が選ばれることもある。
【0082】
錠剤も公知の方法にしたがって、単独成分で、あるいは共存可能の成分同士を混合した形で錠剤化が行われる。加圧成形による錠剤化が一般的な錠剤化方法である。例えば特開平5−119450号、特開昭51−61837号、特開昭54−155038号などに記載の公知の方法を用いることができる。
【0083】
濃厚液体組成物の調製は、公知の方法で処理剤の構成成分を水又は水系溶媒に溶解して、均一液相の水溶液とする。溶媒の量は、処理剤組成物が使用期間を通じて析出が起こらない量に設定される。
一方、スラリー状組成物は、処理剤の構成成分を溶解するための水などの溶媒量が処理剤成分の溶解度に満たず、不溶解物すなわちスラリーを生じている処理剤組成物であるが、その組成物の中では不溶解物が安定であって、水を加えることによって溶解して均一液相となるように構成されており、従って液体濃縮処理剤と同じように使用することができるスラリー状の分散液である。スラリー状の処理剤組成物の濃縮度は、その組成物を水で希釈して目的とする処理液を調製する際の希釈倍率(体積倍率)で表すと1.5〜50倍、好ましくは3〜20倍である。スラリー状組成物の製造方法に関しては、米国特許第2735774号、同2784086号などの公知の方法を用いることができる。
上記のように粉末、顆粒、錠剤又はスラリー状あるいは均一液相のいずれの形態の処理剤組成物も公知の方法によって調製することができる。
【0084】
〔処理剤組成物の構成成分〕
本発明の処理剤組成物の溶解方法及び溶解装置が適用される処理剤組成物は、黒白及びカラー処理用の粉末、顆粒、錠剤及びスラリー状あるいは均一液相の処理剤組成物であることはすでに述べた。ここでは、各組成物の構成成分について説明する。
処理剤組成物は、現像処理剤組成物のほかに漂白剤組成物や定着剤組成物など漂白能、定着能あるいはその両方を有する処理剤組成物である。このほかに、水洗代替安定浴や画像安定浴などの付加的な処理浴もあり、そのための処理剤にも本発明の方法と装置は適用できるが、水洗代替安定浴や画像安定浴などの付加的な処理浴は、濃度がきわめて希薄なので、必ずしも発明の対象にはしていない。
【0085】
(現像処理剤組成物の構成)
現像剤組成物は、通常の発色現像剤に含まれる構成成分を粉末、顆粒、錠剤及びスラリー状態で含んだ組成物である。発色現像処理剤組成物の中には、4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アニリン、4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−メタンスルホアミドエチル)アニリン又はそれらの塩、あるいはそのほかのp−フェニレンジアミン型の発色現像主薬を含んでいる。また、近年黒白感光材料の中には、カプラーを黒色に発色するように添加しておき、汎用の一般の発色現像液を用いて黒白画像を形成するものもあるが、本発明にかかわる発色現像剤組成物は、この種の感光材料の処理にも適用される。
黒白現像剤組成物には、ハイドロキノン、1−フェニル−3ーピラゾリドン型現像主薬、エリソルビン酸及びその誘導体、N−メチル−p−アミノフェノールなどのp−アミノフェノール誘導体又はそれらの塩で代表される黒白現像主薬が含まれる。
【0086】
現像剤組成物は、対象とする感光材料の種類によってヒドロキシルアミン誘導体及び少量の亜硫酸イオンの一つ以上を含有するが、さらにそのほかの無機保恒剤や、有機保恒剤を含有してもよい。これらの保恒剤は、単一構成の現像剤パートに組み入れないで、別パートとしてもよい。有機保恒剤は、芳香族第一級アミンカラー現像主薬の劣化速度を減じる有機化合物即ち、カラー現像主薬の空気酸化などを防止する機能を有する有機化合物類であるが、中でも、モノ−又はジ−アルキルヒドロキシルアミンなどの前記以外のヒドロキシルアミン誘導体、アルコキシアミノ化合物、ヒドロキサム酸類、ヒドラジド類、フェノール類、α−ヒドロキシケトン類、α−アミノケトン類、糖類、モノアミン類、ジアミン類、ポリアミン類、四級アンモニウム塩類、ニトロキシラジカル類、アルコール類、オキシム類、ジアミド化合物類、縮環式アミン類などの公知の有効な有機保恒剤を使用できる。
【0087】
その他保恒剤として、特開昭57-44148号及び同57-53749号公報に記載の各種金属類、特開昭59-180588 号公報に記載のサリチル酸類、特開昭54-3532 号公報に記載のアルカノールアミン類、特開昭56-94349号公報に記載のポリエチレンイミン類、米国特許第3,746,544 号明細書等に記載の芳香族ポリヒドロキシ化合物等を必要に応じて用いてもよい。また、上記以外の例えばトリエタノールアミンのようなアルカノールアミン類を加えてもよい。
また、特開昭63-239447 号公報に記載されたような環状アミン類や特開昭63−128340号公報に記載されたようなアミン類、その他特開平1-186939号や同1-187557号公報に記載されたようなアミン類を含ませることもできる。
【0088】
現像剤組成物には必要に応じて塩素イオン、臭素イオン又はヨウ素イオンを添加してもよいが、通常ハライドイオンは、現像の副生成物として現像液に放出されるので補充用の現像剤組成物には添加不要のことが多い。
【0089】
カラーや黒白の現像液や現像補充液はpH9.5以上、好ましくは10.0〜12.0、より好ましくは10.1〜11.5で用いられるので、現像剤組成物のpHは、それから調製されるカラー現像液や現像補充液がそのようなpHをもたらすように設計される。pHを安定に保持するためには、各種緩衝剤を用いるのが好ましい。緩衝剤としては、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、グリシル塩、N,N−ジメチルグリシン塩、ロイシン塩、ノルロイシン塩、グアニン塩、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン塩、アラニン塩、アミノ酪酸塩、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩、バリン塩、プロリン塩、トリスヒドロキシアミノメタン塩、リシン塩などを用いることができる。特に炭酸塩、リン酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩は、pH 9.0以上の高pH領域での緩衝能に優れ、カラー現像液に添加しても写真性能面への悪影響(カブリなど)がなく、安価であるといった利点を有し、これらの緩衝剤が現像剤組成物に用いられる。
【0090】
これらの緩衝剤の具体例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、四ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、四ホウ酸カリウム、o−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(サリチル酸ナトリウム)、o−ヒドロキシ安息香酸カリウム、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(5−スルホサリチル酸ナトリウム)、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸カリウム(5−スルホサリチル酸カリウム)などを挙げることができる。
【0091】
現像剤組成物には、その他のカラー現像液成分、例えばカルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤であり、あるいはカラー現像液の安定性向上剤でもある各種キレート剤を添加することもできる。例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラメチレンスルホン酸、エチレンジアミンN,N−ジ琥珀酸、N,N−ジ(カルボキシラート)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ琥珀酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N′−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N′−ジ酢酸、1,2−ジヒドロキシベンゼン−4,6−ジスルホン酸等が挙げられる。これらのキレート剤は必要に応じて2種以上併用しても良い。
これらのキレート剤の量はカラー現像液中の金属イオンを封鎖するのに充分な量であれば良く、例えば補充液として1リットル当り0.1g〜10g程度になるように添加する。
【0092】
(漂白処理剤組成物の構成)
漂白処理剤組成物には、公知の漂白剤を用いることができるが、なかでも鉄(III) の有機酸(例えばアミノポリカルボン酸類、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸など)錯塩、過硫酸塩、過酸化水素などが好ましく用いられる。
【0093】
これらのうち、鉄(III) の有機錯塩は迅速処理と環境汚染防止の観点から特に好ましい。鉄(III) の有機錯塩を形成するために有用なアミノポリカルボン酸、またはそれらの塩を列挙すると、生分解性のあるエチレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、ベ−ターアラニンジ酢酸、メチルイミノジ酢酸をはじめ、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、プロピレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸などを挙げることができる。これらの化合物はナトリウム、カリウム、リチウム又はアンモニウム塩のいずれでもよい。これらの化合物の中で、エチレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、ベ−ターアラニンジ酢酸、エチレンジアミン四酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、メチルイミノ二酢酸はその鉄(III) 錯塩が写真性の良好なことから好ましい。これらの第2鉄イオン錯塩は錯塩の形で使用しても良いし、第2鉄塩、例えば硫酸第2鉄、塩化第2鉄、硝酸第2鉄、硫酸第2鉄アンモニウム、燐酸第2鉄などとアミノポリカルボン酸などのキレート剤とを用いて溶液中で第2鉄イオン錯塩を形成させてもよい。また、キレート剤を第2鉄イオン錯塩を形成する以上に過剰に用いてもよい。
【0094】
漂白液又は漂白補充液用の漂白処理剤組成物には、漂白剤とともに再ハロゲン化剤である臭化カリウムや臭化ナトリウムなどのアルカリハライドが加えられる。一方、漂白定着液又はその補充液用の漂白処理剤組成物には、再ハロゲン化剤は不必要である。漂白処理剤組成物には、そのほか緩衝剤などが添加されるが、それらはつぎの定着処理剤組成物の項で併せて説明する。
【0095】
(定着処理剤組成物の構成)
定着処理剤組成物は、以下のように構成されている。定着剤としては、公知の定着剤、すなわちチオ硫酸のアルカリ金属塩やアンモニウム塩が用いられ、そのなかでも濃縮度を高くできるチオ硫酸アンモニウムが多く用いられる。
【0096】
そのほかに定着速度の向上、定着不良の防止などの目的で、副次的なハロゲン化銀溶解剤を定着助剤として添加することができる。定着助剤には、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウムなどのチオシアン酸塩、エチレンビスチオグリコール酸、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールなどのチオエーテル化合物およびチオ尿素類などの水溶性のハロゲン化銀溶解剤であり、これらを1種あるいは2種以上混合して使用することができる。また、定着助剤を併用する場合は、その添加量は定着剤の50モル%を超えることはなく、好ましくは30モル%以下であり、一方その下限は、添加剤の効果が発現するレベルであり、少なくとも0.2モル%である。
【0097】
定着処理剤および漂白定着処理剤には、その他各種の蛍光増白剤や消泡剤或いは界面活性剤、ポリビニルピロリドン、メタノール等の有機溶媒を含有させることができる。
【0098】
定着処理剤および漂白定着処理剤には、保恒剤として亜硫酸塩(例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、など)、重亜硫酸塩(例えば、重亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、など)、メタ重亜硫酸塩(例えば、メタ重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸アンモニウム、など)等の亜硫酸イオン放出化合物や、p−トルエンスルフィン酸、m−カルボキシベンゼンスルフィン酸などのアリ−ルスルフィン酸などを含有するのが好ましい。これらの化合物は亜硫酸イオンやスルフィン酸イオンに換算して約0.02〜1.0 モル/リットル含有させることが好ましい。
【0099】
保恒剤としては、上記のほか、アスコルビン酸やカルボニル重亜硫酸付加物、あるいはカルボニル化合物等を添加しても良い。
更には緩衝剤、蛍光増白剤、キレート剤、消泡剤、防カビ剤等を必要に応じて添加しても良い。
【0100】
〔写真感光材料〕
本発明の開栓・洗浄装置を用いて写真処理液を調製し、現像処理が行われる対象である写真感光材料は、特別の仕様のものではなく、通常凡用されている任意の黒白及びカラー写真感光材料である。したがって撮影用、プリント用を問わず、また黒白フィルム、カラーネガフィルム、カラーリバーサルフィルム、カラーおよび黒白印画紙の何れであっても、また一般用、映画用、プロフェッショナル用のいずれの現像処理にも、その現像処理液の調製に本発明を適用できる。
【0101】
本発明に係わる写真感光材料は、公知、凡用のものであって、これらの構成、使用素材、使用技術に関しては、例えばリサーチ・ディスクロージャー(以下、RDと略す)No. 17643(1978年12月)、22〜23頁、“I.乳剤製造(Emulsion preparation and types) ”、および同No. 18716(1979年11月)、648頁、同No. 307105(1989年11月)、863〜865頁、およびグラフキデ著「写真の物理と化学」、ポールモンテル社刊(P.Glafkides, Chemie et Phisique Photographique, Paul Montel 、1967)、ダフィン著「写真乳剤化学」、フォーカルプレス社刊(G.F.Duffin, Photographic Emulsion Chemistry, Focal Press, 1966)、ゼリグマンら著「写真乳剤の製造と塗布」フォーカルプレス社刊(V.L.Zelikman, et al., Making and Coating Photographic Emulsion, Focal Press,1964)などに記載された方法を用いて調製することができる。
【0102】
本発明に係わる感光材料に適用されるハロゲン化銀乳剤やその他の素材(添加剤など)および写真構成層(層配置など)、並びにこの感光材料を処理するために適用される処理法や処理用添加剤としては、欧州特許EP355,660A2 号、特開平2-33144 号及び特開昭62-215272 号の明細書に記載されているものあるいは次の表3に挙げたものが好ましく用いられる。
【0103】
【表3】
Figure 0003703065
【0104】
本発明の一態様として前記した処理剤容器組み込み現像システムはプリント作成用であるが、本発明は一般用もしくは映画用の汎用のカラーネガフィルムに適用することができる。また、特公平2−32615号、実公平3−39784号公報に記載されているレンズ付きフィルムユニット用に好適である。本発明に使用できる適当な支持体は、例えば前述のRD.No. 17643の28頁、同No. 18716の647頁右欄から648頁左欄、および同No. 307105の879頁に記載されているが、ポリエステル支持体を用いるのが好ましい。
【0105】
本発明に係わる現像剤組成物容器は、γFe2 3 などの強磁性酸化鉄、Co被着マグネタイト、などのCo被着強磁性酸化鉄などを用いた磁気記録層を有するカラーネガフィルムの処理にも適用される。
【0106】
【実施例】
本発明の実施態様をすでに各要素ごとに記述した。したがってそれらの各要素を総括した実施内容を実施例としてここに示しておく。
実施例
実施例において採用した本発明に属する、あるいは関連する各要素は、以下の通りである。
(1)開栓・洗浄装置
本実施例で使用した開栓・洗浄装置は、図2〜5を用いて実施態様1として説明したものである。この開栓・洗浄装置は、処理剤溶解装置の中に組み込まれており、その溶解装置は、図1が示すカラーペーパー用現像処理装置(プリンタープロセサーPP728(富士写真フイルム(株)製)を本実施に適合するように改造したもの)に搭載されている。
【0107】
(2)処理剤組成物容器
使用した現像剤組成物容器の形状は、図8に模式的に示した広口の容器で、明細書中の実施態様の項に前記したように内容量は1300ミリリットルで、その具体的な寸法と形状仕様としては、形状は角柱型ボトルで、その底辺は正方形で辺長(内法)は70mmである。また柱状部の高さは250mm(高さ/底辺比3.6)であり、肩部の底面となす傾斜角は40度の容器である。この容器の本体部分の材質は、密度が0.957で、メルトインデックスが1.6のHDPEであり、射出中空成形により製作されたものであり、またキャップ部分は射出成形により製作したものである。
容器の口部は、処理剤充填後、ポリエチレンフィルム(LDPE)をラミネートしたアルミニウムプレートをポリエチレンフィルムを口部の熱融着に用いて密封した。
【0108】
(3)処理剤組成物及び感光材料
カラー印画紙の標準組成の構成成分をそれぞれ顆粒化して得た発色現像処理剤組成物、漂白剤組成物、定着剤組成物の顆粒化処理剤を上記ボトルに充填したものを使用した。
また、感光材料も標準的な汎用カラー印画紙である富士カラーペーパーSUPER FA9を使用した。プリントを行う対象ネガフィルムは、市場で流通していて現像依頼があった撮影済みの各種ブランドの35ミリカラーネガフィルムである。
【0109】
(4)開栓・洗浄
上記の処理剤組成物容器を収納した処理剤カートリッジを図2に示した処理剤容器装着部に装着し、本明細書中の洗浄装置の項に前記した方法にしたがって、制御部(図4の460)の制御信号によって容器の開栓を行い、組成物を排出して、容器の内壁の洗浄の操作を行わせた。すなわち、容器はホルダーとともに下方へ移動して開封・洗浄部材(図11)に当接し、そのブレード部材190がアルミニウムプレートを切り開いて容器内の顆粒化組成物が現像補充槽347へ排出された。すでに実施態様1において述べたように、このあとの現像処理剤、漂白剤、定着剤の各容器洗浄は、制御装置460からのプログラムタイマーにしたがって行われた。すなわち洗浄ノズル214から洗浄水が、25秒容器内部に噴射されて200ミリリットルで洗浄が行われた。漂白剤及び定着剤組成物の容器洗浄も同様である。
【0110】
このとき、ノズル先端部の水の噴射口は、鉛直軸に対し上向きに30°の角度で円錐形に開いており、噴射口の管状部の長さは5mmである。また水の噴射圧力は1.2kg/cm2 で行った。
容器内部の洗浄が終わると、送液ポンプが一旦停止し、空の容器は装着架台とともに上方へ移動して開封・洗浄部材が容器の口部を経て容器外部の口部直下に来たときに停止し、第2洗浄の水噴射が開始された。この時の水洗水量、噴射速度、噴射時間及び水噴射角度は容器内部洗浄と同じとした。
口部周辺の洗浄を終了したのち、装着架台がさらに上限定位置まで上昇して停止する。
また、洗浄水には、水温25℃の脱イオン水を使用した。
現像作業は、定常的に1か月以上続けられた。
【0111】
(5)結果
定常的な現像処理の結果を次の観察及び評価方法で判定した。
・観察及び評価方法
洗浄後の空の容器の洗浄効果評価は、▲1▼目視によって容器内壁の付着物の有無の観察、▲2▼洗浄後の容器に1000ミリリットルの脱イオン水を入れて40℃で24時間放置した水のpH測定と着色の観察によって行った。容器内壁に組成物の成分が多く残留しているほど、pH値が高くなり、また残留物の空気酸化のために着色が大きくなる。
【0112】
期間中容器の開栓及び洗浄は常に正常に行われた。
目視観察の結果:付着物や沈析物の残留は認められなかった。空の容器はリサイクルルートに載せることができた。
pHの測定結果:試験期間を通じてpH値は7.5〜8.1の間にあって正常範囲であった(許容限界は、8.9である)。
着色の程度:試験期間を通じて24時間後に容器から取り出した水には着色が認められなかった。
【0113】
〔比較例〕
上記の実施例に対して、比較例としては、実施例では25秒間200ミリリットルの噴射によって行った容器内部の洗浄を50秒間400ミリリットルの噴射洗浄に変更し、実施例ではそのあとに行った口部周辺の25秒間200ミリリットルの噴射洗浄を廃止した以外は、上記実施例と同じ操作で定常的に現像処理を行った。
【0114】
(結果)
上記と同じ評価尺度による結果は以下の通りであった。
期間中容器の開栓及び洗浄は常に正常に行われた。
目視観察の結果:ときおり付着物の残留や沈析物の残留が認められた。しかし許容範囲内とされ、簡単なすすぎだけでリサイクルルートに載せることができた。
pHの測定結果:試験期間を通じてpH値は7.8〜8.6の間にあって正常範囲であった(許容限界は、8.9である)。
着色の程度:試験期間を通じて24時間後に容器から取り出した水には、ときおり軽微な黄褐色の着色が認められたが、許容内であった。
【0115】
以上の実施例と比較例から、容器の洗浄を2段階で行う本発明の方法が、空の容器の洗浄をより確実に行うことができることが示された。
【0116】
【発明の効果】
均一液体、粉末、顆粒、錠剤又はスラリー状の処理剤組成物を充填した処理剤組成物容器を、処理剤排出・容器洗浄装置に装着して容器の口部を開けて、処理剤組成物を排出させて溶解槽へ投入し、空になった容器の内部にノズルから洗浄水を噴射して洗浄したのち、同じノズルを用いて容器の口部周辺を容器の外から洗浄する本発明の写真処理剤組成物の処理剤排出・容器洗浄装置および方法によって、容器の内壁や口部周辺に処理剤成分が付着したり、凝集固着物が排出しにくいなどの欠陥がなく、容器を十分に洗浄できて、リサイクルが可能になる。
したがってこの装置を自動現像装置に組み込んで補充液の調製と容器の洗浄を自動的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一態様の処理剤組成物溶解装置を搭載したプリンタプロセッサを示す斜視図である。
【図2】プリンタプロセッサ内部の、3本の処理剤組成物容器を一括収納したカートリッジを装着した装着部近傍の正面図である。
【図3】プリンタプロセッサ内部の図2に対応する処理剤組成物容器カートリッジを装着した装着部近傍の側面図である。
【図4】処理剤装着部、組成物取り出し部及び溶解槽兼補充液貯留槽からなる溶解装置を搭載した現像処理装置の構成図である。
【図5】洗浄ノズル付きの開栓部材が容器口部外側下方の第2噴射洗浄位置にあることを示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係わる現像剤組成物用容器の分解斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態に係わる洗浄ノズル付きの開栓・洗浄部材の構造を示す断面図である。
【図8】本発明の別の実施形態に係わる現像剤組成物用容器の分解斜視図である。
【図9】図9aは、本発明の一実施形態に係わる環状突起部材を備えた容器の口部及びキャップ付近の構造を示す斜視図であり、図9bは、該容器が装着されて開栓・洗浄部材と相対している状態を示す断面図である。
【図10】本発明の環状突起部材を備えた容器の口部又はキャップの構造を示す断面図である。
【図11】本発明の一態様である環状ブレードを有する開栓・洗浄装置の斜視図である。
【図12】本発明の一態様である環状ブレードを備えた開栓部材を容器装着架台に装備し、洗浄部材を別個に備えた開栓装置及び洗浄装置の断面図である。
【符号の説明】
24 処理剤組成物容器
30 処理剤組成物吐出口
34 キャップ
36 注入口
42 押し材
44 貫通口
46 密封部材
48 ブレード部材
50 円筒体
36 注入口
73 感光材料処理量検出手段
122 表示装置(警報手段)
188 噴射ノズル尖端部
190 開栓用環状ブレード
191 溝部
202 処理剤組成物キット
204 処理剤組成物収納ケース
214 処理剤ボトル用洗浄ノズル
316 処理剤カートリッジ装着架台
346 現像剤ボトル用開栓・洗浄部材
347 現像補充液槽
348 漂白剤ボトル用開栓・洗浄部材
349 漂白補充液槽
322 装着部上下移動用ガイド溝
328 装着部上下移動用モーター
350 定着剤ボトル用開栓・洗浄部材
352 漏斗(現像処理剤組成物用)
354 漏斗(漂白剤組成物用)
356 漏斗(定着剤組成物用)
358 上部液面レベルセンサー
360 下限液面レベルセンサ−(フロートスイッチ)
426 貯水槽
442 切り替えコック
450 電磁弁(洗浄弁)
460 制御部
1300 現像処理剤組成物用容器(ボトル)
1302 容器本体
1304 雄ネジ(ネジ部)
1308 密封部材(シート)
1310 キャップ
1312 装填時の底部
1314 キャップの口部
1316 パッキン

Claims (5)

  1. 写真感光材料用処理剤組成物を充填した容器の口部の開栓、処理剤組成物の溶解槽への排出及び空の容器の洗浄からなる一連の操作を行う、写真処理剤組成物用容器の開栓・洗浄装置であって、1)容器の口部に設けた密封部材に、外側から当接して該密封部材を開栓して処理剤組成物を排出させる開栓部材及び開栓に続いて洗浄水を噴射させて容器内を洗浄する洗浄ノズルを有する洗浄部材と、2)容器内の洗浄に続いて、該洗浄部材が容器の口部外側下方位置にくるように容器又は該洗浄部材を移動させる移動機構と、3)容器又は該洗浄部材を移動させた後に該洗浄部材の噴射孔から洗浄水を噴射して容器口部周辺の洗浄を行う洗浄機構と、を有することを特徴とする写真処理剤組成物容器の開栓・洗浄装置。
  2. 容器の口部を開ける開栓と、開栓に続く容器の洗浄が、開栓部材と洗浄部材とが一体化された開栓・洗浄部材によって行われることを特徴とする請求項1に記載の写真処理剤組成物容器の開栓・洗浄装置。
  3. 洗浄水を噴射して行う容器の内部及び口部の洗浄の少なくとも一方が、洗浄水の噴射を複数回に分割して間歇的に行う反復噴射洗浄であることを特徴とする請求項1又は2に記載の写真処理剤組成物容器の開栓・洗浄装置。
  4. 開栓・洗浄部材が、開栓用の尖端部と洗浄用水の噴射孔とを有する頭部及び該頭部に続く錐状部からなり、該錐状部は、その芯部に導水管と、該導水管から開栓・洗浄部材外方に貫通する洗浄水用噴射孔とを配した構造を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の写真処理剤組成物容器の開栓・洗浄装置。
  5. 該装置の口部又はキャップの端面部に環状突起部材を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の写真処理剤組成物容器の開栓・洗浄装置。
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