JP2001054858A - ガラス板の表面加工方法 - Google Patents

ガラス板の表面加工方法

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JP2001054858A
JP2001054858A JP22827599A JP22827599A JP2001054858A JP 2001054858 A JP2001054858 A JP 2001054858A JP 22827599 A JP22827599 A JP 22827599A JP 22827599 A JP22827599 A JP 22827599A JP 2001054858 A JP2001054858 A JP 2001054858A
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cerium oxide
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Hiroaki Tanaka
弘明 田中
Hiroshi Yashiki
博 屋鋪
Shinya Ichikawa
真也 市川
Akitoshi Yoshida
明利 吉田
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、ガラス板のポリッシング加工におい
て、特に極めて高い仕上げでの鏡面仕上げを効率よく施
すための加工方法の提供を目的とする。 【構成】複数個のペレット状樹脂を貼付し、該ペレット
状樹脂の頂部平坦部にて研磨作用面を形成した上下両定
盤の間に、ガラス板を挟持し圧接しながら、前記上下両
定盤および前記ガラス板の少なくとも一つを回転させ、
加工面に酸化セリウム微粒子を含む水系スラリーを供給
しつつ、加工を行なうことを特徴とするガラス板の表面
加工方法にて達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、板状のガラスの表
面のポリッシング加工を行うにおいて、特に極めて高い
仕上げ面粗さでの鏡面仕上げを効率よく施すための加工
方法に係わるものである。更に詳しくは、磁気ディスク
基板として用いられる円形環状のガラス基板のポリッシ
ング加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ガラス材料は、建材、容器、装飾
品、光学用あるいはレンズ等に使用される用途以外に、
磁気ディスク基板、フォトマスク、液晶ガラス等電子部
品関連の新用途への展開が著しく、特に磁気ディスク基
板用の磁気ディスク基板の場合は、極端に高精密な仕上
げ面粗さが要求されると同時に生産性の向上も要求され
ている。
【0003】従来、ガラス基板等のガラス材料で、極め
て高い平面度や平行度が特に要求される板状の材料の面
を鏡面に仕上るためのポリッシング加工は、予めラッピ
ング加工(砂かけ加工)等で形状精度を出し、ある程度
の面粗さを得たものを、ポリッシング用の研磨布、所謂
ポリッシングパッドや酸化セリウムを含有したポリウレ
タンパッド、所謂セリウムパッドを貼付した回転可能な
定盤を上下に配し、その間に被加工体を挟持して、研磨
剤を含有した加工液を定量的に供給しつつ被加工体を押
圧し、定盤及び被加工体を回転させ、その作用で面粗さ
の向上を行なうという方法で行なわれている。
【0004】ガラスポリッシング用研磨剤としては、従
来より酸化セリウム(CeO2)の砥粒微粒子が選択的
に使用されている。その粒子サイズについては、目的に
応じて一定の粒子径を中心に正規分布するように分級さ
れたものを用いるのが通常であるが、ガラスのポリッシ
ングにおいて使用される酸化セリウムの平均粒子径はサ
ブミクロンのサイズから高々20ミクロン程度のもので
ある。これを数%ないし数十%の濃度でスリラー状に分
散した水系の分散液に必要に応じて分散剤等の添加剤を
加えたものが加工液として使用されている。含有する砥
粒微粒子は表示される粒子径を中心としてほぼ正規分布
しているものであり、酸化セリウム砥粒の場合は二次凝
集したものも含有されていてもよい。また、酸化セリウ
ム砥粒の場合出発原料となる鉱石が、セリウム以外の稀
土類元素を多く含むため、純度は比較的低く一般的には
CeO2含有量が45%以上のものを酸化セリウム砥粒
と称して用いている。
【0005】一方、ガラス材料の前工程における加工手
段としてダイヤモンド砥石による研削加工方法が従来よ
り幅広く使用されている。ダイヤモンド微粒子はガラス
材料に対する加工力が高く、砥石表面に固定された無数
の砥粒微粒子がガラスの表面を引掻き作用を進めて行く
ので、寸法や形状を整える研削加工には極めて好適であ
るが、固定砥粒特有の方向性のある条痕が残り、また特
有のマイクロクラックも入るので最終仕上げ用としては
適していない。また、面粗さも超精密な鏡面のレベルま
でには向上することはできない。
【0006】ダイヤモンド砥石により、板状のガラスの
研削加工を行なうにはカップ型の砥石を用いて枝葉式で
仕上げて行く方法もあるが、小口径のディスク状のガラ
ス基板を効率よく加工するには、砥石の形状をペレット
状のものとして、これを両面加工機の上下定盤上に接着
配列して砥石加工面を形成し、その間に複数枚のガラス
基板を挟持して押圧回転しつつ同時加工を行う方法が一
般的に採用されている(例えば、特公平6−22790
号公報、特開平6−55459号公報)。
【0007】一方、ガラス材料のポリッシング加工は、
ガラスを構成する材質と介在する水との水和反応と、更
にそれと酸化セリウムとの化学反応を利用し、それに機
械的除去作用とを加えた所謂メカノケミカル作用によっ
てポリッシングが進むものである。すなわち、酸化セリ
ウム砥粒微粒子が被加工体であるガラスの表面に接触し
た時の塑性変形に伴う歪エネルギーと摩擦熱により、ガ
ラスの表面が化学的に活性化された状態になり溶去が促
進され、それが砥粒微粒子の機械的作用にて除去される
のであって、ガラスよりも硬度の低い酸化セリウムを砥
粒として用いることによりダメージの少ない、面粗さに
優れた鏡面仕上げの超精密加工が可能となるのである。
すなわち、この効果はダイヤモンド砥粒やその他のガラ
スよりも硬度の高い砥粒の機械的作用による加工におい
ては見られないものであって、酸化セリウムによるガラ
スポリッシング加工の大きな特徴である。具体的には、
定盤表面に貼付したポリッシング用の研磨布、所謂ポリ
ッシングパッドや酸化セリウムを含有したポリウレタン
パッドによる機械的作用に前述の化学的的作用とを組合
わせたものが従来のポリッシング加工である。
【0008】しかしながら、前述のガラス等を構成する
材質と水との間の反応は極めて微弱かつ緩慢なものであ
って、従ってそのポリッシング加工速度(除去速度)も
通常の条件においては1〜1.2μm/minと極めて
遅いものであり、その効率の低さがガラス等のポリッシ
ング加工の問題点として従来より指摘されている。この
加工速度を上げる手段としては、加工圧や回転数を上げ
る方法が考えられるが、単純にこれらの条件を上げるこ
とは、加工後のガラスの平面度の悪化を招くとともに外
周端部のロールオフ(面ダレ)が大きくなり製品とはな
らない。よって、平面度を許容範囲内において加工速度
を選定すると前述の通り遅いものとなってしまう。ま
た、この作用は加工液をアルカリ性にすることによって
も多少促進することはできるがそれほど顕著なものでは
ない。これらの加工効率の向上は、粒子径の大きい砥粒
微粒子を用いることで対応しているが、酸化セリウムに
よるガラス等の加工の場合、上述のような機構で加工が
進むため、この方法は加工効率の向上には寄与せず、む
しろスクラッチや潜傷等の好ましからざる現象の発生に
つながり、期待する効果を得ることはできない。
【0009】上述した通り、一般的なガラスディスク基
板の加工の工程は前工程であるラッピング工程と、後工
程であるポリッシング工程とから構成されており、それ
ぞれの工程には更に2ないし3工程が含まれている。こ
の全工程で0.4ないし0.5mm程度の厚みを除去し
た上で、5〜10Å程度の面粗さ(Ra)を最終的に得
ることが必要である。ここにおいて前工程であるラッピ
ング工程では、炭化珪素、アルミナ、エメリー等の砥粒
を大量に使用しかつ長時間を要し、作業環境の面からも
作業効率の面からも強く改善が求められている。また、
後工程であるポリッシング工程においても酸化セリウム
砥粒を大量に消費し、同様の改善が求められている。
【0010】現在の工程の持つ上述の問題点の解決を目
標として、ダイヤモンド微細砥粒を固定した砥石を使用
して、前工程から最終仕上げ工程までを効率的に行なう
方法も検討されているが、ダイヤモンド固定砥粒による
マイクロクラックが避けられず、また得られる面粗さ
(Ra)も100Å程度が限界であり、目標とする5〜
10Åを達成することは出来ない。
【0011】本発明者等は、ダイヤモンド微細砥粒を固
定した砥石(以下ダイヤモンド砥石と略記する)の持つ
上述の欠点を是正し、ダイヤモンド砥石の有する高加工
レートを維持しながら、高い仕上がり面粗さを得る可能
性について研究した結果、ダイヤモンド砥石を用いたガ
ラス板の加工時に酸化セリウムスラリーを併用すること
により、高加工レートと高い仕上がり面粗さを同時に達
成できることをすでに見出して特願平10−26833
0において提唱している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上述の
改良されたガラス板の加工方法について更に鋭意研究を
行なった結果、ペレット状のダイヤモンド砥石の代わり
に、ある特定の樹脂よりなる樹脂ペレットを用いること
で同等の効果が得られることを見出して、本発明方法を
完成させたものであり、その目的となす所は、ガラス加
工において、特に極めて高い仕上げ面粗さでの鏡面仕上
げを効率よく施すための方法を提供することにある。す
なわち、本発明方法の優位点は、高価なペレット状のダ
イヤモンド砥石を使用することなく、砥粒を含有しない
ペレット状樹脂よりなる定盤と、遊離状態の酸化セリウ
ム砥粒を併用することで好ましい結果が得られる点にあ
る。
【0013】上述の目的は、複数個のペレット状樹脂を
貼付し、該ペレット状樹脂の頂部平坦部にて研磨作用面
を形成した上下両定盤の間に、ガラス板を挟持し圧接し
ながら、前記上下両定盤および前記ガラス板の少なくと
も一つを回転させ、加工面に酸化セリウム微粒子を含む
水系スラリーを供給しつつ、加工を行なうことを特徴と
するガラス板の表面加工方法にて達成される。ペレット
状の樹脂としては、熱硬化樹脂が好ましく、特にメラミ
ン系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂あるいは
エポキシ系樹脂であれば更に好ましい。またこれ等の熱
硬化樹脂の複合体であってもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において使用する加工機
は、上下両面に回転可能な定盤を有し、被加工体を把持
板と、その把持板に遊星運動を与える装置を有する所謂
両面加工機と称するものであり、把持板に把持された板
状のガラスを前記両定盤で挟持し圧接しながら、前記両
定盤および把持板の少なくとも一つを回転し、加工を行
なうものである。本発明方法においてはこの上下両定盤
のいずれにもペレット状の小型の樹脂を多数配列して、
その砥石の頂部で実質加工作用面を形成するものであ
る。図1に本発明において使用する両面加工機の要部断
面説明図を示す。被加工体である板状のガラス5は把持
板3に把持された状態で、上定盤1および下定盤2の上
に配置されたペレット状砥石4に押圧される。水系スラ
リーは上部定盤に設けられた供給孔6より供給される。
本発明においては加工の対象物は板状のガラスである
が、その中でも特に磁気ディスク用ガラス基板の加工を
主たる目的としている。ここでいう磁気ディスク用ガラ
ス基板とは、ソーダライムガラス(通称青板)、アルミ
シリケート系アモルファスガラス(通称白板)あるいは
結晶化ガラスを原材料とした中央に円形孔を有する薄板
状円形環状のガラス板を指す。
【0015】本発明方法に用いるペレット状樹脂の形状
については特に限定を受けるものではないが、例えば円
形、楕円形、菱形、矩形等を有する小型の柱状のもので
あって、取り扱いの容易性、加工時のガラス板との接触
等から特に円柱状のものが好適である。また、その好ま
しいサイズは直径3〜20mmの範囲のものである。こ
のような形状のペレット状樹脂が定盤面に接着固定され
ている。定盤上のペレットの配列については特に限定を
受けるものではないが、加工にあたって被加工体に対す
る接触のヌケや斑がないように配列されるものであり、
またこの樹脂ペレットの加工作用面の占める総面積が、
上下各定盤の有効作用面積の30〜70%の範囲にある
ことが好ましく、これ以下であると加工のヌケや斑の発
生が起こりやすく、またこれ以上密な配列は幾何学的に
も困難である。特に好ましい範囲は51〜70%であ
る。
【0016】より均質かつ経時的変化の少ない加工を行
なうには、ペレット状の樹脂の材質が、熱や機械的な力
による変形、変質の少ないものであることが好ましい。
そのためには、熱硬化樹脂を用いることが好ましく、中
でも、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系
樹脂あるいはエポキシ系樹脂であることが特に好まし
い。更に樹脂成分の溶出の少ないことからも熱硬化性樹
脂を用いることが有効である。また、ペレット状の樹脂
としての硬度や脆性、弾性あるいはヤング率等の物性値
を目的に応じて任意に変更するために、これ等の熱硬化
樹脂を適宜混合した複合体を用いることも有効である。
ペレット状の樹脂の組織構造については、特に限定を行
なうものではないが、研磨用組成物中の研磨剤成分であ
る酸化セリウム微粒子の研磨作用をより有効にし、その
系外への散逸をより少なくする目的から、微細気孔を持
った多孔質構造とすることが好ましい。就中、ペレット
状の樹脂の加工作用面の構造を微細気孔を持った多孔質
構造とすることにより、酸化セリウム微粒子はその気孔
構造に一時的に捕捉され研磨剤として有効に作用するこ
とができる。これにより、加工時の研磨用組成物の供給
量を少なくすることも可能である。
【0017】本発明に用いる研磨用組成物中に含まれる
酸化セリウム微粒子はモナザイト、バストネサイト等の
鉱石から採集されるもので、酸化ランタンなどの不純物
を含有しており、酸化セリウム純分が原料鉱石とほぼ同
等の50%程度のもの、および精製して90%以上とし
たものがある。本発明方法においてはいずれのタイプも
使用することができる。この酸化セリウム微粒子を水に
分散したスラリー状の液を加工液として使用するが、そ
の濃度は2ないし30重量%、好ましくは5〜25重量
%の範囲である。これ以下であると、後に述べる効果を
期待することが出来なくなる。また、この液は循環使用
されるため、ガラスの加工屑が徐々に蓄積され、もとの
濃度が30%を越える程であると液の粘度の上昇が顕著
となり、作業に支障を来たすようになる。更に、酸化セ
リウム微粒子の平均粒径は0.2〜8ミクロンの範囲の
ものであることが好ましい。更にまた、酸化セリウム微
粒子を含む水系スラリーが水溶性有機物を0.3〜25
重量%を含むものであれば更に好適である。
【0018】発明方法の肝要は、ガラス被加工体、就
中、磁気ディスク用ガラス基板の加工において、上述
の、特にペレット状樹脂を配した定盤と、酸化セリウム
スラリーによるメカノケミカル加工とを併用して行なう
ことにあるのであって、この併用により極めて優れた面
粗さと平面度が得られ、かつ2μm/min以上という
高加工レートが達成できることをその最大の特徴とす
る。しかして、このような優れた効果が得られる技術的
理由は以下の如く考えられる。即ち、前述の通り、ガラ
スと水との水和反応と、酸化セリウム微粒子がガラス表
面に接触した時の塑性変形に伴なう歪エネルギーと、摩
擦による熱とにより、ガラスの表面が化学的に活性化さ
れた異質の層が形成される。その層がペレット状樹脂の
上に遊離状態で存在する酸化セリウム砥粒のコロガリ作
用により強制的に除去されて行き、効果的に加工が進行
する。
【0019】また、酸化セリウム微粒子を含む水系スラ
リー中には必要に応じて例えば分散剤、安定剤等の添加
剤を加えることができる。本発明方法においては水溶性
有機物を0.3〜25重量%を含むことが好ましい。水
溶性の有機物はスラリー中の酸化セリウム微粒子の分散
剤、安定剤として作用するだけでなく、加工後の被加工
体表面に残留したスラリーが乾燥して白点状のシミとな
ったり、循環ライン中で凝集固化し配管を詰めたり、異
常凝集魂を形成することを防止することができる。かか
る作用を行なう水溶性有機物としては多価アルコール
類、ポリエーテル類あるいはその誘導体等の化合物、具
体的には例えばグリセリン、グリコールあるいはポリエ
チレンオキサイド等を挙げることができる。
【0020】
【実施例】以下実施例および比較例をもって、本発明方
法を具体的に説明するが、特にこれにより限定を受ける
ものではない。本実施例、比較例において用いられる加
工機はスピードファム社製5B−4型両面加工機であ
り、ペレット状樹脂を上記両面加工機の上下定盤に各々
接着配列して用い、通常のポリッシングの場合は上下定
盤に所定のポリッシングパッドを貼付して用いた。被加
工体としては2.5インチサイズのディスク状円板でガ
ラスディスク基板として用いられる1.1mm厚みのソ
ーダライムガラス(所謂、青板)製のものを用いた。ま
た、ペレット状樹脂としては円柱状のものを使用し、こ
れを上記両面加工機の上下定盤に各々接着配列したもの
を用いた。なお、円柱状樹脂のサイズは12mmφ、高
さ3mmで、定盤の有効面積に対する樹脂加工作用面の
総面積は60%である。実験に使用したペレット状樹脂
(RPと略記する)はエポキシ樹脂製のもの(1)、フ
ェノール樹脂製のもの(2)およびメラミン樹脂製のも
の(3)であり、これらは砥粒や金属を含有していない
ものである。また、使用するスラリーは平均粒径が1.
8μmの酸化セリウムを5〜15重量%を含み、かつエ
チレングリコールを4重量%含む水系スラリーである。
また、ポリッシング工程において使用したポリッシング
パッドは、ポリウレタン発泡体シート(UPと略記す
る)あるいは酸化セリウム微粒子を内添したポリウレタ
ン発泡体シート(CPと略記する)であり、必要に応じ
適宜変更して用いた。
【0021】実施例1 本発明の方法を工程中に採用することにより、トータル
の工程数及び所要時間の短縮を図った。従来法では4工
程以上かかっていたものを、本実施例では以下の3工程
とした。すなわち、上述のガラスディスク基板を、上述
の両面加工機を用い、まず第1工程として1500番の
ダイヤモンド微粒子を内添した円柱状のメタルボンドの
ダイヤモンド砥石(DPと略記する)を貼付配列した定
盤で粗加工を行なった。然る後、第2工程として円柱状
のペレット状樹脂を貼付配列した定盤を上下両面に配置
した加工機で本発明方法の加工、即ちペレット状樹脂と
酸化セリウムスラリーによる加工実験を行なった。実験
に使用したペレット状樹脂はフェノール樹脂製のもの
(2)である。これらは砥粒や金属を含有していないも
のである。また使用するスラリーは平均粒径が1.8μ
mの酸化セリウムを10重量%を含み、かつエチレング
リコールを4重量%含む水系のスラリーであって、これ
を加工面に定常的に供給しながら加工を行なった。然る
後、第3工程としてポリウレタン発泡体シートを貼付し
たポリッシング機で酸化セリウムスラリーによる仕上げ
ポリッシング加工を行なった。結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】表1の結果から明らかな通り、本発明にな
る加工方法を第2工程として採用することにより、従来
4工程以上必要であったガラスディスクのポリッシング
までの工程を3工程にまで短縮ができた。そしてトータ
ルの所要時間も半分程度までに短縮された。
【0024】実施例2 実施例1の第2工程、すなわち本発明方法に相当する部
分の条件(樹脂の種類およびスラリーの濃度)を表2に
示す如く様々に変更して実験を行ない、加工レートと面
粗さとを測定した。得られた結果を表2に併記する。
【0025】
【表2】
【0026】比較例1 スラリーの代わりに水のみを使用する他は、実施例2と
同様にして、前述の3種のペレット状樹脂での研磨試験
を行なった。結果を表3に示す。
【0027】
【表3】
【0028】表3の結果から明らかな通り、ペレット状
樹脂樹脂のみで加工を行なっても、面粗さは改善され
ず、加工もほとんど進まないことは明らかである。
【0029】比較例2 同じガラス基板を用いて、従来法による加工実験を行っ
た。すなわち、まず第1工程として第1段ラッピングを
炭化珪素400番砥粒によって行ない、次いで第2工程
として第2段ラッピングをFO1200番砥粒によって
行なった後、第3工程および第4工程としてCPとUP
とをポリッシングパッドとして用い、研磨剤として酸化
セリウムスラリーを用いた2段仕上げのポリッシング加
工を行なった。結果を表4に示す。
【0030】
【表4】
【0031】表4に示す結果から明らかなように、最も
オーソドックスな従来法である本比較例では所定の仕上
り面を得るためには4工程を必要とし、全工程での所要
時間は90分である。
【0032】比較例3 従来法ではあるが、前2段の粗加工工程にDPを用いる
方法での研磨実験を行なった。即ち、同じガラス基板を
被加工体として用いて、第1工程としてメタルボンドの
1500番DPを用いて粗加工を行ない、次いで第2工
程としてレジンボンドの1500番DPによる加工を行
なったのち、第3、4工程として従来法によるポリッシ
ング、すなわちCPとUPをポリッシングパッドとして
用い、研磨剤として酸化セリウムスラリーを用いた2段
仕上げのポリッシング加工を行なった。本比較例におい
ては、ダイヤモンド砥石による加工では酸化セリウムス
ラリーの併用は行なってはいない。結果を表5に示す。
【0033】
【表5】
【0034】表5に示す結果から明らかな通り、DPを
用いた改善された従来法であっても、ダイヤモンド砥粒
で入るクラックが深く、それを除去するためのポリッシ
ング工程(第3工程)への負荷が高く、トータルの加工
時間も70分以上かかり、ダイモンド砥石を用いた意味
がない。
【0035】表1の実施例に示す通り、ペレット状樹脂
と酸化セリウムスラリーとを用いる本発明方法によれ
ば、ガラスディスクの加工でRaで30Å以下(実際に
は12Å)の面粗さが得られ、同時に通常のポリッシン
グよりも遥かに高い加工レートを得ることができる。ト
ータルの加工時間は比較例2に示す従来方法の半分以下
(90分が40分)になることが判る。また、比較例3
にはダイヤモンド砥石のみによる加工結果を示すが、こ
の方法ではダイヤモンド砥石加工で入るマイクロクラッ
クが深く、それを除去するためのポリッシング工程への
負担が高く長時間を要するので、ダイヤモンド砥石加工
を行なった意味がなく、本発明方法の効果が得られない
ことは明らかである。また、比較例1の結果から明らか
なように、本発明方法はペレット状樹脂を貼付した定盤
と、酸化セリウムスラリーとの組み合わせによって初め
て好ましい効果が得られるのであって、いずれを欠いて
も良い結果は得られない。
【0036】
【発明の効果】以上の記載内容から明らかな通り、樹脂
砥石と酸化セリウム砥粒スラリーを併用した本発明によ
るガラス板の加工方法は、ガラスのポリッシング加工に
おいて極めて高い仕上がり面粗さを、平面度を悪化する
といった好ましからざる影響を及ぼすことなく加工レー
トを達成することを可能としたものである。本発明によ
り、従来ガラスを基材とする電子部品の中で特に超精密
加工を必要とする磁気ディスク基板や水晶発振子等の生
産プロセスにおいて、特に優れた仕上がり面粗さを、ポ
リッシング加工工程の効率を悪化することなく顕著に改
善することができた。本発明によりガラス等の超精密加
工のレベルを、高価なダイヤモンド砥石を使用すること
なく顕著に向上せしめ、具体的には磁気ディスク基板分
野におけるガラスの使用比率を顕著に向上することを可
能にしたのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】両面ポリッシング加工機の要部断面説明図であ
る。
【符号の説明】
1 上定盤 2 下定盤 3 把持板 4 ペレ
ット状樹脂 5 ガラス被加工体 6 スラリー供給孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市川 真也 神奈川県綾瀬市早川2647 スピードファ ム・アイペック株式会社内 (72)発明者 吉田 明利 神奈川県綾瀬市早川2647 スピードファ ム・アイペック株式会社内 Fターム(参考) 3C058 AA01 AA07 AA09 AA18 AB08 AC04 CA01 CB03 CB05 CB10 DA02 DA06 DA09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数個のペレット状樹脂を貼付し、該ペレ
    ット状樹脂の頂部平坦部にて研磨作用面を形成した上下
    両定盤の間に、ガラス板を挟持し圧接しながら、前記上
    下両定盤および前記ガラス板の少なくとも一つを回転さ
    せ、加工面に酸化セリウム微粒子を含む水系スラリーを
    供給しつつ、加工を行なうことを特徴とするガラス板の
    表面加工方法。
  2. 【請求項2】ペレット状樹脂が、熱硬化性樹脂であるこ
    とを特徴とする、請求項第1項に記載のガラス板の表面
    加工方法。
  3. 【請求項3】熱硬化性樹脂が、メラミン系樹脂、フェノ
    ール系樹脂、ウレタン系樹脂あるいはエポキシ系樹脂の
    うち、少なくとも一つであることを特徴とする、請求項
    第2項に記載のガラス板の表面加工方法。
  4. 【請求項4】ペレット状樹脂の形状が直径3〜20mm
    の円柱状であることを特徴とする請求項第1項〜第3項
    に記載のガラス板の表面加工方法。
  5. 【請求項5】ペレット状樹脂の加工作用面の占める総面
    積が、定盤の有効作用面積の30〜70%であることを
    特徴とする請求項第1項〜第4項に記載のガラス板の表
    面加工方法。
  6. 【請求項6】酸化セリウム微粒子を含む水系スラリー中
    の酸化セリウム微粒子の濃度が、2〜30重量%である
    ことを特徴とする請求項第1項に記載のガラス板の表面
    加工方法。
  7. 【請求項7】ガラス板が円形環状の磁気ディスク用ガラ
    ス基板であることを特徴とする請求項第1項に記載のガ
    ラス板の表面加工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011175726A (ja) * 2010-02-01 2011-09-08 Asahi Glass Co Ltd 磁気記録媒体用ガラス基板及びその製造方法

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