JP2001054391A - 小胞体ストレス転写因子 - Google Patents
小胞体ストレス転写因子Info
- Publication number
- JP2001054391A JP2001054391A JP11321743A JP32174399A JP2001054391A JP 2001054391 A JP2001054391 A JP 2001054391A JP 11321743 A JP11321743 A JP 11321743A JP 32174399 A JP32174399 A JP 32174399A JP 2001054391 A JP2001054391 A JP 2001054391A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nucleic acid
- endoplasmic reticulum
- transcription factor
- atf6
- seq
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】小胞体シャペロン遺伝子の発現を効率よく制御
しうる因子及びそれをコードする核酸又はその相補鎖、
小胞体シャペロン遺伝子の発現制御方法並びに外来タン
パク質の発現方法を提供すること。 【解決手段】配列番号:1のエレメントまたは配列番
号:1の配列中1〜3個の塩基の置換を有する塩基配列
のエレメントが有する転写誘導活性を調節しうる小胞体
ストレス転写因子;該因子を発現させることを特徴とす
る小胞体シャペロン遺伝子の発現制御方法;該発現制御
方法により、小胞体シャペロン遺伝子の発現を正に調節
することを特徴とする、外来タンパク質の発現方法;活
性化型ATF6、活性化型CREB−RP、抑制型AT
F6または抑制型CREB−RPをコードする核酸また
はその相補鎖。
しうる因子及びそれをコードする核酸又はその相補鎖、
小胞体シャペロン遺伝子の発現制御方法並びに外来タン
パク質の発現方法を提供すること。 【解決手段】配列番号:1のエレメントまたは配列番
号:1の配列中1〜3個の塩基の置換を有する塩基配列
のエレメントが有する転写誘導活性を調節しうる小胞体
ストレス転写因子;該因子を発現させることを特徴とす
る小胞体シャペロン遺伝子の発現制御方法;該発現制御
方法により、小胞体シャペロン遺伝子の発現を正に調節
することを特徴とする、外来タンパク質の発現方法;活
性化型ATF6、活性化型CREB−RP、抑制型AT
F6または抑制型CREB−RPをコードする核酸また
はその相補鎖。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小胞体シャペロン
遺伝子の発現を効率よく制御しうる因子およびそれをコ
ードする核酸またはその相補鎖核酸、小胞体シャペロン
遺伝子の発現制御方法ならびに外来タンパク質の発現方
法に関する。
遺伝子の発現を効率よく制御しうる因子およびそれをコ
ードする核酸またはその相補鎖核酸、小胞体シャペロン
遺伝子の発現制御方法ならびに外来タンパク質の発現方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】哺乳類細胞は、他の真核細胞および原核
細胞と同様に、それらの生存を脅かす多様な生理的条件
および環境的条件にうまく対処するために、数々のホメ
オスタティック機構を発達させてきた。なかでも、熱シ
ョックタンパク質(HSP)の厳密に制御された合成
は、全生物に普遍的に見られるよく知られた機構であ
る。また、前記HSPとは異なる機構によるグルコース
調節タンパク質(GRP)の制御された合成が、真核生
物の小胞体に特異的に見出されている〔Lee.A.S., Cur
r. Opin. Cell Biol., 4, 267-273, 1992; Morimoto,
R. I. et al., The Biology of HEAT SHOCK PROTEINS a
nd MOLECULAR CHAPERONES, Cold Spring HarborLaborat
ory, (1994)〕。
細胞と同様に、それらの生存を脅かす多様な生理的条件
および環境的条件にうまく対処するために、数々のホメ
オスタティック機構を発達させてきた。なかでも、熱シ
ョックタンパク質(HSP)の厳密に制御された合成
は、全生物に普遍的に見られるよく知られた機構であ
る。また、前記HSPとは異なる機構によるグルコース
調節タンパク質(GRP)の制御された合成が、真核生
物の小胞体に特異的に見出されている〔Lee.A.S., Cur
r. Opin. Cell Biol., 4, 267-273, 1992; Morimoto,
R. I. et al., The Biology of HEAT SHOCK PROTEINS a
nd MOLECULAR CHAPERONES, Cold Spring HarborLaborat
ory, (1994)〕。
【0003】哺乳類においては、8種類のGRP、すな
わち、GRP78/Bip、GRP94/ERp99、
ORP150/GRP170、ERp72、GRP58
/ERp60/ERp61、カルレティキュリン、プロ
テインジスルフィドイソメラーゼ(PDI)およびFK
BP13が同定されている。これらのGRPは、小胞体
内にフォールディングされないかフォールディングを誤
ったタンパク質(以下、アンフォールドタンパク質とい
う)が蓄積すること(小胞体ストレス)によってその発
現が誘導される一連の小胞体固有の分子シャペロンまた
はフォールディング酵素であり〔Kozutsumi,Y. et al.,
Nature, 332, 462-464 (1988); Lee, A. S., Trends B
iochem. Sci., 12, 20-23 (1987)〕、小胞体内での新生
分泌タンパク質や膜タンパク質の折り畳み(フォールデ
ィング)に極めて重要な役割を果たしているので、以
下、該GRPを「小胞体シャペロン」と総称する。
わち、GRP78/Bip、GRP94/ERp99、
ORP150/GRP170、ERp72、GRP58
/ERp60/ERp61、カルレティキュリン、プロ
テインジスルフィドイソメラーゼ(PDI)およびFK
BP13が同定されている。これらのGRPは、小胞体
内にフォールディングされないかフォールディングを誤
ったタンパク質(以下、アンフォールドタンパク質とい
う)が蓄積すること(小胞体ストレス)によってその発
現が誘導される一連の小胞体固有の分子シャペロンまた
はフォールディング酵素であり〔Kozutsumi,Y. et al.,
Nature, 332, 462-464 (1988); Lee, A. S., Trends B
iochem. Sci., 12, 20-23 (1987)〕、小胞体内での新生
分泌タンパク質や膜タンパク質の折り畳み(フォールデ
ィング)に極めて重要な役割を果たしているので、以
下、該GRPを「小胞体シャペロン」と総称する。
【0004】小胞体シャペロンは、タンパク質のN−グ
リコシル化を阻害するツニカマイシン、カルシウム貯蔵
を涸渇させるカルシウムイオノフォアA23187また
はカルシウムATPアーゼを阻害するタプシガーギン
(thapsigargin)などの試薬によってもそ
の発現が誘導される。これらの試薬は、一般的に小胞体
の機能不全の原因となり、小胞体ストレスを誘発すると
考えられている。
リコシル化を阻害するツニカマイシン、カルシウム貯蔵
を涸渇させるカルシウムイオノフォアA23187また
はカルシウムATPアーゼを阻害するタプシガーギン
(thapsigargin)などの試薬によってもそ
の発現が誘導される。これらの試薬は、一般的に小胞体
の機能不全の原因となり、小胞体ストレスを誘発すると
考えられている。
【0005】小胞体ストレスによる前記小胞体シャペロ
ンの誘導は、最初に転写レベルで制御される。小胞体シ
ャペロンは、熱ショックストレスによって誘導されず、
小胞体シャペロン遺伝子のプロモーター配列には、いか
なる熱ショックエレメントをも含まないので、小胞体シ
ャペロンの誘導は、HSP誘導とは異なった制御機構に
よることが示唆されるが、小胞体ストレス応答は、共通
の機構によって制御されているのか、あるいは個々の小
胞体シャペロンごとに何種類もの多様な機構によって制
御されているのか、不明のままである。
ンの誘導は、最初に転写レベルで制御される。小胞体シ
ャペロンは、熱ショックストレスによって誘導されず、
小胞体シャペロン遺伝子のプロモーター配列には、いか
なる熱ショックエレメントをも含まないので、小胞体シ
ャペロンの誘導は、HSP誘導とは異なった制御機構に
よることが示唆されるが、小胞体ストレス応答は、共通
の機構によって制御されているのか、あるいは個々の小
胞体シャペロンごとに何種類もの多様な機構によって制
御されているのか、不明のままである。
【0006】ラットGRP78遺伝子については、すで
にある程度解析が行なわれており、上流域に存在するC
ORE領域とCCAAT配列を含むC1領域が転写制御
に重要であることが明らかにされているが〔Resendez,
E. et al., Mol. Cell. Biol., 8, 4579-4584 (1988);
Wooden, S. K. et al., Mol. Cell. Biol., 11, 5612-5
623 (1991); Li, W. W. et al., Mol. Cell. Biol., 1
4, 5533-5546 (1994)〕(第1図を参照)、転写制御配
列は確定されていない。一方、酵母においては、出芽酵
母のGRP78遺伝子の転写制御配列(UPRE配列:
CAGNGTG)が明らかにされている〔Mori, K. et
al., Genes Cells, 1, 803-817 (1996) 〕。ヒトGRP
78遺伝子の上流域にも前記UPREに類似した配列が
存在しているが、該UPREに類似した配列を有するD
NAには、小胞体ストレスによって、転写を誘導する活
性は検出されていない。このように、哺乳類、特にヒト
の小胞体ストレス応答に関与する転写制御領域は、いま
だ決定されていないのが現状である。
にある程度解析が行なわれており、上流域に存在するC
ORE領域とCCAAT配列を含むC1領域が転写制御
に重要であることが明らかにされているが〔Resendez,
E. et al., Mol. Cell. Biol., 8, 4579-4584 (1988);
Wooden, S. K. et al., Mol. Cell. Biol., 11, 5612-5
623 (1991); Li, W. W. et al., Mol. Cell. Biol., 1
4, 5533-5546 (1994)〕(第1図を参照)、転写制御配
列は確定されていない。一方、酵母においては、出芽酵
母のGRP78遺伝子の転写制御配列(UPRE配列:
CAGNGTG)が明らかにされている〔Mori, K. et
al., Genes Cells, 1, 803-817 (1996) 〕。ヒトGRP
78遺伝子の上流域にも前記UPREに類似した配列が
存在しているが、該UPREに類似した配列を有するD
NAには、小胞体ストレスによって、転写を誘導する活
性は検出されていない。このように、哺乳類、特にヒト
の小胞体ストレス応答に関与する転写制御領域は、いま
だ決定されていないのが現状である。
【0007】癌細胞では小胞体シャペロンの発現レベル
が高く、例えば細胞内GRP78レベルと癌の大きさが
よく相関しているとの報告〔Cai, J. W. et al., J. Ce
ll.Physiol., 154, 229-237, (1993)〕や、アンチセン
ス法によりGRP78の発現を抑制すると細胞傷害性T
細胞(CTL)や腫瘍壊死因子(TNF)に対する感受
性が高まったり〔Sugawara, S. et al., Cancer Res. 5
3, 6001-6005, (1993)〕、マウスへの生着が悪く、生着
してもすぐに退縮する〔Jamora, C. et al., Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA, 93, 7690-7694, (1996)〕との報告
がある。
が高く、例えば細胞内GRP78レベルと癌の大きさが
よく相関しているとの報告〔Cai, J. W. et al., J. Ce
ll.Physiol., 154, 229-237, (1993)〕や、アンチセン
ス法によりGRP78の発現を抑制すると細胞傷害性T
細胞(CTL)や腫瘍壊死因子(TNF)に対する感受
性が高まったり〔Sugawara, S. et al., Cancer Res. 5
3, 6001-6005, (1993)〕、マウスへの生着が悪く、生着
してもすぐに退縮する〔Jamora, C. et al., Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA, 93, 7690-7694, (1996)〕との報告
がある。
【0008】また、動脈硬化巣に浸潤しているマクロフ
ァージでORP150が強く誘導されていることが示さ
れ、また、アンチセンスオリゴヌクレオチドで処理して
ORP150の発現を抑制したマクロファージは低酸
素、特に変性LDL(低密度リポ蛋白質)存在下におけ
る低酵素暴露で生存率が低下することが示されている
〔Tsukamoto, Y. et al., J. Clin. Invest., 98, 193
0-1941, (1996)〕。動脈硬化巣のマクロファージは、腫
瘍壊死因子、インターロイキン−1(IL−1)、イン
ターロイキン−6(IL−6)、繊維芽細胞増殖因子
(FGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、トラン
スフォーミング増殖因子(TGF−β)などのサイトカ
インを遊離するので、動脈硬化巣における細胞間応答の
中心に位置づけられ、動脈硬化の進展に大きな役割を果
たしていると考えられている。
ァージでORP150が強く誘導されていることが示さ
れ、また、アンチセンスオリゴヌクレオチドで処理して
ORP150の発現を抑制したマクロファージは低酸
素、特に変性LDL(低密度リポ蛋白質)存在下におけ
る低酵素暴露で生存率が低下することが示されている
〔Tsukamoto, Y. et al., J. Clin. Invest., 98, 193
0-1941, (1996)〕。動脈硬化巣のマクロファージは、腫
瘍壊死因子、インターロイキン−1(IL−1)、イン
ターロイキン−6(IL−6)、繊維芽細胞増殖因子
(FGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、トラン
スフォーミング増殖因子(TGF−β)などのサイトカ
インを遊離するので、動脈硬化巣における細胞間応答の
中心に位置づけられ、動脈硬化の進展に大きな役割を果
たしていると考えられている。
【0009】嚢胞性繊維症は、嚢胞性繊維症膜貫通調節
蛋白質(cystic fibrosis transmembrane conductance r
egulator; CFTR)遺伝子の変異に基づく遺伝性疾患
で、最も多くみられる変異は、508番フェニルアラニ
ンの欠失(Δ508F)である〔Welsh, M. J. & Smit
h, A. E., Cell, 73, 1251-1254, (1993)〕。CFTR
Δ508Fは糖鎖付加が異常になり、小胞体からゴルジ
体に輸送されず分解されてしまう。しかし、低温では、
小胞体から漏れて細胞膜に局在し、そのため、Δ508
F変異体でも活性を示すことが報告されている〔Dennin
g, G. M. et al.,Nature 358, 761-764, (1992)〕。小
胞体での新生膜蛋白質の品質管理の厳密性を適度に緩め
ることができれば、CTFRΔ508Fを細胞膜に局在
させ、機能させることが可能と考えられる。
蛋白質(cystic fibrosis transmembrane conductance r
egulator; CFTR)遺伝子の変異に基づく遺伝性疾患
で、最も多くみられる変異は、508番フェニルアラニ
ンの欠失(Δ508F)である〔Welsh, M. J. & Smit
h, A. E., Cell, 73, 1251-1254, (1993)〕。CFTR
Δ508Fは糖鎖付加が異常になり、小胞体からゴルジ
体に輸送されず分解されてしまう。しかし、低温では、
小胞体から漏れて細胞膜に局在し、そのため、Δ508
F変異体でも活性を示すことが報告されている〔Dennin
g, G. M. et al.,Nature 358, 761-764, (1992)〕。小
胞体での新生膜蛋白質の品質管理の厳密性を適度に緩め
ることができれば、CTFRΔ508Fを細胞膜に局在
させ、機能させることが可能と考えられる。
【0010】さらに、ラット脳虚血においてHSP70
とともにGRP78のmRNAが誘導されること〔Wan
g, S. et al., Neurochem. Int., 23, 575-582, (199
3); Higashi, T. et al., Brain Res., 650, 239-248,
(1994) 〕、カイニン酸による痙攣発作を誘発したとき
海馬歯状回でGRP78およびGRP94のmRNAが
誘導されること〔Lowenstein, D. H. et al., Mol. Bra
in Res., 22, 299-308, (1994); Little, E. et al.,
Neuroscience, 75, 209-219, (1996) 〕、マウス虚血脳
でORP150が誘導されること〔Kuwabara, K. et a
l., J. Biol. Chem.,271, 5025-5032, (1996) 〕が観察
されており、脳虚血などによる神経細胞の損傷に対し、
小胞体シャペロンは保護的に作用していると考えられて
いる。
とともにGRP78のmRNAが誘導されること〔Wan
g, S. et al., Neurochem. Int., 23, 575-582, (199
3); Higashi, T. et al., Brain Res., 650, 239-248,
(1994) 〕、カイニン酸による痙攣発作を誘発したとき
海馬歯状回でGRP78およびGRP94のmRNAが
誘導されること〔Lowenstein, D. H. et al., Mol. Bra
in Res., 22, 299-308, (1994); Little, E. et al.,
Neuroscience, 75, 209-219, (1996) 〕、マウス虚血脳
でORP150が誘導されること〔Kuwabara, K. et a
l., J. Biol. Chem.,271, 5025-5032, (1996) 〕が観察
されており、脳虚血などによる神経細胞の損傷に対し、
小胞体シャペロンは保護的に作用していると考えられて
いる。
【0011】また、創傷組織や潰瘍組織においても、小
胞体シャペロンはHSPと同様に組織修復に重要な役割
を果たしていることが予想される。
胞体シャペロンはHSPと同様に組織修復に重要な役割
を果たしていることが予想される。
【0012】一方、外来遺伝子を細胞に導入して有用タ
ンパク質を生産させるとき、目的の遺伝子産物が細胞毒
性を示したり細胞機能に影響したりする場合には、導入
した遺伝子の発現を制御することが必要である。また、
組換えDNAにより外来の有用タンパク質を宿主で発現
させるとき、目的のタンパク質が正しい立体構造を保
ち、高レベルに発現できないことも多い。大量のタンパ
ク質の発現と正しい立体構造の形成に対応するために
は、通常の宿主に存在する小胞体シャペロンやフォール
ディング酵素量では不足することが示唆される。
ンパク質を生産させるとき、目的の遺伝子産物が細胞毒
性を示したり細胞機能に影響したりする場合には、導入
した遺伝子の発現を制御することが必要である。また、
組換えDNAにより外来の有用タンパク質を宿主で発現
させるとき、目的のタンパク質が正しい立体構造を保
ち、高レベルに発現できないことも多い。大量のタンパ
ク質の発現と正しい立体構造の形成に対応するために
は、通常の宿主に存在する小胞体シャペロンやフォール
ディング酵素量では不足することが示唆される。
【0013】したがって、小胞体シャペロンの発現を効
率よく制御することが可能な技術が要求されている。
率よく制御することが可能な技術が要求されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、小胞体シャ
ペロン遺伝子の発現を増大または減少させ得る、該遺伝
子の発現制御方法、外来タンパク質の発現方法、該遺伝
子の発現を制御しうる小胞体ストレス転写因子およびそ
れをコードする核酸またはその相補鎖核酸を提供するこ
とを目的とする。
ペロン遺伝子の発現を増大または減少させ得る、該遺伝
子の発現制御方法、外来タンパク質の発現方法、該遺伝
子の発現を制御しうる小胞体ストレス転写因子およびそ
れをコードする核酸またはその相補鎖核酸を提供するこ
とを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は、〔1〕 配列番号:1に示される塩基配列からなる
エレメント、または配列番号:1に示される塩基配列に
おいて、1〜3個の塩基の他の塩基への置換を有する塩
基配列からなるエレメント、の有する転写誘導活性を調
節しうる小胞体ストレス転写因子、〔2〕 前記〔1〕
記載の小胞体ストレス転写因子を発現させることを特徴
とする小胞体シャペロン遺伝子の発現制御方法、〔3〕
前記〔2〕記載の方法により、小胞体シャペロン遺伝
子の発現を正に調節することを特徴とする、外来タンパ
ク質の発現方法。〔4〕 活性化型ATF6をコードす
る核酸またはその相補鎖、〔5〕 活性化型CREB−
RPをコードする核酸またはその相補鎖、〔6〕 抑制
型ATF6をコードする核酸またはその相補鎖、ならび
に〔7〕 抑制型CREB−RPをコードする核酸また
はその相補鎖、に関する。
は、〔1〕 配列番号:1に示される塩基配列からなる
エレメント、または配列番号:1に示される塩基配列に
おいて、1〜3個の塩基の他の塩基への置換を有する塩
基配列からなるエレメント、の有する転写誘導活性を調
節しうる小胞体ストレス転写因子、〔2〕 前記〔1〕
記載の小胞体ストレス転写因子を発現させることを特徴
とする小胞体シャペロン遺伝子の発現制御方法、〔3〕
前記〔2〕記載の方法により、小胞体シャペロン遺伝
子の発現を正に調節することを特徴とする、外来タンパ
ク質の発現方法。〔4〕 活性化型ATF6をコードす
る核酸またはその相補鎖、〔5〕 活性化型CREB−
RPをコードする核酸またはその相補鎖、〔6〕 抑制
型ATF6をコードする核酸またはその相補鎖、ならび
に〔7〕 抑制型CREB−RPをコードする核酸また
はその相補鎖、に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】本明細書において、「小胞体シャ
ペロン」とは、小胞体ストレスによって、その発現が誘
導される一連の小胞体固有のタンパク質で分泌タンパク
質や膜タンパク質の折り畳みや立体構造の形成を助けた
り触媒する活性を有するタンパク質および酵素を指し、
例えば、GRP78、GRP94、ORP150、ER
p72、GRP58、カルレティキュリン、PDI、F
KBP13などをいう。前記小胞体シャペロンは、哺乳
類などに代表される動物や植物などに由来するタンパク
質をも包含する。
ペロン」とは、小胞体ストレスによって、その発現が誘
導される一連の小胞体固有のタンパク質で分泌タンパク
質や膜タンパク質の折り畳みや立体構造の形成を助けた
り触媒する活性を有するタンパク質および酵素を指し、
例えば、GRP78、GRP94、ORP150、ER
p72、GRP58、カルレティキュリン、PDI、F
KBP13などをいう。前記小胞体シャペロンは、哺乳
類などに代表される動物や植物などに由来するタンパク
質をも包含する。
【0017】また、本明細書においては、前記小胞体シ
ャペロンをコードする遺伝子を「小胞体シャペロン遺伝
子」という。
ャペロンをコードする遺伝子を「小胞体シャペロン遺伝
子」という。
【0018】(1)小胞体シャペロン遺伝子の発現を制
御しうる小胞体ストレス転写因子およびそれをコードす
る核酸 「小胞体シャペロン遺伝子の発現を制御しうる小胞体ス
トレス転写因子」は、前記小胞体シャペロン遺伝子に存
在する小胞体ストレス応答エレメント(以下、ERSE
という)との相互作用により発現を制御しうる因子をい
う。したがって、本発明の小胞体ストレス転写因子によ
れば、前記小胞体シャペロン遺伝子の発現を一挙に制御
するという優れた効果を発揮する。
御しうる小胞体ストレス転写因子およびそれをコードす
る核酸 「小胞体シャペロン遺伝子の発現を制御しうる小胞体ス
トレス転写因子」は、前記小胞体シャペロン遺伝子に存
在する小胞体ストレス応答エレメント(以下、ERSE
という)との相互作用により発現を制御しうる因子をい
う。したがって、本発明の小胞体ストレス転写因子によ
れば、前記小胞体シャペロン遺伝子の発現を一挙に制御
するという優れた効果を発揮する。
【0019】ここで、ERSEとは、配列番号:1に示
される塩基配列からなるエレメント、または配列番号:
1に示される塩基配列において、1〜3個の塩基の他の
塩基への置換を有する塩基配列からなるエレメントであ
って、小胞体ストレスにより転写を誘導する活性を有す
るエレメントをいう。
される塩基配列からなるエレメント、または配列番号:
1に示される塩基配列において、1〜3個の塩基の他の
塩基への置換を有する塩基配列からなるエレメントであ
って、小胞体ストレスにより転写を誘導する活性を有す
るエレメントをいう。
【0020】前記小胞体ストレス転写因子としては、具
体的には、配列番号:1に示される塩基配列からなるエ
レメント、または配列番号:1に示される塩基配列にお
いて、1〜3個の塩基の他の塩基への置換を有する塩基
配列からなるエレメント、の有する転写誘導活性を調節
しうる小胞体ストレス転写因子があげられる。
体的には、配列番号:1に示される塩基配列からなるエ
レメント、または配列番号:1に示される塩基配列にお
いて、1〜3個の塩基の他の塩基への置換を有する塩基
配列からなるエレメント、の有する転写誘導活性を調節
しうる小胞体ストレス転写因子があげられる。
【0021】なお、「1〜3個の塩基の他の塩基への置
換を有する塩基配列」とは、天然に存在する1〜3個の
塩基が他の塩基に置換された塩基配列および人為的に1
〜3個の塩基を他の塩基に置換した塩基配列をも意味す
る。
換を有する塩基配列」とは、天然に存在する1〜3個の
塩基が他の塩基に置換された塩基配列および人為的に1
〜3個の塩基を他の塩基に置換した塩基配列をも意味す
る。
【0022】小胞体ストレス転写因子としては、例え
ば、bZIP転写因子などがあげられ、より具体的に
は、ATF6〔Hai, T.W. et al., Genes Dev. 3, 2083
-2090, (1989) 〕、CREB−RP〔Min, J. et al.,
Genomics, 30, 149-156, (1995)〕、XBP−1/TR
EB5〔Liou, H.C. et al., Science 247, 1581-1584
(1990), Yoshimura, T. et al., EMBO J. 9, 2537-2542
(1990) 〕などがあげられる。
ば、bZIP転写因子などがあげられ、より具体的に
は、ATF6〔Hai, T.W. et al., Genes Dev. 3, 2083
-2090, (1989) 〕、CREB−RP〔Min, J. et al.,
Genomics, 30, 149-156, (1995)〕、XBP−1/TR
EB5〔Liou, H.C. et al., Science 247, 1581-1584
(1990), Yoshimura, T. et al., EMBO J. 9, 2537-2542
(1990) 〕などがあげられる。
【0023】前記ATF6の塩基配列およびアミノ酸配
列をそれぞれ配列番号:31および32に示す。また、
CREB−RPの塩基配列およびアミノ酸配列をそれぞ
れ配列番号:33および34に示す。
列をそれぞれ配列番号:31および32に示す。また、
CREB−RPの塩基配列およびアミノ酸配列をそれぞ
れ配列番号:33および34に示す。
【0024】本発明の小胞体ストレス転写因子は、
(A)前記配列番号:31に示される塩基配列からなる
核酸、(B)配列番号:33に示される塩基配列からな
る核酸、(C)前記(A)または(B)記載の核酸の塩
基配列において、1個以上の塩基の置換、欠失、付加も
しくは挿入を有する塩基配列からなる核酸、ならびに
(D)前記(A)〜(C)いずれか記載の核酸の相補鎖
とストリンジェントな条件下にハイブリダイズする核酸
によりコードされうるポリペプチドからなり、前記小胞
体ストレス応答エレメントの有する転写誘導活性を調節
しうる因子を包含する。
(A)前記配列番号:31に示される塩基配列からなる
核酸、(B)配列番号:33に示される塩基配列からな
る核酸、(C)前記(A)または(B)記載の核酸の塩
基配列において、1個以上の塩基の置換、欠失、付加も
しくは挿入を有する塩基配列からなる核酸、ならびに
(D)前記(A)〜(C)いずれか記載の核酸の相補鎖
とストリンジェントな条件下にハイブリダイズする核酸
によりコードされうるポリペプチドからなり、前記小胞
体ストレス応答エレメントの有する転写誘導活性を調節
しうる因子を包含する。
【0025】なお、本明細書において、「1個以上の塩
基の置換、欠失、付加もしくは挿入を有する」とは、天
然にまたは人為的に、1個以上の塩基が、置換、欠失、
付加もしくは挿入された状態をいう。また、「1個以上
の塩基」は、小胞体ストレス応答エレメントの有する転
写誘導活性を調節しうる範囲で選択される。
基の置換、欠失、付加もしくは挿入を有する」とは、天
然にまたは人為的に、1個以上の塩基が、置換、欠失、
付加もしくは挿入された状態をいう。また、「1個以上
の塩基」は、小胞体ストレス応答エレメントの有する転
写誘導活性を調節しうる範囲で選択される。
【0026】さらに、「核酸」とは、例えば、DNAお
よびそれに対応するRNAなどをいう。
よびそれに対応するRNAなどをいう。
【0027】また、「ストリンジェントな条件」として
は、例えば、モレキュラークローニング:ア ラボラト
リー マニュアル第2版〔Sambrook, J. et al.,(198
9)〕などに記載の条件などがあげられる。
は、例えば、モレキュラークローニング:ア ラボラト
リー マニュアル第2版〔Sambrook, J. et al.,(198
9)〕などに記載の条件などがあげられる。
【0028】さらに、本発明の小胞体ストレス転写因子
には、前記小胞体ストレス応答エレメントの有する転写
誘導活性を調節しうる因子であれば、配列番号:32お
よび34に示されるそれぞれのアミノ酸配列において、
1個以上のアミノ酸の置換、欠失、付加もしくは挿入を
有するアミノ酸配列からなるポリペプチドをも包含す
る。
には、前記小胞体ストレス応答エレメントの有する転写
誘導活性を調節しうる因子であれば、配列番号:32お
よび34に示されるそれぞれのアミノ酸配列において、
1個以上のアミノ酸の置換、欠失、付加もしくは挿入を
有するアミノ酸配列からなるポリペプチドをも包含す
る。
【0029】なお、本明細書において、「1個以上のア
ミノ酸の置換、欠失、付加もしくは挿入を有する」と
は、天然にまたは人為的に、1個以上のアミノ酸が、置
換、欠失、付加もしくは挿入された状態をいう。また、
「1個以上のアミノ酸」は、小胞体ストレス応答エレメ
ントの有する転写誘導活性を調節しうる範囲で選択され
る。
ミノ酸の置換、欠失、付加もしくは挿入を有する」と
は、天然にまたは人為的に、1個以上のアミノ酸が、置
換、欠失、付加もしくは挿入された状態をいう。また、
「1個以上のアミノ酸」は、小胞体ストレス応答エレメ
ントの有する転写誘導活性を調節しうる範囲で選択され
る。
【0030】本発明においては、この他にも、下記のよ
うにして取得しうる小胞体ストレス転写因子も包含され
る。
うにして取得しうる小胞体ストレス転写因子も包含され
る。
【0031】小胞体シャペロン遺伝子の発現を増大させ
る小胞体ストレス転写因子(以下、活性化型小胞体スト
レス転写因子という)を取得する方法としては、特に限
定されないが、例えば、後述のERSEを用い、酵母を
宿主としたワン−ハイブリッド法により、小胞体ストレ
スの非存在下または存在下におけるERSEの下流に組
み込まれたレポーター遺伝子の発現量を比較して、その
発現量の増加を指標として得る方法が挙げられる。
る小胞体ストレス転写因子(以下、活性化型小胞体スト
レス転写因子という)を取得する方法としては、特に限
定されないが、例えば、後述のERSEを用い、酵母を
宿主としたワン−ハイブリッド法により、小胞体ストレ
スの非存在下または存在下におけるERSEの下流に組
み込まれたレポーター遺伝子の発現量を比較して、その
発現量の増加を指標として得る方法が挙げられる。
【0032】一方、小胞体シャペロン遺伝子の発現を減
少させる小胞体ストレス転写因子(以下、抑制型小胞体
ストレス転写因子という)については、小胞体ストレス
非存在下または存在下におけるERSEの下流に組み込
まれたレポーター遺伝子の発現量を比較して、その発現
量の減少を指標として、前記と同様にして得ることがで
きる。
少させる小胞体ストレス転写因子(以下、抑制型小胞体
ストレス転写因子という)については、小胞体ストレス
非存在下または存在下におけるERSEの下流に組み込
まれたレポーター遺伝子の発現量を比較して、その発現
量の減少を指標として、前記と同様にして得ることがで
きる。
【0033】活性化型小胞体ストレス転写因子として
は、例えば、ATF6などが挙げられる。
は、例えば、ATF6などが挙げられる。
【0034】前記ATF6は、本明細書中の下記実施例
において、小胞体の膜タンパク質であることが示唆され
ており、小胞体シャペロンの発現を増大させる性質を有
するbZIP転写因子である。前記ATF6の存在によ
り、配列番号:1に示される塩基配列中の完全なCCA
ATおよびCCACG部分を有するERSEが存在する
小胞体シャペロン遺伝子の転写増大活性を示すことがで
きる。
において、小胞体の膜タンパク質であることが示唆され
ており、小胞体シャペロンの発現を増大させる性質を有
するbZIP転写因子である。前記ATF6の存在によ
り、配列番号:1に示される塩基配列中の完全なCCA
ATおよびCCACG部分を有するERSEが存在する
小胞体シャペロン遺伝子の転写増大活性を示すことがで
きる。
【0035】前記ATF6は、通常、分子量約90kD
aのタンパク質(以下、p90ATF6という)である
が、小胞体ストレスの存在下ではp90ATF6から5
0kDaタンパク質(以下、p50ATF6という)の
活性化型へ変換される。前記p50ATF6は、本明細
書中の下記実施例において、前記p90ATF6のN末
端領域部分であり、核に局在することが強く示唆されて
いるものである。p50ATF6は、小胞体シャペロン
遺伝子の発現を増大させる活性が活性化されたものであ
るため好ましい。
aのタンパク質(以下、p90ATF6という)である
が、小胞体ストレスの存在下ではp90ATF6から5
0kDaタンパク質(以下、p50ATF6という)の
活性化型へ変換される。前記p50ATF6は、本明細
書中の下記実施例において、前記p90ATF6のN末
端領域部分であり、核に局在することが強く示唆されて
いるものである。p50ATF6は、小胞体シャペロン
遺伝子の発現を増大させる活性が活性化されたものであ
るため好ましい。
【0036】なお、「小胞体ストレス」とは、タンパク
質の正常なフォールディングを妨げる多様な条件下で、
小胞体内にアンフォールドタンパク質が蓄積する現象を
いう。前記小胞体ストレスは、具体的には、グルコース
飢餓、ツニカマイシン〔Kozutsumi, Y. et al., Natur
e, 332, 462-464 (1988) 〕、カルシウムイオノフォア
A23187〔Watowich, S. K., Mol. Cell. Biol., 1
1, 5612-5623 (1991) 〕、タプシガーギン(thaps
igargin)〔Li, W. W., J. Biol. Chem.,268, 1
2003-12009 (1993)〕、2−デオキシグルコース、低酸
素曝露などの処理により引き起こすことができる。
質の正常なフォールディングを妨げる多様な条件下で、
小胞体内にアンフォールドタンパク質が蓄積する現象を
いう。前記小胞体ストレスは、具体的には、グルコース
飢餓、ツニカマイシン〔Kozutsumi, Y. et al., Natur
e, 332, 462-464 (1988) 〕、カルシウムイオノフォア
A23187〔Watowich, S. K., Mol. Cell. Biol., 1
1, 5612-5623 (1991) 〕、タプシガーギン(thaps
igargin)〔Li, W. W., J. Biol. Chem.,268, 1
2003-12009 (1993)〕、2−デオキシグルコース、低酸
素曝露などの処理により引き起こすことができる。
【0037】前記小胞体ストレスによって、p50AT
F6を得る条件としては、特に限定されないが、例え
ば、ツニカマイシンを用いた場合には、細胞を0.5〜
8μg/mlのツニカマイシンで2〜8時間処理するこ
とにより小胞体ストレスを誘発し、p90ATF6をp
50ATF6に変換することができる。
F6を得る条件としては、特に限定されないが、例え
ば、ツニカマイシンを用いた場合には、細胞を0.5〜
8μg/mlのツニカマイシンで2〜8時間処理するこ
とにより小胞体ストレスを誘発し、p90ATF6をp
50ATF6に変換することができる。
【0038】また、活性化型ATF6としては、N末端
領域(アミノ酸1〜373領域もしくはまたは1〜36
6領域の全部または一部)を含むポリペプチドがあげら
れ、小胞体シャペロン遺伝子の発現を増大させる活性を
十分に発揮させる観点から、好ましくはアミノ酸1〜4
3領域を含み、より好ましくはアミノ酸1〜150領域
を含むポリペプチドがあげられる。例えば、かかる活性
化ATF6は、目的のアミノ酸領域が終結する位置に終
止コドンを導入することにより作製することができる。
領域(アミノ酸1〜373領域もしくはまたは1〜36
6領域の全部または一部)を含むポリペプチドがあげら
れ、小胞体シャペロン遺伝子の発現を増大させる活性を
十分に発揮させる観点から、好ましくはアミノ酸1〜4
3領域を含み、より好ましくはアミノ酸1〜150領域
を含むポリペプチドがあげられる。例えば、かかる活性
化ATF6は、目的のアミノ酸領域が終結する位置に終
止コドンを導入することにより作製することができる。
【0039】一方、抑制型小胞体ストレス転写因子とし
ては、例えば、抑制型ATF6、CREB−RPなどが
挙げられ、これらは、小胞体シャペロン遺伝子の発現を
減少させる性質を有する。
ては、例えば、抑制型ATF6、CREB−RPなどが
挙げられ、これらは、小胞体シャペロン遺伝子の発現を
減少させる性質を有する。
【0040】前記抑制型ATF6は、ATF6もしくは
活性化型ATF6からアミノ酸1〜150領域の全部ま
たは一部が破壊されたポリペプチドである。かかる抑制
型ATF6は、ドミナントネガティブ体として作用し、
小胞体シャペロン遺伝子の発現を減少させる性質を有す
る。
活性化型ATF6からアミノ酸1〜150領域の全部ま
たは一部が破壊されたポリペプチドである。かかる抑制
型ATF6は、ドミナントネガティブ体として作用し、
小胞体シャペロン遺伝子の発現を減少させる性質を有す
る。
【0041】なお、「全部または一部の破壊」は、例え
ば、欠失、挿入、置換などの変異により、活性化型の転
写因子の有する機能が発揮できない状態をいう。
ば、欠失、挿入、置換などの変異により、活性化型の転
写因子の有する機能が発揮できない状態をいう。
【0042】ところで、小胞体ストレスによりp90A
TF6がp50ATF6に変換されるのと同様に、前記
CREB−RPは通常110kDaのタンパク質(以
下、p110CREB−RPという)であるが、小胞体
ストレスの存在下ではp110CREB−RPから60
kDaのタンパク質(以下、p60CREB−RPとい
う)に変換される。驚くべきことに、p110CREB
−RPとは異なり、p60CREB−RPは小胞体シャ
ペロン遺伝子の発現を増大させる活性を有し、活性化型
小胞体ストレス転写因子として作用する。すなわち、前
記ATF6(p90ATF6およびp50ATF6)に
加え、p60CREB−RPも活性化型小胞体ストレス
転写因子としてあげることができる。
TF6がp50ATF6に変換されるのと同様に、前記
CREB−RPは通常110kDaのタンパク質(以
下、p110CREB−RPという)であるが、小胞体
ストレスの存在下ではp110CREB−RPから60
kDaのタンパク質(以下、p60CREB−RPとい
う)に変換される。驚くべきことに、p110CREB
−RPとは異なり、p60CREB−RPは小胞体シャ
ペロン遺伝子の発現を増大させる活性を有し、活性化型
小胞体ストレス転写因子として作用する。すなわち、前
記ATF6(p90ATF6およびp50ATF6)に
加え、p60CREB−RPも活性化型小胞体ストレス
転写因子としてあげることができる。
【0043】さらに、前記活性型CREB−RPからア
ミノ酸1〜307領域の全部または一部が破壊されたポ
リペプチドは、ドミナントネガティブ体として作用し、
小胞体シャペロン遺伝子の発現を減少させる性質を有
し、抑制型小胞体ストレス転写因子としてあげることが
できる。
ミノ酸1〜307領域の全部または一部が破壊されたポ
リペプチドは、ドミナントネガティブ体として作用し、
小胞体シャペロン遺伝子の発現を減少させる性質を有
し、抑制型小胞体ストレス転写因子としてあげることが
できる。
【0044】前記小胞体ストレス転写因子(例えば、b
ZIP転写因子など)による小胞体シャペロン遺伝子の
発現の有無は、例えば、mRNAを定量し転写の有無を
評価することにより確認することができる。すなわち、
細胞よりRNAを抽出し、ノーザンハイブリダイゼーシ
ョンやRNAプロテクションアッセイなどにより、目的
の遺伝子が転写されているかどうかを調べることができ
る。また、前記小胞体シャペロン遺伝子とクロラムフェ
ニコールアセチルトランスフェラーゼ(以下、CATと
いう)遺伝子またはルシフェラーゼ遺伝子などのレポー
ター遺伝子との融合遺伝子を組み込んだプラスミドを細
胞に導入し、レポーター遺伝子産物であるCATまたは
ルシフェラーゼの活性を測定することにより、転写量を
相対的に調べることができる。
ZIP転写因子など)による小胞体シャペロン遺伝子の
発現の有無は、例えば、mRNAを定量し転写の有無を
評価することにより確認することができる。すなわち、
細胞よりRNAを抽出し、ノーザンハイブリダイゼーシ
ョンやRNAプロテクションアッセイなどにより、目的
の遺伝子が転写されているかどうかを調べることができ
る。また、前記小胞体シャペロン遺伝子とクロラムフェ
ニコールアセチルトランスフェラーゼ(以下、CATと
いう)遺伝子またはルシフェラーゼ遺伝子などのレポー
ター遺伝子との融合遺伝子を組み込んだプラスミドを細
胞に導入し、レポーター遺伝子産物であるCATまたは
ルシフェラーゼの活性を測定することにより、転写量を
相対的に調べることができる。
【0045】前記小胞体ストレス転写因子(例えば、b
ZIP転写因子など)の発現は、慣用の技術により、該
小胞体ストレス転写因子をコードする遺伝子を含有した
DNAを宿主の染色体に組み込んで得られた細胞または
一般に使用されるベクターに組み込んだのち、宿主に導
入して得られた細胞を用いて行なうことができる。
ZIP転写因子など)の発現は、慣用の技術により、該
小胞体ストレス転写因子をコードする遺伝子を含有した
DNAを宿主の染色体に組み込んで得られた細胞または
一般に使用されるベクターに組み込んだのち、宿主に導
入して得られた細胞を用いて行なうことができる。
【0046】前記小胞体ストレス転写因子をコードする
遺伝子は、適切なプロモーターなどを配置し、用いても
よい。前記プロモーターとしては、例えば、SV40プ
ロモーター、サイトメガロウィルスプロモーター、レト
ロウィルスLTRプロモーター、β−アクチンプロモー
ター、酵母ADH1プロモーター、酵母GAP−DHプ
ロモーターなどがあげられる。
遺伝子は、適切なプロモーターなどを配置し、用いても
よい。前記プロモーターとしては、例えば、SV40プ
ロモーター、サイトメガロウィルスプロモーター、レト
ロウィルスLTRプロモーター、β−アクチンプロモー
ター、酵母ADH1プロモーター、酵母GAP−DHプ
ロモーターなどがあげられる。
【0047】ベクターに組み込んで行なう場合、前記一
般に用いられるベクターとしては、プラスミド、コスミ
ド、ウィルスなどがあげられる。具体的には、特に限定
されないが、pKCR、pcDL−SRα、pCAGG
S、レトロウィルスベクター、アデノウィルスベクタ
ー、アデノ随伴ウィルスベクター、酵母用ベクター:Y
Ip、YCp、YEp、YRp系プラスミドなどがあげ
られる。
般に用いられるベクターとしては、プラスミド、コスミ
ド、ウィルスなどがあげられる。具体的には、特に限定
されないが、pKCR、pcDL−SRα、pCAGG
S、レトロウィルスベクター、アデノウィルスベクタ
ー、アデノ随伴ウィルスベクター、酵母用ベクター:Y
Ip、YCp、YEp、YRp系プラスミドなどがあげ
られる。
【0048】前記宿主としては、特に限定されないが、
例えば、HeLa細胞、CHO細胞、FM3A細胞、L
細胞、BALB/c3T3細胞、BHK細胞、ES細
胞、酵母サッカロミセス・セレビシエなどがあげられ
る。
例えば、HeLa細胞、CHO細胞、FM3A細胞、L
細胞、BALB/c3T3細胞、BHK細胞、ES細
胞、酵母サッカロミセス・セレビシエなどがあげられ
る。
【0049】前記小胞体ストレス転写因子をコードする
遺伝子を含有したDNAを宿主に導入するための方法と
しては、特に限定されないが、例えば、リン酸カルシウ
ム法、エレクトロポーレーション法、リポフェクション
法、DEAEデキストラン法などの慣用の方法があげら
れる。
遺伝子を含有したDNAを宿主に導入するための方法と
しては、特に限定されないが、例えば、リン酸カルシウ
ム法、エレクトロポーレーション法、リポフェクション
法、DEAEデキストラン法などの慣用の方法があげら
れる。
【0050】本発明の小胞体ストレス転写因子は、該遺
伝子中のERSEの塩基配列により、発現の増大または
減少の効果を発揮する程度が異なる場合がある。
伝子中のERSEの塩基配列により、発現の増大または
減少の効果を発揮する程度が異なる場合がある。
【0051】前記ERSEとしては、例えば、配列番
号:1に示される塩基配列からなるエレメント〔CCA
AT(N9 )CCACG〕があげられる。前記配列は、
GRPの1種であるヒトGRP78タンパク質をコード
する遺伝子の転写制御領域(配列番号:4、図1)の解
析を行なうことによって、小胞体ストレスによる転写制
御に関与する領域であることが初めて明らかにされ、得
られたものである。
号:1に示される塩基配列からなるエレメント〔CCA
AT(N9 )CCACG〕があげられる。前記配列は、
GRPの1種であるヒトGRP78タンパク質をコード
する遺伝子の転写制御領域(配列番号:4、図1)の解
析を行なうことによって、小胞体ストレスによる転写制
御に関与する領域であることが初めて明らかにされ、得
られたものである。
【0052】前記配列番号:1に示される塩基配列は、
ヒトGRP78のERSE1(配列番号:5)、マウス
GRP78のERSE1(配列番号:6)、ラットGR
P78のERSE1(配列番号:7)、ヒトGRP94
のERSE1(配列番号:8)、ニワトリGRP94の
ERSE1(配列番号:9)、ヒトGRP94のERS
E3(配列番号:10)、ニワトリGRP94のERS
E3(配列番号:11)、ヒトカルレティキュリンのE
RSE3(配列番号:12)、マウスカルレティキュリ
ンのERSE3(配列番号:13)などでよく保存され
た配列である。
ヒトGRP78のERSE1(配列番号:5)、マウス
GRP78のERSE1(配列番号:6)、ラットGR
P78のERSE1(配列番号:7)、ヒトGRP94
のERSE1(配列番号:8)、ニワトリGRP94の
ERSE1(配列番号:9)、ヒトGRP94のERS
E3(配列番号:10)、ニワトリGRP94のERS
E3(配列番号:11)、ヒトカルレティキュリンのE
RSE3(配列番号:12)、マウスカルレティキュリ
ンのERSE3(配列番号:13)などでよく保存され
た配列である。
【0053】また、前記ERSEは、配列番号:1に示
される塩基配列において、1〜3個の塩基の他の塩基へ
の置換を有する塩基配列であって、小胞体ストレスによ
って、転写を誘導する活性を発揮しうるエレメントであ
ってもよい。かかるエレメントは、配列番号:1の塩基
配列において、遺伝子工学的手法により1〜3個の塩基
の置換を導入して得られたDNAであってもよく、1〜
3個の塩基が置換された塩基配列からなる天然由来のD
NAであってもよい。かかる天然由来のDNAとして
は、例えば、ヒトGRP78のERSE2(配列番号:
14)、マウスGRP78のERSE2(配列番号:1
5)、ラットGRP78のERSE2(配列番号:1
6)、ヒトGRP78のERSE3(配列番号:1
7)、マウスGRP78のERSE3(配列番号:1
8)、ラットGRP78のERSE3(配列番号:1
9)、ヒトGRP94のERSE2(配列番号:2
0)、ヒトGRP94のERSE4(配列番号:2
1)、ニワトリGRP94のERSE2(配列番号:2
2)、ヒトカルレティキュリンのERSE1(配列番
号:23)、ヒトカルレティキュリンのERSE2(配
列番号:24)、マウスカルレティキュリンのERSE
2(配列番号:25)、マウスERp72のERSE1
(配列番号:26)、マウスERp72のERSE2
(配列番号:27)、ヒトプロテインジスルフィドイソ
メラーゼのERSE1(配列番号:28)、ヒトプロテ
インジスルフィドイソメラーゼのERSE2(配列番
号:29)、ヒトGRP58のERSE1(配列番号:
30)などがあげられる。なお、前記ERSEは、脊椎
動物、植物、カビなどにも類似の配列が見出されている
(図5)。
される塩基配列において、1〜3個の塩基の他の塩基へ
の置換を有する塩基配列であって、小胞体ストレスによ
って、転写を誘導する活性を発揮しうるエレメントであ
ってもよい。かかるエレメントは、配列番号:1の塩基
配列において、遺伝子工学的手法により1〜3個の塩基
の置換を導入して得られたDNAであってもよく、1〜
3個の塩基が置換された塩基配列からなる天然由来のD
NAであってもよい。かかる天然由来のDNAとして
は、例えば、ヒトGRP78のERSE2(配列番号:
14)、マウスGRP78のERSE2(配列番号:1
5)、ラットGRP78のERSE2(配列番号:1
6)、ヒトGRP78のERSE3(配列番号:1
7)、マウスGRP78のERSE3(配列番号:1
8)、ラットGRP78のERSE3(配列番号:1
9)、ヒトGRP94のERSE2(配列番号:2
0)、ヒトGRP94のERSE4(配列番号:2
1)、ニワトリGRP94のERSE2(配列番号:2
2)、ヒトカルレティキュリンのERSE1(配列番
号:23)、ヒトカルレティキュリンのERSE2(配
列番号:24)、マウスカルレティキュリンのERSE
2(配列番号:25)、マウスERp72のERSE1
(配列番号:26)、マウスERp72のERSE2
(配列番号:27)、ヒトプロテインジスルフィドイソ
メラーゼのERSE1(配列番号:28)、ヒトプロテ
インジスルフィドイソメラーゼのERSE2(配列番
号:29)、ヒトGRP58のERSE1(配列番号:
30)などがあげられる。なお、前記ERSEは、脊椎
動物、植物、カビなどにも類似の配列が見出されている
(図5)。
【0054】前記ERSEは、配列番号:1〜3に示さ
れるERSE1〜3の3つのエレメントが共存すること
により、さらに発現制御を効果的に行なうことができ
る。
れるERSE1〜3の3つのエレメントが共存すること
により、さらに発現制御を効果的に行なうことができ
る。
【0055】前記ERSEを得る方法としては、特に限
定されないが、例えば、下記実施例のようにして得るこ
とができる。
定されないが、例えば、下記実施例のようにして得るこ
とができる。
【0056】前記小胞体ストレス転写因子をコードする
核酸は、虚血性疾患や癌などの遺伝子治療に用いること
ができるという優れた性質を有する。例えば、小胞体シ
ャペロン遺伝子の発現を正(発現量の増大)に調節する
ことにより虚血性疾患の治療が可能になり、逆に負(発
現量の減少)に制御することにより癌の治療が可能にな
ることが期待される。
核酸は、虚血性疾患や癌などの遺伝子治療に用いること
ができるという優れた性質を有する。例えば、小胞体シ
ャペロン遺伝子の発現を正(発現量の増大)に調節する
ことにより虚血性疾患の治療が可能になり、逆に負(発
現量の減少)に制御することにより癌の治療が可能にな
ることが期待される。
【0057】小胞体シャペロン遺伝子の発現を正に調節
する場合、小胞体ストレス転写因子をコードする核酸と
して、活性化型ATF6をコードする核酸または活性化
型CREB−RPをコードする核酸を用いることができ
る。
する場合、小胞体ストレス転写因子をコードする核酸と
して、活性化型ATF6をコードする核酸または活性化
型CREB−RPをコードする核酸を用いることができ
る。
【0058】活性化型ATF6をコードする核酸として
は、具体的には、(a)配列番号:32のアミノ酸番
号:1〜373に示されるアミノ酸配列をコードする塩
基配列からなる核酸、(b)配列番号:32のアミノ酸
番号:1〜366に示されるアミノ酸配列をコードする
塩基配列からなる核酸、(c)配列番号:31の塩基番
号:69〜1187に示される塩基配列からなる核酸、
(d)配列番号:31の塩基番号:69〜1166に示
される塩基配列からなる核酸、(e)前記(a)〜
(d)いずれか記載の核酸において、少なくとも1塩基
の置換、欠失、付加もしくは挿入を有する塩基配列から
なる核酸、(f)前記(a)〜(e)いずれか記載の核
酸の相補鎖にストリンジェントな条件下にハイブリダイ
ズする核酸からなる群より選ばれた核酸が挙げられる。
また、活性化型CREB−RPをコードする核酸として
は、具体的には、(g)配列番号:34のアミノ酸番
号:1〜389に示されるアミノ酸配列をコードする塩
基配列からなる核酸、(h)配列番号:33の塩基番
号:47〜1213に示される塩基配列からなる核酸、
(i)前記(g)または(h)いずれか記載の核酸にお
いて、少なくとも1塩基の置換、欠失、付加もしくは挿
入を有する塩基配列からなる核酸、および(j)前記
(g)〜(i)いずれか記載の核酸の相補鎖にストリン
ジェントな条件下にハイブリダイズする核酸からなる群
より選ばれた核酸があげられる。
は、具体的には、(a)配列番号:32のアミノ酸番
号:1〜373に示されるアミノ酸配列をコードする塩
基配列からなる核酸、(b)配列番号:32のアミノ酸
番号:1〜366に示されるアミノ酸配列をコードする
塩基配列からなる核酸、(c)配列番号:31の塩基番
号:69〜1187に示される塩基配列からなる核酸、
(d)配列番号:31の塩基番号:69〜1166に示
される塩基配列からなる核酸、(e)前記(a)〜
(d)いずれか記載の核酸において、少なくとも1塩基
の置換、欠失、付加もしくは挿入を有する塩基配列から
なる核酸、(f)前記(a)〜(e)いずれか記載の核
酸の相補鎖にストリンジェントな条件下にハイブリダイ
ズする核酸からなる群より選ばれた核酸が挙げられる。
また、活性化型CREB−RPをコードする核酸として
は、具体的には、(g)配列番号:34のアミノ酸番
号:1〜389に示されるアミノ酸配列をコードする塩
基配列からなる核酸、(h)配列番号:33の塩基番
号:47〜1213に示される塩基配列からなる核酸、
(i)前記(g)または(h)いずれか記載の核酸にお
いて、少なくとも1塩基の置換、欠失、付加もしくは挿
入を有する塩基配列からなる核酸、および(j)前記
(g)〜(i)いずれか記載の核酸の相補鎖にストリン
ジェントな条件下にハイブリダイズする核酸からなる群
より選ばれた核酸があげられる。
【0059】小胞体シャペロン遺伝子の発現を負(発現
量の減少)に制御する場合、小胞体ストレス転写因子を
コードする核酸として、例えば、前記活性化型ATF6
をコードする核酸の相補鎖核酸、前記活性化型CREB
−RPをコードする核酸をコードする核酸の相補鎖核
酸、抑制型ATF6をコードする核酸、抑制型CREB
−RPをコードする核酸などを用いることができる。
量の減少)に制御する場合、小胞体ストレス転写因子を
コードする核酸として、例えば、前記活性化型ATF6
をコードする核酸の相補鎖核酸、前記活性化型CREB
−RPをコードする核酸をコードする核酸の相補鎖核
酸、抑制型ATF6をコードする核酸、抑制型CREB
−RPをコードする核酸などを用いることができる。
【0060】具体的には、前記活性化型ATF6をコー
ドする核酸の相補鎖核酸としては、前記(a)〜(f)
からなる群より選ばれた核酸の相補鎖核酸が挙げられ
る。前記活性化型CREB−RPをコードする核酸をコ
ードする核酸の相補鎖核酸としては、前記(g)〜
(j)からなる群より選ばれた核酸の相補鎖核酸が挙げ
られる。抑制型ATF6をコードする核酸としては、
(k)配列番号:32のアミノ酸番号:151〜670
に示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列からなる
核酸、(l)配列番号:32のアミノ酸番号:151〜
373に示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列か
らなる核酸、(m)配列番号:32のアミノ酸番号:1
51〜366に示されるアミノ酸配列をコードする塩基
配列からなる核酸、(n)配列番号:31の塩基番号:
519〜2078に示される塩基配列からなる核酸、
(o)配列番号:31の塩基番号:519〜1187に
示される塩基配列からなる核酸、(p)配列番号:31
の塩基番号:519〜1166に示される塩基配列から
なる核酸、(q)前記(k)〜(p)いずれか記載の核
酸の塩基配列において、少なくとも1種の塩基の置換、
欠失、付加もしくは挿入を有する塩基配列からなる核
酸、および(r)前記(k)〜(q)いずれか記載の核
酸の相補鎖にストリンジェントな条件下にハイブリダイ
ズする核酸からなる群より選ばれた核酸があげられる。
抑制型CREB−RPをコードする核酸としては、
(s)配列番号:34のアミノ酸番号:308〜386
に示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列からなる
核酸、(t)配列番号:33の塩基番号:968〜12
04に示される塩基配列からなる核酸、(u)配列番
号:34のアミノ酸番号:151〜389に示されるア
ミノ酸配列をコードする塩基配列からなる核酸、(v)
配列番号:33の塩基番号:497〜1213に示され
る塩基配列からなる核酸、(w)配列番号:34のアミ
ノ酸番号:81〜389に示されるアミノ酸配列をコー
ドする塩基配列からなる核酸、(x)配列番号:33の
塩基番号:287〜1213に示される塩基配列からな
る核酸、(y)前記(s)〜(x)いずれか記載の核酸
において、少なくとも1塩基の置換、欠失、付加もしく
は挿入を有する塩基配列からなる核酸、および(z)前
記(s)〜(y)いずれか記載の核酸の相補鎖にストリ
ンジェントな条件下にハイブリダイズする核酸からなる
群より選ばれた核酸があげられる。
ドする核酸の相補鎖核酸としては、前記(a)〜(f)
からなる群より選ばれた核酸の相補鎖核酸が挙げられ
る。前記活性化型CREB−RPをコードする核酸をコ
ードする核酸の相補鎖核酸としては、前記(g)〜
(j)からなる群より選ばれた核酸の相補鎖核酸が挙げ
られる。抑制型ATF6をコードする核酸としては、
(k)配列番号:32のアミノ酸番号:151〜670
に示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列からなる
核酸、(l)配列番号:32のアミノ酸番号:151〜
373に示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列か
らなる核酸、(m)配列番号:32のアミノ酸番号:1
51〜366に示されるアミノ酸配列をコードする塩基
配列からなる核酸、(n)配列番号:31の塩基番号:
519〜2078に示される塩基配列からなる核酸、
(o)配列番号:31の塩基番号:519〜1187に
示される塩基配列からなる核酸、(p)配列番号:31
の塩基番号:519〜1166に示される塩基配列から
なる核酸、(q)前記(k)〜(p)いずれか記載の核
酸の塩基配列において、少なくとも1種の塩基の置換、
欠失、付加もしくは挿入を有する塩基配列からなる核
酸、および(r)前記(k)〜(q)いずれか記載の核
酸の相補鎖にストリンジェントな条件下にハイブリダイ
ズする核酸からなる群より選ばれた核酸があげられる。
抑制型CREB−RPをコードする核酸としては、
(s)配列番号:34のアミノ酸番号:308〜386
に示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列からなる
核酸、(t)配列番号:33の塩基番号:968〜12
04に示される塩基配列からなる核酸、(u)配列番
号:34のアミノ酸番号:151〜389に示されるア
ミノ酸配列をコードする塩基配列からなる核酸、(v)
配列番号:33の塩基番号:497〜1213に示され
る塩基配列からなる核酸、(w)配列番号:34のアミ
ノ酸番号:81〜389に示されるアミノ酸配列をコー
ドする塩基配列からなる核酸、(x)配列番号:33の
塩基番号:287〜1213に示される塩基配列からな
る核酸、(y)前記(s)〜(x)いずれか記載の核酸
において、少なくとも1塩基の置換、欠失、付加もしく
は挿入を有する塩基配列からなる核酸、および(z)前
記(s)〜(y)いずれか記載の核酸の相補鎖にストリ
ンジェントな条件下にハイブリダイズする核酸からなる
群より選ばれた核酸があげられる。
【0061】小胞体シャペロンの発現を抑制する活性を
有する物質〔例えば、抑制型ATF6、(k)〜(r)
の核酸、(a)〜(f)の核酸の相補鎖、抑制型CRE
B−RP、(s)〜(z)の核酸、(g)〜(j)の核
酸の相補鎖など〕は、癌、動脈硬化症または嚢胞性繊維
症の治療薬あるいは予防薬になることが期待される。ま
た、小胞体シャペロンの発現を誘導する活性を有する物
質〔例えば、活性化型ATF6、(a)〜(f)の核
酸、活性型CREB−RP、(g)〜(j)の核酸な
ど〕は、虚血性疾患、創傷または潰瘍の治療薬あるいは
予防薬になることが期待される。
有する物質〔例えば、抑制型ATF6、(k)〜(r)
の核酸、(a)〜(f)の核酸の相補鎖、抑制型CRE
B−RP、(s)〜(z)の核酸、(g)〜(j)の核
酸の相補鎖など〕は、癌、動脈硬化症または嚢胞性繊維
症の治療薬あるいは予防薬になることが期待される。ま
た、小胞体シャペロンの発現を誘導する活性を有する物
質〔例えば、活性化型ATF6、(a)〜(f)の核
酸、活性型CREB−RP、(g)〜(j)の核酸な
ど〕は、虚血性疾患、創傷または潰瘍の治療薬あるいは
予防薬になることが期待される。
【0062】小胞体シャペロンの発現を抑制する活性を
有する物質または小胞体シャペロンの発現を誘導する活
性を有する物質を疾患の治療薬あるいは予防薬として用
いる場合、その投与形態としては、経口投与、吸入投
与、静脈内注射、皮下注射などが挙げられる。
有する物質または小胞体シャペロンの発現を誘導する活
性を有する物質を疾患の治療薬あるいは予防薬として用
いる場合、その投与形態としては、経口投与、吸入投
与、静脈内注射、皮下注射などが挙げられる。
【0063】本発明の核酸またはその相補鎖の投与方法
としては、該核酸またはその相補鎖の細胞内への導入の
容易性の観点から、ウイルスベクターに該核酸またはそ
の相補鎖を組み込んだ構築物を、経口投与、吸入投与、
静脈内注射、皮下注射などによる投与方法、本発明の核
酸またはその相補鎖を保持する発現プラスミドを含有し
た組成物を直接筋肉内に投与する方法(DNAワクチン
法)、リポソーム法、リポフェクチン法、マイクロイン
ジェクション法、リン酸カルシウム法、エレクトロポレ
ーション法などが挙げられる。
としては、該核酸またはその相補鎖の細胞内への導入の
容易性の観点から、ウイルスベクターに該核酸またはそ
の相補鎖を組み込んだ構築物を、経口投与、吸入投与、
静脈内注射、皮下注射などによる投与方法、本発明の核
酸またはその相補鎖を保持する発現プラスミドを含有し
た組成物を直接筋肉内に投与する方法(DNAワクチン
法)、リポソーム法、リポフェクチン法、マイクロイン
ジェクション法、リン酸カルシウム法、エレクトロポレ
ーション法などが挙げられる。
【0064】本発明の核酸またはその相補鎖は、細胞内
への移行性または細胞内での安定性を高めるため、例え
ば、ホスホチオエート、ホスホロジチオエート、アルキ
ルホスホトリエステル、アルキルホスホナート、アルキ
ルホスホアミデートなどの化学的修飾核酸であっても
い。
への移行性または細胞内での安定性を高めるため、例え
ば、ホスホチオエート、ホスホロジチオエート、アルキ
ルホスホトリエステル、アルキルホスホナート、アルキ
ルホスホアミデートなどの化学的修飾核酸であっても
い。
【0065】(2)小胞体シャペロン遺伝子の発現制御
方法 本発明の小胞体シャペロン遺伝子の発現制御方法は、本
発明の小胞体ストレス転写因子(例えば、bZIP転写
因子など)を発現させて用いることを1つの大きな特徴
とする。本発明の小胞体シャペロン遺伝子の発現制御方
法によれば、小胞体ストレス転写因子を用いて小胞体シ
ャペロン遺伝子を発現制御することにより、癌、動脈硬
化症、嚢胞性繊維症、虚血性疾患、創傷、潰瘍の治療あ
るいは予防が可能になるという優れた効果を発揮する。
また、本発明の小胞体シャペロン遺伝子の発現制御方法
によれば、組換えDNAによる外来タンパク質の発現に
おいて、正しい立体構造を保ち、かつ高レベルに目的タ
ンパク質を発現させることが可能になるという優れた効
果を発揮する。
方法 本発明の小胞体シャペロン遺伝子の発現制御方法は、本
発明の小胞体ストレス転写因子(例えば、bZIP転写
因子など)を発現させて用いることを1つの大きな特徴
とする。本発明の小胞体シャペロン遺伝子の発現制御方
法によれば、小胞体ストレス転写因子を用いて小胞体シ
ャペロン遺伝子を発現制御することにより、癌、動脈硬
化症、嚢胞性繊維症、虚血性疾患、創傷、潰瘍の治療あ
るいは予防が可能になるという優れた効果を発揮する。
また、本発明の小胞体シャペロン遺伝子の発現制御方法
によれば、組換えDNAによる外来タンパク質の発現に
おいて、正しい立体構造を保ち、かつ高レベルに目的タ
ンパク質を発現させることが可能になるという優れた効
果を発揮する。
【0066】本発明の小胞体ストレス転写因子は、前記
小胞体シャペロン遺伝子の発現を一挙に制御しうるの
で、本発明の小胞体ストレス転写因子を用いる方法は、
個々の小胞体シャペロン遺伝子の発現を制御する方法に
比べ、格段に優れた制御効果が期待される。
小胞体シャペロン遺伝子の発現を一挙に制御しうるの
で、本発明の小胞体ストレス転写因子を用いる方法は、
個々の小胞体シャペロン遺伝子の発現を制御する方法に
比べ、格段に優れた制御効果が期待される。
【0067】本発明においては、細胞内の小胞体ストレ
ス転写因子の発現量を調節することにより、小胞体シャ
ペロン遺伝子の発現制御をすること、または細胞内で発
現させる小胞体ストレス転写因子の選択により、小胞体
シャペロン遺伝子の発現を正または負に調節する活性を
調節することができる。
ス転写因子の発現量を調節することにより、小胞体シャ
ペロン遺伝子の発現制御をすること、または細胞内で発
現させる小胞体ストレス転写因子の選択により、小胞体
シャペロン遺伝子の発現を正または負に調節する活性を
調節することができる。
【0068】小胞体ストレス転写因子の発現量を調節す
ることにより、小胞体シャペロン遺伝子の発現制御を行
なう場合、発現量の調節は、小胞体ストレス転写因子を
コードするDNAあるいは小胞体ストレス転写因子のア
ンチセンスRNAをコードするDNA、あるいはアンチ
センスオリゴヌクレオチドを細胞に導入することにより
行なうことができる。
ることにより、小胞体シャペロン遺伝子の発現制御を行
なう場合、発現量の調節は、小胞体ストレス転写因子を
コードするDNAあるいは小胞体ストレス転写因子のア
ンチセンスRNAをコードするDNA、あるいはアンチ
センスオリゴヌクレオチドを細胞に導入することにより
行なうことができる。
【0069】発現させる小胞体ストレス転写因子の選択
により、小胞体シャペロン遺伝子の発現を正(発現量の
増大)または負(発現量の減少)に調節する場合、例え
ば、bZIP転写因子であるATF6、CREB−R
P、XBP−1/TREB5などから、発現の調節の方
向(正または負)に応じて、選択することにより発現を
調節することができる。この他にも、前記(1)に記載
の小胞体ストレス転写因子(例えば、bZIP転写因
子)または核酸の有する性質により適宜選択してもよ
い。
により、小胞体シャペロン遺伝子の発現を正(発現量の
増大)または負(発現量の減少)に調節する場合、例え
ば、bZIP転写因子であるATF6、CREB−R
P、XBP−1/TREB5などから、発現の調節の方
向(正または負)に応じて、選択することにより発現を
調節することができる。この他にも、前記(1)に記載
の小胞体ストレス転写因子(例えば、bZIP転写因
子)または核酸の有する性質により適宜選択してもよ
い。
【0070】小胞体シャペロン遺伝子の発現量を増大さ
せる場合、例えば、ATF6を細胞内でp90ATF6
として発現させ、小胞体ストレスによりp50ATF6
を生じさせて用いてもよく、p50ATF6をコードす
るDNAを発現させて用いてもよい。さらに、p60C
REB−RPをコードするDNAを発現させても用いて
もよい。
せる場合、例えば、ATF6を細胞内でp90ATF6
として発現させ、小胞体ストレスによりp50ATF6
を生じさせて用いてもよく、p50ATF6をコードす
るDNAを発現させて用いてもよい。さらに、p60C
REB−RPをコードするDNAを発現させても用いて
もよい。
【0071】また、前記ATF6を用いる場合、N末端
領域(アミノ酸1〜373領域もしくは1〜366領域
の全部または一部)を含むポリペプチドを用いることが
でき、小胞体シャペロン遺伝子の発現を増大させる活性
を十分に発揮させる観点から、好ましくはアミノ酸1〜
43領域を含み、さらに好ましくはアミノ酸1〜150
領域を含むポリペプチドをコードするDNAを細胞内で
発現させて用いてもよい。
領域(アミノ酸1〜373領域もしくは1〜366領域
の全部または一部)を含むポリペプチドを用いることが
でき、小胞体シャペロン遺伝子の発現を増大させる活性
を十分に発揮させる観点から、好ましくはアミノ酸1〜
43領域を含み、さらに好ましくはアミノ酸1〜150
領域を含むポリペプチドをコードするDNAを細胞内で
発現させて用いてもよい。
【0072】さらに、前記活性化型CREB−RPを用
いる場合、N末端領域(アミノ酸1〜389領域の全部
または一部)を含むポリペプチドを用いることができ、
かかるポリペプチドをコードするDNAを細胞内で発現
させても用いてもよい。
いる場合、N末端領域(アミノ酸1〜389領域の全部
または一部)を含むポリペプチドを用いることができ、
かかるポリペプチドをコードするDNAを細胞内で発現
させても用いてもよい。
【0073】また、小胞体シャペロン遺伝子の発現量を
減少させる場合、ATF6あるいは活性化型ATF6か
らアミノ酸1〜150領域の全部または一部が破壊され
たポリペプチドをドミナントネガティブ体として用いる
ことにより、小胞体シャペロン遺伝子の発現を減少させ
ることができる。この場合、かかるポリペプチドをコー
ドするDNAを細胞内で発現させてもよい。
減少させる場合、ATF6あるいは活性化型ATF6か
らアミノ酸1〜150領域の全部または一部が破壊され
たポリペプチドをドミナントネガティブ体として用いる
ことにより、小胞体シャペロン遺伝子の発現を減少させ
ることができる。この場合、かかるポリペプチドをコー
ドするDNAを細胞内で発現させてもよい。
【0074】一方、小胞体シャペロン遺伝子の発現量を
減少させる場合、前記活性化型CREB−RPからアミ
ノ酸1〜307領域の全部または一部が破壊されたポリ
ペプチドをドミナントネガティブ体として用いることに
より、小胞体シャペロン遺伝子の発現量を減少させるこ
とができる。この場合、かかるポリペプチドをコードす
るDNAを細胞内で発現させても用いてもよい。
減少させる場合、前記活性化型CREB−RPからアミ
ノ酸1〜307領域の全部または一部が破壊されたポリ
ペプチドをドミナントネガティブ体として用いることに
より、小胞体シャペロン遺伝子の発現量を減少させるこ
とができる。この場合、かかるポリペプチドをコードす
るDNAを細胞内で発現させても用いてもよい。
【0075】(3)外来タンパク質の発現方法 本発明の小胞体シャペロン遺伝子の発現制御方法によ
り、さらに、外来遺伝子の発現方法が提供される。かか
る外来遺伝子の発現方法も本発明に含まれる。
り、さらに、外来遺伝子の発現方法が提供される。かか
る外来遺伝子の発現方法も本発明に含まれる。
【0076】外来遺伝子の発現制御に利用する場合、
1)前記活性化型小胞体ストレス転写因子をコードする
遺伝子と、小胞体シャペロン遺伝子のプロモーター下流
に配置した外来遺伝子とを同時に発現させてもよく、ま
た、2)前記活性化型小胞体ストレス転写因子をコード
する遺伝子と、前記小胞体シャペロン遺伝子のERSE
部分を含有したDNAの下流に、適切なプロモーター、
外来遺伝子等を配置したDNAとを同時に発現させても
よい。
1)前記活性化型小胞体ストレス転写因子をコードする
遺伝子と、小胞体シャペロン遺伝子のプロモーター下流
に配置した外来遺伝子とを同時に発現させてもよく、ま
た、2)前記活性化型小胞体ストレス転写因子をコード
する遺伝子と、前記小胞体シャペロン遺伝子のERSE
部分を含有したDNAの下流に、適切なプロモーター、
外来遺伝子等を配置したDNAとを同時に発現させても
よい。
【0077】1) 前記活性化型小胞体ストレス転写因
子をコードする遺伝子と、小胞体シャペロン遺伝子のプ
ロモーター下流に配置した外来遺伝子とを同時に発現さ
せる場合 活性化型小胞体ストレス転写因子をコードする遺伝子を
含有したベクターと、小胞体シャペロン遺伝子の下流に
配置した外来遺伝子を含有したベクターとを共発現させ
てもよく、あらかじめ小胞体ストレスにより活性化型小
胞体ストレス転写因子をコードする遺伝子を発現制御す
ることが可能な宿主を作成し、該宿主に、前記外来遺伝
子を含有したベクターを導入し、該外来遺伝子を発現さ
せてもよい。
子をコードする遺伝子と、小胞体シャペロン遺伝子のプ
ロモーター下流に配置した外来遺伝子とを同時に発現さ
せる場合 活性化型小胞体ストレス転写因子をコードする遺伝子を
含有したベクターと、小胞体シャペロン遺伝子の下流に
配置した外来遺伝子を含有したベクターとを共発現させ
てもよく、あらかじめ小胞体ストレスにより活性化型小
胞体ストレス転写因子をコードする遺伝子を発現制御す
ることが可能な宿主を作成し、該宿主に、前記外来遺伝
子を含有したベクターを導入し、該外来遺伝子を発現さ
せてもよい。
【0078】ベクターとしては、特に限定されないが、
前記のベクターがあげられる。発現に用いられる宿主と
しては、特に限定されないが、前記の宿主があげられ
る。
前記のベクターがあげられる。発現に用いられる宿主と
しては、特に限定されないが、前記の宿主があげられ
る。
【0079】ベクターを用いたトランスフェクションの
方法としては、特に限定されないが、前記慣用の方法が
あげられる。
方法としては、特に限定されないが、前記慣用の方法が
あげられる。
【0080】2) 前記活性化型小胞体ストレス転写因
子をコードする遺伝子と、前記小胞体シャペロン遺伝子
のERSE部分を含有したDNAの下流に、適切なプロ
モーター、外来遺伝子等を配置したDNAとを同時に発
現させる場合 前記プロモーターは、ヒトGRP78遺伝子、ヒトGR
P94遺伝子、ヒトカルレティキュリン遺伝子に由来す
るプロモーターのみならず、いかなる外来性のプロモー
ターをも含む。前記外来性のプロモーターの具体例とし
ては、SV40プロモーター、サイトメガロウィルスプ
ロモーター、レトロウィルスLTRプロモーター、β−
アクチンプロモーターなどがあげられる。
子をコードする遺伝子と、前記小胞体シャペロン遺伝子
のERSE部分を含有したDNAの下流に、適切なプロ
モーター、外来遺伝子等を配置したDNAとを同時に発
現させる場合 前記プロモーターは、ヒトGRP78遺伝子、ヒトGR
P94遺伝子、ヒトカルレティキュリン遺伝子に由来す
るプロモーターのみならず、いかなる外来性のプロモー
ターをも含む。前記外来性のプロモーターの具体例とし
ては、SV40プロモーター、サイトメガロウィルスプ
ロモーター、レトロウィルスLTRプロモーター、β−
アクチンプロモーターなどがあげられる。
【0081】前記小胞体シャペロン遺伝子のERSE部
分を含有したDNAは、転写開始点の上流のいかなる位
置に置くことも可能であるが、転写開始点より600塩
基以内に存在することが好ましい。さらに、前記DNA
の方向性はどちらの向きでも使用することができる。
分を含有したDNAは、転写開始点の上流のいかなる位
置に置くことも可能であるが、転写開始点より600塩
基以内に存在することが好ましい。さらに、前記DNA
の方向性はどちらの向きでも使用することができる。
【0082】小胞体シャペロン遺伝子のERSE部分を
含有したDNAは、上記一般に用いられているプラスミ
ド、コスミド、ウイルスなどに含有させることによっ
て、発現ベクターとして使用することができる。
含有したDNAは、上記一般に用いられているプラスミ
ド、コスミド、ウイルスなどに含有させることによっ
て、発現ベクターとして使用することができる。
【0083】発現に用いられる細胞としては、前記の細
胞があげられる。また、発現ベクターのトランスフェク
ションは、前記した慣用のトランスフェクションの方法
により行なうことができる。
胞があげられる。また、発現ベクターのトランスフェク
ションは、前記した慣用のトランスフェクションの方法
により行なうことができる。
【0084】以下に本発明の調製例および実施例を示
し、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら
の実施例などによって限定されるものではない。
し、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら
の実施例などによって限定されるものではない。
【0085】
【実施例】実施例1 ERSEの単離 (1)細胞培養 HeLa細胞(ATCC CCL2)を、10% ウシ
胎児血清、2mM グルタミン、100ユニット/ml
ペニシリンおよび100μg/mlストレプトマイシン
を含む、ダルベッコ変法イーグル培地(4.5g/Lグ
ルコース)中で加湿した5%CO2 /95%大気中37
℃で培養した。
胎児血清、2mM グルタミン、100ユニット/ml
ペニシリンおよび100μg/mlストレプトマイシン
を含む、ダルベッコ変法イーグル培地(4.5g/Lグ
ルコース)中で加湿した5%CO2 /95%大気中37
℃で培養した。
【0086】(2)ERSE単離用のレポータープラス
ミドの構築 組み換えDNA技法は、モレキュラークローニング ア
ラボラトリーマニュアル 第2版 コールドスプリン
グハーバーラボラトリー 1989年発行などに記載の
慣用の手法により行なった。
ミドの構築 組み換えDNA技法は、モレキュラークローニング ア
ラボラトリーマニュアル 第2版 コールドスプリン
グハーバーラボラトリー 1989年発行などに記載の
慣用の手法により行なった。
【0087】ティングら(前述)によって開示されてい
るヒトGRP78遺伝子の配列に基づいて作製した2つ
のオリゴヌクレオチドをそれぞれ+鎖および−鎖のプラ
イマーとして用い、HeLa細胞のゲノムDNAを鋳型
としてPCR法によって、ヒトGRP78プロモーター
領域(〔−304〜+7〕領域、転写開始点のヌクレオ
チドの位置を+1 とする)の311bp断片を増幅させ
た。ホタルルシフェラーゼをコードする配列を有し、真
核生物のプロモーターまたはエンハンサーを持たないp
GL3−Basicベクター(プロメガ社製)のKpn
I−XhoI部位に、得られた増幅断片を挿入し、クロ
ーン化した。
るヒトGRP78遺伝子の配列に基づいて作製した2つ
のオリゴヌクレオチドをそれぞれ+鎖および−鎖のプラ
イマーとして用い、HeLa細胞のゲノムDNAを鋳型
としてPCR法によって、ヒトGRP78プロモーター
領域(〔−304〜+7〕領域、転写開始点のヌクレオ
チドの位置を+1 とする)の311bp断片を増幅させ
た。ホタルルシフェラーゼをコードする配列を有し、真
核生物のプロモーターまたはエンハンサーを持たないp
GL3−Basicベクター(プロメガ社製)のKpn
I−XhoI部位に、得られた増幅断片を挿入し、クロ
ーン化した。
【0088】PCR法によって、−304〜+7領域の
様々な長さのプロモーターの欠失断片を調製した。
様々な長さのプロモーターの欠失断片を調製した。
【0089】得られたPCR増幅断片を、pGL2−B
asicベクターまたはホタルルシフェラーゼをコード
する配列の上流のSV40基本プロモーターを含むpG
L2−Promoterベクター(プロメガ社製)のK
pnI−XhoI部位に挿入し、一連の欠失変異体のレ
ポータープロモーターを作製した。
asicベクターまたはホタルルシフェラーゼをコード
する配列の上流のSV40基本プロモーターを含むpG
L2−Promoterベクター(プロメガ社製)のK
pnI−XhoI部位に挿入し、一連の欠失変異体のレ
ポータープロモーターを作製した。
【0090】−139〜−62領域および−65〜−2
6領域の点変異体を構築するために、適当な塩基置換を
有するオリゴヌクレオチドを合成し、アニーリング後、
pGL2−Promoterベクター(プロメガ社製)
のKpnI−XhoI部位に連結した。ストラタジーン
社製エクスサイト サイト−ディレクティッド ミュー
タジェネシス キット(Exsite Site−Di
rected Mutagenesis Kit)を用
いてGRP78プロモーター内のERSE配列に部位特
異的変異を導入した。得られた断片をpGL3−Bas
icベクター(プロメガ社製)のKpnI−HindII
I 部位に挿入した。
6領域の点変異体を構築するために、適当な塩基置換を
有するオリゴヌクレオチドを合成し、アニーリング後、
pGL2−Promoterベクター(プロメガ社製)
のKpnI−XhoI部位に連結した。ストラタジーン
社製エクスサイト サイト−ディレクティッド ミュー
タジェネシス キット(Exsite Site−Di
rected Mutagenesis Kit)を用
いてGRP78プロモーター内のERSE配列に部位特
異的変異を導入した。得られた断片をpGL3−Bas
icベクター(プロメガ社製)のKpnI−HindII
I 部位に挿入した。
【0091】チャンら〔Chang, S. C. et al., Mol. Ce
ll. Biol., 9, 2153-2162 (1989)〕によって開示されて
いるヒトGRP94遺伝子の配列に基づいて作製したオ
リゴヌクレオチドをプライマーとして用い、HeLa細
胞のゲノムDNAを鋳型としてPCR法によって、ヒト
GRP94プロモーター領域(−363〜+34領域)
の397bp断片を増幅させた。
ll. Biol., 9, 2153-2162 (1989)〕によって開示されて
いるヒトGRP94遺伝子の配列に基づいて作製したオ
リゴヌクレオチドをプライマーとして用い、HeLa細
胞のゲノムDNAを鋳型としてPCR法によって、ヒト
GRP94プロモーター領域(−363〜+34領域)
の397bp断片を増幅させた。
【0092】マッコーリッフェら〔McCauliffe, D. P.
et al. J.Biol.Chem. 267, 2557-2562 (1992) によって
開示されているヒトカルレティキュリン遺伝子の配列に
基づいて作製したオリゴヌクレオチドをプライマーとし
て用い、HeLa細胞のゲノムDNAを鋳型としてPC
R法によって、ヒトカルレティキュリンプロモーター領
域(−459〜+52領域)の511bp断片を増幅さ
せた。
et al. J.Biol.Chem. 267, 2557-2562 (1992) によって
開示されているヒトカルレティキュリン遺伝子の配列に
基づいて作製したオリゴヌクレオチドをプライマーとし
て用い、HeLa細胞のゲノムDNAを鋳型としてPC
R法によって、ヒトカルレティキュリンプロモーター領
域(−459〜+52領域)の511bp断片を増幅さ
せた。
【0093】これらの2つのプロモーターは、ERSE
配列の破壊実験に用いた。一過性のトランスフェクショ
ンには、慣用の塩化セシウム(CsCl)法によって精
製したプラスミドを用いた。
配列の破壊実験に用いた。一過性のトランスフェクショ
ンには、慣用の塩化セシウム(CsCl)法によって精
製したプラスミドを用いた。
【0094】(3)ERSE単離用レポータープラスミ
ドの一過性の発現のためのトランスフェクション実験 トランスフェクションは、前記モレキュラークローニン
グなどに記載の慣用のリン酸カルシウム法によって行な
った。HeLa細胞は、トランスフェクション前日に、
24穴ディッシュに約10%のコンフルエンシーになる
ようにプレーティングした。ERSE単離用レポーター
プラスミド1μgおよびリファレンスプラスミド〔SV
40エンハンサーおよびプロモーターをRenilla
(ウミシイタケ)ルシフェラーゼ遺伝子のすぐ上流に保
持するpRL−SV40ベクター(プロメガ社製)〕
0.1μgを、250mM CaCl2 を含む1×HE
PES緩衝生理食塩水(組成:50mM HEPES、
280mM NaCl、1.5mM Na2 HPO4 、
pH7.08)中室温で混合し、CaPO4 −DNA複
合体を形成させた。細胞をCaPO4 −DNA複合体と
37℃で16時間インキュベートしたのち、リン酸緩衝
化生理食塩水で3回洗浄し、新しい培地中でさらにイン
キュベートした。
ドの一過性の発現のためのトランスフェクション実験 トランスフェクションは、前記モレキュラークローニン
グなどに記載の慣用のリン酸カルシウム法によって行な
った。HeLa細胞は、トランスフェクション前日に、
24穴ディッシュに約10%のコンフルエンシーになる
ようにプレーティングした。ERSE単離用レポーター
プラスミド1μgおよびリファレンスプラスミド〔SV
40エンハンサーおよびプロモーターをRenilla
(ウミシイタケ)ルシフェラーゼ遺伝子のすぐ上流に保
持するpRL−SV40ベクター(プロメガ社製)〕
0.1μgを、250mM CaCl2 を含む1×HE
PES緩衝生理食塩水(組成:50mM HEPES、
280mM NaCl、1.5mM Na2 HPO4 、
pH7.08)中室温で混合し、CaPO4 −DNA複
合体を形成させた。細胞をCaPO4 −DNA複合体と
37℃で16時間インキュベートしたのち、リン酸緩衝
化生理食塩水で3回洗浄し、新しい培地中でさらにイン
キュベートした。
【0095】(4)活性測定 前記(3)で得られたトランスフェクション細胞を、4
8時間培養後、ラバーポリースマンで細胞を集め、10
0μlの溶解緩衝液(100mM リン酸カリウム緩衝
液、1mM ジチオスレイトール、pH7.8)中に懸
濁した。得られた細胞懸濁液の凍結融解を3回繰り返す
ことによって、細胞を破砕し、無細胞抽出液を得た。
8時間培養後、ラバーポリースマンで細胞を集め、10
0μlの溶解緩衝液(100mM リン酸カリウム緩衝
液、1mM ジチオスレイトール、pH7.8)中に懸
濁した。得られた細胞懸濁液の凍結融解を3回繰り返す
ことによって、細胞を破砕し、無細胞抽出液を得た。
【0096】なお、小胞体ストレス応答を誘導するた
め、細胞を集める16時間前に、細胞を2μg/mLの
ツニカマイシンで処理した。
め、細胞を集める16時間前に、細胞を2μg/mLの
ツニカマイシンで処理した。
【0097】ホタル及びRenillaルシフェラーゼ
活性は、デュアルルシフェラーゼレポーターアッセイシ
ステム(プロメガ社製)を用いて、製造業者の指示に従
って、5μlの細胞溶解液を用いて測定した。なお、前
記活性は、ルミノメーター(Labsystems社
製、商品名:ルミノスキャン)を用いて、測定数値に直
線性が得られる範囲内で測定した。ホタルルシフェラー
ゼ活性をRenillaルシフェラーゼ活性に対して標
準化し、ルシフェラーゼ相対活性とした。
活性は、デュアルルシフェラーゼレポーターアッセイシ
ステム(プロメガ社製)を用いて、製造業者の指示に従
って、5μlの細胞溶解液を用いて測定した。なお、前
記活性は、ルミノメーター(Labsystems社
製、商品名:ルミノスキャン)を用いて、測定数値に直
線性が得られる範囲内で測定した。ホタルルシフェラー
ゼ活性をRenillaルシフェラーゼ活性に対して標
準化し、ルシフェラーゼ相対活性とした。
【0098】(5)ERSEの同定 哺乳類GRP遺伝子の小胞体ストレス応答プロモーター
は多数のCCAATモチーフを含むことが注目された。
図3に示すように、CCAAT−9nt−CCACGの
構造的なモチーフがGRP78、GRP94およびカル
レティキュリンのプロモーター中に存在し、図3および
図4に示すように、これらのCCAATおよび隣接する
配列に、FKBP13を除く試験された全てのGRPプ
ロモーターが多コピーの類似モチーフを含むことを見出
した。図1に示すように、以前、GRP78プロモータ
ーにおいて定義されたCOREおよびC1領域の両方は
実際にこのモチーフを含む。興味深いことに、図2に示
すように、哺乳類のGRP78プロモーターは連続した
繰り返し配列からなり、それぞれがこのモチーフを含
み、それは進化の過程の複製により生じることが推定さ
れる。共に得られたこれらの知見は、前記モチーフは哺
乳類のアンフォールドタンパク質応答(UPR)に特異
的に含まれることを示唆した。酵母のUPRに応答する
UPREとは構造的に異なるので、このモチーフを小胞
体ストレス応答エレメント(ERSE)と称する。ま
た、前記ERSE様配列は、図5に示すように脊椎動
物、植物、カビ等に見出される。
は多数のCCAATモチーフを含むことが注目された。
図3に示すように、CCAAT−9nt−CCACGの
構造的なモチーフがGRP78、GRP94およびカル
レティキュリンのプロモーター中に存在し、図3および
図4に示すように、これらのCCAATおよび隣接する
配列に、FKBP13を除く試験された全てのGRPプ
ロモーターが多コピーの類似モチーフを含むことを見出
した。図1に示すように、以前、GRP78プロモータ
ーにおいて定義されたCOREおよびC1領域の両方は
実際にこのモチーフを含む。興味深いことに、図2に示
すように、哺乳類のGRP78プロモーターは連続した
繰り返し配列からなり、それぞれがこのモチーフを含
み、それは進化の過程の複製により生じることが推定さ
れる。共に得られたこれらの知見は、前記モチーフは哺
乳類のアンフォールドタンパク質応答(UPR)に特異
的に含まれることを示唆した。酵母のUPRに応答する
UPREとは構造的に異なるので、このモチーフを小胞
体ストレス応答エレメント(ERSE)と称する。ま
た、前記ERSE様配列は、図5に示すように脊椎動
物、植物、カビ等に見出される。
【0099】(6)GRP78、GRP94およびカル
レティキュリンのERSEモチーフの転写誘導への関与 ERSEモチーフがGRP78、GRP94およびカル
レティキュリンの誘導に重要であるかどうかを試験する
ため、図6のライン1〜14に示すそれぞれのプロモー
ターを、レポーター遺伝子としてホタルルシフェラーゼ
遺伝子に連結し、前記(3)と同様に、HeLa細胞に
トランスフェクトした。タンパク質のN−グリコシル化
の阻害剤であるツニカマイシン(以下、TMという)を
用い、UPRを誘導した。
レティキュリンのERSEモチーフの転写誘導への関与 ERSEモチーフがGRP78、GRP94およびカル
レティキュリンの誘導に重要であるかどうかを試験する
ため、図6のライン1〜14に示すそれぞれのプロモー
ターを、レポーター遺伝子としてホタルルシフェラーゼ
遺伝子に連結し、前記(3)と同様に、HeLa細胞に
トランスフェクトした。タンパク質のN−グリコシル化
の阻害剤であるツニカマイシン(以下、TMという)を
用い、UPRを誘導した。
【0100】図6に示すように、インタクトGRP78
プロモーターは、TM処理細胞におけるルシフェラーゼ
発現(図6、ライン2、黒棒)を対照(ライン2、白
棒)の5倍に増大させた。発現の程度は〔Ting, J. et
al., DNA, 7, 275-28 6, (1988) ;Wooden, S. K. et a
l., Mol. Cell Biol. 11, 5612-5623, (1991)〕の以前
の研究において観察されたもの(5〜7倍)、ならびに
図19のパネル(C)に示される内在性のGRP78タ
ンパク質レベル(5〜8倍)に匹敵した。
プロモーターは、TM処理細胞におけるルシフェラーゼ
発現(図6、ライン2、黒棒)を対照(ライン2、白
棒)の5倍に増大させた。発現の程度は〔Ting, J. et
al., DNA, 7, 275-28 6, (1988) ;Wooden, S. K. et a
l., Mol. Cell Biol. 11, 5612-5623, (1991)〕の以前
の研究において観察されたもの(5〜7倍)、ならびに
図19のパネル(C)に示される内在性のGRP78タ
ンパク質レベル(5〜8倍)に匹敵した。
【0101】完全なGRP94プロモーターおよびカル
レティキュリンプロモーターは、図6のライン8および
12に示すように、TM処理によりルシフェラーゼ発現
をそれぞれ8倍および4倍に増大し、この発現量は、
〔Ramakrishnan, M. et al., DNA Cell Biol. 14, 373-
384, (1995); Waser, M. et al., J. Cell Biol., 138,
547-557, (1997)〕の以前の報告に一致するものであっ
た。
レティキュリンプロモーターは、図6のライン8および
12に示すように、TM処理によりルシフェラーゼ発現
をそれぞれ8倍および4倍に増大し、この発現量は、
〔Ramakrishnan, M. et al., DNA Cell Biol. 14, 373-
384, (1995); Waser, M. et al., J. Cell Biol., 138,
547-557, (1997)〕の以前の報告に一致するものであっ
た。
【0102】また、図6のライン3に示すように、ER
SE1モチーフをGRPプロモーターから選択的に除去
した場合、ルシフェラーゼの誘導を著しく減少させた。
図6のライン4〜6に示すように、ERSE1モチーフ
の除去により減少したルシフェラーゼの誘導は、ERS
E2および/またはERSE3のさらなる破壊により完
全に破壊された。
SE1モチーフをGRPプロモーターから選択的に除去
した場合、ルシフェラーゼの誘導を著しく減少させた。
図6のライン4〜6に示すように、ERSE1モチーフ
の除去により減少したルシフェラーゼの誘導は、ERS
E2および/またはERSE3のさらなる破壊により完
全に破壊された。
【0103】GRP78の場合のように、GRP94プ
ロモーターのERSE1の破壊(図6のライン9に示
す)は著しく誘導を減少させ、ライン10に示すよう
に、ERSE1およびERSE3の同時除去により誘導
が完全に破壊された。
ロモーターのERSE1の破壊(図6のライン9に示
す)は著しく誘導を減少させ、ライン10に示すよう
に、ERSE1およびERSE3の同時除去により誘導
が完全に破壊された。
【0104】図6のライン13に示すように、カルレテ
ィキュリンプロモーターの遠位のERSE3単独の除去
はほとんど影響をしなかったが、ライン14に示すよう
に、カルレティキュリンプロモーターのERSE3およ
びERSE2の両方の破壊は誘導を完全に妨げた(ライ
ン14)。
ィキュリンプロモーターの遠位のERSE3単独の除去
はほとんど影響をしなかったが、ライン14に示すよう
に、カルレティキュリンプロモーターのERSE3およ
びERSE2の両方の破壊は誘導を完全に妨げた(ライ
ン14)。
【0105】図7に示すように、いくつかのフランキン
グ配列を有する推定ERSE(GRP78、GRP9
4、カルレティキュリンのそれぞれのERSE)を、異
種プロモーターであるSV40最小プロモーターの上流
に置いた場合、これらのERSEは、ルシフェラーゼ活
性を顕著に誘導したため、これらのERSEが実際に機
能していることが示唆された。
グ配列を有する推定ERSE(GRP78、GRP9
4、カルレティキュリンのそれぞれのERSE)を、異
種プロモーターであるSV40最小プロモーターの上流
に置いた場合、これらのERSEは、ルシフェラーゼ活
性を顕著に誘導したため、これらのERSEが実際に機
能していることが示唆された。
【0106】また、ヒトGRP78プロモーター由来の
ERSE1の方向による影響を調べた結果、その方向に
かかわらず、等しい活性を示した。以上の結果より、E
RSEモチーフは、GRP78、GRP94およびカル
レティキュリン、ならびにおそらくは他のGRPの誘導
に必要かつ十分なシス活性化エレメントであることが示
唆された。
ERSE1の方向による影響を調べた結果、その方向に
かかわらず、等しい活性を示した。以上の結果より、E
RSEモチーフは、GRP78、GRP94およびカル
レティキュリン、ならびにおそらくは他のGRPの誘導
に必要かつ十分なシス活性化エレメントであることが示
唆された。
【0107】ERSEモチーフにおいて、不可欠なヌク
レオチド配列が実際にCCAAT(N)9 CCACGで
あるかどうかを決定するために、前記実験に使用したヒ
トGRP78プロモーター由来のERSE1のそれぞれ
のヌクレオチドに点変異(トランスバージョン)を導入
した。
レオチド配列が実際にCCAAT(N)9 CCACGで
あるかどうかを決定するために、前記実験に使用したヒ
トGRP78プロモーター由来のERSE1のそれぞれ
のヌクレオチドに点変異(トランスバージョン)を導入
した。
【0108】その結果、図8および9に示すように、他
のヌクレオチドの置換は、ほとんど影響しないが、−6
1〜−57(図8、ライン7〜11)または−46〜−
43(図8、ライン22〜25)のヌクレオチドのうち
のいくつかの置換はほとんど完全に誘導を妨げた。この
結果により、CCAAT(−61〜−57)およびCA
CG(−46〜−43)が誘導に不可欠であることが強
く示唆された。
のヌクレオチドの置換は、ほとんど影響しないが、−6
1〜−57(図8、ライン7〜11)または−46〜−
43(図8、ライン22〜25)のヌクレオチドのうち
のいくつかの置換はほとんど完全に誘導を妨げた。この
結果により、CCAAT(−61〜−57)およびCA
CG(−46〜−43)が誘導に不可欠であることが強
く示唆された。
【0109】図3に示すようにヌクレオチドC〔−4
7〕も良く保存されていたため、さらに詳しく解析し
た。この実験には、いかに〔−65〜−42〕セグメン
ト(図9、ライン27)より顕著に低い応答を示す〔−
65〜−38〕セグメントを使用した。C〔−47〕を
Aに変えるとほとんど影響しないが(ライン30;ライ
ン21を参照)、図9のライン31および32に示すよ
うに、C〔−47〕をGまたはTに変えると完全に誘導
を破壊したため、C〔−47〕も不可欠であることが示
された。対照的に、A〔−42〕の他のヌクレオチドへ
の変換は、ほとんど効果を示さなかった。さらに、ライ
ン38〜40に示す1〜3ヌクレオチドの挿入は、完全
にルシフェラーゼの誘導を破壊したため、CCAAT
(−61〜−57)とCCACG(−47〜−43)と
の間の距離が重要であることが示された。これらの結果
は、ヒトGRP78プロモーターのERSE1モチーフ
の不可欠な配列は、19ヌクレオチドのストレッチ〔C
CAAT(N)9 CCACG〕であることを示す。
7〕も良く保存されていたため、さらに詳しく解析し
た。この実験には、いかに〔−65〜−42〕セグメン
ト(図9、ライン27)より顕著に低い応答を示す〔−
65〜−38〕セグメントを使用した。C〔−47〕を
Aに変えるとほとんど影響しないが(ライン30;ライ
ン21を参照)、図9のライン31および32に示すよ
うに、C〔−47〕をGまたはTに変えると完全に誘導
を破壊したため、C〔−47〕も不可欠であることが示
された。対照的に、A〔−42〕の他のヌクレオチドへ
の変換は、ほとんど効果を示さなかった。さらに、ライ
ン38〜40に示す1〜3ヌクレオチドの挿入は、完全
にルシフェラーゼの誘導を破壊したため、CCAAT
(−61〜−57)とCCACG(−47〜−43)と
の間の距離が重要であることが示された。これらの結果
は、ヒトGRP78プロモーターのERSE1モチーフ
の不可欠な配列は、19ヌクレオチドのストレッチ〔C
CAAT(N)9 CCACG〕であることを示す。
【0110】(7)他の小胞体ストレス誘導剤への応答 哺乳類のGRPの小胞体ストレス応答を実験的に誘導す
るために、全ての実験で使われたツニカマイシンに加え
て、小胞体のカルシウム貯蔵を涸渇させるカルシウムイ
オノフォアA23187、小胞体のCa2+−ATPアー
ゼおよび小胞体からのカルシウムイオンの排出を阻害す
るタプシガーギンなどの種々の薬品で細胞を処理した。
A23187およびタプシガーギンに対するヒトGRP
プロモーターの小胞体ストレス応答を試験した。結果を
図10に示す。なお、図中ライン1、5、9、13、1
7および21は対照として誘導剤無添加時の相対活性を
示す。また、ライン2、6、10、14、18および2
2はツニカマイシン添加、ライン3、7、11、15、
19および23はカルシウムイオノフォアA23187
添加、ライン4、8、12、16、20および24はタ
プシガーギン添加時の相対活性を示す。
るために、全ての実験で使われたツニカマイシンに加え
て、小胞体のカルシウム貯蔵を涸渇させるカルシウムイ
オノフォアA23187、小胞体のCa2+−ATPアー
ゼおよび小胞体からのカルシウムイオンの排出を阻害す
るタプシガーギンなどの種々の薬品で細胞を処理した。
A23187およびタプシガーギンに対するヒトGRP
プロモーターの小胞体ストレス応答を試験した。結果を
図10に示す。なお、図中ライン1、5、9、13、1
7および21は対照として誘導剤無添加時の相対活性を
示す。また、ライン2、6、10、14、18および2
2はツニカマイシン添加、ライン3、7、11、15、
19および23はカルシウムイオノフォアA23187
添加、ライン4、8、12、16、20および24はタ
プシガーギン添加時の相対活性を示す。
【0111】GRP78(図10、ライン1〜4)、G
RP94(図10、ライン9〜12)およびカルレティ
キュリン(図10、ライン17〜20)のそれぞれの処
理に対する転写誘導は、図10のライン5〜8、13〜
16、および21〜24に示すように、ERSEを破壊
することによって完全に妨げられたため、ERSEが、
ツニカマイシンによってだけでなく、他の誘導剤による
GRPの誘導にも必要であることが示された。
RP94(図10、ライン9〜12)およびカルレティ
キュリン(図10、ライン17〜20)のそれぞれの処
理に対する転写誘導は、図10のライン5〜8、13〜
16、および21〜24に示すように、ERSEを破壊
することによって完全に妨げられたため、ERSEが、
ツニカマイシンによってだけでなく、他の誘導剤による
GRPの誘導にも必要であることが示された。
【0112】実施例2 ERSE結合タンパク質をコー
ドするcDNAのワン−ハイブリッドスクリーニング ワン−ハイブリッドスクリーニング用のレポータープラ
スミドを、基本的には〔Mori,K. et al., Genes Cells,
1, 803-817 (1996)〕の記載に従って構築した。
ドするcDNAのワン−ハイブリッドスクリーニング ワン−ハイブリッドスクリーニング用のレポータープラ
スミドを、基本的には〔Mori,K. et al., Genes Cells,
1, 803-817 (1996)〕の記載に従って構築した。
【0113】ヒトGRP78プロモーター由来のERS
E1配列〔5’−CCTTCACCAATCGGCGG
CCTCCACGACGG−3’(配列番号:35)〕
の6つのタンデムリピートをIRE1プロモーターに連
結した酵母HIS3遺伝子の上流に挿入し、一方、変異
ERSE〔5’−CCTTCAgactaCGGCGG
CCTgatgtACGG−3’(配列番号:36)〕
の6つのタンデムリピートをIRE1プロモーターに連
結した大腸菌由来lacZ遺伝子の上流に挿入した。前
記レポータープラスミドの構造を概略的に図11に示
す。
E1配列〔5’−CCTTCACCAATCGGCGG
CCTCCACGACGG−3’(配列番号:35)〕
の6つのタンデムリピートをIRE1プロモーターに連
結した酵母HIS3遺伝子の上流に挿入し、一方、変異
ERSE〔5’−CCTTCAgactaCGGCGG
CCTgatgtACGG−3’(配列番号:36)〕
の6つのタンデムリピートをIRE1プロモーターに連
結した大腸菌由来lacZ遺伝子の上流に挿入した。前
記レポータープラスミドの構造を概略的に図11に示
す。
【0114】前記レポータープラスミドをURA3遺伝
子に存在するNcoI部位で開環状にし、酵母KMY1
015株(MATα leu2−3,112 ura3
−52 his3−Δ200 trp−Δ901 ly
s2−801 ire1Δ::TRP1)〔Mori,K. et
al., Genes Cells, 1, 803-817 (1996)〕のura3−
52座に1コピー組み込んだ。得られた酵母株(以下、
KMY1015−ERSEという)をUPR経路の予期
できない活性化を排除するための宿主として使用した。
KMY1015−ERSEは、ヒスチジン非存在下では
生育できず、IRE1プロモーターの低い基底活性によ
る低いβ−ガラクトシダーゼ活性を発現した。
子に存在するNcoI部位で開環状にし、酵母KMY1
015株(MATα leu2−3,112 ura3
−52 his3−Δ200 trp−Δ901 ly
s2−801 ire1Δ::TRP1)〔Mori,K. et
al., Genes Cells, 1, 803-817 (1996)〕のura3−
52座に1コピー組み込んだ。得られた酵母株(以下、
KMY1015−ERSEという)をUPR経路の予期
できない活性化を排除するための宿主として使用した。
KMY1015−ERSEは、ヒスチジン非存在下では
生育できず、IRE1プロモーターの低い基底活性によ
る低いβ−ガラクトシダーゼ活性を発現した。
【0115】酵母転写活性化因子Gal4p(GAL4
AD)の活性化ドメインをcDNAクローニング部位の
すぐ上流に保持する多コピープラスミドベクターを用い
て作製されたヒトリンパ球cDNAライブラリーは、金
沢大学のハヤシ博士(N.Hayashi) を通じて、ベイラー医
科大学のエレッジ博士(S.J.Elledge) により供与され
た。
AD)の活性化ドメインをcDNAクローニング部位の
すぐ上流に保持する多コピープラスミドベクターを用い
て作製されたヒトリンパ球cDNAライブラリーは、金
沢大学のハヤシ博士(N.Hayashi) を通じて、ベイラー医
科大学のエレッジ博士(S.J.Elledge) により供与され
た。
【0116】ERSE結合タンパク質は、酵母転写因子
Gal4p(GAL4AD)の活性化ドメインと融合さ
せた場合、酵母細胞内でも、レポーター遺伝子であるH
IS3の転写をERSEに依存して活性化することが期
待される。そこで、前記のエレッジ博士から供与された
ヒトリンパ球cDNAライブラリーを用いて、酵母を宿
主とした形質転換体を調製し、約430万個の形質転換
体をスクリーニングした。その結果、強いHis+ 表現
型を示す8つのクローンを得た。得られたクローンの中
で、上流領域に機能的なERSEが存在しないにもかか
わらず高レベルのβ−ガラクトシダーゼを発現するクロ
ーンを除外した。その結果、ERSEに依存してレポー
ター遺伝子の転写を増大するクローン#3を得た。
Gal4p(GAL4AD)の活性化ドメインと融合さ
せた場合、酵母細胞内でも、レポーター遺伝子であるH
IS3の転写をERSEに依存して活性化することが期
待される。そこで、前記のエレッジ博士から供与された
ヒトリンパ球cDNAライブラリーを用いて、酵母を宿
主とした形質転換体を調製し、約430万個の形質転換
体をスクリーニングした。その結果、強いHis+ 表現
型を示す8つのクローンを得た。得られたクローンの中
で、上流領域に機能的なERSEが存在しないにもかか
わらず高レベルのβ−ガラクトシダーゼを発現するクロ
ーンを除外した。その結果、ERSEに依存してレポー
ター遺伝子の転写を増大するクローン#3を得た。
【0117】クローン3による転写活性化のERSE依
存性を試験するため、IRE1プロモーターに連結した
lacZ遺伝子の上流に完全なERSEまたは変異ER
SEを配置した種々のレポータープラスミドと共にクロ
ーン3−GAL4AD融合タンパク質を発現させた。そ
の結果を図12に示す。
存性を試験するため、IRE1プロモーターに連結した
lacZ遺伝子の上流に完全なERSEまたは変異ER
SEを配置した種々のレポータープラスミドと共にクロ
ーン3−GAL4AD融合タンパク質を発現させた。そ
の結果を図12に示す。
【0118】図12に示すように、完全なERSEをレ
ポーター遺伝子の上流に用いた場合、エフェクターとし
てのクローン3−GAL4ADを発現するプラスミドに
よるβ−ガラクトシダーゼ活性レベル(ライン5)は、
GAL4AD単独を発現する対照プラスミドによるβ−
ガラクトシダーゼ活性レベル(ライン1)と比較して、
顕著に増大した。
ポーター遺伝子の上流に用いた場合、エフェクターとし
てのクローン3−GAL4ADを発現するプラスミドに
よるβ−ガラクトシダーゼ活性レベル(ライン5)は、
GAL4AD単独を発現する対照プラスミドによるβ−
ガラクトシダーゼ活性レベル(ライン1)と比較して、
顕著に増大した。
【0119】また、クローン3−GAL4ADによる増
大は、図12のライン6〜8に示すように、CCAAT
またはCCACGのいずれかまたは両方を欠損する変異
ERSEを用いることにより完全に破壊された。この結
果は、図8および9に示すように、HeLa細胞におい
て観察される転写活性化に完全なCCAATおよびCC
ACG部分を要求することに関連する。
大は、図12のライン6〜8に示すように、CCAAT
またはCCACGのいずれかまたは両方を欠損する変異
ERSEを用いることにより完全に破壊された。この結
果は、図8および9に示すように、HeLa細胞におい
て観察される転写活性化に完全なCCAATおよびCC
ACG部分を要求することに関連する。
【0120】酵母細胞におけるクローン3由来のタンパ
ク質の異所性の発現が、クローン3−GAL4AD融合
タンパク質の小胞体内腔への局在により、小胞体ストレ
スを引き起こし、結果として、間接的に酵母UPR経路
を介してレポータ遺伝子の転写を増大させた可能性は下
記の2つの点でありそうにない。1番目に、小胞体スト
レスのセンサー分子であるIre1pを欠いた宿主とし
て、酵母株を使用した;2番目に、ERSEはUPR特
異的シス活性化エレメントとして、酵母では機能的しな
い。
ク質の異所性の発現が、クローン3−GAL4AD融合
タンパク質の小胞体内腔への局在により、小胞体ストレ
スを引き起こし、結果として、間接的に酵母UPR経路
を介してレポータ遺伝子の転写を増大させた可能性は下
記の2つの点でありそうにない。1番目に、小胞体スト
レスのセンサー分子であるIre1pを欠いた宿主とし
て、酵母株を使用した;2番目に、ERSEはUPR特
異的シス活性化エレメントとして、酵母では機能的しな
い。
【0121】慣用の方法により塩基配列解析を行なった
結果、クローン3は、公知の転写因子、DNA結合ドメ
インとしてbZIPモチーフを含むATF/CREBフ
ァミリーのメンバーであるATF6〔Hai, T.W. et a
l., Genes Dev. 3, 2083-2090,(1989) 〕をコードする
ことが明らかとなった。
結果、クローン3は、公知の転写因子、DNA結合ドメ
インとしてbZIPモチーフを含むATF/CREBフ
ァミリーのメンバーであるATF6〔Hai, T.W. et a
l., Genes Dev. 3, 2083-2090,(1989) 〕をコードする
ことが明らかとなった。
【0122】興味深いことに、図13に示すように、A
TF6の塩基性領域は酵母Hac1pの塩基性領域との
顕著な類似性を呈する。ATF6は、その機能は明らか
ではないが、cAMP応答エレメントと弱く結合する部
分的なcDNAとして最初にクローン化され、また、血
清応答因子に結合するタンパク質として、最近再単離さ
れたタンパク質である。
TF6の塩基性領域は酵母Hac1pの塩基性領域との
顕著な類似性を呈する。ATF6は、その機能は明らか
ではないが、cAMP応答エレメントと弱く結合する部
分的なcDNAとして最初にクローン化され、また、血
清応答因子に結合するタンパク質として、最近再単離さ
れたタンパク質である。
【0123】実施例3 ATF6およびCREB−RP
をコードする全長cDNAの単離 クローン#3において欠損していると思われるATF6
のmRNAの5’領域の部分を、HeLa細胞RNAを
用い、5’RACEにより単離した。なお、5’RAC
E法には、5’RACE System(Life T
echnologies Inc製)を用いた。このよ
うにして得られた完全なATF6 cDNAは2509
bp長であり、670アミノ酸のタンパク質がコードさ
れていた(GeneBankデータベースのアクセッシ
ョン番号は、AB015856である)。予想されたア
ミノ酸配列は、ズーら(Zhu et al.) により報告された
配列〔Zhu, C. et al., Mol. Cell. Biol. 17, 4957-49
66,(1997) 〕とは、対立多型を反映することが推定され
る4残基が異なっていた。
をコードする全長cDNAの単離 クローン#3において欠損していると思われるATF6
のmRNAの5’領域の部分を、HeLa細胞RNAを
用い、5’RACEにより単離した。なお、5’RAC
E法には、5’RACE System(Life T
echnologies Inc製)を用いた。このよ
うにして得られた完全なATF6 cDNAは2509
bp長であり、670アミノ酸のタンパク質がコードさ
れていた(GeneBankデータベースのアクセッシ
ョン番号は、AB015856である)。予想されたア
ミノ酸配列は、ズーら(Zhu et al.) により報告された
配列〔Zhu, C. et al., Mol. Cell. Biol. 17, 4957-49
66,(1997) 〕とは、対立多型を反映することが推定され
る4残基が異なっていた。
【0124】分子構造が似ており、アミノ酸配列に相同
性を有するCREB−RPの全長cDNAを、公表され
た配列〔Min, J. et al., Genomics, 30, 149-156, (19
95);Khanna, A. et al., Biochem. J. 319, 81-89, (19
96)〕に基づきHeLa細胞RNAからPCRによりク
ローン化した。
性を有するCREB−RPの全長cDNAを、公表され
た配列〔Min, J. et al., Genomics, 30, 149-156, (19
95);Khanna, A. et al., Biochem. J. 319, 81-89, (19
96)〕に基づきHeLa細胞RNAからPCRによりク
ローン化した。
【0125】実施例4 エフェクタープラスミドの構築 pcDNA3.1(+)ベクター(インビトロジェン社
製)のCMVプロモーターの直ぐ下流のHindIII
−XhoIまたはBamHI−EcoRI部位それぞれ
への全長cDNAの挿入し、ATF6またはCREB−
RPを発現させるためのエフェクタープラスミドを構築
した。
製)のCMVプロモーターの直ぐ下流のHindIII
−XhoIまたはBamHI−EcoRI部位それぞれ
への全長cDNAの挿入し、ATF6またはCREB−
RPを発現させるためのエフェクタープラスミドを構築
した。
【0126】実施例5 転写活性のERSE依存性 (1)ATF6の転写活性のERSE依存性の試験 ATF6が哺乳類細胞におけるGRP遺伝子の転写制御
に関与するかどうかを試験するため、全長のATF6c
DNAを保持するエフェクタープラスミドおよび本来の
GRPプロモーターあるいは変異GRPプロモーターの
下流にホタルルシフェラーゼ遺伝子を連結したレポータ
ープラスミドをHeLa細胞にコトランスフェクトし、
ルシフェラーゼ活性により、GRPプロモーター活性を
調べた。結果を図14に示す。
に関与するかどうかを試験するため、全長のATF6c
DNAを保持するエフェクタープラスミドおよび本来の
GRPプロモーターあるいは変異GRPプロモーターの
下流にホタルルシフェラーゼ遺伝子を連結したレポータ
ープラスミドをHeLa細胞にコトランスフェクトし、
ルシフェラーゼ活性により、GRPプロモーター活性を
調べた。結果を図14に示す。
【0127】図14のライン1および2の白棒で示すよ
うに、TMの非存在下には、ATF6発現プラスミドは
完全なERSEを有するGRP78プロモーターからの
ルシフェラーゼ発現を、前記のベクター対照レベルの5
倍に増大させたが、3つのERSE配列全てを欠損する
変異GRP78プロモーターからの発現には影響しなか
った。
うに、TMの非存在下には、ATF6発現プラスミドは
完全なERSEを有するGRP78プロモーターからの
ルシフェラーゼ発現を、前記のベクター対照レベルの5
倍に増大させたが、3つのERSE配列全てを欠損する
変異GRP78プロモーターからの発現には影響しなか
った。
【0128】また、TMの存在下に、図14のライン1
および2の黒棒に示すATF6エフェクタープラスミド
は完全なERSEを有するGRP78プロモーターから
のβ−ガラクトシダーゼ発現レベルの増加をさらに増大
したが、ライン3および4の黒棒に示す変異GRP78
プロモーターからのルシフェラーゼ発現レベルは増大し
なかった。
および2の黒棒に示すATF6エフェクタープラスミド
は完全なERSEを有するGRP78プロモーターから
のβ−ガラクトシダーゼ発現レベルの増加をさらに増大
したが、ライン3および4の黒棒に示す変異GRP78
プロモーターからのルシフェラーゼ発現レベルは増大し
なかった。
【0129】類似の結果が他のGRPプロモーター:G
RP94、カルレティキュリン、ERp72およびGR
P58においても示された。ライン5〜16に示す結果
は、小胞体ストレスの存在下または非存在下にかかわら
ず、ATF6の強化された発現がERSEを通して特異
的にGRP遺伝子の転写を活性化することができること
をはっきりと示唆した。
RP94、カルレティキュリン、ERp72およびGR
P58においても示された。ライン5〜16に示す結果
は、小胞体ストレスの存在下または非存在下にかかわら
ず、ATF6の強化された発現がERSEを通して特異
的にGRP遺伝子の転写を活性化することができること
をはっきりと示唆した。
【0130】(2)CREB−RPの転写活性のERS
E依存性の試験 図15に示すように、CREB−RP〔Min, J. et a
l., Genomics, 30, 149-156, (1995) 〕はATFの全体
の構造と予想されるアミノ酸配列のとりわけ塩基性領域
との両方への顕著な類似性を呈し、23残基中21残基
が同一であり、2つは塩基性を呈する類似した残基であ
る。また、図13に示すように、ヒトATF/CREB
ファミリーの公知のメンバーにわたって最も高い類似性
を有する。
E依存性の試験 図15に示すように、CREB−RP〔Min, J. et a
l., Genomics, 30, 149-156, (1995) 〕はATFの全体
の構造と予想されるアミノ酸配列のとりわけ塩基性領域
との両方への顕著な類似性を呈し、23残基中21残基
が同一であり、2つは塩基性を呈する類似した残基であ
る。また、図13に示すように、ヒトATF/CREB
ファミリーの公知のメンバーにわたって最も高い類似性
を有する。
【0131】そこで、CREB−RPの過剰発現がGR
Pプロモーターの活性に影響しないかどうか試験した。
興味深いことに、図16のライン1および2の白棒に示
すように、CREB−RP発現プラスミドのコトランス
フェクションはTMの非存在下における完全なGRP7
8プロモーターからのレポーター発現にほとんど影響し
ないが、TMの存在下における発現を顕著に抑制した。
Pプロモーターの活性に影響しないかどうか試験した。
興味深いことに、図16のライン1および2の白棒に示
すように、CREB−RP発現プラスミドのコトランス
フェクションはTMの非存在下における完全なGRP7
8プロモーターからのレポーター発現にほとんど影響し
ないが、TMの存在下における発現を顕著に抑制した。
【0132】対照的に、ライン3および4に示すよう
に、CREB−RPの過剰発現は、TMの存在下または
非存在下の変異GRP78プロモーターからの発現に影
響しなかった。類似の結果がGRP94またはカルレテ
ィキュリンプロモーターにより得られたため、CREB
−RPの過剰発現は、内在性トランスアクティベーター
により仲介されるGRP遺伝子の小胞体ストレス誘導転
写を妨げることが示唆された。
に、CREB−RPの過剰発現は、TMの存在下または
非存在下の変異GRP78プロモーターからの発現に影
響しなかった。類似の結果がGRP94またはカルレテ
ィキュリンプロモーターにより得られたため、CREB
−RPの過剰発現は、内在性トランスアクティベーター
により仲介されるGRP遺伝子の小胞体ストレス誘導転
写を妨げることが示唆された。
【0133】実施例5の(1)および(2)の結果よ
り、近縁の転写因子ATF6とCREB−RPとが、標
的遺伝子の誘導に対して明らかに逆の影響を及ぼすこと
を示すと同時に、ATF6の過剰発現が、HeLa細胞
の小胞体ストレスを生成することにより、単に間接的に
GRP転写を活性化しただけであるという可能性に対す
る反論となる。
り、近縁の転写因子ATF6とCREB−RPとが、標
的遺伝子の誘導に対して明らかに逆の影響を及ぼすこと
を示すと同時に、ATF6の過剰発現が、HeLa細胞
の小胞体ストレスを生成することにより、単に間接的に
GRP転写を活性化しただけであるという可能性に対す
る反論となる。
【0134】実施例6 ATF6の小胞体ストレスによ
る制御 ATF6の発現がmRNAレベルまたはタンパク質レベ
ルのいずれかで小胞体ストレスにより制御されるかどう
かを試験した。
る制御 ATF6の発現がmRNAレベルまたはタンパク質レベ
ルのいずれかで小胞体ストレスにより制御されるかどう
かを試験した。
【0135】(1)ノーザンブロットハイブリダイゼー
ション ノーザンブロットをモレキュラークローニング:ア ラ
ボラトリー マニュアル第2版〔Sambrook, J. et al.,
(1989)〕記載の標準法にしたがって行なった。オリゴ
(dT)磁気粒子(ダイナビーズ社製)を用いてHeL
a細胞から調製された10μgのポリA+ RNAを2.
2Mホルムアルデヒドを含む1%アガロースゲル電気泳
動に供し、ナイロンメンブランに転写し、ATF6また
はGAPDHのいずれかに特異的な放射標識cDNAと
ハイブリダイズした。
ション ノーザンブロットをモレキュラークローニング:ア ラ
ボラトリー マニュアル第2版〔Sambrook, J. et al.,
(1989)〕記載の標準法にしたがって行なった。オリゴ
(dT)磁気粒子(ダイナビーズ社製)を用いてHeL
a細胞から調製された10μgのポリA+ RNAを2.
2Mホルムアルデヒドを含む1%アガロースゲル電気泳
動に供し、ナイロンメンブランに転写し、ATF6また
はGAPDHのいずれかに特異的な放射標識cDNAと
ハイブリダイズした。
【0136】図17に示すように、ノーザンブットハイ
ブリダイゼーション解析により、ズーらの報告〔Zhu,
C. et al., Mol. Cell Biol., 17, 4957-4966, (199
7)〕の報告と同様、未処理のHeLa細胞において2.
5kbのATF6mRNAの単一バンドの存在が明らか
になった。さらに、最近同定された小胞体ストレスによ
り特異的に誘導される酵母HAC1mRNAのスプライ
シングシステム〔Cox, J.S. et al., Cell, 87, 391-40
4, (1996); Kawahara, T. et al., Mol. Biol. Cell,
8, 1845-1862, (1997)〕とは異なり、ATF6mRNA
のレベルまたはサイズのいずれもがTM処理により影響
を受けることはなかった。
ブリダイゼーション解析により、ズーらの報告〔Zhu,
C. et al., Mol. Cell Biol., 17, 4957-4966, (199
7)〕の報告と同様、未処理のHeLa細胞において2.
5kbのATF6mRNAの単一バンドの存在が明らか
になった。さらに、最近同定された小胞体ストレスによ
り特異的に誘導される酵母HAC1mRNAのスプライ
シングシステム〔Cox, J.S. et al., Cell, 87, 391-40
4, (1996); Kawahara, T. et al., Mol. Biol. Cell,
8, 1845-1862, (1997)〕とは異なり、ATF6mRNA
のレベルまたはサイズのいずれもがTM処理により影響
を受けることはなかった。
【0137】(2)抗血清調製およびイムノブロッティ
ング ATF6に対する2つのタイプの抗血清、抗B03Nお
よび抗ATF6(N21−34)を調製した。抗B03
N抗血清は、大腸菌細胞で発現させ、精製したATF6
のN末端部分(残基6−307)と大腸菌マルトース結
合タンパク質との融合タンパク質をウサギに免疫するこ
とにより得た。得られた抗B03抗血清は、マルトース
結合タンパク質発現プラスミドpMAL−c2(ニュー
イングランド バイオラボ社製)で形質転換した大腸菌
の可溶性タンパク質を固定化したCH−セファロース4
B(アマシャム ファルマシア バイオテック社製)で
処理し、非吸着画分を得て生成ATF6抗体とした。抗
ATF6(N21−34)抗血清は、ATF6のN末端
14アミノ酸(残基21−34)のスカシガイのヘモシ
アニン共役合成ペプチドを免疫して得た。抗GRP78
および抗HSP70抗血清をStressgen Bi
otechnologies Corpから得た。
ング ATF6に対する2つのタイプの抗血清、抗B03Nお
よび抗ATF6(N21−34)を調製した。抗B03
N抗血清は、大腸菌細胞で発現させ、精製したATF6
のN末端部分(残基6−307)と大腸菌マルトース結
合タンパク質との融合タンパク質をウサギに免疫するこ
とにより得た。得られた抗B03抗血清は、マルトース
結合タンパク質発現プラスミドpMAL−c2(ニュー
イングランド バイオラボ社製)で形質転換した大腸菌
の可溶性タンパク質を固定化したCH−セファロース4
B(アマシャム ファルマシア バイオテック社製)で
処理し、非吸着画分を得て生成ATF6抗体とした。抗
ATF6(N21−34)抗血清は、ATF6のN末端
14アミノ酸(残基21−34)のスカシガイのヘモシ
アニン共役合成ペプチドを免疫して得た。抗GRP78
および抗HSP70抗血清をStressgen Bi
otechnologies Corpから得た。
【0138】ATF6のインビトロ翻訳をATF6 c
DNAおよびTNT T7クイックカップルドトランス
クリプション/トランスレーションシステム(プロメガ
社製)を用いて行なった。
DNAおよびTNT T7クイックカップルドトランス
クリプション/トランスレーションシステム(プロメガ
社製)を用いて行なった。
【0139】1×106 HeLa細胞を60μlの1×
試料緩衝液(62.5mM Tris/HCl(pH
6.8),2% SDS,350mM ジチオスレイト
ールおよび0.01%ブロモフェノールブルー)で溶解
させることにより全細胞抽出物を調製した。標準プロト
コール(モレキュラークローニング ア ラボラトリー
マニュアル第2版)にしたがって、溶解物を煮沸し、一
部(2μl)を10%ゲルを用いたSDSポリアクリル
アミドゲル電気泳動に供し、Hybond ECLフィ
ルター(アマシャム ファルマシア バイオテック社
製)に転写し、各種抗血清と反応させた。プレ染色SD
S−PAGE標品(バイオラッド社製)をサイズマーカ
ーとして用いた。ECLウエスタンブロッティング検出
キット(アマシャム ファルマシア バイオテック社
製)を用いてそれぞれの抗原を検出した。
試料緩衝液(62.5mM Tris/HCl(pH
6.8),2% SDS,350mM ジチオスレイト
ールおよび0.01%ブロモフェノールブルー)で溶解
させることにより全細胞抽出物を調製した。標準プロト
コール(モレキュラークローニング ア ラボラトリー
マニュアル第2版)にしたがって、溶解物を煮沸し、一
部(2μl)を10%ゲルを用いたSDSポリアクリル
アミドゲル電気泳動に供し、Hybond ECLフィ
ルター(アマシャム ファルマシア バイオテック社
製)に転写し、各種抗血清と反応させた。プレ染色SD
S−PAGE標品(バイオラッド社製)をサイズマーカ
ーとして用いた。ECLウエスタンブロッティング検出
キット(アマシャム ファルマシア バイオテック社
製)を用いてそれぞれの抗原を検出した。
【0140】ATF6はHeLa細胞およびCOS細胞
の両方で構成的に発現することが以前に示されている
〔Zhu, C. et al., Mol. Cell Biol. 17, 4957-4966 (1
997)〕が、イムノブロッティングにより解析を行なっ
た。その結果を図18に示す。
の両方で構成的に発現することが以前に示されている
〔Zhu, C. et al., Mol. Cell Biol. 17, 4957-4966 (1
997)〕が、イムノブロッティングにより解析を行なっ
た。その結果を図18に示す。
【0141】網状赤血球溶解物を用いてインビトロで翻
訳した場合、図18のレーン2に示すように、ATF6
は、抗B03N抗血清により、分子量90kDaの単一
バンドとして検出された。また、抗ペプチド〔抗ATF
6(N21−34)〕抗血清によっても、分子量90k
Daの単一バンドとして検出された。これらの分子量
は、Zhu らの報告と同様、計算された分子量74.57
kDaよりも大きかった。
訳した場合、図18のレーン2に示すように、ATF6
は、抗B03N抗血清により、分子量90kDaの単一
バンドとして検出された。また、抗ペプチド〔抗ATF
6(N21−34)〕抗血清によっても、分子量90k
Daの単一バンドとして検出された。これらの分子量
は、Zhu らの報告と同様、計算された分子量74.57
kDaよりも大きかった。
【0142】対照的に、レーン3に示すように、抗B0
3N抗血清は未処理のHeLa細胞の抽出物中の数種類
のタンパク質と反応した。それらのなかで、白矢印によ
り示されるバンドの移動度はインビトロで翻訳したAT
F6のバンドに一致した。HeLa細胞をTMで4時間
処理した場合、レーン4に示すように、90kDaバン
ドは減少し、代わりに黒矢印で示される50kDaの新
たなバンドが現れた。他の交差反応したバンドに影響は
見られなかった。
3N抗血清は未処理のHeLa細胞の抽出物中の数種類
のタンパク質と反応した。それらのなかで、白矢印によ
り示されるバンドの移動度はインビトロで翻訳したAT
F6のバンドに一致した。HeLa細胞をTMで4時間
処理した場合、レーン4に示すように、90kDaバン
ドは減少し、代わりに黒矢印で示される50kDaの新
たなバンドが現れた。他の交差反応したバンドに影響は
見られなかった。
【0143】重要なことに、この50kDaタンパク質
は抗ペプチド(抗ATF6(N21〜34))抗血清に
よっても検出された(レーン6)。さらに、90kDa
および50kDaタンパク質の両方がATF6過剰発現
細胞(レーン8)から調製された抽出物に構成的に存在
するが、対照細胞(レーン7)からのものには存在せ
ず、他のタンパク質バンドがこの条件下には過剰生産さ
れず、これらの2種のタンパク質は実際にATF6cD
NAによりコードされることを示唆する。90kDaお
よび50kDaのタンパク質をそれぞれp90ATF6
およびp50ATF6とした。
は抗ペプチド(抗ATF6(N21〜34))抗血清に
よっても検出された(レーン6)。さらに、90kDa
および50kDaタンパク質の両方がATF6過剰発現
細胞(レーン8)から調製された抽出物に構成的に存在
するが、対照細胞(レーン7)からのものには存在せ
ず、他のタンパク質バンドがこの条件下には過剰生産さ
れず、これらの2種のタンパク質は実際にATF6cD
NAによりコードされることを示唆する。90kDaお
よび50kDaのタンパク質をそれぞれp90ATF6
およびp50ATF6とした。
【0144】実施例7 p50ATF6と細胞内UPR
活性との関連 p50ATF6の出現が細胞内UPR活性に関連するか
どうか試験するため、ストレスによるp50ATF6の
出現とGRP78の誘導を経時的にイムノブロッティン
グで調べた。その結果を図19に示す。
活性との関連 p50ATF6の出現が細胞内UPR活性に関連するか
どうか試験するため、ストレスによるp50ATF6の
出現とGRP78の誘導を経時的にイムノブロッティン
グで調べた。その結果を図19に示す。
【0145】図19に示すように、GRP78の増加
は、TM処理後、8時間で検出されたが、p50ATF
6は2時間以内に検出可能になり、4〜8時間でピーク
に達し、ついで減少した。同様に、A23187または
タプシガーギン(図中、Tgで示す)で処理した細胞に
おいても、p50ATF6は、GRP78誘導に先立っ
て出現した。
は、TM処理後、8時間で検出されたが、p50ATF
6は2時間以内に検出可能になり、4〜8時間でピーク
に達し、ついで減少した。同様に、A23187または
タプシガーギン(図中、Tgで示す)で処理した細胞に
おいても、p50ATF6は、GRP78誘導に先立っ
て出現した。
【0146】しかしながら、ヒートショックをうけた細
胞ではHSP70の明らかな誘導が認められるにもかか
わらず、p50ATF6はほとんど検出されなかった。
胞ではHSP70の明らかな誘導が認められるにもかか
わらず、p50ATF6はほとんど検出されなかった。
【0147】これらの結果は、p90ATF6からp5
0ATF6への変換が、哺乳類UPRにおける重要な制
御過程であることを強く示唆している。
0ATF6への変換が、哺乳類UPRにおける重要な制
御過程であることを強く示唆している。
【0148】実施例8 小胞体ストレスによるp90A
TF6からp50ATF6への変換 p90ATF6が小胞体ストレスにより直接p50AT
F6に変換されるのかどうかを明らかにするため、TM
処理したHeLa細胞中のp90ATF6とp50ATF
6、さらに標的タンパク質であるGRP78の量的変化
を精製ATF6抗体を用いたイムノブロッティングによ
り経時的に調べた。
TF6からp50ATF6への変換 p90ATF6が小胞体ストレスにより直接p50AT
F6に変換されるのかどうかを明らかにするため、TM
処理したHeLa細胞中のp90ATF6とp50ATF
6、さらに標的タンパク質であるGRP78の量的変化
を精製ATF6抗体を用いたイムノブロッティングによ
り経時的に調べた。
【0149】図20に示すように、p50ATF6はT
M処理後2時間で出現し、4時間まで検出された(レー
ン3〜5)。一方、p90ATF6はTM処理後、経時
的に減少し、p50ATF6の増加ときれいな逆相関を
示した(レーン1〜6)。また、GRP78の発現の増
大は8時間後以降に認められた。これらの結果は、AT
F6は前駆体タンパク質(p90ATF6)として合成
され、小胞体ストレスにより特異的に成熟型タンパク質
(p50ATF6)に変換されることを示唆している。
M処理後2時間で出現し、4時間まで検出された(レー
ン3〜5)。一方、p90ATF6はTM処理後、経時
的に減少し、p50ATF6の増加ときれいな逆相関を
示した(レーン1〜6)。また、GRP78の発現の増
大は8時間後以降に認められた。これらの結果は、AT
F6は前駆体タンパク質(p90ATF6)として合成
され、小胞体ストレスにより特異的に成熟型タンパク質
(p50ATF6)に変換されることを示唆している。
【0150】図20に示した経時変化の実験において、
TM処理したHeLa細胞中に、p50ATF6のほか
にp90ATF6よりも若干移動度の速い新たなバンド
が観察されたため、p90ATF6は糖鎖付加の修飾を
受けており、したがって小胞体に会合している可能性が
示唆された。実際、ストレスに曝されていないHeLa
細胞について、抗B03N抗体を用いて間接蛍光抗体法
で分析すると、核の周囲に細かい網状の染色像が観察さ
れた。この染色パターンは、GRP78やGRP94の
主要小胞体シャペロンを認識する抗KDEL抗体(10
C3;ストレスジェン社製)を用いて観察されるパター
ンと同様であった。さらに、コンピューターによるハイ
ドロパシー解析を行なうと、図21に示すように、膜を
1回貫通するのに十分な長さである21アミノ酸からな
る疎水性領域が存在することがわかった。これらの結果
は、p90ATF6 が小胞体の膜タンパク質であるとい
う考えを強く支持するものである。
TM処理したHeLa細胞中に、p50ATF6のほか
にp90ATF6よりも若干移動度の速い新たなバンド
が観察されたため、p90ATF6は糖鎖付加の修飾を
受けており、したがって小胞体に会合している可能性が
示唆された。実際、ストレスに曝されていないHeLa
細胞について、抗B03N抗体を用いて間接蛍光抗体法
で分析すると、核の周囲に細かい網状の染色像が観察さ
れた。この染色パターンは、GRP78やGRP94の
主要小胞体シャペロンを認識する抗KDEL抗体(10
C3;ストレスジェン社製)を用いて観察されるパター
ンと同様であった。さらに、コンピューターによるハイ
ドロパシー解析を行なうと、図21に示すように、膜を
1回貫通するのに十分な長さである21アミノ酸からな
る疎水性領域が存在することがわかった。これらの結果
は、p90ATF6 が小胞体の膜タンパク質であるとい
う考えを強く支持するものである。
【0151】次に、無処理または4時間TM処理したH
eLa細胞のホモジネートを遠心分離で分画し、p90
ATF6とp50ATF6の局在を調べた(図22)。
はじめの低速遠心分離では、大部分のp90ATF6は
可溶性画分に回収された(レーン5)が、p50ATF
6は核タンパク質ラミンBと同様に核画分にのみ分画さ
れた(レーン4)。次の高速遠心分離では、すべてのp
90ATF6は膜画分に回収された(レーン9)。p9
0ATF6の分配パターンは小胞体の膜貫通型シャペロ
ンであるカルネキシンとほぼ一致したが、ラミンBや細
胞質タンパク質のHSP70とは全く異なっていた。な
お、ラミンBとHSP70は、それぞれ抗ラミンB抗体
(サンタクルーズ社製)および抗HSP70抗体(C9
2F3A−5;ストレスジェン社製)を用いて検出し
た。
eLa細胞のホモジネートを遠心分離で分画し、p90
ATF6とp50ATF6の局在を調べた(図22)。
はじめの低速遠心分離では、大部分のp90ATF6は
可溶性画分に回収された(レーン5)が、p50ATF
6は核タンパク質ラミンBと同様に核画分にのみ分画さ
れた(レーン4)。次の高速遠心分離では、すべてのp
90ATF6は膜画分に回収された(レーン9)。p9
0ATF6の分配パターンは小胞体の膜貫通型シャペロ
ンであるカルネキシンとほぼ一致したが、ラミンBや細
胞質タンパク質のHSP70とは全く異なっていた。な
お、ラミンBとHSP70は、それぞれ抗ラミンB抗体
(サンタクルーズ社製)および抗HSP70抗体(C9
2F3A−5;ストレスジェン社製)を用いて検出し
た。
【0152】実施例9 p90ATF6のトポロジー p90ATF6が膜表在性か膜内在性かを検討した。低
速遠心分離で得られた可溶性画分について種々の処理を
行なったのち、高速遠心分離で分画した。精製ATF6
抗体を用いてイムノブロッティングを行なった結果、図
23に示すように、表在性膜タンパク質が抽出される
0.5M NaClあるいは0.1M Na2 CO
3 (pH11)処理では、p90ATF6は内在性膜タ
ンパク質カルネキシンと同様に膜から遊離されなかっ
た。対照的に、p90ATF6もカルネキシンも1%S
DSや1%デオキシコール酸ナトリウム(DOC)とい
った界面活性剤により可溶性画分に遊離した。1%Tr
iton X−100はp90ATF6を凝集させるの
かもしれない。
速遠心分離で得られた可溶性画分について種々の処理を
行なったのち、高速遠心分離で分画した。精製ATF6
抗体を用いてイムノブロッティングを行なった結果、図
23に示すように、表在性膜タンパク質が抽出される
0.5M NaClあるいは0.1M Na2 CO
3 (pH11)処理では、p90ATF6は内在性膜タ
ンパク質カルネキシンと同様に膜から遊離されなかっ
た。対照的に、p90ATF6もカルネキシンも1%S
DSや1%デオキシコール酸ナトリウム(DOC)とい
った界面活性剤により可溶性画分に遊離した。1%Tr
iton X−100はp90ATF6を凝集させるの
かもしれない。
【0153】次いで、トリプシン処理により膜に対する
p90ATF6の方向性を調べた(図24)。I型膜タ
ンパク質であるカルネキシンを対照に用いて、小胞体内
腔側に存在するカルネキシンN末端領域(カルネキシン
−N)、あるいは細胞質側に存在するカルネキシンC末
端領域(カルネキシン−C)を認識する抗体(ストレス
ジェン社製)を用いて、トリプシン消化をモニターし
た。全長カルネキシン量を減少させるトリプシン濃度
で、抗カルネキシンC抗体では消化されないカルネキシ
ン断片の出現が観察されない(レーン11、12)が、
抗カルネキシンN抗体ではカルネキシンN末端側領域に
相当する大きさの断片の出現が観察された(レーン7、
8)。この結果は、内腔側の領域が期待どおりトリプシ
ン消化に抵抗性であったことを示している。
p90ATF6の方向性を調べた(図24)。I型膜タ
ンパク質であるカルネキシンを対照に用いて、小胞体内
腔側に存在するカルネキシンN末端領域(カルネキシン
−N)、あるいは細胞質側に存在するカルネキシンC末
端領域(カルネキシン−C)を認識する抗体(ストレス
ジェン社製)を用いて、トリプシン消化をモニターし
た。全長カルネキシン量を減少させるトリプシン濃度
で、抗カルネキシンC抗体では消化されないカルネキシ
ン断片の出現が観察されない(レーン11、12)が、
抗カルネキシンN抗体ではカルネキシンN末端側領域に
相当する大きさの断片の出現が観察された(レーン7、
8)。この結果は、内腔側の領域が期待どおりトリプシ
ン消化に抵抗性であったことを示している。
【0154】このような実験条件で、p90ATF6
は、行なった範囲内では最も低濃度のトリプシンで消失
し、ATF6のN末端側領域を認識する抗ATF6抗体
により50kDaに相当する断片を検出することはでき
なかった(レーン2)。これは、p90ATF6がN末
端側領域が細胞質側を向いたII型膜タンパク質であるこ
とを強く示唆するものである。
は、行なった範囲内では最も低濃度のトリプシンで消失
し、ATF6のN末端側領域を認識する抗ATF6抗体
により50kDaに相当する断片を検出することはでき
なかった(レーン2)。これは、p90ATF6がN末
端側領域が細胞質側を向いたII型膜タンパク質であるこ
とを強く示唆するものである。
【0155】実施例10 p50ATF6の細胞内局在 p90ATF6からp50ATF6に変換することによ
り細胞内局在が変化するかどうかを、ATF6発現プラ
スミドで形質転換したHeLa細胞を用いて、間接蛍光
抗体法で調べた。全長のATF6を発現するプラスミド
pCGN−ATF6[Zhu et al. (1997) Mol. Cell. B
iol.17, 4957-4966 ]は、コロンビア大学Prywes博士よ
り入手し、以下、pCGN−ATF6(670)と称す
る。このプラスミドは、動物細胞発現ベクターpCGN
のXbaI部位にATF6cDNAを挿入したもので、
インフルエンザウィルスのヘムアグルチニン(HA)エ
ピトープをN末端に結合したATF6が、サイトメガロ
ウィルスプロモーターの制御下に発現する。ATF6の
N末端側断片を発現するpCGN−ATF6(40
2)、pCGN−ATF6(373)、pCGN−AT
F6(366)およびpCGN−ATF6(330)
は、それぞれアミノ酸1−402、1−373、1−3
66および1−330をコードする領域をPCRにより
調製し、ストップコドン(TAG)とともにpCGNの
XbaI部位に挿入して作製した。
り細胞内局在が変化するかどうかを、ATF6発現プラ
スミドで形質転換したHeLa細胞を用いて、間接蛍光
抗体法で調べた。全長のATF6を発現するプラスミド
pCGN−ATF6[Zhu et al. (1997) Mol. Cell. B
iol.17, 4957-4966 ]は、コロンビア大学Prywes博士よ
り入手し、以下、pCGN−ATF6(670)と称す
る。このプラスミドは、動物細胞発現ベクターpCGN
のXbaI部位にATF6cDNAを挿入したもので、
インフルエンザウィルスのヘムアグルチニン(HA)エ
ピトープをN末端に結合したATF6が、サイトメガロ
ウィルスプロモーターの制御下に発現する。ATF6の
N末端側断片を発現するpCGN−ATF6(40
2)、pCGN−ATF6(373)、pCGN−AT
F6(366)およびpCGN−ATF6(330)
は、それぞれアミノ酸1−402、1−373、1−3
66および1−330をコードする領域をPCRにより
調製し、ストップコドン(TAG)とともにpCGNの
XbaI部位に挿入して作製した。
【0156】これらのプラスミドから発現するATF6
ならびに各変異体の構造を模式的に図25に示す。AT
F(402)は、C末端内腔ドメインの大部分を欠く
が、膜貫通ドメイン(V334 −L398 )は残しており、
一方、3つの変異体ATF6(373)、ATF6(3
66)およびATF6(330)は内腔ドメインおよび
膜貫通ドメインの両方を欠く。ATF6(373)は、
塩基性領域(R308 −R 330 )とロイシンジッパー(L
334 −L369 )を全て含む。ATF6(366)は、塩
基性領域全てと大部分のロイシンジッパー領域を含む。
ATF(330)は、塩基性領域を含むが、ロイシンジ
ッパー領域を完全に欠く。なお、いずれのタンパク質も
N末端部にHAエピトープを結合している。
ならびに各変異体の構造を模式的に図25に示す。AT
F(402)は、C末端内腔ドメインの大部分を欠く
が、膜貫通ドメイン(V334 −L398 )は残しており、
一方、3つの変異体ATF6(373)、ATF6(3
66)およびATF6(330)は内腔ドメインおよび
膜貫通ドメインの両方を欠く。ATF6(373)は、
塩基性領域(R308 −R 330 )とロイシンジッパー(L
334 −L369 )を全て含む。ATF6(366)は、塩
基性領域全てと大部分のロイシンジッパー領域を含む。
ATF(330)は、塩基性領域を含むが、ロイシンジ
ッパー領域を完全に欠く。なお、いずれのタンパク質も
N末端部にHAエピトープを結合している。
【0157】次に、これらのATF6ならびに各変異体
の発現プラスミドでHeLa細胞を一過的に形質転換
し、抗HAエピトープ抗体(Y11;サンタクルーズ社
製)を用いて間接蛍光抗体法を行なったところ、膜貫通
ドメインを持つATF6(670)とATF6(40
2)の発現は、小胞体に局在することが観察され、抗K
DEL抗体を用いて蛍光染色した場合の染色像と同様で
あった。
の発現プラスミドでHeLa細胞を一過的に形質転換
し、抗HAエピトープ抗体(Y11;サンタクルーズ社
製)を用いて間接蛍光抗体法を行なったところ、膜貫通
ドメインを持つATF6(670)とATF6(40
2)の発現は、小胞体に局在することが観察され、抗K
DEL抗体を用いて蛍光染色した場合の染色像と同様で
あった。
【0158】これに対し、内腔ドメインおよび膜貫通ド
メインの両方を欠いた変異体ATF6であるATF6
(373)、ATF6(366)またはATF6(33
0)を発現する細胞では、抗HA抗体で核が明瞭に染ま
った。これらの結果から、p90ATF6は、小胞体膜
に埋め込まれており、p50ATF6は、膜貫通ドメイ
ンよりN末端側で切断され、核に局在することが強く示
唆された。
メインの両方を欠いた変異体ATF6であるATF6
(373)、ATF6(366)またはATF6(33
0)を発現する細胞では、抗HA抗体で核が明瞭に染ま
った。これらの結果から、p90ATF6は、小胞体膜
に埋め込まれており、p50ATF6は、膜貫通ドメイ
ンよりN末端側で切断され、核に局在することが強く示
唆された。
【0159】実施例11 p50ATF6産生の際の切
断部位の推定 小胞体ストレスに応答するp50ATF6産生に関する
切断部位を推定するために、実施例10で作製した種々
のC末端欠失変異体でトランスフェクトしたHeLa細
胞の免疫ブロッティング解析を行なった。結果を図26
に示す。pCGN−ATF6(670)でトランスフェ
クトした細胞において、約50kDaの位置に検出され
た2本のタンパク質バンド(レーン2)はp50ATF
6のちょうどよい分子量マーカーとなった。これらのタ
ンパク質は、トランスフェクト細胞においてHA標識A
TF6(670)の過剰発現により構成的に活性化され
たタンパク質分解により生産されたp50ATF6であ
ると考えられる。移動度の大きいバンドは、HA標識を
失ったことに起因すると考えられる。SDS−PAGE
上の種々のC末端欠失変異体の移動度の比較からp50
ATF6の大きさがATF6(373)の大きさに近い
ことがわかり、細胞が小胞体ストレスを受けたとき、p
90ATF6は、bZIPと膜貫通ドメインとの間で切
断され、p50ATF6を生成することが示唆された。
断部位の推定 小胞体ストレスに応答するp50ATF6産生に関する
切断部位を推定するために、実施例10で作製した種々
のC末端欠失変異体でトランスフェクトしたHeLa細
胞の免疫ブロッティング解析を行なった。結果を図26
に示す。pCGN−ATF6(670)でトランスフェ
クトした細胞において、約50kDaの位置に検出され
た2本のタンパク質バンド(レーン2)はp50ATF
6のちょうどよい分子量マーカーとなった。これらのタ
ンパク質は、トランスフェクト細胞においてHA標識A
TF6(670)の過剰発現により構成的に活性化され
たタンパク質分解により生産されたp50ATF6であ
ると考えられる。移動度の大きいバンドは、HA標識を
失ったことに起因すると考えられる。SDS−PAGE
上の種々のC末端欠失変異体の移動度の比較からp50
ATF6の大きさがATF6(373)の大きさに近い
ことがわかり、細胞が小胞体ストレスを受けたとき、p
90ATF6は、bZIPと膜貫通ドメインとの間で切
断され、p50ATF6を生成することが示唆された。
【0160】実施例12 ATF6の転写活性化ドメイ
ン 酵母転写活性化因子Gal4pのDNA結合ドメイン
(アミノ酸1−147;GAL4DBと称す)をサイト
メガロウィルスプロモーターの制御下に発現するプラス
ミドpBIND(プロメガ社製)のXbaI部位に、P
CRにより増幅したATF6の様々な領域を挿入し、A
TF6の断片とGAL4DBとの融合タンパク質を発現
するプラスミドを作製した。これらの発現プラスミドを
アデノウイルス主要後期プロモーターの上流に5個のG
al4p結合部位を含むレポータープラスミドpG5l
uc(プロメガ社製)とともにHeLa細胞に一過的に
導入して、ルシフェラーゼ遺伝子の転写活性化能を調べ
た。図27に示すように、転写活性化能はN末端150
アミノ酸の領域にマップされ(ライン6、9−12)、
特にN末端43アミノ酸の寄与が大きい(ライン6−
8)ことがわかった。転写活性化ドメインがN末端に存
在することは、p50ATF6が核で転写因子として機
能することを保証するものである。
ン 酵母転写活性化因子Gal4pのDNA結合ドメイン
(アミノ酸1−147;GAL4DBと称す)をサイト
メガロウィルスプロモーターの制御下に発現するプラス
ミドpBIND(プロメガ社製)のXbaI部位に、P
CRにより増幅したATF6の様々な領域を挿入し、A
TF6の断片とGAL4DBとの融合タンパク質を発現
するプラスミドを作製した。これらの発現プラスミドを
アデノウイルス主要後期プロモーターの上流に5個のG
al4p結合部位を含むレポータープラスミドpG5l
uc(プロメガ社製)とともにHeLa細胞に一過的に
導入して、ルシフェラーゼ遺伝子の転写活性化能を調べ
た。図27に示すように、転写活性化能はN末端150
アミノ酸の領域にマップされ(ライン6、9−12)、
特にN末端43アミノ酸の寄与が大きい(ライン6−
8)ことがわかった。転写活性化ドメインがN末端に存
在することは、p50ATF6が核で転写因子として機
能することを保証するものである。
【0161】実施例13 ATF6のC末端欠失体の転
写活性 ヒトGRP78プロモーター(−132〜+7、番号は
転写開始点を+1とする)下流にホタルルシフェラーゼ
遺伝子を連結したレポータープラスミドpGL3−G7
8(−132)〔実施例1(図6ライン2)参照〕と実
施例10のATF6C末端欠失変異体発現プラスミドで
コトランスフェクトしたHeLa細胞を用いて、ERS
Eを介した転写活性化に対する過剰発現した各ATF6
のC末端欠失変異体の影響を調べた。
写活性 ヒトGRP78プロモーター(−132〜+7、番号は
転写開始点を+1とする)下流にホタルルシフェラーゼ
遺伝子を連結したレポータープラスミドpGL3−G7
8(−132)〔実施例1(図6ライン2)参照〕と実
施例10のATF6C末端欠失変異体発現プラスミドで
コトランスフェクトしたHeLa細胞を用いて、ERS
Eを介した転写活性化に対する過剰発現した各ATF6
のC末端欠失変異体の影響を調べた。
【0162】その結果、pCGN−ATF6(670)
を用いて全長ATF6、すなわちATF6(670)を
一過的に過剰発現させると、実施例5での結果(図1
4)と同様に、ERSEを有するGRP78プロモータ
ーからのルシフェラーゼ遺伝子の転写を小胞体ストレス
のない状態で構成的に活性化することがわかった(図2
6ライン2)。実施例5の結果(図14)に比べてルシ
フェラーゼの相対活性が高いのは、pcDNA−ATF
6を用いたトランスフェクト細胞よりも、pCGN−A
TF6を用いたトランスフェクト細胞のほうがより多く
のATF6を発現することによると考えられた。さら
に、ルシフェラーゼ遺伝子の構成的な転写活性化は、前
記pCGN−ATF6(670)でトランスフェクトさ
れた細胞中でp50ATF6様タンパク質が構成的に生
産された(図28、レーン2を参照のこと)ことでよく
説明できる。同様に、レポータールシフェラーゼ活性
は、小胞体局在型のATF6(402)の過剰発現〔図
28のライン3の白棒〕によっても構成的に促進され
た。
を用いて全長ATF6、すなわちATF6(670)を
一過的に過剰発現させると、実施例5での結果(図1
4)と同様に、ERSEを有するGRP78プロモータ
ーからのルシフェラーゼ遺伝子の転写を小胞体ストレス
のない状態で構成的に活性化することがわかった(図2
6ライン2)。実施例5の結果(図14)に比べてルシ
フェラーゼの相対活性が高いのは、pcDNA−ATF
6を用いたトランスフェクト細胞よりも、pCGN−A
TF6を用いたトランスフェクト細胞のほうがより多く
のATF6を発現することによると考えられた。さら
に、ルシフェラーゼ遺伝子の構成的な転写活性化は、前
記pCGN−ATF6(670)でトランスフェクトさ
れた細胞中でp50ATF6様タンパク質が構成的に生
産された(図28、レーン2を参照のこと)ことでよく
説明できる。同様に、レポータールシフェラーゼ活性
は、小胞体局在型のATF6(402)の過剰発現〔図
28のライン3の白棒〕によっても構成的に促進され
た。
【0163】図28のライン4および5の白棒とライン
2および3の白棒との結果から、核局在型ATF6変異
体であるATF6(373)およびATF6(366)
の過剰発現により、小胞体局在型ATF6 であるATF
(670)またはATF(402)の場合に比べ5倍以
上高いルシフェラーゼ活性が得られることが示された。
これらの結果は、核タンパク質p50ATF6がATF
6の活性化型を示すことと一致する。
2および3の白棒との結果から、核局在型ATF6変異
体であるATF6(373)およびATF6(366)
の過剰発現により、小胞体局在型ATF6 であるATF
(670)またはATF(402)の場合に比べ5倍以
上高いルシフェラーゼ活性が得られることが示された。
これらの結果は、核タンパク質p50ATF6がATF
6の活性化型を示すことと一致する。
【0164】一方、他の核局在型ATF6(330)
は、ほぼ同レベルの発現にもかかわらず(図26)、A
TF6(373)またはATF(366)よりも顕著に
低い活性を示し、ATF6の転写活性におけるロイシン
ジッパーの重要性が示された(図28のライン6とライ
ン4および5とを比較のこと)。
は、ほぼ同レベルの発現にもかかわらず(図26)、A
TF6(373)またはATF(366)よりも顕著に
低い活性を示し、ATF6の転写活性におけるロイシン
ジッパーの重要性が示された(図28のライン6とライ
ン4および5とを比較のこと)。
【0165】実施例14 ATF6の転写活性化ドメイ
ン欠失変異体 N末端アミノ酸1〜150領域を欠失したATF6ある
いは実施例10で作製したATF6変異体を発現するp
CGN−ATF6(151−670)、pCGN−AT
F6(151−402)、pCGN−ATF6(151
−373)、pCGN−ATF6(151−366)お
よびpCGN−ATF6(151−330)を、それぞ
れアミノ酸151−670、151−402、151−
373、151−366、151−330をコードする
領域をPCRにより調製し、ストップコドンとともにp
CGNのXbaI部位に挿入し作製した(図25参
照)。
ン欠失変異体 N末端アミノ酸1〜150領域を欠失したATF6ある
いは実施例10で作製したATF6変異体を発現するp
CGN−ATF6(151−670)、pCGN−AT
F6(151−402)、pCGN−ATF6(151
−373)、pCGN−ATF6(151−366)お
よびpCGN−ATF6(151−330)を、それぞ
れアミノ酸151−670、151−402、151−
373、151−366、151−330をコードする
領域をPCRにより調製し、ストップコドンとともにp
CGNのXbaI部位に挿入し作製した(図25参
照)。
【0166】これらのプラスミドから発現するATF6
(151−670)、ATF6(151−402)、A
TF6(151−373)、ATF6(151−36
6)およびATF6(151−330)は、それぞれA
TF6(670)、ATF6(402)、ATF6(3
73)、ATF6(366)およびATF6(330)
からN末端の150アミノ酸(M1 −L150 )を欠失し
たものである。
(151−670)、ATF6(151−402)、A
TF6(151−373)、ATF6(151−36
6)およびATF6(151−330)は、それぞれA
TF6(670)、ATF6(402)、ATF6(3
73)、ATF6(366)およびATF6(330)
からN末端の150アミノ酸(M1 −L150 )を欠失し
たものである。
【0167】実施例10と同様に、各ATF6転写活性
化ドメイン欠失変異体発現プラスミドでHeLa細胞を
一過的に形質転換し、抗HAエピトープ抗体(Y11;
サンタクルーズ社製)を用いた間接蛍光抗体法により、
発現したATF6転写活性化ドメイン欠失変異体の細胞
内局在性を調べた。その結果、ATF6(151−67
0)とATF6(151−402)は、それぞれ対応す
るATF6(670)およびATF6(402)と同様
に小胞体に局在していることがわかった。また、ATF
6(151−373)、ATF6(151−366)お
よびATF6(151−330)については、ATF6
(373)、ATF6(366)およびATF6(33
0)と同様にいずれも核に局在した。
化ドメイン欠失変異体発現プラスミドでHeLa細胞を
一過的に形質転換し、抗HAエピトープ抗体(Y11;
サンタクルーズ社製)を用いた間接蛍光抗体法により、
発現したATF6転写活性化ドメイン欠失変異体の細胞
内局在性を調べた。その結果、ATF6(151−67
0)とATF6(151−402)は、それぞれ対応す
るATF6(670)およびATF6(402)と同様
に小胞体に局在していることがわかった。また、ATF
6(151−373)、ATF6(151−366)お
よびATF6(151−330)については、ATF6
(373)、ATF6(366)およびATF6(33
0)と同様にいずれも核に局在した。
【0168】次に、実施例13と同様に、各ATF6転
写活性化ドメイン欠失変異体の過剰発現によるERSE
を介した転写活性化に対する影響を、レポータープラス
ミドpGL3−G78(−132)とのコトランスフェ
クションにより調べた。
写活性化ドメイン欠失変異体の過剰発現によるERSE
を介した転写活性化に対する影響を、レポータープラス
ミドpGL3−G78(−132)とのコトランスフェ
クションにより調べた。
【0169】その結果、図28のライン7から11に示
されるように、いずれのATF6転写活性化ドメイン欠
失変異体も、レポーター遺伝子の発現を対照のpCGN
ベクターを用いた場合(ライン1)以下に強く抑制し
た。ATF6(151−373)、ATF6(151−
366)およびATF6(151−330)は核内で内
在性p50ATF6に対し、ドミナントネガティブに作
用することが示された。一方、ATF6(151−67
0)とATF6(151−402)は、小胞体での過剰
発現により小胞体ストレスを誘導し、その結果生じる転
写活性化ドメインを欠失したp50ATF6が核に移行
して、内在性p50ATF6に対しドミナントネガティ
ブに作用すると考えられた。
されるように、いずれのATF6転写活性化ドメイン欠
失変異体も、レポーター遺伝子の発現を対照のpCGN
ベクターを用いた場合(ライン1)以下に強く抑制し
た。ATF6(151−373)、ATF6(151−
366)およびATF6(151−330)は核内で内
在性p50ATF6に対し、ドミナントネガティブに作
用することが示された。一方、ATF6(151−67
0)とATF6(151−402)は、小胞体での過剰
発現により小胞体ストレスを誘導し、その結果生じる転
写活性化ドメインを欠失したp50ATF6が核に移行
して、内在性p50ATF6に対しドミナントネガティ
ブに作用すると考えられた。
【0170】実施例15 小胞体ストレスによるp11
0CREB−RPからp60CREB−RPへの変換 全長型のCREB−RP(p110CREB−RP)が
小胞体ストレスによりp60CREB−RPに変換され
るのかどうかを明らかにするため、TM処理したHeLa細
胞中のp110CREB−RPとp60CREB−RP
の量的変化を精製CREB−RP抗体を用いたイムノブ
ロッティングにより経時的に調べた。CREB−RP抗
体は、大腸菌で発現させたCREB−RPのアミノ酸1
〜307領域とGSTとの融合タンパク質をウサギに免
疫して作製し、GSTと細菌タンパク質で吸収、GST
−CREB−RP融合タンパク質でアフィニティー精製
したものを用いた。
0CREB−RPからp60CREB−RPへの変換 全長型のCREB−RP(p110CREB−RP)が
小胞体ストレスによりp60CREB−RPに変換され
るのかどうかを明らかにするため、TM処理したHeLa細
胞中のp110CREB−RPとp60CREB−RP
の量的変化を精製CREB−RP抗体を用いたイムノブ
ロッティングにより経時的に調べた。CREB−RP抗
体は、大腸菌で発現させたCREB−RPのアミノ酸1
〜307領域とGSTとの融合タンパク質をウサギに免
疫して作製し、GSTと細菌タンパク質で吸収、GST
−CREB−RP融合タンパク質でアフィニティー精製
したものを用いた。
【0171】実施例8と同様にしてp90ATF6から
p50ATF6への変換と標的タンパク質であるGRP
78の量も同時に調べたところ、図29に示すように、
p60CREB−RPはTM処理後2時間で出現し、p
50ATF6の場合と異なり、その後、持続的に発現し
ていることがわかった。
p50ATF6への変換と標的タンパク質であるGRP
78の量も同時に調べたところ、図29に示すように、
p60CREB−RPはTM処理後2時間で出現し、p
50ATF6の場合と異なり、その後、持続的に発現し
ていることがわかった。
【0172】実施例16 活性化型CREB−RP 実施例4で作製したCREB−RPの発現プラスミドか
ら、PCRによりCREB−RPのアミノ酸1〜389
領域をコードするDNA断片を調製し、pcDNA3.
1(+)ベクターのHindIII部位に挿入した。こ
のプラスミドから発現するCREB−RP(1−38
9)は、CREB−RPのN末端から塩基性領域、ロイ
シンジッパー領域までを含んでおり、小胞体ストレスに
よりp110CREB−RPから変換されるp60CR
EB−RPに相当するものである。
ら、PCRによりCREB−RPのアミノ酸1〜389
領域をコードするDNA断片を調製し、pcDNA3.
1(+)ベクターのHindIII部位に挿入した。こ
のプラスミドから発現するCREB−RP(1−38
9)は、CREB−RPのN末端から塩基性領域、ロイ
シンジッパー領域までを含んでおり、小胞体ストレスに
よりp110CREB−RPから変換されるp60CR
EB−RPに相当するものである。
【0173】CREB−RP(1−389)発現プラス
ミドと、GRP78プロモーターあるいは変異GRP7
8プロモーター下流にルシフェラーゼ遺伝子を連結した
レポータープラスミドをHeLa細胞に導入し、ERSEを
介した転写活性化に対するCREB−RP(1−38
9)過剰発現の影響を調べた。
ミドと、GRP78プロモーターあるいは変異GRP7
8プロモーター下流にルシフェラーゼ遺伝子を連結した
レポータープラスミドをHeLa細胞に導入し、ERSEを
介した転写活性化に対するCREB−RP(1−38
9)過剰発現の影響を調べた。
【0174】図30に示すように、p60CREB−R
Pに相当すると考えられるCREB−RP(1−38
9)の過剰発現は、p50ATF6と同様に転写を構成
的に活性化した。この転写活性化は変異ERSEを用い
た場合には観察されないことから、ERSE依存的であ
ることがわかる。
Pに相当すると考えられるCREB−RP(1−38
9)の過剰発現は、p50ATF6と同様に転写を構成
的に活性化した。この転写活性化は変異ERSEを用い
た場合には観察されないことから、ERSE依存的であ
ることがわかる。
【0175】実施例17 抑制化型CREB−RP 実施例4で作製したCREB−RPの発現プラスミドか
ら、PCRによりN末端にMetを付加したCREB−
RPのアミノ酸308〜386領域をコードするDNA
断片を調製し、pcDNA3.1(+)ベクターのHi
ndIII部位に挿入した。このプラスミドから発現す
るCREB−RP(308−386)は、CREB−R
PのN末端領域に存在する転写活性化ドメインを含ま
ず、ほぼ塩基性領域とロイシンジッパー領域だけを含む
ものである。
ら、PCRによりN末端にMetを付加したCREB−
RPのアミノ酸308〜386領域をコードするDNA
断片を調製し、pcDNA3.1(+)ベクターのHi
ndIII部位に挿入した。このプラスミドから発現す
るCREB−RP(308−386)は、CREB−R
PのN末端領域に存在する転写活性化ドメインを含ま
ず、ほぼ塩基性領域とロイシンジッパー領域だけを含む
ものである。
【0176】実施例16と同様に、ERSEを介した転
写活性化に対するCREB−RP(308−386)過
剰発現の影響を調べたところ、図31に示すように、T
M処理によるERSE依存的な転写誘導を強く抑制し
た。この結果は、CREB−RP(308−386)が
内在性小胞体ストレス転写因子に対しドミナントネガテ
ィブに作用することを示している。
写活性化に対するCREB−RP(308−386)過
剰発現の影響を調べたところ、図31に示すように、T
M処理によるERSE依存的な転写誘導を強く抑制し
た。この結果は、CREB−RP(308−386)が
内在性小胞体ストレス転写因子に対しドミナントネガテ
ィブに作用することを示している。
【0177】さらに、実施例16と同様に、ERSEを
介した転写活性化に対するCREB−RP(81−38
9)またはCREB−RP(151−389)の過剰発
現の影響を調べたところ、図32に示すように、TM処
理によるERSE依存的な転写誘導を強く抑制した。こ
の結果は、CREB−RP(81−389)およびCR
EB−RP(151−389)が内在性小胞体ストレス
転写因子に対しドミナントネガティブに作用することを
示している。
介した転写活性化に対するCREB−RP(81−38
9)またはCREB−RP(151−389)の過剰発
現の影響を調べたところ、図32に示すように、TM処
理によるERSE依存的な転写誘導を強く抑制した。こ
の結果は、CREB−RP(81−389)およびCR
EB−RP(151−389)が内在性小胞体ストレス
転写因子に対しドミナントネガティブに作用することを
示している。
【0178】配列表フリーテキスト 配列番号:1において、nはAまたはCまたはGまたは
Tである。また、配列番号:1に示される配列は、ER
SE1のコンセンサス配列である。
Tである。また、配列番号:1に示される配列は、ER
SE1のコンセンサス配列である。
【0179】配列番号:2において、nはAまたはCま
たはGまたはTである。また、配列番号:2に示される
配列は、ERSE2のコンセンサス配列である。
たはGまたはTである。また、配列番号:2に示される
配列は、ERSE2のコンセンサス配列である。
【0180】配列番号:3において、nはAまたはCま
たはGまたはTである。また、配列番号:3に示される
配列は、ERSE3のコンセンサス配列である。
たはGまたはTである。また、配列番号:3に示される
配列は、ERSE3のコンセンサス配列である。
【0181】
【発明の効果】本発明の小胞体ストレス転写因子によ
り、小胞体シャペロン遺伝子の発現の増大および減少の
制御を行なうことができる。本発明の小胞体シャペロン
遺伝子の発現制御方法によれば、小胞体シャペロン遺伝
子の発現の増大および減少の制御を行なうことができ
る。さらに本発明の小胞体シャペロン遺伝子の発現制御
方法により、癌、動脈硬化症、嚢胞性繊維症、虚血性疾
患、創傷、潰瘍の治療あるいは予防が可能になり、さら
には該発現制御方法を外来の有用タンパク質の発現に応
用することにより、外来の有用タンパク質を正しい立体
構造を保ち、かつ高レベルで発現させうるという優れた
効果を奏する。
り、小胞体シャペロン遺伝子の発現の増大および減少の
制御を行なうことができる。本発明の小胞体シャペロン
遺伝子の発現制御方法によれば、小胞体シャペロン遺伝
子の発現の増大および減少の制御を行なうことができ
る。さらに本発明の小胞体シャペロン遺伝子の発現制御
方法により、癌、動脈硬化症、嚢胞性繊維症、虚血性疾
患、創傷、潰瘍の治療あるいは予防が可能になり、さら
には該発現制御方法を外来の有用タンパク質の発現に応
用することにより、外来の有用タンパク質を正しい立体
構造を保ち、かつ高レベルで発現させうるという優れた
効果を奏する。
【0182】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> HSP RESEARCH INSTITUTE <120> Endoplasmic reticulum stress transcription factor <130> HSP-11-007 <150> JP 10-324227 <151> 1998-11-13 <150> JP 11-163112 <151> 1999-6-9 <160> 36
【0183】 <210> 1 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <222> 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14 <223> "n" is A or C or G or T. <220> <223> The sequence as shown in SEQ ID NO: 1 is the ERSE1 consensus seque nce. <400> 1 ccaatnnnnn nnnnccacg 19
【0184】 <210> 2 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <222> 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14 <223> "n" is A or C or G or T. <220> <223> The sequence as shown in SEQ ID NO: 2 is the ERSE2 consensus seque nce. <400> 2 ccaatnnnnn nnnnccaac 19
【0185】 <210> 3 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <222> 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14 <223> "n" is A or C or G or T. <220> <223> The sequence as shown in SEQ ID NO: 3 is the ERSE3 consensus seque nce. <400> 3 cgaatnnnnn nnnnccagc 19
【0186】 <210> 4 <211> 122 <212> DNA <213> human <400> 4 ggagggggcc gcttcgaatc ggcggcggcc agcttggtgg cctgggccaa tgaacggcct 60 ccaacgagca gggccttcac caatcggcgg cctccacgac ggggctgggg gagggtatat 120 aa 122
【0187】 <210> 5 <211> 19 <212> DNA <213> human <400> 5 ccaatcggcg gcctccacg 19
【0188】 <210> 6 <211> 19 <212> DNA <213> murine <400> 6 ccaatcggag gcctccacg 19
【0189】 <210> 7 <211> 19 <212> DNA <213> rat <400> 7 ccaatcggag gcctccacg 19
【0190】 <210> 8 <211> 19 <212> DNA <213> human <400> 8 ccaatcgcgc cgcaccacg 19
【0191】 <210> 9 <211> 19 <212> DNA <213> chicken <400> 9 ccaatgggag cgcaccacg 19
【0192】 <210> 10 <211> 19 <212> DNA <213> human <400> 10 ccaatcggaa ggagccacg 19
【0193】 <210> 11 <211> 19 <212> DNA <213> chicken <400> 11 ccaatcgacg ccggccacg 19
【0194】 <210> 12 <211> 19 <212> DNA <213> human <400> 12 ccaatgatgg tcgaccacg 19
【0195】 <210> 13 <211> 19 <212> DNA <213> murine <400> 13 ccaatgaggg tcgaccacg 19
【0196】 <210> 14 <211> 19 <212> DNA <213> human <400> 14 ccaatgaacg gcctccaac 19
【0197】 <210> 15 <211> 19 <212> DNA <213> murine <400> 15 ccaatcagcg gcctccaac 19
【0198】 <210> 16 <211> 19 <212> DNA <213> rat <400> 16 ccaaccagcg gcctccaac 19
【0199】 <210> 17 <211> 19 <212> DNA <213> human <400> 17 cgaatcggcg gcggccagc 19
【0200】 <210> 18 <211> 19 <212> DNA <213> murine <400> 18 cgaatcggca gcagccagc 19
【0201】 <210> 19 <211> 19 <212> DNA <213> rat <400> 19 cgaatcggca gcggccagc 19
【0202】 <210> 20 <211> 19 <212> DNA <213> human <400> 20 ccaatcggag ctgtccagg 19
【0203】 <210> 21 <211> 19 <212> DNA <213> chicken <400> 21 ccaatcgtgg ctttccatg 19
【0204】 <210> 22 <211> 19 <212> DNA <213> human <400> 22 ccaatcaaat ggctccgcg 19
【0205】 <210> 23 <211> 19 <212> DNA <213> human <400> 23 ccaatgacaa agtggcagg 19
【0206】 <210> 24 <211> 19 <212> DNA <213> human <400> 24 ccaatagaaa tcggccatc 19
【0207】 <210> 25 <211> 19 <212> DNA <213> murine <400> 25 ccaatagaaa tcagccatc 19
【0208】 <210> 26 <211> 19 <212> DNA <213> murine <400> 26 ccaatcagaa gggggcacc 19
【0209】 <210> 27 <211> 19 <212> DNA <213> murine <400> 27 ccaatcacgg gctgccact 19
【0210】 <210> 28 <211> 19 <212> DNA <213> rat <400> 28 ccagtcagaa tgcaacacg 19
【0211】 <210> 29 <211> 19 <212> DNA <213> rat <400> 29 ccaactggca cgccccccg 19
【0212】 <210> 30 <211> 19 <212> DNA <213> human <400> 30 ccaatcagcg gctgccaca 19
【0213】 <210> 31 <211> 2509 <212> DNA <213> human <400> 31 tttttgtccg cctgccgccg ccgtcccaga tattaatcac ggagttccag ggagaaggaa 60 cttgtgaaat gggggagccg gctggggttg ccggcaccat ggagtcacct tttagcccgg 120 gactctttca caggctggat gaagattggg attctgctct ctttgctgaa cttggttatt 180 tcacagacac tgatgagctg caattggaag cagcaaatga gacgtatgaa aacaattttg 240 ataatcttga ttttgatttg gatttgatgc cttgggagtc agacatttgg gacatcaaca 300 accaaatctg tacagttaaa gatattaagg cagaacccca gccactttct ccagcctcct 360 caagttattc agtctcatct cctcggtcag tggactctta ttcttcaact cagcatgttc 420 ctgaggagtt ggatttgtct tctagttctc agatgtctcc cctttcctta tatggtgaaa 480 actctaatag tctctcttca ccggagccac tgaaggaaga taagcctgtc actggttcta 540 ggaacaagac tgaaaatgga ctgactccaa agaaaaaaat tcaggtgaat tcaaaacctt 600 caattcagcc caagccttta ttgcttccag cagcacccaa gactcaaaca aactccagtg 660 ttccagcaaa aaccatcatt attcagacag taccaacgct tatgccattg gcaaagcagc 720 aaccaattat cagtttacaa cctgcaccca ctaaaggcca gacggttttg ctgtctcagc 780 ctactgtggt acaacttcaa gcacctggag ttctgccctc tgctcagcca gtccttgctg 840 ttgctggggg agtcacacag ctccctaatc acgtggtgaa tgtggtacca gccccttcag 900 cgaatagccc agtgaatgga aaactttccg tgactaaacc tgtcctacaa agtaccatga 960 gaaatgtcgg ttcagatatt gctgtgctaa ggagacagca acgtatgata aaaaatcgag 1020 aatccgcttg tcagtctcgc aagaagaaga aagaatatat gctagggtta gaggcgagat 1080 taaaggctgc cctctcagaa aacgagcaac tgaagaaaga aaatggaaca ctgaagcggc 1140 agctggatga agttgtgtca gagaaccaga ggcttaaagt ccctagtcca aagcgaagag 1200 ttgtctgtgt gatgatagta ttggcattta taatactgaa ctatggacct atgagcatgt 1260 tggaacagga ttccaggaga atgaacccta gtgtgagccc tgcaaatcaa aggaggcacc 1320 ttctaggatt ttctgctaaa gaggcacagg acacatcaga tggtattatc cagaaaaaca 1380 gctacagata tgatcattct gtttcaaatg acaaagccct gatggtgcta actgaagaac 1440 cattgcttta cattcctcca cctccttgtc agcccctaat taacacaaca gagtctctca 1500 ggttaaatca tgaacttcga ggatgggttc atagacatga agtagaaagg accaagtcaa 1560 gaagaatgac aaataatcaa cagaaaaccc gtattcttca gggtgctctg gaacagggct 1620 caaattctca gctgatggct gttcaataca cagaaaccac tagtagtatc agcaggaact 1680 cagggagtga gctacaagtg tattatgctt cacccagaag ttatcaagac ttttttgaag 1740 ccatccgcag aaggggagac acattttatg ttgtgtcatt tcgaagggat cacctgctgt 1800 taccagctac cacccataac aagaccacaa gaccaaaaat gtcaattgtg ttaccagcaa 1860 taaacataaa tgagaatgtg atcaatgggc aggactacga agtgatgatg cagattgact 1920 gtcaggtgat ggacaccagg atcctccata tcaaaagttc gtcagttcct ccttacctcc 1980 gagatcagca gaggaatcaa accaacacct tctttggctc ccctcccgca gccacagagg 2040 caacccacgt tgtcagcacc atccctgagt cattacaata gcaccctgca gctatgctgg 2100 aaaactgagc gtgggaccct gccagactga agagcaggtg agcaaaatgc tgctttctgc 2160 cttggtggca ggcagagaac tgtctcgtac tagaattcaa ggaggaaaga agaagaaata 2220 aaagaagctg ctccattttt catcatctac ccatctattt ggaaagcact ggaattcaga 2280 tgcaagagaa caatgtttct tcagtggcaa atgtagccct gcatcctcca gtgttacctg 2340 gtgtagattt ttttttctgt acctttctaa acctctcttc cctctgtgat ggttttgtgt 2400 ttaaacaatc atcttctttt aaataatatc cacctctcct ttttgccatt tcacttattg 2460 attcataaag tgaattttat ttaaagctat gccacacatg catgttcaa 2509
【0214】 <210> 32 <211> 670 <212> PRT <213> human <400> 32 Met Gly Glu Pro Ala Gly Val Ala Gly Thr Met Glu Ser Pro Phe 1 5 10 15 Ser Pro Gly Leu Phe His Arg Leu Asp Glu Asp Trp Asp Ser Ala 20 25 30 Leu Phe Ala Glu Leu Gly Tyr Phe Thr Asp Thr Asp Glu Leu Gln 35 40 45 Leu Glu Ala Ala Asn Glu Thr Tyr Glu Asn Asn Phe Asp Asn Leu 50 55 60 Asp Phe Asp Leu Asp Leu Met Pro Trp Glu Ser Asp Ile Trp Asp 65 70 75 Ile Asn Asn Gln Ile Cys Thr Val Lys Asp Ile Lys Ala Glu Pro 80 85 90 Gln Pro Leu Ser Pro Ala Ser Ser Ser Tyr Ser Val Ser Ser Pro 95 100 105 Arg Ser Val Asp Ser Tyr Ser Ser Thr Gln His Val Pro Glu Glu 110 115 120 Leu Asp Leu Ser Ser Ser Ser Gln Met Ser Pro Leu Ser Leu Tyr 125 130 135 Gly Glu Asn Ser Asn Ser Leu Ser Ser Pro Glu Pro Leu Lys Glu 140 145 150 Asp Lys Pro Val Thr Gly Ser Arg Asn Lys Thr Glu Asn Gly Leu 155 160 165 Thr Pro Lys Lys Lys Ile Gln Val Asn Ser Lys Pro Ser Ile Gln 170 175 180 Pro Lys Pro Leu Leu Leu Pro Ala Ala Pro Lys Thr Gln Thr Asn 185 190 195 Ser Ser Val Pro Ala Lys Thr Ile Ile Ile Gln Thr Val Pro Thr 200 205 210 Leu Met Pro Leu Ala Lys Gln Gln Pro Ile Ile Ser Leu Gln Pro 215 220 225 Ala Pro Thr Lys Gly Gln Thr Val Leu Leu Ser Gln Pro Thr Val 230 235 240 Val Gln Leu Gln Ala Pro Gly Val Leu Pro Ser Ala Gln Pro Val 245 250 255 Leu Ala Val Ala Gly Gly Val Thr Gln Leu Pro Asn His Val Val 260 265 270 Asn Val Val Pro Ala Pro Ser Ala Asn Ser Pro Val Asn Gly Lys 275 280 285 Leu Ser Val Thr Lys Pro Val Leu Gln Ser Thr Met Arg Asn Val 290 295 300 Gly Ser Asp Ile Ala Val Leu Arg Arg Gln Gln Arg Met Ile Lys 305 310 315 Asn Arg Glu Ser Ala Cys Gln Ser Arg Lys Lys Lys Lys Glu Tyr 320 325 330 Met Leu Gly Leu Glu Ala Arg Leu Lys Ala Ala Leu Ser Glu Asn 335 340 345 Glu Gln Leu Lys Lys Glu Asn Gly Thr Leu Lys Arg Gln Leu Asp 350 355 360 Glu Val Val Ser Glu Asn Gln Arg Leu Lys Val Pro Ser Pro Lys 365 370 375 Arg Arg Val Val Cys Val Met Ile Val Leu Ala Phe Ile Ile Leu 380 385 390 Asn Tyr Gly Pro Met Ser Met Leu Glu Gln Asp Ser Arg Arg Met 395 400 405 Asn Pro Ser Val Ser Pro Ala Asn Gln Arg Arg His Leu Leu Gly 410 415 420 Phe Ser Ala Lys Glu Ala Gln Asp Thr Ser Asp Gly Ile Ile Gln 425 430 435 Lys Asn Ser Tyr Arg Tyr Asp His Ser Val Ser Asn Asp Lys Ala 440 445 450 Leu Met Val Leu Thr Glu Glu Pro Leu Leu Tyr Ile Pro Pro Pro 455 460 465 Pro Cys Gln Pro Leu Ile Asn Thr Thr Glu Ser Leu Arg Leu Asn 470 475 480 His Glu Leu Arg Gly Trp Val His Arg His Glu Val Glu Arg Thr 485 490 495 Lys Ser Arg Arg Met Thr Asn Asn Gln Gln Lys Thr Arg Ile Leu 500 505 510 Gln Gly Ala Leu Glu Gln Gly Ser Asn Ser Gln Leu Met Ala Val 515 520 525 Gln Tyr Thr Glu Thr Thr Ser Ser Ile Ser Arg Asn Ser Gly Ser 530 535 540 Glu Leu Gln Val Tyr Tyr Ala Ser Pro Arg Ser Tyr Gln Asp Phe 545 550 555 Phe Glu Ala Ile Arg Arg Arg Gly Asp Thr Phe Tyr Val Val Ser 560 565 570 Phe Arg Arg Asp His Leu Leu Leu Pro Ala Thr Thr His Asn Lys 575 580 585 Thr Thr Arg Pro Lys Met Ser Ile Val Leu Pro Ala Ile Asn Ile 590 595 600 Asn Glu Asn Val Ile Asn Gly Gln Asp Tyr Glu Val Met Met Gln 605 610 615 Ile Asp Cys Gln Val Met Asp Thr Arg Ile Leu His Ile Lys Ser 620 625 630 Ser Ser Val Pro Pro Tyr Leu Arg Asp Gln Gln Arg Asn Gln Thr 635 640 645 Asn Thr Phe Phe Gly Ser Pro Pro Ala Ala Thr Glu Ala Thr His 650 655 660 Val Val Ser Thr Ile Pro Glu Ser Leu Gln 665 670
【0215】 <210> 33 <211> 2620 <212> DNA <213> human <400> 33 ggcgggcctt gggaaccgtc tcctggttgt ggggtggggg ggaaagatgg cggagctgat 60 gctgctcagc gagattgctg acccgacgcg tttcttcacc gacaacctgc ttagcccgga 120 ggactgggac agcaccttgt attctggcct agatgaagtg gccgaggagc agacgcagct 180 cttccgttgc ccggagcagg atgtcccgtt tgacggcagc tccctggacg tggggatgga 240 tgtcagcccc tctgagcccc catgggaact cctgccgatc ttcccagatc ttcaggtgaa 300 gtctgagcca tcttccccct gctcttcctc ctccctcagc tccgagtcat cgcgtctctc 360 cacagagcca tccagcgagg ctcttggggt aggggaggtg ctccatgtga agacagagtc 420 cttggcaccc ccactgtgtc tcctgggaga tgacccaaca tcctcatttg aaaccgtcca 480 gatcaacgtt atccccacct ctgatgattc ctcagatgtc cagaccaaga tagaacctgt 540 ctctccatgt tcttccgtca actctgaggc ctccctgctc tcagccgact cctccagcca 600 ggcttttata ggagaggagg tcctggaagt gaagacagag tccctgtccc cttcaggatg 660 cctcctgtgg gatgtcccag ccccctcact tggagctgtc cagatcagca tgggcccatc 720 ccttgatggc tcctcaggca aagccctgcc cacccggaag ccgccactgc agcccaaacc 780 tgtagtgcta accactgtcc caatgccatc cagagctgtg cctcccagca ccacagtcct 840 tctgcagtcc ctcgtccagc cacccccagt gtccccagtt gtcctcatcc agggtgctat 900 tcgagtccag cctgaagggc cggctccctc tctaccacgg cctgagagga agagcatcgt 960 tcccgctcct atgcctggaa actcctgccc gcctgaagtg gatgcaaagc tgctgaagcg 1020 gcagcagcga atgatcaaga accgggagtc agcctgccag tcccggagaa agaagaaaga 1080 gtatctgcag ggactggagg ctcggctgca agcagtactg gctgacaacc agcagctccg 1140 ccgagagaat gctgccctcc ggcggcggct ggaggccctg ctggctgaaa acagcgagct 1200 caagttaggg tctggaaaca ggaaggtggt ctgcatcatg gtcttccttc tcttcattgc 1260 cttcaacttt ggacctgtca gcatcagtga gcctccttca gctcccatct ctcctcggat 1320 gaacaagggg gagcctcaac cccggagaca cttgctgggg ttctcagagc aagagccagt 1380 tcagggagtt gaacctctcc aggggtcctc ccagggccct aaggagcccc agcccagccc 1440 cacagaccag cccagtttca gcaacctgac agccttccct gggggcgcca aggagctact 1500 actaagagac ctagaccagc tcttcctctc ctctgattgc cggcacttca accgcactga 1560 gtccctgagg cttgctgacg agttgagtgg ctgggtccag cgccaccaga gaggccggag 1620 gaagatccct cagagggccc aggagagaca gaagtctcag ccacggaaga agtcacctcc 1680 agttaaggca gtccccatcc aaccccctgg acccccagaa agggattctg tgggccagct 1740 gcaactatat cgccacccag accgttcgca gccagcattc ttggatgcaa ttgaccgacg 1800 ggaagacaca ttttatgttg tctctttccg aaggggccac ctgctgctcc cagccatcag 1860 ccacaacaag acctcccggc ccaagatgtc cctggtgatg cctgccatgg cccccaatga 1920 gaccctgtca ggccgtgggg ccccggggga ctatgaggag atgatgcaga tcgagtgtga 1980 ggtcatggac accagggtga ttcacatcaa gacctccaca gtgcccccct cgctccgaaa 2040 acagccatcc ccaaccccag gcaatgccac aggtggcccc ttgccagtct ctgcagccag 2100 ccaggcccac caggcctccc accagcccct ctacctcaat catccctgac ctctgccatt 2160 cacactgact tagaacgggg ggagggggta ccaggtggcc aggtgggact gtttcaaatt 2220 tccctgatcc ccaggcttgg ggcaattggt aaaggaaaga gcaggtgtgg gggttaagca 2280 cttatttgag gtgggggtgt tcacctctct tctcatccct ttatcagaat atagggctcc 2340 tctcattcct gtgaaccccc agtcctggct tctttgtttg aggggattgt gtgaggttca 2400 gttgtggggt gggtggtgag ctgctgcata ttttttattg tgtttctcta gtgttatggc 2460 agtggaggtg ggaatttagt ccccaggtgg gacaagggaa gttttttcat tttggagcta 2520 gttactggga gtaagggagg gtggggtggg ggggagttca ggtttatgtg tgtgcatttc 2580 ttttttatta ttactaaata aacaacttgg agggagttga 2620
【0216】 <210> 34 <211> 700 <212> PRT <213> human <400> 34 Met Ala Glu Leu Met Leu Leu Ser Glu Ile Ala Asp Pro Thr Arg 1 5 10 15 Phe Phe Thr Asp Asn Leu Leu Ser Pro Glu Asp Trp Asp Ser Thr 20 25 30 Leu Tyr Ser Gly Leu Asp Glu Val Ala Glu Glu Gln Thr Gln Leu 35 40 45 Phe Arg Cys Pro Glu Gln Asp Val Pro Phe Asp Gly Ser Ser Leu 50 55 60 Asp Val Gly Met Asp Val Ser Pro Ser Glu Pro Pro Trp Glu Leu 65 70 75 Leu Pro Ile Phe Pro Asp Leu Gln Val Lys Ser Glu Pro Ser Ser 80 85 90 Pro Cys Ser Ser Ser Ser Leu Ser Ser Glu Ser Ser Arg Leu Ser 95 100 105 Thr Glu Pro Ser Ser Glu Ala Leu Gly Val Gly Glu Val Leu His 110 115 120 Val Lys Thr Glu Ser Leu Ala Pro Pro Leu Cys Leu Leu Gly Asp 125 130 135 Asp Pro Thr Ser Ser Phe Glu Thr Val Gln Ile Asn Val Ile Pro 140 145 150 Thr Ser Asp Asp Ser Ser Asp Val Gln Thr Lys Ile Glu Pro Val 155 160 165 Ser Pro Cys Ser Ser Val Asn Ser Glu Ala Ser Leu Leu Ser Ala 170 175 180 Asp Ser Ser Ser Gln Ala Phe Ile Gly Glu Glu Val Leu Glu Val 185 190 195 Lys Thr Glu Ser Leu Ser Pro Ser Gly Cys Leu Leu Trp Asp Val 200 205 210 Pro Ala Pro Ser Leu Gly Ala Val Gln Ile Ser Met Gly Pro Ser 215 220 225 Leu Asp Gly Ser Ser Gly Lys Ala Leu Pro Thr Arg Lys Pro Pro 230 235 240 Leu Gln Pro Lys Pro Val Val Leu Thr Thr Val Pro Met Pro Ser 245 250 255 Arg Ala Val Pro Pro Ser Thr Thr Val Leu Leu Gln Ser Leu Val 260 265 270 Gln Pro Pro Pro Val Ser Pro Val Val Leu Ile Gln Gly Ala Ile 275 280 285 Arg Val Gln Pro Glu Gly Pro Ala Pro Ser Leu Pro Arg Pro Glu 290 295 300 Arg Lys Ser Ile Val Pro Ala Pro Met Pro Gly Asn Ser Cys Pro 305 310 315 Pro Glu Val Asp Ala Lys Leu Leu Lys Arg Gln Gln Arg Met Ile 320 325 330 Lys Asn Arg Glu Ser Ala Cys Gln Ser Arg Arg Lys Lys Lys Glu 335 340 345 Tyr Leu Gln Gly Leu Glu Ala Arg Leu Gln Ala Val Leu Ala Asp 350 355 360 Asn Gln Gln Leu Arg Arg Glu Asn Ala Ala Leu Arg Arg Arg Leu 365 370 375 Glu Ala Leu Leu Ala Glu Asn Ser Glu Leu Lys Leu Gly Ser Gly 380 385 390 Asn Arg Lys Val Val Cys Ile Met Val Phe Leu Leu Phe Ile Ala 395 400 405 Phe Asn Phe Gly Pro Val Ser Ile Ser Glu Pro Pro Ser Ala Pro 410 415 420 Ile Ser Pro Arg Met Asn Lys Gly Glu Pro Gln Pro Arg Arg His 425 430 435 Leu Leu Gly Phe Ser Glu Gln Glu Pro Val Gln Gly Val Glu Pro 440 445 450 Leu Gln Gly Ser Ser Gln Gly Pro Lys Glu Pro Gln Pro Ser Pro 455 460 465 Thr Asp Gln Pro Ser Phe Ser Asn Leu Thr Ala Phe Pro Gly Gly 470 475 480 Ala Lys Glu Leu Leu Leu Arg Asp Leu Asp Gln Leu Phe Leu Ser 485 490 495 Ser Asp Cys Arg His Phe Asn Arg Thr Glu Ser Leu Arg Leu Ala 500 505 510 Asp Glu Leu Ser Gly Trp Val Gln Arg His Gln Arg Gly Arg Arg 515 520 525 Lys Ile Pro Gln Arg Ala Gln Glu Arg Gln Lys Ser Gln Pro Arg 530 535 540 Lys Lys Ser Pro Pro Val Lys Ala Val Pro Ile Gln Pro Pro Gly 545 550 555 Pro Pro Glu Arg Asp Ser Val Gly Gln Leu Gln Leu Tyr Arg His 560 565 570 Pro Asp Arg Ser Gln Pro Ala Phe Leu Asp Ala Ile Asp Arg Arg 575 580 585 Glu Asp Thr Phe Tyr Val Val Ser Phe Arg Arg Gly His Leu Leu 590 595 600 Leu Pro Ala Ile Ser His Asn Lys Thr Ser Arg Pro Lys Met Ser 605 610 615 Leu Val Met Pro Ala Met Ala Pro Asn Glu Thr Leu Ser Gly Arg 620 625 630 Gly Ala Pro Gly Asp Tyr Glu Glu Met Met Gln Ile Glu Cys Glu 635 640 645 Val Met Asp Thr Arg Val Ile His Ile Lys Thr Ser Thr Val Pro 650 655 660 Pro Ser Leu Arg Lys Gln Pro Ser Pro Thr Pro Gly Asn Ala Thr 665 670 675 Gly Gly Pro Leu Pro Val Ser Ala Ala Ser Gln Ala His Gln Ala 680 685 690 Ser His Gln Pro Leu Tyr Leu Asn His Pro 695 700
【0217】 <210> 35 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 35 ccttcaccaa tcggcggcct ccacgacgg 29
【0218】 <210> 36 <211> 29 <212> DNA <213> human <400> 36 ccttcagact acggcggcct gatgtacgg 29
【図1】図1は、ヒトGRP78プロモーター−140
〜−19の近位領域の塩基配列を示す図である。C1〜
C5で示されたCCAAT様モチーフおよびTATA配
列は、それぞれボックスおよびアンダーラインを付し
た。また、COREおよびC1領域、SICRおよびC
CAAT(N9 )CCACGモチーフの局在を示す。
〜−19の近位領域の塩基配列を示す図である。C1〜
C5で示されたCCAAT様モチーフおよびTATA配
列は、それぞれボックスおよびアンダーラインを付し
た。また、COREおよびC1領域、SICRおよびC
CAAT(N9 )CCACGモチーフの局在を示す。
【図2】図2は、ヒトGRP78プロモーターの−13
9〜−42領域のタンデムリピート構造を示す図であ
る。この領域内の3つの繰り返し配列を整列させ、少な
くとも2つの繰り返し配列間で保存された塩基を網かけ
で示す。ERSEコンセンサスを最上部に示す。
9〜−42領域のタンデムリピート構造を示す図であ
る。この領域内の3つの繰り返し配列を整列させ、少な
くとも2つの繰り返し配列間で保存された塩基を網かけ
で示す。ERSEコンセンサスを最上部に示す。
【図3】図3は、公知の哺乳類およびニワトリGRPプ
ロモーターのERSE様配列(配列番号:5〜30)を
示す図である。コンセンサスと一致する塩基を網かけで
示す。図中、CRTはカルレティキュリンを示す。
ロモーターのERSE様配列(配列番号:5〜30)を
示す図である。コンセンサスと一致する塩基を網かけで
示す。図中、CRTはカルレティキュリンを示す。
【図4】図4は、種々のGRPプロモーター内のERS
E様配列の位置および方向を黒矢印で示す。CCAAT
およびTATA配列は、それぞれ白矢印および小さいボ
ックスで示す。
E様配列の位置および方向を黒矢印で示す。CCAAT
およびTATA配列は、それぞれ白矢印および小さいボ
ックスで示す。
【図5】図5は、脊椎動物、植物、およびカビにおける
ERSE様モチーフを示す図である。図中、CRTはカ
ルレティキュリン、PDIはプロテインジスルフィドイ
ソメラーゼ、Dmはドロスフィラ・メラノガスター(D
rosophila melanogaster)、C
eはカエノルハディティス・エレガンス(Caenor
habditis elegans)、Atはアラビド
シス・タリアナ(Arabidopsis thali
ana)、Soはスピナシア・オレラシア(Spina
cia oreracea)、Rcはリチヌス・コミュ
ニス(Ricinus communis)、Anはア
スペルギルス・ニガー(Aspergillus ni
gar)を示す。
ERSE様モチーフを示す図である。図中、CRTはカ
ルレティキュリン、PDIはプロテインジスルフィドイ
ソメラーゼ、Dmはドロスフィラ・メラノガスター(D
rosophila melanogaster)、C
eはカエノルハディティス・エレガンス(Caenor
habditis elegans)、Atはアラビド
シス・タリアナ(Arabidopsis thali
ana)、Soはスピナシア・オレラシア(Spina
cia oreracea)、Rcはリチヌス・コミュ
ニス(Ricinus communis)、Anはア
スペルギルス・ニガー(Aspergillus ni
gar)を示す。
【図6】図6は、ERSE破壊の影響を示す図である。
パネル(A)はヒトGRP78、パネル(B)はGRP
94、パネル(C)はカルレティキュリンのそれぞれの
プロモーター活性に対するERSE破壊の影響を示す。
GRP78プロモーターのERSE1、ERSE2およ
びERSE3、GRPプロモーターのERSE1および
ERSE3、ならびにカルレティキュリンプロモーター
のERSE2およびERSE3のそれぞれを、gatc
T(N9 )aacat、Ctcga(N9)aaca
c、gagcT(N9 )aacgc、atgtt
(N9 )Agctc、gatcT(N9 )aactcお
よびatgtt(N9 )Agatcとなるように変異さ
せることにより破壊した。完全なまたは得られた変異プ
ロモーターはpGL3−ベーシックベクターのKpnI
−XhoI部位に挿入した。左パネルは、完全なまたは
変異ERSE破壊構築物の概略図を示す。矢印の数字
は、転写開始部位からのヌクレオチド位置を示す。黒塗
りボックスおよび斜線のボックスは、それぞれ完全なE
RSEモチーフおよびERSEコンセンサス配列に顕著
な相同性を示すERSEモチーフを示す。バツ印は、破
壊されたERSEを示す。中央のパネルは、細胞へのト
ランスフェクションによるホタルルシフェラーゼの相対
活性を示す。黒棒および白棒は、それぞれ2μg/ml
のツニカマイシン(図中、TMと示す)による16時間
処理および未処理の前記構築物による一過性トランスフ
ェクトHeLa細胞を示す。右パネルはリポーター活性
の基底レベルに対する誘導された活性の誘導倍率を示
す。ルシフェラーゼ相対活性および誘導倍率は、4回の
独立した一過性発現アッセイにより決定した。
パネル(A)はヒトGRP78、パネル(B)はGRP
94、パネル(C)はカルレティキュリンのそれぞれの
プロモーター活性に対するERSE破壊の影響を示す。
GRP78プロモーターのERSE1、ERSE2およ
びERSE3、GRPプロモーターのERSE1および
ERSE3、ならびにカルレティキュリンプロモーター
のERSE2およびERSE3のそれぞれを、gatc
T(N9 )aacat、Ctcga(N9)aaca
c、gagcT(N9 )aacgc、atgtt
(N9 )Agctc、gatcT(N9 )aactcお
よびatgtt(N9 )Agatcとなるように変異さ
せることにより破壊した。完全なまたは得られた変異プ
ロモーターはpGL3−ベーシックベクターのKpnI
−XhoI部位に挿入した。左パネルは、完全なまたは
変異ERSE破壊構築物の概略図を示す。矢印の数字
は、転写開始部位からのヌクレオチド位置を示す。黒塗
りボックスおよび斜線のボックスは、それぞれ完全なE
RSEモチーフおよびERSEコンセンサス配列に顕著
な相同性を示すERSEモチーフを示す。バツ印は、破
壊されたERSEを示す。中央のパネルは、細胞へのト
ランスフェクションによるホタルルシフェラーゼの相対
活性を示す。黒棒および白棒は、それぞれ2μg/ml
のツニカマイシン(図中、TMと示す)による16時間
処理および未処理の前記構築物による一過性トランスフ
ェクトHeLa細胞を示す。右パネルはリポーター活性
の基底レベルに対する誘導された活性の誘導倍率を示
す。ルシフェラーゼ相対活性および誘導倍率は、4回の
独立した一過性発現アッセイにより決定した。
【図7】図7は、GRP78、GRP94およびカルレ
ティキュリンのERSEモチーフの転写誘導への関与を
調べた結果を示す図である。図中に示すフランキング領
域を有する各々のERSEをコードするオリゴヌクレオ
チドをpGL3−プロモーターベクターのBglII部
位に挿入した。ルシフェラーゼ相対活性および誘導倍率
を図6で記載されたと同様に、4回の独立した一過性発
現アッセイにより決定した。
ティキュリンのERSEモチーフの転写誘導への関与を
調べた結果を示す図である。図中に示すフランキング領
域を有する各々のERSEをコードするオリゴヌクレオ
チドをpGL3−プロモーターベクターのBglII部
位に挿入した。ルシフェラーゼ相対活性および誘導倍率
を図6で記載されたと同様に、4回の独立した一過性発
現アッセイにより決定した。
【図8】図8は、ヒトGRP78プロモーター由来のE
RSE1において、転写誘導に必要とされるヌクレオチ
ドを調べた結果の図である。セグメント〔−65〜−4
3〕の各ヌクレオチドをトランスバージョンにより置き
換え(図中、置換ヌクレオチドを小文字で示す)、変異
断片をpGL2−プロモーターベクターのXhoI−B
glII部位に挿入した。データは、4回の独立した実
験の平均で示す。
RSE1において、転写誘導に必要とされるヌクレオチ
ドを調べた結果の図である。セグメント〔−65〜−4
3〕の各ヌクレオチドをトランスバージョンにより置き
換え(図中、置換ヌクレオチドを小文字で示す)、変異
断片をpGL2−プロモーターベクターのXhoI−B
glII部位に挿入した。データは、4回の独立した実
験の平均で示す。
【図9】図9は、ヒトGRP78プロモーター由来のE
RSE1において、転写誘導に必要とされるヌクレオチ
ドを調べた結果の図である。CCACGの各ヌクレオチ
ドとその近傍の配列を小文字で示すように変化させた。
セグメント〔−65〜−38〕の変異フラグメントを、
図8と同様にpGL2−プロモーターベクターに挿入し
た。また、CCAATとCCACGの間に付加的なAを
含む挿入変異をライン38〜40に示す。データは、4
回の独立した実験の平均で示す。
RSE1において、転写誘導に必要とされるヌクレオチ
ドを調べた結果の図である。CCACGの各ヌクレオチ
ドとその近傍の配列を小文字で示すように変化させた。
セグメント〔−65〜−38〕の変異フラグメントを、
図8と同様にpGL2−プロモーターベクターに挿入し
た。また、CCAATとCCACGの間に付加的なAを
含む挿入変異をライン38〜40に示す。データは、4
回の独立した実験の平均で示す。
【図10】図10は、ヒトGRP78、GRP94およ
びカルレティキュリンのERSE媒介誘導における様々
な小胞体ストレス誘導剤の影響を示す図である。示され
た構築物による一過性トランスフェクト細胞を2μg/
mlのTM(黒棒)、1μMのA23187(斜線を付
した棒)、または100nMのTg(点を付した棒)で
16時間処理した。図中に示された各構築物は、図6の
構築物に対応する。データは4回の独立した実験から得
た。
びカルレティキュリンのERSE媒介誘導における様々
な小胞体ストレス誘導剤の影響を示す図である。示され
た構築物による一過性トランスフェクト細胞を2μg/
mlのTM(黒棒)、1μMのA23187(斜線を付
した棒)、または100nMのTg(点を付した棒)で
16時間処理した。図中に示された各構築物は、図6の
構築物に対応する。データは4回の独立した実験から得
た。
【図11】図11は、酵母におけるワン−ハイブリッド
スクリーニングに用いたレポータプラスミドの構造を示
す。
スクリーニングに用いたレポータプラスミドの構造を示
す。
【図12】図12は、レポータ遺伝子発現におけるクロ
ーン3−GAL4AD融合タンパク質の影響を示す図で
ある。GAL4ADタンパク質単独またはクローン3−
GAL4AD融合タンパク質のそれぞれをコードする遺
伝子を有するエフェクタープラスミドを完全なERSE
(5’−CCTTCACCAATCGGCGGCCTC
CACGACGG−3’)または変異ERSE(図中、
小文字部分を変異)の制御下にlacZ遺伝子のレポー
タープラスミドを保持する酵母株KMY1015に導入
した。
ーン3−GAL4AD融合タンパク質の影響を示す図で
ある。GAL4ADタンパク質単独またはクローン3−
GAL4AD融合タンパク質のそれぞれをコードする遺
伝子を有するエフェクタープラスミドを完全なERSE
(5’−CCTTCACCAATCGGCGGCCTC
CACGACGG−3’)または変異ERSE(図中、
小文字部分を変異)の制御下にlacZ遺伝子のレポー
タープラスミドを保持する酵母株KMY1015に導入
した。
【図13】図13は、ヒトATF6の塩基性領域の比較
を示す図である。パネル(A)は酵母Hac1p、パネ
ル(B)はヒトATF/CREBファミリー、パネル
(C)はbZIPタンパク質との比較を示す。
を示す図である。パネル(A)は酵母Hac1p、パネ
ル(B)はヒトATF/CREBファミリー、パネル
(C)はbZIPタンパク質との比較を示す。
【図14】図14は、GRPプロモーターにおけるAT
F6過剰発現の影響を示す図である。全長ATF6 c
DNAを保持するエフェクタープラスミドまたはプラス
ミドベクター単独100ng、完全なまたは変異GRP
プロモーターと融合させたルシフェラーゼ遺伝子を含む
レポータープラスミド1μgを有するHeLa細胞にコ
トランスフェクトした。使用した変異プロモーター構築
物は、図6の構築物に対応する。黒棒および白棒は、そ
れぞれ2μg/mlのツニカマイシン(図中、TMに示
す)による16時間処理および未処理の細胞を示す。実
験は4回繰り返した。
F6過剰発現の影響を示す図である。全長ATF6 c
DNAを保持するエフェクタープラスミドまたはプラス
ミドベクター単独100ng、完全なまたは変異GRP
プロモーターと融合させたルシフェラーゼ遺伝子を含む
レポータープラスミド1μgを有するHeLa細胞にコ
トランスフェクトした。使用した変異プロモーター構築
物は、図6の構築物に対応する。黒棒および白棒は、そ
れぞれ2μg/mlのツニカマイシン(図中、TMに示
す)による16時間処理および未処理の細胞を示す。実
験は4回繰り返した。
【図15】図15は、ATF6とCREB−RPとの構
造的相同性を示す。顕著な相同性を示す領域は、ボック
スで示し、同一性を%で示した。
造的相同性を示す。顕著な相同性を示す領域は、ボック
スで示し、同一性を%で示した。
【図16】図16は、GRPプロモーターにおけるCR
EB−RPの過剰発現の影響を示す図である。全長CR
EB−RPを含むエフェクタープラスミドを図14と同
様にレポータプラスミドを有するHeLa細胞にコトラ
ンスフェクトした。実験は4回繰り返した。図中、TM
は、ツニカマイシンを示す。
EB−RPの過剰発現の影響を示す図である。全長CR
EB−RPを含むエフェクタープラスミドを図14と同
様にレポータプラスミドを有するHeLa細胞にコトラ
ンスフェクトした。実験は4回繰り返した。図中、TM
は、ツニカマイシンを示す。
【図17】図17は、ATF6mRNAのノーザンブロ
ットハイブイリダイゼーション解析を示す図である。H
eLa細胞は、2μg/mlのツニカマイシン(図中、
TMとする)で示された時間処理した。
ットハイブイリダイゼーション解析を示す図である。H
eLa細胞は、2μg/mlのツニカマイシン(図中、
TMとする)で示された時間処理した。
【図18】図18は、ATF6タンパク質のイムノブロ
ッティング解析を示す図である。インビトロ翻訳を対照
ベクター(レーン1)またはATF6cDNA(レーン
2)を有する網状赤血球の溶解物を用いて行なった。全
細胞抽出物は、2μg/mlのTMで4時間処理(レー
ン4および6)もしくは未処理(レーン3または5)の
HeLa細胞、または対照ベクター(レーン7)もしく
はATF6発現プラスミド(レーン8)でトランスフェ
クトしたHeLa細胞から調製した。タンパク質は、抗
B03N抗血清(レーン1〜4、7および8)または抗
ペプチド〔抗ATF6(N21−34)〕抗血清(レー
ン5および6)を用いて検出した。白矢印および黒矢印
は、それぞれp90ATF6およびp50ATF6の位
置を示す。
ッティング解析を示す図である。インビトロ翻訳を対照
ベクター(レーン1)またはATF6cDNA(レーン
2)を有する網状赤血球の溶解物を用いて行なった。全
細胞抽出物は、2μg/mlのTMで4時間処理(レー
ン4および6)もしくは未処理(レーン3または5)の
HeLa細胞、または対照ベクター(レーン7)もしく
はATF6発現プラスミド(レーン8)でトランスフェ
クトしたHeLa細胞から調製した。タンパク質は、抗
B03N抗血清(レーン1〜4、7および8)または抗
ペプチド〔抗ATF6(N21−34)〕抗血清(レー
ン5および6)を用いて検出した。白矢印および黒矢印
は、それぞれp90ATF6およびp50ATF6の位
置を示す。
【図19】図19は、p50ATF6の出現と細胞内U
PR活性との関連性を示す図である。2μg/mlのT
M、7μMのA23187または300nMのタプシガ
ーギン(図中、Tgとする)で示された時間、HeLa
細胞を処理した。また、前記処理した細胞群とは別のH
eLa細胞を、43℃で1時間、ヒートショックし、3
7℃で示された時間回復した。全細胞抽出物を調製し、
抗B03N抗血清またはGRP78もしくはHSP70
に特異的な抗血清を用いてイムノブロッティングにより
解析した。
PR活性との関連性を示す図である。2μg/mlのT
M、7μMのA23187または300nMのタプシガ
ーギン(図中、Tgとする)で示された時間、HeLa
細胞を処理した。また、前記処理した細胞群とは別のH
eLa細胞を、43℃で1時間、ヒートショックし、3
7℃で示された時間回復した。全細胞抽出物を調製し、
抗B03N抗血清またはGRP78もしくはHSP70
に特異的な抗血清を用いてイムノブロッティングにより
解析した。
【図20】図20は、ATF6のイムノブロット解析の
結果を示す図である。60mmディッシュ中で60%の
コンフルエンシーになるまで培養したHeLa細胞を2
μg/mlのツニカマイシン(TM)の存在下に示され
た時間インキュベートした。細胞をPBSで洗浄し、ラ
バーポリスマンで剥がし、LaemmliのSDSサン
プルバッファー100μlに溶解した。5分間煮沸した
のち、1×105 個の細胞に対応するアリコートをSD
S−PAGE(10%ゲル)に供し、抗ATF6抗体ま
たはGRP78を認識するKDEL抗体でイムノブロッ
トすることにより解析した。p90ATF6およびp5
0ATF6の位置をそれぞれ白矢印および黒矢印で示
す。星印は糖鎖が付加していないp90ATF6のバン
ドを示す。分子量マーカー(バイオラッド社製プレ染色
SDS−PAGE標品)の位置をも示す。
結果を示す図である。60mmディッシュ中で60%の
コンフルエンシーになるまで培養したHeLa細胞を2
μg/mlのツニカマイシン(TM)の存在下に示され
た時間インキュベートした。細胞をPBSで洗浄し、ラ
バーポリスマンで剥がし、LaemmliのSDSサン
プルバッファー100μlに溶解した。5分間煮沸した
のち、1×105 個の細胞に対応するアリコートをSD
S−PAGE(10%ゲル)に供し、抗ATF6抗体ま
たはGRP78を認識するKDEL抗体でイムノブロッ
トすることにより解析した。p90ATF6およびp5
0ATF6の位置をそれぞれ白矢印および黒矢印で示
す。星印は糖鎖が付加していないp90ATF6のバン
ドを示す。分子量マーカー(バイオラッド社製プレ染色
SDS−PAGE標品)の位置をも示す。
【図21】図21は、670アミノ酸からなるATF6
の概略図である。セリンクラスター、塩基性領域、およ
びロイシンジッパー〔Zhu et al., Mol. Cell. Biol.
17, 4957-4966 (1997)〕、ならびに本発明において同定
された膜貫通ドメインの位置を示す。太い下線は、抗A
TF6抗体を作製するために、大腸菌マルトース結合タ
ンパク質と融合させた領域(アミノ酸6〜307)を示
す。ハイドロパシー指標を〔Kyte and Doolittle, J. M
ol. Biol. 157, 105-132 (1982)〕の方法により計算し
た。
の概略図である。セリンクラスター、塩基性領域、およ
びロイシンジッパー〔Zhu et al., Mol. Cell. Biol.
17, 4957-4966 (1997)〕、ならびに本発明において同定
された膜貫通ドメインの位置を示す。太い下線は、抗A
TF6抗体を作製するために、大腸菌マルトース結合タ
ンパク質と融合させた領域(アミノ酸6〜307)を示
す。ハイドロパシー指標を〔Kyte and Doolittle, J. M
ol. Biol. 157, 105-132 (1982)〕の方法により計算し
た。
【図22】図22は、HeLa細胞の各画分中のp90
ATF6およびp50ATF6の分布を示す図である。
175cm2 フラスコ中60〜80%のコンフルエンシ
ーまで培養したHeLa細胞を2μg/mlのツニカマ
イシン(TM)の存在下(+)または非存在下(−)に
4時間インキュベートした。基本的に〔Dignam etal.,
(1983) 〕に記載に沿って、細胞を集め、Dounce
型ホモジナイザーで破砕し、ついで、破砕物を1,00
0×gで10分間遠心分離して核ペレット(図中、Nで
示す)および上清(S)を得た。得られた上清(S)を
さらに100,000×gで1時間遠心分離し、不溶性
膜画分(M)と可溶性サイトゾル画分(C)とを分離し
た。由来する細胞が0.5×105 個の細胞に対応する
示された画分ならびに分画していないHeLa細胞(全
細胞破砕物:W)のアリコートをSDS−PAGE(1
0%ゲル)に供し、抗ATF6抗体または示された種々
の抗体によるイムノブロッティングにより解析した。p
90ATF6およびp50ATF6を、それぞれ白矢印
および黒矢印で示す。
ATF6およびp50ATF6の分布を示す図である。
175cm2 フラスコ中60〜80%のコンフルエンシ
ーまで培養したHeLa細胞を2μg/mlのツニカマ
イシン(TM)の存在下(+)または非存在下(−)に
4時間インキュベートした。基本的に〔Dignam etal.,
(1983) 〕に記載に沿って、細胞を集め、Dounce
型ホモジナイザーで破砕し、ついで、破砕物を1,00
0×gで10分間遠心分離して核ペレット(図中、Nで
示す)および上清(S)を得た。得られた上清(S)を
さらに100,000×gで1時間遠心分離し、不溶性
膜画分(M)と可溶性サイトゾル画分(C)とを分離し
た。由来する細胞が0.5×105 個の細胞に対応する
示された画分ならびに分画していないHeLa細胞(全
細胞破砕物:W)のアリコートをSDS−PAGE(1
0%ゲル)に供し、抗ATF6抗体または示された種々
の抗体によるイムノブロッティングにより解析した。p
90ATF6およびp50ATF6を、それぞれ白矢印
および黒矢印で示す。
【図23】図23は、p90ATF6の可溶化の度合い
を示す図である。図22と同様に得られた、ストレスを
かけていないHeLa細胞由来の1,000×g上清
(S)画分を、0.1倍容量の下記溶液:H2 O、5M
NaCl、1M Na2 CO3 (pH11.0)、1
0% SDS、10% トリトンX−100または10
%デオキシコール酸ナトリウム(DOC)からなる群よ
り選ばれた1種と混合した。室温で15分間のインキュ
ベーション後、混合物を100,000×gで1時間の
遠心分離をして上清(S)とペレット(P)とを分離し
た。ついで、得られた試料をSDS−PAGE(10%
ゲル)に供し、抗ATF6抗体または抗N末端カルネキ
シン抗体を用いてイムノブロッティングを行なった。
を示す図である。図22と同様に得られた、ストレスを
かけていないHeLa細胞由来の1,000×g上清
(S)画分を、0.1倍容量の下記溶液:H2 O、5M
NaCl、1M Na2 CO3 (pH11.0)、1
0% SDS、10% トリトンX−100または10
%デオキシコール酸ナトリウム(DOC)からなる群よ
り選ばれた1種と混合した。室温で15分間のインキュ
ベーション後、混合物を100,000×gで1時間の
遠心分離をして上清(S)とペレット(P)とを分離し
た。ついで、得られた試料をSDS−PAGE(10%
ゲル)に供し、抗ATF6抗体または抗N末端カルネキ
シン抗体を用いてイムノブロッティングを行なった。
【図24】図24は、p90ATF6のトポロジーを示
す図である。ストレスをかけていないHeLa細胞から
調製された1,000×g上清(S)画分(50μgタ
ンパク質)をトリプシンの量を増加させて(レーン1、
5および9は0μg;レーン2、6および10は0.1
μg;レーン3、7および11は0.3μg;ならびに
レーン4、8および12は1.0μg)、室温で15分
間インキュベートした。等量の2×LaemmliのS
DS試料緩衝液の添加後、5分間の煮沸により消化を終
了した。試料をSDS−PAGE(10%ゲル)に供
し、抗ATF6抗体(レーン1〜4)、抗カルネキシン
N末端ドメイン抗体(カルネキシン−N、レーン5〜
8)、または抗カルネキシンC末端ドメイン抗体(カル
ネキシン−C、レーン9〜12)によるイムノブロッテ
ィングで解析した。p90ATF6の位置を矢印で示
す。全長カルネキシンの位置およびその細胞質ドメイン
を欠いた切形型を概略的に示す。
す図である。ストレスをかけていないHeLa細胞から
調製された1,000×g上清(S)画分(50μgタ
ンパク質)をトリプシンの量を増加させて(レーン1、
5および9は0μg;レーン2、6および10は0.1
μg;レーン3、7および11は0.3μg;ならびに
レーン4、8および12は1.0μg)、室温で15分
間インキュベートした。等量の2×LaemmliのS
DS試料緩衝液の添加後、5分間の煮沸により消化を終
了した。試料をSDS−PAGE(10%ゲル)に供
し、抗ATF6抗体(レーン1〜4)、抗カルネキシン
N末端ドメイン抗体(カルネキシン−N、レーン5〜
8)、または抗カルネキシンC末端ドメイン抗体(カル
ネキシン−C、レーン9〜12)によるイムノブロッテ
ィングで解析した。p90ATF6の位置を矢印で示
す。全長カルネキシンの位置およびその細胞質ドメイン
を欠いた切形型を概略的に示す。
【図25】図25は、哺乳類発現ベクターpCGNに挿
入した全長ATF6 cDNAであるATF6(67
0)および各種欠失変異体の概略図を示す。図中、塩基
性領域、ロイシンジッパーおよび膜貫通ドメインの位置
を示す。HAエピトープは、各欠失変異体のN末端に結
合している。
入した全長ATF6 cDNAであるATF6(67
0)および各種欠失変異体の概略図を示す。図中、塩基
性領域、ロイシンジッパーおよび膜貫通ドメインの位置
を示す。HAエピトープは、各欠失変異体のN末端に結
合している。
【図26】図26は、SDS−PAGEにおける種々の
C末端欠失変異体の移動度とp90ATF6およびp5
0ATF6の移動度との比較を示す図である。60mm
ディッシュ中のHeLa細胞をpCGNベクター単独
(Vec)またはATF6のC末端欠失変異体発現プラ
スミドで一過的に形質転換した。全タンパク質を1×L
aemmliのSDS試料緩衝液で直接抽出し、SDS
−PAGE(10%ゲル)に供し、抗ATF6抗体を用
いた免疫ブロッティングにより解析した。p90ATF
6およびp50ATF6の移動位置を、それぞれ白矢印
および黒矢印で示す。
C末端欠失変異体の移動度とp90ATF6およびp5
0ATF6の移動度との比較を示す図である。60mm
ディッシュ中のHeLa細胞をpCGNベクター単独
(Vec)またはATF6のC末端欠失変異体発現プラ
スミドで一過的に形質転換した。全タンパク質を1×L
aemmliのSDS試料緩衝液で直接抽出し、SDS
−PAGE(10%ゲル)に供し、抗ATF6抗体を用
いた免疫ブロッティングにより解析した。p90ATF
6およびp50ATF6の移動位置を、それぞれ白矢印
および黒矢印で示す。
【図27】図27は、ATF6の転写活性化ドメインを
解析した結果を示す図である。右パネルは、ATF6な
らびに種々のATF6サブ領域と酵母Gal4pのDN
A結合ドメイン(アミノ酸1〜147;GAL4DB)
との間の融合タンパク質の概略的構造を示す図である。
図中、点線は、構築物から欠損させた領域を示す。塩基
性ロイシンジッパー領域(bZIP)および膜貫通ドメ
イン(TMD)の位置を示す。右パネルは、種々の融合
タンパク質の転写活性を示す図である。24ウェルプレ
ート中HeLa細胞を、ホタルルシフェラーゼ遺伝子の
上流に5つのGal4p結合部位を含むレポータープラ
スミドpG5lucと共に各々の融合タンパク質発現プ
ラスミドで一過的にトランスフェクトした。構成的に発
現されたルシフェラーゼ活性を測定し、実施例に記載の
ように標準化した。相対活性を4回の独立した実験(各
3連の測定)の平均±標準偏差(バー)で示す。製造者
により供給された陽性対照(pBIND−Id+pAC
T−MyoD対照ベクター;プロメガ社製)は、本アッ
セイで4.6±0.3の相対活性を示した。
解析した結果を示す図である。右パネルは、ATF6な
らびに種々のATF6サブ領域と酵母Gal4pのDN
A結合ドメイン(アミノ酸1〜147;GAL4DB)
との間の融合タンパク質の概略的構造を示す図である。
図中、点線は、構築物から欠損させた領域を示す。塩基
性ロイシンジッパー領域(bZIP)および膜貫通ドメ
イン(TMD)の位置を示す。右パネルは、種々の融合
タンパク質の転写活性を示す図である。24ウェルプレ
ート中HeLa細胞を、ホタルルシフェラーゼ遺伝子の
上流に5つのGal4p結合部位を含むレポータープラ
スミドpG5lucと共に各々の融合タンパク質発現プ
ラスミドで一過的にトランスフェクトした。構成的に発
現されたルシフェラーゼ活性を測定し、実施例に記載の
ように標準化した。相対活性を4回の独立した実験(各
3連の測定)の平均±標準偏差(バー)で示す。製造者
により供給された陽性対照(pBIND−Id+pAC
T−MyoD対照ベクター;プロメガ社製)は、本アッ
セイで4.6±0.3の相対活性を示した。
【図28】図28は、ERSEを介した転写における全
長ATF6、C末端欠失変異体および転写活性化ドメイ
ン欠失変異体の過剰発現の影響を示す図である。24ウ
ェルプレート中HeLa細胞をpCGNベクター単独
(Vec)または各ATF6発現プラスミドとともにヒ
トGRP78プロモーターの制御下にホタルルシフェラ
ーゼ遺伝子を発現するレポータープラスミドpGL−G
78(−132)で一過的に形質転換した。ルシフェラ
ーゼ活性を測定する16時間前に、トランスフェクト細
胞を2μg/mlのツニカマイシン(TM)で処理(黒
棒)または処理しなかった(白棒)。相対活性を4回の
独立した実験(各3連の測定)の平均±標準偏差(バ
ー)で示す。
長ATF6、C末端欠失変異体および転写活性化ドメイ
ン欠失変異体の過剰発現の影響を示す図である。24ウ
ェルプレート中HeLa細胞をpCGNベクター単独
(Vec)または各ATF6発現プラスミドとともにヒ
トGRP78プロモーターの制御下にホタルルシフェラ
ーゼ遺伝子を発現するレポータープラスミドpGL−G
78(−132)で一過的に形質転換した。ルシフェラ
ーゼ活性を測定する16時間前に、トランスフェクト細
胞を2μg/mlのツニカマイシン(TM)で処理(黒
棒)または処理しなかった(白棒)。相対活性を4回の
独立した実験(各3連の測定)の平均±標準偏差(バ
ー)で示す。
【図29】図29は、CREB−RPのイムノブロット
解析の結果を示す図である。図20で記載された方法と
同様にして細胞抽出液をSDS−PAGEに供し、抗C
REB−RP抗体または抗ATF6抗体または抗KDE
L抗体でイムノブロットすることにより解析した。
解析の結果を示す図である。図20で記載された方法と
同様にして細胞抽出液をSDS−PAGEに供し、抗C
REB−RP抗体または抗ATF6抗体または抗KDE
L抗体でイムノブロットすることにより解析した。
【図30】図30は、ERSEを介した転写におけるp
60CREB−RPおよびp50ATF6の過剰発現の
影響を示す図である。96ウェルプレート中HeLa細
胞をpcDNA3.1ベクター単独またはATF6(1
−373)発現プラスミドまたはCREB−RP(1−
389)発現プラスミドとともにヒトGRP78プロモ
ーターの制御下にホタルルシフェラーゼ遺伝子を発現す
るレポータープラスミドpGL−G78(−132)で
一過的に形質転換した。相対活性を4回の独立した実験
(各3連の測定)の平均±標準値(バー)で示す。
60CREB−RPおよびp50ATF6の過剰発現の
影響を示す図である。96ウェルプレート中HeLa細
胞をpcDNA3.1ベクター単独またはATF6(1
−373)発現プラスミドまたはCREB−RP(1−
389)発現プラスミドとともにヒトGRP78プロモ
ーターの制御下にホタルルシフェラーゼ遺伝子を発現す
るレポータープラスミドpGL−G78(−132)で
一過的に形質転換した。相対活性を4回の独立した実験
(各3連の測定)の平均±標準値(バー)で示す。
【図31】図31は、ERSEを介した転写におけるC
REB−RP転写活性化ドメイン欠失体の過剰発現の影
響を示す図である。96ウェルプレート中HeLa細胞
をpcDNA3.1ベクター単独またはCREB−RP
(308−386)発現プラスミドとともにヒトGRP
78プロモーターの制御下にホタルルシフェラーゼ遺伝
子を発現するレポータープラスミドpGL−G78(−
132)で一過的に形質転換した。ルシフェラーゼ活性
を測定する16時間前に、トランスフェクト細胞を2μ
g/mlのツニカマイシンで処理(黒棒)または処理し
なかった(白棒)。相対活性を4回の独立した実験(各
3連の測定)の平均±標準偏差(バー)で示す。
REB−RP転写活性化ドメイン欠失体の過剰発現の影
響を示す図である。96ウェルプレート中HeLa細胞
をpcDNA3.1ベクター単独またはCREB−RP
(308−386)発現プラスミドとともにヒトGRP
78プロモーターの制御下にホタルルシフェラーゼ遺伝
子を発現するレポータープラスミドpGL−G78(−
132)で一過的に形質転換した。ルシフェラーゼ活性
を測定する16時間前に、トランスフェクト細胞を2μ
g/mlのツニカマイシンで処理(黒棒)または処理し
なかった(白棒)。相対活性を4回の独立した実験(各
3連の測定)の平均±標準偏差(バー)で示す。
【図32】図32は、ERSEを介した転写におけるC
REB−RP転写活性化ドメイン欠失体であるCREB
−RP(151−389)およびCREB−RP(81
−389)の過剰発現の影響を示す図である。図中、黒
棒および白棒は、図31と同様である。
REB−RP転写活性化ドメイン欠失体であるCREB
−RP(151−389)およびCREB−RP(81
−389)の過剰発現の影響を示す図である。図中、黒
棒および白棒は、図31と同様である。
フロントページの続き (72)発明者 由良 隆 京都市左京区修学院狭間町12 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA21 CA04 DA03 EA04 GA11 HA01 4B064 AG02 CA10 CA19 CC24 DA01 DA05
Claims (30)
- 【請求項1】 配列番号:1に示される塩基配列からな
るエレメント、または配列番号:1に示される塩基配列
において、1〜3個の塩基の他の塩基への置換を有する
塩基配列からなるエレメント、の有する転写誘導活性を
調節しうる小胞体ストレス転写因子。 - 【請求項2】 小胞体ストレス転写因子がbZIP転写
因子である、請求項1記載の小胞体ストレス転写因子。 - 【請求項3】 bZIP転写因子が、ATF6(配列番
号:32)またはCREB−RP(配列番号:34)で
ある請求項2記載の小胞体ストレス転写因子。 - 【請求項4】 (A)配列番号:31に示される塩基配
列からなる核酸、(B)配列番号:33に示される塩基
配列からなる核酸、(C)前記(A)または(B)記載
の核酸の塩基配列において、1個以上の塩基の置換、欠
失、付加もしくは挿入を有する塩基配列からなる核酸、
および(D)前記(A)〜(C)いずれか記載の核酸の
相補鎖にストリンジェントな条件下にハイブリダイズす
る核酸からなる群より選ばれた核酸によりコードされう
るポリペプチドからなる、請求項2記載の小胞体ストレ
ス転写因子。 - 【請求項5】 bZIP転写因子が、活性化型ATF6
である請求項2記載の小胞体ストレス転写因子。 - 【請求項6】 活性化型ATF6が、小胞体ストレスに
よりプロセシングされたp50ATF6である請求項5
記載の小胞体ストレス転写因子。 - 【請求項7】 活性化型ATF6が、p50ATF6を
コードするDNAを発現させて得られるポリペプチドで
ある、請求項5記載の小胞体ストレス転写因子。 - 【請求項8】 活性化型ATF6が、ATF6のアミノ
酸1〜373領域もしくは1〜366領域の全部または
一部を含むポリペプチドである請求項5記載の小胞体ス
トレス転写因子。 - 【請求項9】 bZIP転写因子が、活性化型CREB
−RPである請求項2記載の小胞体ストレス転写因子。 - 【請求項10】 活性化型CREB−RPが、小胞体ス
トレスによりプロセシングされたp60CREB−RP
である請求項9記載の小胞体ストレス転写因子。 - 【請求項11】 活性化型CREB−RPが、p60C
REB−RPをコードするDNAを発現させて得られる
ポリペプチドである、請求項9記載の小胞体ストレス転
写因子。 - 【請求項12】 活性化型CREB−RPが、CREB
−RPのアミノ酸1〜389領域の全部または一部を含
むポリペプチドである請求項9記載の小胞体ストレス転
写因子。 - 【請求項13】 bZIP転写因子が、抑制型ATF6
である請求項2記載の小胞体ストレス転写因子。 - 【請求項14】 抑制型ATF6が、ATF6のアミノ
酸1〜150領域の全部または一部が破壊されたポリペ
プチドである請求項13記載の小胞体ストレス転写因
子。 - 【請求項15】 抑制型ATF6が、請求項5〜8いず
れか記載の活性化型ATF6のアミノ酸1〜150領域
の全部または一部が破壊されたポリペプチドである請求
項13記載の小胞体ストレス転写因子。 - 【請求項16】 bZIP転写因子が、抑制型CREB
−RPである請求項2記載の小胞体ストレス転写因子。 - 【請求項17】 抑制型CREB−RPが、CREB−
RPのアミノ酸1〜307領域の全部または一部が破壊
されたポリペプチドである請求項16記載の小胞体スト
レス転写因子。 - 【請求項18】 抑制型CREB−RPが、請求項9〜
12いずれか記載の活性化型CREB−RPのアミノ酸
1〜307領域の全部または一部が破壊されたポリペプ
チドである請求項16記載の小胞体ストレス転写因子。 - 【請求項19】 請求項1〜18いずれか記載の小胞体
ストレス転写因子を発現させることを特徴とする小胞体
シャペロン遺伝子の発現制御方法。 - 【請求項20】 細胞内の小胞体ストレス転写因子の発
現量を調節する、請求項19記載の発現制御方法。 - 【請求項21】 発現させる小胞体ストレス転写因子の
選択により、小胞体シャペロン遺伝子の発現を正または
負に調節する、請求項19または20記載の発現制御方
法。 - 【請求項22】 請求項19〜21いずれか記載の方法
により、小胞体シャペロン遺伝子の発現を正に調節する
ことを特徴とする、外来タンパク質の発現方法。 - 【請求項23】 請求項6〜8いずれかにおいて規定さ
れた活性化型ATF6をコードする核酸またはその相補
鎖。 - 【請求項24】 (a)配列番号:32のアミノ酸番
号:1〜373に示されるアミノ酸配列をコードする塩
基配列からなる核酸、(b)配列番号:32のアミノ酸
番号:1〜366に示されるアミノ酸配列をコードする
塩基配列からなる核酸、(c)配列番号:31の塩基番
号:69〜1187に示される塩基配列からなる核酸、
(d)配列番号:31の塩基番号:69〜1166に示
される塩基配列からなる核酸、(e)前記(a)〜
(d)いずれか記載の核酸において、少なくとも1塩基
の置換、欠失、付加もしくは挿入を有する塩基配列から
なる核酸、および(f)前記(a)〜(e)いずれか記
載の核酸の相補鎖にストリンジェントな条件下にハイブ
リダイズする核酸からなる群より選ばれた、請求項16
記載の核酸またはその相補鎖。 - 【請求項25】 請求項10〜12いずれかにおいて規
定された活性化型CREB−RPをコードする核酸また
はその相補鎖。 - 【請求項26】 (g)配列番号:34のアミノ酸番
号:1〜389に示されるアミノ酸配列をコードする塩
基配列からなる核酸、(h)配列番号:33の塩基番
号:47〜1213に示される塩基配列からなる核酸、
(i)前記(g)または(h)いずれか記載の核酸にお
いて、少なくとも1塩基の置換、欠失、付加もしくは挿
入を有する塩基配列からなる核酸、および(j)前記
(g)〜(i)いずれか記載の核酸の相補鎖にストリン
ジェントな条件下にハイブリダイズする核酸からなる群
より選ばれた、請求項25記載の核酸またはその相補
鎖。 - 【請求項27】 請求項14または15において規定さ
れた抑制型ATF6をコードする核酸またはその相補
鎖。 - 【請求項28】 (k)配列番号:32のアミノ酸番
号:151〜670に示されるアミノ酸配列をコードす
る塩基配列からなる核酸、(l)配列番号:32のアミ
ノ酸番号:151〜373に示されるアミノ酸配列をコ
ードする塩基配列からなる核酸、(m)配列番号:32
のアミノ酸番号:151〜366に示されるアミノ酸配
列をコードする塩基配列からなる核酸、(n)配列番
号:31の塩基番号:519〜2078に示される塩基
配列からなる核酸、(o)配列番号:31の塩基番号:
519〜1187に示される塩基配列からなる核酸、
(p)配列番号:31の塩基番号:519〜1166に
示される塩基配列からなる核酸、(q)前記(k)〜
(p)いずれか記載の核酸の塩基配列において、少なく
とも1塩基の置換、欠失、付加もしくは挿入を有する塩
基配列からなる核酸、および(r)前記(k)〜(q)
いずれか記載の核酸の相補鎖にストリンジェントな条件
下にハイブリダイズする核酸からなる群より選ばれた、
請求項27記載の核酸またはその相補鎖。 - 【請求項29】 請求項17または18において規定さ
れた抑制型CREB−RPをコードする核酸またはその
相補鎖。 - 【請求項30】 (s)配列番号:34のアミノ酸番
号:308〜386に示されるアミノ酸配列をコードす
る塩基配列からなる核酸、(t)配列番号:33の塩基
番号:968〜1204に示される塩基配列からなる核
酸、(u)配列番号:34のアミノ酸番号:151〜3
89に示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列から
なる核酸、(v)配列番号:33の塩基番号:497〜
1213に示される塩基配列からなる核酸、(w)配列
番号:34のアミノ酸番号:81〜389に示されるア
ミノ酸配列をコードする塩基配列からなる核酸、(x)
配列番号:33の塩基番号:287〜1213に示され
る塩基配列からなる核酸、(y)前記(s)〜(x)い
ずれか記載の核酸において、少なくとも1塩基の置換、
欠失、付加もしくは挿入を有する塩基配列からなる核
酸、および(z)前記(s)〜(y)いずれか記載の核
酸の相補鎖にストリンジェントな条件下にハイブリダイ
ズする核酸からなる群より選ばれた、請求項29記載の
核酸またはその相補鎖。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11321743A JP2001054391A (ja) | 1998-11-13 | 1999-11-11 | 小胞体ストレス転写因子 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10-324227 | 1998-11-13 | ||
JP32422798 | 1998-11-13 | ||
JP11-163112 | 1999-06-09 | ||
JP16311299 | 1999-06-09 | ||
JP11321743A JP2001054391A (ja) | 1998-11-13 | 1999-11-11 | 小胞体ストレス転写因子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001054391A true JP2001054391A (ja) | 2001-02-27 |
Family
ID=27322111
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11321743A Pending JP2001054391A (ja) | 1998-11-13 | 1999-11-11 | 小胞体ストレス転写因子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001054391A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008511335A (ja) * | 2004-09-02 | 2008-04-17 | ワイス | 蛋白を作製するための系および方法 |
WO2013031734A1 (ja) * | 2011-09-02 | 2013-03-07 | 株式会社カネカ | 小胞体シャペロンプロモータを用いた外来遺伝子を発現するトランスジェニック鳥類 |
JP2020517245A (ja) * | 2017-04-19 | 2020-06-18 | メディミューン リミテッド | ユーザー定義の機能性を有する哺乳動物プロモーターのインシリコ設計 |
-
1999
- 1999-11-11 JP JP11321743A patent/JP2001054391A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008511335A (ja) * | 2004-09-02 | 2008-04-17 | ワイス | 蛋白を作製するための系および方法 |
JP2012161318A (ja) * | 2004-09-02 | 2012-08-30 | Wyeth Llc | 蛋白を作製するための系および方法 |
WO2013031734A1 (ja) * | 2011-09-02 | 2013-03-07 | 株式会社カネカ | 小胞体シャペロンプロモータを用いた外来遺伝子を発現するトランスジェニック鳥類 |
JPWO2013031734A1 (ja) * | 2011-09-02 | 2015-03-23 | 株式会社カネカ | 小胞体シャペロンプロモータを用いた外来遺伝子を発現するトランスジェニック鳥類 |
US9510571B2 (en) | 2011-09-02 | 2016-12-06 | Kaneka Corporation | Transgenic bird expressing foreign gene using endoplasmic reticulum chaperone promoter |
JP2020517245A (ja) * | 2017-04-19 | 2020-06-18 | メディミューン リミテッド | ユーザー定義の機能性を有する哺乳動物プロモーターのインシリコ設計 |
JP7200129B2 (ja) | 2017-04-19 | 2023-01-06 | メディミューン リミテッド | ユーザー定義の機能性を有する哺乳動物プロモーターのインシリコ設計 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2848368C (en) | Compositions and methods for brown fat induction and activity using fndc5 | |
JP2003511071A (ja) | Jnkシグナル導入経路の細胞透過性ペプチドインヒビター | |
CA2432111A1 (en) | Jfy1 protein induces rapid apoptosis | |
WO2001019999A1 (fr) | Gene codant une nouvelle threonyl-arnt synthase, ses utilisations et procedes de preparation | |
US6270990B1 (en) | Neuron-restrictive silencer factor proteins | |
US20150322460A1 (en) | Compositions and methods for regulating thermogenesis and muscle inflammation using metrnl and metrn | |
JP2001514264A (ja) | ヒト・デフェンシンポリペプチドDef−X、ゲノムDNAおよびcDNA、それらを含有する組成物ならびに診断および治療処置への適用 | |
KR100270348B1 (ko) | 전사인자 에이피알에프 | |
EP0960937B1 (en) | Novel semaphorin gene: semaphorin y | |
US20040038248A1 (en) | Novel polypeptide-human heterogeneous nuclear ribonucleoprotein 32.01 and the polynucleotide encoding said polypeptide | |
EP1881004B1 (en) | Novel collectin | |
US6635751B1 (en) | Isolated nucleic acids encoding activated and suppressive forms of ATF6 | |
US7273922B2 (en) | Semaphorin Z and gene encoding the same | |
JP2001054391A (ja) | 小胞体ストレス転写因子 | |
JP4315301B2 (ja) | ヒトH37タンパク質と、このタンパク質をコードする cDNA | |
CA2422229A1 (en) | Calcium binding proteins | |
JPH11235186A (ja) | 神経組織のナトリウムチャンネルをコードする核酸 | |
US20070036810A1 (en) | Cyclic amp response element activator proteins and uses related thereto | |
US6180760B1 (en) | Actin filament-binding protein “l-Afadin” | |
AU733462B2 (en) | CYP7 promoter-binding factors | |
CA2352495A1 (en) | Human semaphorin 6a-1 (sema6a-a), a gene involved in neuronal development and regeneration mechanisms during apoptosis, and its use as a potential drug target | |
KR101083852B1 (ko) | 유전자 전사 조절제 및 히스톤 탈아세틸화효소 저해 화합물의 스크리닝 방법 | |
US6908765B1 (en) | Polypeptide—human SR splicing factor 52 and a polynucleotide encoding the same | |
KR20020089352A (ko) | 파킨 유전자 활성의 조절에 유용한 조성물 | |
CN115607675A (zh) | Nav1.9互作蛋白PRMT7及其下调剂在制备镇痛药物中的用途 |