JP2020517245A - ユーザー定義の機能性を有する哺乳動物プロモーターのインシリコ設計 - Google Patents
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Abstract
Description
本明細書で使用する場合、用語「プロモーター」は、RNAポリメラーゼを指示してDNAに結合させ、且つRNA合成を開始することによって転写の開始を媒介する制御性のDNA配列を定義する。プロモーターは、一般に、遺伝子の上流に位置する。プロモーターは、例えば、コアプロモーター及び転写因子調節エレメントを含み得る。
本明細書で提供される方法を使用して、プロモーターは、特定の機能性、例えば、所望の発現レベル、細胞増殖の所望の期における発現、及び/又は所望の細胞型における発現を有するように設計され得る。プロモーターを設計するための方法は、(i)転写因子(TF)発現をプロファイリングしてTFを選択すること、(ii)ホモタイプのプロモーターにおいて転写的に活性な選択されたTFと相互作用する転写因子調節エレメント(TFRE)を同定すること、及び(iii)ヘテロタイプのプロモーター内のTF−TFRE相互作用の相対的な転写活性を決定することを含み得る。任意選択により、方法はさらに、(iv)所望の転写活性を有するTFREを選択すること、及び(v)選択されるTFREを含む合成プロモーターを生成することを含み得る。
本明細書で提供されるとおり、プロモーターは、特定の機能性、例えば、所望の発現レベル、細胞増殖の所望の期における発現、及び/又は所望の細胞型における発現を有するように設計され得る。
本明細書では又、本明細書で提供されるプロモーターを含むベクター、細胞、及びライブラリーが提供される。
実施例1:材料及び方法
宿主細胞転写因子発現動態の分析
全RNAを、RNAeasyミニキット(Qiagen、Crawley、UK)を使用して、増殖の対数期及び定常期中に3つのCHO−K1由来細胞株(親宿主株、並びにグルタミンシンターゼ(GS)又はGS及びIgG抗体のいずれかを発現する宿主)から抽出した。RNAの純度及び完全性を、NanoDrop分光光度計(Thermo Fisher Scientific、Paisley、UK)及び2100 Bioanalyzer(Agilent Technologies、Wokingham、UK)を使用して確認した。RNA−seqライブラリーを、TruSeq RNAライブラリー調製キット(Illumina、Essex、UK)を使用して調製し、Illumina HiSeq 2000システム(Illumina)を使用して配列決定した。シークエンスリードを、Tophatを使用してCHO−K1基準ゲノムにマッピングし(24、25)、各転写物の相対的存在量を、Cufflinksを使用して計算した(26)。実験的に検証されたマウス転写因子(TF)の精選されたデータベースを、TFcheckpointから得た(27、28)。6つ全ての実験条件にわたる各TF遺伝子の平均転写物存在量を決定し、70番目のパーセンタイル以上の発現レベルを有する遺伝子を、さらなる分析のために選択した。遺伝子発現安定性を、全トランスクリプトームにわたる転写物存在量における最大倍率変化(MFC)を計算することによって測定した。安定に発現されるTF(MFC<1.5)の同種の結合部位を、以前に公開された研究及びオンラインデータベースから得た((29);表1を参照のこと)。
最小CMVコアプロモーター(Genbankアクセッション番号M60321.1、ヌクレオチド1109−1193:
インビトロで構築されたヘテロタイプのプロモーター活性を、成分TF結合部位のコピー数の関数としてモデル化した。各種モデル化手法(線形回帰、一般化線形、一般化加法、ガウス過程)の比較により、全てのモデルが等価な予測能を有することが判明した。したがって、複雑性を最小化するために、本発明者らは、多重線形回帰モデル
12種の別々のTF結合部位の全ての可能な1〜14ブロックの組み合わせ(n=9,657,699)を、Rの「combination」関数を用いて生成した。各TFREの組み合わせの相対的な転写活性を、インビトロで構築されたヘテロタイプのプロモーター活性の発明者らのモデルを用いて決定した。所望の設計基準を有するTFREの組み合わせを、連続的なフィルタリングステップを適用することによってライブラリーから選択した(実施例2〜5において記載される)。成分TFREを配置して、CpGジヌクレオチド、反復配列、及び制限エンドヌクレアーゼ部位の出現を最小化した。このプロセスを支援するために、結合部位を、特別に設計された6塩基対(bp)のスペーサー配列で隔てた。設計されたプロモーター配列を、FAIR(http://bioserver1.physics.iisc.ernet.in/fair/)及びWebcutter(http://rna.lundberg.gu.se/cutter2/)を用いて、反復配列及びエンドヌクレアーゼ部位の存在について分析した。意図的でない、追加のTF結合部位が、TFREスペーサー接合点で作製されなかったことを確認するために、プロモーターを、MatInspector(https://www.genomatix.de/matinspector.html)及びTranscription Affinity Predictionツール(TRAP:http://trap.molgen.mpg.de/cgi−bin/trap_form.cgi)を使用して分析した(33、34)。設計された配列を分析し(GeneArt、Regensburg、Germany)、SEAPレポーターベクターにおける最小CMVコアプロモーターの上流にクローン化した。
チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞(CHO−K1由来)を、通気エルレンマイヤーフラスコ(Corning、UK)中のCD−CHO培地(Thermo Fisher Scientific)において、5%(v/v)CO2中37℃にて140rpmで振盪させながら通常どおりに培養し、2×105細胞/mlの播種密度で3〜4日毎に継代培養した。細胞濃度及び生存率を、Vi−Cell細胞生存率分析機器(Beckman−Coulter、High Wycombe、UK)を用いて自動化されたトリパンブルー排除アッセイによって決定した。一過的なトランスフェクションの2時間前に、対数期中期の培養液から2×105細胞を、24ウェルプレート(Nunc、Stafford、UK)の個々のウェルに播種した。細胞を、製造業者の指示書に従って調製された、DNA及びリポフェクタミン(Thermo Fisher Scientific)を含むDNA−脂質複合体でトランスフェクトした。内部標準(hCMV−IE1−SEAP、SV40−SEAP、NFkB−RE−SEAP)が、各プレートに含まれて、再現可能なトランスフェクション性能を確認し、且つ合成プロモーター活性を標準化した。トランスフェクト細胞を、Sensolyte pNPP SEAP比色分析レポーター遺伝子アッセイキット(Cambridge Biosciences、Cambridge、UK)を用いるSEAPタンパク質発現の定量化の前に24時間インキュベートした。細胞培養液の上清におけるSEAP活性が、SEAPのmRNAレベルと相関したことを確認するために、全RNAを選択されたトランスフェクト細胞から抽出し、定量的PCR(qPCR)により分析した。
全RNAを、RNeasyミニキット(Qiagen、UK)を使用して細胞から抽出した。RNAの純度及び完全性を、NanoDrop分光光度計(Thermo Fisher Scientific)及び2100 Bioanalyzer(Agilent Technologies)を使用して確認した。800ngの抽出RNAを、製造業者の指示書に従ってQuantitect逆転写キット(Qiagen)を使用して逆転写した(ゲノムDNAはこの手順の間に除去された)。cDNAを、7500 fast リアルタイムPCRシステム(Applied Biosystems、Cheshire、UK)を用いるqPCR分析の前にヌクレアーゼフリー水中において1:10で希釈した。12.5μlのQuantiFast SYBRグリーンPCRマスターミックス(Qiagen)、2μlのcDNA、2.5μlのプライマーミックス(プライマー当たりの最終濃度200nM)、及び8μlのヌクレアーゼフリー水を含有する反応混合物を、MicroAmp fast光学96ウェルプレート(Applied Biosystems)中において調製した。増幅条件は以下のとおりであった:95℃で5分間、その後95℃で15秒及び60℃で60秒を40サイクル。融解曲線分析を60〜95℃で実施した。Gnb1及びFkbp1aを、内部標準の基準遺伝子として使用した(Brown AJ e al.Transcriptome−based identification of the optimal reference CHO genes for normalisation of qPCR data.Biotechnology Journal 13:1700259(2017))。鋳型を含有しないか、又は逆転写酵素の非存在下で実施された逆転写反応に由来する産物を含有する反応混合物を、陰性対照として使用した。全ての試料を三つ組で実施し、平均Ct(サイクル閾値)値をさらなる分析のために使用した。プライマー配列は、表2において列記される。増幅効率は、式E=10(−1/勾配)を用いて標準曲線(プールされたcDNA試料の10倍の段階希釈)から決定した。
カスタムプロモーター設計のプロセスを実証するために、生物学的製剤の製造に最も有力な宿主であるCHO細胞における使用のための配列を作製した。転写調節は以前にCHO細胞において実証されているが、インビトロでの構築方法は、プロモーターサイレンシングを防止し、且つタンパク質産生を支える重要な細胞プロセスに対するオフターゲット作用を最小化するための、配列の特徴のカスタマイズ可能な仕様を可能にしていない(31、35、56)。CHO細胞のTFレパートリーをプロファイリングするために、培養液の対数期及び定常期で採取される3つの別々のCHO細胞株(CHO−K1由来の親宿主細胞株、及びGS、又はGS及びIgG抗体のいずれかを発現する宿主)においてTF発現レベルを分析した。効果的なTF濃度(すなわち、核において適切に修飾され、且つ局在化されるTF)を直接的に測定する困難さを考慮して、TF発現は、mRNAレベルで決定された。これは、活性のTFレベルの正確な定量化を可能にしないが、それは全体的なTF発現パターン(例えば、なし/低/高/特異的な発現)の情報を提供し、対応する活性動態を有する同種のTFREの同定を可能にする(22、23、37)。さらに、この方法は、大部分の哺乳動物細胞型に関するプロモーター設計に容易に適用可能であり、そのためにトランスクリプトームのデータセットが通常は利用可能である(38)。
ヘテロタイプ構造の文脈において合わせて組み合わされるとき、ホモタイプのプロモーターにおいて転写的に活性であるTFREは相乗的に機能しないという仮説を試験するために、プロモーターを様々なTFRE組成により構築した。ホモタイプのプロモーターにおいて活性であると同定された12種のTFREの各々のために、ブロックを構築するオリゴヌクレオチドを、TF結合配列の単一コピーを含有するように合成した。TFREブロックを結合して、SEAPレポータープラスミドにおける最小CMVコアプロモーターの上流に挿入されたTF結合部位のランダムな連なりを組み立てた。図2Aに示されるとおり、7種の別々のプロモーターライブラリーを、TFREブロックの様々な組み合わせを混合することによって構築した。ライブラリーのTFRE組成を設計して、様々なプロモーター(例えば、異なる強度、様々なTFREの組み合わせ)及び結合部位(例えば、様々なコピー数、配向、及び空間配置)の文脈における各個別のTFREの活性を試験した。140種の別々の合成プロモーター−レポータープラスミドによるCHO細胞のトランスフェクション後のSEAP産生の測定は、図2Bにおいて示される。これらのデータは、プロモーター活性が2桁に及ぶことを示し、大部分の活性プロモーターは、強力なヒトサイトメガロウイルス最初期1プロモーター(hCMV−IE1;GenBankアクセッション番号M60321.1、ヌクレオチド517〜1193)を含有する対照ベクターから得られるものと比較して、SEAP産生において2.3倍の増加を呈した。ライブラリー5を除いて、各ライブラリー内のプロモーター活性は、少なくとも1桁異なったが、ここで、各ライブラリーの平均活性は、5.2〜61.5の相対プロモーター単位(RPU)の範囲であった。細胞培養液の上清におけるSEAP活性が、SEAPのmRNAレベルと直線的に相関したことを確認するために、mRNAを、トランスフェクト細胞から抽出し、qPCRにより分析した。この分析により、各プラスミドからのSEAP産生が、相対的なプロモーター活性に正比例することを確認した(図6)。
プロモーター活性のモデルが、高い予測能及び単純な説明変数(すなわち、TFREのコピー数)の両方を有したとすれば、インビトロで予測可能な活性を呈する哺乳動物プロモーターのインシリコ設計を初めて実証することが可能であろうと仮定された。これを試験するために、ヘテロタイプ構造において転写的に活性であった各TFREの単一コピーを含有する7種のプロモーター(NFkB−RE、ARE、DRE、ERSE、GC−ボックス、C/EBP−RE、EBS1)を設計した。TFREの順序及びスペーシングがプロモーター活性に最小の影響及ぼすことをさらに確認するために、7つの成分TF結合部位を、各構築物内に完全に異なる順序で配置した(図4A)。モデルによれば、これらのプロモーターは同一のTFRE組成を共有するため、それらはインビトロで同じレベルの活性を呈するはずである(37.3RPU)。合成プロモーターが、化学的に合成され、且つSEAPレポーターベクターにおける最小CMVコアプロモーターの上流に挿入された。各レポータープラスミドによるCHO細胞の一過的なトランスフェクション後のSEAP産生の測定は、プロモーター活性が30.2〜43.3RPU(変動係数=9.8%)の範囲であることを示した(図4B)。したがって、全ての設計されたプロモーターのインビトロ活性は、予測された活性の7RPU内であり、±18%の誤差範囲に相当したが、ここで、最も強力なプロモーターと最も弱いプロモーターの間の発現は1.4倍の差にすぎなかった。同じTFRE組成であるが異なるTFRE順序を有するプロモーターは、成分結合部位が組み合わせの相互作用を呈するときに、活性において5倍も変動し得ることが以前に示されている(18)。したがって、本明細書で提供されるデータはさらに、推定上のモジュラー機能(すなわち、ホモタイプ構造において転写的に活性)に関して特異的に選択されたTFREが、ヘテロタイプのプロモーターと合わせて組み合わされるときに協同的に相互作用しないという結論を支持する。さらに、それらは、プロモーターが予測可能な活性を呈するために合成的に設計され得るという当初の仮説を確証している。
各所望のプロモーター活性レベルのために、2つの合成配列を、異なるTFRE組成を用いて設計した(表3)(図5A)。
結論として、インビトロでカスタム設計の機能性を呈する哺乳動物プロモーターのインシリコモデルに従う構築が、初めて実証された。記載された設計プロセスを適用して、任意の特定の宿主細胞型又は遺伝子発現の文脈のための最適化されたプロモーター配列を作製することができる。ヘテロタイプのエレメント活性を説明する本明細書で提供されるモデルは、哺乳動物のプロモーター活性の以前に公開されたいずれかのモデルよりも高い予測能を有し、真核生物の転写調節機構に新たな洞察を提供する。記載されたプロモーター調節の単純化されたモデルは、OMICSデータセットからのインシリコでのプロモーターの設計を全体的に容易にし、例えば、ヘテロタイプ構造の文脈内における別々のTF−TFRE相互作用機能の数の詳細な理解を用いて、インビトロスクリーニングの必要性を取り除く。実際に、新規のヘテロタイププロモーター設計のためのモジュラーTFREブロックの組み合わせは、複数の合成TFを使用する遺伝的回路を構築する際に、特に適用可能であり得る。比較的単純な設計規則に従ってプロモーターをインシリコで作製できることを実証することによって、本研究は、哺乳動物の合成生物学について新たなツールを提供する。
hCMV−IE1、及びGS選択マーカーを含有するベクター骨格において3種の異なる設計された活性レベル(RPU100、RPU60、及びRPU10)を有する合成プロモーターを含有する発現ベクターを構築した。プロモーターは、免疫活性化タンパク質の上流に挿入された。各構築物は三つ組で試験され、生産性のデータを3回の繰り返しから平均した。発現レベルを、一過的なトランスフェクション(図7)及びフェドバッチ条件における安定的なプール(図8)において比較した。免疫活性化タンパク質の定量化を、八つ組のアッセイによって測定した。一過的なトランスフェクション実験において、RPU100のプロモーターの制御下での免疫活性化タンパク質の発現レベルは、hCMV−IE1の制御下と比較して1.33倍に増加した。RPU60のプロモーターの制御下での発現レベルは向上せず、RPU10のプロモーターの制御下での発現レベルは、hCMV−IE1の制御下と比較して6倍減少した。安定的なプールでは、免疫活性化タンパク質の発現レベルは、13日を通して徐々に増加した。最大の生産性は、RPU100のプロモーターの制御下での1.8g/Lであった。RPU100のプロモーターの制御下での発現レベルは、hCMV−IE1の制御下よりも1.1倍高かったが、RPU60及びRPU10のプロモーターの制御下では、hCMV−IE1と比較して、それぞれ2.8倍及び18倍減少した。これらの結果は、発現レベルが、異なる強度を有するように設計されたプロモーターを用いて変えることができることを実証し、それらは、一過的なトランスフェクション及び安定的なプールの両方において一貫性を示す。力価は、hCMV−IE1と比較して、RPU100の合成プロモーターを使用する場合、9、11、及び13日目において、それぞれ1.51倍、1.56倍、及び1.1倍高かった。9日目及び11日目において著しく増加した力価を考慮すると、RPU100のプロモーターは、より短い産生プロセスの使用を推進することができる。
100RPU 構築物A:
(GC−ボックス)−(ARE)−(NFkB−RE)−(DRE)−(EBS1)−(ARE)−(DRE)−(NFkB−RE)−(GC−ボックス)−(NFkB−RE)−(ARE)
100RPU 構築物B:
(NFkB−RE)−(DRE)−(GC−ボックス)−(ARE)−(NFkB−RE)−(C/EBP−RE)−(DRE)−(NFkB−RE)−(EBS1)−(NFkB−RE)−(ARE)
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Claims (68)
- (a)4〜20個の転写因子調節エレメント(TFRE)を含むヌクレオチド配列及び(b)プロモーターコアを含む合成プロモーターであって、前記TRFEを含む前記ヌクレオチド配列が前記プロモーターコアの上流にあり、且つ少なくとも3分の1の前記TFREが、抗酸化RE(ARE)、ETS結合部位1(EBS1)、小胞体ストレスRE(ERSE)、及びダイオキシンRE(DRE)のTFREからなる群から個別に選択される、合成プロモーター。
- 前記ヌクレオチド配列が、前記TFRE間にスペーサーを含み、前記スペーサーが50個以下のヌクレオチドである、請求項1に記載の合成プロモーター。
- 前記スペーサーが、25個以下のヌクレオチドである、請求項2に記載の合成プロモーター。
- 前記スペーサーが、12個以下のヌクレオチドである、請求項3に記載の合成プロモーター。
- 前記スペーサーが、約6個のヌクレオチドである、請求項4に記載の合成プロモーター。
- 前記コアプロモーターが、CMVコアプロモーターであり、任意選択により前記CMVコアプロモーターが、配列番号33のヌクレオチド配列を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の合成プロモーター。
- 前記合成プロモーターが、配列番号37〜50のいずれか1つの前記ヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の合成プロモーター。
- 合成プロモーターを設計する方法であって:(i)転写因子(TF)発現をプロファイリングしてTFを選択すること、(ii)ホモタイプのプロモーターにおいて転写的に活性な選択されたTFと相互作用する転写因子調節エレメント(TFRE)を同定すること、及び(iii)ヘテロタイプのプロモーター内のTF−TFRE相互作用の相対的な転写活性を決定することを含む、方法。
- (iv)所望の転写活性を有するTFREを選択することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
- (v)(a)前記所望の転写活性を有する選択された前記TFREを含むヌクレオチド配列及び(b)プロモーターコアを含む合成プロモーターを生成することをさらに含む請求項9に記載の方法であって、前記TRFEを含む前記ヌクレオチド配列が前記プロモーターコアの上流にある、方法。
- 前記TF発現をプロファイリングすることが、前記TFの存在量を決定することを含む、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。
- 前記TFの存在量を決定することが、前記TFのRNA又はタンパク質レベルを測定することを含む、請求項11に記載の方法。
- 前記TF発現をプロファイリングすることが、少なくとも2種の細胞型におけるTF発現をプロファイリングすることを含む、請求項8〜12のいずれか一項に記載の方法。
- 前記少なくとも2種の細胞型が、哺乳動物の細胞型である、請求項13に記載の方法。
- 前記少なくとも2種の哺乳動物の細胞型が、CHO細胞である、請求項14に記載の方法。
- 前記少なくとも2種の細胞株が、組換えタンパク質を発現する細胞株及びその親細胞株を含む、請求項14又は15に記載の方法。
- 前記少なくとも2種の細胞型が、同じ生物由来の2種の細胞型であり、任意選択により、前記生物がヒトである、請求項13又は14に記載の方法。
- 高度に発現されるTFが選択される、請求項8〜17のいずれか一項に記載の方法。
- 上位50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%又は10%内の発現レベルを有するTFが選択される、請求項8〜17のいずれか一項に記載の方法。
- 前記TF発現をプロファイリングすることが、少なくとも2種の細胞型、少なくとも2期の細胞培養、及び/又は少なくとも2種の培養条件にわたってTFの安定性を決定することを含む、請求項8〜19のいずれか一項に記載の方法。
- 前記方法がさらに、前記少なくとも2種の細胞型、少なくとも2期の細胞培養、及び/又は少なくとも2種の培養条件にわたって発現レベルにおける2、又は1.5、又は1以下の最大倍率変化を有するTFを選択することを含む、請求項20に記載の方法。
- 前記TF発現をプロファイリングすることが、少なくとも2期の細胞培養におけるTF発現をプロファイリングすることを含む、請求項8〜21のいずれか一項に記載の方法。
- 前記少なくとも2期の細胞培養が、定常期及び指数増殖期を含む、請求項22に記載の方法。
- 目的の宿主細胞において優先的に上方制御され、且つ/又はオフターゲットの宿主細胞において優先的に下方制御されるTFが選択される、請求項8〜23のいずれか一項に記載の方法。
- 目的の細胞周期において優先的に上方制御され、且つ/又はオフターゲットの細胞周期において下方制御されるTFが選択される、請求項8〜23のいずれか一項に記載の方法。
- 少なくとも100種のTFの発現がプロファイリングされる、請求項8〜25のいずれか一項に記載の方法。
- 前記ホモタイプのプロモーターが、2〜20個のTFREのコピーを含む、請求項8〜26のいずれか一項に記載の方法。
- 前記ホモタイプのプロモーターが、4〜10個のTFREのコピーを含む、請求項27に記載の方法。
- 前記相対的な転写活性を決定することが、TFREのコピー数の関数として前記ヘテロタイプのプロモーター活性をモデル化することを含む、請求項8〜28のいずれか一項に記載の方法。
- 前記ヘテロタイプのプロモーターが、2〜20個のTFREを含む、請求項8〜29のいずれか一項に記載の方法。
- 請求項8〜30のいずれか一項に記載の方法に従って生成される合成プロモーター。
- 前記合成プロモーターが、4〜20個のTFREを含むヌクレオチド配列及びプロモーターコアを含み、前記TRFEを含む前記ヌクレオチド配列が前記プロモーターコアの上流にある、請求項31に記載の合成プロモーター。
- 抗酸化RE(ARE)、ETS結合部位1(EBS1)、小胞体ストレスRE(ERSE)、及びダイオキシンRE(DRE)のTFREからなる群から選択される少なくとも1つのTFREを含む、請求項32に記載の合成プロモーター。
- 前記ヌクレオチド配列が、前記TFRE間にスペーサーを含み、前記スペーサーが50個以下のヌクレオチドである、請求項32又は33に記載の合成プロモーター。
- 前記スペーサーが、25個以下のヌクレオチドである、請求項34に記載の合成プロモーター。
- 前記スペーサーが、12個以下のヌクレオチドである、請求項35に記載の合成プロモーター。
- 前記スペーサーが、約6個のヌクレオチドである、請求項36に記載の合成プロモーター。
- 前記コアプロモーターが、CMVコアプロモーターであり、任意選択により前記CMVコアプロモーターが、配列番号33のヌクレオチド配列を含む、請求項32〜37のいずれか一項に記載の合成プロモーター。
- 前記TFREを含む前記ヌクレオチド配列が、10個以下のCpGジヌクレオチドを含む、請求項1〜6及び32〜38のいずれか一項に記載の合成プロモーター。
- 前記TFREを含む前記ヌクレオチド配列が、5個以下のCpGジヌクレオチドを含む、請求項39に記載の合成プロモーター。
- 前記TFREを含む前記ヌクレオチド配列が、20個よりも大きいヌクレオチド長の任意の反復配列を含有しない、請求項1〜6及び32〜40のいずれか一項に記載の合成プロモーター。
- 前記TFREを含む前記ヌクレオチド配列が、いずれのEcoRI、BamHI、HindIII、TaqI、NotI、SmaI、PvuI、又はPacI制限エンドヌクレアーゼ部位も含有しない、請求項1〜6及び32〜41のいずれか一項に記載の合成プロモーター。
- 前記TFREの順序が、前記合成プロモーターの活性に著しくは影響を及ぼさない、請求項1〜6及び32〜42のいずれか一項に記載の合成プロモーター。
- 前記TFREの配向が、前記合成プロモーターの活性に著しくは影響を及ぼさない、請求項1〜6及び32〜43のいずれか一項に記載の合成プロモーター。
- 前記プロモーターの活性が、各TFREのコピーの数と相関する、請求項1〜6及び32〜44のいずれか一項に記載の合成プロモーター。
- 前記合成プロモーターが、細胞増殖に著しい影響を及ぼさない、請求項1〜6及び31〜45のいずれか一項に記載の合成プロモーター。
- 前記合成プロモーターが、細胞生存率に著しい影響を及ぼさない、請求項1〜6及び31〜46のいずれか一項に記載の合成プロモーター。
- 前記合成プロモーターが、ヘテロタイプのプロモーターにおいて転写的に不活性なTFREを含有しない、請求項1〜6及び31〜47のいずれか一項に記載の合成プロモーター。
- 前記合成プロモーターが、ヘテロタイプのプロモーターにおいて転写的に抑制されているTFREを含有しない、請求項1〜6及び31〜48のいずれか一項に記載の合成プロモーター。
- 前記ARE TFREが、配列番号7のヌクレオチド配列を含む、請求項1〜6及び33〜49のいずれか一項に記載の合成プロモーター。
- 前記EBS1 TFREが、配列番号10のヌクレオチド配列を含む、請求項1〜6及び33〜50のいずれか一項に記載の合成プロモーター。
- 前記ERSE TFREが、配列番号15のヌクレオチド配列を含む、請求項1〜6及び33〜50のいずれか一項に記載の合成プロモーター。
- 前記DRE TFREが、配列番号31のヌクレオチド配列を含む、請求項1〜6及び33〜50のいずれか一項に記載の合成プロモーター。
- 追加のCHO細胞TFREをさらに含む、請求項1〜6及び33〜53のいずれか一項に記載の合成プロモーター。
- 少なくとも1つの前記追加のCHO細胞TFREが、配列番号6、9、及び23のいずれか1つのヌクレオチド配列を含む、請求項54に記載の合成プロモーター。
- TFREを含む前記ヌクレオチド配列が、少なくとも2コピーの同じTRFEを含む、請求項1〜6及び32〜55のいずれか一項に記載の合成プロモーター。
- TFREを含む前記ヌクレオチド配列が、少なくとも3コピーの同じTRFEを含む、請求項1〜6及び32〜56のいずれか一項に記載の合成プロモーター。
- 前記合成プロモーターがプロモーターサイレンシングを回避する、請求項1〜6及び31〜57のいずれか一項に記載の合成プロモーター。
- 前記合成プロモーターが、タンパク質産生を支える重要な細胞プロセスに対するオフターゲット作用を最小化する、請求項1〜6及び31〜58のいずれか一項に記載の合成プロモーター。
- 請求項1〜7及び31〜59のいずれか一項に記載の合成プロモーターを含むベクター。
- 前記合成プロモーターが、タンパク質をコードする遺伝子に作動可能に連結される、請求項50に記載のベクター。
- 前記タンパク質が、レポータータンパク質、治療用タンパク質、又は酵素である、請求項61に記載のベクター。
- 請求項1〜7及び31〜59のいずれか一項に記載の合成プロモーター又は請求項60〜62のいずれか一項に記載のベクターを含む細胞。
- 前記細胞が哺乳動物細胞である、請求項63に記載の細胞。
- 前記哺乳動物細胞がCHO細胞である、請求項64に記載の細胞。
- 前記哺乳動物細胞がヒト細胞である、請求項64に記載の細胞。
- 請求項1〜6及び31〜59のいずれか一項に記載の合成プロモーターを含むライブラリー。
- 少なくとも100種の異なる合成プロモーターを含む、請求項67に記載のライブラリー。
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