JP2001054388A - 新規なg蛋白質共役型レセプター及び該g蛋白質共役型レセプター遺伝子 - Google Patents

新規なg蛋白質共役型レセプター及び該g蛋白質共役型レセプター遺伝子

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JP2001054388A JP11230776A JP23077699A JP2001054388A JP 2001054388 A JP2001054388 A JP 2001054388A JP 11230776 A JP11230776 A JP 11230776A JP 23077699 A JP23077699 A JP 23077699A JP 2001054388 A JP2001054388 A JP 2001054388A
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Atsushi Takasaki
淳 高崎
Mitsuyuki Matsumoto
光之 松本
Kan Sugimoto
貫 杉本
Masazumi Kanbara
正純 蒲原
Satoru Saito
哲 斎藤
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Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
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Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】創薬標的分子としての可能性が非常に高い、新
規G蛋白質共役型レセプターファミリーをコードする遺
伝子を単離・同定し、それらの活性を修飾する物質を探
索するために必要となる組換え蛋白の提供。 【解決手段】炎症・免疫系に発現している新規なG蛋白
質共役型レセプターをコードする遺伝子を単離し、全長
ORF配列を決定して、該G蛋白質共役型レセプターファ
ミリーを発現させた。該レセプターの遺伝子を含むベク
ター、該ベクターを含む宿主細胞、該宿主細胞を用いた
同G蛋白質共役型レセプターファミリーの製造法、及
び、該G蛋白質共役型レセプターファミリー及び該G蛋
白質共役型レセプターファミリーを修飾する化合物、ペ
プチド及び抗体のスクリーニング法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、遺伝子工学の分野
に属し、新規G蛋白質共役型レセプター、該G蛋白質共
役型レセプターをコードする遺伝子、該G蛋白質共役型
レセプターの製造方法、該G蛋白質共役型レセプターに
対する抗体、該G蛋白質共役型レセプターを用いたスク
リーニング法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】医学的に重要な生物学的プロセスの多く
が、G蛋白質を含めたシグナル伝達経路に関与している
蛋白質及び/またはセカンドメッセンジャーにより媒介
されることはよく知られている (Lefkowitz, Nature, 1
991, 351:353-354) 。その中でも三量体型GTP結合蛋白
質の活性化を介して細胞内にシグナルを伝達する細胞膜
レセプター群は「G蛋白質共役型レセプター」と総称さ
れている。こうした蛋白質の例として、アドレナリンや
ドーパミンの受容体(Kobilka, B.K.ら, Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA, 1987, 84:46-50; Kobilka, B.K.ら, Sci
ence, 1987, 238:650-656; Bunzow, J.R.ら, Nature, 1
988, 336:783-787)などがある。現在まで知られている
全てのG蛋白質共役型レセプターはアミノ末端を細胞
外、カルボキシル末端を細胞内とし、細胞膜を7回貫通
する構造を共有するスーパーファミリーを形成している
ことから「7回膜貫通型レセプター」と総称される場合
もある。G蛋白質共役型レセプターは様々な生理活性物
質の情報を、三量体型GTP結合蛋白質の活性化、それに
より引き起こされる細胞内セカンドメッセンジャーの変
動を介して細胞膜から細胞内へと伝達する。三量体型GT
P結合蛋白質により制御される細胞内セカンドメッセン
ジャーは、アデニレートシクラーゼを介するcAMP、フォ
スフォリパーゼCを介するCa++などがよく知られている
が、三量体型GTP結合蛋白質を介したチャネルの制御、
リン酸化酵素の活性化など多くの細胞蛋白がその標的と
なっていることが最近明らかとなってきた(Gudermann,
T. et al. (1997) Annu. Rev. Neurosci., 20, 399-42
7)。G蛋白質共役型レセプターを介して情報を伝達す
る生理活性物質の中には、神経伝達物質、ホルモン、ケ
モカイン、脂質由来の情報伝達物質、2価イオン、プロ
テアーゼなど既存の生理活性物質の多くが含まれる。こ
れら生理活性物質にはそれぞれ特異的なG蛋白質共役型
レセプターが存在し、その情報を細胞内に伝達する。
【0003】G蛋白質共役型レセプターはそのスーパー
ファミリー内での構造類似性から遺伝子のクローニング
が先行する場合も多く、内在性リガンドとの対応がとれ
ていないレセプターはオーファンG蛋白質共役型レセプ
ターと呼ばれている。一般的にオーファンG蛋白質共役
型レセプターは特異的なリガンドが発見されていないた
め、そのアゴニスト、アンタゴニストを開発することは
困難であった。しかし、近年、充実された化合物ライブ
ラリーと高性能ハイスループットスクリーニングを組み
合わせることで、オーファンG蛋白質共役型レセプター
をターゲットとした薬剤の創製が提唱されている(Stad
el, J. et al. (1997) Trends Pharmacol. Sci., 18, 4
30-437)。すなわち、多くのG蛋白質共役型レセプター
のセカンドメッセンジャーとなっているcAMP、Ca++の測
定、或いは、三量体型GTP結合蛋白質の活性化の指標と
なるGTPase活性、GTPγSのG蛋白質結合測定などをハイ
スループット化することで化合物ライブラリーからオー
ファンG蛋白質共役型レセプターに対するアゴニストを
スクリーニングすることが可能であり、その化合物を利
用した特異的なアゴニスト及びアンタゴニストの発見、
ひいては特定の疾患治療薬の開発が可能であるというこ
とである。このような状況下では、新しい疾患の治療タ
ーゲットとなり得る新規G蛋白質共役型レセプターの発
見が、G蛋白質共役型レセプターに作用する薬剤創製の
最も重要なステップと見なすことができる。
【0004】現在までに数百種類のG蛋白質共役型レセ
プターが真核生物からクローニングされている。ヒトに
関しては百種類以上の内在性リガンドとの対応がとれた
G蛋白質共役型レセプターがクローニングされている。
これまでにそれらの受容体をターゲットとする数百種類
もの疾患治療薬が利用されている(Wilson, J. et al.
(1998) British J. of Pharmacol. 125, 1387-1392)。
G蛋白質共役型レセプターが標的となっている疾患は多
岐にわたり、中枢神経系、循環器系、炎症免疫系、消化
器系、運動器系、泌尿器生殖器系それぞれの分野でG蛋
白質共役型レセプターに作用する有効な薬剤が存在する
(Stadel, J. et al. (1997) Trends Pharmacol. Sci.,
18, 430-437)。このことはG蛋白質共役型レセプター
のアゴニスト或いはアンタゴニストが疾患の治療剤とな
る可能性が高いことを示唆し、各種疾患を予防、改善、
治療する上で重要な役割を果たすと考えられる新たな受
容体を同定し、疾患との関わりを解明する必要がある。
【0005】この中で、G蛋白質共役型レセプターは炎
症免疫系において重要な役割を果たしている。炎症、免
疫反応は生体への異物の進入や組織障害から自身を防御
する為の有益な働きをしているが、一方で、その過剰な
反応や異常な反応が炎症性疾患や自己免疫疾患などの原
因ともなる(Gallin, J. I. et al. (1992) Inflammati
on Basic Principles and Clinical Correlates Raven
Press(New York), Roitt, I. M. et al. (1993) IMMUN
OLOGY Mosby-Year Book Europe Limited. (London))。
これらの炎症免疫反応を惹起する物質の多くはメディエ
ーターと呼ばれている。メディエーターのなかでもプロ
スタグランジン、ロイコトリエン、血小板活性化因子、
ケモカイン、ブラジキニン、アナフィラトキシンなどの
G蛋白質共役型レセプターを介して働くものの多くが炎
症、免疫の異常に起因する疾患(例えば、喘息、アレル
ギー、リウマチ性関節炎、炎症性腸疾患、感染症など)
の治療ターゲットとして考えられている(Halushka, P.
V. et al. (1989) Annu.Rev. Pharmacol. Toxicol. 2
9, 213-239, Hosford, D. et al. (1990) Prog. Med. C
hem. 27, 325-380, Oppenheim, J. J. et al. (1991) A
nnu. Rev. Immunol.9, 617-648)。免疫、炎症反応を司
る白血球の機能は、ケモカイン、アナフィラトキシン、
PAFやエイコサノイドなどの脂質代謝物、などの受容体
であるG蛋白質共役型レセプターによって制御されてい
る。また、白血球の産生するPAFやエイコサノイドなど
の脂質代謝物は白血球周囲の組織の受容体を介して修飾
を受ける(麻生芳郎 訳、一目でわかる免疫学(1993)、
メディカル・サイエンス・インターナショナル発行、62
-73、Proost, P. et al. (1996) Int. J. Clin. Lab.Re
s. 26, 211-23, Scott, D. T. et al. (1994) Gen. Pha
rmacol. 25, 1285-96)。このようなことから、ケモカ
イン、アナフィラトキシン、PAFやエイコサノイドのG
蛋白質共役型レセプターは免疫、炎症の異常に起因する
疾患の治療ターゲットであると考えられている。しかし
ながら、免疫炎症の異常に起因する疾患(これらに限ら
ない)に関与するG蛋白質共役型レセプターとそれに作
用する分子について全てが理解されたわけではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】G蛋白質共役型レセプ
ターが標的となっている疾患、特に免疫炎症系の疾患
(気管支炎、アレルギー)の予防・治療剤の開発に必要
な、新規なG蛋白質共役型レセプターファミリーをコー
ドする遺伝子を単離・同定し、該レセプターの発現生産
系の構築、該レセプター活性を修飾する物質を探索する
為の組み換え蛋白を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような状況下、本発
明者らは鋭意研究を重ねた結果、免疫炎症に関与する部
位に発現している新規G蛋白質共役型レセプターをコー
ドする遺伝子を単離することに成功し、その全長ORF(op
en reading frame)を決定した。さらに、新規G蛋白質
共役型レセプターを発現させ、組み換え蛋白の生産を可
能にし、該遺伝子を含むベクター、該ベクターを含む宿
主細胞、該宿主細胞を用いた同G蛋白質共役型レセプタ
ー、該G蛋白質共役型レセプターに対する抗体の製造法
を確立した。これにより、該G蛋白質共役型レセプター
及び該G蛋白質共役型レセプター活性を修飾する物質の
スクリーニングを可能にし、本発明を完成した。
【0008】即ち本発明は、(1)配列番号2記載のア
ミノ酸配列を有するG蛋白質共役型レセプター、あるい
は、該レセプターの同効物であるG蛋白質共役型レセプ
ター、(2)(1)記載のG蛋白質共役型レセプターの
アミノ酸配列をコードする遺伝子、(3)(2)記載の
遺伝子を含むベクター、(4)(3)記載のベクターを
含む宿主細胞、(5) (4)記載の宿主細胞を用いる
(1)に記載のG蛋白質共役型レセプターの製造方法、
(6)(1)記載のG蛋白質共役型レセプターに対する
抗体、(7)(1)に記載のG蛋白質共役型レセプター
と被験化合物とを接触させ、当該G蛋白質共役型レセプ
ターの活性を修飾する物質をスクリーニングする方法、
に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明で使用される用語に
つき説明する。本明細書中で使用される「G蛋白質共役
型レセプター」は「G蛋白質共役型レセプター蛋白」を
表す。本発明のG蛋白質共役型レセプターの「同効物」
とは、配列番号2記載のアミノ酸配列中のいずれかの1
乃至複数個の部位において、1乃至数個のアミノ酸残基
が置換、欠失、及び/または挿入されていてもよく、か
つG蛋白質共役型レセプターと同一の活性を示すG蛋白
質共役型レセプターをいう。好ましくは配列番号2記載
のアミノ酸配列において1乃至10個、更に好ましくは
1乃至7個、特に好ましくは1乃至5個のアミノ酸でア
ミノ酸の置換、欠失または挿入があるアミノ酸配列を有
し、かつ、配列番号2記載のアミノ酸配列で示される蛋
白質と同一の活性を有するG蛋白質共役型レセプター蛋
白質であり、配列番号2記載のアミノ酸配列を有するポ
リペプチドが最適である。
【0010】また、本発明の新規G蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質をコードする塩基配列を有する遺伝子は、配
列番号2記載のアミノ酸配列で示されるG蛋白質共役型
レセプター蛋白質、あるいは、それらの同効物をコード
する塩基配列を有する遺伝子なら何れでもよい。好まし
くは、配列番号2記載のアミノ酸配列をコードする塩基
配列を有する遺伝子である。さらに好ましくは、配列番
号1記載の塩基配列の1番から1077番を有する遺伝子で
ある。
【0011】(製造法)本発明のG蛋白質共役型レセプ
ターをコードする遺伝子、本発明のベクター、本発明の
宿主細胞、本発明のG蛋白質共役型レセプター、本発明
のG蛋白質共役型レセプターの活性を修飾する物質のス
クリーニング方法、G蛋白質共役型レセプターに反応す
る抗体の製造方法は、以下1)〜4)に記載する。 1)新規G蛋白質共役型レセプター遺伝子の製造方法 a)第1製造法 本発明のG蛋白質共役型レセプターを産生する能力を有
するヒト細胞あるいは組織からmRNAを抽出する。次いで
このmRNAを鋳型として該G蛋白質共役型レセプターmRNA
または一部のmRNA領域をはさんだ2種類のプライマーを
作製する。denature温度、変性剤添加条件などを改良
し、本発明の配列番号2で表されるアミノ酸配列の一部
を含む蛋白質に適した逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反
応(以下RT-PCRという)を行うことにより、該G蛋白質
共役型レセプターcDNAまたはその一部を得ることができ
る。さらに、得られたG蛋白質共役型レセプターcDNAま
たはその一部を適当な発現ベクターに組み込むことによ
り、宿主細胞で発現させ、該レセプターを製造すること
ができる。
【0012】まず、本発明のG蛋白質共役型レセプター
の産生能力を有する細胞あるいは組織、例えばヒト胎盤
から該レセプターをコードするものを包含するmRNAを既
知の方法により抽出する。抽出法としては、グアニジン
・チオシアネート・ホット・フェノール法、グアニジン
・チオシアネート−グアニジン・塩酸法等が挙げられる
が、好ましくはグアニジン・チオシアネート塩化セシウ
ム法が挙げられる。該レセプターの産生能力を有する細
胞あるいは組織は、該レセプターをコードする塩基配列
を有する遺伝子あるいはその一部を用いたノーザン ブ
ロッティング法、該レセプターに特異的な抗体を用いた
ウエスタン ブロッティング法などにより特定すること
ができる。mRNAの精製は常法に従えばよく、例えばmRNA
をオリゴ(dT)セルロースカラムに吸着・溶出させ、
精製することができる。さらに、ショ糖密度勾配遠心法
等によりmRNAをさらに分画することもできる。また、mR
NAを抽出せずとも、市販されている抽出済mRNAを用いて
も良い。次に、精製されたmRNAをランダムプライマー又
はオリゴdTプライマーの存在下で、逆転写酵素反応を
行い第1鎖cDNAを合成する。この合成は常法によって行
うことができる。得られた第1鎖cDNAを用い、目的遺伝
子の一部の領域をはさんだ2種類のプライマーを用いて
PCRに供し、目的とする新規G蛋白質共役型レセプターD
NAを増幅する。得られたDNAをアガロースゲル電気泳動
等により分画する。所望により、上記DNAを制限酸素等
で切断し、接続することによって目的とするDNA断片を
得ることもできる。
【0013】b)第2製造法 本発明の遺伝子は上述の製造法の他、常法の遺伝子工学
的手法を用いて製造することもできる。まず、前述の方
法で得たmRNAを鋳型として逆転写酵素を用いて1本鎖cD
NAを合成した後、この1本鎖cDNAから2本鎖cDNAを合成
する。その方法としてはS1ヌクレアーゼ法(Efstrati
adis, A. et al. (1976) Cell, 7, 279-288)、Land法(L
and, H. et al. (1981) Nucleic Acids Res., 9, 2251-
2266)、O. Joon Yoo法(Yoo, O. J. et al. (1983) Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA, 79, 1049-1053)、Okayama-B
erg法(Okayama, H. and Berg, P. (1982) Mol. Cell. B
iol., 2, 161-170)などが挙げられる。次に、上述の方
法で得られる組換えプラスミドを大腸菌、例えばDH5α
株に導入して形質転換させて、テトラサイクリン耐性あ
るいはアンピシリン耐性を指標として組換体を選択する
ことができる。宿主細胞の形質転換は、例えば、宿主細
胞が大腸菌の場合にはHanahanの方法(Hanahan, D. (198
3) J. Mol. Biol., 166,557-580)、すなわちCaCl2やMgC
l2またはRbClを共存させて調製したコンピテント細胞に
該組換えDNA体を加える方法により実施することができ
る。なお、ベクターとしてはプラスミド以外にもラムダ
系などのファージベクターも用いることができる。
【0014】上記により得られる形質転換株から、目的
の新規G蛋白質共役型レセプターのDNAを有する株を選
択する方法としては、例えば以下に示す各種方法を採用
できる。 合成オリゴヌクレオチドプローブを用いるスクリー
ニング法 本発明のG蛋白質共役型レセプターの全部または一部に
対応するオリゴヌクレオチドを合成し(この場合コドン
使用頻度を用いて導いたヌクレオチド配列または考えら
れるヌクレオチド配列を組合せた複数個のヌクレオチド
配列のどちらでもよく、また後者の場合、イノシンを含
ませてその種類を減らすこともできる)、これをプロー
ブ(32P又は33Pで標識する)として、形質転換株のDNA
を変性固定したニトロセルロースフィルターとハイブリ
ダイズさせ、得られたポジティブ株を検索して、これを
選択する。 ポリメラーゼ連鎖反応により作製したプローブを用
いるスクリーニング法本発明のG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質の一部に対応するセンスプライマーとアンチセ
ンスプライマーのオリゴヌクレオチドを合成し、これら
を組合せてポリメラーゼ連鎖反応(Saiki, R. K. et al.
(1988) Science 239, 487-491)を行い、目的のG蛋白
質共役型レセプター蛋白質の全部又は一部をコードする
DNA断片を増幅する。ここで用いる鋳型DNAとしては、該
G蛋白質共役型レセプター蛋白質を産生する細胞のmRNA
より逆転写反応にて合成したcDNA、またはゲノムDNAを
用いることができる。このようにして調製したDNAを断
片を32P又は33Pで標識し、これをプローブとして用いて
コロニーハイブリダイゼーションまたはプラークハイブ
リダイゼーションを行うことにより目的のクローンを選
択する。
【0015】 他の動物細胞で新規G蛋白質共役型レ
セプター蛋白質を産生させてスクリーニングする方法 形質転換株を培養し、遺伝子を増幅させ、その遺伝子を
動物細胞にトランスフェクトし(この場合、自己複製可
能で転写プロモーター領域を含むプラスミドもしくは動
物細胞の染色体に組み込まれ得るようなプラスミドのい
ずれでもよい)、遺伝子にコードされた蛋白を細胞表面
に産生させる。本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白
質に対する抗体を用いて該蛋白質を検出することによ
り、元の形質転換株より目的のG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質をコードするcDNAを有する株を選択する。 本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質に対する
抗体を用いて選択する方法 あらかじめ、cDNAを発現ベクターに組込み、形質転換株
表面で蛋白を産生させ、本発明のG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質に対する抗体および該抗体に対する2次抗体
を用いて、所望のG蛋白質共役型レセプター蛋白質産生
株を検出し、目的の株を選択する。 セレクティブ・ハイブリダイゼーション・トランス
レーションの系を用いる方法 形質転換株から得られるcDNAを、ニトロセルロースフィ
ルター等にブロットし本発明のG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質産生細胞からのmRNAをハイブリダイズさせた
後、cDNAに結合したmRNAを解離させ、回収する。回収さ
れたmRNAを蛋白翻訳系、例えばアフリカツメガエルの卵
母細胞への注入や、ウサギ網状赤血球ライゼートや小麦
胚芽等の無細胞系で蛋白に翻訳させる。本発明のG蛋白
質共役型レセプター蛋白質に対する抗体を用いて検出し
て、目的の株を選択する。得られた目的の形質転換株よ
り本発明のG蛋白質共役型レセプターをコードするDNA
を採取する方法は、公知の方法(Maniatis, T. et al.(1
982):“ MolecularCloning-A Laboratory Manual "Cold
Spring Harbor Laboratory, NY)に従い実施できる。例
えば細胞よりプラスミドDNAに相当する画分を分離し、
該プラスミドDNAよりcDNA領域を切り出すことにより行
なうことができる。
【0016】c)第3製造法 本発明のG蛋白質共役型レセプター遺伝子は、化学合成
法によって製造したDNA断片を結合することによっても
製造できる。各DNAは、DNA合成機(例えば、Oligo 1000
M DNA Synthesizer(Beckman社)、あるいは、394 DNA/
RNA Synthesizer(Applied Biosystems社)など)を用い
て合成することができる。
【0017】d)第4製造法 本発明のG蛋白質共役型レセプター遺伝子は、G蛋白質
共役型レセプターの情報に基づいて、例えばホスファイ
ト・トリエステル法(Hunkapiller, M. et al.(1984) Na
ture, 10, 105-111)等の常法に従い、核酸の化学合成に
より製造することもできる。なお、所望アミノ酸に対す
るコドンはそれ自体公知であり、その選択も任意でよ
く、例えば利用する宿主のコドン使用頻度を考慮して常
法に従い決定できる(Crantham, R. et al.(1981) Nucle
ic Acids Res.,9 r43-r74)。さらに、これら塩基配列の
コドンの一部改変は、常法に従い、所望の改変をコード
する合成オリゴヌクレオチドからなるプライマーを利用
したサイトスペシフィック・ミュータジェネシス(site
specific mutagenesis)(Mark, D. F. et al. (1984)Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA, 81, 5662-5666)等に従うこ
とができる。以上、a)乃至d)により得られるDNAの
配列決定は、例えばマキサム−ギルバートの化学修飾法
(Maxam, A. M. and Gilbert, W. (1980):“ Methods in
Enzymology "65, 499-559)やM13を用いるジデオキ
シヌクレオチド鎖終結法(Messing, J. and Vieira, J
(1982) Gene, 19, 269-276)等により行うことができ
る。
【0018】2)本発明のG蛋白質共役型レセプターの
組み換え蛋白質の製造方法 単離された本発明のG蛋白質共役型レセプターをコード
する遺伝子を含む断片は、適当なベクターDNAに再び組
込むことにより、真核生物及び原核生物の宿主細胞を形
質転換させることができる。さらに、これらのベクター
に適当なプロモーターおよび形質発現にかかわる配列を
導入することにより、それぞれの宿主細胞において遺伝
子を発現させることが可能である。例えば、真核生物の
宿主細胞には、脊椎動物、昆虫、酵母等の細胞が含ま
れ、脊椎動物細胞としては、例えばサルの細胞であるCO
S細胞(Gluzman, Y. (1981) Cell, 23, 175-182)やチャ
イニーズ・ハムスター卵巣細胞(CHO)のジヒドロ葉酸レ
ダクターゼ欠損株(Urlaub, G. and Chasin, L. A.(198
0) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77, 4216-4220)、ヒ
ト胎児腎臓由来HEK293細胞および同細胞にEpsteinBarr
VirusのEBNA-1遺伝子を導入した293-EBNA細胞(Invitro
gen社)等がよく用いられているが、これらに限定され
るわけではない。脊椎動物細胞の発現ベクターとして
は、通常発現しようとする遺伝子の上流に位置するプロ
モーター、RNAのスプライス部位、ポリアデニル化部
位および転写終結配列等を有するものを使用でき、これ
はさらに必要により複製起点を有してもよい。該発現ベ
クターの例としては、SV40の初期プロモーターを有
するpSV2dhfr (Subramani, S. et al. (1981) Mol. Cel
l. Biol., 1, 854-864)、ヒトのelongation factorプロ
モーターを有するpEF-BOS (Mizushima, S. and Nagata,
S. (1990) Nucleic Acids Res., 18, 5322)、cytomega
lovirusプロモーターを有するpCEP4(Invitrogen社)等
を例示できるが、これに限定されない。
【0019】宿主細胞として、COS細胞を用いる場合を
例に挙げると、発現ベクターとしては、SV40複製起点を
有し、COS細胞において自律増殖が可能であり、さらに
転写プロモーター、転写終結シグナルおよびRNAスプラ
イス部位を備えたものを用いることができ、例えば、 p
ME18S、 (Maruyama, K. and Takebe,Y. (1990) Med.Imm
unol., 20, 27-32)、pEF-BOS (Mizushima, S. and Naga
ta, S. (1990) Nucleic Acids Res., 18, 5322)、 pCDM
8(Seed, B. (1987) Nature, 329, 840-842)等が挙げら
れる。該発現ベクターはDEAE−デキストラン法(Luthma
n, H. and Magnusson, G. (1983) Nucleic Acids Res.,
11, 1295-1308)、リン酸カルシウム−DNA共沈殿法(Gra
ham, F. L. and van der Ed, A. J. (1973) Virology,
52, 456-457)、 FuGENE6(Boeringer Mannheim社)を用
いた方法、および電気パスル穿孔法(Neumann, E. et a
l.(1982) EMBO J., 1, 841-845)等によりCOS細胞に取り
込ませることができ、かくして所望の形質転換細胞を得
ることができる。また、宿主細胞としてCHO細胞を用い
る場合には、発現ベクターと共に、G418耐性マーカーと
して機能するneo遺伝子を発現し得るベクター、例えばp
RSVneo(Sambrook, J. et al. (1989): “ Molecular Cl
oning-A Laboratory Manual "Cold Spring Harbor Labo
ratory, NY)やpSV2-neo(Southern, P. J. and Berg,P.
(1982) J. Mol. Appl. Genet., 1, 327-341)等をコ・ト
ランスフェクトし、G418耐性のコロニーを選択すること
により新規G蛋白質共役型レセプターを安定に産生する
形質転換細胞を得ることができる。また、宿主細胞とし
て293-EBNA細胞を用いる場合には、Epstein Barr Virus
の複製起点を有し、293-EBNA細胞で自己増殖が可能なpC
EP4(Invitrogen社)などの発現ベクターを用いて所望の
形質転換細胞を得ることができる。
【0020】上記で得られる所望の形質転換体は、常法
に従い培養することができ、該培養により細胞内または
細胞表面に本発明のG蛋白質共役型レセプターが生産さ
れる。該培養に用いられる培地としては、採用した宿主
細胞に応じて慣用される各種のものを適宜選択でき、例
えば上記COS細胞であればRPMI-1640培地やダルベッコ修
正イーグル最小必須培地(DMEM)等の培地に必要に応じ牛
胎児血清(FBS)等の血清成分を添加したものを使用でき
る。また、上記293-EBNA細胞であれば牛胎児血清(FBS)
等の血清成分を添加したダルベッコ修正イーグル最小必
須培地(DMEM)等の培地にG418を加えたものを使用でき
る。上記により、形質転換体の細胞内または細胞表面に
生産される本発明のG蛋白質共役型レセプターは、該レ
セプターの物理的性質や化学的性質等を利用した各種の
公知の分離操作法により、それらより分離・精製するこ
とができる。該方法としては、具体的には例えば該レセ
プターを含む膜分画を可溶化した後、通常の蛋白沈殿剤
による処理、限外濾過、分子ふるいクロマトグラフィー
(ゲル濾過)、吸着クロマトグラフィー、イオン交換体
クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィ
ー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等の各種液体ク
ロマトグラフィー、透析法、これらの組合せ等を例示で
きる。なお、膜分画は常法に従って得ることができる。
例えば本発明のG蛋白質共役型レセプターを表面に発現
した細胞を培養し、これらをバッファーに懸濁後、ホモ
ジナイズし遠心分離することにより得られる。また、で
きるだけ緩和な可溶化剤(CHAPS、 Triton X-100、ジキ
トニン等)でG蛋白質共役型レセプター蛋白質を可溶化
することにより、可溶化後もレセプターの特性を保持す
ることができる。
【0021】本発明のG蛋白質共役型レセプターはマー
カー配列とインフレームで融合して発現させることで、
該G蛋白質共役型レセプター蛋白質の発現の確認、細胞
内局在の確認、精製等が可能になる。マーカー配列とし
ては、例えば、FLAG epitope、Hexa-Histidine tag、He
magglutinin tag、myc epitopeなどがある。また、マー
カー配列と該G蛋白質共役型レセプター蛋白質の間にエ
ンテロキナーゼ、ファクターXa、トロンビンなどのプロ
テアーゼが認識する特異的な配列を挿入することによ
り、マーカー配列部分をこれらのプロテアーゼにより切
断除去する事が可能である。例えば、ムスカリンアセチ
ルコリン受容体とHexa-Histidine tagとをトロンビン認
識配列で連結した報告がある(Hayashi, M.K. and Hag
a, T. (1996) J. Biochem., 120, 1232-1238)
【0022】3)本発明のG蛋白質共役型レセプターの
活性を修飾する物質(化合物、ペプチド及び抗体)のス
クリーニング方法 本発明のスクリーニング法は、前記により構築されたG
蛋白質共役型レセプターを用いて、該G蛋白質共役型レ
セプターの生理学的な特性に応じたG蛋白質共役型レセ
プターの修飾の指標を測定する系に被験物質を添加し、
該指標を測定する手段を含む。該測定系は、具体的に
は、以下のスクリーニング方法a)〜d)が挙げられる。ま
た、被験物質は従来G蛋白質共役型レセプターリガンド
活性を有することは知られているが該新規G蛋白質共役
型レセプターの活性に対して選択的に修飾するか不明な
化合物またはペプチド、あるいはケミカルファイルに登
録されている種々のG蛋白質共役型レセプターリガンド
活性については不明の公知化合物やペプチド、コンビナ
トリアル・ケミストリー技術(Terrett, N.K., et al.
(1995) Tetrahedron, 51, 8135-8137)によって得られ
た化合物群やファージ・ディスプレイ法(Felici, F.,
et al. (1991) J. Mol. Biol., 222, 301-310)などを
応用して作成されたランダム・ペプチド群を用いること
ができる。また、微生物の培養上清や、植物、海洋生物
由来の天然成分、動物組織抽出物などもスクリーニング
の対象となる。あるいは本発明のスクリーニング法によ
り選択された化合物またはペプチドを化学的または生物
学的に修飾した化合物またはペプチドを用いうる。
【0023】a)リガンド結合アッセイ法を利用したス
クリーニング方法 本発明のG蛋白質共役型レセプターに結合する化合物、
ペプチド及び抗体(総称してリガンド)はリガンド結合
アッセイ法によりスクリーニングする事ができる。該レ
セプターを発現させた細胞膜、あるいは該レセプター精
製標品を調製し、リガンド結合アッセイ用に精製された
リガンドを放射性標識(50-2000 Ci/mmol)する。緩衝
液、イオン、pHのようなアッセイ条件を最適化し、最適
化したバッファー中で同レセプターを発現させた細胞
膜、あるいは該レセプター精製標品を放射性標識したリ
ガンドと共に一定時間インキュベーションする。反応
後、ガラスフィルター等で濾過し適量のバッファーで洗
浄した後、フィルターに残存する放射活性を液体シンチ
レーションカウンター等で測定する(全結合量)。放射
性標識していないリガンドを上記反応液中に大過剰加え
ることにより非特異的結合量を測定し、全結合量から非
特異的結合量を差し引くことにより特異的結合量がえら
れる。該レセプター蛋白質を発現させた細胞膜、あるい
は該レセプター蛋白質精製標品に対して特異的結合を示
したリガンドを本発明のG蛋白質共役型レセプターに対
するリガンドとして選択することができる。また、得ら
れた放射活性リガンドの結合阻害を指標に該G蛋白質共
役型レセプターのアゴニスト活性を有する化合物、ペプ
チド及び抗体、アンタゴニスト活性を有する化合物、ペ
プチド及び抗体をスクリーニングすることができる。
【0024】b) GTPγS結合法を利用したスクリーニ
ング方法 本発明のG蛋白質共役型レセプターの活性を修飾する物
質はGTPγS結合法によりスクリーニングすることが可能
である(Lazareno, S. and Birdsall, N.J.M.(1993) B
r. J. Pharmacol. 109, 1120-1127)。該レセプターを
発現させた細胞膜を20 mM HEPES (pH 7.4), 100 mM NaC
l, 10 mM MgCl2, 50 mM GDP溶液中で、3 5Sで標識された
GTPγS 400 pMと混合する。被検物質存在下と非存在下
でインキュベーション後、ガラスフィルター等で濾過
し、結合したGTPγSの放射活性を液体シンチレーション
カウンター等で測定する。被検物質存在下における特異
的なGTPγS結合の上昇を指標に、該G蛋白質共役型レセ
プターのアゴニスト活性を有する化合物、ペプチド及び
抗体をスクリーニングすることができる。また、得られ
たアゴニスト活性を有する化合物、ペプチド及び抗体に
よるGTPγS結合上昇の抑制を指標に該G蛋白質共役型レ
セプターのアンタゴニスト活性を有する化合物、ペプチ
ド及び抗体をスクリーニングすることができる。
【0025】c)細胞内Ca++およびcAMP濃度の変動を利
用したスクリーニング方法 多くのG蛋白質共役型レセプターはアゴニスト刺激で細
胞内のCa++の上昇および/またはcAMP濃度の上昇または
低下を引き起こす。ゆえに本発明のG蛋白質共役型レセ
プターの活性を修飾する物質は細胞内Ca++またはcAMP濃
度の変動を利用してスクリーニングすることが可能であ
る。Ca++濃度の測定はfura2等を用い、cAMP濃度の測定
は市販のcAMP測定キット(Amersham社等)を用いて測定す
る。また、Ca++およびcAMP濃度に依存して転写量が調節
される遺伝子の転写活性を検出することにより間接的に
Ca++およびcAMP濃度を測定することが可能である。該レ
セプターを発現させた細胞とレセプターを発現させてい
ない宿主細胞(コントロール細胞)に化合物、ペプチ
ド、組織抽出物等を一定時間作用させ、Ca++およびcAMP
濃度を直接あるいは間接的に測定する。コントロール細
胞と比較して、該レセプターを発現させた細胞特異的な
Ca++の上昇および/またはcAMP濃度の上昇または低下を
指標にアゴニスト活性を有する化合物,ペプチド及び抗
体をスクリーニングすることができる。また、得られた
アゴニスト活性を有する化合物、ペプチド及び抗体によ
るCa++の上昇および/またはcAMP濃度の上昇または低下
を指標に該G蛋白質共役型レセプターのアンタゴニスト
活性を有する化合物、ペプチド及び抗体をスクリーニン
グすることができる。
【0026】d)マイクロフィジオメーターを用いたス
クリーニング方法 細胞が様々なシグナル応答を行う場合、細胞外への微少
な水素イオンの流出が検出される。この水素イオンの流
出は、その大部分が、細胞が応答するためのエネルギー
を得るための燃料消費で生ずる代謝産物の増加、または
細胞のシグナルが直接水素イオンポンプに伝達する場合
に生ずる。本発明のG蛋白質共役型レセプターは、その
シグナル伝達にエネルギーを必要とするため、レセプタ
ーの活性化の際には水素イオンの流出が起こる。CYTOSE
NSORマイクロフィジオメーター(Molecular Devices
社)により、このような細胞近傍の培地中の微少な水素
イオンの流出によるpH変化が検出可能であることから、
このようなエネルギーを消費する受容体の活性化の検出
に利用できる。該レセプターを発現させた細胞とレセプ
ターを発現させていない宿主細胞(コントロール細胞)
に化合物、ペプチド、組織抽出物等を一定時間作用さ
せ、水素イオンの流出によるpH変化を測定する。コント
ロール細胞と比較して、該レセプターを発現させた細胞
特異的な水素イオンの流出によるpH変化を指標にアゴニ
スト活性を有する化合物、ペプチド及び抗体をスクリー
ニングすることができる。また、得られたアゴニスト活
性を有する化合物、ペプチド及び抗体による水素イオン
の流出によるpH変化を指標に該G蛋白質共役型レセプタ
ーのアンタゴニスト活性を有する化合物、ペプチド及び
抗体をスクリーニングすることができる。
【0027】4)本発明のG蛋白質共役型レセプターに
反応する抗体の作成方法 本発明のG蛋白質共役型レセプターに反応する抗体、例
えばポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、は各種
動物に該新規G蛋白質共役型レセプターや該G蛋白質共役
型レセプターの断片を直接投与することで得ることがで
きる。また、本発明G蛋白質共役型レセプターをコード
する遺伝子を導入したプラスミドを用いてDNAワクチン
法(Raz, E. et al. (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA, 91, 9519-9523; Donnelly, J. J. et al. (1996)
J. Infect. Dis., 173, 314-320)によっても得ること
ができる。ポリクローナル抗体は該G蛋白質共役型レセ
プターまたはその断片をフロイント完全アジュバントな
どの適当なアジュバントに乳濁し、腹腔、皮下また静脈
等に免疫して感作した動物、例えばウサギ、ラット、ヤ
ギ、またはニワトリ等の血清または卵から製造される。
このように製造された血清または卵からポリクローナル
抗体は常法の蛋白質単離精製法により分離精製すること
ができ、常法の蛋白質単離精製法としては例えば、遠心
分離、透析、硫酸アンモニウムによる塩析、DEAE-セル
ロース、ハイドロキシアパタイト、プロテインAアガロ
ース等によるクロマトグラフィー法が挙げられる。
【0028】モノクローナル抗体は、ケーラーとミルス
タインの細胞融合法(Kohler, G. and Milstein, C. (1
975) Nature, 256, 495-497)により当業者が容易に製
造することが可能である。すなわち、本発明G蛋白質共
役型レセプターまたはその断片をフロイント完全アジュ
バントなどの適当なアジュバントに乳濁した乳濁液を数
週間おきにマウスの腹腔、皮下または静脈に数回繰り返
し接種することにより免疫する。最終免疫後、脾臓細胞
を取り出し、ミエローマ細胞とと融合してハイブリドー
マを作製する。ハイブリドーマを得るためのミエローマ
細胞としては、ヒポキサンチンーグアニンーホスホリボ
シルトランスフェラーゼ欠損やチミジンキナーゼ欠損の
ようなマーカーを持つミエローマ細胞、例えば、マウス
ミエローマ細胞株P3X63Ag8.U1、を利用する。また、融
合剤としてはポリエチレングリーコールを利用する。さ
らにはハイブリドーマ作製における培地として、イーグ
ル氏最小必須培地、ダルベッコ氏変法最小必須培地、RP
MI-1640などの通常よく用いられているものに適宜10〜3
0%の牛胎児血清を加えて用いる。融合株はHAT選択法に
より選択する。ハイブリドーマのスクリーニングは培養
上清を用い、ELISA法、免疫組織染色法などの周知の方
法または前記のスクリーニング法により行い、目的の抗
体を分泌しているハイブリドーマのクローンを選択す
る。また、限界希釈法によって、サブクローニングを繰
り返すことによりハイブリドーマの単クローン性を保証
する。このようにして得られるハイブリドーマは培地中
で2〜4日間、あるいはプリスタンで前処理したBALB/c
系マウスの腹腔内で10〜20日培養することで精製可能な
量の抗体が産生される。このように製造されたモノクロ
ーナル抗体は培養上清あるいは腹水から常法の蛋白質単
離精製法により分離精製することができる。また、モノ
クローナル抗体またはその一部分を含む抗体断片は該抗
体をコードする遺伝子の全部または一部を発現ベクター
に組み込み、大腸菌、酵母、または動物細胞に導入して
生産させることもできる。
【0029】以上のように分離精製された抗体につき、
常法により、ペプシン、パパイン等の蛋白質分解酵素に
よって消化を行い、引き続き常法の蛋白質単離精製法に
より分離精製することで、活性のある抗体の一部分を含
む抗体断片、例えば、F(ab') 2、Fab、Fab'、Fvを得るこ
とができる。さらには、本発明G蛋白質共役型レセプタ
ーに反応する抗体を、クラクソンらやゼベデらの方法
(Clackson, T. et al. (1991) Nature, 352, 624-628;
Zebedee, S. et al. (1992) Proc. Natl. Acad. Sci.
USA, 89, 3175-3179)によりsingle chain FvやFabとし
て得ることも可能である。また、マウスの抗体遺伝子を
ヒト抗体遺伝子に置き換えたトランスジェニックマウス
(Lonberg, N. et al. (1994) Nature, 368, 856-859)
に免疫することでヒト抗体を得ることも可能である。
【0030】本発明には、G蛋白質共役型レセプター蛋
白質または前記スクリーニング法により選択されたG蛋
白質共役型レセプター蛋白質の活性を有意に修飾する物
質を有効成分とする医薬が包含される。本発明のG蛋白
質共役型レセプター活性修飾化合物、ペプチド、抗体ま
たは抗体断片を有効成分とする製剤は、該有効成分のタ
イプに応じて、それらの製剤化に通常用いられる担体や
賦形剤、その他の添加剤を用いて調製されうる。投与は
錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、経口
用液剤などによる経口投与、あるいは静注、筋注などの
注射剤、坐剤、経皮投与剤、経粘膜投与剤などによる非
経口投与が挙げられる。特に胃で消化されるペプチドに
あっては静注等の非経口投与が望まれる。
【0031】本発明による経口投与のための固体組成物
は、一つ又はそれ以上の活性物質が少なくとも一つの不
活性な希釈剤、例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、
微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デ
ンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸
マグネシウムなどと混合される。組成物は常法に従っ
て、不活性な希釈剤以外の添加剤、例えば滑沢剤、崩壊
剤、安定化剤、溶解乃至溶解補助剤などを含有していて
もよい。錠剤や丸剤は必要により糖衣又は胃溶性若しく
は腸溶性物質などのフィルムで被覆していてもよい。経
口のための液体組成物は、乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シ
ロップ剤、エリキシル剤を含み、一般的に用いられる不
活性な希釈剤、例えば精製水、エタノールを含む。該組
成物は不活性な希釈剤以外の添加剤、例えば湿潤剤、懸
濁剤、甘味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
非経口のための注射剤としては、無菌の水性または非水
性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤を含む。水溶性の溶液剤や
懸濁剤には、希釈剤として例えば注射用蒸留水、生理用
食塩水などが含まれる。非水溶性の溶液剤、懸濁剤の希
釈剤としてはプロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール、オリーブ油のような植物油、エタノールのよう
なアルコール類、ポリソルベート80等を含む。該組成
物はさらに湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解乃
至溶解補助剤、防腐剤などを含んでいてもよい。組成物
は例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤
の配合、または照射によって無菌化される。また、無菌
の固体組成物を製造し、使用に際し無菌水その他の無菌
用注射用媒体に溶解し使用することもできる。投与量は
前記スクリーニング法により選択された有効成分の活性
の強さ、症状、投与対象の年齢、性別等を考慮して適宜
決定される。
【0032】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に開示するため
に、実施例を記載するが、本発明は実施例に限定される
ものではない。なお、特に断りがない場合は、公知の方
法(Maniatis, T. at al. (1982) : "Molecular Clonin
g - A Laboratory Manual" Cold Spring Harbor Labora
tory, NY)に従って実施可能である。 (実施例1)新規G蛋白質共役型レセプターをコードす
る遺伝子の単離 本発明のG蛋白質共役型レセプター(HORK2)をコード
する全長cDNAは、ヒト胎盤由来のpoly A+ RNA(Clontec
h社製)をtemplateとしてRT-PCRにより取得した。配列
番号3で示されるオリゴヌクレオチドをforward primer
として、配列番号4で示されるオリゴヌクレオチドをre
verse primerとして用いた(それぞれの5'末端にはXbaI
siteが付加してある)。RT-PCRはPyrobest DNA polyme
rase(宝酒造社製)を用い5% DMS0存在下で98 ℃(10
秒)/58 ℃(30秒)/72 ℃(2分)のサイクルを34回
繰り返した。その結果、約1.1 kbpのDNA断片が増幅され
た。この断片をXbaIで消化した後、pEF-BOS plasmid(M
izushima, S. and Nagata, S. (1990) Nucleic Acids R
es., 18, 5322)を用いてクローニングした。得られた
クローンの塩基配列はジデオキシターミネーター法によ
りABI377 DNA Sequencer(Applied Biosystems社製)を
用いて解析した。 明らかになった配列を配列番号1に
示す。配列番号1で示される塩基配列は1077 baseのORF
を持っている。ORFから予測されるアミノ酸配列(358ア
ミノ酸)を配列番号2に示す。予想アミノ酸配列は、G
蛋白質共役型レセプターの特徴である7個の膜貫通ドメ
インと思われる疎水性領域を有していることから、本遺
伝子がG蛋白質共役型レセプターをコードすることが解
った。本遺伝子がコードするG蛋白質共役型レセプター
をHORK2と名付けた。新規G蛋白質共役型レセプターHOR
K2はリガンドと対応のとれている公知のG蛋白質共役型
レセプターファミリーとのホモロジーはそれぞれアミノ
酸配列で30%以下であった。
【0033】(実施例2)組織におけるヒト新規G蛋白
質共役型レセプターファミリー遺伝子の発現分布 RT-PCR法により本発明のG蛋白質共役型レセプター遺伝
子の発現分布を解析した。ヒトの各臓器(脳(扁桃体、
尾状核、海馬、脳梁、黒質、小脳)、脊髄、下垂体、心
臓、胎盤、肺、気管、肝臓、腎臓、膵臓、小腸、胃、脾
臓、骨髄、胸腺、甲状腺、唾液腺、副腎、乳腺、前立
腺、精巣、卵巣)由来のpoly A+ RNA(5μg)(Clontec
h社製)をDNase(Nippon Gene社製)を用い37 ℃で15
分反応させた。DNase処理したpoly A+ RNAのうち4μgか
らMMLV Reverse Transcriptase(Clontech社製)で42
℃で60分、94 ℃で5分順次反応させ、cDNAを合成した。
合成されたcDNAは800μlの滅菌水に溶解した。HORK2の
発現分布は上記のヒトの各臓器のcDNAを鋳型として、pr
imerセットは配列番号5で示されるオリゴヌクレオチド
と配列番号6で示されるオリゴヌクレオチドを用いた。
PCRはPyrobest DNA polymerase(宝酒造社製)を用い5%
DMS0存在下で98 ℃(10秒)/56 ℃(30秒)/72 ℃
(1分)のサイクルを30回繰り返した。また、内部標準
としては上記のヒトの各臓器のcDNAを鋳型として、Huma
nG3PDH Control Amplimer Set(Clontech社製)を用い
て、同条件のPCRを行った。反応産物は1%アガロースゲ
ルにて電気泳動して解析した(図1)。HORK2の約400bp
の増幅産物は胎盤と気管のみで検出された。以上の結果
より、HORK2は喘息等の炎症に関与する部位(気管)に
発現していること分かった。
【0034】(実施例3)新規G蛋白質共役型レセプタ
ーファミリーの発現の確認 ヒトHORK2を発現させるための発現ベクターとしてpEF-B
OSを用いた。そのとき、ヒトHORK2のN末端にマーカー配
列としてFLAG epitopeを融合するために、HORK2の蛋白
質コーディング配列の5'末端に配列番号7で示されるオ
リゴヌクレオチドを挿入した。このように構築したプラ
スミドはそれぞれ、pEFBOS-FL-HORK2とした。このプラ
スミドを用いることで、ヒトHORK2のポリペプチドのN末
端に配列番号8で示されるポリペプチドが融合した発現
した。10cmシャーレに293-EBNA(Invitrogen社製)を1x
106細胞で播種して1日培養後、8μgのpEF-BOS-FL-HORK
2およびpEF-BOS-FL(空ベクター)をFuGENE6(Boeringe
r Mannheim社製)を用いて遺伝子導入した。遺伝子導入
後、一日培養した細胞を回収、洗浄後、1% BSA/PBSに懸
濁した。これを氷温遮光下におき、5x105細胞毎に1次抗
体として最終濃度2μg/mlとなるようにマウス抗FLAGモ
ノクローナル抗体 (M2;Sigma社製)または通常マウスIg
G (Zymed社製)を添加、1時間インキュベートした。PBS
洗浄後、さらに2次抗体としてFITC標識ヤギ抗マウスIg
(Biosource社製)を200倍希釈になるように加え、氷温遮
光下で1時間インキュベートした。蛍光強度の測定はEPI
CSXL-MCL (COULTER社製)で行った(図2)。図2は1
0,000個の細胞を測定した結果を示しており、縦軸が細
胞数、横軸が蛍光強度を表す。HORK2導入細胞に対して1
次抗体にM2を用いた場合のみ、FITC蛍光強度上昇方向に
シフトしていることから、FLAGエピトープを含むHORK2
が細胞膜表面上に発現していることが確認できた。
【0035】
【発明の効果】本発明のG蛋白質共役型レセプターは免
疫炎症系疾患(特に、気管支炎、アレルギー)の予防・治
療剤のスクリーニングツールとして有用である。具体的
には、本発明のG蛋白質共役型レセプターと被験物質を
接触させることにより、該G蛋白質共役型レセプターの
活性を修飾する物質(化合物、ペプチド及び抗体)をスク
リーニングし、新たな医薬、特に、いまだ完全にコント
ロールすることができない免疫炎症系疾患の予防・治療
剤をスクリーニングすることを意味する。また、本発明
のG蛋白質共役型レセプターをコードする遺伝子または
レセプターに対する抗体は、該遺伝子の変異、または、
発現異常により生じうる疾患の罹患性の診断のためのツ
ールとしての有用である。
【0036】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、HORK2のヒト臓器についての発現分布
の解析の結果を示す。
【図2】図2は、HORK2の発現を確認した結果を示す。
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Yamanouchi Pharmaceutical Co., Ltd. <120> 新規なG蛋白質共役型レセプター及び該G蛋白質共役型レセプター遺伝子 <130> 0000002899 <140> <141> <160> 8 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 1077 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 1 atggggttca acttgacgct tgcaaaatta ccaaataacg agctgcacgg ccaagagagt 60 cacaattcag gcaacaggag cgacgggcca ggaaagaaca ccacccttca caatgaattt 120 gacacaattg tcttgccggt gctttatctc attatatttg tggcaagcat cttgctgaat 180 ggtttagcag tgtggatctt cttccacatt aggaataaaa ccagcttcat attctatctc 240 aaaaacatag tggttgcaga cctcataatg acgctgacat ttccatttcg aatagtccat 300 gatgcaggat ttggaccttg gtacttcaag tttattctct gcagatacac ttcagttttg 360 ttttatgcaa acatgtatac ttccatcgtg ttccttgggc tgataagcat tgatcgctat 420 ctgaaggtgg tcaagccatt tggggactct cggatgtaca gcataacctt cacgaaggtt 480 ttatctgttt gtgtttgggt gatcatggct gttttgtctt tgccaaacat catcctgaca 540 aatggtcagc caacagagga caatatccat gactgctcaa aacttaaaag tcctttgggg 600 gtcaaatggc atacggcagt cacctatgtg aacagctgct tgtttgtggc cgtgctggtg 660 attctgatcg gatgttacat agccatatcc aggtacatcc acaaatccag caggcaattc 720 ataagtcagt caagccgaaa gcgaaaacat aaccagagca tcagggttgt tgtggctgtg 780 ttttttacct gctttctacc atatcacttg tgcagaattc cttttacttt tagtcactta 840 gacaggcttt tagatgaatc tgcacaaaaa atcctatatt actgcaaaga aattacactt 900 ttcttgtctg cgtgtaatgt ttgcctggat ccaataattt actttttcat gtgtaggtca 960 ttttcaagaa ggctgttcaa aaaatcaaat atcagaacca ggagtgaaag catcagatca 1020 ctgcaaagtg tgagaagatc ggaagttcgc atatattatg attacactga tgtgtag 1077 <210> 2 <211> 358 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 2 Met Gly Phe Asn Leu Thr Leu Ala Lys Leu Pro Asn Asn Glu Leu His 1 5 10 15 Gly Gln Glu Ser His Asn Ser Gly Asn Arg Ser Asp Gly Pro Gly Lys 20 25 30 Asn Thr Thr Leu His Asn Glu Phe Asp Thr Ile Val Leu Pro Val Leu 35 40 45 Tyr Leu Ile Ile Phe Val Ala Ser Ile Leu Leu Asn Gly Leu Ala Val 50 55 60 Trp Ile Phe Phe His Ile Arg Asn Lys Thr Ser Phe Ile Phe Tyr Leu 65 70 75 80 Lys Asn Ile Val Val Ala Asp Leu Ile Met Thr Leu Thr Phe Pro Phe 85 90 95 Arg Ile Val His Asp Ala Gly Phe Gly Pro Trp Tyr Phe Lys Phe Ile 100 105 110 Leu Cys Arg Tyr Thr Ser Val Leu Phe Tyr Ala Asn Met Tyr Thr Ser 115 120 125 Ile Val Phe Leu Gly Leu Ile Ser Ile Asp Arg Tyr Leu Lys Val Val 130 135 140 Lys Pro Phe Gly Asp Ser Arg Met Tyr Ser Ile Thr Phe Thr Lys Val 145 150 155 160 Leu Ser Val Cys Val Trp Val Ile Met Ala Val Leu Ser Leu Pro Asn 165 170 175 Ile Ile Leu Thr Asn Gly Gln Pro Thr Glu Asp Asn Ile His Asp Cys 180 185 190 Ser Lys Leu Lys Ser Pro Leu Gly Val Lys Trp His Thr Ala Val Thr 195 200 205 Tyr Val Asn Ser Cys Leu Phe Val Ala Val Leu Val Ile Leu Ile Gly 210 215 220 Cys Tyr Ile Ala Ile Ser Arg Tyr Ile His Lys Ser Ser Arg Gln Phe 225 230 235 240 Ile Ser Gln Ser Ser Arg Lys Arg Lys His Asn Gln Ser Ile Arg Val 245 250 255 Val Val Ala Val Phe Phe Thr Cys Phe Leu Pro Tyr His Leu Cys Arg 260 265 270 Ile Pro Phe Thr Phe Ser His Leu Asp Arg Leu Leu Asp Glu Ser Ala 275 280 285 Gln Lys Ile Leu Tyr Tyr Cys Lys Glu Ile Thr Leu Phe Leu Ser Ala 290 295 300 Cys Asn Val Cys Leu Asp Pro Ile Ile Tyr Phe Phe Met Cys Arg Ser 305 310 315 320 Phe Ser Arg Arg Leu Phe Lys Lys Ser Asn Ile Arg Thr Arg Ser Glu 325 330 335 Ser Ile Arg Ser Leu Gln Ser Val Arg Arg Ser Glu Val Arg Ile Tyr 340 345 350 Tyr Asp Tyr Thr Asp Val 355 <210> 3 <211> 33 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 3 gggtctagaa tggggttcaa cttgacgctt gca 33 <210> 4 <211> 35 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 4 ccctctagac tacacatcag tgtaatcata atata 35 <210> 5 <211> 34 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 5 agtgcatcac aactgaagaa tggggttcaa cttg 34 <210> 6 <211> 25 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 6 atcagcccaa ggaacacgat ggaag 25 <210> 7 <211> 36 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 7 atggactaca aggacgacga tgacaagggg atcctg 36 <210> 8 <211> 12 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 8 Met Asp Tyr Lys Asp Asp Asp Asp Lys Gly Ile Leu 1 5 10
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/15 G01N 33/50 Z 33/50 C12N 5/00 B (72)発明者 杉本 貫 茨城県つくば市御幸が丘21 山之内製薬株 式会社内 (72)発明者 蒲原 正純 茨城県つくば市御幸が丘21 山之内製薬株 式会社内 (72)発明者 斎藤 哲 茨城県つくば市御幸が丘21 山之内製薬株 式会社内 Fターム(参考) 2G045 AA34 AA40 CB01 CB21 DA12 DA13 DA14 DA36 FB03 4B024 AA01 AA11 BA63 CA04 CA07 CA12 CA20 DA03 EA04 GA13 HA11 4B064 AG20 CA10 CA19 CC01 CC24 DA01 DA11 4B065 AA93X AA93Y AB01 AC14 BA05 BC01 BD50 CA24 CA44 CA46 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA41 CA46 DA50 DA75 EA20 EA50 FA74

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列番号2記載のアミノ酸配列を有するG
    蛋白質共役型レセプター、あるいは、該レセプターの同
    効物であるG蛋白質共役型レセプター。
  2. 【請求項2】請求項1記載のG蛋白質共役型レセプター
    のアミノ酸配列をコードする遺伝子。
  3. 【請求項3】請求項2記載の遺伝子を含むベクター。
  4. 【請求項4】請求項3記載のベクターを含む宿主細胞。
  5. 【請求項5】請求項4記載の宿主細胞を用いる請求の範
    囲1記載のG蛋白質共役型レセプターの製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1記載のG蛋白質共役型レセプター
    に対する抗体。
  7. 【請求項7】請求項1記載のG蛋白質共役型レセプター
    と被験化合物とを接触させ、当該G蛋白質共役型レセプ
    ターの活性を修飾する物質をスクリーニングする方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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