JP2002078492A - スクリーニング方法 - Google Patents

スクリーニング方法

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JP2002078492A JP2001026685A JP2001026685A JP2002078492A JP 2002078492 A JP2002078492 A JP 2002078492A JP 2001026685 A JP2001026685 A JP 2001026685A JP 2001026685 A JP2001026685 A JP 2001026685A JP 2002078492 A JP2002078492 A JP 2002078492A
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Akira Fujii
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Takero Moriya
岳郎 守谷
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英起 松井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】肥満症、高血圧症、ストレス性疾患の予防・治
療薬のスクリーニング方法などの提供。 【解決手段】ニューロメジンUもしくはその誘導体また
はその塩およびTGR−1またはその塩を用いることを
特徴とするニューロメジンUまたはその塩とTGR−1
またはその塩との結合性を変化させる化合物またはその
塩のスクリーニング方法など。 【効果】本発明のニューロメジンUもしくはその誘導体
またはその塩およびTGR−1またはその塩を用いるこ
とを特徴とするニューロメジンUまたはその塩とTGR
−1またはその塩との結合性を変化させる化合物または
その塩のスクリーニング方法は、肥満症、高血圧症、ス
トレス性疾患等の予防・治療薬などをスクリーニングす
るために用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒト精巣およびラ
ット子宮由来の新規レセプター蛋白質であるTGR−
1、TGR−1をコードするDNA、TGR−1とニュ
ーロメジンU(Minamino, N. et al., Biochem. Biophy
s. Res. Commun. 130, 1078-1085, 1985など)もしくは
その誘導体またはその塩を用いることを特徴とする高血
圧症、ストレス性疾患などの予防・治療薬または食欲調
節剤などのスクリーニング方法などに関する。
【0002】
【従来の技術】多くのホルモンや神経伝達物質は細胞膜
に存在する特異的なレセプターを通じて生体の機能を調
節している。これらのレセプターの多くは共役している
guanine nucleotide-binding protein(以下、G蛋白質
と略称する場合がある)の活性化を通じて細胞内のシグ
ナル伝達を行い、また7個の膜貫通領域を有する共通し
た構造をもっていることから、G蛋白質共役型レセプタ
ーあるいは7回膜貫通型レセプターと総称される。この
ようなホルモンや神経伝達物質とG蛋白質共役型レセプ
ターとの相互作用を通じて生体のホメオスタシスの維
持、生殖、個体の発達、代謝、成長、神経系、循環器
系、免疫系、消化器系、代謝系の調節、感覚受容などの
生体にとって重要な機能調節が行われている。このよう
に生体機能の調節には様々なホルモンや神経伝達物質に
対するレセプター蛋白質が存在し、その機能調節に重要
な役割を果たしていることがわかっているが、未知の作
用物質(ホルモンや神経伝達物質など)およびそれに対
するレセプターが存在するかどうかについては未だ不明
なことが多い。近年、G蛋白質共役型レセプター蛋白質
がその構造の一部にアミノ酸配列の類似性を示すことを
利用して、ポリメラーゼ・チェーン・リアクション(Pol
ymerase Chain Reaction:以下、PCRと略称する)法
によって新規レセプター蛋白質をコードするDNAを探
索する方法が行われるようになり、数多くの、リガンド
が不明ないわゆるオーファンG蛋白質共役型レセプター
蛋白質がクローニングされている(Libert, F., et al.
Science, 244, 569-572, 1989, Welch, S.K., etal., B
iochem. Biophys. Res. Commun., 209, 606-613, 1995,
Marchese, A.,et al., Genomics, 23, 609-618, 1994,
Marchese, A., Genomics, 29, 335-344, 1995)。ま
た、ゲノムDNAあるいはcDNAのランダムな配列決
定によっても、新規G蛋白質共役型レセプター蛋白質が
次々と見出されている(Nomura, N.,et al., DNA Resear
ch 1巻、27-35頁、1994年)。これらのオーファンG蛋
白質共役型レセプター蛋白質のリガンドを決定する一般
的な手段としては、G蛋白質共役型レセプター蛋白質の
一次構造上の類似性から推定するしかなかった。しか
し、多くのオーファンG蛋白質共役型レセプター蛋白質
は既知のレセプターとのホモロジーが低いものが多く、
実際は既知リガンドのレセプターサブタイプである場合
を除いては一次構造上の類似性だけでそのリガンドを推
定することは困難であった。一方、遺伝子解析から多く
のオーファンG蛋白質共役型レセプターがみつかってい
ることから対応する未知のリガンドがまだ数多く存在し
ていることが推定されているが、これまで実際にオーフ
ァンG蛋白質共役型レセプターのリガンドを同定した例
は数少ない。一方、ニューロメジンUはラットの子宮平
滑筋収縮活性を指標とし、ブタの脊髄より単離・精製さ
れたペプチドで、8アミノ酸残基からなるニューロメジ
ンU-8および25アミノ酸残基からなるニューロメジ
ンU-25の2種が最初に報告されている(Minamino,
N. et al., Biochem. Biophys. Res. Commun. 130, 107
8-1085, 1985)。ニューロメジンU-8の配列はニュー
ロメジンU-25のC末端部分に一致し、その上流には
プロセッシングによって切断を受ける部位によく見られ
るような塩基性アミノ酸ペアが存在することから、両者
は共通の前駆体に由来するものと考えられる。平滑筋収
縮作用の他にもニューロメジンUの生理作用は広く知ら
れており、例えば、血圧上昇(Minamino, N. et a
l.)、内蔵の血流量の低下(Sumi, S. et al., Life Sc
i. 41, 1585-1590, 1987)、腸管におけるイオン輸送の
調節(Brown, D.R. and Quito, F.L., Eur. J. Pharmac
ol. 155, 159-162, 1988)、皮下投与後のACTHおよびそ
れに引き続くコルチコステロンの上昇(Malendowicz,
L.K. et al., In Vivo, 7, 419-422, 1993)などが報告
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これまでニューロメジ
ンUのレセプターとして、FM−3が報告されている
(WO 00/02918)が、FM−3以外の受容体の存在を探
索し、ニューロメジンUの生理的役割をさらに多面的に
明らかにし、その機構を活性化、あるいは阻害する化合
物をスクリーニングして新たな医薬を開発する必要があ
った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、新規オーフ
ァンG蛋白質共役型レセプターであるTGR−1を見出
し、該TGR−1発現CHO細胞に対してニューロメジン
Uが、予想外にも特異的な細胞刺激活性を有することを
見出した。これらの知見に基づいてさらに検討を重ねた
結果、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(1)ニューロメジ
ンUもしくはその誘導体またはその塩および配列番号:
1または配列番号:21で表されるアミノ酸配列と同一
または実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質ま
たはその塩を用いることを特徴とするニューロメジンU
またはその塩と配列番号:1または配列番号:21で表
されるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ
酸配列を含有する蛋白質またはその塩との結合性を変化
させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(2)ニューロメジンUもしくはその誘導体またはその
塩および配列番号:1または配列番号:21で表される
アミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列
を含有する蛋白質またはその塩を含有することを特徴と
するニューロメジンUまたはその塩と配列番号:1また
は配列番号:21で表されるアミノ酸配列と同一または
実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質またはそ
の塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスク
リーニング用キット、(3)上記(1)記載のスクリー
ニング方法または上記(2)記載のスクリーニング用キ
ットを用いて得られうる、ニューロメジンUまたはその
塩と配列番号:1または配列番号:21で表されるアミ
ノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含
有する蛋白質またはその塩との結合性を変化させる化合
物またはその塩、(4)上記(3)記載の化合物または
その塩を含有してなる医薬、(5)肥満症、高血圧症ま
たはストレス性疾患の予防・治療薬である上記(4)記
載の医薬、(6)ニューロメジンUが配列番号:11で
表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有するペプチドである上記(1)記載の
スクリーニング方法または上記(2)記載のスクリーニ
ング用キット、(7)配列番号:1または配列番号:2
1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同
一のアミノ酸配列を含有することを特徴とする蛋白質ま
たはその塩、(8)上記(7)記載の蛋白質をコードす
るDNAを含有するDNA、(9)配列番号:2または
配列番号:22で表される塩基配列を有する上記(8)
記載のDNA、(10)上記(8)記載のDNAを含有
する組換えベクター、(11)上記(10)記載の組換
えベクターで形質転換させた形質転換体、(12)上記
(11)記載の形質転換体を培養し、上記(7)記載の
蛋白質を生成せしめることを特徴とする上記(7)記載
の蛋白質またはその塩の製造法、および(13)上記
(7)記載の蛋白質またはその塩に対する抗体などを提
供するものである。本発明におけるニューロメジンUに
関して、具体的には、上述のニューロメジンUまたはそ
の塩などがあげられるのみならず、(14)配列番号:
5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、配列
番号:9、配列番号:10、配列番号:12、配列番
号:13、配列番号:14または配列番号:15で表わ
されるアミノ酸配列を含有する蛋白質(ポリペプチド)
であるニューロメジンUもしくはその誘導体またはその
塩などがあげられる。
【0006】また、本発明のニューロメジンUはそのC
末端アミノ酸残基のカルボキシル基がアミド体であるこ
とが好ましい。本発明におけるTGR−1とは上述の配
列番号:1または配列番号:21で表されるアミノ酸配
列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
蛋白質またはその塩のことを意味するが、(15)配列
番号:17で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実
質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質またはその
塩、または(16)配列番号:1、配列番号:17また
は配列番号:21で表わされるアミノ酸配列中の1個以
上30個以下、好ましくは1個以上10個以下のアミノ
酸が欠失したアミノ酸配列、配列番号:1、配列番号:
17または配列番号:21で表わされるアミノ酸配列に
1個以上30個以下、好ましくは1個以上10個以下の
アミノ酸が付加した(または挿入された)アミノ酸配
列、あるいは配列番号:1、配列番号:17または配列
番号:21で表わされるアミノ酸配列で表わされるアミ
ノ酸配列中の1個以上30個以下、好ましくは1個以上
10個以下のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミ
ノ酸配列を含有する蛋白質またはその塩などもTGR−
1の具体例としてあげられる。また、より具体的には、
配列番号:1で表されるアミノ酸配列のN末端から4番
目(Met)〜415番目(Thr)のアミノ酸配列を
含有する蛋白質、配列番号:17で表されるアミノ酸配
列のN末端から4番目(Met)〜415番目(Th
r)のアミノ酸配列を含有する蛋白質などもTGR−1
の具体例としてあげられる。
【0007】本発明で用いられるTGR−1またはその
塩(以下、単にTGR−1と略称する場合がある)およ
びニューロメジンUもしくはその誘導体またはその塩
(以下、単にニューロメジンUと略称する場合がある)
の製造法を以下にさらに詳細に説明する。本発明で用い
られるTGR−1およびニューロメジンUとしては、ヒ
ト、温血動物(例えば、モルモット、ラット、マウス、
ブタ、ヒツジ、ウシ、サル、イヌ、ニワトリなど)、両
生類(例えば、カエルなど)および魚類などのあらゆる
組織(たとえば、下垂体、膵臓、脳、腎臓、肝臓、生殖
腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消
化管、血管、心臓など)または細胞などに由来する蛋白
質((ポリ)ペプチド)であって、TGR−1として
は、配列番号:1または配列番号:21、ニューロメジ
ンUとしては配列番号:11で表わされるアミノ酸配列
と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
蛋白質((ポリ)ペプチド)であれば如何なるものであ
ってもよい。例えば、TGR−1としては、配列番号:
1または配列番号:21で表されるアミノ酸配列を含有
する蛋白質などの他に、配列番号:1または配列番号:
21で表される蛋白質と実質的に同質の活性を有する蛋
白質などがあげられる。該「実質的に同一」とは、例え
ば、リガンド(ニューロメジンU)と受容体(TGR−
1)の結合活性、生理的な特性などが、実質的に同じこ
とを意味する。アミノ酸の置換、欠失、付加あるいは挿
入はしばしばポリペプチドの生理的な特性や化学的な特
性に大きな変化をもたらさないが、こうした場合その置
換、欠失、付加あるいは挿入を施された蛋白質((ポ
リ)ペプチド))(いわゆるニューロメジンU改変体、
TGR−1改変体など)は、そうした置換、欠失、付加
あるいは挿入のされていないものと実質的に同一である
とされる。該アミノ酸配列中のアミノ酸の実質的に同一
な置換物としては、たとえばそのアミノ酸が属するとこ
ろのクラスのうち他のアミノ酸類から選ぶことができ
る。非極性(疎水性)アミノ酸としては、アラニン、ロ
イシン、イソロイシン、バリン、プロリン、フェニルア
ラニン、トリプトファン、メチオニンなどがあげられ
る。極性(中性)アミノ酸としてはグリシン、セリン、
スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グ
ルタミンなどがあげられる。陽電荷をもつ(塩基性)ア
ミノ酸としてはアルギニン、リジン、ヒスチジンなどが
あげられる。負電荷をもつ(酸性)アミノ酸としては、
アスパラギン酸、グルタミン酸などがあげられる。
【0008】したがって、受容体結合活性の強さなどの
強弱、蛋白質の分子量などの量的要素は異なっていても
よい。より具体的には、配列番号:1または配列番号:
21で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ
酸配列としては、例えば、配列番号:1または配列番
号:21で表わされるアミノ酸配列と約90%以上、よ
り好ましくは約95%以上、さらに好ましくは約98%
以上の相同性を有するアミノ酸配列などがあげられる。
特に、配列番号:1で表されるアミノ酸配列と実質的に
同一のアミノ酸配列としては、例えば、部分アミノ酸配
列としてLeu-Phe-Val、Trp-Ser-Glu、Val-Phe-Pheまた
はSer-Met-Hisで表されるアミノ酸配列を含有し、配列
番号:1で表わされるアミノ酸配列と約90%以上、よ
り好ましくは約95%以上、さらに好ましくは約98%
以上の相同性を有するアミノ酸配列などが好ましい。本
発明の配列番号:1または配列番号:21で表わされる
アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
タンパク質としては、例えば、配列番号:1または配列
番号:21で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一の
アミノ酸配列を有し、配列番号:1または配列番号:2
1で表わされるアミノ酸配列と実質的に同質の活性を有
するタンパク質などが好ましい。特に、本発明の配列番
号:1で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ
酸配列を含有するタンパク質としては、部分アミノ酸配
列としてLeu-Phe-Val、Trp-Ser-Glu、Val-Phe-Pheまた
はSer-Met-Hisで表されるアミノ酸配列を含有し、配列
番号:1で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のア
ミノ酸配列を有し、配列番号:1で表わされるアミノ酸
配列と実質的に同質の活性を有するタンパク質が好まし
い。
【0009】実質的に同質の活性としては、例えば、リ
ガンド結合活性、シグナル情報伝達作用などが挙げられ
る。実質的に同質とは、それらの活性が性質的に同質で
あることを示す。したがって、リガンド結合活性やシグ
ナル情報伝達作用などの活性が同等(例、約0.01〜
100倍、好ましくは約0.5〜20倍、より好ましく
は約0.5〜2倍)であることが好ましいが、これらの
活性の程度やタンパク質の分子量などの量的要素は異な
っていてもよい。リガンド結合活性やシグナル情報伝達
作用などの活性の測定は、自体公知の方法に準じて行な
うことができるが、例えば、後述するスクリーニング方
法などに従って測定することができる。また、配列番
号:1または配列番号:21で表わされるアミノ酸配列
と実質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番号:
1または配列番号:21で表わされるアミノ酸配列中の
1または2個以上(好ましくは、1〜30個程度、より
好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1
〜5個))のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列
番号:1または配列番号:21で表わされるアミノ酸配
列に1または2個以上(好ましくは、1〜30個程度、
より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個
(1〜5個))のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、
配列番号:1または配列番号:21で表わされるアミノ
酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜30個
程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましく
は数個(1〜5個))のアミノ酸が他のアミノ酸で置換
されたアミノ酸配列、またはそれらを組み合わせたア
ミノ酸配列を含有する蛋白質なども用いられる。特に、
配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一
のアミノ酸配列としては、部分アミノ酸配列としてLe
u-Phe-Val、Trp-Ser-Glu、Val-Phe-PheまたはSer-Met-H
isで表されるアミノ酸配列を含有し、配列番号:1で表
わされるアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましく
は、1〜30個程度、より好ましくは1〜10個程度、
さらに好ましくは数個(1〜5個))のアミノ酸が欠失
したアミノ酸配列、部分アミノ酸配列としてLeu-Phe-
Val、Trp-Ser-Glu、Val-Phe-PheまたはSer-Met-Hisで表
されるアミノ酸配列を含有し、配列番号:1で表わされ
るアミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1〜
30個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好
ましくは数個(1〜5個))のアミノ酸が付加したアミ
ノ酸配列、部分アミノ酸配列としてLeu-Phe-Val、Trp
-Ser-Glu、Val-Phe-PheまたはSer-Met-Hisで表されるア
ミノ酸配列を含有し、配列番号:1で表わされるアミノ
酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜30個
程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましく
は数個(1〜5個))のアミノ酸が他のアミノ酸で置換
されたアミノ酸配列、またはそれらを組み合わせたア
ミノ酸配列を含有する蛋白質などが好ましく用いられ
る。また、配列番号:1で表されるアミノ酸配列のN末
端から4番目(Met)〜415番目(Thr)のアミ
ノ酸配列を含有する蛋白質、配列番号:17で表される
アミノ酸配列のN末端から4番目(Met)〜415番
目(Thr)のアミノ酸配列を含有する蛋白質などもT
GR−1の具体例としてあげられる。
【0010】一方、本発明のニューロメジンUとして
は、配列番号:11で表わされるアミノ酸配列を含有す
る(ポリ)ペプチドなどの他に、配列番号:11で表わ
されるアミノ酸配列を含有する(ポリ)ペプチドと実質
的に同質の活性を有する(ポリ)ペプチドなどがあげら
れる。実質的に同質の活性としては、例えばレセプター
結合活性などがあげられる。実質的に同質とは、レセプ
ター結合活性などが性質的に同質であることを示す。し
たがって、レセプター結合活性の強さなどの強弱、(ポ
リ)ペプチドの分子量などの量的要素は異なっていても
よい。本明細書におけるTGR−1およびニューロメジ
ンUはペプチド標記の慣例に従って左端がN末端(アミ
ノ末端)、右端がC末端(カルボキシル末端)である。
例えば、配列番号:1もしくは配列番号:21または配
列番号:11で表されるアミノ酸配列などを含有する蛋
白質または(ポリ)ペプチドはC末端が通常カルボキシ
ル基(-COOH)またはカルボキシレート(-COO-)である
が、C末端がアミド(-CONH2)またはエステル(-COOR)
であってもよい。エステルのRとしては、例えばメチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピルもしくはn−
ブチルなどのC1-6アルキル基、シクロペンチル、シク
ロヘキシルなどのC3-8シクロアルキル基、フェニル、
α−ナフチルなどのC6-12アリール基、ベンジル、フェ
ネチル、ベンズヒドリルなどのフェニル−C1-2アルキ
ル、もしくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−
1-2アルキルなどのC7-14アラルキル基のほか、経口
用エステルとして汎用されるピバロイルオキシメチル基
などがあげられる。本発明で用いられるニューロメジン
UとしてはC末端のカルボキシル基(-COOH)がアミド
(-CONH2)であるものが好ましい。
【0011】本発明で用いられるTGR−1およびニュ
ーロメジンUの塩としては、生理学的に許容される塩基
(例えばアルカリ金属など)や酸(有機酸、無機酸)と
の塩が用いられるが、とりわけ生理学的に許容される酸
付加塩が好ましい。このような塩としては例えば無機酸
(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、
あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、
フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、
リンゴ酸、シュウ酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベ
ンゼンスルホン酸)との塩などが用いられる。本発明で
用いられるTGR−1およびニューロメジンUは、公知
の方法(例、FEBS Letters 398 (1996) 253-258、WO 96
/18651号公報記載の方法)に準じた方法、即ち、ヒトや
温血動物の組織または細胞からポリペプチドを精製する
方法によって製造することもできるし、後述の蛋白質
(ペプチド)合成法に準じて製造することもできる。ま
た、後述する蛋白質(ペプチド)をコードするDNAを
含有する形質転換体を培養することによっても製造する
ことができる。
【0012】ヒト、温血動物、両生類、魚類などの組織
または細胞から製造する場合、ヒト、温血動物、両生
類、魚類などの組織または細胞をホモジナイズした後、
酸、有機溶媒などで抽出を行い、該抽出液を、塩析、透
析、ゲル濾過、逆相クロマトグラフィー、イオン交換ク
ロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー
などのクロマトグラフィーを組み合わせることにより精
製単離することができる。上記したように本発明で用い
られるTGR−1およびニューロメジンUは、自体公知
の蛋白質((ポリ)ペプチド)の合成法に従って、ある
いはTGR−1および/またはニューロメジンUを含有
する蛋白質((ポリ)ペプチド)を適当なペプチダーゼ
で切断することによって製造することができる。蛋白質
((ポリ)ペプチド)の合成法としては、例えば固相合
成法、液相合成法のいずれによっても良い。すなわち、
TGR−1および/またはニューロメジンUを構成し得
る部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合さ
せ、生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離するこ
とにより目的の蛋白質((ポリ)ペプチド)を製造する
ことができる。公知の縮合方法や保護基の脱離としては
例えば、以下の〜に記載された方法があげられる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年); SchroederおよびLuebke、ザ ペプチド(The Peptid
e), Academic Press, NewYork (1965年); 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年); 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タ
ンパク質の化学IV、 205、(1977年); 矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド合
成 広川書店。
【0013】また、反応後は通常の精製法、たとえば、
溶媒抽出・蒸留・カラムクロマトグラフィー・液体クロ
マトグラフィー・再結晶などを組み合わせて蛋白質
((ポリ)ペプチド)を精製単離することができる。上
記方法で得られる蛋白質((ポリ)ペプチド)が遊離体
である場合は、公知の方法によって適当な塩に変換する
ことができるし、逆に塩で得られた場合は、公知の方法
によって遊離体に変換することができる。TGR−1お
よびニューロメジンUのアミド体は、アミド形成に適し
た市販のペプチド合成用樹脂を用いることができる。そ
のような樹脂としては例えば、クロロメチル樹脂、ヒド
ロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹脂、アミノ
メチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルアルコール樹
脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、PAM樹脂、
4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセトアミドメチ
ル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−(2',4'-ジメ
トキシフェニル−ヒドロキシメチル)フェノキシ樹脂、
4−(2',4'-ジメトキシフェニル−Fmocアミノエチ
ル)フェノキシ樹脂などをあげることができる。このよ
うな樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能基を適当に保
護したアミノ酸を、目的とするペプチドの配列通りに、
自体公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で縮合させる。
反応の最後に樹脂から蛋白質((ポリ)ペプチド)を切
り出すと同時に各種保護基を除去し、必要に応じて高希
釈溶液中で分子内ジスルフィド結合形成反応を実施し、
目的の蛋白質((ポリ)ペプチド)を取得する。上記し
た保護されたアミノ酸の縮合に関しては、蛋白質((ポ
リ)ペプチド)合成に使用できる各種活性化試薬を用い
ることができるが、特に、カルボジイミド類がよい。カ
ルボジイミド類としてはDCC、N,N'-ジイソプロピルカル
ボジイミド、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロピ
ル)カルボジイミドなどがあげられる。これらによる活
性化にはラセミ化抑制添加剤(例えば、HOBT、HOOBTな
ど)とともに保護されたアミノ酸を直接樹脂に添加する
かまたは、対称酸無水物またはHOBTエステルあるいはHO
OBTエステルとしてあらかじめ保護されたアミノ酸の活
性化を行ったのちに樹脂に添加することができる。保護
されたアミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用いられる溶
媒としては、蛋白質((ポリ)ペプチド)縮合反応に使
用しうることが知られている溶媒から適宜選択されう
る。たとえばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの酸
アミド類、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン
化炭化水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコー
ル類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピ
リジンなどの三級アミン類、ジオキサン、テトラヒドロ
フランなどのエーテル類、アセトニトリル、プロピオニ
トリルなどのニトリル類、酢酸メチル、酢酸エチルなど
のエステル類あるいはこれらの適宜の混合物などが用い
られる。反応温度はペプチド結合形成反応に使用され得
ることが知られている範囲から適宜選択され、通常約−
20℃〜50℃の範囲から適宜選択される。活性化され
たアミノ酸誘導体は通常1.5ないし4倍過剰で用いら
れる。ニンヒドリン反応を用いたテストの結果、縮合が
不十分な場合には保護基の脱離を行うことなく縮合反応
を繰り返すことにより十分な縮合を行うことができる。
反応を繰り返しても十分な縮合が得られないときには、
無水酢酸またはアセチルイミダゾールを用いて未反応ア
ミノ酸をアセチル化して、後の反応に影響を及ぼさない
ようにすることができる。原料アミノ酸のアミノ基の保
護基としては、たとえば、Z、Boc、ターシャリーペン
チルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニ
ル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、Cl-Z、Br
-Z、アダマンチルオキシカルボニル、トリフルオロアセ
チル、フタロイル、ホルミル、2−ニトロフェニルスル
フェニル、ジフェニルホスフィノチオイル、Fmocなどが
あげられる。カルボキシル基の保護基としては、たとえ
ばRとして上記したC1-6アルキル基、C3-8シクロアル
キル基、C7-14アラルキル基の他、2−アダマンチル、
4−ニトロベンジル、4−メトキシベンジル、4−クロ
ロベンジル、フェナシル基およびベンジルオキシカルボ
ニルヒドラジド、ターシャリーブトキシカルボニルヒド
ラジド、トリチルヒドラジドなどがあげられる。
【0014】セリンおよびスレオニンの水酸基は、たと
えばエステル化またはエーテル化によって保護すること
ができる。このエステル化に適する基としては例えばア
セチル基などの低級アルカノイル基、ベンゾイル基など
のアロイル基、ベンジルオキシカルボニル基、エトキシ
カルボニル基などの炭素から誘導される基などがあげら
れる。また、エーテル化に適する基としては、たとえば
ベンジル基、テトラヒドロピラニル基、ターシャリーブ
チル基などである。チロシンのフェノール性水酸基の保
護基としては、たとえばBzl、Cl2-Bzl、2−ニトロベン
ジル、Br-Z、ターシャリーブチルなどがあげられる。ヒ
スチジンのイミダゾールの保護基としては、Tos、4-メ
トキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホニル、DNP、ベ
ンジルオキシメチル、Bum、Boc、Trt、Fmocなどがあげ
られる。原料のカルボキシル基の活性化されたものとし
ては、たとえば対応する酸無水物、アジド、活性エステ
ル[アルコール(たとえば、ペンタクロロフェノール、
2,4,5-トリクロロフェノール、2,4-ジニトロフェノー
ル、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノール、
HONB、N-ヒドロキシスクシミド、N-ヒドロキシフタルイ
ミド、HOBT)とのエステル]などがあげられる。原料の
アミノ基の活性化されたものとしては、たとえば対応す
るリン酸アミドなどがあげられる。保護基の除去(脱
離)方法としては、たとえばPd黒あるいはPd炭素などの
触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、また、無
水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオロメタン
スルホン酸、トリフルオロ酢酸あるいはこれらの混合液
などによる酸処理や、ジイソプロピルエチルアミン、ト
リエチルアミン、ピペリジン、ピペラジンなどによる塩
基処理、また液体アンモニア中ナトリウムによる還元な
どもあげられる。上記酸処理による脱離反応は一般に−
20℃〜40℃の温度で行われるが、酸処理においては
アニソール、フェノール、チオアニソール、メタクレゾ
ール、パラクレゾール、ジメチルスルフィド、1,4-ブタ
ンジチオール、1,2-エタンジチオールのようなカチオン
捕捉剤の添加が有効である。また、ヒスチジンのイミダ
ゾール保護基として用いられる2,4-ジニトロフェニル基
はチオフェノール処理により除去され、トリプトファン
のインドール保護基として用いられるホルミル基は上記
の1,2-エタンジチオール、1,4-ブタンジチオールなどの
存在下の酸処理による脱保護以外に、希水酸化ナトリウ
ム、希アンモニアなどによるアルカリ処理によっても除
去される。原料の反応に関与すべきでない官能基の保護
および保護基、ならびにその保護基の脱離、反応に関与
する官能基の活性化などは公知の基あるいは公知の手段
から適宜選択しうる。
【0015】TGR−1およびニューロメジンUのアミ
ド体を得る別の方法としては、まず、カルボキシル末端
アミノ酸のα−カルボキシル基をアミド化した後、アミ
ノ基側にペプチド鎖を所望の鎖長まで延ばした後、該ペ
プチド鎖のN末端のα−アミノ基の保護基のみを除いた
ペプチドとC末端のカルボキシル基の保護基のみを除い
たペプチド(またはアミノ酸)とを製造し、この両ペプ
チドを上記したような混合溶媒中で縮合させる。縮合反
応の詳細については上記と同様である。縮合により得ら
れた保護ペプチドを精製した後、上記方法によりすべて
の保護基を除去し、所望の粗蛋白質((ポリ)ペプチ
ド)を得ることができる。この粗蛋白質((ポリ)ペプ
チド)は既知の各種精製手段を駆使して精製し、主要画
分を凍結乾燥することで所望の蛋白質((ポリ)ペプチ
ド)のアミド体を得ることができる。TGR−1および
ニューロメジンUのエステル体を得るにはカルボキシ末
端アミノ酸のα−カルボキシル基を所望のアルコール類
と縮合しアミノ酸エステルとした後、蛋白質((ポリ)
ペプチド)のアミド体と同様にして所望の蛋白質((ポ
リ)ペプチド)のエステル体を得ることができる。本発
明で用いられるニューロメジンUの誘導体としては、
ニューロメジンUの部分ペプチド、ニューロメジンU
の構成アミノ酸が欠失したペプチド、構成アミノ酸に他
のアミノ酸が付加したペプチド、構成アミノ酸が他のア
ミノ酸に置換されたペプチド、またはニューロメジン
U、上記記載の部分ペプチドまたは上記記載のペプ
チドが標識化されたものなど、TGR−1との結合能を
有するものであれば何れのものであってもよい。ニュー
ロメジンUの部分ペプチドとして具体的には、配列番
号:16で表わされるアミノ酸配列を有するペプチドも
しくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩な
どがあげられる。なかでも、配列番号:16で表わされ
るアミノ酸配列を有するペプチドのC末端のカルボキシ
ル基がアミド化されたものまたはその塩が好ましい。
【0016】該ニューロメジンUの部分ペプチドは、上
述のニューロメジンUを適当なペプチダーゼで切断する
ことによって製造することができるし、上記の蛋白質
((ポリ)ペプチド)の合成法に従って製造することが
できる。ニューロメジンUの部分ペプチドのアミドまた
はエステルも上述のアミド体またはエステル体の製造方
法に準じて製造することができる。さらにニューロメジ
ンUの部分ペプチドの塩としては、上記のTGR−1お
よびニューロメジンUの塩と同様のものなどがあげられ
る。また、ニューロメジンUの構成アミノ酸が欠失した
ペプチド、構成アミノ酸に他のアミノ酸が付加したペプ
チド、構成アミノ酸が他のアミノ酸に置換されたペプチ
ドとしては、配列番号:11で表されるアミノ酸配列中
の1個以上3個以下、好ましくは1個または2個のアミ
ノ酸が欠失したアミノ酸配列、または、配列番号:11
で表されるアミノ酸配列に1個以上3個以下、好ましく
は1個または2個のアミノ酸が付加した(または挿入さ
れた)アミノ酸配列、あるいは配列番号:11で表され
るアミノ酸配列中の1個以上3個以下、好ましくは1個
または2個のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミ
ノ酸配列を含有するペプチドなどがあげられる。さら
に、構成アミノ酸が欠失したペプチド、構成アミノ酸に
他のアミノ酸が付加したペプチド、構成アミノ酸が他の
アミノ酸に置換されたペプチドとしては、配列番号:
5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、配列
番号:9、配列番号:10、配列番号:12、配列番
号:13、配列番号:14または配列番号:15で表わ
されるアミノ酸配列中の1個以上3個以下、好ましくは
1個または2個のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配
列番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:
8、配列番号:9、配列番号:10、配列番号:12、
配列番号:13、配列番号:14または配列番号:15
で表わされるアミノ酸配列に1個以上3個以下、好まし
くは1個または2個のアミノ酸が付加した(または挿入
された)アミノ酸配列、あるいは配列番号:5、配列番
号:6、配列番号:7、配列番号:8、配列番号:9、
配列番号:10、配列番号:12、配列番号:13、配
列番号:14または配列番号:15で表わされるアミノ
酸配列中の1個以上3個以下、好ましくは1個または2
個のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列
を含有するペプチドなどもあげられる。
【0017】該アミノ酸配列中のアミノ酸の実質的に同
一な置換物としては、たとえばそのアミノ酸が属すると
ころのクラスのうち他のアミノ酸類から選ぶことができ
る。非極性(疎水性)アミノ酸としては、アラニン、ロ
イシン、イソロイシン、バリン、プロリン、フェニルア
ラニン、トリプトファン、メチオニンなどがあげられ
る。極性(中性)アミノ酸としてはグリシン、セリン、
スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グ
ルタミンなどがあげられる。陽電荷をもつ(塩基性)ア
ミノ酸としてはアルギニン、リジン、ヒスチジンなどが
あげられる。負電荷をもつ(酸性)アミノ酸としては、
アスパラギン酸、グルタミン酸などがあげられる。ニュ
ーロメジンU、上記記載の部分ペプチドまたは上記
記載のペプチドが標識化されたものとしては、自体公知
の方法で、アイソトープラベル化されたもの、蛍光標識
されたもの(例えば、フルオレセインなどによる蛍光標
識)、ビオチン化されたもの、酵素標識されたものなど
があげられる。具体的には、例えば公知の方法によっ
て、〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔 35S〕などで標
識されたニューロメジンUなどを利用することができ
る。ニューロメジンUの誘導体の塩としては、上記のT
GR−1およびニューロメジンUの塩と同様のものなど
があげられる。本発明で用いられるTGR−1をコード
するDNAとしては、配列番号:1または配列番号:2
1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同
一のアミノ酸配列を含有する蛋白質をコードするDNA
を含有するDNA、本発明で用いられるニューロメジン
UをコードするDNAとしては、配列番号:11で表わ
されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミ
ノ酸配列を含有するペプチドをコードするDNAを含有
するDNAであればいかなるものであってもよい。ま
た、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、前記し
た組織・細胞由来のcDNA、前記した組織・細胞由来
のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれでもよ
い。ライブラリーに使用するベクターはバクテリオファ
ージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなどいずれ
であってもよい。また、前記した組織・細胞よりRNA
画分を調製したものを用いて直接Reverse Transcriptas
e Polymerase Chain Reaction (以下、RT-PCR法と
略称する)によって増幅することもできる。配列番号:
1で表されるアミノ酸配列を含有するTGR−1をコー
ドするDNAを含有するDNAとしては、例えば配列番
号:2で表される塩基配列を含有するDNAなどがあげ
られ、配列番号:21で表されるアミノ酸配列を含有す
るTGR−1をコードするDNAを含有するDNAとし
ては、例えば配列番号:22で表される塩基配列を含有
するDNAなどがあげられ、配列番号:17で表される
アミノ酸配列を含有するTGR−1をコードするDNA
を含有するDNAとしては、例えば配列番号:18で表
される塩基配列を含有するDNAなどがあげられる。
【0018】さらに、配列番号:1で表されるアミノ酸
配列のN末端から4番目(Met)〜415番目(Th
r)のアミノ酸配列を含有するTGR−1をコードする
DNAを含有するDNAとしては、例えば配列番号:2
で表される塩基配列の5’末端から10番目(A)〜1
245番目(C)の塩基配列を含有するDNAをなどが
あげられ、配列番号:17で表されるアミノ酸配列のN
末端から4番目(Met)〜415番目(Thr)のア
ミノ酸配列を含有するTGR−1をコードするDNAを
含有するDNAとしては、例えば配列番号:18で表さ
れる塩基配列の5’末端から10番目(A)〜1245
番目(C)の塩基配列を含有するDNAなどがあげられ
る。特に、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有
するTGR−1をコードするDNAを含有するDNAと
しては、例えば、部分塩基配列として-CTGTTTGTC-(配
列番号:2中の第808番目(C)〜第816番目(C)で表さ
れる部分塩基配列)、-TGGAGTGAA-(配列番号:2中の
第888番目(T)〜第896番目(A)で表される部分塩基配
列)、-GTCTTCTTC-(配列番号:2中の第940番目(G)
〜第948番目(C)で表される部分塩基配列)または-TCC
ATGCAC-(配列番号:2中の第1159番目(T)〜第1167番
目(C)で表される部分塩基配列)で表される塩基配列
を含有し、配列番号:2で表される塩基配列を含有する
DNAなどが好ましく用いられる。より具体的には、
(1)ストリンジェントな条件下で、配列番号:1、配列
番号:21または配列番号:11で表わされるアミノ酸
配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有
する蛋白質または(ポリ)ペプチドをコードするDNA
を含有するDNAとハイブリダイズするDNA、(2)遺
伝コードの縮重のため、配列番号:1、配列番号:21
または配列番号:11で表わされるアミノ酸配列と同一
もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質
または(ポリ)ペプチドをコードするDNAを含有する
DNAおよび(1)に定められている配列とハイブリッド
形成しないが、同一アミノ酸配列をもつ蛋白質または
(ポリ)ペプチドをコードするDNAなどが用いられ
る。ハイブリダイゼーションは、自体公知の方法あるい
はそれに準じた方法に従って行うことができる。上記ス
トリンジェントな条件としては、例えば42℃、50%
ホルムアミド、4×SSPE(1×SSPE=150mM NaC
l, 10mM NaH2PO4・H2O, 1mM EDTA pH7.4)、5×デンハー
ト溶液、0.1%SDSである。
【0019】本発明で用いられるTGR−1またはニュ
ーロメジンUをコードするDNAは以下の遺伝子工学的
手法によっても製造することができる。本発明のTGR
−1またはニューロメジンUを完全にコードするDNA
のクローニングの手段としては、本発明のポリペプチド
の部分塩基配列を有する合成DNAプライマーを用いて
自体公知のPCR法によって前記DNAライブラリー等
から目的とするDNAを増幅するか、または適当なベク
ターに組み込んだDNAを例えばTGR−1またはニュ
ーロメジンUをコードする塩基配列の一部あるいは全領
域を有するDNA断片もしくは合成DNAを用いて標識
したものとのハイブリダイゼーションによって選別する
ことができる。ハイブリダイゼーションの方法は、例え
ば Molecular Cloning(2nd ed.;J. Sambrook et a
l., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の
方法などに従って行われる。また、市販のライブラリー
を使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従っ
て行う。DNAの塩基配列の変換は、公知のキット、例
えば、MutanTM-super ExpressKm(宝酒造(株))、Mut
anTM-K(宝酒造(株))等を用いて、ODA-LA PCR法やGa
pped duplex法やKunkel法等の自体公知の方法あるいは
それらに準じる方法に従って行なうことができる。クロ
ーン化された本発明で用いられるTGR−1またはニュ
ーロメジンUをコードするDNAは目的によりそのま
ま、または所望により制限酵素で消化したり、リンカー
を付加したりして使用することができる。該DNAはそ
の5’末端側に翻訳開始コドンとしてのATGを有し、
また3’末端側には翻訳終止コドンとしてのTAA、T
GAまたはTAGを有していてもよい。これらの翻訳開
始コドンや翻訳終止コドンは、適当な合成DNAアダプ
ターを用いて付加することもできる。本発明で用いられ
るTGR−1またはニューロメジンUの発現ベクター
は、例えば、(イ)本発明で用いられるTGR−1また
はニューロメジンUをコードするDNAから目的とする
DNA断片を切り出し、(ロ)該DNA断片を適当な発
現ベクター中のプロモーターの下流に連結することによ
り製造することができる。ベクターとしては、大腸菌由
来のプラスミド(例、pBR322,pBR325,p
UC12,pUC13)、枯草菌由来のプラスミド
(例、pUB110,pTP5,pC194)、酵母由
来プラスミド(例、pSH19,pSH15)、λファ
ージなどのバクテリオファージ、レトロウイルス,ワク
シニアウイルス,バキュロウイルスなどの動物ウイルス
などが用いられる。用いられるプロモーターとしては、
遺伝子の発現に用いる宿主に対応して適切なプロモータ
ーであればいかなるものでもよい。
【0020】形質転換する際の宿主が動物細胞である場
合には、SV40由来のプロモーター、レトロウイルス
のプロモーター、メタロチオネインプロモーター、ヒー
トショックプロモーター、サイトメガロウイルスプロモ
ーター、SRαプロモーターなどが利用できる。宿主が
エシェリヒア属菌である場合は、Trpプロモーター、
T7プロモーター、lacプロモーター、recAプロ
モーター、λPLプロモーター、lppプロモーターな
どが、宿主がバチルス属菌である場合は、SPO1プロ
モーター、SPO2プロモーター、penPプロモータ
ーなど、宿主が酵母である場合は、PHO5プロモータ
ー、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADH
1プロモーター、GALプロモーターなどが好ましい。
宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘドリンプロモータ
ー、P10プロモーターなどが好ましい。発現ベクター
には、以上の他に、所望によりエンハンサー、スプライ
シングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マーカー、
SV40複製オリジン(以下、SV40oriと略称す
る場合がある)などを含有しているものを用いることが
できる。選択マーカーとしては、例えば、ジヒドロ葉酸
還元酵素(以下、dhfrと略称する場合がある)遺伝
子〔メソトレキセート(MTX)耐性〕、アンピシリン
耐性遺伝子(以下、Amprと略称する場合がある)、
ネオマイシン耐性遺伝子(以下、Neoと略称する場合
がある、G418耐性)等があげられる。特に、CHO
(dhfr-)細胞を用いてDHFR遺伝子を選択マー
カーとして使用する場合、チミジンを含まない培地によ
っても選択できる。また、必要に応じて、宿主に合った
シグナル配列を、ポリペプチドまたはその部分ペプチド
のN端末側に付加する。宿主がエシェリヒア属菌である
場合は、phoA・シグナル配列、OmpA・シグナル配列な
どが、宿主がバチルス属菌である場合は、α−アミラー
ゼ・シグナル配列、サブチリシン・シグナル配列など
が、宿主が酵母である場合は、メイテイングファクター
α(MFα)・シグナル配列、インベルターゼ・シグナル
配列など、宿主が動物細胞である場合には、例えばイン
シュリン・シグナル配列、α−インターフェロン・シグ
ナル配列、抗体分子・シグナル配列などがそれぞれ利用
できる。
【0021】このようにして構築されたTGR−1また
はニューロメジンUをコードするDNAを含有するベク
ターを用いて、形質転換体を製造することができる。宿
主としては、たとえばエシェリヒア属菌、バチルス属
菌、酵母、昆虫または昆虫細胞、動物細胞などが用いら
れる。エシェリヒア属菌としては、エシェリヒア・コリ
(Escherichia coli)K12・DH1〔プロシージング
ズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエ
ンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA),60巻,160(1968)〕,JM
103〔ヌクイレック・アシッズ・リサーチ,(Nuclei
c Acids Research),9巻,309(1981)〕,JA
221〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジ
ー(Journal of Molecular Biology)〕,120巻,5
17(1978)〕,HB101〔ジャーナル・オブ・モ
レキュラー・バイオロジー,41巻,459(196
9)〕,C600〔ジェネティックス(Genetics),3
9巻,440(1954)〕などが用いられる。バチルス
属菌としては、たとえばバチルス・サチルス(Bacillus
subtilis)MI114〔ジーン,24巻,255(19
83)〕,207−21〔ジャーナル・オブ・バイオケ
ミストリー(Journal of Biochemistry),95巻,8
7(1984)〕などが用いられる。酵母としては、たと
えばサッカロマイセス セレビシエ(Saccharomyces ce
revisiae)AH22,AH22R-,NA87−11
A,DKD−5D,20B−12などが用いられる。昆
虫としては、例えばカイコの幼虫などが用いられる〔前
田ら、ネイチャー(Nature),315巻,592(19
85)〕。昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがAc
NPVの場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodopte
ra frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia niの
中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のHig
h FiveTM細胞、Mamestra brassicae由来の細胞またはEs
tigmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイルス
がBmNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bombyx mori
N;BmN細胞)などが用いられる。該Sf細胞として
は、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf21細
胞〔以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィトロ(in Vitr
o),13巻,213−217頁(1977年)〕など
が用いられる。動物細胞としては、たとえばサルCOS
−7細胞,Vero細胞,チャイニーズハムスター細胞C
HO,DHFR遺伝子欠損チャイニーズハムスター細胞
CHO(dhfr-CHO細胞),マウスL細胞,マウ
ス3T3細胞、マウスミエローマ細胞,ヒトHEK29
3細胞、ヒトFL細胞、293細胞、C127細胞、B
ALB3T3細胞、Sp−2/O細胞などが用いられ
る。エシェリヒア属菌を形質転換するには、たとえばプ
ロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・
オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA),69巻,2110(1
972)やジーン(Gene),17巻,107(1982)
などに記載の方法に従って行なわれる。バチルス属菌を
形質転換するには、たとえばモレキュラー・アンド・ジ
ェネラル・ジェネティックス(Molecular & General G
enetics),168巻,111(1979)などに記載の
方法に従って行われる。
【0022】酵母を形質転換するには、たとえばプロシ
ージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ
・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Na
tl.Acad. Sci. USA),75巻,1929(1978)に
記載の方法に従って行なわれる。昆虫細胞または昆虫を
形質転換するには、たとえばバイオ/テクノロジー(Bi
o/Technology),6巻, 47−55頁(1988年)な
どに記載の方法に従って行なわれる。動物細胞を形質転
換するには、たとえばヴィロロジー(Virology),52
巻,456(1973)に記載の方法に従って行なわれ
る。発現ベクターの細胞への導入方法としては、例え
ば、リポフェクション法〔Felgner, P.L. et al. プロ
シージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オ
ブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Procee
dings of The National Academy of Sciences of The U
nited States of America),84巻,7413頁(1
987年)〕、リン酸カルシウム法〔Graham, F. L. an
d van der Eb,A. J.ヴィロロジー(Virology),52
巻,456−467頁(1973年)〕、電気穿孔法
〔Nuemann, E. et al. エンボ・ジャーナル(EMBO
J.),1巻,841−845頁(1982年)〕等があ
げられる。このようにして、本発明で用いられるTGR
−1またはニューロメジンUをコードするDNAを含有
する発現ベクターで形質転換された形質転換体が得られ
る。なお、動物細胞を用いて、本発明で用いられるTG
R−1またはニューロメジンUを安定に発現させる方法
としては、上記の動物細胞に導入された発現ベクターが
染色体に組み込まれた細胞をクローン選択によって選択
する方法がある。具体的には、上記の選択マーカーを指
標にして形質転換体を選択する。さらに、このように選
択マーカーを用いて得られた動物細胞に対して、繰り返
しクローン選択を行なうことにより本発明で用いられる
TGR−1またはニューロメジンUの高発現能を有する
安定な動物細胞株を得ることができる。また、dhfr
遺伝子を選択マーカーとして用いた場合、MTX濃度を
徐々に上げて培養し、耐性株を選択することにより、d
hfr遺伝子とともに、本発明で用いられるTGR−1
またはニューロメジンUをコードするDNAを細胞内で
増幅させて、さらに高発現の動物細胞株を得ることもで
きる。上記の形質転換体を本発明で用いられるTGR−
1またはニューロメジンUをコードするDNAが発現可
能な条件下で培養し、本発明で用いられるTGR−1ま
たはニューロメジンUを生成、蓄積せしめることによっ
て、本発明で用いられるTGR−1またはニューロメジ
ンUを製造することができる。宿主がエシェリヒア属
菌、バチルス属菌である形質転換体を培養する際、培養
に使用される培地としては液体培地が適当であり、その
中には該形質転換体の生育に必要な炭素源、窒素源、無
機物その他が含有せしめられる。炭素源としては、たと
えばグルコース、デキストリン、可溶性澱粉、ショ糖な
ど、窒素源としては、たとえばアンモニウム塩類、硝酸
塩類、コーンスチープ・リカー、ペプトン、カゼイン、
肉エキス、大豆粕、バレイショ抽出液などの無機または
有機物質、無機物としてはたとえば塩化カルシウム、リ
ン酸二水素ナトリウム、塩化マグネシウムなどがあげら
れる。また、酵母エキス、ビタミン類、生長促進因子な
どを添加してもよい。培地のpHは約5〜8が望まし
い。
【0023】エシェリヒア属菌を培養する際の培地とし
ては、例えばグルコース、カザミノ酸を含むM9培地
〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journa
l of Experiments in Molecular Genetics),431−
433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York 1
972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを
効率よく働かせるために、たとえば3β−インドリルア
クリル酸のような薬剤を加えることができる。宿主がエ
シェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約
3〜24時間行い、必要により、通気や撹拌を加えるこ
ともできる。宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常約
30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要により通気
や撹拌を加えることもできる。宿主が酵母である形質転
換体を培養する際、培地としては、たとえばバークホー
ルダー(Burkholder)最小培地〔Bostian, K. L. ら、
「プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミ
ー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),77巻,4505
(1980)」や0.5%カザミノ酸を含有するSD培地
〔Bitter, G. A. ら、「プロシージングズ・オブ・ザ・
ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ
・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),
81巻,5330(1984)〕があげられる。培地の
pHは約5〜8に調整するのが好ましい。培養は通常約
20℃〜35℃で約24〜72時間行い、必要に応じて
通気や撹拌を加える。宿主が昆虫細胞である形質転換体
を培養する際、培地としては、Grace's Insect Medium
(Grace, T.C.C.,ネイチャー(Nature),195,788(196
2))に非動化した10%ウシ血清等の添加物を適宜加え
たものなどが用いられる。培地のpHは約6.2〜6.
4に調整するのが好ましい。培養は通常約27℃で約3
〜5日間行い、必要に応じて通気や撹拌を加える。
【0024】宿主が動物細胞である形質転換体を培養す
る際、培地としては、たとえば約5〜20%の胎児牛血
清を含むMEM培地〔サイエンス(Science),122
巻,501(1952)〕,DMEM培地〔ヴィロロジー
(Virology),8巻,396(1959)〕,RPMI
1640培地〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メ
ディカル・アソシエーション(The Journal of The Ame
rican Medical Association)199巻,519(196
7)〕,199培地〔プロシージング・オブ・ザ・ソサ
イエティ・フォー・ザ・バイオロジカル・メディスン
(Proceeding ofThe Society for The Biological Medi
cine),73巻,1(1950)〕などが用いられる。p
Hは約6〜8であるのが好ましい。培養は通常約30℃
〜40℃で約15〜60時間行い、必要に応じて通気や
撹拌を加える。特にCHO(dhfr-)細胞およびdhfr遺
伝子を選択マーカーとして用いる場合には、チミジンを
ほとんど含まない透析ウシ胎児血清を含むDMEM培地
を用いるのが好ましい。上記培養物から本発明で用いら
れるTGR−1またはニューロメジンUを分離精製する
には、例えば下記の方法により行なうことができる。本
発明で用いられるTGR−1またはニューロメジンUを
培養菌体あるいは細胞から抽出するに際しては、培養
後、公知の方法で菌体あるいは細胞を集め、これを適当
な緩衝液に懸濁し、超音波、リゾチームおよび/または
凍結融解などによって菌体あるいは細胞を破壊したの
ち、遠心分離やろ過により本発明で用いられるTGR−
1またはニューロメジンUの粗抽出液を得る方法などが
適宜用い得る。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなど
のタンパク変性剤や、トリトンX−100(登録商標。
以下、TMと省略することがある。)などの界面活性剤
が含まれていてもよい。培養液中に本発明で用いられる
TGR−1またはニューロメジンUが分泌される場合に
は、培養終了後、自体公知の方法で菌体あるいは細胞と
上清とを分離し、上清を集める。このようにして得られ
た培養上清、あるいは抽出液中に含まれる本発明で用い
られるTGR−1またはニューロメジンUの精製は、自
体公知の分離・精製法を適切に組み合わせて行なうこと
ができる。これらの公知の分離、精製法としては、塩析
や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、透析法、限
外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動法などの主として分子量の差を利用す
る方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電の差
を利用する方法、アフィニティークロマトグラフィーな
どの特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体クロマ
トグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、等電点
電気泳動法やクロマトフォーカシングなどの等電点の差
を利用する方法などが用いられる。かくして得られる本
発明で用いられるTGR−1またはニューロメジンUが
遊離体で得られた場合には、自体公知の方法あるいはそ
れに準じる方法によって塩に変換することができ、逆に
塩で得られた場合には自体公知の方法あるいはそれに準
じる方法により、遊離体または他の塩に変換することが
できる。なお、組換え体が産生する本発明で用いられる
TGR−1またはニューロメジンUを、精製前または精
製後に適当な蛋白修飾酵素を作用させることにより、任
意に修飾を加えたり、蛋白質((ポリ)ペプチド)を部
分的に除去することもできる。蛋白修飾酵素としては、
例えば、トリプシン、キモトリプシン、アルギニルエン
ドペプチダーゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダーゼ
などが用いられる。またN末端アミノ酸を欠失させるた
めには、エドマン(Edman)試薬(フェニルイソチオシア
ネート)を用いた公知のエドマン法を用いることが可能
である。かくして生成する本発明で用いられるTGR−
1またはニューロメジンUの存在は特異抗体を用いたエ
ンザイムイムノアッセイなどにより測定することができ
る。
【0025】ニューロメジンUおよびTGR−1を用い
ることを特徴とするニューロメジンとTGR−1との結
合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング
方法またはニューロメジンUおよびTGR−1を含有す
ることを特徴とするニューロメジンUとTGR−1との
結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニン
グ用キット(以下、本発明のスクリーニング方法、本発
明のスクリーニング用キットと略記する場合がある)に
ついて以下に詳述する。TGR−1を用いるか、または
組換え型TGR−1の発現系を構築し、該発現系を用い
たニューロメジンUとの結合アッセイ系(リガンド・レ
セプターアッセイ系)を用いることによって、ニューロ
メジンUとTGR−1との結合性を変化させる化合物
(例えば、ペプチド、蛋白質、非ペプチド性化合物、合
成化合物、発酵生産物など)またはその塩をスクリーニ
ングすることができる。このような化合物には、TGR
−1を介して細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊
離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内c
AMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸
産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−
fosの活性化、pHの変化などを促進する活性など)
を有する化合物(即ちTGR−1アゴニスト)と該細胞
刺激活性を有しない化合物(即ちTGR−1アンタゴニ
スト)などが含まれる。また、「ニューロメジンUとT
GR−1との結合性を変化させる」とは、ニューロメジ
ンUとTGR−1との結合を阻害する場合と結合を促進
する(結合時間を長くする)場合の両方を包含するもの
である。すなわち、本発明は、(i)TGR−1に、ニ
ューロメジンUを接触させた場合と(ii)上記したTG
R−1に、ニューロメジンUおよび試験化合物を接触さ
せた場合との比較を行なうことを特徴とするニューロメ
ジンUとTGR−1との結合性を変化させる化合物また
はその塩のスクリーニング方法などに関する。本発明の
スクリーニング方法においては、(i)上記したTGR
−1に、ニューロメジンUを接触させた場合と(ii)上
記したTGR−1に、ニューロメジンUおよび試験化合
物を接触させた場合における、例えば該TGR−1に対
するリガンドの結合量、細胞刺激活性(例えば、アラキ
ドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、
細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトー
ルリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸
化、c−fosの活性化、pHの変化などを促進する活
性など)などを測定して、比較する。
【0026】本発明のスクリーニング方法は具体的に
は、 上記のニューロメジンの誘導体として表される標識し
たニューロメジンU(以下、単に「標識したニューロメ
ジンU」とする)を、上記したTGR−1に接触させた
場合と、標識したニューロメジンUおよび試験化合物を
TGR−1に接触させた場合における、標識したニュー
ロメジンUの該TGR−1に対する結合量を測定し、比
較することを特徴とするニューロメジンUとTGR−1
との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリー
ニング方法、 標識したニューロメジンUを、TGR−1を含有する
細胞または該細胞の膜画分に接触させた場合と、標識し
たニューロメジンUおよび試験化合物をTGR−1を含
有する細胞または該細胞の膜画分に接触させた場合にお
ける、標識したニューロメジンUの該細胞または該膜画
分に対する結合量を測定し、比較することを特徴とする
ニューロメジンUとTGR−1との結合性を変化させる
化合物またはその塩のスクリーニング方法、 標識したニューロメジンUを、TGR−1をコードす
るDNAを含有する形質転換体を培養することによって
細胞膜上に発現したTGR−1に接触させた場合と、標
識したニューロメジンUおよび試験化合物をTGR−1
をコードするDNAを含有する形質転換体を培養するこ
とによって細胞膜上に発現したTGR−1に接触させた
場合における、標識したニューロメジンUのTGR−1
に対する結合量を測定し、比較することを特徴とするニ
ューロメジンUとTGR−1との結合性を変化させる化
合物またはその塩のスクリーニング方法、 TGR−1を活性化する化合物(例えば、ニューロメ
ジンU)をTGR−1を含有する細胞に接触させた場合
と、TGR−1を活性化する化合物および試験化合物を
TGR−1を含有する細胞に接触させた場合における、
TGR−1を介した細胞刺激活性(例えば、アラキドン
酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca 2+遊離、細胞
内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリ
ン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、
c−fosの活性化、pHの変化などを促進する活性な
ど)を測定し、比較することを特徴とするニューロメジ
ンUとTGR−1との結合性を変化させる化合物または
その塩のスクリーニング方法、および TGR−1を活性化する化合物(例えば、ニューロメ
ジンUなど)をTGR−1をコードするDNAを含有す
る形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現し
たTGR−1に接触させた場合と、TGR−1を活性化
する化合物および試験化合物を、TGR−1をコードす
るDNAを含有する形質転換体を培養することによって
細胞膜上に発現したTGR−1に接触させた場合におけ
る、TGR−1を介する細胞刺激活性(例えば、アラキ
ドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、
細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトー
ルリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸
化、c−fosの活性化、pHの変化などを促進する活
性など)を測定し、比較することを特徴とするニューロ
メジンUとTGR−1との結合性を変化させる化合物ま
たはその塩のスクリーニング方法などである。
【0027】本発明に用いられるニューロメジンUは、
オーファンレセプター蛋白質であるFM−3(Tan, C.
P. et al., Genomics 52, 223-229, 1998)に対しても
リガンド活性を有することが知られている(WO 00/0291
9)ため、上記〜における活性をTGR−1の代わ
りにFM−3を用いることによって測定し、ニューロメ
ジンUとFM−3との結合性を変化させる化合物または
その塩(FM−3アンタゴニスト、FM−3アゴニス
ト)をスクリーニングすることが可能である。従って、
本発明に記載のスクリーニング方法によって得られるT
GR−1アンタゴニスト、TGR−1アゴニストの活性
と、TGR−1の代わりにFM−3を用いることによ
り、本発明の記載のスクリーニング方法またはそれに準
じた方法によって得られるFM−3アンタゴニスト、F
M−3アゴニストの活性とを比較することによって、F
M−3により選択的な活性を有するアンタゴニストもし
くはアゴニスト、またはTGR−1により選択的な活性
を有するアンタゴニストもしくはアゴニストを得ること
ができる。ここで、「FM−3により選択的な作用を有
するアンタゴニスト」とはFM−3に対する活性(受容
体(TGR−1、FM−3)を介する細胞刺激活性(例
えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内
Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生
成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内
蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの変化な
どを促進する活性など)など)がTGR−1に対する活
性に対して2倍以上、好ましくは10倍以上弱い化合物
またはその塩のことをいう。「FM−3により選択的な
作用を有するアゴニスト」とはFM−3に対する活性
(受容体(TGR−1、FM−3)を介する細胞刺激活
性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、
細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGM
P生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細
胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの変
化などを促進する活性など)など)がTGR−1に対す
る活性に対して2倍以上、好ましくは10倍以上強い化
合物またはその塩のことをいう。「TGR−1により選
択的な作用を有するアンタゴニスト」とはTGR−1に
対する活性(受容体(TGR−1、FM−3)を介する
細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコ
リン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細
胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電
位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性
化、pHの変化などを促進する活性など)など)がFM
−3に対する活性に対して2倍以上、好ましくは10倍
以上弱い化合物またはその塩のことをいう。「TGR−
1により選択的な作用を有するアゴニスト」とはTGR
−1に対する活性(受容体(TGR−1、FM−3)を
介する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセ
チルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生
成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細
胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの
活性化、pHの変化などを促進する活性など)など)が
FM−3に対する活性に対して2倍以上、好ましくは1
0倍以上強い化合物またはその塩のことをいう。
【0028】本発明のスクリーニング方法の具体的な説
明を以下にする。まず、本発明のスクリーニング方法に
用いるTGR−1としては、上記のTGR−1を含有す
るものであれば何れのものであってもよいが、ヒト、温
血動物、両生類、魚類などの臓器の膜画分などが好適で
ある。しかし、特にヒト由来の臓器は入手が極めて困難
なことから、スクリーニングに用いられるものとして
は、組換え体を用いて大量発現させたTGR−1などが
適している。TGR−1を製造するには、前述の方法な
どが用いられる。本発明のスクリーニング方法におい
て、TGR−1を含有する細胞あるいは該細胞膜画分な
どを用いる場合、後述の調製法に従えばよい。TGR−
1を含有する細胞を用いる場合、該細胞をグルタルアル
デヒド、ホルマリンなどで固定化してもよい。固定化方
法はそれ自体公知の方法に従って行うことができる。T
GR−1を含有する細胞としては、TGR−1を発現し
た宿主細胞をいうが、該宿主細胞としては、前述の大腸
菌、枯草菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞などがあげられ
る。膜画分としては、細胞を破砕した後、それ自体公知
の方法で得られる細胞膜が多く含まれる画分のことをい
う。細胞の破砕方法としては、Potter−Elvehjem型ホモ
ジナイザーで細胞を押し潰す方法、ワーリングブレンダ
ーやポリトロン(Kinematica社製)による破砕、超音波
による破砕、フレンチプレスなどで加圧しながら細胞を
細いノズルから噴出させることによる破砕などがあげら
れる。細胞膜の分画には、分画遠心分離法や密度勾配遠
心分離法などの遠心力による分画法が主として用いられ
る。例えば、細胞破砕液を低速(500rpm〜300
0rpm)で短時間(通常、約1分〜10分)遠心し、
上清をさらに高速(15000rpm〜30000rp
m)で通常30分〜2時間遠心し、得られる沈澱を膜画
分とする。該膜画分中には、発現したTGR−1と細胞
由来のリン脂質や膜蛋白質などの膜成分が多く含まれ
る。該TGR−1を含有する細胞や膜画分中のTGR−
1の量は、1細胞当たり103〜108分子であるのが好
ましく、105〜107分子であるのが好適である。な
お、発現量が多いほど膜画分当たりのリガンド結合活性
(比活性)が高くなり、高感度なスクリーニング系の構
築が可能になるばかりでなく、同一ロットで大量の試料
を測定できるようになる。ニューロメジンUとTGR−
1との結合性を変化させる化合物またはその塩をスクリ
ーニングする前記の〜を実施するためには、適当な
TGR−1画分と、標識したリガンドまたはリガンド活
性を有する化合物(ニューロメジンU、その誘導体な
ど)が用いられる。TGR−1画分としては、天然型の
TGR−1画分か、またはそれと同等の活性を有する組
換え型TGR−1画分などが望ましい。ここで、同等の
活性とは、同等のリガンド結合活性などを示す。標識し
たリガンドまたはリガンド活性を有する化合物として
は、標識したリガンドまたはリガンド活性を有する化合
物(ニューロメジンU、その誘導体など)などが用いら
れる。例えば〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕
などで標識されたリガンド(ニューロメジンU誘導体と
して表されるニューロメジンUの標識体)などを利用す
ることができる。具体的には、ニューロメジンUとTG
R−1との結合性を変化させる化合物のスクリーニング
を行うには、まずTGR−1を含有する細胞または細胞
の膜画分を、スクリーニングに適したバッファーに懸濁
することによりレセプター標品を調製する。バッファー
には、pH4〜10(望ましくはpH6〜8)のリン酸
バッファー、トリス−塩酸バッファーなどのリガンドと
レセプターとの結合を阻害しないバッファーであればい
ずれでもよい。また、非特異的結合を低減させる目的
で、CHAPS、Tween−80TM(花王−アトラス
社)、ジギトニン、デオキシコレートなどの界面活性剤
をバッファーに加えることもできる。さらに、プロテア
ーゼによるTGR−1やニューロメジンUの分解を抑え
る目的でPMSF、ロイペプチン、E−64(ペプチド
研究所製)、ペプスタチンなどのプロテアーゼ阻害剤を
添加することもできる。0.01ml〜10mlの該レセ
プター溶液に、一定量(5000cpm〜500000
cpm)の標識したニューロメジンU(ニューロメジン
U誘導体として表されるニューロメジンUの標識体)を
添加し、同時に10-4〜10-1μMの試験化合物を共存
させる。非特異的結合量(NSB)を知るために大過剰
の未標識のニューロメジンUを加えた反応チューブも用
意する。反応は0℃から50℃、望ましくは4℃から3
7℃で20分から24時間、望ましくは30分から3時
間行う。反応後、ガラス繊維濾紙等で濾過し、適量の同
バッファーで洗浄した後、ガラス繊維濾紙に残存する放
射活性を液体シンチレーションカウンターまたはγ−カ
ウンターで計測する。拮抗する物質がない場合のカウン
ト(B0)から非特異的結合量(NSB)を引いたカウン
ト(B0−NSB)を100%とした時、特異的結合量
(B−NSB)が例えば80%以下になる試験化合物を
TGR−1とニューロメジンUとの結合性を変化させる
能力のある候補物質として選択することができる。
【0029】また、TGR−1とニューロメジンUとの
結合を測定する方法として、BIAcore(アマシャ
ムファルマシアバイオテク社製)を用いることもでき
る。この方法では、ニューロメジンUを装置に添付のプ
ロトコルに従ったアミノカップリング法によってセンサ
ーチップに固定し、TGR−1を含有する細胞またはT
GR−1をコードするDNAを含有する形質変換体から
精製したTGR−1またはTGR−1を含む膜画分、あ
るいは精製したTGR−1またはTGR−1を含む膜画
分および試験化合物を含むリン酸バッファーまたはトリ
スバッファーなどの緩衝液をセンサーチップ上を毎分2
−20μlの流量で通過させる。センサーチップ上のニ
ューロメジンUとTGR−1とが結合することによって
生じる表面プラズモン共鳴の変化を共存する試験化合物
が変化させることを観察することによってTGR−1と
ニューロメジンUとの結合を変化させる化合物のスクリ
ーニングを行なうことができる。この方法は、TGR−
1をセンサーチップに固定し、ニューロメジンUおよび
試験化合物を含むリン酸バッファーまたはトリスバッフ
ァーなどの緩衝液をセンサーチップ上を通過させる方法
を用いても同様に測定することができる。試験化合物と
しては、上記と同様のものなどがあげられる。ニューロ
メジンUとTGR−1との結合性を変化させる化合物を
スクリーニングする前記の〜の方法を実施するため
には、TGR−1を介する細胞刺激活性(例えば、アラ
キドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+
離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシ
トールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリ
ン酸化、c−fosの活性化、pHの低下などを促進す
る活性または抑制する活性など)を公知の方法または市
販の測定用キットを用いて測定することができる。具体
的には、まず、TGR−1を含有する細胞をマルチウェ
ルプレート等に培養する。スクリーニングを行うにあた
っては前もって新鮮な培地あるいは細胞に毒性を示さな
い適当なバッファーに交換し、試験化合物などを添加し
て一定時間インキュベートした後、細胞を抽出あるいは
上清液を回収して、生成した産物をそれぞれの方法に従
って定量する。細胞刺激活性の指標とする物質(例え
ば、アラキドン酸など)の生成が、細胞が含有する分解
酵素によって検定困難な場合は、該分解酵素に対する阻
害剤を添加してアッセイを行なってもよい。また、cA
MP産生抑制などの活性については、フォルスコリンな
どで細胞の基礎的産生量を増大させておいた細胞に対す
る産生抑制作用として検出することができる。細胞刺激
活性を測定してスクリーニングを行なうには、適当なT
GR−1を発現した細胞が用いられる。本発明のTGR
−1を発現した細胞としては、前述の組換え型TGR−
1発現細胞株などが望ましい。形質変換体であるTGR
−1発現細胞は安定発現株でも一過性発現株でも構わな
い。また、動物細胞の種類は上記と同様のものが用いら
れる。
【0030】試験化合物としては、例えばペプチド、タ
ンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産
物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液などがあ
げられる。上記のリガンド・レセプターアッセイ系につ
いて、さらに具体的に記載すると以下のようなアッセイ
系が用いられる。 (1)受容体発現細胞が受容体アゴニストによって刺激
されると細胞内のGタンパクが活性化されてGTPが結
合する。この現象は受容体発現細胞の膜画分においても
観察される。通常、GTPは加水分解されてGDPへと
変化するが、このとき反応液中にGTPγSを添加して
おくとGTPγSはGTPと同様にGタンパクに結合す
るが、加水分解されずにGタンパクを含む細胞膜に結合
した状態が維持される。標識したGTPγSを用いると
細胞膜に残存した放射活性を測定することによって受容
体アゴニストの受容体発現細胞刺激活性を測定すること
ができる。この反応を利用してニューロメジンUのTG
R−1発現細胞に対する刺激活性を測定することができ
る。この方法は、前記〜のようにTGR−1を含む
細胞を用いるものではなく、〜のようにTGR−1
を含む膜画分を用いるアッセイ法であるが、〜のよ
うに細胞刺激活性を測定するものであり、本測定法にお
いてTGR−1膜画分へのGTPγS結合促進活性を示
す物質はアゴニストである。ここにおいて、ニューロメ
ジンUあるいはニューロメジンUおよび試験化合物を添
加し、ニューロメジンUの単独投与に比べてTGR−1
細胞膜画分へのGTPγS結合促進活性に変化が生じる
ことを観察することによってニューロメジンUとTGR
−1との結合性を変化させる化合物をスクリーニングす
ることができる。このとき、ニューロメジンUによるT
GR−1細胞膜画分へのGTPγS結合促進活性を抑制
する活性を示す化合物をTGR−1とニューロメジンU
との結合性を変化させる能力のある候補物質として選択
することができる。一方、試験化合物のみを投与し、T
GR−1細胞膜画分へのGTPγS結合促進活性を観察
することによりアゴニストのスクリーニングを行なうこ
ともできる。スクリーニング法の一例についてより具体
的に以下に述べる。上述の方法によって調製したTGR
−1を含む細胞膜画分を、膜希釈緩衝液(50 mM Tris,
5 mMMgCl2, 150 mM NaCl, 1 μM GDP, 0.1% BSA pH 7.
4)で希釈する。希釈率は、受容体の発現量により異な
る。これをFalconb 2053に0.2mlずつ分注し、ニューロ
メジンUあるいはニューロメジンUおよび試験化合物を
加え、さらに終濃度200 pMとなるように[35S]GTPγSを
加える。25℃で1時間保温した後、氷冷した洗浄用緩衝
液(50 mM Tris, 5 mM MgCl2, 150 mM NaCl, 0.1% BSA
, 0.05% CHAPSpH 7.4 1.5ml)を加えて、ガラス繊維
ろ紙GF/Fでろ過する。65℃、30分保温して乾燥後、液体
シンチレーションカウンターでろ紙上に残った膜画分に
結合した[3 5S]GTPγSの放射活性を測定する。ニューロ
メジンUのみを加えた実験区の放射活性を100%、ニュ
ーロメジンUを加えなかった実験区の放射活性を0%と
し、ニューロメジンUによるGTPγS結合促進活性に
対する試験化合物の影響を算出する。GTPγS結合促
進活性が例えば80%以下になる試験化合物をTGR−
1とニューロメジンUとの結合性を変化させる能力のあ
る候補物質として選択することができる。
【0031】(2)TGR−1発現細胞はニューロメジ
ンU刺激によって細胞内cAMP量が減少する場合、この反
応を利用してニューロメジンUのTGR−1発現細胞に
対する刺激活性を測定することができる。TGR−1を
発現させた種々の動物細胞のcAMP産生量はマウス、ラッ
ト、ウサギ、ヤギ、ウシなどを免疫して得られた抗cAMP
抗体と125I標識cAMP(ともに市販品)を使用することに
よってRIAあるいは抗cAMP抗体と標識cAMPとを組み合わ
せた他のEIA系でも測定することができる。また抗cAMP
抗体をprotein Aあるいは抗cAMP抗体産生に用いた動物
のIgGなどに対する抗体などを使用して固定したシンチ
ラントを含むビーズと125I標識cAMPとを使用するSPA法
による定量も可能である(アマシャムファルマシアバイ
オテク製のキットなどを使用する)。本方法において、
フォルスコリンまたはカルシトニンなど細胞内cAMP量を
増加させるようなリガンドなどによって細胞内cAMP量を
上昇させ、ニューロメジンUまたはニューロメジンUお
よび試験化合物を添加することによってニューロメジン
Uの単独投与による細胞内cAMP量の抑制が変化すること
を観察し、ニューロメジンUとTGR−1の結合を変化
させる化合物のスクリーニングを行なうことができる。
このとき、ニューロメジンUによるTGR−1発現細胞
のcAMP産生抑制活性を阻害する活性を示す化合物をTG
R−1とニューロメジンUとの結合性を変化させる能力
のある候補物質として選択することができる。一方、試
験化合物のみを添加してcAMP産生抑制活性を調べること
によりアゴニスト活性を示す化合物のスクリーニングを
行なうことができる。スクリーニング法をより具体的に
以下に記載する。TGR−1受容体を発現させたCHO
細胞を24穴プレートに5 x 104 cell/wellで播種し、48
時間培養する。細胞を0.2mM 3−イソブチル−メチルキ
サンチンと0.05% BSAと20mM HEPESを含むハンクスバッ
ファー(pH7.4)で洗浄する(以下、0.2mM 3−イソブチ
ル−メチルキサンチンと0.05% BSAと20mM HEPESを含む
ハンクスバッファー(pH7.4)を、反応用バッファーと呼
ぶ)。その後0.5mlの反応用バッファーを加えて30分
間培養器で保温する。反応用バッファーを除き、新たに
0.25mlの反応用バッファーを細胞に加えた後、2μMフォ
ルスコリンを含む0.25mlの反応用バッファーに1nMのニ
ューロメジンUあるいは1 nMのニューロメジンUおよび
試験化合物を添加したものを細胞に加え、37℃で24
分間反応させる。100μlの20%過塩素酸を加えて反応を
停止させ、次に氷上で1時間置くことにより細胞内cAMP
を抽出する。抽出液中のcAMP量は、cAMP EIAキット(ア
マシャムファルマシアバイオテク)を用いて測定する。
フォルスコリン刺激によって産生されたcAMP量を100%
とし、1 nMのニューロメジンUの添加によって抑制され
たcAMP量を0%として、ニューロメジンUによるcAMP産
生抑制活性に対する試験化合物の影響を算出する。ニュ
ーロメジンUの活性を阻害してcAMP産生活性が例えば8
0%以下になる試験化合物をTGR−1とニューロメジ
ンUとの結合性を変化させる能力のある候補物質として
選択することができる。cAMP産生促進活性を測定するに
は、フォルスコリンを添加せずにTGR−1受容体を発
現させたCHO細胞に試験化合物を添加して産生された
cAMPを上記の方法で定量する。この場合は、cAMPの
産生活性が例えば10%以上の試験化合物をTGR−1
とニューロメジンUとの結合性を変化させる能力のある
候補物質として選択することができる。
【0032】(3)CRE(cAMP response element)を含
むDNAを、ピッカジーン ベイシックベクターまたは
ピッカジーン エンハンサーベクター(東洋インキ製造
(株))のルシフェラーゼ遺伝子上流のマルチクローニ
ングサイトに挿入し、これをCRE−レポーター遺伝子ベ
クターとする。CRE−レポーター遺伝子ベクターをトラ
ンスフェクションした細胞において、cAMP上昇を伴う刺
激は、 CREを介したルシフェラーゼ遺伝子発現とそれに
引き続くルシフェラーゼタンパク質の産生を誘導する。
つまり、ルシフェラーゼ活性を測定することにより、 C
RE−レポーター遺伝子ベクター導入細胞内のcAMP量の変
動を検出することができる。CRE−レポーター遺伝子ベ
クターをTGR−1発現細胞にトランスフェクションし
た細胞を利用してニューロメジンUとTGR−1の結合
を変化させる化合物のスクリーニングを行なうことがで
きる。具体的なスクリーニング法を以下に記す。CRE−
レポーター遺伝子導入TGR−1発現細胞を24穴プレー
トに5 x 103 cell/wellで播種し、48時間培養する。細
胞を0.2mM 3−イソブチル−メチルキサンチンと0.05
% BSAと20mM HEPESを含むハンクスバッファー(pH7.4)
で洗浄する(以下、0.2mM 3−イソブチル−メチルキ
サンチンと0.05% BSAと20mM HEPESを含むハンクスバ
ッファー(pH7.4)を、反応用バッファーと呼ぶ)。その
後0.5mlの反応用バッファーを加えて30分間培養器で
保温する。反応用バッファーを除き、新たに0.25mlの反
応用バッファーを細胞に加えた後、1 nMのニューロメジ
ンUあるいは1 nMのニューロメジンUおよび試験化合物
と2μMフォルスコリンを含む0.25mlの反応用バッファー
を細胞に加え、37℃で24分間反応させる。細胞をピ
ッカジーン用細胞溶解剤(東洋インキ製造(株))で溶
かし、溶解液に発光基質(東洋インキ製造(株))を添
加する。ルシフェラーゼによる発光は、ルミノメータ
ー、液体シンチレーションカウンターまたはトップカウ
ンターにより測定する。 ニューロメジンUとTGR−
1の結合を変化させる化合物の影響はルシフェラーゼに
よる発光量をニューロメジンUを単独で投与した場合と
比較することによって測定することができる。このと
き、ニューロメジンUの投与によりフォルスコリン刺激
による発光量の増加が抑制されるが、この抑制を回復さ
せる化合物をTGR−1とニューロメジンUとの結合性
を変化させる能力のある候補物質として選択することが
できる。一方、試験化合物のみを投与し、フォルスコリ
ン刺激によって上昇した発光量のニューロメジンUと同
様な抑制を観察することによりアゴニストのスクリーニ
ングを行なうこともできる。レポーター遺伝子として、
ルシフェラーゼ以外に例えばアルカリフォスファター
ゼ、クロラムフェニコール アセチルトランスフェラー
ゼあるいはβ−ガラクトシダーゼを用いることもでき
る。これらのレポーター遺伝子の遺伝子産物の酵素活性
は以下のように市販の測定キットを用いて容易に測定す
ることができる。アルカリフォスファターゼ活性は、例
えば和光純薬製Lumi-Phos 530によって、クロラムフェ
ニコール アセチルトランスフェラーゼ(chlorampheni
col acetyltransferase)活性は、例えば和光純薬製FA
ST CAT chrolamphenicol acetyltransferase assay kit
によって、β−ガラクトシダーゼ活性は、例えば和光純
薬製Aurora Gal-XEによって測定することができる。
【0033】(4)TGR−1発現細胞がニューロメジ
ンU刺激によってアラキドン酸代謝物を細胞外に放出す
る場合、あらかじめ、放射活性を有するアラキドン酸を
細胞に取り込ませておくことによって、この活性を細胞
外に放出された放射活性を測定することによって測定す
ることができる。このとき、ニューロメジンUあるいは
ニューロメジンUおよび試験化合物を添加して、ニュー
ロメジンUのアラキドン酸代謝物放出活性に対する影響
を調べることにより、ニューロメジンUとTGR−1の
結合に影響を与える化合物のスクリーニングを行なうこ
とができる。このとき、ニューロメジンUによるアラキ
ドン酸代謝物放出活性を阻害する化合物をTGR−1と
ニューロメジンUとの結合性を変化させる能力のある候
補物質として選択することができる。また、試験化合物
のみを添加し、TGR−1発現細胞のアラキドン酸代謝
物放出活性を調べることによりアゴニスト活性を示す化
合物のスクリーニングを行なうこともできる。ニューロ
メジンUとTGR−1の結合に影響を与える化合物のス
クリーニング法より具体的に以下に述べる。TGR−1
受容体を発現させたCHO細胞を24穴プレートに5 x 10
4 cell/wellで播種し、24時間培養後、[3H]アラキドン
酸を0.25 μCi/wellとなるよう添加する。[3H]アラキド
ン酸添加16時間後、細胞を0.05% BSAと20mM HEPESを含
むハンクスバッファー(pH7.4)で洗浄し、各wellに0.05
% BSAと20mM HEPESを含むハンクスバッファー(pH7.4)
に溶解した終濃度10 nMのニューロメジンUあるいは10n
MのニューロメジンUおよび試験化合物を含むバッファ
ー500 μlを添加する。以降、0.05% BSAと20mM HEPES
を含むハンクスバッファー(pH7.4)を反応用バッファー
と呼ぶ。37℃で60分間インキュベートした後に、反応液
400 μlをシンチレーターに加え、反応液中に遊離した[
3H]アラキドン酸代謝物の量をシンチレーションカウン
ターにより測定する。ニューロメジンUの非添加反応バ
ッファーによる培地中の[3H]アラキドン酸代謝物の量を
0%とし、10 nMのニューロメジンUを添加したときのた
ときの培地中の[3H]アラキドン酸代謝物の量を100%と
して試験化合物のニューロメジンUとTGR−1の結合
に対する影響を算出する。アラキドン酸代謝物産生活性
が例えば50%以下になる試験化合物をTGR−1とニ
ューロメジンUとの結合性を変化させる能力のある候補
物質として選択することができる。
【0034】(5)TGR−1発現細胞をニューロメジ
ンUによって刺激することによって細胞内のCa2+濃度
が上昇する場合、これを利用することによってニューロ
メジンUとTGR−1の結合に対する試験化合物の影響
を調べることができる。TGR−1発現細胞を、滅菌し
た顕微鏡用カバーグラス上に播き、2日後、培養液を4
mM Fura-2 AM(同仁化学研究所)を縣濁したHBSSに置換
し、室温で2時間30分おく。HBSSで洗浄した後、キュベ
ットにカバーグラスをセットし、蛍光測定器で、ニュー
ロメジンUあるいはニューロメジンUおよび試験化合物
を加えたときの励起波長340nm及び380nmでの505nmの蛍
光強度の比の上昇を測定する。このとき、ニューロメジ
ンUを単独で投与したときに比べて試験化合物の添加に
よって生じる蛍光強度の変化を測定することによりニュ
ーロメジンUとTGR−1の結合に対して影響を与える
化合物のスクリーニングを行なうことができる。また、
以下のようにFLIPR(モレキュラーデバイス社製)を使
うこともできる。すなわち、細胞縣濁液にFluo-3 AM
(同仁化学研究所製)を添加し、細胞に取り込ませた
後、上清を遠心により数度洗浄後、96穴プレートに細
胞を播く。FLIPR装置にセットし、Fura-2 AMの場合と同
様にニューロメジンUあるいはニューロメジンUおよび
試験化合物を加え、ニューロメジンUを単独で投与した
ときに比べて試験化合物の添加によって観測される蛍光
強度が変化することを測定することにより、ニューロメ
ジンUとTGR−1の結合に対して影響を与える化合物
のスクリーニングを行なうことができる。これらにおい
て、ニューロメジンUによる蛍光強度の上昇を抑制する
化合物をTGR−1とニューロメジンUとの結合性を変
化させる能力のある候補物質として選択することができ
る。一方、試験化合物のみの添加による蛍光強度の上昇
を観察することによってアゴニストのスクリーニングを
行なうこともできる。TGR−1発現細胞にaequorinな
どのように細胞内Caイオンの上昇によって発光するよう
なタンパク質の遺伝子を共発現させておき、細胞内Caイ
オン濃度の上昇によってaequorinがCa結合型となり発光
することを利用して、ニューロメジンUあるいはニュー
ロメジンUおよび試験化合物を加え、ニューロメジンU
を単独で投与したときに比べて試験化合物の添加によっ
て観測される発光強度が変化することを測定することに
より、ニューロメジンUとTGR−1の結合に対して影
響を与える化合物のスクリーニングを行なうことができ
る。方法は、蛍光物質を取り込ませないこと以外は上記
と同様である。
【0035】(6)受容体を発現する細胞に受容体アゴ
ニストを添加すると、細胞内イノシトール三リン酸濃度
が上昇することが知られている。ニューロメジンUによ
って生じるTGR−1細胞におけるこの反応を観察する
ことによりニューロメジンUとTGR−1の結合に影響
を与える化合物のスクリーニングを行なうことができ
る。24穴プレートに播いて1日目の細胞にmyo-[2-3H]
inositol (2.5マイクロCi/well)を添加した培地中で1
日培養した細胞を、よく洗浄後、ニューロメジンUある
いはニューロメジンUおよび試験化合物を添加した後、
10%過塩素酸を加え反応を止める。1.5 M KOH, 60mM HE
PES溶液で中和し、0.5mlのAG1x8樹脂 (Bio-Rad)を詰め
たカラムに通し、5mM Na2BO3 60mM HCOONH4で洗浄した
後、1M HCOONH 4 0.1M HCOOHで溶出した放射活性を液
体シンチレーションカウンターで測定する。ニューロメ
ジンUの非添加反応バッファーによる培地中の放射活性
を0%とし、ニューロメジンUを添加したときの培地中
の放射活性を100%として試験化合物のニューロメジン
UとTGR−1の結合に対する影響を算出する。イノシ
トール三リン酸産生活性が例えば50%以下になる試験
化合物をTGR−1とニューロメジンUとの結合性を変
化させる能力のある候補物質として選択することができ
る。一方、試験化合物のみの添加によるイノシトール三
リン酸産生上昇を観察することによってアゴニストのス
クリーニングを行なうこともできる。
【0036】(7)TRE(TPA response element)を含
むDNAを、ピッカジーン ベイシックベクターまたは
ピッカジーン エンハンサーベクター(東洋インキ製造
(株))のルシフェラーゼ遺伝子上流のマルチクローニ
ングサイトに挿入し、これをTRE−レポーター遺伝子ベ
クターとする。TRE−レポーター遺伝子ベクターをトラ
ンスフェクションした細胞において、細胞内Ca2+上昇を
伴う刺激は、TREを介したルシフェラーゼ遺伝子発現と
それに引き続くルシフェラーゼタンパク質の産生を誘導
する。つまり、ルシフェラーゼ活性を測定することによ
り、TRE−レポーター遺伝子ベクター導入細胞内のカル
シウム量の変動を検出することができる。 TRE−レポー
ター遺伝子ベクターをTGR−1発現細胞にトランスフ
ェクションした細胞を利用したニューロメジンUとTG
R−1の結合を変化させる化合物の具体的なスクリーニ
ング法を以下に記す。TRE−レポーター遺伝子導入TG
R−1発現細胞を24穴プレートに5 x 103 cell/wellで
播種し、48時間培養する。細胞を0.05% BSAと20mM HE
PESを含むハンクスバッファー(pH7.4)で洗浄した後、10
nMのニューロメジンUあるいは10 nMのニューロメジン
Uおよび試験化合物を添加し、37℃で60分間反応さ
せる。細胞をピッカジーン用細胞溶解剤(東洋インキ製
造(株))で溶かし、溶解液に発光基質(東洋インキ製
造(株))を添加する。ルシフェラーゼによる発光は、
ルミノメーター、液体シンチレーションカウンターまた
はトップカウンターにより測定する。ニューロメジンU
とTGR−1の結合を変化させる化合物の影響は、ルシ
フェラーゼによる発光量をニューロメジンUを単独で投
与した場合と比較することによって測定することができ
る。このとき、ニューロメジンUの投与により細胞内Ca
2+の上昇によって発光量が増加するが、この増加を抑制
する化合物をTGR−1とニューロメジンUとの結合性
を変化させる能力のある候補物質として選択することが
できる。一方、試験化合物のみを投与し、ニューロメジ
ンUと同様な発光量の増加を観察することによりアゴニ
ストのスクリーニングを行なうこともできる。レポータ
ー遺伝子として、ルシフェラーゼ以外に例えばアルカリ
フォスファターゼ、クロランフェニコール アシルトラ
ンスフェラーゼあるいはβ−ガラクトシダーゼを用いる
こともできる。これらのレポーター遺伝子の遺伝子産物
の酵素活性は以下のように市販の測定キットを用いて容
易に測定することができる。アルカリフォスファターゼ
活性は、例えば和光純薬製Lumi-Phos 530によって、ク
ロラムフェニコール アセチルトランスフェラーゼ(ch
loramphenicol acetyltransferase)活性は、例えば和
光純薬製FAST CAT Chrolamphenicol Acetyltransferase
Assay Kitによって、β−ガラクトシダーゼ活性は、例
えば和光純薬製Aurora Gal-XEによって測定することが
できる。
【0037】(8)ニューロメジンUに応答したTGR
−1発現細胞についてMAP kinase活性化によって増殖が
観察される場合、この増殖をMAP kinase活性、チミジン
取り込み、細胞数測定(MTTなど)によって測定するこ
とができる。これを利用してニューロメジンUとTGR
−1の結合を変化させる化合物のスクリーニングを行な
うことができる。MAP kinase活性は、ニューロメジンU
あるいはニューロメジンUおよび試験化合物を細胞に添
加した後、細胞溶解液から抗MAP kinase抗体を用いた免
疫沈降によってMAP kinase分画を得た後、例えば和光純
薬製MAP Kinase Assay Kitとγ-[ 32P]-ATPを使用して容
易に測定できる。チミジン取り込み活性は、TGR−1
発現細胞を播き、ニューロメジンUあるいはニューロメ
ジンUおよび試験化合物を添加した後、[methyl-3H]-チ
ミジンを加え、その後、細胞内に取り込まれた標識チミ
ジンの放射活性を細胞を溶解して液体シンチレーション
カウンターで計数することによって測定することができ
る。TGR−1発現細胞の増殖は、発現細胞を播き、ニ
ューロメジンUあるいはニューロメジンUおよび試験化
合物を添加した後にMTT (3-(4,5-dimethyl-2-thiazoly
l)-2,5-diphenyl-2H-tetrazolium bromide) を添加し、
細胞内に取り込まれてMTTが変化したMTTホルマザンを塩
酸酸性としたイソプロパノールで細胞を溶解した後、57
0 nmの吸収を測定することによっても測定できる。ニュ
ーロメジンUとTGR−1の結合を変化させる化合物
の、標識チミジン取り込み活性を利用した具体的なスク
リーニング法を以下に記す。TGR−1発現細胞を24
穴プレートにウェル当たり5000個まき一日間培養す
る。次に血清を含まない培地で2日間培養し、細胞を飢
餓状態にする。ニューロメジンUあるいはニューロメジ
ンUおよび試験化合物を細胞に添加して24時間培養し
た後、[methyl-3H]-チミジンをウェル当たり0.015
MBq添加し6時間培養する。細胞をPBS(−)で洗
った後、メタノールを添加して10分間放置する。次に
5%トリクロロ酢酸を添加して15分間放置後、固定さ
れた細胞を蒸留水で4回洗う。0.3N水酸化ナトリウ
ム溶液で細胞を溶解し、溶解液中の放射活性を液体シン
チレーションカウンターで測定する。ニューロメジンU
とTGR−1の結合を変化させる化合物の影響は、チミ
ジン取り込みによる放射活性の上昇をニューロメジンU
を単独で投与した場合と比較することによって測定する
ことができる。このとき、ニューロメジンUの投与によ
る放射活性の増加を抑制する化合物をTGR−1とニュ
ーロメジンUとの結合性を変化させる能力のある候補物
質として選択することができる。一方、試験化合物のみ
を投与し、ニューロメジンUと同様な放射活性の増加を
観察することによりアゴニストのスクリーニングを行な
うこともできる。
【0038】(9)TGR−1発現細胞にニューロメジ
ンUを添加すると、K channelが活性化し、細胞内にあ
るKイオンが、細胞外に流出する場合、Kイオンと同族元
素であるRbイオンは、Kイオンと区別無くK channelを通
って細胞外に流出するので、細胞に標識Rb ([86Rb])を
添加して取り込ませておいた後、ニューロメジンUの刺
激によって流出する[86Rb]の流れを測定することでニュ
ーロメジンUの作用を測定できる。ニューロメジンUと
TGR−1の結合を変化させる化合物の、[86Rb]流出活
性を利用した具体的なスクリーニング法を以下に記す。
24穴にまいて2日後のTGR−1発現細胞を1mCi/ml
86RbClを含む培地中で2時間保温する。培地をよく
洗浄し、外液中の86RbClを完全に除く。ニューロメジン
UあるいはニューロメジンUおよび試験化合物を細胞に
添加して30分後の外液を回収し、γカウンターで放射
活性を測定する。ニューロメジンUとTGR−1の結合
を変化させる化合物の影響は、[86Rb]流出による放射活
性の上昇をニューロメジンUを単独で投与した場合と比
較することによって測定することができる。このとき、
ニューロメジンUの投与による放射活性の上昇を抑制す
る化合物をTGR−1とニューロメジンUとの結合性を
変化させる能力のある候補物質として選択することがで
きる。一方、試験化合物のみを投与し、ニューロメジン
Uと同様な放射活性の上昇を観察することによりアゴニ
ストのスクリーニングを行なうこともできる。
【0039】(10)TGR−1発現細胞がニューロメ
ジンUに反応して変化する細胞外のpH(acidification
rate)をサイトセンサー装置(モレキュラーデバイス
社)を使用して測定することによって、ニューロメジン
Uの活性を測定することができる。サイトセンサー装置
を利用した、細胞外pH変化の測定をすることによるニ
ューロメジンUとTGR−1の結合を変化させる化合物
の具体的なスクリーニング法を以下に記す。TGR−1
発現細胞をサイトセンサー装置用のカプセル内で終夜培
養し、装置のチャンバーにセットして細胞外pHが安定
するまで約2時間0.1% BSAを含むRPMI1640培地(モレキ
ュラーデバイス社製)を灌流させる。pHが安定した
後、ニューロメジンUあるいはニューロメジンUおよび
試験化合物を含む培地を細胞上に灌流させることによっ
て生じる培地のpH変化を測定する。ニューロメジンUと
TGR−1の結合を変化させる化合物の影響は、TGR
−1発現細胞の細胞外pH変化をニューロメジンUを単
独で投与した場合と比較することによって測定すること
ができる。このとき、ニューロメジンUの投与による細
胞外pH変化を抑制する化合物をTGR−1とニューロ
メジンUとの結合性を変化させる能力のある候補物質と
して選択することができる。一方、試験化合物のみを投
与し、ニューロメジンUと同様な細胞外pH変化を観察
することによりアゴニストのスクリーニングを行なうこ
ともできる。
【0040】(11)酵母(Saccharomyces cerevisia
e)のhaploidα-mating Type (MATα)の性フェロモン受
容体STe2はG蛋白Gpa1とカップルしており、性フェロモ
ンα-mating factorに応答してMAP kinaseを活性化し、
以下、Far1 (cell-cycle arrest) および転写活性化因
子Ste12が活性化される。Ste12は接合に関与するFUS1を
含む種々の蛋白の発現を誘導する。一方、制御因子Sst2
は以上の過程に抑制的に機能する。この系において、受
容体遺伝子を導入した酵母を作製し、受容体アゴニスト
刺激によって酵母細胞内のシグナル伝達系を活性化し、
その結果生じる増殖などの指標を用いた、受容体アゴニ
ストと受容体との反応の測定系の試みが行なわれている
(Pausch, M. H., Trends in Biotechnology, vol. 15,
pp. 487-494(1997))。このような受容体遺伝子導入酵
母の系を利用してニューロメジンUおよびTGR−1の
結合を変化させる化合物のスクリーニングを行なうこと
ができる。MATα酵母のSte2およびGpa1をコードする遺
伝子を除去し、代わりにTGR−1遺伝子およびGpa1-G
ai2融合蛋白をコードする遺伝子を導入する。Farをコー
ドする遺伝子を除去してcell-cycle arrestが生じない
ようにし、また、Sstをコードする遺伝子を除去するこ
とによってニューロメジンUに対する応答の感度を向上
させておく。さらに、FUS1にヒスチジン生合成遺伝子HI
S3をつなげたFUS1-HIS3遺伝子を導入する。以上の遺伝
子組換え操作は例えば、Priceら(Price, L. A.et al.,
Molecular and Cellular Biology, vol. 15, pp. 6188
-6195 (1995))の報告に記載の方法において、ソマトス
タチン受容体タイプ2(SSTR2)遺伝子をTGR−1遺
伝子に置き換えて実施することによって容易に行なうこ
とができる。こうして構築された形質転換酵母はTGR
−1のリガンドであるニューロメジンUに高感度で反応
し、その結果MAPキナーゼの活性化が起きてヒスチジン
生合成酵素が合成されるようになって、ヒスチジン欠乏
培地で生育可能になる。これを利用して、ヒスチジン欠
乏培地での酵母の生育を指標としてニューロメジンUに
よるTGR−1発現酵母の応答を観察することができ
る。以下にニューロメジンUおよびTGR−1の結合を
変化させる化合物のスクリーニング法を述べる。上記の
ようにして作製された形質変換酵母を完全合成培地の液
体培地で終夜培養し、2 x 104 cell/mlの濃度でヒスチ
ジンを除去した溶解寒天培地に加え、9 x9 cmの角形シ
ャーレに播く。寒天が固化した後、ニューロメジンUあ
るいはニューロメジンUおよび試験化合物をしみこませ
た滅菌濾紙を寒天表面におき、30℃で3日間培養する。
ニューロメジンUとTGR−1の結合を変化させる化合
物の影響は、濾紙の周囲の酵母の生育をニューロメジン
Uを単独で投与した場合と比較することによって測定す
ることができる。このとき、ニューロメジンUの投与に
よる酵母の生育を抑制する化合物をTGR−1とニュー
ロメジンUとの結合性を変化させる能力のある候補物質
として選択することができる。一方、試験化合物のみを
投与し、ニューロメジンUと同様な酵母の生育を観察す
ることによりアゴニストのスクリーニングを行なうこと
もできる。また、あらかじめ、寒天培地に ニューロメ
ジンUを添加しておいて滅菌濾紙に試験化合物のみをし
みこませて培養し、シャーレ全面での酵母の生育が濾紙
の周囲で影響を受けることを観察することによってもニ
ューロメジンUとTGR−1の結合を変化させる化合物
の影響を調べることができる。
【0041】(12)TGR−1遺伝子RNAをアフリ
カツメガエル卵母細胞に注入し、ニューロメジンUによ
って刺激すると細胞内Ca2+イオン濃度が上昇して、calc
ium-activated chloride currentが生じる。これを膜電
位の変化としてとらえることが出来る(Kイオン濃度勾
配に変化がある場合も同様)。ニューロメジンUによっ
て生じるTGR−1導入アフリカツメガエル卵母細胞に
おけるこの反応を観察することによりニューロメジンU
とTGR−1の結合に影響を与える化合物のスクリーニ
ングを行なうことができる。氷冷して動けなくなった雌
のアフリカツメガエルから取り出した、卵母細胞塊をM
BS液(88mM NaCl, 1mM KCl, 0.41mM CaCl2, 0.33mM C
a(NO3)2, 0.82mM MgSO4, 2.4mM NaHCO3, 10mM HEPES, p
H7.4)に溶かしたコラーゲナーゼ(0.5mg/ml)で卵塊がほ
ぐれるまで19℃、1-6時間、150rpmで処理する。外
液をMBS液に置換することで3度洗浄し、マイクロマニ
ピュレーターでTGR−1mRNA (50ng/50nl)をマイクロ
インジェクションする。TGR−1mRNAは、組織や細胞
から調製しても、plasmidからin vitroで転写してもよ
い。これをMBS液中で20℃で3日培養する。これをRin
ger液を流しているvoltage clamp装置のくぼみに置き、
電位固定用ガラス微小電極、電位測定用ガラス微小電極
を細胞内に刺入し、(-)極は、細胞外に置く。電位が安
定したら、ニューロメジンUまたはニューロメジンUお
よび試験化合物を含むRinger液を流して電位変化を記録
する。ニューロメジンUとTGR−1の結合を変化させ
る化合物の影響は、TGR−1導入アフリカツメガエル
卵母細胞の細胞膜電位変化をニューロメジンUを単独で
投与した場合と比較することによって測定することがで
きる。このとき、ニューロメジンUの投与による細胞膜
電位変化を抑制する化合物をTGR−1とニューロメジ
ンUとの結合性を変化させる能力のある候補物質として
選択することができる。一方、試験化合物のみを投与
し、ニューロメジンUと同様な細胞膜電位変化を観察す
ることによりアゴニストのスクリーニングを行なうこと
もできる。この系において、反応を変化量を増大して測
定しやすいように各種のGタンパク質遺伝子のpoly(A)+
RNAを導入することもできる。またaequorinのようなCa
2+存在下で発光を生じるようなタンパクの遺伝子のpoly
(A)+RNAを共インジェクションすることにより膜電位変
化ではなく発光を観察してこの反応を測定することもで
きる。ニューロメジンUとTGR−1との結合性を変化
させる化合物またはその塩のスクリーニング用キット
は、TGR−1、TGR−1を含有する細胞、あるいは
TGR−1を含有する細胞の膜画分、およびニューロメ
ジンUを含有するものである。
【0042】本発明のスクリーニング用キットの例とし
ては、次のものがあげられる。 1.スクリーニング用試薬 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.
05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたも
の。孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃
で保存するか、あるいは用時調製しても良い。 TGR−1標品 TGR−1を発現させたCHO細胞を、12穴プレート
に5×105個/穴で継代し、37℃、5%CO2、95
%airで2日間培養したもの。 標識リガンド 〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識し
たニューロメジンU。適当な溶媒または緩衝液に溶解し
たものを4℃あるいは−20℃にて保存し、用時に測定
用緩衝液にて1μMに希釈する。 リガンド標準液 ニューロメジンUを0.1%ウシ血清アルブミン(シグ
マ社製)を含むPBSで1mMとなるように溶解し、−
20℃で保存する。 2.測定法 12穴組織培養用プレートにて培養したTGR−1を
発現させた細胞を、測定用緩衝液1mlで2回洗浄した
後、490μlの測定用緩衝液を各穴に加える。 10-3〜10-10Mの試験化合物溶液を5μl加えた
後、標識したニューロメジンUを5μl加え、室温にて
1時間反応させる。非特異的結合量を知るためには試験
化合物のかわりに10-3MのニューロメジンUを5μl
加えておく。 反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗浄す
る。細胞に結合した標識したニューロメジンUを0.2
N NaOH−1%SDSで溶解し、4mlの液体シン
チレーターA(和光純薬製)と混合する。液体シンチ
レーションカウンター(ベックマン社製)を用いて放射
活性を測定し、Percent Maximum Binding(PMB)を
次の式で求める。 式 PMB=[(B−NSB)/(B0−NSB)]×10
0 PMB:Percent Maximum Binding B :検体を加えた時の値 NSB:Non-specific Binding(非特異的結合量) B0 :最大結合量
【0043】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、ニューロメジンUとTGR−1との結合を変化させ
る(結合を阻害あるいは促進する)化合物であり、具体
的にはTGR−1を介して細胞刺激活性を有する化合物
(いわゆるTGR−1アゴニスト)、あるいは該刺激活
性を有しない化合物(いわゆるTGR−1アンタゴニス
ト)である。該化合物としては、ペプチド、タンパク、
非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物などがあ
げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよい
し、公知の化合物であってもよい。上記TGR−1アゴ
ニストであるかアンタゴニストであるかの具体的な評価
方法は以下の(i)または(ii)に従えばよい。 (i)前記〜のスクリーニング方法で示されるバイ
ンディング・アッセイを行い、ニューロメジンUとTG
R−1との結合性を変化させる(特に、結合を阻害す
る)化合物を得た後、該化合物が上記したTGR−1を
介する細胞刺激活性を有しているか否かを測定する。細
胞刺激活性を有する化合物またはその塩はTGR−1ア
ゴニストであり、該活性を有しない化合物またはその塩
はTGR−1アンタゴニストである。 (ii)(a)試験化合物をTGR−1を含有する細胞に接触
させ、上記TGR−1を介した細胞刺激活性を測定す
る。細胞刺激活性を有する化合物またはその塩はTGR
−1アゴニストである。 (b) TGR−1を活性化する化合物(例えば、ニューロ
メジンUまたはTGR−1アゴニストなど)をTGR−
1を含有する細胞に接触させた場合と、TGR−1を活
性化する化合物および試験化合物をTGR−1を含有す
る細胞に接触させた場合における、TGR−1を介した
細胞刺激活性を測定し、比較する。 TGR−1を活性
化する化合物による細胞刺激活性を減少させ得る化合物
またはその塩はTGR−1アンタゴニストである。該T
GR−1アゴニストは、TGR−1に対するニューロメ
ジンUが有する生理活性と同様の作用を有しているの
で、 ニューロメジンUと同様に安全で低毒性な医薬と
して有用である。逆に、TGR−1アンタゴニストは、
TGR−1に対するニューロメジンUが有する生理活性
を抑制することができるので、該レセプター活性を抑制
する安全で低毒性な医薬として有用である。
【0044】ニューロメジンUまたはその塩は平滑筋収
縮作用、血圧上昇作用、腸管におけるイオン輸送の調
節、皮下投与後のACTHおよびそれに引き続くコルチ
コステロンの上昇などに関与していることから、低血圧
症予防・治療剤や局所血管収縮剤などとして利用できる
ため、上記のスクリーニング方法またはスクリーニング
用キットを用いて得られる化合物のうち、TGR−1ア
ゴニストは低血圧症予防・治療剤や局所血管収縮剤など
として用いることができる他、子宮収縮促進剤として、
微弱陣痛、弛緩出血、胎盤娩出前後、子宮復古不全、人
工妊娠中絶、分娩誘発、分娩停止、子宮頚管無力症、子
宮内反(症)、遺残胎盤および遺残卵膜、分娩後出血、女
性性器脱、不妊症、多胎妊娠における母体のケア、胎位
異常、月経困難症、流産、子宮内膜症、慢性子宮炎症性
疾患、子宮筋腫、子宮奇形、子宮腺筋症、子宮頚部裂
傷、外傷後ストレス症候群など、子宮収縮不全に関係す
る各種疾患の改善、予防および治療薬として用いること
ができる。また、TGR−1アンタゴニストは高血圧
症、心筋梗塞、急性腎不全、ストレス性疾患(例えば、
心血管系の疾患(狭心症、心筋梗塞、不整脈など)
呼吸器系の疾患(気管支喘息、過呼吸症候群など)筋
骨格系の疾患(慢性関節リウマチ、腰痛症、片頭痛、緊
張性頭痛など)、その他(糖尿病、更年期障害、慢性
疼痛、免疫力低下など)、消化器系疾患(胃潰瘍、潰瘍
性大腸炎など)などの予防・治療薬などとして用いるこ
とができる他、子宮収縮抑制剤として、過強陣痛、偽陣
痛、遷延妊娠、強直性子宮収縮、胎児仮死、子宮破裂、
頚菅裂傷、早産、子宮筋腫、子宮奇形、子宮腺筋症、娩
出力異常、慢性子宮炎症性疾患、多胎妊娠における母体
のケア、胎位異常、Prader-Willi症候群、月経困難症な
ど子宮収縮過多に関係する各種疾患の改善、予防および
治療薬として有用である。
【0045】また、ニューロメジンUまたはその塩は食
欲調節作用を有していることから、その食欲調節作用に
基づいて、上記のスクリーニング方法またはスクリーニ
ング用キットを用いて得られる化合物のうち、FM−3
アゴニストは食欲抑制剤、抗肥満剤、過食症治療薬、多
食症治療薬などとして、またFM3アンタゴニストは食
欲促進剤などとして用いることができる。上記のスクリ
ーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得
られうる化合物の塩としては、例えば、薬学的に許容可
能な塩などが用いられる。例えば、無機塩基との塩、有
機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性ま
たは酸性アミノ酸との塩などがあげられる。無機塩基と
の塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリウ
ム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウ
ム塩などのアルカリ土類金属塩、ならびにアルミニウム
塩、アンモニウム塩などがあげられる。有機塩基との塩
の好適な例としては、例えばトリメチルアミン、トリエ
チルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルア
ミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミンなどとの
塩あげられる。無機酸との塩の好適な例としては、例え
ば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸などとの塩があげら
れる。有機酸との塩の好適な例としては、例えばギ酸、
酢酸、プロピオン酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マ
レイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸などとの塩があ
げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、
例えばアルギニン、リジン、オルチニンなどとの塩があ
げられ、酸性アミノ酸との好適な例としては、例えばア
スパラギン酸、グルタミン酸などとの塩があげられる。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キ
ットを用いて得られうる化合物またはその塩を上述の医
薬として使用する場合には、以下に記載するとおりに使
用することができる。本発明のスクリーニング方法また
はスクリーニング用キットを用いて得られうる化合物ま
たはその塩を上述の医薬として使用する場合、常套手段
に従って実施することができる。例えば、必要に応じて
糖衣や腸溶性被膜を施した錠剤、カプセル剤、エリキシ
ル剤、マイクロカプセル剤などとして経口的に、あるい
は水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌
性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に
使用できる。例えば、該化合物またはその塩を生理学的
に認められる担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐
剤、安定剤、結合剤などとともに一般に認められた製薬
実施に要求される単位用量形態で混和することによって
製造することができる。これら製剤における有効成分量
は指示された範囲の適当な用量が得られるようにするも
のである。
【0046】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えばゼラチン、コーンスター
チ、トラガントガム、アラビアゴムのような結合剤、結
晶性セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラ
チン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マ
グネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカ
リンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油または
チェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形
態がカプセルである場合には、前記タイプの材料にさら
に油脂のような液状担体を含有することができる。注射
のための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活
性物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油な
どを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施にした
がって処方することができる。注射用の水性液として
は、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を
含む等張液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニト
ール、塩化ナトリウムなど)などがあげられ、適当な溶
解補助剤、たとえばアルコール(たとえばエタノー
ル)、ポリアルコール(たとえばプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール)、非イオン性界面活性剤
(たとえばポリソルベート80(TM)、HCO−50)
などと併用してもよい。油性液としてはゴマ油、大豆油
などがあげられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、
ベンジルアルコールなどと併用してもよい。また、緩衝
剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝
液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸
プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミ
ン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、
ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止剤な
どと配合してもよい。調製された注射液は通常、適当な
アンプルに充填される。このようにして得られる製剤は
安全で低毒性であるので、例えば温血動物(例えば、ヒ
ト、モルモット、ラット、マウス、ブタ、ヒツジ、ウ
シ、サル、イヌ、ニワトリなど)、両生類(例えば、カ
エルなど)および魚類などに対して投与することができ
る。
【0047】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物(特にアンタ
ゴニスト)またはその塩の投与量は、症状などにより差
異はあるが、経口投与の場合、一般的に成人の高血圧症
患者(体重60kgとして)においては、一日につき約
0.1から1000mg、好ましくは約1.0から30
0mg、より好ましくは約3.0から50mgである。
非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対
象、症状、投与方法などによっても異なるが、たとえば
注射剤の形では成人の高血圧症患者(体重60kgとし
て)への投与においては、一日につき約0.01から3
0mg程度、好ましくは約0.1から20mg程度、よ
り好ましくは約0.1から10mg程度を静脈注射によ
り投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60
kg当たりに換算した量を投与することができる。本発
明は、さらにTGR−1に対する抗体に関する。TGR
−1に対する抗体は、TGR−1を認識し得る抗体であ
れば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体の何れ
であってもよい。TGR−1に対する抗体は、TGR−
1を抗原として用い、自体公知の抗体または抗血清の製
造法に従って製造することができる。
【0048】〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクロナール抗体産生細胞の作製 TGR−1は、哺乳動物に対して投与により抗体産生が
可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投
与される。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全
フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュバン
トを投与してもよい。投与は通常2〜6週毎に1回ず
つ、計2〜10回程度行なわれる。用いられる哺乳動物
としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモット、
マウス、ラット、ヒツジ、ヤギがあげられるが、マウス
およびラットが好ましく用いられる。モノクローナル抗
体産生細胞の作製に際しては、抗原を免疫された温血動
物、例えば、マウスから抗体価の認められた個体を選択
し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリンパ節を採取
し、それらに含まれる抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融合
させることにより、モノクローナル抗体産生ハイブリド
ーマを調製することができる。抗血清中の抗体価の測定
は、例えば、後記の標識化TGR−1と抗血清とを反応
させたのち、抗体に結合した標識剤の活性を測定するこ
とにより行なうことができる。融合操作は既知の方法、
例えば、ケーラーとミルスタインの方法〔ネイチャー
(Nature)、256巻、495頁(1975年)〕に従
い実施することができる。融合促進剤としては、例え
ば、ポリエチレングリコール(PEG)やセンダイウィ
ルスなどが挙げられるが、好ましくはPEGが用いられ
る。骨髄腫細胞としては、例えば、NS−1、P3U
1、SP2/0などが挙げられるが、P3U1が好まし
く用いられる。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数
と骨髄腫細胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程
度であり、PEG(好ましくは、PEG1000〜PE
G6000)が10〜80%程度の濃度で添加され、約
20〜40℃、好ましくは約30〜37℃で約1〜10
分間インキュベートすることにより効率よく細胞融合を
実施できる。モノクローナル抗体産生ハイブリドーマの
スクリーニングには種々の方法が使用できるが、例え
ば、TGR−1の抗原を直接あるいは担体とともに吸着
させた固相(例、マイクロプレート)にハイブリドーマ
培養上清を添加し、次に放射性物質や酵素などで標識し
た抗免疫グロブリン抗体(細胞融合に用いられる細胞が
マウスの場合、抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられ
る)またはプロテインAを加え、固相に結合したモノク
ローナル抗体を検出する方法、抗免疫グロブリン抗体ま
たはプロテインAを吸着させた固相にハイブリドーマ培
養上清を添加し、放射性物質や酵素などで標識したTG
R−1を加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検
出する方法などが挙げられる。モノクローナル抗体の選
別は、自体公知あるいはそれに準じる方法に従って行な
うことができるが、通常はHAT(ヒポキサンチン、ア
ミノプテリン、チミジン)を添加した動物細胞用培地な
どで行なうことができる。選別および育種用培地として
は、ハイブリドーマが生育できるものならばどのような
培地を用いても良い。例えば、1〜20%、好ましくは
10〜20%の牛胎児血清を含むRPMI 1640培
地、1〜10%の牛胎児血清を含むGIT培地(和光純
薬工業(株))またはハイブリドーマ培養用無血清培地
(SFM−101、日水製薬(株))などを用いること
ができる。培養温度は、通常20〜40℃、好ましくは
約37℃である。培養時間は、通常5日〜3週間、好ま
しくは1週間〜2週間である。培養は、通常5%炭酸ガ
ス下で行なうことができる。ハイブリドーマ培養上清の
抗体価は、上記の抗血清中の抗体価の測定と同様にして
測定できる。
【0049】(b)モノクロナール抗体の精製 モノクローナル抗体の分離精製は、通常のポリクローナ
ル抗体の分離精製と同様に免疫グロブリンの分離精製法
〔例、塩析法、アルコール沈殿法、等電点沈殿法、電気
泳動法、イオン交換体(例、DEAE)による吸脱着
法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原結合固相またはプロテ
インAあるいはプロテインGなどの活性吸着剤により抗
体のみを採取し、結合を解離させて抗体を得る特異的精
製法〕に従って行なうことができる。 〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のポリクローナル
抗体は、それ自体公知あるいはそれに準じる方法にした
がって製造することができる。例えば、免疫抗原(TG
R−1抗原)とキャリアー蛋白質との複合体をつくり、
上記のモノクローナル抗体の製造法と同様に哺乳動物に
免疫を行ない、該免疫動物からTGR−1に対する抗体
含有物を採取して、抗体の分離精製を行なうことにより
製造できる。哺乳動物を免疫するために用いられる免疫
抗原とキャリアー蛋白質との複合体に関し、キャリアー
蛋白質の種類およびキャリアーとハプテンとの混合比
は、キャリアーに架橋させて免疫したハプテンに対して
抗体が効率良くできれば、どの様なものをどの様な比率
で架橋させてもよいが、例えば、ウシ血清アルブミン、
ウシサイログロブリン、キーホール・リンペット・ヘモ
シアニン等を重量比でハプテン1に対し、約0.1〜2
0、好ましくは約1〜5の割合でカプルさせる方法が用
いられる。また、ハプテンとキャリアーのカプリングに
は、種々の縮合剤を用いることができるが、グルタルア
ルデヒドやカルボジイミド、マレイミド活性エステル、
チオール基、ジチオビリジル基を含有する活性エステル
試薬等が用いられる。縮合生成物は、温血動物に対し
て、抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希
釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高
めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイ
ントアジュバントを投与してもよい。投与は、通常約2
〜6週毎に1回ずつ、計約3〜10回程度行なうことが
できる。ポリクローナル抗体は、上記の方法で免疫され
た哺乳動物の血液、腹水など、好ましくは血液から採取
することができる。抗血清中のポリクローナル抗体価の
測定は、上記の血清中の抗体価の測定と同様にして測定
できる。ポリクローナル抗体の分離精製は、上記のモノ
クローナル抗体の分離精製と同様の免疫グロブリンの分
離精製法に従って行なうことができる。上記の本発明の
抗体は、TGR−1を特異的に認識することができるの
で、被検液中のTGR−1の定量、特にサンドイッチ免
疫測定法による定量などに使用することができる。すな
わち、本発明は、例えば、(i)本発明の抗体と、被検
液および標識化TGR−1とを競合的に反応させ、該抗
体に結合した標識化TGR−1の割合を測定することを
特徴とする被検液中のTGR−1の定量法、(ii)被検
液と担体上に不溶化した本発明の抗体および標識化され
た本発明の抗体とを同時あるいは連続的に反応させたの
ち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することを特徴
とする被検液中のTGR−1の定量法を提供する。上記
(ii)においては、一方の抗体がTGR−1のN端部を
認識する抗体で、他方の抗体がTGR−1のC端部に反
応する抗体であることが好ましい。TGR−1に対する
モノクローナル抗体(以下、本発明のモノクローナル抗
体と称する場合がある)を用いてTGR−1の測定を行
なえるほか、組織染色等による検出を行なうこともでき
る。これらの目的には、抗体分子そのものを用いてもよ
く、また、抗体分子のF(ab')2、Fab'、あるいは
Fab画分を用いてもよい。TGR−1に対する抗体を
用いる測定法は、特に制限されるべきものではなく、被
測定液中の抗原量(例えば、TGR−1量)に対応した
抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合体の量を化学的また
は物理的手段により検出し、これを既知量の抗原を含む
標準液を用いて作製した標準曲線より算出する測定法で
あれば、いずれの測定法を用いてもよい。例えば、ネフ
ロメトリー、競合法、イムノメトリック法およびサンド
イッチ法が好適に用いられるが、感度、特異性の点で、
後述するサンドイッチ法を用いるのが特に好ましい。標
識物質を用いる測定法に用いられる標識剤としては、例
えば、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物質など
が用いられる。放射性同位元素としては、例えば、〔
125I〕、〔131I〕、〔3H〕、〔14C〕などが用いら
れる。上記酵素としては、安定で比活性の大きなものが
好ましく、例えば、β−ガラクトシダーゼ、β−グルコ
シダーゼ、アルカリフォスファターゼ、パーオキシダー
ゼ、リンゴ酸脱水素酵素などが用いられる。蛍光物質と
しては、例えば、フルオレスカミン、フルオレッセンイ
ソチオシアネートなどが用いられる。発光物質として
は、例えば、ルミノール、ルミノール誘導体、ルシフェ
リン、ルシゲニンなどが用いられる。さらに、抗体ある
いは抗原と標識剤との結合にビオチン−アビジン系を用
いることもできる。抗原あるいは抗体の不溶化に当って
は、物理吸着を用いてもよく、また通常、蛋白質あるい
は酵素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合
を用いる方法でもよい。担体としては、例えば、アガロ
ース、デキストラン、セルロースなどの不溶性多糖類、
ポリスチレン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成
樹脂、あるいはガラス等が用いられる。サンドイッチ法
においては不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被
検液を反応させ(1次反応)、さらに標識化した本発明
のモノクローナル抗体を反応させ(2次反応)たのち、
不溶化担体上の標識剤の活性を測定することにより被検
液中のTGR−1量を定量することができる。1次反応
と2次反応は逆の順序に行なっても、また、同時に行な
ってもよいし時間をずらして行なってもよい。標識化剤
および不溶化の方法は上記のそれらに準じることができ
る。また、サンドイッチ法による免疫測定法において、
固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は必ず
しも1種類である必要はなく、測定感度を向上させる等
の目的で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。本
発明のサンドイッチ法によるTGR−1の測定法におい
ては、1次反応と2次反応に用いられる本発明のモノク
ローナル抗体はTGR−1の結合する部位が相異なる抗
体が好ましく用いられる。即ち、1次反応および2次反
応に用いられる抗体は、例えば、2次反応で用いられる
抗体が、TGR−1のC端部を認識する場合、1次反応
で用いられる抗体は、好ましくはC端部以外、例えばN
端部を認識する抗体が用いられる。本発明のモノクロー
ナル抗体をサンドイッチ法以外の測定システム、例え
ば、競合法、イムノメトリック法あるいはネフロメトリ
ーなどに用いることができる。競合法では、被検液中の
抗原と標識抗原とを抗体に対して競合的に反応させたの
ち、未反応の標識抗原と(F)と抗体と結合した標識抗
原(B)とを分離し(B/F分離)、B,Fいずれかの
標識量を測定し、被検液中の抗原量を定量する。本反応
法には、抗体として可溶性抗体を用い、B/F分離をポ
リエチレングリコール、上記抗体に対する第2抗体など
を用いる液相法、および、第1抗体として固相化抗体を
用いるか、あるいは、第1抗体は可溶性のものを用い第
2抗体として固相化抗体を用いる固相化法とが用いられ
る。イムノメトリック法では、被検液中の抗原と固相化
抗原とを一定量の標識化抗体に対して競合反応させた後
固相と液相を分離するか、あるいは、被検液中の抗原と
過剰量の標識化抗体とを反応させ、次に固相化抗原を加
え未反応の標識化抗体を固相に結合させたのち、固相と
液相を分離する。次に、いずれかの相の標識量を測定し
被検液中の抗原量を定量する。また、ネフロメトリーで
は、ゲル内あるいは溶液中で抗原抗体反応の結果、生じ
た不溶性の沈降物の量を測定する。被検液中の抗原量が
僅かであり、少量の沈降物しか得られない場合にもレー
ザーの散乱を利用するレーザーネフロメトリーなどが好
適に用いられる。
【0050】これら個々の免疫学的測定法を本発明の測
定方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えてTG
R−1の測定系を構築すればよい。これらの一般的な技
術手段の詳細については、総説、成書などを参照するこ
とができる〔例えば、入江 寛編「ラジオイムノアッセ
イ」(講談社、昭和49年発行)、入江 寛編「続ラジ
オイムノアッセイ」(講談社、昭和54年発行)、石川
栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭和53年発
行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第2版)(医
学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測
定法」(第3版)(医学書院、昭和62年発行)、「メ
ソッズ・イン・エンジモノジー(Methods in ENZYMOLOG
Y)」 Vol. 70(Immunochemical Techniques(Part A))、
同書 Vol. 73(Immunochemical Techniques(Part B))、
同書 Vol. 74(Immunochemical Techniques(Part C))、
同書 Vol. 84(Immunochemical Techniques(Part D: Sel
ected Immunoassays))、 同書 Vol. 92(Immunochemical
Techniques(Part E:Monoclonal Antibodies and Gener
al Immunoassay Methods))、同書 Vol. 121(Immunochem
ical Techniques(Part I: Hybridoma Technology and M
onoclonal Antibodies))(以上、アカデミックプレス社
発行)など参照〕。以上のように、本発明の抗体を用い
ることによって、TGR−1を感度良く定量することが
できる。
【0051】さらに、本発明の抗体を用いて、生体内で
のTGR−1を定量することによって、TGR−1の機
能不全に関連する各種疾患の診断をすることができる。
また、本発明の抗体は、体液や組織などの被検体中に存
在するTGR−1を特異的に検出するために使用するこ
とができる。また、TGR−1を精製するために使用す
る抗体カラムの作製、精製時の各分画中のTGR−1の
検出、被検細胞内におけるTGR−1の挙動の分析など
のために使用することができる。
【0052】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commission on Biochemical Nomenclature による略号
あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであ
り、その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体
があり得る場合は、特に明示しなければL体を示すもの
とする。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン Y :チミンまたはシトシン N :チミン、シトシン、アデニンまたはグアニン R :アデニンまたはグアニン M :シトシンまたはアデニン W :チミンまたはアデニン S :シトシンまたはグアニン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム TFA :トリフルオロ酢酸 EIA :エンザイムイムノアッセイ GlyまたはG :グリシン AlaまたはA :アラニン ValまたはV :バリン LeuまたはL :ロイシン IleまたはI :イソロイシン SerまたはS :セリン ThrまたはT :スレオニン CysまたはC :システイン MetまたはM :メチオニン GluまたはE :グルタミン酸 AspまたはD :アスパラギン酸 LysまたはK :リジン ArgまたはR :アルギニン HisまたはH :ヒスチジン PheまたはF :フェニルアラニン TyrまたはY :チロシン TrpまたはW :トリプトファン ProまたはP :プロリン AsnまたはN :アスパラギン GlnまたはQ :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基 Bom :ベンジルオキシメチル NMP :N−メチルピロリドン PAM :フェニルアセトアミドメチル
【0053】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Tos :p−トルエンスルフォニル HONB :N−ヒドロキシ−5−ノルボルネンー2,3−ジカルボキ シイミド Bzl :ベンジル Z :ベンジルオキシカルボニル Br−Z :2−ブロモベンジルオキシカルボニル Cl−Z :2−クロルベンジルオキシカルボニル Boc :t−ブチルオキシカルボニル HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール DCC :N、N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド TFA :トリフルオロ酢酸 Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル DNP :ジニトロフェニル Bum :ターシャリーブトキシメチル Trt :トリチル BSA :ウシ血清アルブミン CHAPS :3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1 −プロパンスルホナート PMSF :フェニルメチルスルホニルフルオリド E64 :(L−3−trans−カルボキオキシラン−2−カルボニル )L−ロイシル−アグマチン GDP :グアノシン−5’−二リン酸 MEMα :ミニマムエッセンシャルメジウムアルファ Fura−2AM :1-[6-アミノ-2-(5-カルボキシ-2-オキサゾリル)-5-ベンゾ フラニロキシ]-2-(2-アミノ-5メチルフェノキシ)-エタン-N,N,N',N'-四酢酸ペン タアセトキシメチルエステル HBSS :ハンクス平衡塩液 Fluo−3AM :1-[2-アミノ-5-(2,7-ジクロロ-6-ヒドロキシ-3-オキシ-9- キサンテニル)フェノキシ]-2-(2-アミノ-5-メチルフェノキシ)エタン-N,N,N',N' -四酢酸ペンタアセトキシメチルエステル HEPES :2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル] エタンスルホン酸 MeBzl :4−メチルベンジル NMP :N−メチルピロリドン
【0054】本願明細書の配列表の配列番号は、以下の
配列を示す。 〔配列番号:1〕実施例1で得られたTGR−1のアミ
ノ酸配列を示す。 〔配列番号:2〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列
を含有するTGR−1をコードするDNAの塩基配列を
示す。 〔配列番号:3〕実施例1に記載のプライマー1の塩基
配列を示す。 〔配列番号:4〕実施例1に記載のプライマー2の塩基
配列を示す。 〔配列番号:5〕ブタ型ニューロメジンU−8をコード
するアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:6〕イヌ型ニューロメジンU−8をコード
するアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:7〕ニワトリ型ニューロメジンU−9をコ
ードするアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:8〕モルモット型ニューロメジンU−9を
コードするアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:9〕ラット型ニューロメジンU−23をコ
ードするアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:10〕カエル型ニューロメジンU−23を
コードするアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:11〕ヒト型ニューロメジンU−25をコ
ードするアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:12〕ブタ型ニューロメジンU−25をコ
ードするアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:13〕イヌ型ニューロメジンU−25をコ
ードするアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:14〕ニワトリ型ニューロメジンU−25
をコードするアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:15〕カエル型ニューロメジンU−25を
コードするアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:16〕ニューロメジンU−25の部分ペプ
チドをコードするアミノ酸配列を示す。配列番号:5で
表されるアミノ酸配列の第4番目〜第8番目のアミノ酸
配列を示す。 〔配列番号:17〕TGR−1と実質的に同一のアミノ
酸配列を示す(WO99/55732号に記載のもの)。 〔配列番号:18〕配列番号:23で表されるアミノ酸
配列を含有するDNAの塩基配列を示す(WO99/55732号
に記載のもの)。 〔配列番号:19〕実施例3で用いられたプライマーRT
GRF2の塩基配列を示す。 〔配列番号:20〕実施例3で用いられたプライマーRT
GRR1の塩基配列を示す。 〔配列番号:21〕実施例3で得られたラット型TGR
-1をコードするアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:22〕ラット型TGR−1をコードするD
NAの塩基配列を示す。
【0055】後述の実施例1で得られた配列番号:1で
表されるTGR−1をコードするcDNAを有する形質
転換体エシェリヒア コリ(Escherichia coli)TOP1
0/pCR2.1TOPO−TGR1は、1999年1
2月6日から茨城県つくば市東1−1−3、通商産業省
工業技術院生命工学工業技術研究所(NIBH)に寄託
番号FERM BP−6964として、1999年11
月12日から大阪府大阪市淀川区十三本町2−17−8
5、財団法人・発酵研究所(IFO)に寄託番号IFO
16336として寄託されている。後述の実施例3で
得られた配列番号:21で表されるTGR−1をコード
するcDNAを有する形質転換体エシェリヒア コリ(E
scherichia coli)JM109/prTGR−1は、2
000年11月9日から茨城県つくば市東1−1−3、
通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所(NIB
H)に寄託番号FERM BP−7355として、20
00年10月24日から大阪府大阪市淀川区十三本町2
−17−85、財団法人・発酵研究所(IFO)に寄託
番号IFO 16488として寄託されている。
【0056】
【発明の実施の形態】以下の実施例によって本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はこれらに制限されるも
のではない。
【0057】
【実施例】実施例1 TGR−1をコードするcDNAのクローニングと塩基配列
の決定 ヒト精巣cDNA(Marathon-ReadyTMcDNA;Clontech社)を
鋳型とし、2個のプライマー、プライマー1(配列番
号:3)及びプライマー2(配列番号:4)を用いてPC
Rを行なった。PCR反応には Advantage 2 Polymerase Mi
xture(Clontech社)を用い、95℃ 1分の後、95℃
30秒、68℃ 2 分を5回、95℃ 30秒、64℃ 30秒、68℃
2分を 5回、95℃ 30秒、62℃ 30秒、68℃ 2分を30回
の後、68℃ 7分の伸長反応を行なった。反応後反応産
物をTAクローニングキット(Invitrogen社)の処方に従
いプラスミドベクター pCR2.1TOPO(Invitrogen 社)へ
クローニングした。これを大腸菌TOP10に導入し、プラ
スミドを持つクローンをampicilinを含むLB寒天培地中
で選択した。個々のクローンの配列を解析した結果、T
GR−1(配列番号:1)をコードするcDNAの塩基配列
(配列番号:2)を得た。
【0058】実施例2 TGR-1発現CHO細胞およびmock C
HO細胞に対するニューロメジンU-8の反応性のサイトセ
ンサーによる比較 実施例1によって得られたTGR-1をコードするcDNAを用
いて、自体公知の方法に準じて作成したTGR-1発現CHO細
胞およびmock CHO細胞をサイトセンサー用カプセルに2.
7×105cells/wellの密度で播種し、一晩培養した。細胞
の入ったカプセルをサイトセンサーにセットし、0.1%
牛血清アルブミンを添加したlow buffered RPMI1640培
地を還流しながら細胞を順化させた。サイトセンサーに
よってポンプのON(80秒間)・OFF(40秒間)を1サイクル
として繰り返して行ない、ポンプが停止している間の細
胞外pHの変化率をacidification rateとして経時的に
測定した。同培地にブタ型ニューロメジンU-8(BACHE
M社、H-5505、配列番号:5)を溶解し、段階的に希釈
したものをサイトセンサーの流路系の切り替えによって
細胞に7分2秒間暴露した。反応のピークの値についてサ
ンプルが細胞に暴露される直前の3サイクルの平均値を
100%として換算し、比較したところ、TGR-1発現CHO細
胞は特異的かつ濃度依存的にニューロメジンUに反応す
ることを見出した(図1)。
【0059】実施例3 ラット型のTGR-1をコードするc
DNAの取得 ラット型のTGR-1をコードするcDNA全長をコードする断
片取得のために以下の2種類のDNAを合成した。 RTGRF2:5’-CTGATGCTATCCTTTCACTCTCTCAGACC-3’ (配
列番号:19) RTGRR1:5’-TCCTTGCAGTTTTGGCACATAGATGGA-3’ (配列
番号:20) これらの合成DNA、RTGRF2および RTGRR1をプライマーと
して用い、ラット子宮poly(A)+RNAより合成したcDNAを
鋳型としてPCRを行い、全長をコードする断片を増幅し
た。PCRの反応液はcDNA溶液2μl(8ng poly(A)+RNA由
来)、 1μl dNTPs(10mM)、0.5μl Advantage2 DNA
polymerase(Clontech社)、2.5μl Advantage2 DNA
polymeraseに添付されている10 xバッファー、18μl蒸
留水、さらに合成DNARTGRFとRTGRR1(各10μM)を
0.5μlずつ加え、合計25μlとした。この反応液は94℃
2分の変性の後、98℃10秒、68℃90秒のサイクルを31回
繰り返すPCR反応を行った。電気泳動で確認された約1.4
kbのPCR産物をQIA quick Gel Extraction Kit(Quiagen
社)を用いて精製し、TA cloning kit (Invitrogen社)
のマニュアルに従い、クローニングベクターpCR2.1 TOP
Oへ挿入、大腸菌JM109に導入して形質転換体E.coli JM1
09/prTGR-1を得た。このプラスミドprTGR-に挿入されて
いる塩基配列を決定し(配列番号:22)、それにコー
ドされるラット型TGR-1の予測されるアミノ酸配列を配
列番号:21で示す。また実施例1に示したヒト型配列
(配列番号:1)との比較を図2に示した。
【0060】
【発明の効果】本発明のニューロメジンUおよびTGR
−1を用いることを特徴とするニューロメジンUとTG
R−1との結合性を変化させる化合物またはその塩のス
クリーニング方法は、肥満症、高血圧症、ストレス性疾
患等の予防・治療薬などをスクリーニングするために用
いることができる。TGR−1アゴニストは肥満症等の
予防・治療薬として有用であり、TGR−1アンタゴニ
ストは高血圧症、ストレス性疾患等の予防・治療薬とし
て有用である。
【0061】
【配列表】 [Sequence Listing] <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Screening Method <130> B01053 <150> JP 2000-032773 <151> 2000-02-04 <150> JP 2000-052252 <151> 2000-02-24 <150> JP 2000-097896 <151> 2000-03-30 <150> JP 2000-187536 <151> 2000-06-19 <160> 22 <210> 1 <211> 415 <212> PRT <213> Human <400> 1 Met Ser Gly Met Glu Lys Leu Gln Asn Ala Ser Trp Ile Tyr Gln Gln 1 5 10 15 Lys Leu Glu Asp Pro Phe Gln Lys His Leu Asn Ser Thr Glu Glu Tyr 20 25 30 Leu Ala Phe Leu Cys Gly Pro Arg Arg Ser His Phe Phe Leu Pro Val 35 40 45 Ser Val Val Tyr Val Pro Ile Phe Val Val Gly Val Ile Gly Asn Val 50 55 60 Leu Val Cys Leu Val Ile Leu Gln His Gln Ala Met Lys Thr Pro Thr 65 70 75 80 Asn Tyr Tyr Leu Phe Ser Leu Ala Val Ser Asp Leu Leu Val Leu Leu 85 90 95 Leu Gly Met Pro Leu Glu Val Tyr Glu Met Trp Arg Asn Tyr Pro Phe 100 105 110 Leu Phe Gly Pro Val Gly Cys Tyr Phe Lys Thr Ala Leu Phe Glu Thr 115 120 125 Val Cys Phe Ala Ser Ile Leu Ser Ile Thr Thr Val Ser Val Glu Arg 130 135 140 Tyr Val Ala Ile Leu His Pro Phe Arg Ala Lys Leu Gln Ser Thr Arg 145 150 155 160 Arg Arg Ala Leu Arg Ile Leu Gly Ile Val Trp Gly Phe Ser Val Leu 165 170 175 Phe Ser Leu Pro Asn Thr Ser Ile His Gly Ile Lys Phe His Tyr Phe 180 185 190 Pro Asn Gly Ser Leu Val Pro Gly Ser Ala Thr Cys Thr Val Ile Lys 195 200 205 Pro Met Trp Ile Tyr Asn Phe Ile Ile Gln Val Thr Ser Phe Leu Phe 210 215 220 Tyr Leu Leu Pro Met Thr Val Ile Ser Val Leu Tyr Tyr Leu Met Ala 225 230 235 240 Leu Arg Leu Lys Lys Asp Lys Ser Leu Glu Ala Asp Glu Gly Asn Ala 245 250 255 Asn Ile Gln Arg Pro Cys Arg Lys Ser Val Asn Lys Met Leu Phe Val 260 265 270 Leu Val Leu Val Phe Ala Ile Cys Trp Ala Pro Phe His Ile Asp Arg 275 280 285 Leu Phe Phe Ser Phe Val Glu Glu Trp Ser Glu Ser Leu Ala Ala Val 290 295 300 Phe Asn Leu Val His Val Val Ser Gly Val Phe Phe Tyr Leu Ser Ser 305 310 315 320 Ala Val Asn Pro Ile Ile Tyr Asn Leu Leu Ser Arg Arg Phe Gln Ala 325 330 335 Ala Phe Gln Asn Val Ile Ser Ser Phe His Lys Gln Trp His Ser Gln 340 345 350 His Asp Pro Gln Leu Pro Pro Ala Gln Arg Asn Ile Phe Leu Thr Glu 355 360 365 Cys His Phe Val Glu Leu Thr Glu Asp Ile Gly Pro Gln Phe Pro Cys 370 375 380 Gln Ser Ser Met His Asn Ser His Leu Pro Thr Ala Leu Ser Ser Glu 385 390 395 400 Gln Met Ser Arg Thr Asn Tyr Gln Ser Phe His Phe Asn Lys Thr 405 410 415 <210> 2 <211> 1245 <212> DNA <213> Human <400> 2 ATGTCAGGGA TGGAAAAACT TCAGAATGCT TCCTGGATCT ACCAGCAGAA ACTAGAAGAT 60 CCATTCCAGA AACACCTGAA CAGCACCGAG GAGTATCTGG CCTTCCTCTG CGGACCTCGG 120 CGCAGCCACT TCTTCCTCCC CGTGTCTGTG GTGTATGTGC CAATTTTTGT GGTGGGGGTC 180 ATTGGCAATG TCCTGGTGTG CCTGGTGATT CTGCAGCACC AGGCTATGAA GACGCCCACC 240 AACTACTACC TCTTCAGCCT GGCGGTCTCT GACCTCCTGG TCCTGCTCCT TGGAATGCCC 300 CTGGAGGTCT ATGAGATGTG GCGCAACTAC CCTTTCTTGT TCGGGCCCGT GGGCTGCTAC 360 TTCAAGACGG CCCTCTTTGA GACCGTGTGC TTCGCCTCCA TCCTCAGCAT CACCACCGTC 420 AGCGTGGAGC GCTACGTGGC CATCCTACAC CCGTTCCGCG CCAAACTGCA GAGCACCCGG 480 CGCCGGGCCC TCAGGATCCT CGGCATCGTC TGGGGCTTCT CCGTGCTCTT CTCCCTGCCC 540 AACACCAGCA TCCATGGCAT CAAGTTCCAC TACTTCCCCA ATGGGTCCCT GGTCCCAGGT 600 TCGGCCACCT GTACGGTCAT CAAGCCCATG TGGATCTACA ATTTCATCAT CCAGGTCACC 660 TCCTTCCTAT TCTACCTCCT CCCCATGACT GTCATCAGTG TCCTCTACTA CCTCATGGCA 720 CTCAGACTAA AGAAAGACAA ATCTCTTGAG GCAGATGAAG GGAATGCAAA TATTCAAAGA 780 CCCTGCAGAA AATCAGTCAA CAAGATGCTG TTTGTCTTGG TCTTAGTGTT TGCTATCTGT 840 TGGGCCCCGT TCCACATTGA CCGACTCTTC TTCAGCTTTG TGGAGGAGTG GAGTGAATCC 900 CTGGCTGCTG TGTTCAACCT CGTCCATGTG GTGTCAGGTG TCTTCTTCTA CCTGAGCTCA 960 GCTGTCAACC CCATTATCTA TAACCTACTG TCTCGCCGCT TCCAGGCAGC ATTCCAGAAT 1020 GTGATCTCTT CTTTCCACAA ACAGTGGCAC TCCCAGCATG ACCCACAGTT GCCACCTGCC 1080 CAGCGGAACA TCTTCCTGAC AGAATGCCAC TTTGTGGAGC TGACCGAAGA TATAGGTCCC 1140 CAATTCCCAT GTCAGTCATC CATGCACAAC TCTCACCTCC CAACAGCCCT CTCTAGTGAA 1200 CAGATGTCAA GAACAAACTA TCAAAGCTTC CACTTTAACA AAACC 1245 <210> 3 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 3 GTCGACTTAA TGTCAGGGAT GGAAAAACTT 30 <210> 4 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 4 ACTAGTTCAG GTTTTGTTAA AGTGGAAGCT 30 <210> 5 <211> 8 <212> PRT <213> Pig <400> 5 Tyr Phe Leu Phe Arg Pro Arg Asn 1 5 8 <210> 6 <211> 8 <212> PRT <213> Dog <400> 6 Glu Phe Leu Phe Arg Pro Arg Asn 1 5 8 <210> 7 <211> 9 <212> PRT <213> Chicken <400> 7 Gly Tyr Phe Phe Phe Arg Pro Arg Asn 1 5 9 <210> 8 <211> 9 <212> PRT <213> Guinea pig <400> 8 Gly Tyr Phe Leu Phe Arg Pro Arg Asn 1 5 9 <210> 9 <211> 23 <212> PRT <213> Rat <400> 9 Tyr Lys Val Asn Glu Tyr Gln Gly Pro Val Ala Pro Ser Gly Gly Phe 1 5 10 15 Phe Leu Phe Arg Pro Arg Asn 20 23 <210> 10 <211> 23 <212> PRT <213> Frog <400> 10 Ser Asp Glu Glu Val Gln Val Pro Gly Gly Val Ile Ser Asn Gly Tyr 1 5 10 15 Phe Leu Phe Arg Pro Arg Asn 20 23 <210> 11 <211> 25 <212> PRT <213> Human <400> 11 Phe Arg Val Asp Glu Glu Phe Gln Ser Pro Phe Ala Ser Gln Ser Arg 1 5 10 15 Gly Tyr Phe Leu Phe Arg Pro Arg Asn 20 25 <210> 12 <211> 25 <212> PRT <213> Pig <400> 12 Phe Leu Val Asp Glu Glu Phe Gln Gly Pro Ile Val Ser Gln Asn Arg 1 5 10 15 Arg Tyr Phe Leu Phe Arg Pro Arg Asn 20 25 <210> 13 <211> 25 <212> PRT <213> Dog <400> 13 Phe Arg Leu Asp Glu Glu Phe Gln Gly Pro Ile Ala Ser Gln Val Arg 1 5 10 15 Arg Gln Phe Leu Phe Arg Pro Arg Asn 20 25 <210> 14 <211> 25 <212> PRT <213> Chicken <400> 14 Tyr Lys Val Asp Glu Asp Leu Gln Gly Ala Gly Gly Ile Gln Ser Arg 1 5 10 15 Gly Tyr Phe Phe Phe Arg Pro Arg Asn 20 25 <210> 15 <211> 25 <212> PRT <213> Frog <400> 15 Leu Lys Pro Asp Glu Glu Leu Gln Gly Pro Gly Gly Val Leu Ser Arg 1 5 10 15 Gly Tyr Phe Val Phe Arg Pro Arg Asn 20 25 <210> 16 <211> 5 <212> PRT <213> Human <400> 16 Phe Arg Pro Arg Asn 1 5 <210> 17 <211> 415 <212> PRT <213> Human <400> 17 Met Ser Gly Met Glu Lys Leu Gln Asn Ala Ser Trp Ile Tyr Gln Gln 1 5 10 15 Lys Leu Glu Asp Pro Phe Gln Lys His Leu Asn Ser Thr Glu Glu Tyr 20 25 30 Leu Ala Phe Leu Cys Gly Pro Arg Arg Ser His Phe Phe Leu Pro Val 35 40 45 Ser Val Val Tyr Val Pro Ile Phe Val Val Gly Val Ile Gly Asn Val 50 55 60 Leu Val Cys Leu Val Ile Leu Gln His Gln Ala Met Lys Thr Pro Thr 65 70 75 80 Asn Tyr Tyr Leu Phe Ser Leu Ala Val Ser Asp Leu Leu Val Leu Leu 85 90 95 Leu Gly Met Pro Leu Glu Val Tyr Glu Met Trp Arg Asn Tyr Pro Phe 100 105 110 Leu Phe Gly Pro Val Gly Cys Tyr Phe Lys Thr Ala Leu Phe Glu Thr 115 120 125 Val Cys Phe Ala Ser Ile Leu Ser Ile Thr Thr Val Ser Val Glu Arg 130 135 140 Tyr Val Ala Ile Leu His Pro Phe Arg Ala Lys Leu Gln Ser Thr Arg 145 150 155 160 Arg Arg Ala Leu Arg Ile Leu Gly Ile Val Trp Gly Phe Ser Val Leu 165 170 175 Phe Ser Leu Pro Asn Thr Ser Ile His Gly Ile Lys Phe His Tyr Phe 180 185 190 Pro Asn Gly Ser Leu Val Pro Gly Ser Ala Thr Cys Thr Val Ile Lys 195 200 205 Pro Met Trp Ile Tyr Asn Phe Ile Ile Gln Val Thr Ser Phe Leu Phe 210 215 220 Tyr Leu Leu Pro Met Thr Val Ile Ser Val Leu Tyr Tyr Leu Met Ala 225 230 235 240 Leu Arg Leu Lys Lys Asp Lys Ser Leu Glu Ala Asp Glu Gly Asn Ala 245 250 255 Asn Ile Gln Arg Pro Cys Arg Lys Ser Val Asn Lys Met Leu Leu Val 260 265 270 Leu Val Leu Val Phe Ala Ile Cys Trp Ala Pro Phe His Ile Asp Arg 275 280 285 Leu Phe Phe Ser Phe Val Glu Glu Trp Thr Glu Ser Leu Ala Ala Val 290 295 300 Phe Asn Leu Val His Val Val Ser Gly Val Leu Phe Tyr Leu Ser Ser 305 310 315 320 Ala Val Asn Pro Ile Ile Tyr Asn Leu Leu Ser Arg Arg Phe Gln Ala 325 330 335 Ala Phe Gln Asn Val Ile Ser Ser Phe His Lys Gln Trp His Ser Gln 340 345 350 His Asp Pro Gln Leu Pro Pro Ala Gln Arg Asn Ile Phe Leu Thr Glu 355 360 365 Cys His Phe Val Glu Leu Thr Glu Asp Ile Gly Pro Gln Phe Pro Cys 370 375 380 Gln Ser Ser Val His Asn Ser His Leu Pro Thr Ala Leu Ser Ser Glu 385 390 395 400 Gln Met Ser Arg Thr Asn Tyr Gln Ser Phe His Phe Asn Lys Thr 405 410 415 <210> 18 <211> 1245 <212> DNA <213> Human <400> 18 ATGTCAGGGA TGGAAAAACT TCAGAATGCT TCCTGGATCT ACCAGCAGAA ACTAGAAGAT 60 CCATTCCAGA AACACCTGAA CAGCACCGAG GAGTATCTGG CCTTCCTCTG CGGACCTCGG 120 CGCAGCCACT TCTTCCTCCC CGTGTCTGTG GTGTATGTGC CAATTTTTGT GGTGGGGGTC 180 ATTGGCAATG TCCTGGTGTG CCTGGTGATT CTGCAGCACC AGGCTATGAA GACGCCCACC 240 AACTACTACC TCTTCAGCCT GGCGGTCTCT GACCTCCTGG TCCTGCTCCT TGGAATGCCC 300 CTGGAGGTCT ATGAGATGTG GCGCAACTAC CCTTTCTTGT TCGGGCCCGT GGGCTGCTAC 360 TTCAAGACGG CCCTCTTTGA GACCGTGTGC TTCGCCTCCA TCCTCAGCAT CACCACCGTC 420 AGCGTGGAGC GCTACGTGGC CATCCTACAC CCGTTCCGCG CCAAACTGCA GAGCACCCGG 480 CGCCGGGCCC TCAGGATCCT CGGCATCGTC TGGGGCTTCT CCGTGCTCTT CTCCCTGCCC 540 AACACCAGCA TCCATGGCAT CAAGTTCCAC TACTTCCCCA ATGGGTCCCT GGTCCCAGGT 600 TCGGCCACCT GTACGGTCAT CAAGCCCATG TGGATCTACA ATTTCATCAT CCAGGTCACC 660 TCCTTCCTAT TCTACCTCCT CCCCATGACT GTCATCAGTG TCCTCTACTA CCTCATGGCA 720 CTCAGACTAA AGAAAGACAA ATCTCTTGAG GCAGATGAAG GGAATGCAAA TATTCAAAGA 780 CCCTGCAGAA AATCAGTCAA CAAGATGCTG CTTGTCTTGG TCTTAGTGTT TGCTATCTGT 840 TGGGCCCCGT TCCACATTGA CCGACTCTTC TTCAGCTTTG TGGAGGAGTG GACTGAATCC 900 CTGGCTGCTG TGTTCAACCT CGTCCATGTG GTGTCAGGTG TCTTATTCTA CCTGAGCTCA 960 GCTGTCAACC CCATTATCTA TAACCTACTG TCTCGCCGCT TCCAGGCAGC ATTCCAGAAT 1020 GTGATCTCTT CTTTCCACAA ACAGTGGCAC TCCCAGCATG ACCCACAGTT GCCACCTGCC 1080 CAGCGGAACA TCTTCCTGAC AGAATGCCAC TTTGTGGAGC TGACCGAAGA TATAGGTCCC 1140 CAATTCCCAT GTCAGTCATC CGTGCACAAC TCTCACCTCC CAACAGCCCT CTCTAGTGAA 1200 CAGATGTCAA GAACAAACTA TCAAAGCTTC CACTTTAACA AAACC 1245 <210> 19 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 19 CTGATGCTAT CCTTTCACTC TCTCAGACC 29 <210> 20 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 20 TCCTTGCAGT TTTGGCACAT AGATGGA 27 <210> 21 <211> 395 <212> PRT <213> Rat <400> 21 Met Gly Lys Leu Glu Asn Ala Ser Trp Ile His Asp Pro Leu Met Lys 1 5 10 15 Tyr Leu Asn Ser Thr Glu Glu Tyr Leu Ala His Leu Cys Gly Pro Lys 20 25 30 Arg Ser Asp Leu Ser Leu Pro Val Ser Val Ala Tyr Ala Leu Ile Phe 35 40 45 Leu Val Gly Val Met Gly Asn Leu Leu Val Cys Met Val Ile Val Arg 50 55 60 His Gln Thr Leu Lys Thr Pro Thr Asn Tyr Tyr Leu Phe Ser Leu Ala 65 70 75 80 Val Ser Asp Leu Leu Val Leu Leu Leu Gly Met Pro Leu Glu Ile Tyr 85 90 95 Glu Met Trp His Asn Tyr Pro Phe Leu Phe Gly Pro Val Gly Cys Tyr 100 105 110 Phe Lys Thr Ala Leu Phe Glu Thr Val Cys Phe Ala Ser Ile Leu Ser 115 120 125 Val Thr Thr Val Ser Val Glu Arg Tyr Val Ala Ile Val His Pro Phe 130 135 140 Arg Ala Lys Leu Glu Ser Thr Arg Arg Arg Ala Leu Arg Ile Leu Ser 145 150 155 160 Leu Val Trp Ser Phe Ser Val Val Phe Ser Leu Pro Asn Thr Ser Ile 165 170 175 His Gly Ile Lys Phe Gln His Phe Pro Asn Gly Ser Ser Val Pro Gly 180 185 190 Ser Ala Thr Cys Thr Val Thr Lys Pro Met Trp Val Tyr Asn Leu Ile 195 200 205 Ile Gln Ala Thr Ser Phe Leu Phe Tyr Ile Leu Pro Met Thr Leu Ile 210 215 220 Ser Val Leu Tyr Tyr Leu Met Gly Leu Arg Leu Lys Arg Asp Glu Ser 225 230 235 240 Leu Glu Ala Asn Lys Val Ala Val Asn Ile His Arg Pro Ser Arg Lys 245 250 255 Ser Val Thr Lys Met Leu Phe Val Leu Val Leu Val Phe Ala Ile Cys 260 265 270 Trp Thr Pro Phe His Val Asp Arg Leu Phe Phe Ser Phe Val Glu Glu 275 280 285 Trp Thr Glu Ser Leu Ala Ala Val Phe Asn Leu Ile His Val Val Ser 290 295 300 Gly Val Phe Phe Tyr Leu Ser Ser Ala Val Asn Pro Ile Ile Tyr Asn 305 310 315 320 Leu Leu Ser Arg Arg Phe Arg Ala Ala Phe Arg Asn Val Val Ser Pro 325 330 335 Thr Cys Lys Trp Cys His Pro Arg His Gln Pro Gln Gly Pro Pro Ala 340 345 350 Gln Lys Ile Ile Phe Leu Thr Glu Cys His Leu Met Glu Leu Thr Glu 355 360 365 Asp Ala Gly Pro Gln Phe Pro Gly Gln Ser Ser Ile His Asn Thr Asn 370 375 380 Leu Thr Met Ala Pro Cys Ala Gly Glu Val Pro 385 390 395 <210> 22 <211> 1185 <212> DNA <213> Rat <400> 22 ATGGGAAAAC TTGAAAATGC TTCCTGGATC CACGATCCAC TCATGAAGTA CTTGAACAGC 60 ACAGAGGAGT ACTTGGCCCA CCTGTGTGGA CCCAAGCGCA GTGACCTATC CCTTCCGGTG 120 TCTGTGGCCT ATGCGCTGAT CTTCCTGGTG GGGGTAATGG GCAATCTTCT GGTGTGCATG 180 GTGATTGTCC GACATCAGAC TTTGAAGACA CCCACCAACT ACTATCTCTT CAGCTTGGCA 240 GTCTCAGATC TGCTGGTCCT GCTCTTGGGG ATGCCTCTGG AAATCTACGA GATGTGGCAC 300 AATTACCCTT TCCTGTTCGG GCCTGTGGGA TGCTACTTCA AGACAGCCCT CTTCGAGACT 360 GTGTGCTTTG CCTCCATTCT CAGTGTCACC ACGGTTAGCG TAGAGCGCTA TGTGGCCATT 420 GTCCACCCTT TCCGAGCCAA GCTGGAGAGC ACGCGGCGAC GGGCCCTCAG GATCCTCAGC 480 CTAGTCTGGA GCTTCTCTGT GGTCTTTTCT TTGCCCAATA CCAGCATCCA TGGCATCAAG 540 TTCCAGCACT TTCCCAACGG GTCCTCCGTA CCTGGCTCAG CCACCTGCAC AGTCACCAAA 600 CCCATGTGGG TGTATAACTT GATCATCCAA GCTACCAGCT TCCTCTTCTA CATCCTCCCA 660 ATGACCCTCA TCAGCGTCCT CTACTACCTC ATGGGGCTCA GGCTGAAGAG AGATGAATCC 720 CTTGAGGCGA ACAAAGTGGC TGTGAATATT CACAGACCCT CTAGAAAGTC AGTCACCAAG 780 ATGCTGTTTG TCTTGGTCCT CGTGTTTGCC ATCTGCTGGA CCCCCTTCCA TGTGGACCGG 840 CTCTTCTTCA GCTTTGTGGA AGAGTGGACA GAGTCCCTGG CTGCTGTGTT CAACCTCATC 900 CATGTGGTAT CAGGTGTCTT CTTTTATCTG AGCTCCGCGG TCAACCCCAT TATCTATAAC 960 CTCCTGTCTC GGCGCTTCCG GGCGGCCTTT CGAAATGTTG TCTCCCCTAC CTGCAAATGG 1020 TGCCATCCCC GGCATCAGCC ACAGGGACCT CCAGCCCAGA AGATCATCTT CTTGACAGAA 1080 TGTCACCTCA TGGAGCTGAC AGAGGATGCA GGCCCCCAGT TCCCTGGTCA GTCATCCATC 1140 CACAACACCA ACCTTACCAT GGCCCCCTGT GCGGGAGAGG TACCA 1185
【0062】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で行われたサイトセンサーによるTGR-
1受容体特異的な細胞刺激活性の検出の結果を示す図を
表す。サイトセンサーアッセイにおいて、TGR-1受容体
発現CHO細胞(○)およびmock CHO細胞(●)に対して
図に表示の濃度のブタ型ニューロメジンU-8を7分2
秒間作用させ、その間のAcidification Rateの最大値を
プロットしている。
【図2】参考例1で得られたヒト型TGR−1と実施例
2で得られたラット型TGR−1とのアミノ酸配列の比
較を示す図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 16/28 C12N 1/15 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 C12P 21/02 C 5/10 G01N 33/15 Z C12P 21/02 33/50 Z G01N 33/15 33/566 33/50 C12P 21/08 33/566 C12R 1:91) // C12P 21/08 C12N 15/00 ZNAA (C12N 15/09 ZNA 5/00 A C12R 1:91) C12R 1:91) (31)優先権主張番号 特願2000−187536(P2000−187536) (32)優先日 平成12年6月19日(2000.6.19) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 藤井 亮 茨城県つくば市春日1丁目7番地9 武田 春日ハイツ303号 (72)発明者 守谷 岳郎 大阪府箕面市新稲3−3−10 箕面ブジノ ースB−202 (72)発明者 松井 英起 茨城県つくば市並木4丁目16番地1 ガー デンヒルズ並木708号 (72)発明者 大久保 尚一 茨城県牛久市中央1丁目4番地23 Fターム(参考) 2G045 AA34 AA35 BB05 BB10 BB14 BB41 BB51 DA13 DA36 FB01 FB02 FB03 FB07 FB08 GC15 4B024 AA01 AA11 BA01 BA41 BA63 CA04 DA02 EA04 GA03 GA11 GA12 HA01 HA03 HA15 4B064 AG15 AG20 AG27 CA10 CA19 CA20 CC24 DA01 DA13 4B065 AA01X AA57X AA87X AA90X AA90Y AB01 AB04 BA02 BA04 CA24 CA25 CA44 CA46 4H045 AA10 AA11 BA10 CA40 CA50 DA30 DA50 DA76 EA20 EA50 FA20 FA72 FA74

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ニューロメジンUもしくはその誘導体また
    はその塩および配列番号:1または配列番号:21で表
    されるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ
    酸配列を含有する蛋白質またはその塩を用いることを特
    徴とするニューロメジンUまたはその塩と配列番号:1
    または配列番号:21で表されるアミノ酸配列と同一ま
    たは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質また
    はその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩の
    スクリーニング方法。
  2. 【請求項2】ニューロメジンUもしくはその誘導体また
    はその塩および配列番号:1または配列番号:21で表
    されるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ
    酸配列を含有する蛋白質またはその塩を含有することを
    特徴とするニューロメジンUまたはその塩と配列番号:
    1または配列番号:21で表されるアミノ酸配列と同一
    または実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質ま
    たはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩
    のスクリーニング用キット。
  3. 【請求項3】請求項1記載のスクリーニング方法または
    請求項2記載のスクリーニング用キットを用いて得られ
    うる、ニューロメジンUまたはその塩と配列番号:1ま
    たは配列番号:21で表されるアミノ酸配列と同一また
    は実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質または
    その塩との結合性を変化させる化合物またはその塩。
  4. 【請求項4】請求項3記載の化合物またはその塩を含有
    してなる医薬。
  5. 【請求項5】肥満症、高血圧症またはストレス性疾患の
    予防・治療薬である請求項4記載の医薬。
  6. 【請求項6】ニューロメジンUが配列番号:11で表さ
    れるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ
    酸配列を含有するペプチドである請求項1記載のスクリ
    ーニング方法または請求項2記載のスクリーニング用キ
    ット。
  7. 【請求項7】配列番号:1または配列番号:21で表わ
    されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミ
    ノ酸配列を含有することを特徴とする蛋白質またはその
    塩。
  8. 【請求項8】請求項7記載の蛋白質をコードするDNA
    を含有するDNA。
  9. 【請求項9】配列番号:2または配列番号:22で表さ
    れる塩基配列を有する請求項8記載のDNA。
  10. 【請求項10】請求項8記載のDNAを含有する組換え
    ベクター。
  11. 【請求項11】請求項10記載の組換えベクターで形質
    転換させた形質転換体。
  12. 【請求項12】請求項11記載の形質転換体を培養し、
    請求項7記載の蛋白質を生成せしめることを特徴とする
    請求項7記載の蛋白質またはその塩の製造法。
  13. 【請求項13】請求項7記載の蛋白質またはその塩に対
    する抗体。
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