JP2001052661A - 非水電解質電池用封入袋 - Google Patents

非水電解質電池用封入袋

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JP2001052661A
JP2001052661A JP22531199A JP22531199A JP2001052661A JP 2001052661 A JP2001052661 A JP 2001052661A JP 22531199 A JP22531199 A JP 22531199A JP 22531199 A JP22531199 A JP 22531199A JP 2001052661 A JP2001052661 A JP 2001052661A
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武広 細川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フッ酸の生成を十分に防止することができる
非水電解質電池用封入袋を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明は、非水電解質電池を構成する非
水電解液を封入するための非水電解質電池用封入袋であ
って、プラスチック層24,28の間に少なくとも2つ
の金属層22a,22bを有するシート材で形成されて
いることを特徴とする。この封入袋によれば、プラスチ
ック層24,28の間に設けられる少なくとも2つの金
属層22a,22bにそれぞれ存在するピンホール23
a,23b同士がほとんど重なり合うことがない。従っ
て、封入袋の内部に非水電解液が封入されても、外部か
らの水分の侵入によるフッ酸の生成が十分に防止され
る。また、ピンホールがあっても封入袋外部からの水分
の侵入が十分に防止されるので、金属層22の厚さを十
分に小さくすることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器の電源等
としての非水電解質電池に用いられる非水電解質電池用
封入袋に係り、より詳細には、非水電解質電池を構成す
る非水電解液を封入するための非水電解質電池用封入袋
に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器の小型化の要求に合わせて、そ
の電源として用いられる電池の小型化、軽量化の要求が
強まっている。一方、電池に対する高エネルギー密度
化、高エネルギー効率化も求められている。こうした要
求を満たすため、フィルム状、シート状又はチューブ状
合成樹脂からなる袋状外装体内に複数個の熱可塑性樹脂
からなる袋を封入し、その袋のそれぞれの中に非水電解
液、並びに正極、負極及びセパレータからなる極板群を
挿入して密閉型電池とする試みが提案されている(例え
ば特開昭61−240564号公報)。
【0003】また、封入袋の密封性を向上させるため
に、封入袋を形成するシート材として、プラスチックフ
ィルムの間に1つの金属層を挟んだ構造のものが知られ
ている(例えば特開平3−62447号公報、特開昭5
7−115820号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の公報に記載の非水電解質電池は、非水電解液と
してフッ化リチウム化合物を含むものが用いられる場合
には、以下に示すような問題を有していた。
【0005】すなわち、従来の特開昭61−24056
4号公報に記載の非水電解質電池においては、合成樹脂
からなる袋状外装体を通して外部から水分が侵入する
と、非水電解液と水分とが反応して非水電解液中にフッ
酸が生成する場合がある。また、特開平3−62447
号公報、特開昭57−115820号公報に記載の非水
電解質電池においては、封入袋に金属層が含まれている
ため封入袋の密封性は向上するものの、非水電解液中に
フッ酸が生成する場合がある。
【0006】こうして生成するフッ酸は、電池の性能劣
化を促進するだけでなく、封入袋の外部へ漏出して外部
の機器を腐食させたり、あるいは人体に悪影響を及ぼ
す。
【0007】そこで、本発明は、フッ酸の生成を十分に
防止することができる非水電解質電池用封入袋を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特にプラ
スチック層の間の金属層と上記従来の問題点との相関関
係について検討した。その結果、金属層には一般にピン
ホールが形成されており、そのため、金属層を用いても
ピンホールを通して外部から水分が侵入し、その水分と
非水電解液とが反応してフッ酸が生成することを見出し
た。ここで、金属層に形成されるピンホールの密度はそ
の厚さが小さいほど小さくなる傾向があるため、金属層
の厚さを増加させることにより封入袋外部からの水分の
侵入を防止することも考えられる。しかし、これでは、
封入袋の小型化が図れなくなる上に、封入袋が柔軟性を
失い、封入袋が破れ易くなる。
【0009】そこで、本発明は、非水電解質電池を構成
する非水電解液を封入するための非水電解質電池用封入
袋であって、プラスチック層の間に少なくとも2つの金
属層を有するシート材で形成されていることを特徴とす
る。
【0010】本発明の封入袋においては、プラスチック
層の間に少なくとも2つの金属層が設けられ、金属層の
それぞれに存在するピンホール同士がほとんど重なり合
うことがない。従って、外部からの水分の侵入が十分に
防止される。このため、封入袋の内部に非水電解液が封
入されても、外部からの水分と封入袋の内部の非水電解
液との反応が十分に防止される。また、金属層に形成さ
れるピンホールの密度が大きくても封入袋外部からの水
分の侵入が十分に防止されるので、金属層の厚さを十分
に小さくすることが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の非水電解質電池用
封入袋の好適な実施形態について説明する。なお、図面
において、同一又は同等の構成要素には同一の符号を付
すこととする。
【0012】図1は、本発明の封入袋の好適な実施形態
を示す斜視図である。本発明の封入袋は、例えば図1に
示すような薄肉形の非水電解質電池10に組み込まれ
る。この非水電解質電池10は、非水の溶媒(例えば有
機溶媒)に電解質(例えばリチウム化合物)が溶解され
た非水電解液(非水電解質媒体)を含む単一の電気化学
セルを、周縁部が熱融着されてヒートシールされる部分
12が形成された封入袋(袋体)14に封入することに
より構成されている。この非水電解質電池10において
は、正極用リード線18a、負極用リード線18bの一
端が封入袋14の上部から上方に延び、外部との電気的
な接続を可能にしている。なお、正極用リード線18
a、負極用リード線18bはそれぞれ、正極用リード導
体19a、負極用リード導体19bを有しており、それ
らの外周にはそれぞれ絶縁体21a,21bが被覆され
ている。
【0013】図2は、図1の非水電解質電池10のA−
A線又はB−B線に沿った断面図である。図2に示すよ
うに、非水電解質電池10は封入袋14を有しており、
封入袋14の内部には、非水電解液20が収容されてい
る。この非水電解液20としては、例えばプロピレンカ
ーボネート、γ−ブチロラクトン等の有機溶媒に、Li
BF4、LiPF6、LiAsF6のようなフッ化リチウ
ム化合物からなる溶質が溶解したものが用いられる。さ
らに、封入袋14内には、非水電解液20に浸される正
極板30と負極板32が封入され、これら正極板30及
び負極板32は、集電体と呼ばれる金属箔又はエキスパ
ンデッドメタルの金属基材(図示せず)と、金属基材上
に形成された活物質層(図示せず)とからなる。また、
正極板30と負極板32との間には、非水電解液20の
拡散を防止するためのセパレータ34が配置されてい
る。
【0014】さらに、正極板30の金属基材は、導線3
6を介して、例えばアルミニウムからなる正極用リード
導体19aの一端に接続され、正極用リード導体19a
の他端は封入袋14の外部に延びている。負極板32の
金属基材も、例えば銅又はニッケルからなる負極用リー
ド導体19bの一端に導線38を介して接続され、負極
用リード導体19bの他端は封入袋14の外部に延びて
いる。また、正極用リード導体19a、負極用リード導
体19bにはそれぞれ絶縁体21a,21bが被覆さ
れ、これら絶縁体21a,21bは、それぞれリード導
体19a,19bに接着される熱可塑性ポリオレフィン
樹脂からなる熱可塑層23a,23bと、その外側に設
けられる架橋ポリオレフィン樹脂からなる架橋層25
a,25bとで構成されている。そして、正極用リード
線18a及び負極用リード線18bは、絶縁体21a,
21bを介して封入袋14の内面と熱融着されることに
よって封入袋14に取り付けられている。
【0015】ここで、封入袋14の構成について詳細に
説明する。
【0016】図2に示すように、封入袋14は、例えば
一対の多層シート材15によって形成されている。多層
シート材15のそれぞれにおいては、プラスチック層2
4、28によって金属層22が挟持されている。
【0017】より詳細に述べると、封入袋14は、非水
電解液20と接触する上記多層シート材15の最も内側
のプラスチック層24の周縁部を熱融着することにより
形成されている。ここで、最も内側のプラスチック層2
4は、例えば熱接着性を有する熱可塑性樹脂からなり、
この熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン等が用
いられる。これらのうち、多層シート材15の内側のプ
ラスチック層24の周縁部に形成されるヒートシール部
分12における非水電解液20の漏出を防止する観点か
ら、マレイン酸変性ポリオレフィン(例えばマレイン酸
変性低密度ポリエチレン)が好ましく用いられる。一
方、封入袋14の最も外側のプラスチック層28は、金
属層22を外傷から保護するためのものであり、このプ
ラスチック層28を構成するプラスチックとしては、耐
摩耗性の観点から、エンジニアリングプラスチックが好
ましい。こうしたエンジニアリングプラスチックとして
は、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)、ナ
イロン等が用いられる。
【0018】そして、最も内側のプラスチック層24と
最も外側のプラスチック層28との間には上述したよう
に金属層22が設けられている。こうした金属層22に
は一般にピンホールが形成されており、そのため、金属
層22を用いてもピンホールを通して外部から水分が侵
入し、その水分と非水電解液20とが反応してフッ酸が
生成する場合がある。
【0019】そこで、図3に示すように、上記金属層2
2は2つの金属層22a,22bで構成されている。こ
うすることにより、金属層22a,22bに形成された
ピンホール27a,27b同士が重なり合う確率が低下
し、外部からの水分が外側の金属層22aのピンホール
27aを通して侵入しても、その水分は内側の金属層2
2bによって遮断され、ピンホール27bを通過するこ
とが十分に防止される。すなわち、ピンホール27aと
ピンホール27bとが連通しないことにより非水電解液
20への水分の侵入が防止される。従って、非水電解液
20と水分との反応が十分に防止され、フッ酸の生成が
十分に抑えられる。そのため、電池の性能劣化が防止さ
れ、電池の寿命を延ばすことができると共に、フッ酸が
封入袋14の外部へ漏出して外部の機器を腐食させた
り、あるいは人体に悪影響を及ぼすという問題も十分に
防止できる。
【0020】さらに、金属層22a,22bにピンホー
ル27a,27bが高密度に存在していても封入袋14
の外部からの水分の侵入が十分に防止される。従って、
金属層22を厚くしてピンホール27a,27bの密度
を減少させる必要がなく、金属層22の厚さを十分に小
さくすることができる。そのため、封入袋14の厚さも
小さくでき、封入袋14の小型化が図られると共に、柔
軟性も確保され、封入袋14が破れにくくなる。
【0021】上記金属層22a,22bを構成する金属
材料としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合
金、銅等が用いられる。このうち、軽量化の点からはア
ルミニウム、アルミニウム合金が最も好ましい。また、
金属層22a,22bの厚さは通常6μm以上であり、
好ましくは9μm以上である。金属層22a,22bの
厚さは、通常100μm以下、好ましくは80μm以下
である。金属層22a,22bの厚さが6μm未満で
は、ピンホールの密度が大きくなり、金属層22a,2
2bのピンホール27a,27b同士が重なり合う確率
が高くなって封入袋14の外部から水分が侵入し易くな
る傾向があり、100μmを超えると、封入袋14の柔
軟性が低下して封入袋14が破れ易くなる傾向がある。
【0022】つぎに、上述した封入袋14の作製方法に
ついて説明する。
【0023】まず、マレイン酸変性ポリオレフィンから
なるフィルム、PETからなるフィルム、及び例えばア
ルミニウム等からなる金属箔2枚をそれぞれ用意する。
金属箔は、例えば金属材料を圧延加工することにより用
意することができる。
【0024】つぎに、PETフィルムをプラスチック層
28として、その上に接着剤を介して金属箔を貼り合わ
せ、金属層22aを形成する。その後、この金属層22
aの上に、接着剤を介してアルミニウム等からなる金属
箔を貼り合わせて金属層22bを形成する。さらにその
金属層22bの上に、接着剤を介してマレイン酸変性ポ
リオレフィンフィルムからなるフィルムをプラスチック
層24として貼り合わせる。このようにして、マレイン
酸変性ポリオレフィンからなるプラスチック層24とP
ETからなるプラスチック層28とによって2枚の金属
層22a,22bが挟持された多層フィルムを得る。そ
して、多層フィルムを切断し、矩形状の多層シート材1
5を2枚用意する。
【0025】つぎに、マレイン酸変性ポリオレフィンか
らなるプラスチック層24同士が対向するようにこれら
多層シート材15を重ねあわせ、矩形の周囲3辺を、シ
ール機を用いて所定の加熱条件で所望のシール幅だけヒ
ートシールする。こうして開口を有する袋が得られる。
【0026】そして、この袋の内部に、正極30、負極
32、セパレータ34を挿入すると共に、非水電解液2
0を注入する。続いて、正極用リード線18a、負極用
リード線18bの一部をそれぞれ袋内に挿入した状態
で、シール機を用いて、袋の開口をシールする。このよ
うにして封入袋14の作製が完了する。
【0027】なお、本発明の封入袋は、上述の実施形態
に限定されるものではない。例えば金属層22は、上記
実施形態のように、2つの金属層22a,22bで構成
されるものに限定されない。すなわち、金属層22は、
少なくとも2つの金属層を有していればよい。金属層2
2が3つ以上の金属層で構成されている場合、ピンホー
ル同士の重なり合う確率がより一層低下し、封入袋14
の外部からの水分の侵入がより一層防止される。
【0028】また、封入袋は、上記実施形態では2枚の
シート材15を重ね合わせ、周縁部同士を熱融着するこ
とにより形成されているが、1枚のシート材15の端部
同士を熱融着して両端に開口を有する筒状体を形成し、
これら両端の開口をシールすることによって形成されて
もよい。
【0029】さらに、金属層22aは、金属蒸着によっ
て形成してもよい。この場合、接着剤は不要であり、金
属層22aは、最も外側のプラスチック層28上に直接
設けられることになる。このとき、蒸着により形成され
る金属層22aの厚さは、通常100〜3000Åであ
る。
【0030】以下、本発明の内容を、実施例を用いてよ
り具体的に説明する。
【0031】
【実施例】(実施例1)以下のようにして電池サンプル
を作製した。まず、LiCoO2粉末100重量部に、
グラファイト10重量部、ポリフッ化ビニリデン10重
量部を混合し、N−メチル−2−ピロリドンに溶解した
後、ベースト状の活物質を用意した。つぎに、このペー
スト状の活物質を厚さ20μmのアルミ箔の片面に塗布
し、乾燥させた後、ローラプレスした。こうして厚さ
0.1mm、幅50mm、長さ105mmの正極板を作
製した。
【0032】また、リン状天然黒鉛粉末100重量部に
対し、ポリフッ化ビニリデン20重量部を混合し、N−
メチル−2−ピロリドンに溶解した後、ペースト状の活
物質を用意した。この活物質を厚さ20μmの銅箔の両
面に塗布し、乾燥させた後、ローラプレスした。このよ
うにして厚さ0.10mm、幅50mm、長さ105m
mの負極板を作製した。
【0033】つぎに、正極板の活物質が塗布されていな
いアルミ箔の部分に、アルミニウムからなるリード導体
を超音波溶接した。同様にして、負極板の活物質が塗布
されていない銅箔の部分に銅からなるリード導体を超音
波溶接した。
【0034】一方、厚さ12μmのPETフィルムを用
意し、このPETフィルムに対してアルミ蒸着を行い、
PETフィルムの表面に厚さ100Åのアルミ蒸着層を
形成した。つぎに、このアルミ蒸着層に厚さ2μmのウ
レタン系接着剤を塗布し、その上に、厚さ12μm、直
径0.3mmのピンホールを有するアルミ箔を接着し
た。さらに、アルミ箔の上には、厚さ2μmのウレタン
系接着剤を塗布し、その上に厚さ100μmのポリエチ
レンフィルムを貼り合わせ、多層フィルムを得た。こう
して得られた多層フィルムを切断し、100mm×50
mmの矩形状の多層シート材を一対用意した。
【0035】つぎに、一対の多層シート材をポリエチレ
ンフィルムが対向するように重ね合わせ、シール機を用
いて、矩形の3辺をシールし、開口を有する袋体を作製
した。
【0036】こうして作製した袋体内に、上述した正極
板、負極板及びこれらに接続されたリード導体を挿入
し、その後、非水電解液を開口を通して8cc注入し
た。このとき、非水電解液としては、エチレンカーボネ
ートとジエチルカーボネートを1:1の体積比で混合し
た溶媒に、六フッ化リン酸リチウムを1mol/リット
ルとなるように溶解したものを用いた。
【0037】その後、シール機を用いて、開口をシール
し、電池サンプルを得た。こうして得られた電池サンプ
ルを、温度60℃、相対湿度95%(95%RH)の恒
温恒湿槽内に3日間放置した後、封入袋を開封し、中和
滴定により非水電解液中のフッ酸濃度を測定した。その
結果、フッ酸濃度は、初期値0.003wt%に対して
0.004wt%であり、フッ酸濃度がほとんど増加し
ていないことが分かった。このことから、フッ酸の生成
が十分に防止されたことが分かった。
【0038】(実施例2)PETフィルムに、厚さ2μ
mのウレタン系接着剤を介して、直径0.3mmのピン
ホールを有する厚さ12μmのアルミ箔を貼り合わせた
以外は、実施例1と同様にして電池サンプルを作製し
た。なお、アルミ箔同士の重ね合せにおいては、各アル
ミ箔のピンホール同士の位置がほとんど重ならないよう
にして行った。具体的には、ピンホール同士を重ね合わ
せたときに背面側から光を照射すると光が透過するとい
う現象を利用してピンホールの重なり合いを確認した。
この結果、ピンホール位置が重なる確率は1ppm以下
であり、ほとんど無視できるレベルであった。なお、ピ
ンホール位置が重なる確率は以下のようにして求めた。
【0039】即ち、まずピンホールの大きさは直径0.
3mm程度の略円形程度かこれより小さいため、ピンホ
ールを0.3mm角の正方形とみなす。また、厚さ12
μm程度で10cm角程度の面を有するアルミ箔ではこ
のようなピンホールの存在する確率は100cm2
0.1個程度である。このため、2枚のアルミ箔をA,
Bとすると、 A,Bともにピンホールの存在する確率は0.12
0.01。また、 ピンホールを3×3の正方形のマスメとして、AとB
のピンホールが1マスでも重なった場合に重なるものと
考えると、BとAのピンホールが重なる確率は2.5×
10-5
【0040】従って、AとBのピンホールが重なる確率
は、上記との積として、2.5×10-7、即ち0.
25ppmとなる。
【0041】この0.25ppmの値は、10cm角程
度のアルミ箔であれば、n個の製品を作ったとき1個の
不良が生じる確率が(1−(1−0.0000002
5)n)であることを意味する。即ち、1個の不良が生
じる確率が50%を越える製造数を計算すると約280
万個と極めて不良が発生しにくい状態となる。
【0042】つぎに、得られた電池サンプル内に封入さ
れた非水電解液中のフッ酸濃度について、実施例1と同
様にして測定を行った。その結果、フッ酸濃度は、初期
値0.003wt%に対して0.004wt%であり、
フッ酸濃度がほとんど増加していないことが分かった。
このことから、フッ酸の生成が十分に防止されたことが
分かった。
【0043】(比較例1)PETフィルムに対してアル
ミ蒸着を行わなかった以外は実施例1と同様にして電池
サンプルを作製した。
【0044】得られた電池サンプルについて、非水電解
液中のフッ酸濃度を実施例1と同様にして測定した。そ
の結果、フッ酸濃度は、初期値0.003wt%に対し
て0.035wt%であり、フッ酸濃度が10倍以上に
上昇していることが分かった。このことから、封入袋を
構成するシート材に、金属層が1層のみ含まれている場
合には、フッ酸が生成し易くなることが分かった。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、少
なくとも2つの金属層にそれぞれ存在するピンホール同
士がほとんど重なり合わないので、封入袋の内部に非水
電解液が封入されても、外部からの水分の侵入によるフ
ッ酸の生成が十分に防止される。このため、電池の性能
劣化、封入袋の外部へのフッ酸の漏出による外部機器の
腐食、及び人体への悪影響が十分に防止される。また、
ピンホールがあっても封入袋外部からの水分の侵入が十
分に防止されるので、金属層の厚さを十分に小さくする
ことが可能となり、封入袋の小型化、ひいては非水電解
質電池の小型化が図られると共に、封入袋の柔軟性を確
保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の非水電解質電池用封入袋が適
用される非水電解質電池を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1のA−A線又はB−B線に沿った
断面図である。
【図3】図2の金属層の構成を詳細に示す断面図であ
る。
【符号の説明】
10…非水電解質電池、14…封入袋、15…シート
材、20…非水電解液、22a,22b…金属層、2
4,28…プラスチック層。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非水電解質電池を構成する非水電解液を
    封入するための非水電解質電池用封入袋であって、プラ
    スチック層の間に少なくとも2つの金属層を有するシー
    ト材で形成されていることを特徴とする非水電解質電池
    用封入袋。
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Cited By (4)

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