JP2001052287A - 移動状況表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 共通の目的を持ってグループをなして移動す
る人達に対して、当該グループ活動の現在、過去、将来
に関する情報を共有し得るように随時提示できる移動状
況表示装置を提供すること。 【解決手段】 移動状況表示装置は少なくとも現在時刻
と、現在位置と、目標時刻と、目標距離と、目標時刻ま
での残時間と、目標距離までの残距離と、通過ずみの距
離との各情報を、移動しつつ表示する。例えば大型の表
示部が車両上に設置されていて、グループをなして移動
する複数の人が前記各情報の少なくとも一部を同時に観
察することができるようにする。また移動状況表示装置
の電源の一部として車両自体の電源をも利用する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は移動中の人に、その
移動に関係する情報を提供するための移動状況表示装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えばカーナビゲーション装置と
して、ＧＰＳ衛星から受信される信号に基づいて、自車
の位置や進行方向、目的地への経路等の情報を液晶やＣ
ＲＴ表示等の地図のイメージ画像上に表示し、運転者等
に知らせる車載の装置がある。またこの装置を人が携帯
可能な程度に小型化し、代りに画像情報を小面積のため
大幅に簡略化した個人用のナビゲーション装置も少量な
がら市販されている。

【０００３】近年、個人活動の多様化傾向に伴って種々
のイベントが企画されている。例えば、本発明に関係の
ある最近の例であるが、主催者によって伊能ウォークと
略称され、伊能忠敬が日本国を精密測量して歩いた業績
を偲んで、約１万ｋｍを２年間かけ、募集したメンバー
の集団で歩いてみようという企画がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このようなイベントに
おいて参加者（見学者を含む）がどのような情報を期待
するかを考えると、（１）現在情報（位置・時刻）だけ
ではなく、既に達成した行動に関する情報（例えば踏破
距離）と今後目標到達までの行動の情報（例えば目標日
時までの残日時や未踏破距離）が必要であろう。（２）
現在の位置情報についても地名や建物名など（先導者が
いて自力で道順を探す必要がなければ通過点の細かい目
印のような情報の表示は必要性が少ないであろう）より
も、移動により刻々位置が変化する感覚がわかる方がよ
い。（３）どの参加者もイベント中の任意時点で情報を
知りうること。（４）参加者全員が情報を共有し、仲間
意識を共感でき、互いに励ましあうのに適した内容と表
示形態であること。等が要件となるであろう。

【０００５】しかるに従来のナビゲーション装置は、上
記すべての条件を満たしているとは言えなかった。即
ち、車載装置の場合は歩行者用の情報ではなく、渋滞情
報その他不必要情報や、過度に詳細な地番情報などがあ
ること、過去と将来の情報についても適切なものではな
いこと、直接の情報提供対象者は少数（運転者と助手）
であること等、不適当な点が多い。個人用の携帯機器に
ついても過去・未来情報の表示は不十分であり、しかも
高価であるという難点がある。

【０００６】本発明の目的は、共通の目的を持ってグル
ープをなして移動する人達に対して、当該グループ活動
の現在、過去、将来に関する情報を共有し得るように随
時提示できる移動状況表示装置を提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の移動状況表示装置は次の特徴を備える。 （１）少なくとも現在時刻と、現在位置と、目標時刻
と、目標距離と、目標時刻までの残時間と、目標距離ま
での残距離と、通過ずみの距離との各情報を、移動しつ
つ表示すること。

【０００８】また本発明の移動状況表示装置は更に以下
の特徴の少なくとも一つを備えることがある。 （２）大型の表示部が車両上に設置されていて、グルー
プをなして移動する複数の人が前記各情報の少なくとも
一部を同時に観察することができること。

【０００９】（３）前記移動状況表示装置の表示面は複
数の側面に分かれており、前記各情報が個々の前記側面
に分割して表示されること。

【００１０】（４）少なくとも前記現在時刻と現在位置
との情報はＧＰＳ衛星から受信した信号に基づいて表示
されること。

【００１１】（５）前記ＧＰＳ衛星から受信した信号を
更に加工した情報が表示されること。

【００１２】（６）前記移動状況表示装置の電源は発電
手段と二次電源とより成り、前記発電手段の発電能力に
余裕があるときは前記二次電源に充電が行われること。

【００１３】（７）前記発電手段の発電能力が不足であ
る場合に、前記移動状況表示装置に不足電力を供給する
補助電源手段を備えたこと。

【００１４】

【発明の実施の形態】図１は本発明の実施の形態の一例
の側面図である。１は自動車等の車両であり、本発明の
装置全体を搭載しており、例えば前記「伊能ウォーク」
を行う参加者のグループの中核となり、あるいはそれを
先導して歩行の速度でゆっくり移動する。２は制御器
で、装置全体を手動および自動で制御し、車両１の助手
席付近に置かれる。３は外部表示装置で車両１の屋根上
に設置され、周囲四側面に、あらかじめ書かれた固定の
情報や絵表示等とともに、移動中に変化する所定の情報
を分割して表示する。

【００１５】変動情報（数値）は大型の「日」の字型に
したセグメントを用いて表示している。各セグメントは
例えばモーターで駆動して隠顕させる。この車載の外部
表示装置３は十分大型なので、多人数グループの参加者
も、また部外見学者もよく見ることができる。主電源は
バッテリー５であり、自動車用電池と同様な鉛蓄電池で
ある。これを車両１の屋根上や外部表示装置３上に配置
されたパネル状の太陽電池４が補助しかつ充電を行う。
歩行活動は野外で行われるので太陽電池は他の種類の発
電手段よりも優れている。また夜間や雨天等で充電が進
行せずバッテリー５が枯渇した場合には車両１のシガー
ライター６から充電しあるいはこれに電源を切り換え
る。７はＧＰＳ衛星からの信号を受信するためのアンテ
ナ、８は各部を繋ぐ結線である。

【００１６】図２（ａ）、（ｂ）、（ｃ）、（ｄ）は上
記本発明の実施の形態の一例における外部表示装置の各
側面図を示したものである。各面はあらかじめ書き込ん
だ固定表示とセグメントによる変動情報表示を持ってい
る。以下変動情報表示のみについて述べると、正面
（ａ）（車両の前方）にはＧＰＳ衛星の送信する信号に
含まれる現在時刻情報が表示される。後面（ｄ）（車両
の後方）にはやはりＧＰＳ衛星から得た車両１の現在位
置の緯度と経度が秒単位まで表示される。北緯３５。付
近では経度１秒に対応する距離は約２５．４ｍ、緯度１
秒に対応する距離は約３０．８ｍとなるので、歩行と共
に位置数字は容易に変化し、移動している実感が得られ
る。

【００１７】図２（ｂ）の左側面には、全行程１０１２
１ｋｍの踏破完了目標である２００１年１月１日までの
残り日時が刻々変動しつつ表示される。また（ｃ）の右
側面にはスタート日（１９９９年１月２５日）から現在
までにグループが踏破した距離と、ゴール迄に踏破すべ
き距離がｋｍ単位で表示される。これらは手動で入力さ
れたものである。

【００１８】図３は上記の本発明の実施の形態の一例に
用いる制御器の正面パネルの図である。制御器２は表示
の作動や変更に必要な全ての回路的電子手段を含んでい
る。パネル面は右端に電源スイッチ２ａおよび作動の状
態をチェックする４個のＬＥＤ表示部２ｄが配置されて
いる。左端にはＡ、Ｂ、Ｃ、Ｄ４面の液晶表示装置（各
面は上下２段、各１６桁のドット表示部より成る）より
成る制御部表示部２ｂ、中央部には各種の入力および制
御を行うキー入力部２ｃがある。

【００１９】Ａ面の上段は現在時刻を時・分・秒単位で
表示する。下段は常時数個は見える筈であるＧＰＳ衛星
よりの信号電波の捕捉状況を、〔＊＊＊〕＊＊＊＊のよ
うに受信可能な衛星数を記号の個数数で表示する。
〔 〕内の３個（ないし４個）の衛星からの信号がデー
タ作成に使用される。また衛星捕捉がなされるとＬＥＤ
表示部２ｄの最上部の点灯色が橙色から緑色に変化す
る。

【００２０】制御器表示部２ｂのＢ面の上段と下段に
は、それぞれゴール目標時点までの残り日数と時間が表
示される。このデータは手動入力されたゴール日時から
現在日時を減算して作成される。Ｃ面の上段は手動入力
したこれまでの踏破距離を表示し、下段はこれを予め手
動入力で記憶させてあった目標距離から上記踏破距離を
引いた距離を表示させる。またＤ面にはＧＰＳ衛星信号
より得た現在位置の緯度・経度を、上段北緯、下段東経
として度・分・秒単位で表示する。

【００２１】キー入力部２ｃは図示のようにテンキーと
機能キーより成り、機能キーは表示面の選択、設定また
は修正すべきデータの指定、単位の指定等を行うことが
できる。また、ＬＥＤ表示部２ｄのうち下部３個は電源
の状態を表示する。ソーラー電源ランプは太陽電池４の
発電状態が十分であれば緑色点灯、シガー電源ランプは
シガーライター６から電源が供給されていれば緑色点
灯、バッテリー状態ランプは電池状態が良好のとき緑色
点灯、異常のある場合には橙色に変色し警告する。

【００２２】図４は上述の本発明の実施の形態の回路の
ブロック図であり、主要な回路は制御器２内に納められ
ている。ＧＰＳ受信機１０は数個の衛星から信号を受
け、選択した衛星の信号を現在位置演算回路１１と現在
時刻抽出回路１２に、また衛星の捕捉状態信号を制御器
表示部２ｂに送る。キー入力部で手動設定された各デー
タは目標日時記憶回路１３、目標距離記憶回路１５、踏
破距離記憶回路１６にそれぞれ保持され、後段回路に出
力される。

【００２３】現在時刻と目標日時の両データは差時刻演
算回路１４によってゴール目標時までの残時間に変換さ
れる。また目標距離と踏破距離の両データは差距離演算
回路１７にて未踏破距離に変換される。各回路の出力、
即ち現在位置、現在時刻、差時刻、差距離、および踏破
距離の各データは制御器表示部２ｂと外部表示装置３と
に送られ、双方に表示される。

【００２４】太陽電池４、該太陽電池４により充電され
る二次電池であるバッテリー５、シガーライイター６の
各出力は制御器２に内蔵された電源切替回路１８に接続
されている。電源切替回路１８は太陽電池４の発電状
態、シガーライター６の状態、バッテリー５の充電状態
を判断してそれらの状態をＬＥＤ表示部に表示すると共
に、バッテリー５の充電用電源の選択と充電のオン・オ
フ、バッテリー５の電圧低下の場合は電源をシガーライ
ター６に切り換える等の作用をし、また設定した電源を
各回路と外部表示装置に供給する。なお図４では制御器
２内に個別の機能回路が組み込まれているように図示し
たが、その内の一部または大部分の機能はプログラム制
御されたマイクロコンピュータが実現してもよい。

【００２５】以下は本発明の他の可能な実施の形態につ
いて述べる。まず上に説明した実施の形態では外部表示
装置は車両上に固定されていたが、車両からみて常に一
定の方向（例えば後方）から追従する参加者が見ること
ができる情報を制限しないようにするために、外部表示
装置を車両上で回転させるか、あるいは各面の表示情報
を順次切り換え得るように構成してもよい。

【００２６】また表示装置は単一の大型のもののみとは
限らない。例えば参加者各自が持つ腕時計や携帯電話等
の小型の端末機器のデジタル表示面に必要情報を表示さ
せてもよい。このような場合には端末機器に受信機能を
持たせ、グループ活動の実行機関が必要情報を近距離の
無線手段で送信し、参加者がそれらの中から必要な情報
を適宜選択して自分の端末機器に表示させてもよい。

【００２７】またグループ活動は長距離歩行を例に挙げ
たが、歩行に限らず車椅子や自転車等によるツアー、あ
るいは各種の団体競技などにも応用可能である。また参
加者に提示する情報もグループ活動目的等に応じて様々
に変更あるいは追加が可能である。例えば高度、気圧、
行程の所要時間、移動速度、移動方向、気温、湿度、風
向、風速、直近天気予報等があり得る。位置情報を理解
の容易な地名や目標地物にしたり、踏破距離と時間をグ
ラフで図示するなど表示内容や表示装置の形態も自由で
ある。複雑な情報表示を必要とする場合はドットによる
精細な画像表示の可能な表示装置を用いる。

【００２８】

【発明の効果】本発明の移動状況表示装置は、現在の状
況、過去の達成状況、目標達成のために今後必要な行動
に関する情報を移動しつつ随時参加者に示し得るので、
参加者は活動目的に必要でかつ変動する情報を共有する
ことができ、連帯感をもって相互に励まし合いながら目
標を達成することができる効果がある。また車両に大型
の表示装置を搭載し、あるいはＧＰＳ情報を直接、ある
いは加工して利用することにより、上記効果がより容易
に得られる。

【００２９】更に発電手段、二次電源、補助電源手段を
組合わせて移動状況表示装置の電源として用いることに
より、使用中の電源オフによる情報提供の中断のおそれ
をなくし、装置を搭載する車両の電源の消耗をも防止で
きる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態の一例の側面図である。

【図２】本発明の実施の形態の一例における外部表示装
置の各側面図を（ａ）、（ｂ）、（ｃ）、（ｄ）に示し
たものである。

【図３】本発明の実施の形態の一例に用いる制御器の正
面図である。

【図４】本発明の実施の形態の一例の回路のブロック図
である。

【符号の説明】

１ 車両 ２ 制御器 ２ａ 電源スイッチ ２ｂ 制御器表示部 ２ｃ キー入力部 ２ｄ ＬＥＤ表示部 ３ 外部表示部 ４ 太陽電池 ５ バッテリー ６ シガーライター ７ アンテナ ８ 結線 １０ ＧＰＳ受信機 １１ 現在位置演算回路 １２ 現在時刻抽出回路 １３ 目標日時記憶回路 １４ 差時刻演算回路 １５ 目標距離記憶装置 １６ 踏破距離記憶装置 １７ 差距離演算回路 １８ 電源切替回路

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 透 東京都田無市本町６丁目１番12号 シチズ ン時計株式会社田無製造所内 (72)発明者 石川 富弥 東京都世田谷区羽根木町２丁目３番13号 石川商事株式会社内 Ｆターム(参考） 2C032 HB22 HC27 HD03 HD26 5H180 AA01 AA21 BB09 BB15 CC12 FF05 FF33 FF38 5J062 AA03 AA13 BB05 CC07 HH00

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも現在時刻と、現在位置と、目
   標時刻と、目標距離と、目標時刻までの残時間と、目標
   距離までの残距離と、通過ずみの距離との各情報を、移
   動しつつ表示することを特徴とする移動状況表示装置。
2. 【請求項２】 大型の表示部が車両上に設置されてい
   て、グループをなして移動する複数の人が前記各情報の
   少なくとも一部を同時に観察することができることを特
   徴とする請求項１の移動状況表示装置。
3. 【請求項３】 前記移動状況表示装置の表示面は複数の
   側面に分かれており、前記各情報が個々の前記側面に分
   割して表示されることを特徴とする請求項１または２の
   移動状況表示装置。
4. 【請求項４】 少なくとも前記現在時刻と現在位置との
   情報はＧＰＳ衛星から受信した信号に基づいて表示され
   ることを特徴とする請求項１の移動状況表示装置。
5. 【請求項５】 前記ＧＰＳ衛星から受信した信号を更に
   加工した情報が表示されることを特徴とする請求項１の
   移動状況表示装置。
6. 【請求項６】 前記移動状況表示装置の電源は発電手段
   と二次電源とより成り、前記発電手段の発電能力に余裕
   があるときは前記二次電源に充電が行われることを特徴
   とする請求項２の移動状況表示装置。
7. 【請求項７】 前記発電手段の発電能力が不足である場
   合に、前記移動状況表示装置に不足電力を供給する補助
   電源手段を備えたことを特徴とする請求項５の移動状況
   表示装置。