JP2001052159A - 画像処理装置および方法、ならびに画像フィルタおよび画像フィルタリング方法 - Google Patents

画像処理装置および方法、ならびに画像フィルタおよび画像フィルタリング方法

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JP2001052159A
JP2001052159A JP11228778A JP22877899A JP2001052159A JP 2001052159 A JP2001052159 A JP 2001052159A JP 11228778 A JP11228778 A JP 11228778A JP 22877899 A JP22877899 A JP 22877899A JP 2001052159 A JP2001052159 A JP 2001052159A
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Takashi Okamoto
隆 岡本
Hidehiko Okada
英彦 岡田
Akihiro Ota
章浩 太田
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像の鮮明化を良好に行うことが可能な画像
処理システムを提供する。 【解決手段】 入力信号情報抽出装置24は、画像入力
信号S1から、画像の大きさと画素形状情報を検出す
る。CPU12は、鮮明化に必要な処理情報として、
I、J、Tx、Tn、空間フィルタ係数F(i,j)=
a/r(i,j)2 を、信号線S7を介して画像用演算
装置20に送出する。画像用演算装置20が空間フィル
タ係数F(i,j)に基づき鮮明化処理を行う。このよ
うな処理を、画像に含まれるすべての画素に対して適用
すれば、1フィールドの鮮明化が終了する。上記空間フ
ィルタ係数F(i,j)は、注目画素と参照画素の距離
に応じて値が変化しているため、画素の形状が変化して
も良好な鮮明化を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力された画像に
所定の信号処理を施して出力する画像処理装置および方
法、ならびに画像フィルタおよび画像フィルタリング方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】画像は、拡大処理や縮小処理等の画素数
変換処理を施すと、そこに含まれている高周波成分が減
衰することが多い。この高周波成分の減衰によって、画
像のぼけが生じ、画像のエッジすなわち輪郭が不鮮明に
なる。これに対処するため、ある注目画素とその周辺の
参照画素との差分を取り、その差分を注目画素に加える
ことによって、高周波成分を強調して画像を鮮明化する
処理(以下、画像の鮮明化処理という。)が行われてい
る。この画像の鮮明化処理には、アナログ的な手法とデ
ィジタル的な手法の2種類がある。
【0003】アナログ的な手法としては、ビデオ入力信
号等のアナログ信号をアナログフィルタに入力して2次
の微分を行うようにしたフィルタリング手法が知られて
いる。図7は、そのようなアナログ的なフィルタリング
手法を説明するためのものである。ここで、図7(A)
は、ビデオ入力信号の波形を表し、図7(B)は、図7
(A)に示したビデオ入力信号を1階微分した信号の波
形を表し、図7(C)は、図7(A)に示したビデオ入
力信号を2階微分した信号の波形を表す。また、図7
(D)は、図7(A)に示したビデオ入力信号から図7
(C)に示した信号を減算して得られる信号の波形を表
すものである。
【0004】図7(C)に示した信号は、元のビデオ入
力信号(図7(A))のエッジ成分に等しい。したがっ
て、図7(A)に示したビデオ入力信号から図7(C)
に示したエッジ成分を減算することにより、エッジ部分
が強調され鮮明化されたビデオ信号(図7(D))を得
ることができる。
【0005】しかしながら、このような手法で鮮明化で
きるのは、1次元方向のみである。そのため、実際の画
像では、通常、横方向(以下、x方向とも記す。)のみ
画像が鮮明化されてしまい、縦方向(以下、y方向とも
記す。)において画像が鮮明化されない。その結果、画
像全体としての鮮明度が十分なものにはならない。ま
た、アナログ的に回路を構成しているため、画像の種類
に応じて鮮明化のやり方や鮮明化の度合いを種々に変化
させることが困難であり、フレキシブルな鮮明化処理に
は向いていない。
【0006】一方、ディジタル的な手法としては、上述
したアナログ的な手法を単にディジタル化した手法や、
高周波成分を強調する高域強調周波数特性を有する空間
フィルタを用いる手法が知られている。この空間フィル
タによる手法では、縦方向の鮮明化も可能である。以
下、そのような空間フィルタによる手法について簡単に
説明する。
【0007】図8は、空間フィルタによる画像鮮明化処
理の原理を説明するためのものである。ここで、図8
(A)は画像鮮明化処理前の画素配列(すなわち、入力
画素の配列)を表し、図8(B)は画像鮮明化処理後の
画素配列(すなわち、出力画素の配列)を表す。図8
(A)に示したように、入力画像を構成する画素のう
ち、注目画素P(n1 ,n2 )の濃度値をX(n1 ,n
2 )と表し、注目画素の周辺の参照画素P(n1 +i,
n2 +j)の濃度値をX(n1 +i,n2 +j)と表す
ものとする。但し、i,jは正または負の整数である。
なお、以下の説明においては、「濃度値」を単に「値」
というものとする。また、図8(B)に示したように、
出力画像を構成する画素のうち、注目画素P(n1 ,n
2 )の新たな値をY(n1 ,n2 )と表すものとする。
ここで、“n1 ”は、画像中における注目画素のx方向
の位置(以下、x座標という。)を表す自然数であり、
“n2 ”は、画像中における注目画素のy方向の位置
(以下、y座標という。)を表す自然数である。また、
“n1 +i”は、各参照画素のx座標を表し、“n2 +
j”は、各参照画素のy座標を表す。
【0008】次の(1)式は、代表的な3×3の空間フ
ィルタにおいて使用されるフィルタ係数(より正確に
は、1組のフィルタ係数セットに含まれる各係数)L
(i,j)を表すものである。ここで、i,jは、それ
ぞれ、−1,0,+1のいずれかの値をとり、従って、
(i,j)は、注目画素の座標を(0,0)とした場合
における、その注目画素およびその周辺の8個の参照画
素の相対座標を表す。
【0009】
【数1】
【0010】より具体的には、(1)式は次の内容を意
味する。 L(−1, 1)= 0,L(0, 1)=−1,L
(1, 1)= 0 L(−1, 0)=−1,L(0, 0)= 5,L
(1, 0)=−1 L(−1,−1)= 0,L(0,−1)=−1,L
(1,−1)= 0
【0011】(1)式における右辺の大括弧の中の9個
のフィルタ係数は、それぞれ、図8(A)の9個の入力
画素における各対応位置の画素について設定されたもの
である。
【0012】次の(2)式は、(1)式に示した3×3
の空間フィルタ係数L(i,j)を用いて、注目画素P
(n1 ,n2 )に対してフィルタリング処理を行う場合
に使用する演算式(関数)を表すものである。
【0013】
【数2】
【0014】この(2)式は、注目画素P(n1 ,n2
)を中心とする3×3点の入力画素の値の各々に対し
て、(1)式に示した対応するフィルタ係数による重み
付け(乗算を行い、その結果の総和をとるという処理を
表している。すなわち、図8(A)に示した3×3のサ
イズをもつ参照画素領域の9個の画素の値X(n1 −
1,n2 +1)〜X(n1 +1,n2 −1)を用いて、
図8(B)に示した1個の画素の値Y(n1 ,n2 )を
導き出す演算が実行されている。このような処理を、画
像に含まれる全画素に対して行うことによって、画像の
鮮明化が行われることとなる。
【0015】なお、空間フィルタは、3×3だけでな
く、これと異なる大きさの参照画素領域を持つように設
定することができる。この参照画素領域の大きさを定め
るために、本文では、I、Jというパラメータを用い
る。以下、これらをまとめて参照領域情報(I,J)と
記す。具体的には、(I,J)により表される参照画素
領域は、縦方向の画素数が“2×I+1”個で、横方向
の画素数が“2×J+1”個であるような領域である。
なお、パラメータI、Jを用いると、参照画素は、P
(n1 +i,n2 +j)と表される。但し、iは0を除
く整数“−I”〜“+I”であり、jは0を除く整数
“−J”〜“+J”である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
空間フィルタにおいては、上記したように係数が固定さ
れた単純な関数を用いていたので、これにより鮮明化を
行った場合には、以下のような問題点が生ずる。
【0017】まず、参照画素領域が固定であり、参照画
素領域の面積等を変化させることが困難である。また、
画像を構成する画素の形状を考慮していないため、画素
の形状が異なる画像に対しては、同じフィルタリング処
理を行ったとしても、得られる結果が異なってしまうと
いう問題がある。例えば、コンピュータシステム等のデ
ィスプレイ装置で用いられる画像信号においては、各画
素は正方画素であるが、一般家庭用のテレビジョン受像
機等で用いられるビデオ信号においては、各画素が長方
形である。このように画素の形状が異なると、例えば、
画像中のある部分のエッジの鮮鋭度が縦方向と横方向と
で異なってしまうと言う事態も想定される。その結果、
画像の種類や構成等に対応した好ましいフィルタリング
効果を得ることが困難であった。
【0018】本発明は、かかる課題に鑑みなされたもの
であり、その目的は、画像自体の構成、性質あるいは属
性にかかわらず、画像の鮮明化を良好に行うことが可能
な柔軟性のある画像処理装置および方法、ならびに画像
フィルタおよび画像フィルタリング方法を提供すること
にある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の画像処理装置
は、画像を構成する個々の画素の値が入力される入力部
と、入力部から入力された注目画素に対して、この注目
画素の周辺に位置する参照画素の値と注目画素の値とを
用いて、注目画素と参照画素との距離に依存した所定の
画像鮮明化処理を行い、得られたデータを注目画素の新
たな値として出力するデータ処理手段とを備えている。
【0020】本発明の画像処理装置では、データ処理手
段は、注目画素の値と参照画素の値との差分に基づいて
データ処理を行い、差分の絶対値が第1のしきい値より
小さい場合は、その差分を零に置き換えてデータ処理を
行うようにしてもよい。ここで、データ処理とは、数式
としての関数を用いた演算処理によりデータを取得する
場合のほか、予め用意されたデータテーブルを参照して
データを取得する場合等をも含む意である。また、デー
タ処理手段は、画像鮮明化処理の前後における注目画素
の値の変化量の絶対値が第2のしきい値よりも大きくな
ることが予想される場合には、変化量の絶対値がその予
想される値よりも小さな所定値となるようにデータ処理
を行うようにしてもよい。この場合の所定値は、第2の
しきい値と等しい値であるようにすることが好ましい。
また、1つの注目画素に関してデータ処理手段により参
照される参照画素が含まれる領域の大きさを設定するた
めの領域設定手段をさらに備えるように構成すると共
に、データ処理手段が領域設定手段により設定された領
域の参照画素を参照してデータ処理を行うようにしても
よい。また、入力部が、画像構成情報を抽出する抽出手
段を備えるように構成すると共に、データ処理手段が、
抽出手段により抽出された画像構成情報に基づいてデー
タ処理を行うようにしてもよい。ここでの画像構成情報
は、例えば、画素の形状を表す情報や画像全体の大きさ
を表す情報等を含むようにするのが好ましい。また、デ
ータ処理手段により行われる画像鮮明化処理の度合いを
設定可能な鮮明化度設定手段をさらに備えるように構成
すると共に、データ処理手段が、鮮明化度設定手段によ
り設定された画像鮮明化処理の度合いに対応した処理を
行うようにしてもよい。
【0021】本発明の画像処理方法は、画像を構成する
個々の画素の値を取り込むステップと、入力された注目
画素に対して、この注目画素の周辺に位置する参照画素
の値と注目画素の値とを用いて、注目画素と参照画素と
の距離に依存した所定の画像鮮明化処理を行うステップ
と、画像鮮明化処理により得られたデータを注目画素の
新たな値として出力するステップとを含むものである。
【0022】本発明の画像フィルタは、鮮明化処理対象
の画像における注目画素の値とこの注目画素の周辺に位
置する参照画素の値とを入力値とし、その関数値を注目
画素のフィルタリング後の出力値とする所定のフィルタ
関数を用いて画像フィルタリング処理を行う画像フィル
タであって、フィルタ関数が、注目画素と参照画素との
距離に依存する要素を含むようにしたものである。
【0023】本発明の画像フィルタリング方法は、鮮明
化処理対象の画像における注目画素の値とこの注目画素
の周辺に位置する参照画素の値とを、注目画素と参照画
素との距離に依存する要素を含む所定のフィルタ関数に
入力するステップと、フィルタの関数値を注目画素のフ
ィルタリング後の値として出力するステップとを含むも
のである。
【0024】本発明の画像処理装置または画像処理方法
では、入力部から入力された注目画素に対して、その周
辺の参照画素の値と注目画素の値とを用いて、注目画素
と参照画素との距離に依存した所定の画像鮮明化処理が
行われる。この画像鮮明化処理の結果得られたデータが
注目画素の新たな値として出力される。
【0025】本発明の画像フィルタまたは画像フィルタ
リング方法では、注目画素の値とこの注目画素の周辺に
位置する参照画素の値とをフィルタ関数に入力すると、
注目画素と参照画素との距離に依存した大きさの関数値
がフィルタリング後の注目画素の値として出力される。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0027】[画像処理方法の説明]まず、本発明の一
実施の形態に係る画像処理方法を説明する。なお、本発
明の一実施の形態に係る画像フィルタリング方法は、本
実施の形態に係る画像処理方法により具現化されるの
で、以下、併せて説明する。
【0028】本実施の形態の画像処理方法は、注目画素
と周辺の参照画素との距離rに依存して値が変化する空
間フィルタ関数を利用したことを特徴とするものであ
る。本実施の形態では、その一例として、特に、空間フ
ィルタ関数に含まれるフィルタ係数が距離rの2乗に反
比例するような値をもつ場合について説明する。
【0029】まず、本実施の形態の画像処理方法におい
て使用するパラメータを定義する。
【0030】本実施の形態では、図8(A)に示したよ
うに、鮮明化処理の対象となる注目画素をP(n1 ,n
2 )と表し、その鮮明化処理前の値をX(n1 ,n2 )
と表す。また、注目画素P(n1 ,n2 )の周辺の参照
画素をP(n1 +i,n2 +j)と表し、その鮮明化処
理前の値をX(n1 +i,n2 +j)と表す。ここで、
“n1 ”は、画像中における注目画素のx座標を表す自
然数であり、“n2 ”は、画像中における注目画素のy
座標を表す自然数である。また、“n1 +i”は、各参
照画素のx座標を表し、“n2 +j”は、各参照画素の
y座標を表す。ここに、i,jは、それぞれ、−I≦i
≦I、−J≦j ≦Jを満たす整数である(但し、i,
j、共に0を除く)。ここに、(I,J)は参照領域情
報である。すなわち、参照画素領域は、縦方向が“2×
I+1”画素、横方向が“2×J+1”画素の領域であ
る。なお、理想的には、参照領域情報(I,J)の値を
無限大に設定して無限の範囲の参照画素を参照できるよ
うにするのが好ましいが、実際には、ハードウェアのメ
モリ容量やコンピュータの処理速度等に起因する制限が
あることから、本実施の形態では、I,Jが有限の値を
とるものとして説明する。
【0031】また、図8(B)に示したように、注目画
素P(n1 ,n2 )の鮮明化処理後の値をY(n1 ,n
2 )と表すものとする。なお、本実施の形態では、R
(赤),G(グリーン),B(ブルー)の各色画素が、
それぞれ、例えば8ビット(256階調)のディジタル
画像信号により表現されるようなカラー画像を対象とし
て鮮明化処理を行うものとする。
【0032】本実施の形態では、1個の画素の規格化し
た幅をwとし、規格化した幅を高さをhとする。ここ
に、0<h≦1、0<w≦1である。以下の説明では、
これらをまとめて、画素形状情報(w,h)と記す。ま
た、処理対象の画像の大きさ(画面上の表示画像サイ
ズ)をNx ×Ny とする。ここに、Nx およびNy は正
の整数であり、それぞれ、画像の横方向および縦方向の
画素数を示す。以下、これらを画像サイズ情報(Nx ,
Ny )と記す。
【0033】以上のように定めると、鮮明化処理の対象
となる注目画素P(n1 ,n2 )と参照画素P(n1 +
i,n2 +j)との距離r(i,j)は、次の(3)式
で表される。
【0034】
【数3】
【0035】例えば、各色画素が正方形の形状を有して
いる場合には、h=w=1であるから、距離r(i,
j)は、次の(4)式のように表される。
【0036】
【数4】
【0037】本実施の形態では、以上のパラメータのほ
かに、鮮明化度a、ノイズ除去用しきい値Tn 、および
過度エッジ強調回避定数Tx という3つのパラメータを
導入する。鮮明化度aは、画像の鮮鋭化の度合いを示す
パラメータである。ノイズ除去用しきい値Tn は、元の
画像に含まれるノイズ成分を除去するために導入したも
ので、ノイズ成分であるか否かの判定基準を示すパラメ
ータである。また、過度エッジ強調回避定数Tx は、鮮
明化の程度の最大値を表すもので、過度の鮮鋭化を防止
するためのパラメータである。ここで、ノイズ除去用し
きい値Tn が本発明における「第1のしきい値」に対応
し、過度エッジ強調回避定数Tx が本発明における「第
2のしきい値」に対応する。なお、これらの3つのパラ
メータについては、後に詳述する。
【0038】次に、本実施の形態の鮮明化処理において
使用する空間フィルタ関数について説明する。この空間
フィルタ関数は、RGBの各色について、次の(5)式
により表される。
【0039】
【数5】
【0040】ここで、b(n1 ,n2 )は、注目画素P
(n1 ,n2 )の元の値X(n1 ,n2 )に対する修正
成分(以下、鮮明化成分という。)である。この鮮明化
成分b(n1 ,n2 )は、次の(6)式で表される。
【0041】
【数6】
【0042】(6)式において、要素Diff (i,j)
は、注目画素P(n1 ,n2 )の値X(n1 ,n2 )と
周辺の参照画素P(n1 +i,n2 +j)の値X(n1
+i,n2 +j)との差分(以下、差分成分という。)
である。この差分成分Diff(i,j)は、次の(7)
式で表される。
【0043】
【数7】
【0044】本実施の形態の画像処理方法では、(5)
式に示したようなフィルタ関数を入力画像に対して適用
することによって、画像の鮮明化処理が行われるように
なっている。
【0045】ここで、鮮明化度a、ノイズ除去用しきい
値Tn 、および過度エッジ強調回避定数Tx についてよ
り詳しく説明する。
【0046】鮮明化度aは、元の画像(入力画像)に対
してどの程度の鮮鋭化処理を行うかを表すものであり、
入力画像の種類や状態等に応じて適宜設定される。この
鮮明化度aが大きい程、強い鮮明化処理がなされる。
【0047】ノイズ除去用しきい値Tn は、入力画像に
含まれるノイズが鮮明化処理によって顕在化するのを防
止するためのもので、Tn ≧0を満たす整数として設定
される。(7)式から判るように、このノイズ除去用し
きい値Tn を導入することによって、参照画素P(n1
+i,n2 +j)の値X(n1 +i,n2 +j)と、注
目画素P(n1 ,n2 )の値X(n1 ,n2 )の値との
差の絶対値がノイズ除去用しきい値Tn 未満の場合に
は、ノイズ成分を含んでいる可能性が高いと判断し、差
分成分Diff (i,j)の値を“0”とみなし(置き換
え)、鮮明化のための要素成分とはならないようにした
のである。すなわち、鮮明化成分b(n1,n2 )に対
する影響を“0”としたのである。これによって、出力
画像(処理後の画像)が、強調され顕在化されたノイズ
成分を含む画像となるのを防止することができる。
【0048】過度エッジ強調回避定数Tx は、急峻なエ
ッジ部分(すなわち、隣接する画素間で値が急激に変化
する箇所)を有する入力画像を鮮明化する場合に、その
ようなエッジ成分が過度に強調されてしまって、好まし
くない結果となることを防止する働きを有する。具体的
には、(5)式に示したように、鮮明化成分b(n1,
n2 )の値が“−Tx ”以下の場合には、その値を強制
的に“−Tx ”に設定すると共に、鮮明化成分b(n1
,n2 )の値が“Tx ”以上の場合には、その値を強
制的に“Tx ”に設定するようにしている。鮮明化成分
b(n1 ,n2 )の値が“−Tx ”から“Tx ”までの
範囲にあるときは、その鮮明化成分b(n1 ,n2 )の
値をそのまま採用する。この過度エッジ強調回避定数T
x を導入することにより、空間フィルタにより生成され
る鮮明化成分b(n1 ,n2 )の値は“−Tx ”から
“+Tx ”の範囲に制限されるため、過度のエッジ強調
を防止することができる。なお、Tx は整数であり、例
えば25に設定される。
【0049】ここで、本実施の形態の画像処理方法にお
ける空間フィルタ係数の一具体例を説明する。なお、本
具体例では、説明の簡略化のため、次の3つの条件を満
たす場合について説明する。ここで、条件は、画素が
正方形であることを示し、条件は、注目画素P(n1
,n2 )がノイズ成分ではなく、その値X(n1 +
i,n2 +j)が無視されないで処理されることを示
し、条件は、入力画像が急峻なエッジを含まず、鮮明
化成分b(n1 ,n2 )が所定範囲に入っていることを
示す。
【0050】I=J=1 |X(n1 +i,n2 +j)−X(n1 ,n2 )|≧
Tn −Tx <b(n1 ,n2 )<Tx
【0051】このような条件を前提として、(5)式に
示した空間フィルタ関数の具体的な形について説明す
る。
【0052】まず、鮮明化成分b(n1 ,n2 )を求め
るための(6)式は、次の(8)式のようになる。但
し、ここでは、鮮明化度aの値を1/8とした。
【0053】
【数8】
【0054】(8)式中の1/r(i,j)2 は、次の
(9)式のような値となる。
【0055】
【数9】
【0056】但し、(9)式の導出には、(4)式およ
び次の(10)式を用いた。
【0057】
【数10】
【0058】したがって、次の(11)式が成り立つ。
【0059】
【数11】
【0060】よって、(8)式および(11)式より、
次の(12)式が成り立つ。
【0061】
【数12】
【0062】結局、(5)式および(12)式より、空
間フィルタ関数の具体的な形は、次の(13)式のよう
になる。
【0063】
【数13】
【0064】結局、(2)式,(13)式より、最終的
なフィルタ係数L(i,j)の値は次の(14)式のよ
うになる。
【0065】
【数14】
【0066】以上の説明は、上記した3つの条件・〜・
を前提とした場合のものであるが、実際には、(7)式
に示したように、注目画素の値との差が小さい参照画素
については、乗ぜられる係数が0になる場合がある。ま
た、(5)式に示したように、鮮明化成分b(n1 ,n
2 )、すなわち、注目画素についての、算出された新た
なY(n1 ,n2 )の値と元のX(n1 ,n2 )との値
の差分が著しく大きい場合には、その差が最大Tx とな
るような処理がなされ、注目画素の処理後の値Y(n1
,n2 )の値が調整される。
【0067】以上のように、本実施の形態の画像処理方
法によれば、注目画素と参照画素との距離r(i,j)
に依存して変化するフィルタ係数を含む空間フィルタを
用いて演算を行うようにしたので、より適正な鮮明化処
理を行うことができる。特に、例えばNTSC方式のテ
レビジョン画像のような、画素の縦横比が異なる画像に
対しても、コンピュータ画像のような、画素の縦横比が
等しい画像の場合と同等の適正な鮮明化処理を行うこと
が可能となる。
【0068】例えば、画素の縦横比が4対3であるよう
な画像の場合には、w=3/4,h=1であることか
ら、次の(15)式に示したようなフィルタ係数L
(i,j)が得られる。なお、鮮明化度aの値は上記具
体例の場合と同じく、1/8としている。
【0069】
【数15】
【0070】また、本実施の形態では、注目画素の値と
参照画素の値との差分の絶対値である鮮明化成分b(n
1 ,n2 )がTn より大きい場合には、画素の差分をb
(n1 ,n2 )の計算に利用する一方、そうでない場合
には画素の差分を0に置き換えて処理を行うようにした
ので、原画像中のわずかなノイズ成分が鮮鋭化処理によ
って強調されて画質を低下させるという不都合を防止す
ることができる。
【0071】さらに、本実施の形態では、空間フィルタ
による演算において注目画素の値に加算される値を“−
Tx ”から“+Tx ”の範囲に制限するようにしたの
で、過剰な鮮明化が行われて画質が却って低下するとい
う不都合を防止することができる。
【0072】本実施の形態では、参照画素領域の大きさ
を決定する参照領域情報(I,J)が共に1である場
合、すなわち、参照画素領域が3×3(=9)個である
場合について説明したが、参照画素領域をそれより大き
く設定してもよい。例えば、I=J=2とした場合に
は、参照画素領域は、5×5(=25)個の画素からな
る領域となり、I=J=3とした場合には、参照画素領
域は、7×7(=49)個の画素からなる領域となる。
【0073】また、IとJとは必ずしも等しい値がある
必要はなく、異なる値に設定してもよい。例えば、I=
2,J=3とした場合には、参照画素領域は、5×7
(=35)個の画素からなる領域となる。このように、
参照領域の大きさを表すパラメータを画像の縦方向と横
方向とで独立としたことから、画素の形状等を考慮し
て、参照画素領域を任意の形状の領域に設定することが
できる。この結果、鮮明化の効果を画像の縦方向と横方
向とで独立に制御することも可能である。
【0074】なお、画素密度が非常に高くて画像の大き
さに比べて画素がサイズが微小である場合には、参照画
素領域を大きくするのが好ましい。その理由は次の通り
である。すなわち、画素密度が極めて高い場合に、参照
画素領域として例えば3画素×3画素程度の狭い領域を
設定したとすると、たとえ鮮明化処理によって画像エッ
ジの強調をしたとしても、人間の肉眼の解像度ではその
鮮明化の効果を認識することができない。これに対し
て、参照画素領域を、肉眼の解像度限界をカバーする程
度まで大きくすれば、画像のエッジが強調されたことを
肉眼で認識でき、結果として、鮮明化効果の相対的減少
を防止することができるのである。
【0075】[画像処理装置の説明]次に、本実施の形
態に係る画像処理方法を具現化するための画像処理装置
について説明する。なお、本発明の一実施の形態に係る
画像フィルタは、本実施の形態に係る画像処理装置によ
り具現化されるので、以下、併せて説明する。
【0076】図1は、本発明の一実施の形態に係る画像
処理装置の概略構成を表すもので、上記した画像処理方
法を実現し得るように構成されたものである。
【0077】この画像処理装置は、入力装置10と、C
PU(中央処理ユニット)12と、ROM(Read Only
Memory)16と、RAM(Random Access Memory)22
と、情報抽出装置24と、メモリ18と、画像処理用演
算装置20とを備えている。CPU12は、バス14を
介してROM16およびRAM22と接続され、これら
に対してアクセス可能になっている。CPU12はま
た、入力装置10、情報抽出装置24、メモリ18およ
び画像処理用演算装置20にも接続されている。ここ
で、主として情報抽出装置24およびメモリ18が本発
明における「入力部」に対応し、画像処理用演算装置2
0が本発明における「データ処理手段」に対応する。ま
た、情報抽出装置24が本発明における「抽出手段」の
一具体例に対応し、主として入力装置10が本発明にお
ける「領域設定手段」および「鮮明化度設定手段」の一
具体例に対応する。
【0078】入力装置10は、例えばキーボードやマウ
ス等のデータ入力装置であり、これを介して、参照領域
情報(I,J)、鮮明化度a、過度エッジ強調回避定数
Tx、およびノイズ除去用しきい値Tn 等のユーザ設定
情報S3が入力されるようになっている。これらのユー
ザ設定情報S3は、CPU12に送られるようになって
いる。
【0079】情報抽出装置24は、入力画像信号S1か
ら画像の構成を表す画像構成情報S2を抽出するための
ものである。この画像構成情報S2としては、例えば、
画像の大きさを表す画像サイズ情報(Nx ,Ny )や、
画素の形状を表す画素形状情報(w,h)等がある。こ
こで抽出された画像構成情報S2は、CPU12に送ら
れるようになっている。
【0080】CPU12は、画像処理装置の各部を制御
するほか、入力された鮮明化度a、参照領域情報(I,
J)および画素形状情報(w,h)を基に、画像処理用
演算装置20での演算に用いられる係数F(i,j)を
求める処理等を行うようになっている。ここで、係数F
(i,j)は次の(16)式により表される係数であ
る。このCPU12は、例えばROM16に格納された
基本プログラムに基づいて動作するようになっている。
【0081】
【数16】
【0082】ROM16には、基本プログラムのほか、
予めユーザにより設定された各種のユーザ設定情報
(I,J,a,Tn ,Tx 等)が格納されるようになっ
ている。RAM22は、ROM16から読み出され、も
しくは入力装置10から入力されたユーザ設定情報S3
を一旦格納したり、情報抽出装置24から送られてきた
画像構成情報S2を保持したり、CPU12により演算
された係数F(i,j)等を一時的に格納する等、CP
U12のワークメモリとして利用されるものである。
【0083】メモリ18は、情報抽出装置24を介して
入力された入力画像信号S5を一旦保持するためのもの
である。このメモリ18の内部には、CPU12からの
制御信号S4に応じて、所定の長さのラインメモリ26
が複数形成されるようになっている。ここで、制御信号
S4は、少なくとも画像の横方向サイズを示すデータN
x と参照画素領域の縦方向サイズを決定するデータJと
を含み、これらのデータに基づいてラインメモリ26の
長さと数とが決定される。具体的には、それぞれが例え
ば8ビットからなる少なくともNx 個の画素データを格
納可能なラインメモリ26が、少なくとも(2J+1)
行分だけ形成される。制御信号S4はまた、メモリ18
中に形成されたラインメモリ26のアドレス制御をする
ためのアドレス信号をも含んでおり、このアドレス信号
に基づいて、ラインメモリ26のアドレス制御が行われ
るようになっている。
【0084】画像処理用演算装置20は、演算専用のプ
ロセッサ(図示せず)を含んで構成されており、ライン
メモリ26から入力される画像信号S6に対して、画像
鮮明化のための演算処理を行うようになっている。具体
例には、画像処理用演算装置20は、CPU12から送
られてきた参照領域情報(I,J)、係数F(i,
j)、過度エッジ強調回避定数Tx 、およびノイズ除去
用しきい値Tn 等の演算パラメータS7を基に、画像信
号S6に対して、後述する図3に示すような鮮明化処理
を施し、その処理結果を出力画像信号S8として出力す
るようになっている。
【0085】次に、以上のような構成の画像処理装置の
動作を説明する。
【0086】まず、利用者は、入力装置10から、参照
領域情報(I,J)、鮮明化度a、ノイズ除去用しきい
値Tn 、およびノイズ除去用しきい値Tn 等のユーザ設
定情報S3を入力する。これらの情報は、CPU12に
送られる。
【0087】CPU12は、ROM16の中に、メモリ
18および画像処理用演算装置20の制御に必要な情
報、すなわち、ユーザ設定情報(Tx 、Tn 等)、画像
構成情報S2、および係数F(i,j)等の情報が予め
設定されており、かつ、これらの情報を使用することが
ユーザによって指示された場合には、これらの情報をR
OM16からRAM22に移動させる。
【0088】一方、ROM16の中に、メモリ18およ
び画像処理用演算装置20の制御に必要な情報が設定さ
れていない場合は、ROM16中に格納されている(1
6)式を用いて、係数F(i,j)を算出し、これを一
旦RAM22に格納する。例えば、鮮明化度a=1/
8、参照領域情報(I,J)=(1,1)の場合には、
係数F(i,j)は、次の(17)式の値となる。
【0089】
【数17】
【0090】入力画像信号S1が入力されると、情報抽
出装置24は、この入力画像信号S1から、画像サイズ
情報(Nx ,Ny )や画素形状情報(w,h)等の画像
構成情報S2を抽出して、これをCPU12に送出す
る。CPU12は、送出されてきた情報をRAM22に
格納する。
【0091】CPU12は、RAM22に格納されてい
る情報に基づいて、メモリ18内に形成すべきラインメ
モリ26の長さと数とを決定し、この結果を含む制御信
号S4をメモリ18に供給する。これにより、メモリ1
8内に、制御信号S4による指示に応じた長さおよび本
数のラインメモリ26が形成される。具体的には、RG
Bの各色ごとに、長さがNx 画素であるラインメモリ2
6が(2J+1)本形成される。各画素の値は、例えば
8ビットで表される。例えば、J=1としたときには、
各色ごとに、それぞれ3本のラインメモリ26が形成さ
れ、その合計本数は9本となる。
【0092】CPU12はまた、鮮明化に必要な処理情
報として、I、J、Tx 、Tn および係数F(i,j)
を、演算パラメータS7として画像用演算装置20に送
出する。
【0093】情報抽出装置24は、入力画像信号S1か
ら上記各情報を抽出したのち、これを画像信号S5とし
てメモリ18に送出する。ここで、画像信号S5は、例
えば、1画素当たり、RGBの合計24ビットの信号で
ある。
【0094】メモリ18は、CPU12からの制御信号
S4のうちのアドレス信号(図示せず)に従って、情報
抽出装置24から送られてきた画像信号S5を各色の画
素ごとにラインメモリ26に順次格納する。ここで、画
素(n1 ,n2 )を鮮明化する場合には、座標(n1 −
I,n2 −J)から(n1 +I,n2 +J)までに含ま
れる(2I+1)×(2J+1)個の画素を格納する領
域があれば足りる。例えば、I=J=1の場合には、
(2I+1)×(2J+1)=3×3=9個分の画素格
納領域があればよい。ところが、入力画像信号S1は、
時系列的に一列となって順次入力される1次元信号であ
ることから、実際には、上記のように(2J+1)×N
x 個の画素を確保するようにしている。
【0095】CPU12は、制御信号S4のうちのアド
レス信号によってメモリ18を制御して、ラインメモリ
26に格納された(2I+1)×(2J+1)個の画素
データX(n1 −I,n2 −J)〜X(n1 +I,n2
+J)を画像処理用演算装置20に対して順次送出させ
る。
【0096】画像処理用演算装置20は、各注目画素P
(n1 ,n2 )ごとに、メモリ18から送られてくる入
力画素データX(n1 +i,n2 +j)を基に、(5)
式に示した空間フィルタ関数を用いた鮮明化処理を行
い、出力画素データY(n1 ,n2 )を得る。こうして
鮮明化処理の施された画素データは、出力画像信号S8
として出力される。例えば、参照領域情報(I,J)=
(1,1)、鮮明化度a=1/8、画素形状情報(w,
h)= (1,1)としたときには、(13)式に示し
た空間フィルタ関数に基づいて処理が行われる。この例
では、空間フィルタ係数L(i,j)は、(14)式に
示したようになる。
【0097】以上述べた一連の処理を、入力画像に含ま
れる各画素に対して行う。これにより、Nx ×Ny 個の
画素を含む1フィールド分の画像の鮮明化が終了する。
【0098】次に、図2および図3を参照して、画像処
理用演算装置20について詳細に説明する。
【0099】図2は、画像処理用演算装置20の機能構
成を表すものである。この図に示したように、画像処理
用演算装置20は、入力値記憶部30と、画素選択部3
2と、画素差分部34と、Tn 比較部36と、加重部3
8と、A加算部40と、記憶部42と、Tx 比較部44
と、B加算部46とを備えている。
【0100】次に、図3を参照して、画像処理用演算装
置20の動作を説明する。なお、図3は、図2に示した
構成の画像処理用演算装置20の全体動作を表すもので
ある。この図に示したように、まず、CPU12(図
1)からユーザ設定情報S7として送られてきた情報
I,J,Tx ,Tn ,F(i,j)は、画像処理用演算
装置20の内部の入力値記憶部30に格納される。
【0101】一方、メモリ18から送出された画素信号
は、画素選択部32に供給される。画素選択部32は、
入力値記憶部30に格納されている情報(I,J)に基
づき、供給されてきた画素信号から、画素差分の計算に
必要な参照画素P(n1 +i,n2 +j)の値X(n1
+i,n2 +j)と、鮮明化の対象となる注目画素P
(n1 ,n2 )の値X(n1 ,n2 )とを選別する。画
素選択部32は、参照画素の値X(n1 +i,n2 +
j)を画素差分部34に送出すると共に、注目画素の値
X(n1 ,n2 )を画素差分部34およびB加算部46
の双方に送出する(図3ステップS101)。なお、注
目画素の値X(n1 ,n2 )は、後述するステップS1
13において利用される。
【0102】次に、ステップS102において変数iに
初期値“−I”を設定し、ステップS103において、
変数jに初期値“−J”を設定する。
【0103】画素差分部34には、画素データの入力に
同期して、CPU12から画素位置情報(図1では図示
せず)が入力されている。画素差分部34は、この画素
位置情報に基づき、選択された注目画素の値X(n1 ,
n2 )と参照画素の値X(n1 +i,n2 +j)との差
分を求める(ステップS104)。
【0104】画素差分部34により得られた差分は、T
n 比較部36に供給される。Tn 比較部36は、入力さ
れた差分の絶対値とTn との比較を行う(ステップS1
05)。その比較の結果、差分の絶対値がTn より大き
い場合には、その差分の値は、 (7)式に示した差分
成分Diff (i,j)として、(6)式の鮮明化成分b
(n1 ,n2 )の計算にそのまま利用される。一方、差
分の絶対値がTn より小さい場合には、その差分の値
は、ノイズ成分によるものとみなされて0に置き換えら
れた上で(6)式に入力される。このようにして、各差
分の値は、その値に応じて、そのまま、または0に変換
されてから、差分成分Diff (i,j)として加重部3
8に供給される。
【0105】加重部38は、Tx 比較部44から供給さ
れた差分成分Diff (i,j)に対して、入力記憶部3
0内に格納されている(16)式の係数F(i,j)に
基づく加重演算(重み付け)を行う(ステップS10
6)。具体的には、差分成分Diff (i,j)の値に係
数F(i,j)を乗ずるという演算を行う。
【0106】加重部38での加重演算の結果得られた値
は、A加算部40に供給される。A加算部40は、記憶
部42に記憶されている前回までの累算値と、加重部3
8から新たに供給された値とを加算する(ステップS1
07)。この加算結果は、再び記憶部42内に記憶され
る。このような加算処理を、変数i,jをそれぞれ順次
インクリメントしながら繰り返し行う。具体的には、ス
テップS108において変数jがインクリメントされ、
ステップS109においてこの変数jがJより大きいか
否かが検査される。検査の結果、変数jがJより大きく
ない場合には、上記ステップS4に処理が移行し、ルー
プ処理が実行される。また、ステップS110で変数i
がインクリメントされ、ステップS111においてこの
変数iがIより大きいか否かが検査される。検査の結
果、大きくない場合には、同様に上記ステップS104
に処理が移行し、ループ処理が実行される。
【0107】こうして、変数(i,j)が(−1、−
1)から(1、1)となるまで加算処理を繰り返すこと
によって、(6)式の鮮明化成分b(n1 ,n2 )の計
算が実行される。最終的に得られた鮮明化成分b(n1
,n2 )の値は、Tx 比較部44に送られる。
【0108】Tx 比較部44は、A加算部40から送ら
れてきた鮮明化成分b(n1 ,n2)の値が“−Tx ”
より小さい場合には、この鮮明化成分b(n1 ,n2 )
の値に代えて、“−Tx ”をB加算部46に送出する。
一方、送出されてきたデータの値が“Tx ”より大きい
場合には、この鮮明化成分b(n1 ,n2 )の値に代え
て、“Tx ”をB加算部46に送出する。それ以外の場
合、すなわち、鮮明化成分b(n1 ,n2 )の値が“−
Tx ”から“Tx ”までの値であるときには、その鮮明
化成分b(n1 ,n2 )の値をそのままB加算部46に
送る(同図ステップS112)。このようにして、
(5)式に示したように、注目画素の値X(n1 ,n2
)に加算されることとなる値が“−Tx ”から“Tx
”までの範囲に制限され、過剰な鮮明化が回避され
る。
【0109】B加算部46は、画素選択部32から供給
され保持している注目画素の値X(n1 ,n2 )と、T
x 比較部44から送出されてきた値(b(n1 ,n2
)、Tx 、または“−Tx ”)とを加算して、Y(n1
,n2 )を得る(ステップS113)。これによっ
て、鮮明化処理の主たる部分が完了する。
【0110】その後、B加算部46は、加算結果Y(n
1 ,n2 )が8ビットの値に収まるようにクリッピング
を行う。このクリップ後の値が出力画素信号S8として
画像処理用演算装置30内から出力される(ステップS
114)。例えば、データの有効ビットが8ビットの場
合には、加算後のデータが0〜255の範囲に収まるよ
うにクリッピングが行われる。具体的には、加算結果が
255を超えている場合には、この値をすべて255の
値に置き換えることによって、8ビットで表現できる範
囲に収める。一方、加算結果が0より小さい場合には、
すべて0の値に置き換えることによって、8ビットで表
現できる範囲に収める。
【0111】最後に、記憶部42の値が0にリセットさ
れる(ステップS115)。これによって、上述したΣ
(加重和)計算の初期値がクリアされることになる。
【0112】以上の処理をすべての注目画素について行
うことによって、入力された画像を鮮明化して出力する
ことができる。
【0113】以上のように、本実施の形態に係る画像処
理装置によれば、ユーザが入力装置10から入力した鮮
明化度a、参照領域情報(I,J)、ノイズ除去用しき
い値Tn 、および過度エッジ強調回避定数Tx 等のパラ
メータに基づいて鮮明化を行うようにしたので、処理対
象画像の品質や内容等に応じて所望の態様で鮮明化処理
を行うことが可能である。また、情報抽出装置24によ
って入力画像信号から画像サイズ情報(Nx ,Ny )や
画素形状情報(w,h)等を抽出し、抽出したこれらの
情報に基づいて鮮明化処理を行うようにしたので、処理
対象画像の種類に応じて自動的に鮮明化の仕方を変化さ
せることができ、最適処理が可能である。
【0114】また、本実施の形態に係る画像処理装置に
よれば、メモリ18のラインメモリ26を固定化するの
ではなく、入力画像信号から抽出した画像サイズ情報
(Nx,Ny )や画素形状情報(w,h)等に基づい
て、形成すべきラインメモリ26のサイズや形成ライン
数等を決定するようにしたので、汎用のメモリを使用可
能であり、回路構成の自由度が高い。
【0115】〈画像処理装置の第1の変形例〉上記実施
の形態では、鮮明化処理用の空間フィルタをいわば数式
で保持しており、演算装置を用いて空間フィルタ係数
を、画素数や画素の形状が異なる入力信号に応じて、画
像ごとに生成した。
【0116】しかし、実際に画像の鮮明化処理を行う場
合には、入力する信号の種類がある程度予想できる場合
が多い。また、使用する空間フィルタの大きさが制限さ
れている場合も多い。このような場合には、空間フィル
タの係数の計算結果をあらかじめROMに記録してお
き、想定される画素数の最大値を格納できるラインメモ
リを使用することによって、画像処理装置をより簡略な
構成で実現することが望ましい。以下、このような画像
処理装置について説明する。
【0117】図4は、第1の変形例に係る画像処理装置
の概略構成を表すものである。なお、この図で、上記の
図1で示した構成要素と同一の構成要素には同一の符号
を付し、適宜説明を省略する。ここでは、本変形例にお
いて特徴的な動作について説明する。
【0118】本実施の形態の画像処理装置は、図1のC
PU12に代えて、制御装置52を備えている。この制
御装置52は、入力装置50およびROM16に接続さ
れている。また、本実施の形態では、メモリ118は、
入力が想定されている画像に対応し得るサイズおよび数
のラインメモリ126を含むように予め固定的に構成さ
れている。この点において、CPU12の指示に対応し
てメモリ118の内部に適宜のサイズおよび数のライン
メモリ126が形成されるようになっている上記実施の
形態(図1)と異なる。
【0119】本実施の形態では、まず、情報抽出装置2
4は、入力画像信号S1から、画像サイズ情報(Nx ,
Ny )と画素形状情報(w,h)とを検出して、これら
を画像構成情報S2として制御装置52に送出する。
【0120】利用者は、入力装置10から、Tx 、Tn
、a、I、J等のユーザ設定情報S3を入力する。こ
れらの情報は制御装置52に送られる。制御装置52
は、ROM16に予め設定登録されている複数セットの
フィルタ係数の中から、ユーザ設定情報S3に対応する
情報S19を読み出す。制御装置42はまた、I、J、
Tx 、Tn 、F(i,j)等の鮮明化処理に必要な情報
S7を、画像用演算装置20に送出する。
【0121】情報抽出装置24は、入力画像信号S1か
ら必要情報を抽出したのちの信号を画像信号S5として
メモリ118に送出する。ここで、入力画像信号S1
は、例えばRGB24ビットの信号である。
【0122】メモリ118は、制御装置52からの制御
信号S14に従って、画像信号S5に含まれる各画素の
データをラインメモリ126に格納する。制御装置52
は、画素データ(n1 −I,n2 −J)から(n1 +
I,n2 +J)までを順に選択し、画素データS6とし
て画像処理用演算装置20に送出する。画像処理用演算
装置20は、上記実施の形態の場合と同様の鮮明化処理
を行い、鮮明化処理後の画像信号を出力画像信号S8と
して出力する。
【0123】以上述べた処理を、入力画像に含まれるす
べての画素に対して行う。具体的には、Nx ×Ny 個の
画素のすべてに対して鮮明化を行う。これで、1フィー
ルド分の画像の鮮明化処理が終了する。
【0124】ところで、上記実施の形態(図1)では、
CPU12からの制御信号S4に応じて、メモリ18の
内部に、適宜の長さのラインメモリ26が適宜の数だけ
形成されるようになっており、それらのラインメモリ2
6に対する書き込みおよび読み出し動作は、制御信号S
4に含まれるアドレス信号により制御されるようになっ
ているので、そのような流動的な制御を可能にするため
の専用の制御線やアドレス信号線が必要であると共に、
CPU12の負担も大きい。
【0125】これに対して、本変形例では、メモリ11
8内部には予め固定的なサイズと数のラインメモリ12
6が設けられている。また、アドレス信号線も不要であ
って、単に、入力される画像データをの入出力のタイミ
ングを指示する制御信号S14があればよい。したがっ
て、図1の場合と比べて、装置構成を簡略化できると共
に、制御装置52の負担が軽くて済むという利点があ
る。
【0126】〈画像処理装置の第2の変形例〉上記実施
の形態およびその変形例では、CPU12や制御装置5
2と、画像処理用演算装置20とは、分離している構成
が採用されている。しかしながら、CPU12や制御装
置52の性能が十分に高い場合には、CPU12や制御
装置52が、画像処理用演算装置20の機能を併せ持つ
ようにしてもよい。このように構成すれば、より簡易な
システムで画像の鮮明化処理が可能な画像処理装置が得
られる。
【0127】〈画像処理装置の第3の変形例〉図5は、
本実施の形態の第3の変形例に係る画像処理装置の構成
を表すものである。なお、この図で、上記の図1で示し
た構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、適
宜説明を省略する。この図に示したように、本変形例の
画像処理装置は、情報抽出装置24の前段に、画像を構
成する画素の数を変換する機能を有する画素数変換装置
100を備えている。
【0128】本変形例では、入力画像信号S1は、まず
画素数変換装置100に入力され、ここで画素数の変換
が行われる。具体例には、例えば1024×768ドッ
トの画素を有する画像信号S1が800×600ドット
の画素を有する画像信号101に変換される。そして、
画素数変換後の画像信号S101が情報抽出装置24に
供給されるようになっている。この情報抽出装置24に
供給された後の動作は、上記実施の形態と同様である。
【0129】本変形例によれば、画素数変換後の画像に
対して鮮明化処理を行うようにしたので、画素数変換に
より不鮮明となった画像に対しても、変換後の画像のサ
イズ等に適応した最適な鮮明化処理を行うことが可能と
なる。したがって、画素数変換処理による画質の低下を
補償して高品質の画像を得ることができる。
【0130】〈画像処理装置の第4の変形例〉図6は、
本実施の形態の第4の変形例に係る画像処理装置の構成
を表すものである。なお、この図で、上記の図1で示し
た構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、適
宜説明を省略する。この図に示したように、本変形例の
画像処理装置は、情報抽出装置24の前段に、飛び越し
走査形式の画像信号を順次走査形式の画像信号に変換す
るためのインタレース・プログレッシブ変換装置200
を備えている。
【0131】本変形例では、飛び越し走査(インタレー
ス)形式の入力画像信号S1は、まずインタレース・プ
ログレッシブ変換装置200によって順次走査(プログ
レッシブ)形式の画像信号に変換される。そして、変換
後の順次走査形式の画像信号S201が情報抽出装置2
4に供給される。この情報抽出装置24に供給された後
の動作は、上記実施の形態と同様である。
【0132】本変形例によれば、インタレース・プログ
レッシブ変換装置200によって飛び越し走査形式の画
像信号を順次走査形式の画像信号に変換した上で鮮明化
処理を行うようにしている。したがって、入力画像の形
式等に応じた最適な鮮明化処理を行うことも可能であ
る。
【0133】以上、いくつかの実施の形態およびその変
形例を挙げて本発明を説明したが、本発明は、この実施
の形態に限定されず、種々の変形が可能である。例え
ば、空間フィルタの係数が距離の2乗に反比例する例を
示したが、距離の1乗に反比例してもよいし、3乗に反
比例する係数を採用することも好ましい。さらに、空間
フィルタの係数が、その他の形で距離に依存するような
ものであってもよい。
【0134】また、参照画素領域の形状としては正方形
の例について説明したが、I、Jの値を異ならせること
によって、長方形の参照画素領域としてもよい。さら
に、参照画素領域はその他の形状でもかまわない。例え
ば円形や楕円形であってもよい。参照画素領域が円形の
場合には、I、Jの代わりに、半径等がその大きさを表
すパラメータとなろう。
【0135】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし請
求項11のいずれか1項に記載の画像処理装置、または
請求項12記載の画像処理方法によれば、入力された注
目画素に対して、その周辺の参照画素の値と注目画素の
値とを用いて、注目画素と参照画素との距離に依存した
画像鮮明化処理を行い、その結果得られたデータを注目
画素の新たな値として出力するようにしたので、異なる
形状を有する画素からなる複数種類の画像に対して、そ
れぞれに適した鮮明化処理を行うことができるという効
果を奏する。
【0136】特に、請求項2記載の画像処理装置によれ
ば、データ処理手段が、注目画素の値と参照画素の値と
の差分に基づいてデータ処理を行い、差分の絶対値が第
1のしきい値より小さい場合は、その差分を零に置き換
えてデータ処理を行うようにしたので、注目画素の値と
の差が第1のしきい値よりも小さいような値をもつ参照
画素については、その値が鮮明化処理の結果に影響を与
えないようにすることが可能である。このため、第1の
しきい値を適正な値に設定することにより、原画像に含
まれているノイズ成分が鮮明化処理によって強調されて
しまうという不都合を回避できるという効果を奏する。
【0137】また、請求項3記載の画像処理装置によれ
ば、画像鮮明化処理の前後における注目画素の値の変化
量の絶対値が第2のしきい値よりも大きくなることが予
想される場合には、データ処理手段により、変化量の絶
対値がその予想される値よりも小さな所定値となるよう
にデータ処理を行うようにしたので、必要以上の鮮明化
処理による画像の過度なエッジ強調を回避することがで
き、自然な調子の画像を得ることができるという効果を
奏する。
【0138】特に、請求項4記載の画像処理装置によれ
ば、上記の所定値を第2のしきい値と等しい値としたの
で、第2のしきい値よりも大きい画素値変化量を与える
ような過度の鮮明化処理が行われるのを回避することが
できる。
【0139】また、請求項5記載の画像処理装置によれ
ば、参照画素が含まれる領域の大きさを設定するための
領域設定手段を設けると共に、設定された領域の参照画
素を参照してデータ処理を行うようにしたので、例えば
処理対象画像のサイズや画素形状等に対応して、異なる
サイズまたは形状をもつ画素領域の画素を参照して鮮明
化処理を行うことができるという効果を奏する。例え
ば、画素サイズが微小であり画素密度が非常に高い場合
には、参照すべき画素領域を大きくすることにより、肉
眼の解像度限界に起因して鮮明化の効果が相対的に減少
するのを効果的に防止することができる。
【0140】また、請求項7記載の画像処理装置によれ
ば、入力部において画像構成情報を抽出すると共に、デ
ータ処理手段において、抽出された画像構成情報に基づ
いてデータ処理を行うようにしたので、入力画像の例え
ば種類や構成等に応じた態様で画像の鮮明化処理を行う
ことができるという効果を奏する。
【0141】また、請求項10記載の画像処理装置によ
れば、データ処理手段により行われる画像鮮明化処理の
度合いを設定可能な鮮明化度設定手段を設けると共に、
データ処理手段において、設定された画像鮮明化処理の
度合いに対応した処理を行うようにしたので、所望の度
合い(程度)での鮮明化処理を行うことができるという
効果を奏する。
【0142】請求項13に記載の画像フィルタ装置また
は請求項14に記載の画像フィルタリング方法によれ
ば、注目画素の値とこの注目画素の周辺に位置する参照
画素の値とをフィルタ関数に入力して、注目画素と参照
画素との距離に依存した大きさの関数値をフィルタリン
グ後の注目画素の値として出力させるようにしたので、
異なる形状を有する画素からなる複数種類の画像に対し
て、それぞれに適した鮮明化処理を行うことができると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る画像処理装置の概
略構成を表すブロック図である。
【図2】図1における画像処理用演算装置の機能構成を
表すブロック図である。
【図3】図2に示した画像処理用演算装置の動作を表す
流れ図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る画像処理装置の一
変形例を表すブロック図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る画像処理装置の他
の変形例を表すブロック図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る画像処理装置のさ
らに他の変形例を表すブロック図である。
【図7】従来のアナログ手法による画像の鮮明化処理を
説明するための図である。
【図8】ディジタル手法による画像の鮮明化処理を説明
するための図である。
【符号の説明】
10…入力装置、12…CPU、16…ROM、18,
118…メモリ、20…画像処理用演算装置、22…R
AM、24…情報抽出装置、26,126…ラインメモ
リ、30…入力値記憶部、32…画素選択部、34…画
素差分部、36…Tn 比較部、38…加重部、40…A
加算部、42…記憶部、44…Tx 比較部、46…B加
算部、52…制御装置、100…画素数変換装置、20
0…インタレース・プログレッシブ変換装置、P(n1
,n2 )…注目画素、P(n1 +i,n2 +j)…参
照画素、X(n1 ,n2 )…処理前の注目画素の値、Y
(n1 ,n2 )…処理後の注目画素の値、X(n1 +
i,n2 +j)…参照画素の値、a…鮮明化度、Tn …
ノイズ除去用しきい値、Tx …過度エッジ強調回避定
数、S2…画像構成情報、(w,h)…画素形状情報、
(Nx ,Ny )…画像サイズ情報、(I,J)…参照領
域情報、Diff (i,j)…差分成分、b(n1 ,n2
)…鮮明化成分、F(i,j)…係数。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 章浩 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5B057 BA24 BA26 CE02 CE03 CE06 CH11 5C021 PA38 PA42 PA52 PA57 PA58 PA66 PA67 PA83 RA12 RB08 SA22 XB04

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像を構成する個々の画素の値が入力さ
    れる入力部と、 前記入力部から入力された注目画素に対して、この注目
    画素の周辺に位置する参照画素の値と前記注目画素の値
    とを用いて、前記注目画素と前記参照画素との距離に依
    存した所定の画像鮮明化処理を行い、得られたデータを
    前記注目画素の新たな値として出力するデータ処理手段
    とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記データ処理手段は、 前記注目画素の値と前記参照画素の値との差分に基づい
    てデータ処理を行うものであって、 前記差分の絶対値が第1のしきい値より小さい場合は、
    その差分を零に置き換えてデータ処理を行うことを特徴
    とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記データ処理手段は、 画像鮮明化処理の前後における注目画素の値の変化量の
    絶対値が第2のしきい値よりも大きくなることが予想さ
    れる場合には、前記変化量の絶対値がその予想される値
    よりも小さな所定値となるようにデータ処理を行うこと
    を特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記予想される値よりも小さな所定値
    は、前記第2のしきい値と等しい値であることを特徴と
    する請求項3記載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】 さらに、1つの注目画素に関して前記デ
    ータ処理手段により参照される参照画素が含まれる領域
    の大きさを設定するための領域設定手段を備え、 前記データ処理手段は、前記領域設定手段により設定さ
    れた領域の参照画素を参照してデータ処理を行うことを
    特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  6. 【請求項6】 前記領域設定手段は、前記参照画素が含
    まれる領域の縦方向の長さと横方向の長さとを設定可能
    であることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
  7. 【請求項7】 前記入力部は、 入力された画像の構成に関する画像構成情報を抽出する
    抽出手段を備え、 前記データ処理手段は、前記抽出手段により抽出された
    前記画像構成情報に基づいてデータ処理を行うことを特
    徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  8. 【請求項8】 前記画像構成情報は、画素の形状を表す
    情報であることを特徴とする請求項7記載の画像処理装
    置。
  9. 【請求項9】 前記画像構成情報は、画像全体の大きさ
    を表す情報であることを特徴とする請求項7記載の画像
    処理装置。
  10. 【請求項10】 さらに、 前記データ処理手段により行われる画像鮮明化処理の度
    合いを設定可能な鮮明化度設定手段を備え、 前記データ処理手段は、前記鮮明化度設定手段により設
    定された前記画像鮮明化処理の度合いに対応した処理を
    行うことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  11. 【請求項11】 前記所定の画像鮮明化処理は、前記注
    目画素と前記参照画素との距離の2乗に反比例した値に
    依存して行われるものであることを特徴とする請求項1
    記載の画像処理装置。
  12. 【請求項12】 画像を構成する個々の画素の値を入力
    するステップと、 入力された注目画素に対して、この注目画素の周辺に位
    置する参照画素の値と前記注目画素の値とを用いて、前
    記注目画素と前記参照画素との距離に依存した所定の画
    像鮮明化処理を行うステップと、 前記画像鮮明化処理により得られたデータを前記注目画
    素の新たな値として出力するステップとを含むことを特
    徴とする画像処理方法。
  13. 【請求項13】 鮮明化処理対象の画像における注目画
    素の値とこの注目画素の周辺に位置する参照画素の値と
    を入力値とし、その関数値を前記注目画素のフィルタリ
    ング後の出力値とする所定のフィルタ関数を用いて画像
    フィルタリング処理を行う画像フィルタであって、 前記フィルタ関数が、前記注目画素と前記参照画素との
    距離に依存する要素を含むものであることを特徴とする
    画像フィルタ。
  14. 【請求項14】 鮮明化処理対象の画像における注目画
    素の値とこの注目画素の周辺に位置する参照画素の値と
    を、前記注目画素と前記参照画素との距離に依存する要
    素を含む所定のフィルタ関数に入力するステップと、 前記フィルタの関数値を前記注目画素のフィルタリング
    後の値として出力するステップとを含むことを特徴とす
    る画像フィルタリング方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7283679B2 (en) 2002-06-12 2007-10-16 Kabushiki Kaisha Toshiba Image processor and method thereof
JP2009055502A (ja) * 2007-08-29 2009-03-12 Mitsubishi Electric Corp 輪郭強調方法
JP2012134658A (ja) * 2010-12-20 2012-07-12 Samsung Techwin Co Ltd ノイズ低減装置、ノイズ低減方法およびノイズ低減プログラム

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