JP2001051285A - 液晶素子およびその製造方法 - Google Patents

液晶素子およびその製造方法

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JP2001051285A
JP2001051285A JP22848299A JP22848299A JP2001051285A JP 2001051285 A JP2001051285 A JP 2001051285A JP 22848299 A JP22848299 A JP 22848299A JP 22848299 A JP22848299 A JP 22848299A JP 2001051285 A JP2001051285 A JP 2001051285A
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liquid crystal
substrate
sealing portion
crystal layer
substrates
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English (en)
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Hitoshi Kuma
均 熊
Keiji Tanaka
啓二 田中
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量かつ薄型で機械的強度に優れ、しかも
表示画面の全域にわたって均一なコントラストの得られ
る液晶素子とその効率のよい製造方法を提供すること。 【解決手段】内側に透明電極を有する一対の基板間に液
晶を挟持した液晶素子において、該液晶素子の封止部
が、一方の基板の取出し電極面からほぼ同一面上にある
他方の基板と液晶層の端面を被うとともに他方の基板の
外側面にまたがる形態としてある液晶素子およびその製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の表示機器や
情報表示装置などに使用するのに適した液晶素子とその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック基板を用いた液晶素子は、
軽量で薄型であり、安全性にも優れていることから、従
来のガラス基板を用いた液晶素子に代わるものとして開
発、実用化が進められている。このプラスチック基板
は、あらかじめ所定の寸法に裁断された短尺フィルムが
一般的に用いられている。そして、このプラスチック基
板を用いて液晶素子を製造する際には、上下基板を貼合
せた後、内部に液晶を注入する方法が一般的である。例
えば、特開昭61−98328号公報や特開平5−19
268号公報においては、二枚の透明電極付フィルムを
透明電極面を内側にして、一箇所の開口部を除くフィル
ム基材周縁部をシールした後、開口部より真空吸引によ
り液晶材を注入し、さらに開口部をシールすることによ
り液晶素子を製造する方法が提案されている。
【0003】しかしながら、このようにして得られるプ
ラスチック基板を用いた液晶素子は、液晶材の流動性が
高く、プラスチック基板が可撓性を有することから、人
手による押圧によっても液晶の流動が生じて表示の乱れ
を招くという問題がある。また、このような構成を有す
る液晶素子の製造に際しては、プラスチック基板を、ガ
ラス基板と同様に短尺フィルム状にして加工する場合、
その製造工程が複雑になるほか、プラスチック基板の端
部がカールして透明電極が破損したり、基板の貼合せ時
に空気を噛み込んでうねりを生ずるという問題があっ
た。さらに、上下基板を貼合せた後、内部に液晶を注入
する方法においては、真空吸引装置などの大型設備を必
要とするほか、真空チャンバーの内容積から基板の寸法
に限界があり、大面積の液晶素子を製造することができ
ないという問題があった。
【0004】このようなことから、液晶物質として強誘
電性高分子液晶を用いて液晶素子を製造する試みがなさ
れている。この強誘電性高分子液晶は、粘性が高いこと
から、塗布法によって基板上に液晶層を形成することが
できる。この塗布法により液晶素子を製造する場合に
は、二枚の長尺フィルム状のプラスチック基板を用い、
そのうちの少なくとも一方に液晶材料を塗布してから、
その塗布面に対向基板を積層することにより、簡略な方
法で液晶素子を製造することができる。ところで、この
ように長尺フィルム状のプラスチック基板同士を積層す
るまでの工程は簡略化されるが、この後の外部電気回路
との接続用電極端子を取り出すための後処理工程が複雑
になるという難点がある。また、長尺フィルム状のプラ
スチック基板同士の位置合わせや修正作業も容易である
とはいえない。
【0005】そこで、特開平5−303104号公報に
おいては、液晶素子の基板として、長尺フィルム状のプ
ラスチック基板と短尺フィルム状のプラスチック基板と
を組み合わせて用い、長尺フィルム状のプラスチック基
板に強誘電性液晶材を塗布した上に、予め所定の位置に
封止剤を塗布した対向基板を積層し、ついで封止剤を硬
化させることにより液晶セルを得た後、この液晶を剪断
配向させて、液晶素子を製造する方法を提案している。
このような製造方法を採用することによって、液晶素子
を製造する際のプラスチック基板同士の積層工程および
その後の外部電気回路との接続用電極端子を取り出すた
めの後処理工程のいずれの工程においても簡略化される
という効果が得られているが、液晶の剪断配向が封止部
の近傍において充分でなく、表示画面の全域にわたる均
一なコントラストが得られないことがあるという難点が
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、軽量かつ薄
型で機械的強度に優れ、しかも表示画面の全域にわたっ
て均一なコントラストの得られる液晶素子と、その効率
のよい製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため種々検討を重ねた結果、内側に透明電極
を有する一対の基板間に液晶を挟持した液晶素子におい
て、該液晶素子の封止部を、一方の基板の取出し電極面
からほぼ同一面上にある他方の基板と液晶層の端面を被
うとともに他方の基板の外側面にまたがる形態とすると
共に、その製造工程において、封止部の形成に先だって
液晶を配向させておくことによって、前記目的が達成で
きることを見出し、このような知見に基づいて本発明を
完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の要旨は下記のとおりで
ある。 (1)内側に透明電極を有する一対の基板間に液晶を挟
持した液晶素子において、該液晶素子の封止部が、一方
の基板の取出し電極面からほぼ同一面上にある他方の基
板と液晶層の端面を被うとともに他方の基板の外側面に
またがる形態としてある液晶素子。 (2)封止部を、一方の基板の取出し電極面からほぼ同
一面上にある他方の基板と液晶層の端面を被うとともに
他方の基板の外側面にまたがる形態に形成し、かつ封止
部の基板外側面からの高さを0.18mm以内とし、該
封止部の基板外側面上への張出部分の幅を2mm以内と
すると共に、封止部全体の幅を2.5mm以上とした、
前記(1)に記載の液晶素子。 (3)封止部を、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および光
硬化性樹脂から選択される接着剤の硬化物により形成し
てなる、前記(1)または(2)に記載の液晶素子。 (4)封止部を、粘着剤付テープを貼着して形成してな
る、前記(1)または(2)に記載の液晶素子。 (5)(a)プラスチック製長尺基板の透明電極面側に
液晶層を形成する工程、(b)該長尺基板の液晶層形成
面に対向基板をラミネートして定型サイズにカッティン
グする工程、(c)得られた内側に透明電極を有する一
対の基板間に挟持した液晶層に、たわみ変形を与えて液
晶を配向させる工程、(d)ラミネートされた対向基板
および液晶層の端部を切除して片側基板端部の透明電極
面を露出させる工程、(e)露出した取出し電極面から
他方の基板の外側面にまたがる封止部を形成する工程か
らなる、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の液晶素
子の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の液晶素子は、内側に透明
電極を有する一対の基板間に液晶を挟持した液晶素子に
おける封止部が、一方の基板の取出し電極面からほぼ同
一面上にある他方の基板と液晶層の端面を被うとともに
他方の基板の外側面にまたがる形態としてある。これ
は、液晶素子における封止部が、従来は上下の基板間に
挟まれた形態に形成されていたため、液晶への剪断配向
に際して封止部近傍での液晶への剪断が加わらず、封止
部近傍の液晶配向状態が不充分であったことから、この
ような問題を解消するために、封止剤を上下の基板間に
進入させることなく、基板と液晶層の端面をほぼ同一面
上に揃えた形に積層し、このほぼ同一面上にある他方の
基板と液晶層の端面を被う形態の封止部を形成したもの
である。そして、この封止部のさらに好ましい形態とし
ては、一方の基板の取出し電極面からほぼ同一面上にあ
る他方の基板と液晶層の端面を被うとともに他方の基板
の外側面にまたがる形状に構成され、かつ、該封止部の
基板外側面からの高さを0.18mm以内とし、かつ該
封止部の基板外側面上への張出部分の幅を2mm以内と
すると共に、該封止部全体の幅を2.5mm以上として
してあるものである。
【0010】この液晶素子を図面によりさらに具体的に
説明すれば、第1図は、本発明の液晶素子の一例につい
ての平面図であり、第2図は、その封止部を含む拡大断
面図である。そして、これら図面に示すとおり、本発明
の液晶素子は、上側基板1と下側基板2とが、それらに
設けてある透明電極4,4’および電気絶縁層5,5’
を内側にして、中央部に液晶層3を挟持した積層体に形
成されている。さらに、上側基板1の両端縁部には、そ
れぞれ取出し電極8,8’が設けられ、下側基板2にも
それぞれ取出し電極9,9’が設けられ、これら取出し
電極8,8’,9,9’を除く、上下基板1,2により
液晶層3が挟持された面が表示領域7である。この表示
領域7の周縁と各取出し電極8,8’,9,9’の境界
線上に封止部6が設けられている。
【0011】ここで、この液晶素子の封止部6の断面形
状については、第2図に示すとおり、一対の基板と液晶
層との積層部の外側であって、下側基板2の取出し電極
8,8’の表面に露出させた取出し電極面から、液晶層
3の端面を経由して上側基板1の外側面にまたがる形態
で封止部6が形成されている。そして、この封止部6の
基板外側面の上に塗布して固着し盛り上った封止剤の該
基板外側面からの高さが0.18mm以内としてある。
この封止部の該基板外側面からの高さは、封止剤と基板
との接着性、封止剤の硬化後の機械的強度にもよるが、
より好ましくは、0.05〜0.15mmとしてあるも
のである。これは、最も一般的に用いられる偏光板の厚
みが0.18mmであり、この封止部6の該基板外側面
からの高さが0.18mmを超えると、この液晶素子に
偏光板を貼合せたとき、これら両者の接合部に局所的な
応力が加わり、液晶の配向が乱されることがあるからで
ある。また、この封止部6の基板外側面上への水平方向
への張出部分の幅、即ち第2図におけるL1 を、2mm
以内としてある。このL1 の値は基板1,2の寸法によ
り適正値が多少異なるが、好ましくは0.5〜2mmと
したものである。これは、該封止部6による液晶層3の
封止に要する機械的強度を維持しつつ、封止部6を設け
ることによる液晶表示のコントラストへの影響を最小限
にとどめて有効表示面積を最大にするためである。さら
に、該封止部6全体の幅、即ち第2図における〔L1
2 〕を2.5mm以上としてある。この〔L1
2 〕の値についても基板1,2の寸法により適正値が
多少異なるが、好ましくは2.5〜5mmとしたもので
ある。これは、該封止部6による上下基板1,2間の充
分な剥離強度を維持するためである。
【0012】つぎに、本発明の液晶素子の構成に用いる
前記基板としては、とくに制約はなく、一般に液晶表示
素子などに用いられているプラスチック基板が、生産性
や加工性などの点で好適に用いられる。このプラスチッ
ク基板材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂やポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹
脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロ
ピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂な
どが挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート樹
脂やポリエーテルスルホン樹脂が好ましい。
【0013】また、前記透明電極としては、導電性を有
する材料であればよいが、例えば、酸化インジウム、酸
化インジウムと酸化錫からなるITO膜などの透明導電
膜が好適に用いられる。つぎに、電気絶縁層について
は、一般に用いられている電気絶縁材料を用いることが
できる。例えば有機材料では、エポキシ樹脂、アクリル
樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素系熱硬化性樹脂、シリコ
ン系熱硬化性樹脂、シロキサン系熱硬化性樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリフッ化ビニ
リデン樹脂、シアノエチル化セルロースなどが挙げられ
る。また、アクリル系またはシリコン系などの紫外線硬
化型樹脂を用いてもよい。無機材料では、酸化珪素や酸
化チタン、酸化アルミニウム、酸化タンタルなどの金属
酸化物が挙げられる。
【0014】これら電気絶縁材料を用いて、電気絶縁層
を形成するには、有機材料では溶媒に溶解させた溶液を
塗工する方法を採用すればよい。この場合の溶液濃度
は、有機材料や溶媒の種類により異なるが、0.1〜2
0重量%、好ましくは1〜10重量%の範囲であり、2
5℃での粘度が1〜10センチポイズの範囲に調整して
あるものが好適に用いられる。この場合に用いる溶媒と
しては、例えばエポキシ系熱硬化性樹脂ではメチルエチ
ルケトンやメチルイソブチルケトンなどが好適であり、
ポリアミド樹脂ではメタノールやエタノールが好適に用
いられる。また、無機材料を用いる場合には、金属アル
コキシドなどを溶媒に溶解させて塗工した後、適当な温
度で焼成して形成する方法が好適である。このようにし
て形成する電気絶縁層の厚みは、対向する電極間の電気
抵抗や液晶層の配向性、光学的特性、使用材料の誘電率
や硬度に応じて、0.01〜1ミクロンの範囲から選定
するのが好ましい。
【0015】つぎに、液晶層の形成に用いる液晶材料と
しては、強誘電性液晶材料が好適に用いられる。このよ
うな強誘電性液晶材料は、カイラルスメクチックC相を
示す低分子液晶材料、高分子液晶材料またはこれらの混
合物が用いられる。混合物として用いる場合には、低分
子液晶材料と高分子液晶材料を1種のみ用いたものでも
よいし、これらを2種以上用いたものであってもよい。
また、液晶素子の応答速度の向上のために、強誘電性を
示さない低分子液晶を配合したものであってもよい。
【0016】強誘電性高分子液晶としては、例えば、ポ
リアクリレート主鎖、ポリメタクリレート主鎖、ポリク
ロロアクリレート主鎖、ポリオキシラン主鎖、ポリエス
テル主鎖、ポリシロキサン−オレフィン主鎖などの主鎖
と、液晶性側鎖からなる側鎖型強誘電性高分子液晶が好
適に用いられる。これら強誘電性高分子液晶は、通常、
その重量平均分子量が1000〜100万、好ましくは
1000〜10万であるものが好ましい。
【0017】この側鎖型強誘電性高分子液晶の具体例を
示すと、下記のような化学構造を有するものが挙げられ
る。ポリアクリレート主鎖系強誘電性高分子液晶として
は、下記の繰返し単位を有するものが挙げられる。
【0018】
【化1】
【0019】ポリメタクリレート主鎖系強誘電性高分子
液晶としては、下記の繰返し単位を有するものが挙げら
れる。
【0020】
【化2】
【0021】ポリクロロアクリレート主鎖系強誘電性高
分子液晶としては、下記の繰返し単位を有するものが挙
げられる。
【0022】
【化3】
【0023】ポリオキシラン主鎖系強誘電性高分子液晶
としては、下記の繰返し単位を有するものが挙げられ
る。
【0024】
【化4】
【0025】ポリシロキサン主鎖系強誘電性高分子液晶
としては、下記の繰返し単位を有するものが挙げられ
る。
【0026】
【化5】
【0027】ポリエステル主鎖系強誘電性高分子液晶と
しては、下記の繰返し単位を有するものが挙げられる。
【0028】
【化6】
【0029】ポリシロキサン−オレフィン主鎖系強誘電
性高分子液晶としては、下記の繰返し単位を有するもの
が挙げられる。
【0030】
【化7】
【0031】ここで、上記式中のx,yは、x:y=1
9:1〜7:3(モル比)である。そして、上記の強誘
電性高分子液晶の繰返し単位は、側鎖の骨格が、ビフェ
ニル骨格、フェニルベンゾエイト骨格、ビフェニルベン
ゾエイト骨格、フェニル4−フェニルベンゾエイト骨格
で置換されたものであってもよい。また、これら骨格中
のベンゼン環が、ピリミジン環、ピリジン環、ピリダジ
ン環、ピラジン環、テトラジン環、シクロヘキサン環、
ジオキサン環、ジオキサポリナン環で置換されたもので
もよく、フッ素、塩素などのハロゲン基またはシアノ基
で置換されたものであってもよく、また1−メチルアル
キル基、2−フルオロアルキル基、2−クロロアルキル
基、2−クロロ−3−メチルアルキル基、2−トリフル
オロメチルアルキル基、1−アルコキシカルボニルエチ
ル基、2−アルコキシ−1−メチルエチル基、2−アル
コキシプロピル基、2−クロロ−1−メチルアルキル
基、2−アルコキシカルボニル−1−トリフルオロメチ
ルプロピル基などの光学活性基で置換されたものであっ
てもよい。スペーサの長さは、メチレン鎖長がメチレン
基2〜30の範囲で変化してもよい。また、これら強誘
電性高分子液晶は、1種単独で用いてもよいし、2種以
上を混合して用いてもよい。
【0032】つぎに、強誘電性低分子液晶化合物として
は、シッフ塩基系強誘電性低分子液晶化合物、アゾおよ
びアゾキシ系強誘電性低分子液晶化合物、ビフェニルお
よびアロマティックスエステル系強誘電性低分子液晶化
合物、ハロゲン、シアノ基等の置換基を導入した強誘電
性低分子液晶化合物、複素環を有する強誘電性低分子液
晶化合物などが挙げられる。
【0033】シッフ塩基系強誘電性低分子液晶化合物と
しては、たとえば、下記に示す化合物が好適なものとし
て挙げられる。
【0034】
【化8】
【0035】また、アゾおよびアゾキシ系強誘電性低分
子液晶化合物としては、下記に示す化合物が好適なもの
として挙げられる。
【0036】
【化9】
【0037】ビフェニルおよびアロマティックスエステ
ル系強誘電性低分子液晶化合物としては、下記に示す化
合物が好適なものとして挙げられる。
【0038】
【化10】
【0039】ハロゲン、シアノ基等の置換基を導入した
強誘電性低分子液晶化合物としては、下記に示す化合物
が好適なものとして挙げられる。
【0040】
【化11】
【0041】さらに、複素環を有する強誘電性低分子液
晶化合物としては、下記に示す化合物が好適なものとし
て挙げられる。
【0042】
【化12】
【0043】これら強誘電性低分子液晶化合物について
も、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用
いてもよい。さらに、これら液晶物質には非液晶性高分
子物質を配合したものを用いることができる。この非液
晶性高分子物質としては、これと混合する液晶物質との
相溶性が小さく、両者が互いに相分離するものが好適に
用いられる。そして、この非液晶性高分子物質は、前記
電気絶縁層を構成する物質との間において、接着性を有
するものが好ましい。この接着性は、高いほどよいので
あるが、少なくとも4グラム重を超える接着強度を有す
るものが好適に用いられる。
【0044】つぎに、本発明の液晶素子の封止部を形成
する材料については、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂およ
び光硬化性樹脂から選択される接着剤が用いられる。こ
の熱可塑性樹脂の具体例を示すと、ポリ塩化ビニル、ポ
リ臭化ビニル、ポリフッ化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビ
ニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデ
ン共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビ
ニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アク
リロニトリル共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクリ
ロニトリル三元共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン
−酢酸ビニル三元共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
テトラフルオロエチレン、ポリフっ化ビニリデンなどの
ハロゲン化ビニルの重合体または共重合体;ポリビニル
アルコール、ポリアリルアルコール、ポリビニルエーテ
ルなどの不飽和アルコールもしくはエーテルの重合体ま
たは共重合体;アクリル酸もしくはメタクリル酸などの
不飽和カルボン酸の重合体または共重合体;ポリ酢酸な
どのポリビニルエステル、ポリフタル酸などのポリアリ
ルエステルなどのアルコール残基中に不飽和結合を持つ
ものの重合体または共重合体;ポリアクリル酸エステ
ル、ポリメタクリル酸エステル、マレイン酸エステルも
しくはフマル酸エステルの重合体などの酸残基または酸
残基とアルコール残基中に不飽和結合を持つものの重合
体または共重合体;アクリロニトリルもしくはメタアク
リロニトリルの重合体または共重合体、ポリシアン化ビ
ニリデン、マロノニトリルもしくはフマロニトリルの重
合体または共重合体などの不飽和ニトリルの重合体また
は共重合体;ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン、
ポリp−メチルスチレン、スチレン−α−メチルスチレ
ン共重合体、スチレン−p−メチルスチレン共重合体、
ポリビニルベンゼン、ポリハロゲン化スチレンなどの芳
香族ビニル化合物の重合体または共重合体;ポリカーボ
ネートなどのポリエステル縮合物;ナイロン6、ナイロ
ン6,6などのポリアミド縮合物;無水マレイン酸、無
水フマール酸およびそのイミド化物を含む重合体または
共重合体;ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポ
リイミド、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレン
サルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、
ポリアリレートなどの耐熱性有機高分子化合物が挙げら
れる。これらの中でも、ポリカーボネート、ポリスチレ
ン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ナイロン
などが好適に用いられる。
【0045】そして、これら熱可塑性樹脂の数平均分子
量は、樹脂の種類によって好適に値を異にするが、通
常、1500以上、好ましくは1500〜10万程度で
あるものが用いられる。数平均分子量が1500未満の
ものでは、そのガラス転移温度や融点が低く、機械的強
度の向上が充分には得られない。つぎに、熱硬化性また
は光硬化性の樹脂としては、エポキシ系接着剤、アクリ
ル系接着剤、不飽和ポリエステル系接着剤、ポリウレタ
ン系接着剤、ホットメルト型接着剤、エラストマー型接
着剤などが挙げられる。光硬化性樹脂としては、可視光
や紫外光、電子線などにより硬化するものが用いられ
る。
【0046】前記エポキシ系接着剤の具体例としては、
主剤としてビスフェノールA型のものが好ましい。この
ビスフェノールA型の接着剤の一例を示すと、下記の化
学構造を有するものが好適に用いられる。
【0047】
【化13】
【0048】上式で示される化合物において、R1 ,R
2 がともにメチル基、R1 がメチル基でR2 がエチル
基、R1 がメチル基でR2 がイソプロピル基、R1 がメ
チル基でR2 がイソブチル基、R1 がメチル基でR2
ヘプチル基、R1 がメチル基でR2 がノニル基、R1
2 がともにプロピル基、R1 ,R2 がともにブチリデ
ン基、R1 ,R2 がともにペンチリデン基、R1 ,R2
がともに2−メチルペンチリデン基、R1 ,R2 がとも
に3−メチルペンチリデン基であり、XとYとが水素原
子であるもの、またはR1 ,R2 がともにメチル基であ
り、XとYとがともにメチル基であるものが好適に用い
られる。
【0049】これらエポキシ系接着剤の硬化剤として
は、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ポリ
アミド樹脂、ジシアンジアミド、三フッ化ホウ素−アミ
ン錯体、トリエタノールアミンホウ酸エステル、ヘキサ
ヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、
ポリサルファイド、レゾールなどが使用できる。これら
エポキシ系接着剤においては、一液型であっても、二液
型であってもよい。
【0050】また、アクリル酸系接着剤では、アクリル
酸エステルに重合開始剤を混合したものや変性アクリル
酸エステルとプライマーを組合せたものが挙げられる。
そして、不飽和ポリエステル系接着剤では、マレイン酸
ユニットを含むポリエステルに、ビニルベンゼン、アク
リル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニルな
どと共に重合開始剤を混合したものが挙げられる。ここ
で用いる重合開始剤としては、2,2−ジメトキシ−
1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ
−シクロヘキシル−フェニルケトン、2−ヒドロキシ−
2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−
メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モ
ルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジ
メチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブ
タノン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−
フェニルフォスフィンオキサイドなどが好適なものとし
て挙げられる。
【0051】さらに、ポリウレタン系接着剤としては、
イソシアネート成分として、メチレンビス(p−フェニ
レンジイソシアネート)、トリレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、1−クロロフェニル
ジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネー
ト、チオジプロピルジイソシアネート、エチルベンゼン
−α−2−ジイソシアネート、4,4,4−トリフェニ
ルメタントリイソシアネートなどが挙げられる。また、
これら成分と反応する成分には、エチレングリコール、
プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テト
ラエチレングリコール、グリセロール、ヘキサントリオ
ール、キシリレンジオール、ラウリン酸モノグリセライ
ド、ステアリン酸モノグリセライド、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、ポリエステル、ポ
リアミドが挙げられる。
【0052】上記封止剤としては、これら熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂および光硬化性樹脂から選択すること
ができるが、その際、液晶素子の基板間の剥離強度およ
び該基板との濡れ性を考慮して選ぶのが望ましい。ま
た、これを基板に塗布した後の硬化処理に際して、熱に
よる液晶の配向への影響や硬化時間、乾燥時間などの作
業性なども考慮することが望ましい。これらの観点か
ら、上記各種の材料の中でも、光硬化性樹脂がとくに好
ましい材料である。
【0053】そして、この封止剤の粘度は、封止部の形
態、殊にその基板外側面からの高さや基板面の水平方向
への張出部分の幅および封止部全体の幅を考慮すると共
に、基板との濡れ性をも考慮して選択するのがよく、通
常、500〜10万センチポイズの範囲内としてあるも
のがよい。これは、この封止剤の粘度が500センチポ
イズ未満であるものを用いると、封止部の形態がその幅
に対する厚みが小さくなって、基板の剥離強度の低下を
招くようになるからである。また、この封止剤の粘度が
10万センチポイズを超えるものを用いると、封止部の
形態がその幅に対する厚みが大きくなり過ぎ、これに偏
光板を貼合せた場合、この封止部に局所的な応力を受
け、封止部に近接する部位の液晶配向を乱すおそれがあ
る。さらに、この封止剤の粘度が高すぎると、これを塗
布する際の作業性が低下するという不都合も生ずるので
好ましくない。
【0054】また、封止部の形態として、上記の各種接
着剤の硬化物に代えて、粘着剤の塗布されたテープや熱
融着テープを用いることができる。具体的には、ポリエ
ステル樹脂やポリイミド樹脂からなる基材に、アクリル
系などの粘着剤を塗布してなるテープが好ましい。これ
らテープの厚みは、上記接着剤の硬化物と同様の理由か
ら0.18mm以下であるものが用いられる。
【0055】つぎに、本発明の液晶素子を製造する方法
については、(a)プラスチック製長尺基板の透明電極
面側に液晶層を形成する工程、(b)該長尺基板の液晶
層形成面に対向基板をラミネートして定型サイズにカッ
ティングする工程、(c)得られた内側に透明電極を有
する一対の基板間に液晶を挟持した液晶層に、たわみ変
形を与えて液晶を配向させる工程、(d)ラミネートさ
れた対向基板および液晶層の端部を切除して片側基板端
部の透明電極面を露出させる工程、(e)露出した取出
電極面から他方の基板の外側面にまたがる封止部を形成
する工程からなる製造方法によることができる。
【0056】本発明の液晶素子の製造方法における
(a)工程において用いる透明電極付きプラスチック製
長尺基板は、前記基板材料から成形されたフィルムなど
の表面に透明電極材料をスパッタリング法などにより製
膜したものであり、さらにその透明電極面に前記電気絶
縁層を形成した基板が好適に用いられる。この電気絶縁
層の形成は、透明電極付き基板の透明電極面に、前記電
気絶縁材料を溶媒に溶解させた溶液を塗布し、溶媒を蒸
発させて、電気絶縁材料を乾燥硬化させることにより、
電気絶縁層を有する基板を得ることができる。
【0057】つぎに、この基板のうちの一枚の電気絶縁
層の面上に、強誘電性液晶と所望により非液晶性高分子
物質を溶媒に溶解させた溶液を塗布した後、溶媒を蒸発
させて、強誘電性液晶単独の液晶層または強誘電性液晶
と非液晶性高分子物質とが互いに相分離して混在する強
誘電性液晶層を形成する。上記の製造工程において、非
液晶性高分子物質が混在する強誘電性液晶層を形成する
に際して用いる溶媒としては、前記電気絶縁材料を溶解
させることなく、強誘電性液晶と非液晶性高分子物質を
共に溶解させることのできる溶媒を使用する必要があ
る。このような溶媒としては、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレ
ン、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラ
ン、酢酸エチルまたはこれらの混合物が好適である。
【0058】これら強誘電性液晶層の形成に用いる材料
は、前記溶媒に溶解して塗工液を調製し、これを用いて
製膜する。この場合の溶液の濃度は、5〜90重量%、
好ましくは10〜60重量%であり、製膜方法として
は、スピンコート法、ロールコート法、キスコート法、
バーコート法、ディップ法、スプレー法、刷毛塗り法、
電着法などによることができるが、連続塗工による場合
には、ロールコート法、キスコート法、バーコート法を
採用することができる。このようにして強誘電性液晶層
の塗膜を形成した後、塗膜から溶媒を蒸発させることに
より、強誘電性液晶層の形成された基板を得ることがで
きる。
【0059】つぎに、(b)工程においては、上記
(a)工程において得られたプラスチック長尺基板の液
晶膜形成面に対向基板をラミネートして定型サイズにカ
ッティングする。ここでのラミネートは、加圧ローラを
用いる方法などの一般的なラミネート法により行うこと
ができる。さらに、(c)工程においては、上記(b)
工程でラミネートして得られた内側に透明電極を有する
一対の基板間に液晶を挟持した液晶層に、たわみ変形を
与えて液晶を配向させる。この場合、この液晶層にたわ
み変形を与えると同時に、その透明電極間に電界を印加
するとより効果的に配向させることができる。
【0060】つぎに、(d)工程においては、ラミネー
トされた対向基板および液晶層ならびに電気絶縁層の端
部を切除して片側基板端部の透明電極面を露出させるこ
とにより、基板の端部に取出し電極を形成する。そし
て、最後の(e)工程においては、液晶層を挟持した積
層体の端部より外側に突出する一方の基板上の露出した
取出電極面から、他方の基板の外側面にまたがる封止部
を形成する。この封止部を形成するには、封止剤として
用いる接着剤を塗布した後、この接着剤を硬化させるこ
とにより行う。ここでの接着剤の塗布法については、特
に制約はなく、スクリーン印刷法や、ディスペンサー塗
布法などの方法によることができる。例えば、ディスペ
ンサー塗布法による場合には、封止部の所望の塗布幅と
厚みに応じた接着剤吐出部ニードルの形状を選定する
が、細幅で厚みのある封止部の形成には丸型1本タイプ
のニードルを用いるのが好ましく、広幅で厚みの小さい
封止部の形成には平型1本タイプや丸型2本タイプのニ
ードルを用いるのが好ましい。また、この場合の接着剤
の吐出圧力は、封止部の所望する形態と接着剤の粘度に
応じて設定するのが望ましく、例えば、粘度8,000
cPsの接着剤を用いて封止幅2mm、厚み0.15m
mの形態の封止部を形成する場合には、2kg/cm2
以上であることが好ましく、さらに作業効率の向上をは
かる場合にはさらに高い吐出圧力に設定して接着剤を塗
布すればよい。
【0061】このようにして塗布した接着剤の硬化は、
用いる接着剤の種類により硬化条件が異なるが、一般的
な硬化法によることができる。ここでの接着剤の硬化に
際しては、液晶の配向を乱すことのないように行うこと
が重要であり、封止部のみに対する局所的な硬化処理を
することのできる方法が好ましく、このような観点から
光硬化による方法が特に好適である。
【0062】
【実施例】つぎに、本発明を実施例により、さらに具体
的に説明する。 〔実施例1〕基板として、ポリエーテルスルホンのフィ
ルムに、インジウム錫酸化物(ITO)からなる透明電
極を形成した幅が300mm、長さが500mmのプラ
スチック基板〔住友ベークライト社製;FST〕を用い
た。この基板2枚に、それぞれその透明電極に、電気絶
縁層を形成した。電気絶縁材料としては、シアノエチル
化プルラン〔信越化学社製;CR−S〕を用い、その5
重量%濃度のメチルエチルケトンとアセトンの混合溶液
をグラビアコーターを用いて塗布し、140℃において
4分間乾燥処理した。ここで形成された電気絶縁層の厚
みは、光干渉法による測定において0.2μmであっ
た。
【0063】つぎに、電気絶縁層付きの基板のうち1枚
の電気絶縁層の表面に、液晶層を形成した。この液晶層
の形成のための材料には、液晶成分として、下記、
【0064】
【化14】
【0065】で表される化学構造を有する強誘電性高分
子液晶(a)と、下記、
【0066】
【化15】
【0067】で表される化学構造を有する低分子液晶
(b)および下記、
【0068】
【化16】
【0069】で表される化学構造を有する低分子液晶
(c)ならびに下記、
【0070】
【化17】
【0071】で表される化学構造を有する低分子液晶
(d)を用いた。そして、これら各成分の組成割合が、
重量比で(a):(b):(c):(d)=5:3:
1:1である強誘電性液晶組成物を用いた。さらに、こ
の液晶組成物に対して、非液晶性高分子物質として重量
平均分子量50,000のポリスチレンをその含有割合
が4重量%となる割合で用いた。
【0072】つぎに、これら液晶組成物と非液晶性高分
子物質を、共通の溶媒であるメチルエチルケトンに溶解
させた。このようにして調製した液晶材料の28重量%
濃度のメチルエチルケトン溶液を、グラビアコーターに
より、上記電気絶縁層の表面に塗布した。ついで、この
液晶材料の塗布面に、他の1枚の電気絶縁層付き基板
を、電気絶縁層が液晶層と接するように重ねて貼り合わ
せ積層した後、90℃に保持されているオーブンに入れ
て、−1℃/分間の降温速度で40℃まで徐冷した。
【0073】つぎに、この基板間に、40ボルトの直流
電圧を印加しながら、基板に曲げ変形を与えることによ
り、液晶の配向処理を行った。この液晶の膜厚を干渉法
により測定したところ、約2μmであった。その後、カ
ッターにより積層体の端部近傍に片側基板のみに切り込
みを入れ、片側基板と液晶層および電気絶縁層をそれら
の切断端面を揃えて切除し、透明電極面を露出させるこ
とにより、幅10mmの取出し電極を形成した。つい
で、この取出し電極の電極露出部と対向基板の境界部
に、封止剤として紫外線硬化型のアクリレート系接着剤
〔スリーボンド社製;3052C;粘度8,000cP
s〕を、ディスペンサー〔岩下エンジニアリング社製〕
を用いて塗布した。ディスペンサーの吐出部ニードルの
形状は、内寸0.1mm×0.96mmの開口部を有す
るものを用い、その走行速度を1.4cm/秒とし、吐
出圧を2kg/cm 2 とした。
【0074】つぎに、この接着剤の塗布面に、紫外線ラ
ンプにより照射強度3,500ミリジュール/cm2
おいて照射して、接着剤を硬化させ封止部を形成した。
このようにして、内側に透明電極を有する一対の基板間
に液晶を挟持した液晶素子における封止部を、基板と液
晶層の同一面上にある切断端面を被うとともに、一方の
基板の取出し電極面から他方の基板の外側面にまたがる
形状に形成した液晶素子を得た。そして、この液晶素子
における封止部の基板外側面からの高さは0.12mm
であり、またこの封止部の基板外側面への張出部分の幅
は1.2mm、この封止部全体の水平方向の幅は2.7
mmであった。
【0075】つぎに、ここで得られた液晶素子の上下基
板間の剥離強度の評価をした。この剥離強度の測定は、
第3図に示すように、長さL(cm)の封止部に対し
て、90°方向に、両基板を速度x(mm/分)で引張
るときに加わる力G(g)を測定した。この場合、引張
り始めは、G/xの比は一定であるが、ある限界を超え
て引張るとG/xの比が減少し始める。このG/xの比
が減少し始めるときのGをG0 として、G0 /L(g/
cm)を剥離強度と定義する。但し、この場合の引張速
度xは、70mm/分を超えない速度とする。これを超
える速度で引張力を加えると衝撃力が加わり、再現性に
乏しくなるからである。このようにして、上記で得られ
た液晶素子の上下基板間の剥離強度を測定した結果、5
00g/cmであった。
【0076】つぎに、上記で得られた液晶素子のコント
ラストの評価をした。このコントラストの評価は、液晶
素子の表裏面に、ニュートラル偏光板をクロスニコル配
置で貼合せ、上下基板間に矩形波を印加し、明状態と暗
状態を切替え、透過光量の比即ちコントラストを測定し
た。その結果、液晶素子の封止部近傍においても中央部
と同様に、100以上の良好なコントラストが得られ
た。
【0077】〔実施例2〕実施例1で用いた基板のポリ
エーテルスルホンのフィルムの外側面に、ブロッキング
防止のために、シリコーン系の離型剤を0.1μmの厚
みで被覆した。また、封止剤として、紫外線硬化型のア
クリレート系接着剤〔スリーボンド社製;3052D;
粘度43,000cPs〕を用い、ディスペンサーの走
行速度を1.9cm/秒、吐出圧を1.7kg/cm2
とした他は、実施例1と同様にして液晶素子を得た。こ
のようにして得られた液晶素子における封止部の基板外
側面からの高さは0.10mmであり、またこの封止部
の基板外側面への張出部分の幅は1.5mm、この封止
部全体の水平方向の幅は3.5mmであった。そして、
この液晶素子の上下基板間の剥離強度は400g/cm
であり、コントラストは封止部近傍まで100以上であ
った。
【0078】〔実施例3〕取出し電極の形成までの工程
を実施例1と同様に行った後、封止部の形成を粘着テー
プにより行った。封止部の形成に用いた粘着テープは、
厚さ0.1mmのポリイミドテープ〔日東電工社製;カ
プトンテープ;アクリル系粘着剤塗布〕を、幅3mmに
切断して用いた。この粘着テープを、取出し電極の電極
露出部と対向基板との境界部に、粘着剤塗布面が接する
ように貼り、その上からロールにより0.5kg/cm
2 Gの圧力を加えながら貼合せた。このようにして得ら
れた液晶素子における封止部の基板外側面からの高さは
0.10mmであり、またこの封止部の基板外側面への
張出部分の幅は1.6mm、この封止部全体の水平方向
の幅は3.0mmであった。そして、この液晶素子の上
下基板間の剥離強度は480g/cmであり、コントラ
ストは封止部近傍まで100以上であった。
【0079】〔比較例1〕実施例1と同様の基板を用い
て、実施例1と同様にして電気絶縁層の形成をした。つ
いで、一方の基板の周縁近傍の電気絶縁層の表面に、実
施例1と同じ紫外線硬化型のアクリレート系接着剤〔ス
リーボンド社製;3052C;粘度8,000cPs〕
を、ディスペンサーを用いて塗布した。つぎに、もう一
方の基板の電気絶縁層の表面全体に、実施例1と同じ液
晶層形成材料を塗布した。
【0080】そして、この液晶層形成材料の塗布面に、
接着剤の塗布面側が重なり合うように両基板を貼合せて
積層体とした後、接着剤の塗布面に、紫外線ランプによ
り照射強度5,000ミリジュール/cm2 において照
射して接着剤を硬化させることにより、両基板の間に挟
持された形態の封止部が形成された。その後、これを9
0℃に保持されたオーブンに入れて、−1℃/分の降温
速度で徐冷した。さらに、これら基板間に40ボルトの
直流電圧を印加しながら、基板に曲げ変形を与えること
により、液晶の配向処理を行った。
【0081】この結果、得られた液晶素子の積層体端部
の基板間に挟持された封止部の幅は、30mmまで拡が
っていた。そこで、カッターにより、この封止部が幅2
mmとなるように残して、さらに取出し電極の幅が10
mmとなるように、片側基板の周縁部とその直下の液晶
層および電気絶縁層を切り取った。このため、実施例に
較べて有効表示面積の小さい液晶素子となった。このよ
うにして得られた液晶素子は、その上下基板間の剥離強
度が110g/cmと低く、また、コントラストについ
ては、封止部の端部より5mm内側までの領域において
10以上の不良箇所が見られた。
【0082】〔比較例2〕比較例1と同様にして液晶素
子を作製した後、その封止部に、補強剤として紫外線硬
化型のアクリレート系接着剤〔スリーボンド社製;30
52C;粘度8,000cPs〕を用いて、その取出し
電極面からその対向基板の外側面にまたがる形態の補強
部を形成し、紫外線照射により硬化させた。この結果、
この補強部の一部がさきに上下基板の間隙に形成された
2mmの封止部の端部と合体した形態の封止部が形成さ
れた。得られた液晶素子の封止部の形状は、基板外側面
からの高さが0.12mm、基板外側面への張出部分の
幅が1.2mmであり、封止部全体の水平方向の幅は、
さきに上下基板の間隙に形成した2mmの封止部と合わ
せて、3.5mmであった。
【0083】このようにして得られた液晶素子は、その
上下基板間の剥離強度は補強部の形成によって550g
/cmに高められたが、コントラストは、封止部の端部
より5mm内側までの領域において10以上の不良箇所
が見られた。
【0084】
【発明の効果】本発明の液晶素子は、その封止部がほぼ
同一面上にある基板と液晶層の端面を被うように設けて
あるので液晶素子全体の液晶配向が良好になされ、封止
部近傍に至るまで均一なコントラストが得られるととも
に、封止部の形状が、基板同士の剥離強度が充分に高く
維持され、しかもこれに偏光板を貼合せたときにその接
合部に応力が集中することがないという優れた効果を奏
するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶素子の一例を示す平面図である。
但し、作図上、封止部6の幅は拡大して示してある。
【図2】本発明の液晶素子の封止部の拡大断面図であ
る。但し、作図上、透明電極層4,4’および電気絶縁
層5,5’の幅は拡大して示してある。
【図3】本発明において実施した剥離強度の測定時の状
態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 上基板 2 下基板 3 液晶層 4,4’透明電極層 5,5’電気絶縁層 6 封止部 7 表示部 8,8’上基板の取出し電極 9,9’下基板の取出し電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H089 JA01 KA02 LA46 MA04Y NA24 NA48 NA53 NA56 NA58 QA02 QA11 QA14 QA15 RA13 5C094 AA08 AA15 AA55 BA43 DA07 FB01 FB20 GB01 JA08 5G435 AA04 AA17 AA18 BB12 EE09 HH20 KK05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内側に透明電極を有する一対の基板間に
    液晶を挟持した液晶素子において、該液晶素子の封止部
    が、一方の基板の取出し電極面からほぼ同一面上にある
    他方の基板と液晶層の端面を被うとともに他方の基板の
    外側面にまたがる形態としてある液晶素子。
  2. 【請求項2】 封止部を、一方の基板の取出し電極面か
    らほぼ同一面上にある他方の基板と液晶層の端面を被う
    とともに他方の基板の外側面にまたがる形態に形成し、
    かつ封止部の基板外側面からの高さを0.18mm以内
    とし、該封止部の基板外側面上への張出部分の幅を2m
    m以内とすると共に、封止部全体の幅を2.5mm以上
    とした請求項1に記載の液晶素子。
  3. 【請求項3】 封止部を、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂
    および光硬化性樹脂から選択される接着剤の硬化物によ
    り形成してなる請求項1または2に記載の液晶素子。
  4. 【請求項4】 封止部を、粘着剤付テープを貼着して形
    成してなる請求項1または2に記載の液晶素子。
  5. 【請求項5】 (a)プラスチック製長尺基板の透明電
    極面側に液晶層を形成する工程、(b)該長尺基板の液
    晶層形成面に対向基板をラミネートして定型サイズにカ
    ッティングする工程、(c)得られた内側に透明電極を
    有する一対の基板間に挟持した液晶層に、たわみ変形を
    与えて液晶を配向させる工程、(d)ラミネートされた
    対向基板および液晶層の端部を切除して片側基板端部の
    透明電極面を露出させる工程、(e)露出した取出し電
    極面から他方の基板の外側面にまたがる封止部を形成す
    る工程からなる請求項1〜4のいずれかに記載の液晶素
    子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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