JP2001050434A - 冷媒輸送用ホース - Google Patents

冷媒輸送用ホース

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JP2001050434A
JP2001050434A JP11227264A JP22726499A JP2001050434A JP 2001050434 A JP2001050434 A JP 2001050434A JP 11227264 A JP11227264 A JP 11227264A JP 22726499 A JP22726499 A JP 22726499A JP 2001050434 A JP2001050434 A JP 2001050434A
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rubber
hose
refrigerant
inner tube
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Hiroaki Shibano
宏明 柴野
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エアコン等の冷媒等に対する耐冷媒透過性、振
動吸収性能および耐候性のいずれにも優れる冷媒輸送用
ホースの提供。 【解決手段】2層以上からなる内管、および該内管の外
側に設けられる補強層からなる冷媒輸送用ホースであっ
て、該内管が樹脂層または変性ブチルゴム層およびその
外側のいずれかの層としてゴム層を有し、該ゴム層がエ
チレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、クロロプレン
ゴム、ハロゲン化ブチルゴムおよび変性ブチルゴムから
なる群より選ばれる少なくとも1つを含有するゴム組成
物により構成されている冷媒輸送用ホース。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐冷媒透過性、振
動吸収性能および耐候性のいずれにも優れる冷媒輸送用
ホースに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のエアーコンディショナー用の冷
媒の輸送等に用いられる冷媒輸送用ホースは、地球温暖
化への対応から耐冷媒透過性(冷媒に対するバリヤー
性)を考慮する必要がある。そこで、ホース内管内層に
冷媒に対するバリヤー性に優れるポリアミド樹脂層、内
管外層にブチルゴム等のゴム層を形成し、その上に補強
層、外管を設けたホースが一般的に用いられている。一
方、自動車の居住快適性の要求は強く、ホースの振動吸
収性能の向上への要求は非常に大きいが、冷媒に対する
バリヤー性に優れるバリヤー樹脂は、高いヤング率を示
し、柔軟性に劣るものがあり、カーエアコン用冷媒輸送
用ホースとして用いると、圧縮機(コンプレッサー)等
から発生する振動や騒音を吸収する特性に乏しく、ホー
スの振動や騒音の伝達防止に寄与しない場合がある。そ
こで、従来から、振動吸収性能の向上のために、ホース
各層、特に外管の薄肉化が行われてきたが、補強層の保
護、外部からの水分透過の遮断等の機能の点で、既に限
界に達しているという現状がある。また、ホース各層、
特に外管を薄くするほど外管の寸法精度不良が発生しや
すく、押出加工性の点でも薄肉化は限界に達している。
【0003】一方、ホース内管に冷媒に対するバリヤー
性に優れる変性ブチルゴム層を形成し、その上に補強
層、外管を設けたホースが提案されている。しかし、振
動吸収性能は、未だ十分であるとはいえない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、エアコン等
の冷媒等に対する耐冷媒透過性、振動吸収性能および耐
候性のいずれにも優れる冷媒輸送用ホースを提供するこ
とを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、2層以上から
なる内管、および該内管の外側に設けられる補強層から
なる冷媒輸送用ホースであって、該内管が樹脂層および
その外側のいずれかの層としてゴム層を有し、該ゴム層
がエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、クロロプ
レンゴム、ハロゲン化ブチルゴムおよび変性ブチルゴム
からなる群より選ばれる少なくとも1つを含有するゴム
組成物により構成されている冷媒輸送用ホースを提供す
る。この場合、補強層はホースの最外層である。
【0006】前記樹脂層が、ポリアミド樹脂組成物によ
り構成されているのが好ましい。
【0007】また、本発明は、2層以上からなる内管、
および該内管の外側に設けられる補強層からなる冷媒輸
送用ホースであって、該内管が変性ブチルゴム層および
その外側のいずれかの層としてゴム層を有し、該ゴム層
がエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、クロロプ
レンゴム、ハロゲン化ブチルゴムおよび変性ブチルゴム
からなる群より選ばれる少なくとも1つを含有するゴム
組成物により構成されている冷媒輸送用ホースを提供す
る。この場合、補強層はホースの最外層である。
【0008】更に、本発明は、1層からなる内管、およ
び該内管の外側に設けられる補強層からなる冷媒輸送用
ホースであって、該内管が変性ブチルゴムを含有するゴ
ム組成物により構成されている冷媒輸送用ホースを提供
する。この場合、補強層はホースの最外層である。
【0009】前記各冷媒輸送用ホースは、前記補強層が
繊維補強層であるのが好ましい。
【0010】更に、本発明は、前記各冷媒輸送用ホース
の前記補強層の外側に、該補強層に一体化することなく
装着されている補強層保護層を有する冷媒輸送用ホース
を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明の第一の態様は、2層以上からなる内管、お
よび該内管の外側に設けられる補強層からなる冷媒輸送
用ホースであって、該内管が樹脂層およびその外側のい
ずれかの層としてゴム層を有し、該ゴム層がエチレン−
プロピレン−ジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム、ハ
ロゲン化ブチルゴムおよび変性ブチルゴムからなる群よ
り選ばれる少なくとも1つを含有するゴム組成物により
構成されている冷媒輸送用ホースである。また、本発明
の第二の態様は、2層以上からなる内管、および該内管
の外側に設けられる補強層からなる冷媒輸送用ホースで
あって、該内管が変性ブチルゴム層およびその外側のい
ずれかの層としてゴム層を有し、該ゴム層がエチレン−
プロピレン−ジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム、ハ
ロゲン化ブチルゴムおよび変性ブチルゴムからなる群よ
り選ばれる少なくとも1つを含有するゴム組成物により
構成されている冷媒輸送用ホースである。これらは、ホ
ースの耐冷媒透過性を担う層が、樹脂層であるか変性ブ
チルゴム層であるかという点で異なるが、他の構成につ
いては同じであるので、合わせて説明する。
【0012】本発明の第一の態様に用いられる樹脂層
は、耐冷媒透過性(冷媒に対するバリヤー性)に優れる
樹脂を含有する樹脂組成物で構成されていれば特に限定
されない。樹脂組成物は、樹脂および、必要がある場合
には添加剤を含有する組成物である。樹脂は、特に限定
されず、耐冷媒透過性に優れる樹脂を単独でまたは2種
以上の併用により用いることができる。例えば、ポリア
ミド樹脂、ポリオレフィン系のブレンド樹脂が挙げられ
る。中でも、ポリアミド樹脂であるのが好ましい。ポリ
アミド樹脂は、例えば、ナイロン46、ナイロン6、ナ
イロン66、ナイロン610、ナイロン611、ナイロ
ン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66
6、ナイロンMXD6、ナイロン6T、ナイロン6/6
6共重合体、ナイロン6/66/610共重合体、ナイ
ロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、
ナイロン66/PPS共重合体が挙げられる。中でも、
ナイロン6、ナイロン66、ナイロン666およびこれ
らの共重合体が好ましい。これらのポリアミド樹脂は、
単独で用いても、2種以上併用してもよく、更に他の樹
脂と併用してもよい。
【0013】添加剤は、例えば、加硫剤、充填剤、補強
剤、可塑剤、老化防止剤、加硫促進剤、軟化剤、粘着付
与剤、滑剤、分散剤、加工助剤が挙げられる。これらの
添加剤は、樹脂層に用いられる樹脂の種類に応じて適宜
選択することができる。
【0014】本発明の第二の態様に用いられる変性ブチ
ルゴム層は、変性ブチルゴムを含有する組成物(以下
「変性ブチルゴム組成物」ともいう。)で構成されてい
る。変性ブチルゴムは、例えば、イソモノオレフィンと
p−アルキルスチレンとの共重合ゴムのハロゲン化物
(以下「BIMS」ともいう。)と亜鉛華と臭素化アル
キルフェノール樹脂を含有するゴム組成物である。BI
MSは、p−アルキルスチレン(PMS)含有量と臭素
(Br)含有量が特定範囲にあり、p−アルキルスチレ
ン単位と臭素単位との重量比Br/PMSが特定範囲に
ある、炭素原子数4〜7のイソモノオレフィンとp−ア
ルキルスチレンとの共重合ゴムの臭素化物である。
【0015】即ち、BIMSは、p−アルキルスチレン
(PMS)含有量が5〜25重量%、臭素(Br)含有
量が1.5重量%以上であり、p−アルキルスチレン単
位と臭素単位との重量比が0.15≦Br/PMS≦
0.40である、炭素原子数4〜7のイソモノオレフィ
ンとp−アルキルスチレンとの共重合ゴムの臭素化物で
ある。ムーニー粘度(ML1+8、125℃)は30以
上である。
【0016】炭素原子数4〜7のイソモノオレフィン
は、例えば、イソブチレンが挙げられる。p−アルキル
スチレンは、例えば、p−メチルスチレン、p−エチル
スチレン等の炭素原子数1〜5のアルキル基をパラ位に
有するスチレンが挙げられる。BIMSにおけるp−ア
ルキルスチレンの含有量は、後述のp−アルキルスチレ
ンのアルキル基の臭素化物も含め、p−アルキルスチレ
ン骨格を有するもの全てについて、5〜25重量%、好
ましくは5〜10重量%である。5重量%以上である
と、耐冷媒透過性等に優れる。25重量%以下である
と、変性ブチルゴム組成物が低温で脆化することもな
く、耐寒性に優れる。
【0017】イソモノオレフィンとp−アルキルスチレ
ンとの共重合ゴムの臭素化物としては、含有されるp−
アルキルスチレンのパラ位の置換基が炭素原子数1〜5
のアルキル基であり、これらの第一および/または第二
アルキルの臭素化物から構成されていればいずれのもの
も使用できる。BIMSにおける臭素の含有量は、1.
5重量%以上、好ましくは1.5〜3重量%である。
1.5重量%以上であると、変性ブチルゴム層の耐冷媒
透過性が十分となる。
【0018】BIMSが、内管としての機能を十分に発
揮するためには、一定レベルの架橋密度(したがって一
定レベルのモジュラス)と、一定レベルの補強層との接
着力を維持することが重要である。そのためには、BI
MSが、p−アルキルスチレン(PMS)の含有量が2
〜25重量%で、臭素(Br)含有量が1.5重量%以
上であり、かつ、臭素単位とp−アルキルスチレン単位
との重量比が0.15≦Br/PMS≦0.40である
ことを要する。
【0019】0.15≦Br/PMS≦0.40である
と、変性ブチルゴム層とそれに接する層との接着強度が
大きくなり、架橋密度が適度となるため、冷媒や水分の
透過を抑制する効果が大きい。0.20≦Br/PMS
≦0.40であると、それらの抑制効果が一段と良好に
なる。
【0020】BIMSのムーニー粘度(ML1+8、1
25℃)が30以上であると加工特性および優れた機械
的強度が良好となるが、35〜70であるとより良好と
なる。BIMSは、例えば、下記の方法で製造される。
即ち、共重合反応器中で、ルイス酸触媒等の触媒および
希釈剤等の存在下、イソモノオレフィンとp−アルキル
スチレンとを混合して重合させ、共重合ゴムを得る。重
合法としては、スラリー重合法、溶液重合法、セメント
懸濁重合法等を挙げることができる。溶液重合法、セメ
ント懸濁重合法では、使用する触媒系、共重合ゴムの分
子量にもよるが、重合温度を−35〜−100℃とすれ
ばよい。総合的な滞留時間は、触媒の活性および濃度、
モノマー濃度、反応温度等によるが、一般的には約1分
〜5時間、好ましくは約10〜60分である。
【0021】臭素化は、イソモノオレフィンとp−アル
キルスチレンとの共重合ゴムに、ラジカルハロゲン化等
の公知の方法により実施される。臭素化に使用するラジ
カル開始剤としては、アゾビスイソブチルニトリル等が
挙げられる。BIMSには、市販品があり、例えば、エ
クソン化学社製のEXXPROシリーズが挙げられる。
具体的には、イソブチレンとp−メチルスチレンとの共
重合ゴムの臭素化物である同社製のXP−50−90−
10が挙げられる。
【0022】上記特定組成のBIMSに、特定の加硫系
を組み合わせることにより、変性イソブチルゴム組成物
のスコーチ性と耐圧縮永久歪性が共に改善される。結果
として、本発明の第二の態様の冷媒輸送用ホースの耐圧
縮永久歪性が良好となる。特定の加硫系は亜鉛華と臭素
化アルキルフェノール樹脂の組み合わせである。
【0023】亜鉛華(ZnO)の含有量は、BIMS1
00重量部に対し、0.1〜10重量部、好ましくは
0.5〜5重量部である。上記範囲であると、変性ブチ
ルゴム層の耐圧縮永久歪性および耐熱性に優れる。
【0024】臭素化アルキルフェノール樹脂は、フェノ
ールと臭素化アルキルフェノールのホルムアルデヒド等
による縮合物を骨格とする樹脂である。例えば、田岡化
学工業社製のタッキロール250−I等の市販品を使用
することができる。臭素化アルキルフェノール樹脂の含
有量は、BIMS100重量部に対し、1〜15重量
部、好ましくは2〜10重量部である。上記範囲である
と、変性ブチルゴム層の耐圧縮永久歪性および耐熱性に
優れる。
【0025】上記加硫系には、更に、他のゴム、加硫助
剤、加硫促進剤を加えてもよい。特に加硫助剤は、本発
明の必須成分である亜鉛華を活性化させるのに有効であ
り、使用することが好ましい。他のゴムとしては、ブチ
ル系ゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴムが例示され
る。
【0026】加硫助剤としては、例えば、アセチル酸、
プロピオン酸、ブタン酸、ステアリン酸、アクリル酸、
マレイン酸等の脂肪酸;アセチル酸亜鉛、プロピオン酸
亜鉛、ブタン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、アクリル酸亜
鉛、マレイン酸亜鉛等の脂肪酸亜鉛が挙げられる。加硫
促進剤としては、例えば、テトラメチルチウラムジスル
フィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィ
ド(TETD)等のチウラム系;ヘキサメチレンテトラ
ミン等のアルデヒド・アンモニア系;ジフェニルグアニ
ジン等のグアニジン系;ジベンゾチアジルジサルファイ
ド(DM)等のチアゾール系;シクロヘキシルベンゾチ
アジルスルフェンアマイド等のスルフェンアミド系のも
のが挙げられる。
【0027】変性ブチルゴム組成物には、上記必須成分
に加え、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の添
加剤を必要に応じて配合してもよい。その他の添加剤と
しては、例えば、カーボンブラック、クレー等の充填
剤、パラフィン系オイル等の軟化剤、可塑剤、加工助
剤、老化防止剤、顔料等が挙げられる。
【0028】変性ブチルゴム組成物の製造方法として
は、BIMSに、必要に応じてカーボンブラック、パラ
フィン系オイル等のその他の添加剤を加え、ロール、バ
ンバリーミキサー等により混合し、引き続いて、上記特
定量の亜鉛華およびアルキルフェノール樹脂、必要に応
じてその他の加硫助剤、加硫促進剤を加えて混合し、例
えば140〜250℃で約5〜200分間、加熱加硫す
る方法が例示される。
【0029】本発明の第一および第二の態様の冷媒輸送
用ホースにおいて、ゴム層は、樹脂層または変性ブチル
ゴム層の外側のいずれかの層として内管に設けられる。
ゴム層は、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、
クロロプレンゴム、ハロゲン化ブチルゴムおよび変性ブ
チルゴムからなる群より選ばれる少なくとも1つを含有
するゴム組成物により構成される。
【0030】エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム
(EPDM)は、エチレン、プロピレンおよびジエンか
らなる共重合ゴムである。市販品としては、三井化学社
製の三井EPT 4070を例示することができる。プ
ロピレン含有量は、10〜70mol%であるのが好ま
しく、15〜50mol%であるのがより好ましい。ジ
エン成分は、例えば、エチリデンノルボルネン、ジシク
ロペンタジエン、1,4−ヘキサジエンが挙げられる。
中でも、架橋速度の速いエチリデンノルボルネンが好ま
しい。ジエン成分の量は、ヨウ素価で3〜25であるの
が好ましく、5〜20であるのがより好ましい。クロロ
プレンゴム(CR)は、特に限定されず、硫黄変性タイ
プおよび非硫黄変性タイプのいずれも用いることができ
る。ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)は、例えば、
塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、臭素化ブチルゴム
(Br−IIR)が挙げられる。中でも、平均分子量3
5万〜45万程度、塩素化率1.1〜1.3%程度の塩
素化ブチルゴムが好ましい。変性ブチルゴムは、上述し
た本発明の第二の態様の冷媒輸送用ホースの変性ブチル
ゴム層に用いられるものと同様のものを用いることがで
きる。なお、これらのゴムは、複数をブレンドして使用
してもよい。
【0031】本発明の第一の態様の冷媒輸送用ホースに
おいては、内管が前記樹脂層およびその外側のいずれか
の層として前記ゴム層を有していればよく、本発明の第
二の態様の冷媒輸送用ホースにおいては、内管が前記変
性ブチルゴム層およびその外側のいずれかの層として前
記ゴム層を有していればよい。即ち、これらにおいて
は、内管の一部の層に、ホースの柔軟性、振動吸収性能
を損なわない範囲で、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラスト
マー等またはそれらの組成物を使用してもよい。ホース
が柔軟であると、振動吸収性能が優れる他、取付け作業
性等に優れるという利点もある。本発明の第一の態様の
冷媒輸送用ホースの内管は、例えば、内側から前記樹脂
層/前記ゴム層の2層構造にしたり、内側から任意のゴ
ム層/前記樹脂層/前記ゴム層の3層構造にしたり、任
意の樹脂層/前記樹脂層/前記ゴム層の3層構造にした
り、前記樹脂層/任意の樹脂・ゴム層/前記ゴム層の3
層構造にしたりすることができる。同様に、本発明の第
二の態様の冷媒輸送用ホースの内管は、例えば、内側か
ら前記変性ブチルゴム層/前記ゴム層の2層構造にした
り、内側から任意のゴム層/前記変性ブチルゴム層/前
記ゴム層の3層構造にしたり、任意の樹脂層/前記変性
ブチルゴム層/前記ゴム層の3層構造にしたり、前記変
性ブチルゴム層/任意の樹脂・ゴム層/前記ゴム層の3
層構造にしたりすることができる。また、いずれも内管
を4層以上にしてもよい。中でも、前記樹脂層または前
記変性ブチルゴム層が、内管の最内層である構造が好ま
しい。また、前記ゴム層が、内管の最外層である構造が
好ましい。
【0032】本発明の第一および第二の態様の冷媒輸送
用ホースに用いられる補強層は、補強糸(補強用繊維)
や補強鋼線で形成されるブレード状、スパイラル状、補
強糸で形成されるネット状、さらにはフィルム状の構造
が例示される。補強糸としては、例えば、アラミド繊
維、ナイロン、レーヨン、ビニロン、ポリエステルの糸
が挙げられる。また、補強糸が外部に露出することによ
り、老化、加水分解等の環境影響を受ける材質について
は、補強糸上にDIPやセメント塗布等の手段により、
老化防止剤、撥水材等の付与を行う。補強鋼線として
は、例えば、防錆および接着性付与のためにブラスメッ
キまたは亜鉛メッキされた鋼線が挙げられる。特に、振
動吸収性能に優れるので、補強層が繊維補強層であるの
が好ましい。即ち、補強層が補強糸により形成されてい
るのが好ましい。
【0033】本発明の第一および第二の態様の冷媒輸送
用ホースの内径および外径ならびに長さは特に限定され
ない。内管の厚さは、0.5〜3.0mmであるのが好
ましい。上記範囲であると、耐冷媒透過性、柔軟性が十
分となる。本発明の第一の態様において、樹脂層の厚さ
は、0.05〜0.2mmであるのが好ましい。本発明
の第二の態様において、変性ブチルゴム層の厚さは、
0.5〜3.0mmであるのが好ましい。上記範囲であ
ると、耐冷媒透過性が十分となる。ゴム層の厚さは、
0.5〜2.0mmであるのが好ましい。上記範囲であ
ると、耐候性が十分となる。補強層の厚さは、特に限定
されないが、0.5〜3.0mmであるのが好ましい。
【0034】本発明の第三の態様は、1層からなる内
管、および該内管の外側に設けられる補強層からなる冷
媒輸送用ホースであって、該内管が変性ブチルゴムを含
有するゴム組成物により構成されている冷媒輸送用ホー
スである。変性ブチルゴムを含有する組成物は、本発明
の第二の態様の変性ブチルゴム層に用いられるものと同
様である。補強層は、本発明の第一および第二の態様の
冷媒輸送用ホースに用いられるものと同様である。
【0035】本発明の第三の態様の冷媒輸送用ホースの
内径および外径ならびに長さは特に限定されない。内管
の厚さは、0.5〜3.0mmであるのが好ましい。上
記範囲であると、耐冷媒透過性、柔軟性、耐候性が十分
となる。補強層の厚さは、特に限定されないが、0.5
〜3.0mmであるのが好ましい。
【0036】本発明の第一ないし第三の態様の冷媒輸送
用ホースの製造方法は、特に限定されず、従来のホース
の製造方法を用いることができる。本発明の第一の態様
の冷媒輸送用ホースは、例えば、以下のようにして得ら
れる。まず、樹脂組成物を予め離型剤を塗布したマンド
レル上に押出機より押出し、樹脂層を形成する。次に、
樹脂層上に必要に応じて接着剤を塗布し、押出機により
特定のゴムを含有するゴム組成物を押出し、ゴム層を形
成する。更に樹脂層およびゴム層からなる内管上に、編
組機を使用して補強糸または補強鋼線を編組する。その
後加圧して加硫を行う。最後にマンドレルを引き抜き、
本発明の第一の態様の冷媒輸送用ホースを得ることがで
きる。用いられる接着剤としては、例えば、イソシアネ
ート系、ウレタン系、フェノール樹脂系、レゾルシン
系、塩化ゴム系の接着剤が挙げられる。本発明の第二の
態様の冷媒輸送用ホースは、例えば、第一の態様の冷媒
輸送用ホースの製造方法において、樹脂組成物の代わり
に未加硫の変性ブチルゴム組成物を用いることにより得
ることができる。本発明の第三の態様の冷媒輸送用ホー
スは、例えば、第二の態様の冷媒輸送用ホースの製造方
法において、内管外層ゴム層の形成を省略することによ
り得ることができる。
【0037】本発明の第一の態様の冷媒輸送用ホース
は、内管が樹脂層を有するので、本発明の第二の態様の
冷媒輸送用ホースは、内管が変性ブチルゴム層を有する
ので、また、本発明の第三の態様の冷媒輸送用ホース
は、内管が変性ブチルゴム組成物により構成されている
ので、いずれも耐冷媒透過性に優れる。また、本発明の
第一および第二の態様の冷媒輸送用ホースは、内管が特
定のゴム組成物により構成されているゴム層を有するの
で(好ましくは、内管の最外層が特定のゴム組成物によ
り構成されているゴム層からなるので)、また、本発明
の第三の態様の冷媒輸送用ホースは、内管が変性ブチル
ゴム組成物により構成されているので、いずれも耐候性
に優れる。
【0038】更に、本発明の第一ないし第三の態様の冷
媒輸送用ホースは、いずれも内管および該内管の外側に
設けられる補強層からなる。即ち、補強層が最外層であ
り、外管を有しない。従来のホースは、外管を必須とし
ており、外管によりホースの柔軟性が失われており、ホ
ースのばね定数が大きく、振動吸収性能に劣るものであ
った。これに対し、本発明の第一ないし第三の態様の冷
媒輸送用ホースは、外管を有しないため柔軟性に優れ
る。即ち、本発明の第一ないし第三の態様の冷媒輸送用
ホースは、ばね定数が小さいので、振動吸収性能に優れ
るのである。従って、本発明の第一ないし第三の態様の
冷媒輸送用ホースにより、耐冷媒透過性、振動吸収性能
および耐候性のいずれにも優れる冷媒輸送用ホースが実
現される。
【0039】本発明の第四の態様は、本発明の第一ない
し第三の態様のいずれかの冷媒輸送用ホースの補強層の
外側に、該補強層に一体化することなく装着されている
補強層保護層を有する冷媒輸送用ホースである。本発明
の第四の態様においては、補強層保護層が接着剤等によ
り補強層に接着していたり、補強層保護層と補強層が融
着していたりせず、補強層保護層が補強層に一体化する
ことなく装着されているので、ホースに曲げ力や振動が
加わったときに、補強層保護層と補強層との間でずれを
生じ得る。ずれが生じるため、ホースのばね定数が大き
くなることもなく、本発明の第四の態様の冷媒輸送用ホ
ースは、振動吸収性能に優れる。
【0040】補強層保護層は、補強層を摩耗等から保護
することができる。例えば、補強層が繊維補強層である
場合には、補強糸の切断等を防止することができる。ま
た、補強層保護層が設けられることにより、ホースの単
位長さ当たりの質量が増加するため、振動吸収性能が大
幅に向上する。本発明の第四の態様においては、補強層
保護層は補強層の外側に補強層と一体化することなく設
けられるため、補強層保護層を有しない場合(本発明の
第一ないし第三の態様の冷媒輸送用ホース)と同様の柔
軟性を有する。即ち、補強層の外側に補強層と一体的に
外管を設ける場合のように、柔軟性が失われ、ばね定数
が大きくなり、結果的に振動吸収性能を低下させるとい
うようなことは、本発明の第四の態様においては起こら
ない。
【0041】補強層保護層は、上記目的を達成すること
ができるものであれば、その材質、構造、厚さ等を特に
限定されず、一般に用いられているゴム組成物、樹脂、
金属ワイヤ等を使用できる。ゴム組成物の原料ゴムとし
ては、例えば、ハロゲン化ブチルゴム等のブチル系ゴ
ム;エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロ
ピレン−ジエン共重合ゴム等のエチレン−プロピレン系
共重合ゴム;クロロプレンゴム;スチレン−ブタジエン
共重合ゴム、水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重
合ゴム(HNBR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴ
ム(CSM)が挙げられる。ゴム組成物には、原料ゴム
の他に加硫剤、充填剤、補強剤、可塑剤、老化防止剤、
加硫促進剤、軟化剤、粘着付与剤、滑剤、分散剤、加工
助剤等が適宜配合されていてもよい。樹脂としては、例
えば、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、ポリアセタール樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン等が挙げられる。また、ホース
の柔軟性を確保し、振動吸収性能を損なわない範囲にお
いて、重量増加による振動吸収性能の向上や強度向上の
ため、金属や繊維を含有することもできる。補強層保護
層は、例えば、ソリッド状、スポンジ状とすることがで
きる。また、補強層保護層は、例えば、筒状であって、
本発明の第一ないし第三の態様のいずれかの冷媒輸送用
ホースを挿入して用いるタイプ、スパイラル状、スプリ
ング状であって、本発明の第一ないし第三の態様のいず
れかの冷媒輸送用ホースに巻き付けて用いるタイプとす
ることができる。
【0042】本発明の第四の態様の冷媒輸送用ホースの
内径および外径ならびに長さは特に限定されない。内
管、樹脂層、変性ブチルゴム層、ゴム層および補強層の
それぞれの厚さは、本発明の第一ないし第三の態様の冷
媒輸送用ホースと同様である。補強層保護層の厚さは、
1〜20mmであるのが好ましい。補強層保護層の重量
は、特に限定されないが、10g/m以上であるのが好
ましい。上記範囲であると、振動吸収性能が特に優れ
る。また、振動吸収性能およびコストの点で、50〜2
00g/mであるのがより好ましい。
【0043】本発明の第四の態様の冷媒輸送用ホースの
製造方法は、特に限定されないが、例えば、上述した本
発明の第一ないし第三の態様のいずれかの冷媒輸送用ホ
ースの製造方法において、マンドレルを引き抜く前また
は引き抜いた後に、補強層の上に接着剤等により一体化
することなく、予め形成した補強層保護層を装着するこ
とにより、本発明の第四の態様の冷媒輸送用ホースを得
ることができる。補強層保護層の装着方法は、特に限定
されないが、例えば、筒状に形成された補強層保護層を
ホース端部から挿入する方法、シート状になった補強層
保護層をホースに巻き付ける方法が挙げられる。また、
補強層保護層を構成する樹脂および/またはゴム組成物
を本発明の第一ないし第三の態様のいずれかの冷媒輸送
用ホースの補強層の上に押出機より押し出すことによ
り、補強層保護層の製造と装着を同時に行ってもよい。
【0044】本発明の第四の態様の冷媒輸送用ホース
は、耐冷媒透過性、振動吸収性能および耐候性のいずれ
にも優れる冷媒輸送用ホース(本発明の第一ないし第三
の態様のいずれかの冷媒輸送用ホース)の補強層の外側
に、該補強層に一体化することなく補強層保護層が装着
されているので、耐冷媒透過性および耐候性に優れ、か
つ、振動吸収性能が大幅に向上している。また、補強層
保護層は、補強層を摩耗等から保護するので、耐久性に
優れるという利点もある。
【0045】本発明の第一ないし第四の態様の冷媒輸送
用ホースは、耐冷媒透過性、振動吸収性能および耐候性
のいずれにも優れるため、カーエアコン用冷媒輸送用ホ
ース等に好適に用いられる。
【0046】
【実施例】以下に、実施例を示して本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらに限られるものではない。 1.樹脂組成物・変性ブチルゴム組成物・ブチルゴム組
成物・ハロゲン化ブチルゴム組成物の調製 以下に示される原料をそれぞれ第1表に示される量用い
て、第1表に示される各組成物を得た。 (1)樹脂組成物 ナイロン6(N6):CM1041、東レ社製 ナイロン11(N11):リルサンBESN O T
L、アトケム社製 ポリオレフィン(無水マレイン酸付加エチレン・プロ
ピレン共重合体):タフマMP−0610、三井石油化
学工業社製
【0047】(2)変性ブチルゴム組成物 変性ブチルゴム(イソブチレンとp−メチルスチレン
との共重合ゴムの臭素化物):XP−50−90−1
0、エクソン化学社製 添加剤 カーボンブラック(HAF級):シースト3、東海カー
ボン社製 タルク:ミストロンベーパー、日本ミストロン社製 パラフィン系オイル:マシン油22、昭和シェル石油社
製 亜鉛華(酸化亜鉛):亜鉛華3号、正同化学工業社製 ステアリン酸:ビーズステアリン酸、日本油脂社製 ステアリン酸亜鉛:正同化学工業社製
【0048】(3)ブチルゴム組成物 ブチルゴム:EXXON BUTYL268、EXX
ON化学社製 添加剤 カーボンブラック(SRF級) 亜鉛華(酸化亜鉛) 老化防止剤RD:アンチゲンRD−GS、住友化学社製 ステアリン酸 パラフィン系オイル 臭素化アルキルフェノール樹脂:タッキロール250−
【0049】(4)ハロゲン化ブチルゴム組成物 ハロゲン化ブチルゴム(塩素化ブチルゴム(Cl−I
IR)):クロロブチル1066、エッソ化学社製 添加剤 カーボンブラック:旭#50、旭カーボン社製 ステアリン酸 老化防止剤:アンテージOD、川口化学社製 老化防止剤RD:アンチゲンRD−GS、住友化学社製 パラフィン系オイル:マシン油22 マグネシア 亜鉛華(酸化亜鉛) 促進剤TS:サンセラーMSPO、三新化学工業社製
【0050】
【表1】
【0051】2.冷媒輸送用ホースの製造 (実施例1)上記で得られた樹脂組成物を、ゴム用クロ
スヘッドダイ型の押出機で、直径15mmのマンドレル
の外周に押出し、厚さ0.15mmの内管内層を形成し
た。内管内層の上に、ゴム用クロスヘッドダイ型の押出
機を用いて、上記で得られた変性ブチルゴム組成物を押
出し、厚さ1.7mmの内管外層を形成した。内管の外
側に、ポリエステル繊維からなる補強材を編み組して、
補強層を形成した。加硫後、マンドレルを抜取り、本発
明の冷媒輸送用ホースを得た。
【0052】(実施例2)実施例1で得られた冷媒輸送
用ホースを中空円筒状の補強層保護層(発泡EPDM組
成物、重量100g/m、厚さ2.5mm)にホース端
部から挿入することにより装着して、本発明の冷媒輸送
用ホースを得た。
【0053】(実施例3)上記で得られた変性ブチルゴ
ム組成物を、ゴム用クロスヘッドダイ型の押出機で、直
径15mmのマンドレルの外周に押出し、厚さ2.2m
mの内管を形成した。内管の外側に、ポリエステル繊維
からなる補強材を編み組して、補強層を形成した。加硫
後、マンドレルを抜取り、本発明の冷媒輸送用ホースを
得た。
【0054】(実施例4)実施例1で得られた冷媒輸送
用ホースの代わりに実施例3で得られた冷媒輸送用ホー
スを用いた以外は、実施例2と同様の方法により、本発
明の冷媒輸送用ホースを得た。
【0055】(比較例1)上記で得られた樹脂組成物
を、ゴム用クロスヘッドダイ型の押出機で、直径15m
mのマンドレルの外周に押出し、厚さ0.15mmの内
管内層を形成した。ゴム用クロスヘッドダイ型の押出機
を用いて、内管内層の上に、上記で得られたブチルゴム
組成物を押出し、厚さ1.7mmの内管外層を形成し
た。内管の外側に、ポリエステル繊維からなる補強材を
編み組して、補強層を形成した。更に、ゴム用クロスヘ
ッド押出機によって、補強層の上に、上記で得られた塩
素化ブチルゴム(Cl−IIR)組成物を押し出し、厚
さ1.2mmの外管を形成した。その後、マンドレルを
抜取り、冷媒輸送用ホースを得た。
【0056】(比較例2)実施例3で得られた冷媒輸送
用ホースの補強層の上に、上記で得られた塩素化ブチル
ゴム(Cl−IIR)組成物を押し出し、厚さ1.2m
mの外管を形成した。その後、マンドレルを抜取り、冷
媒輸送用ホースを得た。
【0057】3.冷媒輸送用ホースの評価 得られた各冷媒輸送用ホースについて、柔軟性、振動吸
収性能、耐オゾン性および耐冷媒透過性の評価を行っ
た。
【0058】(1)柔軟性試験 所定の半径を有する円弧に沿ってホースを曲げ、曲げ力
を測定した。曲げ半径は、ホース外径の10倍(10
D)から測定し始め、3倍まで順次曲げ力を測定した
(n=2)。この結果得られた曲げ力と曲げ半径との関
係をプロットした曲線より、規定の半径(4倍)の時の
数値を読み取る方法を採った。値が小さいほど柔軟性に
優れる。
【0059】(2)振動吸収性能試験 露出長245mmとなるように切断したホースの両端に
アルミ金具を装着した。ホースの一方の端の金具を振動
試験機の加振台に固定し、他方の端を固定台に固定し
た。アルミ金具の両端の上には、加速度ゲージを取り付
けた。予め、キャリブレーションを行い、金具および台
の共振が起こらないように調整した。ホース内部に、内
圧0.5MPaとなるように気体を封入した後、加振台
を入力加速度40m/s2 、周波数15〜1000Hz
の範囲で振動させ、このときの固定台側の金具の加速度
(出力加速度)を測定した。振動伝達減衰(出力/入
力)の値が小さいほど振動吸収性能に優れる。
【0060】(3)耐オゾン性試験 JIS K6330のオゾン劣化試験A法に準じ、ホー
スをホース外径の6倍の外径の円筒に巻き付け、オゾン
濃度100pphm、温度50℃の条件下に暴露し、1
68時間後の亀裂の有無をチェックした。
【0061】(4)耐冷媒透過性試験 長さ45cmのホース4本のうち、3本に冷媒(HFC
134a)をホースの容積1cm3 当たり0.6g±
0.1g封入し、他の1本は空のまま密栓した。これら
4本を、80℃の恒温槽に96時間保持し、24時間毎
に重量を測定した。このとき冷媒を封入したホースの9
6時間後の内圧は、試験温度における飽和蒸気圧に保持
されていることを確認した。冷媒透過量は、24時間以
降96時間までのホースの自重変化分を除く重量損失分
として、下記式により算出した。 D=[(B/S1)−(C/S2)]×100 式中、Dは冷媒透過量[g/(m・72hr)]、Bは
冷媒封入ホースの損失重量[g/72hr]、Cは冷媒
未封入ホースの損失重量[g/72hr]、S1は冷媒
封入ホースの長さ[m]、S2は冷媒未封入ホースの長
さ[m]を示す。冷媒透過量は4g/(m・72hr)
未満であるのが好ましい。
【0062】結果を第2表に示す。本発明の第一の態様
の冷媒輸送用ホース(実施例1)は、外管を有する従来
品(比較例1)と比べて、柔軟性および振動吸収性能に
優れることが分かる。また、本発明の第一の態様の冷媒
輸送用ホースの補強層の外側に、該補強層に一体化する
ことなく装着されている補強層保護層を有する本発明の
第四の態様の冷媒輸送用ホース(実施例2)は、更に振
動吸収性能に優れることが分かる。更に、これらの耐オ
ゾン性および耐冷媒透過性は、従来品と同様に良好であ
ることが分かる。また、示してはいないが、これらの耐
水分透過性は、従来品と同程度であった。
【0063】本発明の第三の態様の冷媒輸送用ホース
(実施例3)は、外管を有する従来品(比較例2)と比
べて、柔軟性および振動吸収性能に優れることが分か
る。また、本発明の第三の態様の冷媒輸送用ホースの補
強層の外側に、該補強層に一体化することなく装着され
ている補強層保護層を有する本発明の第四の態様の冷媒
輸送用ホース(実施例4)は、更に振動吸収性能に優れ
ることが分かる。更に、これらの耐オゾン性および耐冷
媒透過性は、従来品と同様に良好であることが分かる。
また、示してはいないが、これらの耐水分透過性は、従
来品と同程度であった。
【0064】
【表2】
【0065】
【発明の効果】本発明の冷媒輸送用ホースは、耐冷媒透
過性、柔軟性、振動吸収性能および耐候性に優れるの
で、種々の冷媒輸送用ホースに好適に用いられ、特にカ
ーエアコン用冷媒輸送用ホースとして好適に用いられ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H111 AA02 BA13 BA15 CB04 CC13 DB09 EA04 EA17 4F100 AA37H AK01A AK09A AK09B AK09J AK09K AK11 AK11J AK28A AK28B AK28J AK28K AK41 AK46A AK48 AK64 AK75B AL01A AL01B AL05B AL06A AL06B AL07 AN02A AN02B BA02 BA03 BA07 CA23 DA11 DD31 DG06C DG12 DH02C GB32 JD02 JH02 JK13 JL09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2層以上からなる内管、および該内管の外
    側に設けられる補強層からなる冷媒輸送用ホースであっ
    て、該内管が樹脂層およびその外側のいずれかの層とし
    てゴム層を有し、該ゴム層がエチレン−プロピレン−ジ
    エン共重合ゴム、クロロプレンゴム、ハロゲン化ブチル
    ゴムおよび変性ブチルゴムからなる群より選ばれる少な
    くとも1つを含有するゴム組成物により構成されている
    冷媒輸送用ホース。
  2. 【請求項2】前記樹脂層が、ポリアミド樹脂組成物によ
    り構成されている請求項1に記載の冷媒輸送用ホース。
  3. 【請求項3】2層以上からなる内管、および該内管の外
    側に設けられる補強層からなる冷媒輸送用ホースであっ
    て、該内管が変性ブチルゴム層およびその外側のいずれ
    かの層としてゴム層を有し、該ゴム層がエチレン−プロ
    ピレン−ジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム、ハロゲ
    ン化ブチルゴムおよび変性ブチルゴムからなる群より選
    ばれる少なくとも1つを含有するゴム組成物により構成
    されている冷媒輸送用ホース。
  4. 【請求項4】1層からなる内管、および該内管の外側に
    設けられる補強層からなる冷媒輸送用ホースであって、
    該内管が変性ブチルゴムを含有するゴム組成物により構
    成されている冷媒輸送用ホース。
  5. 【請求項5】前記補強層が繊維補強層である請求項1〜
    4のいずれかに記載の冷媒輸送用ホース。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の冷媒輸送
    用ホースの前記補強層の外側に、該補強層に一体化する
    ことなく装着されている補強層保護層を有する冷媒輸送
    用ホース。
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