JP2001049678A - 擁壁補強型スラブ構造物及びその構築方法 - Google Patents

擁壁補強型スラブ構造物及びその構築方法

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JP2001049678A
JP2001049678A JP11224548A JP22454899A JP2001049678A JP 2001049678 A JP2001049678 A JP 2001049678A JP 11224548 A JP11224548 A JP 11224548A JP 22454899 A JP22454899 A JP 22454899A JP 2001049678 A JP2001049678 A JP 2001049678A
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Noriyoshi Otsu
則義 大津
Tetsuya Matsunaga
哲也 松永
Yoji Nakanishi
洋司 中西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 石垣に加わる荷重を分散して支持することが
できる擁壁補強型スラブ構造物及びその構築方法を提供
する。 【解決手段】 擁壁補強型スラブ構造物10は、鉄筋コ
ンクリートを主体とし、傾斜した擁壁11の外方に地盤
12を拡大するための構造物であって、擁壁11の下部
に設けられた基礎部13と、擁壁11に沿って上下方向
に配置されて、基礎部13に下端が連結され、しかも擁
壁11にはアンカー材15によって固定された複数の支
持部16と、擁壁11の上端部に連結され、擁壁11の
外方に伸びる板状部17と、支持部16に一方が固着さ
れて、他方は板状部17を下から支持する複数のブラケ
ット部18とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、傾斜した擁壁を補
強するスラブ(板状部)構造物及びその構築方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、住宅を構築するとき、地盤が傾
斜している場合がある。この場合には、その土地の周囲
を石垣等の擁壁で囲って地盤を平らに形成することが行
われていた。周囲を石垣で囲うことによって、地表の傾
斜をなくして地盤を平らにできると共に、土砂が流出す
るのを防止することができた。石垣を形成する場合、鉛
直方向に形成すると、地震や大雨等の災害時に石垣が傾
いてひび割れ、崩落する場合があるため、例えば、3m
以下の高さでは3分、3mを超えて4m以下の高さでは
4分、というような一定の傾斜の基準に沿って構築され
ていた。このため、石垣を高く形成するほど、石垣の上
端部で囲まれた地盤の面積が、石垣の下端部で囲まれた
土地の面積より小さくなっていた。そこで傾斜した石垣
で囲まれた土地でも、地盤を広げて有効に利用するため
に次に示すような鉄筋コンクリートを主体とするスラブ
構造物が考案され、使用されていた。
【0003】図6(A)に示すスラブ構造物70は、石
垣71の上部に設けられている。このスラブ構造物70
は、石垣71の上端部72から外方に伸びる板状部73
と、板状部73に一方が固着されて、他方が石垣71の
上部に固着されるブラケット部74を有していた。ま
た、板状部73及びブラケット部74は、複数のアンカ
ーボルト75で石垣に固定されていた。一方、図6
(B)に示すスラブ構造物76は、石垣77の上端部7
8から外方に伸びる板状部79と、板状部79に一方が
固着されて、他方が石垣77の上下方向の全体に固着さ
れるブラケット部86を有していた。また、板状部79
及びブラケット部86は、複数のアンカーボルト87で
石垣77に固定されていた。これらの構造物によって、
石垣71、77で囲まれた地盤80、81を外方に拡大
することができた。なお、板状部73、79の外側端部
には、ブロック塀82、83を設けて石垣71、77の
上部から人や物が落下することを防ぐことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のスラブ構造物70、76は、以下の問題点を有して
いた。スラブ構造物70の重心C1は高く、また、ブロ
ック塀82を建造すると、重心C1がさらに外側上方に
移動するので、さらに不安定な構造となっていた。ま
た、スラブ構造物70の石垣71に対する接触面積が小
さく、この面に設けられてスラブ構造物70を支持する
アンカーボルト75の数が少ないので、各アンカーボル
ト75に加わるせん断荷重が大きくなり、これが破損す
るおそれがあった。さらに、スラブ構造物70には、板
状部73の内側端部84を中心とする回転トルクが加わ
り、これによって、ブラケット部74の下端部85で非
常に大きな押圧力Pになるので、下端部85に当接して
いる石垣71の一部が破損するおそれもあった。一方、
スラブ構造物76のブラケット部86はブラケット部7
4に比べて大きいので、重心C2は下方位置になるが、
スラブ構造物76の重量が大きくなるため、スラブ構造
物76を石垣77に固定するアンカーボルト87には、
大きなせん断力が加わり、これによって石垣77を破損
し、スラブ構造物76を脱落させるおそれがあった。本
発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、石垣に加わ
る荷重を分散して支持することができる擁壁補強型スラ
ブ構造物及びその構築方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う第1の発
明に係る擁壁補強型スラブ構造物は、鉄筋コンクリート
を主体とし、傾斜した擁壁の外方に地盤を拡大するため
の擁壁補強型スラブ構造物であって、前記擁壁の下部に
設けられた基礎部と、前記擁壁に沿って上下方向に配置
されて、前記基礎部に下端が連結され、しかも前記擁壁
にはアンカー材によって固定された複数の支持部と、前
記擁壁の上端部に連結され、該擁壁の外方に伸びる板状
部と、前記支持部に一方が固着されて、他方は前記板状
部を下から支持する複数のブラケット部とを有し、前記
板状部及び前記ブラケット部の自重及び載荷重によって
前記擁壁に垂直な方向に加わって該擁壁を押圧する第1
の分力を前記支持部で受け、前記第1の分力に垂直な方
向に加わる第2の分力を前記基礎部で受ける。傾斜した
擁壁とは、石垣やコンクリート、又はブロック等を使用
して斜面を形成した構築物をいう。基礎部は、擁壁の下
端部に沿って水平方向に伸延する梁状に設けてもよく、
これを部分的に切断してもよい。また、板状に形成する
こともできる。さらに、アンカー材には、アンカーボル
トやケミカルアンカー等を含み、また、先部の内径が縮
径した先割れ筒状部材の後部から棒材を嵌入して先部を
拡径させる構造の簡易アンカーも含む。基礎部を設けて
擁壁補強型スラブ構造物を支持するので、重心を下方に
下げることができ、また、擁壁へ接触する部分の面積を
大きくして擁壁補強型スラブ構造物に加わるせん断荷重
を分散支持することができる。また、支持部を設けてい
るので、ブラケット部から受ける荷重を分散して擁壁を
押圧する方向に伝達することができる。
【0006】前記目的に沿う第2の発明に係る擁壁補強
型スラブ構造物は、鉄筋コンクリートを主体とし、傾斜
した擁壁の外方に地盤を拡大するための擁壁補強型スラ
ブ構造物であって、前記擁壁の下部に設けられた基礎部
と、前記擁壁の上端部に連結され、該擁壁の外方に伸び
る板状部と、前記擁壁に沿って上下方向に配置されて、
前記基礎部に下端が連結され、しかも前記擁壁にはアン
カー材によって固定され、前記板状部を下から支持する
複数のブラケット兼用支持部とを有する。ブラケット兼
用支持部で基礎部と板状部を連結しているので構造を簡
単にすることができる。また、基礎部を設けているの
で、ブラケット兼用支持部の重量が大きくなってもそれ
に応じて基礎部の擁壁へ接触する部分の面積を大きくし
て荷重を分散させて受けることができる。
【0007】前記目的に沿う本発明に係る擁壁補強型ス
ラブ構造物の構築方法は、傾斜した擁壁に設けられる鉄
筋コンクリートを主体とした擁壁補強型スラブ構造物の
構築方法であって、前記擁壁の所定箇所にアンカー材を
取付ける第1工程と、前記擁壁の下部に設けられる基礎
部、該基礎部に下端が連結され前記擁壁に沿って上下方
向に設けられ、前記アンカー材によって固定される支持
部、前記擁壁の上端部に連結され、該擁壁の外方に伸び
る板状部、及び前記支持部に取付けられて前記板状部を
下方から支持するブラケット部を形成する位置にそれぞ
れ所定の配筋を行うと共にこれを形成する型枠を構築す
る第2工程と、前記型枠内にコンクリートを流入し、固
化させる第3工程とを有する。コンクリートの打ち込み
を一度に行い、一体的に形成するので、コールドジョイ
ント等によるコンクリートの強度不足を回避することが
できる。
【0008】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態について説明し、本
発明の理解に供する。図1に示すように、本発明の一実
施の形態に係る擁壁補強型スラブ構造物10は、鉄筋コ
ンクリートを主体とし、傾斜した擁壁の一例である石垣
11の外方に地盤12を拡大して拡張地盤14とするた
めの構造物である。以下、詳しく説明する。石垣11
は、盛り土部12aの外側に、例えば、高さHを3.5
m、石垣11の上端と下端の水平距離Lを1.4m、鉛
直方向からの傾斜を4分(1.4/3.5=0.4)、
水平方向の厚みDを0.4mにして設けられている。擁
壁補強型スラブ構造物10は、石垣11の下部に横方向
に連続して設けられた基礎部13と、石垣11に沿って
上下方向に配置されて、基礎部13に下端が連結され、
しかも石垣11にはアンカー材の一例であるアンカーボ
ルト15(図2(A)参照)によって固定された複数の
支持部16と、石垣11の上端部に連結され、石垣11
の外方に伸びる板状部17と、支持部16に一方が固着
されて、他方は板状部17を下から支持する三角形状の
複数のブラケット部18とを有し、図3(A)に示すよ
うに、板状部17及びブラケット部18の自重と載荷重
の和Wによって石垣11の表面に垂直な方向に加わって
石垣11を押圧する第1の分力Pを支持部16で受け、
第1の分力に垂直な方向に加わる第2の分力Qを基礎部
13で受ける。なお、支持部16はそれぞれ石垣11の
幅方向に所定間隔で設置されている。
【0009】図2(A)に示すように、石垣11と擁壁
補強型スラブ構造物10を連結するアンカーボルト15
は、板状部17、支持部16、及び基礎部13の内部に
複数埋設されている。このアンカーボルト15の数は、
擁壁補強型スラブ構造物10の重量によって決定され
る。図2(B)、図3(A)〜(C)に示すように、擁
壁補強型スラブ構造物10内の配筋は、基礎部13、支
持部16、板状部17、ブラケット部18内の主筋19
〜22及びあばら筋23〜25を連結して強固に形成さ
れている。断面形状が長方形の支持部16の内部には、
支持部16の角部の近くに設けられた4本の主筋19が
長手方向に設けられている。また、支持部16の石垣1
1側の左右の主筋19の間には、主筋20が2本設けら
れ、残り2本の主筋19の間には、主筋21が2本設け
られている。さらに、主筋19〜21には、あばら筋2
3が所定間隔をあけて複数巻き付けられている。
【0010】主筋20の上部は、板状部17に嵌入して
外方に屈曲し、板状部17の外側端部付近まで伸延して
いる。また、主筋21の上部は、同様に板状部17内に
嵌入して外方に屈曲して外側端部付近まで伸延し、さら
にその先部は下方に屈曲してブラケット部18の内部を
通過している。主筋20、21には、あばら筋24が水
平に2本巻き付けられている。そして、主筋19〜21
の下部は、基礎部13に嵌入して設けられている。断面
形状が実質的に三角形の基礎部13には、その外周から
一定の距離をあけた内側に、5本の主筋22が長手方向
に設けられ、主筋22には、あばら筋25が所定間隔を
あけて複数巻き付けられている。このように構成するこ
とによって、各部材を強固に連結し、擁壁補強型スラブ
構造物10の強度を保持することができる。通常、石垣
は、一段ごとに固着して上方に段積みしていくため、各
段の連結部がコールドジョイントとなり、強度が小さく
なっている。さらに、この上端部にスラブ(板状部1
7)を構築しようとすると、従来であれば石垣、又は石
垣の基礎に集中荷重が加わる不安定な構造となっていた
が、本実施の形態においては、基礎部13、支持部1
6、板状部17の基側端部によって石垣11を矩形枠で
保持する構造となっているので、石垣11を効果的に補
強することができる。
【0011】図3(A)に示すように、板状部17及び
ブラケット部18の自重と載荷重の和Wが加わる方向は
鉛直下方になるが、石垣11が傾斜して形成されている
ので、これを石垣の表面に垂直な方向に加わる第1の分
力Pと、第1の分力Pに垂直な方向に加わる第2の分力
Qに分けて考えると、第1の分力Pは、支持部16を介
して石垣11を押圧する。支持部16の石垣11に接触
する部分の面積で第1の分力Pを受けるので、この面に
加わる力を分散して加わる圧力を小さくすることができ
る。また、第2の分力Qは、支持部16を介して基礎部
13に伝達される。基礎部13には多数のアンカーボル
ト15が設けられているので、第2の分力Qを分散して
加わるせん断応力を小さくすることができる。さらに、
第2の分力Qは、基礎部13の幅方向に分散されるの
で、石垣11の基礎部37(図2(A)参照)に荷重が
集中して、基礎部37が沈下することを防ぐことができ
る。また、擁壁補強型スラブ構造物10には、第1、第
2の分力P、Q以外に曲げモーメントが発生する。板状
部17及びブラケット部18の重量によって、支持部1
6には石垣11を押圧する方向へ曲げモーメントが加わ
る。また、板状部17には、その外側端部を下方に曲げ
る方向に曲げモーメントが加わる。板状部17に働く曲
げモーメントによってその内部に加わる引張り、及び圧
縮力を、主筋20、21によって受けることができ、ま
た、支持部16に働く曲げモーメントを主筋19〜21
で受けるので、石垣11を押圧する力を、コンクリート
を主体とする支持部16本体を介して分散させることが
できる。これによって、擁壁補強型スラブ構造物10の
転倒、滑動、沈下、及び石垣11の崩壊を防止すること
ができる。
【0012】また、支持部16を介して基礎部13に伝
わる荷重は、基礎部13の幅方向に所定間隔で設けられ
たアンカーボルト15で受けることができる。ここで、
基礎部13に設けられたアンカーボルト15の断面積の
合計は、支持部16に設けられたアンカーボルト15の
断面積の合計の20%以上200%以下とすることが好
ましく、さらには50%以上150%以下とすることが
好ましい。また、基礎部13に設けるアンカーボルト1
5の数を増やすことによって、各アンカーボルト15に
加わるせん断荷重を小さくして、擁壁補強型スラブ構造
物10をより強固に建造することができる。さらに、擁
壁補強型スラブ構造物10の基礎部13を石垣11の基
礎部37に支持させることも可能であり、このように構
成することによって石垣11に加わる荷重を減少させる
ことができる。次に、変形例を示す。図4に示す擁壁補
強型スラブ構造物26は、鉄筋コンクリートを主体と
し、傾斜した石垣27の外方に地盤を拡大するための構
造物であって、石垣27の下部に連続して設けられた基
礎部28と、石垣27の上端部に連結され、石垣27の
外方に伸びる板状部29と、石垣27に沿って上下方向
に配置されて、基礎部28に下端が連結され、しかも石
垣27には図示しないアンカー材によって固定され、板
状部29を下から支持する複数のブラケット兼用支持部
30とを有している。
【0013】擁壁補強型スラブ構造物26の構造は、擁
壁補強型スラブ構造物10の支持部16とブラケット部
18を、ブラケット兼用支持部30で置き換えたもので
ある。よって既に説明した部分についての説明は省略す
る。ブラケット兼用支持部30の形状は、側面視して、
石垣27の上下を結んだ斜辺と、板状部29の基側端部
と外側端部を結んだ辺と、基礎部28から上方に鉛直に
伸びた辺によって囲まれる直角三角形状となっている。
このように構成することによって、板状部29に加わる
荷重をブラケット兼用支持部30で鉛直方向に支持する
ので、擁壁補強型スラブ構造物26を構成するコンクリ
ートに加わる曲げ荷重を小さくすることができる。ま
た、擁壁補強型スラブ構造物10に比較すると擁壁補強
型スラブ構造物26の方が重量が大きくなるため石垣2
7との間のせん断力が増加するが、取付けるアンカー材
の数を増やすことによって各アンカー材に加わるせん断
力を小さくすることができる。この場合、基礎部28が
設けられているので、アンカー材を基礎部28に配置す
ることによって、荷重を石垣27の幅方向に分散させて
支持することができる。
【0014】続いて、擁壁補強型スラブ構造物10の構
築方法について説明する。擁壁補強型スラブ構造物10
の構築方法は、石垣11の所定箇所にアンカーボルト1
5を取付ける第1工程と、石垣11の下部に設けられる
基礎部13、基礎部13に下端が連結され石垣11に沿
って上下方向に設けられ、アンカーボルト15によって
固定される支持部16、石垣11の上端部に連結され、
石垣11の外方に伸びる板状部17、及び支持部16に
取付けられて板状部17を下方から支持するブラケット
部18を形成する位置にそれぞれ所定の配筋を行うと共
にこれを形成する型枠を構築する第2工程と、型枠内に
コンクリートを流入し、固化させる第3工程とを有して
いる。
【0015】アンカーボルト15の数と設置位置は、強
度計算から定められる。そして、主筋19〜22、あば
ら筋23〜25の配筋を行った後に、型枠を構築し、擁
壁補強型スラブ構造物10を構成する基礎部13、支持
部16、板状部17、ブラケット部18全部を一体的に
固化させて形成する。コンクリートの打ち込みを複数回
に分けて行うとコールドジョイント等によって完成品の
強度が不足するが、全体を一体的に形成するので、製品
の強度を一定にすることができる。なお、基礎部13と
支持部16の接合部に加わる力は小さいので、コンクリ
ートの打ち込みを基礎部13と他の部分の2回に分けて
行うことも可能である。以上、本発明に係る実施の形態
について説明してきたが、本発明は、前記実施の形態に
限定されるものではなく、例えば、前記実施の形態で
は、基礎部の形状は、支持部の下部に連続して設けた形
状としているが、図5に示すように、隙間を開けて形成
することも可能である。図5(A)に示すように、擁壁
補強型スラブ構造物34の基礎部31は、擁壁補強型ス
ラブ構造物10の基礎部13を分割して設けた形状であ
り、このように形成することによって、擁壁補強型スラ
ブ構造物10の重量を小さくすることができる。また、
図5(B)に示す擁壁補強型スラブ構造物35のよう
に、基礎部32の形状を、正面視して実質的に三角形に
形成することもでき、また、図5(C)に示す擁壁補強
型スラブ構造物36のように、基礎部33の形状を、実
質的に半円形状にすることも可能である。さらに、基礎
部33の形状を円形や正方形にすることもでき、擁壁補
強型スラブ構造物10の全部、又は一部に着色すること
も可能である。このように構成することによって景観性
を高めることができる。
【0016】
【発明の効果】請求項1記載の擁壁補強型スラブ構造物
においては、基礎部を設けて擁壁補強型スラブ構造物を
支持するので、重心を下方に下げて安定支持させること
ができ、また、擁壁へ接触する部分の面積を大きくして
擁壁補強型スラブ構造物に加わるせん断荷重を分散支持
することができる。また、支持部を設けているので、ブ
ラケット部から受ける荷重を分散し、擁壁を押圧する方
向に力を伝達することができる。請求項2記載の擁壁補
強型スラブ構造物においては、ブラケット兼用支持部で
基礎部と板状部を連結しているので構造を簡単にするこ
とができる。また、基礎部を設けているので、ブラケッ
ト兼用支持部の重量が大きくなってもそれに応じて擁壁
に接触する基礎部の面積を広くして荷重を分散させて受
けることができる。そして、請求項3記載の擁壁補強型
スラブ構造物の構築方法においては、コンクリートの打
ち込みを一度に行い、一体的に形成するので、コールド
ジョイントによるコンクリート接合部の強度不足を回避
して、製品の強度を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る擁壁補強型スラブ
構造物の斜視図である。
【図2】(A)、(B)はそれぞれ同擁壁補強型スラブ
構造物の側断面図、平断面図である。
【図3】(A)〜(C)はそれぞれ同擁壁補強型スラブ
構造物の配筋の説明図である。
【図4】変形例にかかる擁壁補強型スラブ構造物の一部
切欠き斜視図である。
【図5】(A)〜(C)はそれぞれ他の変形例に係る擁
壁補強型スラブ構造物の正面図である。
【図6】(A)、(B)は、それぞれ従来例に係る擁壁
補強型スラブ構造物の側断面図である。
【符号の説明】
10:擁壁補強型スラブ構造物、11:石垣(擁壁)、
12:地盤、12a:盛り土部、13:基礎部、14:
拡張地盤、15:アンカーボルト(アンカー材)、1
6:支持部、17:板状部、18:ブラケット部、19
〜22:主筋、23〜25:あばら筋、26:擁壁補強
型スラブ構造物、27:石垣、28:基礎部、29:板
状部、30:ブラケット兼用支持部、31〜33:基礎
部、34〜36:擁壁補強型スラブ構造物、37:基礎
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大津 則義 福岡県北九州市戸畑区中原西1−13−16− 106 (72)発明者 松永 哲也 福岡県北九州市八幡西区泉ケ浦2−6−3 (72)発明者 中西 洋司 山口県下関市一の宮住吉2丁目2番2号 Fターム(参考) 2D048 AA92

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄筋コンクリートを主体とし、傾斜した
    擁壁の外方に地盤を拡大するための擁壁補強型スラブ構
    造物であって、前記擁壁の下部に設けられた基礎部と、
    前記擁壁に沿って上下方向に配置されて、前記基礎部に
    下端が連結され、しかも前記擁壁にはアンカー材によっ
    て固定された複数の支持部と、前記擁壁の上端部に連結
    され、該擁壁の外方に伸びる板状部と、前記支持部に一
    方が固着されて、他方は前記板状部を下から支持する複
    数のブラケット部とを有し、前記板状部及び前記ブラケ
    ット部の自重及び載荷重によって前記擁壁に垂直な方向
    に加わって該擁壁を押圧する第1の分力を前記支持部で
    受け、前記第1の分力に垂直な方向に加わる第2の分力
    を前記基礎部で受けることを特徴とする擁壁補強型スラ
    ブ構造物。
  2. 【請求項2】 鉄筋コンクリートを主体とし、傾斜した
    擁壁の外方に地盤を拡大するための擁壁補強型スラブ構
    造物であって、前記擁壁の下部に設けられた基礎部と、
    前記擁壁の上端部に連結され、該擁壁の外方に伸びる板
    状部と、前記擁壁に沿って上下方向に配置されて、前記
    基礎部に下端が連結され、しかも前記擁壁にはアンカー
    材によって固定され、前記板状部を下から支持する複数
    のブラケット兼用支持部とを有することを特徴とする擁
    壁補強型スラブ構造物。
  3. 【請求項3】 傾斜した擁壁に設けられる鉄筋コンクリ
    ートを主体とした擁壁補強型スラブ構造物の構築方法で
    あって、前記擁壁の所定箇所にアンカー材を取付ける第
    1工程と、前記擁壁の下部に設けられる基礎部、該基礎
    部に下端が連結され前記擁壁に沿って上下方向に設けら
    れ、前記アンカー材によって固定される支持部、前記擁
    壁の上端部に連結され、該擁壁の外方に伸びる板状部、
    及び前記支持部に取付けられて前記板状部を下方から支
    持するブラケット部を形成する位置にそれぞれ所定の配
    筋を行うと共にこれを形成する型枠を構築する第2工程
    と、前記型枠内にコンクリートを流入し、固化させる第
    3工程とを有することを特徴とする擁壁補強型スラブ構
    造物の構築方法。
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CN104195911A (zh) * 2014-08-26 2014-12-10 德州市公路工程总公司 一种临水悬壁高挡墙填方段拓宽路堤结构及施工方法
CN104195911B (zh) * 2014-08-26 2016-06-08 德州市公路工程总公司 一种临水悬壁高挡墙填方段拓宽路堤结构及施工方法

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