JP2001049493A - マグネシウム合金の皮膜生成方法及びその電解液 - Google Patents

マグネシウム合金の皮膜生成方法及びその電解液

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JP2001049493A JP11219693A JP21969399A JP2001049493A JP 2001049493 A JP2001049493 A JP 2001049493A JP 11219693 A JP11219693 A JP 11219693A JP 21969399 A JP21969399 A JP 21969399A JP 2001049493 A JP2001049493 A JP 2001049493A
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Tokuaki Sasaki
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Takashi Ito
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貴俊 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マグネシウム合金にマグネシウム酸化物から
成る絶縁皮膜を厚く生成する。 【解決手段】 脱脂等の前処理を行ったマグネシウム合
金に対して、強アルカリ性の電解液で、プラスとマイナ
スを周期的に反転出力するプラスマイナス極性反転電源
によりアルカリ電解を行うことによって、プラスマイナ
ス極性反転電源によるアルカリ電解時のプラス極時にマ
グネシウム酸化物の皮膜を生成し、マイナス極時に電解
研磨類似作用で処理面を平滑化し、プラス極とマイナス
極の反転付加を繰り返して皮膜を成長させ、従来の陽極
酸化では生成不可能であった厚さの皮膜を生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マグネシウム合金
にマグネシウム酸化物から成る絶縁皮膜を厚く生成する
様にしたマグネシウム合金の皮膜生成方法及びその電解
液に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種構造材料の軽量化に対応する
ため、アルミニウムより軽いマグネシウムの利用が増加
している。マグネシウムは、比重1.7と実用金属中最
も軽量であるばかりでなく、成形性、振動吸収性、耐く
ぼみ性等の点で非常に優れ、又再生に必要なエネルギー
が少なく、リサイクルに適した材料であるため、近時特
に注目されている。しかしながら、マグネシウムは強ア
ルカリ性には強いが、中性、弱酸性に弱く、中性、弱酸
性の浴中で激しく反応し、容易に溶解してしまうため、
メッキを施すことが困難であり、この理由から、マグネ
シウム合金上に十分な耐食性を備えたメッキを施す方法
は実用化されていない。又、マグネシウム合金は、塗料
との密着性が悪く、マグネシウム合金上に直接塗装を施
すことは困難である。そこで、JIS H8651ー1
995に種々規定されている様に、化学薬品により、マ
グネシウム合金の素地の表面を化成処理するか、或いは
陽極酸化により、素地の表面にマグネシウム酸化物の皮
膜を生成して、どちらか一方の方法で素地の表面と塗料
との密着性を改善した後、塗装を施して防食処理を行っ
ていた。ところが、素地表面への直接塗装による防食処
理方法は、素地の表面に施した塗膜が摩耗、剥離し易
く、耐食性を維持出来なかった。そこで、マグネシウム
酸化物が電気絶縁性を有することに着目し、陽極酸化に
より、マグネシウム合金の素地の表面に厚くマグネシウ
ム酸化物の絶縁皮膜を生成して、皮膜生成だけで防食処
理を行う方法が試みられた。ところが、JIS H86
51ー1995の5、6、11、12種等に規定されて
いる陽極酸化の方法では、塗装の下地として必要な薄い
皮膜を一応生成することが出来るとしても、均一全面的
な皮膜生成は極めて困難であり、又皮膜生成処理の時間
を長くして、より厚い皮膜を生成しようとしても、処理
時間の経過と共に、素地の表面が部分的に溶解、喪失し
て、素地の表面が著しく粗らくなり、皮膜が成長せず、
厚く皮膜生成出来なかった。その理由は、マグネシウム
合金の素地をプラス極にするため、皮膜の生成と共に、
マグネシウム合金鋳造化学成分中のアルミニウム、銅等
が溶解し、処理時間を長くしても、素地が溶解すること
により生じた凹部が深くなり、素地表面を失って皮膜が
成長出来ないからと推察される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、マグネシウ
ム合金にマグネシウム酸化物から成る絶縁皮膜を厚く生
成する様にしたマグネシウム合金の皮膜生成方法及びそ
の電解液を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来技術
に基づく、マグネシウム合金にマグネシウム酸化物から
成る絶縁皮膜を厚く生成することが困難な課題に鑑み、
脱脂等の前処理を行ったマグネシウム合金に対して、強
アルカリ性の電解液で、プラスとマイナスを周期的に反
転出力するプラスマイナス極性反転電源によりアルカリ
電解を行うことによって、プラスマイナス極性反転電源
によるアルカリ電解時のプラス極時にマグネシウム酸化
物の皮膜を生成し、マイナス極時に電解研磨類似作用で
処理面を平滑化し、プラス極とマイナス極の反転付加を
繰り返して皮膜を成長させ、従来の陽極酸化では生成不
可能であった厚さの皮膜を生成する様にしたマグネシウ
ム合金の皮膜生成方法及びその電解液を提供して上記課
題を解決する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下本発明の一実施例を図面に基
づいて説明する。図1は本発明に係るマグネシウム合金
の皮膜生成方法の工程図、図2は皮膜生成後、染色する
場合の工程図、図3(a)は直流法の電流波形図、図3
(b)はプラスとマイナスが周期的に反転出力される反
転法の反転比率(Duty比)16:7における電流波
形図、図4は図1に示す参考波形の反転比率(Duty
比)16:7について説明するための説明図、図5
(a)〜(C)は直流と交流を併用するか、直流と交流
を切換えて出力される交直切換電源の波形図、図6は高
速電流反転電源により皮膜生成した場合の反転比率と皮
膜厚さの関係を示した図、図7は高速電流反転電源によ
り皮膜生成した場合の電流密度と皮膜厚さの関係を示し
た図、図8は現在最も多く使用されている代表的なマグ
ネシウム合金AZ91Dの組成の分析値を示す図、図9
は絶縁処理した素地の断面部を1000倍に拡大した写
真である。
【0006】本発明の皮膜生成方法は、下記の様に、マ
グネシウム合金に対して、先ず浸漬、脱脂、水洗の前処
理を行い、次に強アルカリ性の電解液で、後述するリバ
ース法によりアルカリ電解を行い、即ちマグネシウム合
金の素地がプラス極となる陽極電解(陽極酸化)、且つ
マイナス極となる陰極電解の状態で、アルカリ電解を行
って電気絶縁性を有するマグネシウム酸化物の被膜を生
成し、その後水洗、乾燥を行う。
【0007】上記の脱脂等の前処理、アルカリ電解処理
の具体的工程及び処理液組成の一例、目的等を説明す
る。図1に示す様に、1)浸漬脱脂、2)水洗、3)アルカリ
電解、4)水洗、5)乾燥の各処理を順次行う。
【0008】 1)浸漬脱脂 (処理液組成) 水酸化ナトリウム50〜100g/l 炭酸ナトリウム50〜100g/l (処理条件) 温度約50℃ 時間1〜5分 (目的) 素地表面に付着している油脂分を除去する。
【0009】 2)水洗 (目的) 素地表面に付着している脱脂処理液を除去する。
【0010】 3)アルカリ電解 (処理液組成) 水酸化ナトリウム50〜250g/l スルホン酸ナトリウム1〜40g/l (処理条件) 温度50〜80℃ 電流密度10A/dm2 時間約30分 (目的) マグネシウム酸化物から成る絶縁皮膜を生成する。
【0011】 4)水洗 (目的) 皮膜表面に付着している電解処理液を除去する。
【0012】 5)乾燥 (処理条件) 熱風乾燥
【0013】上記のアルカリ電解の処理液は、水酸化ナ
トリウム50〜250g/lと、スルホン酸ナトリウム
1〜40g/lを添加した水溶液であり、スルホン酸ナ
トリウムの添加剤の作用は、電解液の電流分布を均一に
して均一電解を行い、水酸化ナトリウムは電解液を強ア
ルカリ性にしてマグネシウムの溶解を抑止する。
【0014】そして、水酸化ナトリウムにおける下限の
50g/lについて、50g/l未満の場合は既述の様に
マグネシウムは中性、弱酸性に弱く、中性、弱酸性の浴
中において激しく反応し、容易に溶解するために、マグ
ネシウム合金の素地の主成分であるマグネシウムの溶解
現象が発生し、皮膜生成スピードと素地溶解スピードの
関係で皮膜生成が出来ず、50g/l以上の場合は処理
液のPHが11以上になり、マグネシウムの溶解が発生
しない。又、上限の250g/lは、これ以上多くして
もマグネシウム溶解抑止効果に変化が生じない十分値で
あり、250g/l超過の場合は、使用後の処理液を排
棄処分する際の中和処理等の点で不合理である。又、種
々の実験の結果、塩基性化合物の中で水酸化ナトリウム
が皮膜生成効率、処理面の平滑性の点で好ましく、水酸
化ナトリウムの添加量は100〜150g/lの範囲が
同様の理由で特に良ましいことが確認された。
【0015】又、スルホン酸ナトリウムにおける1〜4
0g/lについては、1g/l未満の場合は電解液の電流
分布の均一化効果が無く、40g/lは飽和量であり、
40g/l超過は水酸化ナトリウム水溶液に溶解しな
い。又、スルホン酸ナトリウムと代替可能な添加剤とし
ては、水酸化銅、水酸化アルミニウム等が挙げられる。
【0016】又、処理温度50〜80℃について、50
℃未満は液抵抗が高くなり、80℃超過は液蒸発の点で
不都合であり、50〜80℃の範囲が好ましい。
【0017】上記のアルカリ電解は高速電流反転電源又
は交直切換電源の様なプラスとマイナスが周期的に反転
出力される電源を使用して行う。高速電流反転電源によ
る図3(b)に示した反転電流波形の場合は、プラス極
16に対してマイナス極7の反転比率(Duty比)で
あり、Duty=T1/(T1+T2)×100=16
/(16+7)×100≒69.7(%)となる。尚、
この反転比率は種々に変更可能であり、一例として反転
比率16:7の場合を詳細に説明する。例えば60Hz
地区では、理論計算式T=1/F=1000/(60H
z×6)≒3msec、1山約3msecで、反転比率
16:7の場合の1サイクルは図4に示す通りであるか
ら、周波数は計算式にて12.4Hzになる。従って、
図3(b)に示す参考波形の反転比率(Duty比)1
6:7とは、1サイクルにおいて上記時間のプラスとマ
イナスが1秒間に12.4回繰り返し出力される特殊波
形であり、この様なプラスマイナス極性反転電源による
特殊波形で電解する事をリバース法と称する。
【0018】次に交直切換電源においては、図5(a) 、
(b) に示す様な直流と交流を切換える交直切換電源、或
いは図5(c) に示す様な直流に交流を併用する交直併用
又は交流併用電源を使用し、これらを交直切換電源と称
し、又アルカリ電解には上述の高速反転電源又は交直切
換電源以外の電源、例えば単相不完全整流波電源等の使
用も可能であり、又交流は単相でなく三相のものでも良
い。
【0019】次にリバース法による皮膜生成方法におけ
る反転比率と皮膜厚さの関係、及び電流密度と皮膜厚さ
の関係について説明する。本願の発明者は、リバース法
により種々の実験を行った結果、水酸化ナトリウム10
0g/lとスルホン酸ナトリウム5g/lを添加した水溶
液の電解液で、電流密度10A/dm2 、電解時間30
分、温度50℃の処理条件によりアルカリ電解し、図6
に示す様に、反転比率(Duty比)60〜85%の範
囲で、厚さ約10μ以上の皮膜が生成することを確認し
た。尚、直流法(Duty100%)は、マグネシウム
合金鋳造化学成分中のアルミニウム、銅等が溶解するた
め、皮膜の生成が少なく、著しく粗らい表面になった。
又、図6、9に示す様に、反転法の中でもDuty6
9.7%が最も生成効率が良く、又直流法を除いて全て
の範囲で滑らかな表面になった。
【0020】又、水酸化ナトリウム100g/lとスル
ホン酸ナトリウム5g/lを添加した水溶液の電解液
で、反転比率(Duty比)69.7%、電解時間30
分、温度50℃の処理条件によりアルカリ電解し、図7
に示す様に、7.5〜15A/dm2 の範囲で、厚さ約
10μ以上の皮膜が生成することを確認した。尚、7.
5 A/dm2 未満は電流密度不足であり、15A/d
2 超過は溶解電解研磨現象が発生して上記範囲より薄
い皮膜となった。
【0021】そして、厚さ約10μ以上の皮膜の絶縁測
定を行い、DC500Vメーガーテストで抵抗5MΩ以
上の結果を得た。この抵抗5MΩ以上は絶縁性として実
用上十分な値である。尚、絶縁測定は、株式会社三和計
器製作所製の絶縁抵抗計PDMー506を用いて行っ
た。
【0022】次に絶縁処理された素地の装飾方法の一例
について説明する。マグネシウム酸化物の皮膜は元来、
染色性が良く、又リバース法により絶縁処理された素地
の表面は平滑性が良いから、例えば、染料により染色し
て装飾性を付与しても良い。染料により染色を施す際
は、マグネシウム合金に対して、先ず浸漬、脱脂、水洗
の前処理を行い、次に強アルカリ性の電解液で、リバー
ス法によりアルカリ電解を行って被膜生成し、その後水
洗、染色、水洗、乾燥を順次行う。
【0023】図2に示す様に、1)浸漬脱脂、2)水洗、3)
アルカリ電解、4)水洗、5)染色、6)水洗、7)乾燥の各処
理を順次行うが、1)〜4)は上記と同処理のため、5)以降
についてのみ具体的工程及び処理液組成の一例、目的等
を説明する。
【0024】
【0025】6)水洗 (目的) 染色後の余剰の染料を除去する。
【0026】7)乾燥 (処理条件) 熱風乾燥
【0027】次に本発明に係るマグネシウム合金の皮膜
生成方法の作用について説明する。本願(リバース法と
称する)における皮膜生成方法では、強アルカリ性の電
解液と高速電流反転電源等を使用してアルカリ電解を行
っているが、かかる電源では高速周期的にプラス極とマ
イナス極が反転、繰り返したり、特定時間帯のプラス極
時間を挟んで同様に繰り返している。そして、素地(マ
グネシウム合金)がプラス極の時に素地表面のマグネシ
ウムが酸化されて酸化物になり皮膜を生成すると共に、
マグネシウム合金鋳造化学成分中のアルミニウム及び銅
等が溶解して、素地表面に微小凹部が多数発生し、かか
る微小凹部により凹凸状態に粗面化した素地表面上に、
更に皮膜が生成されて処理面は粗面化される。他方、マ
イナス極の時に、粗面化された処理面の微小凸部の皮膜
は電解還元の作用により還元され、還元された微小凸部
は、処理面より遊離し、電解研磨と類似の作用で処理面
は平滑化される。上記プラス極とマイナス極の反転によ
る皮膜の生成、平滑化作用において、プラス極とマイナ
ス極の反転が繰り返されることにより平滑な皮膜が生成
されると共に、皮膜は素地表面側より順次深部へと生長
し厚くなる。
【0028】又、皮膜は、上述の様に、素地がプラス極
の時に生成されるため、プラス極時間が無い反転比率0
%の時は皮膜生成せず、反転比率の増加に伴い皮膜生成
速度は速くなる。又、素地の部分溶解は高速反転電流の
1サイクルにおけるプラス極時間の長さに影響され、1
サイクルにおけるプラス極時間の増加に伴い素地表面に
発生する微小凹部の深度は深くなり、粗面化された処理
面の微小凸部は大きくなり、マイナス極の時の還元遊離
による微小凸部の皮膜の除去量は増える。従って、トー
タルのプラス極時間の増加に伴い、皮膜の生成速度が速
くなると共に、処理面の微小凸部の皮膜の除去量が増え
るため、双方の作用により、図6に示す様な反転比率と
皮膜厚さの関係が得られたと考えられる。
【0029】又、一般的に電流密度を増大すると、電解
液中のイオンが関与する電解反応は速くなり、それ以上
電流密度を増大しても電解反応が速くならない限界値が
あり、その理由は、電流密度を次第に増大してある値に
達すると、電極面に到達した電解液中のイオンは即刻電
解反応により消費され、定常状態で電極面上のイオン濃
度は殆ど皆無となり、電極面に新たなイオンが到達する
のを待つ外ない状態となるためである。本願(リバース
法)においては、電解酸化による皮膜生成は溶液中の酸
素イオン濃度が関与するが、素地の溶解現象には関与し
ないため、皮膜生成速度は限界値以上では変化せず、素
地の部分溶解速度のみが速くなるため、図7に示す様な
結果が得られたと考えられる。
【0030】
【発明の効果】要するに本発明は、マグネシウム合金に
対して、脱脂等の前処理を行い、次に強アルカリ性の電
解液で、プラスとマイナスを周期的に反転出力するプラ
スマイナス極性反転電源によりアルカリ電解を行う様に
したので、強アルカリ性の電解液を用いることにより、
マグネシウムの溶解現象を抑止出来、プラスマイナス極
性反転電源でアルカリ電解を行ことにより、プラス極時
にマグネシウム酸化物の皮膜を生成し、マイナス極時に
電解研磨と類似の作用で処理面を平滑化して、プラス極
とマイナス極を繰り返すことにより、皮膜を成長させ、
従来の陽極酸化では生成不可能であった厚さの皮膜を生
成することが出来る。又、電気絶縁性の酸化物は化学
的、電気的に安定であるため、マグネシウム合金にマグ
ネシウム酸化物の皮膜を生成することにより、耐久性を
向上出来、マグネシウム合金の用途を拡張することが出
来る。又、マグネシウム酸化物の皮膜だけで絶縁処理出
来るため、表面処理としての塗装を施す必要が無く、塗
膜剥離等の問題を解消出来る。
【0031】又、プラス極とマイナス極が周期的に反転
しプラス極が60〜85%の電流反転によりアルカリ電
解を行う様にし、又プラスマイナス極性反転電流の電流
密度を7.5〜15A/dm2 としたので、短時間で効
率良く、厚さ10μ以上のマグネシウム酸化物の皮膜を
生成して、マグネシウム合金に実用上十分な絶縁性、耐
食性を付与出来る。又、例えば、塗装の下地として必要
な数μの薄い皮膜であれば、極めて短時間で皮膜生成出
来る。又、短時間で処理出来るため、電解中に処理液に
溶け込むマグネシウム合金鋳造化学成分中のアルミニウ
ム及び銅等の量が少なく、電解液の組成が変化し難く、
電解液の更新頻度を少なくしてコストダウンを図ること
が出来る。
【0032】又、直流と交流を併用するか、直流と交流
を切換えて出力する電源によりアルカリ電解を行う様に
したので、既存の設備を利用して、上記と同様の処理を
行うことが出来る。
【0033】又、装飾を兼ねてマグネシウム合金に表面
処理する場合は、アルカリ電解した後、水洗し、染料で
染色する様にすれば、外部露出して、人目に触れる個所
に使用出来、マグネシウム合金の用途を更に拡張するこ
とが出来る。
【0034】又、電解液は、水酸化ナトリウム50〜2
50g/lと、スルホン酸ナトリウム1〜40g/l、又
は水酸化銅1〜40g/l、又は水酸化アルミニウムを
添加した水溶液と成したので、スルホン酸ナトリウム、
水酸化銅、水酸化アルミニウムの作用により、電解液の
電流分布を均一にして均一電解を行うことが出来、水酸
化ナトリウムの作用により効率良くマグネシウム酸化物
の皮膜を生成出来、又従来の陽極酸化の処理液の組成に
比べ、単純な組成の電解液で絶縁処理、防食処理出来る
等その実用的効果甚だ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る皮膜生成方法の工程図である。
【図2】染色を施す場合の工程図である。
【図3】直流法と反転法の電流波形図である。
【図4】図1に示す参考波形について説明するための説
明図である。
【図5】交直切換電流の波形図である。
【図6】反転比率と皮膜厚さの関係を示した図である。
【図7】電流密度と皮膜厚さの関係を示した図である。
【図8】マグネシウム合金AZ91Dの組成の分析値を
示す図である。
【図9】絶縁処理した素地の断面部の写真である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシウム合金にマグネシウム酸化物
    皮膜を、プラスマイナス極性反転電源で電解生成するた
    めに用いる電解液であって、水酸化ナトリウム50〜2
    50g/lと、スルホン酸ナトリウム1〜40g/l、又
    は水酸化銅1〜40g/l、又は水酸化アルミニウムを
    添加した水溶液と成したことを特徴とするマグネシウム
    合金の皮膜生成方法の電解液。
  2. 【請求項2】 マグネシウム合金に対して、脱脂等の前
    処理を行い、次に強アルカリ性の電解液で、プラスとマ
    イナスを周期的に反転出力するプラスマイナス極性反転
    電源によりアルカリ電解を行う様にしたことを特徴とす
    るマグネシウム合金の皮膜生成方法。
  3. 【請求項3】 プラス極とマイナス極が周期的に反転し
    プラス極が60〜85%の電流反転によりアルカリ電解
    を行う様にしたことを特徴とする請求項2記載のマグネ
    シウム合金の皮膜生成方法。
  4. 【請求項4】 プラスマイナス極性反転電流の電流密度
    を7.5〜15A/dm2としたことを特徴とする請求
    項2又は3記載のマグネシウム合金の皮膜生成方法。
  5. 【請求項5】 直流と交流を併用するか、直流と交流を
    切換えて出力する電源によりアルカリ電解を行う様にし
    たことを特徴とする請求項2、3又は4記載のマグネシ
    ウム合金の皮膜生成方法。
  6. 【請求項6】 アルカリ電解した後、水洗し、染料で染
    色する様にしたことを特徴とする請求項2、3、4又は
    5記載のマグネシウム合金の皮膜生成方法。
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