JP2001049296A - 洗浄剤組成物 - Google Patents

洗浄剤組成物

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JP2001049296A
JP2001049296A JP11221651A JP22165199A JP2001049296A JP 2001049296 A JP2001049296 A JP 2001049296A JP 11221651 A JP11221651 A JP 11221651A JP 22165199 A JP22165199 A JP 22165199A JP 2001049296 A JP2001049296 A JP 2001049296A
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block copolymer
hydrogen atom
cleaning composition
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JP11221651A
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English (en)
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Ryuji Akimoto
竜二 秋本
Keiko Nakajima
啓子 中嶋
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CxS Corp
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Daisan Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭酸ガス雰囲気中、特に炭酸ガスを多量に発
生するビール醸造装置や炭酸飲料製造装置の定置洗浄工
程の使用に適した洗浄剤組成物であって、洗浄剤中のア
ルカリ分が洗浄雰囲気中の炭酸ガスを吸収して炭酸塩に
変化しても、汚れに対する溶解性、特にビールの汚れ成
分である蓚酸カルシウム等のアルカリ土類金属塩に対す
る溶解性が低下しないのみならず、スケールの析出も抑
制し、さらに微生物分解性にも優れている。 【構成】 次の成分(a)、(b)および(c)を主成
分として含むことから構成される。 (a)無機アルカリ塩および/またはアルカリ金属水酸
化物。 (b)アスパラギン酸−N、N−ジ酢酸、アルカリ金属
塩またはアルカリ土類金属塩および/またはグルタミン
酸−N、N−ジ酢酸、アルカリ金属塩またはアルカリ土
類金属塩。 (c)特定のポリアルキレングリコール構造単位および
ポリグリオキシレート構造単位を含むブロック共重合
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガラス、プラスチッ
ク、金属等の表面に付着した汚れの洗浄、とりわけ、炭
酸ガスの存在する雰囲気中での洗浄に供し得るアルカリ
性洗浄剤組成物に係り、特に、洗浄剤中のアルカリ分が
炭酸ガスを吸収して炭酸塩に変化しても、汚れの溶解性
(洗浄性)が低下しないのみならず、スケールの析出・
付着をも抑止し、かつ微生物分解性にも優れた洗浄剤組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ビール、ジュース等の飲料、各種加工食
品等、食料品生産量は年々増加の一途をたどり、品種も
多様化され、これに伴って衛生上の品質管理も厳しさを
増している。特に、これら食料品の製造に際して品種が
変わる毎に製造設備を洗浄しなければならず、このた
め、食料品製造設備は頻繁な洗浄を余儀なくされてい
る。しかも、これら製造設備は生産量の増加に伴って大
型化されている。
【0003】このような洗浄頻度の増加にともない、さ
らには製造設備の大型化にともない、近年では、製造設
備内に洗浄液を循環させることにより、あるいはタンク
等の広い面積を有する表面に洗浄液をスプレー等で吹き
つけることにより汚れを除去する、いわゆる定置洗浄方
式が採用されている。さらに、製造設備の外面を洗浄す
る場合には、スプレーや発泡等の洗浄方式が採用されて
いる。
【0004】上述の定置洗浄方式、あるいは大型設備の
外面洗浄に使用される洗浄剤として、従来、アルカリ金
属水酸化物1〜3重量%、およびエチレンジアミン四酢
酸アルカリ金属塩(キレート化合物)0.1〜0.4重量%
を含有する洗浄剤水溶液が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】エチレンジアミン四酢
酸アルカリ金属塩を含有する上述洗浄剤水溶液は製造設
備の内面や外面に付着した汚れを良好に洗浄除去し得る
のみならず、炭酸ガスの存在する雰囲気中でアルカリ金
属水酸化物が炭酸ガスを吸収し、炭酸塩となって洗浄液
のpH値が低下しても汚れの溶解性(洗浄性)、特にビ
ールの汚れ成分であるアルカリ土類金属塩(蓚酸カルシ
ウム等)に対する溶解性が低下するような問題も生じな
い。
【0006】しかし、上述洗浄剤水溶液は微生物分解性
に劣り、このため、食料品製造工場から排出される洗浄
廃水は通常の活性汚泥処理では分解されず、この結果、
洗浄廃水のCOD値が高くなってしまうという問題があ
った。したがって、近年では、洗浄性能と微生物分解能
の両性能を保持した洗浄剤の開発が強く望まれている。
【0007】洗浄性能と微生物分解能の両性能を保持し
た洗浄剤として、従来、優れた微生物分解能を保持した
L−アスパラギン酸ジ酢酸アルカリ金属塩、あるいはL
−グルタミン酸ジ酢酸アルカリ金属塩と、アルカリ金属
水酸化物とからなるアルカリ洗浄剤組成物が知られてい
る。
【0008】このアルカリ洗浄剤組成物は洗浄性能と微
生物分解能の両性能を保持するものであるが、例えばビ
ールや炭酸飲料等の製造設備のように、炭酸ガスの多く
存在する製造設備を洗浄する場合には、アルカリ金属水
酸化物が炭酸ガスを吸収して炭酸塩となって洗浄剤中の
L−アスパラギン酸ジ酢酸アルカリ金属塩、あるいはL
−グルタミン酸ジ酢酸アルカリ金属塩のキレート力を低
下させてしまい、ビールの汚れ成分であるアルカリ土類
金属塩に対する溶解性が急激に低下してしまうという問
題を生じる。
【0009】さらにまた、洗浄除去された成分(カルシ
ウム、マグネシウム等)と炭酸塩が反応して水不溶性の
スケールを析出し、これが製造設備の表面に付着すると
いう問題を生じる。
【0010】これらの現象はビールや炭酸飲料等の製造
設備の洗浄の場合のみならず、洗浄剤水溶液をスプレー
等で長時間にわたって何回も洗浄する場合にも、空気中
の炭酸ガスを吸収して発生する。
【0011】そこで、本発明の目的は洗浄剤中のアルカ
リ分が洗浄雰囲気中の炭酸ガスを吸収して炭酸塩に変化
しても、汚れの溶解性、特にビールの汚れ成分である蓚
酸カルシウム等のアルカリ土類金属塩の溶解性が低下し
ないのみならず、スケールの析出・付着をも抑え、さら
に微性物分解性にも優れ、上述の公知技術に存する欠点
を改良した洗浄剤組成物を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明によれば、次の成分(a)、(b)および
(c)を主成分として含むことを特徴とする。
【0013】(a)無機アルカリ金属塩および/または
アルカリ金属水酸化物。
【0014】(b)下記の一般式(1)および/または
一般式(2)で示される化合物。 一般式(1)
【化11】 一般式(2)
【化12】 ただし、一般式(1)および(2)において、Mは水
素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニアまた
は有機アミンを表す。
【0015】(c)下記の一般式(3)で示されるポリ
アルキレングリコール構造単位および一般式(4)で示
されるポリグリオキシレート構造単位を含むブロック共
重合体。 一般式(3)
【化13】 ただし、nは2〜4の整数、xは平均値で5以上であ
る。 一般式(4)
【化14】 ただし、Mは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、1
〜3価の金属原子、アンモニウム基および有機アミン基
から選ばれる一種であり、yは平均値で10以上であ
る。
【0016】
【発明の実施の態様】以下、本発明を具体的に詳述す
る。
【0017】本発明にかかる成分(a)は無機アルカリ
金属塩および/またはアルカリ金属水酸化物である。無
機アルカリ金属塩としては例えば珪酸ソーダ、炭酸ソー
ダ、リン酸ソーダ等が挙げられるが、この中で特に、炭
酸ソーダ等の炭酸アルカリ塩が好ましい。また、アルカ
リ金属水酸化物としては例えば水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム等が挙げられるが、この中で特に、水酸化ナ
トリウムが好ましい。本発明では、これら無機アルカリ
塩およびアルカリ金属水酸化物は単独で、あるいは一緒
に合わせて使用される。
【0018】さらに、本発明に用いられる成分(b)は
上述一般式(1)および/または一般式(2)で示され
る化合物である。上述一般式(1)で示される化合物は
例えばアスパラギン酸−N、N−ジ酢酸ナトリウム(A
SDA−4Na)であり、また、上述一般式(2)で示
される化合物は例えばグルタミン酸−N、N−ジ酢酸ナ
トリウム(GLDA−4Na)である。これら一般式
(1)、(2)で示される化合物はそれぞれ単独で、あ
るいは組み合わせて用いられる。
【0019】さらにまた、本発明に用いられる成分
(c)は上述一般式(3)で示されるポリアルキレング
リコール構造単位および一般式(4)で示されるポリグ
リオキシレート構造単位を含む微生物分解性を有するブ
ロック共重合体であり、特開平10−53648号公報
に記載される。
【0020】上述ブロック共重合体は例えば、一般式
(5)
【化15】
【0021】式中、Rは水素原子、アルキル基、アルケ
ニル基、アルキルフエニル基、フエニル基およびベンジ
ル基から選ばれる一種であり、Mは水素原子、炭素数1
〜4のアルキル基、1〜3価の金属原子、アンモニウム
基および有機アミン基から選ばれる一種であり、nは1
以上、xは5以上、yは10以上であり、zは0または
5以上である。
【0022】さらに、上述ブロック共重合体として、上
述のほかに、例えば、一般式(6)
【化16】 が挙げられる。
【0023】式(6)において、Rは水素原子、アルキ
ル基、アルケニル基、アルキルフエニル基、フエニル基
およびベンジル基から選ばれる一種であり、Mは水素原
子、炭素数1〜4のアルキル基、1〜3価の金属原子、
アンモニウム基および有機アミン基から選ばれる一種で
あり、Xはブロック共重合体の解重合に対して化学的に
安定な基であり、nは1以上、xは5以上、yは10以
上であり、zは0または5以上である。
【0024】上述のブロック共重合体としては、さら
に、他の化合物、例えば一般式(7)
【化17】 で示される化合物が挙げられる。
【0025】式(7)中、Mは水素原子、炭素数1〜4
のアルキル基、1〜3価の金属原子、アンモニウム基お
よび有機アミン基から選ばれる一種であり、Xはブロッ
ク共重合体の解重合に対して化学的に安定な基であり、
nは1以上、xは5以上、yは10以上であり、zは0
または5以上である。
【0026】さらに、上述ブロック共重合体としては、
一般式(8)
【化18】 で示される化合物が挙げられる。
【0027】式(8)中、Rは水素原子、アルキル基、
アルケニル基、アルキルフエニル基、フエニル基および
ベンジル基から選ばれる一種であり、Mは水素原子、炭
素数1〜4のアルキル基、1〜3価の金属原子、アンモ
ニウム基および有機アミン基から選ばれる一種であり、
nは1以上、aは10以上、bは5以上、cは10以上
である。
【0028】さらに、上述ブロック共重合体としては、
一般式(9)
【化19】 で示される化合物が挙げられる。
【0029】式(9)中、Rは水素原子、アルキル基、
アルケニル基、アルキルフエニル基、フエニル基および
ベンジル基から選ばれる一種であり、Mは水素原子、炭
素数1〜4のアルキル基、1〜3価の金属原子、アンモ
ニウム基および有機アミン基から選ばれる一種であり、
Xはブロック共重合体の解重合に対して化学的に安定な
基であり、nは1以上、aは10以上、bは5以上、c
は0または10以上である。
【0030】さらにまた、上述ブロック共重合体として
は、一般式(10)
【化20】
【0031】式(10)中、Mは水素原子、炭素数1〜
4のアルキル基、1〜3価の金属原子、アンモニウム基
および有機アミン基から選ばれる一種であり、Xはブロ
ック共重合体の解重合に対して化学的に安定な基であ
り、nは1以上、aは10以上、bは5以上、cは10
以上である。
【0032】本発明にかかる洗浄剤組成物は上述の成分
(a)、(b)および(c)を、成分(a)0.5〜4重
量%、成分(b)0.1〜2重量%および成分(c)3p
pm以上配合することが好ましい。これら配合量が上述
の範囲内において本発明効果を充分に達成することがで
きる。
【0033】上述構成からなる本発明洗浄剤組成物は炭
酸ガスの存在する雰囲気中、例えばビール醸造装置、炭
酸飲料製造装置等の定置洗浄工程で洗浄に供して洗浄剤
中のアルカリ分が炭酸ガスを吸収して炭酸塩に変化して
も、汚れに対する溶解性、特にビールの汚れ成分である
蓚酸カルシウム等、アルカリ土類金属塩に対する溶解性
が低下せず、かつスケールの析出・付着をも抑え、さら
に微生物分解性をも有する。
【0034】上述の本発明組成物はビールや炭酸飲料等
の炭酸ガスを多量に存在する雰囲気中のみならず、洗浄
液をスプレー等で長時間にわたって何回も洗浄し、空気
中の炭酸ガスを吸収して炭酸塩に変化するような場合に
も、上述と同様、汚れに対する溶解性が低下せず、かつ
スケールの析出・付着も抑え、さらに微生物分解性をも
有する。
【0035】
【発明の実施例】以下、本発明を実施例によってさらに
具体的に詳述する。
【0036】実施例1 表1に示す各成分を所定の配合量で配合して試料No.1
〜18を調製した。表1中の各成分は次のとおりであ
る。
【0037】NaOH:苛性ソーダ。本発明にかかる成
分(a)。
【0038】Na2 CO3 :炭酸ソーダ。本発明にかか
る成分(a)。
【0039】EDTA−4Na:エチレンジアミン四酢
酸ナトリウム塩。
【0040】GLDA−4Na:グルタミン酸−N、N
−ジ酢酸ナトリウム。本発明にかかる成分(b)。
【0041】ASDA−4Na:アスパラギン酸−N、
N−ジ酢酸ナトリウム。本発明にかかる成分(b)。
【0042】PGX−310:日本触媒(株)製試作品
PXIC−PGX310。分子量10000。本発明に
かかる成分(c)のブロック共重合体のナトリウム塩。
【0043】PASP:日本触媒(株)製試作品PXI
C−ポリアスパラギン酸ナトリウム塩。分子量120
0。
【0044】PEG:第一工業製薬(株)製PEGシリ
ーズ。分子量4000。
【0045】表1に示す各試料について、生分解能、蓚
酸カルシウムの溶解度およびスケール析出・付着防止能
の各試験を行い、結果を表1に示した。これら各試験は
次のように行った。
【0046】生分解能試験 各試料中、成分NaOH、Na2 CO3 は水溶性無機物
質であるから、生分解性試験の対象外である。
【0047】成分EDTA−4Naは微生物分解性につ
いて後述の「修正SCAS法」に準じて行ったが、10
0%残存しており、生分解性が全く進まなかった。
【0048】成分GLDA−4Na生分解性試験はCO
Dで500ppmになるように水で希釈した。さらに、
化学工業排水を処理している活性汚泥設備から活性汚泥
を採取し、この活性汚泥を小型の3槽直列曝気型活性汚
泥設備に上述の希釈液とともに供給し、曝気をして生物
分解のテストを行った。7〜8日経過した後の処理排水
中のCODは50〜75ppm程度に低減されており、
分解率が85〜90%であった。
【0049】成分ASDA−4Naは微生物分解性につ
いて、OECD化学品テストガイドラインに記されてい
る修正SCAS法に準じて観察した。試験手順として
は、連日エアポンプにて試験槽を曝気し、数日毎にサン
プリングした試験サンプル溶液をHPLC(Cu錯体
法)およびTOCにより化合物の残存率を追跡し、生分
解率を求めた。この結果、ASDAは残存率0%とな
り、完全に生分解された。
【0050】成分PGX−310は特開平10−536
48号公報第13ページ右欄第41行以後の「生分解性
試験」によれば、優れた生分解性を有する旨記載されて
いる。
【0051】成分PASPおよびPEGについては、上
述「成分ASDA−4Na」と同様に行ったが、残存率
がほとんどなく、生分解性は良好であった。
【0052】以上から、各試料は成分EDTA−4Na
を含む試料No.1、2および7を除いて生分解性ありと
判断した。特に、本発明にかかる試料No.10〜18に
ついては生分解性がほぼ完全であった。
【0053】試料No.10および20について上述の
「修正SCAS法」に準じて微生物分解試験を行った。
なお、化合物の残存率はHPLC(Cu錯体法)により
追跡した。この結果、試験に供した試料の残存率はほぼ
0%となり、完全に生分解された。
【0054】蓚酸カルシウムの溶解度試験 表1の試料50mlを100ccビーカーに採取し、こ
れに蓚酸カルシウム1水和物100mgをビールの汚れ
として添加した。この試料を40℃の温度下、約600
rpmの回転速度で、約10分間攪拌の後、No.5Cの
濾紙で濾過し、濾紙上に溶解せずに残った蓚酸カルシウ
ムを希塩酸(塩酸1:水4)に溶解した。この塩酸水溶
液についてM/100EDTA標準溶液を用いてキレー
ト滴定を行い、濾紙上の蓚酸カルシウムを求めた。この
数値から試料水溶液中に溶解した蓚酸カルシウムの溶解
度(%)を求めた。なお、この濾紙は後述のスケール析
出・付着防止能試験に使用するために保存しておく。
【0055】スケール析出・付着防止能試験 蓚酸カルシウムの溶解度試験の際に、No.5Cの濾紙で
濾過された濾液を50mlのガラス管に採取し、このガ
ラス管を25℃の恒温条件下に1日間および7日間静置
し、ガラス管内に析出ならびに付着したスケールの有無
および析出量を目視により測定した。
【0056】測定結果は次のように評価した。 5:無し 4:僅かに析出および付着 3:析出および付着 2:多量に析出および付着 1:著しく多量に析出および付着
【0057】
【表1】
【0058】表1から次のことがわかる。試料No.1の
比較例はNaOH−EDTA系試料であって、蓚酸カル
シウムの溶解度が大きく、かつスケールの析出・付着も
生じないが、生分解しない。これが炭酸ガスを吸収して
NaOHがNa2 CO3 に変化すると、試料No.2に示
されるように、蓚酸カルシウムの溶解度はほとんど変わ
らないものの、スケールの析出・付着が多量に見られ
る。
【0059】試料No.3の比較例はNaOH−GLDA
系試料であって、生分解能、蓚酸カルシウムの溶解度お
よびスケール析出・付着防止能の全てについて良好であ
るが、これが炭酸ガスを吸収してNaOHがNa2 CO
3 に変化すると、試料No.4に示されるように、蓚酸カ
ルシウムの溶解度およびスケール析出・付着防止能が著
しく低下してしまう。
【0060】試料No.5の比較例はNaOH−ASDA
系試料であって、試料No.3と同様、生分解能、蓚酸カ
ルシウムの溶解度およびスケール析出防止能の全ての試
験項目について良好であるが、これが炭酸ガスを吸収し
てNaOHがNa2 CO3 に変化すると、試料No.6に
示されるように、生分解能は良好に維持されるものの、
蓚酸カルシウムの溶解度およびスケール析出・付着防止
能が著しく低下する。
【0061】試料No.7の比較例は試料No.2の配合に
さらに、本発明にかかる成分(c)のブロック共重合体
PGX−310(日本触媒(株)試作品)を配合した試
料であり、スケール析出・付着防止能は高まるものの、
生分解性は悪い。
【0062】試料No.8およびNo.9の比較例はそれぞ
れ、試料No.4の配合にさらに、生分解性を有するが本
発明成分(c)とは異なる高分子量カルボン酸型化合物
PASP(日本触媒(株)試作品)およびPEG(第一
工業製薬(株)PEGシリーズ)を配合した試料である
が、やはり試料No.4と同様、生分解能は良好に維持さ
れるものの、蓚酸カルシウムの溶解度およびスケール析
出・付着防止能については全く改良されない。
【0063】試料No.10の実施例はNaOH−GLD
A系試料に本発明にかかる成分(c)のブロック共重合
体PGX−310を配合した試料であって、生分解能、
蓚酸カルシウムの溶解度およびスケール析出防止能の全
てに良好な結果を呈している。この試料No.10が炭酸
ガスを吸収してNaOHがNa2 CO3 に変化しても、
試料No.11に示されるように、生分解能、蓚酸カルシ
ウムの溶解度およびスケール析出・付着防止能の全てに
ついて変化がなく、全て良好である。
【0064】試料No.12の実施例はNaOH−ASD
A系試料に本発明にかかる成分(c)のブロック共重合
体PGX−310を配合した試料であって、上述と同
様、生分解能、蓚酸カルシウムの溶解度およびスケール
析出・付着防止能の全てに良好な結果を呈している。こ
の試料No.12が炭酸ガスを吸収してNaOHがNa2
CO3 に変化しても、試料No.13に示されるように、
生分解能、蓚酸カルシウムの溶解度およびスケール析出
・付着防止能の全てについて変化を生ぜず、全て良好で
ある。
【0065】試料No.14はNaOH−Na2 CO3
GLDA系試料に本発明にかかる成分(c)のブロック
共重合体PGX−310を配合した試料であり、試料N
o.15はNaOH−Na2 CO3 −ASDA系に本発明
にかかる成分(c)のブロック共重合体PGX−310
を配合した試料であり、いずれも生分解能、蓚酸カルシ
ウムの溶解度およびスケール析出・付着防止能の全ての
試験項目について良好な結果を呈している。
【0066】試料No.16の実施例はNaOH−GLD
A−ASDA系に本発明にかかる上記PGX−310を
配合した試料であり、上述と同様、生分解能、蓚酸カル
シウムの溶解度およびスケール析出・付着防止能の全て
について良好な結果を呈している。この試料No.16が
炭酸ガスを吸収してNaOHがNa2 CO3 に変化して
も、試料No.17に示されるように、試験項目の全てに
ついて良好な結果を維持している。
【0067】試料No.18の実施例はNaOH−Na2
CO3 −GLDA−ASDAの系に本発明にかかる上述
PGX−310を配合した試料であり、上述と同様、生
分解能、蓚酸カルシウムの溶解度およびスケール析出・
付着防止能の全ての試験項目について良好な結果を呈し
ている。
【0068】以上から、本発明実施例の試料No.10〜
18は全て、炭酸ガスの雰囲気中、特にビール醸造装置
や炭酸飲料製造装置の定置洗浄工程において使用に供
し、生分解能、蓚酸カルシウムの溶解度およびスケール
析出防止能の全ての試験項目について良好な結果を呈す
ることが表1から理解できる。
【0069】実施例2 表2に示す各成分中、Na2 CO3 およびGLDA−4
Naの配合量を一定に保ち、PGX−310の配合量を
変化させて試料No.19〜24を調製した。表2中の各
成分を表す記号は表1と同じである。
【0070】表2の各試料について、表1と同様な試験
方法により生分解能、蓚酸カルシウムの溶解度およびス
ケール析出・付着防止能の各試験を行い、結果を表2に
示した。
【0071】
【表2】
【0072】表2から、本発明にかかる成分(c)PG
X−310の配合量を1ppmから20ppmまで変化
させると、1ppmを含有する試料No.19が蓚酸カル
シウムの溶解度およびスケール析出・付着防止能につい
て、実用に供し得ないほどではないがやや劣るものの、
3ppm以上ではいずれも全ての試験項目について良好
な結果を呈することがわかる。
【0073】
【発明の効果】以上のとおり、本発明にかかる洗浄剤組
成物は洗浄剤中のアルカリ分が洗浄雰囲気中の炭酸ガス
を吸収して炭酸塩に変化しても、汚れの溶解性、特にビ
ールの汚れ成分である蓚酸カルシウム等のアルカリ土類
金属塩に対する溶解性が低下しないのみならず、スケー
ルの析出・付着も抑制し、さらに微生物分解性にも優れ
るという効果を奏し、特に炭酸ガスを多量に発生するビ
ール醸造装置や炭酸飲料製造装置の定置洗浄工程での使
用に適したものということができる。
【手続補正書】
【提出日】平成11年8月9日(1999.8.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【化7】 (ただし、Mは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
1〜3価の金属原子、アルミニウム基および有機アミン
基から選ばれる一種であり、Xはブロック共重合体の解
重合に対して化合的に安定な基であり、nは1以上、x
は5以上、yは10以上であり、zは0または5以上で
ある。)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】上述のブロック共重合体としては、さら
に、他の化合物、例えば一般式(7)
【化17】 で示される化合物が挙げられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C11D 7/32 C11D 7/32 Fターム(参考) 4H003 BA12 DA05 DA12 DA17 DB01 EA08 EA15 EA16 EA21 EB13 EB28 EB34 ED02 FA03 FA04 FA06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の成分(a)、(b)および(c)を
    主成分として含むことを特徴とする洗浄剤組成物。 (a)無機アルカリ金属塩および/またはアルカリ金属
    水酸化物。 (b)下記の一般式(1)および/または一般式(2)
    で示される化合物。 一般式(1) 【化1】 一般式(2) 【化2】 (ただし、一般式(1)および(2)において、Mは水
    素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニアまた
    は有機アミンを表す。) (c)下記の一般式(3)で示されるポリアルキレング
    リコール構造単位および一般式(4)で示されるポリグ
    リオキシレート構造単位を含むブロック共重合体。 一般式(3) 【化3】 (ただし、nは2〜4の整数、xは平均値で5以上であ
    る。) 一般式(4) 【化4】 (ただし、Mは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
    1〜3価の金属原子、アンモニウム基および有機アミン
    基から選ばれる一種であり、yは平均値で10以上であ
    る。)
  2. 【請求項2】 請求項1のブロック共重合体が次の一般
    式(5)で示される化合物である請求項1に記載の洗浄
    剤組成物。 一般式(5) 【化5】 (ただし、Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基、
    アルキルフエニル基、フエニル基およびベンジル基から
    選ばれる一種であり、Mは水素原子、炭素数1〜4のア
    ルキル基、1〜3価の金属原子、アンモニウム基および
    有機アミン基から選ばれる一種であり、nは1以上、x
    は5以上、yは10以上、zは0または5以上であ
    る。)
  3. 【請求項3】 請求項1のブロック共重合体が次の一般
    式(6)で示される化合物である請求項1に記載の洗浄
    剤組成物。 一般式(6) 【化6】 (ただし、Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基、
    アルキルフエニル基、フエニル基およびベンジル基から
    選ばれる一種であり、Mは水素原子、炭素数1〜4のア
    ルキル基、1〜3価の金属原子、アンモニウム基および
    有機アミン基から選ばれる一種であり、Xはブロック共
    重合体の解重合に対して化学的に安定な基であり、nは
    1以上、xは5以上、yは10以上であり、zは0また
    は5以上である。)
  4. 【請求項4】 請求項1のブロック共重合体が次の一般
    式(7)で示される化合物である請求項1に記載の洗浄
    剤組成物。 一般式(7) 【化7】 (ただし、Mは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
    1〜3価の金属原子、アンモニウム基および有機アミン
    基から選ばれる一種であり、Xはブロック共重合体の解
    重合に対して化学的に安定な基であり、nは1以上、x
    は5以上、yは10以上であり、zは0または5以上で
    ある。)
  5. 【請求項5】 請求項1のブロック共重合体が次の一般
    式(8)で示される化合物である請求項1に記載の洗浄
    剤組成物。 一般式(8) 【化8】 (ただし、Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基、
    アルキルフエニル基、フエニル基およびベンジル基から
    選ばれる一種であり、Mは水素原子、炭素数1〜4のア
    ルキル基、1〜3価の金属原子、アンモニウム基および
    有機アミン基から選ばれる一種であり、nは1以上、a
    は10以上、bは5以上、cは10以上である。)
  6. 【請求項6】 請求項1のブロック共重合体が次の一般
    式(9)で示される化合物である請求項1に記載の洗浄
    剤組成物。 一般式(9) 【化9】 (ただし、Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基、
    アルキルフエニル基、フエニル基およびベンジル基から
    選ばれる一種であり、Mは水素原子、炭素数1〜4のア
    ルキル基、1〜3価の金属原子、アンモニウム基および
    有機アミン基から選ばれる一種であり、Xはブロック共
    重合体の解重合に対して化学的に安定な基であり、nは
    1以上、aは10以上、bは5以上、cは0または10
    以上である。)
  7. 【請求項7】 請求項1のブロック共重合体が次の一般
    式(10)で示される化合物である請求項1に記載の洗
    浄剤組成物。 一般式(10) 【化10】 (ただし、Mは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
    1〜3価の金属原子、アンモニウム基および有機アミン
    基から選ばれる一種であり、Xはブロック共重合体の解
    重合に対して化学的に安定な基であり、nは1以上、a
    は10以上、bは5以上、cは10以上である。)
  8. 【請求項8】 請求項1の洗浄剤組成物が炭酸ガスの存
    在する雰囲気中で洗浄に供し、生分解性を維持したまま
    高洗浄性を呈するとともに、スケールの析出・付着を防
    止する請求項1に記載の洗浄剤組成物。
  9. 【請求項9】 請求項8において、炭酸ガスの存在する
    雰囲気がビール醸造装置または炭酸飲料製造装置の定置
    洗浄工程である請求項8に記載の洗浄剤組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1において、成分(a)、
    (b)および(c)の配合量が成分(a)0.5〜4重量
    パーセント、成分(b)0.1〜2重量パーセントおよび
    成分(c)3ppm以上である請求項1に記載の洗浄剤
    組成物。
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