JP2001049281A - 熱及び酸化に対して安定な潤滑剤組成物 - Google Patents

熱及び酸化に対して安定な潤滑剤組成物

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JP2001049281A
JP2001049281A JP26427999A JP26427999A JP2001049281A JP 2001049281 A JP2001049281 A JP 2001049281A JP 26427999 A JP26427999 A JP 26427999A JP 26427999 A JP26427999 A JP 26427999A JP 2001049281 A JP2001049281 A JP 2001049281A
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acid
mixture
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lubricant composition
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Taizo Sako
泰蔵 酒向
Hiroshi Shibuya
博 渋谷
Noriki Matsui
紀樹 松井
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Ouchi Shinko Chemical Industrial Co Ltd
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Ouchi Shinko Chemical Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 潤滑剤の安定剤として使用前の色調安定性、
及び使用時の優れた抗酸化性能を有していることが見出
されたジフェニルアミン誘導体と高級脂肪酸、及びグア
ニジン誘導体の混合物を含有してなる潤滑剤組成物を斯
界に提供することである。 【構成】 ジフェニルアミン誘導体100部に対し、高
級脂肪酸、及びグアニジン誘導体をそれぞれ1〜30部
含有した混合物を添加した潤滑剤組成物は、使用前にお
いて色調の変化が芳香族アミンを添加した潤滑剤組成物
と比較して小さく、使用時の熱及び酸化に対する安定性
がヒンダードフェノールを添加した潤滑剤組成物と比較
して優れていることから、本発明に係わる潤滑剤組成物
は潤滑剤業界において有用なものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はジフェニルアミン誘導
体、高級脂肪酸及びグアニジン誘導体の混合物を含有し
てなる熱及び酸化に対して安定化された潤滑剤組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】工業用に
使用されている潤滑剤は、使用中に熱酸化劣化を起こす
ことから一般的に安定剤を添加して使用されている。そ
の安定剤として、ヒンダードフェノール、芳香族アミン
が使用されていることがよく知られている。
【0003】しかし、最近、潤滑剤組成物は使用前の色
調の安定性、及び使用時における過酷な条件での熱酸化
劣化安定性の良好な潤滑剤組成物が切望されている。
【0004】本発明は、潤滑剤の安定剤として使用前の
色調安定性、及び使用時の優れた抗酸化性能を有してい
ることが見出されたジフェニルアミン誘導体と高級脂肪
酸及びグアニジン誘導体の混合物を含有してなる潤滑剤
組成物を斯界に提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題に鑑み、鋭意検討した結果、次式Iで表される化合物
100部に対して、次式II、IIIで表される化合物
をそれぞれ1〜30部含有してなる混合物を添加してな
る潤滑剤組成物が、使用前での色相安定性、及び使用時
の熱及び酸化に対して優れていることが見出され、本発
明を完成するに至った。
【化6】
【化7】
【化8】 〔R、Rは独立してH、三級オクチル基、α−メチ
ルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基を表し、R
はC12−18アルキル基、C12−18アルケニル
基を表し、Rは下記の式IVまたはVを表す。
【化9】
【化10】 また、RはH、メチル基を表す。〕
【0006】潤滑剤としては、特にはベース媒質が炭化
水素または合成潤滑剤である潤滑油またはグリースであ
る。本発明の好ましいベース液には、炭化水素、鉱油、
オレフィン液、ポリオレフィン液、ポリエーテル液、ポ
リアセタール、アルキレンオキシドポリマー、シリコン
ベース液及びエステル液が含まれる。ジカルボン酸と一
価アルコールのエステル、及びモノカルボン酸のトリメ
チロールプロパン及びペンタエリスリトールエステルが
特に興味深い。好適なジエステルには、シュウ酸、マロ
ン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸及びセバシン酸、シクロヘキサンジカ
ルボン酸、フタル酸、テレフタル酸及び同類物と、炭素
原子数1ないし20のアルコールとのエステルが含まれ
る。普通に使用されるジエステルは、ジ(2−エチルヘ
キシル)セバケートである。
【0007】トリメチロールプロパン及びペンタエリス
リトールエステルを形成するために使用される酸には、
1ないし30個の炭素原子を含み、直鎖または枝分かれ
鎖状の脂肪族、脂環式、芳香族またはアルキル化芳香族
構造を有するものが含まれる。これら酸の1種または複
数種の混合物も、これらのトリ−及びテトラ−エステル
の構造に使用することが出来る。カルボン酸の代表例に
は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、
カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、
イソデカン酸、ラウリン酸、安息香酸、ノニル安息香
酸、ドデシル安息香酸、ナフトエ酸、シクロヘキサン酸
等が含まれる。特に最も好ましい酸は、ペラルゴン酸及
びn−吉草酸とイソ吉草酸を含むコメリック吉草酸であ
る。
【0008】本発明に使用される最も好ましいエステル
は、ペンタエリスリトール、ペラルゴン酸、n−吉草酸
及びイソ吉草酸から製造されるエステルである。
【0009】本発明の混合物は潤滑剤に十分溶解性があ
り、所望の抗酸化安定化効果を発揮する。好ましい濃度
は全潤滑剤組成物に基づいて約0.001%から約20
%の範囲である。本発明混合物の有効安定化量は、好ま
しくは全潤滑剤組成物の重量に基づいて約0.1%から
約10%の範囲である。
【0010】潤滑油は鉱油、合成油またはそれら油の如
何なる混合物であっても良い。存在して良い合成潤滑剤
は、合成炭化水素例えばポリブテン、アルキルベンゼン
及びポリ−α−オレフィン並びに単純なジ−、トリ−及
びテトラ−エステル、複合エステル及び式:G−OO
C−アルキレン−COOG〔式中、“アルキレン”は
炭素原子数2ないし14のアルキレン残基を意味し、G
及びGは同一か異なって各々炭素原子数6ないし1
8のアルキル基を表す〕 で表されるカルボン酸エステ
ルから誘導されるポリエステルであって良い。潤滑油ベ
ース素材として使用されるトリ−エステルは、トリメチ
ロールプロパン及び炭素数6ないし18のモノカルボン
酸またはそれらの混合物から誘導されるものであり、他
方、好適なテトラ−エステルには、ペンタエリスリトー
ル及び炭素数6ないし18のモノカルボン酸またはそれ
らの混合物から誘導されるものが含まれる。
【0011】本発明の組成物の成分として使用に適する
複合エステルは、炭素原子数4ないし14の脂肪族ジカ
ルボン酸のどれかと炭素原子数3ないし12の少なくと
も1種の脂肪族二価アルコールとから誘導されるもの、
例えばアゼライン酸またはセバシン酸と2,2,4−ト
リメチルヘキサン−1,6−ジオールとから誘導される
ものである。
【0012】他の潤滑油は当業者に知られており、また
例えばシェーヴェーコベック(Schewe−Kobe
k)著「シュミールミッテル−タッシェンブッフ(Sc
hmiermittel−Taschenbuch)」
〔ヒューティッヒ出版(Huethig Verla
g)、ハイデルベルグ1974年〕 及びデー.クラマ
ン(D.Klamann)著「シュミールストッフ ウ
ント フェルヴァンテプロデュクテ(Schmiers
toff und verwandte Produk
te)」〔出版ヒェミー(Verlag Chemi
e)、ヴァインハイム1982年〕に記載されている。
【0013】潤滑油適用媒体はまた、潤滑剤の基本性能
を改良するために添加され得る他の添加剤、例えば金属
不動態化剤、粘度指数改良剤、流動点降下剤、分散剤、
界面活性剤、防錆添加剤、極圧添加剤、耐摩耗添加剤等
を含むことが出来、また、グリースの場合は増ちょう剤
を含むことも、本発明の特許請求の範囲に包含されるも
のとする。
【0014】例えぱ銅のための金属不動態化剤の例は:
トリアゾール類、ベンゾトリアゾール類とそれらの誘導
体、トルトリアゾール類とそれらの誘導体、例えばジ
(2−エチルヘキシル)−アミノメチルトルトリアゾー
ル、2−メルカプトベンゾチアゾール、5,5’−メチ
レンビスベンゾトリアゾール、4,5,6,7−テトラ
ヒドロベンゾトリアゾール、サリチリデン−プロピレン
ジアミン、サリチルアミノグアニジン及びそれらの塩、
1,2,4−トリアゾール、及びヨーロッパ特許出顧第
160620号に開示されている1,2,4−トリアゾ
ールとホルムアルデヒド及びアミンHNRとを反
応させて得られる次式:
【化11】 〔R及びRは独立して例えぱアルキル基、アルケニ
ル基またはヒドロキシエチル基を表す〕で表されるN,
N’−ジ置換アミノメチルトリアゾール;及ぴベンゾト
リアゾールまたはトルトリアゾールとホルムアルデヒド
及ぴアミンHNRから誘導されるマンニッヒ反応
生成物である。
【0015】防錆剤の例は: a)有機酸、そのエステル、金属塩及び無水物、例えば
N−オレイルザルコシン、ソルピタンモノオレエート、
ナフテン酸鉛、無水アルケニルコハク酸、例えば無水ド
デセニルコハク酸、アルケニルコハク酸の部分エステル
と部分アミド、4−ノニルフェノキシ酢酸。
【0016】b)含窒素化合物、例えば: I.第1、第2または第3級脂肪族または環式脂肪族ア
ミン類と有機及び無機酸のアミン塩、例えば油溶性のア
ルキルアンモニウムカルボキシレート。 II.複素環化合物、例えぱ置換イミダゾリン類とオキ
サゾリン類。
【0017】c)含リン化合物、例えばリン酸の部分エ
ステルまたはホスホン酸の部分エステルのアミン塩、ジ
アルキルジチオリン酸の亜鉛塩。
【0018】d)含硫黄化合物、例えばジノニルナフタ
レンスルホン酸バリウム、石油スルホン酸カルシウム。
【0019】e)特公昭48−15783号公報に記載
されているγ−アルコキシプロピルアミン誘導体、及び
【0020】f)式:Y−NH−RCO−を有す
る塩。〔式中、Yは基RXCHCH(OH)CH
を表し、R及びRは独立して例えばアルキル基を表
し、XはO、CO、NH、N(アルキル基)、N(ア
ルケニル基)またはSを表す〕 これらの塩は西独特許
出願公開第3437876号に開示されているように、
アミンY−NHと酸RCOOHを混合することによ
り製造される。
【0021】h)次式
【化12】 〔式中、R10、R11及びR12は独立して水素原
子、炭素原子数1ないし15のアルキル基、炭素原子数
5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数6ないし
15のアリール基または炭素原子数7ないし12のアル
アルキル基を表し、R13及ぴR14は独立して水素原
子、2−ヒドロキシエチル基または2−ヒドロキシプロ
ピル基を表すが、但しR13及びR14は同時に水素原
子を表すことはなく、またR13及びR14が各々−C
CHOHである場合にはR10及びR11は同時
に水素原子を表さず且つR12はペンチル基を表さな
い〕 で表される化合物。これらの化合物はヨーロッパ
特許第252007号明細書に記載されている。
【0022】粘度指数向上剤の例は:ポリアクリレー
ト、ポリメタクリレート、ビニルピロリドン/メタクリ
レート共重含体、ポリビニルピロリドン、ポリブテン、
オレフィン共重合体、スチレン/アクリレート共重合
体、ポリエーテルである。
【0023】流動点隆下剤の例は:ポリメタアクリレー
ト、アルキル化ナフタレン誘導体である。
【0024】分散剤/界面活性剤の例は:ポリブテニル
コハク酸アミド又は−イミド、ポリブテニルホスホン酸
誘導体、塩基性のスルホン酸またはフェノールのマグネ
シウム−、カルシウム−及びバリウム塩である。
【0025】耐磨耗添加剤の例は:硫黄及び/またはリ
ン及び/またはハロゲン−含有化合物、例えば硫酸化植
物油、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、リン酸トリトリ
ル、塩素化パラフィン、アルキル及びアリールジ−及び
トリスルフィド、トリフェニルホスホロチオネート、ジ
エタノールアミノメチルトリルトリアゾール、ジ(2−
エチルヘキシル)アミノメチルトリルトリアゾールであ
る。
【0026】増ちょう剤の例は:アルミニウム石鹸、カ
ルシウム石鹸、リチウム石鹸、ナトリウム石鹸、ベント
ナイト、シリカゲル、アリルウレア、インダンスレン等
である。
【0027】本発明にかかわる、次式I、II、III
で表される化合物の具体例としては次のものが挙げられ
る。
【化13】
【化14】
【化15】 式Iで表される化合物の例は:ジフェニルアミン、p,
p’−ジ三級オクチルジフェニルアミン、p,p’−ジ
クミルジフェニルアミン、三級オクチル化−α−メチル
ベンジル化ジフェニルアミン等、市販品で使用可能であ
る。 式IIで表される化合物の例は:ラウリル酸、ステアリ
ン酸、オレイン酸、リノール酸等、市販品で使用可能で
ある。 式IIIで表される化合物の例は:1,3−ジフェニル
グアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、o−
トリルビグアニド等、市販品で使用可能である。
【0028】また、本発明にかかわる混合物の混合比は
任意でも良いが、経済性を考慮すると、式Iで表される
化合物100部に対して、式II及び式IIIで表され
る化合物がそれぞれ1〜30部であることが好ましい。
下記実施例は単に例示の目的で示したものであり、どの
ような方法をもってしても本発明の本質または範囲を限
定すると解釈されるべきではない。
【0029】
【実施例】実施例1 下記表1に示す本発明混合物を、潤滑油中のそれらの抗
酸化活性について、ASTM D4742による薄膜フ
ィルム酸素消費試験(TFOUT:Thin−Film
Oxygen Uptake Test)法を用いて
試験する。試験混合物は、標準クランクケース処方に
0.5重量%の濃度で加えられている。抗酸化活性につ
いて示された時間が長いほど、より効果的な安定剤であ
ることを示す。これらの試験の結果を下記表2に示す。
【表1】
【表2】 本発明混合物の各々は、この標準潤滑剤組成物中で有意
な抗酸化性を示す。
【0030】実施例2 グリース30g、下記表3に示す本発明混合物1gを容
器に入れ、70℃で30分加熱後、よく攪拌して、冷却
した。このグリース試料を色差計を用いて色差を測定し
た。その結果を表4に示す。表中のL値は白が100、
黒が0を表している。a値は正の値が大きいほど赤味
を、負の値が大きいほど緑味の強いことを示している。
また、b値は正の値が大きいほど黄味を、負の値が大き
いほど青味の強いことを示している。さらに、ΔEは、
各試料と比較例とのL値、a値、b値それぞれの差の二
乗和の平方根である。すなわち、L値、a値、b値が比
較例と近いほど、また、ΔE値が0に近い程、色調の変
化が少ないことを示している。
【表3】
【表4】 本発明混合物の各々は、使用前の色調の変化の小さいこ
とを示す。以上の結果から、本発明の潤滑剤組成物は、
潤滑剤業界で有用なものと考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10N 30:10 30:20

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式Iで表される化合物100部に対
    して、次式II、IIIで表される化合物をそれぞれ1
    〜30部含有してなる混合物を添加してなる熱及び酸化
    に対して安定な潤滑剤組成物。 【化1】 【化2】 【化3】 〔R、Rは独立してH、三級オクチル基、α−メチ
    ルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基を表し、R
    はC12−18アルキル基、C12−18アルケニル
    基を表し、Rは下記の式IVたはVを表す。また、R
    はH、メチル基を表す。〕 【化4】 【化5】
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