JP2001049146A - 白色色材組成物およびその製造方法 - Google Patents

白色色材組成物およびその製造方法

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JP2001049146A JP22767899A JP22767899A JP2001049146A JP 2001049146 A JP2001049146 A JP 2001049146A JP 22767899 A JP22767899 A JP 22767899A JP 22767899 A JP22767899 A JP 22767899A JP 2001049146 A JP2001049146 A JP 2001049146A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 白色度、明度が高く安定な色調のトナー、イ
ンキ、塗料として用いることができ、しかも基体粒子の
特性(例えば、磁気特性)を高レベルに保持した白色色
材組成物、詳細には、基体粒子の特性を生かすための、
比較的少ない膜数、膜厚であっても、高い白色度が得ら
れる被覆膜を有する白色粉体を基材とする白色色材組成
物およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 基体粒子の表面に光の散乱反射により白
色を付与することができる結晶化微粒子と該結晶化微粒
子相互間に空隙を有する結晶化微粒子の集合体として構
成された被覆膜を少なくとも1層有する白色粉体を含有
することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、白色色材組成物お
よびその製造方法に関し、詳細には従来のものよりも明
度(白色度)が高く、カラーインク、塗料、プラスチッ
ク・紙用カラーフィラー、カラートナー、インクジェッ
トプリンター用カラーインク等多種の目的に用いられる
白色色材組成物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真や印刷の技術分野におい
て、取り扱う画像のカラー化が一般的となり、カラー化
に関する技術について様々な検討が行われている。特に
電子写真におけるトナーや印刷における印刷インクなど
はその代表的なものである。この様なトナーや印刷イン
ク等を総称して、色材組成物ということもある。カラー
画像を得るためには、上記の色材組成物の中でも、特に
白色のものが重要となることがある。白色色材組成物は
その色相自身を画像に用いたり、または所望の色相を得
るための顔料または染料を添加して用いることができ
る。
【0003】例えば、電子写真方式によるトナー自身が
磁性を備える1成分系現像法では、従来のモノクロでの
複写、プリントにおいては、黒い磁性トナーが使われて
いる。また、印刷の分野においても、印刷画像に磁気識
別機能を持たせるため磁性粉を含有させ黒い磁性インク
とすることがある。しかし、カラー画像の複写、プリン
トにおいては、黒色以外に白色または鮮やかな原色に着
色し、かつ磁気特性を保持した磁性トナー、磁性インク
とする必要がある。この1成分系カラー磁性トナーやカ
ラー磁性インクにより鮮明なカラー画像を得るには、磁
性トナー、インクなどの色材組成物自身を鮮やかな色に
着色する必要があるが、その中に含まれる磁性体粒子は
一般に黒色であるため、その色材組成物中に直接、顔
料、染料を添加したり、該磁性体粒子の表面に直接着色
層を設けても全体としては暗色のくすんだ色材組成物と
なる問題がある。
【0004】これに対して、本発明者らは、先に基体粒
子上に金属膜を形成し、その膜の反射作用により、粉体
を白色化する方法(特開平3−271376号公報、特
開平3−274278号公報)、金属アルコキシド溶液
中に基体粒子を分散し、金属アルコキシドを加水分解す
ることにより、基体粒子の表面に均一な0.01〜20
μmの厚みの金属酸化物膜を生成させる方法(特開平6
−228604号公報)、表面に金属酸化物からなる薄
膜と、金属からなる薄膜とを交互に複数層設けて機能性
粉体とすること(特開平7−90310号公報)、金属
酸化物膜で多層被覆してなる粉体を熱処理して、より緻
密で安定した金属酸化物多層膜を有する粉体を製造する
こと(国際公開WO96/28269号公報)を提案し
ている。
【0005】特に、上記に挙げた金属酸化物膜や金属膜
を複数層設けた粉体は、各層の膜厚を調整することによ
り特別の機能を付与することができるものであって、例
えば基体粒子の表面に、屈折率の異なる被覆膜を入射光
の4分の1波長に相当する厚さずつ設けるようにする
と、入射光を全て反射して白色の粉体を製造することが
できる。これらの様にして得られた白色粉体を用いて白
色磁性トナーやインク等の白色色材組成物としたり、更
にこの白色色材組成物に所望の着色を付与することがで
きる顔料または染料を添加することにより、鮮やかな色
に着色されたカラー磁性トナーやインク等を製造するこ
とができる可能性を示唆している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記白色
色材組成物に用いる白色粉体を得る場合、特開平3−2
71376号公報、特開平3−274278号公報に記
載の金属膜を設ける方法では膜数や膜厚を多くすると金
属固有の反射率まで、反射率を上げることができ、白色
化することができたが、ある程度の膜数や膜厚に達する
と、それ以上の白色化が期待できず、また得られた白色
化も不十分であった。また、上記特開平6−22860
4号公報、特開平7−90310号公報、国際公開WO
96/28269号公報に記載の方法では、膜数や膜厚
を多くするほど反射率が上がることにより白色度が高く
なり、膜の特性は顕著になる。しかし膜数や膜厚が多く
なるほど、基体粒子の特性は減少する。例えば、基体粒
子として、磁性粉を用いた場合は、膜数や膜厚が多くな
るほど、磁気特性が劣ってくる。換言すれば、上記の方
法で得られる白色粉体は、基体粒子が有する特性を生か
すためには膜数、膜厚を少なくする必要があるが、膜
数、膜厚を少なくすると所望の白色度が得られなくなる
恐れもあった。即ち、上記のような方法で得られた白色
粉体を用いた白色色材組成物も、該白色粉体の基体粒子
が有する特性と白色度とを十分に両立するものとはなら
なかった。
【0007】従って、本発明の目的は、上記従来の技術
の欠点を克服し、白色度、明度が高く安定な色調のトナ
ー、インキ、塗料として用いることができ、しかも基体
粒子の特性(例えば、磁気特性)を高レベルに保持した
白色色材組成物、詳細には、基体粒子の特性を生かすた
めの、比較的少ない膜数、膜厚であっても、高い白色度
が得られる被覆膜を有する白色粉体を基材とする白色色
材組成物およびその製造方法を提供しようとするもので
ある。更に、本発明の他の目的は、1成分系現像方式で
も優れた複合した機能を果たし得る白色磁性トナーや、
優れた磁気特性を発揮することができ、かつ耐候性の優
れた白色磁性印刷用インキ、白色塗料等に適用できる白
色色材組成物およびその効率的製造方法を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる現
状に鑑み、鋭意研究の結果、多層膜被覆粉体を製造する
際、屈折率の異なる多層の薄膜を形成し多層膜の反射光
干渉波形を調整することに加えて、結晶化微粒子と該結
晶化微粒子相互間に空隙を有する結晶化微粒子の集合体
からなる被覆層を、少なくとも1層形成することによ
り、光の散乱反射による白色度(明度)向上への寄与が
著しく増大することを見出した。更に、基体粒子の表面
に水系溶媒中での金属塩の反応または金属アルコキシド
の加水分解による被覆膜を形成する際、膜の組合せ、そ
れぞれの膜の厚さ、また、それらを制御する方法および
反応条件(pH、分散条件等)を改良することにより、
上記目的を達成できることを見出し、本発明に到達し
た。
【0009】すなわち、本発明の白色色材組成物および
その製造方法は、下記の通りである。 (1)基体粒子の表面に光の散乱反射により白色を付与
することができる結晶化微粒子と該結晶化微粒子相互間
に空隙を有する結晶化微粒子の集合体として構成された
被覆膜を少なくとも1層有する白色粉体を含有する白色
色材組成物。 (2)基体粒子の表面に結晶化微粒子と該結晶化微粒子
相互間に空隙を有する結晶化微粒子の集合体として構成
された被覆膜を少なくとも1層有し該結晶化微粒子表面
と空隙との間で生じる光の散乱反射により白色が付与さ
れた白色粉体を含有する白色色材組成物。 (3)前記白色粉体の結晶化微粒子が粒径の不揃いなも
のであることを特徴とする前記(1)または(2)記載
の白色色材組成物。 (4)前記白色粉体の基体粒子の表面に有する被覆膜が
多層膜であることを特徴とする前記(1)または(2)
記載の白色色材組成物。 (5)前記白色粉体の結晶化微粒子の集合体として構成
された被覆膜の表面に、該表面の空隙を塞ぐことができ
る超微粒子で構成された緻密な被覆膜を有することを特
徴とする前記(1)または(2)記載の白色色材組成
物。
【0010】(6)前記白色粉体の結晶化微粒子の集合
体として構成された被覆膜が高屈折率膜であることを特
徴とする前記(1)または(2)記載の白色色材組成
物。 (7)前記緻密膜がシリカ膜であることを特徴とする前
記(5)記載の白色色材組成物。(8)前記白色粉体の
結晶化微粒子の集合体として構成された被覆膜が、該被
覆膜を製膜するための反応溶液中で固相微粒子を形成さ
せ該固相微粒子を被覆膜中に取込ませた後に焼成するこ
とによって形成されたものであることを特徴とする前記
(1)または(2)記載の白色色材組成物。 (9)前記焼成を行う前に、前記固相微粒子を取込ませ
た被覆膜上を該被覆膜の表面の空隙を塞ぐ緻密な膜を構
成することができる超微粒子で被覆したことを特徴とす
る前記(8)記載の白色色材組成物。 (10)前記白色粉体の結晶化微粒子の集合体として構
成された前記被覆膜が、該結晶化微粒子と基体粉体とを
分散させた液中で、該結晶化微粒子を該基体粉体表面へ
付着させることによって形成されたものであることを特
徴とする前記(1)または(2)記載の白色色材組成
物。
【0011】(11)前記白色粉体が、少なくとも結着
用樹脂を含む分散媒中に分散されていることを特徴とす
る前記(1)〜(10)のいずれかに記載の白色色材組
成物。 (12)前記(11)記載の白色色材組成物からなる白
色インキ組成物。 (13)前記白色粉体上に接着樹脂層を有することを特
徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに記載の白色
色材組成物。 (14)前記接着樹脂層が体質顔料を含有することを特
徴とする前記(13)記載の白色色材組成物。 (15)前記(13)または(14)記載の白色色材組
成物からなる白色トナー。
【0012】(16)白色粉体を含有する白色色材組成
物を製造する方法において、基体粒子の表面に光の散乱
反射により白色を付与することができる結晶化微粒子と
該結晶化微粒子相互間に空隙を有する結晶化微粒子の集
合体として構成する被覆膜を少なくとも1層設けて白色
粉体とすることを特徴とする白色色材組成物の製造方
法。 (17)白色粉体を含有する白色色材組成物を製造する
方法において、基体粒子の表面に結晶化微粒子と該結晶
化微粒子相互間に空隙を有する結晶化微粒子の集合体と
して構成する被覆膜を少なくとも1層設けて該結晶化微
粒子表面と空隙との間で生じる光の散乱反射により白色
を付与して白色粉体とすることを特徴とする白色色材組
成物の製造方法。 (18)前記白色粉体の結晶化微粒子を粒径の不揃いな
ものとすることを特徴とする前記(16)または(1
7)記載の白色色材組成物の製造方法。 (19)前記白色粉体の基体粒子の表面に形成する被覆
膜を多層膜とすることを特徴とする前記(16)または
(17)記載の白色色材組成物の製造方法。 (20)前記白色粉体の結晶化微粒子の集合体として構
成する被覆膜の表面に、該表面の空隙を塞ぐことができ
る超微粒子で緻密な膜を構成することを特徴とする前記
(16)または(17)記載の白色色材組成物の製造方
法。
【0013】(21)前記白色粉体の結晶化微粒子の集
合体として構成する被覆膜を高屈折率膜とすることを特
徴とする前記(16)または(17)記載の白色色材組
成物の製造方法。 (22)前記緻密膜をシリカ膜とすることを特徴とする
前記(20)記載の白色色材組成物の製造方法。 (23)前記白色粉体の結晶化微粒子の集合体として構
成する被覆膜を、該被覆膜を製膜するための反応溶液中
で固相微粒子を形成させ該固相微粒子を膜中に取込ませ
た後に焼成することによって形成することを特徴とする
前記(16)または(17)記載の白色色材組成物の製
造方法。 (24)前記焼成を行う前に、前記固相微粒子を取込ま
せた被覆膜上を該被覆膜の表面の空隙を塞ぐ緻密な膜を
構成することができる超微粒子で被覆することを特徴と
する前記(23)記載の白色色材組成物の製造方法。 (25)前記白色粉体の結晶化微粒子の集合体として構
成された前記被覆膜を、該結晶化微粒子と基体粉体とを
分散させた液中で、該結晶化微粒子を該基体粉体表面へ
付着させることによって形成することを特徴とする前記
(16)または(17)記載の白色色材組成物の製造方
法。
【0014】(26)前記白色粉体を、少なくとも結着
用樹脂を含む分散媒中に分散することを特徴とする前記
(16)〜(25)のいずれかに記載の白色色材組成物
の製造方法。 (27)前記(26)記載の白色色材組成物の製造方法
からなる白色インキ組成物の製造方法。 (28)前記白色粉体上に接着樹脂層を設けることを特
徴とする前記(16)〜(25)のいずれかに記載の白
色色材組成物の製造方法。 (29)前記接着樹脂層に体質顔料を含有させることを
特徴とする前記(28)記載の白色色材組成物の製造方
法。 (30)前記(28)または(29)記載の白色色材組
成物の製造方法からなる白色トナーの製造方法。
【0015】本発明の白色色材組成物は、上記のよう
に、基体粒子の表面に有する被覆膜の少なくとも1層
を、結晶化微粒子と該結晶化微粒子相互間に空隙を有す
る結晶化微粒子の集合体からなる膜(以下、単に結晶化
微粒子構成膜ともいう)とすることにより、結晶化微粒
子表面と空隙との屈折率差を大きくして、光の散乱反射
を起こし、反射効果を高め、優れた白色度(明度)を有
し、かつ基体粒子の特性(例えば、磁気特性)を高レベ
ルに保持した機能性粉体を提供することが可能となっ
た。
【0016】また、本発明の白色色材組成物は、その製
造方法における製膜反応の際に、特に水系溶媒中で製膜
反応させる場合、以下の操作および作用により、被膜に
ならない固相の析出が抑えられ、基体粒子の表面に均一
な厚さの被膜を、所望の厚さで形成することができると
推測する。水系溶媒中での金属塩の反応による被覆膜
を形成する際、反応溶媒として、緩衡溶液を用い、ある
一定のpHとすることにより、酸またはアルカリの影響
が和らげられ、基体表面の侵食が防止される;超音波
分散により、基体粒子、特にマグネタイト粉等の磁性体
の分散性を良くするばかりでなく、被膜成分の拡散性を
良くし、更に、被膜同志の付着を防止し、被覆製膜され
た磁性体粒子の分散性をも良好にする;適当な反応の
速さで被膜成分を析出させ、被膜にならない固相の析出
を抑制する。上記の総合的作用により、膜被覆粉体の表
面の電荷を一定に維持することができ、電気2重層の働
きにより、膜被覆粉体の凝集がなく、分散粒子が得られ
る。電気2重層の働きを生かすためにpHは、基体の物
質と製膜反応により液中で形成される金属化合物の種類
の組み合わせにより異なり、また、両者の等電点を避け
ることが好ましい。
【0017】上記のようにして得られた本発明の白色色
材組成物は、顔料、粉末冶金、窯業原料、電子工業など
の原料となる白色系複合原料粉体として有用なものであ
り、カラーインキ用顔料およびプラスチック・紙用フィ
ラーに用いられている従来の顔料にとって代わる優れた
性能を保持し、長期保存においても安定な色調のものと
することができる。これらの優れた機能を有すると共
に、基体として磁性体、導電体または誘電体を活用する
と、電場、磁場などの外部要因により反応することによ
り移動力、回転、運動、発熱などの付加的な作用を発す
る機能をもち、例えば、基体として磁性体を適用する
と、磁性を損なわずに白色またはカラー磁性トナーや白
色またはカラー磁性インキの顔料としても適用可能であ
る。
【0018】以下、図面を参照しながら本発明をさらに
詳しく説明する。図1は、基体粒子1の表面に結晶化微
粒子構成膜2を有する本発明の白色色材組成物の一例の
断面図であり、図2は、図1の白色色材組成物が有する
結晶化微粒子構成膜2の断面拡大図である。図1および
図2に示す様に、上記結晶化微粒子構成膜2は結晶化微
粒子3の間に空隙を有することにより、前記結晶化微粒
子3の表面と空隙との屈折率差を大きくし、光の散乱反
射を起こさせ、これにより明度(白色度)の高い粉体と
することができる。上記の散乱反射が強いほど、粉体の
明度(白色度)が増す。膜2の中に含まれる結晶化微粒
子3は、屈折率が高い方が好ましく、また、粒径が揃っ
ていない方が好ましい。明度の調整は、上記膜内の結晶
化微粒子の量および粒子径により調整することができ
る。但し、粒子径によっては、散乱と干渉が同時に起こ
り、その干渉によって白色以外の色相を呈することがあ
るので、その設計には注意を要する。特に、得られた膜
被覆粉体がオパールの様に単色スペクトル色の強い場合
には、膜中の結晶化粒子径がある大きさ(光の波長の4
分の1から1波長程度)で均一になって該結晶化微粒子
による干渉が発生している考えられる。
【0019】この場合、膜内の結晶化微粒子の粒子径
は、1〜500nmが好ましく、より好ましくは1〜3
00nmであり、さらに好ましくは1〜250nmの範
囲である。粒子径が1nm未満では、膜になっても、光
を透過するため下地の基体粒子の色がそのまま出ること
がある。逆に500nmより大きい場合には複数の粒子
の反射光により前記干渉着色が起こったり、膜が脆くな
って、剥離しやすく好ましくない。また膜内の結晶化微
粒子は、他の微粒子や膜と接触していても、粒界など形
状で区別できるものである。
【0020】一方、上記結晶化微粒子構成膜の1層の、
好ましい厚さ範囲は、基体となる粒子の大きさによって
異なる。基体粒子が0.1μm〜1μmでは0.05μ
m〜0.5μm、基体粒子が1μm〜10μmでは0.
05μm〜2μm、基体粒子が10μm以上では0.0
5μm〜3μmであることが好ましい。また、上記結晶
化微粒子構成膜の総膜厚の好ましい厚さ範囲も、基体と
なる粒子の大きさによって異なる。基体粒子が0.1μ
m〜1μmでは0.1μm〜3μm、基体粒子が1μm
〜10μmでは0.1μm〜5μm、基体粒子が10μ
m以上では0.1μm〜10μmであることが好まし
い。
【0021】更に本発明の白色色材組成物は、図2に示
されるように、空隙を有する結晶化微粒子3で構成され
た膜2の表面に、該表面の空隙を塞ぐことができる超微
粒子4で構成された緻密な被覆膜(以下単に、緻密膜と
もいう)を有することが好ましい。例えば、前述のよう
な結晶化微粒子構成膜を最外層として有する白色粉体を
トナーあるいは塗料等の顔料粉体として用いた場合、ト
ナーの樹脂または塗料のビヒクルがその空隙に入り込
み、結晶化微粒子3の表面と空隙との間の屈折率差を小
さくして光の散乱反射を弱くし、その結果、明度(白色
度)も低下させる。前述の緻密膜は上記のような明度の
低下を防止するために好適である。
【0022】なお、特開平4−269804号公報に
は、表面に無機顔料粒子の被覆層を有する着色粉体が記
載されているが、この着色粉体は顔料粒子間の空隙が、
表面処理剤と樹脂の混合物によって充填されたものであ
り、本発明の白色色材組成物のように、散乱反射が発生
するものではなく、顔料粒子そのものの色によって所望
の色に着色されるものである。またこの特開平4−26
9804号公報に記載の着色粉体は、基体粒子表面に顔
料粒子が十分に固定されていないことがある。その場合
には、基体に付着していた顔料粒子が溶媒と樹脂の混合
液中で分離するため、塗料等に適用できないこともあ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の白色色材組成物
およびその製造方法についてを詳細に説明する。本発明
の白色色材組成物に含有される白色粉体が有する結晶化
微粒子構成膜は、光を散乱反射し、白色を発することが
できるものであれば、どのような物質からなるものでも
構わないが、高屈折率を有する物質からなるものが好ま
しい。高屈折率を有する物質としては、特に限定されな
いが、酸化チタン(チタニア)、酸化ジルコニウム、酸
化ビスマス、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化イン
ジウム等の酸化物を用いることができ、屈折率が高く、
汎用である酸化チタン(チタニア)が最も好ましい。
【0024】上記のような結晶化微粒子構成膜を製膜す
る方法としては、製膜反応液相中での固相析出による方
法等が用いられる。具体的には、本発明者らが先に提案
した特開平6−228604号公報、特開平7−903
10号公報、国際公開WO96/28269号公報に記
載されている有機溶媒中での金属アルコキシドの加水分
解による固相析出法(金属アルコキシド法)や、特願平
9−298717号に添付の明細書に記載の水溶液中で
の金属塩からの反応による固相析出法(水系法)等が挙
げられる。この場合、製膜反応液中で、基体粒子の表面
に析出物の膜が成長する速度(線成長速度)よりも、反
応液中で固相微粒子が析出する速度が速くなるように、
反応溶液濃度、添加触媒量、基体粒子分散量を調整す
る。上記のようにして、製膜反応液中に析出した固相微
粒子を、基体粒子表面に付着させ、固相微粒子で構成さ
れた被覆膜を形成する。
【0025】なお、この時点で膜にとりこまれた固相微
粒子は非晶質であり、該固相微粒子間の空隙も未形成で
あり、光の散乱反射が生じず、また膜の機械的強度も非
常に低いものである。そのため、この固相微粒子で構成
された被覆膜を焼成する。この焼成により前記非晶質の
固相微粒子は結晶化し、該結晶化微粒子間には空隙も形
成され、前述の光を散乱反射する結晶化微粒子構成膜と
なる。
【0026】該結晶化微粒子構成膜を形成するために
は、前述の金属アルコキシド法よりも、水系法の方が線
成長速度と固相析出速度の関係を好適なものとするのに
簡易であるため好ましい。また金属アルコキシド法は原
料として高価な金属アルコキシドや、反応溶媒として比
較的高価で危険性のある有機溶媒を必要とする。このた
め、製造装置または設備等も防爆仕様にしなければなら
ず、更に、コストパーフォマンスが悪くなる。この点か
らも金属アルコキシド法に比べ水系法が好ましい。
【0027】なお、前記焼成は前記固相微粒子で構成さ
れた被覆膜を形成した後に行ってもよいが、更に該被覆
膜の上に、その被覆膜が結晶化微粒子構成膜となった場
合その表面の空隙を塞ぐための緻密膜を形成することが
できる超微粒子で被覆した後に行うことが、得られる白
色色材組成物の膜強度の点から望ましい。焼成は300
〜1200℃で行うことが好ましい。
【0028】また、固相析出速度を調整して液中で可視
光散乱反射する超微粒子を形成する方法に加え、既存の
粒子を利用することもできる。即ち緩衝溶液中に、基体
粒子とシリカあるいはチタニア等の結晶化超微粒子を該
緩衝溶液中で十分に均一分散化後、表面にシリカあるい
はチタニア等の膜を被覆する原料を溶解した液を滴下
し、ちょうど膜のみが形成されるように固相析出速度を
最適化することにより、攪拌中に基体粒子と結晶化超微
粒子の両者表面に析出した固相膜同士が固着し、基体粒
子が、前記結晶化超微粒子で覆われる。
【0029】この様にして製膜された粉体を300〜1
200℃で焼成することにより、該結晶化超微粒子の粒
子間が膜で覆われた粒子(微粒子膜を有する粒子)とな
り、散乱超微粒子の屈折率が高く、可視光散乱超微粒子
の粒径としては散乱力が最大に成る程度の粒径であるこ
とが好ましい。特にチタニアでは、0.2〜0.3μm
の粒径であることが好ましい。該基体粒子はその屈折率
が結晶化超微粒子より小さいときには高屈折率の膜を直
接基体粒子に形成するか,あるいは最外層が高屈折率膜
になるように製膜した後、前記微粒子膜を形成しても良
い。また、逆に基体粒子の屈折率が結晶化超微粒子より
大きい場合には、低屈折率の膜で微粒子膜を形成する
が、その場合も先に基体粒子の最外層が低屈折率膜とし
ておくことが散乱を最大限利用するのに好ましい。
【0030】本発明の白色色材組成物に含有される白色
粉体は、基体粒子上に前述の結晶化微粒子構成膜を一層
のみでなるものでもよいが、光を透過し得る他の構成か
らなる膜をさらに有する多層膜被覆粉体であってもよ
い。また、前述の結晶化微粒子構成膜は2層以上であっ
てもよい。その場合、2層の結晶化微粒子構成膜の間に
は、低屈折率の光透過性の被覆膜が存在することが好ま
しい。該低屈折率の光透過性の被覆膜としては特に限定
されないが、金属化合物、有機物等からなるものが挙げ
られる。
【0031】前記金属化合物としては、金属酸化物や金
属硫化物、金属セレン化物、金属テルル化物、金属フッ
化物を挙げることができる。より具体的には、酸化亜
鉛、酸化アルミニウム、酸化カドミウム、酸化チタン、
酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化珪素、酸化アン
チモン、酸化ネオジウム、酸化ランタン、酸化ビスマ
ス、酸化セリウム、酸化錫、酸化マグネシウム、酸化リ
チウム、酸化鉛、硫化カドミウム、硫化亜鉛、硫化アン
チモン、セレン化カドミウム、テルル化カドミウム、フ
ッ化カルシウム、フッ化ナトリウム、フッ化アルミニウ
ム3ナトリウム、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム
等を好適に使用できる。
【0032】以下に、前記金属化合物膜の製膜方法につ
いて説明する。製膜方法としては、PVD法、CVD法
あるいはスプレードライ法等の気相蒸着法により、基体
粒子の表面に直接、蒸着する方法が可能である。しかし
ながら、本発明者らが先に提案した前記特開平6−22
8604号公報、特開平7−90310号公報あるいは
国際公開WO96/28269号公報に記載されている
金属アルコキシド法や、特願平9−298717号明細
書に記載の水系法が好ましい。この場合、前述の結晶化
微粒子構成膜の製膜と異なり、線成長速度は固相析出速
度よりも高くして、非晶質の均一膜が形成されるように
反応条件を調整する。
【0033】前記有機物としては、特に限定されるもの
ではないが、好ましくは樹脂である。樹脂の具体例とし
ては、セルロース、酢酸セルロース、ポリアミド、エポ
キシ樹脂、ポリエステル、メラミン樹脂、ポリウレタ
ン、酢酸ビニル樹脂、ケイ素樹脂、アクリル酸エステ
ル、メタアクリル酸エステル、スチレン、エチレン、プ
ロピレン及びこれらの誘導体の重合体または共重合体な
どが挙げられる。 (1)有機物膜(樹脂膜)を形成する場合、 a.液相中、基体粒子を分散させて乳化重合させること
により、その粒子の上に樹脂膜を形成させる方法(液相
中での重合法)や、b.気相中での製膜法(CVD)
(PVD)等が採られる。
【0034】本発明を白色色材組成物として、基体粒子
上に多層膜を有するものを製造する場合の例を以下に示
す。例えば、後に詳述する基体粒子が高屈折率の物質か
らなるものであれば、その上に低屈折率の光透過性膜を
設け、さらにその上に高屈折率の粒子構成膜、またさら
に、その上に屈折率の高低に関らず緻密膜とを、順次交
互に設ける。また、基体粒子が低屈折率のものならば、
その上に高屈折率の粒子構成膜、さらにその上に低屈折
率の光透過性膜、またさらにその上に、高屈折率の粒子
構成膜と、高屈折率の緻密膜とを、順次設ける。
【0035】白色色材組成物に用いられる基体粒子は、
特に限定されず、金属を含む無機物でも、有機物でもよ
く磁性体、誘電体、導電体および絶縁体等でもよい。基
体が金属の場合、鉄、ニッケル、クロム、チタン、アル
ミニウム等、どのような金属でもよいが、その磁性を利
用するものにおいては、鉄等磁性を帯びるものが好まし
い。これらの金属は合金でも良く、前記の磁性を有する
ものであるときには、強磁性合金を使用することが好ま
しい。また、その粉体の基体が金属化合物の場合には、
その代表的なものとして前記した金属の酸化物が挙げら
れるが、例えば、鉄、ニッケル、クロム、チタン、アル
ミニウム、ケイ素等の外、カルシウム、マグネシウム、
バリウム等の酸化物、あるいはこれらの複合酸化物でも
良い。さらに、金属酸化物以外の金属化合物としては、
金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物、金属フッ化物、
金属炭酸塩、金属燐酸塩などを挙げることができる。
【0036】さらに、基体粒子として、金属以外では、
半金属、非金属の化合物、特に酸化物、炭化物、窒化物
であり、シリカ、ガラスビーズ等を使用することができ
る。その他の無機物としてはシラスバルーン(中空ケイ
酸粒子)などの無機中空粒子、微小炭素中空球(クレカ
スフェアー)、電融アルミナバブル、アエロジル、ホワ
イトカーボン、シリカ微小中空球、炭酸カルシウム微小
中空球、炭酸カルシウム、パーライト、タルク、ベント
ナイト、合成雲母、白雲母、など雲母類、カオリン等を
用いることができる。
【0037】有機物としては、樹脂粒子が好ましい。樹
脂粒子の具体例としては、セルロースパウダー、酢酸セ
ルロースパウダー、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリエ
ステル、メラミン樹脂、ポリウレタン、酢酸ビニル樹
脂、ケイ素樹脂、アクリル酸エステル、メタアクリル酸
エステル、スチレン、エチレン、プロピレン及びこれら
の誘導体の重合または共重合により得られる球状または
破砕の粒子などが挙げられる。特に好ましい樹脂粒子は
アクリル酸またはメタアクリル酸エステルの重合により
得られる球状のアクリル樹脂粒子である。但し、樹脂粒
子を基体とする場合、乾燥における加熱温度は樹脂の融
点以下でなければならない。
【0038】基体の形状としては、球体、亜球状態、正
多面体等の等方体、直方体、回転楕円体、菱面体、板状
体、針状体(円柱、角柱)などの多面体、さらに粉砕物
のような全く不定形な粉体も使用可能である。これらの
基体は、粒径については特に限定するものでないが、
0.01μm〜数mmの範囲のものが好ましい。
【0039】また、基体粒子の比重としては、0.1〜
10.5の範囲のものが用いられるが、得られた粉体を
液体等に分散させて使用する場合には、流動性、浮遊性
の面から0.1〜5.5が好ましく、より好ましくは
0.1〜2.8、更に、好ましくは0.5〜1.8の範
囲である。得られた粉体を液体等に分散させて使用する
場合、基体の比重が0.1未満では液体中の浮力が大き
すぎ、膜を多層あるいは非常に厚くする必要があり、不
経済である。一方、10.5を超えると、浮遊させるた
めの膜が厚くなり、同様に不経済である。
【0040】本発明の白色色材組成物を製造する方法で
は、多層被覆膜を連続した工程として製作しても良く、
また、各被覆膜を1層ずつ製作、あるいは単層製作と複
層連続製作を組み合わせるなど種々の方法で製作するこ
とができる。本発明に係わる白色色材組成物の粒径は、
特に限定されず、目的に応じて適宜調整することができ
るが、通常は0.01μm〜数mmの範囲である。
【0041】本発明において、その1回に形成させる金
属酸化物膜の膜の厚さとしては、5nm〜10μmの範
囲とすることが可能であり、従来の形成法より厚くする
ことができる。複数回に分けて形成する金属酸化物膜の
合計の厚さとしては、前記したカラー磁性粉体の場合、
その干渉による反射率が良い金属酸化物膜を形成するた
めには、10nm〜20μmの範囲が好ましい、さらに
好ましくは20nm〜5μmの範囲とすることである。
粒径が制限されるなど特に薄い膜厚で可視光を干渉反射
させるためには0.02〜2.0μmの範囲とすること
が好ましい。
【0042】本発明の白色色材組成物は上記のように、
その製造方法における製膜反応の際に、特に水系溶媒中
で製膜反応させる場合、製膜反応溶媒としてpH一定条
件の水系溶媒を用い、同時に膜被覆反応を超音波分散条
件下で、基体の表面への被膜形成反応により形成され
る。本願発明では製膜反応を一定にするために、水系溶
媒に緩衝剤を添加し緩衝溶液とするかあるいはあらかじ
め用意された緩衝溶液が用いられる。また製膜反応の際
には緩衝溶液以外の膜原料を添加し製膜する。製膜原料
添加により製膜を行う際に、pHが大きく変動する場合
には、これを防ぐため、緩衝溶液を追加することが望ま
しい。本発明で言うところのpH一定とは、pHが所定
のpHの±2以内、好ましくは±1以内、より好ましく
は±0.5以内を言う。
【0043】緩衡溶液は種々の系が用いられ、特に限定
されないが、まず基体粒子が十分に分散できることが重
要であり、同時に基体の表面に析出した金属水酸化物あ
るいは金属酸化物の膜被覆粉体も電気2重層の働きで分
散でき、かつ上記の緩やかな滴下反応により緻密な被膜
が製膜ができる条件を満足するように選択する必要があ
る。従って、本発明の膜被覆粉体の製造法は従来の金属
塩溶液の反応による中和や等電点による析出、または加
熱により分解して析出させる方法とは異なるものであ
る。
【0044】次に、超音波分散条件としては、種々の超
音波発振装置が使用でき、例えば、超音波洗浄機の水槽
を利用することができ、特に限定されない。しかし本発
明の超音波分散の条件としては、発振装置の大きさ、反
応容器の形状および大きさ、反応溶液の量、体積、基体
粒子の量等によって変化してくるので、それぞれの場合
において、適切な条件を選択すればよい。本発明に使用
される緩衡溶液としては、析出させる固相成分に依存
し、特に限定されないが、Tris系、ホウ酸系、グリ
シン系、コハク酸系、乳酸系、酢酸系、酒石酸系、塩酸
系等が挙げられる。
【0045】次に一例として、特に水系溶媒中で製膜反
応させる場合、高屈折率の金属酸化物と低屈折率の金属
酸化物の交互多層膜を形成する方法について具体的に説
明する。まず、酸化チタンあるいは酸化ジルコニウムな
どの被膜を形成する場合、酢酸/酢酸ナトリウム系等の
緩衡溶液中に基体粒子を浸漬し超音波発振により分散
し、チタンあるいはジルコニウムなどの金属塩である硫
酸チタン、硫酸ジルコニウム等を原料とし、これら金属
塩の水溶液を反応系に緩やかに滴下し、生成する金属水
酸化物あるいは金属酸化物を基体粒子のまわりに析出さ
せることにより行うことができる。この滴下反応の間、
pHは上記緩衡溶液のpH(5.4)に保持される。反
応終了後、この粉体を固液分離し、洗浄・乾燥後、熱処
理を施す。乾燥手段としては真空乾燥、自然乾燥のいず
れでもよい。また、不活性雰囲気中で噴霧乾燥機などの
装置を用いることも可能である。なお、酸化チタンが被
覆膜である場合の酸化チタンの形成は下記の反応式で示
される。 Ti(SO42+2H2O→TiO2+4H2(SO42
【0046】続いて、二酸化ケイ素あるいは酸化アルミ
ニウムなどの被膜を形成する場合、KCl/H3BO3
等にNaOHを加えた緩衡溶液中に上記のチタニアコー
ト粒子を浸漬し分散し、ケイ素あるいはアルミニウムな
どの金属塩であるケイ酸ナトリウム、塩化アルミニウム
等を原料とし、これら金属塩の水溶液を反応系に緩やか
に滴下し、生成する金属水酸化物あるいは金属酸化物を
基体粒子のまわりに析出させることにより行うことがで
きる。この滴下反応の間、pHは上記緩衡溶液のpH
(9.0)に保持される。反応終了後、この粉体を固液
分離し、洗浄・乾燥後、熱処理を施す。この操作によ
り、基体粒子の表面に屈折率の異なる2層の、金属酸化
物膜を形成する操作を繰り返すことにより、多層の金属
酸化物膜をその表面上に有する粉体が得られる。なお、
この場合の被覆膜である二酸化ケイ素の形成は下記の反
応式で示される。 Na2SiX O2X+1+H2O→XSiO2+2Na++2O
-
【0047】次に、本発明において製膜に使用する原
料、特に金属塩について説明する。高屈折率の膜を製膜
するのに使用する原料としては、酸化チタン膜用には、
チタンのハロゲン化物、硫酸塩等、酸化ジルコニウム膜
用には、ジルコニウムのハロゲン化物、硫酸塩、カルボ
ン酸塩、シュウ酸塩、キレート錯体等、酸化セリウム膜
用には、セリウムのハロゲン化物、硫酸塩、カルボン酸
塩、シュウ酸塩等、酸化ビスマス膜用には、ビスマスの
ハロゲン化物、硝酸塩、カルボン酸塩等、酸化インジウ
ム膜用には、インジウムのハロゲン化物、硫酸塩等が好
ましい。また、低屈折率の膜を製膜するのに使用する原
料としては、酸化ケイ素膜用には、ケイ酸ソーダ、水ガ
ラス、ケイ素のハロゲン化物、アルキルシリケート等の
有機ケイ素化合物とその重合体等、酸化アルミニウム膜
用には、アルミニウムのハロゲン化物、硫酸塩、キレー
ト錯体等、酸化マグネシウム膜用には、マグネシウムの
硫酸塩、ハロゲン化物等が好ましい。また、例えば酸化
チタン膜の場合には、塩化チタンに硫酸チタンを混合す
ると、より低温で屈折率の高いルチル型の酸化チタン膜
になる等の効果がある。
【0048】また、被覆の際の反応温度は各金属塩の種
類に適した温度に管理して被覆することにより、より完
全な酸化物膜を製作することができる。水系溶媒中での
基体の表面への被膜形成反応(固層析出反応)が遅すぎ
る場合には、反応系を加熱して固層析出反応を促進する
こともできる。但し、加熱の熱処理が過剰であると、該
反応速度が速すぎて、過飽和な固層が膜にならず、水溶
液中に析出し、ゲルあるいは微粒子を形成し、膜厚制御
が困難になる。
【0049】被覆膜は製作後、蒸留水を加えながら傾斜
洗浄を繰り返して、電解質を除去した後、乾燥・焼成等
の熱処理を施し、固相中に含まれた水を除去して、完全
に酸化物膜とすることが好ましい。また、製膜後の粉体
を回転式チューブ炉などで熱処理することにより、固着
を防ぐことができ、分散された粒子を得ることができ
る。水酸化物膜あるいは酸化物膜を形成し、それを熱処
理するには、各層を被覆する毎に熱処理しても良く、ま
た、目的の多層膜を完成後最後に熱処理しても良い。熱
処理条件は反応系により異なるが、上記の熱処理温度と
しては200〜1300℃であり、好ましくは400〜
1100℃である。200℃以下では塩類や水分が残っ
てしまう事あり、1300℃を超えて高くなると、膜と
基体が反応し別の物質となることがあり、共に不適であ
る。熱処理時間としては0.1〜100時間であり、好
ましくは0.5〜50時間である。
【0050】次に本発明に係る白色色材組成物を調製す
る場合の(1)白色インキあるいは塗料様組成物(流
体)および(2)白色トナー、白色乾式インキ様組成物
(粉体)のそれぞれについて説明する。 (1)本発明において白色インキあるいは塗料様組成物
(流体)の媒質(ビヒクル)としては、カラー印刷用、
カラー磁気印刷用、カラー磁気塗料用に用いられる、従
来公知のワニスを用いることができ、例えば液状ポリマ
ー、有機溶媒に溶解したポリマーやモノマーなどを粉体
の種類やインキの適用方法、用途に応じて適宜に選択し
て使用することができる。
【0051】上記液状ポリマーとしては、ポリペンタジ
エン、ポリブタジエン等のジエン類、ポリエチレングリ
コール類、ポリアミド類、ポリプロピレン類、ワックス
類あるいはこれらの共重合体編成体等を挙げることがで
きる。有機溶媒に溶解するポリマーとしては、オレフィ
ン系ポリマー類、オリゴエステルアクリレート等のアク
リル系樹脂類、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリイ
ソシアネート類、アミノ樹脂類、キシレン樹脂類、ケト
ン樹脂類、ジエン系樹脂類、ロジン変性フェノール樹
脂、ジエン系ゴム類、クロロプレン樹脂類、ワックス類
あるいはこれらの変性体や共重合体などを挙げることが
できる。有機溶媒に溶解するモノマーとしては、スチレ
ン、エチレン、ブタジエン、プロピレンなどを挙げるこ
とができる。有機溶媒としては、エタノール、イソプロ
パノール、ノルマルプロパノール等のアルコール類、ア
セトン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、
ケロシン、ベンジン炭化水素類、エステル類、エーテル
類あるいはこれらの変性体や共重合体などを挙げること
ができる。
【0052】(2)白色トナー、白色乾式インキ、白色
乾式塗料様組成物(粉体)は、上記白色色材多層膜被覆
粉体を、樹脂とあるいは必要に応じて調色材とを、スク
リュー型押出機、ロールミル、ニーダなどで直接混練
し、ハンマミル、カッターミルで粗粉砕したあと、ジェ
ットミルなどで微粉砕し、エルボージェットなどで必要
な粒度に分級することにより粉体状白色色材組成物を得
ることができる。 また、乳化重合法や懸濁重合法など
の重合法を用いて、白色色材多層膜被覆粉体を粉体状白
色色材組成物とすることもできる。明度を上げるための
調色材としては、白色顔料(展色材)である、例えば、
酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化珪素、酸化アンチ
モン、酸化鉛等あるいはこれらの複合酸化物類、また炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等の炭
酸塩、あるいは硫酸バリウム、硫酸カルシウムのような
硫酸塩類、硫酸亜鉛のような硫化物あるいは前記酸化物
や炭酸塩および硫酸塩を焼結した複合酸化物、複合含水
酸化物類が挙げられる。
【0053】この粉体状白色色材組成物の場合、(a)
上記粉砕法で製造する場合の樹脂としては、特に限定さ
れるものではないが、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリ
エステル、メラミン樹脂、ポリウレタン、酢酸ビニル樹
脂、ケイ素樹脂、アクリル酸エステル、メタアクリル酸
エステル、スチレン、エチレン、ブタジエン、プロピレ
ン及びこれらの誘導体の重合体または共重合体などが挙
げられる。 (b)重合法の場合、エステル、ウレタン、酢酸ビニ
ル、有機ケイ素、アクリル酸、メタアクリル酸、スチレ
ン、エチレン、ブタジエン、プロピレン等のうち1種あ
るいは複数の混合物から重合を開始させ、重合体あるい
はこれらの共重合体などが形成される。
【0054】本発明の白色色材組成物は上記のように、
(1)白色インキあるいは塗料様組成物(流体)および
(2)白色トナー、白色乾式インキ様組成物(粉体)の
形をとる。また、流体状の場合には、白色インキ、塗料
等であり、前記調色材、乾燥の遅い樹脂には固化促進
剤、粘度を上げるために増粘剤、粘性を下げるための流
動化剤、粒子同志の分散のために分散剤などの成分を含
ませることができる。一方、粉体の場合には、(a)粉
砕法で粉体を製造する場合には、前記調色材、乾燥の遅
い樹脂には固化促進剤、混練の際の粘性を下げるために
は流動化剤、粒子同志の分散のためには分散剤、紙等へ
の定着のための電荷調整剤、ワックスなどの成分を含ま
せることができる。 (b)重合法を用いる場合には、前記調色材、重合開始
剤、重合促進剤、粘度を上げるためには増粘剤、粒子同
志の分散のためには分散剤、紙等への定着のための電荷
調整剤、ワックスなどの成分を含ませることができる。
本発明の白色色材組成物中の多層膜被覆粉体は、単一の
粉体ないしは分光特性の異なる複数の粉体の組み合せに
より、湿式および乾式カラー印刷や湿式および乾式カラ
ー磁気印刷に適用できるほか、3原色の粉体を用いて、
可視光、非可視光(紫外域および赤外域)、蛍光発色お
よび磁気、さらに電気(電場の変化)の6種の組合せの
識別機能を持ち、印刷物の偽造防止用カラー磁性インキ
などセキュリティ機能を必要とする他の用途に適用する
ことができる。
【0055】前記本発明の白色色材組成物を白色インキ
あるいは塗料様組成物または白色トナー、白色乾式イン
キ様組成物、白色乾式塗料組成物として、基材に印刷、
溶融転写または被塗装体に塗布する場合、白色色材組成
物中の白色色材多層膜被覆粉体と樹脂の含有量の関係
は、体積比で1:0.5〜1:15である。媒質の含有
量が少な過ぎると塗布した膜が被塗装体に固着しない。
また、多過ぎると顔料の色が薄くなりすぎ良いインキま
たは塗料といえない。また、白色インキあるいは塗料組
成物中の白色色材および樹脂を合わせた量と溶剤の量と
の関係は、体積比で1:0.5〜1:10であり、溶剤
の量が少な過ぎると塗料の粘度が高く、均一に塗布でき
ない。また、溶剤の量が多過ぎると塗膜の乾燥に時間を
要し塗布作業の能率が極端に低下する。
【0056】また、基材に印刷、溶融転写または被塗装
体に塗料を塗布した際の塗膜の色の濃度は、被塗装体の
単位面積当たりに載った顔料の量によって決まる。塗料
が乾燥した後の被塗装体上の本発明の白色色材多層膜被
覆粉体の量は、均一に塗布した場合の面積密度で1平方
メートルあたり0.1〜300gであり、好ましくは
0.1〜100gであれば良好な塗装色が得られる。面
積密度が前記の値より小さければ被塗装体の地の色が現
れ、前記の値より大きくても塗装色の色濃度は変わらな
いので不経済である。すなわち、ある厚さ以上に顔料を
被塗装体上に載せても、塗膜の下側の顔料にまでは光り
が届かない。かかる厚さ以上に塗膜を厚くすることは、
塗料の隠蔽力を越えた厚さであるので塗装の効果がなく
不経済である。ただし、塗膜の磨耗を考慮し、塗膜の厚
さが摩り減るため厚塗りする場合はこの限りではない。
【0057】
【実施例】以下に本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、勿論本発明の範囲は、これらによって限定
されるものではない。 〔実施例1〕(磁性体を用いた白色色材組成物1、水系
2層被覆) (第1層シリカ膜の製膜) (1)緩衡液の調整 1リットルの水に対し、0.4Mの塩化カリウム試薬と
0.4Mのほう酸を溶解し、緩衡溶液1とした。1リッ
トルの水に対し、0.4Mの水酸化ナトリウムを溶解
し、緩衡溶液2とした。250mlの上記緩衡溶液1と
115mlの上記緩衡溶液2とを混合均一化し、緩衡溶
液3とした。 (2)ケイ酸ナトリウム水溶液(水ガラス溶液) ケイ酸ナトリウム試薬を純水で希釈し、SiO2含有量
が10wt%になるように濃度調整した。
【0058】(3)シリカ製膜 基体粒子として15gのマグネタイト粉末(平均粒径
2.3μm)を、あらかじめ準備しておいた365ml
の緩衡溶液3(pH:約9.0)に入れ分散液とした。
この分散液を入れた容器を、水を張った超音波洗浄機
((株)井内盛栄堂製、US−6型)の水槽に入れ、2
8kHZ 、200Wの超音波浴槽中で超音波をかけなが
ら、さらに、マグネタイト粉を緩衡溶液3中で撹拌しな
がら分散させた。これに、同じくあらかじめ用意してお
いた20mlのケイ酸ナトリウム水溶液を40ml/分
で添加し、徐々に反応分解させ、表面にシリカ膜を析出
させた。ケイ酸ナトリウム水溶液添加終了後、さらに、
2時間反応させ、未反応原料をすべて反応させた。製膜
反応終了後、シリカ製膜粉を含むスラリーを十分な水で
デカンテーションを繰り返し、洗浄した。洗浄後、シリ
カ製膜粉をバットに入れ、沈降分離し、上液を捨てた
後、乾燥機で空気中で150℃、8時間乾燥し、シリカ
被覆マグネタイト粉A1を得た。
【0059】(第2層チタニア膜の製膜) (1)緩衡液の調整 1リットルの脱イオン水に対し、0.3Mの酢酸、0.
9Mの酢酸ナトリウムを溶解し、緩衡溶液4とした。 (2)硫酸チタン水溶液 濃度が0.6M/リットルとなるように硫酸チタンを水
に添加し、希釈調整し、硫酸チタン水溶液とした。
【0060】(3)チタニア製膜 5.5gの上記粉体A1に対し、250mlの緩衡溶液
4(pH:約8.4)を用意し、その緩衡溶液4中に粉
体A1を、上記シリカ製膜時と同様に、超音波分散しな
がら、超音波浴槽中で十分に分散した。その後、液の温
度を50〜55℃に保ちながら、あらかじめ用意してお
いた硫酸チタン水溶液を1.9ml/分で滴下し、液中
で固相微粒子を析出させ液を薄く白濁させた。その後、
粉体A1表面に該固相微粒子を固定させるため、滴下速
度を1.5ml/分に下げ、未反応分を徐々に析出させ
た。すると、液中に析出していた固相微粒子が基体粒子
表面に固定され、またさらに、基体粒子表面に固定され
た固相微粒子よりも粒径が小さい超微粒子により、その
表面が覆われた。
【0061】(4)洗浄乾燥 製膜反応終了後、純水でデカンテーションを繰り返し、
未反応分と過剩硫酸および反応により形成された硫酸を
除き、固液分離を行い、真空乾燥機で乾燥後、乾燥粉を
得た。得られた乾燥粉を、回転式チューブ炉で、500
℃で30分加熱処理(焼成)を行い、表面が平滑なシリ
カ/チタニア被覆マグネタイト粉A2を得た。この2層
膜被覆粉体A2は黄帯白色であり、その10kOeでの
磁化は40emu/gであった。この2層膜被覆粉体A
2の最大反射ピークは630nmで、反射率53%の明
るい白色となった。
【0062】上記被覆膜の被覆粉体の分光反射曲線のピ
ーク波長、そのピーク波長での反射率、被覆膜の屈折
率、膜厚およびL*、a*、b*標準表色系での値を下記
の方法で測定した。 1)分光反射曲線は、日本分光製、積分球付分光光度計
で粉体試料をガラスホルダーに詰め、その反射光を測定
した。測定方法はJISZ8723(1988)によ
り、測定した。 2)屈折率と膜厚は、異なる条件で作製した、膜厚の試
料の分光反射曲線測定結果を、干渉の式に基づく機器計
算の曲線とのフィッティングにより求め評価した。 3)L*、a*、b*値は、東京電色(株)製TC−86
00A型測色色差計を用い、JISZ8722(198
2)に基づき測色した結果を、CIE(国際証明学会)
で定められたL*、a*、b*標準表色系で表示した。
【0063】(5)多層膜被覆粉体の表面疎水化処理 得られたシリカ・チタニアコート粉体A210gを、シ
リコンエトキシド0.2gを溶解したエタノール溶液2
00ml中に分散し、容器をオイルバスで加熱して液の
温度を55℃に保持した。これにアンモニア水(29%
濃度)3gを添加し、3時間撹拌後、濾過し、真空乾燥
機で100℃で2時間乾燥し、疎水化処理された白色多
層膜被覆粉体A3を得た。
【0064】(6)接着樹脂層 (ポリスチレン複合粉体、トナー化)スチレンモノマー
100gにあらかじめ前記の表面処理方法で親油化した
白色色系多層被覆粉体A3100gを分散するまで高速
攪拌機で攪拌し、均一化した。このスチレンモノマーと
粒子の混合物を、n−ドデシル硫酸ナトリウムを蒸留水
500gに溶解した溶液を70℃に温度を保持し、高速
攪拌しながら投入し、十分に乳化粒子を微粒子化するま
で攪拌した。これに10%過硫酸アンモニウム水溶液1
0gを添加し、4時間攪拌して反応させた。 反応終了
後、蒸留水2リットルで希釈し、傾斜洗浄で上液を捨て
沈澱物を集める。沈澱物をろ紙上で乾燥し、白色のポリ
スチレン被覆粉体Aを得た。得られた白色の粉Aは球状
で、また磁場1KOeでの磁化は18emu/gであっ
た。この白色色材組成物AのL*、a*、b*標準表色系
での測定値を表1に示す。
【0065】〔実施例2〕(磁性体を用いた白色色材組
成物2、水系3層被覆) (第1層シリカ膜の製膜) (1)シリカ製膜 基体粒子として、15gの球状マグネタイト粉末(平均
粒径2.3μm)を、あらかじめ準備しておいた365
mlの前記緩衡溶液3(pH:約9.0)に入れ分散液
とした。この分散液を入れた容器を、水を張った超音波
洗浄機((株)井内盛栄堂製、US−6型)の水槽に入
れ、26kHZ 、600Wの超音波浴槽中で超音波をか
けながら、さらに、マグネタイト粉を含む緩衡溶液3中
で撹拌しながら分散させた。これに、同じくあらかじめ
用意しておいた23mlのケイ酸ナトリウム水溶液を4
0ml/分で添加し、徐々に反応分解させ、表面にシリ
カ膜を析出させた。
【0066】ケイ酸ナトリウム水溶液添加終了後、さら
に2時間反応させ、未反応原料をすべて反応させた。製
膜反応終了後、シリカ製膜粉を含むスラリーを十分な水
でデカンテーションを繰り返し、洗浄した。洗浄後、シ
リカ製膜粉をバットに入れ、沈降分離し、上液を捨てた
後、乾燥機で空気中で150℃、8時間乾燥した後、窒
素雰囲気中で300℃で30分熱処理(焼成)して、シ
リカ被覆マグネタイト粉B1を得た。
【0067】(第2層チタニア膜の製膜)実施例1と同
様に、緩衡溶液4および硫酸チタン水溶液を調製、準備
した。5.5gの上記粉体B1に対し、250mlの緩
衡溶液4(pH:約8.4)を用意し、その緩衡溶液4
中に粉体B1を、上記シリカ製膜時と同様に、超音波分
散しながら、超音波浴槽中で十分に分散した。その後、
液の温度を50〜55℃に保ちながら、あらかじめ用意
しておいた硫酸チタン水溶液を1.8ml/分の一定速
度で徐々に滴下した。滴下初期時には、液中に固相微粒
子が析出したが、基体粒子表面に固定され、またさら
に、基体粒子表面に固定された固相微粒子よりも粒径の
小さい超微粒子によりその表面が覆われた、シリカ/チ
タニア被覆マグネタイト粉B2を得た。この2層膜被覆
粉体B2は黄帯白色であり、最大反射ピークは630n
mであり、実施例1で得られた粉体A1と同様であっ
た。この粉体B2の表面は僅かに凹凸があり、部分的に
チタニア粒子の凸部もみられた。
【0068】(第3層シリカ膜の製膜、シリカ薄膜によ
り前記チタニア膜表面を閉じ込めた場合)実施例1と同
様に、緩衡溶液1、2およびケイ酸ナトリウム水溶液
(水ガラス溶液)の調製を行った。上記粉体シリカ/チ
タニア被覆マグネタイト粉B2にシリカ膜の製膜を行っ
た。緩衝溶液量は上記第1層被覆と同様であったが、ケ
イ酸ナトリウム水溶液の滴下速度は同じにして滴下量を
8mlとして製膜を行い、未反応物がなくなるまで、2
時間反応させ、前記と同様に洗浄し、洗浄後、回転式チ
ューブ炉で、窒素雰囲気中で600℃で30分加熱処理
(焼成)を行い、シリカ/チタニア被覆マグネタイト粉
3を得た。
【0069】得られた粉体B3は、表面が平滑なシリカ
膜2層の間に、チタニア微粒子が結晶化し、光散乱が大
きい白色の粉体となった。B3は表面は、凹凸がなくな
り、ほぼ平滑で、また穴や割れ、くぼみ等はなかった。
透過電子顕微鏡での観察において、シリカ層2層の間
に、チタニア微粒子の結晶化が認められ、粒子間に空隙
が存在していたため、粒子と空隙の間で散乱反射が大き
くなったものと考えられる。この3層膜被覆粉体B3
最大反射ピークは550nmで、反射率75%の明るい
白色となった。
【0070】(接着樹脂層、ポリスチレン複合粉体)ス
チレンモノマー100gにあらかじめ前記の表面処理方
法で親油化した白色色材多層被覆粉体B4100gと同
じく親油化した酸化チタン45gを分散するまで高速攪
拌機で攪拌し、均一化した。このスチレンモノマーと粒
子の混合物を、n−ドデシル硫酸ナトリウムを蒸留水5
00gに溶解した溶液を70℃に温度を保持し、高速攪
拌しながら投入し、十分に乳化粒子を微粒子化するまで
攪拌した。これに10%過硫酸アンモニウム水溶液10
gを添加し、4時間攪拌して反応させた。 反応終了
後、蒸留水2リットルで希釈し、傾斜洗浄で上液を捨て
沈澱物を集める。沈澱物をろ紙上で乾燥し、白色のポリ
スチレン被覆粉体Bを得た。得られた白色色材組成物B
の粉体は球状で、磁場1koeでの磁化は18emu/
gであった。L*、a*、b*標準表色系での測定値を表
1に示す。
【0071】〔実施例3〕(磁性体を用いた白色色材組
成物3、散乱粒子を表面に付着した場合、水系4層被
覆) (第1層シリカ膜の製膜)基体粒子として、20gのマ
グネタイト粉(平均粒径0.7μm)を、実施例1と同
様に、あらかじめ準備しておいた580gの緩衡溶液3
(pH:約9.0)に入れ分散液とし、28kHZ 、6
00Wの超音波浴槽中で超音波をかけながら、さらに、
マグネタイト粉を含む緩衡溶液3中で撹拌しながら分散
させた。これに、同じくあらかじめ用意しておいた16
0mlのケイ酸ナトリウム水溶液を2.67ml/分で
徐々に添加し、表面にシリカ膜を析出させた。ケイ酸ナ
トリウム水溶液添加終了後、さらに2時間反応させ、未
反応原料をすべて反応させた。製膜反応終了後、シリカ
製膜粉を含むスラリーを十分な水でデカンテーションを
繰り返し、洗浄した。洗浄後、シリカ製膜粉をバットに
入れ、沈降分離し、上液を捨てた後、乾燥機で空気中で
150℃、8時間乾燥し、シリカ被覆マグネタイト粉C
1を得た。
【0072】(第2層チタニア膜の製膜)15gの上記
粉体C1に対し、400mlの純水を用意し、その純水
中にC1を、上記シリカ製膜時と同様に、超音波分散し
ながら、超音波浴槽中で十分に分散した。その後、液の
温度を50〜55℃に保ちながら、あらかじめ用意して
おいた、405mlの硫酸チタニル水溶液(TiO2
15w%)を1.25ml/分の一定速度で徐々に滴下
し、液を僅かに白濁させながら滴下を終了させた。滴下
終了後、さらに3時間反応を行い、未反応分を徐々に析
出させ、その粒子を膜の中に取り込んだ。製膜反応終了
後、十分な純水でデカンテーションを繰り返し、未反応
分と過剰硫酸および反応により形成された硫酸を除き、
固液分離を行い、真空乾燥機で乾燥後、乾燥粉を得た。
得られた乾燥粉を、回転式チューブ炉で、500℃で3
0分加熱処理(焼成)を行い、シリカ/チタニア被覆マ
グネタイト粉C2を得た。この2層膜被覆粉体C2は帯黄
緑白色であり、最大反射ピークは580nmで32%で
あった。この2層膜被覆粉体C2のL*、a*、b*標準表
色系での値を表1に示す。
【0073】(第3層シリカ膜の製膜)15gのシリカ
/チタニア被覆マグネタイト粉C2に対し、1層目と同
様に、あらかじめ準備しておいた580gの緩衡溶液3
(pH:約9.0)に入れ、28kHZ 、600Wの超
音波浴槽中で超音波をかけながら、さらに、マグネタイ
ト粉を含む緩衡溶液3中で撹拌しながら分散させた。こ
れに、同じくあらかじめ用意しておいた220mlのケ
イ酸ナトリウム水溶液を2.67ml/分で徐々に添加
し、表面にシリカ膜を析出させた。ケイ酸ナトリウム水
溶液添加終了後、さらに2時間反応させ、未反応原料を
すべて反応させた。製膜反応終了後、シリカ製膜粉を含
むスラリーを十分な水でデカンテーションを繰り返し、
洗浄した。洗浄後、シリカ製膜粉をバットに入れ、沈降
分離し、上液を捨てた後、乾燥機で空気中で150℃、
8時間乾燥し、シリカ被覆マグネタイト粉C3を得た。
【0074】(第4層チタニア膜の製膜)12gの上記
粉体C3に対し、400mlの純水を用意し、その純水
中に粉体C3を、上記シリカ製膜時と同様に、超音波分
散しながら、超音波浴槽中で十分に分散した。その後、
液の温度を50〜55℃に保ちながら、あらかじめ用意
しておいた、405mlの硫酸チタニル水溶液(TiO
2、15w%)を1.25ml/分の一定速度で徐々に
滴下し、固相微粒子を析出させ液を僅かに白濁させなが
ら滴下を終了させた。 滴下終了後、さらに3時間反応
を行い、未反応分を徐々に固相微粒子として析出させ、
その微粒子を膜の中に取り込んだ。製膜反応終了後、十
分な純水でデカンテーションを繰り返し、未反応分と過
剰硫酸および反応により形成された硫酸を除き、固液分
離を行い、真空乾燥機で乾燥後、乾燥粉を得た。
【0075】得られた乾燥粉を、回転式チューブ炉で、
500℃で30分加熱処理(焼成)を行い、シリカ/チ
タニア被覆マグネタイト粉C4を得た。この4層膜被覆
粉体C4は黄帯白色であり、最大反射ピークは620n
mで53%であった。この4層膜被覆粉体C4のL*、a
*、b*標準表色系での値を表1に示す。
【0076】(白色インキ組成物の調製)このようにし
て得られたシリカ/チタニア被覆マグネタイト粉C4
30gを、あらかじめエタノール80gにアクリルポリ
マー(テクノビット、Kulzer社製)2.5gを溶
解した溶液中に分散した後、酸化チタン(シリコン疎水
処理品:展色材)20gおよびヒドロキシプロピルセル
ロース3.2gを加えた混合液を、ジルコニアボールミ
ルで8時間分散処理を行い、白色色材組成物の塗料分散
液CLを得た。
【0077】(塗布および分光特性)上記白色顔料組成
物の分散液CLを、ブレードコーターでアート紙に塗布
した。白色色材組成物の塗布量(乾燥後)は59g/m
2とした。乾燥後、得られた塗布紙Cの色は最大反射ピ
ーク波長500nmで、反射率88%の明るい帯青白色
となった。また、この塗布祇Cの1m2当たりの1ko
eでの磁化は2124emu/cm2であった。この塗
布祇CのL*、a*、b*標準表色系での値を表1に示
す。
【0078】〔実施例4〕(磁性体を用いた白色色材組
成物4、金属アルコキシドの加水分解による3層被覆) (第1層シリカ膜の製膜)20gのBASF製カーボニ
ル鉄粉(平均粒径1.8μm,10kOeでの磁化は20
3emu/g)を、あらかじめ158.6gのエタノールに
3.5gのシリコンエトキシドを溶解した溶液中で分散
した後、攪拌しながら、あらかじめ用意しておいた8.
0gのアンモニア水(29%)および8.0gの脱イオ
ン水の混合溶液を添加した。添加後、5時間、常温で反
応させた。反応後、十分なエタノールで希釈洗浄し、濾
過し、真空乾燥機で110℃、3時間乾燥した。乾燥
後、回転式チューブ炉を用いて、窒素雰囲気中で800
℃で30分熱処理(焼成)を施し、冷却し、シリカコー
ト鉄粉D1を得た。
【0079】(第2層チタニア膜の製膜)セパラブルフ
ラスコ中で、20gの上記シリカコート粉体D1を、あ
らかじめ198.3gのエタノールに4.6gのチタン
イソプロポキシドを加えた液中に分散した後、攪拌しな
がら、あらかじめ用意しておいた6.0gの純水を4
7.9gのエタノールに混合した溶液を1時間かけて、
滴下した。滴下後、5時間、常温で反応させた。反応
後、十分なエタノールで希釈洗浄し、濾過し、真空乾燥
機で110℃、3時間乾燥し,シリカ/チタニアコート
鉄粉D2を得た。乾燥後のチタニア層を透過電子顕微鏡
を用いて層内の粒子状態を観察したところ、1〜10n
mの酸化チタン固相微粒子がみられたが、膜の内部には
粒子間の空隙はなく均一に充填されていた。この酸化チ
タン膜の平均膜厚は155nmであり、600nmに分
光反射曲線のピーク波長を有し、帯黄緑白色であり、ピ
ーク波長での反射率は45%であった。
【0080】(第3層シリカ膜の製膜)20gのシリカ
/チタニアコート鉄粉D2を、あらかじめ158.6g
のエタノールに0.5gのシリコンエトキシドを溶解し
た溶液中で分散した後、攪拌しながら、あらかじめ用意
しておいた3.0gのアンモニア水(29%)および脱
3.0gのイオン水の混合溶液を添加した。添加後、1
時間、常温で反応させた。反応後、十分なエタノールで
希釈洗浄し、濾過し、真空乾燥機で110℃、3時間乾
燥した。乾燥後、更に窒素雰囲気中で650℃で30分
熱処理(焼成)を施し、冷却し、シリカ/チタニアコー
ト鉄粉D3を得た。熱処理後のチタニア層を透過電子顕
微鏡を用いて層内の粒子状態を観察したところ、10〜
150nmの酸化チタン結晶化微粒子がみられ、それぞ
れの粒子間には10〜50nm程度の空隙が認められ
た。しかし、シリカ層は緻密であり、粒子はなく、また
平滑であった。さらに、チタニアとの界面には、空隙が
存在していた。
【0081】この粉体D3の最大反射ピーク波長は55
0nmで、反射率55%の緑味を帯びた白色となった。
この実施例4から、熱処理(焼成)の有無によりチタニ
ア粒子の結晶粒子化と、粒子化に伴う粒子間およびシリ
カ膜との間の空隙が見られ、これらの粒子化にともなう
散乱反射効果により、白色化が達成されたと考えられ
る。また、この実施例4の白色色材粉体は最終被覆層に
緻密な膜を形成することが特徴の一つである。これまで
の最終層のように高屈折率膜という限定でなく、干渉、
散乱に影響のない緻密な膜で空隙を被覆する。従来技術
では、得られた粉体をトナーや塗料等の顔料として用い
る際に、空隙に樹脂やビヒクルが入り込み、干渉あるい
は散乱粒子との屈折率の差が小さくなり、フレネル反射
率が低下することがあった。しかし、最終層を干渉、散
乱に影響のない緻密な膜として、粒子構成膜の空隙を被
覆することにより、上記散乱反射の低下を防ぐことがで
きる。
【0082】(接着樹脂層、ポリスチレン複合粉体)ス
チレンモノマー100gに白色色材多層被覆粉体(シリ
カ/チタニアコート鉄粉D3)100gと前記親油化し
た酸化チタン45gを分散するまで高速攪拌機で攪拌
し、均一化した。このスチレンモノマーと粒子の混合物
を、n−ドデシル硫酸ナトリウムを蒸留水500gに溶
解した溶液を70℃に温度を保持し、高速攪拌しながら
投入し、十分に乳化粒子を微粒子化するまで攪拌した。
これに10%過硫酸アンモニウム水溶液10gを添加
し、4時間攪拌して反応させた。反応終了後、蒸留水2
リットルで希釈し、傾斜洗浄で上液を捨て沈澱物を集め
る。沈澱物をろ紙上で乾燥し、白色のポリスチレン被覆
粉体Dを得た。得られた白色色材組成物Dの粉体は球状
で、磁場1koeでの磁化は42emu/gであり、磁
場10koeでの磁化は80emu/gであった。
*、a*、b*標準表色系での測定値を表1に示す。
【0083】〔実施例5〕(磁性体を用いた白色色材組
成物5、金属アルコキシドの加水分解による5層被覆) (第1層シリカ膜の製膜)20gのBASF製カーボニ
ル鉄粉(平均粒径1.8μm,10koeでの磁化は8
0emu/g)を、あらかじめ158.6gのエタノー
ルに4.4gのシリコンエトキシドを溶解した溶液中で
分散した後、攪拌しながら、あらかじめ用意しておいた
8.0gのアンモニア水(29%)および8.0gの脱
イオン水の混合溶液を添加した。添加後、5時間、常温
で反応させた。反応後、十分なエタノールで希釈洗浄
し、濾過し、真空乾燥機で110℃、3時間乾燥した。
乾燥後、さらに回転式チューブ炉を用いて、窒素雰囲気
中で600℃で30分熱処理(焼成)を施し、冷却し、
シリカコート鉄粉E1を得た。
【0084】(第2層チタニア膜の製膜)セパラブルフ
ラスコ中で、20gの上記シリカコート粉体E1を、あ
らかじめ198.3gのエタノールに8.1gのチタン
イソプロポキシドを加えた液中に分散した後、攪拌しな
がら、あらかじめ用意しておいた6.3gの純水を4
7.9gのエタノールに混合した溶液を1時間かけて、
滴下した。滴下後、3時間、常温で反応させた。反応
後、十分なエタノールで希釈洗浄し、濾過し、真空乾燥
機で100℃、8時間乾燥し,シリカ/チタニアコート
鉄粉E2を得た。この酸化チタン膜の平均膜厚は170
nmであり、667nmに分光反射曲線のピーク波長を
有し、黄緑味を帯びた白色であり、ピーク波長での反射
率は48%であった。
【0085】(第3層シリカ膜の製膜)20gのシリカ
/チタニアコート鉄粉E2を、あらかじめ158.6g
のエタノールに3.7gのシリコンエトキシドを溶解し
た溶液中で分散した後、攪拌しながら、あらかじめ用意
しておいた8.0gのアンモニア水(29%)および
8.0gの脱イオン水の混合溶液を添加した。添加後、
5時間、常温で反応させた。反応後、十分なエタノール
で希釈洗浄し、濾過し、真空乾燥機で110℃、3時間
乾燥した。乾燥後、さらに回転式チューブ炉を用いて、
窒素雰囲気中で600℃で30分熱処理(焼成)を施
し、冷却し、シリカ/チタニアコート鉄粉E3を得た。
【0086】(第4層チタニア膜の製膜)セパラブルフ
ラスコ中で、20gの上記シリカコート粉体E3を、あ
らかじめ198.3gのエタノールに8.8gのチタン
イソプロポキシドを加えた液中に分散した後、攪拌しな
がら、あらかじめ用意しておいた6.0gの純水を4
7.9gのエタノールに混合した溶液を1時間かけて、
滴下した。滴下後、4時間、常温で反応させた。反応
後、十分なエタノールで希釈洗浄し、濾過し、真空乾燥
機で100℃、8時間乾燥し,シリカ/チタニアコート
鉄粉E4を得た。
【0087】(第5層シリカ膜の製膜)20gのシリカ
/チタニアコート鉄粉E4を、あらかじめ158.6g
のエタノールに2.5gのシリコンエトキシドを溶解し
た溶液中で分散した後、攪拌しながら、あらかじめ用意
しておいた3.0gのアンモニア水(29%)および
3.0gの脱イオン水の混合溶液を添加した。添加後、
5時間、常温で反応させた。反応後、十分なエタノール
で希釈洗浄し、濾過し、真空乾燥機で110℃、3時間
乾燥した。乾燥後、さらに回転式チューブ炉を用いて、
窒素雰囲気中で600℃で30分熱処理(熱処理)を施
し、冷却し、シリカ/チタニアコート鉄粉E 5を得た。
この酸化チタン膜の平均膜厚は152nmであった。ま
た、この鉄粉E5は580nmに分光反射曲線のピーク
波長を有し、帯黄緑白色であり、ピーク波長での最大反
射率は88%であった。
【0088】(白色インキ組成物の調製)このようにし
て得られたシリカ/チタニアコート鉄粉E5、30g
を、あらかじめエタノール80gにアクリルポリマー
(テクノビット、Kulzer社製)2.5gを溶解し
た溶液中に分散した後、酸化チタン(シリコン疎水処理
品:展色材)20gおよびヒドロキシプロピルセルロー
ス3.2gを加えた混合液を、ジルコニアボールミルで
8時間分散処理を行い、白色色材組成物の塗料分散液E
Lを得た。
【0089】(塗布および分光特性)上記蛍光顔料組成
物の分散液ELを、ブレードコーターでアート紙に塗布
した。白色色材組成物の塗布量(乾燥後)は51g/m
2とした。乾燥後、得られた塗布紙Eの色はピーク波長
で560nmで、反射率89%の明るい白色となった。
また、この塗布祇Eの磁場1koeでの磁化は1887
emu/m2であり、磁場10koeでの磁化は367
0emu/m2であった。L*、a*、b*標準表色系での
測定値を表1に示す。
【0090】〔実施例6〕(水系2層被覆、既存チタニ
ア粒子を含有するシリカ層被膜によりマグネタイト粉末
粒子を白色化した粉末を含有する、白色トナー組成物) (第1層シリカ膜の製膜) (1)シリカ製膜 基体粒子として粒状マグネタイト粉末(平均粒径1.0
μm)15gを、あらかじめ用意しておいた前記緩衡溶
液3の800mlに投入し、よく分散した。この懸濁液
を入れた容器を、200W、28kHzの超音波洗浄槽
((株)井内盛栄堂製、US−6型)の水槽に入れ、撹
拌する。撹拌開始と同時に超音波を照射する。次に、1
0重量%ケイ酸ナトリウム水溶液50mlを、40ml
/分の滴下速度で滴下し、徐々に反応分解させ、表面に
シリカ膜を析出させた。ケイ酸ナトリウム水溶液を滴下
終了後、さらに2時間反応させ、未反応原料をすべて反
応させた。製膜反応終了後、シリカ製膜粉体を含むスラ
リーを十分なイオン交換水にてデカンテーションを繰り
返し、洗浄した。洗浄操作後、シリカ製膜粉体をバット
に入れ、沈降分離し、上液を捨てた後、乾燥機で130
℃、8時間乾燥後、空気中で500℃で、30分熱処理
し、シリカ被覆マグネタイト粉F1を得た。
【0091】(第2層結晶化微粒子構成膜(散乱性膜)
の製膜)上記シリカコートマグネタイト粉体F114g
と酸化チタン結晶超微粒子(石原産業(株)製CR−
5)13gを、前記緩衡溶液3の800mlに投入し、
よく分散した。この懸濁液を入れた容器を、200W、
28kHzの超音波洗浄槽((株)井内盛栄堂製、US
−6型)の水槽に入れ、撹拌する。撹拌開始と同時に超
音波を照射する。次に、10重量%ケイ酸ナトリウム水
溶液55mlを、40ml/分の滴下速度で滴下し、徐
々に反応分解させ、表面にシリカ膜を析出させた。ケイ
酸ナトリウム水溶液を滴下終了後、さらに2時間反応さ
せ、未反応原料をすべて反応させた。
【0092】製膜反応終了後、シリカ製膜粉体を含むス
ラリーを十分なイオン交換水にてデカンテーションを繰
り返し、洗浄した。洗浄操作後、シリカ製膜粉体をバッ
トに入れ、沈降分離し、上液を捨てた後、乾燥機で13
0℃、8時間乾燥後、空気中で500℃で、30分熱処
理し、シリカ被覆マグネタイト粉F2を得た。得られた
粉体の磁性は、1kOeで23emu/gであり、L、
a、b標準表色系ではL=66であった。
【0093】(接着樹脂層、ポリスチレン複合粉体)ス
チレンモノマー100gにあらかじめ前記の表面処理方
法で親油化した白色多層被覆粉体F2100gと前記親
油化した酸化チタン30gを十分分散されるまで高速攪
拌機で攪拌し、均一化した。このスチレンモノマーと粒
子の混合物を、n−ドデシル硫酸ナトリウムを蒸留水5
00gに溶解した溶液を70℃に温度を保持し、高速攪
拌しながら投入し、十分に乳化粒子を微粒子化するまで
攪拌した。これに10%過硫酸アンモニウム水溶液10
gを添加し、4時間攪拌して反応させた。反応終了後、
蒸留水2リットルで希釈し、傾斜洗浄を繰り返して上液
を捨て沈澱物を集める。沈澱物をろ紙上で乾燥し、白色
のポリスチレン被覆粉体Fを得た。得られた白色色材組
成物Fの粉体は球状で、磁場1koeでの磁化は11e
mu/gであり、L*、a*、b*標準表色系での測定値
を表1に示す。
【0094】〔実施例7〕(実施例6の白色多層被覆粉
体F2を用いた白色インキ組成物)実施例6の白色多層
被覆粉体F230gを、あらかじめエタノール80gに
アクリルポリマー(テクノビット、Kulzer社製)
3gを溶解した溶液中に分散した後、酸化チタン(シリ
コン疎水処理品:展色材)10gおよびヒドロキシプロ
ピルセルロース3.0gを加えた混合液を、ジルコニア
ボールミルで5時間分散処理を行い、白色色材組成物の
塗料分散液FLを得た。
【0095】(塗布および分光特性)上記白色組成物の
分散液FLを、ブレードコーターでアート紙に塗布し
た。白色色材組成物の塗布量(乾燥後)は60g/m2
とした。乾燥後、得られた塗布紙Fの色はピーク波長で
550nmで、反射率86%の明るい白色となった。ま
た、この塗布紙Fの1m2の磁場1koeでの磁化は、
1080emu/m2であった。L*、a*、b*標準表色
系での測定値を表1に示す。
【0096】〔実施例8〕(水系3層被覆、既存チタニ
ア粒子を含有するシリカ2層被膜によりマグネタイト粉
末粒子を白色化した粉末を含有する、白色トナー組成
物) (1)シリカ製膜 基体粒子として粒状マグネタイト粉末(平均粒径1.0
μm)15gを、あらかじめ用意しておいた前記緩衡溶
液3の800mlに投入し、よく分散した。この懸濁液
を入れた容器を、200W、28kHzの超音波洗浄槽
((株)井内盛栄堂製、US−6型)の水槽に入れ、撹
拌する。撹拌開始と同時に超音波を照射する。次に、前
記ケイ酸ナトリウム水溶液50mlを、40ml/分の
滴下速度で滴下し、徐々に反応分解させ、表面にシリカ
膜を析出させた。10wt%ケイ酸のケイ酸ナトリウム
水溶液を滴下終了後、さらに2時間反応させ、未反応原
料をすべて反応させた。製膜反応終了後、シリカ製膜粉
体を含むスラリーを十分なイオン交換水にてデカンテー
ションを繰り返し、洗浄した。洗浄操作後、シリカ製膜
粉体をバットに入れ、沈降分離し、上液を捨てた後、乾
燥機で130℃、8時間乾燥後、空気中で500℃で、
30分熱処理し、シリカ被覆マグネタイト粉G1を得
た。
【0097】(第2層結晶化微粒子構成膜(散乱性膜)
の製膜)上記シリカコートマグネタイト粉体G114g
と酸化チタン結晶超微粒子(石原産業(株)製CR−
5)7gを、前記緩衡溶液3の800mlに投入し、よ
く分散した。この懸濁液を入れた容器を、200W、2
8kHzの超音波洗浄槽((株)井内盛栄堂製、US−
6型)の水槽に入れ、撹拌する。撹拌開始と同時に超音
波を照射する。次に、10重量%ケイ酸のケイ酸ナトリ
ウム水溶液30mlを、40ml/分の滴下速度で滴下
し、徐々に反応分解させ、表面にシリカ膜を析出させ
た。ケイ酸ナトリウム水溶液を滴下終了後、さらに2時
間反応させ、未反応原料をすべて反応させた。
【0098】製膜反応終了後、シリカ製膜粉体を含むス
ラリーを十分なイオン交換水にてデカンテーションを繰
り返し、洗浄した。洗浄操作後、シリカ製膜粉体をバッ
トに入れ、沈降分離し、上液を捨てた後、乾燥機で13
0℃、8時間乾燥後、空気中で500℃で、30分熱処
理し、シリカ被覆マグネタイト粉G2を得た。得られた
粉体の磁性は、1kOeで20emu/gであり、L、
a、b標準表色系では、L=56であった。
【0099】(第3層結晶化微粒子構成膜(散乱性膜)
の製膜)上記粉体G2と酸化チタン結晶超微粒子(CR
−5)7gを、前記緩衡溶液3の800mlに投入し、
よく分散した。この懸濁液を入れた容器を、200W、
28kHzの超音波洗浄槽((株)井内盛栄堂製、US
−6型)の水槽に入れ、撹拌する。撹拌開始と同時に超
音波を照射する。次に、10重量%ケイ酸のケイ酸ナト
リウム水溶液30mlを、40ml/分の滴下速度で滴
下し、徐々に反応分解させ、表面にシリカ膜を析出させ
た。ケイ酸ナトリウム水溶液を滴下終了後、さらに2時
間反応させ、未反応原料をすべて反応させた。
【0100】製膜反応終了後、シリカ製膜粉体を含むス
ラリーを十分なイオン交換水にてデカンテーションを繰
り返し、洗浄した。洗浄操作後、シリカ製膜粉体をバッ
トに入れ、沈降分離し、上液を捨てた後、乾燥機で13
0℃、8時間乾燥後、空気中で500℃で、30分熱処
理し、シリカ被覆マグネタイト粉G3を得た。得られた
粉体の磁性は、1kOeで20emu/gであり、L、
a、b標準表色系では、L=77であった。
【0101】(接着樹脂層、ポリスチレン複合粉体)ス
チレンモノマー80gにあらかじめ前記の表面処理方法
で親油化した白色多層被覆粉体G3100gと前記親油
化した酸化チタン10gを十分分散されるまで高速攪拌
機で攪拌し、均一化した。このスチレンモノマーと粒子
の混合物を、n−ドデシル硫酸ナトリウムを蒸留水50
0gに溶解した溶液を70℃に温度保持し、高速攪拌し
ながら投入し、十分に乳化粒子を微粒子化するまで攪拌
した。これに10%過硫酸アンモニウム水溶液10gを
添加し、4時間攪拌して反応させた。反応終了後、蒸留
水2リットルで希釈し、傾斜洗浄を繰り返して上液を捨
て沈澱物を集める。沈澱物をろ紙上で乾燥し、白色のポ
リスチレン被覆粉体Gを得た。得られた白色色材組成物
Gは、磁場1koeでの磁化は10emu/gであっ
た。L*、a*、b*標準表色系での測定値を表1に示
す。
【0102】〔実施例9〕(実施例8の白色多層被覆粉
体G3を用いた白色インキ組成物) 実施例8の白色多層被覆粉体G330gを、あらかじめ
エタノール80gにアクリルポリマー(テクノビット、
Kulzer社製)3gを溶解した溶液中に分散した
後、酸化チタン(シリコン疎水処理品:展色材)10g
およびヒドロキシプロピルセルロース3.0gを加えた
混合液を、ジルコニアボールミルで5時間分散処理を行
い、白色色材組成物の塗料分散液GLを得た。
【0103】(塗布および分光特性)上記白色組成物の
分散液GLを、ブレードコーターでアート紙に塗布し
た。白色色材組成物の塗布量(乾燥後)は71g/m2
とした。乾燥後、得られた塗布紙Gの色はピーク波長で
550nmで、反射率86%の明るい白色となった。ま
た、この塗布紙Fの1m2の磁場1koeでの磁化は、
710emu/m2であった。L*、a*、b*標準表色系
での測定値を表1に示す。
【0104】
【表1】
【0105】表1から明らかなように、本発明の各実施
例の白色色材組成物は、それぞれ満足すべき結果を得
た。また、チタニア粒子の結晶粒子化による空隙を有す
るチタニア被覆層は1層(第2層)よりも2層(第2層
および第4層)に有することにより、高度の白色化が達
成された。さらに、実施例6〜9の白色色材組成物は、
含有される白色粉体の結晶化微粒子構成膜の微粒子とし
て既存微粒子を用いたため、該微粒子の粒径は比較的大
きく、散乱反射が大きいものとなった。特に実施例8、
9の白色色材組成物は、含有される白色粉体が3層被膜
であるにもかかわらず標準表色系によるL値はそれぞれ
89、95と大きいものとなった。
【0106】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の白色色材
組成物およびその製造方法は、含有される白色粉体が基
体粒子の表面に被覆膜を有し、該被覆膜の少なくとも1
層を結晶化微粒子と該結晶化微粒子相互間に空隙を有す
る結晶化微粒子の集合体とからなる層を形成することに
より、結晶化粒子表面と空隙との屈折率差を大きくし
て、光の散乱反射を起こし、反射効果を高め、優れた明
度(白色度)を有し、しかも基体粒子の特性(例えば、
磁気特性)を高レベルに保持した機能性粉体、例えば、
1成分系現像方式でも優れた複合した機能を果たし得る
白色磁性トナーや、優れた磁気特性を発揮することがで
き、かつ耐候性の優れた白色磁性印刷用インキ、白色塗
料等に適用できる白色色材組成物およびその効率的製造
方法を提供することが可能となった。
【0107】また、含有される白色粉体の結晶化超微粒
子構成膜を製膜する際に、固相析出速度を調整して液中
で可視光散乱反射する超微粒子を形成する方法に加え、
既存の粒子を該膜に取り込ませて製膜することにより、
該膜に含まれる結晶化超微粒子は比較的大きな粒径のも
のとなりやすいため、散乱反射の度合いも大きくなり、
より明度の高い白色色材組成物とすることができる。更
に、含有される白色粉体の基体として導電体または誘電
体を活用すると、電場の外部要因により反応することに
より移動力、回転、運動、発熱などの付加的な作用を発
する機能を保持した白色色材組成物およびその効率的製
造方法を提供することが可能であり、産業界に寄与する
ところ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の白色色材組成物が含有する白色粉体の
一例の断面図である。
【図2】図1の白色色材組成物が含有する白色粉体が有
する結晶化微粒子構成膜2の断面拡大図である。
【符号の説明】
1 基体粒子 2 結晶化微粒子構成膜 3 結晶化微粒子 4 超微粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 7/12 C09D 7/12 Z 4K018 11/00 11/00 4K022 C23C 18/00 C23C 18/00 18/12 18/12 G03G 9/083 G03G 9/08 301 9/09 361 (72)発明者 星野 希宜 東京都西多摩郡日の出町平井8番地1 日 鉄鉱業株式会社内 (72)発明者 中塚 勝人 宮城県仙台市太白区茂庭台四丁目3番5の 1403号 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA02 AA21 AB02 CA21 CB02 CB03 CB07 CB13 DA04 2H086 BA55 4J037 AA04 AA05 AA06 AA08 AA09 AA10 AA15 AA18 AA19 AA22 AA24 AA26 AA27 AA30 CA05 CA09 CA10 CA16 CA18 CA19 CA22 CA24 CA30 DD05 EE04 EE14 FF04 FF22 4J038 BA022 BA211 CA081 CB001 CB012 CB081 CB082 CC022 CF022 CG142 DA021 DA081 DA101 DA161 DA162 DB002 DD001 DD002 DF021 DG001 DG002 DH001 DH002 DL002 FA021 FA031 FA041 HA066 HA076 HA106 HA216 HA266 HA316 HA346 HA356 HA416 HA446 HA486 HA506 HA546 KA08 KA15 MA03 MA10 MA14 NA01 NA03 4J039 AB02 AB12 AD01 AD03 AD08 AD10 AD12 AD15 AE01 AE02 AE03 AE04 AE05 AE06 AE08 AE11 BA06 BA09 BA10 BA13 BA16 BA17 BA18 BA21 BA22 BA23 BA25 BA29 BA30 BA31 BA32 BA34 BA35 BA36 BA37 BA38 BA39 BE01 CA06 CA07 EA18 EA34 4K018 BB06 BC28 BC30 BD04 4K022 AA01 AA02 AA11 AA35 AA41 BA10 BA15 BA20 BA22 BA26 BA28 BA33 BA36 DA06 EA01

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体粒子の表面に光の散乱反射により白
    色を付与することができる結晶化微粒子と該結晶化微粒
    子相互間に空隙を有する結晶化微粒子の集合体として構
    成された被覆膜を少なくとも1層有する白色粉体を含有
    する白色色材組成物。
  2. 【請求項2】 基体粒子の表面に結晶化微粒子と該結晶
    化微粒子相互間に空隙を有する結晶化微粒子の集合体と
    して構成された被覆膜を少なくとも1層有し、該結晶化
    微粒子表面と空隙との間で生じる光の散乱反射により白
    色が付与された白色粉体を含有する白色色材組成物。
  3. 【請求項3】 前記白色粉体の結晶化微粒子が粒径の不
    揃いなものであることを特徴とする請求項1または2記
    載の白色色材組成物。
  4. 【請求項4】 前記白色粉体の基体粒子の表面に有する
    被覆膜が多層膜であることを特徴とする請求項1または
    2記載の白色色材組成物。
  5. 【請求項5】 前記白色粉体の結晶化微粒子の集合体と
    して構成された被覆膜の表面に、該表面の空隙を塞ぐこ
    とができる超微粒子で構成された緻密な被覆膜を有する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の白色色材組成
    物。
  6. 【請求項6】 前記白色粉体の結晶化微粒子の集合体と
    して構成された被覆膜が高屈折率膜であることを特徴と
    する請求項1または2記載の白色色材組成物。
  7. 【請求項7】 前記緻密膜がシリカ膜であることを特徴
    とする請求項5記載の白色色材組成物。
  8. 【請求項8】 前記白色粉体の結晶化微粒子の集合体と
    して構成された被覆膜が、該被覆膜を製膜するための反
    応溶液中で固相微粒子を形成させ該固相微粒子を被覆膜
    中に取込ませた後に焼成することによって形成されたも
    のであることを特徴とする請求項1または2記載の白色
    色材組成物。
  9. 【請求項9】 前記焼成を行う前に、前記固相微粒子を
    取込ませた被覆膜上を該被覆膜の表面の空隙を塞ぐ緻密
    な膜を構成することができる超微粒子で被覆したことを
    特徴とする請求項8記載の白色色材組成物。
  10. 【請求項10】 前記白色粉体の結晶化微粒子の集合体
    として構成された前記被覆膜が、該結晶化微粒子と基体
    粉体とを分散させた液中で、該結晶化微粒子を該基体粉
    体表面へ付着させることによって形成されたものである
    ことを特徴とする請求項1または2記載の白色色材組成
    物。
  11. 【請求項11】 前記白色粉体が、少なくとも結着用樹
    脂を含む分散媒中に分散されていることを特徴とする請
    求項1〜10のいずれかに記載の白色色材組成物。
  12. 【請求項12】 前記白色粉体上に接着樹脂層を有する
    ことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の白
    色色材組成物。
  13. 【請求項13】 前記接着樹脂層が体質顔料を含有する
    ことを特徴とする請求項12記載の白色色材組成物。
  14. 【請求項14】 白色粉体を含有する白色色材組成物を
    製造する方法において、基体粒子の表面に光の散乱反射
    により白色を付与することができる結晶化微粒子と該結
    晶化微粒子相互間に空隙を有する結晶化微粒子の集合体
    として構成する被覆膜を少なくとも1層設けて白色粉体
    とすることを特徴とする白色色材組成物の製造方法。
  15. 【請求項15】 白色粉体を含有する白色色材組成物を
    製造する方法において、基体粒子の表面に結晶化微粒子
    と該結晶化微粒子相互間に空隙を有する結晶化微粒子の
    集合体として構成する被覆膜を少なくとも1層設けて該
    結晶化微粒子表面と空隙との間で生じる光の散乱反射に
    より白色を付与して白色粉体とすることを特徴とする白
    色色材組成物の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記白色粉体の結晶化微粒子を粒径の
    不揃いなものとすることを特徴とする請求項14または
    15記載の白色色材組成物の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記白色粉体の基体粒子の表面に形成
    する被覆膜を多層膜とすることを特徴とする請求項14
    または15記載の白色色材組成物の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記白色粉体の結晶化微粒子の集合体
    として構成する被覆膜の表面に、該表面の空隙を塞ぐこ
    とができる超微粒子で緻密な膜を構成することを特徴と
    する請求項14または15記載の白色色材組成物の製造
    方法。
  19. 【請求項19】 前記白色粉体の結晶化微粒子の集合体
    として構成する被覆膜を高屈折率膜とすることを特徴と
    する請求項14または15記載の白色色材組成物の製造
    方法。
  20. 【請求項20】 前記緻密膜をシリカ膜とすることを特
    徴とする請求項18記載の白色色材組成物の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記白色粉体の結晶化微粒子の集合体
    として構成する被覆膜を、該被覆膜を製膜するための反
    応溶液中で固相微粒子を形成させ該固相微粒子を膜中に
    取込ませた後に焼成することによって形成することを特
    徴とする請求項14または15記載の白色色材組成物の
    製造方法。
  22. 【請求項22】 前記焼成を行う前に、前記固相微粒子
    を取込ませた被覆膜上を該被覆膜の表面の空隙を塞ぐ緻
    密な膜を構成することができる超微粒子で被覆すること
    を特徴とする請求項21記載の白色色材組成物の製造方
    法。
  23. 【請求項23】 前記白色粉体の結晶化微粒子の集合体
    として構成された前記被覆膜を、該結晶化微粒子と基体
    粉体とを分散させた液中で、該結晶化微粒子を該基体粉
    体表面へ付着させることによって形成することを特徴と
    する請求項14または15記載の白色色材組成物の製造
    方法。
  24. 【請求項24】 前記白色粉体を、少なくとも結着用樹
    脂を含む分散媒中に分散することを特徴とする請求項1
    4〜23のいずれかに記載の白色色材組成物の製造方
    法。
  25. 【請求項25】 前記白色粉体上に接着樹脂層を設ける
    ことを特徴とする請求項14〜24のいずれかに記載の
    白色色材組成物の製造方法。
  26. 【請求項26】 前記接着樹脂層に体質顔料を含有させ
    ることを特徴とする請求項25記載の白色色材組成物の
    製造方法。
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