JP2001049140A - アゾ顔料組成物、その製造方法及び顔料分散体 - Google Patents

アゾ顔料組成物、その製造方法及び顔料分散体

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JP2001049140A
JP2001049140A JP11224639A JP22463999A JP2001049140A JP 2001049140 A JP2001049140 A JP 2001049140A JP 11224639 A JP11224639 A JP 11224639A JP 22463999 A JP22463999 A JP 22463999A JP 2001049140 A JP2001049140 A JP 2001049140A
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azo pigment
pigment
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azo
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JP11224639A
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Takashi Abe
隆士 安部
Masaharu Sato
正治 佐藤
Hisanori Takami
尚徳 高見
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Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
Original Assignee
Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インキ等の着色剤として使用した場合に、イ
ンキの重要な特性である分散体粘度の増大を抑え、且つ
その他の代表的要求特性である、鮮明性、透明性、着色
力等を維持または向上させつつ、熱水ブリード特性や再
溶解性等にも優れたアゾ顔料を提供すること。 【解決手段】 アゾ顔料と、2−ナフトール−3,6−
ジスルホン酸等のナフタリンスルホン酸誘導体とオクタ
デシルアミン、オレイルアミン等の飽和又は不飽和脂肪
族アミンとの反応生成物とからなるアゾ顔料組成物及び
アゾ顔料のスラリーにナフタリンスルホン酸誘導体を添
加して溶解又は分散させ、次いで上記のアミンを添加し
て反応させるアゾ顔料組成物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の着色用途に
有用であるアゾ顔料組成物、その製造方法及び顔料分散
体に関し、更に詳しくは、インキの増粘を防ぎ、流動
性、鮮明性、グロス、耐熱水ブリード性や再溶解性に優
れたグラビアインキ、オフセットインキ等のインキを与
えるアゾ顔料組成物、その製造方法及び該顔料の分散体
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アゾ顔料は各種物性が良好である
ことから、合成樹脂及びゴムの着色剤や塗料の着色剤と
して広く使用されている。更に、印刷インキの着色剤と
して、例えば、各種グラビアインキ、オフセットインキ
等の着色剤としても使用されている。
【0003】近年、印刷インキ用の着色剤として透明で
鮮明な顔料が求められており、これらの設計を行ったア
ゾ顔料をグラビアインキ等の各種インキ等の製造に使用
した場合、インキの粘度上昇により流動性が低下した
り、グラビア版上で乾燥したインキ皮膜が再度印刷イン
キによって溶解される再溶解性が低下することにより、
使用が不可能になることがある。
【0004】アゾ顔料の流動性改良を目的として、不溶
性アゾ顔料に直接極性基を導入したアゾ顔料組成物が特
公昭44−18588号公報に、又、溶性アゾ顔料に直
接極性基を導入したアゾ顔料組成物が特公平4−411
86号公報にそれぞれ提案されている。これらのアゾ顔
料は、該顔料に直接極性基が導入され、顔料と基本構造
が同じであることから吸着安定性に優れているものの、
この顔料をグラビアインキや塗料として使用した場合に
は熱水ブリード性やヒートブリード性が著しく劣る。
【0005】また、特公平1−34271号公報には、
顔料とは異なる構造の無色か淡黄色の化合物粉末を顔料
と混合する顔料の分散方法が、更に水溶性アクリル樹脂
で顔料の被覆処理を行ったアゾレーキ顔料が特開平7−
292274号工法にそれぞれ提案されている。しかし
ながら、これらの添加物の化学構造がアゾ顔料と類似し
ていないこと、添加物が不均一粒子のため、添加剤の顔
料への吸着安定性が悪く、これらをグラビアインキやオ
フセットインキとして使用した場合、分散安定性が不十
分となり、凝集による流動性の向上はあっても、鮮明
性、透明性、着色力などが低下してしまう。
【0006】グラビアインキ用アゾ顔料の再溶解性を向
上させる手段として、顔料粒子を大きくする手法がある
が、この手法では鮮明で透明な顔料の要求を満たせな
い。また、界面活性剤を添加する方法もあるが、着色
力、光沢、耐ブロキング性が低下する等の問題を生ずる
場合がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、顔料を例えば、各種グラビアインキ、オフセットイ
ンキ等の着色剤として使用した場合に、インキの特性と
して重要である分散体粘度の増大を抑え、且つその他の
代表的要求特性である、鮮明性、透明性、着色力等を維
持または向上させつつ、熱水ブリード特性や再溶解性等
にも優れたアゾ顔料を提供することである。本発明者
は、上記目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、アゾ
顔料と構造が類似した特定な化合物を使用することによ
り実用上極めて有用な顔料組成物の開発に成功した。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、アゾ顔料と、式
(〓)で表される化合物と炭素数が4〜18の飽和又は
不飽和の脂肪族アミンとの反応生成物とからなることを
特徴とするアゾ顔料組成物。 (式中のDはナフタレン環を、A及びBは互いに独立し
た置換基を、Zはスルホン酸基またはスルホン酸の塩の
基を、Eは水素原子、−NH−、又は、−NHCONH
−を、x及びyは相互に独立した0〜2の整数を、nは
1〜4の整数を、mは1または2をそれぞれ表す。)
【0009】また、本発明は、アゾ顔料のスラリーに上
記の式(I)で表される化合物を添加して該化合物を該ス
ラリーに溶解又は分散させ、次いで炭素数が4〜18の
飽和又は不飽和の脂肪族アミンを添加して該化合物と反
応させることを特徴とするアゾ顔料組成物の製造方法で
ある。
【0010】
【発明の実施の形態】次に発明の実施の形態を挙げて本
発明を更に詳細に説明する。本発明におけるアゾ顔料
は、溶性及び不溶性アゾ顔料並びに縮合アゾ顔料であ
り、これらのアゾ顔料はβ−オキシナフトエ酸系、β−
オキシナフトエ酸アニリド系、β−ナフトール系、ピラ
ゾロン系、又はアセト酢酸アニリド系アゾ顔料である。
溶性アゾ顔料としては、例えば、C.Iピグメントレッ
ド57、同じく53、52、49、48等;C.Iピグ
メントオレンジ17、同じく46、60等が、不溶性ア
ゾ顔料としては、例えば、C.Iピグメントイエロー
1、同じく3、14、12、17、55、13、83、
152、74、97、98、167、116、75、1
54等;C.Iピグメントオレンジ14、同じく13、
36、38、34、16等;C.Iピグメントレッド
3、同じく1、2、5、23、40、112、146、
170、171等;C.Iピグメントブルー25等;
C.Iピグメントレッド243等;C.Iピグメントイ
エロー61、同じく62、168、169等が、縮合ア
ゾ顔料としては、例えば、C.Iピグメントレッド14
4、同じく166、214等;C.Iピグメントイエロ
ー93、同じく94、95、166等のアゾ顔料が挙げ
られる。このようなアゾ顔料自体の製造方法は公知であ
り、本発明においてはアゾ顔料自体の製造方法は特に制
限されるものではない。
【0011】本発明における上記の式(I)で示される
化合物は、ナフタレン環を骨格としスルホン酸基又はス
ルホン酸の塩の基と他の置換基A、Bを有する化合物で
ある。置換基A、Bは式(I)の化合物又は該化合物と
下記の有機アミンとの反応生成物が無色となる置換基で
あれば特に限定されない。置換基としては、例えば、−
OR1、−COOR2、−NR12、−CONR12、−
CF3、−CN、−NO2、−NR1COR2、−SO2
12 、又は−NR1SO22等が挙げられる。R1
びR2は水素原子、置換されていてもよい炭素数が4〜
18の飽和または不飽和アルキル基、アリール基もしく
は窒素またはイオウ原子を含むヘテロ環等である。尚、
本発明では、無色には、アゾ顔料の着色に影響を及ぼさ
ない僅かに着色したものも含む。
【0012】上記の式(I)で示される化合物は、mが1
の場合はEは水素原子であり、例えば、2−ナフトール
−6−スルホン酸、2−ナフトール−3,6−ジスルホ
ン酸、7−N−(3′−カルボキシルフェニル)−1−
ナフトール−3−スルホン酸、2,6−ナフタレンジス
ルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、1,3,6−ナ
フタレントリトリスルホン酸、2−ナフチルアミン−7
−スルホン酸、N−アセチルH酸、N−(p−アミノベ
ンゾイル)J酸、N−(p−トルエンスルホニル)H
酸、N−(2−ナフトール−6−スルホニル)K酸等及
びこれらのナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、
第四級アンモニウム塩等の塩が挙げられる。
【0013】式(I)の化合物は、mが2の場合は、Eは
−NH−又は−NHCONH−であり、例えば、ジJ
酸、カルボニル−J酸等及びこれらのナトリウム、カリ
ウム等のアルカリ金属塩、第四級アンモニウム塩等の塩
が挙げられる。好ましい式(I)の化合物としては、2−
ナフトール−3,6−ジスルホン酸、カルボニル−J
酸、1,3,6−ナフタレントリスルホン酸等及びこれ
らのナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩等の塩が
挙げられる。
【0014】本発明のアゾ顔料組成物は、アゾ顔料と、
前記の式(I)で表される化合物と炭素数が4〜8の飽和
又は不飽和の脂肪族アミンとの反応生成物とからなるも
のである。上記の脂肪族アミンには一級及び二級アミン
が含まれ、例えば、ブチルアミン、オクチルアミン、オ
クタデシルアミン、オレイルアミン、ココナッツアミ
ン、牛脂アルキルアミン、大豆アルキルアミン、ジヤシ
アルキルアミン、N−ヤシアルキル−1,3−ジアミノ
プロパン、N−牛脂アルキル−1,3−ジアミノプロパ
ン、N−オレイル−1,3−ジアミノプロパン等が挙げ
られる。
【0015】次に本発明のアゾ顔料組成物の製造方法に
ついて説明する。本発明では出発原料として使用するア
ゾ顔料は、水中でカップリングした後に得られるアゾ顔
料が使用される。又、アゾ顔料は以下の処理ではスラリ
ー状態で使用されるが、スラリーはアゾ顔料製造後のス
ラリー、該スラリーを濾過して得た顔料ペーストを解膠
してスラリーとしたもの、及び乾燥後の顔料を水中に分
散させたもののいずれであってもよい。アゾ顔料は必要
に応じて、加熱、冷却、熟成、スラリーのpH調製を行
うことが出来る。尚、本発明の出発原料であるアゾ顔料
は、その製造時におけるジアゾ液、下漬液、あるいは顔
料スラリーの適当な段階で、各種の界面活性剤、その他
の添加剤を本発明の主旨が損なわれない範囲で添加して
該顔料を処理したものを用いることもできる。
【0016】本発明のアゾ顔料組成物は、上記のアゾ顔
料のスラリーに式(I)の化合物を添加して処理し、その
後に上記の有機アミンを添加して式(I)の化合物と反応
させることにより得られる。先ず、アゾ顔料のスラリー
に式(I)の化合物を添加し、攪拌する。該化合物はその
遊離しているスルホン酸基またはスルホン酸の塩の基の
影響で顔料スラリー中に溶解または、均一に分散する。
この時、式(I)の化合物とカップリング反応を起こすジ
アゾニウム塩がアゾ顔料から消失していることを確認し
て行わなければならない。この後、式(I)の化合物のス
ルホン酸の当量前後に当たる量の有機アミンを酸類で溶
解するか、または有機溶剤等でエマルジョンとした後に
添加し、攪拌して式(I)の化合物と反応させることによ
り本発明のアゾ顔料組成物が製造される。尚、上記の工
程で、式(I)の化合物をアゾ顔料のスラリーに添加した
後は、必要に応じて、加熱、冷却、熟成、スラリーのp
H調製等を適宜行うことができる。
【0017】上記処理後、アゾ顔料をスラリー中から濾
過等の常法に従って分離し、顔料化することによって目
的とするアゾ顔料組成物、即ち、式(I)の化合物と有機
アミンとの反応生成物で均一に表面処理されたアゾ顔料
(以下では表面処理アゾ顔料と称することがある)が得
られる。表面処理アゾ顔料の中では、式(I)の化合物
は、上記のようにアゾ顔料組成物の製造過程で式(I)の
化合物が顔料サスペンジョン中に溶解または分散し、顔
料をも均一な状態とさせた後、有機アミンを添加して式
(I)の化合物と反応させて得られる反応生成物が顔料表
面で均一に析出または顔料に吸着し、しかもアゾ顔料と
式(I)の化合物との化学構造が類似しているため、該反
応生成物はアゾ顔料に強固に固定化されていると推定さ
れる。
【0018】上記の式(@)の化合物の好ましい使用量
は、アゾ顔料100重量部当たり0.1〜50重量部で
あり、最も効果的な使用量は0.3〜10重量部の範囲
である。上記の使用量の下限未満では、表面処理アゾ顔
料を例えばグラビア用インキに使用した場合の増粘抑制
効果、再溶解性改良効果は不十分となり、上限を超えた
場合にはそれ以上使用しても増粘抑制効果、再溶解性改
良効果のさらなる向上は期待できず、その他のグラビア
インキ特性の低下が起こり好ましくない。上記の如くし
て得られる本発明の表面処理アゾ顔料は、例えばインキ
等の着色剤として使用する際には、単独で使用すること
もできるし、表面処理されていない同種または他の種類
のアゾ顔料と混合して使用することもできる。
【0019】本発明の表面処理アゾ顔料は、固体状態及
び分散液として使用することができる。分散液として使
用する場合には、表面処理アゾ顔料と分散樹脂ビヒクル
を含む顔料分散液として使用される。分散樹脂ビヒクル
としては、従来公知の該ビヒクルはいずれも使用可能で
あり、特に制限されない。例えば、ニトロセルロース系
樹脂、マレイン酸系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド
系樹脂、ライムロジン系樹脂、ロジン変性フェノール系
樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド系樹脂、メラミン系
樹脂、エポキシ系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビ
ニル系樹脂等が挙げられる。
【0020】顔料の分散液の製造方法は、常法に従えば
よく特に制限されない。例えば、上記の分散樹脂ビヒク
ルを油成分に溶解したワニスに、必要により、希釈溶剤
で希釈し、表面処理アゾ顔料を分散させる方法等が挙げ
られる。
【0021】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。尚、文中、部又は%とあるのは特に
断りのない限り重量標準である。
【0022】実施例1、比較例1 常法によりジアゾ化した3−アミノ−p−アニスアニリ
ドを4′−クロロ−2′,5′−ジメトキシ−3−ヒド
ロキシ−2−ナフトアニリドとカップリングさせる。そ
の後溶液にODBエマルジョン(得られるアゾ顔料10
0部に対し5部を少量の活性剤と共に攪拌)を添加した
後、100℃に昇温して30分間熟成する。熟成後ジア
ゾニウム塩が消失していることを確認して、2−ナフト
ール−3,6−ジスルホン酸ジナトリウム塩2部を水5
0部に溶解して注入する。攪拌後、オクタデシルアミン
3部を酢酸1.5部と水50部で溶解した後、注入し、
攪拌する。得られる液を濾別し、凝固物を90℃で乾燥
して本発明の表面処理アゾ顔料100部を得た。
【0023】又、熟成後全く表面処理しない比較例1−
Aのアゾ顔料を上記と同様にして得た。熟成後2−ナフ
トール−3,6−ジスルホン酸ジナトリウム塩のみで処
理した比較例1−Bのアゾ顔料を上記と同様にして得
た。熟成後オクタデシルアミンのみで処理した比較例1
−Cのアゾ顔料を上記と同様にして得た。更に2−ナフ
トール−3,6−ジスルホン酸ジナトリウム塩とオクタ
デシルアミンを上記と同じ重量部で予め合成したものを
熟成後のスラリーに添加して比較例1−Dのアゾ顔料を
上記と同様にして得た。
【0024】実施例2、比較例2 常法によりジアゾ化した2−クロロ−4−アミノトルエ
ン−5−スルホン酸をβ−オキシナフトエ酸とカップリ
ングさせてナトリウム染料を作る。その染料を含む溶液
を55℃に昇温し、塩化ストロンチウム溶液を添加(該
染料1モルに対し塩化ストロンチウム1.4モル使用)
して、レーキ化する。その後100℃に昇温して30分
間熟成する。熟成後ジアゾニウム塩が消失していること
を確認して、2−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウ
ム塩3部を水50部に溶解して注入する。攪拌後、オレ
イルアミン3.5部を酢酸1.5部と水50部で溶解し
た後、注入し、攪拌する。得られる液を濾別し、凝固物
を90℃で乾燥して本発明の表面処理アゾ顔料100部
を得た。
【0025】又、熟成後全く表面処理しない比較例2−
Aのアゾ顔料を上記と同様にして得た。熟成後、2−ナ
フトール−6−スルホン酸ナトリウム塩のみで処理した
比較例2−Bのアゾ顔料を上記と同様にして得た。熟成
後、オレイルアミンのみで処理した比較例2−Cのアゾ
顔料を上記と同様にして得た。
【0026】実施例3、比較例3 常法によりテトラゾ化した3、3′−ジクロロベンジジ
ンをアセトアセトアニリドとカップリングさせる。その
後溶液にキシロールエマルジョン(得られるアゾ顔料1
00部に対し2部を少量の活性剤と共に攪拌)を添加し
た後、80℃に昇温して15分間熟成する。熟成後ジア
ゾニウム塩が消失していることを確認して、7−N−
(3′−カルボキシルフェニル)−1−ナフトール−3
−スルホン酸ジナトリウム塩5部を水50部に溶解して
注入する。攪拌後、ココナッツアミン5部を酢酸2.5
部と水50部で溶解した後、注入し、攪拌する。得られ
る液を濾別し、凝固物を90℃で乾燥して本発明の表面
処理アゾ顔料100部を得た。
【0027】又、熟成後全く表面処理しない比較例3−
Aのアゾ顔料を上記と同様にして得た。熟成後、7−N
−(3′−カルボキシルフェニル)−1−ナフトール−
3−スルホン酸ジナトリウム塩のみで処理した比較例3
−Bのアゾ顔料を上記と同様にして得た。熟成後、ココ
ナッツアミンのみで処理した比較例3−Cのアゾ顔料を
上記と同様にして得た。
【0028】実施例4、比較例4 実施例1と同様にして得た表面処理アゾ顔料50部と比
較例1−Aの未処理のアゾ顔料とを混合して本発明の表
面処理した顔料100部を得た。又、比較例1−Aの未
処理のアゾ顔料を比較例4のアゾ顔料とする。
【0029】実施例5、比較例5 常法によりジアゾ化した4−アミノトルエン−3−スル
ホン酸をβ−オキシナフトエ酸とカップリングさせてナ
トリウム染料を作る。その染料にロジン(得られる顔料
100部に対し10部)を注入し、塩化カルシウム溶液
(染料1モルに対し塩化カルシウム1.4モル使用)を
添加してレーキする。このスラリーを80℃に昇温し、
20分熟成する。熟成後ジアゾニウム塩が消失している
ことを確認して、2、6−ナフタレンジスルホン酸ジナ
トリウム塩2部を水50部に溶解して注入する。攪拌
後、オクタデシルアミン3部を酢酸1.5部と水50部
で溶解した後、注入し、攪拌する。得られる液を濾別
し、凝固物を90℃で乾燥して本発明の表面処理アゾ顔
料100部を得た。又、熟成後全く表面処理しない比較
例5のアゾ顔料を上記と同様にして得た。
【0030】
【使用例】上記で得られた表面処理されたアゾ顔料を用
いてウレタン系、ポリアミド系、及び水性系のグラビア
インキを以下の如くにして調製した。加えてオフセット
インキを以下の如くにして調製した。表面処理アゾ顔料
に代えて比較例のアゾ顔料を用いたインキも合せて調製
した。得られたこれらのインキを用いてインキ物性を調
べた。結果を表1〜4に示す。
【0031】1.ウレタン系グラビアインキ 表面処理アゾ顔料 10部 ウレタンワニス 50部 溶剤 40部 スチールボール 200部 上記割合の各成分を内径60mm及び高さ120mmの
ブリキ缶に入れ、ペイントシェーカーで30分間分散処
理する。得られたインキを用いて試験用グラビア版に印
刷した印刷面に溶剤を100ml流し、該版に溶解せず
に残ったインキの着色具合を目視で観察し、着色が少な
い方から順に◎、○、△、×で再溶解性を評価した。
【0032】更に、上記インキを用いて得た印刷フィル
ムと、同様にして得た白フィルムとを重ね、荷重をかけ
て40℃の恒温槽に入れた後、経時での白フィルムへの
色移りを目視で観察し、着色が少ない方から順に◎、
○、△、×で耐ブロッキング性を評価した。又、得られ
たインキをガラス容器にいれ、40℃の恒温槽に入れ、
経時粘度を測定した。
【0033】2.ホリアミド系グラビアインキ 表面処理アゾ顔料 10部 ポリアミドワニス 58部 硝化綿ワニス 17部 溶剤 15部 スチールボール 200部 上記割合の各成分を内径60mm及び高さ120mmの
ブリキ缶に入れ、ペイントシェーカーで30分間分散処
理する。得られたインキを用いて印刷したフィルムの光
沢を目視で観察し、光沢が優れている方から順に◎、
○、△、×で光沢を評価した。更に、上記のインキを同
様にして得た白インキにて希釈し、着色の程度を目視で
観察し、着色が大の順に◎、○、△、×で着色力を評価
した。又、得られた上記インキの経時粘度を上記と同様
に測定した。
【0034】3.水性系グラビアインキ 表面処理アゾ顔料 20部 スチレンマレイン酸ワニス 70部 溶剤 10部 スチールボール 200部 上記割合の各成分を内径60mm及び高さ120mmの
ブリキ缶に入れ、ペイントシェーカーで30分間分散処
理する。得られたインキを用いて再溶解性、耐ブロッキ
ング性を上記と同様に測定した。又、得られたインキの
経時粘度を上記と同様に測定した。
【0035】4.オフセットインキ 表面処理アゾ顔料 100部 樹脂ワニス 600部 上記割合の各成分を三本ロールで分散しインキ化する。
インキの評価は、インキをインコメーターでタック値を
調製し、RIテスターで黒帯アート紙に校正刷りを行
い、透明性、鮮明性、着色力、グロス等の比較を行う。
色相及び透明性は目視により評価し、鮮明性は分光光度
計で測色した。又、着色力は反射濃度計(グレタグ濃度
計)で、グロスは光度計(60°)で、流動性をスプレ
ッドメーター(100秒)で測定した。
【0036】表 1
【0037】表 2
【0038】表 3
【0039】表 4
【0040】実施例6、比較例6 常法によりジアゾ化した3−アミノ−p−アニスアニリ
ドを4′−クロロ−2′,5′−ジメトキシ−3−ヒド
ロキシ−2−ナフトアニリドとカップリングさせる。そ
の溶液にODBエマルジョン(得られるアゾ顔料100
部に対し8部を少量の活性剤とともに撹拌して調製)を
添加した後、95℃に昇温して60分間熟成する。熟成
後ジアゾニウム塩が消失していることを確認して、カル
ボニル−J酸ジナトリウム塩3部を水50部に溶解して
注入する。撹拌後、更に、ココナッツアミン2部を酢酸
1部と水50部で溶解した溶液を注入し撹拌する。得ら
れる反応液を濾別し、凝固物を90℃で乾燥して本発明
の表面処理アゾ顔料100部を得た。又、同様にして熟
成後表面処理を行わない比較例6のアゾ顔料を得た。
【0041】実施例7、比較例7 常法によりジアゾ化した4−アミノトルエン−3−スル
ホン酸をβ−オキシナフトエ酸とカップリングさせてナ
トリウム染料を作る。その染料にロジン(得られる顔料
100部に対し10部)を注入し、塩化カルシウム溶液
(染料1モルに対し塩化カルシウム1.4モル使用)を
添加してレーキ化する。このスラリーを70℃に昇温
し、30分熟成する。熟成後ジアゾニウム塩が消失して
いることを確認して、ジJジナトリウム塩2部を水50
部に溶解して注入する。攪拌後、大豆アルキルアミン2
部を酢酸1部と水50部で溶解した後、注入し、攪拌す
る。得られる反応液を濾別し、凝固物を90℃で乾燥し
て本発明の表面処理アゾ顔料100部を得た。又、熟成
後全く表面処理しない比較例7のアゾ顔料を上記と同様
にして得た。
【0042】実施例6、7の顔料を用いて、前記の3種
のグラビアインキを作製し評価した所、実施例1〜3の
顔料と同様の結果が得られた。又、同様にオフセットイ
ンキを作製して評価した結果は実施例5の顔料と同様の
結果が得られた。
【0043】
【発明の効果】本発明のアゾ顔料組成物(表面処理アゾ
顔料)及びこれを用いた顔料分散体は、例えばインキの
着色剤として使用した場合には、従来のアゾ顔料と比較
して、例えば、鮮明性、透明性、グロスを維持または向
上しつつ、流動性、再溶解性が大で、耐熱水ブリード性
や耐ブロッキング性にも良好な適性を示す。特に従来の
同種顔料では、透明性を上げると、各種インキが貯蔵中
に増粘したり、再溶解性が悪くなり使用不可能となるの
に対し、本発明の表面処理顔料アゾ顔料では、このよう
な欠点は解決されている。又、本発明のアゾ顔料では、
これを平版インキに使用した場合、着色力があり、分散
性、鮮明性、流動性及び光沢にも優れている。従って、
本発明の表面処理アゾ顔料及びその分散体は、グラビア
インキ、オフセットインキ等の各種インキの製造に好適
である。更に、本発明の表面処理アゾ顔料は、プラスチ
ック、塗料、原液着色の用途にも有用であり、各種用途
の着色剤として好適である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アゾ顔料と、式(〓)で示される化合物
    と炭素数が4〜18の飽和又は不飽和の脂肪族アミンと
    の無色の反応生成物とからなることを特徴とするアゾ顔
    料組成物。 (式中のDはナフタレン環を、A及びBは互いに独立し
    た置換基を、Zはスルホン酸基またはスルホン酸の塩の
    基を、Eは水素原子、−NH−、又は、−NHCONH
    −を、x及びyは相互に独立した0〜2の整数を、nは
    1〜4の整数を、mは1または2をそれぞれ表す。)
  2. 【請求項2】 アゾ顔料を上記の反応生成物で表面処理
    してなる請求項1に記載のアゾ顔料組成物。
  3. 【請求項3】 顔料100重量部当たり上記の反応生成
    物の割合が0.1〜50重量部である請求項1又は2に
    記載のアゾ顔料組成物。
  4. 【請求項4】 アゾ顔料がβ−オキシナフトエ酸系、β
    −オキシナフトエ酸アニリド系、β−ナフトール系、ピ
    ラゾロン系またはアセト酢酸アニリド系アゾ顔料である
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のアゾ顔料組成物。
  5. 【請求項5】 アゾ顔料のスラリーに下記の式(I)で示
    される化合物を添加して該化合物を該スラリーに溶解又
    は分散させ、次いで炭素数が4〜18の飽和又は不飽和
    の脂肪族アミンを添加して該化合物と反応させることを
    特徴とするアゾ顔料組成物の製造方法。 (式中のDはナフタレン環を、A及びBは互いに独立し
    た置換基を、Zはスルホン酸基またはスルホン酸の塩の
    基を、Eは水素原子、−NH−、又は、−NHCONH
    −を、x及びyは相互に独立した0〜2の整数を、nは
    1〜4の整数を、mは1または2をそれぞれ表す。)
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいづれか1項に記載のア
    ゾ顔料組成物と分散樹脂ビヒクルとからなることを特徴
    とする顔料分散体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106566280A (zh) * 2015-10-09 2017-04-19 Dic株式会社 被覆颜料组合物及其制造方法
CN111434727A (zh) * 2019-01-11 2020-07-21 山阳色素株式会社 偶氮颜料组合物及其制造方法

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CN111434727B (zh) * 2019-01-11 2023-11-17 山阳色素株式会社 偶氮颜料组合物及其制造方法

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