JP2001046936A - 高速にかつ精密に制御する液体の吐出方法および装置 - Google Patents

高速にかつ精密に制御する液体の吐出方法および装置

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JP2001046936A JP11154000A JP15400099A JP2001046936A JP 2001046936 A JP2001046936 A JP 2001046936A JP 11154000 A JP11154000 A JP 11154000A JP 15400099 A JP15400099 A JP 15400099A JP 2001046936 A JP2001046936 A JP 2001046936A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 線の始点部・終点部の線形状が極めて容易に
制御すること。 【解決手段】 液体貯留容器から吐出バルブを経て定量
吐出するに当り、吐出口からの液体の吐出流速が一定に
なるように、吐出を開始する前に予め液体に圧力を加え
ておくことおよび/または吐出の終了後における吐出口
近傍部分の圧力が予め定めた特定値となるようにするこ
とを特徴とする液体定量吐出方法。液体貯留容器、液体
貯留容器内の液体の加圧手段、および液体貯留容器に連
通する吐出バルブを具える、液体貯留容器から吐出バル
ブを経て液体を定量吐出する装置であって、加圧手段お
よび吐出バルブの作動を制御する作動制御手段および液
体の吐出圧を自動調整する吐出圧制御手段を設けたこと
を特徴とする液体定量吐出装置。吐出口近傍部分の液圧
を検出し、その検出結果に基づいて液体の吐出圧を自動
調整することにより行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業の属する技術分野】本発明は、液体を微量に吐出
または塗布する分野において、液体の微量吐出または塗
布を高速にかつ精密に制御する技術に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】所望の量の液体を吐出させるには液体定
量吐出装置を用い、また、所望の形状に液体を塗布する
には前記液体定量吐出装置とさらに被着体をまたはノズ
ルを動かすロボットを使用する方法を用いるのが一般的
である。液体を吐出する技術には、調圧した圧縮空気を
液体に所望の時間与えるAir式とよばれる方法や、駆
動源に連接した押部材を液密に配接した押部材を所望の
量だけ移動させるプランジャ式とよばれる方法が知られ
ている。Air式は、圧縮空気を利用する極めてシンプ
ルな方法であり、貯留容器を除けば圧縮空気のみが液体
に接触するため、液体をクリーンな状態に保ちつつ使用
することが可能であるという利点があり、非常に一般的
に使用されている方法である。一方、プランジャ式は、
接液する押部材の断面積と、押部材の移動量とで吐出さ
れる液体の体積を決められる利点があり、液体の充填・
分注作業や、極めて微量な液体を塗布する場合に使用さ
れている方法である。
【0003】所望の形状に液体を塗布するには、貯留容
器内の液体にこれら方法により液体を流動させることで
吐出口であるノズル先端より液体を吐出させ、この前記
装置の吐出口と被着体のどちらか一方、または両方を相
対的に移動させることにより、液体を所望の形状に描画
させることで行われている。しかし、これら方法は、液
体が一定の流速を得るまでに時間を要するため、一定流
速となるまでの時間、塗布線の描画を均一ならしめるこ
とが非常に難しかった。特に、高粘性液体を使用する場
合や高速に塗布する場合には、この影響が顕著で、具体
的には塗布線の始点部の細り・切れ、終点部での太り・
溜まりといった形でその影響が現れる。たとえば半導体
製造工程において、電子材料を基板上に規則的にまたは
不規則にポイント塗布、線状塗布等するに当って使用さ
れている従来の定量吐出装置としては、たとえば特開平
4−49108号公報に開示された吐出装置は、吐出口
から吐出される液体の吐出量を、スクリューの回転速
度、回転時間等をもってコントロールするものであり、
これによれば、スクリューの回転速度と停止時期の精度
良い制御によって、液体の粘度、流動性や貯留容器内の
液体量に影響されることなく、連続的な吐出においても
液体の吐出量を安定させ、定量吐出を果たすことができ
るとする。ここでは、液体の吐出および停止を、スクリ
ューの回転および停止のそれぞれによって行うこととし
ており、吐出の停止時においてなお、吐出口が物理的な
開放状態にあることから、とくに、液体の粘度が低い場
合、貯留容器内の液体を加圧する場合、スクリューの外
周面とスクリューハウジングの内周面とのクリアランス
が大きい場合等には、液体の吐出停止時の液切れが悪
く、また、液体の重量および液体加圧力に起因する液体
の洩出があるという問題があり、この一方で、かかる問
題点の解決を図るべくスクリューの外周面とスクリュー
ハウジングの内周面とのクリアランスを小さくした場合
には、たとえば電子材料中のフィラーが破壊されるとい
う他の問題があった。
【0004】さらにAir式の場合、圧縮性に優れる空
気を使用するために、急速に所望の圧力を得ることは極
めて難しく、この方法で線の始点や終点を線中央部と同
一の形状に形成させることはさらに困難であった。加え
て、周辺雰囲気の変化や、液体自身の化学反応等に応じ
て液体の粘度が変化するために、調圧された一定の空圧
を作用させるこの方法では、液体の粘度変化に応じて吐
出量が変化してしまう問題もあった。このように、粘性
変化を有する液体をAir式吐出機で繊細な形状に塗成
させることは不可能であった。
【0005】プランジャ式の場合は、所望体積量の吐出
に本質的機能があるため、所望の量を正確に分注、充填
する用途が主であった。また、ピストン移動量が吐出量
を決める方法であり、精密性・定量性に優れた特徴があ
るため、その吐出作業は極めて慎重に、ゆっくりと行わ
れるのが一般的である。このようにこの方法は、一定量
を正確に吐出・塗布するところにその技術の本質を置く
ため、吐出中の流速に変化が起こっても、結果として塗
布量が均一となればそれで良い方法である。さらに、そ
の方法が高粘性液体の吐出に使用することは避けられて
いる。これは、高粘性液体を流動させるためには、非常
に大きな力を液体に作用させる必要があることに起因す
る。この大きな力は、貯留容器やピストンの膨張・歪
み、さらには弾性変形のほとんど無い液体にまで圧縮を
引き起こし、これらの変形がその方法の特徴である精密
性・定量性を損なわせる原因となるためである。特に、
高粘性液体を高速に塗布する場合や、低粘性液体の場合
でもノズルが細い場合や長い場合は、極めて高い圧力を
液体に作用される必要があるため、前記膨張・歪み・圧
縮といった変形が著しく、さらに吐出口のみが大気に露
出しているというその方法特有の特徴から、これら変形
の影響を、液体に高い圧力を作用させるほど、また吐出
口が小径であるほど受けやすかった。具体的には、吐出
の遅れ・液体のタレ、線形状の塗布においては切れ・溜
まり・歪みといった現象でその影響が現れていた。これ
らの変形は極めてわずかなものであるが、前記諸変形に
依存する影響は微細な形状の塗布を行う場合や、微量な
塗布の場合、さらには高速に塗布を行う場合には、この
弾性変形による影響は致命的な問題であり、このように
高い圧力を必要とする場合にその方法を用いることは全
くナンセンスである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、液体を微量
に吐出または塗布するに際し、液体の粘度に依存され
ず、高速にかつ精密に所望の塗布形状を形成する方法お
よび装置の提供を目的とする。特に、高粘性液体を使用
する場合や高速に塗布する場合であっても、線の始点部
・終点部の線形状が極めて容易に制御でき、例えば均一
な線形状の塗布は線の始点から終点に至るまで線の細り
・太りがなく、均一にそろった線形状の形成ができる方
法および装置を提供することを目的とする。本発明は、
フィラーの破壊のおそれなしに、吐出の停止時に液切れ
性を高め、また、液体の洩れ出しを十分に防止した液体
吐出方法を提供することを目的とする。本発明は、液体
が一定の流速を得るまでに時間を要することなく、塗布
線の描画を均一ならしめることが可能な液体の吐出また
は塗布方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、液体貯留容器
から吐出バルブを経て定量吐出するに当り、吐出口から
の液体の吐出流速が一定になるように、吐出を開始する
前に予め液体に圧力を加えておくことおよび/または吐
出の終了後における吐出口近傍部分の圧力が予め定めた
特定値となるようにすることを特徴とする液体定量吐出
方法を要旨としている。
【0008】吐出口近傍部分の液圧を検出し、その検出
結果に基づいて液体の吐出圧を自動調整することによ
り、吐出を開始する前に予め液体に圧力を加えておくこ
とおよび/または吐出の終了後における吐出口近傍部分
の圧力が予め定めた特定値となるようにしており、した
がって本発明は、液体貯留容器から吐出バルブを経て定
量吐出するに当り、吐出口近傍部分の液圧を検出し、そ
の検出結果に基づいて液体の吐出圧を自動調整すること
により、吐出口からの液体の吐出流速が一定になるよう
に、吐出を開始する前に予め液体に圧力を加えておくこ
とおよび/または吐出の終了後における吐出口近傍部分
の圧力が予め定めた特定値となるようにすることを特徴
とする液体定量吐出方法を要旨としている。
【0009】液体貯留容器から吐出バルブに供給する液
体の圧力を制御しており、したがって本発明は、吐出口
からの液体の吐出流速が一定になるように、吐出を開始
する前に予め液体に圧力を加えておくことおよび/また
は吐出の終了後における吐出口近傍部分の圧力が予め定
めた特定値となるようにする、好ましくは液体貯留容器
から吐出バルブを経て定量吐出するに当り、吐出口近傍
部分の液圧を検出し、その検出結果に基づいて液体の吐
出圧を自動調整することにより行っており、さらに液体
貯留容器から吐出バルブに供給する液体の圧力を制御す
ることを特徴とする液体定量吐出方法を要旨としてい
る。
【0010】液体貯留容器から吐出バルブに供給する液
体の圧力の制御は、液体貯留容器に貯留された液体の圧
力、好ましくは貯留された液体の減少する速度を制御す
ることにより、好ましくは一定または可変に制御するこ
とにより行い、その場合本発明は、吐出口からの液体の
吐出流速が一定になるように、吐出を開始する前に予め
液体に圧力を加えておくことおよび/または吐出の終了
後における吐出口近傍部分の圧力が予め定めた特定値と
なるようにする、好ましくは液体貯留容器から吐出バル
ブを経て定量吐出するに当り、吐出口近傍部分の液圧を
検出し、その検出結果に基づいて液体の吐出圧を自動調
整することにより行っており、さらに液体貯留容器に貯
留された液体の圧力、好ましくは貯留された液体の減少
する速度を制御することにより、好ましくは一定または
可変に制御することにより、液体貯留容器から吐出バル
ブに供給する液体の圧力を制御することを特徴とする液
体定量吐出方法を要旨としている。
【0011】液体貯留容器内と吐出バルブ内の液体温度
を所望温度となるように液体の温度を制御しており、そ
の場合本発明は、吐出口からの液体の吐出流速が一定に
なるように、吐出を開始する前に予め液体に圧力を加え
ておくことおよび/または吐出の終了後における吐出口
近傍部分の圧力が予め定めた特定値となるようにする、
好ましくは液体貯留容器から吐出バルブを経て定量吐出
するに当り、吐出口近傍部分の液圧を検出し、その検出
結果に基づいて液体の吐出圧を自動調整することにより
行っており、さらに液体貯留容器に貯留された液体の圧
力、好ましくは貯留された液体の減少する速度を制御す
ることにより、好ましくは一定または可変に制御するこ
とにより、液体貯留容器から吐出バルブに供給する液体
の圧力を制御すること、さらに液体貯留容器内と吐出バ
ルブ内の液体温度を所望温度となるように液体の温度を
制御することを特徴とする液体定量吐出方法を要旨とし
ている。
【0012】また、本発明は、液体貯留容器、液体貯留
容器内の液体の加圧手段、および液体貯留容器に連通す
る吐出バルブを具える、液体貯留容器から吐出バルブを
経て液体を定量吐出する装置であって、加圧手段および
吐出バルブの作動を制御する作動制御手段および液体の
吐出圧を自動調整する吐出圧制御手段を設けたことを特
徴とする液体定量吐出装置を要旨としている。
【0013】上記の吐出圧制御手段は、入出力部、演算
部、記憶部を備え、吐出口近傍部分の液圧を検出する圧
力センサの検出結果に基づいて液体の吐出圧を自動調整
すべく機能する手段であり、したがって本発明は、液体
貯留容器、液体貯留容器内の液体の加圧手段、および液
体貯留容器に連通する吐出バルブを具える、液体貯留容
器から吐出バルブを経て液体を定量吐出する装置であっ
て、加圧手段および吐出バルブの作動を制御する作動制
御手段、および入出力部、演算部、記憶部を備え、吐出
口近傍部分の液圧を検出する圧力センサの検出結果に基
づいて液体の吐出圧を自動調整すべく機能する吐出圧制
御手段を設けたことを特徴とする液体定量吐出装置を要
旨としている。。
【0014】吐出バルブがその吐出口の機械的開閉手段
を有しており、その場合本発明は、液体貯留容器、液体
貯留容器内の液体の加圧手段、および液体貯留容器に連
通して吐出口を機械的に開閉する吐出バルブを具える、
液体貯留容器から吐出バルブを経て液体を定量吐出する
装置であって、加圧手段および吐出バルブの作動を制御
する作動制御手段、および液体の吐出圧を自動調整する
吐出圧制御手段、好ましくは入出力部、演算部、記憶部
を備え、吐出口近傍部分の液圧を検出する圧力センサの
検出結果に基づいて液体の吐出圧を自動調整すべく機能
する吐出圧制御手段を設けたことを特徴とする液体定量
吐出装置を要旨としている。
【0015】上記の加圧手段は、液体貯留容器に貯留さ
れた液体をその粘度に応じた圧力で加圧するための手
段、好ましくは貯留された液体に精密に配設された押部
材であり、さらに好ましくは押部材を加圧する液体貯留
容器の内径より十分大きいボア径のエアシリンダを具え
た押部材であり、その場合本発明は、液体貯留容器、液
体貯留容器に貯留された液体をその粘度に応じた圧力で
加圧するための液体の加圧手段、好ましくは貯留された
液体に精密に配設された押部材、さらに好ましくは押部
材を加圧する液体貯留容器の内径より十分大きいボア径
のエアシリンダを具えた押部材、および液体貯留容器に
連通して吐出口を機械的に開閉する吐出バルブを具え
る、液体貯留容器から吐出バルブを経て液体を定量吐出
する装置であって、加圧手段および吐出バルブの作動を
制御する作動制御手段、および液体の吐出圧を自動調整
する吐出圧制御手段、好ましくは入出力部、演算部、記
憶部を備え、吐出口近傍部分の液圧を検出する圧力セン
サの検出結果に基づいて液体の吐出圧を自動調整すべく
機能する吐出圧制御手段を設けたことを特徴とする液体
定量吐出装置を要旨としている。
【0016】上記の作動制御手段が、吐出口の近傍部分
で液体圧力を検出する圧力センサと、圧力センサからの
信号に基づいて前記加圧手段を作動させる手段を設けて
なる手段であり、その場合本発明は、液体貯留容器、液
体貯留容器内の液体の加圧手段、好ましくは液体貯留容
器に貯留された液体をその粘度に応じた圧力で加圧する
ための液体の加圧手段、さらに好ましくは貯留された液
体に精密に配設された押部材、最も好ましくは押部材を
加圧する液体貯留容器の内径より十分大きいボア径のエ
アシリンダを具えた押部材、および液体貯留容器に連通
して吐出口を機械的に開閉する吐出バルブを具える、液
体貯留容器から吐出バルブを経て液体を定量吐出する装
置であって、吐出口の近傍部分で液体圧力を検出する圧
力センサと、圧力センサからの信号に基づいて前記加圧
手段を作動させる手段を設けてなる加圧手段および吐出
バルブの作動を制御する作動制御手段、および液体の吐
出圧を自動調整する吐出圧制御手段、好ましくは入出力
部、演算部、記憶部を備え、吐出口近傍部分の液圧を検
出する圧力センサの検出結果に基づいて液体の吐出圧を
自動調整すべく機能する吐出圧制御手段を設けたことを
特徴とする液体定量吐出装置を要旨としている。
【0017】さらに液体の温度を制御する液体温度制御
手段を設けてなり、その場合本発明は、液体貯留容器、
液体貯留容器内の液体の加圧手段、好ましくは液体貯留
容器に貯留された液体をその粘度に応じた圧力で加圧す
るための液体の加圧手段、さらに好ましくは貯留された
液体に精密に配設された押部材、最も好ましくは押部材
を加圧する液体貯留容器の内径より十分大きいボア径の
エアシリンダを具えた押部材、および液体貯留容器に連
通して吐出口を機械的に開閉する吐出バルブを具える、
液体貯留容器から吐出バルブを経て液体を定量吐出する
装置であって、加圧手段および吐出バルブの作動を制御
する作動制御手段、好ましくは吐出口の近傍部分で液体
圧力を検出する圧力センサと、圧力センサからの信号に
基づいて前記加圧手段を作動させる手段を設けてなる作
動制御手段、および液体の吐出圧を自動調整する吐出圧
制御手段、好ましくは入出力部、演算部、記憶部を備
え、吐出口近傍部分の液圧を検出する圧力センサの検出
結果に基づいて液体の吐出圧を自動調整すべく機能する
吐出圧制御手段、さらに液体の温度を制御する液体温度
制御手段を設けたことを特徴とする液体定量吐出装置を
要旨としている。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明は、液体貯留容器から吐出
バルブを経て定量吐出するに当り、吐出口からの液体の
吐出流速が一定になるように、吐出を開始する前に予め
液体に圧力を加えておくことおよび/または吐出の終了
後における吐出口近傍部分の圧力が予め定めた特定値と
なるようにすることを特徴とする方法である。以下にこ
の発明の実施の形態を、液体温度制御手段を備えた態様
で説明する。上記の方法における液体の圧力の制御は、
液体貯留容器に貯留された液体の圧力を制御することに
より、好ましくは貯留された液体の減少する速度を一定
または可変に制御することにより行う。液体の温度の制
御は、液体貯留容器内と吐出バルブ内の液体温度を所望
温度となるように制御することにより行う。
【0019】また、本発明は、加圧手段および吐出バル
ブの作動を制御する作動制御手段および液体の温度を制
御する液体温度制御手段を設けたことを特徴とする装置
である。Air式もプランジャ式も対象にする。以下、
特に記述しない場合はプランジャ式についてあるいは共
通のことについて説明するものである。上記の吐出バル
ブがその吐出口の機械的開閉手段を有することを特徴と
する。上記の加圧手段は、液体貯留容器に貯留された液
体をその粘度に応じた圧力で加圧するための手段であ
り、好ましくは貯留された液体に精密に配設された押部
材である。上記記の押部材は、それを加圧する液体貯留
容器の内径より十分大きいボア径のエアシリンダを具え
たものである。上記の作動制御手段は、吐出口の近傍部
分で液体圧力を検出する圧力センサと、圧力センサから
の信号に基づいて前記加圧手段を作動させる手段を設け
てなることを特徴とする。上記の液体温度制御手段は、
液体貯留容器内と吐出バルブ内で液体温度をそれぞれ検
出する温度センサと、温度センサからの信号に基づいて
所望温度となる加熱冷却ユニットを設けてなることを特
徴とする。
【0020】上記の液体温度制御手段について説明す
る。液体の粘度変化は、温度変化によるものの他に、例
えば化学反応によっても起こるが、この粘度変化により
吐出量が微妙なレベルでばらつく。しかし、従来法にお
いては、スクリューの回転速度と停止時期の精度良い制
御に向けられおり、液体の粘度、流動性や貯留容器内の
液体量について考慮することがなかった。本発明者らは
液体の温度が変化しないよう制御することは粘度変化を
起こす一要因、それも主なる要因を抑えることであり有
効であるはずだという仮説を立て、幾多の実験を行い、
ついに温度変化による粘度変化が起こらないように、液
体の温度を一定に制御することが定量的に液体を吐出す
るために有効であることを証明することができた。上記
の液体の温度の制御は、方法的には、液体貯留容器内と
吐出バルブ内の液体温度を所望温度となるように制御す
ることにより行う。装置的には、液体貯留容器内と吐出
バルブ内で液体温度をそれぞれ検出する温度センサと、
温度センサからの信号に基づいて所望温度となる加熱冷
却ユニットを設けてなることを特徴とする。
【0021】本発明の特徴点である、吐出を開始する前
に予め液体に圧力を加えておくことおよび/または吐出
の終了後における吐出口近傍部分の圧力が予め定めた特
定値となるようにすること、装置的には吐出口を機械的
に開閉することについて説明する。たとえば比較的少量
の液体の定量吐出に当っては、吐出の終了後における流
路内圧力、とくには吐出口近傍部分の圧力が予め定めた
特定値となるようにすることで、その後の液体吐出を常
に一定の流路条件の下にて行うことができ、従って、液
体貯留容器内の液体の加圧力、加圧時間等を設定するこ
とで、それらに応じた吐出量を、高い信頼性をもって繰
返し再現することができる。この一方で、比較的多量の
液体を定量吐出する場合には、上述したところに加え、
液体吐出中にもまた、液体圧力の検出結果に基づいて、
供給液体の圧力を、たとえば検出圧力の変動が小さくな
るようにすることで、所期した通りの定量吐出を行うこ
とができる。
【0022】またここでは、液体貯留容器内の液体の、
加圧力の増加とタイミングを合わせて吐出バルブの吐出
口を機械的に開放することで液体吐出をタイムラグ無し
に開始することができる。そして、吐出の終了に際して
は、加圧力の増加分を除去し、併せてバルブの吐出口を
機械的に閉止することで、液体の洩出のおそれなしに、
高い液切れ性をもって定量吐出を終了することができ
る。このようにして一回の定量吐出を終えた後の、流路
内の液体圧力は、前述したように、液体圧力に応じて、
予め定めた特定値となるようにコントロールされる。
【0023】この発明の上記の装置では、加圧手段への
圧力信号および加圧時間信号に基づいて、液体貯留容器
内の液体を、圧力信号に応じた圧力に、加圧時間信号に
応じた時間加圧するとともに、加圧手段の作動とタイミ
ングを合わせて吐出バルブを開放して、その吐出口から
液体を吐出することで、タイムラグなしに吐出を開始す
ることができる。ここで、加圧手段による液体の加圧時
間が所定の時間に達し、これによって液体の吐出量が所
定量に達したときは、吐出バルブの機械的な閉止を、加
圧手段の作動停止とタイミングを合わせて行う。吐出バ
ルブはこの閉止によって、吐出口を物理的に閉止される
ことから、すぐれた液切れ性をもたらすとともに、その
後の液体の不測の洩出を完全に防止することができる。
このようにして一回の吐出を終えた後は、圧力センサを
もって吐出近傍部分の液体圧力を検出するとともに、こ
の時の圧力信号を制御手段へ入力する。制御手段はこの
信号に基づいて、吐出口近傍部分の残圧を、予め定めた
特定値とするべく、加圧手段をもって液圧の増加もしく
は減少をもたらす。なおここで、検出液圧が上記特定値
と一致するときは、加圧手段の再作動が不要であること
はもちろんである。吐出終了後の吐出口近傍部分、ひい
ては、液体流路の内圧を、このように、常に一定値とし
て流路条件の変動を除去した場合には、次回の定量吐出
に際して、液体の加圧力、加圧時間等を、不確定要素を
考慮することなく決定することができ、また、高精度の
定量吐出を行うことができる。ところで、液体の一回の
吐出が、液体の線状塗布等のように、比較的長い時間に
わたって継続される場合には、その吐出の途中において
も圧力センサによる圧力検出を行ない、この検出結果に
基いて、加圧手段による液体加圧力をコントロールする
ことが好ましい。
【0024】このような装置において、好ましくは、吐
出バルブをニードルバルブとする。ニードルそれ自体
は、十分小型化できるので、たとえば、100〜200
kgf/cm2程度の高圧下にても、比較的小さな駆動
力によって、円滑にかつ迅速に開閉変位することがで
き、従って、吐出の終了時の液切れ性を高め、また、吐
出の開始時のタイムラグをより有効に除去することがで
きる。しかも、駆動力が小さくて済むこととの関連にお
いて、吐出バルブの全体を小型化することもできる。そ
して、より好ましくは、前記ニードルバルブに、液体圧
力補償ピストンを設ける。これによれば、液体圧力補償
ピストンの進退変位をもって液体流路、なかでも吐出お
よびその近傍部分の圧力変動に、より簡単かつ迅速に、
しかも的確に対処することができる。たとえば、ニード
ルバルブが開放作動させるときは、吐出口近傍部分に占
めるニードルの体積が減少し、逆に、ニードルバルブを
閉止作動させるときはニードルの占有体積が増加するこ
とになるので、前者の場合には、液体圧力補償ピストン
を進出変位させることで、吐出近傍部分の液圧の低下を
防止することができ、また後者の場合には、そのピスト
ンを後退変位させることで液圧の増加を防止することが
できる。従って、この液体圧力補償ピストンは、吐出の
終了後における液体残圧を、予め定めた特性値とするた
めに、前記加圧手段とともに、または、それに代えて適
用することもできる。さらに、このような装置におい
て、ワークに対して吐出ノズルを移動させる必要がある
場合には、その吐出ノズルを、たとえば直角座標型、即
ち三次元方向へ変位させることができるマニピュレータ
に取付けることが好ましく、そして、このマニピュレー
タの制御を加圧手段の制御および吐出バルブの制御に同
期させて制御することがさらに好ましい。
【0025】前記した通り、この発明の液体定量吐出装
置は、Air型も対象にしている。以下、Air型装置
について説明すると、前記の加圧手段が、液体貯留容器
内へ進入させたプランジャの進退変位を司るエアシリン
ダにて構成されるとともに、このエアシリンダのボア径
を、液体貯留容器の内径より大きくしたものである。こ
の装置では、制御手段からの信号に基づいて電磁切換弁
を作動させて、たとえば複動型とすることができるエア
シリンダ内へ所定圧力の加圧空気を導入して、液体貯留
容器内の液体をプランジャをもって加圧するとともに、
これとタイミングを合わせて吐出バルブを開放すること
で、エアシリンダへの供給圧力と対応する圧力の液体
を、バルブの吐出口から、ほとんどタイムラグなしに吐
出することができる。この一方で、液体圧力、ひいて
は、シリンダへの供給圧力と、吐出時間等との関連で定
まる液体吐出量が所定量に達した時には、制御手段の作
用下で、エアシリンダへの加圧空気の供給停止と、吐出
バルブの閉止とを同時に行わせることで、これもまたほ
とんどタイムラグなしに、液体の吐出を停止することが
でき、これによって、すぐれた定量吐出精度をもたらす
ことができる。しかも、ここにおける吐出の停止は、吐
出バルブの機械的な閉止によって行われるので、すぐれ
た液切れ性を実現できることはもちろん、その後の液体
の洩出を極めて効果的に防止することができる。
【0026】ところで、このような液体の定量吐出を、
短いタクトタイムにて繰返し行って吐出作業能率を高め
るためには、プランジャによる液体の加圧力を高めて単
位時間当たりの吐出量を多くすることが必要となるとこ
ろ、一般的な工場のライン空気圧は5〜7kgf/cm2 程度
の低圧であるので、その空気圧をそのままエアシリンダ
に供給するだけでは、液体圧力を所期するほどには高め
ることができず、従って、吐出作業能率にも自ずと限界
があった。そこでこの装置では、エアシリンダのボア径
を、液体貯留容器の内径より十分大きくして、そこへの
供給圧力が低くてもプランジャの圧下力を十分大ならし
めることで、液体圧力の所要に応じた増加を可能として
定量吐出のタクトタイムの短縮を担保する。なお、この
場合の液体圧力の調整、直接的にはエアシリンダへの供
給圧力の調整は、空圧系に設けた減圧弁によって行うこ
とができる。このような装置において好ましくは、吐出
バルブの吐出口近傍部分に、液体圧力を検出する圧力セ
ンサを設けるとともに、圧力センサからの信号に基づい
てエアシリンダへの供給圧力を調整する調圧手段を設け
る。これによれば、圧力センサの検出信号を制御手段に
入力し、そしてこの制御手段から調圧手段、好ましくは
電空レギュレータに出力される調圧信号に基づいて調圧
手段を作動させることで、エアシリンダへの供給圧力を
所要に応じて自動的に調整することができ、併せて、液
体の吐出中の圧力変動を、迅速かつ円滑に自動補正する
こともできる。
【0027】ここでまた好ましくは、前記吐出バルブを
ニードルバルブとする。ニードルそれ自体は、十分小型
化できるので、たとえば、100〜200kgf/cm2 程度
の高い液圧下にても、比較的小さな駆動力によって、液
圧にほとんど影響されることなく、円滑かつ迅速に開閉
変位させることができ、従って、吐出の停止時の液切れ
性を高めるとともに、吐出の開始時および停止時のタイ
ムラグをより有効に除去することができる。しかも、駆
動力が小さくて済むこととの関連において、吐出バルブ
の全体を小型化することもできる。そして、より好まし
くは、前記ニードルバルブに、液体圧力補償ピストンを
設ける。これによれば、液体圧力補償ピストンの進退変
位をもって流体流路、なかでも吐出口およびその近傍部
分の圧力変動に、より簡単かつ迅速に、しかも的確に対
処することができる。たとえば、ニードルバルブを開放
作動させるときは、吐出口近傍部分に占めるニードルの
体積が減少し、逆に、ニードルバルブを閉止作動させる
ときはニードルの占有体積が増加することになるので、
前者の場合には、液体圧力補償ピストンを進出変位させ
ることで、吐出口近傍部分の液圧の低下を防止すること
ができ、また後者の場合には、そのピストンを後退変位
させることで液圧の増加を防止することができる。従っ
て、この液体圧力補償ピストンは、吐出の終了後におけ
る液体残圧を、予め定めた特性値とするために、前記エ
アシリンダとともに、または、それに代えて適用するこ
ともできる。
【0028】さらに好ましくは、液体貯留容器と吐出バ
ルブとの間の液体流路に、プランジャに貫通する上向部
分を設ける。液体貯留容器へのプランジャの進入当初に
は、好ましくは液体貯留容器に気密に内接するプランジ
ャと容器内液面との間に空気が封じ込められることにな
るも、流体流路に、プランジャに貫通する上向部分を設
けた場合には、液体の定量吐出に先立つそのプランジャ
の押し込みにより、液面の上方に封じ込められたその空
気は、上向部分を経て液体貯留容器から円滑に排出され
るので、その後の定量吐出に先立って、封入空気の圧縮
性等が液体圧力の増減に及ぼす影響を十分に除去するこ
とができる。
【0029】
【作用】(1)方法的には、吐出を開始する前に予め液
体に圧力を加えておくことおよび/または吐出の終了後
における吐出口近傍部分の圧力が予め定めた特定値とな
るようにすることにより、装置的には、吐出バルブがそ
の吐出口の機械的開閉手段を有することにより、たとえ
ば比較的少量の液体の定量吐出に当っては、吐出の終了
後における流路内圧力、とくには吐出口近傍部分の圧力
が予め定めた特定値となるようにすることで、その後の
液体吐出を常に一定の流路条件の下にて行うことがで
き、したがって、液体貯留容器内の液体の加圧力、加圧
時間等を設定することで、それらに応じた吐出量を、高
い信頼性をもって繰返し再現することができる。液体の
吐出が遅れる理由が、液体の圧力を上昇させる時間を要
する点と、吐出に使われるべきエネルギーが前記変形に
使用される点とにあるので、液体を与圧することは、短
い時間で所望の力を液体に作用させることが可能である
こと、ならびに、予め前記変形を引き起こさせること
は、吐出中にさらなる変形を防止させることが可能であ
ること、のような効果をもたらし、液体を流動させるエ
ネルギーを効果的に使用することが可能となる。与圧は
吐出時に加える圧力と同等の力を与えること、ならび
に、同等の力で吐出を終了させることが好ましい。
【0030】(2)液体の温度を一定に制御することに
より、液体の粘度変化を起こす一要因、それも主たる要
因を抑制することができ、液体を安定して定量的に吐出
することができる。 (3)液体貯留容器に貯留された液体の圧力を制御する
ことにより、ノズル内で受ける管内抵抗に勝る推進力を
液体に作用させることになり、液体の吐出流速が一定に
なるよう制御される。液体は描画する塗布形状に最適な
ノズルの内を流動して吐出されるため、少なからずノズ
ル内で管内抵抗を受けるが、液体貯留容器に貯留された
液体の圧力を制御することにより、特に、高粘性流体を
吐出するような極めて高い抵抗を液体が受ける場合に有
効であり、この抵抗がいかに高くとも、前記抵抗に勝る
推進力を液体に作用させることになり、液体の吐出流速
が一定になるよう制御される。 (4)貯留された液体の圧力の制御は、貯留された液体
の減少する速度を制御する、より具体的には一定または
可変に制御することにより、吐出開始から吐出終了に至
るまで、液体の吐出流速を一定または所望にすることが
できる。貯留された液体の減少する速度を制御する、よ
り具体的には一定または可変に制御するということは、
所望の体積量に到達さえすれば時間は問わないという従
来法に、時間的概念を加え、所望の体積量に到達させる
その過程においても、所望の量ずつ吐出体積量を増加さ
せることを可能としたことを意味する。これにより、液
体の粘度に依存せずに塗布が可能となったことに加え
て、従来好まれなかった高粘度液体を用いた吐出におい
ても、押部材、貯留容器の弾性による影響を効果的に排
除することができ、その使用を可能ならしめ、安定した
塗布形状を容易に形成させることを可能とし、さらに液
圧を大気圧に戻す必要が無いために作業を高速に行うこ
とが可能となったものである。
【0031】(5)容器に貯留された液体に精密に配設
された押部材の、移動量で液体の吐出量を、移動速度で
吐出流速を制御することにより、かつ、吐出開始前には
液体を一定に与圧し、吐出終了時には大気圧より高圧な
液圧で、好ましくは吐出開始前の与圧と同圧となったと
きに、吐出を終了するよう液体を制御することにより、
粘度の変化による影響を排除できることで、ノズル先端
から吐出される液体の流速を常に一定になるように制御
することことが可能となった。さらに、特に、従来問題
となっていた線形状の塗布における始点部・終点部の形
状形成を容易にならしめるものである。特に、これは線
形状に塗布を行うとその効果が顕著に現れ、従来技術で
は不安定であった線の始点部・終点部の線形状が極めて
容易に制御可能となり、例えば均一な線形状の塗布は線
の始点から終点に至るまで線の細り・太りがなく、均一
にそろった線形状の形成が可能となった。 (6)押部材を加圧するエアシリンダのボア径を、液体
貯留容器の内径より十分大きくすることで、そこへの供
給圧力が低くてもプランジャの加圧力を十分大ならしめ
ることで、液体圧力の所要に応じた増加を可能として定
量吐出のタクトタイムの短縮を担保することが可能とな
った。 (7)押部材を加圧する動力源としてモータを用いるこ
とにより、モータが発生するエネルギーが液体を流動さ
せるために必要なエネルギーに比べはるかに高いため、
押部材の移動速度を一定に保つことが可能である。
【0032】
【実施例】本発明の実施例を図面に示すところに基づい
て説明する。本発明はこれらの実施例によって何ら限定
されるものではない。
【0033】実施例1 図1〜図3に基づいて説明する。図1、図3は、本発明
の液体定量吐出装置一実施の形態を示す要部断面図であ
る。図2は自動調圧装置の処理手順示すフローチャート
図である。図1に示す実施例は、図4の液体温度制御手
段を付加する対象となる装置であり、図1中、1は液体
貯留容器を、2は、吐出バルブとしてのニードルバルブ
をそれぞれ示す。図4は液体温度制御手段を備えた液体
定量吐出装置の説明図であり、貯留容器内と吐出バルブ
内とに液体の温度を測定する温度センサーと、温度セン
サーからの信号を入力し加熱冷却ユニットへ信号を出力
する温度制御部と、温度制御部からの信号により所望の
温度となる加熱冷却ユニットとを、例えば図1の装置に
付加した装置であり、加熱冷却ユニットで液体貯留容器
と吐出バルブとを覆った例である。液体の温度は常に所
望の温度となるよう制御されており、貯留容器内の液体
温度と、吐出バルブ内の液体温度とが温度制御部により
管理されている。貯留容器と吐出バルブとを連通する液
送チューブの距離が長くなる場合や、吐出間隔が長く、
液体の温度が変化し得るほどの時間を掛けて、液体が液
送チューブを通過する場合は、液送チューブ内に温度セ
ンサーを配設し、さらに液送チューブの一部または全長
に渡って加熱冷却ユニットで覆うことが望ましい。この
場合、液送チューブの長さや吐出間隔に応じて、液送チ
ューブ内に配設する温度センサーの数を決めることが望
ましい。また、環境温度を所望の温度に制御可能な恒温
槽内に本装置すべてを収納しても同様な効果が得られ
る。
【0034】図1に示すように、液体貯留容器1は、た
とえば合成樹脂材料製とすることができるシリンジ3
と、このシリンジ3に外接してそれを保持するホルダ4
とからなり、ホルダ4は、シリンジ3の着脱を可能なら
しめる。また、液体貯留容器1には、圧力センサ18a
を設け、液体貯留容器1内の圧力を計測し、その計測結
果を制御信号として出力すべく構成する。そして、かか
る液体貯留容器1内の液体を所要の圧力に加圧する加圧
手段5は、モータ6の出力軸に取付けたボールねじ7に
螺合され、ボールねじ7の回転に伴って昇降変位する雌
ねじ部材8に、ロッド9を介してプランジャ10を連結
することによって構成してなり、ここでプランジャ10
は、好ましくは、シリンジ3に液密に内接する。またこ
こで、液体貯留容器1に、液体流路12を介して接続し
たニードルバルブ2は、流路12に連通して吐出口13
に至るアウトレットスペース14内で進退変位して、そ
の吐出口13を開閉するニードル15と、このニードル
15の進退作動をもたらす、ここでは複動型のシリンダ
16とからなり、ニードル15をシリンダ16のピスト
ン17に連結してなる。さらにここでは、前記吐出口1
3の近傍部分、図に示すところでは、ニードルバルブ2
への流路12の接続部に、その流路12内の液体の圧力
を検出する圧力センサ18bを配設するとともに、この
圧力センサ18bによる検出信号を入力する制御手段1
9を設ける。ここにおけるこの制御手段19は入出力
部、演算部、記憶部を備え、圧力センサ18a、18b
の検出結果に基づいて、吐出開始時の吐出圧の自動調整
や、流路12内、特には吐出口近傍部分の液圧が、吐出
の停止時に、より好ましくは吐出時にもまた、予め定め
た特定値となるように、モータ6の作動をコントロール
する他、液体の吐出に当っての、モータ6の回転速度、
回転時間等とともに、ニードルバルブ2の切換弁20の
作動をもコントロールすべく機能する。
【0035】以上のように構成してなる装置による液体
の定量吐出に当っては、たとえば、圧力センサ18a、
18bの検出圧力に基づき、制御手段19をもってモー
タ6を作動させて、シリンジ3内のプランジャ10を下
降もしくは上昇させ、吐出開始時の吐出圧の自動調整を
行い、さらには、これによって液体流路12内の液体圧
力を、予め定めた特定値として、吐出開始前の流路条件
を常に一定のものとする。その後は、制御手段19から
吐出開始信号および吐出圧力信号を出力して、モータ6
の所定速度で定速回転させて、シリンジ3内の液体を所
要の圧力に加圧するとともに、そのモータ6の作動とタ
イミングを合わせて、シリンダ16のピストン17、ひ
いては、ニードル15の後退変位をもたらして吐出口1
3を開放し、その吐出口13からの液体の吐出を開始す
る。ところで、この吐出が比較的長い時間にわたる場合
には、その吐出中にもまた、圧力センサ18bによる圧
力検出を行ない、その結果をモータ6の作動にフィード
バックして回転速度等を修正することが、定量吐出精度
を高める上で好ましい。そして、液体の所定量の吐出に
見合った所定時間の経過時には、制御手段19から、モ
ータ6および切換弁20のそれぞれに、吐出終了信号を
出力してモータ6の回転停止と、ニードルバルブ2の閉
止作動とを同時に行わせ、これによって一回の定量吐出
が終了する。この場合、特にニードルバルブ2のニード
ル15は、液体圧力の大小にかかわらず、常に円滑に、
かつ迅速に進出作動して吐出口13を機械的に閉止する
ので、すぐれた液切れ性をもたらすとともに、吐出口1
3の完全閉止を実現して不測の液洩れを十分に防止する
ことができる。
【0036】図3は、この発明に係る装置の他の実施形
態(図9〜図11参照)を示す図である。これはとく
に、液体貯留容器1には、圧力センサ18aを設け、さ
らに液体圧力補償ピストン21を設けたまたは設けない
ニードルバルブ2の吐出口13の近傍部分、図ではニー
ドルバルブ2への液体流入部に、液体圧力を検出する圧
力センサ18bを設けるとともに、圧力センサ18aお
よび18bのそれぞれの検出信号を制御手段19に入力
し、その制御手段19では、エアシリンダ27への供給
圧力、ひいては液体圧力の外部設定信号33に基づき、
加圧空気供給経路に設けた調圧手段、好ましくは電空レ
ギュレータ34に、前記検出信号に応じた圧力調整信号
を出力するべく構成したものである。この装置では、液
体の定量吐出中における圧力変動を圧力センサ18aま
たは圧力センサ18bで検出した場合に、電空レギュレ
ータ34の作動によって、エアシリンダ27への供給圧
力を調整することで、液体圧力の変動を、外部設定信号
33に基づいて自動的に補正することができる。加え
て、外部設定信号それ自体を変更した場合には、ニード
ルバルブ2に供給される液体の圧力を所要に応じて変更
することができる。
【0037】次の上記構成の自動調圧装置の処理手順を
図2のフローチャートにもとづいて説明する。制御手段
19に吐出目標圧Pmを入力して、スタートさせると、
圧力センサー18aが吐出前の液体貯留容器1内の圧力
PBを検出し、検出した値を制御手段19に送る(ステ
ップ3)。その入力信号にもとづきニードルバルブ2の
吐出口13より短時間液を吐出し、その吐出後圧力セン
サ18aは容器内圧力PAを検出し、検出した値を制御手
段に送る(ステップ5)。制御手段19の演算部は、入
力された圧力値にもとづき吐出前後の液体貯留容器1内
の圧力の変化を演算し(ステップ6)、両者が一致しな
い時には、加圧手段5に対して作動信号を発し、加圧手
段5のプランジャ10を微動させて液体貯留容器1内の
圧力を微調整し、ステップ3に戻り再度液体貯留容器1
内の圧力の比較を行い、その結果に応じ上記と同様の処
理を行う。この処理は、圧力PAと圧力PBが一致するま
で繰り返し行われる。ステップ6において、吐出後の液
体貯留容器1内の圧力PAと吐出前の液体貯留容器1内
の圧力PBとが一致したと判断されると、そのときの圧
力値を制御手段19の記憶部に一時的に記憶させると共
に、一致回数を計数するカウンターの数値を1にし、次
いで一致信号が連続して入力され、その回数が予め定め
られた値に一致したかどうか判断に進む(ステップ7)
が、作業開始時にはカウンターの数値は1である。とこ
ろで、予め定めた値は、圧力PAと圧力PBの一致が瞬間
的なものなのか継続的なものかを判断するためのもので
あるから、その一致が瞬間的なものなのか継続的なもの
の一瞬なのか判断の不可能な1という値は採用すること
はないので、一致回数が1ということは、予め定めた値
と一致しない。一定数に達していないときは、ステップ
3に戻り上記の操作を繰り返し、ステップ6において両
者が一致したと判定されると、そのときの圧力値が前回
の圧力値と一致しているかどうか判定され、一致してい
るとカウンターの数値を+1し、一致しないと判定され
ると、ステップ3に戻ると同時にカウンターをリセット
する。このような処理を繰り返し、一致回数が予め定め
られた値と一致すると、そのときの容器内圧力が自動調
圧目標値P(A)Mとしてメモリーに記憶され(ステップ
8)、この自動調圧目標値が決定すると次のステップに
進み、ニードルバルブ2の吐出口13近傍に設けられた
圧力センサー18bは吐出圧PTEMPを検出し、制御手段
に入力し、この値を自動調圧目標値P(A)Mと比較し、吐
出圧PTEMPが自動調圧目標値P(A)Mより小さいときには
プランジャを下降させるべく信号を発信し(ステップ
9)、吐出圧PTEMPが自動調圧目標値P(A)Mより大きい
ときにはプランジャを上昇させるべき信号を発信し(ス
テップ10)てプランジャを規定量作動させて、吐出圧
PTEMPが自動調圧目標値P(A)Mに一致するまで、上記処
理を繰り返し行う。また、本実施例では、ステップ11
において、吐出圧PTEMPと自動調圧目標値P(A)Mとが一
致するかどうかを判断して調圧をより確実なものにして
いる。以上の操作で作業初期における吐出圧の調整を行
うことができるが、自動調圧モードにしておくと、ステ
ップ12で作業中においてもステップ9〜ステップ11
の処理が行われるので、より正確な吐出圧の調整が行わ
れる。
【0038】図5は、液体流路の他の構成態様を示す断
面図であり、これは、液体貯留容器1の上部でプランジ
ャ10に貫通して延びる液体流路12を形成したもので
ある。この液体流路12によれば、沈殿物が多い液体に
おいて、その沈殿物の吐出を有効に防止することができ
る。
【0039】図6は、液体流路のさらに他の構成態様を
示す断面図である。ここでは、シリンジ3のホルダ4
に、シリンジ3の下端開口とニードルバルブ2とのそれ
ぞれに連通する液体流路12を設ける。これによれば、
液体貯留容器1とニードルバルブ2とを一体的に構成す
ることで、流路形成用のチューブを不要ならしめること
ができ、流路が長いことに起因する圧力応答性の低下を
防止することができる。
【0040】図7は、ニードルバルブ2の他の構成態様
を示す断面図である。このニードルバルブ2は、アウト
レットスペース14と複動型のシリンダ16との間に、
シリンダ16からは独立して、アウトレットスペース1
4の区画に寄与する液体圧力補償ピストン21を配設し
たものである。このピストン21は、シリンダ16側の
室22への加圧流体、たとえば加圧空気を供給してそれ
を進出変位させた場合には、アウトレットスペース14
の容積は低減すべく、そして、アウトレットスペース1
4側の室23へ加圧空気を供給してそれを後退変位させ
て場合には、アウトレットスペース14の容積を増加さ
せるべく機能する。従って、圧力センサ18で検出し
た、吐出口13の近傍部分の液体圧力が、所定値より低
い場合には、その圧力補償ピストン21を幾分進出変位
させることにより、また、所定値より高い場合には、圧
力補償ピストン21を幾分後退変位させることにより所
期した通りの液圧を実現することが可能となる。ちなみ
に、液体の吐出の開始に伴うニードル15の後退変位に
よって、そのニードル15の、アウトレットスペース1
4内に占める体積が減少することに起因する液圧低下に
対しては、圧力補償ピストン21を進出させ、逆に、ニ
ードル15の進出変位によって吐出を停止するときの占
有体積の増加に対しては、そのピストン21を後退させ
ることで、微妙な圧力変動を有効に吸収することができ
る。
【0041】ところで、図示のニードルバルブおよび先
に述べたニードルバルブのそれぞれにおいて、吐出口1
3の閉止時の液切れ性を高めるためには、吐出口13
の、ニードル15の着座位置より下方側への突出長さを
極力短くして、吐出口13の閉止後においてなお、その
吐出口13内に残留する液体を実質的に零とすることが
好ましい。このような液体定量吐出装置は、液体の塗布
対象物としてのワークが、液体の吐出タイミング等との
関連の下で適宜に変位する場合には、吐出バルブとして
のニードルバルブ2の位置を固定して使用に供すること
ができる。しかるに、ワークが特定位置に位置決め固定
されるものであるときは、ニードルバルブ2を所要の位
置および方向へ移動させることが必要となる。図8は、
かかる場合の、実施形態を示すものであり、これは、ニ
ードルバルブ2を直角座標型の三次元マニピュレータ2
5に取付け、このマニピュレータ25を、前記制御手段
19からの信号に基づいて位置信号を出力するコントロ
ーラ26によって作動させることで、ニードルバルブ2
の吐出口13を三次元座標系の所要の位置にもたらすも
のである。このような装置は、たとえばコンベアにてタ
クト搬送されるワークに用いて、すぐれた塗布効率をも
たらすことができる。
【0042】実施例2 図9は、本発明の液体定量吐出装置の別の一実施の形態
を示す要部断面図である。図9に示す実施例は、図3の
吐出圧制御手段、場合によってはさらに図4の液体温度
制御手段を付加する対象となる装置であり、図中、1は
液体貯留容器を、2は、吐出バルブとしてのニードルバ
ルブをそれぞれ示す。ここにおける液体貯留容器1は、
たとえば合成樹脂材料製とすることができるシリンジ3
と、このシリンジ3に外接してそれを保持するホルダ4
とからなり、このホルダ4は、シリンジ3の所要に応じ
た着脱を自在ならしめる。かかる液体貯留容器1内の液
体を所要の圧力に加圧する加圧手段5は、ここでは、シ
リンジ内径の約2〜10倍のボア径を有するエアシリン
ダ27にて構成してなり、それのピストンロッド9の先
端に、好ましくはシリンジ3に液密に内接してそこへ進
入するプランジャ10を取付ける。またここでは、液体
貯留容器1に、液体流路12を介して接続したニードル
バルブ2を、流路12に連通して吐出口13に至るアウ
トレットスペース14と、このアウトレットスペース内
で進退変位して、その吐出口13を開閉するニードル1
5と、このニードル15の進退作動をもたらす、たとえ
ば複動型のシリンダ16とで構成してなり、ニードル1
5の後端はシリンダ16のピストン17に連結してな
る。さらにここでは、複動型とすることができるエアシ
リンダおよび複動型シリンダ16のそれぞれを、それぞ
れの電磁切換弁28,29に接続するとともに、これら
の電磁切換弁28,29を、予め入力された時間信号に
基づいて作動コントロールする制御手段19に接続し、
また、エアシリンダ27への加圧空気の給排を司る一方
の電磁切換弁28を、たとえば手動減圧弁30を介して
加圧空気供給源31に、そして、他方の電磁切換弁29
を加圧空気供給源31に直接的に、それぞれ接続する。
【0043】このように構成してなる定量吐出装置で
は、液体の定量吐出に当たり、制御手段19からそれぞ
れの電磁切換弁28,29に信号を出力して、エアシリ
ンダ27に、手動減圧弁30によって設定された空気圧
力を供給して、プランジャ10を所要の力で圧下すると
ともに、それとタイミングを合わせてニードルバルブ2
を開放して、所要の圧力に加圧された液体を、吐出口1
3から、それの開口面積との関連で特定される一定時間
吐出することにより、液体の定量吐出をタイムラグなし
に高い精度で行うことができる。この一方で、定量吐出
の終了に当たっては、制御手段19から電磁切換弁2
8,29への吐出終了信号に基づいて、エアシリンダ2
7への加圧空気の供給を停止すると同時に、ニードルバ
ルブ2の吐出口13をニードル15をもって機械的に確
実に閉止する。従って、吐出口13からの液体の流出
は、ニードルバルブ2の閉止をもって完全に停止される
ことになり、ニードルバルブ2の閉止中の液洩れのおそ
れは十分に除去されることになる。なお、この場合、ニ
ードルバルブ2の、小さな寸法および堆積のニードル1
5は、液体圧力の大小にかかわらず、常に円滑に、かつ
迅速に後退および進出して吐出口13の開閉を行うの
で、バルブ2の開閉の確実性と併せて、すぐれた応答性
を実現することができる。
【0044】この実施の形態においても、図5は、液体
流路の他の構成態様を示す断面図であり、これは、液体
貯留容器1の上部でプランジャ10に貫通して延びる上
向部分を有する液体流路12を形成したものである。こ
の液体流路12によれば、沈殿物が多い液体において、
その沈殿物の吐出を有効に防止することができる他、プ
ランジャ10のシリンジ3への挿入当初に、そのプラン
ジャ10と液体との間に封じ込められる空気を、液体の
吐出に先立つプランジャ10の押し込みに基づいて、液
体流路12の上向部分を経て十分に排出することができ
る。
【0045】図10は、プランジャおよび液体流路の他
の構成態様を示す図であり、これはプランジャ10の下
面の形状をシリンジ3の底部形状に近づけたものであ
る。これによれば、プランジャ10をそれの下限位置ま
で下降させたときの、シリンジ内の残留空間を小ならし
めて、液体の消費効率を高めることができる。また、図
示のように、プランジャ10の側部に液体流路12を開
口させたバルブには、封入空気の排出を一層容易に、か
つ確実に行うことができる。
【0046】この実施の形態においても、図6は、液体
流路のさらに他の構成態様を示す断面図である。これ
は、液体貯留容器1とニードルバルブ2とを一体的に構
成したところにおいて、シリンジ3のホルダ4に、シリ
ンジ3の下端開口とニードルバルブ2とのそれぞれに連
通する液体流路12に設けたものである。これによれ
ば、液体貯留容器1とニードルバルブ2とを一体的に構
成することで、流路形成用のチューブを不要ならしめる
ことができ、流路が長いことに起因する圧力応答性の低
下を防止することができる。
【0047】図11は、ニードルバルブの他の構成態様
を示す断面図である。このニードルバルブは、アウトレ
ットスペース14と複動型シリンダ16との間に、シリ
ンダ16からは独立して、アウトレットスペース14の
区画に寄与する液体圧力補償ピストン21を配設したも
のである。このピストン21は、シリンダ16側の室2
2へ加圧流体、たとえば加圧空気を供給してそれを進出
変位させた場合には、アウトレットスペース14の容積
を低減すべく、そして、アウトレットスペース14側の
室23へ加圧空気を供給してそれを後退変位させた場合
には、アウトレットスペース14の容積を増加させるべ
く機能する。従って、吐出口13の近傍部分の液体圧力
が、所定値より低い場合には、その圧力補償ピストン2
1を幾分進出変位させることにより、また、所定値より
高い場合には、圧力補償ピストン21を幾分後退変位さ
せることにより所期した通りの減圧を実現することが可
能となる。ちなみに、液体の吐出の開始に伴うニードル
15の後退変位によって、そのニードル15の、アウト
レットスペース14内に占める体積が減少することに起
因する液圧低下に対しては、圧力補償ピストン21を進
出させ、逆に、ニードル15の進出変位によって吐出を
停止するときの占有体積の増加に対しては、そのピスト
ン21を後退させることで、微妙な圧力変動を有効に吸
収することができる。ところで、図示のニードルバルブ
および先に述べたニードルバルブのそれぞれにおいて、
吐出口13の閉止時の液切れ性を高めるためには、吐出
口13の、ニードル15の着座位置より下方側への突出
長さを極力短くして、吐出口13の閉止後においてな
お、その吐出口13内に残留する液体を実質的に零とす
ることが好ましい。
【0048】以上のような液体定量吐出装置は、液体の
塗布対象物としてのワークが、液体の吐出タイミング等
との関連の下で適宜に変位する場合には、吐出バルブと
してのニードルバルブ2の位置を固定して使用に供する
ことができる。しかるに、ワークが特定位置に位置決め
固定されるものであるときは、ニードルバルブ2を所要
の位置および方向へ移動させることが必要となる。かか
る場合には、たとえば、ニードルバルブ2を直角座標型
の三次元マニピュレータに取付け、このマニピュレータ
を、前記制御手段19からの信号に基づいて位置信号を
出力するコントローラによって作動させることで、ニー
ドルバルブ2の吐出口13を三次元座標系の所要の位置
にもたらすことができ、コンベヤにてタクト搬送等され
るワークに用いて、すぐれた塗布効率をもたらすことが
できる。
【0049】
【発明の効果】液体の粘度に依存されず、微量の液体を
高速にかつ精密に所望の塗布形状に吐出または塗布する
方法および装置を提供することができる。特に、高粘性
液体を使用する場合や高速に塗布する場合であっても、
線の始点部・終点部の線形状が極めて容易に制御でき、
例えば均一な線形状の塗布は線の始点から終点に至るま
で線の細り・太りがなく、均一にそろった線形状の形成
ができる方法および装置を提供することができる。フィ
ラーの破壊のおそれなしに、吐出の停止時に液切れ性を
高め、また、液体の洩れ出しを十分に防止した液体吐出
方法および装置を提供することができる。液体が一定の
流速を得るまでに時間を要することなく、塗布線の描画
を均一ならしめることが可能な液体の吐出または塗布方
法および装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】吐出圧制御手段を付加する対象となる好ましい
液体定量吐出装置の態様を示す要部断面図である。
【図2】自動調圧装置の処理手順示すフローチャート図
である。
【図3】吐出圧制御手段を付加する対象となる好ましい
液体定量吐出装置のさらに別の態様を示す要部断面図で
ある。
【図4】液体温度制御手段を備えた液体定量吐出装置の
態様を説明する図面である。
【図5】図1の装置の流体流路の他の構成態様を示す断
面図である。
【図6】図1の装置の流体流路のさらに他の構成態様を
示す断面図である。
【図7】図1の装置のニードルバルブの他の構成態様を
示す断面図である。
【図8】吐出圧制御手段を付加する対象となる好ましい
装置の他の実施の形態を示す概略的斜視図である。
【図9】図3の吐出圧制御手段を付加する対象となる好
ましい装置の別の態様を示す要部断面図である。
【図10】図9の装置のプランジャおよび液体流路の他
の構成態様を示す断面図である。
【図11】図9の装置のニードルバルブの他の構成態様
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 液体貯留容器 2 ニードルバルブ 3 シリンジ 4 ホルダ 5 加圧手段 6 モータ 7 ボールねじ 8 雌ねじ部材 9 ロッド 10 プランジャ 12 液体流路 13 吐出口 14 アウトレットスペース 15 ニードル 16 シリンダ 17 ピストン 18 圧力センサ 19 制御手段 20、28、29 (電磁部)切換弁 21 液体圧力補償ピストン 22、23 室 25 三次元マニピュレータ 26 コントローラ 27 エアシリンダ 30 手動減圧弁 31 加圧空気供給源 33 外部設定信号 34 電空レギュレータ

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体貯留容器から吐出バルブを経て定量
    吐出するに当り、吐出口からの液体の吐出流速が一定に
    なるように、吐出を開始する前に予め液体に圧力を加え
    ておくことおよび/または吐出の終了後における吐出口
    近傍部分の圧力が予め定めた特定値となるようにするこ
    とを特徴とする液体定量吐出方法。
  2. 【請求項2】 吐出口近傍部分の液圧を検出し、その検
    出結果に基づいて液体の吐出圧を自動調整することによ
    り、吐出を開始する前に予め液体に圧力を加えておくこ
    とおよび/または吐出の終了後における吐出口近傍部分
    の圧力が予め定めた特定値となるようにする請求項1の
    液体定量吐出方法。
  3. 【請求項3】 液体貯留容器から吐出バルブに供給する
    液体の圧力を制御する請求項1または2の液体定量吐出
    方法。
  4. 【請求項4】 液体貯留容器から吐出バルブに供給する
    液体の圧力の制御は、液体貯留容器に貯留された液体の
    圧力を制御することにより行う請求項3の液体定量吐出
    方法。
  5. 【請求項5】 貯留された液体の圧力の制御は、貯留さ
    れた液体の減少する速度を制御することにより行う請求
    項4の液体定量吐出方法。
  6. 【請求項6】 上記の減少する速度を、一定または可変
    に制御する請求項5の液体定量吐出方法。
  7. 【請求項7】 液体貯留容器内と吐出バルブ内の液体温
    度を所望温度となるように液体の温度を制御する請求項
    1ないし6のいずれかの液体定量吐出方法。
  8. 【請求項8】 液体貯留容器、液体貯留容器内の液体の
    加圧手段、および液体貯留容器に連通する吐出バルブを
    具える、液体貯留容器から吐出バルブを経て液体を定量
    吐出する装置であって、加圧手段および吐出バルブの作
    動を制御する作動制御手段および液体の吐出圧を自動調
    整する吐出圧制御手段を設けたことを特徴とする液体定
    量吐出装置。
  9. 【請求項9】 上記の吐出圧制御手段が、入出力部、演
    算部、記憶部を備え、吐出口近傍部分の液圧を検出する
    圧力センサの検出結果に基づいて液体の吐出圧を自動調
    整すべく機能する請求項8の液体定量吐出装置。
  10. 【請求項10】 吐出バルブがその吐出口の機械的開閉
    手段を有する請求項8または9の液体定量吐出装置。
  11. 【請求項11】 上記の加圧手段は、液体貯留容器に貯
    留された液体をその粘度に応じた圧力で加圧するための
    手段である請求項8、9または10の液体定量吐出装
    置。
  12. 【請求項12】 上記の加圧手段は、貯留された液体に
    精密に配設された押部材である請求項11の液体定量吐
    出装置。
  13. 【請求項13】 上記の押部材が、それを加圧する液体
    貯留容器の内径より十分大きいボア径のエアシリンダを
    具えたものである請求項12の液体定量吐出装置。
  14. 【請求項14】 上記の作動制御手段が、吐出口の近傍
    部分で液体圧力を検出する圧力センサと、圧力センサか
    らの信号に基づいて前記加圧手段を作動させる手段を設
    けてなる請求項8ないし13のいずれかの液体定量吐出
    装置。
  15. 【請求項15】 さらに液体の温度を制御する液体温度
    制御手段を設ける請求項8ないし14のいずれかの液体
    定量吐出装置。
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