JP2001045713A - 回転電機 - Google Patents

回転電機

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JP2001045713A
JP2001045713A JP11217921A JP21792199A JP2001045713A JP 2001045713 A JP2001045713 A JP 2001045713A JP 11217921 A JP11217921 A JP 11217921A JP 21792199 A JP21792199 A JP 21792199A JP 2001045713 A JP2001045713 A JP 2001045713A
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Japan
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stator
electric machine
rotating electric
intermediate duct
cylindrical housing
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JP11217921A
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English (en)
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Takuya Kawashima
琢也 川島
Masaharu Senoo
正治 妹尾
Haruo Miura
治雄 三浦
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中間ダクト構造が簡単な構成で得られ、必要
な冷却性能を備えながら、コストダウンが充分に図れる
ようにした回転電機の冷却装置を提供すること。 【解決手段】 固定子鉄板の積層体からなる固定子コア
を軸方向に分割して複数個の分割固定子コア1a、1b
とし、これらを円筒ハウジング7内に挿入したとき、こ
れらの間に間隙が形成されるようにして固定する。そし
て、これら分割固定子コア1a、1bの間に形成された
間隙を中間ダクト部としたもの。別途、中間ダクトピー
スを用いる必要がなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷却装置を備えた
回転電機に係り、特に高回転速度の電動機に好適な回転
電機に関する。
【0002】
【従来の技術】回転速度の高い回転電機は、一般的に回
転子が細長い形状に作られていて、同じ定格出力でも、
その直径に比して軸方向に長くなっており、このため、
熱の放散が不充分になり易い。そこで、このような高速
の回転電機では、冷却効果を高めるため、固定子(ステ
ータ)に中間ダクト構造を採用する方法が従来から知ら
れている。
【0003】この中間ダクト構造の固定子は、固定子コ
ア(固定子鉄心)を軸方向に複数に分割し、その間にダク
トを設けたもので、以下、図9により、従来技術による
一般的な中間ダクト構造を備えた固定子について説明す
る。
【0004】この図9に示した従来技術による固定子
は、特に固定子鉄心を軸方向に2分割した場合の例で、
以下に説明するようにして組み立てられている。
【0005】すなわち、図示のように、まず円筒ハウジ
ング7に固定子エンドプレート24aを挿入し、端部に
あるコア止め箇所28により位置決めした後、予めダク
トピース23aが取付けてある固定子当板15a、つま
りダクトピース付固定子当板15fを続けて挿入する。
【0006】その後、片側の分割固定子コアの積厚に対
応して、必要な枚数だけ電磁鋼板からなる固定子鉄板を
積んで直積固定子コア25aとし、次いで中間ダクトピ
ース付固定子当板15eを挿入する。
【0007】この中間ダクトピース付固定子当板15e
は、例えば固定子コアの積厚が大きい場合、又は回転電
機に対して高効率や低損失が要求され、固定子鉄板とし
て板厚の薄い電磁鋼板が要求された場合などで、固定子
鉄板を積んだ際、コア自身に倒れや内外径の膨らみが生
じてしまう虞れがあるとき、その防止策として主に必要
となるものである。
【0008】次に、同じく固定子当板15cを挿入した
後、他方の側の固定子鉄板を積み、最後にダクトピース
付固定子当板15gを組込んでから、固定子エンドプレ
ート24bを取付け、固定子エンドプレートキー26に
より固定する。従って、分割固定子コアは、固定子エン
ドプレート24と固定子エンドプレートキー26によ
り、円筒ハウジング7対して長手方向に固定されること
になる。
【0009】そこで、この後、巻線作業を行い、固定子
巻線19を施すことにより、中間ダクトピース付き固定
子が完成することになる。なお、この図9で、9a、9
bは固定子巻線19のコイルエンドである。
【0010】図11は、従来の一般的な中間ダクト構造
に用いられているダクトピース22の形状を示したもの
で、このダクトピース22は、例えば一般構造用圧延鋼
板で作られ、図示のように、ダクトピース自身の強度を
増大する目的で一部、クランク形状にしている。
【0011】ここで、寸法Wl及び寸法Whは、それぞ
れ固定子の内外径の寸法とダクト幅から規定されるもの
であり、この結果、冷却空気の流量及び通風面積に左右
される。なお、ダクトピース22の板厚Wdは必要とす
る強度に応じて決められる。
【0012】次に、図12は、従来の一般的なダクトピ
ース22による中間ダクトの構造を示したもので、ここ
で、ダクトピース22は、図示のように、固定子当板1
5の固定子コアバック部21に、予めダクトピース22
の取り付け穴を設けておき、これにダクトピース22の
突起部(図11)を嵌め込んだ後、かしめにより取付けて
ある。
【0013】そして、このダクトピース22は、さらに
スロットティース部20に、点溶接箇所29で示してあ
る部分で、点溶接するにより固着されている。従って、
冷却空気は、図12に矢印で示してあるように、固定子
コアバック部21から固定子内径方向に流れる。ここ
で、寸法Wtはスロットティース部20の幅である。
【0014】次に、図10は、従来の一般的な中間ダク
ト構造を備えた固定子の他の一例を示した図で、これ
は、図9とは異なり、固定子鉄板を円筒ハウジング7の
中に直積するのではなく、予め外部でコア積みし、溶接
して組立てた溶接固定子コア27を用いて固定子とした
ものであり、その他は、図9の場合と同じである。
【0015】この溶接固定子コア27は、積厚に必要な
寸法分の枚数の固定子鉄板を積み上げておき、これに固
定子当板15を当て、全周にわたって数箇所で溶接を施
すことにより結合させたものである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、固定
子が複雑な構造を持っている点について配慮がされてお
らず、製造工程が煩雑になり、コスト高になり易いとい
う問題があった。すなわち、上記したように、従来技術
では、中間ダクトピースを用いているので、固定子の構
造が複雑になり、製作工程も煩雑になってしまうのであ
る。
【0017】さらに中間ダクトピースは、その形状が、
固定子コアの形状に依存する上、冷却性能、つまり冷却
空気の流量及び通風面積などにも依存し、このため、中
間ダクトピースの適用条件が限定され、冷却空気用中間
ダクト構造全体も同様に適用条件が限定されてしまう。
【0018】この結果、中間ダクトピースは、各仕様条
件に対応して、個別に異なったものを用意する必要があ
り、このため、中間ダクトピースの型代や取付治工具の
専用化に伴うコストなどが発生し、高価になってしま
う。
【0019】さらに、このような中間ダクトピース付き
中間ダクト構造では、固定子エンドプレートの長さ分、
円筒ハウジングを長くする必要があり、この結果、円筒
ハウジングは固定子巻線のコイルエンドが存在する部分
まで達し、コイルエンドの冷却も厳しくなってしまうと
いう問題が生じてしまう。
【0020】本発明の目的は、中間ダクト構造が簡単な
構成で得られ、必要な冷却性能を備えながら、コストダ
ウンが充分に図れるようにした回転電機の冷却装置を提
供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的は、固定子コア
を軸方向に複数に分割して分割固定子コアとし、これら
複数の分割固定子コアを軸方向に離して配置し、相互間
に形成された間隙により冷却空気流通用の中間ダクト部
を形成するようにした回転電機において、前記分割固定
子コアが、予め複数枚の固定子鉄板の積層体として一体
に形成された上で円筒ハウジングの中に挿入され、分割
固定子コア相互間に間隙を持たせた状態で前記円筒ハウ
ジングに固定されているようにして達成される。
【0022】同じく上記目的は、固定子コアを軸方向に
複数に分割して分割固定子コアとし、これら複数の分割
固定子コアを軸方向に離して配置し、相互間に形成され
た間隙により冷却空気流通用の中間ダクト部を形成する
ようにした回転電機において、 前記分割固定子コア
が、予め複数枚の固定子鉄板の積層体として一体に形成
された上で円筒形の冷却水ジャケットの中に挿入され、
分割固定子コア相互間に間隙を持たせた状態で前記冷却
水ジャケットに固定されているようにして達成される。
【0023】このとき、前記複数枚の固定子鉄板の積層
体が、クリータ止めにより一体に形成されているように
しても良く、更に、前記円筒ハウジングと冷却水ジャケ
ットについては、非磁性体で形成するようにしても良
い。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明による回転電機の冷
却装置について、図示の実施形態により詳細に説明す
る。図1は、本発明を遠心圧縮機に適用した場合の一実
施形態で、図において、100が遠心圧縮機で、101
が高速回転電機である。
【0025】ここで、この実施形態では、この高速回転
電機101として永久磁石回転子型の同期電動機が用い
られており、その回転軸5の両端に遠心羽根車12a、
12bを備え、これにより電動機駆動の遠心圧縮機10
0が構成されているものである。
【0026】この図1において、高速回転電機101
は、回転軸5の外周に永久磁石3を円筒形状に配置し、
さらにその周囲に補強部材4を設けた回転子(ロータ)2
と、固定子鉄板16を積層した分割固定子コア1a、1
b及び固定子巻線19で構成された固定子とを備えてい
る。
【0027】ここで、永久磁石3には、磁束密度の高い
ネオジム(Nd)、鉄(Fe)、ボロン(B)系の希土類焼結
磁石が用いられ、補強部材4には、高強度のCFRP
(炭素繊維補強プラスチック)が使用されており、永久磁
石3の両端には非磁性の金属材からなるリング状部材6
a、6bが装着されている。
【0028】回転子2の回転軸5は、対になったラジア
ル軸受11a、11bにより軸方向での位置が決められ
た状態に支承された上で、対になったラジアル軸受11
a、11bにより回転可能に支承されていて、その両端
には遠心羽根車12a、12bが取付けられている。
【0029】分割固定子コア1a、1bの外周には円筒
ハウジング7があり、その外周には冷却水ジャケット1
3が装着されている。そして、これらの分割固定子コア
1a、1bと冷却水ジャケット13は、圧縮機組立の前
に、円筒ハウジング7を介して予め組み付け、一体にさ
れている。
【0030】さらに分割固定子コア1a、1bの間には
中間ダクト8が形成してあり、冷却水ジャケット13に
より冷却された空気が、この中間ダクト8を通って導入
されるようになっていて、固定子から発生される銅損、
鉄損、或いは回転子2との間で発生する風損の一部によ
り発生した熱を冷却する働きをする。
【0031】このように中間ダクト8を介して回転電機
内に導入された冷却空気は、回転子と固定子の間隙を通
過する間に、風損その他による発熱を奪った後、機外に
排気され、従って、冷却空気の温度は、冷却空気導入部
である回転子中央部で最も低くなっており、この結果、
回転子2の周囲温度も回転子中央部で最も低くなってい
る。
【0032】この回転電機101は、高効率の永久磁石
式同期電動機であるが、しかし高速回転で大容量になる
と、容積当たりの出力が極めて大きくるので、重量当た
りの損失もかなり大きくなり、この結果、大きな温度上
昇の虞れがある。
【0033】一方、このような大容量で高速の永久磁石
式の同期電動機では、上記したように、例えばNd−F
e−B系など、磁気エネルギー密度が高い永久磁石を使
用するが、この種の永久磁石は磁石特性の温度係数が大
きく、高温になるとその磁力が低下する傾向にある。
【0034】このため、120℃以下の回転子温度で使
用する必要があるとされており、従って、回転電機10
1の冷却については、固定子自身及び固定子巻線のコイ
ルエンドに加えて、さらに回転子の冷却が重要な課題に
なるが、この実施形態によれば、図2及び図3に示すよ
うに、分割固定子コア1a、1bを、ほぼ円筒形をした
ハウジング7の内側に所定の間隔をもって保持させ、中
間ダクトピースを使用しないで中間ダクトが形成される
ようにして、上記の課題に対して満足すべき結果が与え
られるようにしたものである。
【0035】ここで、図2は、図1の高速回転電機10
1における空気冷却用ダクト構造を備えた固定子の断面
図で、次に図3は、図2における固定子から冷却水ジャ
ケットを除いて、円筒ハウジング付きの状態にした固定
子の部分断面図である。
【0036】本発明では、必要な中間ダクトの個数をN
とすると、固定子コアはN+1個に分割する必要があ
り、その数分の分割固定子コアを、円筒ハウジングに圧
入、又は焼き嵌めにより固定することにより、各分割固
定子コアの間にN個の中間ダクトが形成されるようにす
る。そして図2と図3は、中間冷却ダクト数Nが1、す
なわち分割固定子コアの分割数が2の場合の実施形態で
あり、ここで8が中間ダクト部である。
【0037】このため、まず、予め固定子鉄板16(図
1)を必要な枚数積んで固着し、分割固定子コア1a、
1bとする。一方、円筒ハウジング7には、通気孔14
を穿設しておく。そして、この円筒ハウジング7に、分
割固定子コア1a、1bを夫々両側の端部から挿入し、
圧入又は焼き嵌めにより、所定のコア止め箇所に位置決
めされた状態で固定する。
【0038】そして、これにより、分割固定子コア1
a、1b間に空間が形成されるようにし、この空間を冷
却用ダクト部8とする。この結果、ダクトピースなしに
冷却用ダクト部8が得られることになり、この点が、こ
の実施形態の大きな特徴である。
【0039】図4は、円筒ハウジング7の部分拡大断面
図で、この円筒ハウジング7には、上記したように、通
気孔14が複数穿設されており、ここから羽根車12a
により圧縮された冷却空気が中間ダクト部8に導き入れ
られるようになっている。
【0040】そして、これらの通気孔14は、固定子コ
アのスロットと同じ個数で、それらが円筒ハウジング7
の中間ダクト部に相当する部分のラジアル方向に沿って
全周に等間隔で設けられている。ここで、寸法dは通気
孔14の径、寸法Wsは分割固定子コア1a、1b間の
距離、寸法Wzは中間ダクト部8の幅である。
【0041】図5は、分割固定子コア1a、1bを円筒
ハウジング7内で位置決めしている部分を拡大して示し
た部分断面図で、円筒ハウジング7の内面にコア止め箇
所28a、28bを形成しておき、これにより分割固定
子コア1a、1bが位置決めされるようになっている。
このとき、別途、治工具を使用して、分割固定子コア1
a、1bの位置決めするようにしてもよく、この場合に
は、コア止め箇所28a、28bは不要になる。
【0042】従って、この実施形態は、従来技術に比べ
て構造が簡易化され、この結果、構造の複雑さという問
題が低減され、製作、組立性の向上及び製作時間の短縮
が図れる。
【0043】また、この実施形態によれば、部品点数が
低減され、特に中間ダクトピースが不要になるので、そ
れぞれの仕様条件に対応して新たに部品を用意しなけれ
ばならないという問題がなくなり、中間ダクトピースを
製作するために生じていた型代及び取付用治工具代が低
減でき、これにより大幅なコスト低減につながり、経済
性に優れた安価な構造の回転電機を得ることができる。
【0044】次に、図6は、分割固定コア1aの部分拡
大図で、図示のように、この実施形態では、予め固定子
鉄板16を積層し、その両側に固定子当板15a、15
bを当て、これらの固定子当板15a、15bに、固定
子鉄板16の外周部を渡して配置したクリータ17の両
端部を折り曲げてかしめることにより、固定子鉄板16
を固着して、分割固定子コア1aが形成されるようにし
ている。なお、分割固定コア1bも同じようにして組立
てられる。
【0045】このとき、固定子鉄板16の外周部には、
固定子当板15a、15bも含めてクリータ止め溝30
が設けてあり、クリータ17は、固定子鉄板の外周部で
は、このクリータ止め溝30に挿入されることにより位
置決めされるようになっている。なお、クリータとは、
固定用の桟又はバンドのことである。
【0046】ところで、どのような機器でも損失は少な
いに越したことことはなく、回転電機でも例外ではな
い。特に高速の同期電動機では、扱う交流電力の周波数
が高くなるため、鉄損が大きな問題になるが、従来の溶
接固定子コアの場合には、この固定子コアの溶接部が短
絡回路となり、鉄損が多くなり易い。
【0047】しかしながら、上記実施形態では、分割固
定子コア1a、1bの固定子鉄板の組立てにクリータ1
7を用いたかしめ構造になっているので、短絡回路が形
成される虞れがなく、このため鉄損の増加が抑えられ、
高速回転電機の低損失化を容易に実現させることができ
る。
【0048】また、これにより発熱量が減少するので冷
却性も向上し、さらに固定子エンドプレートがなくなる
ことで、円筒ハウジング7の長さが短縮されるので、コ
イルエンド9a、9bに対する冷却空気の当りも良くな
り、これらの冷却性も向上する。
【0049】次に、図7により、上記実施形態における
冷却用空気の通流経路について説明する。この実施形態
では、上記に示したしたように、冷却空気は羽根車12
aから供給されるようになっており、この羽根車12a
で圧縮された冷却空気は、図示してない通路を経由し
て、矢印で示してあるように、円筒ハウジング7に設け
られている通気孔14から中間ダクト部8に入り、スロ
ットティース部20を通って固定子と回転子2の間の空
隙に導入され、ここを通過することにより、回転子2の
全体が冷却されるように構成してある。
【0050】ここで、図4に示すように、分割固定子コ
ア同士の距離をWs、中間ダクト幅をWzとすると、通
気孔14の径dの決め方は以下のようになる。まず、冷
却電熱網計算により、冷却に必要な空気流量Qを求め、
通気孔14の径dを定めると、この通気孔14での冷却
用空気の流速Vは、次の(1)式で与えられる。
【0051】 V =Q/n(π・d2/4)…… ……(1) Q:必要冷却空気量 d:冷却用空気通気孔14の径 n:スロット数
【0052】このとき、通気孔14での流速Vとして
は、20〜30m/sを目安にし、中間ダクト部8で
は、固定子巻線19に冷却空気が直接打ち当たるので、
できるだけ流速を下げるのが望ましい。また、このと
き、コアエンド部が通気孔14の縁部にかからないよう
にするため、通気孔14の径dは、中間ダクト幅Wzよ
り少し小さ目に、つまり(Wz>d)にしなければならな
い。
【0053】一方、分割固定子コア1a、1b間の距離
Wsは、分割コアを円筒ハウジングに圧入又は焼き嵌め
して中間ダクトを形成するため、中間ダクト幅Wzより
少し大き目に、つまり(Wz>Ws)にする必要がある。
【0054】次に、スロットティース部20での空気の
流速Vtは、次の(2)式で与えられる。 Vt=Q/(n・Wt・Wz)…… ……(2) Wt:スロットティース部20の幅 Wz:中間ダクト部8の幅(Wz>d)
【0055】ここで、流速Vと流速Vtは、運転時に発
生される騒音や、冷却空気のコイル衝突速度を考慮する
必要があり、その上で、(2)式により、中間ダクト部8
の幅Wzを決定する。従って、中間ダクト幅Wzは冷却
性能上、スロットティース部20での空気の流速及び必
要冷却空気量から決まってくる。
【0056】ここで、中間ダクトピースを用いた従来技
術では、その中間ダクトピースの厚さをWdとすると、
その分、スロットティース部20での空気通路が狭めら
れ、通路幅はWt−Wdとなり、空気通路の断面積が減
るため、スロットティース部における空気の流速、必要
冷却量を一定とすると、(2)式から分かるように、中間
ダクト幅の寸法をWt・Wz/(Wt−Wd)だけ長くす
る必要がある。
【0057】従って、本発明によれば、従来技術より
も、中間ダクト幅を(Wt−Wd)/Wt/Wzだけ短く
できることになり、その結果、本発明によれば、従来技
術よりも、固定子の総積厚を短縮できる。
【0058】また、これにより、回転子も短くすること
ができるため、回転子自身の固有振動数が高くなり、回
転電機の使用可能回転数を高めることができ、これに付
随して、回転子の磁石や保護材も当然、短くでき、低コ
スト化が図れ、さらに、回転子の磁石や保護材の短縮に
より、うず電流による損失も低減され、回転電機の低損
失化と冷却性向上が図れる。
【0059】従って、上記実施形態によれば、回転電機
の構成が簡易化される結果、構造の複雑化に伴う問題が
低減され、従来技術に比して、製作、組立性の向上及び
製作時間の短縮が図れる。
【0060】また、上記実施形態によれば、部品点数の
低減、特にダクトピースが不要になった結果、ダクトピ
ース製作用の型代及び取付用治工具代が低減でき、大幅
なコスト低減が得られので、経済性に優れた安価な回転
電機を容易に得ることができる。
【0061】さらに、上記実施形態によれば、損失が低
減化される結果、回転電機の冷却性向上が図られ、絶縁
物や保護材等の材料の劣化が押さえられ、長寿命化が容
易に得られる。
【0062】次に、以上に説明した実施形態を第1の実
施形態として、これ以外の本発明の実施形態について説
明する。まず、本発明の第2の実施形態は、円筒ハウジ
ング7の材質を非磁性材料にした点を特徴とするもの
で、これ以外の構成は、既に説明した第1の実施形態と
同じである。
【0063】例えば、図3において、円筒ハウジング7
は、一般的には機械構造用炭素鋼で作られるが、この第
2の実施形態では、ステンレス鋼などの非磁性材料で円
筒ハウジング7を作成したものである。
【0064】本発明が対象とする回転電機は、特に高速
回転で大出力の場合には、電機子励磁磁界が強いため、
漏洩磁束の増加による弊害の虞れが予想される。例え
ば、回転子の両端の近傍で、磁気軸受で軸支持させるよ
うにした高速回転の回転電機では、その磁気軸受の制御
に影響がでる場合が予想される。
【0065】このような場合、回転電機のケーシングを
非磁性体金属、例えばオーステナイト系ステンレス鋼製
にすると、磁束の漏洩が抑えられるので、上記した磁気
軸受などに対する悪影響が防止できる。しかしながら、
ステンレス鋼材は素材が高価な上、ねばり強い特性のた
め、ケーシングの製作加工が難しく、コストを要すると
いうデメリットが生じる。
【0066】そこで、この第2の実施形態では、円筒ハ
ウジング7だけを機械構造用炭素鋼材からオーステナイ
ト系ステンレス鋼材に変更したものであり、これによ
り、上記のデメリットが少なくでき、さらに回転電機の
ケーシングにも安価な鋳物が採用できる。
【0067】なお、この第2の実施形態では、円筒ハウ
ジング7の材質として、オーステナイト系ステンレス鋼
材の場合について説明したが、本発明の実施形態での非
磁性体金属の種類がこれに制限されるものではない。ま
た、非磁性体の材質においても、本実施形態に制限され
るものではなく、同様の構成が可能で、発明の主旨が実
現できれば、いかなる材質であっても良い。
【0068】次に、本発明の第3の実施形態について説
明する。図8は本発明の第3の実施形態で、この実施形
態の特徴は、固定子が円筒ハウジングと冷却水ジャケッ
トの一体構造されている点にあり、図示のように、分割
固定子コア1a、1bの外周に、図2に示した第1の実
施形態では設けられている円筒ハウジング7が無く、こ
れらの分割固定子コア1a、1bの外側に直接冷却水ジ
ャケット13が存在している。
【0069】2個に分割されている分割固定子コア1
a、1bは、円筒形をした冷却水ジャケット13の中に
直接、圧入または焼き嵌めして、必要な位置に固定さ
れ、その後、巻き線作業を行って固定子巻線19が施さ
れる。なお、その他の構成は、第1の実施形態及び第2
の実施形態と同じである。
【0070】この第3の実施形態によれば、分割固定子
コア1a、1bと冷却水ジャケット13が直接接触させ
られているので、接触部による熱抵抗がなく、熱伝導性
が大幅に良くなるので、冷却性能がさらに向上するとい
う効果があり、且つ、この結果、部品点数が低減される
ので、大きなコスト低減を見込むことができる。
【0071】次に、本発明の第4の実施形態について説
明する。この第4の実施形態は、図8に示した第3の実
施形態において、冷却水ジャケット13の材質を非磁性
体材料にした点が特徴であり、その他の構成は、第3の
実施形態と同じである。
【0072】従って、この第4の実施形態によれば、第
3の実施形態により得られるメリットに加えて、第2の
実施形態によるメリットも得ることができ、漏洩磁束に
よる悪影響発生の虞れをなくすことができる。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、冷却空気流通用の中間
ダクト部が、ダクトピースを用いないで形成できるの
で、簡易な構成で中間ダクト部を得ることができ、冷却
性能に優れながら安価で低損失にでき、効率の良い高速
の回転電機を容易に提供することができる。
【0074】そして、この結果、本発明によれば、固定
子及び回転子のコア積厚が少なくできるので、高速の回
転電機の小型化と軽量化が容易になり、且つ、簡易な構
造になるため、組立性の向上が図れる。
【0075】また、複数に分割された固定子コアを冷却
水ジャケットに直接固着し、冷却水ジャケットと分割固
定子コアを一体化構造にしたので、更なる冷却性の向上
が図られる。
【0076】さらに、円筒ハウジング或いは冷却水ジャ
ケットを非磁性体材料にすることにより、漏洩磁束が抑
えられるので、他の機器に磁気的な悪影響を与える虞れ
をなくすことができる。従って、本発明によれば、冷却
性能の向上と経済的な製作が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による回転電機を遠心圧縮機の電動機に
適用した場合の一実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明による回転電機の一実施形態を示す要部
の断面図である。
【図3】本発明による回転電機の一実施形態を示す一部
断面図である。
【図4】本発明による回転電機の一実施形態を一部拡大
して示した断面図である。
【図5】本発明による回転電機の一実施形態を一部更に
拡大して示す断面図である。
【図6】本発明による回転電機の一実施形態における分
割固定子コアの説明図である。
【図7】本発明による回転電機の一実施形態における冷
却用空気の流通経路の説明図である。
【図8】本発明による回転電機の他の一実施形態の要部
を示す断面図である。
【図9】従来技術による回転電機の一例を示す要部断面
図である。
【図10】従来技術による回転電機の他の一例を示す要
部断面図である。
【図11】従来技術におけるダクトピースの一例を示す
説明図である。
【図12】従来技術による回転電機おける冷却用空気の
流通経路の説明図である。
【符号の説明】
1a、1b 分割固定子コア 2 回転子(永久磁石式回転子) 3 永久磁石 4 補強部材 5 回転軸 6a、6b リング状部材 7 円筒ハウジング 8 中間ダクト部 9a、9b コイルエンド 10a、10b アキシャル軸受 11a、11b ラジアル軸受 12a、12b 羽根車 13 冷却水ジャケット 14 冷却空気用の通気孔 15a、15b、15c、15d 固定子当板 15e 中間ダクトピース付き固定子当板 15f、15g ダクトピース付き固定子当板 16 固定子鉄板 17 固定バンド(クリータ) 18 固定子スロット部 19 固定子巻線 20 スロットティース部 21 固定子コアバック部 22 中間ダクトピース 23a、23b ダクトピース 24a、24b 固定子エンドプレート 25a、25b 直積固定子コア 26 固定子エンドプレートキー 27a、27b 溶接固定子コア 28 コア止め箇所 29 点溶接箇所 30 クリータ止め溝 100 遠心圧縮機 101 高速回転電機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 治雄 茨城県土浦市神立町603番地 株式会社日 立製作所土浦事業部内 Fターム(参考) 5H002 AA00 AB01 AB05 AD02 AD04 AD05 AD07 5H605 AA11 BB07 BB17 CC01 DD09 DD36 5H609 BB03 BB14 BB19 BB24 PP02 PP05 PP06 PP07 PP08 PP09 PP10 PP11 QQ02 QQ04 QQ09 QQ10 QQ15 RR31 RR41 RR53

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定子コアを軸方向に複数に分割して分
    割固定子コアとし、これら複数の分割固定子コアを軸方
    向に離して配置し、相互間に形成された間隙により冷却
    空気流通用の中間ダクト部を形成するようにした回転電
    機において、 前記分割固定子コアが、予め複数枚の固定子鉄板の積層
    体として一体に形成された上で円筒ハウジングの中に挿
    入され、分割固定子コア相互間に間隙を持たせた状態で
    前記円筒ハウジングに固定されていることを特徴とする
    回転電機。
  2. 【請求項2】 固定子コアを軸方向に複数に分割して分
    割固定子コアとし、これら複数の分割固定子コアを軸方
    向に離して配置し、相互間に形成された間隙により冷却
    空気流通用の中間ダクト部を形成するようにした回転電
    機において、 前記分割固定子コアが、予め複数枚の固定子鉄板の積層
    体として一体に形成された上で円筒形の冷却水ジャケッ
    トの中に挿入され、分割固定子コア相互間に間隙を持た
    せた状態で前記冷却水ジャケットに固定されていること
    を特徴とする回転電機。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2の何れかに記載の
    発明において、 前記複数枚の固定子鉄板の積層体が、クリータ止めによ
    り一体に形成されていることを特徴とする回転電機。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の発明において、 前記円筒ハウジングが非磁性体材料で構成されているこ
    とを特徴とする回転電機。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の発明において、 前記円筒形の冷却水ジャケットが非磁性体材料で構成さ
    れていることを特徴とする回転電機。
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