JP2001044794A - 圧電共振子 - Google Patents

圧電共振子

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JP2001044794A
JP2001044794A JP11217017A JP21701799A JP2001044794A JP 2001044794 A JP2001044794 A JP 2001044794A JP 11217017 A JP11217017 A JP 11217017A JP 21701799 A JP21701799 A JP 21701799A JP 2001044794 A JP2001044794 A JP 2001044794A
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oscillation
piezoelectric
wall
electrode
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Yasuyo Kamigaki
耕世 神垣
Kenichi Yoshimura
健一 吉村
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Kyocera Corp
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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/02Details
    • H03H9/02007Details of bulk acoustic wave devices
    • H03H9/02086Means for compensation or elimination of undesirable effects
    • H03H9/02133Means for compensation or elimination of undesirable effects of stress

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】1 GHz以上の高周波数に対応し、かつ破損や
変形による誤動作が少なく長寿命で、簡単な構造で安価
にかつ容易に製造でき、圧電特性に優れた圧電共振子を
提供する。 【解決手段】基体11と、該基体11上にその表面から
突出して設けられた振動壁12と、該振動壁12の側面
に設けられた1対の電極14とを具備してなるととも
に、振動壁12が振動壁12の厚み方向に振動するもの
である。また、基体11と振動壁12との材料を変える
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は携帯電話、無線LA
N等に用いられる圧電共振子に関し、特に、圧電体の厚
み縦振動の共振を利用した圧電共振子に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術】近年、無線通信や電気回路に用いられる周
波数の高周波数化に伴い、これらの電気信号に対して用
いられるフィルターも高周波数に対応したものが開発さ
れている。特に、無線通信においては2GHz近傍のマ
イクロ波が主流になりつつあり、既に数GHz以上の規
格策定の動きもあることから、その高い周波数に対応し
た安価で高性能なフィルターが求められている。
【0003】最近広く用いられているのは、固体の表面
を伝わる音響波である表面弾性波の共振を利用した表面
弾性波共振子(SAWR)を用いたフィルターである。
すなわち、SAWRは、固体表面上に形成した櫛形の電
極間に高周波電界を印加し、表面弾性波との共振を利用
する。このフィルターは、バンドパスフィルターとして
非常に優れた周波数選択特性を有している。
【0004】しかしながら、SAWRは、その櫛形電極
間距離と共振周波数とが反比例の関係にあるため、1G
Hzを越える周波数領域では櫛形電極間距離が1μm以
下となり、電極作製が非常に困難であった。
【0005】そこで、近年では、圧電性を示す薄膜の厚
み縦振動を利用したバルク弾性波共振子(BAWR)が
提案されている。これは、入力される高周波電気信号に
対して圧電体が振動を起こし、圧電体の厚さ方向に共振
することを用いた共振子である。
【0006】このBAWRを構成する圧電体は、1μm
以下の膜厚でも高い精度で制御可能であるため、SAW
Rに比べてより高い周波数の共振周波数を持つレゾネー
ターの作製が可能となると期待され、開発が進められて
きた。
【0007】従来のBAWRとしては、図7に示すよう
に、基体1と、該基体1表面上に形成された支持膜2
と、該支持膜2上に形成されたバッファー層3と、該バ
ッファー層3上に形成された第1電極4と、該第1電極
4上に形成された圧電体5と、該圧電体5上に形成され
た2つの第2電極6とからなるものである(USP4,
320,365号公報)。
【0008】このBAWRでは、第1電極4と圧電体5
と第2電極とにより振動体が構成され、第1電極4と第
2電極6との間に高周波電界が印加されることにより、
振動体、並びにその下方に形成されたバッファー層3
と、支持膜2が振動し、振動部分となる。支持膜2の振
動部分は振動空間Aに露出している。
【0009】また、基体の一部を除去する代りに、支持
膜の一部を基体表面から離す中空構造を形成して、振動
部分と基体との音響的な分離を実現している例も、特開
昭61−127216号公報に開示されている。
【0010】この構造は、図8に示すように、基体1
と、該基体1表面上に形成された支持膜2と、該支持膜
2上に形成された第1電極4と、該第1電極4上に形成
された圧電体5と、該圧電体5上に形成された2つの第
2電極6とからなるものである。この例では、基体を除
去するのではなく、支持膜形成後に支持膜2の下に形成
された層を除去し中空構造にすることによって、基体1
と支持膜2との間に振動空間Aが形成されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
BAWRでは、振動体の下方に支持膜を介して振動空間
を形成する必要があり、構造および工程が複雑であり、
また振動体を支持しうるに十分な強度を有する支持膜が
得られないという問題があった。
【0012】即ち、基体と支持膜間には熱膨張差に起因
する残留応力が発生する。また支持膜・第1電極・圧電
体・第2電極はいずれも薄膜であり、薄膜形成プロセス
によりこれらの膜自体に内部応力が発生し、この内部応
力は積層することによりさらに増加する。
【0013】一方、支持膜は振動空間Aに露出している
ので、支持膜により振動体を支持しており、残留応力と
内部応力とが支持膜強度を実質的に低下させ、製造中、
取扱い時、作動中に支持膜が割れやすく、製造歩留まり
が低く製品の寿命が短いという問題があった。
【0014】また、上述した残留応力や内部応力を緩和
しようとする支持膜により、圧電共振子全体の反りや撓
みを誘発するという問題があった。
【0015】さらに、図7や図8に示す従来のBAWR
では、基体上に支持膜などの薄膜を真空プロセスで作製
した後に、大気中におけるアルカリ処理を伴う化学的な
ウェットプロセスで振動空間を作製し、次に真空プロセ
スに戻して振動体を形成するという非効率な処理が必要
であった。これが、プロセスの複雑化とコスト高を招い
ていた。
【0016】本発明の目的は、破損や変形による誤動作
が少なく長寿命であり、簡単な構造で安価にかつ容易に
製造できるGHz以上の高周波に対応した圧電共振子を
提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の圧電共振子は、
該基体上にその表面から突出して設けられた圧電体から
なる振動壁と、該振動壁の対向する側面に設けられた1
対の電極とを具備するものであり、振動壁が強誘電体お
よび/または単結晶からなることが好ましい。また、こ
の振動壁の主成分が、基体の主成分と異なることが望ま
しい。
【0018】
【作用】本発明の圧電共振子では、基体表面から突出し
た振動壁の側面に1対の電極を有する構造のため、振動
壁はその厚み方向に振動する。したがって、基体には振
動がほとんど伝達しないので、振動空間を設ける必要が
ない。すなわち、支持膜のない構造を採用できるため、
支持膜が原因となる割れの問題を回避できる。
【0019】また、従来の圧電共振子では、振動する部
分に対する支持膜の厚みの割合が大きいために、共振周
波数を著しく低下させていたが、本発明の圧電共振子で
は支持膜のない構造とをとるために、共振周波数を高く
維持することができる。
【0020】さらに、本発明では、基体上に設けた振動
壁と1対の電極とで構成されており、従来よりも薄膜層
数が少なく、コスト低下に寄与できる。特に本発明で
は、圧電共振子は支持膜のない構造であり、したがって
大気中でのアルカリ水溶液による基体除去処理を除くこ
とができる。これにより、真空プロセスのみで製造が可
能となり、オートメーションプロセスによる処理時間の
短縮ができる。その結果、さらにコスト低減、生産性向
上が可能となる。
【0021】ところで、圧電体として強誘電体を用いる
と、大きな自発分極を保有するために、電気機械結合係
数が大きくなり、バンド幅の大きな広帯域フィルターを
実現できる。また、強誘電体膜は、圧電体の圧電性を任
意の方向に揃えることができるので、製造が容易であ
り、圧電体の特性を最大限に引き出すことができる。
【0022】一方、圧電単結晶を用いると、SAW共振
子と同様に優れた圧電特性、音響特性を示す。さらに
は、SAW共振子が1/4波長の表面波を用いるのに対
し、本発明では、1/2波長の厚み縦振動を用いる為、
SAW共振子と同じ圧電体厚みで2倍の共振周波数が得
られるという特徴がある。
【0023】さらに本発明では、基体の主成分を振動壁
の主成分と異なったものにすると、基体の種類に関係な
く、圧電共振子を形成できる。即ち、基体をSi、Ga
Asに限定することなく、振動壁をアルミナLSIパッ
ケージ基板等の任意の基体へ直接形成できるため、高い
集積度を実現できる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の圧電共振子は、基体の上
に突出して設けられた振動壁と、この振動壁の側面に設
けられた1対の電極とを具備した薄膜圧電共振子であ
る。すなわち、本発明の圧電共振子は、図1に示すよう
に、基体11と、該基体11の表面から突出した振動壁
12が設けられている。該振動壁12の側面には、1対
の電極14が設けられている。
【0025】ここで、1対の電極14に高周波電界が印
加されると、振動壁12と1対の電極14とが振動す
る。振動は振動壁12の厚み方向に発生する。すなわ
ち、図1の矢印で示すように、基体表面に平行な方向に
振動する厚み縦振動を用いており、振動壁12内に振動
エネルギーが閉じこめられ、基体11への振動エネルギ
ーの漏れが抑制される。したがって、基体に振動がほと
んど伝わらなので、従来の構造で用いられた支持膜は不
要となる。
【0026】振動壁12は、気相合成法またはゾルゲル
法による薄膜形成法および/またはエッチング法等を利
用して形成することが出来る。振動壁12の厚みは使用
する共振子の周波数帯にもよるが、2μm以下であるこ
とが望ましい。これは、厚み縦振動により1GHz以上
の高い共振周波数を得るためには、電極14間距離が2
μm以下になることが必要だからである。
【0027】電極14は、CVD法、スパッタ法、真空
蒸着法、イオンプレーティング法などの気相合成法によ
り作製して得られる。高い共振周波数を得るためには、
電極の膜厚は、0.05〜0.3μmの厚みが望まし
く、特には0.1〜0.2μmが好ましい。
【0028】基体11は、例えばアルミナ、サファイ
ア、シリコン、ガリウム砒素、窒化アルミニウムまたは
窒化珪素のような無機物であり、強誘電体薄膜を形成で
きる平坦な表面を保有していれば、特に限定するもので
はない。
【0029】また、振動体12を構成する圧電体として
は、強誘電体が好ましい。これは、強誘電体が大きな自
発分極を保有し、大きな圧電性が得られるためである。
すなわち、圧電体として強誘電体を用いると、大きな自
発分極を保有するため、電気機械結合係数が大きく、こ
のためバンド幅の大きな広帯域フィルターを実現でき
る。
【0030】また、本発明の圧電共振子においては、圧
電体からなる振動壁は厚み方向に振動するモードの厚み
縦振動を用いるため、圧電体の圧電性は基体の表面に平
行に発現する必要がある。しかし、ZnOやAlNなど
の圧電体を用いると、分極の方向が決まっているため
に、基体の表面に平行にc軸を配向させる必要があり、
これは技術的に困難である。
【0031】一方、強誘電体は自発分極を任意の方向に
揃えることができるので、圧電体として強誘電体膜を用
いることは、本発明の圧電共振子の製造を容易にするた
めに好ましい。
【0032】特に、Pb(Zr1-x Tix )O3 のよう
なペロブスカイト型構造をもつ強誘電体薄膜は、大きな
自発分極を保有し、大きな圧電性が得られるから好適で
ある。ペロブスカイト型構造をもつ強誘電体として上記
Pb(Zr1-x Tix )O3やPbTiO3 、BaTi
3 などがある。
【0033】また、ペロブスカイト構造以外の強誘電体
薄膜、例えばタングステンブロンズ構造をもつSr2
Nb5 15なども使用できる。
【0034】これらの強誘電体の中で、特にPb(Zr
1-x Tix )O3 を基本組成としたものが好ましい。そ
れは、Pb(Zr1-x Tix )O3 を基本組成としたも
のが、薄膜にしても大きな圧電性を示すからである。B
aTiO3 やSr2 KNb515などの強誘電体は結晶
粒のサイズが小さくなると強誘電性が減少するサイズ効
果が大きく、薄膜にすると強誘電性に起因した大きな圧
電性が得られないからである。
【0035】電極14には、従来より多く用いられてい
るAl、Au等の金属材料を用いることができる。圧電
体への質量負荷が小さく圧電振動を抑制し難い事と電気
抵抗率が小さく共振子のQ値の低下が小さい事からAl
が望ましい。
【0036】また、電極14と外部電極との電気的接続
のために、取り出し電極を形成して用いることは言うま
でもない。
【0037】尚、本発明の圧電共振子は、アルミナ等の
基体に、ゾルゲル法、スパッタ法等の薄膜作製、積層技
術によって強誘電体膜を形成し、反応性イオンエッチン
グ法等により振動壁12以外の強誘電体薄膜を除去し、
長尺形状を形成する。次に、1対の電極層14をCVD
法、スパッタ法、真空蒸着法等により作製し、加工した
後、1対の電極14の間に強誘電体の抗電界より大きい
直流電界を印可することにより、強誘電体を分極し、共
振子を作製することが可能である。
【0038】以上のように構成された圧電共振子では、
基体11には、その表面から突出した振動壁12が設け
てあり、この振動壁12は図1に矢印で示したように振
動壁の厚み方向に振動し、基体11には振動がほとんど
伝達しないので、特別に振動空間を設ける必要がなく、
これにより、支持膜のない構造が可能となるため、簡単
な構造で製造工程も簡略化でき、さらに支持膜の割れ等
も考慮する必要がなく、長寿命化を促進できる。
【0039】また、基体11表面に振動壁12を形成し
ており、3次元的な構造であり、かつ振動壁12に強誘
電体を用いているので、振動壁12の設置面積を小さく
できるとともに、振動壁12の数またはその大きさを任
意に決定できるために、フィルターを小型化できる。
【0040】また、図2のように、基体21側およびそ
の反対側の振動壁22には電極24の形成されていない
部分が存在する圧電共振子では、電極24が形成された
部分の振動壁22に振動エネルギーがさらに効率よく閉
じこめられるため、損失が小さくなるので好ましい。
【0041】図3は本発明の他の例を示すもので、基体
31と振動壁32とが同一材料であり、かついずれも単
結晶である。圧電単結晶は、例えばLiNbO3 、Li
TaO3 やSr1-x Bax Nb2 6 のようなものが使
用できる。
【0042】この圧電共振子は、圧電性単結晶である基
体31を、反応性イオンエッチング法等により長尺状に
エッチング加工した後、1対の電極層34をCVD法、
スパッタ法、真空蒸着法等により作製し、加工した後、
1対の電極34に長尺状の圧電性単結晶の抗電界より大
きい直流電界を印可することにより、分極処理し、共振
子を作製することが可能である。なお、実際には、図4
に示したように、取り出し電極36を形成した振動子を
形成することができる。
【0043】従来のBAWRでは支持体としてSiO2
膜のようなアモルファス膜が使用されていたが、超音波
の減衰が大きく、Q値・電気機械結合係数の低下によ
り、損失が大きかった。しかし、振動壁31を単結晶で
構成すると、振動を効率よく維持することができ、エネ
ルギーロスが減少して損失を小さくすることができる。
これにより、共振子の特性を高くすることができる。
【0044】また、本発明では、圧電単結晶を用いるた
めに、SAW共振子と同様な圧電特性、音響特性を示
す。また、SAW共振子が1/4波長の表面波を用いる
のに対して、本発明では、1/2波長の厚み縦振動を用
いる為、SAW共振子と同一の電極間隔で2倍の共振周
波数を得ることができる。
【0045】また振動の振幅の方向が、電極面に直交し
た縦波である為、電極と圧電体の界面におけるストレス
が小さく、大きな電極間隔とあいまって、大きな耐電力
性を示す事ができる。さらに、基板の表面に平行方向に
生じる厚み縦振動を用いる為、振動エネルギーは基板に
漏れることなく、SAWRと同様に高いQの共振を得る
事ができる。
【0046】
【実施例】実施例1 本発明の圧電共振子と従来の圧電共振子を作製して、歩
留まりを調べ、共振周波数に対するインピーダンス特性
の解析を行った。
【0047】最初に、図2の構造を持つ本発明の圧電共
振子を作製した。すなわち、幅10mm、長さ10m
m、厚さ2mmのサファイア基板上にPZTからなる強
誘電体薄膜を形成した。次に、この強誘電体薄膜上に幅
1μmで長さ50μmのレジストパターンを形成し、C
4 ガスを用いた反応性イオンエッチング法により、1
μm幅、長さ50μmの直方体領域を残してPZTをエ
ッチング除去し、サファイア基板上に振動壁を形成し
た。振動壁の高さは約5μmである。
【0048】この振動壁の両面に、電極として膜厚50
nmのAl薄膜を形成した。電極のサイズは、1対の電
極が圧電体を介して対向する領域が幅1μm、長さ48
μmである。電極形成部分は、基体面から2μm離れて
形成されている。このようにして試作した圧電共振子1
00個のうちで、3個に不良が見られた。
【0049】また、比較として、図7の圧電共振子を作
製した。まず、Siウエハーを基体をとし、RCA法に
より洗浄した後、支持膜となる薄膜を形成した。すなわ
ち、スパッタ法によりSi基体上にSiO2 膜を1.5
μmの厚みに形成した。
【0050】次に、Si基体裏面にフォトレジスト法を
用いてパターン形成を行い、KOH溶液を用いて選択的
にエッチングを行って図7の振動空間Aを作製した。こ
の溶液処理は高濃度のアルカリ溶液中に24時間試料を
浸し、純水による洗浄を行った。エッチングの保護膜に
は窒化珪素膜を用いている。KOHの異方性エッチング
により振動空間の形状は台形状の凹部となる。
【0051】さらに、支持膜上に第1電極、圧電体、第
2電極の各層をスパッタ法を用いて形成した。第1電極
材料にはPtを0.1μmの厚みで形成し、圧電体材料
にはPZTを1μmの厚みに成膜した。また、第2電極
はAl膜を0.1μm形成した。なお、パターン形成に
は全てメタルマスクを用いた。
【0052】このように、処理装置も複雑になり、多種
類の装置、機器や薬品を使用する必要があった。このよ
うに作製した個々の素子を一枚のウエハから切出すダイ
シングを行ったところ、3mm×3mmのサイズで、圧
電共振子100個中94個に素子の破損が発生してい
た。また、支持膜は薄膜プロセスで形成したために膜に
内部応力が発生し、基体と支持膜の界面で剥離が発生し
ていた。試作した圧電共振子100個のうちで、58個
に剥離が見られた。
【0053】さて、このように作製した2つの圧電共振
子は、分極処理を行った後に、両電極間に高周波電場を
印加して解析した。本発明および比較の結果をそれぞれ
図5、図6に記載した。
【0054】本発明の共振子においては、図5から、圧
電体の厚さに対応する基本波の共振が、約1.45GH
zの周波数で強く励振されていることがわかる。
【0055】一方、従来の共振子は、図6から、約0.
6GHzの周波数で、基本波が強く励振されている。こ
れは、非圧電体で膜厚の大きなSiO2 膜とPZT膜形
成に適したPt電極の振動体に対する質量負荷が大きい
ために、電気機械結合係数の大きな基本波の周波数が大
きく減少することがわかる。
【0056】また、電気機械結合係数は、基本波に比べ
て小さくなるが、より高い共振周波数を利用できる2次
波においても、共振周波数は1.1GHzであり、本発
明の圧電共振子に比べて低い周波数しか得られていな
い。
【0057】実施例2 圧電単結晶としてY−カットLiNbO3 を用いた。L
iNbO3 単結晶表面に幅1μmで長さ100μmのレ
ジストパターンを形成する。この時パターンの長さ方向
がLiNbO3 のZ軸方向に直交するようにパターニン
グする。全体のサイズは1mm×1mmである。
【0058】次に、CF4 ガスを用いた反応性イオンエ
ッチング法により、1μm幅、長さ100μmの直方体
領域を残してLiNbO3 をエッチング除去し、高さは
約5μmの振動壁を形成した。
【0059】さらに、CVD法によりAl薄膜を直方体
全面に形成した後、その上にPMMA(ポリメチルメタ
アクリレート)レジスト膜をコートし、電子線描画によ
り、図1に示した電極パターンを描画する。CCl4
スを用いた反応性イオンエッチングにより、Al電極の
パターニングを行い、レジストを除去して本発明の共振
子を作製した。
【0060】圧電共振特性は、ネットワークアナライザ
とRF用マイクロプローバを用いてSパラメーターを測
定することによって評価した。本発明の共振子におい
て、共振周波数は、1.58GHzであった。
【0061】比較例としてLiNbO3 単結晶をもちい
て、従来プロセスによりアルミニウム薄膜による櫛形電
極を形成し、SAW共振子を作製した。1対の櫛形電極
は、1μm幅の電極指を、1μm間隔で対向させた。各
電極指の数は100である。本発明の共振子と同様に圧
電共振特性を測定した結果、共振周波数は0.84GH
zであった。
【0062】
【発明の効果】本発明の圧電共振子では、基体上に、そ
の表面から突出して形成された振動壁を設け、その側面
に電極を形成することにより、従来の圧電共振子におい
て用いられていた支持膜を必要とせず、簡単な構造で、
製造中における破損を防止できるとともに、作製プロセ
スも簡略化できるため、コストを大きく下げることがで
きる。また、振動壁に単結晶を用いることにより、SA
WRと同様に高いQ値を得る事ができるとともに、高い
共振周波数と大きな耐電力性とが得られる。さらに、基
体と振動壁とを異なる材料にすることにより、アルミナ
等の絶縁基板へ直接圧電共振子を形成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧電共振子を示す斜視図である。
【図2】本発明の他の圧電共振子を示す斜視図である。
【図3】本発明のさらに他の圧電共振子を示す斜視図で
ある。
【図4】本発明のさらに他の圧電共振子を示す斜視図で
ある。
【図5】本発明の圧電共振子の周波数とインピーダンス
との関係を示す図である。
【図6】従来の圧電共振子の周波数とインピーダンスと
の関係を示す図である。
【図7】従来の圧電共振子を示す断面図である。
【図8】従来の他の圧電共振子を示す断面図である。
【符号の説明】 11・・・基体 12・・・振動壁 14・・・電極

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体と、該基体上にその表面から突出して
    設けられた圧電体からなる振動壁と、該振動壁の対向す
    る側面に設けられた1対の電極とを具備してなることを
    特徴とする圧電共振子。
  2. 【請求項2】振動壁が強誘電体および/または単結晶か
    らなることを特徴とする請求項1記載の圧電共振子。
  3. 【請求項3】振動壁の主成分が、基体の主成分と異なる
    ことを特徴とする請求項1または2記載の圧電共振子。
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