JP2001044372A - 信号伝送装置および半導体集積回路装置 - Google Patents

信号伝送装置および半導体集積回路装置

Info

Publication number
JP2001044372A
JP2001044372A JP11216772A JP21677299A JP2001044372A JP 2001044372 A JP2001044372 A JP 2001044372A JP 11216772 A JP11216772 A JP 11216772A JP 21677299 A JP21677299 A JP 21677299A JP 2001044372 A JP2001044372 A JP 2001044372A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal transmission
signal
line
crosstalk
inverter means
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11216772A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuya Maruyama
徹也 丸山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP11216772A priority Critical patent/JP2001044372A/ja
Publication of JP2001044372A publication Critical patent/JP2001044372A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Design And Manufacture Of Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 1つの信号に対して1本の信号伝送路のまま
クロストークを低減することが可能で、配線設計の容易
な信号伝送装置および半導体集積回路装置を提供するこ
とにある。 【解決手段】 隣接して並んだ複数の信号伝送路(L1
〜L4)を有する信号伝送装置において、隣り合う一対
の信号伝送路(L1,L2)の内、一方の信号伝送路
(L1)において任意の信号を連続した信号線で伝送す
る1区間(sec1)に注目したときに、信号伝送路
(L2)のこの区間(sec1)の途中に信号を反転す
るインバータ手段(I)が設けられ、一方の信号伝送路
(L1)から他方の信号伝送路(L2)に及ぼされるク
ロストークの影響が、上記インバータ手段(I)よりも
前方の部分の信号により及ぼされるクロストーク(W
1)と、上記インバータ手段(I)よりも後方の部分の
反転信号により及ぼされるクロストーク(W2)との相
殺により、低減されるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子回路間で信
号を伝送するための信号伝送路に適用して有用な技術に
関し、特に、多数の信号伝送路を備え高密度配線を要す
る半導体集積回路に利用して有用な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】長距離の信号伝送路を高速且つ低電力で
駆動して信号を送信するには、信号を小振幅で送受信す
るのが有効であり、複数の信号を並行な伝送路を介して
小振幅で送信する場合には、クロストークノイズに対し
強い信号伝送路が望まれる。
【0003】また、半導体集積回路などで回路を微細化
した場合、ゲート回路などの回路遅延時間は小さくな
る。それに比べて、配線等を信号が伝播する遅延時間は
それ程小さくならず、今後はこの配線遅延時間がチップ
の性能を決める大きな要因の一つとなると云われてい
る。ところで、回路を微細化すると、この微細化に伴い
隣り合う信号伝送線同士の容量結合によりクロストーク
ノイズが増大して、信号の伝播時間にばらつきを生じさ
せる。信号の到達時間が正しく把握できないと、その先
でラッチのセットアップ時間やホールド時間の条件を決
定できなくなる等の問題を発生させる。このため、信号
伝播時間を安定させるべく、クロストークの少ない信号
伝送系が求められる。
【0004】信号伝送系でクロストークを少なくする技
術としては、例えば、特開平10−107208号に開
示されている半導体集積回路装置がある。
【0005】この半導体集積回路装置は、1つの信号を
一対の差動信号に変換して一対のツイストペア配線(ひ
ねり合わせた配線)で伝送する技術を応用したもので、
図7(a)に示すように、1つの信号の伝送に対して極
性の異なる一対の信号線1N,1Pを用意し、信号を極
性の異なる差動信号に変換して上記一対の信号線1N,
1Pで伝送すると共に、これら一対の信号線1N,1P
を他の信号線2Nの両側にそれぞれ配置するようにした
ものである。
【0006】この方法によれば、一対の信号線1N,1
Pにより伝送される極性の異なる信号が、間に挟まれた
信号線2Nに対してそれぞれクロストークを及ぼすが、
一方の信号線1Nの正のクロストークと他方の信号線1
Pの負のクロストークとが互いに打ち消しあって合成ク
ロストークを低減させ、それにより、信号の伝播時間を
安定させることが出来る。
【0007】また、クロストークを少なくする他の技術
として、各信号線間にシールド配線を設ける技術があ
る。この技術は、ケーブル伝送などにおいては信号線の
全周囲を絶縁体を介してシールド電極で覆うことで実現
され、半導体集積回路においては1本の信号線の両脇に
信号線に沿ってシールド電極(例えば電源電極やグラン
ド電極)のパターンを設けることで実現されるものであ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、信号伝送路
はその両端の端子部において他の回路やモジュールと接
続されるため、接続される回路やモジュールとの関係で
信号伝送路両端の端子部のピッチおよび横幅が決定され
る。そして、信号を送受信する回路において信号の数が
増えて端子部のピッチを狭めたい場合、信号伝送路自体
のピッチも狭くする必要がでてくる。また、信号伝送路
の横幅の増大は、集積回路のサイズ増大を招き、更に、
この集積回路のサイズ増大は集積回路内の信号伝送路の
平均配線長の増大を招いて、集積回路の高密度化や高速
度化を妨げることとなるため、チップサイズの点からも
信号伝送路の横幅の増大を抑えたいと云う要望がある。
【0009】しかしながら、上記の特開平10−107
208号に開示の技術では、1つの信号に対して一対の
差動信号が必要となるので、信号伝送路の数が2倍に増
えるといった課題を有している。そして、信号伝送路の
数が2倍になることから、信号伝送路全体の横幅の長さ
を短く設計すると、個々の信号伝送路の間隔が狭くな
り、その分、伝送路間のクロストークの量が大きくなる
といった問題を発生させる。また、クロストークを抑え
るため個々の信号伝送路の間隔を広くとると信号伝送路
全体の横幅が大きくなってしまう。
【0010】また、上記特開平10−107208号に
開示の技術では、2種類以上の信号を伝送する伝送系に
用いる場合、全ての信号線を互いに極性の異なる一対の
信号線(1N,1P),(2N,2P),(3N,3
P),(4N,4P)で挟むことが不可能となり、必
ず、一対の信号線で挟めない個所(例えば信号線2Pと
3Nの個所)が生じて、その個所で大きなクロストーク
が発生する。そして、この課題を解消するため、図7
(b)に示すように、信号伝送路の途中にツイスト部9
1を設けて伝送路をスクランブルさせることが必要とな
る。しかしながら、このようなツイスト部91を半導体
基板上に設けると、ツイスト部91においてチャネル
(配線専用に確保された領域)の数が増加するため、集
積回路全体の配線設計を著しく困難にさせる。
【0011】また、上記のシールド配線を用いた技術で
は、ケーブル伝送においてシールド配線が3次元的にな
るためほぼ完全なシールドが実現されるが、半導体上の
配線ではシールド配線が2次元的であるため完全なシー
ルドは不可能であり、クロストークの影響を1/5〜1
/10に抑えることが出来る程度である。しかも、シー
ルド配線を信号線間に設ける必要があることから総配線
数の増加を招き、伝送する信号の数が多い場合に信号伝
送路全体の横幅を増大させてしまう。また、シールド配
線を設けた分だけ配線チャネル数も増やさなくてはなら
ないことからチップ面積の増大を招くとともに、信号伝
送路の端子部で信号線の端子はモジュールに接続される
一方、シールド電極はモジュールに接続されずに電源電
圧やグランド電位に接続させる必要があり配線設計を難
しくさせる。
【0012】この発明の目的は、差動信号を送信する信
号線やシールド線を用いることなく複数の信号伝送路間
のクロストークを低減可能にし、これにより信号伝送路
全体の幅を小さくでき、さらにそのような信号伝送路を
設けることで半導体集積回路装置のチップサイズを低減
できるようにすることにある。
【0013】この発明の他の目的は、クロストークが少
なく、しかも、配線設計の容易な信号伝送路を有する信
号伝送路およびそのような信号伝送路を有する半導体集
積回路装置を提供することにある。
【0014】この発明の前記ならびにそのほかの目的と
新規な特徴については、本明細書の記述および添附図面
から明らかになるであろう。
【0015】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を説明すれば、下記のと
おりである。
【0016】すなわち、隣接して配設された少なくとも
2本の信号伝送路を有する信号伝送装置において、隣り
合う一対の信号伝送路の内、一方の第1信号伝送路にお
いて任意の信号を連続した信号線で伝送する1区間に着
目したときに、この区間に対応する他方の第2信号伝送
路に信号を反転して伝えるインバータ手段が設けられ、
上記第2信号伝送路から第1信号伝送路に及ぼされるク
ロストークの影響が、上記インバータ手段よりも前方の
部分の信号から及ぼされるクロストークと、上記インバ
ータ手段よりも後方の部分の反転信号から及ぼされるク
ロストークとの相殺により、低減されるように構成す
る。
【0017】このような手段によれば、差動信号を伝送
する信号線やシールド線を使用することなく複数の信号
伝送路間でクロストークの低減を図れるので、多数の信
号を伝送する場合でも配線の本数が少なくてすみ、且
つ、信号伝送路間の間隔を狭くできるので全体の幅を小
さくすることが出来る。
【0018】また、上記のような伝送装置は、占有面積
が小さくてすむため半導体基板上に設けられた複数の回
路間の信号の伝送が必要とされる半導体集積回路装置に
適用されると特に効果的である。
【0019】また、長距離伝送系などにおいては、信号
伝送路のそれぞれに(例えば複数の)インバータ手段を
設けると共に、第1信号伝送路上で連続する2個のイン
バータ手段に挟まれた区間に着目したときに、この区間
に対応する第2信号伝送路の1区間に1個のインバータ
手段が設けられるように、第1信号伝送路のインバータ
手段と第2信号伝送路のインバータ手段とを信号伝送路
方向に沿って交互に配置をずらして設ける。
【0020】このような手段により、長距離伝送系など
においても十分なクロストークの低減を図ることが出来
ると共に、各信号伝送路にインバータ手段をほぼ同数
(多くとも1個違いになる)設けることになるので、イ
ンバータ手段による信号遅延が各信号伝送路に対して均
等に作用することとなって、各信号伝送路の信号遅延量
の違いに起因するディレイ故障を発生させにくくする。
【0021】望ましくは、1つの信号伝送路のインバー
タ手段は、隣り合う信号伝送路上で連続する2個のイン
バータ手段間の信号線のほぼ中央に対応する位置に配置
する。このような構成とすることで、インバータの入力
側の信号線と出力側の信号線とて、クロストークを互い
に打ち消し合わせてほぼ完全にゼロに近づけることが出
来る。
【0022】さらに、一本の信号伝送路上に設けられる
複数のインバータ手段は所定間隔ごとに設けるようにす
る。これにより信号伝送方向に沿ったクロストーク特性
にバラツキがなく何れの範囲においてもクロストーク特
性が一定になり、また、規則的なレイアウトとなって配
線設計を行いやすい信号伝送路とすることが出来る。
【0023】また、上述の手段に加え、従来構成のクロ
ストーク除去用のシールド配線を組み合わせて更にクロ
ストーク低減を図ることも出来る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施例を図
1〜図7の図面に基づいて説明する。
【0025】[第1実施例]図1は、本発明を適用して
好適な半導体集積回路装置における一方向バスライン
(信号伝送装置)の実施例を示す概略構成図である。
【0026】この実施例のバスラインは、半導体基板上
に複数の信号伝送路L1,L2,L3,L4…を形成し
てなる一方向バスラインであり、例えば、アドレスバ
ス、制御バスなどに用いられる。各信号伝送路L1,L
2,L3,L4…の途中には複数のインバータI11,
I12,…I42がそれぞれ設けられている。
【0027】各信号伝送路L1,L2,L3,L4…の
基本構造は何れも同様である。信号伝送路L1の各信号
線M11〜M13は半導体基板上にアルミや銅をパター
ン形成して構成したものである。
【0028】インバータI11,I12,…I42は、
半導体基板上に形成される複数のトランジスターにより
構成される信号中継用のインバータ回路で、入力信号を
反転して出力する。特に限定されるものではないが、こ
の実施例ではハイレベル信号(例えば3V)とローレベ
ル信号(例えば0V)が伝送されるデジタル伝送系であ
り、そのため、上記インバータI11,I12,…I4
2は、これらの信号を反転する特性を備えていれば良
い。例えば、ハイレベル信号(例えば3V)の入力に対
してはローレベル(例えば0V)に反転した信号を出力
し、ローレベル信号(例えば0V)の入力に対してはハ
イレベル(例えば3V)に反転した信号を出力する特性
を有する。
【0029】上記インバータI11,I12,…I42
の数や配置については、様々なバリエーションがありえ
るが、この実施例では、各信号伝送路L1,L2,L
3,L4…上にそれぞれ同数(例えば2個)のインバー
タIi1,Ii2を設けている。一つの伝送路上に複数
のインバータを設けることで、長距離伝送系のバスライ
ンにおいてはインバータの遅延時間があったとしてもそ
の駆動力で信号のなまりによる遅延を補償して信号を高
速で伝達させることが可能となる。更に、各信号伝送路
L1,L2,L3,L4…に設けられるインバータI1
1,I12,…I42を同数にすることで、インバータ
I11,I12,…I42による信号ディレイの影響を
各信号伝送路L1,L2,L3,L4…に均等に及ぼ
し、このディレイによる誤動作を回避することが出来
る。
【0030】しかも、この実施例においては、これらイ
ンバータI11,I12,…I42は、各信号伝送路L
1,L2,L3,L4毎に信号の伝送方向に交互にずれ
て配置され、隣り合う一対の信号伝送路(L1,L
2),(L2,L3),(L3,L4)に注目したとき
に、一方の信号伝送路の連続する2個のインバータの真
中に、他方の信号伝送路の1個のインバータが位置する
ように配置されている。
【0031】次に、上記バスラインの作用について説明
する。
【0032】ここでは、バスラインの一部分である信号
伝送路L1,L2の所定区間sec1における作用につ
いて詳細に説明する。この区間sec1は信号伝送路L
1の連続する2個のインバータI11,I12に挟まれ
た区間であり、この区間の信号伝送路L1においては信
号が反転することなくそのまま伝送される。一方、信号
伝送路L2ではこの区間sec1の中央にインバータI
21が設けられている。
【0033】これら信号伝送路L1,L2に信号伝送が
行われた場合、一方の信号伝送路L2から他方の信号伝
送路L1に対してクロストークX1、X2が及ぼされ
る。
【0034】これらのクロストークX1,X2は、区間
sec1内の信号線M21,M22から信号線M12の
2つの区間sec11,sec12に対してそれぞれ及
ぼされるものである。そして、区間sec1内の信号線
M21,M22の長さはそれぞれ同一である。ここで、
上記インバータI21は、出力のハイレベル信号とロー
レベル信号の中間の電位(例えば1.5V)を中心に波
形がほぼ対称な信号を出力する回路とみることが出来
る。そのため、これらクロストークX1,X2はほぼ同
じ大きさで正負の極性が異なるものとなる。従って、こ
れら反対極性の2つのクロストークX1,X2が、1本
の信号線M12に対して作用することで、互いのクロス
トークX1,X2が合成されて相殺される。
【0035】このようなクロストークの相殺は、バスラ
イン上の他の個所についても同様に生じる。例えば、信
号伝送路L1,L2と区間sec2に注目すれば、信号
伝送路L1から他方の信号伝送路L2に及ぼされる極性
の異なる2つのクロストークW3、W4が一本の信号線
M22で合成されて互いに相殺される。その他、区間s
ec4に注目すれば、信号伝送路L1から他方の信号伝
送路L2に及ぼされる極性の異なる2つのクロストーク
W1、W2が一本の信号線M21で合成されて互いに相
殺される。同様に、隣り合う一対の信号伝送路(L1,
L2),(L2,L3),(L3,L4)…の全ての組
についても、それぞれの区間sec1〜sec4におい
て同様にクロストークの相殺が行われる。
【0036】つまり、バスライン上の各インバータI1
1,I12,…I42の前後の信号から、極性の異なる
2つのクロストークが隣り合う信号線にそれぞれ及ぼさ
れ、1つの信号線においてこれら2つのクロストークが
互いに相殺されて総合的なクロストーク量を低減する。
【0037】以上のように、この実施の形態の半導体集
積回路装置のバスラインによれば、差動信号を送信する
信号線やシールド線を使用することなく、複数の信号伝
送路L1,L2,L3,L4…間でクロストークの低減
を図れるので、多数の信号を伝送する場合でも信号伝送
路L1,L2,L3,L4…の間隔を広くする必要がな
く、伝送路全体の横幅を狭くすることが出来る。また、
各信号線M11〜M13,M21〜M23,M31〜M
33,M41〜M43…はインバータI11,I12,
…I42の前後に単純な経路(例えば直線状の経路)で
設ければ良いので、先願のツイストペア線を設ける方式
に比べて配線の設計が簡単である。また、インバータI
11,I12,…I42を構成する素子は、半導体チッ
プの表面下に形成され、その上方に各信号伝送路L1,
L2,L3,L4…を配設できるので、信号伝送路L
1,L2,L3,L4…の横幅をインバータI11,I
12,…I42がない場合よりも広くする必要はない。
【0038】また、インバータI11,I12,…I4
2は信号をほぼ同じ大きさで反転する回路であり、更
に、インバータI11,I12,…I42は、隣り合う
信号伝送路上の連続する2個のインバータのほぼ中央に
位置するように配置されているので、一方に片寄って配
置される場合に比べてクロストークをより完全に相殺さ
せてゼロに近づけることが出来る。
【0039】また、インバータI11,I12,…I4
2を、一定の間隔で設けているので、各インバータI1
1,I12,…I42の負荷は信号伝送方向に沿って等
しくなり、そのため同一特性(同じ大きさ)のインバー
タI11,I12,…I42を並べてやればよく、間隔
に応じてインバータI11,I12,…I42の特性を
変えてやる必要がなく、設計が容易になる。
【0040】[第2実施例]図2は、本発明を適用して
好適なバスラインの第2実施例を示す構成図である。
【0041】この実施例は、信号伝送路1つおきに1個
のインバータを配置したもので、最も単純な構成で本発
明の目的を達成する実施例である。
【0042】この実施例のバスラインでは、複数の信号
伝送路L11,L12,L13,L14…のうち1本お
き、すなわち偶数番目の伝送路L12,L14,…にイ
ンバータI51,I52が設けられ、更に、これらイン
バータI51,I52が各信号伝送路L12,L14の
略中央の位置に配置されている。
【0043】このようにインバータI51,I52を伝
送路1つおきに設けても、信号伝送路L11の全域に亘
る区間sec8に注目すると、第1実施例と同様に、一
方の信号伝送路L12から他方の信号伝送路L11に作
用する正負の極性の異なる2つのクロストークX71,
X72が、信号線M71上で合成されて互いに相殺され
る。
【0044】また、信号伝送路L11から一方の信号伝
送路L12にもクロストークW71,W72が及ぼされ
るが、これらのクロストークW71,W72についても
相殺が行われて、信号の伝播時間のばらつきを低減する
ことが出来る。
【0045】クロストークW71,W72は、信号線M
71の2つの区間sec81,sec82から信号線M
81,M82に対してそれぞれ及ぼされるものである。
そして、信号線M81に伝送される信号は2つの区間s
ec71,sec72において同一の極性であり、且
つ、区間sec71,sec72の長さが略同一である
ため、これらクロストークW71,W72はほぼ同等の
大きさとなる。
【0046】そして、これら同一極性のクロストークW
71,W72が、伝送される信号が互いに逆相である信
号線M81,M82のそれぞれに対して作用する。
【0047】図3(a),(b)には、信号伝送路L1
1,L12に伝送される信号の波形の一例を示す。同図
(a)は区間sec81における信号伝送路L11から
他方の信号伝送路L12へのクロストークW71の影響
を、また、(b)は区間sec81における信号伝送路
L11から他方の信号伝送路L12へのクロストークW
72の影響を示している。
【0048】例えば、図3(a),(b)に示すよう
に、信号線M71と信号線M81に同時にローレベルか
らハイレベルに立ち上る信号が出力された場合、先ず、
信号線M81を伝播する信号はクロストークW71の影
響により立ち上りが増速される。図3(a)において、
2点鎖線はクロストークW71の影響がない場合の波形
を、実線はクロストークW71の影響があった場合の波
形を示している。
【0049】一方、信号線M82を伝播する信号は、図
3(b)に示すように、クロストークW72の影響によ
り信号の立ち上りが遅延(減速)される。
【0050】上記のクロストークW71,W72はほぼ
同一の大きさであり、信号線M81,M82に伝送され
る信号への作用は大きさが等しく方向が反対であるの
で、区間sec81での加速量と、区間sec82での
減速量はほぼ同等になる。これによって、信号伝送路L
12上を伝送される信号への伝送路L11からのクロス
トークの影響は相殺され、信号の伝播時間を安定させ
る。なお、伝送路L12においては、インバータI51
を入れたことでゲート遅延分だけ信号が遅延するが、長
距離伝送系の場合、インバータ1個の遅延は伝送路のイ
ンピーダンス成分による信号の遅延に比べて小さいので
無視することが出来る。
【0051】信号伝送路L11の信号と信号伝送路L1
2の信号が逆方向へ変化する場合には、インバータの入
力側ではクロストークにより信号伝送路L12の信号が
減速されるが、出力側では加速されるため伝播時間は安
定する。
【0052】信号伝送路L11の信号が変化し信号伝送
路L12の信号が変化しない場合は、信号線M81の信
号はクロストークでレベルが変化するが、それがインバ
ータの閾値を越えなければインバータで吸収される。信
号線M82の信号もクロストークでレベルが変化する
が、受信側アンプRAの入力閾値を越えなければ影響は
ない。従って、第2実施例は第1実施例よりも短い中距
離の伝送系に適している。
【0053】[第3実施例]図4は、図2の実施例のバ
スラインにシールド配線を組み合わせた実施例を示す図
である。
【0054】この実施例においては、各信号伝送路L1
1〜L14…の間および外側にグランド電位に接続され
たシールド配線SL1〜SL5を配したものである。シ
ールド配線SL1〜SL5には、グランド電位の代りに
電源電圧Vccを接続してもよい。なお、この実施例
は、第2実施例のバスラインにシールド配線を組み合わ
せた一例であるが、シールド配線は第1実施例および次
の第4、第5の実施例の信号伝送路に組み合わせること
が可能である。
【0055】この実施例によれば、本発明に、シールド
配線の作用も合わさって更にクロストークの低減を図る
ことが出来る。
【0056】[第4実施例]図5は、本発明を適用して
好適な一方向バスラインの変形例を説明する構成図であ
る。
【0057】この実施例は、インバータを不規則な間隔
に配置した例である。一対の信号伝送路L21,L22
の内、一方の信号伝送路L21においてはインバータを
不規則な間隔で配置する一方、他方の信号伝送路L22
においては各インバータを上記信号伝送路L21の連続
する2個のインバータに対応させて、その中央に位置す
るように配置している。
【0058】このように配置した場合でも、それぞれの
区間sec5〜sec7に注目すると、第1実施例と同
様に、一方の信号伝送路L21から他方の信号伝送路L
22に作用するクロストークX51〜X56が、区間s
ec5〜sec7内の前方側と後方側とで互いに相殺し
合ってその影響を低減させる。
【0059】また、信号伝送路L22から一方の信号伝
送路L21に作用するクロストークW51〜W56につ
いても、上記同様に区間sec5〜sec7内の前方側
と後方側とで互いに相殺し合ってその影響を低減する。
【0060】[第5実施例]図6は、本発明をハンドシ
ェイク方式の制御信号を伝送するバスラインに適用して
好適な実施例を示す構成図である。
【0061】この実施例は、一方向の信号伝送路をその
信号の伝送方向を交互に順方向と逆方向とに並べたバス
ラインであり、例えば、マイクロコンピュータと周辺デ
バイスとの間でハンドシェイク方式で制御信号を伝送す
るライン等に用いることが出来る。この場合において
も、インバータI…の個数や配置は適宜変更可能であ
る。
【0062】この実施例のバスラインは、順方向の信号
伝送路L31,L33…に伝送される信号と逆方向の信
号伝送路L32,L34…に伝送される信号の伝播方向
が異なっていることから、第1〜第4の実施例に示す一
方向バスラインに較べて効果は若干薄れるが、伝送信号
の低周波成分では第1の実施例と同様の作用が得られ
て、個々のクロストークW91,W92…,X91,X
92…の影響が互いに相殺され、総合的なクロストーク
の低減を図ることが出来る。
【0063】以上本発明者によってなされた発明を実施
例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変更可能であることはいうまでもない。
【0064】例えば、上記第1〜第5の実施例では伝送
路の途中にデジタル信号用のインバータを設けたが、周
波数帯の広い入力信号に対して「−1」倍して出力する
アナログ反転アンプを設けることで、アナログ信号の伝
送系にも利用することが出来る。また、本発明はバスラ
インに限られず、複数の信号を1対1伝送する信号伝送
路に適用しても良いことはいうまでもない。
【0065】また、上記第1〜第5の実施例では、イン
バータI…を所定区間(例えば区間sec1〜sec1
0など)の中央に配置した例を示したが、配線特性がイ
ンバータI…の前後で異なったり、インバータI…が入
力信号と大きさの異なる出力信号を出力するなどの場合
は、上記実施例で示した位置より前後にずらしてインバ
ータI…を配置することで、クロストークの影響を最小
にすることが可能となる。
【0066】また、インバータによる信号の遅延が無視
できるほど僅かであれば、隣り合う一対の信号伝送路の
うち、一方の信号伝送路のみに複数のインバータを設
け、他方の信号伝送路にインバータを設けないように構
成しても、同様の作用効果を得ることが出来る。
【0067】その他、信号線の構成やインバータの特性
など、この実施の形態で具体的に示した細部は適宜変更
可能である。
【0068】以上の説明では主として本発明者によって
なされた発明をその背景となった利用分野である半導体
集積回路装置について説明したがこの発明はそれに限定
されるものでなく、例えば半導体以外の基板上に設ける
信号伝送系やケーブルを用いた信号伝送系などにも広く
利用することができる。
【0069】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記
のとおりである。
【0070】すなわち、本発明に従うと、複数の信号伝
送路間のクロストークを低減することが出来る。それゆ
え、各信号伝送路の間隔を狭くすることができるととも
に、差動信号を伝送する信号線やシールド線が不要であ
るため信号伝送路全体の横幅を小さくすることができ、
延いてはチップサイズを小さくすることが出来るという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用して好適な半導体集積回路装置の
一方向バスラインの実施例を示す概略構成図である。
【図2】本発明を適用して好適な一方向バスラインの第
2実施例を説明する構成図である。
【図3】図2のバスラインに伝送される各ポイントでの
信号の一例を示す波形図である。
【図4】図2のバスラインにシールド配線を組み合わせ
た構成を示す図である。
【図5】本発明を適用して好適な一方向バスラインの変
形例を示す構成図である。
【図6】本発明を適用して好適なハンドシェイク通信の
制御信号を伝送するバスラインの実施例を示す構成図で
ある。
【図7】ツイスト配線を応用してクロストーク低減を図
る従来の半導体集積回路装置のバスラインの実施例を示
す構成図である。
【符号の説明】
L1〜L34 信号伝送路 I11〜I52 インバータ M11〜M82 信号線 sec1〜sec7 信号を連続した信号線により伝送
する1区間 W1〜W4,X1〜X4 クロストーク W51〜W56,X51〜X56 クロストーク W71,W72,X71,X72 クロストーク W91〜W93,X91〜X93 クロストーク SL1〜SL5 シールド配線

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隣接して配設された少なくとも2本の信
    号伝送路を有する信号伝送装置において、 隣り合う一対の信号伝送路の内、一方の第1信号伝送路
    において任意の信号を連続した信号線で伝送する1区間
    に着目したときに、この区間に対応する他方の第2信号
    伝送路には信号を反転して伝えるインバータ手段が設け
    られ、上記第2信号伝送路から第1信号伝送路に及ぼさ
    れるクロストークの影響が、上記インバータ手段よりも
    前方の部分の信号から及ぼされるクロストークと、上記
    インバータ手段よりも後方の部分の反転信号から及ぼさ
    れるクロストークとの相殺により、低減されるように構
    成されてなることを特徴とする信号伝送装置。
  2. 【請求項2】 上記信号伝送路のそれぞれに上記インバ
    ータ手段が設けられると共に、上記第1信号伝送路上で
    連続した2個のインバータ手段に挟まれた区間に着目し
    たときに、この区間に対応する第2信号伝送路の1区間
    に1個のインバータ手段が設けられるように、第1信号
    伝送路のインバータ手段と第2信号伝送路のインバータ
    手段とが信号伝送路方向に沿って交互に配置をずらして
    設けられていることを特徴とする請求項1記載の信号伝
    送装置。
  3. 【請求項3】 隣り合う一方の信号伝送路のインバータ
    手段は、他方の信号伝送路上で連続した2個のインバー
    タ手段間の信号線のほぼ中央に対応する位置に設けられ
    ていることを特徴とする請求項2記載の信号伝送装置。
  4. 【請求項4】 1本の信号伝送路上に設けられる複数の
    インバータ手段は、所定間隔ごとに設けられていること
    を特徴とする請求項2又は3に記載の信号伝送装置。
  5. 【請求項5】 各信号伝送路の間にクロストーク除去用
    のシールド配線が設けられていることを特徴とする請求
    項1〜4の何れかに記載の信号伝送装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れかに記載の信号伝送
    装置により半導体基板上に設けられた複数の回路間の信
    号の伝送が行われるように構成されていることを特徴と
    する半導体集積回路装置。
JP11216772A 1999-07-30 1999-07-30 信号伝送装置および半導体集積回路装置 Pending JP2001044372A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11216772A JP2001044372A (ja) 1999-07-30 1999-07-30 信号伝送装置および半導体集積回路装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11216772A JP2001044372A (ja) 1999-07-30 1999-07-30 信号伝送装置および半導体集積回路装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001044372A true JP2001044372A (ja) 2001-02-16

Family

ID=16693665

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11216772A Pending JP2001044372A (ja) 1999-07-30 1999-07-30 信号伝送装置および半導体集積回路装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001044372A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009531787A (ja) * 2006-03-27 2009-09-03 インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション ネット間の相関結合を低減させる方法
US7606003B2 (en) 2005-11-24 2009-10-20 Fujitsu Limited Electrical device for interconnecting magnetic head and driving circuit which uses adjusted length wires of opposite polarity to reduce crosstalk and storage apparatus including same
US8797096B2 (en) 2011-12-09 2014-08-05 International Business Machines Corporation Crosstalk compensation for high speed, reduced swing circuits

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7606003B2 (en) 2005-11-24 2009-10-20 Fujitsu Limited Electrical device for interconnecting magnetic head and driving circuit which uses adjusted length wires of opposite polarity to reduce crosstalk and storage apparatus including same
JP2009531787A (ja) * 2006-03-27 2009-09-03 インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション ネット間の相関結合を低減させる方法
US8797096B2 (en) 2011-12-09 2014-08-05 International Business Machines Corporation Crosstalk compensation for high speed, reduced swing circuits

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5994946A (en) Alternating inverters for capacitive coupling reduction in transmission lines
US5898677A (en) Integrated circuit device having a switched routing network
US6496886B1 (en) Directional coupling bus system using printed board
KR19990066886A (ko) 차동 신호 전송 회로
JP3026387B2 (ja) 半導体集積回路
US6040724A (en) Bus driver circuit having adjustable rise and fall times
US6657460B2 (en) Spatially filtered data bus drivers and receivers and method of operating same
US9231791B2 (en) Differential transmission circuit
JP2001044372A (ja) 信号伝送装置および半導体集積回路装置
JP4451776B2 (ja) 等振幅方向性結合式バスシステム
US6456137B1 (en) Semiconductor circuit, delay adjustment method therefor and layout method therefor
US6441638B2 (en) Bus system and circuit board
KR100338779B1 (ko) 버스라인들 간의 스큐를 방지하기 위한 메모리 모듈
EP0181600A2 (en) Signal transmission circuit in a semiconductor integrated circuit
US3601716A (en) Stripline directional coupling device
KR20020008740A (ko) 쉴드 회로 및 집적 회로
US6124744A (en) Electronic circuit apparatus having circuits for effectively compensating for clock skew
US4639620A (en) Parallel-series converter
JP2606093B2 (ja) 信号配線回路
JP4272149B2 (ja) 方向性結合器を用いたデータ転送方式
KR20010095057A (ko) 크로스토크 캔슬 회로, 배선 모듈 및 자동 배선 장치의 배선 방법
JPH0582646A (ja) クロストークノイズ防止機能を備えた半導体回路
JP2000049575A (ja) インタフェース回路
JPH04233014A (ja) コンピュータ・システム
JP3111277B2 (ja) サーマルヘッド駆動用ic