JP2001044054A - 信号及び電源伝送装置並びにロータリージョイント並びに信号伝送基板 - Google Patents

信号及び電源伝送装置並びにロータリージョイント並びに信号伝送基板

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JP2001044054A
JP2001044054A JP11215762A JP21576299A JP2001044054A JP 2001044054 A JP2001044054 A JP 2001044054A JP 11215762 A JP11215762 A JP 11215762A JP 21576299 A JP21576299 A JP 21576299A JP 2001044054 A JP2001044054 A JP 2001044054A
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明 森下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘導起電力に基づく電流の発生を防止しつ
つ、効率の良い電源伝送及び信号伝送が可能な信号及び
電源伝送装置を提供すること。 【解決手段】 分割型フェライトコア50を円環状に配
置して支持板15a(15b)に取り付け、フェライト
コア50の凹部には空芯コイル(図示せず)を巻き付け
る。空芯コイルを覆うように信号伝送基板13(14)
を前記フェライトコア50の凹部に取り付ける。信号伝
送基板13(14)は円環形状プリント基板に信号伝送
パターン61と接地パターン62を形成し、各パターン
は複数箇所に設けた長さdの間隙部により複数個に分割
する。分割されたパターン間にはチップコンデンサ(図
示せず)を接続する。分割されたパターンのぞれぞれに
給電点63を1つ設け同軸ケーブル(図示せず)の給電
線(図示せず)と接続する。以上のユニットを互いの信
号伝送基板が所定間隔を有するように対向配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、信号と電源を非接
触で伝送する信号及び電源伝送装置、及びこの電源伝送
装置を備えたロータリージョイントの技術分野に属する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、回転体に対して電源を供給す
るために、静止側のブラシを回転側のリングに接触させ
た構成のスリップリングが用いられている。
【0003】しかし、このスリップリングはブラシのリ
ングに対する摩擦抵抗が大きいために、回転体を高速に
回転させる際の妨げとなり、また、ブラシとリングの接
触部が摩耗するために、ブラシまたはリングを定期的に
交換する必要があった。
【0004】そこで、このような問題を解決するため
に、電磁誘導を利用して非接触で電源の伝送を行う方法
が考えられた。この方法によれば、摩擦抵抗の問題、あ
るいは接触部の摩耗の問題がなく、回転体に対して電源
を良好に供給可能となる。
【0005】また、電源だけでなく、制御信号あるいは
センサーの出力信号等を、回転側と静止側との間で伝送
する方式についても、従来から様々なものが実用化され
ている。例えば、高周波回路のプリント基板等において
高周波信号の伝送線路として用いられるマイクロストリ
ップラインによりアンテナを構成し、このマイクロスト
リップアンテナを高周波信号の非接触の伝送線路として
用いる装置が実用化されている。この装置によれば、高
周波信号を用いることにより、多くの情報を高速に伝送
することができる。
【0006】さらに、前記電源の伝送部と信号の伝送部
とを一つの筐体内に収納し、前記電源の伝送と信号の伝
送とを同時に行う装置が実用化されている。このような
装置は、例えば印刷機等のように、ソレノイドのオン・
オフ用の電源と、モーターのスイッチング等に用いる制
御系の信号とを必要する機器に用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の装置によれば、電源の伝送のために用いられる磁束
の影響を、前記マイクロストリップアンテナにおける円
板状またはリング状のマイクロストリップラインが受け
ると、当該円板状またはリング状のマイクロストリップ
ラインに、誘導起電力に基づく電流が流れる。このよう
な場合には磁束の損失が生じることになり、電源及び信
号の伝送を行うことができなくなってしまうという問題
があった。また、電流による熱の発生のために、マイク
ロストリップラインが設けられたプリント基板が変形、
破損してしまうという問題があった。
【0008】従って、従来の装置においては、前記電源
の伝送のために用いられる磁束の影響を受けない位置に
前記マイクロストリップアンテナを配置せざるを得ず、
装置が大型化してしまうという問題があった。
【0009】そこで、本発明は、前記問題点を解決し、
マイクロストリップラインにおける誘導起電力に基づく
電流の発生を防止しつつ、効率の良い電源伝送及び信号
伝送が可能で、且つ装置の大型化を防ぐことのできる信
号及び電源伝送装置、及びこの装置を備えたロータリー
ジョイントを提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の信号及び
電源伝送装置は、前記課題を解決するために、空芯コイ
ルを収納するための凹部が循環経路を形成するフェライ
トコアと、前記凹部にて前記循環経路を辿るように巻か
れて収納された空芯コイルと、前記空芯コイルを覆うよ
うに設けられ、接地パターンと信号伝送パターンが形成
された信号伝送基板と、をそれぞれ備えた一対のフェラ
イトコアコイルユニットが、互いの前記信号伝送基板を
非接触状態とするように対向配置され、前記接地パター
ンと信号伝送パターンは、それぞれ少なくとも一箇所
に、前記空芯コイルの磁束変化による誘導起電力に基づ
く電流の、前記パターン上における伝達経路、または前
記パターンに接続される給電線と前記パターンとにより
形成される伝達経路を切断する間隙が形成されており、
当該間隙を介して隣接するパターン同士は、コンデンサ
により結合されていることを特徴とする。
【0011】請求項1記載の信号及び電源伝送装置によ
れば、一次側のフェライトコアの凹部に収納された空芯
コイルにパルス状の電流を流すことにより、この電流に
応じて変化する磁束が発生し、殆どの磁束は、フェライ
トコアの内部を通ることになる。また、この一次側の空
芯コイルの収納されたフェライトコアには、所定の間隙
を有して二次側の空芯コイルを凹部に収納したフェライ
トコアが対向しているため、前記一次側のフェライトコ
アの内部を通って発生する磁束は、二次側のフェライト
コアの内部を通る。従って、一次側で発生し変化する磁
束は、二次側の凹部内に収納された空芯コイルを貫き、
この二次側の空芯コイルには磁束の変化を妨げようとす
る誘導起電力が生じる。このように、本発明によれば、
殆どの磁束は一次側と二次側のフェライトコアの内部を
通るので、磁束の漏洩が殆ど無い状態で効率良く一次側
から二次側への非接触での電源の伝送が行われる。
【0012】一方、空芯コイルを覆うように設けられ接
地パターンと信号伝送パターンが形成された信号伝送基
板における特性インピーダンスは、信号伝送パターンの
パターン幅、及び信号伝送パターンと接地パターンとの
間隔等により決定される。従って、互いに対向配置する
信号伝送基板として、これらのパターン幅及び間隔等が
等しいものを用いることにより、インピーダンス整合さ
れた状態で、一方の信号伝送基板の信号伝送パターンか
ら、他方の信号伝送基板の信号伝送パターンへと、信号
の伝送が行われることになる。また、前記一方の信号伝
送基板の信号伝送パターンと、前記他方の信号伝送基板
の信号伝送パターンとからなる信号伝送経路は、所定の
間隔で対向配置されており、空気層を介して容量結合さ
れることになる。そして、この容量は、信号伝送基板の
比誘電率、信号伝送基板間の対向配置間隔、及び信号伝
送パターンの幅と長さによって決定される。従って、こ
の容量を所定の値に設定することにより、所望の周波数
の信号を伝送することができる。
【0013】但し、このような信号の伝送を行うための
信号伝送基板は、上述したように電源の伝送を行う空芯
コイルを覆うように設けられているので、空芯コイルの
周りの磁束が、信号伝送基板上の信号伝送パターン及び
接地パターンを横切ることにより、当該信号伝送パター
ン及び接地パターンには、誘導起電力に基づく電流が流
れることになる。
【0014】しかしながら、本発明においては、前記接
地パターンと信号伝送パターンは、それぞれ少なくとも
一箇所に、前記電流の、前記パターン上における伝達経
路、または前記パターンに接続される給電線と前記パタ
ーンとにより形成される伝達経路前記電流の流路を切断
するように、間隙が形成されているので、前記電流の発
生を確実に抑える。
【0015】しかも、前記間隙を介して隣接するパター
ン同士は、コンデンサにより結合されているので、信号
伝送パターンに供給される所定周波数の信号の伝送が妨
げられることがない。
【0016】以上のように、本発明によれば、空芯コイ
ル上に信号伝送基板を配置した場合でも、電源の伝送と
信号の伝送の双方が良好に行われることになる。
【0017】請求項2記載の信号及び電源伝送装置は、
前記課題を解決するために、請求項1記載の信号及び電
源伝送装置において、前記信号伝送基板は、前記フェラ
イトコアの凹部に収納可能な中抜き形状の基板であるこ
とを特徴とする。
【0018】請求項2記載の信号及び電源伝送装置によ
れば、中抜き形状の信号伝送基板を、フェライトコアの
凹部に収納することにより、信号伝送基板を、当該凹部
に収納された空芯コイルの押さえ部材として機能させる
ことができる。また、空芯コイルの前記凹部底面からの
高さは、この信号伝送基板により一定に保たれることに
なるため、対向する空芯コイル間の間隙は、空芯コイル
の循環経路の何れにおいても均等になり、安定した電源
の伝送が行われることになる。更に、本発明の信号及び
電源伝送装置を非回転の構成とする場合には、前記信号
伝送基板を前記フェライトコアの凹部に設けることによ
り、対向するフェライトコア同士を密着させることがで
き、磁束の洩れをより一層減少させて、より一層効率の
良い電源伝送及び信号伝送が行われることになる。
【0019】請求項3記載の信号及び電源伝送装置は、
前記課題を解決するために、請求項1記載の信号及び電
源伝送装置において、前記フェライトコアの凹部は、リ
ング形状の循環経路を形成しており、前記信号伝送基板
は、前記フェライトコアの凹部に収納可能なリング形状
の基板であり、前記接地パターンと信号伝送パターン
は、それぞれ前記間隔を介してリング形状に配置される
円弧形状のパターンであると共に、前記接地パターンを
外側とし、前記信号伝送パターンを内側とする、二重リ
ング状構造を有していることを特徴とする。
【0020】請求項3記載の信号及び電源伝送装置によ
れば、フェライトコアの凹部は、リング形状の循環経路
を形成しているので、空芯コイルは、このリング形状の
循環経路に沿って、リング形状に巻かれて収納される。
そして、前記リング形状の凹部には、同じくリング形状
の信号伝送基板が収納され、当該信号伝送基板上には、
リング形状に配置される円弧形状の信号伝送パターン及
び接地パターンが形成されている。従って、対向配置さ
れることになる空芯コイル、信号伝送パターン及び接地
パターンの何れもがリング形状であるため、これらが相
対的に回転したとしても、これらは常に対向することに
なる。つまり、本発明によれば、静止側と回転側との間
においても安定して電源の伝送と信号の伝送が行われる
ことになる。しかも、前記接地パターンと信号伝送パタ
ーンは、円弧形状のパターンであり、上述した磁束の影
響による電流の流路を切断する間隙が設けられているの
で、当該電流を発生させ、電源の伝送によって信号の伝
送を妨げることがない。また、各円弧形状のパターン間
は、コンデンサにより結合されているので、所定周波数
の信号伝送は良好に行われることになる。更に、前記接
地パターンと信号伝送パターンは、前記接地パターンを
外側とし、前記信号伝送パターンを内側とする、二重リ
ング状構造を有していおり、一般的に高周波信号の伝送
路として用いられる同軸ケーブルを輪切りにした構造と
なっている。また、互いに対向する接地パターン同士、
及び信号伝送パターン同士は、空気層を介して容量結合
された構成となっているので、結局、本発明の信号伝送
経路は、同軸ケーブル内の信号伝送路を容量結合したも
のと等価である。その結果、本発明においては、アンテ
ナによる特定帯域の信号伝送ではなく、同軸ケーブルの
ような広帯域の信号伝送が行われることになる。
【0021】請求項4記載の信号及び電源伝送装置は、
前記課題を解決するために、請求項1ないし3のいずれ
か1記載の信号及び電源伝送装置において、接地パター
ンと信号伝送パターン上には、複数の給電点が設けられ
ており、前記間隙は、少なくとも各給電点の間の位置に
形成されていることを特徴とする。
【0022】請求項4記載の信号及び電源伝送装置によ
れば、接地パターンと信号伝送パターン上には、複数の
給電点が設けられているので、信号伝送の際の指向性が
単一となることを防ぐことができ、静止側と回転側との
間においても安定して電源の伝送と信号の伝送が行われ
ることになる。また、信号伝送パターンと接地パターン
のそれぞれに形成される前記間隙は、少なくとも各給電
点の間の位置に形成されているので、磁束の影響による
電流の流路を、各パターンと給電線からなる経路におい
ても確実に切断し、前記電流の発生を確実に抑える。
【0023】請求項5記載の信号及び電源伝送装置は、
前記課題を解決するために、請求項4に記載の信号及び
電源伝送装置において、一方の信号伝送基板における給
電点の個数をNとすると、当該信号伝送基板と対向する
他方の信号伝送基板における給電点の個数はN−1に設
定されていることを特徴とする。
【0024】請求項5記載の信号及び電源伝送装置によ
れば、一方の信号伝送基板においてはN個の給電点を設
けた場合には、当該信号伝送基板と対向する他方の信号
伝送基板においては、N−1個の給電点を設ける。従っ
て、これらの信号伝送基板を相対的に回転させた場合で
あっても、互いの回転状態によることなく、対向する信
号伝送基板同士の給電点が全ての点において重なること
がない。その結果、信号伝送特性上のレベルが局所的に
落ち込むディップ点を無くし、安定した信号伝送が行わ
れることになる。
【0025】請求項6記載の信号及び電源伝送装置は、
前記課題を解決するために、請求項1ないし5のいずれ
か1記載の信号及び電源伝送装置において、前記フェラ
イトコアは、溝状のコイル収容部が形成されたポット型
フェライトコアであることを特徴とする。
【0026】請求項6記載の信号及び電源伝送装置によ
れば、ポット型フェライトコアの溝状のコイル収容部
に、空芯コイルを収容すると共に、当該空芯コイルを覆
うように、前記信号伝送パターン及び接地パターンが形
成された信号伝送基板を設けるので、小型で安定した信
号の伝送と電源の伝送を行う装置が提供されることにな
る。
【0027】請求項7に記載の信号及び電源伝送装置
は、前記課題を解決するために、請求項1ないし5のい
ずれか1記載の信号及び電源伝送装置において、前記フ
ェライトコアは、一端面から他端面までを貫通する凹部
が形成された複数の分割型フェライトコアからなり、当
該複数の分割型フェライトコアを、前記凹部により形成
される循環経路がリング形状となるように支持部材に取
り付けたことを特徴とする。
【0028】請求項7に記載の信号及び電源伝送装置に
よれば、複数の分割型フェライトコアにより、空芯コイ
ルを収納するフェライトコアを構成するので、空芯コイ
ルの循環経路の大型化を容易に行うことができる。従っ
て、中央部分に液体または気体の供給路を設け、その周
囲において電源の伝送と信号の伝送を行う必要がある場
合でも、専用のフェライトコアを製造することなく、低
コストで信号及び電源伝送装置を実現できる。
【0029】請求項8記載の信号及び電源伝送装置は、
前記課題を解決するために、請求項7記載の信号及び電
源伝送装置において、前記支持部材の表面から、前記分
割型フェライトコアの前記凹部が形成された表面壁まで
の高さは略一定であることを特徴とする。
【0030】請求項8記載の信号及び電源伝送装置によ
れば、前記分割型フェライトコア群の表面の前記支持部
材の表面に対する高さが略一定なので、分割型フェライ
トコア群を所定の間隙を有して対向させた場合には、当
該間隙は環状に配置された分割型フェライトコア群の到
る所で所定の値に保たれ、電源伝送の特性にばらつきを
生じさせない。また、前記間隙は、互いの分割型フェラ
イトコア群を相対的に回転させても、到る所で所定の値
に保たれるので、前記所定の間隙の微小化が可能であ
る。従って、電源伝送の効率を向上させる。
【0031】請求項9記載の信号及び電源伝送装置は、
前記課題を解決するために、請求項7または8記載の信
号及び電源伝送装置において、前記支持部材は非磁性の
部材から形成されていることを特徴とする。
【0032】請求項9記載の信号及び電源伝送装置によ
れば、前記フェライトコアコイルユニットを支持する支
持部材が非磁性の部材から形成されているので、磁束が
支持部材を通ることがなく、磁束の変化による発熱を確
実に防ぐ。
【0033】請求項10記載の信号及び電源伝送装置
は、前記課題を解決するために、請求項7ないし9のい
ずれか1記載の信号及び電源伝送装置において、前記分
割型フェライトコアは、半円筒形状のフェライトコアで
あることを特徴とする。
【0034】請求項10記載の信号及び電源伝送装置に
よれば、半円筒形状の分割型フェライトコアにより、前
記分割型フェライトコア群が形成されるので、各分割型
フェライトコアは容易に環状または連鎖状に配置され、
大径の分割型フェライトコア群が形成される。
【0035】請求項11記載の信号及び電源伝送装置
は、前記課題を解決するために、請求項7ないし9のい
ずれか1記載の信号及び電源伝送装置において、前記分
割型フェライトコアは、U字形状のフェライトコアであ
ることを特徴とする。
【0036】請求項11記載の信号及び電源伝送装置に
よれば、U字形状の分割型フェライトコアにより、前記
分割型フェライトコア群が形成されるので、各分割型フ
ェライトコアは容易に環状または連鎖状に配置され、大
径の分割型フェライトコア群が形成される。
【0037】請求項12記載の信号電源伝送装置は、前
記課題を解決するために、請求項7ないし9のいずれか
1記載の信号及び電源伝送装置において、前記分割型フ
ェライトコアは、E字形状のフェライトコアであること
を特徴とする。
【0038】請求項12記載の信号及び電源伝送装置に
よれば、E字形状の分割型フェライトコアにより、前記
分割型フェライトコア群が形成されるので、各分割型フ
ェライトコアは容易に環状または連鎖状に配置され、大
径の分割型フェライトコア群が形成される。
【0039】請求項13記載のロータリージョイント
は、前記課題を解決するために、中空軸に取り付けら
れ、あるいは中空軸と一体に形成された第1のハウジン
グ部材と、前記第1のハウジング部材に軸受けにより回
転可能に取り付けられた第2のハウジング部材とを備
え、請求項1ないし12のいずれか1項記載の記載の信
号及び電源伝送装置における前記一対のフェライトコア
コイルユニットの一方を前記第1のハウジング部材に設
け、他方を前記第2のハウジング部材に設け、互いの前
記信号伝送基板が同軸上で所定の間隙を有するように対
向させたことを特徴とする。
【0040】請求項13記載のロータリージョイントに
よれば、第1のハウジング部材に形成されたフェライト
コアコイルユニットと、第2のハウジング部材に形成さ
れたフェライトコアコイルユニットとの間で、上述した
ように電源の伝送が行われ、互いに回転する第1のハウ
ジング部材と第2のハウジング部材の間においても、磁
束の漏洩が殆ど無い状態で効率良く非接触での電源の伝
送が行われる。また、第1のハウジング部材に形成され
たフェライトコアコイルユニットに設けた信号伝送基板
と、第2のハウジング部材に形成されたフェライトコア
コイルユニットに設けた信号伝送基板とを、同軸上で所
定の間隙を有するように対向させたので、これらの信号
伝送基板間で、上述したように信号の伝送が行われ、互
いに回転する第1のハウジング部材と第2のハウジング
部材の間においても、磁束による電流の影響を受けるこ
となく、安定して効率の良い非接触の信号伝送が行われ
る。更に、本発明ではフェライトコアコイルユニットに
おける空芯コイルを覆うように、信号伝送基板を設けた
構成となっているので、ロータリージョイントの回転軸
方向及び半径方向における余分なスペースを省略するこ
とができ、ロータリージョイントの小型化を図ることが
できる。
【0041】請求項14記載の信号伝送基板は、前記課
題を解決するために、接地パターンと信号伝送パターン
がプリント基板上に形成されたマイクロストリップアン
テナ型の信号伝送基板であって、前記接地パターンと信
号伝送パターンは、それぞれ少なくとも一箇所に間隙が
形成されており、前記接地パターンと信号伝送パターン
に対する給電点は、前記間隙に対応した一の連続したパ
ターン毎に設けられていることを特徴とする。
【0042】請求項14記載の信号伝送基板によれば、
マイクロストリップアンテナ型の信号伝送基板上に形成
された接地パターンと信号伝送パターンは、それぞれ少
なくとも一箇所に間隙が形成されているので、電磁誘導
の方式により電源等を伝送する装置と共に用いた場合で
も、前記パターン上に誘導起電力による循環電流を生じ
させることがない。また、前記接地パターンと信号伝送
パターンに対する給電点は、前記間隙に対応した一の連
続したパターン毎に設けられているいるので、各パター
ンに対する給電線とパターンとで形成される給電経路に
対しても、上述のような誘導起電力による循環電流を生
じさせることがない。
【0043】請求項15記載の信号伝送基板は、前記課
題を解決するために、請求項14記載の信号伝送基板に
おいて、前記接地パターンと信号伝送パターンは、円板
形状に形成されたパターンであることを特徴とする。
【0044】請求項15記載の信号伝送基板によれば、
前記接地パターンと信号伝送パターンを円板形状に形成
したので、直線形状のマイクロストリップアンテナに比
べて、信号伝送パターンの面積を広くとることができ、
伝送可能な信号の周波数帯域が広がる。また、このよう
な信号伝送基板を一対に設け、それぞれの円形形状の信
号伝送パターンの中心位置を合わせることにより、互い
の信号伝送基板を回転させた場合でも、常にに信号パタ
ーン同士を正確に対向させ、効率の良い信号伝送が行わ
れることになる。
【0045】請求項16記載の信号伝送基板は、前記課
題を解決するために、請求項14記載の信号伝送基板に
おいて、前記接地パターンと信号伝送パターンは、リン
グ形状に形成されたパターンであることを特徴とする。
【0046】請求項16記載の信号伝送基板によれば、
前記接地パターンと信号伝送パターンをリング形状に形
成したので、直線形状のマイクロストリップアンテナに
比べて、信号伝送パターンの面積を広くとることがで
き、伝送可能な信号の周波数帯域が広がる。また、この
ような信号伝送基板を一対に設け、それぞれのリング形
状の信号伝送パターンの中心位置を合わせることによ
り、互いの信号伝送基板を回転させた場合でも、常にに
信号パターン同士を正確に対向させ、効率の良い信号伝
送が行われることになる。
【0047】請求項17記載の信号伝送基板は、前記課
題を解決するために、請求項14ないし16のいずれか
1記載の信号伝送基板において、前記接地パターンは、
前記プリント基板の裏面にて一様に形成され、前記信号
伝送パターンは、前記プリント基板の表面にて前記所定
の形状に形成されていることを特徴とする。
【0048】請求項17記載の信号伝送基板によれば、
接地パターンを、プリント基板の裏面において一様に形
成し、信号伝送パターンを、プリント基板の表面におい
て前記所定の形状に形成したので、信号伝送パターンか
らの磁束は、プリント基板裏面側に回り込むが、前記複
数の給電点により単一方向への指向性を弱めて各方向へ
均一に発生する。従って、このような信号伝送基板を一
対に設け、それぞれのリング形状の信号伝送パターンの
中心位置を合わせることにより、互いの信号伝送基板を
回転させた場合でも、良好に信号の伝送が行われる。
【0049】請求項18記載の信号伝送基板は、前記課
題を解決するために、請求項14ないし16のいずれか
1記載の信号伝送基板において、前記信号伝送パターン
は、前記プリント基板の表面中央部にて前記所定の形状
に形成され、前記接地パターンは、前記プリント基板の
表面周辺部にて前記信号伝送パターンと所定の間隙を有
して形成されていることを特徴とする。
【0050】請求項18記載の信号伝送基板によれば、
信号伝送パターンを、プリント基板の表面中央部におい
て前記所定の形状に形成し、接地パターンを、プリント
基板の表面周辺部において信号伝送パターンと所定の間
隙を有して形成したので、信号伝送パターンからの磁束
のプリント基板裏面側への回り込みが無くなる。しか
も、前記複数の給電点により単一方向への指向性を弱め
て各方向へ均一に発生する。従って、このような信号伝
送基板を一対に設け、それぞれのリング形状の信号伝送
パターンの中心位置を合わせることにより、互いの信号
伝送基板を回転させた場合でも、効率良く信号の伝送が
行われる。
【0051】請求項19記載の信号伝送基板は、前記課
題を解決するために、請求項18記載の信号伝送基板に
おいて、前記信号伝送パターンと前記接地パターンは、
前記プリント基板の表面にて共にリング形状に形成され
た二重リング状のパターンであることを特徴とする。
【0052】請求項19記載の信号伝送基板によれば、
信号伝送パターンと接地パターンとを、プリント基板の
表面において二重リング状のパターンとして形成したの
で、一般的に高周波信号の伝送路として用いられる同軸
ケーブルを輪切りにした構造を実現できる。また、この
ような信号伝送基板を一対設け、対向させることによ
り、互いに対向する接地パターン同士、及び信号伝送パ
ターン同士を、空気層を介して容量結合させることがで
きるので、同軸ケーブル内の信号伝送路を容量結合した
ものと等価の信号伝送路を実現できる。その結果、アン
テナによる特定帯域の信号伝送ではなく、同軸ケーブル
のような広帯域の信号伝送が行われることになる。
【0053】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面に基づいて説明する。
【0054】(第1の実施形態)まず、本発明の第1の
実施形態を添付図面の図1乃至図25に基づいて説明す
る。図1は、本発明の第1の実施形態としての測定信号
及び電源伝送用ロータリージョイントが用いられる押し
出し型ラミネート加工機の概略構成を示す図である。
【0055】図1に示すように、本実施形態の押し出し
型ラミネート加工機には、基材としてのPETを供給す
るためのシート供給部20が設けられている。シート供
給部20から供給されるPET21は、搬送経路22を
介してラミネート加工部に至り、ラミネート加工部にお
いてTダイ23と対向するように構成されている。Tダ
イ23には、上部のホッパー24から、溶融されたポリ
エチレンが供給され、Tダイ23から供給されたポリエ
チレンは、PET21上に塗布される。そして、PET
21上に塗布されたポリエチレンは、直ちに冷却ロール
25にて冷却されてPET21上に固着する。このよう
なラミネート加工により2層に形成されたシートは、搬
送部26を介して巻き取り部27へ搬送され、巻き取り
部27において巻き取られる。
【0056】このようなラミネート加工機において良好
なラミネート加工を行うためには、冷却ロール25にお
ける表面温度を所定の適正温度に維持することが重要で
あり、次のような冷却用ロール25が用いられる。
【0057】図2は、本実施形態における冷却ロール2
5の概略構成を示す一部破断斜視図である。図2に示す
ように、ロール内部には、冷却水供給用の複数のパイプ
30が配置されており、また、これらのパイプ30とロ
ール表面31の中間には、作動液の蒸気相が設けられた
構成となっており、ロール表面端部の温度は中間部と比
較して5〜8℃低いだけである。例えば、ロール中間部
の表面温度が36℃ならば端部が29〜31℃となる。
従って、この温度を周囲の空気の露点以上となるように
設定することにより、この冷却ロール25による結露を
完全に防ぐことができる。なお、本実施形態では、この
冷却用ロール25の直径を600mm、長さを2000
mmとし、後述するロータリージョイントと連結される
回転軸の直径を15mmとした。また、冷却水温度は1
5℃とした。
【0058】更に、冷却ロール25の表面31は温度が
均一なだけでなく、鏡面加工されているため、ラミネー
ト加工するシートの透明度を全幅に亘って均一にしてい
る。
【0059】そして、この冷却ロール25においては、
表面温度を所定の適正温度に維持するために、図3
(A)に示すように、冷却ロール25の表面層に白金か
らなる測温抵抗体11を埋め込み、測定信号及び電源伝
送用ロータリージョイント1を用いて測温抵抗体11の
測定信号を回転側から静止側に伝送し、当該測定信号に
基づいて冷却水の流量を制御することにより、前記表面
温度を所望の一定温度に維持している。なお、冷却水
は、図3(A)に示す冷却水供給用ロータリージョイン
ト33を介して供給され、測定信号及び電源伝送用ロー
タリージョイント1内に設けられた中空軸を通り、更に
冷却ロール25の回転軸32を通って前記パイプ30に
至る。
【0060】以下、本実施形態における測定信号及び電
源伝送用ロータリージョイント1の構成について図3乃
至図5を用いて詳しく説明する。
【0061】[ロータリージョイント]図3(A)は本
発明の一実施形態における測定信号及び電源伝送用ロー
タリージョイント1及び冷却水供給用ロータリージョイ
ント33を取り付けた冷却ロールユニットの全体を示す
平面図であり、図3(B)は図3(A)の冷却ロールユ
ニットと対比される比較例を示す平面図である。図4は
本実施形態の測定信号及び電源伝送用ロータリージョイ
ント1を回転中心軸線から半分を断面図で、他の半分を
平面図で示したものである。図5は本実施形態の測定信
号及び電源伝送用ロータリージョイント1における各回
路、信号伝送基板、及び電源伝送カプラの電気的接続関
係を示すブロック図である。なお、図4に示す回転中心
軸線Lは図3(A),(B)に示す回転中心軸線Lと一
致している。
【0062】図4に示すように、本実施形態の測定信号
及び電源伝送用ロータリージョイント1は、冷却ロール
25側の軸端2aと冷却水供給用ロータリージョイント
33側の軸端2bを有する中空軸2と、該中空軸2の外
周に嵌合されるリング3a,3bと、該リング3a,3
bに嵌合されフランジ部4aと胴部4bを有する第1ハ
ウジング部材4と、軸受け5a,5bと、該軸受け5
a,5bを介して前記第1ハウジング部材4に支持され
リング6aとフランジ部6bと円筒壁6cを有する第2
ハウジング部材6と、前記第1ハウジング部材4の胴部
4bに取り付けられる支持板15aと、前記第2ハウジ
ング部材6のフランジ部6bに取り付けられる支持板1
5bと、第1ハウジング部材4の胴部4bに支持される
電気回路ユニット12と、支持板15bに支持される第
1フェライトコアコイルユニット18と、支持板15b
に支持される第2フェライトコアコイルユニット19と
を備えている。
【0063】中空軸2は、冷却水の供給路としての中空
孔2cが形成された鉄製の軸であり、最大で30mm程
度の肉厚を有して7kg/cm2程度の水圧に耐えられ
るように構成されている。中空軸2の冷却ロール25側
の軸端2aは、冷却ロール25の回転軸32に嵌合さ
れ、中空軸2に設けられた図示しないボルト孔に挿通さ
れる図示しないボルトにより前記回転軸32に堅固に取
り付けられる。従って、冷却ロール25が回転駆動され
ることにより、中空軸2も回転駆動されることになる。
また、もう一方の軸端2bには前記冷却水供給用ロータ
リージョイント33が、前記軸端2bにネジ止め等によ
り取り付けられる。
【0064】中空軸2の前記軸端2a,2bに近接した
外周には、ステンレス鋼で形成されたリング3a,3b
が嵌合して取り付けられる。そして、このリング3a,
3bに第1ハウジング部材4が嵌合して取り付けられる
ことにより、第1ハウジング部材4と中空軸2との間に
は、空気層3cが形成される。中空軸2の中空孔2cに
上述した温度の冷却水を供給すると、中空軸2の外表面
に結露が生じるが、この空気層3cによって結露の電気
回路等に対する影響を防止している。
【0065】第1ハウジング部材4は、表面がアルマイ
ト加工されたアルミニウムで形成されており、フランジ
部4aと、胴部4bとを備えている。フランジ部4aに
は、ベアリング軸受け5aの内輪が嵌合され、胴部4b
にはベアリング軸受け5bの内輪が嵌合されている。
【0066】また、第2ハウジング部材6もアルミニウ
ムで形成されており、円筒壁6cの表面はアルマイト加
工されている。第2ハウジング部材のリング6aはベア
リング軸受け5aの外輪に嵌合され、第2ハウジング部
材6のフランジ部6bはベアリング軸受け5bの外輪に
嵌合されている。従って、冷却ロール25の回転駆動に
伴って中空軸2が回転すると、第1フランジ部材4は第
2フランジ部材6に対して回転することになる。
【0067】このように回転する第1フランジ部材4の
胴部4bには、電気回路ユニット12が取り付けられて
いる。電気回路ユニット12は、図5に示す電源変換器
7、抵抗温度変換器8、アナログ信号をパルス信号に変
換するA/F変換器9及びパルス信号を変調して送信す
るF信号送信器10から構成され、冷却ロール25に取
り付けた測温抵抗体11は、図示しないケーブル及びコ
ネクタを介してこの電気回路ユニット12内の抵抗温度
変換器8と電気的に接続されている。更に、抵抗温度変
換器8はA/F変換器9に、A/F変換器9はF信号送
信器10に電気的に接続されており、このF信号送信器
10は後述する第1信号伝送基板13と電気的に接続さ
れている。
【0068】また、再び図4に戻り、前記第1フランジ
部材4の胴部4bには、回転中心軸線Lに略垂直に設け
られた中空円板状のステンレス鋼製の支持板15aが設
けられており、当該支持板15aには、第1フェライト
コアコイルユニット18が支持されていている。第1フ
ェライトコアコイルユニット18は、後述するようにフ
ェライトコア内にコイルを有しており、このコイルが図
5に示す前記電気回路ユニット12内の電源変換器7と
電気的に接続されている。第1フェライトコアコイルユ
ニット18のコイルには、後述するように相互誘導の作
用により誘導起電力が発生し、電源変換器7にこの誘導
起電力を供給する。これにより、電気回路ユニット12
を構成する抵抗温度変換器8、A/F変換器9、及びF
信号送信器10に対して安定した電源が供給されること
になる。また、第1フェライトコアコイルユニット18
には、図4に示す通り、前記コイルを覆うように、第1
信号伝送基板13が取り付けられている。
【0069】一方、第2ハウジング部材6のフランジ部
6bにも、ステンレス鋼で形成された中空円板状の支持
板15bが取り付けられており、該支持板15bには、
第2フェライトコアコイルユニット19が支持されてい
る。第2フェライトコアコイルユニット19は、第1フ
ェライトコアコイルユニット18と同様に、後述するよ
うにフェライトコア内にコイルを有しており、このコイ
ルが図5に示すように静止側の電源変換器42と電気的
に接続されている。また、第2フェライトコアコイルユ
ニット19には、前記コイルを覆うように、前記第1信
号伝送基板13と同様の構成の第2信号伝送基板14が
取り付けられている。
【0070】以上のような第1フェライトコアコイルユ
ニット18と第2フェライトコアコイルユニット19
は、0.5mm〜1mmの間隙を有して対向配置されて
おり、電源変換器42により前記コイルに電流が流され
ると、第2フェライトコアコイルユニット19において
磁場を発生させ、相互誘導の作用により上述した第1フ
ェライトコアコイルユニット18に誘導起電力を発生さ
せる。
【0071】また、前記第1フェライトコアコイルユニ
ット18と第2フェライトコアコイルユニット19が前
記のように対向配置される結果、これらに取り付けられ
た第1信号伝送基板13及び第2信号伝送基板14につ
いても、前記間隙を有して対向配置されることになり、
第1信号伝送基板13上に形成された信号伝送パターン
及び接地パターンは、第2信号伝送基板14上の信号伝
送パターン及び接地パターンとの間で、前記間隙に存在
する空気層を介して容量結合されており、信号の伝送が
行われる。つまり、回転側のF信号送信器10から出力
された信号は、第1信号伝送基板13及び第2信号伝送
基板14を介して静止側の受信器40にて入力されるこ
とになる。
【0072】以上のように、第1フェライトコアコイル
ユニット18及び第2フェライトコアコイルユニット1
9は、相互誘導(電磁誘導)による起電力で電源の伝送
を行う電源伝送用カプラ部として機能すると共に、第1
信号伝送基板13と第2信号伝送基板14とにより信号
伝送部として機能する。
【0073】以下、本実施形態における電源伝送用カプ
ラ部と、信号伝送部の構成を詳しく説明する。
【0074】[電源伝送用カプラ部]まず、電源伝送用
カプラ部については、本実施形態では、図6(B)に示
すように半円筒形状の分割型フェライトコア50を、図
7に示すように環状に15個配置し、分割型フェライト
コア50の中心凹部50aに空芯コイル51を装着して
構成する。
【0075】本実施形態で用いた半円筒形状の分割型フ
ェライトコア50は、一般にケーブルのシールドに用い
られるクランプフィルタとして使用されているものであ
り、クランプフィルタに用いる場合には、図6(A)に
示すように二つの半円筒形状の分割型フェライトコア5
0を組み合わせて使用する。このようなクランプフィル
タに用いられる半円筒形状の分割型フェライトコア50
は、図6(A)に示すように合わせた際に磁束の漏洩を
確実に防止する必要があるため、表面の加工精度が高
く、寸法精度も高い。従って、図7に示すように、それ
ぞれの分割型フェライトコア50を支持板15a,15
b上に環状に配置した場合でも、支持板15a,15b
からの高さを均一に揃えることができる。その結果、第
2フェライトコアコイルユニット19を一次側とし、第
1フェライトコアコイルユニット18を二次側として、
図4に示すように同軸上に対向させ、相対的に回転させ
た場合でも、両者の間隙を一定に保つことが可能であ
る。
【0076】分割型フェライトコア50の支持板15
a,15bへの取り付けには、低温で接着可能な2液性
のエポキシ系接着剤を使用した。高温で接着を行う接着
剤を用いた場合には、冷却時において焼成物である分割
型フェライトコア50にクラック等を生じさせる場合が
あるが、本実施形態では低温で接着可能であるため、こ
のようなクラック等を生じさせることがない。
【0077】また、支持板15a,15bは、上述した
ように非磁性体のステンレス鋼で形成されているため、
磁束の変化が生じても発熱することがなく、分割型フェ
ライトコア50を支持板15a,15bから離脱させる
ことがない。
【0078】以上のように支持板15a,15b上に環
状配置される分割型フェライトコア50には、図6
(A)に示すように、分割型フェライトコア50の一端
面50bから他端面50cまでを貫通する中心凹部50
aが形成されている。分割型フェライトコア50を図7
のように環状に配置することで、中心凹部50aからな
るコイルの収納路は環状に形成されており、当該収納路
にはコイル51が装着される。本実施形態では、静止側
の第2フェライトコアコイルユニット19を1次側と
し、第2フェライトコアコイルユニット19を構成する
分割型フェライトコア50の中心凹部50aには、バイ
フェラル巻きの空芯コイル51を装着する。また、2次
側である回転側の第2フェライトコアコイルユニット1
8を構成する分割型フェライトコア50の中心凹部50
aには、ノーマル巻きの空芯コイル51を装着する。
【0079】電源の伝送は、相互誘導(電磁誘導)の原
理により非接触で行うが、静止側からはパルス状の波形
を基準とし、変形された高周波信号を送信するように構
成する。これに対して回転側では、リップル状の電源変
動を整流し、DC/DCコンバータ等により、所定の電
源電圧に調整する。
【0080】この場合、図8(A)に示すように、一次
側と二次側のコイルをノーマル巻きとすると、一次側の
信号をオン/オフし、図8(B)に示すように16kH
z前後の周波数として、電源の伝送を行うことになる
が、これでは停止時間の比率が高く、伝送効率が悪くな
ってしまう。
【0081】そこで、本実施形態においては、図9
(A)に示すように、一次側をバイフェラル巻きとし、
二次側をノーマル巻きとすることにより、一次側のオン
/オフを交互に繰り返し、図9(B)に示すように30
kHz前後の周波数として、二次側でこれを合成して効
率を高めている。
【0082】本実施形態では、分割型フェライトコア5
0の中心凹部50aに30ターン程度巻いた空芯コイル
51を装着することにより、上述のような相互誘導の原
理による電源の伝送を可能にしている。空芯コイル51
には、銅線で形成されたコイルの表面に、メチルアルコ
ールで溶融する樹脂がコーティングされた、所謂アルコ
ール融着線を用いている。本実施形態では、このアルコ
ール融着線を巻き上げ装置により30ターン程度巻き上
げた後、メチルアルコールに浸している。これにより、
コイルの表面にコーティングされた樹脂が溶融し、空芯
コイル51全体が固められる。そして、図6(C)に示
す通り、このように固められた空芯コイル51をエポキ
シ系接着剤により前記中心凹部50aに接着している。
従って、空芯コイル51は図7に示すように分割型フェ
ライトコア50の全体を押さえ付け、分割型フェライト
コア50を支持板15a,15bから離脱させないとい
う働きも有している。
【0083】以上説明したように、本実施形態において
は、半円筒形状の分割型フェライトコア50を15個用
いて環状に配置し、分割型フェライトコア50の中心凹
部50aに30ターン程度の空芯コイル51を装着する
ことにより、一対のフェライトコアコイルユニットを構
成したので、ポット型フェライトコアを用いた場合と同
様に磁束の漏洩が極めて少ない電源伝送カプラを構成で
き、しかも、直径を200mmという大きな径に形成す
ることができる。従って、図4に示すように、冷却水用
に直径90mmもの中空軸2を形成した場合でも、この
中空軸2の外周上に第1フェライトコアコイルユニット
18及び第2フェライトコアコイルユニット19を配置
することができ、冷却ロール25の回転軸方向における
配置スペースに余裕を持たせることができる。
【0084】[信号伝送部]次に、信号伝送部を構成す
る第1信号伝送基板13及び第2信号伝送基板14は、
それぞれ図10と図11に示すように、プリント基板6
0上に、円弧形状の信号伝送パターン61と接地パター
ン62を備えて構成されている。
【0085】プリント基板60は、ガラスエポキシ製の
基板をリング形状に形成したもので、 リング形状のプ
リント基板60の幅W1は、分割型フェライトコア50
の中心凹部50aの幅よりも若干狭い幅となっている。
従って、第1信号伝送基板13及び第2信号伝送基板1
4は、分割型フェライトコア50の中心凹部50aに嵌
合可能であり、本実施形態では、図12に示すように、
第1信号伝送基板13及び第2信号伝送基板14を、分
割型フェライトコア50の中心凹部50aに嵌合させ、
前記フェライトコアコイルユニットのコイル51を覆う
ように取り付けている。図12におけるA−A’線縦断
面図を図6(D)に示す。このような構成を採ることに
より、第1信号伝送基板13及び第2信号伝送基板14
の配置スペースを、前記フェライトコアコイルユニット
の半径方向に別個に確保する必要がなく、ロータリージ
ョイント1を小型化することができる。また、図6
(D)に示すように、第1信号伝送基板13及び第2信
号伝送基板14によりコイル51を押さえ、コイル51
の脱落を確実に防ぐことができる。
【0086】なお、プリント基板60の形状及び大きさ
は、第1信号伝送基板13と第2信号伝送基板14の双
方において同じである。
【0087】信号伝送パターン61と接地パターン62
は、抵抗率が低い金属で形成されたパターンであり、プ
リント基板60の片面に設けられている。使用可能な金
属としては、例えば、高価ではあるが、銀が挙げられ
る。また、銅やアルミニウムは、抵抗率が低く、しかも
低価格なので、このようなパターンに使用する金属とし
て適している。本実施形態では、一例として、銅箔で形
成されたパターンを用いている。
【0088】信号伝送パターン61と接地パターン62
の形状は、リング形状に形成したパターンを、複数箇所
に設けた幅dの間隙により分割した円弧形状である。図
10に示すように、第1信号伝送基板13においては、
幅dの間隙は4箇所に設けられており、信号伝送パター
ン61と接地パターン62のそれぞれは4個の円弧形状
パターンに分割されている。また、図11に示すよう
に、第2信号伝送基板14においては、幅dの間隙は3
箇所に設けられており、信号伝送パターン61と接地パ
ターン62のそれぞれは3個の円弧形状パターンに分割
されている。
【0089】それぞれの円弧形状パターンの端部には、
図10及び図11に示すように、プリント基板60の裏
面側のランドと導通するスルーホール67が設けられて
いる。また、裏面側のランドには、図13に点線で示す
ように、チップコンデンサ66が接続されている。従っ
て、それぞれの円弧形状パターンは、チップコンデンサ
66を介して接続されており、所定周波数の信号に対し
ては、リング形状のパターンとして機能する。
【0090】つまり、本実施形態においては、第1信号
伝送基板13及び第2信号伝送基板14は、接地パター
ン62を外側のリングとし、信号伝送パターン61を内
側のリングとした、二重リング状構造のパターンを備え
た伝送基板となっている。
【0091】また、それぞれの円弧形状パターンには、
図10及び図11に示すように、給電点63が設けられ
ており、各給電点63には、図14に示すように、同軸
ケーブル64から取り出された給電線65が接続されて
いる。そして、送信側の第1信号伝送基板13における
信号伝送パターン61上の各給電点63には、給電線6
5を介して所定周波数の信号が同時に供給されるように
構成されている。各給電線65の長さは等しく、各給電
点63に供給される信号の位相は揃えられている。ま
た、第1伝送基板13と第2伝送基板14は、図4に示
すように、0.5〜1.0mmの間隔で対向配置されて
おり、信号伝送パターン61同士、及び接地パターン6
2同士が空気層を介して容量結合された構成となってい
る。
【0092】以上のように、本実施形態の信号伝送部
は、同軸ケーブルを中心軸線に垂直な縦断面で切断し、
それぞれを容量結合させたものと等価である。従って、
信号伝送パターン61に対して直交して接地パターン6
2方向に発生する電界と、これに直交し、信号伝送パタ
ーン61を取り巻くように発生する磁界との、両方に直
交する方向、即ち第1伝送基板13から第2伝送基板1
4へ向かう方向に、電磁エネルギが移動することによ
り、信号の伝送が行われる構成となっている。つまり、
本実施形態においては、アンテナ対による信号の伝送で
はなく、パターンの二重リング状構造、及び多点同時給
電、並びに容量結合により、同軸ケーブルと同等な方式
により信号伝送を行っている。
【0093】伝送対象の信号の周波数が本実施形態のよ
うにVHF帯以上の周波数になる場合には、信号は表面
効果により同軸ケーブルの中心導体の表面部分において
伝送される。一方、同軸ケーブルを中心軸線に垂直な縦
断面で切断したものと等価な本実施形態の信号伝送基板
における特性インピーダンスは、図10及び図11に示
すように、リング状の接地パターン62の内側とリング
状の信号伝送パターン61の外側との間の間隙W2によ
って決定される。従って、送信側と受信側で、当該間隔
W2の等しい信号伝送基板を用いることにより、送信側
と受信側のインピーダンスが整合された状態で信号の伝
送を行うことができ、定在波の発生を実用上全く問題の
ない程度に抑えて、広帯域の信号伝送を行うことができ
る。
【0094】また、容量結合における容量値x[pF]
は、第1信号伝送基板13と第2信号伝送基板14の間
隔をG[mm]、信号伝送パターン61または接地パタ
ーン62の面積をa[(幅[mm]×長さ[mm]/1000)]、プ
リント基板60の比誘電率をy、とすると、
【0095】
【数1】x = (y×8.854×a)/G という式により求められる。従って、この容量値xが適
宜の値となるように、間隔G、各パターンの幅及び長さ
等の値を定めることにより、所望の帯域における信号を
伝送することが可能になる。
【0096】なお、本実施形態においては、信号伝送パ
ターン61と接地パターン62のそれぞれの幅、全長、
及び信号伝送パターン61と接地パターン62との間隔
W2は、第1信号伝送基板13及び第2信号伝送基板1
4の何れにおいても同じ値に設定されている。
【0097】また、給電点63の個数は、第1信号伝送
基板13のパターン上においてNの時、第2信号伝送基
板14のパターン上においてはN−1となるように構成
している。本実施形態においては、一例として、第1信
号伝送基板13のパターン上においては4個、第2信号
伝送基板14のパターン上においては3個の給電点63
を設けている。このように構成することで、本実施形態
のように、第1信号伝送基板13と第2信号伝送基板1
4とが互いに相対的に回転する場合でも、第1信号伝送
基板13と第2信号伝送基板14とにおいて、全ての給
電点63が同時に対向する位置関係になることがなく、
広い帯域において略フラットな信号伝送特性を得ること
ができる。
【0098】以下、本実施形態の信号伝送部について、
信号伝送特性を調べた実験結果について説明する。この
実験は、図15に示すように、静止側と回転側のそれぞ
れにおいて、複数の給電点63のうちの一つの給電点6
3に着目し、回転側において着目した給電点63が、静
止側において着目した給電点63に対して、それぞれ0
゜、90゜、180゜、270゜の角度を有する時の信
号の損失を調べたものである。また、測定には、アドバ
ンテスト社製のスペクトラムアナライザを用い、信号の
周波数を300MHzから550MHzまで変化させ
た。実験の結果を、図16〜図19に示す。
【0099】図16は回転側の給電点63の角度が静止
側の給電点63に対して0゜の時、図17は90゜、図
18は180゜、及び図19は270゜の時の結果を示
す。図16〜図19の結果から判るように、本実施形態
によれば、300MHzから550MHzまでの広い帯
域に亘って、略フラットな特性が得られた。一例とし
て、490MHzの結果を見ると、何れの角度において
も、−8dBm程度の損失であった。一方、同軸ケーブ
ルを用いて同様の条件の下で測定を行ったところ、図2
0に示すように、300MHzから550MHzまでの
広い帯域に亘って、−2dBm程度の損失であった。
【0100】ここで、比較のために、給電点63を第1
信号伝送基板13と第2信号伝送基板14のそれぞれに
おいて1個として測定した結果を、図21及び図22に
示す。図21は静止側と回転側の給電点63の角度が0
゜の場合、図22は180゜の場合の結果を示す。
【0101】給電点が1個で、しかも当該給電点の位置
が静止側と回転側とで一致する場合には、図21から判
るように、固有周波数f及びその倍の周波数2fにおい
て、極めて大きなディップ点が生じる。また、図21及
び図22から判るように、平均的に信号の損失が大きく
なっている。
【0102】以上のように、給電点が1個の場合には、
ループアンテナと同様な特性を示し、広い帯域に亘って
フラットな特性を得ることができず、本実施形態のよう
に周波数変調された信号をキャリア周波数に重畳して、
回転側から静止側に伝送する構成には適していない。
【0103】これに対し、給電点を複数個設ける場合に
は、たとえ静止側における1個の給電点と回転側におけ
る1個の給電点との位置が一致する場合でも、他の給電
点の位置は一致していないので、全体として平均化さ
れ、図16〜図19に示すようなフラットな特性が得ら
れたものと思われる。そして、このような特性は、本実
施形態のように周波数変調された信号をキャリア周波数
に重畳して、回転側から静止側に伝送する構成には好適
である。
【0104】また、給電点を複数設けた場合のメリット
として、指向性を改善できるという点が挙げられる。図
23と図24に、円板状のマイクロスリップアンテナを
用いて給電点と指向性の関係を調べた結果を示す。ま
ず、図23(A)に示すようにプリント基板60’の表
面に円板状の信号伝送パターン61’を形成し、裏面に
接地パターン62’を形成し、図23(B)に示すよう
に円板状の信号伝送パターン61’に4個の給電点A,
B,C,Dを設け、図23(C)、(D)に示すように
円板状の信号伝送パターン61’の直径をλ/2とした
場合の電波の指向性パターンを図23(E)に示す。図
23(E)から判るように、給電点を複数箇所に設ける
ことにより、略無指向性のようなパターンを実現でき
る。
【0105】これに対し、図24に示すようにプリント
基板60’の表面に円板状の信号伝送パターン61’を
形成し、裏面に接地パターン62’を形成し、図24
(B)に示すように円板状の信号伝送パターン61’に
1個の給電点Aを設け、図23(C)に示すように円板
状の信号伝送パターン61’の直径をλ/2とした場合
の電波の指向性パターンを図24(D)に示す。図24
(D)から判るように、給電点が1箇所の場合には、8
の字状の指向性を示すようになり、特に本実施形態によ
う回転側から静止側に信号を伝送する構成には適してい
ない。
【0106】以上のように、本実施形態の信号伝送部に
おいては、二重リング状構造の信号伝送パターンと接地
パターンを容量結合させると共に、一方がN個、他方が
N−1個となる多点の給電を行うようにしたので、同軸
ケーブルのように広い帯域においてフラットな特性を得
ることができる。
【0107】しかも、本実施形態においては、以上のよ
うな第1信号伝送基板13と第2信号伝送基板14と
を、フェライトコアコイルユニットにおける分割型フェ
ライトコア50の中心凹部50aに嵌合させる構成とし
たので、ロータリージョイント1の小型化を図ることが
できる。このように電源伝送用カプラ部と信号伝送部と
を重ね合わせる構成とした場合でも、信号伝送基板1
3,14による信号の伝送周波数が340MHzである
のに対し、電源伝送用カプラ部による電源の伝送周波数
は20kHz〜30kHzであるため、互いに干渉する
ことがない。
【0108】但し、このような位置に第1信号伝送基板
13と第2信号伝送基板14を配置した場合には、第1
信号伝送基板13と第2信号伝送基板14における信号
伝送パターン61と接地パターン62は、フェライトコ
アコイルユニットのコイル51による磁束の影響を直接
受けることになる。この磁束は、プリント基板60に垂
直な方向で、裏面から表面、あるいは表面から裏面を貫
くように錯交する。従って、導体である信号伝送パター
ン61及び接地パターン62が、物理的に連続したリン
グとして形成されている場合には、上述のように錯交す
る磁束の変化に応じて、信号伝送パターン61及び接地
パターン62の周方向に循環電流が流れることになる。
【0109】しかしながら、本実施形態においては、図
10及び図11に示すように、信号伝送パターン61及
び接地パターン62を、連続した一つのリングとするの
ではなく、連続した一つのリングから、長さdの微小円
弧領域を複数箇所に亘って取り除き、複数の円弧形状パ
ターンに分割したので、円弧形状パターンのそれぞれは
直流的に絶縁状態となっている。
【0110】従って、信号伝送パターン61及び接地パ
ターン62上には、上述のような循環電流の流れる閉回
路が形成されないので、信号伝送パターン61及び接地
パターン62が前記磁束の影響を直接受けたとしても、
前記循環電流の発生を確実に防止することができる。
【0111】また、本実施形態においては、各給電点6
3の間の位置に前記長さdの間隙を設けることにより、
一つの給電線65と、この給電線65に接続される給電
点63が形成された円弧形状の信号伝送パターン61ま
たは接地パターン62と、当該給電点63に隣接する給
電点63と、当該隣接する給電点63に接続される他の
給電線65とによって、閉回路が形成されることを防止
している。従って、給電線65とパターンとの間におい
ても、磁束の変化による循環電流の発生を防止すること
ができる。
【0112】同軸ケーブルの中心軸に垂直な縦断面にお
ける内部導体を信号伝送パターンとし、当該縦断面にお
ける外部導体を接地パターンとする技術的思想を最も簡
単に具体化するには、それぞれのパターンを一つの連続
したリングとすれば良いが、本実施形態においては、上
述したような磁束の影響による循環電流を防止するため
に、複数の円弧形状パターンを、円弧の長さ方向に長さ
dの間隔を設けてリング状に配置した構成としたのであ
る。
【0113】そして、このような複数の円弧形状パター
ンを用いて、同軸ケーブルの中心軸に垂直な縦断面にお
ける内部導体を信号伝送パターンとし、当該縦断面にお
ける外部導体を接地パターンとする技術的思想を具体化
するために、隣接する円弧形状パターン同士を、図13
に示すようにチップコンデンサ66によって接続し、交
流的には導通状態を保つ構成としたのである。
【0114】本実施形態においては、以上のような構成
により、前記磁束の影響による循環電流を発生させない
ので、電源伝送用カプラ部からの磁束の損失を防止し
て、良好に電源伝送を行うことができる。また、信号伝
送パターン61及び接地パターン62により伝送される
信号の損失を防ぐことができ、効率良く信号の伝送を行
うことができる。更には、前記循環電流の発生を防止で
きることにより、ジュール熱によるプリント基板60の
変形、破損等を確実に防止することができる。
【0115】更に、単に各パターンを円弧形状パターン
として分離するだけでは、上述したような信号伝送を行
うことができなくなってしまうが、本実施形態において
は、上述したように、各円弧形状パターンの間に、チッ
プコンデンサを実装する構成となっているので、交流的
には各円弧形状パターンが導通した状態であり、良好に
信号の伝送を行うことができる。
【0116】また、以上のように循環電流の発生を防止
できるので、第1信号伝送基板13と第2信号伝送基板
14を、フェライトコアコイルユニットにおける分割型
フェライトコア50の中心凹部50aに嵌合させる構成
を採ることができ、ロータリージョイント1の小型化を
実現することができる。
【0117】このような構成を採ることができない場合
には、例えばフェライトコアコイルユニットと、第1信
号伝送基板13及び第2信号伝送基板14との径に差異
を設け、フェライトコアコイルユニットと、第1信号伝
送基板13及び第2信号伝送基板14とをロータリージ
ョイント1の半径方向に並べて配置する必要がある。あ
るいは、フェライトコアコイルユニットと、第1信号伝
送基板13及び第2信号伝送基板14とを、ロータリー
ジョイント1の軸方向の異なる位置に配置する必要があ
る。
【0118】しかしながら、本実施形態の構成によれ
ば、これらのようにフェライトコアコイルユニットと、
第1信号伝送基板13及び第2信号伝送基板14とを、
異なる位置に配置する必要がないので、ロータリージョ
イント1が半径方向あるいは軸方向に大型化することを
確実に防止することができるのである。
【0119】次に、図5のブロック図を用いて、本実施
形態の測定信号及び電源伝送用ロータリージョイント1
における電源及び信号の伝送動作について説明する。
【0120】図示しない回転側コネクタ部を介して抵抗
温度変換器8に接続された測温抵抗体11の抵抗値変化
は、抵抗温度変換器8において電流に変換され、この電
流は、A/F変換器9において、その値に応じて所定の
周波数パルス信号に変換される。なお、本実施形態で
は、測温抵抗体11として、1000Ωのものを用いて
おり、抵抗温度変換器8によって電流に変換された際の
出力信号は、0℃〜100℃の温度に対して4〜20m
Aとなっている。また、キャリア周波数には340MH
zを用いている。そして、この周波数パルス信号は、F
信号送信器10において周波数変調され、第1信号伝送
基板13から第2信号伝送基板14へと伝送される。本
実施形態においては、伝送レートを2Mbpsに設定し
ている。一方、このように伝送された信号は、第2信号
伝送基板14を介して静止側の受信器40に受信され、
F/A変換器41において電流に変換される。従って、
静止側において冷却ロール25の表面温度を検知するこ
とができる。このように、信号伝送は非接触の第1信号
伝送基板13及び第2信号伝送基板14を介して行われ
るため、測温抵抗体11の抵抗値変化に影響を与えるこ
とがなく、正確な温度検知を行うことができる。また、
本実施形態では、冷却ロール25が1000rpmで回
転した場合、測定信号及び電源伝送用ロータリージョイ
ント1の回転部も1000rpmで回転することになる
が、この場合でも伝送部が非接触であるため、磨耗によ
る劣化等がなく、長期に亘って良好な温度検知を可能に
している。
【0121】また、電源は、静止側の電源変換器42に
おいて、AC100VがDC28Vに変換され、1次側
である第2フェライトコアコイルユニット19における
バイフェラル巻きのコイル51に30kHzの周波数で
供給される。これにより、第2フェライトコアコイルユ
ニット19のコイル51にパルス状の電流が流れ、電流
の変化に応じて変化する磁束が第2フェライトコアコイ
ルユニット19のコイル51を貫く。そして、この磁束
の変化が2次側である第1フェライトコアコイルユニッ
ト18のコイル51に誘導起電力を生じさせ、電源変換
器7に供給される。電源変換器7においては、DC24
VとDC±15Vの電圧に変換され、前記電気回路ユニ
ット12における各回路に供給される。本実施形態で
は、測定信号及び電源伝送用ロータリージョイント1の
回転部が最大1000rpmで回転することになるが、
電源の供給も非接触で行われるため、スリップリングの
ような火花の発生がなく、溶剤の雰囲気下でも爆発を生
じさせることがない。また、非接触であるため、磨耗に
よる劣化等がなく、長期に亘って良好な電源供給を可能
にしている。
【0122】また、上述した軸受け5a、図示しないコ
ネクタ等は全て耐水性のものが使用され、また、第1ハ
ウジング部材4と第2ハウジング部材6は、電気回路ユ
ニット12及び電源伝送カプラ並びに信号伝送基板を略
密封状態に覆っているので、冷却水を用いる冷却ローラ
25に本実施形態のロータリージョイント1を用いて
も、水による電気回路等の故障及び漏電事故の恐れがな
い。
【0123】このように、本実施形態においては、長期
に亘って安定して電源の供給を行いつつ、測温抵抗体1
1の測定信号、即ち抵抗値変化が、非接触により静止側
に伝送されることになるので、長期に亘って正確な温度
検知が行われることになる。
【0124】以上のような本実施形態における電源伝送
用カプラを備えたロータリージョイント1の優れた効果
は、従来の電源供給手段との比較を行うことで、より一
層明確になる。例えば、回転体に対して電源を供給する
手段の最も一般的な例としてはスリップリングを挙げる
ことができるが、スリップリングは摩擦抵抗が大きいた
めに、本実施形態のロータリージョイントのような最高
で1000rpmもの回転数が要求される装置において
は、回転数を上昇させる際の妨げとなり適していない。
更に、スリップリングは、長期間の使用によって接触部
が摩耗するため、定期的な交換作業が必要となる。
【0125】これに対し、本実施形態の電源伝送用カプ
ラは、非接触方式であるために摩擦抵抗がなく、ベアリ
ングの許容範囲まで回転数を容易に上昇させることが可
能である。また、電気的には非接触方式であるために摩
耗はないが、回転はベアリングの耐久性に依存するた
め、長期間使用可能であ。
【0126】また、回転体の内部に電池を備える構成も
考えられるが、このような構成においては定期的な電池
交換や充電が必要となってしまう。
【0127】これに対し、本実施形態の電源伝送用カプ
ラは、電磁誘導を用いて非接触で電源の供給を行うた
め、構成部品の交換は不要である。
【0128】本実施形態の電源伝送用カプラは、元来、
ケーブルのシールド用にクランプフィルタに用いられて
いる半円筒形状の分割型フェライトコアを環状に配置す
ることによって、ポット型形状に類似した大型のフェラ
イトコア形成することができるので、冷却水用の中空軸
の外周部に、電源伝送用カプラを配置することができ
る。その結果、図3(A)と図3(B)の比較から明ら
かなように、ロータリージョイントを含めた冷却ロール
ユニット全体の長さを長さW(図3(B)の例では30
0mm程度)の分だけ短くすることができる。また、本
実施形態の冷却ロールユニット全体の長さは、測定信号
伝送用のロータリージョイント1の分だけ従来の冷却ロ
ールユニットよりも長くなるが、上述したようにロータ
リージョイント1は回転軸方向の長さを短くするように
構成されているため、従来に比べてわずか100mm程
度長くなるだけである。従って、クレーン等を用いて冷
却ロールユニットをラックに格納し、またラックから搬
送することによって冷却ロールユニットを交換するシス
テムにおいては、従来と同じ大きさのラックを用いるこ
とができ、既存のシステムを有効に利用することができ
る。
【0129】また、上述した実施形態においては、冷却
ロール用のロータリージョイントに本発明を適用した場
合について説明したが、本発明はこれに限られるもので
はなく、中空軸に冷却水以外の流体や、ガス等の気体を
供給したり、あるいは中空軸内に太いケーブル等を通す
ロータリージョイントにも適用可能である。この場合に
は、状況に応じて前記空気層3cの位置に断熱材を設け
ても良い。但し、特に冷却水を用いた冷却用ロールに本
発明の測定信号及び電源伝送用ロータリージョイントを
適用した場合には、上述したような耐水処理が施されて
いるため、特に優れた効果を発揮するものである。
【0130】なお、上述した実施形態においては、分割
型フェライトコアの個数を一例として15個としたが、
本発明はこれに限られるものではなく、使用する分割型
フェライトコアの大きさ、あるいは電源伝送用カプラの
径の大きさに応じて適宜の個数とすれば良い。また、コ
イルのターン数も一例として30ターン程度としたが、
本発明はこれに限られるものではなく、適宜変更が可能
である。
【0131】また、本発明に適用できる分割型フェライ
トコアは、半円筒形状のものに限定されず、図25
(A)に示すようなE型形状、あるいは図25(B)に
示すようなU型形状の既存の分割型フェライトコアを用
いることもできる。また、分割型フェライトコアを環状
配置した際に隙間ができなくなるような形状のフェライ
トコアを新たに製造しても良い。このようにすれば、伝
送効率をより一層高めることができる。
【0132】更には、分割型フェライトコアを用いるの
ではなく、大型のポット型フェライトを新たに製造して
用いるようにしても良い。このようにすれば、磁束の漏
洩をより一層確実に防止することができる。
【0133】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態を図26乃至図29に基づいて説明する。な
お、第1の実施形態との共通箇所には同一符号を付して
説明を省略する。
【0134】第1の実施形態においては、信号伝送パタ
ーンと接地パターンを二重リング状構造とした例につい
て説明したが、本発明はこのような構成に限定されるも
のではなく、図26(A)、(B)に示すように、プリ
ント基板60の表面側にリング状の信号伝送パターン6
1を設け、プリント基板60の裏面側に接地パターン6
2を設ける構成としても良い。但し、この場合において
も、パターン上に循環電流が流れることを防ぐために、
所定箇所に長さdの間隔を設け、当該間隔によって分割
されたパターン同士をチップコンデンサ66で接続す
る。また、給電点63は分割された各パターンに一つだ
け設けるようにする。
【0135】このように構成すると、信号伝送パターン
からの磁束が接地パターン側に回り込むため、二重リン
グ状に構成した場合よりは損失が大きくなる。しかしな
がら、実際上問題無く信号を伝送することができ、更に
パターン上または給電経路に循環電流が流れることを防
止しすることができる。
【0136】なお、長さdの間隔は必ずしも複数である
必要はない。例えば、図27(A)、(B)に示すよう
に、一箇所だけに長さdの間隔を設け、当該間隔によっ
て分離したパターンをチップコンデンサ66で接続す
る。この場合、給電点63は信号伝送パターン61及び
接地パターン62のそれぞれにおいて1箇所とするの
で、上述したようにフラットな特性は得られなくなる。
しかしながら、伝送しようとする信号の周波数を特定の
周波数に限定しても良い場合には、このような構成を採
ることも可能であり、このように構成においてもパター
ン上または給電経路に循環電流が流れることを防止する
ことができる。
【0137】更に、信号伝送パターン61と接地パター
ン62の形状は、必ずしもリング状に限定されるもので
はない。第1の実施形態のように、信号及び電源の伝送
と共に、冷却水やガス等を供給する場合には、基板を中
空形状に形成する必要があるが、冷却水やガス等の供給
が不要であり、信号及び電源の伝送のみで良い場合に
は、図28(A)、(B)に示すように、信号伝送パタ
ーン61と接地パターン62の形状を円板状に形成して
も良い。但し、この場合においては、パターン上に循環
電流が流れることを防止するために、円板状のパターン
を複数個に分割する必要がある。図28(A)、(B)
に点線で示した円は、コイルの位置を示しており、円板
状のパターンを分割しない場合には、循環電流はこの点
線で示した円のように流れることになる。そこで、この
循環電流の流れを阻止するように円板状のパターンを分
割する。そして、分割した各パターン同士は、図28
(A)、(B)に示すようにチップコンデンサ66で接
続する。このように構成した場合でも、パターン上また
は給電経路に循環電流が流れることを防止しつつ、広帯
域でフラットな特性の信号伝送を行うことが可能であ
る。
【0138】また、パターンを円板状に形成した場合に
は、分割数は4個に限定されるものではなく、図29
(A)、(B)に示すように2個であっても良い。つま
り、2個以上であれば良い。図29(A)、(B)のよ
うに2分割した場合には、中央部にチップコンデンサ6
6を設ける。このように構成した場合には、給電点が一
つになり、フラットな特性は得られなくなるが、上述し
たように伝送しようとする信号の周波数を限定できる場
合にはこのような構成を採ることができる。そして、こ
のような構成においてもパターン上または給電経路に循
環電流が流れることを防止することができる。
【0139】(第3の実施形態)次に、本発明の第3の
実施形態を図30乃至図34に基づいて説明する。な
お、第1の実施形態との共通箇所には同一符号を付して
説明を省略する。
【0140】第1の実施形態では、第1フェライトコア
コイルユニット18と第2フェライトコアコイルユニッ
ト19とを回転系に用いた例について説明したが、本発
明はこのような構成に限定されるものではなく、信号及
び電源を非接触で伝送する構成であれば、静止系にも適
用可能である。
【0141】例えば、図30に示すように、第1フェラ
イトコアコイルユニット18と第2フェライトコアコイ
ルユニット19を密着させて構成しても良い。この一対
のフェライトコアコイルユニットは、第1フェライトコ
アコイルユニット18のそれぞれの分割型フェライトコ
ア50と、対になる第2フェライトコアコイルユニット
19のそれぞれの分割型フェライトコア50とが組み合
わされて円筒形状のフェライトコアを構成するように密
着させる。
【0142】第1フェライトコアコイルユニット18と
第2フェライトコアコイルユニット19は、第1の実施
形態と同様に、低温で接着可能な2液性のエポキシ系接
着剤により、それぞれ支持板15d,15eに接着され
ており、該支持板15d,15eは、前記一対のフェラ
イトコアコイルユニットを密着させる押さえ金具として
用いられる。本実施形態では第1フェライトコアコイル
ユニット18と第2フェライトコアコイルユニット19
を相対的に回転させず、固定的に用いる。図31に外観
を示す。
【0143】以上のように本実施形態は、従来のポット
型フェライトコアを用いた変圧器と同様の構成の変圧器
を、分割型フェライトコア50を用いて大径の変圧器と
して構成すると共に、信号を広い帯域に亘ってフラット
な特性で伝送可能な装置を提供することができる。従っ
て、配置スペースに制約があり、従来のような変圧器や
同軸ケーブルを取り付けることが困難な場合でも、良好
に電源と信号の伝送を行うことができる。
【0144】また、本実施形態の構成では、第1フェラ
イトコアコイルユニット18と第2フェライトコアコイ
ル19を回転させないので、互いに同じ大きさと形状を
有し、中心凹部50aによる空芯コイル51の収納路が
無端の循環路形状に形成できれば、第1の実施形態のよ
うに環状に形成する必要はない。例えば、分割型フェラ
イトコア50を、楕円形状となるように連鎖状に配置し
ても良し、図32に示すように楕円形状のフェライトコ
ア50aを作製しても良い。この場合には、プリント基
板60も同様に楕円形状にすれば良い。また、図33に
示すように四角形状のフェライトコア50bや、三角形
状のフェライトコア50cと、それぞれの形のプリント
基板60を用いても良い。
【0145】(第4の実施形態)次に、本発明の第4の
実施形態を図35乃至図37に基づいて説明する。な
お、第1の実施形態との共通箇所には同一符号を付して
説明を省略する。
【0146】本実施形態は、図35に示すように、ポッ
ト型フェライトコアとコイルからなる変圧器の内部に信
号伝送基板を取り付けたものである。
【0147】ポット型のフェライトコア57、58の中
空部には、図35に示すように一時側と二次側の巻き線
部が一体に形成されたボビン52が収納されるようにな
っている。このボビン52のそれぞれの巻き線部には、
所定の回数分、ホルマル線が巻き付けられ、コイルを形
成する。
【0148】また、ポット型のフェライトコア57、5
8に収納されたボビン52上には、第1信号伝送基板1
3と第2信号伝送基板14が互いに所定の間隔を有する
ように載置される。第1信号伝送基板13と第2信号伝
送基板14のそれぞれのプリント基板60上には、第1
の実施形態と同様に、信号伝送パターン61及び接地パ
ターン62が設けられている。このように、本発明にお
いては、信号伝送パターン61と接地パターン62の間
隔、及び第1信号伝送基板13と第2信号伝送基板14
の間隔等が上述したように所定の関係を満たしていれ
ば、径の大小に拘わらず、広い帯域においてフラットな
特性の信号伝送ユニットを構成することができる。
【0149】コイル及び第1信号伝送基板13と第2信
号伝送基板14を収納したフェライトコア57、58は
図38のように重ね合わされた後、エポキシ系接着剤5
6により2点で接着され、外観上は円柱形状としてコイ
ル及び信号伝送基板が露出しないように使用される。こ
のように使用することにより、漏洩磁束を少なくするこ
とができ、各種の用途に適用することができる。
【0150】そして、以上のようにコイル及び第1信号
伝送基板13と第2信号伝送基板14を収納したフェラ
イトコア57、58をハウジング等に取り付ける際に
は、図36に示すような押え金具54、55を用いる。
押え金具54、55は、例えば洋白等の非磁性材料から
形成されており、上側の押え金具54には側方開口部5
4aが、また下側の押え金具55には該押さえ金具55
には該押さえ金具54の側方開口部54aに対応する突
起部55aが形成されている。これらの押さえ金具5
4、55は互いにバネ性を有しており、図37のように
これらの押さえ金具54、55を、フェライトコア5
7、58の上下から嵌め合わせることにより、フェライ
トコア57、58をホールドすることができる。また、
下側の押さえ金具55に形成された底部突起55bを、
ハウジング等の凹部に差し込むことにより、フェライト
コア57、58及びコイルから構成される変圧器をハウ
ジング等に取り付けることができる。
【0151】以上のような本実施形態によれば、小型で
ありながら、効率の良い電源の伝送と、広帯域に亘って
フラットな特性の良好な信号の伝送とを、同時に行うこ
とのできる装置を提供することができる。
【0152】
【発明の効果】請求項1記載の信号及び電源伝送装置に
よれば、一対のフェライトコアコイルユニットを、互い
の信号伝送基板が非接触状態となるように対向配置し、
信号伝送基板上の接地パターンと信号伝送パターンのそ
れぞれ少なくとも一箇所に、前記空芯コイルの磁束変化
による誘導起電力に基づく電流の、前記パターン上にお
ける伝達経路、または前記パターンに接続される給電線
と前記パターンとにより形成される伝達経路を切断する
間隙を形成し、当該間隙を介して隣接するパターン同士
をコンデンサにより結合したので、電磁誘導による効率
の良い電源伝送と、容量結合による広帯域にフラットな
特性での信号伝送の双方を良好に行うことができる。
【0153】請求項2記載の信号及び電源伝送装置によ
れば、前記信号伝送基板を前記フェライトコアの凹部に
収納可能な中抜き形状の基板としたので、フェライトコ
アの凹部に収納することができ、信号伝送基板を当該凹
部に収納された空芯コイルの押さえ部材として機能させ
ることができる。また、空芯コイルの前記凹部底面から
の高さを一定に保たれることになるため、対向する空芯
コイル間の間隙は、空芯コイルの循環経路の何れにおい
ても均等になり、安定した電源の伝送を行うことができ
る。更に、前記信号伝送基板を中抜き形状とし、前記フ
ェライトコアの支持板も中抜き形状とすることにより、
液体あるいは気体の配送管上に信号及び電源伝送装置を
配置できる等、配置上の自由度を高めることができる。
【0154】請求項3記載の信号及び電源伝送装置によ
れば、前記フェライトコアの凹部を、リング形状の循環
経路となるように形成し、前記信号伝送基板を、前記フ
ェライトコアの凹部に収納可能なリング形状の基板と
し、前記接地パターンと信号伝送パターンを、それぞれ
前記間隔を介してリング形状に配置される円弧形状のパ
ターンとすると共に、前記接地パターンを外側とし、前
記信号伝送パターンを内側として二重リング状構造を有
するようにしたので、静止側と回転側との間においても
安定して電源の伝送と信号の伝送を行うことができる。
また、磁束の影響による電流を発生させることがないの
で、電源の伝送によって信号の伝送を妨げることを防止
できる。更に、所定周波数の信号伝送を良好に行うこと
ができる。また、前記接地パターンと信号伝送パターン
は、同軸ケーブルを輪切りにした構造なので、アンテナ
による特定帯域の信号伝送ではなく、同軸ケーブルのよ
うな広帯域の信号伝送を行うことができる。
【0155】請求項4記載の信号及び電源伝送装置によ
れば、接地パターンと信号伝送パターン上に、複数の給
電点を設けたので、信号伝送の際の指向性が単一となる
ことを防ぐことができ、静止側と回転側との間において
も安定して電源の伝送と信号の伝送を行うことができ
る。また、信号伝送パターンと接地パターンのそれぞれ
に形成される前記間隙を、少なくとも各給電点の間の位
置に形成したので、磁束の影響による電流の流路を、各
パターンと給電線からなる経路においても確実に切断
し、前記電流の発生を確実に抑えることができる。
【0156】請求項5記載の信号及び電源伝送装置によ
れば、一方の信号伝送基板においてはN個の給電点を設
けた場合には、当該信号伝送基板と対向する他方の信号
伝送基板においては、N−1個の給電点を設けるように
したので、これらの信号伝送基板を相対的に回転させた
場合であっても、互いの回転状態によることなく、対向
する信号伝送基板同士の給電点が全ての点において重な
ることを防止することができる。その結果、信号伝送特
性上のレベルが局所的に落ち込むディップ点を無くし、
安定した信号伝送を行うことができる。
【0157】請求項6記載の信号及び電源伝送装置によ
れば、ポット型フェライトコアの溝状のコイル収容部
に、空芯コイルを収容すると共に、当該空芯コイルを覆
うように、前記信号伝送パターン及び接地パターンが形
成された信号伝送基板を設けるので、小型で安定した信
号の伝送と電源の伝送を行う装置を提供することができ
る。
【0158】請求項7に記載の信号及び電源伝送装置に
よれば、複数の分割型フェライトコアにより、空芯コイ
ルを収納するフェライトコアを構成したので、空芯コイ
ルの循環経路の大型化を容易に行うことができる。従っ
て、中央部分に液体またき気体の供給路を設け、その周
囲において電源の伝送と信号の伝送を行う必要がある場
合でも、専用のフェライトコアを製造することなく、低
コストで信号及び電源伝送装置を実現できる。
【0159】請求項8記載の信号及び電源伝送装置によ
れば、前記分割型フェライトコア群の表面の前記支持部
材の表面に対する高さを略一定としたので、分割型フェ
ライトコア群を所定の間隙を有して対向させた場合に
は、当該間隙は環状に配置された分割型フェライトコア
群の到る所で所定の値に保つことができ、電源伝送の特
性にばらつきが生じることを防止することができる。ま
た、前記間隙は、互いの分割型フェライトコア群を相対
的に回転させても、到る所で所定の値に保たれるので、
前記所定の間隙の微小化が可能である。従って、電源伝
送の効率を向上させることができる。
【0160】請求項9記載の信号及び電源伝送装置によ
れば、前記フェライトコアコイルユニットを支持する支
持部材を非磁性の部材から形成したので、磁束が支持部
材を通ることがなく、磁束の変化による発熱を確実に防
ぐことができる。
【0161】請求項10記載の信号及び電源伝送装置に
よれば、半円筒形状の分割型フェライトコアにより、前
記分割型フェライトコア群を形成したので、各分割型フ
ェライトコアを容易に環状または連鎖状に配置すること
ができ、大径の分割型フェライトコア群を形成すること
ができる。
【0162】請求項11記載の信号及び電源伝送装置に
よれば、U字形状の分割型フェライトコアにより、前記
分割型フェライトコア群を形成したので、各分割型フェ
ライトコアを容易に環状または連鎖状に配置することが
でき、大径の分割型フェライトコア群を形成することが
できる。
【0163】請求項12記載の信号及び電源伝送装置に
よれば、E字形状の分割型フェライトコアにより、前記
分割型フェライトコア群を形成したので、各分割型フェ
ライトコアを容易に環状または連鎖状に配置することが
でき、大径の分割型フェライトコア群を形成することが
できる。
【0164】請求項13記載のロータリージョイントに
よれば、第1のハウジング部材に形成されたフェライト
コアコイルユニットと、第2のハウジング部材に形成さ
れたフェライトコアコイルユニットとの間で、上述した
ように電源の伝送が行われ、互いに回転する第1のハウ
ジング部材と第2のハウジング部材の間においても、磁
束の漏洩が殆ど無い状態で効率良く非接触での電源の伝
送を行うことができる。第1のハウジング部材に形成さ
れたフェライトコアコイルユニットに設けた信号伝送基
板と、第2のハウジング部材に形成されたフェライトコ
アコイルユニットに設けた信号伝送基板とを、同軸上で
所定の間隙を有するように対向させたので、これらの信
号伝送基板間で、上述したように信号の伝送が行われ、
互いに回転する第1のハウジング部材と第2のハウジン
グ部材の間においても、磁束による電流の影響を受ける
ことなく、安定して効率の良い非接触の信号伝送を行う
ことができる。更に、本発明ではフェライトコアコイル
ユニットにおける空芯コイルを覆うように、信号伝送基
板を設けた構成となっているので、ロータリージョイン
トの回転軸方向及び半径方向における余分なスペースを
省略することができ、ロータリージョイントの小型化を
図ることができる。
【0165】請求項14記載の信号伝送基板によれば、
マイクロストリップアンテナ型の信号伝送基板上に形成
された接地パターンと信号伝送パターンは、それぞれ少
なくとも一箇所に間隙が形成されているので、電磁誘導
の方式により電源等を伝送する装置と共に用いた場合で
も、前記パターン上に誘導起電力による循環電流の発生
を防止することができる。また、前記接地パターンと信
号伝送パターンに対する給電点は、前記間隙に対応した
一の連続したパターン毎に設けられているいるので、各
パターンに対する給電線とパターンとで形成される給電
経路に対しても、上述のような誘導起電力による循環電
流の発生を防止することができる。
【0166】請求項15記載の信号伝送基板によれば、
前記接地パターンと信号伝送パターンを円板形状に形成
したので、直線形状のマイクロストリップアンテナに比
べて、信号伝送パターンの面積を広くとることができ、
伝送可能な信号の周波数帯域を広げることができる。ま
た、このような信号伝送基板を一対に設け、それぞれの
円形形状の信号伝送パターンの中心位置を合わせること
により、互いの信号伝送基板を回転させた場合でも、常
にに信号パターン同士を正確に対向させ、効率の良い信
号伝送を行うことができる。
【0167】請求項16記載の信号伝送基板によれば、
前記接地パターンと信号伝送パターンをリング形状に形
成したので、直線形状のマイクロストリップアンテナに
比べて、信号伝送パターンの面積を広くとることがで
き、伝送可能な信号の周波数帯域を広げることができ
る。また、このような信号伝送基板を一対に設け、それ
ぞれのリング形状の信号伝送パターンの中心位置を合わ
せることにより、互いの信号伝送基板を回転させた場合
でも、常にに信号パターン同士を正確に対向させ、効率
の良い信号伝送を行うことができる。
【0168】請求項17記載の信号伝送基板によれば、
接地パターンを、プリント基板の裏面において一様に形
成し、信号伝送パターンを、プリント基板の表面におい
て前記所定の形状に形成したので、信号伝送パターンか
らの磁束は、プリント基板裏面側に回り込むが、前記複
数の給電点により単一方向への指向性を弱めて各方向へ
均一に発生する。従って、このような信号伝送基板を一
対に設け、それぞれのリング形状の信号伝送パターンの
中心位置を合わせることにより、互いの信号伝送基板を
回転させた場合でも、良好に信号の伝送を行うことがで
きる。
【0169】請求項18記載の信号伝送基板によれば、
信号伝送パターンを、プリント基板の表面中央部におい
て前記所定の形状に形成し、接地パターンを、プリント
基板の表面周辺部において信号伝送パターンと所定の間
隙を有して形成したので、信号伝送パターンからの磁束
のプリント基板裏面側への回り込みが無くなる。しか
も、前記複数の給電点により単一方向への指向性を弱め
て各方向へ均一に発生する。従って、このような信号伝
送基板を一対に設け、それぞれのリング形状の信号伝送
パターンの中心位置を合わせることにより、互いの信号
伝送基板を回転させた場合でも、効率良く信号の伝送を
行うことができる。
【0170】請求項19記載の信号伝送基板によれば、
信号伝送パターンと接地パターンとを、プリント基板の
表面において二重リング状のパターンとして形成したの
で、一般的に高周波信号の伝送路として用いられる同軸
ケーブルを輪切りにした構造を実現できる。また、この
ような信号伝送基板を一対設け、対向させることによ
り、互いに対向する接地パターン同士、及び信号伝送パ
ターン同士を、空気層を介して容量結合させることがで
きるので、同軸ケーブル内の信号伝送路を容量結合した
ものと等価の信号伝送路を実現できる。その結果、アン
テナによる特定帯域の信号伝送ではなく、同軸ケーブル
のような広帯域の信号伝送を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における押し出しラミ
ネート加工機の概略構成を示す側面図である。
【図2】図1のラミネート加工機に用いられる冷却ロー
ラの概略構成を示す斜視図である。
【図3】図2の冷却ローラにロータリージョイントを接
続した状態を示す側面図であり、(A)は第1の実施形
態におけるロータリージョイントを備えた場合、(B)
は比較例のロータリージョイントを備えた場合を示す図
である。
【図4】図3(A)に示す第1の実施形態のロータリー
ジョイントの一部を断面視した側面図である。
【図5】第1の実施形態におけるロータリジョイントの
電気的接続関係を示すブロック図である。
【図6】第1の実施形態における分割型フェライトコア
を示す図であり、(A)は当該分割型フェライトコアを
示す斜視図、(B)は(A)の分割型フェライトコアを
一端面50a側から見た側面図、(C)は(A)の分割
型フェライトコアの中心凹部50aに空芯コイル51を
装着した状態を示す側面図、(D)は(C)の空芯コイ
ル51を覆うように信号伝送基板を装着した状態を示す
側面図である。
【図7】第1の実施形態におけるフェライトコアコイル
ユニットの構成を示す平面図である。
【図8】(A)は比較例としての電磁誘導を用いた変圧
器におけるコイル構成の一例を示す図、(B)は(A)
のコイル構成における電流波形を示す図である。
【図9】(A)は第1の実施形態における電源伝送カプ
ラのコイル構成の一例を示す図、(B)は(A)のコイ
ル構成における電流波形を示す図である。
【図10】第1の実施形態における一方の信号伝送基板
を示す平面図である。
【図11】第1の実施形態における他方の信号伝送基板
を示す平面図である。
【図12】第1の実施形態におけるフェライトコアコイ
ルユニット示す平面図である。
【図13】信号伝送パターン及び接地パターンの間にチ
ップコンデンサを取り付けた第1の実施形態における一
方の信号伝送基板を示す平面図である。
【図14】第1の実施形態における信号伝送基板と給電
線との接続状態を示す図である。
【図15】第1の実施形態において行った実験の信号伝
送特性の検査方法を説明する図である。
【図16】第1の実施形態の実験結果を示す図であり、
回転側の給電点と静止側の給電点を複数設けた場合に回
転側の給電点の角度と静止側の給電点の角度が相対的に
0゜の時の信号伝送特性を示す図である。
【図17】第1の実施形態の実験結果を示す図であり、
回転側の給電点と静止側の給電点を複数設けた場合に回
転側の給電点の角度と静止側の給電点の角度が相対的に
90゜の時の信号伝送特性を示す図である。
【図18】第1の実施形態の実験結果を示す図であり、
回転側の給電点と静止側の給電点を複数設けた場合に回
転側の給電点の角度と静止側の給電点の角度が相対的に
180゜の時の信号伝送特性を示す図である。
【図19】第1の実施形態の実験結果を示す図であり、
回転側の給電点と静止側の給電点を複数設けた場合に回
転側の給電点の角度と静止側の給電点の角度が相対的に
270゜の時の信号伝送特性を示す図である。
【図20】第1の実施形態において比較のために行った
実験結果を示す図であり、同軸ケーブルの信号伝送特性
を示す図である。
【図21】第1の実施形態において比較のために行った
実験結果を示す図であり、回転側の給電点と静止側の給
電点を1個のみ設けた場合に回転側の給電点の角度と静
止側の給電点の角度が相対的に0゜の時の信号伝送特性
を示す図である。
【図22】第1の実施形態において比較のために行った
実験結果を示す図であり、回転側の給電点と静止側の給
電点を1個のみ設けた場合に回転側の給電点の角度と静
止側の給電点の角度が相対的に180゜の時の信号伝送
特性を示す図である。
【図23】給電点を複数個設けた円板状のマイクロスト
リップアンテナの構成及び当該アンテナにおける給電点
と指向性の関係を示す図であり、(A)は円板状のマイ
クロストリップアンテナの外観を示す斜視図、(B)は
(A)の円板状のマイクロストリップアンテナにおける
給電点の個数と位置を示す平面図、(C)は(A)の円
板状のマイクロストリップアンテナ直径を示す断面図
(X方向)、(D)は(A)の円板状のマイクロストリ
ップアンテナの直径を示す断面図(Y方向)、(E)は
(A)の円板状のマイクロストリップアンテナの指向性
を示す図である。
【図24】給電点を1個のみ設けた円板状のマイクロス
トリップアンテナの構成及び当該アンテナにおける給電
点と指向性の関係を示す図であり、(A)は円板状のマ
イクロストリップアンテナの外観を示す斜視図、(B)
は(A)の円板状のマイクロストリップアンテナにおけ
る給電点の個数と位置を示す平面図、(C)は(A)の
円板状のマイクロストリップアンテナ直径を示す断面図
(X方向)、(D)は(A)の円板状のマイクロストリ
ップアンテナの指向性を示す図である。
【図25】本発明に適用可能な分割型フェライトコアの
他の例を示す図であり、(A)はE型形状、(B)はU
型形状の分割型フェライトコアを示す図である。
【図26】本発明の第2の実施形態における信号伝送基
板を示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図で
ある(その1)。
【図27】本発明の第2の実施形態における信号伝送基
板を示すであり、(A)は平面図、(B)は側面図であ
る(その2)。
【図28】本発明の第2の実施形態における信号伝送基
板を示すであり、(A)は平面図、(B)は側面図であ
る(その3)。
【図29】本発明の第2の実施形態における信号伝送基
板を示すであり、(A)は平面図、(B)は側面図であ
る(その4)。
【図30】本発明の第3の実施形態におけるフェライト
コアコイルユニット対の構成を示す断面図である。
【図31】図30のフェライトコアコイルユニット対の
外観を示す斜視図である。
【図32】本発明の第3の実施形態におけるフェライト
コアコイルユニット対に使用可能な楕円形状のフェライ
トコアを示す平面図である。
【図33】本発明の第3の実施形態におけるフェライト
コアコイルユニット対に使用可能な四角形状のフェライ
トコアを示す平面図である。
【図34】本発明の第3の実施形態におけるフェライト
コアコイルユニット対に使用可能な三角形状のフェライ
トコアを示す平面図である。
【図35】本発明の第4の実施形態におけるポット型フ
ェライトコアを用いたフェライトコアコイルユニット対
の構成を示す分解斜視図である。
【図36】本発明の第4の実施形態におけるポット型フ
ェライトコアを用いたフェライトコアコイルユニット対
の外観を示す斜視図である。
【図37】本発明の第4の実施形態におけるポット型フ
ェライトコアを用いたフェライトコアコイルユニット対
の取り付け方法を説明する断面図である。
【符号の説明】
1…ロータリージョイント 2…中空軸 4…第1ハウジング部材 5a,5b…ベアリング軸受け 6…第2ハウジング部材 13…第1信号伝送基板 14…第2信号伝送基板 15a,15b…支持板 18…第1フェライトコアコイルユニット 19…第2フェライトコアコイルユニット 50…円筒形状の分割型フェライトコア 50a…楕円形状のフェライトコア 50b…四角形状のフェライトコア 50c…三角形状のフェライトコア 51…空芯コイル 52…E字形状の分割型フェライトコア 53…U字形状の分割型フェライトコア 57,58…ポット型フェライトコア 60…プリント基板 61…信号伝送パターン 62…接地パターン 63…給電点 64…同軸ケーブル 65…給電線 66…チップコンデンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐野 豊和 北海道石狩市新港中央3丁目761番6 株 式会社フォース内 (72)発明者 森下 明 北海道石狩市新港中央3丁目761番6 株 式会社フォース内 (72)発明者 大江 健夫 北海道石狩市新港中央3丁目761番6 株 式会社フォース内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空芯コイルを収納するための凹部が循環
    経路を形成するフェライトコアと、 前記凹部にて前記循環経路を辿るように巻かれて収納さ
    れた空芯コイルと、 前記空芯コイルを覆うように設けられ、接地パターンと
    信号伝送パターンが形成された信号伝送基板と、をそれ
    ぞれ備えた一対のフェライトコアコイルユニットが、互
    いの前記信号伝送基板を非接触状態とするように対向配
    置され、 前記接地パターンと信号伝送パターンは、それぞれ少な
    くとも一箇所に、前記空芯コイルの磁束変化による誘導
    起電力に基づく電流の、前記パターン上における伝達経
    路、または前記パターンに接続される給電線と前記パタ
    ーンとにより形成される伝達経路を切断する間隙が形成
    されており、当該間隙を介して隣接するパターン同士
    は、コンデンサにより結合されている、 ことを特徴とする信号及び電源伝送装置。
  2. 【請求項2】 前記信号伝送基板は、前記フェライトコ
    アの凹部に収納可能な中抜き形状の基板であることを特
    徴とする請求項1記載の信号及び電源伝送装置。
  3. 【請求項3】 前記フェライトコアの凹部は、リング形
    状の循環経路を形成しており、前記信号伝送基板は、前
    記フェライトコアの凹部に収納可能なリング形状の基板
    であり、前記接地パターンと信号伝送パターンは、それ
    ぞれ前記間隔を介してリング形状に配置される円弧形状
    のパターンであると共に、前記接地パターンを外側と
    し、前記信号伝送パターンを内側とする、二重リング状
    構造を有していることを特徴とする請求項1記載の信号
    及び電源伝送装置。
  4. 【請求項4】 接地パターンと信号伝送パターン上に
    は、複数の給電点が設けられており、前記間隙は、少な
    くとも各給電点の間の位置に形成されていることを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれか1記載の信号及び電
    源伝送装置。
  5. 【請求項5】 一方の信号伝送基板における給電点の個
    数をNとすると、当該信号伝送基板と対向する他方の信
    号伝送基板における給電点の個数はN−1に設定されて
    いることを特徴とする請求項4に記載の信号及び電源伝
    送装置。
  6. 【請求項6】 前記フェライトコアは、溝状のコイル収
    容部が形成されたポット型フェライトコアであることを
    特徴とする請求項1ないし5のいずれか1記載の信号及
    び電源伝送装置。
  7. 【請求項7】 前記フェライトコアは、一端面から他端
    面までを貫通する凹部が形成された複数の分割型フェラ
    イトコアからなり、当該複数の分割型フェライトコア
    を、前記凹部により形成される循環経路がリング形状と
    なるように支持部材に取り付けたことを特徴とする請求
    項1ないし5のいずれか1記載の信号及び電源伝送装
    置。
  8. 【請求項8】 前記支持部材の表面から、前記分割型フ
    ェライトコアの前記凹部が形成された表面壁までの高さ
    は略一定であることを特徴とする請求項7記載の信号及
    び電源伝送装置。
  9. 【請求項9】 前記支持部材は非磁性の部材から形成さ
    れていることを特徴とする請求項7または8記載の信号
    及び電源伝送装置。
  10. 【請求項10】 前記分割型フェライトコアは、半円筒
    形状のフェライトコアであることを特徴とする請求項7
    ないし9のいずれか1記載の信号及び電源伝送装置。
  11. 【請求項11】 前記分割型フェライトコアは、U字形
    状のフェライトコアであることを特徴とする請求項7な
    いし9のいずれか1記載の信号及び電源伝送装置。
  12. 【請求項12】 前記分割型フェライトコアは、E字形
    状のフェライトコアであることを特徴とする請求項7な
    いし9のいずれか1記載の信号及び電源伝送装置。
  13. 【請求項13】 中空軸に取り付けられ、あるいは中空
    軸と一体に形成された第1のハウジング部材と、 前記第1のハウジング部材に軸受けにより回転可能に取
    り付けられた第2のハウジング部材とを備え、 請求項1ないし12のいずれか1項記載の記載の信号及
    び電源伝送装置における前記一対のフェライトコアコイ
    ルユニットの一方を前記第1のハウジング部材に設け、
    他方を前記第2のハウジング部材に設け、互いの前記信
    号伝送基板が同軸上で所定の間隙を有するように対向さ
    せた、 ことを特徴とするロータリージョイント。
  14. 【請求項14】 接地パターンと信号伝送パターンがプ
    リント基板上に形成されたマイクロストリップアンテナ
    型の信号伝送基板であって、 前記接地パターンと信号伝送パターンは、それぞれ少な
    くとも一箇所に間隙が形成されており、 前記接地パターンと信号伝送パターンに対する給電点
    は、前記間隙に対応した一の連続したパターン毎に設け
    られている、 ことを特徴とする信号伝送基板。
  15. 【請求項15】 前記接地パターンと信号伝送パターン
    は、円板形状に形成されたパターンであることを特徴と
    する請求項14記載の信号伝送基板。
  16. 【請求項16】 前記接地パターンと信号伝送パターン
    は、リング形状に形成されたパターンであることを特徴
    とする請求項14記載の信号伝送基板。
  17. 【請求項17】 前記接地パターンは、前記プリント基
    板の裏面にて一様に形成され、前記信号伝送パターン
    は、前記プリント基板の表面にて前記所定の形状に形成
    されていることを特徴とする請求項14ないし16のい
    ずれか1記載の信号伝送基板。
  18. 【請求項18】 前記信号伝送パターンは、前記プリン
    ト基板の表面中央部にて前記所定の形状に形成され、前
    記接地パターンは、前記プリント基板の表面周辺部にて
    前記信号伝送パターンと所定の間隙を有して形成されて
    いることを特徴とする請求項14ないし16のいずれか
    1記載の信号伝送基板。
  19. 【請求項19】 前記信号伝送パターンと前記接地パタ
    ーンは、前記プリント基板の表面にて共にリング形状に
    形成された二重リング状のパターンであることを特徴と
    する請求項18記載の信号伝送基板。
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