JP2001043526A - 磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents
磁気記録媒体及びその製造方法Info
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Abstract
護性能が向上したグラニュラー磁性膜を持つ磁気記録媒
体の提供。 【解決手段】 磁気記録媒体は、非磁性基体1の上に、
非磁性下地膜2,強磁性結晶粒とこれを取り囲む非磁性
粒界とを有するグラニュラー磁性膜3,安定な酸化物を
つくる金属材料の中間膜(Co溶出防止膜)4,カーボ
ン保護膜5及び液体潤滑膜6を順次積層した層構造とな
っている。グラニュラー磁性膜3の上に中間層4を成膜
する際に磁性膜表面からイオン化した酸素が解離して
も、その酸素と中間層材料の金属元素とが結合して安定
な酸化物の中間膜が成膜されるので、その中間膜上にカ
ーボン保膜5を成膜する際にはイオン化した酸素が解離
放散することがなく、炭素酸化物を含まない良質な膜質
のカーボン保護膜5を成膜できる。
Description
部記録装置等に搭載される磁気記録媒体及びその製造方
法に関し、特に、グラニュラー磁性膜を持つ磁気記録媒
体の改良に関する。
に伴って、コンピュータによって写真や動画像を処理す
ることへのニーズが高まっている。こうした背景の下、
コンピュータの外部主記憶装置であるハードディスクド
ライブ(以下HDDと略記)に対して、さらなる高密度
・大容量化が要請されている。現在HDDに用いられる
磁気記録媒体の面記録密度は10bits/in2に達してお
り、高密度化の結果として単位ビットに対応する磁化さ
れた領域の物理的なサイズが小さくなっている。磁化面
積が小さくなるにつれ磁化された領域の熱安定性(磁性
体を構成する原子の熱的ゆらぎに対して記録された情報
・磁化の向きを保持する力)も低下する。現在この熱安
定性から推定される記録密度の理論限界は20乃至30Gbit
s/in2 の範囲であると考えられている。
め、現在高密度の磁気記録媒体に最も良く用いられてい
るCo系磁性膜では、磁性膜の白金Ptの組成を増加さ
せることにより材料の結晶磁気異方性を高め保磁力Hc
(現在3000乃至4000Oe)を上げていく手法が採られて
いる。Coなどの強磁性体にPtなどを添加して非磁性
の金属元素の組成比を上げていくと、媒体の磁化率が減
少していくが、近年、磁気抵抗素子,巨大磁気抵抗素子
などのような高感度の磁気ヘッドが開発されてきたた
め、微弱な磁気信号の読み出しが可能であるので、高記
録密度を実現できると期待されている。
添加すると、高保磁力で磁性膜の熱的安定性が向上する
ものの、読み出しノイズが増加することになるため、結
果として読み出しエラーの悪化を招くので、高記録密度
の実現が困難である。細かな粒子から構成される連続な
磁性膜のうち微小な限られた領域だけを磁化する(磁気
的な情報を書き込む)と、例えば、数千個の微粒子から
なる膜の中心部のうちある特定の粒子数個の磁化の方向
を制御する場合、目的の粒子数個だけを磁化しようとし
ても、磁気的な相互作用の大きな強磁性粒子ではその隣
接する粒子にも磁気的に作用し、隣接粒子の磁化の向き
も変えてしまい、このような磁気的相互作用の現象が磁
気記録における読み出しノイズをもたらす。
イズ低減により高記録密度の実現を期待できるものとし
て、特開平10-40529号公報や特開平10-92637号公報に開
示されるようなグラニュラー構造の磁性膜が知られてい
る。この磁性膜は、例えば従来のCo系磁性膜(Co,
Cr,Ta,Ptなどの金属元素を含む)にSiO2 ,
Al2 O3 ,Cr2 O3 などの安定な酸化物を
形成する材料を数%から数十%混入させた材料である。
このような酸化物を添加した材料をターゲットとして用
いてスパッタリング法で成膜した磁性膜の構造は、Co
系の磁性材料の微粒子(この粒子が単一のグレインに対
応)を添加した酸化物の網の目が取り囲むようなネット
ワーク構造をしている。この結果、Co系磁性膜を構成
する粒子間の磁気的相互作用は弱い状態に抑えられる。
従って、グラニュラー構造の磁性膜では、磁気的相互作
用が小さく抑えられているため、制御性良く目的の領域
のみを磁化することができ、低ノイズの磁気記録媒体を
実現できる。
いくためには、記録単位の物理的面積を縮小していかな
ければならないため、記録媒体を構成する磁性粒子の粒
径自体も小さくしていかなければならない。この結果、
磁性粒子は熱による擾乱を受け易くなるため、記録され
た磁化方向を安定して保持することが難しくなる。しか
し、グラニュラー磁性膜は、従来の金属粒子のみから構
成される磁性膜に比較し、粒径を小さくしていっても比
較的保磁力の大きな熱的に安定な(高保磁力を持つ)膜
として期待されている。
グラニュラー磁性膜を有する磁気記録媒体にあっては、
次のような問題点がある。
成が大きいため、媒体のスパッタリン積層成膜工程にお
いて、グラニュラー磁性膜の上にカーボンの保護膜を成
膜する際、プラズマ中のアルゴンArがグラニュラー磁
性膜表面の酸素を叩き出し、プラズマ中にイオン化した
酸素が放散し、このイオン化した酸素とカーボンが結合
して酸化カーボンを生成する過程、あるいはグラニュラ
ー磁性膜の上に一旦成膜されたカーボン膜がイオン化し
た酸素又は酸素ラジカルと結合して酸化カーボンを生成
する過程など、カーボン保護膜の膜質を劣化させる。こ
の膜質の劣化はカーボン保護膜自体の密度低下や部分的
欠陥として現れるものである。また磁性膜表面も粗くな
る。
一定時間(3分間)純水に浸漬し、カーボン保護膜下の
Co系磁性膜からのCo溶出量を比較検討したところ、
グラニュラー磁性膜を持つ媒体は、従来の金属元素から
なる磁性膜の媒体の値(100μg/m2以下)に比し、1000
倍近くの値を示し、保護性能が著しく劣化していること
が判明した。このCo溶出量の値は、カーボン保護膜の
被覆性能及び磁性膜表面の粗さ程度を敏感に反映するも
のである。
は、グラニュラー磁性層上のカーボン保護層の保護性能
が向上したグラニュラー磁性膜を持つ磁気記録媒体及び
その製造方法を提供することにある。
に、本発明は、非磁性基体上に少なくとも非磁性下地
層,磁性層及び炭素を主成分とする保護層を順次積層
し、この磁性層が強磁性粒子とこれを包囲する酸化物を
有してなる磁気記録媒体において、上記磁性層と上記保
護層との間に、酸化物の酸素1分子当たりの標準生成ギ
ブスの自由エネルギーが−94000(cal/mol )未満であ
る金属元素からなる中間層を有してなることを特徴とす
る。ここで、上記磁性層はグラニュラー磁性層である。
また、酸化物の酸素1分子当たりの標準生成ギブスの自
由エネルギーが−94000 (cal/mol )未満である金属元
素とは、Cr,Ti,Zr,V,Siなどの様な安定な
酸化物をつくる金属材料である。
性層と炭素を主成分とする保護層との間に具備する磁気
記録媒体にあっては、スパッタリング積層成膜工程にお
いて、グラニュラー磁性膜の上に中間層を成膜する際に
グラニュラー磁性膜表面からイオン化した酸素が解離し
ても、その酸素と中間層材料の金属元素とが結合して安
定な酸化物を含む中間層が成膜されるものであり、その
中間層上に炭素を主成分とする保護層を成膜する際には
中間層からイオン化した酸素が解離放散することがな
く、炭素酸化物を含まない良質な膜質の保護層を成膜す
ることができる。このため、グラニュラー磁性層を持つ
磁気記録媒体といえども、保護層が従来の金属磁性膜の
媒体と略同程度の保護性能を発揮し、グラニュラー磁性
層からの磁性元素等の溶出量を僅少化でき、グラニュラ
ー磁性層を持つ磁気記録媒体の実用化を図ることができ
る。
る酸化物の酸素1分子当たりの標準生成ギブスの自由エ
ネルギーについて考察する。まず、中間層に金属酸化物
としてトラップされている酸素が保護層中の炭素と結び
付く過程は僅少でなければならない。金属元素をMとす
ると、以下の(1)式のように、この金属元素Mは二酸
化炭素の還元剤として働く元素である。 M + CO2 → MO2 + C (1) (1)式が成立するためには、標準条件でのギブスの自
由エネルギーGf(MO 2)が負である。
る過程(還元反応)、即ち CO2 → C + O2 (2) の標準条件でのギブスの自由エネルギーGf(CO2)
は+94000(cal/mol )であるが、酸素雰囲気での保護
層の成膜中において、(2)式の逆反応(炭素が酸素と
結合する酸化反応)が生じる場合、即ち C + O2 → CO2 (3) の標準条件でのギブスの自由エネルギーGf(CO2)
は−94000(cal/mol )であることからみて、全過程的
には、 M + C + O2 → MO2 + C (4) の反応が成立しなければならない。従って、金属元素M
は炭素Cよりも強酸化性金属(強還元剤)であり、標準
条件でのギブスの自由エネルギーGf(MO2)として
は、−94000(cal/mol )よりも小さくなければならな
い。
素1分子当たりの標準生成ギブスの自由エネルギーGf
は、以下の通りであり、いずれも−94000(cal/mol )
よりも十分小さい値である。 Ti + O2 → TiO2 Gf(TiO2)=−212000cal/mol/O2 (4/3)Cr + O2 → (2/3)Cr2O3 Gf(Cr2O3)=−168000cal/mol/O2 (4/3)V + O2 → (2/3)V2O3 Gf(V2O3)=−181000cal/mol/O2 Zr + O2 → ZrO2 Gf(ZrO2)=−248000cal/mol/O2 Si + O2 → SiO2 Gf(SiO2)=−204000cal/mol/O2 中間層の材料としては、このようにCr,Ti,Zr,
V,Siなどの金属元素を含むものであるが、これらを
用いた合金でも、また他の元素を含むものでも良く、更
に単層膜に限らず、複層膜としても良い。
130Å以上である構成では、純水3分間浸浸でのCo溶
出量を100 μg/m2以下に抑えることができ、保護膜の
性能を従来の金属磁性膜の媒体の場合と略同等にでき
る。
25Å以上である構成でも、純水3分間浸浸でのCo溶出
量を100 μg/m2以下に抑えることができ、保護膜の性
能を従来の金属磁性膜の媒体の場合と略同等にできる。
しては、CoPt合金にCr,Ni,Taのうちの少な
くとも1種の元素を添加した合金とすることがきる。
方法は、非磁性基体の上に非磁性下地層を形成する工程
と、この非磁性下地層の上に強磁性粒子とこれを取り囲
む酸化物を有する磁性層を形成する工程と、この磁性層
の上に炭素を主成分とする保護層を形成する工程とを含
み、上記保護層の形成工程に先立って、上記磁性層の上
に、酸化物の酸素1分子当たりの標準生成ギブスの自由
エネルギーが−94000(cal/mol )以下である金属元素
からなる中間層を形成する工程を有することを特徴とす
る。グラニュラー磁性膜の上に中間層を成膜する工程で
グラニュラー磁性膜表面からイオン化した酸素が解離し
ても、その酸素と中間層材料の金属元素とが結合して安
定な酸化物を含む中間層が成膜されるので、その中間層
上に炭素を主成分とする保護層を成膜する工程では、中
間層からイオン化した酸素が解離放散することがなく、
炭素酸化物を含まない良質な膜質の保護層を成膜するこ
とができる。
非磁性下地層を形成する工程と、この非磁性下地層の上
に強磁性粒子粒とこれを取り囲む酸化物を有する磁性層
を形成する工程と、この磁性層の上に炭素を主成分とす
る保護層を形成する工程とを含み、上記保護層の形成工
程は、Arガスに還元性ガスを含む混合ガス雰囲気下で
スパッタリングして保護層を形成することを特徴とす
る。かかる製法では、中間層を形成せずに、還元性雰囲
気下で保護層を形成するものであるから、グラニュラー
磁性膜表面からイオン化した酸素が解離しても、これが
還元されるので、炭素酸化物を含まない良質な膜質の保
護層を得ることができる。
非磁性下地層を形成する工程と、この非磁性下地層の上
に強磁性粒子とこれを取り囲む酸化物を有する磁性層を
形成する工程と、この磁性層の上に炭素を主成分とする
保護層を形成する工程とを含み、上記磁性層を形成した
後、上記保護層の形成工程に先立って、還元性雰囲気下
でRFグロー放電を施す前処理工程を含むことを特徴と
する。かかる製法では、保護層を形成する前に、グラニ
ュラー磁性層表面の酸素を予め脱酸しているため、その
磁性層の上に保護層を成膜する工程では酸素との結合を
抑制することができ、炭素酸化物を含まない膜質が良質
な保護層を得ることができる。
づいて説明する。図1は本実施形態に係る磁気記録媒体
の層構造を示す模式的断面図である。本例の磁気記録媒
体は、アルミニウム合金,シリコンガラス,又はプラス
チック(ポリカーボネート或いはポリオレフィンなど)
の非磁性基体(基板)1の上に、非磁性下地膜2,強磁
性結晶粒とこれを取り囲む非磁性粒界とを有するグラニ
ュラー磁性膜3,安定な酸化物をつくる金属材料又は難
酸化金属材料の中間膜(Co溶出防止膜)4,カーボン
保護膜5及び液体潤滑膜6を順次積層した層構造となっ
ている。
ンチ,2.5インチなど多種類を採用できる。非磁性下地膜
2はこの上に成膜されるグラニュラー磁性膜3の結晶性
および磁気特性を制御する目的で形成されて、膜厚40nm
までのCr膜の単層膜や膜厚10nmまでのNiP膜と膜厚
40nmまでのCr膜との複層膜から成る。グラニュラー磁
性膜3は非磁性下地膜2の上にCo系磁性層の酸化物を
数mol %から数十mol%含む150 Åまでの膜厚である。
ここでCo系磁性粒子としては、Co60Cr 28Pt
12を用いた。また、酸化物としては、例えば、SiO
2 、Cr2O3 、ZrO2 、TiO2 、Al2
O3 を用いることができる。
性膜3の上にスパッタリング法を用いて成膜する。この
Co溶出防止膜4の材料としては、Cr,Ti,V,S
iなどの安定な酸化物をつくる金属材料が用いられる。
これらの金属元素が有する酸化物の酸素1分子当たりの
標準生成ギブスの自由エネルギーは負の大きな値であ
り、−94000(cal/mol )未満である。このCo溶出防
止膜4の膜構造は単層膜でも良いが、例えば、膜厚2nm
のTi膜の上に膜厚2nmのCr膜や、逆に膜厚2nmのC
r膜の上に膜厚2nmのTi膜のような複層膜でも構わな
い。カーボン保護膜は50乃至150Å成膜する。
磁性膜3としてCo60Cr28Pt12−Cr2 O
3 、Co溶出防止膜4としてTi膜とし、以下のスパ
ッタリング法による成膜条件でサンプル媒体を試作し
た。なお、基板温度は室温で、事前加熱は加えていな
い。
性を図2に示す。この図から明らかなように、Ti膜の
場合、膜厚が25Å以上の場合Co溶出量を100 μg/m2
以下に抑えることができことが判明した。
膜4を成膜する際にグラニュラー磁性膜表面からイオン
化した酸素が解離しても、その酸素とTiとが結合して
安定な酸化物(TiO2 )を含むCo溶出防止膜4が
成膜されるものであるから、そのCo溶出防止膜4上に
カーボン保護膜5を成膜する際にはCo溶出防止膜4か
らイオン化した酸素が解離放散することがなく、炭素酸
化物を含まない膜質が良質なカーボン保護膜5を成膜で
きるものと考えられる。
磁性膜3としてCo60Cr28Pt12−Cr2 O
3 、Co溶出防止膜4としてCr膜とし、実施例1と
同様なスパッタリング法による成膜条件でサンプル媒体
を試作した。
量の層厚依存性を図2に示す。この図から明らかなよう
に、Cr膜の場合、膜厚が130Å以上の場合Co溶出量
を100 μg/m2以下に抑えることができことが判明し
た。Cr膜はTi膜に比しやや劣るものの、膜厚を厚く
すればCo溶出防止機能を充分果たす。
o溶出防止膜4を設けた媒体であったが、本例ではCo
溶出防止膜4を設けずに、非磁性下地膜2としてCr、
グラニュラー磁性膜3としてCo60Cr28Pt12
−Cr2 O3 とし、カーボン保護膜5の形成工程に
おいては、Arガスに還元性ガス(水素ガス)を含む混
合ガス雰囲気下でスパッタリングしてカーボン保護膜5
を形成した。実施例1と同様なスパッタリング法による
成膜条件で媒体を試作した。水素ガス分圧を数mTorr 乃
至数十mTorrとした。
ン保護層4を形成したので、グラニュラー磁性膜3表面
からイオン化した酸素が解離しても、これが還元される
ので、炭素酸化物を含まない膜質が良質なカーボン保護
膜5を得ることができる。
結果、100 μg/m2以下に抑えることができた。
ニュラー磁性膜3を形成した後、カーボン保護膜5の形
成工程に先立って、還元性雰囲気(水素ガス)下でRF
グロー放電を施す前処理工程を行い、その後カーボン保
護膜5を成膜した。非磁性下地膜2としてCr、グラニ
ュラー磁性膜3としてCo60Cr28Pt12−Cr
2 O3 とした。水素ガス圧を数mTorr 乃至数十mTor
rとした。
する前に、グラニュラー磁性膜3表面の酸素を予め還元
しているため、その磁性膜3の上にカーボン保護膜を成
膜する工程では酸素との結合を抑制することができ、炭
素酸化物を含まない膜質が良質なカーボン保護膜5を得
ることができる。
を行った結果、100 μg/m2以下に抑えることができ
た。
して、Cr,Ti,Zr,V,Siなどの安定な酸化物
をつくる金属元素を用いてあるが、逆に、Au,Pt,
Pdの様な難酸化性金属元素を用いても良い。
ュラー磁性層と炭素を主成分とする保護層との間に安定
な酸化物をつくる金属材料の中間層を具備する磁気記録
媒体であるため、次の効果を奏する。
膜する際にグラニュラー磁性膜表面からイオン化した酸
素が解離しても、その酸素と中間層材料の金属元素とが
結合して安定な酸化物を含む中間層が成膜されるもので
あるから、その中間層上に炭素を主成分とする保護層を
成膜する際には中間層からイオン化した酸素が解離放散
することがなく、炭素酸化物を含まない膜質が良質な保
護層を成膜することができる。グラニュラー磁性層から
の磁性元素等の溶出量を僅少化でき、グラニュラー磁性
層を持つ媒体の実用化を図ることができる。
厚が130Å以上である構成では、純水3分間浸浸でのC
o溶出量を100 μg/m2以下に抑えることができ、保護
膜の性能を従来の金属磁性膜の媒体の場合と略同等にで
きる。
厚が25Å以上である構成でも、純水3分間浸浸でのCo
溶出量を100 μg/m2以下に抑えることができ、保護膜
の性能を従来の金属磁性膜の媒体の場合と略同等にでき
る。
rガスに還元性ガスを含む混合ガス雰囲気下でスパッタ
リングして保護層を形成することを特徴とする。かかる
製法では、中間層を形成せずに、還元性雰囲気下で保護
層を形成するものであるから、グラニュラー磁性膜表面
からイオン化した酸素が解離しても、これが還元される
ので、炭素酸化物を含まない膜質が良質な保護層を得る
ことができる。
後、保護層の形成工程に先立って、還元性雰囲気下でR
Fグロー放電を施す前処理工程を含むことを特徴とす
る。かかる製法では、保護層を形成する前に、グラニュ
ラー磁性層表面の酸素を予め脱酸しているため、その磁
性層の上に保護層を成膜する工程では酸素との結合を抑
制することができ、炭素酸化物を含まない膜質が良質な
保護層を得ることができる。
模式的断面図である。
Co溶出量のCo溶出量層厚依存性を示すグラフであ
る。
の中間膜(Co溶出防止膜) 5…カーボン保護膜 6…液体潤滑膜。
Claims (8)
- 【請求項1】 非磁性基体上に少なくとも非磁性下地
層,磁性層及び炭素を主成分とする保護層を順次積層
し、前記磁性層が強磁性粒子とこれを包囲する酸化物を
有してなる磁気記録媒体において、 前記磁性層と前記保護層との間に、酸化物の酸素1分子
当たりの標準生成ギブスの自由エネルギーが−94000
(cal/mol )未満である金属元素からなる中間層を有し
てなることを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項2】 請求項1記載の磁気記録媒体において、
前記中間層は、Cr,Ti,Zr,V,Siを含む群か
ら選ばれた少なくとも1種の元素からなる金属又は合金
の単層膜又は複層膜であることを特徴とする磁気記録媒
体。 - 【請求項3】 請求項2記載の磁気記録媒体において、
前記中間層はCrからなり、その膜厚が130Å以上であ
ることを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項4】 請求項2記載の磁気記録媒体において、
前記中間層はTiからなり、その膜厚が25Å以上である
ことを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に
記載の磁気記録媒体において、前記磁性層に含まれる前
記強磁性粒子は、CoPt合金にCr,Ni,Taのう
ちの少なくとも1種の元素を添加した合金からなること
を特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項6】 非磁性基体の上に非磁性下地層を形成す
る工程と、該非磁性下地層の上に強磁性粒子とこれを取
り囲む酸化物を有する磁性層を形成する工程と、該磁性
層の上に炭素を主成分とする保護層を形成する工程とを
含む磁気記録媒体の製造方法において、 前記保護層の形成工程に先立って、前記磁性層の上に、
酸化物の酸素1分子当たりの標準生成ギブスの自由エネ
ルギーが−94000 (cal/mol )未満である金属元素から
なる中間層を形成する工程を含むことを特徴とする磁気
記録媒体の製造方法。 - 【請求項7】 非磁性基体の上に非磁性下地層を形成す
る工程と、該非磁性下地層の上に強磁性粒子粒とこれを
取り囲む酸化物を有する磁性層を形成する工程と、該磁
性層の上に炭素を主成分とする保護層を形成する工程と
を含む磁気記録媒体の製造方法において、 前記保護層の形成工程は、Arガスに還元性ガスを含む
混合ガス雰囲気下でスパッタリングして前記保護層を形
成することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項8】 非磁性基体の上に非磁性下地層を形成す
る工程と、該非磁性下地層の上に強磁性粒子とこれを取
り囲む酸化物を有する磁性層を形成する工程と、該磁性
層の上に炭素を主成分とする保護層を形成する工程とを
含む磁気記録媒体の製造方法において、 前記磁性層を形成した後、前記保護層の形成工程に先立
って、還元性雰囲気下でRFグロー放電を施す前処理工
程を含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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