JP2001042598A - イオン発生装置及び画像形成装置 - Google Patents

イオン発生装置及び画像形成装置

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JP2001042598A
JP2001042598A JP21324099A JP21324099A JP2001042598A JP 2001042598 A JP2001042598 A JP 2001042598A JP 21324099 A JP21324099 A JP 21324099A JP 21324099 A JP21324099 A JP 21324099A JP 2001042598 A JP2001042598 A JP 2001042598A
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voltage
electrode
ion
discharge
dielectric
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JP21324099A
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English (en)
Inventor
Kenji Sugiura
健治 杉浦
Masafumi Kadonaga
雅史 門永
Takahiko Tokumasu
貴彦 徳増
Makoto Kobu
真 小夫
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Elimination Of Static Electricity (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、放電が強くすぎてイオン発生電
極や誘電体の表面が強い放電により劣化し放電がばらつ
いて不安定となったり、放電の電界強度が弱くてイオン
の発生効率が悪くなったりするという課題を解決しよう
とするものである。 【解決手段】 この発明は、誘電体23と、この誘電体
23を挟む誘導電極22及びイオン発生電極24とを有
し、この誘導電極22及びイオン発生電極24の間に交
流電圧を印加することにより気中放電を起こしてイオン
を発生するイオン発生装置において、前記交流電圧は電
圧の変動しない休止期間がある交流電圧としたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複写機、プリンタ、
ファクシミリ等の画像記録装置、カラー画像記録装置な
どの画像形成装置やIC基板除電器、イオンフロー記録
用イオンヘッド等に用いられるイオン発生装置、及び複
写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像記録装置、カラ
ー画像記録装置などの画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】イオン発生装置は、複写機、プリンタ、
ファクシミリ等の画像記録装置、カラー画像記録装置な
どの画像形成装置において感光体等の帯電、除電を行う
帯電装置、転写装置、除電装置として用いられ、また、
IC基板除電器、イオンフロー記録用イオンヘッド等で
用いられる。このイオン発生装置は、感光体等に接触し
てその帯電又は除電等を行う接触方式と、感光体等の帯
電又は除電等を非接触で行う非接触方式がある。非接触
方式は、誘電体と、この誘電体を挟む誘導電極及びイオ
ン発生電極とを有し、この誘導電極及びイオン発生電極
の間に正弦波の交流電圧を印加することにより気中放電
を起こしてイオンを発生するイオン発生装置などがあ
る。
【0003】非接触方式は、接触方式に比べて優位な点
としては、帯電音、帯電むらによる縞や感光体等の汚染
がないという点がある。公知のイオン発生装置として
は、特開平5−278258号公報、特開平6−754
57号公報、特開平8−82980号公報、特開平9−
80878号公報、特開平5−77482号公報、特開
平10−198124号公報に記載されているものがあ
る。
【0004】特開平5−212897号公報には、イオ
ン放出用放電部材と、この放電部材を、これの駆動電源
に接続するための端子部材と、前記放電部材と端子部材
とを支持する基体とを具備する静電記録ヘッドにおい
て、前記端子部材は、前記放電部材とは別の構造体とし
て、この放電部材の近傍に前記基体により支持され、放
電部材と電気的接続手段で連結されていることを特徴と
する静電記録ヘッドが記載されている。
【0005】特開平5−281834号公報には、厚膜
からなる絶縁層を挟んで配置された第1の電極およびイ
オン発生用孔を有する第2の電極からなり、第1の電極
と第2の電極の間に交流電圧が印加されることによって
気中でイオンを発生すると共に、第1の電極にバイアス
電圧が印加されることによって所定極性のイオンを選択
するように構成された固体イオン発生器を記録媒体に対
向させて配置してなる固体帯電装置において、前記固体
イオン発生器を前記記録媒体上に形成される記録画像の
副走査方向に複数個配置すると共に、これら複数個の固
体イオン発生器に対して前記バイアス電圧および交流電
圧の少なくとも一方を選択的に切り替えて印加する切り
替え手段を有することを特徴とする固体帯電装置が記載
されている。
【0006】特開平9−35890号公報には、帯電物
の帯電電位を誘導板に誘導し、この誘導板に放電電極か
らイオンを照射して帯電物を間接的に除電することを特
徴とする静電気除去方法が記載されている。
【0007】特開平10−181074号公報には、誘
電膜を挟み交差させて配設したライン電極とフィンガー
電極とからなり、フィンガー電極の縁面部でコロナイオ
ンを発生させるコロナイオン発生源と、該コロナイオン
発生源に対して絶縁膜を介して配設したスクリーンホー
ルを有するスクリーン電極と、前記フィンガー電極のコ
ロナイオンを発生させる縁面部に対応して前期絶縁膜に
形成された円形状空間からなるチャネルとを備え、前記
スクリーン電極に記録画像データに従って電圧信号を印
加することによって、前記コロナイオン発生源で発生し
たイオンを前記チャネル及びスクリーンホールを通して
流出させ、記録媒体上に静電潜像を形成させるようにし
たコロナイオン発生装置において、前記ライン電極を、
誘導電極と、該誘導電極から分岐され、前記フィンガー
と重なり合うように配設された放電電極とで構成したこ
とを特徴とするコロナイオン発生装置が記載されてい
る。
【0008】特開平10−213565号公報には、静
電気を帯びやすい有機物質またはエレクトレットに摩擦
または電場を印加して、その表面に一定量の電荷を与え
帯電させ、気体中に存在する陰イオン、陽イオンをその
表面に荷電された電荷の極性に応じて各々時間の経過と
ともに変化する量を、陰、陽イオンを分離して選択的に
とらえるセンサが記載されている。
【0009】特開平10−213954号公報には、静
電潜像が形成される回転可能な感光体ドラムと、基板上
に形成された誘導電極、この誘導電極を覆うように形成
された誘電体層、およびこの誘電体層上に前記誘導電極
を挟むように形成された複数のイオン発生電極を有し、
前記イオン発生電極から発生したイオンを前期感光体ド
ラムに放射することにより前記感光体ドラムの表面を所
定の電位に帯電するイオン発生器と、表面が所定の電位
に帯電された前記感光体ドラムに静電潜像を形成するた
めの静電潜像形成手段と、筐体からなり前記筐体の下面
が前記基板の前記電極が形成された面と反対の面に接触
するように前記イオン発生器を保持する保持手段とを備
えていることを特徴とする電子写真記録装置が記載され
ている。
【0010】特開平10−294162号公報には、絶
縁性を有する絶縁基板と、前記絶縁基板上に形成された
誘導電極と、前記絶縁基板および前記誘導電極を覆う誘
電体層と、イオン発生位置では端部が生じない無端パタ
ーンで前記誘電体層上に形成され、前記誘導電極との間
にギャップを形成するイオン発生電極と、前記イオン発
生電極を覆う保護層とを備えることを特徴とするイオン
発生装置が記載されている。
【0011】特開平10−294163号公報には、絶
縁性を有する絶縁基板と、前記絶縁基板上に形成された
誘導電極と、前記絶縁基板および前記誘導電極を覆う誘
電体層と、前記誘電体層上に形成され、前記誘導電極と
の間にギャップを形成するイオン発生電極と、前記イオ
ン発生電極を覆う保護層と、前記絶縁基板の裏面に設け
られ、それぞれ前記誘導電極と前記イオン発生電極とに
独立して接続された給電電極とを備えることを特徴とす
るイオン発生装置が記載されている。
【0012】特公平7−21669号公報には、被除・
帯電体を除電または帯電する方法において、1〜20μm
の厚さの誘電体と該誘電体を挟む誘導電極と5〜200μ
mの幅の放電電極とを有する放電装置を用い誘導電極と
放電電極との間に交互電圧を印加し、また、被除・帯電
体と放電電極との間に電圧を印加して、放電電極の、前
記誘電体との接触面以外のほぼ全面を覆う放電領域全体
に放電起させてイオンを発生させ、発生したイオンを被
除・帯電体に付着させて被除・帯電体を除電または帯電
することを特徴とする帯電方法が記載されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】誘電体と、この誘電体
を挟む誘導電極及びイオン発生電極とを有し、この誘導
電極及びイオン発生電極の間に正弦波の交流電圧を印加
することにより気中放電を起こしてイオンを発生するイ
オン発生装置においては、イオンの発生量は、誘導電極
とイオン発生電極との間に印加する交流電圧の周波数が
高いほど多くなる。これは、交流電圧の立ち上がり波形
が急峻になり、放電に必要な電界に到達するまでの時間
が短くなり、放電する際の電界強度が強くなるからであ
る。
【0014】しかし、交流電圧の周波数が高いと、放電
の電界強度が強くなりすぎて1周期で起きる放電が強く
なりすぎてしまう。このため、イオン発生電極や誘電体
の表面が強い放電により劣化し、かつ、放電がアーク放
電に近づき、放電がばらついて不安定となる。また、交
流電圧の周波数が低いと、放電の電界強度が弱くなり、
イオンの発生効率が悪くなる。
【0015】本発明は、イオン発生電極や誘電体の表面
が強い放電により劣化することがなく、イオン発生効率
の向上及び放電の安定性向上を図ることができるイオン
発生装置を提供することを目的とし、更に、帯電効率の
良い帯電装置を有する画像形成装置、効率の良い転写装
置を有する画像形成装置、効率の良い除電装置を有する
画像形成装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、誘電体と、この誘電体を挟
む誘導電極及びイオン発生電極とを有し、この誘導電極
及びイオン発生電極の間に交流電圧を印加することによ
り気中放電を起こしてイオンを発生するイオン発生装置
において、前記交流電圧は電圧の変動しない休止期間が
ある交流電圧としたものである。
【0017】請求項2に係る発明は、誘電体と、この誘
電体を挟む誘導電極及びイオン発生電極とを有し、この
誘導電極及びイオン発生電極の間に交流電圧を印加する
ことにより気中放電を起こしてイオンを発生するイオン
発生装置において、前記交流電圧は波形が矩形波である
交流電圧としたものである。
【0018】請求項3に係る発明は、誘電体と、この誘
電体を挟む誘導電極及びイオン発生電極とを有し、この
誘導電極及びイオン発生電極の間に交流電圧を印加する
ことにより気中放電を起こしてイオンを発生するイオン
発生装置において、前記交流電圧は波形がピーク部が平
らで、かつ、立ち上がり、立ち下がりが矩形波に比べて
緩やかである交流電圧としたものである。
【0019】請求項4に係る発明は、請求項2又は3記
載のイオン発生装置において、前記交流電圧はデューテ
ィがある交流電圧としたものである。請求項5に係る発
明は、請求項2、3又は4記載のイオン発生装置におい
て、前記交流電圧は電圧の変動しない休止期間がある交
流電圧としたものである。
【0020】請求項6に係る発明は、請求項1〜5のい
ずれかに記載のイオン発生装置を帯電装置として備えた
ものである。請求項7に係る発明は、請求項1〜5のい
ずれかに記載のイオン発生装置を転写装置として備えた
ものである。請求項8に係る発明は、請求項1〜5のい
ずれかに記載のイオン発生装置を除電装置として備えた
ものである。
【0021】
【発明の実施の形態】誘電体と、この誘電体を挟む誘導
電極及びイオン発生電極とを有し、この誘導電極及びイ
オン発生電極の間に電圧印加手段により交流電圧を印加
することにより気中放電を起こしてイオンを発生するイ
オン発生装置においては、上記交流電圧が正弦波(si
n波)の交流電圧であれば、上述のような課題が生じ
る。そこで、請求項1に係る発明の実施の形態では、誘
導電極及びイオン発生電極の間に電圧印加手段により印
加するsin波の交流電圧に電圧の変動が無い休止期間
を設けた。これにより、交流電圧は、立ち上がりの早い
電圧波形を得るために周波数を高めにし、放電が起きる
ときの電界強度を強くすることができる。その結果、イ
オン発生効率が向上し、一回の放電で発生するイオンの
量が多くなる。さらに、交流電圧は電圧が変動しない休
止期間があるので、放電が不安定になるアーク放電に移
行することもなく、放電が安定する。また、放電が適当
な強度となるので、イオン発生電極や誘電体表面が強い
放電により劣化してしまうこともなくなる。
【0022】一般的な交流波形は、sin波である。s
in波は振幅のピーク値まで電圧が徐々に上昇していく
波形である。上記交流電圧がsin波であれば、誘電体
を挟んだ誘導電極とイオン発生電極との間が徐々に充電
され、誘電体を挟んだ誘導電極とイオン発生電極との間
にかかる電圧が高くなり、イオン発生電極付近の電界が
放電が起きるのに十分なほど高くなると放電が生じ、イ
オンが生成される。
【0023】ところで、sin波形の電圧がピークに向
かって徐々に上昇し、放電が生じる放電電圧になるまで
の時間は、イオンの発生には寄与しない。しかし、si
n波形の電圧が放電電圧になるまでの時間も誘導電極と
イオン発生電極との間には電圧が印加されている。この
ため、誘電体の表面に電荷の蓄積が起こる可能性や、イ
オン発生電極近傍に空間電荷が生じてしまう可能性があ
る。これにより、誘電体とイオン発生電極との間に逆電
界が形成され、放電電圧が上昇してしまう。さらに、環
境により放電電圧が変化してしまう可能性がある。これ
は、誘電体の表面に蓄積される電荷や空間電荷は、湿度
など環境により変化するからである。
【0024】このようなことから、請求項2に係る発明
の実施の形態では、請求項1に係る発明の実施の形態に
おいて、誘導電極及びイオン発生電極の間に電圧印加手
段により交流電圧としてsin波の代りに矩形波の交流
電圧を印加する。矩形波はステップ状に電圧が変化する
電圧波形である。このため、交流電圧は、一瞬で振幅の
ピーク値に達する。従って、上述のように誘導電極及び
イオン発生電極の間にsin波を印加したときのような
不具合を生じない。
【0025】つまり、放電が生じるまで誘導電極及びイ
オン発生電極の間を充電するというような無駄な時間が
なくなる。このため、誘電体の表面に蓄積される電荷や
空間電荷が生じない。よって、効率良くイオン発生電極
でイオンを発生することができるようになる。また、安
定してイオンを発生することができる。
【0026】このように、請求項2に係る発明の実施の
形態では、誘導電極及びイオン発生電極の間に電圧印加
手段により矩形波の交流電圧を印加し、イオン発生の効
率の向上、安定性の向上を図ることができる。ところ
で、矩形波は、フーリエ変換による周波数解析を行うと
分かるように、周波数の高い成分が多く含まれている。
周波数の高い成分が多いと、回路の設計、特に高電圧を
必要とする回路の設計が非常に難しいものとなる。
【0027】そこで、請求項3に係る発明の実施の形態
では、請求項1、2に係る発明の実施の形態において、
誘導電極及びイオン発生電極の間に電圧印加手段により
交流電圧として、sin波や矩形波の代りに、矩形波と
同じように平らな部分がある波形であって、その波形の
立ち上がりが矩形波のようなステップ状ではなくてこれ
より緩やかで、かつ電圧が比較的急激に変化するもの、
例えば台形波などを用いる。
【0028】これにより、交流電圧は高調波成分が矩形
波に比べて少なくなるので、高電圧回路が簡単なものと
なる。また、交流電圧はsin波に比べて立ち上がりが
十分に急峻な波形を用いるので、上述のように誘導電極
及びイオン発生電極の間にsin波を印加したときのよ
うな不具合を生じない。
【0029】誘導電極及びイオン発生電極の間に交流電
圧を印加することにより、気中放電を起こしてイオンを
発生するイオン発生装置では、放電が生じたときにイオ
ン発生電極付近ではプラスとマイナスの両極性のイオン
が発生している。ところが、例えば感光体を用いるカー
ルソンプロセスによる画像形成を行う画像形成装置の帯
電プロセスを考えると、プラスとマイナスの両極性のイ
オンを必要とせず、そのどらちか一方のイオンのみを必
要とする。つまり、プラスとマイナスの両極性のイオン
を同量必要としている訳ではない。
【0030】そこで、請求項4に係る発明の実施の形態
では、請求項1、2、3に係る発明の実施の形態におい
て、誘導電極及びイオン発生電極の間に電圧印加手段に
より印加する交流電圧にはデューティがあるものを用い
る。これにより、どちらか一方のイオンを取り出すと
き、効率良くイオンを取り出すことができる。
【0031】請求項2、3、4に係る発明の実施の形態
においては、請求項1に係る発明の実施の形態と同じよ
うに交流電圧には、電圧の変動がない休止期間を設ける
ことで、イオン発生の効率の向上、安定性の向上を図る
ことができる。矩形波やそれに近い波形では、1周期内
で振幅が最大である時間がある時間続く。この振幅が最
大となる時間は、放電が生じる電圧となっている。この
ため、振幅が最大である間は放電が起き続けてしまう。
1周期内で放電が起き続ける時間は同じくらいの振幅を
持つsin波に比べて長くなり、一回の放電が強くなり
すぎてしまう。このため、放電がアーク放電に近づき、
放電がばらついてしまう。
【0032】このように、交流電圧として矩形波やそれ
に近い波形を誘導電極及びイオン発生電極の間に印加し
た場合、上記のような不具合が生じる。そこで、請求項
5に係る発明の実施の形態では、請求項2、3、4に係
る発明の実施の形態において、誘導電極及びイオン発生
電極の間に電圧印加手段により印加する交流電圧は、矩
形波やそれに近い波形の交流電圧に電圧の変動のない休
止期間を設けたものとする。その結果、一回の放電で発
生するイオンの量が多くなる。さらに、電圧が変動しな
い休止期間があるので、放電が不安定になるアーク放電
に移行することもない。放電は適当な強度となるので、
イオン発生電極や誘電体の表面が強い放電により劣化さ
れてしまうこともなくなる。
【0033】請求項6に係る発明の実施の形態は、請求
項1〜5に係る発明の実施形態のいずれかのイオン発生
装置を帯電装置として用いたものであり、像担持体の帯
電効率が良くなる。請求項7に係る発明の実施の形態
は、請求項1〜5に係る発明の実施形態のいずれかのイ
オン発生装置を転写装置として用いたものであり、転写
効率が良くなる。請求項8に係る発明の実施の形態は、
請求項1〜5に係る発明の実施形態のいずれかのイオン
発生装置を除電装置として用いたものであり、除電効率
が良くなる。
【0034】図3は本発明の実施例1を帯電装置として
用いた画像記録装置からなる画像形成装置の一例を示
す。実施例1は請求項1に係る発明の一実施例であり、
図3に示す画像記録装置は電子写真記録装置である。ま
ず、この画像記録装置について説明する。転写材として
の記録紙は、図示しない給紙トレーを有する給紙装置か
ら給紙ローラにより給紙されて搬送ローラ等によってレ
ジストローラ11へ搬送され、レジストローラ11によ
り像担持体としての感光体12上の画像と同期をとって
送り出される。
【0035】この記録紙は、図示しないガイド板の間な
どを通って転写部へ送られ、転写部で転写装置13によ
り感光体12上の画像が転写されて分離装置14により
感光体1から分離された後に、定着装置15により画像
が定着されて排紙トレイへ排出される。感光体12は、
例えばドラム状感光体が用いられるが、ベルト感光体、
シート状感光体などの像担持体を用いてもよい。
【0036】感光体12の周囲には、帯電装置16、露
光光17により感光体12の露光を行う図示しない露光
装置、現像装置18、転写装置13、分離装置14、ク
リーニング装置19及び除電装置20が配置される。こ
れらの装置16〜20は、各々単体であるが、適宜に共
通のユニットとしてもよい。感光体12は図示しない駆
動部により回転駆動される。
【0037】帯電装置16は、後述する実施例1のイオ
ン発生装置が用いられ、感光体12をマイナスに一様に
帯電する。この帯電装置16は、イオン発生電極面が感
光体12の表面から0.1〜4mmのギャップをおいて
配置される。露光装置は、レーザ光線等の露光光17を
帯電後の感光体12上に照射して感光体12を露光する
ことで静電潜像を感光体12上に形成する。
【0038】現像装置18は、感光体12上の静電潜像
に、マイナスに帯電したトナーを付着させることで、感
光体12上の静電潜像を現像してトナー像とする。転写
装置13は、コロナチャージャ、ローラなどが用いら
れ、感光体12上のトナー像を記録紙へ電気的な力で転
写する。クリーニング装置19は、転写後に感光体12
上に残った残トナーを感光体12から除去し、除電装置
20は残トナー除去後の感光体12の残電位を除去す
る。
【0039】図1は帯電装置16のイオン発生部の断面
を示し、図2はそのイオン発生部をイオン発生電極側か
ら見た図である。帯電装置16のイオン発生部において
は、セラミック等からなる基板21の上に誘導電極22
が平面状に形成され、この誘導電極22の上に該誘導電
極22を覆うようにガラス等の誘電体からなる誘電体層
23が形成される。この誘電体23の上にはイオン発生
電極24が形成され、誘電体層23は抵抗体層25がサ
ンドイッチされる形で(抵抗体層25を挟むように)形
成される。
【0040】これらの誘導電極22、誘電体層23、抵
抗体層25、イオン発生電極24は厚膜印刷によって作
成することが可能である。例えば、誘導電極22の膜厚
は1〜5μm、誘電体層23の膜厚は抵抗体層25を含
めて20〜50μm、抵抗体層25の膜厚は5〜10μ
m、イオン発生電極24の膜厚は1〜30μmとするの
がよい。誘電体層23は、できるだけ誘電率の高いもの
がよい。これは、誘電体層23の誘電率が高い方が誘電
体層23の静電容量が大きくなるからである。イオン発
生電極24は、メッシュ状に形成され、孔を有する形状
となっている。
【0041】このような構成のイオン発生部の誘導電極
22とイオン発生電極24との間に周波数が数百Hz〜
数十kHz、波高値が1〜4kVの高周波電圧を電圧印
加手段としての交流電源(HV)26から印加するとと
もに、イオン発生電極24にバイアス電源27からバイ
アス電圧を与えると、誘導電極22とイオン発生電極2
4との間が充電されて誘導電極22とイオン発生電極2
4との間にかかる電圧が高くなりイオン発生電極24付
近の電界が放電が起きるのに十分なほど高くなると放電
が生じてイオン発生電極24の付近の空気がイオン化さ
れ、この付近(以下イオン発生空間という)28に正と
負のイオンが発生する。
【0042】イオン発生電極24にバイアス電圧として
負の電圧が印加されている場合は、イオン発生空間28
から負のイオンだけが取り出される。仮に、イオン発生
電極24にバイアス電圧として正の電圧が印加されてい
る場合は、イオン発生空間28から正のイオンだけが取
り出される。この帯電装置16は一般的なコロナチャー
ジャに比べて小さな電圧で放電を生じることが可能であ
る。
【0043】抵抗体層25を形成する導電膜は、クロ
ム、銅、タングステン、アルミニウム、白金、チタン等
をスパッタリングなどの手法により形成し、これをフォ
トリソエッチングによりパターン化してもよい。イオン
発生電極24の表面にはSiO 2のコーティングを施し
てコーティング層29を形成してもよい。これにより、
イオンによるスパッタや酸化によるイオン発生電極24
の劣化を防ぐことができることはもちろん、イオン発生
電極24における沿面放電を防ぐことができる。
【0044】例えば、コーティング層29は1〜5μm
の厚さとなるように形成する。このコーティング層29
が厚すぎると、イオンの生成率が低下する。コーティン
グ層29の材質は、窒化物、窒化シリコン、酸化マグネ
シウム、酸化チタン、ガラスなどでもよい。
【0045】次に、実施例1において交流電源26から
誘導電極22とイオン発生電極24との間に交流電圧を
印加した場合について説明する。例えば、交流電源26
から周波数が5kHzの高周波電圧を誘導電極22とイ
オン発生電極24との間に印加した場合を考えてみる。
通常のsin波を誘導電極とイオン発生電極との間に印
加する場合、そのsin波は図4(a)に示すような波
形となる。
【0046】これに対して、実施例1では、交流電源2
6から誘導電極22とイオン発生電極24との間に印加
する交流電圧は、図4(b)に示すように電圧の変動し
ない休止期間がある交流電圧である。この交流電圧の時
間スケールは図4(b)に示したようになっている。こ
の交流電圧におけるsin波の部分の電圧の波形は、周
波数が50kHzのsin波の1周期の波形と同じとし
た。よって、交流電圧が1周期の200μsに誘導電極
22とイオン発生電極24との間に印加されている時間
は20μ秒となる。
【0047】ここで、通常のsin波と実施例1におけ
る交流転圧とで、電圧が振幅の中心からピーク値に達す
るまでの時間を比較すると、図4(a)に示すような通
常のsin波では、その時間が50μ秒となる。これに
対して、図4(b)に示すような実施例1における交流
電圧では、その時間が5μ秒となる。つまり、実施例1
における交流電圧の方が電圧の立ち上がり、立ち下がり
の時間が短いことが分かる。実施例1では、交流電圧
は、波形の立ち上がりが急峻になることで、振幅の中心
から放電に必要な電界に相当する電圧に到達するまでの
時間が短くなり、放電する際の電界強度が強くなる。
【0048】ところで、図4(c)に示すように通常の
sin波で50kHzの高周波電圧を誘導電極22とイ
オン発生電極24との間に印加した場合を考えてみる。
このように周波数が高くて連続した通常のsin波で
は、放電の電界強度が強くなりすぎて1周期で起きる放
電が強くなりすぎてしまう。このため、放電がアーク放
電に近づき、放電がばらついて帯電にむらが生じた。
【0049】また、図4(d)に示すように通常のsi
n波で50kHzの高周波電圧に電圧の変動しない休止
期間を設け、この交流電圧におけるsin波の部分の電
圧の波形を50kHzのsin波の2周期の波形と同じ
としたものを、誘導電極22とイオン発生電極24との
間に印加した場合を考えてみる。この場合は、交流電圧
が1周期内にsin波を2回発生することで放電の規模
を変化させ、イオン発生量を調整することも可能であ
る。
【0050】なお、実施例1では、誘導電極22とイオ
ン発生電極24との間に印加する高周波電圧の周波数は
5kHzであるが、画像記録装置のプロセスの速度によ
り適当にマッチングをとり、高周波電圧の周波数、波高
値を変化させてもよい。また、抵抗体層25にはその両
端間に電源30がつながれており、電源30から抵抗体
層25を流れる電流によるジュール熱を発生させること
ができる。電源30の電圧は、直流電圧もしくは交流電
圧である。このジュール熱は誘電体層23、イオン発生
空間28を加熱する。この時、イオン発生空間28の温
度が40℃以上になるようにし、好ましくは50℃〜7
0℃になるようにする。
【0051】また、図5に示すようにサーミスタなどの
温度センサ31を基板21に設置して温度センサ31で
基板21の温度を検知することで抵抗体層25による加
熱温度をモニタし、或いは図6に示すように温度センサ
31を誘電体層23の端部に設置して温度センサ31で
誘電体層23の端部の温度を検知することで抵抗体層2
5による加熱温度をモニタするようにしてもよい。この
温度センサ31の出力値を図示しない温度制御装置にフ
ィードバックし、この温度制御装置により温度センサ3
1の出力値に基づいて電源30から抵抗体層25への電
流を抵抗体層25によるイオン発生空間28の加熱温度
が正常な範囲(例えば50〜70℃)になるように制御
することにより、環境変動や発熱体(抵抗体層25)に
異常が生じて加熱温度が正常な範囲(例えば50〜70
℃)から外れたとしても補正することができる。抵抗体
層25は自己発熱制御性のある発熱抵抗体を用いてもよ
い。
【0052】このように、実施例1によれば、誘導電極
22とイオン発生電極24との間に立ち上がりの早い電
圧を印加することで、イオンの発生効率を高いものとす
ることができた。また、交流電圧に休止期間を設けるこ
とで、放電が生じるときの電界の大きさを適当なものと
することができ、むらの無い放電を得ることができた。
【0053】次に、本発明の実施例2のイオン発生装置
を帯電装置として用いた画像記録装置からなる画像形成
装置の一例について説明する。この画像記録装置では、
図3に示す上記画像記録装置において、帯電装置16
は、交流電源26として、図7に示すように周波数が5
kHzである矩形波の交流電圧を出力する交流電源を用
いている。実施例2は請求項2に係る発明の一実施例で
ある。
【0054】このように、誘導電極22とイオン発生電
極24との間に印加する交流電圧として矩形波の交流電
圧を用いることで、交流電圧が放電に必要な電界に相当
する電圧に達するまでの立ち上がり時間が一瞬となる。
このため、効率良くイオンを発生することができるよう
になる。
【0055】実施例2によれば、誘導電極とイオン発生
電極との間に印加する交流電圧として矩形波の交流電圧
を用いることで、電圧を急激に変化させることができ、
イオンの発生に関係しない電圧が印加されている時間を
大幅に減らすことができた。これにより、イオン発生の
効率をより良いものとすることができた。
【0056】ところで、矩形波は、周波数解析を行うと
分かるように、周波数の高い成分が多く含まれている。
しかし、高周波が多く含まれていると、高電圧回路の設
計が難しいものとなる。そこで、本発明の実施例3のイ
オン発生装置を帯電装置として用いた画像記録装置から
なる画像形成装置の一例においては、実施例1又は実施
例2のイオン発生装置を帯電装置として用いた画像記録
装置において、帯電装置16は、交流電源26として、
誘導電極22及びイオン発生電極24の間に矩形波と同
じように平らな部分がある波形であって、その波形の立
ち上がりが矩形波のようなステップ状ではなくてこれよ
り緩やかで、かつ電圧が比較的急激に変化するもの、具
体的には図8に示すような台形波の交流電圧を出力する
交流電源を用いている。実施例3は請求項3に係る発明
の一実施例である。
【0057】この場合、イオンの生成能力は、実施例2
のように誘導電極22及びイオン発生電極24の間に交
流電圧として矩形波の交流電圧を印加する場合に比べ
て、若干下がった。具体的には、誘導電極22及びイオ
ン発生電極24の間に交流電圧として、実施例2の矩形
波の交流電圧と同じ波高値の台形波の交流電圧を印加し
た場合には、実施例2に比べて感光体12の帯電電位が
低かった。
【0058】このように、実施例3によれば、誘導電極
とイオン発生電極との間に印加する交流電圧として台形
波の交流電圧を用いて電圧を急激に変化させることで、
イオンの発生に関係しない電圧が印加されている時間を
大幅に減らすことができた。これにより、イオン発生の
効率をより良いものとすることができた。また、交流電
圧の立ち上がり時間を矩形波に比べて遅くすることで、
高圧発生用の回路を簡単なものとすることができた。
【0059】上記実施例では、帯電装置16は感光体1
2の表面をマイナスに帯電する。したがって、帯電装置
16から取り出したいのはマイナスのイオンだけであ
る。しかし、帯電装置16のイオン発生部はプラスとマ
イナスの両極性のイオンが同じくらいの程度で生成され
る。
【0060】そこで、本発明の実施例4のイオン発生装
置を帯電装置として用いた画像記録装置からなる画像形
成装置の一例においては、上記実施例2のイオン発生装
置を帯電装置として用いた画像記録装置において、帯電
装置16は、交流電源26として、図9に示すようにデ
ューティをつけた交流電圧を出力する交流電源を用い
た。この実施例4は、請求項4に係る発明の一実施例で
あり、感光体12をマイナスに帯電させるので、交流電
源26からの交流電圧には、図9に示すようにマイナス
側がプラス側より比率が大きくなるような波形の交流電
圧を用いている。
【0061】マイナス側のデューティをプラス側のデュ
ーティよりも大きくすることで、誘導電極22とイオン
発生電極24との間に印加する交流電圧の平均値はバイ
アス電源27のバイアス電圧よりもマイナス側にシフト
する。つまり、マイナスのイオンは、交流電圧にデュー
ティがないときよりもより強い力で感光体12に引き付
けられる。交流電圧のマイナス側のデューティT2は交
流電圧の1周期Tの60〜80%くらいが望ましい。マ
イナス側のデューティT2が50%に近づくと、交流電
圧にデューティをつけた効果がなくなってしまう。
【0062】具体的な一例としては、交流電圧の周波数
が5kHzのとき、交流電圧のプラス側のデューティT
1=40μ秒、T2=160μ秒である。この時、感光
体12は均一に帯電された。この実施例4によれば、誘
導電極とイオン発生電極との間に印加する交流電圧とし
て、デューティがあるものを用いることで、効率良くプ
ラスかマイナスのイオンを得ることができる。なお、請
求項4に係る発明は、上記実施例3のイオン発生装置に
適用して、交流電源26として、実施例4と同様にデュ
ーティをつけた台形波の交流電圧を出力する交流電源を
用いるようにしてもよい。
【0063】上記実施例2、3、4における交流電圧の
波形は、1周期の中で放電が生じる電圧にある状態が、
sin波に比べて長い。つまり、放電がアーク放電に移
行し、放電がばらつきやすくなる。そこで、本発明の実
施例5のイオン発生装置を帯電装置として用いた画像記
録装置からなる画像形成装置の一例においては、上記実
施例2又は実施例4のイオン発生装置を有する画像記録
装置において、帯電装置16は、交流電源26として、
例えば図10に示すように矩形波でデューティがあり、
かつ電圧が変動しない休止期間があるものを出力する交
流電源を用いている。
【0064】この実施例5によれば、交流電圧は電圧が
変動しない期間があるので、放電が不安定になるアーク
放電に移行することがない。よって、常にむらのない放
電を得ることができるようになった。さらに、放電は適
当な強度となるので、イオン発生電極や誘電体表面が強
い放電により劣化されてしまうこともなくなる。なお、
請求項5に係る発明は、上記実施例3のイオン発生装置
に適用して、交流電源26として、実施例5と同様にデ
ューティがあり、かつ電圧が変動しない休止期間がある
台形波の交流電圧を出力する交流電源を用いるようにし
てもよい。上記実施例1〜5は、請求項6に係る発明の
実施例でもあり、感光体12の帯電効率が良くなった。
【0065】図11は本発明の実施例6を示す。この実
施例6は、請求項7に係る発明の一実施例である。実施
例6では、上述した図3に示す画像形成装置としての電
子写真記録装置からなる画像記録装置において、転写装
置13の代りに上記実施例1のイオン発生装置と同様な
イオン発生装置が転写装置32として用いられる。この
転写装置32は転写時の電界ができるだけ狭い範囲に集
中した方がよい。このため、転写装置32はイオン発生
部の幅が帯電装置16のイオン発生部に比べて細くなっ
ている。
【0066】転写装置32は、誘導電極22とイオン発
生電極24との間に周波数が数百Hz〜数十kHz、波
高値が1〜4kVの高周波電圧を電圧印加手段としての
交流電源(HV)26から印加すると、イオン発生電極
24の付近のイオン発生空間28の空気がイオン化さ
れ、このイオン発生空間28に正と負のイオンが発生す
る。このイオンがレジストローラ11から搬送されてき
た転写材の裏面を帯電させることで、感光体12上のト
ナー像を電気的な力で転写材の表面に転写させる。
【0067】なお、転写装置32は、帯電装置16と同
様に上記温度センサ31及び温度制御装置を設けて抵抗
体層25によるイオン発生空間28の加熱温度が正常な
範囲(例えば50〜70℃)になるように制御してもよ
い。また、帯電装置16は、コロナチャージャやローラ
を用いてこれに電圧を電源から印加することにより感光
体12を帯電するようにしてもよい。また、分離装置1
4は実施例1と同様なイオン発生装置を用いて転写材の
電荷を除去することで転写材を感光体12から分離する
ようにしてもよい。
【0068】この実施例6によれば、転写装置の転写効
率が良くなった。なお、実施例6において、転写装置3
2及び分離装置16には、実施例2〜5のいずれかのイ
オン発生装置を用いるようにしてもよい。
【0069】図12は本発明の実施例7を示す。この実
施例7は、請求項8に係る発明の一実施例である。実施
例7では、上述した図3に示す画像形成装置としての電
子写真記録装置からなる画像記録装置において、除電装
置20の代りに上記実施例1のイオン発生装置と同様な
イオン発生装置が除電装置33として用いられ、帯電装
置16の代りにコロナチャージャ(若しくはローラ)3
4が用いられて電源からコロナチャージャ34に電圧が
印加される。図13は除電装置33のイオン発生部を示
す。このイオン発生部は、実施例1のイオン発生部と基
本的には同じであるが、イオン発生電極24が接地さ
れ、感光体12の接地されている基体とイオン発生電極
24とが同電位になっている。
【0070】誘導電極22とイオン発生電極24との間
に周波数が数百Hz〜数十kHz、波高値が1〜4kV
の高周波電圧を電圧印加手段としての交流電源(HV)
26から印加すると、イオン発生電極24の付近のイオ
ン発生空間28の空気がイオン化され、このイオン発生
空間28に正と負のイオンが発生する。このイオンが感
光体12の表面を一様に除電し、感光体12の表面電位
を0Vとする。
【0071】なお、生成したイオンは、正極性と負極性
とで移動速度が異なる。このため、プロセススピードに
よっては感光体12の表面がプラスに帯電されてしまう
ことがある。このようなときは、イオン発生電極24に
バイアス電源からバイアス電圧を印加して感光体12の
表面が必ず除電されるようにし、若しくは実施例4と同
様に誘導電極22とイオン発生電極24との間に印加す
る交流電圧にデューティをつけるようにする。
【0072】この実施例7によれば、感光体12の除電
を効率良く行うことができる。なお、実施例7におい
て、除電装置33には、実施例2〜5のいずれかのイオ
ン発生装置を用いるようにしてもよい。なお、本発明
は、上記実施形態、実施例に限定されるものではなく、
例えばIC基板除電器、イオンフロー記録用イオンヘッ
ド等に用いられるイオン発生装置などに適用することが
できる。
【0073】
【発明の効果】以上のように請求項1に係る発明によれ
ば、上記構成により、誘導電極とイオン発生電極との間
に立ち上がりの早い電圧を印加することで、イオンの発
生効率を高いものとすることができる。また、交流電圧
に休止期間を設けることで、放電が生じるときの電界の
大きさを適当なものとすることができ、むらの無い放電
を得ることができる。
【0074】請求項2に係る発明によれば、上記構成に
より、誘導電極とイオン発生電極との間に印加する交流
電圧として矩形波の交流電圧を用いることで、電圧を急
激に変化させることができ、イオンの発生に関係しない
電圧が印加されている時間を大幅に減らすことができ
る。これにより、イオン発生の効率をより良いものとす
ることができる。
【0075】請求項3に係る発明によれば、上記構成に
より、誘導電極とイオン発生電極との間に印加する交流
電圧として台形波の交流電圧を用いて電圧を急激に変化
させることで、イオンの発生に関係しない電圧が印加さ
れている時間を大幅に減らすことができる。これによ
り、イオン発生の効率をより良いものとすることができ
る。また、交流電圧の立ち上がり時間を矩形波に比べて
遅くすることで、高圧発生用の回路を簡単なものとする
ことができる。
【0076】請求項4に係る発明によれば、上記構成に
より、誘導電極とイオン発生電極との間に印加する交流
電圧として、デューティがあるものを用いることで、効
率良くプラスかマイナスのイオンを得ることができる。
請求項5に係る発明によれば、上記構成により、交流電
圧は電圧が変動しない期間があるので、放電が不安定に
なるアーク放電に移行することがない。よって、常にむ
らのない放電を得ることができるようになる。さらに、
放電は適当な強度となるので、イオン発生電極や誘電体
表面が強い放電により劣化されてしまうこともなくな
る。
【0077】請求項6に係る発明によれば、上記構成に
より、帯電装置の効率が良くなる。請求項7に係る発明
によれば、上記構成により、転写装置の効率が良くな
る。請求項8に係る発明によれば、上記構成により、除
電装置の効率が良くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のイオン発生部を示す断面図
である。
【図2】同イオン発生部をイオン発生電極側から見た下
面図である。
【図3】上記実施例1を帯電装置として用いた画像記録
装置の一例を示す概略図である。
【図4】通常のsin波、実施例1の交流電圧、通常の
sin波、本発明で用いる交流電圧の例を示す波形図で
ある。
【図5】上記実施例1における温度センサの設置例を示
す断面図である。
【図6】温度センサの他の設置例を示す断面図である。
【図7】本発明の実施例2の交流電圧波形を示す波形図
である。
【図8】本発明の実施例3の交流電圧波形を示す波形図
である。
【図9】本発明の実施例4の交流電圧波形を示す波形図
である。
【図10】本発明の実施例5の交流電圧波形を示す波形
図である。
【図11】本発明の実施例6を示す概略図である。
【図12】本発明の実施例7を示す概略図である。
【図13】同実施例7における除電装置のイオン発生部
を示す断面図である。
【符号の説明】
12 感光体 16 帯電装置 22 誘導電極 23 誘電体層 24 イオン発生電極 25 抵抗体層 26 交流電源 27 バイアス電源 32 転写装置 33 除電装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 徳増 貴彦 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 (72)発明者 小夫 真 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H003 BB11 BB14 CC00 EE12 2H032 AA00 2H035 AA00 AZ01 5G067 AA42 AA65 DA01 DA19

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘電体と、この誘電体を挟む誘導電極及び
    イオン発生電極とを有し、この誘導電極及びイオン発生
    電極の間に交流電圧を印加することにより気中放電を起
    こしてイオンを発生するイオン発生装置において、前記
    交流電圧は電圧の変動しない休止期間がある交流電圧と
    したことを特徴とするイオン発生装置。
  2. 【請求項2】誘電体と、この誘電体を挟む誘導電極及び
    イオン発生電極とを有し、この誘導電極及びイオン発生
    電極の間に交流電圧を印加することにより気中放電を起
    こしてイオンを発生するイオン発生装置において、前記
    交流電圧は波形が矩形波である交流電圧としたことを特
    徴とするイオン発生装置。
  3. 【請求項3】誘電体と、この誘電体を挟む誘導電極及び
    イオン発生電極とを有し、この誘導電極及びイオン発生
    電極の間に交流電圧を印加することにより気中放電を起
    こしてイオンを発生するイオン発生装置において、前記
    交流電圧は波形がピーク部が平らで、かつ、立ち上が
    り、立ち下がりが矩形波に比べて緩やかである交流電圧
    としたことを特徴とするイオン発生装置。
  4. 【請求項4】請求項2又は3記載のイオン発生装置にお
    いて、前記交流電圧はデューティがある交流電圧とした
    ことを特徴とするイオン発生装置。
  5. 【請求項5】請求項2、3又は4記載のイオン発生装置
    において、前記交流電圧は電圧の変動しない休止期間が
    ある交流電圧としたことを特徴とするイオン発生装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載のイオン発
    生装置を帯電装置として備えたことを特徴とする画像形
    成装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜5のいずれかに記載のイオン発
    生装置を転写装置として備えたことを特徴とする画像形
    成装置。
  8. 【請求項8】請求項1〜5のいずれかに記載のイオン発
    生装置を除電装置として備えたことを特徴とする画像形
    成装置。
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