JP2001042514A - ポジ型感光感熱記録材料 - Google Patents

ポジ型感光感熱記録材料

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JP2001042514A
JP2001042514A JP11214875A JP21487599A JP2001042514A JP 2001042514 A JP2001042514 A JP 2001042514A JP 11214875 A JP11214875 A JP 11214875A JP 21487599 A JP21487599 A JP 21487599A JP 2001042514 A JP2001042514 A JP 2001042514A
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JP11214875A
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English (en)
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Kozo Nagata
幸三 永田
Shintaro Washisu
信太郎 鷲巣
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性を向上させる。 【解決手段】 二軸延伸ポリマーシートを含む支持体上
に、熱応答性マイクロカプセルに内包された発色成分A
と、同一分子内に前記発色成分Aと反応して発色させる
部位及び重合性基を有する実質的に無色の化合物Bと光
重合開始剤とを含む、熱応答性マイクロカプセル外部の
光重合性組成物とを含有する感光感熱記録層を有するポ
ジ型感光感熱記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外〜赤外領域に
ある各種光源の利用が可能な単色又は多色のポジ型感光
感熱記録材料に関し、詳しくは、感度、コントラスト、
非画像部の白色性及び耐熱性に優れた画像を形成しうる
ポジ型感光感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、液状の現像剤等を用いず、廃
棄物の発生のないドライタイプの画像記録方法が種々検
討されており、中でも、光により硬化する組成物を用い
る方法が注目されている。
【0003】この方法は、露光することによって、記録
材料中に含まれる、光により硬化する組成物が硬化する
ことにより潜像が形成され、一方、記録材料中の未露光
部に含まれる、加熱により発色若しくは消色反応に作用
する成分が記録材料内で移動し色画像を形成することを
特徴とする。このような方式の記録材料を用いる場合、
まず、光を画像原稿を通して記録材料上に露光し、該露
光部を硬化させて潜像を形成した後、この記録材料を加
熱することにより、未硬化部分(未露光部分)に含まれ
る発色若しくは消色反応に作用する成分を移動させ、可
視画像を形成する。
【0004】この方式によれば、廃棄物の発生のない完
全ドライシステムを実現することができる。
【0005】しかし、この方式は、支持体内の水分が加
熱により膨れ、実用上許容できない、ブリスターと呼ば
れる火ぶくれができるという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みなされたものであり、その目的は、感度、コントラ
スト、非画像部の白色性及び耐熱性に優れたポジ型感光
感熱記録材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、以下のポ
ジ型感光感熱記録材料を提供することにより解決され
る。 (1)二軸延伸ポリマーシートを含む支持体上に、熱応
答性マイクロカプセルに内包された発色成分Aと、同一
分子内に前記発色成分Aと反応して発色させる部位及び
重合性基を有する実質的に無色の化合物Bと光重合開始
剤とを含む、熱応答性マイクロカプセル外部の光重合性
組成物とを含有する感光感熱記録層を有するポジ型感光
感熱記録材料。 (2)前記二軸延伸ポリマーシートが、微小空隙を有す
る、延伸されたポリマーコア層と、前記ポリマーコア層
の少なくとも片面に設けられ、TiO2で着色した微小
空隙を有しない、延伸されたポリマー表面層とを備えた
複合シートであることを特徴とする前記(1)に記載の
ポジ型感光感熱記録材料。 (3)前記支持体が、基材シートと前記基材シートの少
なくとも片面に設けられた前記二軸延伸ポリマーシート
とを備えた複合支持体である前記(1)又は(2)に記
載のポジ型感光感熱記録材料。 (4)前記支持体が、前記基材シートの少なくとも片面
に前記二軸延伸ポリマーシートが押出しにより積層され
たことを特徴とする前記(3)に記載のポジ型感光感熱
記録材料。 (5)前記二軸延伸ポリマーシートがポリプロピレンで
形成される前記(1)から(4)のいずれかに記載のポ
ジ型感光感熱記録材料。
【0008】本発明のポジ型感光感熱記録材料は二軸延
伸ポリマーシートを含む支持体を用いることを特徴と
し、これにより耐熱性に優れた熱現像用記録材料を提供
することができる。
【0009】二軸延伸ポリマーシートとして(2)に記
載のものを用いれば、微小空隙により光照射時に光の散
乱が抑えられ、画像の鮮鋭度が高くなるという利点を奏
することができる。
【0010】また、基材シートの両面に二軸延伸ポリマ
ーシートを備えた複合支持体を使用した場合には、現像
処理後のカールが抑えられるという効果を奏することが
できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の記録材料につい
て、詳細に説明する。
【0012】本発明の記録材料は、二軸延伸ポリマーシ
ートを含む支持体上に、熱応答性マイクロカプセルに内
包された発色成分Aと、同一分子内に前記発色成分Aと
反応して発色させる部位及び重合性基を有する実質的に
無色の化合物Bと光重合開始剤とを含む、熱応答性マイ
クロカプセル外部の光重合性組成物とを含有する感光感
熱記録層を有するポジ型感光感熱記録材料である。
【0013】この感光感熱記録材料は、所望の画像形状
に露光することにより、マイクロカプセル外部にある光
重合性組成物が、光重合開始剤から発生するラジカルに
より重合反応を起こして硬化し、所望の画像形状の潜像
を形成する。次いで、加熱することにより未露光部分に
存在する前記化合物Bが記録材料内を移動し、カプセル
内の発色成分Aと反応し発色する。
【0014】従って、露光部では発色せず、未露光部の
硬化されなかった部分が発色し画像を形成するポジ型の
感光感熱記録材料である。
【0015】この感光感熱記録材料は複数の記録層を備
えてもよい。この場合、それぞれ異なる色相に発色する
発色成分Aをカプセル中に存在させた単色の記録層を複
数積層し、波長の異なる複数の光源を用いて光照射する
ことにより多色画像を実現することができる。
【0016】前記記録材料の具体的態様としては、特開
平3−87827号に記載の、マイクロカプセル外部
に、電子受容性基と重合性基を同一分子内に有する化合
物、光重合開始剤を含有する光硬化性組成物及びマイク
ロカプセルに内包された電子供与性無色染料を含有する
感光感熱記録層を塗設したポジ型の感光感熱記録材料が
挙げられる。
【0017】この感光感熱記録材料は、露光によりマイ
クロカプセル外部にある光硬化性組成物が重合して硬化
し、潜像が形成される。その後、加熱により未露光部分
に存在する前記電子受容性基と重合性基を同一分子内に
有する化合物が記録材料内を移動し、マイクロカプセル
内の電子供与性無色染料と反応、発色する。従って、露
光部の硬化した潜像部分は発色せず、硬化されなかった
部分のみが発色し、コントラストの高い鮮明なポジ画像
を形成することができる。
【0018】本発明に使用する二軸延伸ポリマーシート
に適した熱可塑性ポリマーとしては、ポリエチレンやポ
リプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル類、ポ
リアミド類、ポリカーボネート類、セルロースエステル
類、ポリスチレン、ポリビニル樹脂、ポリスルホンアミ
ド類、ポリエーテル類、ポリイミド類、ポリビニリデン
フルオライド、ポリウレタン類、ポリフェニレンスルフ
ィド類、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアセタール
類、ポリスルホネート類、ポリエステルアイオノマー
類、及びポリオレフィンアイオノマー並びにこれらのポ
リマー類の混合物を挙げることができる。これらの中で
は、低コストで良好な強度及び表面特性を有するポリプ
ロピレンを用いることが好ましい。
【0019】本発明に使用する二軸延伸ポリマーシート
は、微小空隙を有する二軸延伸ポリマーシートが好まし
く、微小空隙を有する、延伸されたポリマーコア層と、
前記ポリマーコア層の少なくとも片面に設けられた微小
空隙を有しない、延伸されたポリマー表面層とを備えた
複合シートであることがより好ましく、ポリマー表面層
がポリマーコア層の両面に設けられた複合シートである
ことがさらに好ましい。このような複合シートは不透明
でかつ光沢度が高く、鮮鋭性がよい。このような複合シ
ートは微粒子を含むポリマーコア層とポリマー表面層を
同時に押出し成形し、その後常法に従って二軸延伸する
ことにより、ポリマーコア層に含まれている微粒子の周
りに空隙を形成することにより作製することができる。
このような複合シートの製造は詳しくは、米国特許第
4,377,616号明細書、同4,758,462号
明細書、同4,632,869号明細書に開示されてい
る方法によることができる。
【0020】好ましい複合シートのポリマーコア層は、
複合シート全体の厚さの15〜95%、好ましくは30
〜85%である。この複合シートの密度(比重)は、4
5%〜100%、好ましくは67%〜100%であるの
がよい。この密度はポリマー密度に対する複合シートの
密度の百分率を意味する。前記密度が45%よりも小さ
くなると、この複合シートは、引張り強さの低下のため
に製造しにくくなり、物理的なダメージをより受けやす
くなる。
【0021】この複合シートの総厚は、12〜100μ
m、好ましくは20〜70μmである。12μ未満の場
合には、紙等の基材シートの非平面性をカバーすること
ができず、また100μmを超えると、表面平滑性及び
機械的特性のそれ以上の改良はほとんどみられない。
【0022】この複合シートについてさらに詳細に説明
すると、ポリマー表面層およびポリマーコア層を形成す
る樹脂材料としては、ポリオレフィン類が好ましく用い
られる。具体的には、ポリプロピレン、ポリエチレン、
ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ポリブチレン及び
それらの混合物が挙げられる。プロピレンとヘキセン、
ブテン、オクテン等のコポリマー類も有用である。中で
も低コストで、良好な強度を有するポリプロピレンが好
ましく用いられる。ポリマー表面層とポリマーコア層の
材料は同じでもあるいは異なっていてもよい。
【0023】ポリマーコア層に含まれる微粒子としては
高分子材料からなる微粒子、金属微粒子、ガラス微粒
子、セラミック微粒子、クレー、タルク、硫酸バリウ
ム、炭酸カルシウム等の無機微粒子等が用いられる。高
分子材料からなる微粒子としては特開平10−3332
78号公報の[0020]〜[0023]に記載の微粒
子を用いることができる。本発明においては高分子材料
からなる微粒子を用いることが好ましい。また、用いる
微粒子はサイズが直径が0.1〜10μmで、球形のも
のが好ましい。
【0024】ポリマー表面層には、白色度の向上のため
に白色顔料、たとえば酸化チタン、硫酸バリウム、クレ
ー、炭酸カルシウム等を添加することができる。添加量
は、1〜40重量%が適切である。
【0025】本発明では、基材と基材の少なくとも片面
に二軸延伸ポリマーシートを備えた複合支持体を使用す
ることができる。この場合の特に感光感熱記録層側の二
軸延伸ポリマーシートとしては前記複合シートを好まし
く使用することができる。
【0026】基材としては、透明基材あるいは不透明基
材のいずれも使用可能である。透明基材に使用できる材
料としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエス
テル類、ニトロセルロース、セルロースアセテート、セ
ルロースアセテートブチレート等のセルロースエステル
類、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイ
ミド、ポリカーボネート、ポリアミド等が挙げられる。
中でもポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0027】不透明基材としては上質紙、中質紙、アー
ト紙、コート紙、キャストコート紙、銀塩写真用支持体
に用いられる原紙、銀塩写真用支持体等に使用されるバ
ライタ紙等の高光沢の紙;ポリエチレン等のポリオレフ
ィン類、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポ
リエステル類、ニトロセルロース、セルロースアセテー
ト及びセルロースアセテートブチレート等のセルロース
エステル類、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイ
ド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアミド等のプ
ラスチックフィルムに白色顔料等を含有させて不透明に
したフィルム、あるいは紙に白色顔料等含有プラスチッ
ク(プラスチックとしては前記の透明プラスチック等)
の被覆層を設けた複合シート、空隙含有フィルム等を挙
げることができる。
【0028】前記基材の厚さは50〜200μmのもの
が取り扱いやすく好ましい。
【0029】複合支持体の感光感熱記録層側およびこれ
と反対側の二軸延伸ポリマーシートは、690MPa〜
5520MPaの縦方向のヤング弾性率を有することが
好ましく、横方向のヤング弾性率は、690MPa〜5
520MPaであることが好ましい。また、前記基材は
好ましくは1300MPa〜2760MPaの縦方向の
ヤング率及び6900MPa〜1380MPaの横方向
のヤング率を有する。前記二軸延伸ポリマーシートのヤ
ング率は、たとえば基材が乾燥することによりカールし
ようとする力に対抗するように縦あるいは横方向に延伸
する延伸率を定めることにより達成される。このように
二軸延伸ポリマーシートのヤング率を適切に選択するこ
とにより環境変化により複合支持体がカールすることを
防ぐことができる。
【0030】支持体が基材の両面に二軸延伸ポリマーシ
ートを備えた複合支持体である場合、感光感熱記録層が
設けられる側とは反対側(以後、反感光感熱記録層側と
よぶ)の二軸延伸ポリマーシートは空隙を有していても
また有していなくてもよい。空隙を有するものとして
は、前記のごとき複合シートを同様に用いることができ
る。好ましい二軸延伸ポリマーシートとしては、一層か
らなる二軸延伸ポリオレフィンシート、たとえば、ポリ
エチレンもしくはポリプロピレンからなる二軸延伸シー
トである。この二軸延伸シートの厚みは、10〜150
μmであるのがよい。10μ未満では、紙等の基材の非
平面性をカバーすることができず、また150μmを超
えると、表面平滑性及び機械的特性のそれ以上の改良は
ほとんどみられない。
【0031】反感光感熱記録層側の二軸延伸ポリマーシ
ートも常法に従って作製することができる。
【0032】さらに、反感光感熱記録層側の二軸延伸ポ
リマーシートの基材に接する側の表面に、画像等の情報
あるいは装飾のごとき表示を、印刷によって担持させる
ことができる。また二軸延伸ポリマーシートをエンボス
することによって画像等の情報あるいは装飾のごとき表
示を担持させることもできる。
【0033】本発明では、複合支持体は、たとえば前記
のごとき感光感熱記録層側の二軸延伸ポリマーシート、
基材、および反感光感熱記録層側の二軸延伸ポリマーシ
ートを積層し、好ましくはこれらの材料の間に接着剤を
介して積層し、2つのロールの間を通して圧着すること
により作製することができる。好ましい接着剤としては
ポリエチレン樹脂が用いられる。このほか本発明で使用
する複合支持体としては特開平10−333278号公
報の[0009]〜[0050]に記載の項目を利用す
ることができる。
【0034】本発明の記録材料中には、発色源として、
マイクロカプセルに内包した発色成分A及び前記発色成
分Aと反応して発色させる部位を有する実質的に無色の
化合物Bを含有させる。
【0035】前記発色源としての二成分(発色成分A及
び発色させる部位)の組合せとしては、下記(ア)〜
(ツ)の組合せを好適に挙げることができる(下記例に
おいて、それぞれ前者が発色成分、後者が発色させる部
位を表す。)。
【0036】(ア)電子供与性染料前駆体と電子受容性
化合物との組合せ。
【0037】(イ)ジアゾニウム塩化合物とカップリン
グ成分(以下、適宜「カプラー化合物」と称する。)と
の組合せ。
【0038】(ウ)ベヘン酸銀、ステアリン酸銀等の有
機酸金属塩と、プロトカテキン酸、スピロインダン、ハ
イドロキノン等の還元剤との組合せ。
【0039】(エ)ステアリン酸第二鉄、ミリスチン酸
第二鉄等の長鎖脂肪酸鉄塩と、タンニン酸、没食子酸、
サリチル酸アンモニウム等のフェノール類との組合せ。
【0040】(オ)酢酸、ステアリン酸、パルミチン酸
等のニッケル、コバルト、鉛、銅、鉄、水銀、銀塩のよ
うな有機酸重金属塩と、硫化カルシウム、硫化ストロン
チウム、硫化カリウム等のアルカリ金属またはアルカリ
土類金属硫化物との組合せ、又は前記有機酸重金属塩
と、s−ジフェニルカルバジド、ジフェニルカルバゾン
等の有機キレート剤との組合せ。
【0041】(カ)銀、鉛、水銀、ナトリウム等の硫酸
塩等の重金属硫酸塩と、ナトリウムテトラチオネート、
チオ硫酸ソーダ、チオ尿素等の硫黄化合物との組合せ。
【0042】(キ)ステアリン酸第二鉄等の脂肪族第二
鉄塩と、3,4−ヒドロキシテトラフェニルメタン等の
芳香族ポリヒドロキシ化合物との組合せ。
【0043】(ク)シュウ酸銀、シュウ酸水銀等の有機
酸金属塩と、ポリヒドロキシアルコール、グリセリン、
グリコール等の有機ポリヒドロキシ化合物との組合せ。
【0044】(ケ)ペラルゴン酸第二鉄、ラウリン酸第
二鉄等の脂肪酸第二鉄塩と、チオセシルカルバミドやイ
ソチオセシルカルバミド誘導体との組合せ。
【0045】(コ)カプロン酸鉛、ペラルゴン酸鉛、ベ
ヘン酸鉛等の有機酸鉛塩と、エチレンチオ尿素、N−ド
デシルチオ尿素等のチオ尿素誘導体との組合せ。
【0046】(サ)ステアリン酸第二鉄、ステアリン酸
銅等の高級脂肪族重金属塩とジアルキルジチオカルバミ
ン酸亜鉛との組合せ。
【0047】(シ)レゾルシンとニトロソ化合物との組
合せのようなオキサジン染料を形成するもの。
【0048】(ス)ホルマザン化合物と還元剤および/
又は金属塩との組合せ。
【0049】(セ)保護された色素(又はロイコ色素)
プレカーサと脱保護剤との組合せ。
【0050】(ソ)酸化型発色剤と酸化剤との組合せ。
【0051】(タ)フタロニトリル類とジイミノイソイ
ンドリン類との組合せ。(フタロシアニンが生成する組
合せ。) (チ)イソシアナート類とジイミノイソインドリン類と
の組合せ(着色顔料が生成する組合せ)。
【0052】(ツ)顔料プレカーサーと酸または塩基と
の組合せ(顔料が形成する組合せ)。
【0053】本発明の記録材料のマイクロカプセルに内
包する発色成分としては、前記発色成分Aのうち、実質
的に無色の電子供与性染料前駆体(以下、「電子供与性
無色染料」という。)又はジアゾニウム塩化合物が好ま
しい。
【0054】前記電子供与性無色染料としては、従来よ
り公知のものを使用することができ、前記化合物Bと反
応して発色するものであれば全て使用することができ
る。以下に、その具体例を示すが、本発明に使用するこ
とができる電子供与性無色染料は、これらに限定される
ものではない。
【0055】具体的には、フタリド系化合物、フルオラ
ン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタ
リド系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミン
ラクタム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、トリ
アゼン系化合物、スピロピラン系化合物、ピリジン系、
ピラジン系化合物、フルオレン系化合物等の各種化合物
を挙げることができる。
【0056】フタリド系化合物としては、例えば、米国
再発行特許第23,024号、米国特許第3,491,
111号、同第3,491,112号、同第3,49
1,116号及び同第3,509,174号に記載の化
合物が挙げられ、具体的には、3,3−ビス(p−ジメ
チルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、
3,3−ビス(p−ジエチルアミノ−o−ブトキシフェ
ニル)−4−アザフタリド、3−(p−ジエチルアミノ
−o−ブトキシフェニル)−3−(1−ペンチル−2−
メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3
−(p−ジプロピルアミノ−o−メチルフェニル)−3
−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)
−5−アザ(又は−6−アザ、又は−7−アザ)フタリ
ド等が挙げられる。
【0057】フルオラン系化合物としては、例えば、米
国特許第3,624,107号、同第3,627,78
7号、同第3,641,011号、同第3,462,8
28号、同第3,681,390号、同第3,920,
510号、同第3959,571号に記載の化合物が挙
げられ、具体的には、2−(ジベンジルアミノ)フルオ
ラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノ
フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチル
アミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N
−エチル−N−イソアミルアミノフルオラン、2−アニ
リノ−3−メチル−6−N−メチル−N−シクロヘキシ
ルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロル−6−
ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル
−6−N−エチル−N−イソブチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−ア
ニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−テトラヒド
ロフルフリルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メ
チル−6−ピペリジノアミノフルオラン、2−(o−ク
ロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−
(3,4−ジクロルアニリノ)−6−ジエチルアミノフ
ルオラン等が挙げられる。
【0058】チアジン系化合物としては、例えば、ベン
ゾイルロイコンメチレンブルー、p−ニトロベンジルロ
イコメチレンブルー等が挙げられる。
【0059】ロイコオーラミン系化合物としては、例え
ば、4,4’−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリンベ
ンジルエーテル、N−ハロフェニル−ロイコオーラミ
ン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラ
ミン等が挙げられる。
【0060】ローダミンラクタム系化合物としては、ロ
ーダミン−B−アニリノラクタム、ローダミン−(p−
ニトリノ)ラクタム等が挙げられる。
【0061】スピロピラン系化合物としては、例えば、
米国特許第3,971,808号に記載の化合物が挙げ
られ、具体的には、3−メチル−スピロ−ジナフトピラ
ン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン3,3’−ジ
クロロ−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジルスピロ
−ジナフトピラン、3−メチル−ナフト−(3−メトキ
シ−ベンゾ)スピロピラン、3−プロピル−スピロ−ジ
ベンゾピラン等が挙げられる。
【0062】ピリジン系、ピラジン系化合物類として
は、例えば、米国特許第3,775,424号、同第
3,853,869号、同第4,246,318号に記
載の化合物が挙げられる。
【0063】フルオレン系化合物としては、例えば、特
願昭61−240989号等に記載の化合物が挙げられ
る。
【0064】本発明の記録材料をフルカラー記録材料と
して用いる場合、シアン、マゼンタ、イエローの各発色
色素用の電子供与性無色染料を使用する。
【0065】シアン、マゼンタ、イエロー発色色素とし
ては、米国特許第4,800,149号等に記載の各色
素を使用することができる。
【0066】さらに、イエロー発色色素用電子供与性無
色染料としては、米国特許第4,800,148号等に
記載の色素も使用することができ、シアン発色色素用電
子供与性無色染料としては、特開平63−53542号
等に記載の色素も使用することができる。
【0067】前記電子供与性無色染料の使用量として
は、感光感熱記録層中に、0.01〜3g/m2 が好
ましく、0.1〜1g/m2 がより好ましい。前記使
用量が、0.01g/m2 未満であると、十分な発色
濃度を得ることができないことがあり、3g/m2 を
超えると、塗布適性が劣化することがある。多層記録層
の場合には、前記使用量の電子供与性無色染料を含有す
る記録層を複数積層して構成する。
【0068】前記ジアゾニウム塩化合物としては、下記
式で表される化合物を挙げることができる。
【0069】Ar−N2 + X− 〔式中、Arは芳香族環基を表し、X− は酸アニオン
を表す。〕 このジアゾニウム塩化合物は加熱によりカプラーとカッ
プリング反応を起こして発色したり、また光によって分
解する化合物である。これらはAr部分の置換基の位置
や種類によって、その最大吸収波長を制御することが可
能である。
【0070】前記式において、Arは、置換又は無置換
のアリール基を表す。置換基としては、アルキル基、ア
ルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオ
キシ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボ
ニル基、カルバモイル基、カルボアミド基、スルホニル
基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ウレイド
基、ハロゲン基、アミノ基、ヘテロ環基、ニトロ基、シ
アノ基等が挙げられ、これら置換基は、更に置換されて
いてもよい。
【0071】また、アリール基としては、炭素原子数6
〜30のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、
2−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基、2−メ
トキシフェニル基、2−ブトキシフェニル基、2−(2
−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、2−オクチルオ
キシフェニル基、3−(2,4−ジ−t−ペンチルフェ
ノキシエトキシ)フェニル基、4−クロロフェニル基、
2,5−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリメチル
フェニル基、3−クロロフェニル基、3−メチルフェニ
ル基、3−メトキシフェニル基、3−ブトキシフェニル
基、3−シアノフェニル基、3−(2−エチルヘキシル
オキシ)フェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、
3,5−ジクロロフェニル基、3,4−ジメトキシフェ
ニル基、3−(ジブチルアミノカルボニルメトキシ)フ
ェニル基、4−シアノフェニル基、4−メチルフェニル
基、4−メトキシフェニル基、4−ブトキシフェニル
基、4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、4
−ベンジルフェニル基、4−アミノスルホニルフェニル
基、4−N,N−ジブチルアミノスルホニルフェニル
基、4−エトキシカルボニルフェニル基、4−(2−エ
チルヘキシルカルボニル)フェニル基、4−フルオロフ
ェニル基、3−アセチルフェニル基、2−アセチルアミ
ノフェニル基、4−(4−クロロフェニルチオ)フェニ
ル基、4−(4−メチルフェニル)チオ−2,5−ブト
キシフェニル基、4−(N−ベンジル−N−メチルアミ
ノ)−2−ドデシルオキシカルボニルフェニル基、等が
挙げられる。
【0072】また、これらの基は、さらに、アルキルオ
キシ基、アルキルチオ基、置換フェニル基、シアノ基、
置換アミノ基、ハロゲン原子、ヘテロ環基等により置換
されていてもよい。
【0073】本発明に用いるジアゾニウム塩化合物の最
大吸収波長λmax としては、効果の点から450n
m以下であることが好ましく、290〜440nmであ
ることがより好ましい。
【0074】また、本発明に用いるジアゾニウム塩化合
物としては、炭素数12以上で、水に対する溶解度が1
%以下かつ酢酸エチルに対する溶解度が5%以上のジア
ゾニウム塩化合物が好ましい。
【0075】以下に、本発明の記録材料に好適に使用し
うるジアゾニウム塩化合物の具体例を示すが、本発明は
これに限定されるものではない。
【0076】
【化1】
【0077】
【化2】
【0078】
【化3】
【0079】
【化4】
【0080】
【化5】
【0081】
【化6】
【0082】前記ジアゾニウム塩化合物は、単独で用い
てもよいし、色相調整等の諸目的に応じて2種以上併用
して使用してもよい。
【0083】前記ジアゾニウム塩化合物の使用量として
は、感光感熱記録層中に0.01〜3g/m2 が好ま
しく、0.02〜1.0g/m2 がより好ましい。
【0084】前記使用量が、0.01g/m2 未満で
あると、十分な発色性を得ることができないことがあ
り、3g/m2 を超えると、感度が低下したり、定着
時間を長くする必要が生じることがある。
【0085】多層記録層の場合には、前記使用量の電子
供与性無色染料を含有する記録層を複数積層して構成す
る。
【0086】感光感熱記録層中に使用する、同一分子内
に重合性基と前記発色成分Aと反応して発色する部位と
を有する実質的に無色の化合物Bとしては、重合性基を
有する電子受容性化合物又は重合性基を有するカプラー
化合物等の前記発色成分Aと反応して発色し、かつ光に
反応して重合し、硬化するという両機能を有するもので
あれば全て使用することができる。
【0087】前記重合性基を有する電子受容性化合物、
即ち、同一分子中に電子受容性基と重合性基とを有する
化合物としては、重合性基を有し、かつ前記発色成分A
の一つである電子供与性無色染料と反応して発色し、か
つ光重合して膜を硬化しうるものであれば全て使用する
ことができる。
【0088】前記電子受容性化合物としては、特開平4
−226455号に記載の3−ハロ−4−ヒドロキシ安
息香酸、特開昭63−173682号に記載のヒドロキ
シ基を有する安息香酸のメタアクリロキシエチルエステ
ル、アクリロキシエチルエステル、同59−83693
号、同60−141587号、同62−99190号に
記載のヒドロキシ基を有する安息香酸とヒドロキシメチ
ルスチレンとのエステル、欧州特許29323号に記載
のヒドロキシスチレン、特開昭62−167077号、
同62−16708号に記載のハロゲン化亜鉛のN−ビ
ニルイミダゾール錯体、同63−317558号に記載
の電子受容性化合物等を参考にして合成できる化合物等
が挙げられる。
【0089】これらの電子受容性基と重合性基とを同一
分子内に有する化合物のうち、下記一般式で表される3
−ハロ−4−ヒドロキシ安息香酸が好ましい。
【0090】
【化7】
【0091】〔式中、Xは、ハロゲン原子を表し、中で
も、塩素原子が好ましい。Yは、重合性エチレン基を有
する1価の基を表し、中でも、ビニル基を有するアラル
キル基、アクリロイルオキシアルキル基又はメタクリロ
イルオキシアルキル基が好ましく、炭素数5〜11のア
クリロイルオキシアルキル基又は炭素数6〜12のメタ
クリロイルオキシアルキル基がより好ましい。Zは、水
素原子、アルキル基又はアルコキシル基を表す。〕 前記3−ハロ−4−ヒドロキシ安息香酸としては、例え
ば、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸エステルビニ
ルフェネチルエステル、3−クロロ−4−ヒドロキシ安
息香酸ビニルフェニルプロピルエステル、3−クロロ−
4−ヒドロキシ安息香酸−(2−アクリロイルオキシエ
チル)エステル、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸
−(2−メタクリロイルオキシエチル)エステル、3−
クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸−(2−アクリロイル
オキシプロピル)エステル、3−クロロ−4−ヒドロキ
シ安息香酸−(2−メタクリロイルオキシプロピル)エ
ステル、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸−(3−
アクリロイルオキシプロピル)エステル、3−クロロ−
4−ヒドロキシ安息香酸−(3−メタクリロイルオキシ
プロピル)エステル、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息
香酸−(4−アクリロイルオキシブチル)エステル、3
−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸−(4−メタクリロ
イルオキシブチル)エステル、3−クロロ−4−ヒドロ
キシ安息香酸−(5−アクリロイルオキシペンチル)エ
ステル、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸−(5−
メタクリロイルオキシペンチル)エステル、3−クロロ
−4−ヒドロキシ安息香酸−(6−アクリロイルオキシ
ヘキシル)エステル、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息
香酸−(6−メタクリロイルオキシヘキシル)エステ
ル、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸−(8−アク
リロイルオキシオクチル)エステル、3−クロロ−4−
ヒドロキシ安息香酸−(8−メタクリロイルオキシオク
チル)エステル等が挙げられる。
【0092】また、前記電子受容性基と重合性基とを同
一分子内に有する化合物としては、例えば、スチレンス
ルホニルアミノサリチル酸、ビニルベンジルオキシフタ
ル酸、β−メタクリロキシエトキシサリチル酸亜鉛、β
−アクリロキシエトキシサリチル酸亜鉛、ビニロキシエ
チルオキシ安息香酸、β−メタクリロキシエチルオルセ
リネート、β−アクリロキシエチルオルセリネート、β
−メタクリロキシエトキシフェノール、β−アクリロキ
シエトキシフェノール、β−メタクリロキシエチル−β
−レゾルシネート、β−アクリロキシエチル−β−レゾ
ルシネート、ヒドロキシスチレンスルホン酸−N−エチ
ルアミド、β−メタクリロキシプロピル−p−ヒドロキ
シベンゾエート、β−アクリロキシプロピル−p−ヒド
ロキシベンゾエート、メタクリロキシメチルフェノー
ル、アクリロキシメチルフェノール、メタクリルアミド
プロパンスルホン酸、アクリルアミドプロパンスルホン
酸、β−メタクリロキシエトキシ−ジヒドロキシベンゼ
ン、β−アクリロキシエトキシ−ジヒドロキシベンゼ
ン、γ−スチレンスルホニルオキシ−β−メタクリロキ
シプロパンカルボン酸、γ−アクリロキシプロピル−α
−ヒドロキシエチルオキシサリチル酸、β−ヒドロキシ
エトキニルフェノール、β−メタクリロキシエチル−p
−ヒドロキシシンナメート、β−アクリロキシエチル−
p−ヒドロキシシンナメート、3,5ジスチレンスルホ
ン酸アミドフェノール、メタクリロキシエトキシフタル
酸、アクリロキシエトキシフタル酸、メタクリル酸、ア
クリル酸、メタクリロキシエトキシヒドロキシナフトエ
酸、アクリロキシエトキシヒドロキシナフトエ酸、3−
β−ヒドロキシエトキシフェノール、β−メタクリロキ
シエチル−p−ヒドロキシベンゾエート、β−アクリロ
キシエチル−p−ヒドロキシベンゾエート、β’−メタ
クリロキシエチル−β−レゾルシネート、β−メタクリ
ロキシエチルオキシカルボニルヒドロキシ安息香酸、β
−アクリロキシエチルオキシカルボニルヒドロキシ安息
香酸、N,N’−ジ−β−メタクリロキシエチルアミノ
サリチル酸、N,N’−ジ−β−アクリロキシエチルア
ミノサリチル酸、N,N’−ジ−β−メタクリロキシエ
チルアミノスルホニルサリチル酸、N,N’−ジ−β−
アクリロキシエチルアミノスルホニルサリチル酸、及び
これらの金属塩(例えば、亜鉛塩等)等も好適に挙げる
ことができる。
【0093】前記重合性基を有する電子受容性化合物
は、前記電子供与性無色染料と組合わせて用いられる。
【0094】この場合、電子受容性化合物の使用量とし
ては、使用する電子供与性無色染料1重量部に対して、
0.5〜20重量部が好ましく、3〜10重量部がより
好ましい。0.5重量部未満であると、十分な発色濃度
を得ることができないことがあり、20重量部を超える
と、感度の低下や塗布適性の劣化を招くことがある。
【0095】また、前記重合性基を有するカプラー化合
物としては、重合性基を有し、かつ前記発色成分Aの一
つであるジアゾニウム塩化合物と反応して発色し、かつ
光重合して膜を硬化しうるものであれば全て使用するこ
とができる。
【0096】カプラー化合物は、塩基性雰囲気及び/又
は中性雰囲気でジアゾ化合物とカップリングして色素を
形成するものであり、色相調整等種々の目的に応じて、
複数種を併用して用いることができる。
【0097】以下に、カプラー化合物の具体例を示す
が、本発明においてはこれらに限定されるものではな
い。
【0098】
【化8】
【0099】
【化9】
【0100】
【化10】
【0101】
【化11】
【0102】
【化12】
【0103】
【化13】
【0104】
【化14】
【0105】前記カプラー化合物は、ジアゾニウム塩化
合物と組合わせて用いる。
【0106】感光感熱記録層中における、前記カプラー
化合物の使用量としては、0.02〜5g/m2 が好
ましく、効果の点から、0.1〜4g/m2 がより好
ましい。
【0107】前記添加量が、0.02g/m2 未満で
あると、発色性に劣ることがあり、5g/m2 を越え
ると、塗布適性が悪くなることがある。
【0108】また、カプラー化合物の使用量としては、
ジアゾニウム塩化合物1重量部に対し、0.5〜20重
量部が好ましく、1〜10重量部がより好ましい。
【0109】前記使用量が、0.5重量部未満である
と、十分な発色性を得られないことがあり、20重量部
を超えると、塗布適性が劣化することがある。
【0110】カプラー化合物は、その他の成分とともに
水溶性高分子を添加して、サンドミル等により固体分散
して用いることもできるが、適当な乳化助剤とともに乳
化し、乳化物として用いることもできる。
【0111】ここで、固体分散又は乳化する方法として
は、特に限定されるものではなく、公知の方法の中から
適宜選択することができる。方法の詳細については、特
開昭59−190886号、特開平2−141279
号、特開平7−17145号に記載されている。
【0112】また、カップリング反応を促進する目的
で、第3級アミン類、ピペリジン類、ピペラジン類、ア
ミジン類、フォルムアミジン類、ピリジン類、グアニジ
ン類、モルホリン類等の有機塩基を用いることが好まし
い。
【0113】前記有機塩基としては、例えば、N,N’
−ビス(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピ
ペラジン、N,N’−ビス〔3−(p−メチルフェノキ
シ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N,N’
−ビス〔3−(p−メトキシフェノキシ)−2−ヒドロ
キシプロピル〕ピペラジン、N,N’−ビス(3−フェ
ニルチオ−2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N,
N’−ビス〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキシ
プロピル〕ピペラジン、N−3−(β−ナフトキシ)−
2−ヒドロキシプロピル−N’−メチルピペラジン、
1,4−ビス{〔3−(N−メチルピペラジノ)−2−
ヒドロキシ〕プロピルオキシ}ベンゼンなどのピペラジ
ン類、N−〔3−(β−ナフトキシ)−2−ヒドロキ
シ〕プロピルモルホリン、1,4−ビス〔(3−モルホ
リノ−2−ヒドロキシ)プロピルオキシ〕ベンゼン、
1,3−ビス〔(3−モルホリノ−2−ヒドロキシ)プ
ロピルオキシ〕ベンゼンなどのモルホリン類、N−(3
−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル)ピペリジン、
N−ドデシルピペリジンなどのピペリジン類、トリフェ
ニルグアニジン、トリシクロヘキシルグアニジン、ジシ
クロヘキシルフェニルグアニジン、4−ヒドロキシ安息
香酸2−N−メチル−N−ベンジルアミノエチルエステ
ル、4−ヒドロキシ安息香酸2−N,N−ジ−n−ブチ
ルアミノエチルエステル、4−(3−N,N−ジブチル
アミノプロポキシ)ベンゼンスルホンアミド、4−(2
−N,N−ジブチルアミノエトキシカルボニル)フェノ
キシ酢酸アミド等が挙げられる。
【0114】前記有機塩基は、単独で用いてよいし、2
種以上併用して用いてもよい。 これらは、特開昭57
−123086号、特開昭60−49991号、特開昭
60−94381号、特願平7−228731号、特願
平7−235157号、特願平7−235158号等に
記載されている。
【0115】前記有機塩基の使用量としては、特に限定
されるものではないが、ジアゾニウム塩1モルに対し、
1〜30モルが好ましい。
【0116】さらに、発色反応を促進させる目的で、発
色助剤を加えることもできる。
【0117】前記発色助剤としては、フェノール誘導
体、ナフトール誘導体、アルコキシ置換ベンゼン類、ア
ルコキシ置換ナフタレン類、ヒドロキシ化合物、カルボ
ン酸アミド化合物、スルホンアミド化合物等が挙げられ
る。
【0118】これらの化合物は、カプラー化合物又は塩
基性物質の融点を低下させる、或いは、マイクロカプセ
ル壁の熱透過性を向上させる作用を有することから、高
い発色濃度が得られるものと考えられる。
【0119】次に、本発明の記録材料の感光感熱記録層
中に用いる光重合開始剤について説明する。
【0120】前記光重合開始剤は、光露光することによ
りラジカルを発生して層内で重合反応を起こし、かつそ
の反応を促進させることができる。この重合反応により
記録層膜は硬化し、所望の画像形状の潜像を形成するこ
とができる。
【0121】前記光重合開始剤は、公知のものの中から
適宜選択することができ、中でも、300〜1000n
mに最大吸収波長を有する分光増感化合物と、該分光増
感化合物と相互作用する化合物と、を含有するものであ
ることが好ましい。
【0122】但し、前記分光増感化合物と相互作用する
化合物が、その構造内に300〜1000nmに最大吸
収波長を有する色素部とボレート部との両構造を併せ持
つ化合物であれば、前記分光増感色素を用いなくてもよ
い。
【0123】本発明の記録材料は、これらを含む光重合
開始剤を含有する感光感熱記録層を有する感光感熱記録
材料である。また、本発明の記録材料の画像記録方法
は、これらの記録材料を用いた画像記録方法であること
が好ましい。
【0124】公知の光重合開始剤として、例えば、米国
特許第4950581号(第20欄、第35行〜第21
欄、第35行)に記載のものを挙げることができる。ま
た、例えば、EP−A−137452、DE−A−27
18254、DE−A−2243621、米国特許第4
950581号(第14欄第60行〜第18欄第44
行)に記載のトリアジン;2,4−ビス(トリクロロメ
チル)−6−(4−スチルフェニル)−s−トリアジン
等のトリハロメチルトリアジン等のトリアジン化合物が
挙げられる。
【0125】前記光重合開始剤をハイブリッド系で使用
する場合には、フリーラジカル硬化剤に加えて、カチオ
ン系光重合開始剤を挙げることもできる。前記カチオン
系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキ
サイド、米国特許第4950581号(第19欄、第1
7〜25行)に記載のパーオキサイド等のパーオキサイ
ド化合物;米国特許第4950581号(第18欄、第
60行〜第19欄10行)に記載の芳香族スルホニウム
若しくはヨードニウム塩;(η6 −イソプロピルベン
ゼン)−(η5 −シクロペンタジエニル)−鉄(II)
ヘキサフルオロホスフェート等のシクロペンタジエニル
−アレーン鉄(II)錯塩等を好適に挙げることができ
る。
【0126】さらに、前記色素/ホウ素化合物の例とし
ては、特開昭62−143044号、特開平1−138
204号、特表平6−505287号、特開平4−26
1406号等に記載のものも好適に挙げられる。
【0127】前記300〜1000nmに最大吸収波長
を有する分光増感化合物としては、この波長領域に最大
吸収波長を有する分光増感色素が好ましい。
【0128】前記波長領域にある分光増感色素から所望
の任意の色素を選択し、用いる光源に適合するよう感光
波長を調整することにより、高感度を得ることができ、
また、画像露光に用いる光源として、青色、緑色、赤色
等の光源や赤外レーザー等を選択することができる。
【0129】従って、例えば、異なる色相に発色する単
色の記録層を積層した多色の記録材料を用いてカラー画
像を形成するような場合に、発色色相の異なる各単色層
中に異なる吸収波長を有する分光増感色素を存在させ、
その吸収波長に適合した光源を用いることにより、複数
層積層した記録材料においても、各層(各色)が高感度
で、かつ高鮮鋭な画像を形成するため、多色の記録材料
全体として、高感度化と高鮮鋭化を達成することができ
る。
【0130】前記分光増感色素としては、公知の化合物
の中から適宜選択することができ、例えば、後述の「分
光増感化合物と相互作用する化合物」に関する特許公報
や、「Research Disclogure,Vo
l.200,1980年12月、Item 2003
6」や「増感剤」(p.160〜p.163、講談社;徳丸
克己・大河原信/編、1987年)等に記載のものが挙
げられる。
【0131】具体的には、特開昭58−15603号に
記載の3−ケトクマリン化合物、特開昭58−4030
2号に記載のチオピリリウム塩、特公昭59−2832
8号、同60−53300号に記載のナフトチアゾール
メロシアニン化合物、特公昭61−9621号、同62
−3842号、特開昭59−89303号、同60−6
0104号に記載のメロシアニン化合物等が挙げられ
る。
【0132】また、「機能性色素の化学」(1981
年、CMC出版社、p.393〜p.416)や「色材」
(60〔4〕212−224(1987))等に記載さ
れた色素も挙げることができ、具体的には、カチオン性
メチン色素、カチオン性カルボニウム色素、カチオン性
キノンイミン色素、カチオン性インドリン色素、カチオ
ン性スチリル色素等が挙げられる。
【0133】前記分光増感色素には、クマリン(ケトク
マリン又はスルホノクマリンを含む。)色素、メロスチ
リル色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素等
のケト色素;非ケトポリメチン色素、トリアリールメタ
ン色素、キサンテン色素、アントラセン色素、ローダミ
ン色素、アクリジン色素、アニリン色素、アゾ色素等の
非ケト色素;アゾメチン色素、シアニン色素、カルボシ
アニン色素、ジカルボシアニン色素、トリカルボシアニ
ン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素等の非ケトポ
リメチン色素;アジン色素、オキサジン色素、チアジン
色素、キノリン色素、チアゾール色素等のキノンイミン
色素等が含まれる。
【0134】前記分光増感色素を適宜使用することによ
り、本発明の記録材料に用いる光重合開始剤の分光感度
を紫外〜赤外域に得ることが可能となる。
【0135】また、前記各種分光増感色素は、一種単独
で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0136】前記分光増感化合物の使用量としては、感
光感熱記録層の総重量に対し、0.1〜5重量%が好ま
しく、0.5〜2重量%がより好ましい。
【0137】前記分光増感化合物と相互作用する化合物
としては、前記化合物B中の光重合性基と光重合反応を
開始しうる公知の化合物の中から、1種又は2種以上の
化合物を適宜選択して使用することができる。
【0138】この化合物を前記の分光増感化合物と共存
させることにより、その分光吸収波長領域の照射光に敏
感に感応し、高効率にラジカルを発生させうることか
ら、高感度化が図れ、かつ紫外〜赤外領域にある任意の
光源を用いてラジカルの発生を制御することができる。
【0139】前記分光増感化合物と相互作用する化合物
としては、有機系ボレート塩化合物又は以下の化合物等
が挙げられる。
【0140】ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジメチル
アミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチ
ルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾ
フェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジ
メチルアミノアセトフェノン、ベンジルアントラキノ
ン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−メチル
アントラキノン、キサントン、チオキサントン、2−ク
ロルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサント
ン、フルオレノン、アクリドン、CIBA社のビス
(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォ
スフィンオキサイド等のビスアシルフォスフィンオキサ
イド類、等の芳香族ケトン類;ベンゾインメチルエーテ
ル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピ
ルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾイ
ン及びベンゾインエーテル類;2−(o−クロロフェニ
ル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二重体、2−
(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフ
ェニル)イミダゾール二重体、2−(o−フルオロフェ
ニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二重体、2−
(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダ
ゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5
−ジフェニルイミダゾール二重体等の2,4,6−トリ
アリールイミダゾール二重体;四臭化炭素、フェニルト
リブロモメチルスルホン、フェニルトリクロロメチルケ
トン等のポリハロゲン化合物;特開昭59−13342
8号、特公昭57−1819号、特公昭57−6096
号、米国特許第3615455号に記載の化合物;2,
4,6−トリス(トリクロロメチル)−S−トリアジ
ン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリクロロメチル)
−S−トリアジン、2−アミノ−4,6−ビス(トリク
ロロメチル)−S−トリアジン、2−(P−メトキシス
チリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−ト
リアジン等の特開昭58−29803号記載のトリハロ
ゲン置換メチル基を有するS−トリアジン誘導体;メチ
ルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパー
オキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン
パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジターシ
ャリ−ブチルジパーオキシイソフタレート、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサ
ン、ターシャリ−ブチルパーオキシベンゾエート、a,
a’−ビス(ターシャリ−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、3,3’,
4,4’−テトラ−(ターシャリイブチルパーオキシカ
ルボニル)ベンゾフェノン等の特開昭59−18934
0号記載の有機過酸化物;米国特許第4743530号
に記載のアジニウム塩化合物;トリフェニールブチール
ボレートのテトラメチルアンモニウム塩、トリフェニー
ルブチールボレートのテトラブチルアンモニウム塩、ト
リ(P−メトキシフェニール)ブチールボレートのテト
ラメチルアンモニウム塩等のヨーロッパ特許第0223
587号に記載の有機ホウ素化合物;その他ジアリール
ヨードニウム塩類や鉄アレン錯体等が挙げられる。
【0141】また、二種又はそれ以上の化合物を組合わ
せたものも知られており、これらも本発明の記録材料に
使用することができる。
【0142】二種又はそれ以上の化合物の組合せとして
は、例えば、2,4,5−トリアリールイミダゾール二
量体とメルカプトベンズオキサゾール等との組合せ、米
国特許第3427161号明細書に記載の4,4’−ビ
ス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンとベンゾフェノン
とベンゾインメチルエーテルとの組合せ、米国特許第4
239850号明細書に記載のベンゾイル−N−メチル
ナフトチアゾリンと2,4−ビス(トリクロロメルチ)
−6−(4’−メトキシフェニル)−トリアゾールとの
組合せ、特開昭57−23602号明細書に記載のジア
ルキルアミノ安息香酸エステルとジメチルチオキサント
ンとの組合せ、特開昭59−78339号明細書の4,
4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンとベンゾ
フェノンとポリハロゲン化メチル化合物との三種組合わ
せ、等が挙げられる。
【0143】中でも、4,4’−ビス(ジエチルアミ
ノ)ベンゾフェノンとベンゾフェノンとの組合せ、2,
4−ジエチルチオキサントンと4−ジメチルアミノ安息
香酸エチルとの組合せ、又は4,4’−ビス(ジエチル
アミノ)ベンゾフェノンと2,4,5−トリアリールイ
ミダゾール二量体との組合せが好ましい。
【0144】前記「分光増感化合物と相互作用する化合
物」のうち、有機系ボレート塩化合物、ベンゾインエー
テル類、トリハロゲン置換メチル基を有するS−トリア
ジン誘導体、有機過酸化物又はアジニウム塩化合物が好
ましく、有機系ボレート塩化合物がより好ましい。
【0145】この「分光増感化合物と相互作用する化合
物」を前記分光増感化合物と併用して用いることによ
り、露光した露光部分に局所的に、かつ効果的にラジカ
ルを発生させることができ、高感度化を達成することが
できる。
【0146】前記有機系ボレート塩化合物としては、特
開昭62−143044号、特開平9−188685
号、特開平9−188686号、特開平9−18871
0号等に記載の有機ボレート化合物(以下、「ボレート
化合物I」という場合がある。)、又はカチオン性色素
から得られる分光増感色素系ボレート化合物(以下、
「ボレート化合物II」という場合がある。)等が挙げら
れる。
【0147】前記ボレート化合物Iの具体例を以下に挙
げるが、本発明においてはこれらに限定されるものでは
ない。
【0148】
【化15】
【0149】
【化16】
【0150】
【化17】
【0151】
【化18】
【0152】
【化19】
【0153】
【化20】
【0154】
【化21】
【0155】
【化22】
【0156】
【化23】
【0157】
【化24】
【0158】また、本発明の記録材料では、前記「機能
性色素の化学」(1981年、CMC出版社、p.393
〜p.416)や「色材」(60〔4〕212−224
(1987))等に記載のカチオン性色素より得ること
のできる分光増感色素系有機ボレート化合物(ボレート
化合物II)も挙げることができる。
【0159】このボレート化合物IIは、その構造内に色
素部とボレート部とを併せ持つ化合物であり、露光時
に、色素部の光吸収機能により効果的に光源エネルギー
を吸収し、かつボレート部のラジカル放出機能により重
合反応を促進すると同時に、併存する分光増感化合物を
消色するという3つの機能を有するものである。
【0160】具体的には、300nm以上の波長領域、
好ましくは400〜1100nmの波長領域に最大吸収
波長を有するカチオン性色素であれば、いずれも好適に
用いることができる。中でも、カチオン性のメチン色
素、ポリメチン色素、トリアリールメタン色素、インド
リン色素、アジン色素、キサンテン色素、シアニン色
素、ヘミシアニン色素、ローダミン色素、アザメチン色
素、オキサジン色素又はアクリジン色素等が好ましく、
カチオン性のシアニン色素、ヘミシアニン色素、ローダ
ミン色素又はアザメチン色素がより好ましい。
【0161】前記有機カチオン性色素から得られるボレ
ート化合物IIは、有機カチオン性色素と有機ホウ素化合
物アニオンとを用い、欧州特許第223,587A1号
に記載の方法を参考にして得ることができる。
【0162】以下に、カチオン性色素から得られるボレ
ート化合物IIの具体例を挙げるが、本発明においては、
これらに限定されるものではない。
【0163】
【化25】
【0164】
【化26】
【0165】
【化27】
【0166】
【化28】
【0167】
【化29】
【0168】
【化30】
【0169】
【化31】
【0170】前記ボレート化合物IIは、上記の通り、多
機能な化合物であるが、高い感度と十分な消色性を得る
観点から、本発明の記録材料では、前記光重合開始剤に
は、分光増感化合物と、該分光増感化合物と相互作用す
る化合物と、を適宜組合わせて構成することが好まし
い。
【0171】この場合、光重合開始剤としては、前記分
光増感化合物とボレート化合物Iとを組合わせた光重合
開始剤(1)、又は前記ボレート化合物Iとボレート化
合物IIとを組合わせた光重合開始剤(2)であることが
より好ましい。
【0172】この時、光重合開始剤中に存在する分光増
感色素と有機ボレート化合物との使用比率が、高感度化
と定着工程の光照射による十分な消色性を得る点で非常
に重要となる。
【0173】前記光重合開始剤(1)の場合、光重合開
始剤中には、光重合反応に必要な分光増感化合物/ボレ
ート化合物Iの比(=1/1:モル比)に加え、さらに
層内に残存する分光増感化合物を十分に消色するのに必
要な量のボレート化合物Iを添加することが十分な高感
度化と消色性能を得る点から特に好ましい。
【0174】即ち、分光増感色素/ボレート化合物Iの
比は、1/1〜1/50の範囲で使用することが好まし
く、1/1.2〜1/30の範囲で使用することがより
好ましいが、1/1.2〜1/20の範囲で使用するこ
とが最も好ましい。前記の比が、1/1未満では十分な
重合反応性と消色性を得ることができず、1/50を越
えると、塗布適性が劣化するため好ましくない。
【0175】また、前記光重合開始剤(2)の場合に
は、ボレート化合物Iとボレート化合物IIとを、ボレー
ト部位が色素部位に対して等モル比以上となるように組
合わせて用いることが、十分な高感度化と消色性能を得
る点から特に好ましい。
【0176】ボレート化合物I/ボレート化合物IIの比
は、1/1〜50/1の範囲で使用することが好まし
く、1.2/1〜30/1の範囲で使用することがより
好ましいが、1.2/1〜20/1の範囲で使用するこ
とが最も好ましい。前記の比が、1/1未満ではラジカ
ルの発生が少なく、十分な重合反応性と消色性能が得ら
れず、50/1を越えると、十分な感度を得られなくな
るため好ましくない。
【0177】光重合開始剤中の分光増感色素と有機ボレ
ート化合物との総量は、重合性基を有する化合物の使用
量に対し、0.1〜10wt%の範囲で使用することが
好ましく、0.1〜5wt%の範囲で使用することがよ
り好ましいが、0.1〜1wt%の範囲で使用すること
が最も好ましい。前記使用量が、0.1wt%未満では
本発明の効果を得ることができず、10wt%を越える
と、保存安定性が低下するとともに、塗布適性が低下す
るため好ましくない。
【0178】また、本発明の記録材料の光重合性組成物
には重合反応を促進する目的で、さらに助剤として、酸
素除去剤(oxygen scavenger)又は活
性水素ドナーの連鎖移動剤等の還元剤や連鎖移動的に重
合を促進するその他の化合物を添加することもできる。
【0179】前記酸素除去剤としては、ホスフィン、ホ
スホネート、ホスファイト、第1銀塩又は酸素により容
易に酸化されるその他の化合物が挙げられる。
【0180】具体的には、N−フエニルグリシン、トリ
メチルパルビツール酸、N,N−ジメチル−2,6−ジ
イソプロピルアニリン、N,N,N−2,4,6−ペン
タメチルアニリン酸が挙げられる。さらに、チオール
類、チオケトン類、トリハロメチル化合物、ロフィンダ
イマー化合物、ヨードニウム塩類、スルホニウム塩類、
アジニウム塩類、有機過酸化物、アジド類等も重合促進
剤として有用である。
【0181】本発明の記録材料は、目的に応じて様々な
構成をとることができ、また単色の記録材料であって
も、多色の記録材料であってもよい。
【0182】また、必要に応じて感光感熱記録層上とな
る最外層に保護層を設けることができる。
【0183】前記保護層としては、単層構造であっても
よいし、二層以上の積層構造であってもよい。
【0184】前記保護層に用いる材料としては、例え
ば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性
ポリビニルアルコール、酢酸ビニル−アクリルアミド共
重合体、珪素変性ポリビニルアルコール、澱粉、変性澱
粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシメチルセルロース、ゼラチン類、アラビアゴ
ム、カゼイン、スチレン−マレイン酸共重合体加水分解
物、スチレン−マレイン酸共重合物ハーフエステル加水
分解物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体加水分
解物、ポリアクリルアミド誘導体、ポリビニルピロリド
ン、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、アルギン酸ソーダ
などの水溶性高分子化合物、及びスチレン−ブタジエン
ゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラ
テックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテック
ス、酢酸ビニルエマルジョン等のラテックス類などが挙
げられる。
【0185】前記保護層に用いる水溶性高分子化合物を
架橋することにより、保存安定性をより一層向上させる
こともできる。
【0186】前記架橋に用いる架橋剤としては、公知の
架橋剤を使用することができ、具体的にはN−メチロー
ル尿素、N−メチロールメラミン、尿素−ホルマリン等
の水溶性初期縮合物、グリオキザール、グルタルアルデ
ヒド等のジアルデヒド化合物類、硼酸、硼砂等の無機系
架橋剤、ポリアミドエピクロルヒドリンなどが挙げられ
る。
【0187】前記保護層には、更に公知の顔料、金属石
鹸、ワックス、界面活性剤、蛍光増白剤等を使用するこ
ともでき、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール系、
ヒドロキシベンゾフェノン系、ヒドロキシフェニルトリ
アジン系等の公知のUV吸収剤やUV吸収剤プレカーサ
ーを添加することもできる。
【0188】前記保護層の塗布量としては、0.2〜5
g/m2 が好ましく、0.5〜3g/m2 がより好
ましい。
【0189】多色の記録材料の場合は、支持体上に複数
の単色の記録層を積層して構成され、各記録層にそれぞ
れ発色色相の異なる発色成分を含有するマイクロカプセ
ルと、それぞれ異なる波長の光に感光する光重合性組成
物と、を含有させることにより多色の多層記録材料とす
ることができる。前記光重合性組成物は、それぞれ異な
る吸収波長を有する分光増感化合物を使用することによ
り、異なる波長の光に感光する光重合性組成物とするこ
とができる。この場合、各単色の記録層間に中間層を設
けることもできる。
【0190】本発明の多色の多層記録材料の感光感熱記
録層は、例えば、以下のようにして得ることができる。
【0191】イエロー発色する発色成分を含有するマイ
クロカプセルと、光源の中心波長λ1 に感光する光重
合性組成物と、を含有した第1の記録層を支持体上に設
け、その層上に、マゼンタ発色する発色成分を含有する
マイクロカプセルと、中心波長λ2 に感光する光重合
性組成物と、を含有した第2の記録層を設け、さらにそ
の層上に、シアン発色する発色成分を含有するマイクロ
カプセルと、波長λ3に感光する光重合性組成物と、を
含有した第3の記録層を設けて積層した感光感熱記録層
A、必要に応じて前記記録層Aの各層間に中間層を設け
た感光感熱記録層B等により構成することができる。
【0192】前記のような多色の記録層を有する記録材
料を用いて画像形成する場合、露光工程で、各記録層の
吸収波長に適合した、波長の異なる複数の光源を用いて
画像露光することにより、光源の吸収波長を有する記録
層が選択的にそれぞれ潜像を形成でき、多色画像を高感
度かつ高鮮鋭に形成することができる。さらに記録層表
面を光照射することにより、層内に残存する分光増感化
合物をはじめとする光重合開始剤による地肌部の着色を
消色できるため、高コントラストで高画質な画像を形成
することができる。
【0193】本発明の記録材料では、用いる電子供与性
無色染料又はジアゾニウム塩化合物(以下、「発色成
分」という場合がある。)をマイクロカプセルに内包し
て使用する。マイクロカプセル化する方法としては、従
来公知の方法を用いることができる。
【0194】例えば、米国特許第2800457号、同
28000458号に記載の親水性壁形成材料のコアセ
ルベーションを利用した方法、米国特許第328715
4号、英国特許第990443号、特公昭38−195
74号、同42−446号、同42−771号等に記載
の界面重合法、米国特許第3418250号、同366
0304号に記載のポリマー析出による方法、米国特許
第3796669号に記載のイソシアネートポリオール
壁材料を用いる方法、米国特許第3914511号に記
載のイソシアネート壁材料を用いる方法、米国特許第4
001140号、同4087376号、同408980
2号に記載の尿素−ホルムアルデヒド系、尿素ホルムア
ルデヒド−レゾルシノール系壁形成材料を用いる方法、
米国特許第4025455号に記載のメラミン−ホルム
アルデヒド樹脂、ヒドロキシブロビルセルロース等の壁
形成材料を用いる方法、特公昭36−9168号、特開
昭51−9079号に記載のモノマーの重合によるin
situ法、英国特許第952807号、同9650
74号に記載の電解分散冷却法、米国特許第31114
07号、英国特許第930422号に記載のスプレード
ライング法、特公平7−73069号、特開平4−10
1885号、特開平9−263057号に記載の方法等
が挙げられる。
【0195】マイクロカプセル化する方法としては、こ
れらに限定されるものではないが、本発明の記録材料に
おいては、特に、発色成分をカプセルの芯となる疎水性
の有機溶媒に溶解又は分散させ調製した油相を、水溶性
高分子を溶解した水相と混合し、ホモジナイザー等の手
段により乳化分散した後、加温することによりその油滴
界面で高分子形成反応を起こし、高分子物質のマイクロ
カプセル壁を形成させる界面重合法を採用することが好
ましい。
【0196】前記界面重合法は、短時間内に均一な粒径
のカプセルを形成することができ、生保存性に優れた記
録材料を得ることができる。
【0197】本発明において好ましいマイクロカプセル
は、常温では、マイクロカプセル壁(以下、単に「カプ
セル壁」という。)の物質隔離作用によりカプセル内外
の物質の接触が妨げられ、ある値以上に熱及び/又は圧
力が加えられた場合のみ、カプセル内外の物質の接触が
可能となるようなものである。この現象は、カプセル壁
の材料、カプセル芯物質(カプセルに内包する物質)、
添加剤等を適宜選択することにより、カプセルの物性の
変化として自由にコントロールすることができる。
【0198】本発明において使用しうるカプセル壁の材
料は、油滴内部及び/又は油滴外部に添加される。
【0199】前記カプセル壁の材料としては、例えば、
ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、
メラミン樹脂、ポリスチレン、スチレンメタクリレート
共重合体、スチレン−アクリレート共重合体等が挙げら
れる。中でも、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリカーボネートが好ましく、ポリ
ウレタン、ポリウレアがより好ましい。
【0200】前記高分子物質は、2種以上併用して用い
ることもできる。
【0201】前記水溶性高分子としては、例えば、ゼラ
チン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等
が挙げられる。
【0202】例えば、ポリウレタンをカプセル壁材とし
て用いる場合には、多価イソシアネート及びそれと反応
してカプセル壁を形成する第2物質(例えば、ポリオー
ル、ポリアミン)を水溶性高分子水溶液(水相)又はカ
プセル化すべき油性媒体(油相)中に混合し、水中に乳
化分散した後、加温することにより油滴界面で高分子形
成反応が起こし、マイクロカプセル壁を形成する。
【0203】前記多価イソシアネート及びそれと反応す
る相手のポリオール、ポリアミンとしては、米国特許第
3281383号、同3773695号、同37932
68号、特公昭48−40347号、同49−2415
9号、特開昭48−80191号、同48−84086
号に記載のものを使用することもできる。
【0204】本発明において、発色成分を含有するマイ
クロカプセルを形成する際、内包する発色成分は、該カ
プセル中に溶液状態で存在していても、固体状態で存在
していてもよい。
【0205】発色成分を溶液状態でカプセルに内包させ
る場合、発色成分である電子供与性無色染料又はジアゾ
ニウム塩化合物を有機溶媒に溶解した状態でカプセル化
すればよい。
【0206】前記有機溶媒としては、一般に、高沸点溶
媒の中から適宜選択することができ、リン酸エステル、
フタル酸エステル、アクリル酸エステル、メタクリル酸
エステル、その他のカルボン酸エステル、脂肪酸アミ
ド、アルキル化ビフェニル、アルキル化ターフェニル、
塩素化パラフィン、アルキル化ナフタレン、ジアリルエ
タン、常温で固体の化合物、オリゴマーオイル、ポリマ
ーオイル等が用いられる。
【0207】具体的には、特開昭59−178451〜
同59−178455号、同59−178457号、同
60−242094号、同63−85633号、特開平
6−194825号、同7−13310号〜同7−13
311号、同9−106039号の各公報及び特願昭6
2−75409号明細書に記載の有機溶剤が挙げられ
る。
【0208】また、カプセル化の際には、上記の有機溶
媒を使用せずに、いわゆるオイルレスカプセルとしても
よい。
【0209】前記有機溶媒の使用量としては、電子供与
性無色染料100重量部に対し、1〜500重量部が好
ましい。
【0210】また、カプセルに内包しようとする電子供
与性無色染料又はジアゾニウム塩化合物の前記有機溶媒
に対する溶解性が低い場合には、さらに補助溶剤とし
て、溶解性の高い低沸点溶媒を併用することもできる。
【0211】一方、前記有機溶媒を使用せずに前記低沸
点溶媒を使用することもできる。
【0212】前記低沸点溶媒としては、例えば、酢酸エ
チル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、
メチレンクロライド等が挙げられる。
【0213】前記油相を乳化分散する水相には、水溶性
高分子を溶解した水溶液を使用する。
【0214】前記水相中に油相を投入した後、ホモジナ
イザー等の手段により乳化分散を行うが、前記水溶性高
分子は、分散を均一かつ容易にしうる保護コロイドとし
ての作用を有するとともに、乳化分散した水溶液を安定
化させる分散媒としても作用する。
【0215】ここで、乳化分散をさらに均一に行い、よ
り安定な分散液とするためには、油相或いは水相の少な
くとも一方に界面活性剤を添加することができる。
【0216】前記保護コロイドとして含有させる水溶性
高分子としては、公知のアニオン性高分子、ノニオン性
高分子、両性高分子の中から適宜選択することができ
る。
【0217】アニオン性高分子としては、天然、合成の
いずれのものも用いることができ、例えば、−COO
−、−SO2 −等の連結基を有するものが挙げられ
る。
【0218】具体的には、アラビヤゴム、アルギン酸、
ベクチン等の天然物;カルボキシメチルセルロース、フ
タル化ゼラチン等のゼラチン誘導体、硫酸化デンプン、
硫酸化セルロース、リグニンスルホン酸等の半合成品;
無水マレイン酸系(加水分解物を含む)共重合体、アク
リル酸系(メタクリル酸系)重合体及び共重合体、ビニ
ルベンゼンスルホン酸系重合体及び共重合体、カルボキ
シ変成ポリビニルアルコール等の合成品が挙げられる。
【0219】ノニオン性高分子としては、ポリビニルア
ルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロ
ース等が挙げられる。
【0220】両性高分子としては、ゼラチン等が挙げら
れる。中でも、ゼラチン、ゼラチン誘導体、ポリビニル
アルコールが好ましい。
【0221】前記水溶性高分子は、0.01〜10重量
%の水溶液として用いられる。
【0222】前記界面活性剤としては、公知の乳化用界
面活性剤の中から適宜選択することができ、例えば、ア
ニオン性又はノニオン性の界面活性剤の中から、前記の
ように保護コロイドと作用し、沈殿や凝集を起こさない
ものを適宜選択して使用することができる。
【0223】具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸
ソーダ、アルキル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオ
クチルナトリウム塩、ポリアルキレングリコール(例え
ば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)等が
挙げられる。
【0224】前記界面活性剤の添加量としては、油相重
量に対し、0.1%〜5%が好ましく、0.5%〜2%
がより好ましい。
【0225】発色成分をはじめとする全ての含有成分
は、例えば、水溶性高分子、増感剤及びその他の発色助
剤等とともに、サンドミル等の手段により固体分散して
用いることもできるが、予め水に難溶性又は不溶性の高
沸点有機溶剤に溶解した後、これを界面活性剤及び/又
は水溶性高分子を保護コロイドとして含有する高分子水
溶液(水相)と混合し、ホモジナイザー等で乳化した乳
化分散物として用いることが好ましい。この場合、必要
に応じて、低沸点溶剤を溶解助剤として用いることがで
きる。
【0226】さらに、発色成分をはじめとする全ての含
有成分は、それぞれ別々に乳化分散することも、予め混
合してから高沸点溶媒及び/又は低沸点溶媒に溶解し、
乳化分散することも可能である。
【0227】乳化分散して形成する乳化分散粒子径とし
ては、1μm以下が好ましい。
【0228】乳化分散は、前記成分を含有した油相と界
面活性剤及び/又は保護コロイドとを含有する水相を、
高速撹拌、超音波分散等の微粒子乳化に用いる手段、例
えば、ホモジナイザー、マントンゴーリー、超音波分散
機、ディゾルバー、ケディーミル等の公知の乳化装置を
用いて容易に行うことができる。
【0229】乳化後は、カプセル壁形成反応を促進させ
る目的で、乳化物を30〜70℃に加温する。また、反
応中はカプセル同士の凝集を防止するために、加水して
カプセル同士の衝突確率を低下させたり、十分な攪拌を
行う等の必要がある。
【0230】一方、反応中に、別途凝集防止用の分散物
を添加することもできる。
【0231】前記カプセル壁形成反応の終点は、重合反
応の進行に伴って炭酸ガスの発生が観測され、その発生
の終息をもっておよその終点とみなすことができる。
【0232】通常、数時間反応を行うことにより、発色
成分を内包するマイクロカプセルを得ることができる。
【0233】本発明において、マイクロカプセルの平均
粒子径としては、20μm以下が好ましく、高解像度を
得る観点から、5μm以下がより好ましい。
【0234】また、形成したマイクロカプセル径が小さ
すぎると、一定固形分に対する表面積が大きくなり多量
の壁剤が必要となることから、前記平均粒子径は0.1
μm以上であることが好ましい。
【0235】本発明の記録材料を多色の記録材料として
用いる場合、記録材料の感光感熱記録層は、支持体上に
複数の単色の記録層を積層して構成され、その各記録層
には、それぞれ異なる色相に発色する電子供与性無色染
料又はジアゾニウム塩化合物を含有するマイクロカプセ
ルと、それぞれ最大吸収波長の異なる分光増感化合物を
含有する光重合性組成物と、が含有され、光照射した
際、その光源波長の違いにより各記録層が感光し、感光
感熱記録層の全体として多色画像を構成する。
【0236】また、感光感熱記録層を構成する各単色の
記録層間には、中間層を設けることもできる。中間層
は、主にバインダーから構成され、必要に応じて、硬化
剤やポリマーラテックス、フィルタ色素、雲母、紫外線
吸収剤等の添加剤を含有することができる。
【0237】前記フィルタ色素は、前記分光増感化合物
から選択して用いることもできるが、各中間層上層の分
光増感化合物と同一の光吸収波長を持つ化合物を使用す
ることが、高鮮鋭な画像を形成しうる点で好ましい。
【0238】前記フィルタ色素は、水中油滴分散法やポ
リマー分散法により乳化分散して、所望の層、特に中間
層中に添加することができる。
【0239】水中油滴分散法では、沸点が175℃以上
の高沸点溶媒又は30〜160℃の低沸点溶媒のいずれ
か一方の単独液、又は両者混合液中に前記フィルタ色素
を溶解した後、界面活性剤の存在下、水、ゼラチン水溶
液又はポリビニルアルコール水溶液等の水溶液中に微細
分散する。
【0240】前記高沸点溶媒としては、米国特許第23
22027号等に記載の溶媒が挙げられる。また、高沸
点溶媒、低沸点溶媒は、前述のマイクロカプセルの製造
時に用いた溶媒と同様の溶媒を用いることができる。
【0241】ポリマー分散法の工程、硬化及び含浸用の
ラテックスの具体例としては、米国特許第419938
3号、西独特許出願(OLS)第2541274号、同
第2541230号、特開昭49−74538号、同5
1−59943号、同54−32552号や「Rese
arch Disclosure Vol.148」
(1976年8月、Item 14850)等に記載の
ものを挙げることができる。
【0242】中でも、エチルアクリレート、n−ブチル
アクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−アセト
アセトキシエチルメタクリレート等のアクリル酸エステ
ル若しくはメタクリル酸エステル;アクリル酸;2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等の酸モ
ノマーの共重合ラテックスが好ましい。
【0243】本発明の記録材料において、保護層、感光
感熱記録層、中間層等の各層に用いるバインダーとして
は、前記光重合性組成物の乳化分散に用いるバインダー
と同様のもの、発色成分をカプセル化する際に用いる水
溶性高分子のほか、ポリスチレン、ポリビニルホルマー
ル、ポリビニルブチラール、ポリメチルアクリレート,
ポリブチルアクリレート,ポリメチルメタクリレート,
ポリブチルメタクリレートやそれらの共重合体等のアク
リル樹脂、フェノール樹脂、スチレン−ブタジエン樹
脂、エチルセルロース、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等
の溶剤可溶性高分子、或いは、これらの高分子ラテック
スを用いることもできる。
【0244】中でも、ゼラチン及びポリビニルアルコー
ルが好ましい。
【0245】本発明の記録材料を構成する各記録層に
は、塗布助剤、帯電防止、スベリ性改良、乳化分散、接
着防止等の種々の目的で、種々の界面活性剤を用いるこ
とができる。
【0246】界面活性剤としては、例えば、非イオン性
界面活性剤であるサポニン、ポリエチレンオキサイド、
ポリエチレンオキサイドのアルキルエーテル等のポリエ
チレンオキサイド誘導体やアルキルスルホン酸塩、アル
キルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホ
ン酸塩、アルキル硫酸エステル、N−アシル−N−アル
キルタウリン類、スルホコハク酸エステル類、スルホア
ルキルポリオキシエチレナルキルフェニルエーテル類等
のアニオン性界面活性剤、アルキルベタイン類、アルキ
ルスルホベタイン類等の両性界面活性剤、脂肪族又は芳
香族第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤
が挙げられる。
【0247】さらに、必要に応じ、例えば、染料、紫外
線吸収剤、可塑剤、蛍光増白剤、マット剤、塗布助剤、
硬化剤、帯電防止剤、滑り性改良剤等の添加剤を使用す
ることもできる。
【0248】前記添加剤の具体例は、「Researc
h Disclosure,Vol.176」(197
8年12月、Item 17643)及び「同Vol.
187」(1979年11月、Item 18716)
に記載されている。
【0249】本発明の記録材料では、感光感熱記録層、
中間層、保護層等の各層に硬化剤を併用することが好ま
しい。
【0250】特に、保護層中に硬化剤を併用し、保護層
の粘着性を低減させることが好ましい。
【0251】前記硬化剤としては、例えば、写真感光材
料の製造に用いられる「ゼラチン硬化剤」が有用であ
り、例えば、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド等
のアルデヒド系の化合物、米国特許第3635718号
等に記載の反応性のハロゲン化合物、米国特許第363
5718号等に記載の反応性のエチレン性不飽和基を有
する化合物、米国特許第3017280号等に記載のア
ジリジン系化合物、米国特許第3091537号等に記
載のエポキシ系化合物、ムコクロル酸等のハロゲノカル
ボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサン、ジクロ
ロジオキサン等のジオキサン類、米国特許第36424
86号や米国特許第3687707号に記載のビニルス
ルホン類、米国特許第3841872号に記載のビニル
スルホンブレカーサー類、米国特許第3640720号
に記載のケトビニル類が挙げられる。また、無機硬化剤
として、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、硼酸等も用
いることができる。
【0252】中でも、1,3,5−トリアクロイル−ヘ
キサヒドロ−s−トリアジン、1,2−ピスピニルスル
ホニルメタン、1,3−ビス(ビニルスルホニルメチ
ル)プロパノール−2、ビス(α−ビニルスルホニルア
セトアミド)エタン、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキ
シ−s−トリアジン・ナトリウム塩、2,4,6−トリ
エチレニミノ−s−トリアジンや硼酸等の化合物が好ま
しい。
【0253】前記硬化剤の添加量としては、バインダー
量に対し、0.5〜5重量%が好ましい。
【0254】各成分を必要に応じて溶媒中に溶解し、感
光感熱記録層用塗布液、保護層用塗布液等を調製した
後、所望の支持体上に塗布、乾燥することにより、本発
明の記録材料を得ることができる。
【0255】前記溶媒としては、水;メタノール、エタ
ノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブ
タノール、sec−ブタノール、メチルセロソルプ、1
−メトキシ−2−プロパノール等のアルコール;メチレ
ンクロライド、エチレンクロライド等のハロゲン系溶
剤;アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン
等のケトン類;酢酸メチルセロソルブ、酢酸エチル、酢
酸メチル等のエステル;トルエン;キシレン等の単独
物、及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。中
でも、水が特に好ましい。
【0256】感光感熱記録層用塗布液を支持体上に塗布
するには、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフ
コーター、ロールドクターコーター、リバースロールコ
ーター、トランスファーロールコーター、グラビアコー
ター、キスロールコーター、カーテンコーター、エクス
トルージョンコーター等を用いることができる。
【0257】塗布方法としては、「Rcscarch
Disclosurc,Vol.200」(1980年
12月,Item 20036 XV項)を参考に塗布
することができる。
【0258】感光感熱記録層又は感光感圧記録層の層厚
としては、0.1〜50μmの範囲であることが好まし
く、5〜35μmの範囲であることがより好ましい。
【0259】必要に応じて、支持体と感光感熱記録層と
の間、或いは、支持体の感光感熱記録層が設けらた側の
表面に、アンチハレーション層を、その裏側の表面には
スベリ層、アンチスタチック層、カール防止層、粘着剤
層等を設けることもできる。
【0260】また、支持体と感光感熱記録層との間に接
着層を設けて、用いた支持体を剥離紙として使用するシ
ール状の態様に構成することもできる。
【0261】支持体と感光感熱記録層との間、或いは、
透明支持体の場合は、支持体の感光感熱記録層を設けら
れていない側の表面に、前記アンチハレーション層を設
ける場合には、光照射又は熱により漂白可能なアンチハ
レーション層を設けることもできる。
【0262】光照射により漂白可能な層とする場合に
は、例えば、前述の分光増感化合物とボレート塩化合物
とを組合わせたもの(前記分光増感色素とボレート化合
物Iとの組合せ又はボレート化合物Iとボレート化合物
IIとの組合せ)を利用することができ、熱により漂白可
能な層とする場合には、例えば、熱により塩基又は求核
剤が発生し、共存する分光増感色素を漂白しうるような
構成が利用できる。
【0263】前記支持体と感光感熱記録層との間には、
酸素透過性の低い、ゼラチン、ポリビニルアルコール
(PVA)等のポリマーを含有してなる層を設けること
もでき、該層を設けることにより、形成画像の光酸化に
起因する退色を効果的に防止することができる。
【0264】前記のようにして得られた本発明の記録材
料は、様々な用途に利用することができる。
【0265】例えば、コピア、ファックス、カラープリ
ンター、ラベル、カラープルーフ、第2原図等の用途が
挙げられる。
【0266】本発明の記録材料は、潜像を形成するため
の露光と同時に又は露光後に、加熱を行うことにより、
画像形成できる。
【0267】露光工程では、層中の光重合性組成物が、
所望の画像形状のパターンに応じて露光され、潜像を形
成する。
【0268】前記露光工程において、画像形成用に用い
る光源としては、記録層中に特定領域に吸収を有する分
光増感化合物等の光吸収材料を用いることにより、紫外
〜赤外領域に光源波長を有する、公知の光源の中から適
宜選択することができる。具体的には、最大吸収波長が
300〜1000nmの範囲にある光源が好ましく、中
でも、装置の簡易小型化、低コスト化を達成しうる点
で、青色、緑色、赤色等のレーザー光源又はLEDがよ
り好ましい。
【0269】この場合、使用する分光増感化合物等の光
吸収材料の吸収波長に適合する波長を有する光源を適宜
選択することが好ましい。
【0270】一方、各記録層中には、光源に適合した光
吸収材料を選択的に使用することにより、青〜赤色の光
源や小型で安価な赤外レーザー等が使用でき、その用途
が広がるだけでなく、記録材料自体の高感度化、高鮮鋭
化を図ることもできる。
【0271】本発明の記録材料では加熱現像処理により
可視画像を形成することができる。
【0272】加熱現像処理の際の加熱方法としては、従
来公知の方法の中から適宜選択することができ、例え
ば、ヒートローラー等により処理することができる。
【0273】前記加熱温度としては、一般に、80〜2
00℃が好ましく、85〜130℃がより好ましい。
【0274】前記加熱温度が、80℃未満であると、発
色濃度が不十分となることがあり、200℃を超える
と、非画像部(地肌部)が着色したり、支持体に損傷を
受けることがある。
【0275】また、加熱時間としては、1秒〜5分が好
ましく、3秒〜1分がより好ましい。
【0276】前記加熱現像処理を施す場合、発色温度未
満の所定の温度で、記録材料全面を均一に予熱する過程
を設けることにより、さらに感度を向上させることがで
きる。
【0277】本発明の感光感熱記録材料は、前記記録方
法による態様のみならず、公知の他の記録方法にも使用
することができる。
【0278】例えば、サーマルヘッド等の加熱装置を用
いた感熱記録やコントラスト、画像品質向上を目的とし
て、国際出願WO95/31754号に記載の、3M社
提案のハロゲン化銀感光感熱記録材料に用いるレーザー
ビームを照射する際、そのビームスポットが所定の範囲
でオーバーラップするように照射することにより画像形
成する記録方法にも使用することができる。
【0279】即ち、潜像形成の際のレーザービームの照
射過程において、(1)目標対象物上で、高さ又は長さ
の少なくとも一方が600μm以下のビームスポットを
形成することのできる放射光源を用意し、また(2)こ
の光源に感光する記録材料を所定の目標位置に配置した
後に、まず、(3)前記光源が長さ又は幅の少なくとも
一方が250μm以下のビームスポットとなるよう調整
し、このビームを用いて画像分布に従い照射する。
(4)照射したスポットに対して、次に照射するビーム
の少なくとも幾つかのスポットがオーバーラップして照
射されるように、画像分布に従って照射する画像形成技
術、或いは、記録材料を露光して潜像を形成する方法に
おいて、(1)感光させるうる光源を用意し、(2)こ
の光源のビームスポットの高さ又は長さの一方が600
μm以下の小領域を複数照射し、そのうち、少なくとも
1つの小領域に要するエネルギーの少なくとも10%、
即ち、複数の小領域のうちの少なくとも10%が、他の
1つの小領域とオーバーラップするように照射する画像
形成技術、等を根幹とするものである。
【0280】また、特開昭60−195568号に記載
のキャノン(株)提案の記録方法も使用することができ
る。
【0281】即ち、記録材料面に照射するレーザービー
ムの入射角を傾けることにより、入射ビームが記録材料
の感光層界面で反射する反射ピッチをビームスポット径
より大きくし、記録材料に生ずる光干渉を防止する技術
を用いることにより、より高品質の画像を得ることがで
きる。
【0282】加熱現像処理後、感光感熱記録層表面を光
照射することにより、形成画像を定着し、かつ記録層中
に残存する分光増感化合物、ジアゾニウム塩化合物等の
地肌部の白色性を低下させる成分を消色、分解又は失活
させる。
【0283】従って、地肌部(非画像部)をはじめとす
る記録層中に残存する地肌部を着色している成分を除去
することができ、ジアゾニウム塩化合物を用いた場合に
は、残存するジアゾニウム塩化合物も失活して発色反応
を抑制できるため、形成画像の濃度変動を抑制でき、画
像保存性を大幅に向上させることができる。
【0284】定着工程で使用可能な光源としては、水銀
灯、超高圧水銀灯、無電極放電型水銀灯、キセノンラン
プ、タングステンランプ、メタルハライドランプ、蛍光
灯等の幅広い光源を好適に挙げることができる。
【0285】中でも、記録材料の感光感熱記録層又は感
光感圧記録層中に用いる光重合開始剤の吸収波長に適合
した波長を有する光源を適宜選択して使用することが好
ましい。
【0286】前記定着工程における光照射の方法として
は、特に限定されるものではなく、記録層表面全面を一
度に照射する方法でも、スキャニング等により記録面を
徐々に光照射し最終的に全面を照射する方法でもよい
が、ほぼ均一の照射光を用いて、最終的に画像形成後の
記録材料の記録面全体に照射することができる方法であ
ればよい。このように、記録面全体を光照射することが
本発明の効果をより効果的に奏する観点から好ましい。
【0287】前記定着工程における光照射時間として
は、形成画像を定着し、非画像部(地肌部)を十分に消
色しうる時間照射すればよいが、十分な画像定着性と消
色性を得ながら記録速度を低下させない観点から、数秒
〜数十分が好ましく、数秒〜数分がより好ましい。
【0288】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、
以下実施例中の「部」及び「%」は、それぞれ「重量
部」、「重量%」を表す。 <電子供与性無色染料内包マイクロカプセル液の調製> (1−a)電子供与性無色染料内包マイクロカプセル液
(I)の調製 酢酸エチル16.9gに、イエロー発色の下記電子供与
性無色染料(1)8.9gを溶解し、カプセル壁材(商
品名:タケネートD−110N,武田薬品工業(株)
製)20gとカプセル壁材(商品名:ミリオネートMR
200,日本ポリウレタン工業(株)製)2gとを添加
した。
【0289】得られた溶液を、8%フタル化ゼラチン4
2gと10%ドデシルベンゼンルスルホン酸ナトリウム
溶液1.4gとの混合液中に添加した後、温度20℃で
乳化分散し、乳化液を得た。次いで、得られた乳化液に
水14gと2.9%テトラエチレンペンタミン水溶液7
2gとを加え、攪拌しながら60℃に加温し、2時間経
過後、下記電子供与性無色染料(1)を芯とする、平均
粒径0.5μmのマイクロカプセル液(I)を得た。 (1−b)電子供与性無色染料内包マイクロカプセル液
(II)の調製 前記(1−a)で用いた下記電子供与性無色染料(1)
に代えて、マゼンタ発色の下記電子供与性無色染料
(2)を用いた以外、前記(1−a)と同様の方法によ
り、下記電子供与性無色染料(2)を芯とする、平均粒
径0.5μmのマイクロカプセル液(II)を得た。 (1−c)電子供与性無色染料内包マイクロカプセル液
(III)の調製 前記(1−a)で用いた下記電子供与性無色染料(1)
に代えて、シアン発色の下記電子供与性無色染料(3)
を用いた以外、前記(1−a)と同様の方法により、下
記電子供与性無色染料(3)を芯とする、平均粒径0.
5μmのマイクロカプセル液(III)を得た。
【0290】
【化32】
【0291】<光重合性組成物乳化液の調製> (2−a)光重合性組成物乳化液(1)の調製 前記に示した有機ボレート化合物(29)(ボレート化
合物I)0.6gと、前記に示した分光増感色素系ボレ
ート化合物(26)(ボレート化合物II)0.1gと、
高感度化を目的とした下記助剤(1)0.1gと、酢酸
イソプロピル(水への溶解度約4.3%)3gと、の混
合溶液中に、重合性基を有する下記電子受容性化合物
(1)5gを添加した。
【0292】得られた溶液を、13%ゼラチン水溶液1
3gと、下記2%界面活性剤(1)水溶液0.8gと、
下記2%界面活性剤(2)水溶液0.8gと、の混合溶
液中に添加し、ホモジナイザー(日本精機(株)製)を
用いて回転数10000回転で5分間乳化し、光重合性
組成物の乳化液(1)を得た。
【0293】
【化33】
【0294】
【化34】
【0295】(2−b)光重合性組成物乳化液(2)の
調製 前記(2−a)で用いた分光増感色素系ボレート化合物
(26)に代えて、前記に示した分光増感色素系ボレー
ト化合物(28)(ボレート化合物II)0.1gを用い
た以外、前記(2−a)と同様にして光重合性組成物乳
化液(2)を得た。 (2−c)光重合性組成物乳化液(3)の調製 前記(2−a)で用いた分光増感色素系ボレート化合物
(26)に代えて、前記に示した分光増感色素系ボレー
ト化合物(30)(ボレート化合物II)0.1gを用い
た以外、前記(2−a)と同様にして光重合性組成物乳
化液(3)を得た。 <感光感熱記録層用塗布液の調製> (3−a)感光感熱記録層用塗布液(1)の調製−〔イ
エロー〕 電子供与性無色染料内包マイクロカプセル液(I)4g
と、光重合性組成物乳化液(1)12gと、15%ゼラ
チン水溶液12gと、を混合し、感光感熱記録層用塗布
液(1)を調製した。 (3−b)感光感熱記録層用塗布液(2)の調製−〔マ
ゼンタ〕 電子供与性無色染料内包マイクロカプセル液(II)4g
と、光重合性組成物乳化液(2)12gと、15%ゼラ
チン水溶液12gと、を混合し、感光感熱記録層用塗布
液(2)を調製した。 (3−c)感光感熱記録層用塗布液(3)の調製−〔シ
アン〕 電子供与性無色染料内包マイクロカプセル液(III)4g
と、光重合性組成物乳化液(3)12gと、15%ゼラ
チン水溶液12gと、を混合し、感光感熱記録層用塗布
液(3)を調製した。 <中間層用塗布液の調製>15%ゼラチン水溶液4.5
gと、蒸留水4.5gと、前記2%界面活性剤(4)水
溶液0.3gを混合し、中間層用塗布液(1)を調製し
た。 <保護層用塗布液の調製>10%ゼラチン水溶液4.5
gと、蒸留水4.5gと、前記2%界面活性剤(3)水
溶液0.5gと、前記2%界面活性剤(4)水溶液0.
3gと、2%ビニルスルホン系化合物(硬膜剤)水溶液
0.5gと、乾燥塗布量を50mg/m2とした場合に
必要な量のサイロイド72(FUJI−DEVISON
CHEMICALLTD.製)と、スノーテックスN
1gと、を混合し、前記保護層用塗布液(1)を調製し
た。 (実施例1):多色発色 紙基材の両面に次のシートを押出積層することによっ
て、支持体を作製した。
【0296】感光感熱記録層側シート 中実延伸ポリピロピレンコア(総シート厚の約73%)
と、その両側に設けられた二酸化チタンで着色された微
小空隙のない延伸されたポリプロピレン層(二酸化チタ
ン含有率は30wt%)とを有した複合シート(38μ
m厚) 反感光感熱記録層側シート BICOR 70 MLT(Mobil Chemic
al Co.) 上記支持体の複合シート側に、コーティングバーを用い
て、前記感光感熱層用塗布液(3)(シアン発色)を塗
布層の乾燥重量が6g/m2 になるように塗布、乾燥
し、この層上に、中間層用塗布液(1)を、コーティン
グバーを用いて、乾燥重量が1.5g/m2 になるよ
うに塗布、乾燥した。
【0297】さらに、この中間層上に、感光感熱記録層
用塗布液(2)(マゼンタ発色)をコーティングバーを
用いて、塗布層の乾燥重量が6g/m2 になるように
塗布、乾燥し、この層上に、中間層用塗布液(1)を乾
燥重量が1.5g/m2 になるように塗布、乾燥し
た。
【0298】さらにこの層上に、感光感熱記録層用塗布
液(1)(イエロー発色)をコーティングバーを用いて
塗布層の乾燥重量が6g/m2 になるように塗布、乾
燥し、その層上に、保護層用塗布液(1)を、乾燥重量
が1.5g/m2 になるように塗布、乾燥して設け、
感光感熱記録材料を得た。 (実施例2)支持体を以下のものに変えた他は実施例1
の方法と同様の方法により、感光感熱記録材料を作成し
た。
【0299】次のシートを、紙基材の両面に押出積層す
ることによって複合支持体を作成した。
【0300】感光感熱記録層側シート OPPalyte 350 TW(Mobil Che
mical Co.)微小空隙を有し、延伸されたポリ
プロピレンコア(総シート厚の約73%)と、その両側
に設けられた、二酸化チタンで着色された、微小空隙の
ない延伸されたポリプロピレン層とを有した3層複合シ
ート(38μm厚)(d=0.62g/cc)であり、
空隙誘導物質は、ポリブチレンテレフタレートである。
【0301】反感光感熱記録層側シート BICOR 70 MLT(Mobil Chemic
al Co.) 中実延伸ポリプロピレンコアからなる、片側が艶消し仕
上げ処理されたポリプロピレンシート(18μm厚)
(d=0.9g/cc)である。 (比較例1)支持体を以下のポリエチレン被覆紙に変え
た他は実施例1の方法と同様の方法により感光感熱記録
材料を作成した。 ポリエチレン被覆紙の製造 出力17kWのコロナ放電にて処理した巾3m、平均重
量169g/m2の紙基材の裏面に表面マット粗さ10
μmのクーリングロールを用い、ポリエチレン(密度
0.967g/cm3のHDPE60wt%、密度0.
923g/cm3のLDPE40wt%)樹脂を溶融吐
出膜温度333℃、ラインスピード250m/分で多層
押出しラミネートし、厚さ27μmのポリエチレン樹脂
層を設けた。
【0302】次に、塗布液を塗布する側である紙基材の
表面に表面マット粗さ0.7μmのクーリングロールを
用い、LDPE(密度0.921g/m3比率85)と
二酸化チタン(比率15)の組成物をラインスピード2
50m/分で押出しラミネートし、厚さ28μmの耐水
性樹脂層を設け、その後表面には18kW、裏面には1
2kWのコロナ放電処理を施し、支持体を作製した。 <評価> (1)鮮鋭度 作成した感光感熱記録材料に解像力テストチャートを青
色露光、緑色露光、赤色露光で焼き付けて、熱現像し、
画像を定着させた後、イエロー画像、マゼンタ画像、シ
アン画像の濃度をマイクフォロトメーターにて測定し、
下記式で示される値を鮮鋭度とした。 鮮鋭度(%)=100×(10本/mm細線プリント画
像の(最高濃度−最低濃度))/(大面積部での(最高
濃度−最低濃度)) この値が大きい程、鮮鋭度が優れていることを示す。 (2)耐熱性 熱現像後の支持体にブリスターが形成されているか否か
を目視で検査した。×は実用不可、○は優を示す。
【0303】結果を表1に示す。
【0304】
【表1】
【0305】本実施例の感光感熱記録材料は耐熱性に優
れていることがわかる。また、感光感熱記録層側に微小
空隙を有する複合シートを使用した実施例2は鮮鋭度が
非常に優れていることがわかる。
【0306】
【発明の効果】また、本発明の記録材料によれば、地肌
部の白色性及び耐熱性に優れるとともに、高感度かつ高
鮮鋭の高画質な白黒又はカラーの画像を提供することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA01 AA10 AB20 AC01 AD03 BC12 BC31 CA00 CC14 DA19 DA20 FA26 FA28 2H096 AA30 BA01 EA14 GA52 HA01 2H111 HA09 HA12 HA35

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二軸延伸ポリマーシートを含む支持体上
    に、熱応答性マイクロカプセルに内包された発色成分A
    と、同一分子内に前記発色成分Aと反応して発色させる
    部位及び重合性基を有する実質的に無色の化合物Bと光
    重合開始剤とを含む、熱応答性マイクロカプセル外部の
    光重合性組成物とを含有する感光感熱記録層を有するポ
    ジ型感光感熱記録材料。
  2. 【請求項2】 前記二軸延伸ポリマーシートが、微小空
    隙を有する、延伸されたポリマーコア層と、前記ポリマ
    ーコア層の少なくとも片面に設けられ、TiO2で着色
    した微小空隙を有しない、延伸されたポリマー表面層と
    を備えた複合シートであることを特徴とする請求項1に
    記載のポジ型感光感熱記録材料。
  3. 【請求項3】 前記支持体が、基材シートと前記基材シ
    ートの少なくとも片面に設けられた前記二軸延伸ポリマ
    ーシートとを備えた複合支持体である請求項1又は2に
    記載のポジ型感光感熱記録材料。
  4. 【請求項4】 前記支持体が、前記基材シートの少なく
    とも片面に前記二軸延伸ポリマーシートが押出しにより
    積層されたことを特徴とする請求項3に記載のポジ型感
    光感熱記録材料。
  5. 【請求項5】 前記二軸延伸ポリマーシートがポリプロ
    ピレンで形成される請求項1から4のいずれか1項に記
    載のポジ型感光感熱記録材料。
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